JP2000058884A - 赤外線検出器 - Google Patents

赤外線検出器

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JP2000058884A
JP2000058884A JP11017449A JP1744999A JP2000058884A JP 2000058884 A JP2000058884 A JP 2000058884A JP 11017449 A JP11017449 A JP 11017449A JP 1744999 A JP1744999 A JP 1744999A JP 2000058884 A JP2000058884 A JP 2000058884A
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layer
film
antireflection film
infrared
gaas
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JP11017449A
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English (en)
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Purafura Masarukaru
プラフラ マサルカル
Kosaku Yamamoto
功作 山本
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子井戸構造を利用したGaAs系の赤外線
検出器に関し、8〜12μm帯の赤外線に対して好適な
反射防止膜を有する赤外線検出器を提供する。 【解決手段】 GaAs基板10と、GaAs基板10
上に形成された多重量子井戸層14と、GaAs基板の
裏面に形成され、波長が8〜12μmの赤外線に対する
垂直入射時の反射率を1%以下に低減する反射防止膜2
4とにより赤外線検出器を構成する。反射防止膜として
は、Y23膜、GaAsの屈折率をnsとして屈折率が
√(ns)より小さい材料よりなる層と、この層の屈折
率をnとして屈折率がns/nよりも大きい層との積層
膜、又は、Ge膜とZnS膜との積層膜を適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線検出器に係
り、特に、量子井戸構造を利用したGaAs系の赤外線
検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、8〜12μmの波長域を有する赤
外線の撮像には、化合物半導体の量子井戸構造を利用し
た赤外線検出器(Quantum-Well Infrared Photodetecto
r:以下、QWIPと呼ぶ)が利用されている。QWI
Pとは、量子井戸構造を複数回繰り返し積層した多重量
子井戸構造(Multi Quantum Well:以下、MQWと呼
ぶ)を有しており、赤外線の照射によって励起された井
戸中の電子の寄与による電気伝導の変化を利用する光伝
導型の赤外線検出器である。
【0003】従来の赤外線検出器について図14を用い
て説明する。
【0004】GaAs基板100上には、n−GaAs
層よりなるコンタクト層102が形成されている。コン
タクト層102上には、アンドープAlGaAs層より
なるバリア層と、n−GaAs層よりなる井戸層とが繰
り返して積層されたMQW層104が形成されている。
MQW層104上には、n−GaAs層よりなるコンタ
クト層106が形成されている。コンタクト層106の
表面には、MQW層104に対してほぼ垂直に入射した
赤外光を散乱して斜め方向に照射するグレーティング層
108が設けられている。コンタクト層106及びMQ
W層104は、各画素毎に分離されており、分離された
各画素のコンタクト層106はInバンプ110を介し
て信号処理回路基板112に接続されている。こうし
て、ハイブリッド型の赤外線検出器(IRFPA:Infr
aRed Focal Plane Arrays)が構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】QWIPでは、GaA
s基板100側から赤外線を入射し、これによって励起
されたMQW層104中の電子の寄与によるコンタクト
層間102、106の電気伝導の変化を検出する。
【0006】しかしながら、GaAsは屈折率が高いた
め、GaAs基板100の裏面に反射防止膜が設けられ
ていない場合には入射する赤外線のうち約27%が反射
されてしまう。入射光の利用効率を高めるためにはGa
As基板100の裏面に反射防止膜を設けることが好ま
しいが、赤外線検出器の動作温度である約77〜80K
と赤外線検出器の保存温度である280〜310Kとの
間の熱サイクルに耐え、且つ、赤外線の反射を十分に抑
えることができる反射防止膜は見出されていなかった。
【0007】例えば、GaAsその他の材料に適用可能
な赤外領域に対する反射防止膜として、耐食性に優れた
ダイヤモンドライクカーボン膜が提案されているが(例
えば、米国特許第5,502,442号)、垂直入射時
の反射率が約6%以上であり、その値は十分ではなかっ
た。
【0008】また、ハロゲン化銀に適用しうる反射防止
膜として、内側の層がハロゲン化アルカリ金属よりなる
2層構造の反射防止膜が提案されている(例えば、米国
特許第4,721,657号)。しかしながら、ハロゲ
ン化アルカリ金属は赤外線吸収率が高く、また、吸湿性
も高い。更に、熱膨張係数が約40×10-6-1であり
GaAsの約5.7×10-6-1よりも極めて大きいた
め、GaAs上に形成すると前述の熱サイクルに耐える
ことができない。
【0009】このような理由から、従来のGaAs系の
赤外線検出器においてはGaAs基板100の裏面に反
射防止膜は設けられていなかったが、赤外線の吸収効率
を高めるには反射防止膜を設けることが好ましく、Ga
As系の赤外線検出器に適用しうる反射防止膜の開発が
望まれていた。
【0010】本発明の目的は、GaAs基板上に形成し
た場合における熱ストレス耐性を有し、8〜12μm帯
の赤外線に対して好適な反射防止膜を有する赤外線検出
器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、GaAs基
板と、前記GaAs基板の第1の面上に形成された多重
量子井戸層と、前記第1の面とは異なる前記GaAs基
板の第2の面上に形成され、波長が8〜12μmの赤外
線に対する垂直入射時の反射率を1%以下に低減する反
射防止膜とを有することを特徴とする赤外線検出器によ
って達成される。GaAs系の赤外線検出器の赤外線入
射面に反射防止膜を設けることにより、GaAs基板裏
面における赤外線の反射を低減することができる。これ
により、多重量子井戸層による赤外線の吸収効率を向上
し、赤外線の検出感度を高めることができる。
【0012】また、上記の赤外線検出器において、前記
反射防止膜は、Y23により形成されているようにして
もよい。Y23はGaAsの反射防止膜として望ましい
屈折率を有しており、また、GaAsに対する熱膨張係
数差が極めて小さい。したがって、QWIPに必要とさ
れる熱サイクルによる劣化のない反射防止膜を構成する
ことができる。
【0013】また、上記の赤外線検出器において、前記
反射防止膜の膜厚は、1.1〜1.8μmであるように
してもよい。波長8〜12μmの波長の赤外線に対して
好適な反射防止膜としては、Y23の膜厚を1.1〜
1.8μmとすることができる。
【0014】また、上記の赤外線検出器において、前記
反射防止膜は、前記GaAs基板の前記第2の面上に形
成され、GaAsの屈折率をnsとして屈折率が√
(ns)より小さい材料よりなる第1の層と、前記第1
の層上に形成され、前記第1の層の屈折率をnとして屈
折率がns/nよりも大きい第2の層とを有するように
してもよい。このような材料を選択することにより、G
aAs基板裏面における反射率を1%以下に低減しうる
2層構造の反射防止膜を構成することができる。
【0015】また、上記の赤外線検出器において、前記
第1の層は、MgF2、CaF2又はY23の何れかから
選択された材料により形成されており、前記第2の層
は、Ge、Si、GaAs、CdTe又はZnSeの何
れかから選択された材料により形成されているようにし
てもよい。これら材料は、GaAsに対する熱膨張係数
差が小さい。したがって、QWIPに必要とされる熱サ
イクルによる劣化のない反射防止膜を構成することがで
きる。
【0016】また、上記目的は、GaAs基板と、前記
GaAs基板の第1の面上に形成された多重量子井戸層
と、前記第1の面とは異なる前記GaAs基板の第2の
面上に形成され、波長が3〜5μmの赤外線及び波長が
8〜12μmの赤外線に対する垂直入射時の反射率をそ
れぞれ3%以下に低減する反射防止膜とを有することを
特徴とする赤外線検出器によっても達成される。GaA
s系の赤外線検出器の赤外線入射面に反射防止膜を設け
ることにより、GaAs基板裏面における赤外線の反射
を低減することができる。これにより、多重量子井戸層
による赤外線の吸収効率を向上し、赤外線の検出感度を
高めることができる。また、波長が3〜5μmの赤外線
及び波長が8〜12μmの赤外線に対する垂直入射時の
反射率をそれぞれ3%以下に低減する反射防止膜は、二
つの波長域の光を検出する赤外線検出器の反射防止膜と
して好適である。
【0017】また、上記の赤外線検出器において、前記
反射防止膜は、前記GaAs基板の前記第2の面上に形
成された第1の層と、前記第1の層上に形成され、前記
第1の層の屈折率をn、GaAsの屈折率をnsとし
て、屈折率がn√(ns)である第2の層とを有するよ
うにしてもよい。このような材料を選択することによ
り、GaAs基板裏面における反射率を低減しうる2層
構造の反射防止膜を構成することができる。
【0018】また、上記の赤外線検出器において、前記
第1の層は、Geにより形成されており、前記第2の層
は、ZnSにより形成されていることが望ましい。これ
ら材料は、GaAsに対する熱膨張係数差が小さい。し
たがって、QWIPに必要とされる熱サイクルによる劣
化のない反射防止膜を構成することができる。また、電
子ビーム蒸着法などの成膜方法により容易に良質の膜が
得られるため、製造工程を複雑にすることもない。
【0019】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態による赤外線検出器について図1乃至図3を用い
て説明する。
【0020】図1は本実施形態による赤外線検出器を示
す概略断面図、図2は反射防止膜を設けた場合と設けな
い場合における垂直入射時の赤外線反射率の波長依存性
を示すグラフ、図3は反射防止膜を設けた場合と設けな
い場合における波長8.5μmの赤外線に対する反射率
の入射角度依存性を示すグラフである。
【0021】はじめに、本実施形態による赤外線検出器
の構造について図1を用いて説明する。
【0022】GaAs基板10上には、n−GaAs層
よりなるコンタクト層12が形成されている。コンタク
ト層12上には、アンドープAlGaAs層よりなるバ
リア層と、n−GaAs層よりなる井戸層とが繰り返し
て積層されたMQW層14が形成されている。MQW層
14上には、n−GaAs層よりなるコンタクト層16
が形成されている。コンタクト層16の表面には、MQ
W層14に対してほぼ垂直に入射した赤外光を散乱して
斜め方向に照射するグレーティング層18が設けられて
いる。コンタクト層16及びMQW層14は、各画素毎
に分離されており、分離された各画素のコンタクト層1
6はInバンプ20を介して信号処理回路基板22に接
続されている。赤外線の入射面であるGaAs基板10
の裏面には、Y23よりなる反射防止膜24が設けられ
ている。こうして、ハイブリッド型の赤外線検出器が構
成されている。
【0023】このように、本実施形態による赤外線検出
器は、GaAs基板10の裏面にY 23(酸化イットリ
ウム或いはイットリア)よりなる反射防止膜24が設け
られていることに特徴がある。
【0024】次に、本実施形態による赤外線検出器にお
ける反射防止膜について詳細に説明する。
【0025】中心波長λにおける反射率をゼロにするた
めには、下地材料の屈折率をns、反射防止膜の材料の
屈折率をn1として、 n1 =√(ns) …(1) の条件を満たす材料で、反射防止膜中における波長λ′
(=λ/n1)の4分の1波長に相当する膜厚の反射防
止膜を設ければよいことが知られている。
【0026】ここで、基板を構成するGaAsは、8.
5μmの波長に対し屈折率nsが約3.28である。し
たがって、反射防止膜としては、屈折率n1が、 n1 =√(ns)=√(3.28)≒1.81 の材料とすることが望ましい。
【0027】本願発明者等は、かかる観点から調査した
ところ、Y23(酸化イットリウム)がこのような条件
を満たすことが明らかとなった。Y23は屈折率n1
約1.71であり、上記(1)式により得られる1.8
1に近い屈折率を有している。
【0028】特に、Y23は、熱膨張係数が約5.8×
10-6-1であり、GaAsの熱膨張係数である約5.
7×10-6-1に極めて近い熱膨張係数を有している。
このため、GaAs上に形成した場合にも熱ストレスに
よるダメージが導入されることはない。
【0029】Y23により波長λが8.5μmの赤外線
に対する反射防止膜を形成するためには、その膜厚を λ′/4=λ/n1/4≒1.24[μm] とすればよい。
【0030】Y23は、例えば、中心波長約0.5μm
の光のための反射防止膜として、シリコン太陽電池の表
面に形成することが提案されている(例えば、米国特許
第4,246号参照)。
【0031】しかしながら、従来より、Y23は、Ga
As上の反射防止膜として、或いは、8〜12μm帯の
長波長の光に対する反射防止膜としては用いられていな
かった。これは、バルクのY23の透過光スペクトルか
ら、約9μmの波長以上の光がカットオフされることが
知られており(例えば、Handbook of Infrared Optical
Materials,. ed. Klocek P., Marcel Dekker (1991)参
照)、上記赤外波長域に用いる反射防止膜としては好適
でないと考えられていたからである。
【0032】本願発明者等が本実施形態においてY23
をGaAs系の赤外線検出器の反射防止膜として利用す
るに想到したのは、本願発明者等がY23の薄膜につい
て光学特性を調査し、その結果、膜厚約1.2μmのY
23薄膜が反射防止膜として十分な透過率を有している
ことを初めて見出したことに基づくものである。本願発
明者等が調査したところ、少なくとも、8〜12μm帯
の赤外線に対する反射防止膜として求められる1.1〜
1.8μm程度の膜厚において好適な光学特性を有して
いた。
【0033】図2は、Y23の反射防止膜を設けた場合
と設けない場合における垂直入射時の赤外線反射率の波
長依存性を示したグラフである。
【0034】図示するように、反射防止膜を設けない場
合には約27%の反射率を示しているが、反射防止膜を
設けることにより反射率を大幅に低減できることが判
る。波長が約8.5μmのときには、反射率を約1%程
度にまで低減することができた。
【0035】図3は、Y23の反射防止膜を設けた場合
と設けない場合における波長8.5μmの赤外線に対す
る反射率の入射角度依存性を示したグラフである。
【0036】図示するように、いずれの場合にも法線方
向に対する入射角度の増加に伴って反射率は増加する
が、反射防止膜を設けることにより入射角度の依存性を
小さくすることができる。例えば、入射角度が約60゜
の場合、反射防止膜を設けない試料では垂直入射時の反
射率の約2倍の55%程度まで反射率が増加するが、反
射防止膜を設けた試料では反射率を10%以下にまで抑
えることができる。
【0037】このように、本実施形態によれば、GaA
s系の赤外線検出器において、赤外線の入射面であるG
aAs基板10の裏面に、Y23よりなる反射防止膜を
設けるので、入射時の赤外線の反射を大幅に低減するこ
とができる。また、Y23はGaAsとの熱膨張係数差
が極めて小さいため、赤外線検出器の動作温度である約
77〜80Kと赤外線検出器の保存温度である280〜
310Kとの間の熱サイクルに十分に耐えることができ
る。
【0038】[第2実施形態]本発明の第2実施形態に
よる赤外線検出器について図4乃至図7を用いて説明す
る。
【0039】図4は本実施形態による赤外線検出器の構
造を示す概略断面図、図5は2層構造の反射防止膜を適
用した場合における中心波長に対する無反射条件を示す
グラフ、図6はGe/MgF2の反射防止膜を設けた場
合と設けない場合における垂直入射時の赤外線反射率の
波長依存性を示すグラフ、図7はGe/MgF2の反射
防止膜を設けた場合と設けない場合における波長8.5
μmの赤外線に対する反射率の入射角度依存性を示すグ
ラフである。
【0040】はじめに、本実施形態による赤外線検出器
の構造について図4を用いて説明する。
【0041】GaAs基板10上には、n−GaAs層
よりなるコンタクト層12が形成されている。コンタク
ト層12上には、アンドープAlGaAs層よりなるバ
リア層と、n−GaAs層よりなる井戸層とが繰り返し
て積層されたMQW層14が形成されている。MQW層
14上には、n−GaAs層よりなるコンタクト層16
が形成されている。コンタクト層16の表面には、MQ
W層14に対してほぼ垂直に入射した赤外光を散乱して
斜め方向に照射するグレーティング層18が設けられて
いる。コンタクト層16及びMQW層14は、各画素毎
に分離されており、分離された各画素のコンタクト層1
6はInバンプ20を介して信号処理回路基板22に接
続されている。赤外線の入射面であるGaAs基板10
の裏面には、膜厚が約0.67μmのMgF2膜24a
と、膜厚が約0.11μmのGe膜24bとにより構成
される反射防止膜24が設けられている。こうして、ハ
イブリッド型の赤外線検出器が構成されている。
【0042】このように、本実施形態による赤外線検出
器は、GaAs基板10の裏面にMgF2膜24aとG
e膜24bとからなる2層構造の反射防止膜24が設け
られていることに特徴がある。
【0043】次に、本実施形態による赤外線検出器にお
ける反射防止膜について詳細に説明する。
【0044】2層構造よりなる反射防止膜において中心
波長λにおける反射率をゼロにするためには、空気の屈
折率をn0、下地材料の屈折率をns、反射防止膜の上層
材料の屈折率をn1、反射防止膜の下層材料の屈折率を
2として、 n0 <n2 <√(ns)<ns/n2 <n1 …(2) の条件を満たす材料で、反射防止膜中における波長λ′
(=λ/n1)の4分の1波長よりも十分に薄い膜厚の
反射防止膜を設ければよいことが知られている。
【0045】ここで、(2)式の関係を図示すると図5
に示すようになり、図中に影を入れた領域が反射防止膜
として好適な無反射条件となる。これら領域のうち、領
域1及び領域2は構成材料の膜厚が厚くなることから、
QWIPに適用する反射防止膜としては膜厚が最小とな
る領域3の条件を満たす材料を選択することが望まし
い。
【0046】反射防止膜の下層の材料としては、上述し
た(1)式によって得られる屈折率よりも小さな屈折率
を有する材料を選択する。すなわち、 n2 <√(ns)=1.81 …(3) の関係を満足する材料とする。この条件を満たす材料で
あってGaAsに対する熱膨張係数差が小さい材料とし
ては、例えば、MgF2(熱膨張係数:10.4×10
-6-1)、CaF2(熱膨張係数:18.9×10-6
-1)、Y23(熱膨張係数:5.8×10-6-1)など
を適用することができる。
【0047】一方、反射防止膜の上層の材料としては、
(2)式及び(3)式より、屈折率n1が n1 >ns/n2 =3.27/n2 …(4) の関係を満足する材料とする。したがって、上層の材料
は屈折率が1.81より大きくGaAsに対する熱膨張
係数差が小さい材料、例えば、Ge(熱膨張係数:6.
1×10-6-1)、Si(熱膨張係数:2.6×10-6
-1)、GaAs(熱膨張係数:5.7×10
-6-1)、CdTe(熱膨張係数:5.9×10
-6-1)、ZnSe(熱膨張係数:7.1×10
-6-1)などを適用することができる。
【0048】反射防止膜の膜厚は、以下に示す表1の数
値に基づいて決定することができる。表1は、2層構造
の反射防止膜における最適膜厚を計算により求めた結果
である。
【0049】
【表1】
【0050】表1中に示す数値は、反射防止膜を構成す
る材料中における波長に対する係数を意味するものであ
り、当該係数をαとすると、膜厚tは、 t=α×λ/n …(5) として表される。例えば、Ge/MgF2によって反射
防止膜を構成する場合(表中のコラム1参照)、MgF
2に対する係数αは表1より0.100であり、屈折率
2は約1.25であるので、赤外線の波長が8.5μ
mの場合にはMgF2の膜厚を約0.67μmとすれば
よい。一方、Geに対する係数αは表1より0.048
であり、屈折率n1は約4.00であるので、赤外線の
波長が8.5μmの場合にはGeの膜厚を約0.11μ
mとすればよい図6は、Ge膜とMgF2膜との2層構
造よりなる反射防止膜を設けた場合と設けない場合にお
ける垂直入射時の赤外線反射率の波長依存性を示したグ
ラフである。
【0051】図示するように、反射防止膜を設けない場
合には約27%の反射率を示しているが、反射防止膜を
設けることにより反射率を大幅に低減できることが判
る。波長が約8.5μmのときには、反射率をほぼゼロ
まで低減することができた。
【0052】図7は、Ge膜とMgF2膜との2層構造
よりなる反射防止膜を設けた場合と設けない場合におけ
る波長8.5μmの赤外線に対する反射率の入射角度依
存性を示したグラフである。
【0053】図示するように、いずれの場合にも法線方
向に対する入射角度の増加に伴って反射率は増加する
が、反射防止膜を設けることにより入射角度の依存性を
小さくすることができる。例えば、入射角度が約60゜
の場合、反射防止膜を設けない試料では垂直入射時の反
射率の約2倍の55%程度まで反射率が増加するが、反
射防止膜を設けた試料では反射率を5%以下にまで抑え
ることができる。
【0054】このように、本実施形態によれば、GaA
s系の赤外線検出器において、赤外線の入射面であるG
aAs基板10の裏面に、屈折率n2が√(ns)より小
さい材料よりなる層と、屈折率n1がns/n2よりも大
きい層よりなる2層構造の反射防止膜を設けるので、入
射時の赤外線の反射を大幅に低減することができる。
【0055】[第3実施形態]本発明の第3実施形態に
よる赤外線検出器について図8乃至図13を用いて説明
する。
【0056】図8は本実施形態による赤外線検出器の構
造を示す概略断面図、図9は2層構造の反射防止膜を適
用した場合における中心波長に対する無反射条件を示す
グラフ、図10及び図12はZnS/Geの反射防止膜
を設けた場合と設けない場合における垂直入射時の赤外
線反射率の波長依存性を示すグラフ、図11及び図13
はZnS/Geの反射防止膜を設けた場合における波長
8.5μmの赤外線に対する反射率の入射角度依存性を
示すグラフである。
【0057】はじめに、本実施形態による赤外線検出器
の構造について図8を用いて説明する。
【0058】GaAs基板10上には、n−GaAs層
よりなるコンタクト層12が形成されている。コンタク
ト層12上には、アンドープAlGaAs層よりなるバ
リア層と、n−GaAs層よりなる井戸層とが繰り返し
て積層されたMQW層14が形成されている。MQW層
14上には、n−GaAs層よりなるコンタクト層16
が形成されている。コンタクト層16の表面には、MQ
W層14に対してほぼ垂直に入射した赤外光を散乱して
斜め方向に照射するグレーティング層18が設けられて
いる。コンタクト層16及びMQW層14は、各画素毎
に分離されており、分離された各画素のコンタクト層1
6はInバンプ20を介して信号処理回路基板22に接
続されている。赤外線の入射面であるGaAs基板10
の裏面には、Ge膜24cとZnS膜24dとにより構
成される反射防止膜24が設けられている。こうして、
ハイブリッド型の赤外線検出器が構成されている。
【0059】このように、本実施形態による赤外線検出
器は、GaAs基板10の裏面にGe膜24cとZnS
膜24dとからなる2層構造の反射防止膜24が設けら
れていることに特徴がある。
【0060】次に、本実施形態による赤外線検出器にお
ける反射防止膜について詳細に説明する。
【0061】前述したとおり、2層構造よりなる反射防
止膜において中心波長λにおける反射率をゼロにするた
めには、空気の屈折率をn0、下地材料の屈折率をns
反射防止膜の上層材料の屈折率をn1、反射防止膜の下
層材料の屈折率をn2として、 n0 <n2 <√(ns)<ns/n2 <n1 …(2) の条件を満たす材料で、反射防止膜中における波長λ′
(=λ/n1)の4分の1波長よりも十分に薄い膜厚の
反射防止膜を設ければよいことが知られている。そし
て、(2)式の関係を図示すると図9に示すようにな
り、図中に影を入れた領域が反射防止膜として好適な無
反射条件となる。
【0062】ここで、GaAsの反射防止膜として、下
層材料にGeを、上層材料にZnSを用いることを考慮
すると、8.5μmの波長に対し、Geの屈折率n2
約2.21、ZnSの屈折率n1は約4.01、GaA
sの屈折率は約3.28であるので、これら膜の屈折率
の関係は、 n1√(ns)=n2√n0 …(6) の無反射条件を満足し、図9中において「n1√(ns
=n2√n0」に示す線上に位置することとなる。
【0063】したがって、反射防止効果を予定する中心
波長をλ0、上層膜であるZnSの膜厚をtZnS、下層膜
であるGeの膜厚をtGeとすると、ZnS膜厚tZnS
びGe膜厚tGeを、それぞれ tZnS =λ0/(4n1) tGe =λ0/(4n2) …(7) を満足する膜厚に設定することにより、波長λ0の光に
対する反射率をゼロとすることができる。例えば、中心
波長λ0を8.5μmとすると、Geの膜厚は0.53
μm、ZnSの膜厚は0.96μmとなる。
【0064】また、ZnSの熱膨張係数は6.9×10
-6-1、Geの熱膨張係数は6.1×10-6-1であ
り、熱膨張係数が5.7×10-6-1であるGaAsと
の間の熱膨張率差も小さい。したがって、このような反
射防止膜は、測定温度と室温との間の熱サイクルに耐え
る必要のあるQWIPの反射防止膜として好適である。
【0065】また、Ge及びZnSは、電子ビーム蒸着
等の成膜方法により容易に良質の膜を形成することがで
きる。したがって、QWIPの製造プロセスを複雑にす
るなどの問題もない。
【0066】図10は、膜厚0.53μmのGe膜と膜
厚0.96μmのZnS膜との2層構造よりなる反射防
止膜を設けた場合と設けない場合における垂直入射時の
赤外線反射率の波長依存性を示したグラフである。
【0067】図示するように、反射防止膜を設けない場
合には約27%の反射率を示しているが、反射防止膜を
設けることにより反射率を大幅に低減できることが判
る。波長が約8.5μmのときには、反射率をほぼゼロ
まで低減することができた。
【0068】図11は、膜厚0.53μmのGe膜と膜
厚0.96μmのZnS膜との2層構造よりなる反射防
止膜を設けた場合における波長8.5μmの赤外線に対
する反射率の入射角度依存性を示したグラフである。
【0069】図示するように、法線方向に対する入射角
度の増加に伴って反射率は増加するが、反射防止膜を設
けることにより入射角度の依存性を小さくすることがで
きる。例えば、入射角度が約60゜の場合、反射防止膜
を設けない試料では垂直入射時の反射率の約2倍の55
%程度まで反射率が増加するが(図3或いは図7を参
照)、反射防止膜を設けた試料では反射率を10%以下
にまで抑えることができる。
【0070】また、(6)式の関係を満足する材料系
は、単一波長域の光に対する反射防止膜のみならず、二
つの波長域の光に対する反射防止膜をも構成することが
できる。
【0071】すなわち、第1の中心波長をλ0′、第2
の中心波長をλ0″、第1の中心波長と第2の中心波長
との間の波長をλ′とすると、ZnS膜厚tZnS及びG
e膜厚tGeを、それぞれ tZnS =λ′/(2n1) tGe =λ′/(4n2) …(8) を満足する膜厚に設定することにより、第1の中心波長
λ0′、第2の中心波長λ0″における反射率を最低限に
抑えることができる。例えば、第1の中心波長と第2の
中心波長との間の波長λ′を6μmとすると、Geの膜
厚は0.75μm、ZnSの膜厚は0.68μmであ
る。
【0072】一般に、二つの波長域の光に対する反射防
止膜を2層構造の反射防止膜により構成することは困難
であり、通常は3層構造以上の多層構造の反射防止膜が
適用されている。また、二つの波長域の光を検出するた
めのQWIPでは、一般に、4〜5μm程度の波長域と
8.5μm程度の波長域の光を検出することが望まれる
が、このように互いに離間した波長域に対応する反射防
止膜を簡単な構造で形成することは容易ではない。
【0073】しかしながら、本実施形態による反射防止
膜のようにGe膜24cとZnS膜24dとからなる2
層構造の反射防止膜24を構成することで、その構造を
極めて簡略にでき、また、二つの波長域の光を検出する
ためのQWIPに好適な反射防止特性を得ることができ
る。
【0074】なお、3〜5μmの赤外線に対する垂直入
射時の反射率と、8〜12μmの赤外線に対する垂直入
射時の反射率とをそれぞれ3%以下に抑えるためには、
(8)式に基づき、Ge膜24cの膜厚を0.37〜
0.75μmの範囲で、ZnS膜の膜厚を0.67〜
1.35μmの範囲で適宜調整すればよい。
【0075】図12は、膜厚0.75μmのGe膜と膜
厚0.68μmのZnS膜との2層構造よりなる反射防
止膜を設けた場合と設けない場合における垂直入射時の
赤外線反射率の波長依存性を示したグラフである。
【0076】図示するように、反射防止膜を設けない場
合には約27%の反射率を示しているが、反射防止膜を
設けることにより反射率を大幅に低減できることが判
る。また、約5μm近傍及び約8μm近傍の波長域にお
いて反射率が約3%以下である最小値を有しており、二
つの波長域の光に対する良好な反射防止効果を得ること
ができた。
【0077】図13は、膜厚0.75μmのGe膜と膜
厚0.68μmのZnS膜との2層構造よりなる反射防
止膜を設けた場合における波長8.5μmの赤外線に対
する反射率の入射角度依存性を示したグラフである。
【0078】図示するように、法線方向に対する入射角
度の増加に伴って反射率は増加するが、反射防止膜を設
けることにより入射角度の依存性を小さくすることがで
きる。例えば、入射角度が約60゜の場合、反射防止膜
を設けない試料では垂直入射時の反射率の約2倍の55
%程度まで反射率が増加するが(図3或いは図7を参
照)、反射防止膜を設けた試料では反射率を15%以下
にまで抑えることができる。
【0079】このように、本実施形態によれば、GaA
s系の赤外線検出器において、赤外線の入射面であるG
aAs基板10の裏面に、ZnS膜24c及びGe膜2
4dよりなる2層構造の反射防止膜を設けるので、入射
時の赤外線の反射率を大幅に低減することができる。ま
た、Ge膜とZnS膜とにより構成される反射防止膜で
は、単一波長域の光に対する反射防止膜のみならず、二
つの波長域の光に対して良好な反射防止効果を有する反
射防止膜をも構成することができる。
【0080】なお、上記第1乃至第3実施形態では、中
心波長が約8.5μmの赤外線を例にして説明したが、
いずれの実施形態も、波長域が約8〜12μmの赤外線
に広く適用することができる。
【0081】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、GaAs
基板と、GaAs基板の第1の面上に形成された多重量
子井戸層と、第1の面とは異なるGaAs基板の第2の
面上に形成され、波長が8〜12μmの赤外線に対する
垂直入射時の反射率を1%以下に低減する反射防止膜と
により赤外線検出器を構成するので、GaAs系の赤外
線検出器においても赤外線入射面における赤外線の反射
を低減することができる。これにより、多重量子井戸層
による赤外線の吸収効率を向上し、赤外線の検出感度を
高めることができる。
【0082】また、上記の赤外線検出器において、反射
防止膜としては、Y23を適用することができる。Y2
3はGaAsの反射防止膜として望ましい屈折率を有
しており、また、GaAsに対する熱膨張係数差が極め
て小さい。したがって、QWIPに必要とされる熱サイ
クルによる劣化のない反射防止膜を構成することができ
る。
【0083】また、上記の赤外線検出器において、反射
防止膜は、GaAs基板の第2の面上に形成され、Ga
Asの屈折率をnsとして屈折率が√(ns)より小さい
材料よりなる第1の層と、第1の層上に形成され、第1
の層の屈折率をnとして屈折率がns/nよりも大きい
第2の層とにより構成することができる。このような材
料を選択することにより、GaAs基板裏面における反
射率を1%以下に低減しうる2層構造の反射防止膜を構
成することができる。具体的には、第1の層として、M
gF2、CaF2又はY23の何れかから選択された材料
を、第2の層としては、Ge、Si、GaAs、CdT
e又はZnSeの何れかから選択された材料を適用する
ことができる。
【0084】また、GaAs基板と、GaAs基板の第
1の面上に形成された多重量子井戸層と、第1の面とは
異なるGaAs基板の第2の面上に形成され、波長が3
〜5μmの赤外線及び波長が8〜12μmの赤外線に対
する垂直入射時の反射率をそれぞれ3%以下に低減する
反射防止膜とにより赤外線検出器を構成するので、Ga
As系の赤外線検出器においても赤外線入射面における
赤外線の反射を低減することができる。これにより、多
重量子井戸層による赤外線の吸収効率を向上し、赤外線
の検出感度を高めることができる。
【0085】また、上記の赤外線検出器において、反射
防止膜は、GaAs基板の第2の面上に形成された第1
の層と、第1の層上に形成され、第1の層の屈折率を
n、GaAsの屈折率をnsとして、屈折率がn√
(ns)である第2の層とにより構成することができ
る。このような材料を選択することにより、GaAs基
板裏面における反射率を低減しうる2層構造の反射防止
膜を構成することができる。具体的には、第1の層とし
てGeを、第2の層としてZnSを適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による赤外線検出器の構
造を示す概略断面図である。
【図2】Y23の反射防止膜を設けた場合と設けない場
合における垂直入射時の赤外線反射率の波長依存性を示
すグラフである。
【図3】Y23の反射防止膜を設けた場合と設けない場
合における波長8.5μmの赤外線に対する反射率の入
射角度依存性を示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態による赤外線検出器の構
造を示す概略断面図である。
【図5】2層構造の反射防止膜を適用した場合における
中心波長に対する無反射条件を示すグラフである。
【図6】Ge/MgF2の反射防止膜を設けた場合と設
けない場合における垂直入射時の赤外線反射率の波長依
存性を示すグラフである。
【図7】Ge/MgF2の反射防止膜を設けた場合と設
けない場合における波長8.5μmの赤外線に対する反
射率の入射角度依存性を示すグラフである。
【図8】本発明の第3実施形態による赤外線検出器の構
造を示す概略断面図である。
【図9】2層構造の反射防止膜を適用した場合における
中心波長に対する無反射条件を示すグラフである。
【図10】ZnS/Geの反射防止膜を設けた場合と設
けない場合における垂直入射時の赤外線反射率の波長依
存性を示すグラフである。
【図11】ZnS/Geの反射防止膜を設けた場合にお
ける波長8.5μmの赤外線に対する反射率の入射角度
依存性を示すグラフである。
【図12】ZnS/Geの反射防止膜を設けた場合と設
けない場合における垂直入射時の赤外線反射率の波長依
存性を示すグラフである。
【図13】ZnS/Geの反射防止膜を設けた場合にお
ける波長8.5μmの赤外線に対する反射率の入射角度
依存性を示すグラフである。
【図14】従来の赤外線検出器の構造を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
10…GaAs基板 12…コンタクト層 14…MQW層 16…コンタクト層 18…グレーティング層 20…Inバンプ 22…信号処理回路基板 24…反射防止膜 24a…MgF2膜 24b…Ge膜 24c…Ge膜 24d…ZnS膜 100…GaAs基板 102…コンタクト層 104…MQW層 106…コンタクト層 108…グレーティング層 110…Inバンプ 112…信号処理回路基板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板と、 前記GaAs基板の第1の面上に形成された多重量子井
    戸層と、 前記第1の面とは異なる前記GaAs基板の第2の面上
    に形成され、波長が8〜12μmの赤外線に対する垂直
    入射時の反射率を1%以下に低減する反射防止膜とを有
    することを特徴とする赤外線検出器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の赤外線検出器において、 前記反射防止膜は、Y23により形成されていることを
    特徴とする赤外線検出器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の赤外線検出器において、 前記反射防止膜の膜厚は、1.1〜1.8μmであるこ
    とを特徴とする赤外線検出器。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の赤外線検出器において、 前記反射防止膜は、前記GaAs基板の前記第2の面上
    に形成され、GaAsの屈折率をnsとして屈折率が√
    (ns)より小さい材料よりなる第1の層と、前記第1
    の層上に形成され、前記第1の層の屈折率をnとして屈
    折率がns/nよりも大きい第2の層とを有することを
    特徴とする赤外線検出器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の赤外線検出器において、 前記第1の層は、MgF2、CaF2又はY23の何れか
    から選択された材料により形成されており、 前記第2の層は、Ge、Si、GaAs、CdTe又は
    ZnSeの何れかから選択された材料により形成されて
    いることを特徴とする赤外線検出器。
  6. 【請求項6】 GaAs基板と、 前記GaAs基板の第1の面上に形成された多重量子井
    戸層と、 前記第1の面とは異なる前記GaAs基板の第2の面上
    に形成され、波長が3〜5μmの赤外線及び波長が8〜
    12μmの赤外線に対する垂直入射時の反射率をそれぞ
    れ3%以下に低減する反射防止膜とを有することを特徴
    とする赤外線検出器。
  7. 【請求項7】 請求項1又は6記載の赤外線検出器にお
    いて、 前記反射防止膜は、前記GaAs基板の前記第2の面上
    に形成された第1の層と、前記第1の層上に形成され、
    前記第1の層の屈折率をn、GaAsの屈折率をns
    して、屈折率がn√(ns)である第2の層とを有する
    ことを特徴とする赤外線検出器。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の赤外線検出器において、 前記第1の層は、Geにより形成されており、 前記第2の層は、ZnSにより形成されていることを特
    徴とする赤外線検出器。
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