JPH07120319A - 電波シールド性を有する赤外線透過構造体 - Google Patents

電波シールド性を有する赤外線透過構造体

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JPH07120319A
JPH07120319A JP5287488A JP28748893A JPH07120319A JP H07120319 A JPH07120319 A JP H07120319A JP 5287488 A JP5287488 A JP 5287488A JP 28748893 A JP28748893 A JP 28748893A JP H07120319 A JPH07120319 A JP H07120319A
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JP
Japan
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infrared
thin layer
infrared transmitting
conductive
shielding property
Prior art date
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Application number
JP5287488A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nakayama
茂 中山
Tetsuo Kishimoto
哲夫 岸本
Hajime Osaka
始 大坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた赤外線透過性を有すると同時に、赤外
線検出機器のセンサー部や処理部等を電磁波から保護し
て誤動作を防止することのできる、赤外線透過構造体を
提供する。 【構成】 赤外線透過材2の上又はその上に設けた反射
防止膜3の上に、導電性物質の薄層を形成した赤外線透
過構造体1であり、導電性物質の薄層は導電性物質を格
子状に形成した導電性格子状薄層4であるか、又は膜状
に形成した導電性膜状薄層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線センサー等の赤
外線検出機器に光学窓等として用いられる赤外線の透過
性に優れた構造体、特に電波シールド性を具えた赤外線
透過構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、物体から放射又は放散される熱に
よる赤外線を検知する各種の赤外線検出機器が発達し、
例えば防犯検知装置等として対象物の位置を確認する赤
外線センサー、暗闇で対象物を見ることの出来る暗視装
置、対象物の温度及び温度分布を測定する温度計等が普
及している。又、最近では、赤外線センサーを利用した
自動車等の衝突防止装置の開発が進められている。
【0003】これらの赤外線検出機器に用いられる光学
窓、レンズ、プリズム等の赤外線透過構造体は、必要な
波長帯の赤外線を透過する材料で作製することが要求さ
れる。かかる赤外線透過材として従来から使用されてい
る材料には、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリ
ウム(BaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)等のフッ
化物のほか、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(Zn
S)等がある。
【0004】又、これらの赤外線透過材のなかでも、屈
折率が高い材料は表面反射損失が多いために直線透過率
はそれほど高くなく、例えば厚さ3mmの試料において
ZnSeで約70%及びZnSで約73%程度の直線透
過率が最大である。従って、これらを光学窓等として使
用する場合には、表面にMgF2等のフッ化物やSiO
等の酸化物を単層又は複層にコーティングした反射防止
膜を設けることが一般に行われている。
【0005】ところで、最近の赤外線検出機器はセンサ
ー部から処理部に集積回路を多用しているため、電磁波
により誤動作する危険が指摘されている。しかるに、光
学窓等として赤外線検出機器のセンサー部等を保護する
赤外線透過構造体は誘電体物質からなっているため、電
磁波に対しても透過性を有し、センサー部等を電磁波か
ら守ることが困難である。一方、電磁波を透過しない電
波シールド性を具えた赤外線透過構造体も存在するが、
それらは赤外線透過性を持たないものに限られている現
状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、優れた赤外線透過性を有すると同時に、
赤外線検出機器のセンサー部や処理部等を電磁波から保
護して誤動作を防止することのできる、赤外線透過構造
体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する赤外線透過構造体は、赤外線透過
材の上に導電性物質の薄層を具えたことを特徴とする。
尚、導電性物質の薄層とは、通常の平坦な薄い膜状の層
のほか、導電性物質を格子状に設けた場合をも含むもの
である。
【0008】本発明で用いる赤外線透過材は従来から使
用されている材料で良く、例えばフッ化カルシウム(C
aF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化マグネシウ
ム(MgF2)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(Zn
S)、酸化イットリウム(Y23)、MgAl23等があ
り、これらはいずれも誘電体である。
【0009】又、導電性物質としては、金(Au)、銀
(Ag)、銅(Cu)、チタン(Ti)、白金(Pt)等の金属
からなる良導体が好ましいが、酸化インジウム(In2
3)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の半導体的
性質の物質であっても良く、これらに不純物を添加して
導電性を改良したものであっても良い。しかし、本発明
で用いる導電性物質は、薄層とした時に赤外線を十分に
透過する必要があることは当然である。
【0010】尚、本発明においても、赤外線透過材は通
常のごとく反射防止膜を具えることができる。反射防止
膜の種類は特に限定されず、従来から用いられている材
料、例えばLaF3、MgF2、YF3、CeF3、BaF
2、CaF2、Na3AlF3等のフッ化物、MgO、Y2
3、SiO2、TiO2等の酸化物等を光学理論に従っ
て単層又は複層に形成して用いることができる。
【0011】反射防止膜を具える場合、導電性物質の薄
層は赤外線透過材上に設けた反射防止膜の表面に形成す
るか、又は赤外線透過材と反射防止膜との間に形成され
る。その場合、反射防止膜は赤外線透過材の両面に設け
ることが好ましいが、導電性物質の薄層は赤外線透過材
の少なくとも片方の面に設ければ十分である。
【0012】
【作用】本発明の赤外線透過構造体では、赤外線透過性
を有すると同時に電磁波も透過する赤外線透過材の上
に、導電性物質からなる薄膜が設けてあるので、外部か
らの電磁波は導電性物質の薄膜により反射され、赤外線
透過構造体を透過して内部に侵入することがなくなる。
即ち、本発明の赤外線透過構造体は電波シールド性を有
し、赤外線検出機器のセンサー部等を電磁波から保護す
ることができる。
【0013】導電性物質の薄層が厚いほど良好な電波シ
ールド性が得られるが、導電性物質の薄層が厚すぎると
赤外線透過率が低下して光学窓等としての使用に支障を
来すので、導電性物質の薄膜の厚さは赤外線透過材上に
設けた反射防止膜の表面にあるときは0.5μm以下で
あり、又赤外線透過材と反射防止膜との間にあるときは
0.05μm以下であることが好ましい。
【0014】本発明の赤外線透過構造体の1つの具体例
として図1及び図2に示す構造を挙げることができる。
この赤外線透過構造体1は、赤外線透過材2の両方の表
面上に反射防止膜3を具え、その片方の反射防止膜3の
表面上に導電性物質を格子状に形成した薄層、即ち導電
性格子状薄層4を具えている。
【0015】この赤外線透過構造体1においては、導電
性格子状薄層4による赤外線の反射を最小限にして良好
な赤外線透過率を確保するため、導電性格子状薄層4の
厚さを0.5μm以下とする以外に、格子の間隔を1m
m程度以上及び格子の幅を0.2mm以下にすることが
好ましい。
【0016】本発明の赤外線透過構造体の他の具体例と
して、図3に示すように、赤外線透過材2の片方の表面
上に導電性物質を平滑な膜状に形成した薄層、即ち導電
性膜状薄層5を具え、その導電性膜状薄層5の表面上及
び赤外線透過材2の反対側の表面上に反射防止膜3を具
えたものがある。この場合の導電性膜状薄層5の厚さは
0.05μm以下とする。
【0017】又、導電性物質の薄層の端部を直接接地し
たり、又は導電性物質の薄膜の端部を赤外線透過構造体
を取り付けた金属製基部に機械的に密着させ若しくは導
電性接着剤を用いて接続し、更にその金属製基部を接地
することによって、電波シールド性を確実にすることが
できる。
【0018】
【実施例】厚さ3〜6mmのZnSからなるドーム状の
赤外線透過材の内側及び外側表面上に、MgF2のよう
なフッ化物又はMgOのような酸化物等からなる複層の
反射防止膜を通常のごとく形成し、次に外側の反射防止
膜の表面上にAuをマスクを用いて格子状に蒸着するこ
とによって、図1に示す構造の導電性格子状薄膜を具え
たドーム状の赤外線透過構造体を得た。尚、導電性格子
状薄膜の格子間隔は1mm及び格子幅は0.2mmと
し、その厚さは0.50μmとした。
【0019】又、厚さ3〜6mmのZnSからなるドー
ム状の赤外線透過材の外側の表面上に、Auを一様に厚
さ0.05μmの膜状に蒸着し、その後この赤外線透過
材の内側の表面上と外側の導電性膜状薄膜の表面上に、
MgF2のようなフッ化物又はMgOのような酸化物等
からなる複層の反射防止膜を通常のごとく形成して、図
3に示す構造の導電性膜状薄膜を具えたドーム状の赤外
線透過構造体を製造した。
【0020】得られた両方の赤外線透過構造体を評価し
たところ、波長3〜5μmの赤外域における赤外線透過
率は、図1の赤外線透過構造体が及び図3の赤外線透過
構造体共に80%以上であった。又、電磁波の減衰率
は、図1の赤外線透過構造体が20dB以上及び図3の
赤外線透過構造体が10dB以上であった。
【0021】次に、図4に示すごとく、各赤外線透過構
造体1を導電性接着剤6を用いて金属製基部7に接続固
定し、この金属製基部7を接地して赤外線センサー保護
用のドームとして使用した。実際に周囲に電磁波を発生
させてセンサー部や処理部等に与える影響を調べたとこ
ろ、全く誤動作を生じることがなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、優れた赤外線透過性を
有すると同時に電波シールド性を具えた赤外線透過構造
体を提供することができる。従って、この赤外線透過構
造体を光学窓等として用いることにより、赤外線検出機
器のセンサー部や処理部等を電磁波から保護して誤動作
を防止することが可能である。
【0023】よって、本発明の赤外線透過構造体は、電
波環境下にさらされる飛行体等の赤外線検出機器用の光
学窓やドーム等として有用である。又、自動車や船舶等
の衝突防止装置又は形状認識装置等においても、電波妨
害対策が必要であるため、本発明の赤外線透過構造体を
搭載することが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】格子状に形成した導電性物質の薄層を有する本
発明の赤外線透過構造体の一具体例を示す要部の概略断
面図である。
【図2】格子状に形成した導電性物質の薄層を有する本
発明の赤外線透過構造体の一具体例を示す全体の概略平
面図である。
【図3】膜状に形成した導電性物質の薄層を有する本発
明の赤外線透過構造体の一具体例を示す要部の概略断面
図である。
【図4】本発明の赤外線透過構造体を金属製基部に取り
付けて接地した赤外線検出機器用ドームの一部を切り欠
いた概略側面図である。
【符号の説明】
1 赤外線透過構造体 2 赤外線透過材 3 反射防止膜 4 導電性格子状薄層 5 導電性膜状薄層 6 導電性接着剤 7 金属製基部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線透過材の上に導電性物質の薄層を
    具えたことを特徴とする、電波シールド性を有する赤外
    線透過構造体。
  2. 【請求項2】 導電性物質の薄層が、赤外線透過材上に
    設けた反射防止膜の表面か、又は赤外線透過材と反射防
    止膜との間に形成されていることを特徴とする、請求項
    1に記載の電波シールド性を有する赤外線透過構造体。
  3. 【請求項3】 導電性物質の薄層の厚さが、赤外線透過
    材上に設けた反射防止膜の表面にあるときは0.5μm
    以下であり、又赤外線透過材と反射防止膜との間にある
    ときは0.05μm以下であることを特徴とする、請求
    項1又は2に記載の電波シールド性を有する赤外線透過
    構造体。
  4. 【請求項4】 導電性物質の薄層の端部を接地したこと
    を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電波シ
    ールド性を有する赤外線透過構造体。
JP5287488A 1993-10-22 1993-10-22 電波シールド性を有する赤外線透過構造体 Pending JPH07120319A (ja)

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