JPH0985116A - 植物性繊維質を原料とする液状物の製造方法及び装置 - Google Patents

植物性繊維質を原料とする液状物の製造方法及び装置

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JPH0985116A
JPH0985116A JP7267670A JP26767095A JPH0985116A JP H0985116 A JPH0985116 A JP H0985116A JP 7267670 A JP7267670 A JP 7267670A JP 26767095 A JP26767095 A JP 26767095A JP H0985116 A JPH0985116 A JP H0985116A
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JP
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raw material
crushing
cutting
vegetable fiber
producing
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JP7267670A
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Keigo Kusano
啓吾 草野
Osamu Matsunaga
修 松長
Naomasa Hayashida
直正 林田
Akinobu Mori
昭信 森
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Mitsui Mining Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来工業的に利用することが困難であった繊
維質を完全に微砕して、繊維質に含まれる機能成分を有
効に活用する液状物の製造方法及び装置の提供。 【解決手段】 植物性繊維質原料を真空状態で裁断及び
粗砕してペースト状とする裁断・粗砕工程と、粗砕され
た該原料を微砕する微砕工程とからなり、装置は植物性
繊維質原料を真空状態で裁断及び粗砕してペースト状と
する裁断・粗砕ユニットと、粗砕された該原料を微砕す
る微砕ユニットとからなる製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物性繊維質を原料と
する液状物の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術と問題点】野菜や果物の繊維質には多くの
健康促進成分や、薬効成分が含まれている。また通常は
食用としていない可食性植物、例えば甘藷類の茎、葉柄
部にもこれらの機能成分が多く含まれている。これらの
植物性繊維質は、そのままでは食し難いことから廃棄さ
れることが多かったが、近年これを工業的に処理して食
用、特に飲料用として有効に活用することが望まれるよ
うになった。
【0003】ジュース類に代表されるように、従来から
野菜や果物を原料とする液状物が工業的に製造されてき
たが、そのほとんどは搾汁によって製造されている。即
ちこの場合、繊維質の大部分は搾りカスとして廃棄さ
れ、更に搾汁後の液中に含まれる繊維質も篩分離や遠心
分離によって除去されていた。
【0004】繊維質を飲料中に含めるには繊維質を細か
く粉砕しなければならない。これは、まず飲料としての
舌ざわりや喉ごし感をよくすることであるが、同時に、
繊維質に含まれる成分はそのまま食しても体内に消化吸
収され難いので、消化吸収を良くするためにも必要であ
る。
【0005】植物性繊維質を工業的に微砕することは、
単に繊維を微砕することだけを考えても非常に困難なこ
とである。更に、機能成分の有効活用を考える場合に
は、処理の過程において空気中の酸素による酸化作用、
或は温度の上昇による熱分解作用を起こさないような配
慮が必要であり、且つ短時間に処理することが必要であ
る。これらは食物の鮮度、即ち風味や香、色調等を保つ
上からも重要である。
【0006】これらの条件を満たす従来の粉砕方法とし
ては凍結粉砕が優れているが、設備費、運転費共に非常
に高価であり、高価な原料を使用する場合はともかく、
一般的ではない。その他の方法は、いづれも加熱を必要
とたり、小規模の生産に限られるなど特定の用途に限ら
れ、一般的な方法は見当らない。
【0007】また原料を考えた場合、果実や根菜、茎、
葉柄によって様々な形態となるが、これらの全ての形態
に対して、原形あるいはほぼ原形のまま処理可能な粉砕
方法が望ましい。又様々な形態の原料を同時に処理可能
な粉砕方法が望ましい。
【0008】
【発明の目的】本発明は、従来工業的に利用することが
困難であった繊維質を完全に微砕して、繊維質に含まれ
る機能成分を有効に活用する液状物の製造方法である。
得られる液状物は、飲料或は薬用物とすることができ
る。
【0009】原料は、可食である一切の野菜や果物、或
は甘藷類の茎、葉柄部などを用いることが可能であり、
これらは原形あるいはほぼ原形のまま処理することが可
能である。
【0010】原料は、裁断から微砕まで、空気(即ち酸
素)から完全に遮断された状態で処理され、また常温で
かつ短時間で処理されるので、酸化作用或は熱分解作用
によって機能成分を失うことなく、また風味や香、色調
に代表される鮮度を保持することができる。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明は、植物性繊維質
原料を真空状態で裁断及び粗砕してペースト状とする裁
断・粗砕工程と、粗砕された原料を微砕する微砕工程と
から構成される。
【0012】(A)裁断・粗砕工程 従来植物性繊維質原料を裁断、粗砕してペースト状とす
るには、少なくとも裁断と粗砕の2つの工程が必要であ
った。裁断機としてはカッター或はスライサー等がある
が、果実や根菜、茎、葉柄などの裁断に幅広く利用でき
るものは少なく、又空気(即ち酸素)を遮断しての処理
や、工業的な大量、短時間処理は不可能であった。又、
粗砕機としては撹拌粉砕機や圧縮粉砕機などが考えられ
るが、繊維質を粉砕することはほとんど不可能であっ
た。後の微砕工程における処理を効率良く行うために
は、ここで繊維を出来る限り細かく(例えば 5mm以下)
することが好ましい。
【0013】研究の結果、(家庭でジュースを作るのに
用いる家庭用ミキサーにヒントを得た)植物性繊維質原
料を高速撹拌機を備えた容器で処理すると、僅か数分間
という極めて短時間に裁断と粗砕が同時に行われ、しか
も果実や根菜、茎、葉柄など、その形や性状に依らず工
業的処理が可能であることを見いだした。
【0014】又、容器を密閉してその内部を真空状態と
することは容易であるが、裁断と粗砕とを1つの容器で
短時間に行うことができることから、これを利用して次
のような効果が得られることを見いだした。
【0015】1)容器の内部を真空状態とすれば、空気
(酸素)を遮断して処理を行うことが可能であり、機能
成分の酸化を防止できる。 2)容器の内部を真空状態とすれば、処理物中の水分が一
部蒸発するが、このとき蒸発潜熱によって処理物が冷却
され、温度上昇の防止に有効である。 3)真空状態での処理に続いて容器中に不活性ガスを注入
すると、短時間で処理物中に不活性ガスを浸透させるこ
とができる。 4)更に、撹拌機を備えた密閉容器内で、種々の添加剤を
注入することができる。 例えば、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸等の有機酸
を酸化防止の相乗剤として添加してもよく、また椿科の
葉の抽出エキスを消臭剤としてもよい。
【0016】( A') 不活性ガスによる処理について 不活性ガスは元素の周期表の0族に含まれるものを指
し、この中では窒素ガスが最も安価な不活性ガスであ
る。またこの族には含まれないが、同様な性質を持つ炭
酸ガス使用してもよい。
【0017】不活性ガスによる処理には2つの目的があ
る。 1)飲料などの液状物を製造したとき、液中には気泡の状
態で空気が残存したり、またある程度の酸素が溶解して
含まれる。このため長時間にわたって徐々に酸化が進行
することになる。従来このように残留する酸素を除くた
めに、液中にスチームを吹込んだり、容器内を真空状態
にして脱気する方法が用いられていた。本発明の方法で
は、真空状態での裁断・粗砕に続いて直ちに不活性ガス
の注入を行うので、上記のような状態で酸素が残留する
ことは起こり得ず、従来の脱気に要する設備が不要とな
った。
【0018】2)食物中に不活性ガスを作用させると、不
活性ガスがアミノ酸に作用して、高血圧の防止に有効な
γ−アミノ酪酸の含有量を高めることが知られている。
この目的で不活性ガスを用いることは従来から試みられ
いるが、例えば不活性ガスを満たした密閉容器の中に(
処理前の) 原料を入れておくだけの単純な方法であり、
処理時間は10時間以上必要であった。本発明の方法で
は、真空状態での裁断・粗砕に続いて液状の処理物を撹
拌しつつ不活性ガスの注入を行って圧力を常圧まで回復
させる。従って不活性ガスの作用は、極めて短時間に行
われ30分乃至1時間で処理することができる。
【0019】尚、不活性ガスによる処理を行うと処理物
に着臭することがあるが、この場合には上記椿科の葉の
抽出エキスなどを消臭剤として使用する。消臭剤の添加
は、不活性ガスによる処理の後再度容器内を真空状態と
して、処理物から不活性ガスを抜出した後添加すること
が好ましい。裁断・粗砕ユニットは、撹拌羽根及び冷却
用ジャケットを備えた密閉可能な容器と真空装置とで構
成される。
【0020】撹拌羽根は、その回転による衝撃力で繊維
質を切断するので、前面部分が鋭角であることが望まし
いが、刃物である必要はない。撹拌羽根の回転速度は、
羽根の先端部分の周速度で表わされる。裁断・粗砕処理
においては、周速度 20 m/sec 以上の高速回転が望ま
しく、また不活性ガスの注入や添加剤の注入処理におい
ては、それほどの高速回転を必要としないので、回転速
度を可変速できるものが好ましい。
【0021】撹拌羽根を高速回転すると、その動力によ
って発熱するので、これによって処理物の温度が上昇す
ることをを防ぐための冷却装置が必要である。このため
容器の内部に冷却用のコイルを設ける方法もあるが、容
器内部の構造はシンプルである方が衛生的で好ましいの
で、容器の外周にジャケットを設け、これに冷却水を流
すのが好ましい。
【0022】容器内部を真空状態にするために容器外部
に真空装置を設置する。通常真空装置は、真空ポンプと
コンデンサーで構成されるが、他の真空装置でも良い。
また、容器内は 10 Torr程度の真空度が得られることが
望ましい。容器内部を真空状態にするために、容器は密
閉できるようにすることが必要であり、特に原料投入及
び排出口を密閉可能とする。その他、容器には圧力計、
排気口、不活性ガス注入口、添加剤注入口を備える。容
器の大きさは 1,000リットル以上の大型とすることが可
能であり、処理量として 100 Kg/Hr以上とすることが充
分に可能である。
【0023】(B)微砕工程 裁断・粗砕ユニットでペースト状となった原料を更に微
砕する。微砕された繊維は、1mm以下 100%、 100μm
以下 50 %以上であることが望ましい。 一般に湿式の
微砕機としては、円筒形をした2本のロールの間で処理
物をすり潰すロールミル、溝を備えた回転面と固定面の
間で処理物をすり潰す石臼式粉砕機、回転する横型円筒
形の容器にボールと処理物とを入れて粉砕するボールミ
ル、或は撹拌機を備えた円筒形容器にメディアと処理物
とを入れて粉砕するメディア撹拌式粉砕機などがある
が、従来植物性繊維質を工業的に微砕する例は見当らな
い。
【0024】また微砕工程においても裁断・粗砕工程と
同様に、酸化防止や温度上昇防止が容易に実現でき、短
時間で処理できるものでなければならない。研究の結
果、植物性繊維質を工業的に微砕するにはメディア撹拌
式微砕機が最も優れていることが確認された。メディア
撹拌式微砕機は、撹拌機でメディアと処理物とを撹拌す
ることにより、メディア相互間の衝撃力と剪断力によっ
て、繊維質を摩砕することができる。
【0025】特に微砕の処理能力が優れており、メディ
アの径や処理物の供給量を変えることにより、目標とす
る粒径を自由に設定することができる。また、石臼式粉
砕機の様に狭い隙間を処理物が通過するものではないか
ら、繊維質が隙間に詰るなどのトラブルを起こさず、完
全に、全ての固形物を処理することができる。容器の大
きさは 1,000リットル以上の大型とすることが可能であ
り、処理量として 100 Kg/Hr以上とすることが充分に可
能である。
【0026】更に次のことを確認した。メディア撹拌式
微砕機は、連続式でもバッチ式でも、どちらでもよい。
メディア撹拌式微砕機は空間部分を有するので、その空
間部分に不活性ガスを満たし、酸化防止を図る必要があ
る。メディア撹拌式微砕機は、処理物の温度上昇が比較
的大きいので、粉砕容器にはジャケットを設けて冷却水
を流すなど、冷却機能機能が必要である。
【0027】また微砕工程において、メディア撹拌式微
砕機の前段に中粉砕機能を持つ粉砕機、例えば多段カッ
ター式摩砕機を併用するのが効果的であることが確認さ
れた。多段カッター式摩砕機は、固定刃と高速回転する
回転刃の隙間を処理物が通過する時に固形物を切断する
ものであり、繊維質は 200μm 程度に粉砕することがで
きる。処理物が通過する隙間を有するが、鋭い刃の高速
回転により繊維質は完全に切断され隙間に詰る恐れはな
い。またその処理能力は大きく 100 Kg/Hr以上とするこ
とが充分に可能である。多段カッター式摩砕機は、刃の
ギャップ調整によって粉砕粒度を調整できるものが好ま
しい。またポンプ機能を有するものが好ましい。更に処
理物を冷却する機能をもつものが好ましい。
【0028】
【実施例】
実施例1 図2の装置について説明すると、本装置は植物物性繊維
質原料を真空状態で裁断及び粗砕してペースト状とする
裁断・粗砕ユニットと、粗砕された該原料を微砕する微
砕ユニットからなる。裁断・粗砕ユニットは、裁断羽根
1を内装し、ジャケット2を周設した真空釜aと、排出
弁3に接続する貯槽8と、真空釜aに駆動源を供給する
電動機4からなる。5はコンデンサ、6は真空ポンプ、
7は真空計である。微砕ユニットは、撹拌羽根14を内
装し、ジャケット15を周設したメディア撹拌式微砕機
bを主構成要素とし、その前段にポンプ9、流量調整弁
13が設けられている。16は電動機である。かかる装
置を使用し図2に示すフローにより本発明の方法による
液状物の製造を行った。原料は、白甘藷の葉柄部を洗浄
しただけのもので、不定形で、大きさ不揃いである。裁
断・粗砕処理は5分間で終了し、ここで処理物の一部を
サンプリングして観察したたところ、ペースト状(流動
性が悪い)となっていた。不活性ガスの注入は、窒素ガ
スを用いて1時間行った。更に添加剤には酸化防止の相
乗剤であるクエン酸を用い、原料1Kg当り約 2g の割合
で添加した。微砕処理では、処理物に流動性を持たせる
ために水を加えた。加えた水の割合は、処理物1Kg当り
約 330g である。処理流量は毎時 1.6リットルで行っ
た。
【0029】詳細な処理条件は下記の通りである。 裁断・粗砕 装置容量 : 150 リットル 処理物 : 白甘藷の葉柄部 処理量 : 18.6 Kg (水分 91.92%) 処理温度 : 25℃ 以下 真空度 : 20〜25 Torr 羽根回転数 : 750 rpm 処理時間 : 5分
【0030】不活性ガス注入と添加剤注入 不活性ガス : 窒素ガス 処理圧力 : 大気圧 羽根回転数 : 350 rpm 処理時間 : 1時間 添加剤 : クエン酸 40g を水に溶解したもの 3
00cc 処理時間 : 5分 微砕 装置容量 : 4 リットル (最大処理量 2リット
ル) 処理物 : で得られた液に33%の水を加えたも
の 処理流量 : 1.6 リットル/Hr 処理温度 : 35℃ 以下 羽根回転数 : 300 rpm 処理時間 : 1時間
【0031】処理結果は次の通りである。 (a)粉砕結果 の裁断・粗砕処理は5分間で終了した。得られたサン
プルはペースト状となり、繊維は全て 5mm以下に裁断さ
れていた。の微砕処理を1時間行った後、得られた処
理物の粒度分布を測定した結果、平均粒径 50.02μm 、
最大粒径 700μm であった。またこれを乾燥して固形分
を測定した結果、 5.4%であった。この結果を評価する
ために、市販の繊維質入ミカンジュースを同様に測定し
た結果、平均粒径 61.02μm 、最大粒径 700μm であ
り、固形分は 0.3%であった。
【0032】(表1に比較を示す)この結果から明らか
なように、本発明では圧倒的に多量の固形分(即ち繊維
質)を処理しているにも拘らず、良好な粉砕結果が得ら
れたことがわかる。 (b)酸化防止の効果と残留成分 微砕後の液状物は、原料の持つ鮮やかな緑色を保持して
色調の変化はなく、新鮮そのものであった。この結果
を、真空状態での処理を行わない従来の方法と比較する
ために、上記実施例の一部を次のように変えて液状物を
作成した。
【0033】の裁断・粗砕処理を真空状態ではなく大
気圧の下で行った。他の条件はほぼ同じにした。そし
て、の不活性ガスの注入及び添加剤の注入を行わず
に、の微砕処理を同様に行った。この結果、得られた
液状物は黒ずんだ緑色となり、明らかに酸化により変色
することが確認された。更に、両方のサンプルを分析し
て、機能成分を測定したところ、表2に示す結果が得ら
れ、残留する機能成分の量に大きな差のあることが確認
された。
【0034】これらの結果から明らかに、真空状態での
処理は酸化防止に有効な相乗剤の添加と共に酸化防止に
大きな効果があり、またこれと共に不活性ガスの注入は
機能成分の活用に大きな効果を発揮することが確認され
た。
【0035】(c)処理能力 本発明の方法による処理時間は、粉砕処理に 1.5時間、
不活性ガスの処理は30分乃至1時間である。従来の搾汁
方法では粉砕処理に約3時間、不活性ガスの処理に約14
時間を要する。また、従来の搾汁方法では原料に含まれ
る固形物(即ち繊維質)が、高々20%程度しか利用でき
なかったのに対し、本発明の方法では完全に 100%利用
することができる。表3にこの比較を示す。
【0036】実施例2 図3に示すフローにより本発明の方法による液状物の製
造を行った。このフローは、微砕工程に多段カッター式
摩砕機cとメディア撹拌式微砕機bとを用いたものであ
り、これらを直列に接続して連続運転を行った。実施例
1と同様にして裁断・粗砕処理、不活性ガス処理、相乗
剤添加を行って得られたペースト状の処理物に、その重
量の33%の水を加えて微砕した。微砕工程の処理条件は
次の通りである。
【0037】多段カッター式摩砕機 刃の回転数 : 1500 rpm 刃の隙間 : 0.2 mm メディア撹拌式微砕機 装置容量 : 4 リットル 羽根回転数 : 300 rpm 処理量 : 3.8 リットル/Hr 処理温度 : 35℃以下 処理時間 : 1時間 得られた液状物の粒度分布を測定した結果、実施例1と
ほぼ同様に微砕されていることが確認された。従ってこ
の場合、実施例1よりも2倍以上の処理能力が得られる
ことが確認された。
【0038】
【効果】上記記載の他に次のような効果がある。 1) 従来の搾汁プロセスと比較しても、機器の数が少な
く設備が極めてコンパクトである。(図1に比較を示
す) 2) このため、設備費用、運転費用共に経済的であり、
また運転操作が簡単で、実施が極めて容易である。 3) 空気を遮断し、密閉した装置内で処理するので、極
めて衛生的な処理が可能である。
【0039】
【表1】粒度測定結果(重量%表示)
【0040】
【表2】残留成分と色調
【0041】
【表3】処理能力
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明法と従来法のフロー図
【図2】 本発明に係る製造装置の簡略図
【図3】 本発明に係る製造装置の簡略図
【符号の説明】 1−裁断羽根、2−ジャケット、3−排出弁、4−電動
機、5−コンデンサ、6−真空ポンプ、7−真空計、8
−貯槽、9−ポンプ、13−流量調整弁、14−撹拌羽
根、15−ジャケット、16−電動機、a−真空釜、b
−メディア撹拌式微砕機、c−多段カッター摩砕機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/212 A61K 35/78 C A61K 35/78 A23L 2/00 F (72)発明者 林田 直正 栃木県栃木市国府町1番地三井鉱山株式会 社栃木事業所内 (72)発明者 森 昭信 栃木県栃木市国府町1番地三井鉱山株式会 社栃木事業所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物性繊維質原料を真空状態で裁断及び粗
    砕してペースト状とする裁断・粗砕工程と、粗砕された
    該原料を微砕する微砕工程とからなることを特徴とする
    植物性繊維質を原料とする液状物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記裁断・粗砕工程において、裁断及び粗
    砕に続いて窒素ガスなどの不活性ガスの注入及び/又は
    添加剤の注入を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    植物性繊維質を原料とする液状物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記不活性ガスが炭酸ガスであることを特
    徴とする請求項2に記載の植物性繊維質を原料とする液
    状物の製造方法。
  4. 【請求項4】前記植物性繊維質原料を原形あるいはほぼ
    原形のまま用いることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいづれかに記載の植物性繊維質を原料とする液状物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記植物性繊維質原料が白甘藷等の葉柄で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいづれか
    に記載の植物性繊維質を原料とする液状物の製造方法。
  6. 【請求項6】植物性繊維質原料を真空状態で裁断及び粗
    砕してペースト状とする裁断・粗砕ユニットと、粗砕さ
    れた該原料を微砕する微砕ユニットからなることを特徴
    とする植物性繊維質を原料とする液状物の製造装置。
  7. 【請求項7】前記裁断・粗砕ユニットが撹拌羽根及び冷
    却用ジャケットを備え、且つ真空状態での運転が可能な
    容器で構成されることを特徴とする請求項6に記載の植
    物性繊維質を原料とする液状物の製造装置。
  8. 【請求項8】前記微砕ユニットがメディア撹拌式微砕機
    であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の
    植物性繊維質を原料とする液状物の製造装置。
  9. 【請求項9】前記微砕ユニットが多段カッター式摩砕機
    とメディア撹拌式微砕機とを組合わせてなることを特徴
    とする請求項6又は請求項7に記載の植物性繊維質を原
    料とする液状物の製造装置。
JP7267670A 1995-09-21 1995-09-21 植物性繊維質を原料とする液状物の製造方法及び装置 Pending JPH0985116A (ja)

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