JPH0932687A - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JPH0932687A
JPH0932687A JP17732295A JP17732295A JPH0932687A JP H0932687 A JPH0932687 A JP H0932687A JP 17732295 A JP17732295 A JP 17732295A JP 17732295 A JP17732295 A JP 17732295A JP H0932687 A JPH0932687 A JP H0932687A
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正明 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気ガス中に排出される有害物質の低減およ
び燃費向上の可能な燃料噴射装置を提供する。 【構成】 第2のノズルニードル25は中空円筒状の第
1のノズルニードル20に往復移動可能に収容されてい
る。第1の圧力制御室内の高圧燃料が排出されると、第
1のノズルニードル20はリフトし、コモンレールから
供給された高圧燃料が第1の噴孔31から噴射される。
第1のノズルニードル20のリフト途中でシム35が第
2のノズルニードル25の端面27aに係止されると、
第2のノズルニードル25は第1のノズルニードル20
とともにリフトし、第1の噴孔31に加えて第2の噴孔
32からも燃料が噴射される。第1のノズルニードル2
0のリフトに応じて第2のノズルニードル25がリフト
するので、初期噴射率を低減しつつ初期噴射圧を増加さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の燃料噴射装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼルエンジン等においては
厳しくなる排気ガス規制に対処する必要が生じている。
排気ガス中に含まれる有害成分の低減、さらに燃費向上
を達成するためには、燃料噴射による噴霧を時間的、空
間的および質的に最適化することが望まれている。時間
的には高精度な噴射率制御、空間的には広範囲の噴霧分
布、質的には噴射燃料の微粒化がそれぞれ必要である。
ここで噴射率とは、単位時間当たりの噴射量を示し、mm
3/ms、g/ms等の単位で表される。
【0003】このような燃料噴射の最適化を目的とした
燃料噴射装置として、特開昭61−135979号公
報、特開昭53−113924号公報、特開昭60−3
6772号公報、特公昭59−165858号公報に開
示されているのが知られている。特開昭61−1359
79号公報に開示されている燃料噴射弁は、例えば図1
8に示す構成からなる。燃料噴射弁100は、第1噴孔
105および第2噴孔106をそれぞれ開閉する第1針
弁101および第2針弁102を有し、第1針弁101
および第2針弁102をそれぞれ閉弁方向に付勢する第
1リターンスプリング103および第2リターンスプリ
ング104の付勢力と燃料供給圧から受ける力との釣り
合いにより第1針弁101および第2針弁102が往復
移動する。第1噴孔105および第2噴孔106の両方
から燃料噴射できるので、燃料の噴霧分布が拡大する。
【0004】特開昭53−113924号公報に開示さ
れている燃料噴射ノズルも特開昭61−135979号
公報に開示されている燃料噴射弁と同様に2個の針弁と
この2個の針弁をそれぞれ閉弁方向に付勢するスプリン
グを有している。このため、燃料の噴霧分布が拡大する
という効果を有する。特開昭60−36772号公報に
開示されている燃料噴射弁は、例えば図19に示す構成
からなる。燃料噴射弁110は、第1の噴孔群115お
よび第2の噴孔群116をそれぞれ開閉する針弁111
およびスプール112を有している。針弁111はノズ
ルスプリング113により閉弁方向に付勢されており、
スプール112はばね114により閉弁方向に付勢され
ている。電磁ソレノイド117への通電をオンすると、
スプール112は電磁ソレノイド117に発生する磁力
によりリフトし、第2の噴孔郡116から燃料が噴射さ
れる。針弁111は、燃料供給圧から受ける力がノズル
スプリング113の付勢力よりも大きくなるとリフトし
第1の噴孔群115から燃料を噴射する。エンジンの低
負荷時には電磁ソレノイド117への通電はオフされて
おり、スプール112がリフトしないので第1の噴孔群
115からだけ燃料が噴射される。
【0005】特公昭59−165858号公報に開示さ
れているインジェクタは、例えば図20に示す構成から
なる。コモンレール123で蓄圧した高圧燃料がインジ
ェクタ120に供給され、ニードル121の反噴射側に
制御圧力室125を設けている。制御圧力室125の燃
料圧力は三方弁124を制御することにより増減する。
ニードル121は、コモンレール123から供給される
燃料圧力から受ける力とスプリング122がニードル1
21を閉弁方向に付勢する力と制御圧力室125内の圧
力からニードル121が受ける力とのバランスによりイ
ンジェクタ120内を往復移動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1359
79号公報に開示されている燃料噴射弁100では、第
1針弁101および第2針弁102の開弁タイミングは
燃料噴射ポンプから供給される燃料供給圧から受ける力
と第1リターンスプリング103および第2リターンス
プリング104の付勢力とのバランスにより決定されの
で、燃料噴射時期の高精度な制御が困難である。また、
第1針弁101の開弁圧は第2針弁102の開弁圧より
も低く設定されているので、低い燃料供給圧で第1針弁
101が開弁し、初期噴射圧が低くなるので初期噴射時
において燃料が良好に微粒化しない。さらに、燃料供給
圧の上昇とともに第1針弁101および第2針弁102
がリフトするので初期噴射率の上昇が緩やかである。こ
のため、燃料噴射時間が長くなり排気ガス中に煤等のパ
ティキュレートが発生し易くなるという問題がある。第
1針弁101の開弁圧を上昇させることにより初期噴射
圧は高くなるが、噴射期間が短縮されて所望の噴射量が
得られない、低回転時において噴射しない領域ができる
等の問題がある。
【0007】特開昭53−113924号公報に開示さ
れているインジェクタも特開昭61−135979号公
報と同様に初期噴射圧が低くなるので、噴射初期段階に
おいて燃焼室に噴射される燃料の微粒化が不十分になる
ことによりパティキュレートが発生し易くなる。特開昭
60−36772号公報に開示されている燃料噴射弁
は、エンジン負荷またはエンジン回転数等のエンジン運
転状態に応じてスプール112を往復移動させるもので
ある。つまり、一回の燃料噴射期間中に電磁ソレノイド
115への通電を制御し、針弁111とスプール112
のリフト時期をずらせて燃料の初期噴射率を低減するこ
とを目的とはしていない。一回の噴射期間中に針弁11
1のリフト量に応じてスプール112をリフトさせるた
めには針弁111のリフト時期を検知する手段が必要で
あるが、特開昭60−36772号公報に開示されてい
るものにはその手段に関する開示はない。
【0008】特公昭59−165858号公報に開示さ
れるインジェクタでは、コモンレール123で蓄圧され
た高圧燃料をインジェクタ120に供給し、ニードル1
21の反噴射側に圧力を調整できる制御圧力室125を
有するため、燃料噴射時期の高精度制御が可能となり、
さらに燃料の初期噴射圧が高くなる。しかしながら、一
つのニードル121だけで噴孔からの燃料噴射を制御し
ているので、初期噴射率が高くなってしまう。このため
燃焼前に燃焼室に供給される燃料量が多くなるのでNO
x発生の原因となる。
【0009】さらには、二つのノズルニードルを有し、
この二つのノズルニードルの往復移動をそれぞれ制御す
るために二つの電磁駆動手段を備えることも考えられる
が、部品点数が増加し装置が大型化するという問題があ
る。本発明はこのような問題を解決するためになされた
ものであり、排気ガス中に排出される有害物質の低減お
よび燃費向上の可能な燃料噴射装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段・作用・発明の効果】前記
目的を達成するための本発明の請求項1記載の燃料噴射
装置は、燃料供給ポンプから供給された高圧燃料をコモ
ンレールで蓄圧し、前記コモンレールで蓄圧された高圧
燃料を内燃機関の燃焼室に噴射する燃料噴射装置であっ
て、軸方向に収容孔を設け、前記収容孔の周囲に前記収
容孔に連通し前記コモンレールから高圧燃料を供給され
る燃料溜まりを設け、前記燃料溜まりよりも燃料下流側
に前記燃料溜まりと連通可能な第1の噴孔を設け、前記
第1の噴孔よりも燃料下流側に前記燃料溜まりと連通可
能な第2の噴孔を設け、前記燃料溜まりと前記第1の噴
孔との間の前記収容孔を形成する内壁に第1の弁座を設
け、前記第1の噴孔と前記第2の噴孔との間の前記収容
孔を形成する内壁に第2の弁座を設けたノズルボディ
と、前記収容孔に往復移動可能に収容され、前記第1の
弁座に着座することにより前記燃料溜まりと前記第1の
噴孔との連通を遮断する中空筒状の第1のノズルニード
ルと、前記第1のノズルニードルに往復移動可能に収容
され、前記第2の弁座に着座することにより前記燃料溜
まりと前記第2の噴孔との連通を遮断する第2のノズル
ニードルと、前記第1の弁座に向けて前記第1のノズル
ニードルを付勢する第1の付勢手段と、前記第2の弁座
に向けて前記第2のノズルニードルを付勢する第2の付
勢手段と、前記第1のノズルニードルの往復移動を制御
可能な電磁駆動手段とを備え、前記第1のノズルニード
ルが前記第1の弁座から離座した後、前記第1のノズル
ニードルから遅れて前記第2のノズルニードルが前記第
2の弁座から離座することを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2記載の燃料噴射装置は、
請求項1記載の燃料噴射装置において、前記電磁駆動手
段により前記コモンレールから高圧燃料を供給可能であ
るとともに供給された高圧燃料を排出可能な第1の圧力
制御室を前記第1のノズルニードルの反噴射側に設け、
前記第1の圧力制御室内の燃料圧力が低下することによ
り前記第1のノズルニードルが前記第1の弁座から離座
することを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3記載の燃料噴射装置は、
請求項1または2記載の燃料噴射装置において、前記第
1のノズルニードルは、前記第1のノズルニードルのリ
フト途中で前記第2の付勢手段の付勢力に抗して前記第
2のノズルニードルをリフトさせることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の燃料噴射装置は、請求項1また
は2記載の燃料噴射装置において、前記第2の付勢手段
は、一方の端部が前記第1のノズルニードルとともに往
復移動する係止部に当接し前記一方の端部よりも噴射側
の他方の端部が前記第2のノズルニードルの反噴射側に
当接する圧縮コイルスプリングであり、前記係止部が前
記第1のノズルニードルとともにリフトすることにより
前記圧縮コイルスプリングの軸長が伸び、前記第2の弁
座に向けて前記第2のノズルニードルを付勢する前記圧
縮コイルスプリングの付勢力が低下することにより前記
第2のノズルニードルが前記第2の弁座から離座するこ
とを特徴とする。
【0013】本発明の請求項5記載の燃料噴射装置は、
請求項2記載の燃料噴射装置において、前記第2の付勢
手段は、前記第2のノズルニードルの反噴射側に前記第
1の圧力制御室と連通するように設けられ前記電磁駆動
手段により前記コモンレールから高圧燃料を供給可能で
あるとともに供給された高圧燃料を排出可能な第2の圧
力制御室を有し、前記第2の圧力制御室に供給された高
圧燃料により前記第2のノズルニードルは前記第2の弁
座に向けて付勢され、前記第1の圧力制御室の圧力低下
に遅れて前記第2の圧力制御室の圧力が低下することを
特徴とする。
【0014】本発明の請求項6記載の燃料噴射装置は、
燃料供給ポンプから供給された高圧燃料をコモンレール
で蓄圧し、コモンレールで蓄圧された高圧燃料を内燃機
関の燃焼室に噴射する燃料噴射装置であって、軸方向に
収容孔を設け、前記収容孔の周囲に前記収容孔に連通し
前記コモンレールから高圧燃料を供給される燃料溜まり
を設け、前記燃料溜まりよりも燃料下流側に前記燃料溜
まりと連通可能な第1の噴孔を設け、前記第1の噴孔よ
りも燃料下流側に前記燃料溜まりと連通可能な第2の噴
孔を設け、前記燃料溜まりと前記第1の噴孔との間の前
記収容孔を形成する内壁に第1の弁座を設け、前記第1
の噴孔と前記第2の噴孔との間の前記収容孔を形成する
内壁に第2の弁座を設けたノズルボディと、前記収容孔
に往復移動可能に収容され、前記第1の弁座に着座する
ことにより前記燃料溜まりと前記第1の噴孔との連通を
遮断する中空筒状の第1のノズルニードルと、前記第1
のノズルニードルに往復移動可能に収容され、前記第2
の弁座に着座することにより前記燃料溜まりと前記第2
の噴孔との連通を遮断する第2のノズルニードルと、前
記第1の弁座に向けて前記第1のノズルニードルを付勢
する第1の付勢手段と、前記第2の弁座に向けて前記第
2のノズルニードルを付勢する第2の付勢手段と、前記
第2のノズルニードルの往復移動を制御可能な電磁駆動
手段とを備え、前記第2のノズルニードルが前記第2の
弁座から離座した後、前記第2のノズルニードルから遅
れて前記第1のノズルニードルが前記第1の弁座から離
座することを特徴とする。
【0015】本発明の請求項7記載の燃料噴射装置は、
請求項6記載の燃料噴射装置において、前記電磁駆動手
段により前記コモンレールから高圧燃料を供給可能であ
るとともに供給された高圧燃料を排出可能な第1の圧力
制御室を前記第2のノズルニードルの反噴射側に設け、
前記第1の圧力制御室内の燃料圧力が低下することによ
り前記第2のノズルニードルが前記第2の弁座から離座
することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項8記載の燃料噴射装置は、
請求項6または7記載の燃料噴射装置において、前記第
2のノズルニードルは、前記第2のノズルニードルのリ
フト途中で前記第1の付勢手段の付勢力に抗して前記第
1のノズルニードルをリフトさせることを特徴とする。
本発明の請求項9記載の燃料噴射装置は、請求項6また
は7記載の燃料噴射装置において、前記第1の付勢手段
は、一方の端部が前記第2のノズルニードルとともに往
復移動する係止部に当接し前記一方の端部よりも噴射側
の他方の端部が前記第1のノズルニードルの反噴射側に
当接する圧縮コイルスプリングであり、前記係止部が前
記第2のノズルニードルとともにリフトすることにより
前記圧縮コイルスプリングの軸長が伸び、前記第1の弁
座に向けて前記第1のノズルニードルを付勢する前記圧
縮コイルスプリングの付勢力が低下することにより前記
第1のノズルニードルが前記第1の弁座から離座するこ
とを特徴とする。
【0017】本発明の請求項10記載の燃料噴射装置
は、請求項7記載の燃料噴射装置において、前記第1の
付勢手段は、前記第1のノズルニードルの反噴射側に前
記第1の圧力制御室と連通するように設けられ前記電磁
駆動手段により前記コモンレールから高圧燃料を供給可
能であるとともに供給された高圧燃料を排出可能な第2
の圧力制御室を有し、前記第2の圧力制御室に供給され
た高圧燃料により前記第1のノズルニードルは前記第1
の弁座に向けて付勢され、前記第1の圧力制御室の圧力
低下に遅れて前記第2の圧力制御室の圧力が低下するこ
とを特徴とする。
【0018】前述した本発明の燃料噴射装置によると、
第1のノズルニードルのリフトに遅れて第2のノズルニ
ードルがリフトするか、または第2のノズルニードルの
リフトに遅れて第1のノズルニードルがリフトすること
により、二段階の燃料噴射率で燃料を噴射するので燃料
の噴霧分布が拡大する。また、コモンレールで蓄圧され
た高圧燃料が供給され、電磁駆動手段で第1のノズルニ
ードルまたは第2のノズルニードルの往復移動を制御す
ることにより、噴射時期および噴射量を高精度に制御で
きる。また、初期噴射率を低減しつつ初期噴射圧を上昇
させることができるので、初期噴射時において燃料が良
好に微粒化して燃焼室内に噴射され燃焼効率が高くな
る。このため、NOxや煤等のパティキュレートの発生
を低減するとともに燃費が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づいて
説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による燃料噴射装置
を適応した燃料供給システムの一例を図4に示す。
【0020】高圧燃料供給ポンプ1から燃料配管2を通
してコモンレール3に供給された高圧燃料は、コモンレ
ール3内の蓄圧室で一定の高圧に蓄圧され、燃料配管4
を介して各気筒に配設されたインジェクタ10に供給さ
れる。インジェクタ10に供給された燃料のうち余剰燃
料は燃料タンク5にリターンされる。図3に示すよう
に、インジェクタ10のノズルボディ11内には中空円
筒状の第1のノズルニードル20が往復移動可能に収容
され、この第1のノズルニードル20内に第2のノズル
ニードル25が往復移動可能に収容されている。第1の
ノズルニードル20および第2のノズルニードル25の
反噴射方向側には第1の圧力制御室64が設けられてお
り、第1の圧力制御室64内の燃料圧力を制御すること
によりインジェクタ10の噴射時期および噴射量を調整
することができる。
【0021】コモンレール3から供給される高圧燃料
は、燃料インレット71、燃料通路61を介して燃料溜
まり62に供給され、かつ電磁駆動手段である電磁弁5
0の制御により、第1の圧力制御室64に供給可能であ
るとともに燃料通路63から燃料アウトレット72を経
て燃料タンク5に排出可能である。図1に示すように、
中空円筒状の第1のノズルニードル20は燃料噴射側か
ら小径部21、大径部22がこの順で一体に形成されて
いる。小径部21の先端はノズルボディ11の内壁に形
成された第1の弁座11aに着座可能であり、小径部2
1の先端が第1の弁座11aに着座することにより燃料
溜まり62と第1の噴孔31との連通を遮断している。
大径部22の端部はピストンピン41と当接しており、
コマンドピストン40を付勢する第1の付勢手段として
の第1スプリング42の付勢力により第1のノズルニー
ドル20は第1の弁座11aに向けて付勢されている。
コマンドピストン40の反噴射側端部には受圧ピストン
43(図3参照)が形成されており、この受圧ピストン
43が第1の圧力制御室64の燃料圧力から受ける力に
より第1のノズルニードル20は第1の弁座11aに向
けて付勢されている。図1に示すように、第1のノズル
ニードル20は大径部22の端部がディスタンスピース
13の下端面に係止することによりリフト量を規制され
ている。また、第1のノズルニードル20の内壁に配設
されたシム35は、第1のノズルニードル20のリフト
途中で後述する第2のノズルニードル25の大径部27
の端面27aに係止し、第2のノズルニードル25に第
1のノズルニードル20が係止した状態で第2の付勢手
段としての第2スプリング29の付勢力に抗して第1の
ノズルニードル20が第2のノズルニードル25をリフ
トさせる。
【0022】第1のノズルニードル20の小径部21と
大径部22との境界部外壁周囲には受圧面23が形成さ
れており、燃料溜まり62内の高圧燃料から受ける力に
より第1のノズルニードル20はリフト方向に力を受け
ている。図2に示すように、4本のピストンピン41は
ディスタンスピース13に往復移動可能に挿入されてい
る。本実施例ではコマンドピストン40とピストンピン
41とを一体に形成したが、本発明では別体に形成する
ことも可能である。
【0023】第2のノズルニードル25は、燃料噴射側
から小径部26、大径部27、ニードルエンド28がこ
の順で形成されている。小径部26の先端部はノズルボ
ディ11の内壁に形成された第2の弁座11bに着座可
能であり、第2の弁座11bに着座することにより燃料
溜まり62と第2の噴孔32との連通が遮断される。第
1のノズルニードル20のリフト途中で大径部27の端
面27aにシム35が係止される。ニードルエンド28
の端面にはディスタンスピース13内に収容された第2
スプリング29が当接しており、この第2スプリング2
9により第2のノズルニードル25は第2の弁座11b
に向けて付勢されている。
【0024】第1のノズルニードル20および第2のノ
ズルニードル25がそれぞれ第1の弁座11aおよび第
2の弁座11bに着座した図1に示す状態において、シ
ム35と大径部27とが軸方向に形成するクリアランス
1 と、大径部22とディスタンスピース13とが軸方
向に形成するクリアランスh2 との関係は、h1 ≦h 2
である。このため、第1のノズルニードル20がディス
タンスピース13に係止される前にシム35が大径部2
7の端面27aに係止される。
【0025】第1の噴孔31は燃料溜まり62よりも燃
料下流側に設けられ、第2の噴孔32は第1の噴孔31
よりも燃料下流側に設けられている。第1の弁座11a
は燃料溜まり62と第1の噴孔31との間に設けられ、
第2の弁座11bは第1の噴孔31と第2の噴孔32と
の間に設けられている。第1の噴孔31の燃料入口側に
は第1のノズルニードル20と第2のノズルニードル2
5とにより囲まれた油圧室33が形成されており、第1
のノズルニードル20のリフト時第1の噴孔31から初
期噴射される燃料を一時的に蓄えている。第2の弁座1
1bよりも燃料下流側には第2の噴孔32と連通するサ
ック室34が形成されており、第2のノズルニードル2
5のリフト時第2の噴孔32から初期噴射される燃料を
一時的に蓄えている。
【0026】後述する電磁コイル部51への通電オフ
時、圧力制御室64に高圧燃料が供給されていると、第
1のノズルニードル20が第1スプリング42から第1
の弁座11aに向けて受ける付勢力と第1の圧力制御室
64内の燃料圧力から第1の弁座11aに向けて受ける
力との和は燃料溜まり62内の燃料圧力によりリフト方
向に受ける力よりも大きくなるので、第1のノズルニー
ドル20は第1の弁座11aに着座している。電磁コイ
ル部51への通電オン時、第1の圧力制御室64内の高
圧燃料が燃料通路63から排出され圧力制御室64内の
燃料圧力が低下すると第1のノズルニードル20は第1
の弁座11aから離座しリフトする。
【0027】第2のノズルニードル25が燃焼室内とほ
ぼ等しいサック室34内の燃料圧力からリフト方向に受
ける力は第2スプリング29から第2の弁座11bに向
けて受ける付勢力よりも小さいので第2のノズルニード
ル25は第2の弁座11bに着座している。電磁弁50
の電磁コイル部51およびバルブボディ52はリテーニ
ングナット53によりインジェクタボディ12と連結さ
れている。バルブボディ52内にはアウタバルブ54が
往復移動可能に収容されており、このアウタバルブ54
にインナバルブ55が収容されている。アウタバルブ5
4はアーマチャ56に連結されており、図示しないスプ
リングによりアーマチャ56が図3の下方に付勢される
ことによりアウタバルブ54はバルブボディ52の内壁
に形成された弁座52aに着座している。
【0028】電磁コイル部51への通電オフ時、アウタ
バルブ54は図示しないスプリングの付勢力により弁座
52aに着座しており、アウタバルブ54の内壁に形成
された弁座54aとインナバルブ55との間にはクリア
ランスが形成されている。このため、燃料通路61に供
給される高圧燃料はアウタバルブ54の側壁を貫通して
形成される燃料通孔54bを経て第1の圧力制御室64
に供給される。
【0029】次にインジェクタ10の作動を図5に基づ
いて説明する。(1) 図5の(A)に示すように、電磁コ
イル部51の電磁コイル57への通電オフ時、アウタバ
ルブ54は図示しないスプリングの付勢力により弁座5
2aに着座しており、インナバルブ55と弁座54aと
の間にクリアランスが形成される。このため、燃料通路
61、燃料通孔54bを経て第1の圧力制御室64に高
圧燃料が供給されている。第1のノズルニードル20が
燃料溜まり62内の燃料圧力からリフト方向に受ける力
は、第1スプリング42の第1の弁座11a方向への付
勢力と第1の圧力制御室64内の燃料圧力から第1の弁
座11a方向に受ける力との和よりも小さいので、第1
のノズルニードル20は第1の弁座11aに着座してい
る。このとき、第2のノズルニードル25は第2スプリ
ング29の付勢力により第2の弁座11bに着座してい
る。
【0030】(2) 図5の(B)に示すように、電磁コイ
ル57への通電をオンすると電磁コイル57に発生する
磁力によりアーマチャ56とともにアウタバルブ54が
吸引されアウタバルブ54は弁座52aから離座する。
アウタバルブ54が吸引されると、アウタバルブ54の
内壁に形成された弁座54bとインナバルブ55が当接
し、燃料通路61から第1の圧力制御室64への燃料供
給が遮断されるとともに、第1の圧力制御室64と燃料
通路63とが連通する。すると、第1の圧力制御室64
内の高圧燃料が燃料通路63を経て燃料タンク5にリタ
ーンされる。すると、第1の圧力制御室64内の燃料圧
力が低下することにより、第1のノズルニードル20が
第1の圧力制御室64内の燃料圧力から受ける力と第1
スプリング42の付勢力との和は燃料溜まり62内の燃
料圧力により第1のノズルニードル20がリフト方向に
受ける力よりも小さくなるので、第1のノズルニードル
20は第1の弁座11aから離座する。シム35が端面
27aと当接していない状態では、第2のノズルニード
ル25は第2スプリング29の付勢力により第2の弁座
11bに着座したままである。第1のノズルニードル2
0が第1の弁座11aから離座することにより第1の噴
孔31から燃料が噴射される。第1のノズルニードル2
0が弁座11aから離座すると、第1のノズルニードル
20の小径部21の先端部も高圧燃料からリフト方向に
力を受けるので、図6に示すように第1のノズルニード
ル20のリフト速度が上昇し初期噴射率が速やかに上昇
する。さらに第1のノズルニードル20がリフトすると
インジェクタ10の噴射率はほぼ一定値になる。
【0031】(3) 図5の(C)に示すように、第1のノ
ズルニードル20がさらにリフトするとシム35と端面
27aとが当接し、第2スプリング29の第2の弁座1
1b方向への付勢力に抗して第1のノズルニードル20
および第2のノズルニードル25がともにリフトする。
そして、第2のノズルニードル25が第2の弁座11b
から離座すると第2の噴孔32から燃料が噴射される。
第1の噴孔31に加えて第2の噴孔32からも燃料が噴
射されることにより、図6に示すようにインジェクタ1
0の噴射率が再び上昇する。第1のノズルニードル20
および第2のノズルニードル25がさらにリフトすると
噴射率は一定値になる。図6に示すように、初期噴射時
に噴射率が素早く上昇してほぼ一定値になり、さらに噴
射率が素早く上昇してほぼ一定値になるような二段階の
噴射率の変化を「ブーツ型噴射」という。
【0032】リーク燃料通路である燃料通路63の燃料
入口の絞りを調整することにより、第1の圧力制御室6
4からのリーク燃料量を変更できる。つまり、第1の圧
力制御室64内の燃料圧力の低下速度を調整することに
より噴射率を制御可能である。(4) 図5の(D)に示す
ように、電磁コイル57への通電をオフするとアウタバ
ルブ54が弁座52aに着座し、燃料通路61から第1
の圧力制御室64に高圧燃料が供給される。すると、第
1のノズルニードル20は第1の圧力制御室64内の燃
料圧力により第1の弁座11a方向に力を受けて速やか
に下降する。第1のノズルニードル20が第1の弁座1
1aに着座すると第1の噴孔31からの燃料噴射が終了
する。第1のノズルニードル20の下降に伴い第2のノ
ズルニードル25は第2スプリング29の付勢力により
第2の弁座11bに向けて下降する。第1のノズルニー
ドル20の着座とほぼ同時に第2のノズルニードル25
が第2の弁座11bに着座することにより第2の噴孔3
2からの噴射が終了し、インジェクタ10からの燃料噴
射が終了する。
【0033】次に、比較例1および比較例2と比較して
本実施例の作動および効果を説明する。比較例1は第1
実施例と同様に中空円筒状の第1のノズルニードルおよ
びこの第1のノズルニードルの内壁に往復移動可能に収
容される第2のノズルニードルを有するが、電磁弁およ
びこの電磁弁により圧力を調整される圧力制御室をもた
ず、燃料供給ポンプからの燃料供給圧の変化に応じて図
8の(A)に示すような噴射率特性を示す燃料噴射装置
である。このため、第1のノズルニードルおよび第2の
ノズルニードルのリフトタイミングは、第1のノズルニ
ードルおよび第2のノズルニードルをそれぞれ下降方向
に付勢するスプリングの付勢力と燃料供給圧から第1の
ノズルニードルおよび第2のノズルニードルがリフト方
向に受ける力とのバランスにより決定される。このた
め、初期噴射時の噴射圧力が小さいので、図7の(A)
に示すように燃焼室に噴射された燃料が良好に微粒化せ
ず燃焼不良の原因となる。また、低い燃料供給圧で第1
のノズルニードルが開弁することにより噴射期間が長く
なるので、燃費が低下しかつ噴射のシャープカット性が
低下する。
【0034】この問題を解決するため中空円筒状の第1
のノズルニードルのリフトタイミングを電磁弁で制御し
ても、第2のノズルニードルのリフトタイミングはあく
までも第2のノズルニードルを下降方向に付勢するスプ
リングの付勢力と燃料供給圧力から受ける力とのバラン
スによって決定される。このため電磁弁の通電を制御し
て第1のノズルニードルのリフト時期をずらせることに
より初期噴射圧力を増加させることはできるが初期噴射
率を低減することはできない。
【0035】比較例2は、一つのノズルニードルをも
ち、このノズルニードルの反噴射方向側に電磁弁で圧力
制御される圧力制御室を有する。燃料供給ポンプから供
給される高圧燃料はコモンレールで蓄圧されてインジェ
クタに供給される。比較例2では、一定圧の高圧燃料が
インジェクタに供給されているので、圧力制御室内の燃
料圧力を低下させノズルニードルがリフトすると、噴射
初期段階から高圧燃料が燃焼室に噴射される。このた
め、図7の(B)に示すように燃料が良好に微粒化され
る。しかし、図8の(B)に示すように初期噴射率が大
きくなるので、NOxの発生量が増加するという欠点が
ある。
【0036】比較例1および比較例2に比較して第1実
施例の構成では、コモンレール3から一定圧の高圧燃料
が供給されているインジェクタ10の電磁コイル57へ
の通電を制御し、第1のノズルニードル20が所定量リ
フトしてから第2のノズルニードル25がリフトする構
成である。つまり、第1の噴孔31からの燃料噴射から
所定時間遅れて第2の噴孔32から燃料が噴射される。
このため、燃料の噴射時期および噴射量を高精度に制御
できるとともに、初期噴射率を低減しつつ初期噴射圧を
上昇させることができるので排気ガス中への有害物質の
混入を低下できる。また、噴霧分布が大きく燃料が良好
に微粒化されているので、燃焼効率が上昇することによ
り燃費を向上することができる。
【0037】また、電磁コイル57への通電期間を調整
することによりインジェクタ10の噴射期間を任意に設
定できる。第1の噴孔31だけの噴射期間は、第1のノ
ズルニードル20および第2のノズルニードル25の軸
方向に形成されるクリアランスまたは第1の圧力制御室
64からリークする燃料の燃料通路の絞りを調整するこ
とにより制御できる。
【0038】(第2実施例)本発明の第2実施例を図9
および図10に示す。第1実施例と実質的に同一構成部
分には同一符号を付す。第1のノズルニードル20およ
び第2のノズルニードル25が第1の弁座11aおよび
第2の弁座11bにそれぞれ着座しているとき、シム3
5と大径部27の端面27aとの軸方向に形成されるク
リアランスh1 と、大径部22とディスタンスピース7
7との軸方向に形成されるクリアランスh2 との間に
は、h1 ≧h2 の関係がある。また、第2の付勢手段と
しての第2スプリング29の一方の端部はピストンエン
ド28に当接し、第2スプリング29の他方の端部はコ
マンドピストン76の係止部76aに当接している。
【0039】電磁コイルへの通電がオンされ第1のノズ
ルニードル20が第1の弁座11aから離座し第1のノ
ズルニードル20とともにコマンドピストン76がリフ
トすると、第2スプリング29の軸方向長が伸びる。第
2スプリング29の軸方向長が伸びると第2の弁座11
bに向けて第2のノズルニードル25を付勢する力が減
少し、第1のノズルニードル20がディスタンスピース
77の下端面に当接する前に第2スプリング29の付勢
力の減少に伴い第2のノズルニードル25が第2の弁座
11bから離座する。第2のノズルニードル25が第2
の弁座11bから離座すると燃料溜まり62から流入す
る高圧燃料の圧力により第2のノズルニードル25はリ
フト方向に大きな力を受けることになるので第1実施例
と同様に初期噴射圧が速やかに上昇する。
【0040】第2実施例でも第1実施例と同様にいわゆ
るブーツ型噴射が可能となるので、排ガス中に発生する
NOxおよびパティキュレートの量を減少することがで
きる。 (第3実施例)本発明の第3実施例を図11、図12、
図13および図14に示す。第1実施例と実質的に同一
構成部分には同一符号を付す。
【0041】図11、図12および図13に示すよう
に、ピストンエンド28の反噴射側には燃料通路81、
82および83を介して第1の圧力制御室64と連通す
る第2の圧力制御室84が形成されている。第2の圧力
制御室84は、ピストンエンド28とコマンドピストン
85とにより区画形成されている。第2の圧力室84は
第2の弁座11bに向けて第2のノズルニードル25を
付勢する第2の付勢手段として作用する。燃料通路8
1、82および83と第2の圧力制御室84との容積の
和は第1の圧力制御室64の容積よりも十分に大きくな
るように設定されている。
【0042】電磁コイル部51の通電がオンされアウタ
バルブ54が弁座52aから離座すると第1の圧力制御
室64と燃料通路63とが連通し第1の圧力制御室64
内の高圧燃料が燃料通路63を介して燃料タンクに流出
する。第1の圧力制御室64内の燃料圧力の低下にとも
ない第1のノズルニードル20はリフトを開始し、第1
の噴孔31から燃料が噴射される。しかしながら、第2
の圧力制御室84と燃料通路81、82および燃料通路
83との容積の和は第1の第1の圧力制御室64の容積
よりも十分に大きく設定されているので第1の圧力制御
室64内の燃料圧力の低下開始から遅れて第2の圧力制
御室84内の燃料圧力が低下する。これにより、第1の
ノズルニードル20がリフトしてから第2のノズルニー
ドル25がリフトし、第2の噴孔32から燃料が噴射さ
れる。第2のニードル25が一旦リフトすると燃料通路
61を介して第2のニードル25の先端部に供給される
高圧燃料の圧力により第2のノズルニードル25はリフ
ト方向に大きな力を受ける。これにより第2のノズルニ
ードル25はリフトを開始してからリフト速度が急速に
上昇する。第3実施例ではh1 ≧h2 に設定されてい
る。
【0043】第1の噴孔31に対する第2の噴孔32か
らの噴射開始の時間遅れは燃料通路81、82および8
3の径または長さを変更することにより調整することが
できる。次にインジェクタ80の作動を図14に基づい
て説明する。 (1) 図14の(A)に示すように、電磁コイル部51の
電磁コイル57への通電オフ時、アウタバルブ54は図
示しないスプリングの付勢力により弁座52aに着座し
ており、インナバルブ55と弁座54aとの間にクリア
ランスが形成されている。このため、燃料通路61、燃
料通孔54bを経て第1の圧力制御室64に高圧燃料が
供給されている。第1のノズルニードル20が燃料溜ま
り62内の燃料圧力からリフト方向に受ける力は、第1
スプリング42から第1の弁座11aに向けて受ける付
勢力と第1の圧力制御室64内の燃料圧力から第1の弁
座11aに向けて受ける力との和よりも小さいので、第
1のノズルニードル20は第1の弁座11aに着座して
いる。このとき、第2の圧力制御室84には第1の圧力
制御室64から高圧燃料が供給されているので、第2の
ノズルニードル25は第2の圧力制御室84内の燃料圧
力から第2の弁座11bに向けて受ける力により第2の
弁座11bに着座している。
【0044】(2) 図14の(B)に示すように、電磁コ
イル57への通電をオンすると電磁コイル57に発生す
る磁力によりアーマチャ56とともにアウタバルブ54
が吸引されアウタバルブ54は弁座52aから離座す
る。アウタバルブ54が吸引されると、アウタバルブ5
4の内壁に形成された弁座54bがインナバルブ55と
当接し、燃料通路61から第1の圧力制御室64への燃
料供給が遮断されるとともに、第1の圧力制御室64と
燃料通路63とが連通する。そして、第1の圧力制御室
64内の高圧燃料が燃料通路63を経て燃料タンク5に
リターンされる。すると第1の圧力制御室64内の燃料
圧力が低下することにより、第1のノズルニードル20
は燃料溜まり62内の燃料圧力から受ける力により第1
の弁座11aから離座し、燃料溜まり62から供給され
る高圧燃料が第1の噴孔31から噴射される。第1のノ
ズルニードル20が弁座11aから離座すると、第1の
ノズルニードル20がリフト方向に受ける受圧面積が増
加するので、第1のノズルニードル20のリフト速度が
上昇し初期噴射圧が速やかに増加する。第1のノズルニ
ードル20がさらに上昇すると噴射圧および噴射率は一
定値になる。
【0045】図14の(B)に示す第1の噴孔31から
の初期噴射段階では、まず第1の圧力制御室64内の高
圧燃料が燃料通路63から排出されており、第2の圧力
制御室84内の高圧燃料は僅かに燃料通路82を介して
燃料通路63から排出されているだけであり、第2のノ
ズルニードル25は第2の弁座11bに着座したままで
ある。
【0046】(3) 図14の(C)に示すように、第2の
圧力制御室84から排出可能な程度に第1の圧力制御室
64内の燃料圧力が低下すると、第2の圧力制御室84
内の燃料圧力が低下し、第2のノズルニードル25が第
2の弁座11bから離座して第2の噴孔32から燃料が
噴射される。第1の噴孔31に加えて第2の噴孔32か
らも燃料が噴射されることにより、インジェクタ80の
噴射率および噴射圧が再び上昇し、さらに第1のノズル
ニードル20および第2のノズルニードル25がリフト
するとほぼ一定値になる。
【0047】(4) 図14の(D)に示すように、電磁コ
イル57への通電をオフするとアウタバルブ54が弁座
52aに着座し、燃料通路61から第1の圧力制御室6
4に高圧燃料が供給され、さらに燃料通路81、82、
83を介して第2の圧力制御室84に高圧燃料が供給さ
れる。すると、第1のノズルニードル20および第2の
ノズルニードル25はそれぞれ第1の圧力制御室64お
よび第2の圧力制御室84内の燃料圧力により第1の弁
座11aおよび第2の弁座11b方向に力を受けて速や
かに下降する。第1のノズルニードル20および第2の
ノズルニードル25がそれぞれ第1の弁座11aおよび
第2の弁座11bに着座するとインジェクタ80からの
燃料噴射が終了する。
【0048】(第4実施例)本発明の第4実施例を図1
5に示す。図15は、インジェクタから噴射していない
状態を示している。第1実施例と実質的に同一構成部分
には同一符号を付す。第2のノズルニードル25の小径
部26の周囲を取り囲む第1のノズルニードル20の小
径部21の側壁にはこの側壁を径方向に貫通する燃料通
孔20bが複数形成されている。燃料溜まり62から燃
料通孔20bに供給された高圧燃料は第2のノズルニー
ドル25をリフト方向に付勢する。第1のニードル20
はストッパ86を介して第1の付勢手段としての第1ス
プリング72により第1の弁座11aに向けて付勢され
ている。第1スプリング72の一方の端部はストッパ8
6に当接し、第1スプリング72の他方の端部はディス
タンスピース等に当接している。
【0049】ピストンエンド28はロッド44および係
止板87を介してコマンドピストン40と連結されてお
り、第2のノズルニードル25は第1の圧力制御室65
内の燃料圧力から受ける力と第2の付勢手段としての第
2スプリング73の付勢力とにより第2の弁座11bに
向けて付勢されている。第2スプリング73は一方の端
部を係止板87に当接し、他方の端部をインジェクタボ
ディ等に当接している。
【0050】電磁コイル57への通電をオンすると、ア
ウタバルブ54がリフトしてインナバルブ55と弁座5
4aが当接することにより燃料通路61から第1の圧力
制御室65への高圧燃料の供給が遮断される。さらに、
第1の圧力制御室65とリーク用の燃料通路63とが連
通するので、第1の圧力制御室65内の高圧燃料が燃料
通路63から排出され第1の圧力制御室65内の燃料圧
力が低下する。第1の圧力制御室65内の燃料圧力の低
下にともない第2のノズルニードル25が弁座11bか
ら離座し、第2の噴孔32からまず燃料噴射が開始され
る。
【0051】第2のノズルニードル25がさらにリフト
するとピストンエンド28がストッパ86に係止しピス
トンエンド28がストッパ86に係止した状態のまま第
2のノズルニードル25がリフトする。これにより第1
のノズルニードル20がストッパ86とともにリフトし
て第1の弁座11aから離座し、第2の噴孔32に加え
て第1の噴孔31からも燃料噴射が開始される。
【0052】第4実施例では、第2のノズルニードル2
5をまずリフトさせて第2の噴孔32から噴射を開始
し、続いて第1のノズルニードル20をリフトさせて第
1の噴孔31から噴射させるようにしている。第1の噴
孔31および第2の噴孔32からの噴射順序が第1実施
例と逆になっているが、第1実施例と同様に初期噴射率
を低減しつつ初期噴射圧を上昇させることができるので
排気ガス中への有害物質の混入を低下できる。また、良
好に微粒化された噴霧の分布が拡大するので、燃焼効率
が上昇することにより燃費を向上することができる。
【0053】(第5実施例)本発明の第5実施例を図1
6に示す。第4実施例と実質的に同一構成部分には同一
符号を付す。第1のノズルニードル20は第1スプリン
グ72および第2スプリング73の付勢力により第1の
弁座11aに向けて付勢されている。第1スプリング7
2と第2スプリング73との間には係止板87が介在し
ている。第1スプリング72の一方の端部はストッパ8
6に当接し、他方の端部は第1の付勢手段の係止部とし
ての係止板87に当接している。第2のノズルニードル
25は、第2スプリング73の付勢力により第2の弁座
11bに向けて付勢されている。第2スプリング73の
一方の端部は係止板87に当接し、他方の端部はインジ
ェクタボディ等に当接している。
【0054】電磁コイル57への通電をオンすると、ア
ウタバルブ54が弁座52aから離座して第1の圧力制
御室65内の高圧燃料が燃料通路63から排出される。
そして第2の弁座11bに向けて第2のノズルニードル
25を付勢する第1の圧力制御室65内の燃料圧力が低
下すると、第2のノズルニードル25が第2の弁座11
bから離座し第2の噴孔32から燃料噴射が開始され
る。第2のノズルニードル25のリフトにともない係止
板87も上方に移動するので第1スプリング72の軸方
向長が長くなるとともに第2スプリング73の軸方向長
は短くなる。第2のノズルニードル25のリフト中は第
2スプリング73の付勢力は第1のノズルニードル20
には働かないので、第1スプリング72の軸方向長が長
くなると第1のノズルニードル20が第1スプリング7
2から第1の弁座11a方向に受ける付勢力が低下す
る。そして、第1のノズルニードル20が第1の弁座1
1aから離座し、第2の噴孔32に加えて第1の噴孔3
1からも燃料噴射が開始される。
【0055】第5実施例では、第1の噴孔31および第
2の噴孔32からの噴射順序が第2実施例と逆になって
いるが、第2実施例と同様に初期噴射率を低減しつつ初
期噴射圧を上昇させることができるので排気ガス中への
有害物質の混入を低下できる。また、良好に微粒化され
た噴霧の分布が拡大するので、燃焼効率が上昇すること
により燃費を向上することができる。
【0056】(第6実施例)本発明の第6実施例を図1
7に示す。第4実施例と実質的に同一構成部分には同一
符号を付す。第1のノズルニードル20の反噴射側の端
部には、燃料通路82を介して第1の圧力制御室65と
連通する第2の圧力制御室88が形成されている。第2
の圧力制御室88は第1の弁座11aに向けて第1のノ
ズルニードル20を付勢する第1の付勢手段として作用
する。第1の圧力制御室65と第2の圧力制御室88と
を連通する燃料通路82を含む燃料通路の容積は第1の
圧力制御室65の容積よりも十分大きくなるように設定
されている。第1のノズルニードル20は受圧部材89
を介して第2の圧力制御室88内の燃料圧力から第1の
弁座11a方向に付勢力を受ける。ロッド44は往復移
動可能に受圧部材89に貫挿されている。
【0057】電磁コイル57への通電がオンすると、ア
ウタバルブ54が弁座52aから離座して第1の圧力制
御室65内の高圧燃料が燃料通路63から排出される。
そして第2の弁座11bに向けて第2のノズルニードル
25を付勢する第1の圧力制御室65内の燃料圧力が低
下すると、第2のノズルニードル25が第2の弁座11
bから離座し第2の噴孔32から燃料噴射が開始され
る。第2の圧力制御室88内の燃料圧力は第1の圧力制
御室65内の圧力低下に遅れて圧力が低下する。第2の
ノズルニードル25のリフト途中で第2の圧力制御室8
8内の燃料圧力が所定圧以下になると、第1のノズルニ
ードル20が第1の弁座11aから離座し第1の噴孔3
1から燃料噴射が開始される。
【0058】第6実施例は、第1の噴孔31および第2
の噴孔32からの噴射順序が第3実施例と逆になってい
るが、第3実施例と同様に初期噴射率を低減しつつ初期
噴射圧を上昇させることができるので排気ガス中への有
害物質の混入を低下できる。また、良好に微粒化された
噴霧の分布が拡大するので、燃焼効率が上昇することに
より燃費を向上することができる。
【0059】以上説明した本発明の実施例では、少なく
とも一つの圧力制御室を設けてノズルニードルのリフト
時期を制御したが、本発明では、圧力制御室を設けずに
電磁コイルの吸引力だけでノズルニードルのリフト時期
を制御することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による燃料噴射装置のイン
ジェクタの断面図を示す図3のI線部分の拡大図であ
る。
【図2】図1のII- II線断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による燃料噴射装置のイン
ジェクタを示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施例による燃料噴射装置を燃料
供給システムに適用した一実施例を示す模式的構成図で
ある。
【図5】第1実施例のインジェクタの作動を示すもので
あり、(A)はインジェクタの閉弁状態を示す模式的断
面図であり、(B)は第1の噴孔からの燃料噴射状態を
示す模式的断面図であり、(C)は第1の噴孔および第
2の噴孔からの燃料噴射状態を示す模式的断面図であ
り、(D)はインジェクタの閉弁状態を示す模式的断面
図である。
【図6】第1実施例の第1の圧力制御室の変化にともな
う噴射率の増減を示す特性図である。
【図7】(A)は比較例1の燃料噴射状態を示す模式的
断面図であり、(B)は比較例2の燃料噴射状態を示す
模式的説明図であり、(C)は本実施例の燃料噴射状態
を示す模式的説明図である。
【図8】(A)は比較例1の燃料供給圧力と噴射率の時
間変化を示す特性図であり、(B)は比較例2の燃料供
給圧力と噴射率の時間変化を示す特性図であり、(C)
は本実施例の燃料供給圧力と噴射率の時間変化を示す特
性図である。
【図9】本発明の第2実施例によるインジェクタの主要
部分を示す断面図である。
【図10】図9のX部分の拡大断面図である。
【図11】本発明の第3実施例による燃料噴射装置のイ
ンジェクタを示す断面図である。
【図12】図11のXII 線部分の拡大図である。
【図13】図11のXIII線部分の拡大図である。
【図14】第3実施例のインジェクタの作動を示すもの
であり、(A)はインジェクタの閉弁状態を示す模式的
断面図であり、(B)は第1の噴孔からの燃料噴射状態
を示す模式的断面図であり、(C)は第1の噴孔および
第2の噴孔からの燃料噴射状態を示す模式的断面図であ
り、(D)はインジェクタの閉弁状態を示す模式的断面
図である。
【図15】本発明の第4実施例による燃料噴射装置のイ
ンジェクタを示す模式的断面図である。
【図16】本発明の第5実施例による燃料噴射装置のイ
ンジェクタを示す模式的断面図である。
【図17】本発明の第6実施例による燃料噴射装置のイ
ンジェクタを示す模式的断面図である。
【図18】従来例1のインジェクタを示す模式的断面図
である。
【図19】従来例2のインジェクタを示す模式的断面図
である。
【図20】従来例3のインジェクタを示す模式的断面図
である。
【符号の説明】
3 コモンレール 10 インジェクタ 11 ノズルボディ 11a 第1の弁座 11b 第2の弁座 20 第1のノズルニードル 25 第2のノズルニードル 29 第2スプリング(第2の付勢手段) 31 第1の噴孔 32 第2の噴孔 42 第1スプリング(第1の付勢手段) 50 電磁弁(電磁駆動手段) 64、65 第1の圧力制御室 72 第1スプリング(第1の付勢手段) 73 第2スプリング(第2の付勢手段) 80 インジェクタ 84 第2の圧力制御室 87 係止板(係止部) 88 第2の圧力制御室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 61/18 350 F02M 61/18 350B (72)発明者 岡嶋 正博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給ポンプから供給された高圧燃料
    をコモンレールで蓄圧し、前記コモンレールで蓄圧され
    た高圧燃料を内燃機関の燃焼室に噴射する燃料噴射装置
    であって、 軸方向に収容孔を設け、前記収容孔の周囲に前記収容孔
    に連通し前記コモンレールから高圧燃料を供給される燃
    料溜まりを設け、前記燃料溜まりよりも燃料下流側に前
    記燃料溜まりと連通可能な第1の噴孔を設け、前記第1
    の噴孔よりも燃料下流側に前記燃料溜まりと連通可能な
    第2の噴孔を設け、前記燃料溜まりと前記第1の噴孔と
    の間の前記収容孔を形成する内壁に第1の弁座を設け、
    前記第1の噴孔と前記第2の噴孔との間の前記収容孔を
    形成する内壁に第2の弁座を設けたノズルボディと、 前記収容孔に往復移動可能に収容され、前記第1の弁座
    に着座することにより前記燃料溜まりと前記第1の噴孔
    との連通を遮断する中空筒状の第1のノズルニードル
    と、 前記第1のノズルニードルに往復移動可能に収容され、
    前記第2の弁座に着座することにより前記燃料溜まりと
    前記第2の噴孔との連通を遮断する第2のノズルニード
    ルと、 前記第1の弁座に向けて前記第1のノズルニードルを付
    勢する第1の付勢手段と、 前記第2の弁座に向けて前記第2のノズルニードルを付
    勢する第2の付勢手段と、 前記第1のノズルニードルの往復移動を制御可能な電磁
    駆動手段とを備え、 前記第1のノズルニードルが前記第1の弁座から離座し
    た後、前記第1のノズルニードルから遅れて前記第2の
    ノズルニードルが前記第2の弁座から離座することを特
    徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁駆動手段により前記コモンレー
    ルから高圧燃料を供給可能であるとともに供給された高
    圧燃料を排出可能な第1の圧力制御室を前記第1のノズ
    ルニードルの反噴射側に設け、前記第1の圧力制御室内
    の燃料圧力が低下することにより前記第1のノズルニー
    ドルが前記第1の弁座から離座することを特徴とする請
    求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のノズルニードルは、前記第1
    のノズルニードルのリフト途中で前記第2の付勢手段の
    付勢力に抗して前記第2のノズルニードルをリフトさせ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2の付勢手段は、一方の端部が前
    記第1のノズルニードルとともに往復移動する係止部に
    当接し前記一方の端部よりも噴射側の他方の端部が前記
    第2のノズルニードルの反噴射側に当接する圧縮コイル
    スプリングであり、前記係止部が前記第1のノズルニー
    ドルとともにリフトすることにより前記圧縮コイルスプ
    リングの軸長が伸び、前記第2の弁座に向けて前記第2
    のノズルニードルを付勢する前記圧縮コイルスプリング
    の付勢力が低下することにより前記第2のノズルニード
    ルが前記第2の弁座から離座することを特徴とする請求
    項1または2記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の付勢手段は、前記第2のノズ
    ルニードルの反噴射側に前記第1の圧力制御室と連通す
    るように設けられ前記電磁駆動手段により前記コモンレ
    ールから高圧燃料を供給可能であるとともに供給された
    高圧燃料を排出可能な第2の圧力制御室を有し、前記第
    2の圧力制御室に供給された高圧燃料により前記第2の
    ノズルニードルは前記第2の弁座に向けて付勢され、前
    記第1の圧力制御室の圧力低下に遅れて前記第2の圧力
    制御室の圧力が低下することを特徴とする請求項2記載
    の燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】 燃料供給ポンプから供給された高圧燃料
    をコモンレールで蓄圧し、コモンレールで蓄圧された高
    圧燃料を内燃機関の燃焼室に噴射する燃料噴射装置であ
    って、 軸方向に収容孔を設け、前記収容孔の周囲に前記収容孔
    に連通し前記コモンレールから高圧燃料を供給される燃
    料溜まりを設け、前記燃料溜まりよりも燃料下流側に前
    記燃料溜まりと連通可能な第1の噴孔を設け、前記第1
    の噴孔よりも燃料下流側に前記燃料溜まりと連通可能な
    第2の噴孔を設け、前記燃料溜まりと前記第1の噴孔と
    の間の前記収容孔を形成する内壁に第1の弁座を設け、
    前記第1の噴孔と前記第2の噴孔との間の前記収容孔を
    形成する内壁に第2の弁座を設けたノズルボディと、 前記収容孔に往復移動可能に収容され、前記第1の弁座
    に着座することにより前記燃料溜まりと前記第1の噴孔
    との連通を遮断する中空筒状の第1のノズルニードル
    と、 前記第1のノズルニードルに往復移動可能に収容され、
    前記第2の弁座に着座することにより前記燃料溜まりと
    前記第2の噴孔との連通を遮断する第2のノズルニード
    ルと、 前記第1の弁座に向けて前記第1のノズルニードルを付
    勢する第1の付勢手段と、 前記第2の弁座に向けて前記第2のノズルニードルを付
    勢する第2の付勢手段と、 前記第2のノズルニードルの往復移動を制御可能な電磁
    駆動手段とを備え、 前記第2のノズルニードルが前記第2の弁座から離座し
    た後、前記第2のノズルニードルから遅れて前記第1の
    ノズルニードルが前記第1の弁座から離座することを特
    徴とする燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記電磁駆動手段により前記コモンレー
    ルから高圧燃料を供給可能であるとともに供給された高
    圧燃料を排出可能な第1の圧力制御室を前記第2のノズ
    ルニードルの反噴射側に設け、前記第1の圧力制御室内
    の燃料圧力が低下することにより前記第2のノズルニー
    ドルが前記第2の弁座から離座することを特徴とする請
    求項6記載の燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記第2のノズルニードルは、前記第2
    のノズルニードルのリフト途中で前記第1の付勢手段の
    付勢力に抗して前記第1のノズルニードルをリフトさせ
    ることを特徴とする請求項6または7記載の燃料噴射装
    置。
  9. 【請求項9】 前記第1の付勢手段は、一方の端部が前
    記第2のノズルニードルとともに往復移動する係止部に
    当接し前記一方の端部よりも噴射側の他方の端部が前記
    第1のノズルニードルの反噴射側に当接する圧縮コイル
    スプリングであり、前記係止部が前記第2のノズルニー
    ドルとともにリフトすることにより前記圧縮コイルスプ
    リングの軸長が伸び、前記第1の弁座に向けて前記第1
    のノズルニードルを付勢する前記圧縮コイルスプリング
    の付勢力が低下することにより前記第1のノズルニード
    ルが前記第1の弁座から離座することを特徴とする請求
    項6または7記載の燃料噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記第1の付勢手段は、前記第1のノ
    ズルニードルの反噴射側に前記第1の圧力制御室と連通
    するように設けられ前記電磁駆動手段により前記コモン
    レールから高圧燃料を供給可能であるとともに供給され
    た高圧燃料を排出可能な第2の圧力制御室を有し、前記
    第2の圧力制御室に供給された高圧燃料により前記第1
    のノズルニードルは前記第1の弁座に向けて付勢され、
    前記第1の圧力制御室の圧力低下に遅れて前記第2の圧
    力制御室の圧力が低下することを特徴とする請求項7記
    載の燃料噴射装置。
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