JP2000054930A - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射装置

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JP2000054930A
JP2000054930A JP10222942A JP22294298A JP2000054930A JP 2000054930 A JP2000054930 A JP 2000054930A JP 10222942 A JP10222942 A JP 10222942A JP 22294298 A JP22294298 A JP 22294298A JP 2000054930 A JP2000054930 A JP 2000054930A
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pressure
fuel
pressure chamber
needle valve
chamber
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JP10222942A
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Akira Shirakawa
暁 白河
Tetsuya Uehara
哲也 上原
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】燃料の噴霧特性を改善し、良好な排気、騒音特
性を実現する。 【解決手段】燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室9からの燃
料の一部が導かれる圧力室22の燃料圧力の解放を制御
する電磁弁25を設け、この圧力室22の燃料圧力を高
めることでピストン21が針弁19を閉じ方向に押圧し
て燃料の噴射を遮断し、圧力室22の圧力を低下させる
ことで、燃料圧力を受けて針弁19がリフトして燃料の
噴射を行う。このとき、圧力室22の圧力を、針弁19
が開弁するときのリフト初期に速やかに低下させ、リフ
ト中期に低下を遅くらせ、かつ針弁19が閉弁するとき
には圧力上昇を速めるべく、圧力室22に導入する高圧
燃料の燃料流入路を制御する可変オリフィス23を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料蓄圧式のデ
ィーゼルエンジンの燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射装置とし
て、最大燃料噴射圧力に相当する圧力でもって加圧した
燃料を蓄圧室に溜めておき、この燃料噴射時期にインジ
ェクタからこの蓄圧燃料を噴射するようにしたものが知
られており、このためのインジェクタの構成が、特開平
9−158811号公報によって提案されている。
【0003】このインジェクタの構成を図7を用いて説
明する。
【0004】蓄圧室の高圧燃料は供給通路101からノ
ズル室102に導かれるとともに、一部は充填オリフィ
ス106を経てノズルピストン104の上部の圧力室1
05にも導かれる。圧力室105をドレン側と接続する
放出オリフィス108が、電磁弁107によって閉状態
にあるときは、この燃料圧力を受けるノズルピストン1
04により針弁103が押されて着座し、燃料は噴射さ
れない。なお、ノズルピストン104の受圧面積は針弁
103の受圧面積よりも大きい。
【0005】この状態から電磁弁107が開弁すると、
放出オリフィス108を介して圧力室105の圧力が低
下し、このためノズル室102に作用する燃料圧力で針
弁103が上方にリフトし、燃料が噴射される。
【0006】電磁弁107が閉弁すると、圧力室105
に充填オリフィス106を介して高圧燃料が充填され、
針弁103よりも受圧面積を大きく設定したノズルピス
トン104により、針弁103が押し下げられて着座
し、燃料の噴射が停止する。
【0007】リターンスプリング111はエンジン停止
時等にノズル室105の燃料が燃焼室内に漏れ出すこと
のないようにするためのものであり、エンジン運転時に
は、針弁103、ノズルピストン104にかかる油圧力
により縮められ、針弁103とノズルピストン104と
が常に一体となって動く。
【0008】このようなインジェクタでは、圧力室10
5の圧力とノズルピストン104の摺動部の受圧面積の
積である閉弁方向の力と、ノズル室102の圧力と針弁
103の受圧面積の積である開弁方向の力のバランスに
より、針弁103の動きが決まる。この場合、ノズル室
102は常に供給通路101を介して図示しない蓄圧室
と連通しているため、その圧力がほぼ一定であるのに対
して、圧力室105の圧力は電磁弁107の開閉により
大きく変化する。
【0009】ノズルピストン104の受ける油圧力は、
電磁弁107の開弁時に充填オリフィス106と放出オ
リフィス108の各有効流路面積およびノズルピストン
104の受圧面積に依存し、また電磁弁107の閉弁時
には充填オリフィス106の有効流路面積とノズルピス
トン104の受圧面積に影響される。これより、充填オ
リフィス106と放出オリフィス108の各有効流路面
積およびノズルピストン104の径の、3つのパラメー
タを変えることにより、針弁103の上昇、下降速度、
つまり燃料噴射率を変えることができる。
【0010】燃料噴射率は、噴射初期に着火遅れ期間中
の噴射量を減らすことに伴う燃焼騒音の低減とNOxの
排出抑制のため、立ち上がりの勾配を緩く、また、噴射
終期にはスモーク排出の抑制のため下降側の勾配を大き
くすることが一般的であることから( 『 内燃機関 』
Vol.31 No.393 1992.7 p.21〜p.29参照)、上記3つの
パラメータのマッチングにより、針弁103のリフト時
の上昇速度を遅く、下降速度を速くしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この蓄圧式の燃料噴射
装置では、通常の燃料噴射装置と異なり、針弁の開閉が
燃料圧力によって行われている。燃料の噴射が停止する
ときは、ノズルピストンにより針弁を押し下げる力を大
きくすることにより、針弁を着座させ、燃料を噴射する
ときは、針弁を押し下げているノズルピストンに作用さ
せる燃料圧力を解除し、燃料圧力により針弁がリフト
し、燃料が噴射されるようになっている。
【0012】ところが、上記のように、燃料の噴射開始
時と遮断時の要求特性は異なり、このように異なる開
弁、閉弁特性を付与するのに同じ燃料圧力を用いるた
め、必ずしも要求通りにはならないという問題がある。
【0013】このような問題を解決するため、特開平9
−88758号に開示されたものがある。これはノズル
ピストンに作用する燃料圧力の取入口に、入口側のエッ
ジが面取あるいは曲面形状となっているオリフィスを複
数段重ねている。
【0014】このように複数のオリフィスの小孔の形状
により、ノズルピストンに対する燃料圧力を解除すると
きの抵抗を大きくすると共に、燃料圧力を印加するとき
の抵抗を小さくすることを可能とし、燃料噴射開始時と
噴射停止時の特性にヒステリシスを持たせている。
【0015】ところで、燃料噴霧の状況は燃焼状態に大
きく影響を及ぼし、そこで、本発明者が、蓄圧室式燃料
噴射装置のインジェクタから噴射される噴霧が実際にど
うなるかを調べたところ、次のような知見を得た。
【0016】これを説明すると、上記のインジェクタで
は、針弁103の上昇速度を遅くしているため、噴射初
期は針弁リフトが低く、燃料がノズルシート部109の
非常に狭いクリアランスを高速で通過したあとにノズル
噴孔に流入する。
【0017】図8にノズル先端部の断面図を示すと、こ
のタイプは、針弁103の着座時に針弁103のノズル
シート部109により噴孔110がふさがれる形状であ
ることから、VCO(Valve Covered Orifice)タイプ
といわれている。
【0018】ここで、噴孔110の軸に垂直な断面内で
の燃料流速分布をみてみると、理想的なノズルでは図9
に示すように、針弁103の中心軸に対し、左右対称な
弱い流れが生じる。これは、ノズルシート部109から
まず噴孔110上部に燃料が流入することに関連するた
めである。
【0019】しかしながら、実際のノズルにおいては、
針弁103に針弁摺動部のガタや製造精度の問題から若
干の偏心が生じてしまう。たとえば、図10(図8のA
−A線矢視図)に示したように左側への偏心が生じてい
る場合は、ノズルシート部109に隙間が狭いところか
ら広いところに向けて、針弁103の周囲に対称的な周
方向流れ(矢印で示す)が発生する。この場合、流れの
速い部位に位置する噴孔である110aと110bの内
部に図11に示したように、内周に沿った強力な旋回流
が発生する。
【0020】こうした噴孔の軸に垂直な面での旋回流
は、針弁リフトが小さいときに、また、ノズル室圧が高
いときに強くなる。これはノズルシート部109が狭い
ほど、ノズルシート部109の周方向の燃料流速が速く
なり、また、ノズル室102が高圧であるほうがノズル
シート部109の燃料流速が速くなるためである。
【0021】このように噴孔の軸に垂直な面での旋回流
が大きいと、燃料の噴霧は、その噴射率の割には噴霧円
錐角が広く、ペネトレーションが弱いが、微粒化が促進
された噴霧(つまり着火性のよい噴霧)となる。このよ
うな現象はVCOタイプのノズルで特に顕著である。
【0022】こうした燃料噴霧は着火性がよく、蒸発お
よび周囲空気との混合が促進されるため、従来からある
ジャーク式燃料噴射装置の噴霧(詳細は後述する)に比
べ着火遅れ期間が短くなる。したがって、燃焼初期の予
混合燃焼量が減り、燃焼騒音やNOxの排出が抑制され
るというメリットがある。しかしながらその反面、高負
荷域等の空気過剰率が小さい運転域では、予混合燃焼割
合が減ることに加えて流動の弱い燃焼室中央付近に、初
期に噴射されたペネトレーションの弱い噴霧が残留して
しまうため、スモークの発生が多くなるというデメリッ
トがある。
【0023】以上は発明者が今回初めて得た知見であ
る。
【0024】したがって、燃料の噴射初期は噴射率は高
く保ち、その後噴射率を抑制できると、上記したトレー
ドオフの関係は改善できる。
【0025】一方、ジャーク式燃料噴射装置は、プラン
ジャで燃料を急激に加圧し、発生させた圧力波を燃料噴
射管を通してノズル室に導き、ノズル室の燃料圧力を略
山型に推移させ、その圧力により、リターンスプリング
による針弁着座方向の力に逆らって針弁をリフトさせ、
燃料を噴射させるように構成される。
【0026】このようなジャーク式燃料噴射装置では、
噴射初期のノズル室圧が低いこと、また、針弁が急激に
リフトするため、低針弁リフトで燃料を噴射している期
間が短いことなどから、高負荷域のスモーク排出が少な
い反面、燃焼騒音やNOx排出が多いというデメリット
がある。また、蓄圧式燃料噴射装置で得られる燃料噴霧
に比べ、着火性が悪いため、特に冷機時の失火を抑制す
るのに、燃料噴射時期をよりアドバンスする必要があ
り、冷機時のNOx排出が多いというデメリットもあ
る。
【0027】また、排気中のスモークあるいは微粒子と
NOxを同時に低減させる方法として低温予混合燃焼さ
せる考えがある(特開平7−4287号公報参照)。
【0028】これは着火遅れ期間中に燃料を噴射しきっ
てしまい、予混合燃焼を主体として低温で燃焼させるも
のであり、排気微粒子とNOxの同時低減に加え、燃焼
騒音低減の効果もある。このような燃焼を実現するため
には、EGRにより吸気酸素濃度を下げ、燃焼速度を適
度に遅くすること、燃料噴射時期をTDC前後付近まで
遅らせることなどが挙げられる。また、このような燃焼
のためには、着火遅れ期間が適度に長い方が都合がよ
く、この点、上記した蓄圧式燃料噴射装置で得られるよ
うな着火性のよい噴霧では、着火遅れ期間が短く、着火
遅れ期間中に全ての燃料を噴射することが困難なため、
低温予混合燃焼による排気微粒子とNOxの同時低減が
可能な運転領域が狭くなってしまうという問題があっ
た。
【0029】本発明は以上のような問題を解決するため
に提案されたもので、排気性能と燃焼騒音の改善と、エ
ンジン全開出力の向上との両立を図ることを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、燃料を高
圧状態で蓄える蓄圧室からの燃料の一部が導かれる圧力
室の燃料圧力の解放を制御する手段を設け、この圧力室
の燃料圧力を高めることでピストンが針弁を閉じ方向に
押圧して燃料の噴射を遮断し、圧力室の圧力を低下させ
ることで、前記燃料圧力を受けて針弁がリフトして燃料
の噴射を行うディーゼルエンジンの燃料噴射装置におい
て、前記圧力室の圧力を、針弁が開弁するときのリフト
初期に速やかに低下させ、リフト中期に低下を遅くら
せ、かつ針弁が閉弁するときには圧力上昇を速めるべ
く、前記圧力室に導入する高圧燃料の燃料流入路を制御
する可変絞りを備えることを特徴とする。
【0031】第2の発明は、燃料圧力が流入路を介して
導入される第1の圧力室と、この第1圧力室の圧力に応
じて針弁を閉じ方向に押圧するピストンと、第1圧力室
のドレン流路に設けた電磁弁と、第1圧力室の圧力が低
下したときに高圧の燃料圧力によりリフトして噴孔を開
く針弁と、前記電磁弁の下流に設けた排出オリフィス
と、前記電磁弁と排出オリフィスとの間に形成された第
2の圧力室と、この第2圧力室の圧力に応動する制御ピ
ストンと、この制御ピストンの移動により前記流入路の
面積を制御する可変絞りとを備え、前記制御ピストンは
第2の圧力室圧力の上昇時に可変絞りの面積を増大し、
低下時に減少するように構成される。
【0032】第3の発明は、前記制御ピストンの一部が
前記流入路を遮り、かつその部分に小孔が形成され、制
御ピストンの変位により小孔と流入路とで構成される可
変絞りの連通面積が変化するようになっている。
【0033】第4の発明は、前記第1圧力室と第2圧力
室との間には放出オリフィスを設け、電磁弁が閉じてい
るときは、前記制御ピストンは最上昇位置にあって可変
絞りが最小になり、電磁弁の開弁に伴う第2圧力室の圧
力上昇により制御ピストンが下降して可変絞りの面積を
緩やかに増大させていくように構成される。
【0034】第5の発明は、前記排出オリフィスの面積
は、電磁弁の閉弁してから針弁が閉じるまでの間は制御
ピストンにより可変絞りがほぼ最大開度に維持されるよ
うに第2の圧力室からの排出流量を制限すべく構成され
る。
【0035】
【発明の作用、効果】第1から第5の発明によれば、燃
料噴射の開始初期において、第1圧力室の圧力が速やか
に低下し、これより針弁の初期リフトが大きくなり、燃
料の初期噴射率が高まり、ペネトレーションの強い噴霧
が得られ、スモークの低減に寄与する。噴射中期には第
1圧力室の圧力の低下が遅れ、針弁のリフト速度が緩や
かになり、このため、噴射率が穏やかに上昇し、燃焼安
定性のよい噴霧により燃焼騒音やNOxの低減が図れ
る。
【0036】また、燃料噴射の停止時は、第1圧力室の
圧力が速やかに上昇し、針弁を閉弁方向に急速に閉じる
ので、スモークやHCの排出が効果的に抑制できる。
【0037】また、第2から第5の発明では、針弁の開
弁時と閉弁時の第1の圧力室に対する高圧燃料の流入量
を、互いに独立して制御できるので、針弁の開弁時に要
求されるリフト特性と、閉弁時の特性を自由に設定で
き、いずれについても最良の噴射特性にすることができ
る。
【0038】第5の発明では、少なくとも、針弁の閉弁
方向に動き始めてから着座するまでは、可変絞りが最大
開度付近に維持されるので、この間に第1の圧力室への
燃料の流入量が大きく、したがって、針弁を急速に閉じ
ることができ、高負荷時などのスモークの発生を大幅に
抑制できる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態について
図に基づいて説明する。
【0040】図1は燃料供給系統の構成、図2はインジ
ェクタの概略断面図を示すものである。燃料供給ポンプ
1はエンジン回転に同期して回転駆動されるカム2によ
り往復運動するプランジャ3を備え、プランジャ3の往
復運動に伴い、燃料タンク4の燃料は吸入通路6から吸
入され、逆止弁8をもつ吐出通路5に吐出され、蓄圧室
9に高圧状態で蓄えられる。
【0041】蓄圧室9の燃料圧力を制御するため、吸入
通路6には有効ストローク制御弁7が設けられる。この
有効ストローク制御弁7はプランジャ3の吸入行程では
開いたままであるが、プランジャ3の圧縮行程の途中で
閉弁され、この閉弁により燃料の圧送が開始され、圧縮
行程での閉弁期間中は燃料の圧送が維持される。したが
ってこれに応じてポンプ吐出量、ひいては蓄圧室9の燃
料圧力が決まる。
【0042】この蓄圧室9の燃料圧力を制御するため、
有効ストローク制御弁7の開閉を制御するコントローラ
50が備えられる。コントローラ50には、蓄圧室9の
燃料圧力を検出する圧力センサ10、アクセル開度セン
サ12、エンジン回転数センサ13、燃料噴射気筒判別
センサ15からの各検出信号が入力し、これらに基づい
て、運転状態に応じて設定される目標燃料圧力と、蓄圧
室9の燃料圧力とが一致するように、有効ストローク制
御弁7の閉弁期間を調整する。例えば目標圧力よりも蓄
圧された燃料圧力が低いときは、プランジャ3による燃
料の圧送量を増やすように、有効ストローク制御弁7の
閉弁期間が延ばされ、逆に高いときは圧送量を減らすよ
うに閉弁期間が縮められる。
【0043】なお目標圧力はエンジン運転状態に応じて
予め決められているマップにしたがって検索する。
【0044】図2にはインジェクタ14の構成を示す。
【0045】インジェクタ14の内部通路17は前記蓄
圧室9の高圧の供給通路11と接続する。内部通路17
はノズル室27と連通すると共に、可変型の充填オリフ
ィス23を介して第1の圧力室22と連通する。
【0046】ノズル室27の噴孔28を開閉する針弁1
9は、押圧部材20を介してノズルピストン21に当接
する。ここでノズルピストン21の直径は、針弁摺動部
19aの直径よりも大きく、つまり受圧面積が大きく設
定される。前記第1圧力室22は低圧側の接続するドレ
ン流路に放出オリフィス24が介装され、この放出オリ
フィス24を圧力制御弁としての第2の電磁弁25が開
閉する。
【0047】なお、押圧部材20はリターンスプリング
26で付勢され、エンジンの停止時など針弁19が開く
の防止し、燃料の漏れを防ぐ。
【0048】前記可変充填オリフィス23は、制御ピス
トン32の一部に設けられていて、制御ピストン32が
上下に変位することにより、内部通路17から分岐し、
第1の圧力室22に接続する流入路31の有効通路面積
を変化させる。
【0049】図3にも示すように、制御ピストン32は
フランジ部をもつ筒状のピントン体であり、電磁弁25
の外側の環状のシリンダ室36にフランジ部32Aが摺
動自由に収装され、筒部32Bを貫通して縦長の小孔3
2Cが設けられ、この小孔32Cが前記流入路31に面
していて、小孔32Cの位置により通路面積が増減す
る。
【0050】制御ピストン32はスプリング34により
上方に付勢させる一方、ピストン上方のシリンダ室36
に作用する圧力により、下方に押し下げられる。
【0051】シリンダ室36は、前記放出オリフィス2
4の下流側の第2圧力室35と通孔39を介して連通さ
れ、したがってシリンダ室36は第2圧力室35と同圧
になり、またスプリング34を配置した室はドレン流路
の低圧(ほぼ大気圧)となっている。
【0052】制御ピストン32は図示する位置が最上位
であり、それ以上には上昇しないようにストッパもしく
は段差部(いずれも図示せず)により阻止され、この状
態において可変充填オリフィス23は流路面積が最小と
なるように絞り込まれ、下方に移動するのに伴って流路
面積が拡大し、最下位において最大の流路面積となる。
【0053】なお、第2圧力室36には排出オリフィス
37を介してドレン通路38が接続する。
【0054】以上のように構成され、次に作用について
図4並びに図5を参照しながら説明する。
【0055】図4のA〜Cは開弁動作を示す。
【0056】電磁弁25が閉じていると、第1の圧力室
22がノズル室27と同一圧にあり、かつノズルピスト
ン21は針弁19よりも受圧面積が大きく、このため針
弁19はノズルピストン21に押されて着座し、燃料は
噴射されない。
【0057】このとき第2の圧力室35の圧力はほぼ大
気圧と低く、シリンダ室36も同一の圧力にあり、制御
ピストン32はスプリング34により、最上位に位置
し、可変充填オリフィス23の開度は小さくなってい
る。
【0058】この状態からコントローラ50により電磁
弁25が開かれ、放出オリフィス24が解放されると、
第1圧力室22の圧力が下がり始め、この第1圧力室2
2とノズル室27との差圧、並びにリターンスプリング
26との荷重バランスにより、圧力室22の圧力が所定
値まで低下した時点から針弁19のリフトが始まり、燃
料の噴射が開始される。
【0059】第1の圧力室22には可変充填オリフィス
23を介して高圧燃料が導入されるが、可変充填オリフ
ィス23の開度が小さいため、第1圧力室22への燃料
の流入量は小さく、第1圧力室22とノズル室27との
圧力差が大きいため、針弁19は速やかにリフトする。
【0060】一方、電磁弁25の開弁により第2圧力室
35には放出オリフィス24を介して燃料が流入する
が、排出オリフィス37により出口側は絞られているた
め、第2の圧力室35の圧力が上昇し、これに伴い制御
ピストン32がスプリング34に抗して押し下げられ
る。このため、可変充填オリフィス23の開度が増大
し、第1の圧力室22への燃料の流入量が増加し、第1
圧力室22とノズル室27との差圧が小さくなる。
【0061】このため、針弁19の上昇が抑制される。
【0062】針弁19が最大リフトまで上昇すると、電
磁弁25が閉じるまでは、制御ピストン32が再下位に
維持されるように、排出オリフィス37からの排出量と
見合う分だけが放出オリフィス24から極めて少ない量
の燃料が第2圧力室35に流入する。
【0063】このようにして、図6にも示すように、開
弁初期には針弁19を速やかにリフトさせ、初期噴射率
を増大させ、その後には最大リフトまでは、針弁を緩や
かにリフトさせ、その間の噴射率の増大を緩やかにす
る。
【0064】この結果、噴射初期における噴霧のペネト
レーションを強められ、スモークの発生を抑制でき、か
つその後の噴霧については、噴射率を緩やかにできるこ
とから、蓄圧式燃料噴射の特徴である着火性のよい、微
粒化の促進された噴霧とすることで、燃焼騒音やNOx
の発生の少ない良好な燃焼が確保される。
【0065】次に図5のA〜Cによって閉弁動作を説明
する。
【0066】コントローラ50は目標とする噴射期間が
過ぎると、電磁弁25を閉じる。この電磁弁25が閉じ
る直前までは、第2の圧力室35の圧力により、制御ピ
ストン32は最下位に維持されているため、可変充填オ
リフィス23の開度は大きい。
【0067】このため電磁弁25の閉弁により第1の圧
力室22の圧力は急速に上昇する。ノズルピストン21
は針弁19よりも受圧面積が大きいため、圧力室22の
圧力上昇により針弁19はノズルピストン21に押され
て急速に閉弁方向に動き始める。
【0068】このとき、第2の圧力室35は電磁弁25
の閉弁より燃料の供給が閉ざされるが、針弁19が着座
するまでは可変充填オリフィス23の開度が大きく保た
れるように、すなわち制御ピストン32が直ぐには上昇
しないように、排出オリフィス37により圧力室35の
圧力が維持される。
【0069】このようにして、図6に示すとおり、針弁
19を閉弁するときには、第1の圧力室22には大きな
通路面積をもつ可変充填オリフィス23により高圧燃料
が充填されるため、従前に比較して、遥かに早い速度で
圧力が上昇し、針弁19を急激に閉じることができる。
【0070】針弁19の閉弁後は、第2圧力室35から
は排出オリフィス37を介してゆっくりと燃料が排出さ
れ、この間に制御ピストン32が初期の位置まで上昇
し、次の噴射に備える。
【0071】この結果、燃料の噴射停止は速やかに行わ
れ、燃料噴射量の大きい高出力運転などでも、スモーク
やHCの排出を十分に抑制することが可能となる。
【0072】以上の各実施形態において、アクチュエー
タとして、電磁弁を用いているが、この代わりに、例え
ば圧電素子を利用したピエゾアクチュエータなどを用い
ることもできる。
【0073】また、本発明は上記実施形態に限られず、
その技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうるこ
とは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の燃料供給系統を示す構成
図。
【図2】同じくインジェクタの概略断面図。
【図3】ピストンの斜視図。
【図4】A〜Cは開弁動作を順次表す説明図。
【図5】A〜Cは閉弁動作を順次表す説明図。
【図6】燃料噴射特性を示す特性図。
【図7】従来例のインジェクタの概略断面図。
【図8】ノズルの先端部の拡大断面図。
【図9】理想的なノズル噴孔内における燃料流速分布を
示す図。
【図10】図8のA−A線矢視図。
【図11】図10のB−B線の矢視図。
【符号の説明】
1 燃料供給ポンプ 9 燃料蓄圧室 14 インジェクタ 17 内部通路 19 針弁 21 ノズルピストン 22 第1圧力室 23 可変充填オリフィス 24 放出オリフィス 25 電磁弁 26 リターンスプリング 32 制御ピストン 35 第2圧力室 37 排出オリフィス 50 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 AD12 BA03 BA14 BA16 BA22 BA24 BA25 BA26 CA01S CA04U CA09 CC06T CC08T CC66 CC67 CC68U CC70 CD26 CE02 CE13 CE22 CE27 DA08 DA11 DA12 DA13 DA14 DB19 DC00 DC04 DC09 DC18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を高圧状態で蓄える蓄圧室からの燃料
    の一部が導かれる圧力室の燃料圧力の解放を制御する手
    段を設け、この圧力室の燃料圧力を高めることでピスト
    ンが針弁を閉じ方向に押圧して燃料の噴射を遮断し、圧
    力室の圧力を低下させることで、前記燃料圧力を受けて
    針弁がリフトして燃料の噴射を行うディーゼルエンジン
    の燃料噴射装置において、 前記圧力室の圧力を、針弁が開弁するときのリフト初期
    に速やかに低下させ、リフト中期に低下を遅くらせ、か
    つ針弁が閉弁するときには圧力上昇を速めるべく、前記
    圧力室に導入する高圧燃料の燃料流入路を制御する可変
    絞りを備えることを特徴とするディーゼルエンジンの燃
    料噴射装置。
  2. 【請求項2】燃料圧力が流入路を介して導入される第1
    の圧力室と、この第1圧力室の圧力に応じて針弁を閉じ
    方向に押圧するピストンと、第1圧力室のドレン流路に
    設けた電磁弁と、第1圧力室の圧力が低下したときに高
    圧の燃料圧力によりリフトして噴孔を開く針弁と、前記
    電磁弁の下流に設けた排出オリフィスと、前記電磁弁と
    排出オリフィスとの間に形成された第2の圧力室と、こ
    の第2圧力室の圧力に応動する制御ピストンと、この制
    御ピストンの移動により前記流入路の面積を制御する可
    変絞りとを備え、前記制御ピストンは第2の圧力室圧力
    の上昇時に可変絞りの面積を増大し、低下時に減少する
    請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】前記制御ピストンの一部が前記流入路を遮
    り、かつその部分に小孔が形成され、制御ピストンの変
    位により小孔と流入路とで構成される可変絞りの連通面
    積が変化するようになっている請求項2に記載のディー
    ゼルエンジンの燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】前記第1圧力室と第2圧力室との間には放
    出オリフィスを設け、電磁弁が閉じているときは、前記
    制御ピストンは最上昇位置にあって可変絞りが最小にな
    り、電磁弁の開弁に伴う第2圧力室の圧力上昇により制
    御ピストンが下降して可変絞りの面積を緩やかに増大さ
    せていく請求項3に記載のディーゼルエンジンの燃料噴
    射装置。
  5. 【請求項5】前記排出オリフィスの面積は、電磁弁の閉
    弁してから針弁が閉じるまでの間は制御ピストンにより
    可変絞りがほぼ最大開度に維持されるように第2の圧力
    室からの排出流量を制限する請求項3または4に記載の
    ディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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