JP2000055177A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2000055177A
JP2000055177A JP10220243A JP22024398A JP2000055177A JP 2000055177 A JP2000055177 A JP 2000055177A JP 10220243 A JP10220243 A JP 10220243A JP 22024398 A JP22024398 A JP 22024398A JP 2000055177 A JP2000055177 A JP 2000055177A
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JP
Japan
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continuously variable
variable transmission
engine
clutch
power transmission
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JP10220243A
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English (en)
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Kazuhiko Ueda
和彦 上田
Hidenao Taketomi
秀直 武富
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • F16H37/00Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00
    • F16H37/02Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings
    • F16H37/021Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings toothed gearing combined with continuous variable friction gearing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
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    • F16H37/02Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings
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    • F16H37/0833Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths
    • F16H37/084Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths at least one power path being a continuously variable transmission, i.e. CVT
    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H59/00Control inputs to control units of change-speed-, or reversing-gearings for conveying rotary motion
    • F16H59/68Inputs being a function of gearing status
    • F16H59/72Inputs being a function of gearing status dependent on oil characteristics, e.g. temperature, viscosity

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  • Friction Gearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン出力を油圧作動式の無段変速機構を
経由して駆動輪に伝達する第1経路と経由しないで伝達
する第2経路との二つの動力伝達経路を有する無段変速
機において、該無段変速機構に対して供給される変速制
御用油圧を生成する作動油の温度が低い場合における油
圧の立上り遅れに起因して発生する該無段変速機構の耐
久性及び変速制御上の問題を解消することを課題とす
る。 【解決手段】 エンジン1の出力がトルクコンバータ2
0を介して入力されるタービンシャフト3と無段変速機
構30との間に始動クラッチ50を、無段変速機構30
と出力シャフト6との間に動力伝達クラッチ110を配
設し、両クラッチ50,110が共に締結されたときに
第1経路が達成され、いずれかのクラッチ50,110
が解放されたときに第2経路が達成されるようにし、充
分に変速制御用油圧が立つまでは始動クラッチ50を締
結しないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の制御
装置、特に、油圧作動式の無段変速機構を備えると共
に、エンジン出力をこの無段変速機構を介して駆動輪に
伝達する経路とバイパスして伝達する経路との二つの動
力伝達経路を有する無段変速機の制御装置の技術分野に
属する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される無段変速機は、エンジ
ン側から入力される入力回転数と駆動輪側へ出力される
出力回転数との間の変速比を無段階に変化させることに
より変速ショックのない滑らかな変速を実現するもので
あるが、この種の変速機のなかには、例えば特開平8−
135753号公報に開示されているように、エンジン
と駆動輪との間の動力伝達経路として、エンジン出力を
無段変速機構を介して駆動輪に伝達する第1動力伝達経
路と、無段変速機構を介さずにバイパスして駆動輪に伝
達する第2動力伝達経路との二つの経路を有し、これら
の経路を車速やエンジン回転数あるいはスロットル開度
等の車両の走行状態に応じて、例えば低車速時には第2
動力伝達経路が選択される一方、高車速時には第1動力
伝達経路が選択されるように、これらの経路を切り換え
るようにしたものが知られている。
【0003】このような所謂2モード方式の無段変速機
によれば、発進時や加速時等のように伝達トルクが大き
いときには、動力伝達経路を第2動力伝達経路に切り換
えて、エンジン出力が無段変速機構をバイパスするよう
にすることで、該無段変速機構のトルク容量の大型化を
回避し、変速機全体としての軽量化ないしコンパクト化
を図ることができると共に、定常走行時等のように伝達
トルクが大きくないときには、動力伝達経路を第1動力
伝達経路に切り換えて、エンジン出力が無段変速機構を
経由するようにすることで、該無段変速機構の特質を生
かした変速ショックのない円滑な変速を実現することが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の無
段変速機に備えられる無段変速機構は、一般に、作動油
の給排により生成される油圧を受け、該油圧に基づいて
作動する油圧作動式のものが広く用いられる。
【0005】例えば、トロイダル面を有する入力ディス
クと出力ディスクとの間に介設したローラの傾転角を変
化させることにより両ディスク間の動力伝達の変速比を
無段階に変化させるように構成されたトロイダル式の無
段変速機構の場合では、上記ローラを回転自在に支持す
るトラニオンと称される支持部材が備えられる。そし
て、このトラニオンにはピストンが設けられて、このピ
ストンを介して該トラニオンに対して所定の変速制御用
の油圧を作用させ、これにより該トラニオン及びローラ
をディスクに対して所定量だけ移動させることが行なわ
れる。その結果、上記ローラが両ディスクの相互に逆方
向の回転を受けて上記変速制御用油圧に応じた角度で傾
転する。
【0006】また、例えば、可動円錐板と固定円錐板と
からなる入力プーリと出力プーリとの間に巻き掛けた無
端ベルトの有効ピッチ径を変化させることにより両プー
リ間の動力伝達の変速比を無段階に変化させるように構
成されたベルト式の無段変速機構の場合では、上記可動
円錐板に対して所定の変速制御用の油圧を作用させ、こ
れにより該可動円錐板を固定円錐板に対して所定量だけ
近接離反させることが行なわれる。その結果、両円錐板
間の間隔が変化して上記変速制御用油圧に応じた値でベ
ルトの有効ピッチ径が変化する。
【0007】ここで、このような作動油は温度が下がる
に従って粘度が高くなり、流動性が低下する性質を一般
に有するから、冷寒時やエンジン始動直後のように作動
油の温度が低いときは高いときに比べて上記のトラニオ
ンや可動円錐板に作用させる油圧の応答性が低下し、油
圧が正常値にまで充分に立ち上がるまで時間がかかるこ
とになる。
【0008】したがって、そのような状態で、エンジン
出力を無段変速機構を介して駆動輪に伝達する第1動力
伝達経路が選択されると、該無段変速機構に対する制御
用油圧の調整や供給に遅れが生じ、所定の目標変速比が
応答性よく達成されなかったり、予期せぬ変速が起こっ
たりする等、変速制御上の不具合が生じる。
【0009】また、そればかりではなく、例えばトロイ
ダル式の無段変速機構の場合では、動力伝達及び変速制
御を行なうために、ローラを支持する上記トラニオンを
ピストン油圧により支えておく必要があるのであるが、
該トラニオンに作用させるピストン油圧がまだ充分には
立ち上がっていない時点から無段変速機構にトルクが入
力されてディスクが回転し始めると、該入力トルクに対
抗して支えておくべきトラニオンないしローラの姿勢が
自重やディスクの回転に引き摺られて大きくくずれ、ロ
ーラがディスクに対して異常に大きな角度で傾転した
り、あるいはロックしたりする。このとき潤滑油もまた
流動性の低下により噴出され難い状態にあるから、ロー
ラとディスクとの接触部が著しく高温に発熱したり損傷
したりする等、無段変速機構の耐久性の面での不具合が
生じるのである。さらにこのとき同時に不快な振動が発
生したりもする。
【0010】本発明は、油圧作動式の無段変速機構を備
え、且つこの無段変速機構を経由する第1動力伝達経路
と経由しない第2動力伝達経路とを車両の走行状態に応
じて切り換えるように構成された無段変速機における上
記のような不具合に対処するもので、低油温時における
無段変速機構の耐久性及び変速制御の信頼性を図り、ひ
いては走行安定性を確保することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では次のような手段を用いる。
【0012】まず、本願の特許請求の範囲の請求項1に
記載の発明(以下「第1発明」という。)は、エンジン
出力を無段変速機構を介して駆動輪に伝達する第1動力
伝達経路と、無段変速機構を介さずに伝達する第2動力
伝達経路とを有すると共に、車両の走行状態を検出する
走行状態検出手段と、該検出手段の検出結果に応じて上
記動力伝達経路を切り換える動力伝達経路切換手段とを
備える無段変速機の制御装置であって、上記無段変速機
構が、作動油の給排により生成される油圧を受けて作動
する油圧作動式のものであると共に、上記作動油の温度
に関連する値を検出する油温関連値検出手段と、該検出
手段で検出された作動油の温度に関連する値が、作動油
の温度が所定の温度より低いことを示しているときは、
上記第1動力伝達経路が選択されないように上記動力伝
達経路切換手段を制御する制御手段とが設けられている
ことを特徴とする。
【0013】この第1発明によれば、作動油の温度が所
定温度より低いと判定されている期間中は、油圧作動式
の無段変速機構を経由させてエンジン出力を駆動輪に伝
達する第1動力伝達経路が選択されないから、低油温時
に油圧の立上りが遅れることに起因して発生する無段変
速機構の変速制御上の問題及び耐久性の面での問題が回
避され、走行安定性の確保が図られる。
【0014】なお、作動油の温度に関連する値として
は、作動油の温度の他、エンジン水温等が含まれ、ま
た、作動油の粘度や流動性あるいは油圧の立上りの状態
等を直接みるようにしてもよい。
【0015】また、請求項2に記載の発明(以下「第2
発明」という。)は、上記第1発明において、油温関連
値検出手段は、作動油の温度に関連する値としてエンジ
ン始動後の経過時間を計測し、制御手段は、該経過時間
が所定時間より短いときに作動油の温度が所定温度より
低いと判定することを特徴とする。
【0016】この第2発明によれば、特に、作動油の温
度に関連する値としてエンジン始動後の経過時間を用い
るようにしたから、エンジンの始動からまだあまり時間
が経過していないときは油温が低いと判定でき、作動油
の温度に関連する値を検出するための専用のセンサ等の
装置や器具を備える必要がなくなる。
【0017】そして、請求項3に記載の発明(以下「第
3発明」という。)は、上記第1発明において、エンジ
ンと無段変速機構との間にクラッチ機構が配設され、制
御手段は、このクラッチ機構を解放させることにより上
記第1動力伝達経路が選択されないようにすると共に、
エンジンの始動時にも上記クラッチ機構を解放させるこ
とを特徴とする。
【0018】この第3発明によれば、特に、エンジン始
動時には該エンジンと無段変速機構とが切り離された状
態となるから、無段変速機構の抵抗を受けずにエンジン
始動が行なえ、エンジン始動性が改良されることにな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
ることにより本発明をさらに詳しく説述する。
【0020】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
無段変速機10を搭載した所謂FF(フロントエンジン
・フロントドライブ)車両の機械的構成を示す骨子図で
あって、主たる構成要素として、横置に配置されたエン
ジン1の出力軸2に連結されたトルクコンバータ20
と、このトルクコンバータ20の出力が伝達されるトロ
イダル式無段変速機構30と、遊星歯車式の前後進切換
機構40とが備えられている。
【0021】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸2に連結されたケーシング21と一体のポンプ22
と、このポンプ22に対向配置されて該ポンプ22によ
り作動油を介して駆動されるタービン23と、該タービ
ン23と上記ポンプ22との間に介設されると共にトル
クコンバータハウジング24にワンウェイクラッチ25
を介して支持されたステータ26と、上記タービン23
とケーシング21とを直結させるロックアップクラッチ
27とを有する。そして、上記タービン23の回転が、
後述する始動クラッチ50の締結時に、タービンシャフ
ト3を介して無段変速機構30側に出力されるようにな
っている。ここで、上記エンジン出力軸2にはタービン
シャフト3内を貫通するポンプシャフト4が連結されて
おり、該シャフト4の反エンジン側端部にオイルポンプ
5が設けられている。
【0022】また、上記無段変速機構30は、上記ター
ビンシャフト3上に回転自在に対向配置された入力ディ
スク31及び出力ディスク32と、それぞれトラニオン
33,34により回転自在に支持され、上記両ディスク
31,32間に回転自在且つ傾転自在に介設された一対
のパワーローラ35,36とを有する。また、タービン
シャフト3の反エンジン側の端部には、上記入力ディス
ク31の反エンジン側に配置されたローディングカム機
構のカムディスク37とタービンシャフト3とを連結す
る始動クラッチ50が配設されている。
【0023】したがって、この始動クラッチ50が締結
されたときには、トルクコンバータ20の出力がタービ
ンシャフト3、該クラッチ50及びカムディスク37を
介して無段変速機構30の入力ディスク31に入力さ
れ、各パワーローラ35,36の傾転角度に応じた所定
の変速比で入力ディスク31の回転が変速されて出力デ
ィスク32に伝達されるようになっている。
【0024】一方、上記タービンシャフト3の側方には
出力シャフト6が平行に配置されており、この出力シャ
フト6上に前後進切換機構40が配設されている。
【0025】この前後進切換機構40はダブルピニオン
式の遊星歯車機構で構成されており、出力シャフト6に
結合されたサンギヤ41がインナピニオン42に噛合さ
れていると共に、このインナピニオン42とアウタピニ
オン43とを固定支持するキャリヤ44の一端側が、上
記出力シャフト6に遊嵌合された中空シャフト7の反エ
ンジン側端部に結合されている。そして、このキャリヤ
44の他端側がフォワードクラッチ60を介して上記出
力シャフト6の反エンジン側端部に連結されている。ま
た、上記アウタピニオン43に噛合するリングギヤ45
がリバースブレーキ70を介して変速機ケーシング18
0に連結されている。
【0026】上記中空シャフト7は出力シャフト6と同
一軸線上に配置されており、この中空シャフト7のエン
ジン側端部と上記タービンシャフト3との間に、減速歯
車機構としての第1ギヤ列(ローモードギヤ列)80が
介設されている。すなわち、タービンシャフト3に結合
された第1ギヤ81がアイドルギヤ82に噛合されてい
ると共に、このアイドルギヤ82に噛合された大径の第
2ギヤ83が、ワンウェイクラッチ90を介して上記中
空シャフト7に連結されている。その場合に、上記ワン
ウェイクラッチ90は、中空シャフト7側の回転がター
ビンシャフト3側の回転よりも大きくなったときに空転
するようになっている。
【0027】また、上記無段変速機構30における出力
ディスク32と中空シャフト7との間に第2ギヤ列(ハ
イモードギヤ列)100が介設されている。すなわち、
出力ディスク32と一体回転する第1ギヤ101と噛合
するほぼ同径の第2ギヤ102が、動力切換クラッチ1
10を介して上記中空シャフト7に連結されている。
【0028】ここで、上記第1ギヤ列80の減速比は無
段変速機構30の最大減速比よりも大きな値に設定され
ている。
【0029】したがって、動力切換クラッチ110を解
放した状態においては、始動クラッチ50の締結又は解
放状態に拘らず、トルクコンバータ20の出力が、ロー
モードとしての第1ギヤ列80からワンウェイクラッチ
90を経て中空シャフト7に伝達され、無段変速機構3
0をバイパスして伝達されることになる(第2動力伝達
経路)。一方、動力切換クラッチ110を締結し、且つ
始動クラッチ50も締結したときには、上記ワンウェイ
クラッチ90が空転し、トルクコンバータ20の出力
が、該始動クラッチ50から無段変速機構30、ハイモ
ードとしての第2ギヤ列100、動力切換クラッチ11
0を経て中空シャフト7に伝達され、無段変速機構30
を経由して伝達されることになる(第1動力伝達経
路)。
【0030】一方、上記出力シャフト6のエンジン側端
部に結合された出力ギヤ121と差動装置130に設け
られたデファレンシャルギヤ123との間にはカウンタ
ギヤ122が介設されており、出力シャフト6から出力
されたエンジン出力が、上記出力ギヤ121とカウンタ
ギヤ122とデファレンシャルギヤ123とで構成され
るファイナルギヤ列120を経由して差動装置130に
伝達された後、該差動装置130に連結された左右のド
ライブシャフト8,9に伝達されるようになっている。
【0031】次に、上記無段変速機構30の構成と作用
をより詳しく図2に基づいて説明すると、入、出力ディ
スク31,32間に介設された一対のローラー35,3
6は、これらのディスク31,32のほぼ半径方向に延
びるシャフト38,38を介してトラニオン33,34
にそれぞれ支持され、入、出力ディスク31,32の互
いに対向するトロイダル面の円周上の180°反対側に
上下に平行に配置されており、その周面の180°反対
側の2箇所で上記両ディスク31,32のトロイダル面
にそれぞれ対接している。
【0032】また、上記トラニオン33,34は、変速
機ケーシング180に組み付けられた左右の支持部材3
9,39間に支持され、両ディスク31,32の接線方
向であってローラー35,36のシャフト38,38に
直交する軸心X,X回りの回動及び該軸心X,X方向の
直線往復運動が可能とされている。そして、これらのト
ラニオン33,34に、上記軸心X,Xに沿って一側方
に延びるロッド141,141が連設され、次に説明す
る変速制御ユニット150により、これらのロッド14
1,141を介して、トラニオン33,34が上記X,
X方向に駆動され、これに伴ってローラー35,36が
入、出力ディスク31,32間で傾転されるようになっ
ている。
【0033】つまり、変速制御ユニット150は、トラ
ニオン駆動部151と油圧制御部152とを有し、トラ
ニオン駆動部151に、上方に位置する第1トラニオン
33のロッド141に取り付けられた増速用及び減速用
のピストン142,143と、下方に位置する第2トラ
ニオン34のロッド141に取り付けられた同じく増速
用及び減速用のピストン144,145とが備えられ、
上方のピストン142,143の互いに対向する面側に
増速用及び減速用油圧室146,147が、また、下方
のピストン144,145の互いに対向する面側に増速
用及び減速用油圧室148,149がそれぞれ設けられ
ている。
【0034】そして、上記油圧制御部152で生成され
た増速用油圧が第1トラニオン33の増速用油圧室14
6と第2トラニオン34の増速用油圧室148とに供給
され、また、同じく油圧制御部152で生成された減速
用油圧が第1トラニオン33の減速用油圧室147と第
2トラニオン34の減速用油圧室149とに供給される
ようになっている。
【0035】そして、各トラニオン33,34の増速用
油圧室146,148に供給されている増速用油圧が減
速用油圧室147,149に供給されている減速用油圧
に対して相対的に高くなると、第1トラニオン33は図
2において右側に、第2トラニオン34は左側にそれぞ
れ移動することになる。このとき、図示されている出力
ディスク32がx方向に回転しているものとすると、第
1ローラー35は、右側への移動により該出力ディスク
32から下向きの力を受け、図面の手前側にあって反x
方向に回転している入力ディスク31からは上向きの力
を受けることになる。また、第2ローラー36は、左側
への移動により、出力ディスク32から上向きの力を受
け、入力ディスク31からは下向きの力を受けることに
なる。その結果、上下のローラー35,36とも、入力
ディスク31との接触位置は半径方向の外側に、出力デ
ィスク32との接触位置は半径方向の内側に移動するよ
うに傾転し、当該無段変速機構30の変速比が小さくな
る(増速)。これに準じて、減速用油圧が増速用油圧に
対して相対的に高くなると、当該無段変速機構30の変
速比が大きくなる(減速)。
【0036】そして、この車両には、図3に示すよう
に、コントローラ160が備えられて、このコントロー
ラ160に、シフトレバーによるレンジの選択位置を検
出するシフト位置センサ161、エンジン1のスロット
ルバルブの開度を検出するスロットルセンサ162、エ
ンジン出力軸2の回転数を検出するエンジン回転センサ
163、タービンシャフト3の回転数を検出するタービ
ン回転センサ164、出力シャフト6の回転数を検出す
る出力回転センサ165、無段変速機構30の入力ディ
スク31の回転数を検出する入力ディスク回転センサ1
66、出力ディスク32の回転数を検出する出力ディス
ク回転センサ167、トラニオン33,34の増速用油
圧室146,148に供給される増速用油圧の値を検出
する増速用油圧センサ168、及び減速用油圧室14
7,149に供給される減速用油圧の値を検出する減速
用油圧センサ169からの信号が入力されるようになっ
ている。
【0037】また、上記変速制御ユニット150の油圧
制御部152には、上記トラニオン33,34の各ピス
トン142〜145に作用させる増速用油圧及び減速用
油圧を生成する三層弁171が備えられ、上記コントロ
ーラ160は、上記の各センサ161〜169からの信
号に基づいて、上記三層弁171を駆動させるステッピ
ングモータ172に対して変速比制御用の信号を出力す
ると共に、始動クラッチ50、フォワードクラッチ6
0、リバースブレーキ70、動力切換クラッチ110及
びトルクコンバータ20のロックアップクラッチ27の
各油圧室への作動油の給排状態を切り換える各ソレノイ
ドバルブ173〜177に対して上記クラッチ等の作動
状態切換制御用の信号を出力するようになっている。
【0038】次に、このコントローラ160が行なう制
御のうち、特に始動クラッチ50及び動力切換クラッチ
110に対する作動制御、すなわち第1動力伝達経路と
第2動力伝達経路との切換制御の具体的動作の一例を、
図4及び図5を参照しながら、図6に示すフローチャー
トに従って説明する。
【0039】まず、エンジン1の始動時には、始動クラ
ッチ50及び動力切換クラッチ110ともに解放された
状態にあり、したがって、この状態では、ローモードで
ある第2動力伝達経路、つまりエンジン出力を無段変速
機構30を介さずに左右のドライブシャフト8,9ない
し駆動輪に伝達する経路が達成されている。
【0040】そして、コントローラ160は、ステップ
S1でシフト位置を検出し、その結果、Dレンジであれ
ば(ステップS2)、ステップS3に進んで、増速用油
圧PH及び減速用油圧PLの値を読み込み、次のステッ
プS4,S5でこれらの増速用油圧PH及び減速用油圧
PLの値が共に所定油圧PHo、PLo以上に高けれ
ば、ステップS6で始動クラッチ50を締結する。
【0041】これにより、無段変速機構30にエンジン
出力が入力され、入力ディスク31が回転を開始するこ
とになるが、この時点では、まだ動力切換クラッチ11
0が解放された状態にあり、したがって第2動力伝達経
路が維持され、無段変速機構30は空転することにな
る。しかしながら、該無段変速機構30のトラニオン3
3,34を入力トルクに対抗して支える増速用油圧PH
及び減速用油圧PLの値が共に所定油圧PHo、PLo
以上に高くなっているから、入力ディスク31が回転を
開始しても、上記トラニオン33,34ないしローラ3
5,36の姿勢がくずれず、これらの耐久性が確保され
ることになる。
【0042】次に、コントローラ160は、ステップS
7で、出力シャフト6の回転数等から演算される車速、
エンジン回転数、及びスロットル開度を読み込み、これ
らの値を上記パラメータに基づいて予め設定されている
変速特性のマップにあてはめて、車両の走行状態がハイ
モードの領域にあるか否かを判定する(ステップS
8)。
【0043】次いで、コントローラ160は、ステップ
S9で、入力ディスク回転数Ni及び出力ディスク回転
数Noを読み込み、これらの値から求められる比の値i
(=入力ディスク回転数Ni/出力ディスク回転数N
o)が所定値i1とi2との間の範囲内にあるときは
(ステップS10)、動力切換クラッチ110を締結す
る(ステップS11)。
【0044】これにより、始動クラッチ50及び動力切
換クラッチ110ともに締結された状態となって、ハイ
モードである第1動力伝達経路、つまりエンジン出力を
無段変速機構30を介して左右のドライブシャフト8,
9ないし駆動輪に伝達する経路に切り換えられることに
なるが、この時点では、前述したように、該無段変速機
構30のトラニオン33,34を入力トルクに対抗して
支える増速用油圧PH及び減速用油圧PLの値が共に所
定油圧PHo、PLo以上に高くなっているから、該ト
ラニオン33,34ないしローラ35,36の姿勢がく
ずれず、この無段変速機構30における変速比制御が安
定して行なわれ、走行安定性が確保されることになる。
【0045】このような始動クラッチ50及び動力切換
クラッチ110の作動制御、特に無段変速機構30に供
給する増速用油圧PH及び減速用油圧PLの値が充分高
くなってから始動クラッチ50を締結させる制御を行な
うことにより、低油温時に油圧の立上りが遅れることに
起因して発生する無段変速機構30の変速制御上の問題
及び耐久性の面での問題が回避され、走行安定性の確保
が図られることになる。
【0046】そして、そののちは、コントローラ160
は、ステップS12〜S15において、再び車速等の車
両の走行状態を読み込み、ハイモードの領域かローモー
ドの領域かに応じて動力切換クラッチ110の締結又は
解放の作動状態を切り換えることになる。
【0047】また、エンジン1の始動時には、始動クラ
ッチ50が解放された状態とされるから、これにより、
エンジン始動時には該エンジン1と無段変速機構30と
が切り離された状態となり、無段変速機構30の抵抗を
受けずにエンジン1の始動が行なえ、エンジン始動性が
改良されることになる。
【0048】なお、上記実施形態では、始動クラッチ5
0を締結させるか否かの判定を、ステップS3〜S5で
増速用油圧PH及び減速用油圧PLを直接みることによ
って行なうようにしたが、これに代えて、油温センサを
備え、該センサで検出される油温Tが所定温度To以上
高いときに始動クラッチ50を締結させ、低いときに解
放させるようにしてもよい。
【0049】また、図7に示すように、上記ステップS
3〜S5に代えて、エンジン1が始動してからの経過時
間Timを計測し(ステップS3a)、該経過時間Ti
mが所定時間Timoを越えたときに始動クラッチ50
を締結させ、それまでは解放させるようにしてもよい
(ステップS4a及びS6)。これによれば、油温及び
油温に関連する値を検出するための上記増速用油圧セン
サ168や減速用油圧センサ169もしくは油温センサ
等を備える必要がなくなる。
【0050】さらに、上記実施形態では、最終的にハイ
モードの第1動力伝達経路に切り換えるべく動力切換ク
ラッチ110を締結させるか否かの判定を、ステップS
9,S10において入力ディスク回転数Ni及び出力デ
ィスク回転数Noを用いて行なうようにしたが、これに
代えて、ローラ35,36の傾転角を検出する傾転角セ
ンサを備え、該センサで検出されるローラ35,36の
傾転角θが所定値θ1とθ2との間の範囲内にあるとき
に始動クラッチ50を締結させ、それ以外のときに解放
させるようにしてもよい。
【0051】図8及び図9は、上記の第1実施形態にお
けるトルクコンバータ20に代えて、エンジン出力軸2
にマス部材191を連結し、且つ該マス部材191とタ
ービンシャフト3との間に発進クラッチ192を備えた
車両に本発明を適用した第2の実施の形態を示すもので
あり、その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
なお、発進クラッチ192は、エンジン始動時及び停車
中にのみ解放され、それ以外の場合には常時締結され
る。また、トルクコンバータで得られるようなクリープ
力を生成するときは半クラッチ状態とされる。
【0052】図10〜図12は、無段変速機構における
入力ディスク及び出力ディスクが二組備えられ、計四個
のローラが介設された無段変速機を搭載した車両に本発
明を適用した第3の実施の形態を示すものである。な
お、上記実施形態と同じ又は相当する構成要素には同じ
符号を用いる。
【0053】この第3実施形態では、オイルポンプ5が
トルクコンバータ20のポンプ22に連結されており、
タービンシャフト3にはローモードギヤ列80の第1ギ
ヤ81が連結されている。そして、この第1ギヤ81と
ローディングカム機構のカムディスク37との間に始動
クラッチ50が介設され、この始動クラッチ50が解放
状態のうちは、無段変速機構30にエンジン出力が入力
されない。
【0054】前後進切換機構40は、シングルピニオン
式の二つの遊星歯車機構で構成されており、出力シャフ
ト6上で回転自在の第1サンギヤ41aに、上記ローモ
ードギヤ列80の第1ギヤ81と噛合する同ギヤ列80
の第2ギヤ83が結合されている。また、上記第1サン
ギヤ41aと噛合する第1遊星歯車機構のピニオン42
aのキャリヤ44aがリバースブレーキ70を介して変
速機ケーシング180に連結されていると共に、この第
1キャリヤ44aはワンウェイクラッチ90を介して第
2遊星歯車機構のリングギヤ45bと連結されている。
【0055】また、この第2リングギヤ45b及び第2
遊星歯車機構のサンギヤ41bと噛合する第2ピニオン
42bのキャリヤ44bは、上記出力シャフト6及び第
1遊星歯車機構のリングギヤ45aと連結されていると
共に、動力切換クラッチ110を介してハイモードギヤ
列100の第2ギヤ102と連結されている。そして、
第2遊星歯車機構のサンギヤ41bが、出力シャフト6
と同軸に直列配置されたシャフト6aに結合され、該シ
ャフト6aと変速機ケーシング180との間にローブレ
ーキ61が介設されている。
【0056】一方、無段変速機構30は、上記始動クラ
ッチ50が締結状態のときにエンジン出力が伝達される
カムディスク37側の第1無段変速機構と、反カムディ
スク37側ないし反エンジン1側の第2無段変速機構と
を有し、それぞれの入出力ディスク31a,32a,3
1b,32b間に一対のローラ35a,36a,35
b,36bが介設され、また、二つの出力ディスク32
a,32bは一体化されて、該一体化ディスクの外周上
にハイモードギヤ列100の第1ギヤ101が結合され
ている。なお、第1、第2無段変速機構の両入力ディス
ク31a,31bは相互にトロイダルシャフト3aで結
合されているのに対し、両出力ディスク32a,32b
は上記トロイダルシャフト3a上に回転自在に設けられ
ている。
【0057】そして、このような構成の第3実施形態に
おいても、上記実施形態と同様の始動クラッチ50及び
動力切換クラッチ110の作動制御を行なうことによっ
て、ローモードの動力伝達経路、すなわち第2動力伝達
経路と、ハイモードの動力伝達経路、すなわち第1動力
伝達経路との切換えが可能となり、且つ、低油温時に油
圧の立上りが遅れることに起因して発生する無段変速機
構30の変速制御上の問題及び耐久性の面での問題が回
避され、走行安定性の確保が図られることになる。
【0058】図13〜図15は、さらにまた別の構成を
有する無段変速機を搭載した車両に本発明を適用した第
4の実施の形態を示すものである。なお、上記実施形態
と同じ又は相当する構成要素には同じ符号を用いる。
【0059】この第4実施形態では、本発明は、所謂F
R(フロントエンジン・リヤドライブ)車両に適用され
ており、エンジン1は縦置に配置されている。トルクコ
ンバータ20のポンプ22にオイルポンプ5が連結され
ていると共に、該ポンプ22に動力切換クラッチ110
を介してハイモードギヤ列100の第1ギヤ101が連
結されており、このハイモードギヤ列100は、上記第
1ギヤ101、アイドルギヤ102、伝達シャフト10
6上の第2ギヤ103及び第3ギヤ104、並びに出力
シャフト6上に配設された第1、第2無段変速機構の各
入力ディスク31a,31bと一体の第4ギヤ105と
で構成されている。なお、上記入力ディスク31a,3
1bは出力シャフト6上において回転自在に設けられて
いるのに対し、各出力ディスク32a,32bは上記出
力シャフト6に一体に結合されている。
【0060】タービンシャフト3には前後進切換機構4
0におけるダブルピニオン式の第1、第2遊星歯車機構
の両サンギヤ41a,41bが結合されており、第1遊
星歯車機構のピニオンキャリヤ44aがローブレーキ6
1を介して変速機ケーシング180に連結され、また第
2遊星歯車機構のピニオンキャリヤ44bが上記出力シ
ャフト6に結合されていると共にワンウェイクラッチ9
0を介して第1遊星歯車機構のリングギヤ45aに連結
されている。また、第2遊星歯車機構のリングギヤ45
bはリバースブレーキ70を介して変速機ケーシング1
80に連結されている。
【0061】このように、この第4実施形態に係る無段
変速機10には、上記第1〜第3実施形態のような始動
クラッチは備えられていない。その結果、たとえ動力切
換クラッチ110が解放されて入力ディスク31a,3
1bにエンジン出力が伝達されていなくても、ローモー
ドあるいは後進モードでローブレーキ61又はリバース
ブレーキ70が締結され、エンジン出力が第2遊星歯車
機構のピニオンキャリヤ44bを介して出力シャフト6
に伝達されると、該出力シャフト6に結合された出力デ
ィスク32a,32bが回転し、無段変速機構30は空
転状態となる。
【0062】次に、この第4実施形態におけるコントロ
ーラ160が行なう第1動力伝達経路と第2動力伝達経
路との切換制御の具体的動作の一例を、図16に示すフ
ローチャートに従って説明する。
【0063】まず、エンジン1の始動時には、動力切換
クラッチ110は解放された状態にあり、したがって、
この状態では、ローモードである第2動力伝達経路、つ
まりエンジン出力を無段変速機構30を介さずに駆動輪
に伝達する経路が達成されている。
【0064】そして、コントローラ160は、ステップ
S21でシフト位置を検出し、その結果、Dレンジであ
れば(ステップS22)、ステップS23に進んで、出
力シャフト6の回転数等から演算される車速、エンジン
回転数、及びスロットル開度を読み込み、これらの値を
上記パラメータに基づいて予め設定されている変速特性
のマップにあてはめて、車両の走行状態がハイモードの
領域にあるか否かを判定する(ステップS24)。
【0065】次いで、コントローラ160は、ステップ
S25で増速用油圧PH及び減速用油圧PLの値を読み
込み、次のステップS26,S27でこれらの増速用油
圧PH及び減速用油圧PLの値が共に所定油圧PHo、
PLo以上に高ければ、ステップS28に進んで、さら
に、入力ディスク回転数Ni及び出力ディスク回転数N
oを読み込み、これらの値から求められる比の値i(=
入力ディスク回転数Ni/出力ディスク回転数No)が
所定値i1とi2との間の範囲内にあるときは(ステッ
プS29)、動力切換クラッチ110を締結する(ステ
ップS30)。
【0066】これにより、動力切換クラッチ110が締
結された状態となって、ハイモードである第1動力伝達
経路、つまりエンジン出力を無段変速機構30を介して
駆動輪に伝達する経路に切り換えられることになるが、
この時点では、前述したように、該無段変速機構30の
トラニオン33a,33b,34a,34bを入力トル
クに対抗して支える増速用油圧PH及び減速用油圧PL
の値が共に所定油圧PHo、PLo以上に高くなってい
るから、該トラニオン33a,33b,34a,34b
ないしローラ35a,35b,36a,36bの姿勢が
くずれず、この無段変速機構30における変速比制御が
安定して行なわれ、走行安定性が確保されることにな
る。
【0067】このような動力切換クラッチ110の作動
制御、特に無段変速機構30に供給する増速用油圧PH
及び減速用油圧PLの値が充分高くなってから動力切換
クラッチ110を締結させる制御を行なうことにより、
低油温時に油圧の立上りが遅れることに起因して発生す
る無段変速機構30の変速制御上の問題が回避され、走
行安定性の確保が図られることになる。
【0068】そして、そののちは、コントローラ160
は、ステップS31〜S34において、再び車速等の車
両の走行状態を読み込み、ハイモードの領域かローモー
ドの領域かに応じて動力切換クラッチ110の締結又は
解放の作動状態を切り換えることになる。
【0069】なお、この場合においても、上記第1実施
形態と同様、増速用油圧PH及び減速用油圧PLに代え
て、油温Tやエンジン始動後の経過時間Timを用いる
ようにしてもよい。また、入力ディスク回転数Ni及び
出力ディスク回転数Noに代えて、ローラの傾転角θを
用いるようにしてもよい。
【0070】図17及び図18は、本発明をベルト式の
無段変速機に適用した第5の実施の形態を示すものであ
る。なお、この場合においても上記実施形態と同じ又は
相当する構成要素には同じ符号を用いる。
【0071】この第5実施形態では、タービンシャフト
3にリバースギヤ列200の第1ギヤ201とフォワー
ドギヤ列210の第1ギヤ211とが回転自在に並設さ
れ、これらのギヤ201,211とタービンシャフト3
との間にそれぞれリバースクラッチ71及びロークラッ
チ62が介設されていると共に、出力シャフト6にはリ
バースギヤ列200の第1ギヤ201と噛合する同ギヤ
列200の第2ギヤ202、及びフォワードギヤ列21
0の第1ギヤ211とアイドルギヤ212を介して噛合
する同ギヤ列210の第2ギヤ213が結合されてい
る。
【0072】一方、ベルト式無段変速機構30の構成は
およそ次のようになっている。
【0073】すなわち、タービンシャフト3と同軸に直
列配置されたシャフト3bには入力プーリ221の固定
円錐板222が結合されていると共に、該シャフト3b
には同じく入力プーリ221の可動円錐板223が回転
自在に設けられている。そして、上記固定円錐板222
とタービンシャフト3との間に始動クラッチ50が配設
されていると共に、可動円錐板223の背面側には該円
錐板223とピストン224とで油圧室225が画成さ
れており、また該油圧室225内において上記可動円錐
板223とピストン224との間にはスプリング226
が介設されている。
【0074】同様に、出力シャフト6には出力プーリ2
31の固定円錐板232が回転自在に設けられていると
共に、該出力シャフト6には同じく出力プーリ231の
可動円錐板233が回転自在に設けられている。そし
て、上記固定円錐板232と出力シャフト6との間に動
力切換クラッチ110が配設されていると共に、可動円
錐板233の背面側には該円錐板233とピストン23
4とで油圧室235が画成されており、また該油圧室2
35内において上記可動円錐板233とピストン234
との間にはスプリング236が介設されている。
【0075】そして、これらの入出力プーリ221,2
31間に無端ベルト240が巻き掛けられており、上記
油圧室225,235に所定の変速制御用油圧を供給し
て可動円錐板223,233を固定円錐板222,23
2に対して所定量だけ近接離反させることにより、各プ
ーリ221,231におけるベルト240の有効ピッチ
径が変化し、これにより両プーリ221,231間の動
力伝達の変速比が無段階に変化するようになっている。
【0076】そして、このような構成の第5実施形態に
おいても、上記実施形態と同様の始動クラッチ50及び
動力切換クラッチ110の作動制御を行なうことによっ
て、ローモードの動力伝達経路、すなわちエンジン出力
を上記ベルト式無段変速機構30を介さずに駆動輪に伝
達する第2動力伝達経路と、ハイモードの動力伝達経
路、すなわちエンジン出力を上記ベルト式無段変速機構
30を介して駆動輪に伝達する第1動力伝達経路との切
換えが可能となり、且つ、低油温時に油圧の立上りが遅
れることに起因して発生するこのベルト式無段変速機構
30の変速制御上の問題が回避され、走行安定性の確保
が図られることになる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
油圧作動式の無段変速機構を備え、且つこの無段変速機
構を経由してエンジン出力を駆動輪に伝達する経路と、
無段変速機構を経由しないでエンジン出力を駆動輪に伝
達する経路との二つの動力伝達経路を有する無段変速機
において、該無段変速機構に対して供給される変速制御
用油圧を生成する作動油の温度が所定温度より低いと判
定されている期間中は、該無段変速機構を経由してエン
ジン出力を駆動輪に伝達する動力伝達経路が選択されな
いから、低油温時に油圧の立上りが遅れることに起因し
て発生する該無段変速機構の変速制御上の問題及び耐久
性の面での問題が回避され、もって走行安定性の確保が
図られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るトロイダル
式無段変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図2】 同無段変速機における無段変速機構の要部構
成を示す拡大断面図である。
【図3】 同無段変速機におけるシステム構成図であ
る。
【図4】 同無段変速機における動力伝達経路の説明図
である。
【図5】 同無段変速機におけるクラッチ等の作動パタ
ーンの説明図である。
【図6】 同無段変速機における始動クラッチ及び動力
切換クラッチの作動制御プログラムのフローチャート図
である。
【図7】 別の作動制御プログラムの一部を示すフロー
チャート図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態に係るトロイダル
式無段変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図9】 同無段変速機における動力伝達経路の説明図
である。
【図10】 本発明の第3の実施の形態に係るトロイダ
ル式無段変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図11】 同無段変速機における動力伝達経路の説明
図である。
【図12】 同無段変速機におけるクラッチ等の作動パ
ターンの説明図である。
【図13】 本発明の第4の実施の形態に係るトロイダ
ル式無段変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図14】 同無段変速機における動力伝達経路の説明
図である。
【図15】 同無段変速機におけるクラッチ等の作動パ
ターンの説明図である。
【図16】 同無段変速機における動力切換クラッチの
作動制御プログラムのフローチャート図である。
【図17】 本発明の第5の実施の形態に係るベルト式
無段変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図18】 同無段変速機における動力伝達経路の説明
図である。
【符号の説明】
1 エンジン 3 タービンシャフト 5 オイルポンプ 6 出力シャフト 10 無段変速機 20 トルクコンバータ 30 無段変速機構 31 入力ディスク 32 出力ディスク 33,34 トラニオン 35,36 ローラ 37 カムディスク 40 前後進切換機構 50 始動クラッチ 60 フォワードクラッチ 61 ローブレーキ 62 ロークラッチ 70 リバースブレーキ 71 リバースクラッチ 80 第1ギヤ列 90 ワンウェイクラッチ 100 第2ギヤ列 110 動力切換クラッチ 142〜145 トラニオンピストン 146〜149 トラニオン油圧室 150 変速制御ユニット 151 トラニオン駆動部 152 油圧制御部 160 コントローラ 200 リバースギヤ列 210 フォワードギヤ列 221 入力プーリ 231 出力プーリ 222,232 固定円錐板 223,233 可動円錐板 225,235 プーリ油圧室 240 無端ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J051 AA03 BA03 BB02 BD02 BE09 CB04 EA05 EB03 3J052 AA01 AA17 CA21 CB00 EA03 GC73 HA13 KA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力を無段変速機構を介して駆
    動輪に伝達する第1動力伝達経路と、無段変速機構を介
    さずに伝達する第2動力伝達経路とを有すると共に、車
    両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、該検出手
    段の検出結果に応じて上記動力伝達経路を切り換える動
    力伝達経路切換手段とを備える無段変速機の制御装置で
    あって、上記無段変速機構が、作動油の給排により生成
    される油圧を受けて作動する油圧作動式のものであると
    共に、上記作動油の温度に関連する値を検出する油温関
    連値検出手段と、該検出手段で検出された作動油の温度
    に関連する値が、作動油の温度が所定の温度より低いこ
    とを示しているときは、上記第1動力伝達経路が選択さ
    れないように上記動力伝達経路切換手段を制御する制御
    手段とが設けられていることを特徴とする無段変速機の
    制御装置。
  2. 【請求項2】 油温関連値検出手段は、作動油の温度に
    関連する値としてエンジン始動後の経過時間を計測し、
    制御手段は、該経過時間が所定時間より短いときに作動
    油の温度が所定温度より低いと判定することを特徴とす
    る請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンと無段変速機構との間にクラッ
    チ機構が配設され、制御手段は、このクラッチ機構を解
    放させることにより上記第1動力伝達経路が選択されな
    いようにすると共に、エンジンの始動時にも上記クラッ
    チ機構を解放させることを特徴とする請求項1に記載の
    無段変速機の制御装置。
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