JP2000053617A - カルボン酸異性体混合物の分離方法 - Google Patents

カルボン酸異性体混合物の分離方法

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JP2000053617A
JP2000053617A JP10225681A JP22568198A JP2000053617A JP 2000053617 A JP2000053617 A JP 2000053617A JP 10225681 A JP10225681 A JP 10225681A JP 22568198 A JP22568198 A JP 22568198A JP 2000053617 A JP2000053617 A JP 2000053617A
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acid
carboxylic acid
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alkali metal
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JP10225681A
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English (en)
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Hirofumi Nobushima
浩文 延嶋
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Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tama Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピリジンカルボン酸異性体混合物または芳香
族カルボン酸異性体混合物の分離方法の提供。 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、XはNまたはC−R6を示し、R1〜R5および
6の1つはカルボキシル基で、他はそれぞれ独立し
て、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミ
ノ基、カルバモイル基、シアノ基、ホルミル基、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アセチル基、
アセトキシ基、アセトアミノ基、スルファモイル基、ス
ルホニル基またはフェニル基を示す)で示され、この一
般式中のXおよびR1〜R5の意義を異にする既知量のピ
リジンカルボン酸異性体混合物または芳香族カルボン酸
異性体混合物を対応するそのアルカリ金属塩混合物に変
換し、このカルボン酸アルカリ金属塩混合物を構成する
カルボン酸塩のうちで酸によって中和したときに最初に
中和終点に達するカルボン酸塩を中和するのに必要な量
の酸を加えて、これを遊離のカルボン酸として結晶化さ
せて析出分離し、必要によりこの操作を繰り返すカルボ
ン酸異性体混合物の分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピリジンまたは芳
香族カルボン酸の異性体混合物を混合物を構成するカル
ボン酸単体に分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ピリジンカルボン酸類および芳香族カル
ボン酸類はピリジンもしくはピリジン誘導体またはベン
ゼンもしくはベンゼン誘導体のピリジン環またはベンゼ
ン環に置換基を導入して多くは製造されるが、このピリ
ジン環またはベンゼン環への置換基の導入に当たって
は、多くの場合目的とするピリジンカルボン酸または芳
香族カルボン酸の他に異性体が副生し、これらを除いて
目的とするピリジンカルボン酸または芳香族カルボン酸
を単離精製することが必要である。しかしながらこれら
の異性体は多くの場合に目的とするピリジンカルボン酸
または芳香族カルボン酸とはその物理的または化学的特
徴が極めて近似しているためにその単離精製は困難な場
合が多い。
【0003】そして上記したようにして製造されたピリ
ジンカルボン酸または芳香族カルボン酸異性体混合物を
単離精製する従来の技術としては、混合物そのものの溶
媒再結晶方法や、予め調製した有機塩基混合物の溶媒に
対する溶解度差を利用して固液分離する方法が知られて
いる。しかし、溶媒再結晶方法では多くの場合固液分離
した母液には不要の異性体と共に所望の異性体を含む場
合が多いにもかかわらず、ここからの所望の異性体の単
離は通常困難であり母液は廃棄されることになる。した
がって、単離できなかった母液中のカルボン酸は利用さ
れることはない。また有機塩生成による異性体分離は、
塩生成に使用した有機塩基と目的物との分離・遊離カル
ボン酸に混入したアミン除去等の煩雑な操作が必要とな
る。
【0004】また副生した異性体も有用な化合物である
ことが多々あり、それぞれの異性体が精製単離される技
術の開発が求められてきたところである。例えばピリジ
ンカルボン酸類の一つである2−クロルニコチン酸を合
成する方法として、オキシ塩化リンの存在下でニコチン
酸アミドN−オキシドに五塩化リンを反応させて2−ク
ロル−3−シアノピリジンを得てこれを加水分解する方
法(J. Org. Chem. Vol.19, pp.1633-1636, 1954)、3
−シアノピリジンN−オキシドとオキシ塩化リンとを反
応させて2−クロル−3−シアノピリジンを得てこれを
加水分解する方法(特公昭63−2262号)、ニコチ
ン酸N−オキシドとオキシ塩化リンとを反応させて2−
クロル−ニコチン酸クロライドを得てこれを加水分解す
る方法(東ドイツ特許第80209号)等が知られてい
るが、これらの反応はいずれも6−クロルニコチン酸を
副生し異性体の分離が必要となる。一方、6−クロロニ
コチン酸も医薬、農薬の製造中間体として有用な化合物
であり、有効に単離されることが望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した所から、ピリ
ジンカルボン酸または芳香族カルボン酸を製造する場合
に、反応によって生成した目的化合物を効率的に単離す
ることと、目的化合物以外に副生した化合物をも有効に
単離してこれを利用可能とすることは、資源の有効利用
と廃棄物の減少に伴う環境保護の観点からも望まれる所
である。したがって、かかるピリジンカルボン酸異性体
混合物または芳香族カルボン酸異性体混合物から、簡単
な方法でしかも廃棄物を伴うことなく、カルボン酸異性
体混合物を構成するそれぞれのカルボン酸成分を単離す
る技術的手段の解明が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した課
題を解明するために鋭意研究の結果、ピリジンカルボン
酸異性体混合物または芳香族カルボン酸異性体混合物を
そのアルカリ金属塩に変換して得られるピリジンカルボ
ン酸アルカリ金属塩混合物、または芳香族カルボン酸ア
ルカリ金属塩混合物は、これらを水溶液中で酸で中和す
るときには、これらの混合物を構成するカルボン酸塩の
うちで酸によって中和したときに最初に中和終点に達す
るカルボン酸塩を中和するのに必要な量の酸を加える
と、このカルボン酸塩のみが選択的に全量中和され、残
りのカルボン酸塩は中和されないで塩の状態のまま残る
ことと、このようにして中和されて遊離酸に変換された
カルボン酸は、水溶性を失って析出分離することから、
これをきわめて容易に取り出すことができ、かくしてカ
ルボン酸異性体混合物から上記特定のカルボン酸を分別
し得ることを見いだして本発明を完成させたのである。
【0007】そしてこの操作と同様の操作を第一のカル
ボン酸を分別した残りの母液に適用すると第二のカルボ
ン酸を分別することが出来、そしてこの第二のカルボン
酸を分別した残りの母液に同様の操作を適用すると第三
のカルボン酸を分別することが出来、必要によりこの操
作を複数のカルボン酸異性体混合物を分別したい場合に
段階的に適用可能であることをも見出したのである。
【0008】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【化2】 (式中、XはNまたはC−R6を示し、R1〜R5および
6の1つはカルボキシル基で、他はそれぞれ独立し
て、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミ
ノ基、カルバモイル基、シアノ基、ホルミル基、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アセチル基、
アセトキシ基、アセトアミノ基、スルファモイル基、ス
ルホニル基またはフェニル基を示す)で示され、そして
この一般式中のXおよびR1〜R5の意義を異にした既知
量の2種またはそれ以上のピリジンカルボン酸異性体混
合物、または芳香族カルボン酸異性体混合物からこの混
合物を構成するそれぞれのピリジンカルボン酸の異性体
または芳香族カルボン酸の異性体を分離するに当たり、
このカルボン酸異性体混合物を対応するカルボン酸アル
カリ金属塩混合物に変換し、このカルボン酸アルカリ金
属塩混合物の水溶液中に、このカルボン酸アルカリ金属
塩混合物を構成するカルボン酸塩のうちで酸によって中
和したときに最初に中和終点に達するカルボン酸塩を中
和するのに必要な量の酸を加えて、これを遊離のカルボ
ン酸として結晶化させて析出分離し、カルボン酸異性体
混合物が3種以上の混合物である場合には、残りのカル
ボン酸アルカリ金属塩混合物の水溶液について構成する
カルボン酸塩のうちで酸によって中和したときに次に中
和終点に達するカルボン酸塩を中和するのに必要な量の
酸を加えてこれを遊離のカルボン酸として結晶化させて
析出分離し、そして必要によって上記固液分離によって
得られた残りのカルボン酸金属塩水溶液にこれを中和す
るのに必要な量の酸を加えてこれを遊離のカルボン酸と
して結晶化させて析出分離させることから成る、ピリジ
ンカルボン酸異性体混合物または芳香族カルボン酸異性
体混合物の分離方法に関するものである。
【0009】本発明の方法において、ピリジンカルボン
酸異性体混合物または芳香族カルボン酸異性体混合物を
ピリジンカルボン酸アルカリ金属塩混合物、または芳香
族カルボン酸アルカリ金属塩混合物に変換するのに用い
られるアルカリ金属化合物は、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸リチウムから選ばれる少なくとも一種のア
ルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩であり得
る。
【0010】このピリジンカルボン酸異性体混合物また
は芳香族カルボン酸異性体混合物のピリジンカルボン酸
アルカリ金属塩混合物、または芳香族カルボン酸アルカ
リ金属塩混合物への変換は、これらのカルボン酸異性体
混合物と当量のアルカリ金属化合物とを反応させること
で行われ、反応は無溶媒または溶媒中で行い得る。特に
溶媒として水を用いることが好ましい。
【0011】本発明の方法において、ピリジンカルボン
酸アルカリ金属塩混合物または芳香族カルボン酸アルカ
リ金属塩混合物を中和するのに用いられる酸は、硫酸、
塩酸、硝酸、リン酸、硼酸から選ばれる無機酸、または
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、蓚酸、安息香酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸から選ばれる有
機酸であり得る。
【0012】本発明のピリジンカルボン酸アルカリ金属
塩混合物または芳香族カルボン酸アルカリ金属塩混合物
を中和する工程においては、有機酸を用いて中和するこ
とが好ましいが、はじめに中和を不十分な量の無機酸で
行いついで有機酸で中和を完結させること、またはこの
逆の操作を行うことも出来る。特に有機酸を用いた場合
は温度により緩衝平衡が成り立ち、先に析出するピリジ
ンカルボン酸類または芳香族カルボン酸類の結晶は再結
晶効果により高純度結晶が得られやすい。
【0013】例えば3−ニトロ−2−メチル安息香酸と
5−ニトロ−2−メチル安息香酸の混合物の場合、混合
物をアルカリ金属塩とし5−ニトロ−2−メチル安息香
酸と当量の酢酸を加えると以下に示す平衡式(2)が成り
立つ。
【化3】
【0014】このピリジンカルボン酸アルカリ金属塩混
合物または芳香族カルボン酸アルカリ金属塩混合物を中
和する工程において最も重要な点は、ピリジンカルボン
酸アルカリ金属塩混合物または芳香族カルボン酸アルカ
リ金属塩混合物の水溶液中に、このカルボン酸アルカリ
金属塩混合物を構成するカルボン酸塩のうちで酸によっ
て中和したときに最初に中和終点に達するカルボン酸塩
を中和するのに必要な量の酸を加えることにある。この
ようにすることにより、正確に酸によって中和したとき
に最初に中和終点に達するカルボン酸塩のみが中和さ
れ、他のカルボン酸塩は中和されることなく母液中にと
どまるのである。
【0015】したがって本発明においては、中和したと
きに最初に中和終点に達するカルボン酸塩の量を予め正
確に把握することが必要で、このためにカルボン酸異性
体混合物は本発明の方法による処理に先立ってカルボン
酸の種類と量とが特定されなければならない。そしてこ
のカルボン酸の種類と量の特定のためには、カルボン酸
異性体混合物について公知の分析手段、または分析手段
の組み合わせ、例えば、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)、ガスクロマトグラフィー、中和滴定など
の手段が用いられ、これによってカルボン酸塩混合物に
中和のために加えられる酸の量が決定される。そしてこ
のようにして決定された量の酸をカルボン酸塩混合物に
加えることによって中和によって最初に中和終点に達す
るカルボン酸塩のみが中和されて遊離のカルボン酸とな
り、母液のカルボン酸塩水溶液から析出分離することに
なる。
【0016】本発明の方法で分離可能なピリジンカルボ
ン酸異性体混合物には、ピコリン酸、ニコチン酸、イソ
ニコチン酸の何れかの骨格を有し、そして一つ以上の核
置換基を有する位置異性体混合物であって水とは反応性
がないもの、例えば、2−クロルニコチン酸と6−クロ
ルニコチン酸の混合物、2−ヒドロキシニコチン酸と6
−ヒドロキシニコチン酸の混合物、3−ヒドロキシピコ
リン酸と6−ヒドロキシピコリン酸の混合物などが挙げ
られる。
【0017】また本発明の方法で分離可能な芳香族カル
ボン酸異性体混合物には、安息香酸骨格を有しそして一
つ以上の核置換基を有する位置異性体混合物であって水
とは反応性がないもの、例えば、2−メチル安息香酸と
4−メチル安息香酸の混合物、2−アミノ安息香酸と4
−アミノ安息香酸の混合物、2−ブロモ安息香酸と4−
ブロモ安息香酸の混合物、2−クロロ安息香酸と4−ク
ロロ安息香酸の混合物、2−ヒドロキシ安息香酸と4−
ヒドロキシ安息香酸の混合物、3−アミノ−2−メチル
安息香酸と5−アミノ−2−メチル安息香酸の混合物、
3−ニトロ−2−メチル安息香酸と5−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の混合物、3−ヒドロキシ−2−メチル安
息香酸と5−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸の混合物
などが挙げられる。
【0018】本発明の方法では、操作温度範囲には特に
制限はないけれども、水溶媒中での操作であることか
ら、水の沸騰点から下で氷点から上の範囲の温度が選ば
れる。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、これらの実施例は本発明を単に説明するために
述べるもので本発明がこれらに限定されるものと解して
はならない。
【0020】実施例1 水220.0gに撹拌下、水酸化ナトリウム20.5g、
2−クロルニコチン酸29.7g、6−クロルニコチン
酸51.0gを加え溶解した。この溶液を60℃に昇温
し、36%塩酸31.5gを加え析出した結晶を20℃
で濾別し、水50mlで洗浄し、得られた結晶を105℃
で2時間乾燥し6−クロルニコチン酸45.7g(回収
率 89.6%)を得た。得られた結晶を高速液体クロマト
グラフ分析した結果、6−クロルニコチン酸の純度は9
9.6%であった。
【0021】実施例2 実施例1の母液を撹拌下60℃に昇温し、36%塩酸1
9.5gを加えpH2.0とし、析出した結晶を10℃で
濾別し、水40mlで洗浄した。得られた結晶を105℃
で2時間乾燥し、2−クロルニコチン酸の粗結晶34.
0gを得た。高速クロマトグラフ分析した結果、2−ク
ロルニコチン酸含量85.9%、6−クロルニコチン酸
含量14.1%であった。実施例1の仕込み量より、2
−クロルニコチン酸回収率98.3%、6−クロルニコ
チン酸回収率9.8%であった。イソプロピルアルコー
ル134.0gに水30.8g、上で得られた2−クロル
ニコチン酸の粗結晶30.8gを撹拌下に加え、65℃
まで昇温させて結晶を溶解させた。ついで5℃まで冷却
し析出した結晶を濾別し、80%(w/w)イソプロピル
アルコール水20mlで洗浄した。得られた結晶を105
℃で2時間乾燥し2−クロルニコチン酸20.4g(回
収率 77.1%)を得た。結晶を高速液体クロマトグラフ
分析した結果、この2−クロルニコチン酸純度は99.
7%であることが分かった。
【0022】実施例3 水148.6gに撹拌下、3−ニトロ−2−メチル安息
香酸9.0g、5−ニトロ−2−メチル安息香酸13.0
g、水酸化ナトリウム4.9gを加え80℃に昇温して
溶解した。80℃で酢酸4.8gを加え、徐々に冷却す
ると70℃で結晶が析出してきた。さらに冷却晶析し0
℃で1時間熟成後、析出した結晶を濾過し、水10mlで
洗浄した。得られた結晶を105℃で2時間乾燥し、5
−ニトロ−2−メチル安息香酸の結晶10.8g(回収
率 83.1%)を得た。結晶を高速液体クロマトグラフ分
析した結果、この5−ニトロ−2−メチル安息香酸は純
度99.7%であることが分かった。
【0023】実施例4 実施例3の母液を撹拌下60℃に昇温し、36%塩酸
4.6gを加えて酸析し0℃まで冷却して析出した結晶
を濾別し、水10mlで洗浄した。得られた結晶を105
℃で2時間乾燥し、3−ニトロ−2−メチル安息香酸の
粗結晶11.1gを得た。高速液体クロマトグラフ分析
した結果、3−ニトロ−2−メチル安息香酸含量81.
1%、5−ニトロ−2−メチル安息香酸含量18.9%
であった。実施例3の仕込み量より、3−ニトロ−2−
メチル安息香酸回収率100%、5−ニトロ−2−メチ
ル安息香酸回収率16.1%であった。水40.0gにメ
チルアルコール30.0g、上で得られた3−ニトロ−
2−メチル安息香酸の粗結晶10.0gを撹拌下に加
え、60℃まで昇温させて結晶を溶解させた。ついで1
0℃まで冷却し析出した結晶を濾別し、40%(w/w)
メチルアルコール水10mlで洗浄した。得られた結晶を
105℃で2時間乾燥し、3−ニトロ−2−メチル安息
香酸6.8g(回収率 83.8%)を得た。結晶を高速液体
クロマトグラフ分析した結果、この3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の純度は99.7%であることが分かっ
た。
【0024】実施例5 水100.0gに撹拌下、3−アミノ−2−メチル安息
香酸10.0g、5−アミノ−2−メチル安息香酸10.
0g、水酸化ナトリウム5.3gを加え80℃に昇温し
て溶解した。80℃で酢酸4.3gを加え、0℃まで冷
却晶析し1時間熟成後、析出した結晶を濾過し、水10
mlで洗浄した。得られた結晶を105℃で2時間乾燥
し、5−アミノー2−メチル安息香酸の結晶9.0g
(回収率 90.0%)を得た。結晶を高速液体クロマトグ
ラフ分析した結果、この5−アミノ−2−メチル安息香
酸は純度99.7%であることが分かった。
【0025】実施例6 実施例5の母液を撹拌下60℃に昇温し、36%塩酸
7.4gを加えて酸析し0℃まで冷却して析出した結晶
を濾別し、水20mlで洗浄した。得られた結晶を105
℃で2時間乾燥し、3−アミノ−2−メチル安息香酸の
粗結晶9.6gを得た。高速液体クロマトグラフ分析し
た結果、3−アミノ−2−メチル安息香酸含量97.2
%、5−アミノ−2−メチル安息香酸含量2.8%であ
った。実施例5の仕込み量より、3−アミノ−2−メチ
ル安息香酸回収率93.3%、5−アミノ−2−メチル
安息香酸回収率2.7%であった。水35.0gに上で得
られた3−アミノ−2−メチル安息香酸の粗結晶9.0
gを撹拌下に加え、80℃で1時熱水抽出し、ついで5
℃まで冷却し析出した結晶を濾別し、水10mlで洗浄し
た。得られた結晶を105℃で2時間乾燥し、3−アミ
ノ−2−メチル安息香酸8.7g(回収率 99.5%)を得
た。結晶を高速液体クロマトグラフ分析した結果、この
3−アミノ−2−メチル安息香酸の純度は99.6%で
あることが分かった。
【0026】実施例7 水220.0gに撹拌下、水酸化カリウム28.8g、2
−クロルニコチン酸29.7g、6−クロルニコチン酸
51.0gを加え溶解した。この溶液を60℃に昇温
し、36%塩酸31.5gを加え析出した結晶を20℃
で濾別し、水50mlで洗浄し、得られた結晶を105℃
で2時間乾燥し、6−クロルニコチン酸45.7g(回
収率 89.6%)を得た。得られた結晶を高速液体クロマ
トグラフ分析した結果、6−クロルニコチン酸の純度は
99.6%であった。
【0027】実施例8 実施例7の母液を撹拌下60℃に昇温し、36%塩酸1
9.5gを加えpH2.0とし、析出した結晶を10℃で
濾別し、水40mlで洗浄した。得られた結晶を105℃
で2時間乾燥し、2−クロルニコチン酸の粗結晶34.
0gを得た。高速液体クロマトグラフ分析した結果、2
−クロルニコチン酸含量85.9%、6−クロルニコチ
ン酸含量14.1%であった。実施例7の仕込み量よ
り、2−クロルニコチン酸回収率98.3%、6−クロ
ルニコチン酸回収率9.4%であった。イソプロピルア
ルコール134.0gに水30.8g、上で得られた2−
クロルニコチン酸の粗結晶30.8gを撹拌下に加え、
65℃まで昇温させて結晶を溶解させた。ついで5℃ま
で冷却し析出した結晶を濾別し、80%(w/w)イソプ
ロピルアルコール水20mlで洗浄した。得られた結晶を
105℃で2時間乾燥し、2−クロルニコチン酸20.
4g(回収率 77.1%)を得た。結晶を高速液体クロマ
トグラフ分析した結果、この2−クロルニコチン酸純度
は99.7%であることが分かった。
【0028】実施例9 水148.6gに撹拌下、3−ニトロ−2−メチル安息
香酸9.0g、5−ニトロ−2−メチル安息香酸13.0
g、水酸化カリウム6.9gを加え80℃に昇温して溶
解した。80℃で酢酸4.8gを加え、徐々に冷却する
と70℃で結晶が析出してきた。さらに冷却晶析し0℃
で1時間熟成後、析出した結晶を濾過し、水10mlで洗
浄した。得られた結晶を105℃で2時間乾燥し、5−
ニトロ−2−メチル安息香酸の結晶10.8g(回収率
83.1%)を得た。結晶を高速液体クロマトグラフ分析し
た結果、この5−ニトロ−2−メチル安息香酸は純度9
9.0%であることが分かった。
【0029】実施例10 実施例9の母液を撹拌下60℃に昇温し、36%塩酸
4.6gを加えて酸析し0℃まで冷却して析出した結晶
を濾別し、水10mlで洗浄した。得られた結晶を105
℃で2時間乾燥し、3−ニトロ−2−メチル安息香酸の
粗結晶11.1gを得た。高速液体クロマトグラフ分析
した結果、3−ニトロ−2−メチル安息香酸含量81.
1%、5−ニトロ−2−メチル安息香酸含量18.9%
であった。実施例3の仕込み量より、3−ニトロ−2−
メチル安息香酸回収率100%、5−ニトロ−2−メチ
ル安息香酸回収率16.1%であった。水40.0gにメ
チルアルコール30.0g、上で得られた3−ニトロ−
2−メチル安息香酸の粗結晶10.0gを撹拌下に加
え、60℃まで昇温させて結晶を溶解させた。ついで1
0℃まで冷却し析出した結晶を濾別し、40%(w/w)
メチルアルコール水10mlで洗浄した。得られた結晶を
105℃で2時間乾燥し、3−ニトロ−2−メチル安息
香酸6.8g(回収率 83.8%)を得た。結晶を高速液体
クロマトグラフ分析した結果、この3−ニトロ−2−メ
チル安息香酸の純度は99.7%であることが分かっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 229/54 C07C 229/54 229/56 229/56 C07D 213/80 C07D 213/80 213/803 213/803

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、XはNまたはC−R6を示し、R1〜R5および
    6の1つはカルボキシル基で、他はそれぞれ独立し
    て、水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミ
    ノ基、カルバモイル基、シアノ基、ホルミル基、アルキ
    ル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アセチル基、
    アセトキシ基、アセトアミノ基、スルファモイル基、ス
    ルホニル基またはフェニル基を示す)で示され、そして
    この一般式中のXおよびR1〜R5の意義を異にした既知
    量の2種またはそれ以上のカルボン酸異性体混合物から
    この混合物を構成するそれぞれのカルボン酸の異性体を
    分離するに当たり、 このカルボン酸異性体混合物を対応するカルボン酸アル
    カリ金属塩混合物に変換し、このカルボン酸アルカリ金
    属塩混合物の水溶液中に、このカルボン酸アルカリ金属
    塩混合物を構成するカルボン酸塩のうちで酸によって中
    和したときに最初に中和終点に達するカルボン酸塩を中
    和するのに必要な量の酸を加えて、これを遊離のカルボ
    ン酸として結晶化させて析出分離し、カルボン酸異性体
    混合物が3種以上の異性体混合物である場合には、残り
    のカルボン酸アルカリ金属塩混合物の水溶液について構
    成するカルボン酸塩のうちで酸によって中和したときに
    次に中和終点に達するカルボン酸塩を中和するのに必要
    な量の酸を加えてこれを遊離のカルボン酸として結晶化
    させて析出分離し、そして必要によって上記固液分離に
    よって得られた残りのカルボン酸金属塩水溶液にこれを
    中和するのに必要な量の酸を加えてこれを遊離のカルボ
    ン酸として結晶化させて析出分離させることから成る、
    カルボン酸混合物の分離方法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸異性体混合物をカルボン酸ア
    ルカリ金属塩混合物に変換するのに用いられるアルカリ
    金属化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
    酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
    チウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物またはアルカ
    リ金属炭酸塩であり、カルボン酸塩を中和するのに用い
    られる酸は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、硼酸から選ば
    れる無機酸、またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
    クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、
    蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
    酸から選ばれる有機酸である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸異性体混合物はその構成成分
    のカルボン酸が既知の量であって、このカルボン酸異性
    体混合物をカルボン酸アルカリ金属塩混合物に変換した
    ものについての、このカルボン酸アルカリ金属塩混合物
    を構成するカルボン酸アルカリ金属塩のそれぞれを中和
    するのに必要な酸の量はこの予め既知のカルボン酸量か
    ら求められたものである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸アルカリ金属塩混合物の中和
    を有機酸で行う請求項1〜3記載の方法。
  5. 【請求項5】 カルボン酸アルカリ金属塩混合物の中和
    をはじめに中和には不十分な量の無機酸で行いついで有
    機酸で中和を完結させる請求項1〜3記載の方法。
  6. 【請求項6】 カルボン酸異性体混合物が、ピリジンカ
    ルボン酸異性体混合物である請求項1〜5記載の方法。
  7. 【請求項7】 カルボン酸異性体混合物が、芳香族カル
    ボン酸異性体混合物である請求項1〜5記載の方法。
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