JP2000058567A - 半導体装置の組立用治具及び組立方法 - Google Patents

半導体装置の組立用治具及び組立方法

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JP2000058567A
JP2000058567A JP10221256A JP22125698A JP2000058567A JP 2000058567 A JP2000058567 A JP 2000058567A JP 10221256 A JP10221256 A JP 10221256A JP 22125698 A JP22125698 A JP 22125698A JP 2000058567 A JP2000058567 A JP 2000058567A
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wiring board
semiconductor device
jig
light
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Takayuki Yoshida
隆幸 吉田
Hiroyuki Sakai
啓之 酒井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路モジュールが配線基板に実装された半導
体装置であって、高周波領域において確実に動作する半
導体装置を製造する。 【解決手段】 透明なブロック11上に載置された配線
基板8上の所定の領域に光硬化性樹脂10を塗布し、回
路モジュール20を配線基板8に載置した後に、透明な
加圧ツール16で回路モジュール20を加圧するととも
に、加圧ツール16と配線基板8とをUV光17で上方
から照射する。加圧ツール16を透過したUV光17
と、ブロック11の下面と側面とに形成された反射膜1
4A,14BにおいてUV光17が反射した反射光とに
より、回路モジュール20の下方も含めて光硬化性樹脂
10を上方と下方とから照射して確実に硬化させる。こ
れにより、回路モジュール20と配線基板8とを低く安
定したインピーダンスで電気的に接続できるので、高周
波領域で安定して動作する半導体装置を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体チップが搭
載された半導体装置、特に高周波領域で動作する半導体
装置を製造する際に用いられる組立用治具と、半導体装
置の組立方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器においては動作速度が高
速化し、ミリ波帯等の高周波領域で動作する回路モジュ
ール、いわゆる高周波モジュールの開発も進行してい
る。以下、従来の回路モジュール及びその組立方法の一
例について、図8と図9とを参照しながら説明する。
【0003】図8は、従来の回路モジュール、つまり半
導体装置の一例を示す断面図である。図8において、1
00はセラミック等からなる配線基板、101は高周波
領域で動作する半導体チップ、102は半導体チップ1
01に対して信号を授受するためのワイヤ、103は半
導体チップ101を搭載し配線基板100を介して外部
との間で信号を授受するためのハイブリッドIC(HI
C)基板、104はHIC基板103とその上に搭載さ
れた半導体チップ101とワイヤ102とからなるハイ
ブリッドIC(HIC)、105はハイブリッドIC1
04に対して信号を授受するためのワイヤ、106は配
線基板100上に搭載されたバイパスコンデンサであ
る。
【0004】図8に示された回路モジュール、つまり半
導体装置の組立方法の一例を、図9を参照しながら説明
する。図9(a)〜(c)は、従来の半導体装置の組立
方法の各工程を示す断面図である。まず、図9(a)に
示すように、電源回路、整合回路等を形成したセラミッ
ク等からなる配線基板100上に、はんだ付け等により
バイパスコンデンサ106を必要な数だけ実装する。次
に、図9(b)に示すように、配線基板100上の所定
の位置に、導電ペースト等を用いて、既に半導体チップ
101が搭載されたハイブリッドIC104を実装す
る。次に、図9(c)に示すように、それぞれ対応す
る、ハイブリッドIC104の電極パッドと配線基板1
00の電極パッドとをワイヤ105により電気的に接続
して、回路モジュールを完成させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の半導体装置の組立方法によれば、以下のような問
題があった。すなわち、従来の方法で組み立てられた半
導体装置において、配線基板100に実装されたハイブ
リッドIC104は、準ミリ波帯、ミリ波帯という高周
波領域で動作する場合には、信号の伝達を十分に行うこ
とができないという問題である。この問題は、高周波領
域で動作するハイブリッドIC104が外部から信号を
受け取る場合及び次段回路へと信号を伝達する場合にお
いて、ワイヤ部で発生するインピーダンスの不整合に起
因している。
【0006】また、外部から半導体装置に電源を供給す
る電源ラインからのノイズを遮断するために、通常、電
源ラインに大容量のバイパスコンデンサを搭載する必要
がある。しかし、ワイヤ部で発生するインピーダンスの
不整合のために、バイパスコンデンサを搭載しても半導
体装置が正常に動作しないので、バイパスコンデンサが
無意味になってしまうという問題もあった。
【0007】本発明は、上記の従来の問題に鑑み、半導
体装置を組み立てる際に電気的接続部のインピーダンス
を低減しかつ一定にすることにより、信号をスムーズに
伝達して高周波帯で安定して動作できる半導体装置を製
造するための、組立用治具と組立方法とを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、配線基板の上へ半導体部品を載置し、
該半導体部品を光硬化性樹脂により封止して半導体装置
を組み立てる際に用いる半導体装置の組立用治具を、透
光性を有する材料からなる本体と、本体の上面側に設け
られ配線基板を保持するための保持部と、本体の下面に
形成され光を反射するための反射膜とを備えたこととし
ている。
【0009】これにより、光硬化樹脂により半導体部品
を封止する際に、組立用治具の上方から照射された照射
光と、反射膜において反射し透光性を有する本体を透過
した反射光とにより、上方と下方とから光硬化性樹脂が
照射される。したがって、半導体部品の下方へ回り込ん
だ光硬化性樹脂が確実に硬化される。
【0010】上述の組立用治具において、本体は、上面
に対して45゜未満の角度を有する側面と、側面に形成
され上方から入射した光を本体の上面側へと反射するた
めの反射膜とを備えたこととしてもよい。
【0011】これにより、上方から入射し側面において
上方へと反射した光によって、光硬化性樹脂が下方から
更に照射されるので、より確実に光硬化性樹脂が硬化さ
れる。
【0012】上述の組立用治具において、本体は、上面
に対して90゜未満の角度を有する側面を有するととも
に、側面は、側方から入射した光を本体の上面側へと屈
折させることとしてもよい。
【0013】これにより、側方から入射し、側面におい
て本体の上面側へと屈折した光によって光硬化性樹脂が
下方から更に照射されるので、より確実に光硬化性樹脂
が硬化される。
【0014】上述の組立用治具において、本体は、上面
において半導体部品の下方へ位置するように設けられた
凹部と、上面と下面との間を貫通し、配線基板を吸着す
るための貫通穴とを更に備えたこととしてもよい。
【0015】これにより、半導体部品が配線基板上へ確
実に載置され、かつ、その配線基板が吸着されることに
よって組立用治具の本体に確実に固定される。
【0016】また、本発明は、下面に反射膜を有しかつ
透光性を有する材料からなる組立用治具の上面に載置さ
れた配線基板上へ半導体部品を載置し、該半導体部品を
光硬化性樹脂により封止して半導体装置を組み立てる半
導体装置の組立方法を、組立用治具上に配線基板を載置
する工程と、配線基板上の所定の領域に光硬化性樹脂を
塗布する工程と、配線基板の電極に対して半導体部品の
電極を加圧して該半導体部品と配線基板とを電気的に接
続する工程と、接続した後に加圧した状態を維持しつつ
上方から照射光により組立用治具を照射して、照射光と
反射膜による反射光とを用いてそれぞれ上方と下方とか
ら光硬化性樹脂を照射することにより、該光硬化性樹脂
を硬化させる工程とを備えたこととしている。
【0017】この方法により、半導体部品と配線基板と
を電気的に接続し加圧した状態において、照射光と反射
光とによりそれぞれ上面と下面とから照射して光硬化性
樹脂を確実に硬化させる。したがって、半導体部品と配
線基板とを、低くかつ安定したインピーダンスにより確
実に接続できるので、高周波領域で安定して動作する半
導体装置を組み立てることができる。
【0018】上述の組立方法において、組立用治具は、
上面に対して45゜未満の角度をなして設けられ反射膜
が形成された側面を有するとともに、硬化させる工程で
は、更に側面に形成された反射膜による反射光を用いて
下方から光硬化性樹脂を照射することにより、該光硬化
性樹脂を硬化させることとしてもよい。
【0019】この方法により、上方から入射させて組立
用治具の側面で上方へと反射させた光によって、光硬化
性樹脂を下方から更に照射するので、より確実に光硬化
性樹脂を硬化させることができる。
【0020】上述の組立方法において、組立用治具は、
上面に対して90゜未満の角度をなして設けられた側面
を有するとともに、硬化させる工程では、更に側方から
組立用治具を照射して、側面による屈折光を用いて下方
から光硬化性樹脂を照射することにより、該光硬化性樹
脂を硬化させることとしてもよい。
【0021】この方法により、側方から入射させて組立
用治具の側面で上方へと屈折させた光によって、光硬化
性樹脂を下方から更に照射するので、より確実に光硬化
性樹脂を硬化させることができる。
【0022】上述の組立方法において、組立用治具は、
上面において凹部と、上面と下面との間を貫通する貫通
穴とを有するとともに、配線基板を載置する工程では、
該配線基板が有する開口と凹部とを位置合わせし、か
つ、貫通穴を介して配線基板を吸着することとしてもよ
い。
【0023】これにより、配線基板上へ半導体装置を確
実に載置し、かつ、その配線基板を吸着して組立用治具
の本体へと確実に固定するので、安定した状態で光硬化
性樹脂を硬化させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明す
る。図1は、本発明に係る組立用治具と組立方法とによ
り組み立てられた半導体装置の断面図である。図1にお
いて、1は高周波領域で動作する半導体チップ、2はい
わゆるMBB(マイクロバンプボンディング)法を用い
て半導体チップ1が搭載されるモジュール基板、3はモ
ジュール基板2の電極パッド、4は電極パッド3上に形
成されAu等からよりなる金属突起、つまりバンプ、5
はポリイミド、ポリエチレン等からなる絶縁性基材、6
は絶縁性基材5の上面に形成されAu等からなる配線パ
ターン、7は絶縁性基材5の下面に形成され銅箔等から
なり半導体装置と外部との間で信号を授受するための導
体層、8は絶縁性基材5と配線パターン6と導体層7と
からなる配線基板、9は配線基板8に形成された開口、
10はモジュール基板2と電極パッド3とバンプ4と配
線パターン6とを封止するための光硬化性樹脂である。
そして、半導体チップ1とモジュール基板2とは併せて
回路モジュール20を構成する。
【0025】図2は、本実施形態に係る半導体装置の組
立用治具の断面図である。図2において、11は例えば
アクリル等の透明材料よりなるブロック、12はブロッ
ク11の上面、つまり配線基板を載置する面に形成され
た凹部、13はブロック11の上面と下面との間を貫通
する貫通孔、14A,14Bは例えばアルミニウム,チ
タンからなりそれぞれブロック11の下面と側面とに形
成され光を反射するための反射膜、15Aはブロック1
1の上面と側面とがなす角度であって予め45゜未満に
設定された設定角度である。
【0026】ここで、本実施形態の組立用治具の特徴
は、ブロック11の上面と側面とがなす角度、つまり設
定角度15Aが45゜未満であり、かつ、ブロック11
の下面と側面とに反射膜14A,14Bが形成されてい
ることである。これにより、透明なブロック11に対し
て上方から垂直に光を照射した場合において、反射膜1
4Aが照射光をブロック11の上面方向へと反射し、か
つ、設定角度15Aが45゜未満であることにより反射
膜14Bが照射光をブロック11の上面方向へと反射す
る。すなわち、透明なブロック11の上面に載置された
配線基板に対して、照射光により上方から、かつ反射光
により下方から、それぞれ光を照射することになる。し
たがって、反射光により、図1に示された回路モジュー
ル20の下方へ回り込んだ光硬化性樹脂10を確実に硬
化させることができる。
【0027】本実施形態に係る半導体装置の組立方法
を、図3と図4とを参照しながら説明する。図3(a)
〜(c)及び図4(a)〜(c)は、それぞれ本実施形
態に係る半導体装置の組立方法の各工程を示す断面図で
ある。図3及び図4においては、図1及び図2における
構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説
明を省略する。
【0028】まず、図3(a)に示すように、組立用治
具の凹部12に対応して配線基板8の開口9を位置合わ
せして、ブロック11上へ配線基板8を載置する。ここ
で、ブロック11に形成された貫通孔13を用いて真空
吸着することにより、ブロック11上へ配線基板8を確
実に固定する。
【0029】次に、図3(b)に示すように、回路モジ
ュール20の電極パッド3上に形成されたバンプ4と、
配線基板8上の対応する配線パターン6とを位置合わせ
して、配線基板8の上方で回路モジュール20を保持す
る。
【0030】次に、図3(c)に示すように、配線基板
8における、各バンプ4に対応する各配線パターン6を
覆うようにして開口9の周辺に光硬化性樹脂10を塗布
する。
【0031】次に、図4(a)に示すように、例えばア
クリル等の透明材料よりなる加圧ツール16を用いて、
裏面から回路モジュール20を加圧しつつ、上方から配
線基板8及び加圧ツール16へ紫外線(UV)光17を
照射する。これにより、加圧ツール16を透過したUV
光17が、上方から光硬化性樹脂10を照射する。同時
に、ブロック11へ入射したUV光17は、ブロック1
1の下面及び側面へ形成された反射膜14A,14Bに
おいて反射し、透明なブロック11を透過し、更に配線
基板8の開口9を通過し又は配線基板8を透過して、下
方から光硬化性樹脂10を照射する。したがって、上方
と下方とからUV光17により照射することになるの
で、光硬化性樹脂10を確実に硬化させる。特に、上方
からの照射だけでは十分に硬化させにくい光硬化性樹脂
10、つまり回路モジュール20の下方へ回り込んだ光
硬化性樹脂10を、確実に硬化させることができる。こ
の工程では、半導体チップ1は凹部12の内部に位置し
ている。
【0032】ここで、ブロック11は、その上面と側面
とのなす設定角度15Aが45゜未満になるように形成
されているので、UV光17がブロック11上面から垂
直に入射した場合には、ブロック11の側面の反射膜1
4Bで反射したUV光17をすべてブロック11の上面
方向へと集光できる。また、配線基板8の絶縁性基材5
としてポリエチレン等の透明な材料を用いた場合には、
入射光と反射光とが配線基板8を透過しやすくなるの
で、回路モジュール20の下方へ回り込んだ光硬化性樹
脂10をより確実に硬化させることができる。
【0033】次に、図4(b)に示すように、加圧ツー
ル16による加圧を解除して、配線基板8の上に回路モ
ジュール20を実装する処理を完了する。
【0034】次に、図4(c)に示すように、同様の方
法を用いて、順次、配線基板8の上に回路モジュール2
0を載置して光硬化性樹脂10により封止する。これに
より、複数の回路モジュール20を配線基板8に実装し
て半導体装置を完成させる。
【0035】以上説明したように、本実施形態に係る製
造方法によれば、それぞれ、透明な加圧ツール16を透
過したUV光17が上方から、透明なブロック11の下
面及び側面へ形成された反射膜14A,14Bにおいて
反射したUV光17が下方から、光硬化性樹脂10を照
射する。したがって、光硬化性樹脂10を確実に硬化さ
せることができ、特に、回路モジュール20の下方へ回
り込んだ光硬化性樹脂10を確実に硬化させることがで
きる。これにより、回路モジュール20の電極パッド3
と配線基板8の配線パターン6とを、ワイヤではなくバ
ンプ4を介して電気的に接続でき、かつ、確実に硬化さ
れた光硬化性樹脂10によってその接続を確実に保持で
きる。したがって、半導体装置のすべての領域におい
て、回路モジュール20と配線基板8との電気的な接続
が有するインピーダンスを、低くかつ安定させることが
できる。このことによって、信号の損失や、反射による
ノイズの発生等を抑制できるので、高周波領域で安定し
て動作する半導体装置を組み立てることができる。ま
た、電源ラインに大容量のバイパスコンデンサを搭載し
た場合には、このバイパスコンデンサが、安定して動作
する半導体装置に対する電源ラインからのノイズを、効
果的に遮断することができる。
【0036】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態に係る組立用治具を、図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態に係る半導体装置の組立用治具の断
面図である。図5に示された組立用治具も、第1の実施
形態の場合と同様に、図1に示された半導体装置を組み
立てるために用いられる。第1の実施形態の場合と同じ
構成要素には、図2における符号と同じ符号を付して、
その説明を省略する。
【0037】図5において、14Cは例えばアルミニウ
ム,チタンからなりブロック11の下面に形成され光を
反射するための反射膜、15Bはブロック11の上面と
側面とがなす角度であって予め90゜未満に設定された
設定角度である。
【0038】ここで、本実施形態の組立用治具の特徴
は、ブロック11の上面と側面とがなす角度、つまり設
定角度15Bが90゜未満であり、かつ、反射膜14C
がブロック11の下面に形成され側面には形成されてい
ないことである。これにより、ブロック11の上面に対
してそれぞれ光を垂直に上方から、かつ平行に側方から
照射した場合において、反射膜14Cにおいて反射した
反射光と、設定角度15Bが90゜未満であることによ
り屈折した屈折光とが、それぞれ下方から透明なブロッ
ク11の上面を照射する。すなわち、透明なブロック1
1の上面に載置された配線基板に対して、照射光により
上方から、かつ反射光と屈折光とにより下方から、それ
ぞれ光を照射することになる。したがって、反射光と屈
折光とにより、図1に示された回路モジュール20の下
方へ回り込んだ光硬化性樹脂10を確実に硬化させるこ
とができる。
【0039】本実施形態に係る半導体装置の組立方法
を、図6と図7とを参照しながら説明する。図6(a)
〜(c)及び図7(a)〜(c)は、それぞれ本実施形
態に係る半導体装置の組立方法の各工程を示す断面図で
ある。図6及び図7においては、図3及び図4における
構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説
明を省略する。
【0040】まず、図6(a)〜(c)に示すように、
第1の実施形態と同様に、ブロック11上へ配線基板8
を載置し、回路モジュール20と配線基板8とを位置合
わせして配線基板8の上方で回路モジュール20を保持
し、配線基板8上の所定の領域に光硬化性樹脂10を塗
布する。
【0041】次に、図7(a)に示すように、例えばア
クリル等の透明材料よりなる加圧ツール16を用いて、
裏面から回路モジュール20を加圧しつつ、上方から配
線基板8及び加圧ツール16へ紫外線(UV)光17を
照射する。加えて、ブロック11の側方から、ブロック
11の上面と平行にUV光18を照射する。これによ
り、加圧ツール16を透過したUV光17が、上方から
光硬化性樹脂10を照射する。同時に、ブロック11へ
入射したUV光17は、ブロック11の下面へ形成され
た反射膜14Cにおいて反射し、透明なブロック11を
透過し、配線基板8の開口9を通過し又は配線基板8を
透過して、下方から光硬化性樹脂10を照射する。更
に、透明なブロック11の側面において屈折したUV光
18が、下方から光硬化性樹脂10を照射する。したが
って、上方からUV光17により、かつ下方からUV光
17,18により照射することになるので、光硬化性樹
脂10を確実に硬化させる。特に、上方からの照射だけ
では十分に硬化させにくい光硬化性樹脂10、つまり回
路モジュール20の下方へ回り込んだ光硬化性樹脂10
を、確実に硬化させることができる。この工程では、半
導体チップ1は凹部12の内部に位置している。
【0042】ここで、ブロック11は、その上面と側面
とのなす設定角度15Bが90゜未満になるように形成
されているので、ブロック11の上面と平行に、UV光
18がブロック11の側面へと入射した場合には、ブロ
ック11の側面で屈折したUV光18をすべてブロック
11の上面方向へと集光できる。また、第1の実施形態
の場合と同様に、配線基板8の絶縁性基材5としてポリ
エチレン等の透明な材料を用いた場合には、回路モジュ
ール20の下方へ回り込んだ光硬化性樹脂10をより確
実に硬化させることができる。
【0043】次に、図7(b)に示すように、加圧ツー
ル16による加圧を解除して、配線基板8の上に回路モ
ジュール20を実装する処理を完了する。
【0044】次に、図7(c)に示すように、同様の方
法を用いて、順次、配線基板8の上に回路モジュール2
0を載置して光硬化性樹脂10により封止する。これに
より、複数の回路モジュール20を配線基板8に実装し
て半導体装置を完成させる。
【0045】以上説明したように、本実施形態に係る製
造方法によれば、それぞれ、透明な加圧ツール16を透
過したUV光17が上方から、透明なブロック11の下
面へ形成された反射膜14Cにおいて反射したUV光1
7が下方から、かつ、ブロック11の側面で屈折したU
V光18が下方から、光硬化性樹脂10を照射する。
【0046】したがって、光硬化性樹脂10を確実に硬
化させることができ、特に、回路モジュール20の下方
へ回り込んだ光硬化性樹脂10を確実に硬化させること
ができる。これにより、第1の実施形態と同様に、半導
体装置のすべての領域において、回路モジュール20と
配線基板8との電気的な接続が有するインピーダンス
を、低くかつ安定させることができる。このことによっ
て、信号の損失や、反射によるノイズの発生等を抑制で
きるので、高周波領域で安定して動作する半導体装置を
組み立てることができる。また、第1の実施形態と同様
に、電源ラインに大容量のバイパスコンデンサを搭載し
た場合には、このバイパスコンデンサが、安定して動作
する半導体装置に対する電源ラインからのノイズを、効
果的に遮断することができる。
【0047】なお、以上説明した各実施形態において
は、配線基板8の絶縁性基材としてポリイミド、ポリエ
チレン等の有機絶縁体を使用した。これらに限らず、基
材と導体層7として機能する金属板を使用して、金属板
上に絶縁層、多層配線層が形成された構造を有する配線
基板や、基材の材料としてセラミック等の無機絶縁体を
使用して、その両面に配線層が形成された構造を有する
配線基板を使用することも可能である。これらの場合に
おいても、反射光又は屈折光が、透明なブロック11を
透過し、配線基板8の開口9を通過して、回路モジュー
ル20の下方へ回り込んだ光硬化性樹脂10を確実に硬
化させることができる。したがって、回路モジュール2
0と配線基板8との電気的な接続が有するインピーダン
スを、低くかつ安定させることができる。
【0048】また、ブロック11及び加圧ツール16の
材料としてはアクリルを用いたが、これに代えて、溶融
石英ガラスなどのガラス、人造サファイア等の他の透明
な材料を用いてもよい。
【0049】また、回路モジュール20の電極パッド、
つまりモジュール基板2の電極パッド3上にバンプ4を
形成したが、これに代えて、配線基板8の配線パターン
6上にバンプ4を形成することも可能である。
【0050】また、ブロック11の下面にだけ反射膜1
4Aを形成して、ブロック11の上方からのみUV光1
7を照射してもよい。この場合においても、反射膜14
Aにおいて反射した反射光が下方から配線基板8を照射
するので、回路モジュール20の下方へ回り込んだ光硬
化性樹脂10を確実に硬化させることができる。したが
って、回路モジュール20と配線基板8との電気的な接
続が有するインピーダンスを、低くかつ安定させること
ができる。
【0051】また、加圧ツール16として、不透明な材
料を用いてもよい。この場合には、加圧ツール16を回
路モジュール20に対して適当なサイズにして、かつ、
照射光として特に散乱光を用いる。このことにより、上
方からは照射光であるUV光17が、かつ、下方からは
反射膜14Aにおいて反射した反射光が、それぞれ光硬
化性樹脂10を確実に照射する。したがって、回路モジ
ュール20の下方へ回り込んだ光硬化性樹脂10を確実
に硬化させることができるので、回路モジュール20と
配線基板8との電気的な接続が有するインピーダンス
を、低くかつ安定させることができる。
【0052】また、更に、回路モジュール20について
は、半導体チップ1を実装した面に電極パッド3を設け
たが、これに代えて、半導体チップ1を実装した面の反
対面に電極パッド3を設けてもよい。この場合におい
て、配線基板8の絶縁性基材として、透光性を有する例
えばポリエチレン等を用いた場合には、配線基板8に開
口9を設けなくても、回路モジュール20の下方へ回り
込んだ光硬化性樹脂10を確実に照射して硬化させるこ
とができる。したがって、回路モジュール20と配線基
板8との電気的な接続が有するインピーダンスを、低く
かつ安定させることができる。
【0053】更に、モジュール基板2に半導体チップ1
を実装した回路モジュール20を用いたが、これに代え
て、半導体基板上において半導体素子と電極パッドとが
形成された半導体部品を用いることもできる。この場合
においても、配線基板8の絶縁性基材として、透光性を
有する例えばポリエチレン等を用いた場合には、配線基
板8に開口9を設けなくても、回路モジュール20の下
方へ回り込んだ光硬化性樹脂10を確実に照射して硬化
させることができる。したがって、回路モジュール20
と配線基板8との電気的な接続が有するインピーダンス
を、低くかつ安定させることができる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る半導体装置の組立用治具に
よれば、上面へ載置した配線基板を、上方からの照射光
により上方から照射し、かつ、反射光により下方から照
射することができる。また、本発明に係る他の半導体装
置の組立用治具によれば、上面へ載置した配線基板を、
上方からの照射光により上方から照射し、反射光により
下方から照射し、かつ、側方から照射した光の屈折光に
より下方から照射することができる。したがって、上方
と下方とから光を照射することにより、配線基板におけ
る光硬化性樹脂を確実に硬化させることができる。
【0055】本発明に係る半導体装置の製造方法によれ
ば、上述の組立用治具を用いて、半導体部品の下方へ回
り込んだ光硬化性樹脂を確実に硬化させることができる
ので、半導体部品と配線基板との電気的な接続が有する
インピーダンスを、低くかつ安定させることができる。
これにより、信号のスムーズな伝達を可能にし、かつ、
信号の損失や、反射によるノイズの発生等を抑制できる
ので、高周波領域で安定して動作する半導体装置を組み
立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の組立用治具と組立方
法とにより組み立てられた半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の組
立用治具の断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、それぞれ第1の実施形態に
係る半導体装置の組立方法の各工程を示す断面図であ
る。
【図4】(a)〜(c)は、図3に引き続き、それぞれ
第1の実施形態に係る半導体装置の組立方法の各工程を
示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の組
立用治具の断面図である。
【図6】(a)〜(c)は、それぞれ第2の実施形態に
係る半導体装置の組立方法の各工程を示す断面図であ
る。
【図7】(a)〜(c)は、図6に引き続き、それぞれ
第2の実施形態に係る半導体装置の組立方法の各工程を
示す断面図である。
【図8】従来の半導体装置の一例を示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)は従来の半導体装置の組立方法
における各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ 2 モジュール基板 3 電極パッド(電極) 4 バンプ 5 絶縁性基材 6 配線パターン(電極) 7 導体層 8 配線基板 9 開口 10 光硬化性樹脂 11 ブロック(本体) 12 凹部 13 貫通孔 14A,14B,14C 反射膜 15A,15B 設定角度 16 加圧ツール 17,18 UV光 20 回路モジュール(半導体部品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M105 BB07 EE16 GG17 GG19 4M109 AA01 BA04 CA10 EA15 5E314 AA27 BB02 CC01 DD06 FF21 GG26 5E336 AA04 AA07 AA11 BB00 BC02 CC44 CC55 DD33 DD37 DD39 GG25 5F061 AA01 BA04 CA10 CB02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線基板の上へ半導体部品を載置し、該
    半導体部品を光硬化性樹脂により封止して半導体装置を
    組み立てる際に用いる半導体装置の組立用治具であっ
    て、 透光性を有する材料からなる本体と、 前記本体の上面側に設けられ前記配線基板を保持するた
    めの保持部と、 前記本体の下面に形成され光を反射するための反射膜と
    を備えたことを特徴とする半導体装置の組立用治具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の組立用治具
    において、前記本体は、 前記上面に対して45゜未満の角度を有する側面と、 前記側面に形成され上方から入射した光を前記本体の上
    面側へと反射するための反射膜とを備えたことを特徴と
    する半導体装置の組立用治具。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体装置の組立用治具
    において、 前記本体は、前記上面に対して90゜未満の角度を有す
    る側面を有するとともに、 前記側面は、側方から入射した光を前記本体の上面側へ
    と屈折させることを特徴とする半導体装置の組立用治
    具。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の半
    導体装置の組立用治具において、前記本体は、 前記上面において前記半導体部品の下方へ位置するよう
    に設けられた凹部と、 前記上面と下面との間を貫通し、前記配線基板を吸着す
    るための貫通穴とを更に備えたことを特徴とする半導体
    装置の組立用治具。
  5. 【請求項5】 下面に反射膜を有しかつ透光性を有する
    材料からなる組立用治具の上面に載置された配線基板上
    へ半導体部品を載置し、該半導体部品を光硬化性樹脂に
    より封止して半導体装置を組み立てる半導体装置の組立
    方法であって、前記組立用治具上に前記配線基板を載置
    する工程と、 前記配線基板上の所定の領域に前記光硬化性樹脂を塗布
    する工程と、 前記配線基板の電極に対して前記半導体部品の電極を加
    圧して該半導体部品と前記配線基板とを電気的に接続す
    る工程と、 前記接続した後に前記加圧した状態を維持しつつ上方か
    ら照射光により前記組立用治具を照射して、前記照射光
    と前記反射膜による反射光とを用いてそれぞれ上方と下
    方とから前記光硬化性樹脂を照射することにより、該光
    硬化性樹脂を硬化させる工程とを備えたことを特徴とす
    る半導体装置の組立方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体装置の組立方法に
    おいて、 前記組立用治具は、前記上面に対して45゜未満の角度
    をなして設けられ反射膜が形成された側面を有するとと
    もに、 前記硬化させる工程では、更に前記側面に形成された反
    射膜による反射光を用いて下方から前記光硬化性樹脂を
    照射することにより、該光硬化性樹脂を硬化させること
    を特徴とする半導体装置の組立方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の半導体装置の組立方法に
    おいて、 前記組立用治具は、前記上面に対して90゜未満の角度
    をなして設けられた側面を有するとともに、 前記硬化させる工程では、更に側方から前記組立用治具
    を照射して、前記側面による屈折光を用いて下方から前
    記光硬化性樹脂を照射することにより、該光硬化性樹脂
    を硬化させることを特徴とする半導体装置の組立方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれか1つに記載の半
    導体装置の組立方法において、 前記組立用治具は、前記上面において凹部と、前記上面
    と下面との間を貫通する貫通穴とを有するとともに、 前記配線基板を載置する工程では、該配線基板が有する
    開口と前記凹部とを位置合わせし、かつ、前記貫通穴を
    介して前記配線基板を吸着することを特徴とする半導体
    装置の組立方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014103378A (ja) * 2012-07-06 2014-06-05 Hitachi Chemical Co Ltd 半導体装置の製造方法、半導体装置、及び圧着装置
JP2015065380A (ja) * 2013-09-26 2015-04-09 パナソニック株式会社 部品実装装置及び部品実装方法
WO2015114863A1 (ja) * 2014-01-28 2015-08-06 シャープ株式会社 実装基板の製造装置、及び実装基板の製造方法
US9266312B2 (en) 2013-03-28 2016-02-23 Fujitsu Limited Bonding apparatus and bonding method

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