JP2000060473A - 大豆粉末の製造方法、豆腐の製造方法及び大豆用摩砕装置 - Google Patents
大豆粉末の製造方法、豆腐の製造方法及び大豆用摩砕装置Info
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- JP2000060473A JP2000060473A JP10237067A JP23706798A JP2000060473A JP 2000060473 A JP2000060473 A JP 2000060473A JP 10237067 A JP10237067 A JP 10237067A JP 23706798 A JP23706798 A JP 23706798A JP 2000060473 A JP2000060473 A JP 2000060473A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価に実施できると共に、豆腐らしい風味を
保持した豆腐を製造することができる大豆粉末の製造方
法を提供する。 【解決手段】 原料大豆の投入用ホッパと、固定刃と回
転刃とが相対して設けられ、該ホッパから供給された原
料大豆を摩砕する摩砕装置を用いた大豆粉末の製造方法
において、前記原料大豆として、水分量が15重量%以
下のものを用いることを特徴とする。これにより、特別
な摩砕装置を使用しなくても、摩砕中の油脂分の浸出量
を少なくし、油脂分が失われない状態で粉末化すること
ができる。
保持した豆腐を製造することができる大豆粉末の製造方
法を提供する。 【解決手段】 原料大豆の投入用ホッパと、固定刃と回
転刃とが相対して設けられ、該ホッパから供給された原
料大豆を摩砕する摩砕装置を用いた大豆粉末の製造方法
において、前記原料大豆として、水分量が15重量%以
下のものを用いることを特徴とする。これにより、特別
な摩砕装置を使用しなくても、摩砕中の油脂分の浸出量
を少なくし、油脂分が失われない状態で粉末化すること
ができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大豆粉末の製造方
法、該方法の実施により得られる大豆粉末を用いた豆腐
の製造方法、及び前記大豆粉末の製造方法の実施に適す
る大豆用摩砕装置に関する。
法、該方法の実施により得られる大豆粉末を用いた豆腐
の製造方法、及び前記大豆粉末の製造方法の実施に適す
る大豆用摩砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、豆腐は、大豆を洗浄してから水に
浸漬し、次に摩砕した後、煮沸し、さらに、ろ過して豆
乳を絞り出し、この豆乳を凝固するという工程を経てか
ら、所定の大きさに、裁断することにより製造される。
このため、豆腐の製造には、十数時間要するのが通常で
あると共に、皮付きの大豆を粉砕してろ過するため、ろ
過の際に大量のおからが発生するという問題が指摘され
ている。おからは、もちろん、食することができ、販売
もされているが、おからの発生量に対する販売量はきわ
めて低く、その多くは産業廃棄物として処分されている
のが現状で、この処分に要する費用が各豆腐店において
は大きな負担となっている。
浸漬し、次に摩砕した後、煮沸し、さらに、ろ過して豆
乳を絞り出し、この豆乳を凝固するという工程を経てか
ら、所定の大きさに、裁断することにより製造される。
このため、豆腐の製造には、十数時間要するのが通常で
あると共に、皮付きの大豆を粉砕してろ過するため、ろ
過の際に大量のおからが発生するという問題が指摘され
ている。おからは、もちろん、食することができ、販売
もされているが、おからの発生量に対する販売量はきわ
めて低く、その多くは産業廃棄物として処分されている
のが現状で、この処分に要する費用が各豆腐店において
は大きな負担となっている。
【0003】このような背景に鑑み、従来、製造時間の
短縮化、おからの発生量の低減を目的とした手段がいく
つか提案されている。例えば、特開昭52−90678
号公報には、大豆の乾燥微粉末を用いて煮沸して豆乳と
し、ろ過後、凝固させる手段が開示されている。この方
法によれば、各豆腐店における作業としては、作業開始
当初から大豆の乾燥微粉末を用いるため、おからがほと
んど発生しない点で優れている。しかしながら、該公報
には、大豆を微粉末化する方法について全く開示されて
いない。該公報に示された方法を実施するに当たって、
市販されている乾燥微粉末を用いて豆腐を製造すること
も行われているが、現在市販されている大豆の乾燥微粉
末を用いて製造した豆腐は、豆腐らしい風味に欠けると
言われ、消費者に受け入れられ難い面がある。
短縮化、おからの発生量の低減を目的とした手段がいく
つか提案されている。例えば、特開昭52−90678
号公報には、大豆の乾燥微粉末を用いて煮沸して豆乳と
し、ろ過後、凝固させる手段が開示されている。この方
法によれば、各豆腐店における作業としては、作業開始
当初から大豆の乾燥微粉末を用いるため、おからがほと
んど発生しない点で優れている。しかしながら、該公報
には、大豆を微粉末化する方法について全く開示されて
いない。該公報に示された方法を実施するに当たって、
市販されている乾燥微粉末を用いて豆腐を製造すること
も行われているが、現在市販されている大豆の乾燥微粉
末を用いて製造した豆腐は、豆腐らしい風味に欠けると
言われ、消費者に受け入れられ難い面がある。
【0004】市販の大豆の乾燥微粉末を用いて製造した
豆腐が風味にかける理由は、粉末化するに当たって、既
に、風味のもとになる大豆の油脂分が失われていること
に大きな原因があると考えられる。これは、大豆をその
まま摩砕した場合には、大豆から油脂分がしみ出て、摩
砕時の熱によりこの油脂分が飴状になって摩砕用の刃
(砥石)にからみつくだけで粉末状とならないため、摩
砕の前に、油脂分を抜いた後に、摩砕しているからであ
る。
豆腐が風味にかける理由は、粉末化するに当たって、既
に、風味のもとになる大豆の油脂分が失われていること
に大きな原因があると考えられる。これは、大豆をその
まま摩砕した場合には、大豆から油脂分がしみ出て、摩
砕時の熱によりこの油脂分が飴状になって摩砕用の刃
(砥石)にからみつくだけで粉末状とならないため、摩
砕の前に、油脂分を抜いた後に、摩砕しているからであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記した点に鑑
み、油脂分が浸出しても飴状とならないよう、液体窒素
を冷媒として摩砕用の刃(砥石)を冷却しつつ、摩砕す
る低温粉砕システムも知られている。しかしながら、液
体窒素を冷媒とする冷却装置を付設しているため、装置
全体の価格が非常に高い。
み、油脂分が浸出しても飴状とならないよう、液体窒素
を冷媒として摩砕用の刃(砥石)を冷却しつつ、摩砕す
る低温粉砕システムも知られている。しかしながら、液
体窒素を冷媒とする冷却装置を付設しているため、装置
全体の価格が非常に高い。
【0006】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、安価に実施できると共に、豆腐らしい風味を保持
した豆腐を製造することができる大豆粉末の製造方法を
提供することを第1の課題とする。また、本発明は、該
大豆粉末の製造方法により得られた大豆粉末を用いるこ
とにより、豆腐らしい風味を保持した豆腐を製造するこ
とができる豆腐の製造方法を提供することを第2の課題
とする。さらに、本発明は、安価でありながら、豆腐ら
しい風味を保持した豆腐を製造することができる大豆粉
末を製造するのに適した大豆用摩砕装置を提供すること
を第3の課題とする。
あり、安価に実施できると共に、豆腐らしい風味を保持
した豆腐を製造することができる大豆粉末の製造方法を
提供することを第1の課題とする。また、本発明は、該
大豆粉末の製造方法により得られた大豆粉末を用いるこ
とにより、豆腐らしい風味を保持した豆腐を製造するこ
とができる豆腐の製造方法を提供することを第2の課題
とする。さらに、本発明は、安価でありながら、豆腐ら
しい風味を保持した豆腐を製造することができる大豆粉
末を製造するのに適した大豆用摩砕装置を提供すること
を第3の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者が鋭意検討した結果、大豆の摩砕中に油脂
分がしみ出るのは、原料大豆に含まれる油脂分の量に起
因するのではなく、水分量に起因すること、すなわち、
水分がしみ出ることに誘引されて油脂分がしみ出し易く
なることを見いだした。従って、原料大豆として、該原
料大豆中に含まれる水分量が所定量以下のもの、又は水
分量のみを所定量以下に調整したものを使用すれば、油
脂分の過剰浸出を防止でき、豆腐らしい風味のもとにな
る油脂分を保持した大豆粉末を製造できることに着目
し、本発明を完成するに至った。
め、本発明者が鋭意検討した結果、大豆の摩砕中に油脂
分がしみ出るのは、原料大豆に含まれる油脂分の量に起
因するのではなく、水分量に起因すること、すなわち、
水分がしみ出ることに誘引されて油脂分がしみ出し易く
なることを見いだした。従って、原料大豆として、該原
料大豆中に含まれる水分量が所定量以下のもの、又は水
分量のみを所定量以下に調整したものを使用すれば、油
脂分の過剰浸出を防止でき、豆腐らしい風味のもとにな
る油脂分を保持した大豆粉末を製造できることに着目
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、請求項1記載の本発明の大豆粉
末の製造方法は、原料大豆の投入用ホッパと、固定刃と
回転刃とが相対して設けられ、該ホッパから供給された
原料大豆を摩砕する摩砕装置を用いた大豆粉末の製造方
法において、前記原料大豆として、水分量が15重量%
以下のものを用いることを特徴とする。請求項2記載の
本発明の大豆粉末の製造方法は、請求項1記載の大豆粉
末の製造方法であって、前記水分量が8〜12重量%の
範囲であることを特徴とする。請求項3記載の本発明の
大豆粉末の製造方法は、請求項1又は2記載の大豆粉末
の製造方法であって、前記回転刃の回転数を200〜5
00r.p.m.の範囲で制御して実施することを特徴
とする。請求項4記載の本発明の大豆粉末の製造方法
は、請求項1〜3のいずれか1に記載の大豆粉末の製造
方法であって、前記摩砕装置として、固定刃の外周又は
回転刃の内周に冷媒を循環させるためのジャケットを有
するものを用いることを特徴とする。請求項5記載の本
発明の大豆粉末の製造方法は、請求項4記載の大豆粉末
の製造方法であって、前記摩砕装置として、さらに、ホ
ッパの下部外周に冷媒を循環させるためのジャケットを
有するものを用いることを特徴とする。
末の製造方法は、原料大豆の投入用ホッパと、固定刃と
回転刃とが相対して設けられ、該ホッパから供給された
原料大豆を摩砕する摩砕装置を用いた大豆粉末の製造方
法において、前記原料大豆として、水分量が15重量%
以下のものを用いることを特徴とする。請求項2記載の
本発明の大豆粉末の製造方法は、請求項1記載の大豆粉
末の製造方法であって、前記水分量が8〜12重量%の
範囲であることを特徴とする。請求項3記載の本発明の
大豆粉末の製造方法は、請求項1又は2記載の大豆粉末
の製造方法であって、前記回転刃の回転数を200〜5
00r.p.m.の範囲で制御して実施することを特徴
とする。請求項4記載の本発明の大豆粉末の製造方法
は、請求項1〜3のいずれか1に記載の大豆粉末の製造
方法であって、前記摩砕装置として、固定刃の外周又は
回転刃の内周に冷媒を循環させるためのジャケットを有
するものを用いることを特徴とする。請求項5記載の本
発明の大豆粉末の製造方法は、請求項4記載の大豆粉末
の製造方法であって、前記摩砕装置として、さらに、ホ
ッパの下部外周に冷媒を循環させるためのジャケットを
有するものを用いることを特徴とする。
【0009】請求項6記載の本発明の豆腐の製造方法
は、請求項1〜5のいずれか1に記載の大豆粉末の製造
方法の実施により得られた大豆粉末を用いた豆腐の製造
方法であって、前記大豆粉末を水と撹拌する第1工程
と、該第1工程で撹拌することにより得られた大豆粉末
の溶解液を煮沸して豆乳を得る第2工程と、得られた豆
乳に凝固剤を混入させて凝固させ豆腐を得る第3工程と
を有することを特徴とする。請求項7記載の豆腐の製造
方法は、請求項6記載の豆腐の製造方法であって、前記
第2工程と第3工程の間に、おからを除去するためのろ
過工程を有することを特徴とする。請求項8記載の豆腐
の製造方法は、請求項6又は7記載の豆腐の製造方法で
あって、前記大豆粉末として、粒度120メッシュ以上
で、その中に30メッシュ〜80メッシュの粒度の粉末
が60重量%以上含まれているものを用いることを特徴
とする。請求項9記載の豆腐の製造方法は、請求項8記
載の豆腐の製造方法であって、前記大豆粉末として、粒
度100メッシュ以上で、その中に30メッシュ〜80
メッシュの粒度の粉末が70重量%以上含まれているも
のを用いることを特徴とする。
は、請求項1〜5のいずれか1に記載の大豆粉末の製造
方法の実施により得られた大豆粉末を用いた豆腐の製造
方法であって、前記大豆粉末を水と撹拌する第1工程
と、該第1工程で撹拌することにより得られた大豆粉末
の溶解液を煮沸して豆乳を得る第2工程と、得られた豆
乳に凝固剤を混入させて凝固させ豆腐を得る第3工程と
を有することを特徴とする。請求項7記載の豆腐の製造
方法は、請求項6記載の豆腐の製造方法であって、前記
第2工程と第3工程の間に、おからを除去するためのろ
過工程を有することを特徴とする。請求項8記載の豆腐
の製造方法は、請求項6又は7記載の豆腐の製造方法で
あって、前記大豆粉末として、粒度120メッシュ以上
で、その中に30メッシュ〜80メッシュの粒度の粉末
が60重量%以上含まれているものを用いることを特徴
とする。請求項9記載の豆腐の製造方法は、請求項8記
載の豆腐の製造方法であって、前記大豆粉末として、粒
度100メッシュ以上で、その中に30メッシュ〜80
メッシュの粒度の粉末が70重量%以上含まれているも
のを用いることを特徴とする。
【0010】請求項10記載の大豆用摩砕装置は、原料
大豆の投入用ホッパと、固定刃と回転刃とが相対して設
けられ、該ホッパから供給された原料大豆を摩砕する大
豆用摩砕装置において、前記固定刃の外周又は回転刃の
内周に冷媒を循環させるためのジャケットを設けたこと
を特徴とする。請求項11記載の大豆用摩砕装置は、請
求項10記載の大豆用摩砕装置であって、さらに、ホッ
パの下部外周に冷媒を循環させるためのジャケットを設
けたことを特徴とする。
大豆の投入用ホッパと、固定刃と回転刃とが相対して設
けられ、該ホッパから供給された原料大豆を摩砕する大
豆用摩砕装置において、前記固定刃の外周又は回転刃の
内周に冷媒を循環させるためのジャケットを設けたこと
を特徴とする。請求項11記載の大豆用摩砕装置は、請
求項10記載の大豆用摩砕装置であって、さらに、ホッ
パの下部外周に冷媒を循環させるためのジャケットを設
けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用される原料大豆は、
水分量が15重量%以下のものである。15重量%を越
える場合には、原料大豆に含まれている油脂分の量に拘
わらず、摩砕中に油脂分の流出が多くなる。原料大豆の
水分量がこれを越える場合には、乾燥させることもでき
るが、乾燥させ過ぎると、油脂分も失われるので注意が
必要である。油脂分が保持されている限り、水分量は少
なくても問題ないが、8〜12重量%の範囲に水分量を
調整することが好ましい。
水分量が15重量%以下のものである。15重量%を越
える場合には、原料大豆に含まれている油脂分の量に拘
わらず、摩砕中に油脂分の流出が多くなる。原料大豆の
水分量がこれを越える場合には、乾燥させることもでき
るが、乾燥させ過ぎると、油脂分も失われるので注意が
必要である。油脂分が保持されている限り、水分量は少
なくても問題ないが、8〜12重量%の範囲に水分量を
調整することが好ましい。
【0012】原料大豆に含まれている油脂分の量は、大
豆の種類により様々であるが、油脂分量が豆腐らしい風
味に大きく関与するため、水分量を上記範囲に調整した
場合でも、使用する大豆固有の油脂分量に近い油脂分量
を保持しているものを用いる。なお、原料大豆は、予め
脱皮したものを用いると1回の摩砕により所望の粒度に
することが可能であるため好ましいが、皮付きの大豆で
あっても、最初に粗砕して脱皮する工程を付加すればよ
い。
豆の種類により様々であるが、油脂分量が豆腐らしい風
味に大きく関与するため、水分量を上記範囲に調整した
場合でも、使用する大豆固有の油脂分量に近い油脂分量
を保持しているものを用いる。なお、原料大豆は、予め
脱皮したものを用いると1回の摩砕により所望の粒度に
することが可能であるため好ましいが、皮付きの大豆で
あっても、最初に粗砕して脱皮する工程を付加すればよ
い。
【0013】本発明の大豆粉末の製造方法では、摩砕装
置の回転刃の回転数を低く制御して用いることが好まし
い。回転数を低く制御することにより、回転刃と固定刃
間で生じる摩擦熱を抑制し、油脂分が浸出した場合で
も、該油脂分が飴状に変性することを防ぐことができ
る。具体的には、回転刃の回転数は、200〜500
r.p.m.とすることが好ましい。
置の回転刃の回転数を低く制御して用いることが好まし
い。回転数を低く制御することにより、回転刃と固定刃
間で生じる摩擦熱を抑制し、油脂分が浸出した場合で
も、該油脂分が飴状に変性することを防ぐことができ
る。具体的には、回転刃の回転数は、200〜500
r.p.m.とすることが好ましい。
【0014】本発明の大豆粉末の製造方法で使用可能な
大豆用摩砕装置としては、例えば、(株)石上機械製作
所製 アントレA型等が挙げられる。この装置の概略構
造は、図1に示したとおり、原料供給用のホッパ1と、
ホッパ1の下方に横向きに配置される回転刃2と、該回
転刃2の外周囲に配設される固定刃3と、回転刃2と固
定刃3との図上左端のクリアランスから吐出される粉末
をかき集めるかき出し具4と、かき集めた粉末を排出す
る排出口5とを有している。回転刃2は、回転軸6に支
持されており、図上ホッパ1を上側とした場合に右側に
配置されたプーリ7によって回転軸6が回転せしめられ
ることにより、回転する。また、回転刃2と固定刃3と
のクリアランスは図上左側に設けたハンドル8を回転さ
せて回転刃2を左右方向にスライドさせることにより調
整することができる。回転刃2と固定刃3とのクリアラ
ンスの調整により、得られる大豆粉末の粒度を調整する
ことができる。
大豆用摩砕装置としては、例えば、(株)石上機械製作
所製 アントレA型等が挙げられる。この装置の概略構
造は、図1に示したとおり、原料供給用のホッパ1と、
ホッパ1の下方に横向きに配置される回転刃2と、該回
転刃2の外周囲に配設される固定刃3と、回転刃2と固
定刃3との図上左端のクリアランスから吐出される粉末
をかき集めるかき出し具4と、かき集めた粉末を排出す
る排出口5とを有している。回転刃2は、回転軸6に支
持されており、図上ホッパ1を上側とした場合に右側に
配置されたプーリ7によって回転軸6が回転せしめられ
ることにより、回転する。また、回転刃2と固定刃3と
のクリアランスは図上左側に設けたハンドル8を回転さ
せて回転刃2を左右方向にスライドさせることにより調
整することができる。回転刃2と固定刃3とのクリアラ
ンスの調整により、得られる大豆粉末の粒度を調整する
ことができる。
【0015】かかる構成の大豆用摩砕装置によれば、ホ
ッパ1から原料大豆を投入すると、原料大豆は回転刃2
の基部付近の外周に設けられたスクリュー刃2aによっ
て、図上左側に押し出され、回転刃2と固定刃3とのク
リアランスに送り込まれる。この結果、原料大豆は摩砕
され、所望粒度の大豆粉末として吐出され、かき集めら
れた後、排出口5から排出される。
ッパ1から原料大豆を投入すると、原料大豆は回転刃2
の基部付近の外周に設けられたスクリュー刃2aによっ
て、図上左側に押し出され、回転刃2と固定刃3とのク
リアランスに送り込まれる。この結果、原料大豆は摩砕
され、所望粒度の大豆粉末として吐出され、かき集めら
れた後、排出口5から排出される。
【0016】但し、本発明の大豆粉末の製造方法で使用
可能な大豆用摩砕装置は、上記した回転数で運転可能で
あると共に、得られる大豆粉末の粒度を後述の範囲とす
ることができるものであればよく、図1に示したものに
限定されるものではない。
可能な大豆用摩砕装置は、上記した回転数で運転可能で
あると共に、得られる大豆粉末の粒度を後述の範囲とす
ることができるものであればよく、図1に示したものに
限定されるものではない。
【0017】また、本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、原料大豆として上記した水分量の範囲のものを用い
る限り、摩砕時の温度にほとんど関係なく、大豆の良好
な粉末化が可能であるが、油脂分の浸出をより防ぐため
には、上記した回転刃の回転数の制御のほか、摩砕時の
固定刃及び回転刃の温度をより低く制御するために冷却
手段を設けることが好ましい。但し、本発明では、冷却
手段が設けられていなくても、油脂分の浸出量が少ない
ため、従来の液体窒素を用いたシステムのように複雑か
つ高価なものである必要はない。例えば、図2に示した
ように、固定刃3の外周に冷媒としての冷却水が循環可
能なジャケット9を付設するだけで十分である。もちろ
ん、固定刃3の外周ではなく、回転刃2の内周にジャケ
ットを設けてもよいし、両方に設けてもよい。さらに、
念のために、ホッパ1の下部外周に同様のジャケットを
設けることもできる。
ば、原料大豆として上記した水分量の範囲のものを用い
る限り、摩砕時の温度にほとんど関係なく、大豆の良好
な粉末化が可能であるが、油脂分の浸出をより防ぐため
には、上記した回転刃の回転数の制御のほか、摩砕時の
固定刃及び回転刃の温度をより低く制御するために冷却
手段を設けることが好ましい。但し、本発明では、冷却
手段が設けられていなくても、油脂分の浸出量が少ない
ため、従来の液体窒素を用いたシステムのように複雑か
つ高価なものである必要はない。例えば、図2に示した
ように、固定刃3の外周に冷媒としての冷却水が循環可
能なジャケット9を付設するだけで十分である。もちろ
ん、固定刃3の外周ではなく、回転刃2の内周にジャケ
ットを設けてもよいし、両方に設けてもよい。さらに、
念のために、ホッパ1の下部外周に同様のジャケットを
設けることもできる。
【0018】次に、本発明の豆腐の製造方法について説
明する。本発明において、豆腐の製造原料となる大豆粉
末は、上記した大豆粉末の製造方法により製造される
が、大豆粉末の粒度としては、大豆粉末の粒度が大きく
なるに従い、おからの発生量が多くなり、粒度が小さく
なるに従い、製造した豆腐中に粒子がそのまま残存し、
食したときにざらざら感を感じるため、これらのバラン
スを考慮した粒度分布を有する大豆粉末を用いることが
好ましい。このことから、大豆粉末は、粒度120メッ
シュ(目開き131μm、線径80μmのふるい)以上
であって、その中に30メッシュ(目開き577μm、
線径270μmのふるい)〜80メッシュ(目開き19
7μm、線径120μmのふるい)の粒度の粉末が60
重量%以上含まれているものが好ましい。より好ましい
大豆粉末は、粒度100メッシュ(目開き149μm、
線径105μmのふるい)以上であって、30メッシュ
〜80メッシュの粉末が70重量%以上、さらには80
重量%以上含まれているものである。
明する。本発明において、豆腐の製造原料となる大豆粉
末は、上記した大豆粉末の製造方法により製造される
が、大豆粉末の粒度としては、大豆粉末の粒度が大きく
なるに従い、おからの発生量が多くなり、粒度が小さく
なるに従い、製造した豆腐中に粒子がそのまま残存し、
食したときにざらざら感を感じるため、これらのバラン
スを考慮した粒度分布を有する大豆粉末を用いることが
好ましい。このことから、大豆粉末は、粒度120メッ
シュ(目開き131μm、線径80μmのふるい)以上
であって、その中に30メッシュ(目開き577μm、
線径270μmのふるい)〜80メッシュ(目開き19
7μm、線径120μmのふるい)の粒度の粉末が60
重量%以上含まれているものが好ましい。より好ましい
大豆粉末は、粒度100メッシュ(目開き149μm、
線径105μmのふるい)以上であって、30メッシュ
〜80メッシュの粉末が70重量%以上、さらには80
重量%以上含まれているものである。
【0019】本発明の豆腐の製造方法は、上記した方法
により製造した大豆粉末をまず水と撹拌する。水の分量
は任意であるが、通常、大豆粉末:水=約1:5の割合
で混合して撹拌することが好ましい。次に、この撹拌に
より得られた大豆粉末の溶解液を煮沸して豆乳を得る。
次に、必要に応じて、おからを除去するためのろ過を行
う。このおからの発生量は上記したように大豆粉末の粒
度に依存するが、いずれにしても、大豆粉末を使用して
いるため、従来、一般に行われている製法と比較すれ
ば、おからの発生量は著しく少ない。次に、ろ過により
得られた豆乳を煮た後、凝固剤を混入させて凝固させ
る。凝固剤としては、通常、にがりが用いられる。最後
に、所定の大きさに裁断すれば、所望の豆腐が得られ
る。
により製造した大豆粉末をまず水と撹拌する。水の分量
は任意であるが、通常、大豆粉末:水=約1:5の割合
で混合して撹拌することが好ましい。次に、この撹拌に
より得られた大豆粉末の溶解液を煮沸して豆乳を得る。
次に、必要に応じて、おからを除去するためのろ過を行
う。このおからの発生量は上記したように大豆粉末の粒
度に依存するが、いずれにしても、大豆粉末を使用して
いるため、従来、一般に行われている製法と比較すれ
ば、おからの発生量は著しく少ない。次に、ろ過により
得られた豆乳を煮た後、凝固剤を混入させて凝固させ
る。凝固剤としては、通常、にがりが用いられる。最後
に、所定の大きさに裁断すれば、所望の豆腐が得られ
る。
【0020】(実施例1)原料大豆として、八割りにし
た国産大豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製
作所製 アントレA型を用い、回転数270r.p.
m.に調整して摩砕した。この際、得られる大豆粉末の
粒度が100メッシュ未満とならないように調整して摩
砕した。この大豆粉末の生産量は、0.7kg/min
で、最終的に58kgの大豆粉末が得られた。なお、こ
こで用いた原料大豆は予め脱皮されているもので、10
0g当たりの水分量は8.4g、油脂分の量は23.2
gであった。
た国産大豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製
作所製 アントレA型を用い、回転数270r.p.
m.に調整して摩砕した。この際、得られる大豆粉末の
粒度が100メッシュ未満とならないように調整して摩
砕した。この大豆粉末の生産量は、0.7kg/min
で、最終的に58kgの大豆粉末が得られた。なお、こ
こで用いた原料大豆は予め脱皮されているもので、10
0g当たりの水分量は8.4g、油脂分の量は23.2
gであった。
【0021】(実施例2)原料大豆として、アメリカ産
の大豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製作所
製 アントレA型を用い、回転数270r.p.m.で
摩砕した。この大豆は、皮付きであったため、まず、脱
皮目的のため、粗挽きした後、皮を吹き飛ばした。次
に、得られる大豆粉末の粒度が100メッシュ未満とな
らないように調整して摩砕した。この大豆粉末の生産量
は、0.54kg/minで、最終的に50kgの大豆
粉末が得られた。なお、原料大豆100g当たりの水分
量は9.5g、油脂分の量は18.2gであった。
の大豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製作所
製 アントレA型を用い、回転数270r.p.m.で
摩砕した。この大豆は、皮付きであったため、まず、脱
皮目的のため、粗挽きした後、皮を吹き飛ばした。次
に、得られる大豆粉末の粒度が100メッシュ未満とな
らないように調整して摩砕した。この大豆粉末の生産量
は、0.54kg/minで、最終的に50kgの大豆
粉末が得られた。なお、原料大豆100g当たりの水分
量は9.5g、油脂分の量は18.2gであった。
【0022】(実施例3)原料大豆として、中国産の大
豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製作所製
アントレA型を用い、回転数270r.p.m.で摩砕
した。この大豆は、皮付きであったため、まず、脱皮目
的のため、粗挽きした後、皮を吹き飛ばした。次に、得
られる大豆粉末の粒度が100メッシュ未満とならない
ように調整して摩砕した。この大豆粉末の生産量は、
0.48kg/minで、最終的に48kgの大豆粉末
が得られた。なお、原料大豆100g当たりの水分量は
11.4g、油脂分の量は19.6gであった。
豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製作所製
アントレA型を用い、回転数270r.p.m.で摩砕
した。この大豆は、皮付きであったため、まず、脱皮目
的のため、粗挽きした後、皮を吹き飛ばした。次に、得
られる大豆粉末の粒度が100メッシュ未満とならない
ように調整して摩砕した。この大豆粉末の生産量は、
0.48kg/minで、最終的に48kgの大豆粉末
が得られた。なお、原料大豆100g当たりの水分量は
11.4g、油脂分の量は19.6gであった。
【0023】実施例1〜実施例3によれば、いずれも目
的とする粒度に粉末化することができた。しかしなが
ら、上記の1分当たりの生産量から明らかなように、粉
砕のし易さ(1分当たりの生産量が多いほど油脂分の粘
り付きが少なく粉砕し易い)の点では、多少の差があっ
た。すなわち、実施例1の場合には、油脂分が飴状にな
って回転刃及び固定刃に粘りつくことはほとんどなく、
きわめて良好に粉砕できたが、実施例2は実施例1と比
較してやや劣っていた。実施例3の場合には多少飴状に
なって粘りついたため、粉砕のし易さの点では実施例2
よりもやや劣っていた。
的とする粒度に粉末化することができた。しかしなが
ら、上記の1分当たりの生産量から明らかなように、粉
砕のし易さ(1分当たりの生産量が多いほど油脂分の粘
り付きが少なく粉砕し易い)の点では、多少の差があっ
た。すなわち、実施例1の場合には、油脂分が飴状にな
って回転刃及び固定刃に粘りつくことはほとんどなく、
きわめて良好に粉砕できたが、実施例2は実施例1と比
較してやや劣っていた。実施例3の場合には多少飴状に
なって粘りついたため、粉砕のし易さの点では実施例2
よりもやや劣っていた。
【0024】なお、実施例1〜実施例3で得られた粉末
の粒度分布を測定したところ、次の通りであり、いずれ
も上記した豆腐の原料となる大豆粉末の好ましい粒度分
布の範囲に収まっていた。
の粒度分布を測定したところ、次の通りであり、いずれ
も上記した豆腐の原料となる大豆粉末の好ましい粒度分
布の範囲に収まっていた。
【0025】
ふるいサイズ 比率(重量%)
(メッシュ) 実施例1 実施例2 実施例3
16* 9.8 11 11.7
32** 23.6 22 19
60*** 38 43.6 45.2
80 18.4 12.7 12.4
100 10.2 10.7 11.7
注)* 16メッシュ:目開き1000μm、線径590μm
** 32メッシュ:目開き 500μm、線径292μm
***60メッシュ:目開き 250μm、線径173μm
【0026】(比較例1)原料大豆として、国産の中粒
の大豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製作所
製 アントレA型を用い、回転数270r.p.m.で
摩砕した。この大豆は、皮付きであったため、まず、脱
皮目的のため、粗挽きし、皮を吹き飛ばした後、摩砕し
た。しかしながら、油脂分の浸出量が多く、ほとんどが
飴状となって回転刃及び固定刃に粘りつき、回転刃と固
定刃とのクリアランスから吐出される粉末の量は計量不
可能な量に過ぎなかった。なお、比較例1で用いた原料
大豆100g当たりの水分量は15.5g、油脂分の量
は17.3gであった。
の大豆60kgを、摩砕機として(株)石上機械製作所
製 アントレA型を用い、回転数270r.p.m.で
摩砕した。この大豆は、皮付きであったため、まず、脱
皮目的のため、粗挽きし、皮を吹き飛ばした後、摩砕し
た。しかしながら、油脂分の浸出量が多く、ほとんどが
飴状となって回転刃及び固定刃に粘りつき、回転刃と固
定刃とのクリアランスから吐出される粉末の量は計量不
可能な量に過ぎなかった。なお、比較例1で用いた原料
大豆100g当たりの水分量は15.5g、油脂分の量
は17.3gであった。
【0027】比較例1の油脂分の量は、実施例1よりも
少ないが、油脂分の浸出量が多量であった。このことか
ら、油脂分の浸出には、水分量による影響が大きく、水
分量が15重量%を越えるような場合には、摩砕ができ
ないことがわかる。
少ないが、油脂分の浸出量が多量であった。このことか
ら、油脂分の浸出には、水分量による影響が大きく、水
分量が15重量%を越えるような場合には、摩砕ができ
ないことがわかる。
【0028】(実施例4)実施例1〜3で得られた各大
豆粉末を用いて豆腐を製造した。それぞれ、大豆粉末1
kgに対し、水5リットルの割合で混合して撹拌した
後、約7分間煮沸した。次に、100メッシュのふるい
によりろ過しておからを除去し、にがりを入れて凝固さ
せ、最後に、縦85mm×横85mm×高さ60mmの
大きさに切断して、一丁当たり400gの豆腐を得た。
大豆粉末と水との混合から裁断までの全製造時間は約3
0分であった。
豆粉末を用いて豆腐を製造した。それぞれ、大豆粉末1
kgに対し、水5リットルの割合で混合して撹拌した
後、約7分間煮沸した。次に、100メッシュのふるい
によりろ過しておからを除去し、にがりを入れて凝固さ
せ、最後に、縦85mm×横85mm×高さ60mmの
大きさに切断して、一丁当たり400gの豆腐を得た。
大豆粉末と水との混合から裁断までの全製造時間は約3
0分であった。
【0029】おからの量は、実施例1〜3のいずれの大
豆粉末を用いたものもほぼ同じで、大豆粉末の使用量6
0kgに対し、約10kgの割合であった。これは、従
来、通常行われている製法で、60kgの原料大豆を使
用した場合に発生するおから量が約120kgであるこ
とと比較する著しく少ない。
豆粉末を用いたものもほぼ同じで、大豆粉末の使用量6
0kgに対し、約10kgの割合であった。これは、従
来、通常行われている製法で、60kgの原料大豆を使
用した場合に発生するおから量が約120kgであるこ
とと比較する著しく少ない。
【0030】また、10名のパネラーにより、得られた
各豆腐を試食してもらったところ、いずれも、豆腐らし
い風味がよく生かされており、従来、市販されている通
常の豆腐と比較しても味が濃く風味が高いとの全員一致
の意見を得た。但し、中でも、実施例1の大豆粉末を使
用したものがもっとも風味が高いとの意見を得た。これ
は、原料大豆に含まれる油脂分の量が、実施例1のもの
がもっとも多いと共に、粉末化しても油脂分がほとんど
失われなかったことによるものと考えられる。また、い
ずれの豆腐も、舌に残るざらざら感はないとの全員一致
の意見も得た。
各豆腐を試食してもらったところ、いずれも、豆腐らし
い風味がよく生かされており、従来、市販されている通
常の豆腐と比較しても味が濃く風味が高いとの全員一致
の意見を得た。但し、中でも、実施例1の大豆粉末を使
用したものがもっとも風味が高いとの意見を得た。これ
は、原料大豆に含まれる油脂分の量が、実施例1のもの
がもっとも多いと共に、粉末化しても油脂分がほとんど
失われなかったことによるものと考えられる。また、い
ずれの豆腐も、舌に残るざらざら感はないとの全員一致
の意見も得た。
【0031】(比較例2)実施例1で使用した原料大豆
と同じ原料大豆(八割りにした国産大豆)60kgを、
摩砕機として(株)石上機械製作所製 アントレA型を
用い、回転数270r.p.m.に調整する一方、回転
刃と固定刃のクリアランスを調整して、粒度100メッ
シュ以下の大豆粉末が70重量%以上含まれるよう摩砕
した。粒度分布は、次の通りであった。
と同じ原料大豆(八割りにした国産大豆)60kgを、
摩砕機として(株)石上機械製作所製 アントレA型を
用い、回転数270r.p.m.に調整する一方、回転
刃と固定刃のクリアランスを調整して、粒度100メッ
シュ以下の大豆粉末が70重量%以上含まれるよう摩砕
した。粒度分布は、次の通りであった。
【0032】
注)* 140メッシュ:目開き109μm、線径60μ
m
m
【0033】この大豆粉末を実施例4と全く同様の工程
を経て、同量の豆腐を製造した。この豆腐を、実施例4
と同じパネラーに試食してもらったところ、味、風味に
遜色はないが、舌にざらざら感が残り、食感の点で不十
分との全員一致の意見を得た。
を経て、同量の豆腐を製造した。この豆腐を、実施例4
と同じパネラーに試食してもらったところ、味、風味に
遜色はないが、舌にざらざら感が残り、食感の点で不十
分との全員一致の意見を得た。
【0034】(試験例1)摩砕機の回転刃の好ましい回
転数の検討のため、上記実施例1〜3で用いた原料大豆
を、次表のように回転数を変化させて摩砕し、1分当た
りの生産量を比較した。なお、使用した摩砕機は、
(株)石上機械製作所製 アントレA型である。
転数の検討のため、上記実施例1〜3で用いた原料大豆
を、次表のように回転数を変化させて摩砕し、1分当た
りの生産量を比較した。なお、使用した摩砕機は、
(株)石上機械製作所製 アントレA型である。
【0035】
摩砕機の回転数(r.p.m.)
原料大豆 100 200 270 500 700
八割の国産大豆(実施例1) 0.23 0.55 0.7 1 粉砕不可
アメリカ産大豆(実施例2) 0.19 0.34 0.54 0.75 粉砕不可
中国産大豆(実施例3) 0.11 0.25 0.48 0.67 粉砕不可
(単位:kg/min)
【0036】上記表から明らかなように、いずれの大豆
も回転数100r.p.m.では、大豆粉末の粒子径が
大きくなりすぎ、豆腐製造用の大豆粉末としては不適切
であり、回転数700r.p.m.では回転が速すぎ、
回転刃と固定刃のすり合わせ部分の温度が高くなり、べ
とつきが生じた。従って、摩砕機の回転刃の回転数は、
上記したように200〜500r.p.m.の範囲とす
ることが好ましい。
も回転数100r.p.m.では、大豆粉末の粒子径が
大きくなりすぎ、豆腐製造用の大豆粉末としては不適切
であり、回転数700r.p.m.では回転が速すぎ、
回転刃と固定刃のすり合わせ部分の温度が高くなり、べ
とつきが生じた。従って、摩砕機の回転刃の回転数は、
上記したように200〜500r.p.m.の範囲とす
ることが好ましい。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の本発明の大豆粉末の製造
方法によれば、原料大豆として、水分量が15重量%以
下のものを用いるため、特別な摩砕装置を使用しなくて
も、豆腐らしい風味のもとになる油脂分の浸出量を少な
くし、油脂分が失われることなく粉末化することができ
る。請求項2記載の本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、原料大豆の水分量が8〜12重量%の範囲であるた
め、摩砕中の油脂分の浸出量を少なくすることができ
る。請求項3記載の本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、摩砕装置の回転刃の回転数を200〜500r.
p.m.の範囲で制御して実施しているため、油脂分の
浸出量の抑制に資する。請求項4記載の本発明の大豆粉
末の製造方法によれば、摩砕装置として、固定刃の外周
又は回転刃の内周に冷媒を循環させるためのジャケット
を有するものを用いているため、安価でかつ簡易な構造
でありながら、油脂分の浸出量のさらなる抑制に資す
る。請求項5記載の本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、摩砕装置として、さらに、ホッパの下部外周に冷媒
を循環させるためのジャケットを有するものを用いてい
るため、安価でかつ簡易な構造でありながら、油脂分の
浸出量のさらなる抑制に資する。
方法によれば、原料大豆として、水分量が15重量%以
下のものを用いるため、特別な摩砕装置を使用しなくて
も、豆腐らしい風味のもとになる油脂分の浸出量を少な
くし、油脂分が失われることなく粉末化することができ
る。請求項2記載の本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、原料大豆の水分量が8〜12重量%の範囲であるた
め、摩砕中の油脂分の浸出量を少なくすることができ
る。請求項3記載の本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、摩砕装置の回転刃の回転数を200〜500r.
p.m.の範囲で制御して実施しているため、油脂分の
浸出量の抑制に資する。請求項4記載の本発明の大豆粉
末の製造方法によれば、摩砕装置として、固定刃の外周
又は回転刃の内周に冷媒を循環させるためのジャケット
を有するものを用いているため、安価でかつ簡易な構造
でありながら、油脂分の浸出量のさらなる抑制に資す
る。請求項5記載の本発明の大豆粉末の製造方法によれ
ば、摩砕装置として、さらに、ホッパの下部外周に冷媒
を循環させるためのジャケットを有するものを用いてい
るため、安価でかつ簡易な構造でありながら、油脂分の
浸出量のさらなる抑制に資する。
【0038】請求項6記載の豆腐の製造方法によれば、
請求項1〜5のいずれか1に記載の大豆粉末を原料とし
て用いているため、豆腐らしい風味の高い豆腐を製造す
ることができると共に、おからの発生量も抑制すること
ができる。請求項7記載の豆腐の製造方法によれば、お
からを除去するためのろ過工程を有するため、豆腐らし
い風味の高い豆腐を製造することができる。請求項8記
載の豆腐の製造方法によれば、前記大豆粉末として、粒
度120メッシュ以上で、その中に30メッシュ〜80
メッシュの粒度の粉末が60重量%以上含まれているも
のを用いているため、おからの発生量を低く抑えつつ、
食感の優れた豆腐を提供することができる。請求項9記
載の豆腐の製造方法によれば、前記大豆粉末として、粒
度100メッシュ以上で、その中に30メッシュ〜80
メッシュの粒度の粉末が70重量%以上含まれているも
のを用いているため、さらに、おからの発生量を低く抑
えつつ、食感の優れた豆腐を提供することができる。
請求項1〜5のいずれか1に記載の大豆粉末を原料とし
て用いているため、豆腐らしい風味の高い豆腐を製造す
ることができると共に、おからの発生量も抑制すること
ができる。請求項7記載の豆腐の製造方法によれば、お
からを除去するためのろ過工程を有するため、豆腐らし
い風味の高い豆腐を製造することができる。請求項8記
載の豆腐の製造方法によれば、前記大豆粉末として、粒
度120メッシュ以上で、その中に30メッシュ〜80
メッシュの粒度の粉末が60重量%以上含まれているも
のを用いているため、おからの発生量を低く抑えつつ、
食感の優れた豆腐を提供することができる。請求項9記
載の豆腐の製造方法によれば、前記大豆粉末として、粒
度100メッシュ以上で、その中に30メッシュ〜80
メッシュの粒度の粉末が70重量%以上含まれているも
のを用いているため、さらに、おからの発生量を低く抑
えつつ、食感の優れた豆腐を提供することができる。
【0039】請求項10記載の大豆用摩砕装置によれ
ば、固定刃の外周又は回転刃の内周に冷媒を循環させる
ためのジャケットを設けるという簡易かつ安価な構成
で、大豆の摩砕時の発熱を抑制することができる。請求
項11記載の大豆用摩砕装置によれば、さらに、ホッパ
の下部外周に冷媒を循環させるためのジャケットを設け
ることにより、大豆の摩砕時の発熱をより抑制すること
ができる。
ば、固定刃の外周又は回転刃の内周に冷媒を循環させる
ためのジャケットを設けるという簡易かつ安価な構成
で、大豆の摩砕時の発熱を抑制することができる。請求
項11記載の大豆用摩砕装置によれば、さらに、ホッパ
の下部外周に冷媒を循環させるためのジャケットを設け
ることにより、大豆の摩砕時の発熱をより抑制すること
ができる。
【図1】 図1は、本発明の一の実施の形態にかかる大
豆用摩砕装置の概略構成を示す一部断面図である。
豆用摩砕装置の概略構成を示す一部断面図である。
【図2】 図2は、本発明の一の実施の形態にかかる大
豆用摩砕装置の固定刃にジャケット装着した状態を示す
図である。
豆用摩砕装置の固定刃にジャケット装着した状態を示す
図である。
1 ホッパ
2 回転刃
3 固定刃
9 ジャケット
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(71)出願人 598114686
有限会社フルハシ食品
静岡県浜松市丸塚町266番地
(72)発明者 古橋 稔
静岡県浜松市丸塚町266番地 有限会社フ
ルハシ食品内
(72)発明者 山崎 元貴
静岡県浜松市新都田一丁目9番9号 株式
会社システック内
(72)発明者 望月 誠人
静岡県静岡市光陽町43番地 株式会社石上
機械製作所内
(72)発明者 遠藤 正人
静岡県富士市横割本町2番地15号 有限会
社ミクニ内
Fターム(参考) 4B020 LB01 LB24 LC02 LC09 LC10
LG01 LP04 LP08 LP15 LQ05
LQ10 LR10
Claims (11)
- 【請求項1】 原料大豆の投入用ホッパと、固定刃と回
転刃とが相対して設けられ、該ホッパから供給された原
料大豆を摩砕する摩砕装置を用いた大豆粉末の製造方法
において、 前記原料大豆として、水分量が15重量%以下のものを
用いることを特徴とする大豆粉末の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の大豆粉末の製造方法であ
って、前記水分量が8〜12重量%の範囲であることを
特徴とする大豆粉末の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の大豆粉末の製造方
法であって、前記回転刃の回転数を200〜500r.
p.m.の範囲で制御して実施することを特徴とする大
豆粉末の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1に記載の大豆
粉末の製造方法であって、前記摩砕装置として、固定刃
の外周又は回転刃の内周に冷媒を循環させるためのジャ
ケットを有するものを用いることを特徴とする大豆粉末
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4記載の大豆粉末の製造方法であ
って、前記摩砕装置として、さらに、ホッパの下部外周
に冷媒を循環させるためのジャケットを有するものを用
いることを特徴とする大豆粉末の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1に記載の大豆
粉末の製造方法の実施により得られた大豆粉末を用いた
豆腐の製造方法であって、 前記大豆粉末を水と撹拌する第1工程と、該第1工程で
撹拌することにより得られた大豆粉末の溶解液を煮沸し
て豆乳を得る第2工程と、得られた豆乳に凝固剤を混入
させて凝固させ豆腐を得る第3工程とを有することを特
徴とする豆腐の製造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の豆腐の製造方法であっ
て、前記第2工程と第3工程の間に、おからを除去する
ためのろ過工程を有することを特徴とする豆腐の製造方
法。 - 【請求項8】 請求項6又は7記載の豆腐の製造方法で
あって、前記大豆粉末として、粒度120メッシュ以上
で、その中に30メッシュ〜80メッシュの粒度の粉末
が60重量%以上含まれているものを用いることを特徴
とする豆腐の製造方法。 - 【請求項9】 請求項8記載の豆腐の製造方法であっ
て、前記大豆粉末として、粒度100メッシュ以上で、
その中に30メッシュ〜80メッシュの粒度の粉末が7
0重量%以上含まれているものを用いることを特徴とす
る豆腐の製造方法。 - 【請求項10】 原料大豆の投入用ホッパと、固定刃と
回転刃とが相対して設けられ、該ホッパから供給された
原料大豆を摩砕する大豆用摩砕装置において、 前記固定刃の外周又は回転刃の内周に冷媒を循環させる
ためのジャケットを設けたことを特徴とする大豆用摩砕
装置。 - 【請求項11】 請求項10記載の大豆用摩砕装置であ
って、さらに、ホッパの下部外周に冷媒を循環させるた
めのジャケットを設けたことを特徴とする大豆用摩砕装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10237067A JP2000060473A (ja) | 1998-08-24 | 1998-08-24 | 大豆粉末の製造方法、豆腐の製造方法及び大豆用摩砕装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10237067A JP2000060473A (ja) | 1998-08-24 | 1998-08-24 | 大豆粉末の製造方法、豆腐の製造方法及び大豆用摩砕装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000060473A true JP2000060473A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=17009937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10237067A Pending JP2000060473A (ja) | 1998-08-24 | 1998-08-24 | 大豆粉末の製造方法、豆腐の製造方法及び大豆用摩砕装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000060473A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7093534B2 (en) | 2002-04-24 | 2006-08-22 | The Japan Steel Works, Ltd. | Method of manufacturing products of soymilk and apparatus of manufacturing the same |
-
1998
- 1998-08-24 JP JP10237067A patent/JP2000060473A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7093534B2 (en) | 2002-04-24 | 2006-08-22 | The Japan Steel Works, Ltd. | Method of manufacturing products of soymilk and apparatus of manufacturing the same |
CN1309314C (zh) * | 2002-04-24 | 2007-04-11 | 株式会社日本制钢所 | 豆乳制品的制造方法及制造装置 |
KR100774030B1 (ko) | 2002-04-24 | 2007-11-06 | 가부시끼가이샤 니혼 세이꼬쇼 | 두유제품의 제조방법 및 제조장치 |
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