JP2000061369A - エアゾ―ル用遅延噴射装置 - Google Patents

エアゾ―ル用遅延噴射装置

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JP2000061369A
JP2000061369A JP11143470A JP14347099A JP2000061369A JP 2000061369 A JP2000061369 A JP 2000061369A JP 11143470 A JP11143470 A JP 11143470A JP 14347099 A JP14347099 A JP 14347099A JP 2000061369 A JP2000061369 A JP 2000061369A
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aerosol
introduction chamber
delayed
injection
injection device
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JP11143470A
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English (en)
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Shusaku Tsutsumi
周作 堤
Yukiya Kubo
之哉 久保
Takahiro Hasegawa
隆啓 長谷川
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Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステムの押圧後にほどよくエアゾール内容物
が遅延物に接触し、規定時間後にエアゾール内容物を噴
射するエアゾール用遅延噴射装置を提供する。 【解決手段】 本発明のエアゾール用遅延噴射装置1
は、導入室6を内部に有する操作部本体2を備えてい
る。操作部本体2には、導入室と外部とを接続する噴射
部4と排気部5とが形成されている。そして、噴射部4
には当該噴射部を遮蔽するように遅延物8が配置され、
排気部5には当該排気部5を遮蔽する内圧調整部材9が
配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルブの開弁操作
後に一定の時間が経過してから、エアゾール内容物の噴
射を行うエアゾール用遅延噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、密閉室内に殺虫剤等を大量に噴霧
して、ゴキブリやダニ等の害虫を駆除するために、開弁
操作後にエアゾール内容物を連続的に噴射する噴射装置
が用いられている。
【0003】しかし、前記した噴射装置では、開弁操作
後に直ちにエアゾール内容物を噴射する機構となってい
るため、噴射装置を室内に設置して開弁操作を行う操作
者の体に内容物が付着したり、操作者が内容物を吸い込
んだりする心配があった。そこで操作者が開弁操作を行
った後、所定時間エアゾール内容物の噴射を行わず、操
作者が室外に退去してから噴射を開始する、エアゾール
用遅延噴射装置が提案されている。
【0004】特公平5−61975号公報には、図6お
よび図7に示すようなエアゾール用遅延噴射装置が開示
されている。エアゾール用遅延噴射装置61は胴部62
を有し、胴部62の上端には目金63が固着されてい
る。そして目金63上端にはカール部64を介してマウ
ンテンカップ65が固定され、マウンテンカップ65の
中央からはステム66が突出されている。さらにカール
部64の外周には段付き筒状の固定体67の下端が固着
され、固定体67の内周面に形成されたねじ部には操作
部70が上下動可能に螺着されている。
【0005】操作部70の下端部にはステム66が挿入
されるとともにステム66先端が当接されている。ステ
ム66先端の噴出口は連通路71を介して導入室72に
連通している。導入室72の図中上方には開放室73が
設けられているが、両室72,73をつなぐ噴射通路7
4には遅延物75が充填され、当該噴射通路74を遮蔽
している。開放室73は、操作部70先端に設けられた
ノズル76に連通している。
【0006】このように構成した装置において、操作部
70をマウンテンカップ65の方向に螺入してステム6
6を押圧すると、ステム66からエアゾール内容物が噴
出して、導入室72内の圧力を上昇させる。そして、導
入室72内の圧力が規定値以上に上昇すると、遅延物7
5は変形されて噴射通路74端部との係合が外れ、開放
室73内に放出される。噴射通路74の開放に伴ってノ
ズル76からエアゾール内容物の噴射が開始される。こ
の装置によれば、ステム66の押圧後に導入室72内の
圧力が規定値以上に上昇するまでの間、エアゾール内容
物は噴射されないので、操作者は安全に室外に退去する
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したエアゾール用
遅延噴射装置61においては、遅延物75が放出される
空間として開放室73が必要とされていたため、装置が
大型化するという不具合があった。そこで、変形により
開放室73に放出され噴射通路74を開放する遅延物7
5の代わりに、エアゾール内容物によって溶解したり、
劣化したりする遅延物を噴射通路に充填することが考え
られた。しかしながら、このような遅延物を用いた場
合、ステム66の押圧後にエアゾール内容物を、速やか
に導入室72内に流入させてその遅延物に接触させる必
要があるが、導入室72は既に空気で充満されているの
でエアゾール内容物が導入室72内に流入しにくかっ
た。したがって、エアゾール内容物によって予期した通
りに遅延物を溶かして噴射通路を開放することが困難だ
った。
【0008】本発明は前記課題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ステムの押圧後に速やかにエアゾール
内容物が遅延物に接触し、規定時間後にエアゾール内容
物の噴射を開始するエアゾール用遅延噴射装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、下記構成によって達成される。 (1) エアゾール容器のステムの外方に配置された導
入室と、前記導入室を通過したエアゾール内容物を噴射
するノズルとを備え、前記導入室とノズルとの間に形成
される噴射部に、前記エアゾール内容物との接触により
当該噴射部を規定時間後に開放する遅延物が配置され、
前記導入室内の空気を排出する排気部に、内圧調整部材
が配置されていることを特徴とするエアゾール用遅延噴
射装置。 (2) 前記内圧調整部材が通気部材からなることを特
徴とする前記(1)に記載のエアゾール用遅延噴射装
置。 (3) 前記通気部材が焼結体からなることを特徴とす
る前記(2)に記載のエアゾール用遅延噴射装置。 (4)前記導入室の内壁面に、前記噴射部に連通する複
数の開口が、当該内壁面の周方向に所定の間隔を隔てて
設けられ、筒状の遅延物が、その外壁面が前記開口を塞
ぐように配置されていることを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれかに記載のエアゾール用遅延噴射装置。 (5) 前記遅延物がシリコーンゴムからなることを特
徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のエアゾ
ール内容物遅延噴射装置。
【0010】ここで内圧調整部材としては、例えば、ガ
ス吸着剤(活性炭、ゼオライト)や、通気部材等を採用
できる。通気部材であれば、空気は通過できるがエアゾ
ール粒子は通過できない程度の孔径の孔を有する材質か
らなる部材を採用でき、例えば、微多孔性フィルム、焼
結体、連続気泡の気泡倍率を調整したスポンジ、不織布
(スパンボンド)、布帛など、高分子多孔体、樹脂多孔
体、毛細管現象のあるもの等を挙げることができる。遅
延物としては、シリコーンゲル、シリコーンゴム、ロジ
ンエステル等の高粘度体などを使用できる。
【0011】噴射部および排気部は、気体が通過できる
通路や開口であることが好ましい。
【0012】前記(1)の構成によれば、ステムの押圧
後に導入室内の空気は、導入室に入ってこようとするエ
アゾール内容物に押されることにより、内圧調整部材を
通過して排出される。そして、導入室内にはエアゾール
内容物が流入する。したがって、エアゾール内容物が速
やかに遅延物に接触し、規定時間後にノズルからエアゾ
ール内容物の噴射が開始される。なお、エアゾール内容
物が内圧調整部材から漏れることはない。前記(2)の
構成によれば、導入室内の空気の排気が極めて円滑に行
われる。前記(3)の構成によれば、コストダウンを図
ることができる。前記(4)の構成によれば、遅延物が
噴射部に連通する複数の開口を塞ぐように配置されてい
るので、エアゾール内容物によって少なくとも何れかの
開口が確実に開放される。したがって装置の動作不良が
生じにくい。前記(5)の構成によれば、シリコーンゴ
ムがエアゾール内容物に含まれるジメチルエーテル(D
ME)や灯油で激しく膨潤したり劣化したりするので、
噴射部が確実に開放される。
【0013】エアゾール内容物には、以下のようなもの
を適用することができる。噴射剤としては、液化ガス、
圧縮ガスを問わない。代表的には、ジメチルエーテル、
液状プロパンガス(LPG)、n−ブタン、イソブタ
ン、プロパン、イソペンタン、n−ペンタン、シクロペ
ンタン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、エ
チルエーテル、炭酸ガス、窒素ガスおよび使用上問題が
ないフロンガス(HCFC22、123、124、41
b、142b、225、HFC125、134a、14
3a、152a、12、227a)などを挙げることが
できる。
【0014】溶媒としては、水、アルコール類:例えば
メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルなど、ケト
ン類:例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなど、エステル類:例えば酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピ
ルなど、その他エチルエーテルなど、及び脂肪族炭化水
素類:例えばn−ヘキサン、ケロシン、灯油、n−ペン
タン、イソペンタン、シクロペンタンなどが挙げられ
る。これら溶媒は混合して使用しても良い。
【0015】有効成分としては、殺虫剤、殺菌剤、殺ダ
ニ剤、忌避剤、芳香剤、消臭剤などを挙げることができ
る。殺虫剤としては安全性の観点からピレスロイド系の
化合物を用いることが好ましく、代表的なものを例示す
ると、次のとおりである。 ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマ
ート(一般名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工
業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマー
ト(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社
製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商
品名バイオアレスリン:ユクラフ社製) ・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シク
ロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品
名エキスリン:住友化学工業株式会社製、商品名エスバ
イオール:ユクラフ社製) ・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品
名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・5−プロパギル−2−フリルメチル−d−シス/トラ
ンス−クリサンテマート(一般名フラメトリン、商品名
ピナミンDフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピ
ニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス
−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エト
ック:住友化学工業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,
3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一
般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−
ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/
トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商
品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−
ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォル
テ:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリ
サンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリ
ン:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3
−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1
−シクロプロパンカルボオキシラート(一般名ペルメト
リン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製) ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−
シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノト
リン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製) ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル dl−
シス/トランス−3−(2,2−ジメチル−1−シクロ
プロパンカルボキシラート(一般名サイパーメスリン) ・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベン
ジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメ
チル−1−シクロプロパンカルボキシレート(一般名ト
ランスフルスリン) ・イミプロトリン
【0016】また、その他の殺虫剤として、カーバメイ
ト系のものとしてプロポクサー、オキサジアゾール系の
ものとしてメトキサジアゾン、有機リン系のものとして
DDVPなどを挙げることができる。
【0017】配合可能な害虫忌避剤としては、代表的な
ものを例示すると、次の物質が挙げられる。 ・2,3,4,5−ビス(△2−ブチレン)−テトラヒ
ドロフルフラール ・ジ−n−プロピルイソシンコメロネート ・ジ−n−ブチルサクシネート ・2−ヒドロキシエチルオクチルサルフアイド ・2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・1−エチニル−2−メチル−ペンテニル2,2,3,
3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル2,2−
ジメチル−3−(2′,2′−ジクロルビニル)−シク
ロプロパン−1−カルボキシレート ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル2,2−
ジメチル−3−(2′−1′−プロピペニル)−シクロ
プロパン−1−カルボキシレート ・N−ヘキシル−3,4−ジクロルマレイミドなどであ
る。
【0018】配合可能な殺ダニ剤としては、代表的なも
のを例示すると、次の物質が挙げられる。フェノトリ
ン、ペルメトリン、レストメリン、IBTA、IBT
E、第4級アンモニウム塩、安息香酸ベンジル、安息香
酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニ
ル、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニル−
エチルカルボナート、4−クロルフェニール−3−ヨー
ドプロパルギルホルマールなどである。
【0019】配合可能な昆虫幼若ホルモンとしては、幼
若ホルモン、アンチ幼虫ホルモン、脱皮阻害ホルモンな
ど、代表的には、メトプレン、ハイドロプレン、ピリプ
ロキシフェン、フェノキシカーブ、イミダゾール系(1
−メチル−5−(2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジ
エニル)イミダゾール、1−エチル−5−(2,6−ジ
メチル−1,5−ヘプタジエニル)イミダゾール)など
である。
【0020】配合可能な殺菌剤としては、パラ−クロロ
−メタキシレノール(PCMX)、2,4,4′−トリ
クロロ−2′−ハイドロキシジフェニルエーテル(イル
ガサンDP−300)、3−ヨード−2−プロピニルブ
チルカーバメート(トロイサン)などが挙げられる。
【0021】また、配合可能な芳香剤としては、じゃ
香、ベルガモット油、シンナモン油、シトロネラ油、レ
モン油、レモングラス油などの天然香料、ピネン、リモ
ネン、リナロール、メントール、ボルネオール、オイゲ
ノール、シトラール、シトロネラール、ヘリオトピン、
ワニリンなどの人造香料などが挙げられる。
【0022】配合可能な消臭剤としては、ラウリルメタ
クリレート、ゲラニルクロトネート、ミリスチル酸アセ
トフエノン、パラメチルアセトフエノンベンゾアルデヒ
ドなどが挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃
至図5に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明す
る実施形態において、既に説明した部材等については、
図中に同一符号または相当符号を付すことにより説明を
簡略化あるいは省略する。
【0024】図1に、本発明の第1実施形態を示す。エ
アゾール用遅延噴射装置1は、段付き円柱状の操作部本
体2を有している。操作部本体2には、大径部側の端面
(図では下端面)から小径部側の端面(図では上端面)
に向かって延びる穴が穿設されている。操作部本体2
は、大径部の外周面に形成されたねじ部を介して、固定
体67の内周面に形成されたねじ部に上下動可能に螺着
されている。そして操作部本体2の穴には下方からステ
ム66が挿入されている。ステム66先端は、操作部本
体2の穴内に固着された、円板状の当接板12aと当接
板12a周縁から垂下された周壁とを有する当接部12
の、当接板12aの下面に当接されている。なお、初期
状態においてステム66先端は当接板12a下面から離
れていてもよい。
【0025】当接板12aによって操作部本体2の穴が
上下に区画され、操作部本体2内における当接板12a
上方に導入室6が形成されている。ステム66先端の噴
出口は、当接板12aに設けられた連通路13を介して
導入室6に連通している。操作部本体2は、天板と周壁
とを有するキャップ3によって外側から覆われている。
キャップ3はその周壁の下端を、操作部本体2の大径部
に固着されている。キャップ3の天板には、ノズル11
を有する噴口部10が嵌着されている。また、キャップ
3の内面と操作部本体2の外面との間には空洞部7が形
成されている。
【0026】そして操作部本体2の小径部の周壁には、
導入室6と空洞部7とを連通する噴射通路4が設けら
れ、操作部本体2の小径部側の端壁には、導入室6と空
洞部7とを連通する排気通路5が設けられている。そし
て、噴射通路4の導入室6側には当該噴射通路を遮蔽す
る遅延物8が配置され、排気通路5の導入室6側には内
圧調整部材として、通気部材であるセラミック焼結体9
が配置されている。セラミック焼結体としては、空孔率
が10〜40%のものを用いることが好ましく、更に好
ましくは、20〜30%のものを用いることが好まし
い。
【0027】次に、本実施形態の作用を説明する。最
初、導入室6内は空気で充満されている。先ずキャップ
3を回転して、操作部本体2をステム66の方向に螺入
すると、当接板12aによってステム66が押下され、
ステム66からエアゾール内容物が噴出する。すると導
入室6内の空気は、連通路13を介して導入室6内に入
ってこようとするエアゾール内容物によって押し上げら
れて、セラミック焼結体9を通過するとともに排気通路
5を通って空洞部7に排出される。
【0028】この時、排出された空気に代わってエアゾ
ール内容物が導入室6内に流入するが、エアゾール粒子
はセラミック焼結体9を通過できないので、導入室6内
にはエアゾール内容物が充満し、エアゾール内容物が遅
延物8に接触する。そして、規定時間後に、遅延物8が
エアゾール内容物によって溶解されたり劣化されたり、
剥離したり、空洞部7に放出されたりして噴射通路4を
開放する。
【0029】すると、導入室6内のエアゾール内容物
は、噴射通路4を通って空洞部7に流入するとともに、
空洞部7内の空気を押し上げてノズル11から排出す
る。最後に、空洞部7内に充満したエアゾール内容物が
ノズル11から外部に噴射される。
【0030】以上説明したようなエアゾール用遅延噴射
装置1においては、ステム66の押圧後に導入室6内の
空気は、エアアゾール内容物によって押し上げられるこ
とにより、セラミック焼結体9を通過して導入室6から
排出される。したがって、エアゾール内容物がほどよく
導入室6内に流入するとともに遅延物8に接触するの
で、正確な規定時間後にノズル11からのエアゾール内
容物の噴射が開始される。
【0031】そして、通気部材としてセラミック焼結体
9を用いているので、部品コストを抑制できるととも
に、加工しやすいため生産性が良い。また、キャップ3
によって空洞部7を形成したことにより、エアゾール内
容物は噴射前に膨張・収縮を繰り返してその粒度を均一
化される。したがってエアゾール内容物が、良好な状態
でノズル11から噴射される。
【0032】図2に、本発明の第2実施形態を示す。本
実施形態においては、エアゾール用遅延噴射装置21の
操作部本体22に、ステム66先端が当接する当接部3
2が一体的に形成されている。そして操作部本体22
は、固定体47に形成されたテーパ面47a上に載置さ
れている。操作部本体22内には導入室26が形成さ
れ、ステム66先端の噴出口は当接部32に設けられた
連通路33を介して導入室26に連通している。
【0033】操作部本体22の上端壁には、導入室26
と外部とを連通する噴射通路24が設けられ、操作部本
体22の小径部の周壁には、導入室26と外部とを連通
する排気通路25が設けられている。そして噴射通路2
4の導入室26側には当該噴射通路を遮蔽する遅延物2
8が配置され、噴射通路24の外部側にはノズル11を
有する噴口部10が嵌着されている。また、排気通路2
5内にはセラミック焼結体29が充填されている。排気
通路25内には挿着した焼結体を係止して抜けを阻止す
る突起が設けられている。
【0034】以下、本実施形態の作用を説明する。先
ず、操作部本体22をステム66の方向に押圧すると、
操作部本体22はテーパ面47a上を摺動するとともに
ステム66を押圧する。操作部本体22がテーパ面47
aを通過した後に操作部本体22の押圧を解除すると、
操作部本体22はマウンテンカップ65内のばねによっ
て今度は上方に付勢されて、固定体47の係止面47b
に係止される。この状態でステム66からはエアゾール
内容物が連続的に噴出される。
【0035】ステム66からエアゾール内容物が噴出す
ると、導入室26内の空気はエアゾール内容物によって
押し上げられて、セラミック焼結体29を通過して外部
に排出される。この時、エアゾール内容物が導入室26
内に流入して、エアゾール内容物が遅延物28に接触す
る。そして、規定時間後に遅延物28が、エアゾール内
容物によって溶解されたり劣化されたりして噴射通路2
4を開放する。これにより、エアゾール内容物がノズル
11から外部に噴射される。
【0036】このようなエアゾール用遅延噴射装置21
によれば、部品数が少ないため、コストダウンを図るこ
とができる。
【0037】図3に、本発明の第3実施形態を示す。こ
のエアゾール用遅延噴射装置51においては、操作部本
体52自身が、セラミック焼結体からなっている。した
がって、操作部本体52の全体が排気部として機能する
ため、排気用の通路などを設けなくてもよい。このよう
なエアゾール用遅延噴射装置51によれば、操作部本体
52の形成が容易で、部品数も少ないため、一層のコス
トダウンを図ることができる。
【0038】図4に、本発明の第4実施形態を示す。な
お、図4および次の図5においてステム66及び固定体
67の図示は省略した。図4に示すエアゾール用遅延噴
射装置81においては、導入室86の周壁面に、噴射通
路84に連通する複数の(例えば4個の)開口が当該周
壁面に、周方向に所定の間隔を隔てて設けられている。
そして、ここではリング状の遅延物88が、その遅延物
88の外壁面が前記開口を塞ぐように、導入室86内に
配置されている。なお、導入室86の上壁は通気部材8
9によって構成されており、その壁である通気部材89
を隔てて導入室86の反対側には噴射通路84が延びて
いる。
【0039】本実施形態において、エアゾール内容物が
連通路33を介して導入室86内に流入すると、導入室
86内の空気は、通気部材89を通過して噴射通路84
に至り、更にノズル11から外部に排気される。すなわ
ち本実施形態においては噴射通路84が排気通路の機能
も兼ねている。その後、エアゾール内容物がリング状遅
延物88にその内壁面から接し、当該遅延物88を劣化
させる。
【0040】以上のような構成のエアゾール用遅延噴射
装置81によれば、リング状遅延物88が、導入室86
壁面に複数設けられた、噴射通路84に連通する開口を
塞ぐように配置されているので、エアゾール内容物が遅
延物88に接する面積が広く、エアゾール内容物によっ
て少なくとも何れかの開口が確実に開放される。したが
って、エアゾール内容物が遅延物にあたらず、導入室8
8と噴射通路84とを連通できなかったり、規定時間後
にエアゾール内容物が噴射されなかったり等の、装置の
動作不良が生じにくい。また、噴射通路84が排気通路
の機能も果たすので、排気通路を設けなくてよく、構成
が簡略化される。
【0041】図5に、本発明の第5実施形態を示す。図
5に示すエアゾール用遅延噴射装置91においては、操
作部本体92の上端壁に排気開口95及びその開口を塞
ぐ通気部材99が配置されている。また、前記上端壁の
中央部には、有底筒状の部材が垂下されており、その部
材の内部空間が噴射通路94となっている。さらに筒状
部材の周壁には、噴射通路94と導入室96とを連通す
る開口が設けられており、その開口の導入室96側に、
シリコーンゴムからなる遅延物が貼着されている。
【0042】以上のような構成のエアゾール用遅延噴射
装置91によれば、導入室96内に流入したエアゾール
内容物がシリコーンゴムからなる遅延物98に接する
と、遅延物98は、エアゾール内容物に含まれるジメチ
ルエーテル(DME)や灯油で激しく膨潤したり劣化し
たりし、円筒状部材に設けられた開口が確実に開放され
る。したがって動作不良を生じにくい。また、シリコー
ンゴムからなる遅延物98を円筒状部材の周壁外面に貼
り付ける構成になっているので、操作部本体92に遅延
物を一体的に設ける場合等に比べて製造が容易である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエアゾー
ル用遅延噴射装置は、導入室とノズルとの間に形成され
た噴射部に遅延物が配置され、導入室内の空気を排出す
る排気部に内圧調整部材が配置されている。したがっ
て、ステムの押圧後に、導入室内の空気は内圧調整部材
を通って排出され、導入室内にエアゾール内容物が流入
するので、エアゾール内容物がほどよく遅延物に接触
し、規定時間後にエアゾール内容物の噴射が開始され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明の第2実施形態を示す概略断面図であ
る。
【図3】本発明の第3実施形態を示す概略断面図であ
る。
【図4】本発明の第4実施形態を示す概略断面図であ
る。
【図5】本発明の第5実施形態を示す概略断面図であ
る。
【図6】従来のエアゾール用遅延噴射装置を示す図であ
る。
【図7】図6のエアゾール用遅延噴射装置の要部を示す
図である。
【符号の説明】
1,21,51、81,91 エアゾール用遅延噴射装
置 2,22,52、82,92 操作部本体 3 キャップ 4,24,84,94 噴射通路(噴射部) 5,25,95 排気通路(排気部) 6,26,86,96 導入室 7 空洞部 8,28,88,98 遅延物 9,29,89,99 セラミック焼結体(通気部材) 10 噴口部 11 ノズル 66 ステム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアゾール容器のステムの外方に配置さ
    れた導入室と、前記導入室を通過したエアゾール内容物
    を噴射するノズルとを備え、前記導入室とノズルとの間
    に形成される噴射部に、前記エアゾール内容物との接触
    により当該噴射部を規定時間後に開放する遅延物が配置
    され、前記導入室内の空気を排出する排気部に、内圧調
    整部材が配置されていることを特徴とするエアゾール用
    遅延噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記内圧調整部材が通気部材からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエアゾール用遅延噴射
    装置。
  3. 【請求項3】 前記通気部材が焼結体からなることを特
    徴とする請求項2に記載のエアゾール用遅延噴射装置。
  4. 【請求項4】前記導入室の内壁面に、前記噴射部に連通
    する複数の開口が、当該内壁面の周方向に所定の間隔を
    隔てて設けられ、筒状の遅延物が、その外壁面が前記開
    口を塞ぐように配置されていることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のエアゾール用遅延噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記遅延物がシリコーンゴムからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアゾ
    ール内容物遅延噴射装置。
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