JP2000053828A - 難燃性スチレン系樹脂組成物 - Google Patents
難燃性スチレン系樹脂組成物Info
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Abstract
化するにあたり、難燃助剤を使用して非ハロゲン系難燃
剤の添加量の少ない組成物を提供すること。 【解決手段】(A)スチレン系樹脂100重量部に対し
て(B)1分子中に少なくとも1つのメルカプト基を有
する化合物0.5〜10重量部(C)リン化合物2〜3
0重量部を含有してなる難燃性スチレン系樹脂組成物。
Description
ない難燃性スチレン系樹脂組成物に関する。
ることから家電、OA機器、自動車などの各種部品に使
用されている。しかし、燃えやすいという欠点を有して
いるので、家電、OA機器、自動車などの各種部品に使
用するためには難燃化することが要求され、一般的には
ハロゲン系化合物を添加することによりスチレン系樹脂
を難燃化する方法が知られている。さらに、近年環境問
題などからハロゲンを含まない、非ハロゲン系難燃剤に
よる難燃化の要求が高まっている。
系、無機系などの非ハロゲン系難燃剤が知られている
(リン系難燃剤を用いた方法として、例えば、特開平8
−176396号公報、特開平9−183886号公報
に溶融滴下型難燃スチレン系樹脂組成物が開示されてい
る。)が、いずれもハロゲン系難燃剤と比較して難燃効
果が劣っているのでハロゲン系難燃剤よりも添加量を多
くしないと、ハロゲン系難燃剤と同等の難燃効果が得ら
れない。添加量の増大は機械的特性、特に加熱変形温度
や衝撃強度の著しい低下を招く。中でもスチレン系樹脂
は燃えやすいので非ハロゲン系難燃剤での難燃化では添
加量が増大して樹脂の機械的特性を低下させる。また、
リン系難燃剤を用いた溶融滴下型難燃樹脂では、溶融滴
下物の燃焼時間が極めて長く、安全上、問題になること
もある。
ェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂などの燃えにくい樹脂との混合物をベース樹脂
にして、非ハロゲン系難燃剤を添加することが行われて
いるが、他の樹脂との混合はスチレン系樹脂特有の性
質、即ち廉価、成形加工性、耐薬品性を損なうだけでな
く機械的性質を維持する混合範囲も限られてくる。また
機械的性質を損なわないため非ハロゲン系難燃剤の添加
量を少なくする為に、難燃助剤や難燃触媒として有機金
属化合物や金属塩、例えば、ビス(8−ヒドロキシキノ
リノ)ニッケル(II)、酸化ニッケル(II)、酸化
ニッケル(III)、フェロセンなどを加えることが知
られている。しかし、これらの金属含有化合物は高価で
原色に近い色に着色しており、しかも吸水性である為、
射出成形時の外観不良の原因になることや加水分解性の
成分を配合する組成物には適さない。特開平10−45
980号公報には有機リン添加剤と、元素硫黄あるいは
3つ又はそれ以上の硫黄原子を含むポリスルフィドと併
用でスチレン系ポリマーを難燃化することが示されてい
る。
は、難燃助剤と組合せることにより少量の非ハロゲン系
難燃剤で高い難燃性が付与されたスチレン系樹脂組成物
を提供することである。
を短縮できる難燃性スチレン系樹脂組成物を提供するこ
とである。
性及び難燃性の高いスチレン系樹脂組成物を提供するこ
とにある。
を達成するため鋭意検討の結果、本発明の難燃助剤であ
る硫黄含有化合物、特に1分子中に少なくとも1つのメ
ルカプト基を有する化合物と非ハロゲン系難燃剤とを組
合せると、非ハロゲン系難燃剤の添加量を増量すること
無く難燃化ができることを見いだし、本発明を完成し
た。
組成物はスチレン系樹脂とリン化合物と1分子中に少な
くとも1つのメルカプト基を有する化合物又はその塩と
で構成されている。スチレン系樹脂としては、ゴム強化
スチレン系樹脂や、ゴム強化スチレン系樹脂と、芳香族
ビニル化合物とα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化
合物との共重合樹脂との混合物などが使用でき、リン化
合物としてはリン酸エステルが使用でき、1分子中に少
なくとも1つのメルカプト基を有する化合物としては、
熱重量分析において5%重量減少温度150℃以上の化
合物や融点が100℃以上の化合物などが使用できる。
これらの成分の使用量は、スチレン系樹脂100重量部
に対して、メルカプト基を有する化合物0.5〜10重
量部、リン化合物2〜30重量部であってよい。
ゴム強化スチレン系樹脂と硫黄含有化合物とリン化合物
とから構成されている。
成物は、スチレン系樹脂と、硫黄含有化合物(特に1分
子中に少なくとも1つのメルカプト基を有する化合物)
と、リン化合物とで構成されている。
の存在下または非存在下に、少なくとも芳香族ビニル化
合物(芳香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化
合物および芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニ
ル系単量体からなる単量体成分)を重合した(グラフ
ト)重合体である。
系ゴム(ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソブチレン−ブタジエン系共重合ゴム、ブタジエン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体など)、ブチルゴム、エチレン−α−オレフ
ィン系共重合体(エチレン−プロピレンゴム)、エチレ
ン−α−オレフィン−ポリエン共重合体( エチレン−プ
ロピレン−ジエンゴム)、シリコーンゴム、アクリル系
ゴム、水添ジエン系ゴム(水素化スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体、水素化ブタジエン系重合体など)、
エチレン系アイオノマーなどが挙げられる。なお、上記
ブロック共重合体には、AB型、ABA型、テーパー
型、ラジアルテレブロック型の構造を有する共重合体な
どがふくまれる。また、上記水素化ブタジエン系重合体
には、上記ブロック共重合体の水素化物のほかに、スチ
レンブロックとスチレン−ブタジエンランダム共重合体
のブロック体の水素化物、ポリブタジエン中の1, 2−
ビニル結合量が20重量%以下のブロックと、1,2−
ビニル結合量が20重量%を超えるポリブタジエンブロ
ックからなる重合体の水素化物などが含まれる。これら
のゴム状重合体は、単独で又は二種以上混合して用いる
こともできる。
ニル化合物の単独又は共重合体を使用してもよいが、耐
衝撃性の面から、ゴム状重合体の存在下に得られるゴム
強化スチレン系樹脂、またはゴム強化スチレン系樹脂と
ゴム状重合体の非存在下に重合して得られるスチレン系
樹脂との混合物を使用することが好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、アルキルスチ
レン(p−メチルスチレンなどのビニルトルエン、ビニ
ルキシレン、エチルスチレン、t−ブチルスチレンな
ど)、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1
−ジフェニルエチレン、p−(N, N−ジエチルアミノ
エチル)スチレン、p−(N,N−ジエチルアミノメチ
ル)スチレン、ビニルピリジン、ビニルナフタレンなど
が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物
は、単独で又は2種以上を混合して用いられる。芳香族
ビニル化合物の使用量は、単量体成分中、20〜100
重量%、好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは
40〜80重量%程度であり、20重量%未満では十分
な成形加工性が得られない。
タ) アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;メ
チル( メタ) アクリレート、エチル( メタ) アクリレー
ト、プロピル( メタ) アクリレート、ブチル( メタ) ア
クリレート、アミル( メタ)アクリレート、ヘキシル(
メタ)アクリレート、オクチル( メタ)アクリレート、
2−エチルへキシル( メタ) アクリレート、ドデシル(
メタ) アクリレート、オクタデシル( メタ) アクリレー
トなどのC1-20アルキル( メタ) アクリレート、シクロ
へキシル( メタ) アクリレート、フェニル( メタ) アク
リレート、ベンジル( メタ)アクリレートなどの( メ
タ) アクリル酸エステル;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、無水シトラコン酸などの不飽和酸無水物;アクリ
ル酸、メタクリル酸などの不飽和酸;マレイミド、N−
メチルマレイミド、N−ブチルマレイミドなどのN−ア
ルキルマレイミド、N−(p−メチルフェニル)マレイ
ミド、N−フェニルマレイミドなどのN−アリールマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−シク
ロアルキルマレイミドなどのα,β−不飽和ジカルボン
酸のイミド化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、
アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有不飽和
化合物;( メタ) アクリルアミドなどの不飽和カルボン
酸アミド;メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチレ
ンなどのアミノ基含有不飽和化合物;3−ヒドロキシー
1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4
−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ
−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロ
ペン、2−ヒドロキシエチル( メタ) アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル( メタ) アクリレート、ヒドロキ
シスチレンなどの水酸基含有不飽和化合物;ビニルオキ
サゾリンなどのオキサゾリン基含有不飽和化合物;ビニ
ルケトン類;ビニルエーテル類などが挙げられる。これ
らの他のビニル系単量体は、単独で又は2種以上混合し
て用いることもできる。
和ジカルボン酸のイミド化合物(マレイミド又はN−置
換マレイミド)との(グラフト)重合体において、上記
芳香族ビニル化合物と上記不飽和酸無水物との共重合体
の酸無水物等をイミド化(完全または部分)した共重合
体も、本発明の(ゴム強化)スチレン系樹脂に含まれ
る。
単量体成分中に好ましくは60〜0重量%、さらに好ま
しくは50〜5重量%、特に好ましくは30〜10重量
%程度である。耐熱性を向上させるためには、α,β−
不飽和ジカルボン酸のイミド化合物(マレイミド又はN
−置換マレイミド)を50〜1重量%、好ましくは30
〜5重量%、より好ましくは20〜10重量%程度共重
合させたものを使用する。
ては、ゴム状重合体の存在下、少なくとも芳香族ビニル
化合物を重合したゴム強化スチレン系樹脂( グラフト共
重合体)が挙げられ、具体的には、ゴム状重合体の存
在下に、芳香族ビニル化合物を重合してなるゴム強化ス
チレン系樹脂(HIPS)や、ゴム状重合体の存在下
に、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物、
さらに必要に応じて他の共重合性ビニル系単量体を重合
してなるゴム強化スチレン系樹脂(ABS樹脂等)、
ゴム強化スチレン系樹脂又はと芳香族ビニル化合物
及び/又はシアン化ビニル化合物、およびさらに必要に
応じて他の共重合性ビニル系単量体の重合体(スチレン
系樹脂)とを併用した樹脂組成物が挙げられ、特に耐熱
性を向上させるためにはゴム強化スチレン系樹脂と、芳
香族ビニル化合物とα,β−不飽和ジカルボン酸のイミ
ド化合物との共重合樹脂との混合物が挙げられる。混合
物中の共重合樹脂の割合は1〜90重量%、好ましくは
5〜30重量%(例えば、5〜20重量%)程度であ
る。
重合体の量は、溶融粘度および耐衝撃性の面から、3〜
80重量%、好ましくは4〜70重量%、特に好ましく
は5〜55重量%(例えば6〜60重量%)の範囲から
選択される。ゴム状重合体の含有量が3重量%未満であ
ると耐衝撃性が十分でなく、80重量%を越えると樹脂
の表面光沢性、成形加工性、難燃性が低下する。またゴ
ム強化スチレン系樹脂中のゴム状重合体の分散粒子の平
均粒子径は、0.05〜30μm程度である。
率は、5〜150%、好ましくは10〜150%程度で
ある。グラフト率が5%未満では、ゴム成分の添加効果
が十分発揮されず、十分な衝撃強さが得られない。一
方、150%を越えると成形加工性が低下する。
黄、ジスルフィド、ポリスルフィドなどであってもよい
が、1分子中に少なくとも1つのメルカプト基を有する
化合物が好ましい。メルカプト基含有化合物としては、
1分子中に−SH基を1つ以上持つ化合物であれば特に
制限はなく、液状でも固体状でもよいがスチレン系樹脂
との溶融混練時に著しいガスの発生や熱分解が起こらな
いものが好ましい。このことから熱重量分析において5
%重量減少温度が150℃以上のものが好ましい。また
融点を有する固体状のものであれば、融点100℃以上
が好ましい。
化水素系化合物( 特に、脂環式又は芳香環式環状化合
物、中でも窒素、酸素及び硫黄原子から選択された少な
くとも一種をヘテロ原子として含む非芳香族性又は芳香
族性複素環化合物)が含まれる。複素環化合物は、通
常、5又は6員複素環を含んでおり、シクロヘキサン
環、ベンゼン環などの他の環との縮合化合物であっても
よい。このようなメルカプト基含有化合物としては、例
えば、トリアジン誘導体( 例えば、2,4,6−トリメ
ルカプト−S−トリアジン、2−(N,N−ジC1-6 ア
ルキルアミノ)−4,6−ジメルカプト−S−トリアジ
ンなど)、ベンズイミダゾール誘導体(例えば、2−メ
ルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベ
ンズイミダゾールなど)、ベンゾチアゾール誘導体( 例
えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプ
トメチルベンズチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフ
ィドなど)、チオウレア誘導体(例えば、エチレンチオ
ウレア(2−メルカプトイミダゾリン)、エチレンチオ
ウレア(2−メルカプトチアゾリン)など)などが例示
できる。メルカプト基含有化合物は、塩、例えば、2−
メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩などの多価金属塩、
2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩などのア
ルカリ金属塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシク
ロへキシルアミン塩などのアミン塩などであってもよ
い。これらのメルカプト基含有化合物は単独で又は二種
以上組合せて使用できる。
の添加ではスチレン系樹脂を難燃化する効果は少ない
が、非ハロゲン系難燃剤であるリン化合物との併用によ
り難燃効果の向上に寄与する。即ちメルカプト基を有す
る化合物を少量添加することによりリン化合物の添加量
を減少することができる。またメルカプト基を有する化
合物を添加することにより、燃焼時の滴下物の燃焼時間
を大幅に短縮することができる。そのため、燃焼滴下物
による下方部品への燃焼炎の伝達及び拡大を防止でき、
延焼の危険性を低減できる。
加量は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜
10重量部(例えば、0.5〜5重量部)、好ましくは
1〜7重量部、より好ましくは2〜5重量部(例えば1
〜3重量部)程度である。0.5重量部未満ではリン化
合物との併用効果がなく、滴下物の燃焼時間を有効に短
縮できず、10重量部を越えると機械的性質の低下があ
り好ましくない。
化合物であれば特に制限はなく、リン酸エステル、亜リ
ン酸エステル、トリフェニルホスフィンオキシド、トリ
クレジルホスフィンオキシド、メタンホスホン酸ジフェ
ニル、メタンホスホン酸ジエチル、ホスファゼン化合
物、赤燐などを挙げることができる。好ましくは下記式
で示される有機リン化合物が用いられる。
互いに独立して、水素原子または有機基を表す。但しR
1 ,R2 ,R3 ,およびR4 は同時に水素原子ではな
い。Xは2価以上の有機基を表し、nは0以上の整数で
ある。) 上記式において、有機基とは、例えば、置換されていて
もよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基など
が挙げられる。また、置換されている場合、置換基とし
ては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチ
オ基などが挙げられ、またこれらの置換基を組み合わせ
た基(例えば、アリールアルコキシアルキル基など)ま
たはこれらの置換基を酸素原子、硫黄原子、窒素原子な
どにより結合して組み合わせた基(例えば、アリールス
ルホニルアリール基など)を置換基として用いてもよ
い。
機基から、炭素原子に結合している水素原子の一個以上
を除いてできる2価以上の基を意味する。例えば、アル
キレン基、および好ましくは(置換)フェニレン基、多
核フェノール類(例えば、ビスフェノール類)から誘導
されるものが挙げられ、2以上の遊離原子価の相対的位
置は任意である。有機基Xに対応する特に好ましい化合
物として、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ジヒ
ドロキシジフェニル、p,p’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ケトン、ビス(4−ヒドルキシフェニル) エーテルなど
が挙げられる。
表す。縮合リン酸エステルは一般的には縮合度の違った
リン酸エステルの混合物であるので縮合度の平均値で表
示されている場合が多く、nの平均値は5以下の場合が
一般的であり、好ましくは0.5〜3、より好ましくは
0.7〜2程度である。
エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−
エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホ
スフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレ
ニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホ
スフェート、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフェ
ート、トリス(p−フェニルフェニル)ホスフェート、
トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフ
ェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニ
ル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、o−フェニル
フェニルジクレジルホスフェート、ジブチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシル
ホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アク
リロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタ
クリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェ
ニル−2−アクロイルオキシエチルホスフェート、ジフ
ェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート
などおよびこれらの縮合物、例えば、レゾルシノールビ
ス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス
(ジクレジルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ
キシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−
2,6−ジメチルフェニルホスフェート)、ハイドロキ
ノンビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノン
ビス(ジクレジルホスフェート)、ハイドロキノンビス
(ジキシレニルホスフェート)、ハイドロキノンビス
(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェート)、ビス
フェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフ
ェノールAビス(ジクレジルホスフェート)、ビスフェ
ノールAビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェ
ノールAビス(ジ−2,6−ジメチルフェニルホスフェ
ート)などのビスホスフェートやポリホスフェートオリ
ゴマーなどが挙げられる。
ジルホスフェートやそれらの縮合リン酸エステルなどに
一個または二個以上のフェノール性水酸基を含有した、
ヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステルもリン化合
物として用いることができる。ヒドロキシル基含有芳香
族系リン酸エステルとしては、ジフェニルレゾルシノー
ルホスフェート、フェニルジレゾルシノールホスフェー
ト、ジクレジルレゾルシノールホスフェートなどが挙げ
られる。
スファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホス
ファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、
トリブトキシエチルホスファイト、トリオクチルホスフ
ァイト、トリデシルホスファイト、トリオレイルホスフ
ァイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホ
スファイト、トリクレジルホスファイト、トリキシレニ
ルホスファイト、トリス(イソプロピルフェニル)ホス
ファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス
(o−フェニルフェニル)ホスファイト、トリス(p−
フェニルフェニル)ホスファイト、トリナフチルホスフ
ァイト、クレジルジフェニルホスファイト、キシレニル
ジフェニルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシ
ル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェ
ニル(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジ(イソプ
ロピルフェニル)フェニルホスファイト、o−フェニル
フェニルジクレジルホスファイト、ジブチルホスファイ
ト、モノブチルホスファイト、ジ−2−エチルヘキシル
ホスファイト、モノイソデシルホスファイトおよびこれ
らの縮合物、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(ジ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(オクタデシル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノ
ールAペンタエリスリトールホスファイトポリマーなど
が挙げられる。
テルが好ましく用いられ、その中でも特に好ましくは置
換基を有してもよいトリアリールホスフェート又はその
縮合物、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ
ス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジ
フェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェ
ート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェー
トなどのモノホスフェートや、レゾルシノールビス(ジ
フェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−
2,6−ジメチルフェニルホスフェート)、ビスフェノ
ールAビス(ジクレジルホスフェート)などのビスホス
フェート等があげられる。これらのリン化合物は単独で
又は二種以上組合せて使用できる。
系樹脂100重量部に対して2〜30重量部、好ましく
は5〜20重量部(例えば、6〜15重量部)、より好
ましくは7〜15重量部(例えば6〜16重量部)であ
る。2重量部未満では難燃性が十分でなく、30重量部
を越えると機械的性質、特に耐衝撃性や耐熱性が低下し
好ましくない。本発明ではリン化合物と硫黄含有化合
物、特にメルカプト基を有する化合物とを併用すること
が特徴であり、このことで本発明の目的が達成される。
リン化合物とメルカプト基を有する化合物の割合( 重量
比)は、100/1〜1/5、好ましくは50/1〜1
/2、より好ましくは10/1〜1/1程度である。
−94に準拠して試験する場合、即ち垂直に設置した試
験片( 厚み1/16インチ)に燃焼炎を当て試験片を燃
焼させ、その後燃焼炎を取り去り試験片の消火時間を測
定するUL−94の試験方法において、火種が溶融滴下
して試験片が消火する場合、試験片の消火時間が規定さ
れているが、滴下物の燃焼時間は規定されていない。ハ
ロゲン系難燃剤では比較的滴下物の燃焼時間は短く問題
はなかった。しかし、非ハロゲン系難燃剤では試験片の
消火時間は規格内でも溶融滴下物の燃焼時間が比較的長
い。しかし、本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物はU
L−94,V−2に合格し、しかも溶融滴下物の燃焼時
間も10秒以下と短いものである。
素や塩素などのハロゲンを含有する化合物を難燃化成分
として使用せずに、優れた難燃効果を発現するものであ
るが、通常用いられる公知の難燃化添加剤を添加するこ
ともできる。難燃化添加剤は、通常難燃化効果を有する
ものであれば特に制限はなく、塩素あるいは臭素含有化
合物、アンチモン化合物、窒素含有化合物、硼素化合
物、シリコーン化合物、熱膨張性グラファイト、金属酸
化物、金属水酸化物、アルカリ(土類)金属塩、フッ素
系樹脂、スルホン酸化合物などの難燃化添加剤が使用で
きる。これらの難燃化添加剤は一種のみ用いても良い
し、二種以上組合わせて用いることも可能である。
範囲でその効果が発現する量の種々の充填材や添加剤な
どを配合することができる。充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウ
ムウイスカー繊維、金属繊維、セラミックス繊維、ボロ
ンウイスカー繊維などの繊維状充填材、マイカ、シリ
カ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、
ガラスバルーン、ガラスフレークスなどが例示でき、添
加剤としては、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、光
安定剤、老化防止剤、帯電防止剤、染顔料、イオン補足
剤などが挙げられる。
出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダー、
ロール、ヘンシェルミキサー、フィーダールーダーなど
を用い、各成分を混練することにより得られる。混練温
度は、好ましくは100〜300℃、さらに好ましくは
150〜280℃(例えば200〜280℃)程度であ
る。また、各成分を一括して混練してもよく、数回に分
けて添加混練してもよい。
チレン系樹脂組成物は、射出成形、押出成形、真空成
形、異型成形、発泡成形、インジェクションプレス、プ
レス成形、ブロー成形、ガス注入成形などによって各種
成形品に成形することができる。
難燃性、耐熱性および耐衝撃性に優れたものであり、広
範囲の用途、例えば、OA・家電機器分野、電気・電子
分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動車分野、家
具・建材などの住宅関連分野、雑貨分野などの各パー
ツ、ハウジング、シャーシなどに使用することができ
る。
は、非ハロゲン系難燃剤の添加量を増量する事無く、難
燃性が改良され、滴下性の難燃性樹脂組成物の場合は滴
下物の燃焼時間が大幅に短縮される。
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
を使用して230℃で溶融混練し、ペレット化した。こ
のようにして得たペレットを十分乾燥した後、射出成形
にて試験片を作成し以下の方法により評価した。 (1)難燃性、滴下物の燃焼時間 :UL−94試験
法に準拠し、1/16インチ厚みの試験片を使用して評
価した。V−2合格を○とし、不合格を×と表示した。
滴下物の燃焼時間は試験片10本の平均値を示した。 (2)加熱変形温度(HDT) :ASTM D648
に準拠し、荷重18.6kg/cm2 で測定した。 (3)アイゾット衝撃強度(IS) :ASTM D2
56に準拠し、アイゾット衝撃強度を測定した。 実施例および比較例で使用する各成分 (配合量は重量部である。) (A)スチレン系樹脂 HIPS :ゴム強化ポリスチレン(ゴム含有量4.
5重量%) ABS :ABS樹脂(アクリロニトリル/スチレ
ン(重量比)=26/74、ゴム含有量40重量%)4
0重量%とスチレン−アクリロニトリル共重合樹脂(ア
クリロニトリル含有量30重量%)60重量%との混合
物。
シルマレイミド共重合樹脂(スチレン含有量83重量
%) PMI :スチレン−N−フェニルマレイミド共重
合樹脂(スチレン含有量80重量%) (B)メルカプト基含有化合物 TCA :2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジ
ン MB :2−メルカプトベンズイミダゾール MMB :2−メルカプトメチルベンズイミダゾール DB :2−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)−
4,6−ジメルカプト−S−トリアジン MBS :2−メルカプトベンゾチアゾ―ル (C)リン化合物 TPP :トリフェニルホスフェート PX−200 :レゾルシノールビス(ジ−2,6−ジ
メチルフェニルホスフェート) (大八化学工業
(株)製) CR−733S :クレームの一般式でR1 ,R2 ,R
3 ,及びR4 がフェニル、Xがレゾルシノール、nの平
均値が1.5のリン酸エステルオリゴマー(大八化学工
業(株)製) 結果を表1、表2、表3に示す。
Claims (12)
- 【請求項1】 (A)スチレン系樹脂と、(B)1分子
中に少なくとも1つのメルカプト基を有する化合物又は
その塩と、(C)リン化合物とを含有してなる難燃性ス
チレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】 メルカプト基を有する化合物又はその塩
が、熱重量分析において5%重量減少温度が150℃以
上の化合物である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂
組成物。 - 【請求項3】 メルカプト基を有する化合物の融点が1
00℃以上である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂
組成物。 - 【請求項4】 メルカプト基を有する化合物が、窒素、
酸素、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種をヘ
テロ原子として含む複素環化合物である請求項1記載の
難燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項5】 リン化合物が下記式で示される化合物で
ある請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 ,およびR4 は互いに独立し
て、水素原子または有機基を表す。但しR1 ,R2 ,R
3 ,およびR4 は同時に水素原子ではない。Xは2価以
上の有機基を表し、nは0以上の整数である。) - 【請求項6】 リン化合物がリン酸エステルである請求
項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項7】 スチレン系樹脂がゴム強化スチレン系樹
脂である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項8】 スチレン系樹脂が、ゴム強化スチレン系
樹脂と、芳香族ビニル化合物とα,β−不飽和ジカルボ
ン酸のイミド化合物との共重合樹脂との混合物である請
求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項9】 (A)スチレン系樹脂100重量部に対
して、(B)1分子中に少なくとも1つのメルカプト基
を有する化合物又はその塩0.5〜10重量部、(C)
リン化合物2〜30重量部を含有する請求項1記載の難
燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項10】 ゴム強化スチレン系樹脂と、硫黄含有
化合物と、リン化合物とを含有する難燃性スチレン系樹
脂組成物。 - 【請求項11】 リン化合物が請求項5記載の化合物で
ある請求項10記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。 - 【請求項12】 UL−94試験法に準拠し1/16イ
ンチ厚みの試験片を使用して難燃性試験をしたときの溶
融滴下物の燃焼時間が10秒以下である請求項1又は9
記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10227801A JP2000053828A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | 難燃性スチレン系樹脂組成物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10227801A JP2000053828A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | 難燃性スチレン系樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000053828A true JP2000053828A (ja) | 2000-02-22 |
Family
ID=16866608
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10227801A Pending JP2000053828A (ja) | 1998-08-12 | 1998-08-12 | 難燃性スチレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000053828A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014506280A (ja) * | 2010-12-27 | 2014-03-13 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 難燃剤系 |
-
1998
- 1998-08-12 JP JP10227801A patent/JP2000053828A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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