JP2000053584A - フィタ―ゼ製剤 - Google Patents

フィタ―ゼ製剤

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JP2000053584A
JP2000053584A JP11184484A JP18448499A JP2000053584A JP 2000053584 A JP2000053584 A JP 2000053584A JP 11184484 A JP11184484 A JP 11184484A JP 18448499 A JP18448499 A JP 18448499A JP 2000053584 A JP2000053584 A JP 2000053584A
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phytase
enzyme preparation
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stabilizer
preparation according
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Roland Brugger
ブリュッゲル ローランド
Martin Dr Lehmann
レフマン マルティン
Markus Wyss
ワイス マルクス
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F Hoffmann La Roche AG
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    • H04N7/00Television systems
    • H04N7/18Closed-circuit television [CCTV] systems, i.e. systems in which the video signal is not broadcast
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B1/00Control systems of elevators in general
    • B66B1/34Details, e.g. call counting devices, data transmission from car to control system, devices giving information to the control system
    • B66B1/3415Control system configuration and the data transmission or communication within the control system
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な条件下で活性を保持する能力として
の、フィターゼの安定性、好ましくは熱安定性を改善す
ることが本発明の課題である。 【解決手段】 フィターゼと、 a) キシリトールまたはリビトールのようなC5糖、 b) 分子量600〜4000 Daのポリエチレングリコール、 c) マロン酸、グルタル酸、およびコハク酸の二ナトリ
ウム塩、 d) カルボキシメチルセルロース、および e) アルギン酸ナトリウム、 からなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤と
を含む、安定化された酵素製剤を提供する。または、フ
ィターゼは、a)グルタルアルデヒドとの、もしくはb)過
ヨウ素酸ナトリウムによるフィターゼ糖質鎖の酸化およ
びその後のアジピン酸ジヒドラジドの付加のいずれかに
よる、化学クロスリンクによって安定化することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定性、好ましく
は安定化剤の付加またはクロスリンクによって得られる
熱安定性の増加を示す液体および乾燥フィターゼ製剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】飼料中には、燐フィチン酸の形で大量の
燐酸塩が存在するが、ブタおよび家禽のような単胃動物
は、この形の燐酸塩を利用する能力を欠損している。フ
ィチン酸のアルカリまたはアルカリ土類塩は、主に穀類
において天然に存在する。単胃動物はこの形の燐酸塩を
利用することができないため、動物飼料に燐酸塩を加え
ることが通例となっている。
【0003】一方、フィターゼと呼ばれる酵素(ミオ・
イノシトール・ヘキサキスフォスフェート・フォスフォ
ヒドロラーゼ)は、植物およびいくつかの微生物に存在
することが知られている。フィターゼは発酵によって生
成することができるため、フィチン酸(ミオ・イノシト
ール・ヘキサキスフォスフェート)からの無機燐酸塩の
遊離によって植物材料の栄養価を高めるためにフィター
ゼを動物飼料添加剤として用いることは、当技術分野で
既知である。動物飼料にフィターゼを加えれば、フィタ
ーゼを用いることによってフィチン酸塩から遊離した燐
酸塩を動物が利用することができるため、環境の燐汚染
のレベルを低下させることができる。
【0004】飼料への応用に関して、安定な、好ましく
は熱安定性のフィターゼは、製剤化(例えば、スプレー
乾燥、顆粒化)、ならびに一時的な高温(80〜120℃)
および剪断応力が蛋白構造に影響を及ぼし、活性の望ま
しからぬ喪失へと至らしめる可能性のある飼料処理工程
(例えば、ペレット化、押し出し成型、膨張)の際に起
こりうる問題を防止するために一般的に重要である。
【0005】ギスト・ブロケイズ(Gist-Brocades)の
国際公開公報第93/16175号に、安定化したフィターゼの
液体製剤について記述されている。安定化剤として、尿
素、ならびにソルビトール、グリセロール、および分子
量6000のポリエチレングリコールが挙げられる水溶性ポ
リオールを用いることが示唆されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】様々な条件下で活性を
保持する能力として安定性を定義した場合のフィターゼ
の安定性、好ましくは熱安定性を改善することが本発明
の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】この安定性の局面は、生
産(飼料の発酵、下流でのプロセシング、製剤化および
熱処理)、流通(輸送および保存)ならびに最終的施用
を含む、酵素の全ライフサイクルに関する。フィターゼ
のような商業的に興味深い酵素に関しては、ペレット形
成、押し出し成型、および膨張(80〜120℃)のような
様々な飼料処理プロセスの間に生じる高温に耐えるこ
と、ならびに長期保存の際に安定であることが重要であ
る。
【0008】本発明において用いられる「安定性」とい
う用語は、活性、特異性、静置安定性、機械的安定性、
微生物安定性、毒性、化学組成、ならびに密度、粘度、
吸湿性のような物理的パラメータと共に、色、臭いおよ
び埃のような局面を含む、工業用酵素の全ての仕様に関
する。本発明の好ましい局面は、製剤化ならびにペレッ
ト化、押し出し成型および膨張のような飼料処理プロセ
スの際の熱不活化に対するフィターゼの安定性に関す
る。
【0009】フィターゼを幅広く使用するために主な障
害となっているのは、飼料処理プロセスの際の不活化に
耐えるためにこれらの酵素に必要とされる熱安定性(80
〜120℃)による制約である。現在利用可能な工業用フ
ィターゼは全てA. ニガー(A.niger)に由来し、熱不活
性化に対して本来有する抵抗性は低い。分子生物学的ア
プローチに代わるものとして、またはこれに加えて、本
発明は、異なる添加剤を加えることによって、およびも
う一つの局面においては、酵素モノマーとオリゴマーと
の化学的クロスリンクによって、蛋白質の安定性、好ま
しくは熱安定性を増強する。
【0010】本発明に至る実験はまた、いわゆるコンセ
ンサスフィターゼ、すなわちアスペルギルス(Aspergil
lus)のフィターゼと比較して内因性的な安定性がより
高い、理論的分子生物学的アプローチに従って開発され
たフィターゼについても実施したが、これについては欧
州特許第897,985号を参照のこと。本発明の実践におい
て、実施例3〜13で具体的に記述されているコンセンサ
スフィターゼを用いることもできる。
【0011】本発明は、酵素の安定性、好ましくは熱安
定性に対して安定化剤として作用する異なる添加剤の使
用を開示する。
【0012】本発明において用いることが好ましい非製
剤化フィターゼの特異的活性の温度依存性に関して、そ
れらの最大活性に従って異なる3つの群を形成すること
ができる。最大活性には以下の温度で達する:A. フミ
ガーツス(A. fumigatus)およびA. ニガー(A. nige
r)のフィターゼに関しては、55℃、A. テレウス(A. t
erreus)CBSおよびA. ニデュランス(A. nidulans)の
フィターゼに関しては45℃、そしてコンセンサスフィタ
ーゼに関しては65℃。測定した最高温度より10〜15℃上
の温度、つまり非製剤化フィターゼが完全に不活性であ
る温度、すなわちA. ニデュランスおよびA. テレウスCB
Sフィターゼに関しては60℃、A. ニガーおよびA. フミ
ガーツスのフィターゼに関しては65℃、そしてコンセン
サスフィターゼに関しては75℃という温度を、フィター
ゼの熱安定性に及ぼす安定化剤の効果を調べるスクリー
ニング点として選択した。
【0013】本発明に係る酵素製剤においては、(1)
フィターゼと、 a) C5糖、好ましくはキシリトールまたはリビトール、 b) 分子量600〜4000 Da、好ましくは1000〜3350 Daの
ポリエチレングリコール、 c) マロン酸、グルタル酸、およびコハク酸の二ナトリ
ウム塩、 d) カルボキシメチルセルロース、および e) アルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウム、 からなる群より選択される1つ以上の安定化剤とを含
む、安定化された(好ましくは熱安定化された)乾燥ま
たは液体の酵素製剤であることを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(2)a)グルタルアルデヒドと、またはb)過ヨウ素酸ナ
トリウムによる酸化およびアジピン酸ジヒドラジドによ
る反応によって、クロスリンクしているフィターゼを含
む、安定化された(好ましくは熱安定化された)乾燥ま
たは液体の酵素製剤であることを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(3)フィターゼが真菌フィターゼまたはコンセンサス
フィターゼである、上記(1)または(2)記載の酵素製剤で
あることを特徴とする。
【0016】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(4)真菌フィターゼがアスペルギルス・フミガーツス
(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニデュ
ランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・テ
レウス(Aspergillus terreus)およびアスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger)のフィターゼからなる
群より選択される、上記(3)記載の酵素製剤であること
を特徴とする。
【0017】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(5)製剤が液体である、上記(1)〜(4)のいずれか一項
記載の酵素製剤であることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(6)安定化剤が、最終製剤中に10〜50%(w/w)の濃
度で存在するポリエチレングリコールである、上記(5)
記載の酵素製剤であることを特徴とする。
【0019】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(7)安定化剤が、最終製剤中に20〜60%(w/w)の濃
度で存在するキシリトールおよび/またはリビトールで
ある、上記(5)または(6)記載の酵素製剤であることを特
徴とする。
【0020】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(8)安定化剤が、最終製剤中の塩濃度が10〜30%(w/
w)の範囲であるグルタル酸、コハク酸またはマロン酸
の二ナトリウム塩である、上記(5)〜(7)のいずれか一項
記載の酵素製剤であることを特徴とする。
【0021】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(9)安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃度が1〜10
%(w/w)の範囲にあるカルボキシメチルセルロースで
ある、上記(5)〜(8)のいずれか一項記載の酵素製剤であ
ることを特徴とする。
【0022】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(10)安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃度が1〜
10%(w/w)の範囲にあるアルギン酸ナトリウムであ
る、上記(5)〜(9)のいずれかに記載の酵素製剤であるこ
とを特徴とする。
【0023】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(11)製剤が乾燥/固体である、上記(1)〜(4)のいず
れかに記載の酵素製剤であることを特徴とする。
【0024】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(12)安定化剤が、最終製剤中のポリエチレングリコ
ールが1〜20%(w/w)の濃度範囲で存在する、ポリエ
チレングリコールである、上記(11)記載の酵素製剤であ
ることを特徴とする。
【0025】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(13)安定化剤が、最終製剤中に1〜20%(w/w)の
濃度で存在するキシリトールおよび/またはリビトール
である、上記(11)または(12)記載の酵素製剤であること
を特徴とする。
【0026】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(14)安定化剤が、最終製剤中の塩濃度が1〜20%
(w/w)の範囲にあるグルタル酸、コハク酸、またはマ
ロン酸の二ナトリウム塩である、上記(11)〜(13)のいず
れか一項記載の酵素製剤であることを特徴とする。
【0027】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(15)安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃度が1〜
10%(w/w)の範囲にある、カルボキシメチルセルロー
スである、上記(11)〜(14)のいずれか一項記載の酵素製
剤であることを特徴とする。
【0028】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(16)安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃度が1〜
10%(w/w)の範囲にあるアルギン酸ナトリウムであ
る、上記(11)〜(15)のいずれか一項記載の酵素製剤であ
ることを特徴とする。
【0029】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(17)フィターゼモノマーがグルタルアルデヒドの付
加によってクロスリンクされている、上記(2)〜(5)ま
たは(11)のいずれか一項記載の酵素製剤であることを特
徴とする。
【0030】また、本発明に係る酵素製剤においては、
(18)フィターゼモノマーが、過ヨウ素酸ナトリウム
による糖質残基の酸化、およびその後のアジピン酸ジヒ
ドラジドの付加によってクロスリンクされている、上記
(2)〜(5)または(11)のいずれか一項記載の酵素製剤であ
ることを特徴とする。
【0031】また、本発明に係る方法においては、(1
9)飼料を上記(1)〜(18)のいずれか一項に記載の安定
化された乾燥または液体の酵素製剤で処置する、単胃動
物の飼料組成物を調製する方法であることを特徴とす
る。
【0032】また、本発明に係る組成物においては、
(20)飼料が上記(1)〜(18)のいずれか一項に記載の
安定化された乾燥または液体の酵素製剤を含む、単胃動
物用の飼料組成物であることを特徴とする。
【0033】また、本発明に係る方法においては、(2
1)動物を上記(20)記載の飼料で飼育し、かつ、さらな
る燐を飼料に加えない、燐の食餌必要量を単胃動物に提
供する方法であることを特徴とする。
【0034】また、本発明に係る方法においては、(2
2)上記(1)〜(18)記載の安定化されたフィターゼを用
いる、乾燥または液体のフィターゼ製剤を調製する方法
であることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】微生物以外の起源から得られた他
のフィターゼを用いることは可能であるが、微生物によ
って生成されたフィターゼを用いることが好ましい。本
発明において、好ましくは真菌、およびより好ましくは
アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatu
s)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nid
ulans)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus ter
reus)およびアスペルギルス・ニガー(Aspergillus ni
ger)からなる群により産生される該フィターゼを用い
ることが好ましい。本発明において用いることが好まし
いもう一つのフィターゼは、いわゆるコンセンサスフィ
ターゼである。しかし、そのようなフィターゼは、真菌
から得られた遺伝子を細菌(例えば、大腸菌)、酵母、
または別の真菌のような宿主微生物に移入する遺伝子操
作によって製造することも可能で、より詳しくは例えば
欧州特許公開公報第684 313号および欧州特許公開公報
第897 010号を参照のこと。
【0036】酵素製剤という用語は、その中で酵素フィ
ターゼが商品化されている全ての液体および乾燥製剤を
含む。好ましくは、そのような製剤のフィターゼ源は、
発酵ブロスから得られた、どちらかと言えば未加工の液
体製剤である。液体フィターゼ製剤を調製する場合に
は、選択した安定化剤を加えるか、またはフィターゼを
クロスリンクする。安定化された、好ましくは熱安定化
された乾燥製剤を得るためには、フィターゼを、a)選
択した安定化剤の存在下でスプレー乾燥または顆粒状に
する、またはb)化学的にクロスリンクする。
【0037】1つの好ましい態様において、液体酵素製
剤は、ポリエチレングリコールが最終製剤中に10〜50%
(w/w)の濃度で存在する、安定化剤としてのポリエチ
レングリコールを含む。
【0038】好ましくは酵素製剤は、分子量1000〜3350
Daのポリエチレングリコールを含む。分子量約1450の
ポリエチレングリコールを使用することが特に好まし
い。好ましい範囲からわずかに外れた分子量(それぞ
れ、600 Daおよび4000 Da)を有するポリエチレングリ
コールは、なお妥当な作用を示すが、あまり好ましくな
い。ポリエチレングリコールの安定化作用は分子量依存
的であることが示された(図2および3参照)。
【0039】本発明のもう一つの好ましい態様におい
て、安定化剤はキシリトールまたはリビトールである。
いずれも5炭素原子構造を有する糖アルコールである。
キシリトールおよびリビトールは、最終液体製剤中に20
〜60%(w/w)の濃度で用いることが好ましい。意外に
もキシリトールおよびリビトールは、例えば、A. フミ
ガーツスフィターゼの安定化剤として、65℃で測定した
特異的活性を12.5%の濃度で11〜12 U/mgに増加し、ポ
リオールの25%濃度では51〜90 U/mgに増加した(図4
参照)。
【0040】本発明のもう一つの態様において、液体酵
素製剤は、最終製剤中の塩濃度が10〜30%(w/w)の範
囲内であるグルタル酸、コハク酸、またはマロン酸の二
ナトリウム塩を安定化剤として含む。マロン酸塩、コハ
ク酸塩、およびグルタル酸塩を25%濃度で加えると、A.
フミガーツスフィターゼの熱安定性は有意に増加し
て、図6からわかるように、マロン酸塩では70℃、なら
びにコハク酸塩およびグルタル酸塩では65℃でもかなり
の活性が検出された。
【0041】それに加えて、カルボン酸塩によって刺激
したA. フミガーツスのフィターゼ活性を37℃で測定す
ると、マロン酸塩の場合約4倍の増加、コハク酸塩の場
合は2倍の増加が認められたが、グルタル酸の場合には
効果は軽微であった。マロン酸塩の異なる濃度(5、10
および25%)を調べると、A.フミガーツスフィターゼの
熱安定化は濃度依存的であるが、酵素活性の刺激は少な
くともこの濃度範囲では濃度依存的でないことが示され
た(図7参照)。これらの知見とは対照的に、モノカル
ボン酸である酢酸ナトリウムの異なる濃度(5、10およ
び25%)は、37℃でのA. フミガーツスフィターゼの特
異的活性を2倍まで増加させたが、蛋白質の熱安定性に
及ぼす効果は軽微であった(図8参照)。したがって、
カルボン酸基は活性制御に関与し、双機能性ジカルボン
酸塩は、おそらくイオン相互作用によってフィターゼを
安定化すると結論されると考えられる。マロン酸ナトリ
ウムおよびコハク酸ナトリウムは一般にA. ニデュラン
ス、A. テレウスCBS、A. ニガーのフィターゼおよびコ
ンセンサスフィターゼの熱安定性を5〜15℃増加させ
た。一方、フィターゼ活性の刺激は、いずれも特異的活
性がやや弱いA. ニデュランスおよびA. フミガーツスの
フィターゼに限って認められたが、A. テレウスCBS、A.
ニガーのフィターゼおよびコンセンサスフィターゼに
ついては認められなかった(図9および10参照)。
【0042】本発明のもう一つの態様において、酵素製
剤は、最終液体製剤中での濃度が1〜20%で、好ましく
は1〜10%(w/w)である、ポリマーであるカルボキシ
メチルセルロースおよび/またはアルギン酸ナトリウム
を安定化剤として含む。これらのポリマーをA. フミガ
ーツスフィターゼ製剤に加えると、フィターゼの熱安定
性は5〜10%有意に増加した。
【0043】本発明のもう一つの態様において、酵素製
剤は、安定化剤としてアルギン酸、好ましくはアルギン
酸ナトリウムを、最も好ましくは最終液体製剤中に1〜
10%(w/w)の濃度で含む。
【0044】本発明のさらなる態様において、酵素製剤
は、クロスリンクしたフィターゼを含む。そのような安
定化したフィターゼ型を調製する場合、グルタルアルデ
ヒドをある濃度でフィターゼに加えると、蛋白質のオリ
ゴマー形成が起こる。
【0045】もう一つの態様において、酵素製剤は、そ
の糖質鎖を通じてクロスリンクしたフィターゼを含む。
クロスリンクは、第一段階として糖質残基の過ヨウ素酸
塩による酸化を含み、その後、生成したアルデヒド基を
アジピン酸ジヒドラジドと反応させる段階を含む。
【0046】用いる条件に応じて、クロスリンク反応
は、酵素の様々な誘導体、すなわち a) アジピン酸ジヒドラジドの一つのヒドラジド基のみ
と反応した改変型酵素分子、 b) 分子間クロスリンクを伴う、または伴わない分子内
クロスリンク型酵素、および c) 分子間クロスリンク可溶性オリゴマーまたは不溶性
ポリマーを生じさせることができる。
【0047】ほとんどの場合、反応はいくつかのタイプ
の混合物を生じる。共にハンゼヌラ・ポリモルファ(Ha
nsenula polymorpha)で発現したA.フミガーツスおよび
コンセンサスフィターゼのクロスリンクにより、オリゴ
マー型が形成された。クロスリンクの程度は、酵素酸化
の程度を変化させることによって有効に調節することが
できる。フィターゼの最適な熱安定化は、50 mM過ヨウ
素酸ナトリウムを5 mg/mlフィターゼ溶液に加えた場合
に認められた。いずれのフィターゼに関しても、10〜15
℃の熱安定性の増加を認めた(図12参照)。酸化された
フィターゼは、アジピン酸ジヒドラジドを添加しなくと
も、有意な量の二量体、三量体および四量体を形成する
ことに注目すること(図11A参照)。
【0048】本発明のもう一つの局面は、乾燥/固体フ
ィターゼ製剤を生成するための添加剤として、記載され
た安定化剤を使用することに関する。本発明のこの態様
において、安定化剤(1〜20%(w/w)キシリトール/
リビトール、好ましくは分子量1000〜3350 Daのポリエ
チレングリコールの1〜20%(w/w)、および/または
1〜20%(w/w)のマロン酸塩、コハク酸塩およびグル
タル酸塩のようなジカルボン酸塩、および/またはカル
ボキシメチルセルロースおよび/またはアルギン酸塩
(alignate)、好ましくはアルギン酸ナトリウムのポリ
マーの1〜10%(w/w))を、フィターゼ液体(クロス
リンクまたは非クロスリンク型)100〜200 mlに溶解す
るか、または固体成分として標準的な顆粒化混合物(結
合剤としてスルホン酸リグニン、担体としてシリカおよ
び石膏(gipsum)を含む)に加えた。そのような製剤に
よって、流動層乾燥器において45℃で15分間という顆粒
の乾燥工程を含む高剪断顆粒化プロセス後に測定したフ
ィターゼ活性の回収率を増加(20%まで)させることが
できる。さらに、安定化剤を含むそのような顆粒は、飼
料と混合した際に、該添加剤を加えない顆粒と比較して
飼料処理(例えば85℃でのペレット化プロセス)後に酵
素活性の回収率の増加を示すことができる。
【0049】本発明のもう一つの局面は、請求項1〜13
のいずれかの熱安定化した乾燥または液体の酵素製剤を
飼料に添加した、単胃動物用の飼料組成物を調製する方
法に関する。フィターゼ添加飼料には、一時的に高温に
なる可能性があるため、熱安定化が有利となるような押
し出し成型、膨張、およびペレット化のような飼料加工
のいくつかの方法を行うことができる。
【0050】本発明の安定化した酵素製剤は、例えば飼
料ペレットに適用することができる。熱安定化液体酵素
製剤を、水道水で希釈して、望ましいフィターゼ活性
(100〜200フィターゼ単位/g溶液)を有する溶液を作
製してもよい。飼料ペレットを機械攪拌機に移して、加
えたフィターゼ活性が、例えば500単位フィターゼ/kg飼
料ペレットとなる均一な製品が得られるように十分に混
合しながら、希釈した酵素製剤を飼料ペレット上に吹き
付ける。または、乾燥もしくは液体の酵素製剤を、すり
つぶした状態の飼料と直接混合して、その後この混合物
にペレット化、膨張または押し出し成型のようなプロセ
スを行うことができる。
【0051】さらなる局面において、本発明は、本発明
の飼料で動物を飼育し、さらなる燐を飼料に加えない
で、燐の食餌必要量を単胃動物に提供する方法に関す
る。
【0052】本発明の実験結果を添付の図面に示す。
【0053】
【実施例】実施例1. a) 材料 フィチン酸(ドデカナトリウム塩)およびポリエチレン
グリコール、ポリオール、ジカルボン酸ナトリウム、過
ヨウ素酸ナトリウム、アジピン酸ジヒドラジド、および
その他の添加剤を販売元から購入した。その他の化学物
質は全て少なくとも分析等級であった。HiTrap脱塩カラ
ム5 mlをファルマシア社(Pharmacia)から得た。SDS-
PAGEゲル(4〜12%NuPAGEビストリス・プレキャスト)
および緩衝液は、ノベックス社(NOVEX)から送っても
らった。
【0054】b) フィターゼの発現および精製 A. フミガーツス(A. fumigatus)、A. テレウス(A. t
erreus)CBSのフィターゼおよびコンセンサスフィター
ゼを、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenulapolymorph
a)で過剰発現させた。A. ニガー(A. niger)およびA.
ニデュランス(A. nidulans)のフィターゼをA. ニガ
ーで過剰発現させた。これらのフィターゼのクローニン
グ、精製および特徴付けは、パサモンテスら(Pasamont
es、[Appl. Environ. Microbiol.(1997)、63、1696〜
1700頁])によって既に記述されている。コンセンサス
フィターゼの構築、クローニングおよび精製は、欧州特
許出願第897 985号に従って実施した。非製剤化コンセ
ンサスフィターゼは、熱安定性が70℃まで増加し、そし
てアミノ酸置換(50位のLをQ)によって、A. フミガー
ツスフィターゼと比較して特異的活性が3倍増加した。
【0055】c) フィターゼ活性アッセイ 熱安定性を決定するため、さまざまな温度で、0.2 M酢
酸ナトリウム、pH 5.0(±添加剤%w/wで)に、精製酵
素を0.05 U/ml(37℃で測定した活性)で希釈すること
によって、フィチン酸による酵素活性測定を実施した。
蛋白質溶液のアリコート(250 μl)を望ましい温度で
5分間プレインキュベートして、その後1%フィチン酸
の0.2 M酢酸ナトリウム溶液、pH 5.0を等量加えた(同
じ温度で10mlアリコートとして10分プレインキュベート
する)。試料を望ましい温度で(例えば添加剤の効果を
スクリーニングするために60℃または65℃で)、15分間
インキュベートした後、15%トリクロロ酢酸0.5 mlを加
えて反応を停止させた。遊離の無機燐の測定は標準的な
方法によって実施した。
【0056】d) 熱安定化添加剤の評価 一般に、ポリオールは、0.2 M酢酸ナトリウム、pH 5.0
に、25または50%(w/w)の濃度で溶解されている。PEG
は50%濃度に溶解したが、分子量4000、8000および1000
0のPEGは25%濃度で用いた。PEGおよびその他のポリオ
ールのスクリーニングのために、プレインキュベーショ
ンおよび反応温度はA. ニデュランスおよびA. テレウス
CBSのフィターゼに関しては60℃、A. フミガーツスおよ
びA. ニガーのフィターゼに関しては65℃、そしてコン
センサスフィターゼに関しては75℃を選択した。
【0057】マロン酸二ナトリウム、コハク酸二ナトリ
ウムおよびグルタル酸二ナトリウムは、5、10および25
%の濃度に溶解し、フィターゼ活性を、以下の温度で添
加剤および基質(上記参照)を加えて酵素をプレインキ
ュベートした後に測定した:37、45、50、55、60、65、
70、75、80、および85℃。同様に、25%キシリトールお
よびリビトールの存在下での異なるフィターゼの活性の
温度依存性を調べた。添加剤の濃度は基質添加後に半減
することに注目すること。
【0058】e) 糖質鎖のクロスリンク フィターゼ糖質鎖のクロスリンクは、インベルターゼに
ついて、セシら(Cesi)が記述しているところにしたが
って行った[「有機化学研究47:酵素の安定性と安定
化」(Studies in Organic Chemistry 47:Stability a
nd Stabilizationof Enzyme)、1992年オランダ、マー
ストリヒトで開催された国際シンポジウムの議事録、El
sevier Science Publications B.V.、アムステルダム、
オランダ]。フィターゼ試料(5 mg蛋白質/ml)を、0.2
M酢酸ナトリウム溶液、pH 5.0中の異なる濃度(0、
5、10、20、30、40および50 mM)の過ヨウ素酸ナトリ
ウム存在下、30℃で2時間インキュベートし、4℃で一
晩保存した。各試料をアクタ・エクスプローラシステム
(AktaExplorer system、Pharmacia)に接続したHiTrap
脱塩カラム(Pharmacia)5 mlで、溶出緩衝液として0.
2 M酢酸ナトリウム、pH 5.0を用いて脱塩した。0.2 M酢
酸ナトリウム、pH 5.0に溶解した0.5 Mアジピン酸ジヒ
ドラジド100 μlを、脱塩した酸化産物900 μlに加える
ことによってクロスリンクを行った。試料のフィターゼ
活性の測定およびゲル電気泳動は、酸化およびクロスリ
ンク段階の双方の後に実施した。
【0059】f) 熱安定化フィターゼの高剪断顆粒化 フィターゼ溶液100〜250 ml(クロスリンクまたは非ク
ロスリンクフィターゼを全体で2500〜5000単位)を、5
〜10%のスルホン酸リグニンカルシウム(ボレガード、
ノルウェー)、5〜20%シリカ(シペルナート50S、デ
グッサ、ドイツ)、0〜20%熱安定化剤および石膏(gi
psum)の乾燥混合物1 kgに加えた。高剪断顆粒化プロ
セスの際に、所望の特性を有する顆粒が形成されるまで
水を加えた。顆粒を流動層乾燥器で45℃で15分乾燥さ
せ、その後天然のパーム油(パーム46、フロリン、バー
ゼル、スイス)で脂質コーティングを行った。
【0060】g) 熱安定化乾燥および液体フィターゼ製
剤のペレット化安定性 フィターゼの熱安定化した乾燥または液体の製剤(上
記)を飼料と混合して、その後85℃での蒸気条件下でペ
レットにした。フィターゼのペレット化安定性は、ペレ
ット形成前のマッシュ状態および輸送されたペレットの
双方においてフィターゼ活性を測定することによって決
定した。
【0061】実施例2.実施例1に記述のように、異な
る真菌フィターゼ活性の温度依存性を調べたところ、以
下の温度での最大活性が明らかになった:A. フミガー
ツスフィターゼおよびA. ニガーフィターゼに関しては5
5℃、A. テレウスCBSフィターゼおよびA. ニデュランス
のフィターゼに関しては45℃、そしてコンセンサスフィ
ターゼに関しては65℃。ポリオール、ポリエチレングリ
コール、ジカルボン酸塩、カルボキシメチルセルロー
ス、およびアルギン酸ナトリウムがフィターゼの熱安定
性に及ぼす効果を調べるスクリーニング点として、測定
した最高温度の10〜15℃上の温度を選択した。
【0062】a) 異なる分子量のポリエチレングリコー
ルの添加 50%または25%(反応期間中の最終濃度25%および12.5
%)のポリエチレングリコールを加えると、65℃で測定
したA. フミガーツスフィターゼの特異的活性は分子量
依存的に増強され、最高値はPEG 1450(特異的活性80 U
*(mg蛋白質)-1)で認められ、PEG 1000(50 U*(mg蛋白
質)-1)およびPEG 3350(42 U*(mg蛋白質)-1)でもかな
りの活性を認めた。この実験の結果を図2に要約する。
【0063】分子量600、1000、1450、3350および4000
DaのPEGは、調べたその他のフィターゼに対しても同様
の効果を示した。この実験の結果を図3に示す。
【0064】b) ポリオールの添加 25%および50%濃度の、ポリオールであるリビトール、
キシリトール(C5糖)およびソルビトール(C6糖)は、
A. フミガーツスフィターゼの熱安定性を有意に改善し
た。これを図4に示す。
【0065】エリスリトール、マンニトール、マンノヘ
プツロースおよびマンノヘプトースは、0.2 M酢酸ナト
リウム、pH 5.0に50%濃度では溶解しなかったため、25
%での値のみを示す。65℃で測定した特異的活性は、そ
れぞれ、25%リビトール、キシリトールおよびソルビト
ールの存在下では11、21および11 U*(mg蛋白質)-1、な
らびにリビトール、キシリトール、およびソルビトール
の50%溶液の存在下では、51、90および74 U*(mg蛋白
質)-1であった。
【0066】グリセロール(C3糖)、エリスリトール
(C4糖)、マンノヘプトースおよびマンノヘプツロース
(C7糖)のような、炭素原子が6個より多いか、または
5個より少ないポリオールは、A. フミガーツスフィタ
ーゼの熱安定化に対する効果が劣っていた。
【0067】また、50%濃度のキシリトールは同様に、
A. ニデュランス、A. テレウスCBS、A. ニガーのフィタ
ーゼおよびコンセンサスフィターゼの至適温度を10〜15
℃上昇させた。結果を図5に示す。
【0068】c) ジカルボン酸の添加 25%濃度のマロン酸塩、コハク酸塩およびグルタル酸塩
(活性アッセイでの最終濃度12.5%)は、A. フミガー
ツスフィターゼの熱安定性の有意な増加をもたらした
が、マロン酸塩では70℃でもかなりの活性が検出され、
コハク酸塩およびグルタル酸塩では65℃でもかなりの活
性が検出された。結果を図6に示す。
【0069】さらに、ジカルボン酸塩は、37℃で測定し
たA. フミガーツスフィターゼの活性を刺激し、マロン
酸塩の場合、フィターゼ活性は約4倍増加し、コハク酸
塩の場合、2倍増加したが、グルタル酸塩の作用は軽微
な作用であった。マロン酸塩を異なる濃度(5、10およ
び25%)で調べると、A. フミガーツスフィターゼの熱
安定化は濃度依存的であるのに対し、酵素活性の刺激
は、少なくともこの濃度範囲では濃度依存的でなかった
ことが示された。これを図7に示す。
【0070】これらの知見とは対照的に、モノカルボン
酸である異なる濃度の酢酸ナトリウム(5、10および25
%)は、A. フミガーツスフィターゼの特異的活性を37
℃で2倍増加させたが、蛋白質の熱安定性に対する作用
はごく軽微であった。これを図8に示す。
【0071】マロン酸二ナトリウムおよびコハク酸二ナ
トリウムは、一般に、A. ニデュランス、A. テレウスCB
S、A. ニガーのフィターゼおよびコンセンサスフィター
ゼの熱安定性を5〜15℃増加させた。一方、フィターゼ
活性の刺激はA. ニデュランスおよびA. フミガーツスの
フィターゼに限って認められたが、いずれもどちらかと
言えば特異的活性は弱く、A. テレウスCBSフィターゼ、
A. ニガーフィターゼおよびコンセンサスフィターゼに
ついては活性が認められなかった。これを図9および10
に示す。
【0072】d) クロスリンクの効果 予備実験において、A. フミガーツスフィターゼモノマ
ーを、グルタルアルデヒドとのインキュベートによって
クロスリンクした。60℃で測定した得られた熱安定化
は、1時間の反応時間後に最大に達したが、活性は失わ
れた(37℃で測定)。さらなる一連の実験において、A.
フミガーツスフィターゼモノマーを、その糖質鎖を通
じてクロスリンクした。このタイプのクロスリンクは特
異的活性の損失がごく軽微で(<10%)、過ヨウ素酸ナ
トリウムが15 mMの濃度を超えるとオリゴマー型が形成
された。これを図11に示す。
【0073】熱安定化の程度は過ヨウ素酸濃度に依存し
て、50 mMで最大に達し、この場合高い特異的活性が75
℃まで認められた(図12参照)。フィターゼのオリゴマ
ー形成が熱安定性に及ぼす顕著な作用は、その糖質鎖を
通じてクロスリンクしたコンセンサスフィターゼについ
ても同様に認められた。これは図12に見ることができ
る。
【0074】本研究において、本発明者らは、工業用酵
素の安定化のために強く推奨されている低分子量添加
剤、および化学修飾−たとえこの後者のアプローチが技
術的および経済的理由から魅力的でないと一般的に見な
されていたとしても−これらの熱安定化作用に努力を傾
けた。
【0075】本発明者らは、糸状菌(A. ニガー)また
は酵母(ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymo
rpha))において発現される、広範囲の異なるフィター
ゼについても、C5糖によって熱安定化が得られることを
見出した。熱安定性の増加は、フィターゼが異なればあ
る程度変化はしたが、約10℃であった。PEGの効果は分
子量依存的であった。全てのフィターゼについて最適な
熱安定化は、分子量1000〜3350 DaのPEGによって得られ
た。
【0076】モノカルボン酸であり、標準的なフィター
ゼ活性アッセイの主な成分である酢酸ナトリウムは、A.
フミガーツスフィターゼ活性の濃度依存的増加を引き
起こしたが、フィターゼ熱安定性には作用を及ぼさなか
った。したがって、カルボン酸基は、活性の制御に関与
する可能性があるが、双機能ジカルボン酸塩はおそらく
イオン相互作用によってフィターゼを安定化すると考え
られる。
【0077】実施例3. コンセンサスフィターゼ-1のアミノ酸配列のデザイン アミノ酸配列のアラインメント アラインメントは、配列解析パッケージリリース9.0
(デベリューら(Devereux)、1984)から標準的なパラ
メータ(ギャップ作製ペナルティ12、ギャップ伸長ペナ
ルティ4)を用いたプログラムPILEUPを用いて計算し
た。ギャップの位置はテキストエディタを用いて再調整
した。表1は、表1で述べるようなアミノ酸(aa)から
始まるアラインメントを行うのに用いた、シグナル配列
を有しない配列(図13参照)を示す。
【表1】コンセンサスフィターゼ-1のデザインに用いた
フィターゼアミノ酸配列の起源および計算加重 − アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreu
s)9A-1からのphyA、aa 27、計算加重0.5(ミッチェル
ら(Mitchell)、1997) − アスペルギルス・テレウスcbs 116.46からのphyA、
aa 27、計算加重0.5(ファン・ルーンら(van Loon)、
1998) − アスペルギルス・ニガー変種アワモリ(Aspergillu
s niger var. awamori)からのphyA、aa 27、計算加重
0.33(ピディントンら(Piddington)、1993) − アスペルギルス・ニガーT213からのphyA、aa 27、
計算加重0.33 − アスペルギルス・ニガーNRRL 3135株からのphyA、a
a 27、計算加重0.33(ファン・ハーティングスベルト
(van Hartingsveldt)、1993) − アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumi
gatus)ATCC 13073からのphyA、aa 26、計算加重0.2
(パサモンテスら(Pasamontes)、1997) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 32722からのph
yA、aa 26、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 58128からのph
yA、aa 26、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 26906からのph
yA、aa 26、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 32239からのph
yA、aa 30、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − エメリセラ・ニデュランス(Emericella nidulan
s)からのphyA、aa 25、計算加重1.0(パサモンテスら
(Pasamontes)、1997a) − タラロミセス・サーモフィルス(Talaromyces ther
mophilus)ATCC 20186からのphyA、aa 24、計算加重1.0
(パサモンテスら(Pasamontes)、1997a) − ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora t
hermophila)からのphyA 、aa 19、計算加重1.0(ミッチ
ェルら(Mitchell)、1997)
【0078】コンセンサスフィターゼ-1のアミノ酸配列
の計算 入力として再調整したアラインメントを用いて、コンセ
ンサス配列を配列解析パッケージリリース9.0(デベリ
ューら(Devereux)、1984)からのプログラムPRETTYに
よって計算した。PRETTYは、アラインメントしたカラム
に従って配列を印刷し、コンセンサス配列をアラインメ
ントを見るために示すことができる。アラインメントし
たフィターゼのアミノ酸配列間の類似性に関して与える
計算加重を全ての配列に割付した。計算加重は、1つの
配列サブグループ(同じ種、しかし異なる株)からの全
てのフィターゼの影響を合わせたものとして設定し、例
えばA. フミガーツスからの全てのフィターゼのアミノ
酸配列を選択時に1に設定したが、すなわちそれは株の
配列の数で1を除した値で各配列が寄与することを意味
する(表1参照)。この手段によって、非常に類似した
アミノ酸配列、例えば異なるA. フミガーツス株からの
フィターゼの配列が、計算したコンセンサス配列の優位
を占めないようにすることが可能となった。
【0079】プログラムPRETTYは以下のパラメータで開
始した。それより下では一致を見ない計算加重の数を定
義する複数性を2.0に設定した。それより下ではアミノ
酸残基が同類の残基に対して加重されない採点マトリク
ス値を決定する閾値を2に設定した。PRETTYは、ペプチ
ドのPrettyPep.Cmpコンセンサス採点マトリクスを用い
た。
【0080】プログラムがコンセンサス残基を決定する
ことができないアラインメント中の10個の位置(46、6
6、82、138、162、236、276、279、280、308位;図13)
を以下の規則に従って手で埋めた:最も度数の高い残基
が存在すれば、この残基を選択した(138、236、28
0);類似または系統発生的に同等な残基の優勢なグル
ープが存在する場合、最も度数の高い残基を、それが利
用できなければ、このグループの1つの残基を選択した
(46、66、82、162、276、308)。優勢な残基も優勢な
グループも存在しない場合、発生する残基の1つを、蛋
白質安定性に及ぼすそれらの影響についての一般的な仮
定に基づいて選択した(279)。その他の8個の位置(1
32、170、204、211、275、317、384、447;図13)は、
プログラムによって選択されたアミノ酸残基で埋められ
なかったが、プログラムによって選択された残基と通常
同じ頻度で起こるアミノ酸で埋められた。ほとんどの場
合、3つのA. ニガー配列のわずかな過小評価(計算加
重の合計:0.99)はこの修正によって消失した。
【0081】コンセンサスフィターゼ-1のアミノ酸配列
のDNA配列への変換 A. テレウスcbs 116.46フィターゼの最初のアミノ酸26
個をシグナルペプチドとして用いて、したがって全ての
コンセンサスフィターゼのN-末端と融合させた。この伸
長部に関して、本発明者らは特殊な方法を用いて、対応
するDNA配列を計算した。プルビスら(Purvis)(198
7)は、遺伝子中のまれなコドンの取り込みが蛋白質の
立体構造形成効率に影響を及ぼすと提唱した。したがっ
て、コンセンサスフィターゼの作製に用いられ、蛋白質
の分泌に非常に重要であるが、S.セレビジエ(S. cerev
isiae)でのコドン使用に合うよう変換されている、A.
テレウスcbs 116.46のシグナル配列におけるまれなコド
ンの分布を、少なくとも、S. セレビジエでの発現のた
めに作製した新たなシグナル配列の中に移した。蛋白質
の残りの部分については、本発明者らは、GCGプログラ
ムパッケージから得た、高頻度で発現するS. セレビジ
エ遺伝子のコドン度数分布表を用いて、計算したアミノ
酸配列をDNA配列に翻訳した。この結果得られたfcp遺伝
子の配列を図14に示す。
【0082】コンセンサスフィターゼ-1遺伝子の構築と
クローニング コンセンサスフィターゼ-1(fcp)について計算したDNA
配列を、センス鎖とアンチセンス鎖の配列を交互に用い
て85 bpのオリゴヌクレオチドに分割した。それぞれの
オリゴヌクレオチドは反対鎖のその前後のオリゴヌクレ
オチドと20 bpが重なり合う。全てのプライマーは、バ
ルガック(スイス)にあるミクロシンス社(Myclosynt
h)から購入し、PAGE精製された形状で入手したが、そ
の位置を図14に示す。
【0083】PCR-反応 3つのPCR反応において、合成オリゴヌクレオチドを全
遺伝子に構成した。PCRに関しては、ベーリンガー・マ
ンハイム社(Boehringer Mannheim、マンハイム、ドイ
ツ)のハイフィデリティーキット(High Fidelity Ki
t)、およびサーモサイクラーとして、AMSバイオテクノ
ロジー社(AMS Biotechnology, ヨーロッパ)(ルガ
ノ、スイス)からのプロトコル(Protokol[商標登録])
を用いた。
【0084】オリゴヌクレオチドCP-1からCP-10まで
(ミックス1、図14)を、各オリゴヌクレオチドについ
て0.2 pMol/μlの濃度で混合した。第二のオリゴヌクレ
オチド混合物(ミックス2)は、CP-9からCP-22(各オ
リゴヌクレオチドについて0.2 pMol/μl)までについて
調製した。さらに、PCR反応では下記の4つの短いプラ
イマーを用いた: PCR反応a: 10 μl ミックス1(各オリゴヌクレ
オチド2.0 pmol) 2μl ヌクレオチド(各ヌクレオチド10 mM) 2μl プライマーCP-a(10 pmol/μl) 2μl プライマーCP-c(10 pmol/μl) 10.0 μl PCR緩衝液 0.75 μl ポリメラーゼ混合物 73.25 μl H2O PCR反応b: 10 μl ミックス2(各オリゴヌクレオ
チド2.0 pmol) 2μl ヌクレオチド(各ヌクレオチド10 mM) 2μl プライマーCP-b(10 pmol/μl) 2μl プライマーCP-e(10 pmol/μl) 10.0 μl PCR緩衝液 0.75 μl ポリメラーゼ混合物(2.6 U) 73.25 μl H2O PCR反応aおよびbについての反応条件: ステップ1 2分−45℃ ステップ2 30秒−72℃ ステップ3 30秒−94℃ ステップ4 30秒−52℃ ステップ5 1分−72℃ ステップ3から5を40回繰り返した。
【0085】PCR産物(670および905 bp)をアガロース
ゲル電気泳動(0.9%アガロース)およびその後のゲル
抽出(QIAEX IIゲル抽出キット、QIAGEN、ヒルデン、ド
イツ)によって精製した。精製したDNA断片をPCR反応c
に用いた。 PCR反応c: 6μl 反応aの PCR産物(〜50 ng) 6μl 反応bの PCR産物(〜50 ng) 2μl プライマーCP-a(10 pmol/μl) 2μl プライマーCP-e(10 pmol/μl) 10.0 μl PCR緩衝液 0.75 μl ポリメラーゼ混合物(2.6 U) 73.25 μl H2O PCR反応cの反応条件: ステップ1 2分−94℃ ステップ2 30秒−94℃ ステップ3 30秒−55℃ ステップ4 1分−72℃ ステップ2〜4を31回繰り返した。
【0086】得られたPCR産物(1.4 kb)を上記のよう
にして精製し、Eco RIで消化して、Eco RI消化して脱燐
酸化したpBsk(-)ベクター(Stratagene、ラホヤ、カリ
フォルニア州、アメリカ)にライゲーションした。ライ
ゲーション混合液1μlを用いて大腸菌XL-1コンピテン
ト細胞(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア州、アメ
リカ)を形質転換した。標準的な技法は全て、サムブル
ックら(Sambrook、1987)が記述したようにして実施し
た。構築されたコンセンサスフィターゼ遺伝子(fcp、
図14)のDNA配列は、当技術分野で既知のシークエンシ
ングによってチェックした。
【0087】実施例4. 改良したコンセンサスフィターゼ(コンセンサスフィタ
ーゼ-10)のアミノ酸配列のデザイン コンセンサスフィターゼ-10のデザインに用いたアライ
ンメントを、配列解析パッケージリリース9.0(デベリ
ューら(Devereux)、1984)からのプログラムPILEUPを
用いて標準的なパラメータ(ギャップ作製ペナルティ1
2、ギャップ伸長ペナルティ4)で計算した。ギャップ
の位置はテキストエディタを用いて再調整した。
【0088】表2に述べたアミノ酸(aa)から始まる担
子菌(Basidiomycetes)フィターゼのアラインメント
に、以下の配列を用いた:
【表2】対応するアミノ酸コンセンサス配列(バシディ
オ)の計算に用いた5個の担子菌フィターゼの起源およ
び計算加重 − パクシラス・インボルツス(Paxillus involutus)
NN005693からのphyA1、aa 21、計算加重0.5(国際公開
公報第98/28409号) − パクシラス・インボルツスNN005693からのphyA2、a
a 21、計算加重0.5(国際公開公報第98/28409号) − トラメテス・ピュベセンス(Trametes pubescens)
NN9343からのphyA、aa 24、計算加重1.0(国際公開公報
第98/28409号) − アグロサイブ・ペディアデス(Agrocybe pediade
s)NN009289からのphyA、aa 19、計算加重1.0(国際公
開公報第98/28409号) − ペニオフォラ・リシイ(Peniophora lycii)NN0061
13からのphyA、aa 21、 計算加重1.0(国際公開公報第98/28409号) アラインメントを図3に示す。
【0089】最終アラインメントの実行に用いた遺伝子
を、表3に示す。アラインメントの中で用いた配列の最
初のアミノ酸(aa)を菌の名称の次に述べる。
【表3】コンセンサスフィターゼ10のデザインに用いた
フィターゼ配列の起源および計算加重 − アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreu
s)9A-1からのphyA、aa 27、計算加重0.5(ミッチェル
ら(Mitchell)、1997) − アスペルギルス・テレウスcbs 116.46からのphyA、
aa 27、計算加重0.5(ファン・ルーンら(van Loon)、
1998) − アスペルギルス・ニガー変種アワモリ(Aspergillu
s niger var. awamori)からのphyA、aa 27、計算加重
0.5(ピディントンら(Piddington)、1993) − アスペルギルス・ニガー株NRRL3135からのphyA、aa
27、計算加重0.5(ファン・ハーティングスベルトら
(van Hartingsbeldt)、1993) − アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumi
gatus)ATCC 13073からのphyA、aa 26、計算加重0.2
(パサモンテスら(Pasamontes)、1997) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 32722からのph
yA、aa 26、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 58128からのph
yA、aa 26、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 26906からのph
yA、aa 26、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − アスペルギルス・フミガーツスATCC 32239からのph
yA、aa 30、計算加重0.2(ファン・ルーンら(van Loo
n)、1998) − エメリセラ・ニデュランス(Emericella nidulan
s)からのphyA、aa 25、計算加重1.0(パサモンテスら
(Pasamontes)、1997a) − タラロミセス・サーモフィルス(Talaromyces ther
mophilus)ATCC 20186からのphyA、aa 24、計算加重1.0
(パサモンテスら(Pasamontes)、1997a) − ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora t
hermophila)からのphyA、aa 19、計算加重1.0(ミッチ
ェルら(Mitchell)、1997)。 − サーモミセス・ラヌギノーサ(Thermomyces lanugi
nosa)からのphyA、aa 36、計算加重1.0(ベルカら(Be
rka)、1998) − 5個の担子菌(Basidiomyces)フィターゼのコンセ
ンサス配列、計算加重1.0(バシディオ、図15) 対応するアラインメントを図16に示す。
【0090】コンセンサス-10のアミノ酸配列の計算 アラインメントを改善するために、本発明者らは、バシ
ディオ(Basidio)と呼ばれ、不明確な配列位置(図1
5)をなお含む、4種類の異なる担子菌からの5個のフ
ィターゼについての最初のコンセンサス配列、最初のコ
ンセンサスフィターゼの計算に用いたほぼ全てのフィタ
ーゼ配列、および子嚢菌(Ascomycete)であるサーモミ
セス・ラヌギノーサ(Thermomyces lanuginosa)からの
1つの新規フィターゼ配列を加えて、より大きいアライ
ンメントを作成した。担子菌フィターゼ配列のコンセン
サス配列を用いて、5種のアミノ酸配列間の多様性は考
慮せず、子嚢菌と担子菌間のフィターゼの共通および異
なるアミノ酸残基を考慮する。
【0091】本発明者らは、複数性を2.0および閾値を
3に設定した。使用した計算加重を表3に記す。アライ
ンメントおよび対応するコンセンサス配列を図16に示
す。新たなコンセンサスフィターゼ配列は、最初のコン
センサスフィターゼと比較してアミノ酸32個が異なる。
プログラムPRETTYがコンセンサスアミノ酸残基を計算す
ることができない位置は、実施例3に記述の規則に従っ
て埋めた。プログラムによって示唆されたいずれの残基
も置換しなかった。
【0092】さらに、本発明者らは全ての担子菌フィタ
ーゼを単一のアミノ酸配列として含めたが、アラインメ
ントにおいては計算加重0.2を割付した。対応するアラ
インメントを図18に示す。計算したコンセンサスアミノ
酸配列(コンセンサスフィターゼ-11)は、コンセンサ
スフィターゼ-10の配列とは以下のような違いを有す
る:文字Xは、プログラムがコンセンサスアミノ酸を計
算することができないことを意味し、括弧内のアミノ酸
は、コンセンサスフィターゼ-10に最終的に含められた
アミノ酸に対応する。D35X、X(K)69K、X(E)100E、A101
R、Q134N、X(K)153N、X(H)190H、X(A)204S、X(E)220D、
E222T、V227A、X(R)271R、H287A、X(D)288D、X(K)379
K、X(I)389I、E390X、X(E)415E、X(A)416A、X(R)446
L、E463A、ここで数字は図17と同じである。
【0093】本発明者らはまた、改善されたコンセンサ
ス配列10および11によって示唆された単一のアミノ酸置
換が最初のコンセンサスフィターゼの安定性に及ぼす影
響をチェックした。方法を実施例5に記述する。
【0094】コンセンサスフィターゼ-10アミノ酸配列
のDNA配列への変換 A. テレウスcbs 116.46フィターゼの最初のアミノ酸残
基26個をシグナルペプチドとして用いて、したがって、
コンセンサスフィターゼ-10のN-末端と融合させた。用
いた技法を実施例3にさらに記述する。
【0095】この結果得られたfcp 10遺伝子の配列を図
17に示す。
【0096】コンセンサスフィターゼ-10遺伝子(fcp1
0)の構築およびクローニング fcp10について計算したDNA配列を、センス鎖とアンチセ
ンス鎖の配列を交互に用いて85 bpのオリゴヌクレオチ
ドに分割した。それぞれのオリゴヌクレオチドは反対鎖
のその前後のオリゴヌクレオチドと20 bpが重なり合
う。プライマーは全てミクロシンス社(Myclosynth)、
バルガック(スイス)から購入し、PAGE精製された形で
入手したが、その位置を図17に示す。
【0097】PCR-反応 3つのPCR反応において、合成オリゴヌクレオチドを全
遺伝子に構成した。PCRに関しては、ベーリンガー・マ
ンハイム社(Boehringer Mannheim)(マンハイム、ド
イツ)のハイフィデリティーキット(High Fidelity Ki
t)、およびサーモサイクラーとして、AMSバイオテクノ
ロジー社(AMS Biotechnology, ヨーロッパ)(ルガ
ノ、スイス)からのプロトコル(Protokol[商標登録])
を用いた。ミックス 1.10: CP-1, CP-2, CP-3.10, CP-4.10, CP-5.
10, CP-6, CP-7.10, CP-8.10, CP-9.10, CP-10.10ミックス 2.10: CP-9.10, CP-11.10, CP-12.10, CP-13.
10, CP-14.10, CP-15.10, CP-16.10, CP-17.10, CP-18.
10, CP-19.10, CP-20.10, CP-21.10, CP-22.10。
【0098】新たに合成したオリゴヌクレオチドには数
字10をつけた。このフィターゼは、図17において最初の
コンセンサスフィターゼと比較して下線で示されてい
る、以下の32個の置換を含む:Y54F, E58A, D69K, D70
G, A94K, N134Q, I158V, S187A,Q188N, D197N, S204A,
T214L, D220E, L234V, A238P, D246H, T251N, Y259N, E
267D, E277Q, A283D, R291I, A320V, R329H, S364T, I3
66V, A379K, S396A, G404A, Q415E, A437G, A463E。
【0099】下記の4つの短いPCRプライマーをオリゴ
ヌクレオチドの組み立てに用いた: PCR反応a: 10 μl ミックス1.10(各オリゴヌ
クレオチド2.0 pmol) 2μl ヌクレオチド(各ヌクレオチド10 mM) 2μl プライマーCP-a(10 pmol/μl) 2μl プライマーCP-c.10(10 pmol/μl) 10.0 μl PCR緩衝液 0.75 μl ポリメラーゼ混合物 73.25 μl H2O PCR反応b: 10 μl ミックス2.10(各オリゴヌクレ
オチド2.0 pmol) 2μl ヌクレオチド(各ヌクレオチド10 mM) 2μl プライマーCP-b(10 pmol/μl) 2μl プライマーCP-e(10 pmol/μl) 10.0 μl PCR緩衝液 0.75 μl ポリメラーゼ混合物(2.6 U) 73.25 μl H2O PCR反応aおよびbについての反応条件: ステップ1 2分−45℃ ステップ2 30秒−72℃ ステップ3 30秒−94℃ ステップ4 30秒−52℃ ステップ5 1分−72℃ ステップ3から5を40回繰り返した。
【0100】PCR産物(670および905 bp)をアガロース
ゲル電気泳動(0.9%アガロース)およびその後のゲル
抽出(QIAEX IIゲル抽出キット、QIAGEN、ヒルデン、ド
イツ)によって精製した。精製したDNA断片をPCR反応c
に用いた。 PCR反応c: 6μl 反応aのPCR産物(〜50 ng) 6μl 反応bのPCR産物(〜50 ng) 2μl プライマーCP-a(10 pmol/μl) 2μl プライマーCP-e(10 pmol/μl) 10.0 μl PCR緩衝液 0.75 μl ポリメラーゼ混合物(2.6 U) 73.25 μl H2O PCR反応cの反応条件: ステップ1 2分−94℃ ステップ2 30秒−94℃ ステップ3 30秒−55℃ ステップ4 1分−72℃ ステップ2〜4を31回繰り返した。
【0101】得られたPCR産物(1.4 kb)を上記のよう
に精製し、Eco RIで消化して、Eco RI消化を行って脱燐
酸化したpBsk(-)ベクター(Stratagene、ラホヤ、カリ
フォルニア州、アメリカ)にライゲーションした。ライ
ゲーション混合液1μlを用いて大腸菌XL-1コンピテン
ト細胞(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア州、アメ
リカ)を形質転換した。標準的な技法は全て、サムブル
ックら(Sambrook、1987)が記述したようにして実施し
た。構築された遺伝子(fcp10)のDNA配列は、当技術分
野で既知のシークエンシングによってチェックした。
【0102】実施例5. コンセンサスフィターゼ-10およびコンセンサスフィタ
ーゼ-11のアミノ酸配列によって示唆された単変異の導
入によるコンセンサスフィターゼ-1の熱安定性の増加 相同遺伝子の熱安定性を増加させるために、目的の蛋白
質と、計算したコンセンサス配列との間でそれぞれ異な
るアミノ酸残基の安定性効果を調べ、全ての安定化変異
を目的の蛋白質に組み入れることも可能である。本発明
者らは、目的とする蛋白質としてコンセンサスフィター
ゼを用い、単変異としてコンセンサスフィターゼ10およ
び/または11とは異なるアミノ酸34残基の蛋白質安定性
に及ぼすその効果を調べた。
【0103】A. ニガー(A. niger)、S. セレビジエ
(S. cerevisiae)、またはH. ポリモルファ(H. polym
orpha)において発現させる変異蛋白質を構築するため
に、コンセンサスフィターゼ遺伝子を含む対応する発現
プラスミドを部位特異的変異誘発の鋳型として用いた
(実施例8〜10参照)。ストラタジーン社(Stratagen
e,ラホヤ、カリフォルニア州、アメリカ)の「クイック
・イクスチェンジ(quickexchange)部位特異的変異誘
発キット[登録商標]」を用い、製造元のプロトコルに従
って、対応するプライマーを用いて変異を導入した。作
製した全ての変異および対応するプライマーを表4に要
約する。望ましい変異を有するプラスミドは、当技術分
野で既知のように、DNA配列解析によって同定した。
【表4】 コンセンサスフィターゼの部位特異的変異誘発に用いるプライマー (置換した塩基を小文字で示す。制限部位を導入したところの配列の上に印を付 けた。制限部位が括弧内に書かれている場合には、記述の部位は変異の導入によ って破壊されている。) 変異 プライマーセット KpnI Q50T 5'-CACTTGTGGGGTaccTACTCTCCATACTTCTC-3' 5'-GAGAAGTATGGAGAGTAggtACCCCACAAGTG-3' Y54F 5'-GGTCAATACTCTCCATTCTtCTCTTTGGAAG-3' 5'-CTTCCAAAGAGAAGaATGGAGAGTATTGACC-3' E58A 5'-CATACTTCTCTTTGGcAGACGAATCTGC-3' 5'-GCAGATTCGTCTgCCAAAGAGAAGTATG-3' Aat II D69K 5'-CTCCAGACGTcCCAaAgGACTGTAGAGTTAC-3' 5'-GTAACTCTACAGTCcTtTGGgACGTCTGGAG-3' Aat II D70G 5'-CTCCAGACGTcCCAGACGgCTGTAGAGTTAC-3' 5'-GTAACTCTACAGcCGTCTGGgACGTCTGGAG-3' K91A 5'-GATACCCAACTTCTTCTgcGTCTAAGGCTTACTCTG-3' 5'-CAGAGTAAGCCTTAGACgcAGAAGAAGTTGGGTATC-3' ScaI A94K 5'-CTTCTAAGTCTAAGaagTACTCTGCTTTG-3' 5'-CAAAGCAGAGTActtCTTAGACTTAGAAG-3' A101R 5'-GCTTACTCTGCTTTGATTGAAcggATTCAAAAGAACGCTAC-3' 5'-GTAGCGTTCTTTTGAATccgTTCAATCAAAGCAGAGTAAGC-3' N134Q 5'-CCATTCGGTGAAcAgCAAATGGTTAACTC-3' 5'-GAGTTAACCATTTGcTgTTCACCGAATGG-3' NruI K153N 5'-GATACAAGGCTcTcGCgAGAAAcATTGTTC-3' 5'-GGAACAATgTTTCTcGCgAgAGCCTTGTATC-3' Bss HI I158V 5'-GATTGTTCCATTCgTgcGcGCTTCTGGTTC-3' 5'-GAACCAGAAGCgCgCAcGAATGGAACAATC-3' Bcl I D197N 5'-CTCCAGTTATTaacGTGATCATTCCAGAAGG-3' 5'-CCTTCTGGAATGATCACgttAATAACTGGAG-3' ApaI S187A 5'-GGCTGACCCAGGggCcCAACCACACCAAGC-3' 5'-GCTTGGTGTGGTTGgGccCCTGGGTCAGCC-3' NcoI T214L 5'-CACTTTGGACCAtGGTctTTGTACTGCTTTCG-3' 5'-CGAAAGCAGTACAAagACCaTGGTCCAAAGTG-3' Avr II E222T 5'-GCTTTCGAAGACTCTacccTAGGTGACGACGTTG-3' 5'-CAACGTCGTCACCTAgggtAGAGTCTTCGAAAGC-3' V227A 5'-GGTGACGACGcTGAAGCTAACTTCAC-3' 5'-GTGAAGTTAGCTTCAgCGTCGTCACC-3' Sac II L234V 5'-CTAACTTCACcGCggTGTTCGCTCCAG-3' 5'-CTGGAGCGAACAccGCGGTGAAGTTAG-3' A238P 5'-GCTTTGTTCGCTCCAcCTATTAGAGCTAGATTGG-3' 5'-CCAATCTAGCTCTAATAGgTGGAGCGAACAAAGC-3' Hpa I T251N 5'-GCCAGGTGTTAACTTGacTGACGAAG-3' 5'-TTCGTCAGTCAAgtTAACACCTGGC-3' Aat II Y259N 5'-GACGAAGACGTcGTTaACTTGATGGAC-3' 5'-GTCCATCAAGTTAACGACGTCTTCGTC-3' Asp I E267D 5'-GTCCATTCGAcACTGTcGCTAGAACTTC-3' 5'-GAAGTTCTAGCgACAGTgTCGAATGGAC-3' E277Q 5'-CTGACGCTACTCAGCTGTCTCCATTC-3' 5'-GAATGGAGACAGCTGAGTAGCGTCAG-3' A283D 5'-GTCTCCATTCTGTGaTTTGTTCACTCAC-3' 5'-GTGAGTGAACAAAtCACAGAATGGAGAC-3' Ksp I H287A 5'-GCTTTGTTCACcgcgGACGAATGGAG-3' 5'-CTCCATTCGTCcgcgGTGAACAAAGC-3' Bam HI R291I 5'-CACGACGAATGGAtcCAATACGACTAC-3' 5'-GTAGTCGTATTGgaTCCATTCGTCGTG-3' Bsi WI Q292A 5'-GACGAATGGAGAgcgTACGACTACTTG-3' 5'-CAAGTAGTCGTAcgcTCTCCATTCGTC-3' Hpa I A320V 5'-GGTGTTGGTTTCGtTAACGAATTGATTGC-3' 5'-GCAATCAATTCGTTAaCGAAACCAACACC-3' (Bgl II) R329H 5'-GCTAGATTGACTcacTCTCCAGTTCAAG-3' 5'-CTTGAACTGGAGAgtgAGTCAATCTAGC-3' Eco RV S364T 5'-CTCACGACAACaCTATGATaTCTATTTTCTTC-3' 5'-GAAGAAAATAGAtATCATAGtGTTGTCGTGAG-3' NcoI I366V 5'-CGACAACTCcATGgTTTCTATTTTCTTCGC-3' 5'-GCGAAGAAAATAGAAAcCATgGAGTTGTCG-3' KpnI A379K 5'-GTACAACGGTACcaagCCATTGTCTAC-3' 5'-GTAGACAATGGcttgGTACCGTTGTAC-3' S396A 5'-CTGACGGTTACgCTGCTTCTTGGAC-3' 5'-GTCCAAGAAGCAGcGTAACCGTCAG-3' G404A 5'-CTGTTCCATTCGcTGCTAGAGCTTAC-3' 5'-GTAAGCTCTAGCAgCGAATGGAACAG-3' Q415E 5'-GATGCAATGTgAAGCTGAAAAGGAACC-3' 5'-GGTTCCTTTTCAGCTTcACATTGCATC-3' Sal I A437G 5'-CACGGTTGTGgTGTcGACAAGTTGGG-3' 5'-CCCAACTTGTCgACAcCACAACCGTG-3' Mun I A463E 5'-GATCTGGTGGcAAtTGGGagGAATGTTTCG-3' 5'-CGAAACATTCctCCCAaTTgCCACCAGATC-3' および従ってその他の変異。
【0104】サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomy
ces cerevisiae)で発現させた精製フィターゼ(実施例
9)の至適温度を、実施例11に概要するように測定し
た。表5は導入した各変異についてのコンセンサスフィ
ターゼの安定性に及ぼす作用を示す。
【表5】 コンセンサスフィターゼ-1における個々のアミノ酸置換の安定性効果 (+または-は蛋白質の安定性に及ぼす1℃までのそれぞれ陽性または陰性効果を 意味し、++または--は、蛋白質安定性に及ぼす1〜3℃までのそれぞれの陽性ま たは陰性効果を意味する;10または11という数字はアミノ酸置換を示唆するコン センサスフィターゼ配列に対応する。) 安定化 中性 脱安定化 変異 効果 変異 効果 変異 効果 E58A(10) + D69A ± Y54F(10) − D69K(11) + D70G(10) ± V73I − D197N(10) + N134Q(10) ± A94K(10) − T214L(10) ++ G186H ± A101R(11) − E222T(11) ++ S187A(10) ± K153N(11) − E267D(10) + T214V ± I158V(10) −− R291I* + T251N(10) ± G203A −− R329H(10) + Y259N(10) ± G205S − S364T(10) ++ A283D(10) ± A217V − A379K(11) + A320V(10) ± V227A(11) −− G404A(10) ++ K445T ± L234V(10) − A463E(10) ± A238P(10) −− E277Q(10) − H287A(11) − Q292A(10) − I366V(10) − S396A(10) −− Q415E(11) − A437G(10) −− E451R −− *:このアミノ酸置換は別の変異誘発においても認められた。
【0105】本発明者らは、コンセンサスフィターゼに
おける8個の正作用変異(E58A、D197N、E267D、R291
I、R329H、S364T、A379K、G404A)を、本実施例におい
て上記のプライマーおよび技法を用いて組み合わせた。
さらに、フィターゼの触媒的特徴に主に影響を及ぼす変
異Q50TおよびK91A(欧州特許公開公報第897 985号と共
に実施例11を参照のこと)を導入した。得られたフィタ
ーゼ遺伝子(コンセンサスフィターゼ-サーモ[8]-Q50T-
K91A)のDNAおよびアミノ酸配列を図19に示す。このよ
うにして、コンセンサスフィターゼの至適温度および融
点は7℃増加した(図27、28、29)。
【0106】表5の結果を用いて、本発明者らはさら
に、コンセンサスフィターゼの安定性に強い負の影響を
及ぼすことが明らかになった以下の復帰突然変異K94A、
V158I、およびA396Sによってコンセンサスフィターゼ10
の熱安定性を増加させた。得られた蛋白質はフィターゼ
-10-[3]である。さらに、本発明者らはコンセンサスフ
ィターゼの触媒的特徴に主に影響を及ぼす変異Q50Tおよ
びK91Aを導入した(欧州特許公開公報第897 985号と共
に実施例11ならびに図26および27を参照のこと)。得ら
れたDNAおよびアミノ酸配列を図20に示す。最適なフィ
ターゼは、コンセンサスフィターゼ10より4℃高い至適
温度および融点を示した(図24および25)。さらに、こ
のフィターゼは、pH 5.5で、基質として250 U/mgのフィ
チン酸塩に対して大きく増加した特異的活性を有する
(図26)。
【0107】実施例6. 対応するコンセンサスフィターゼ-1およびコンセンサス
フィターゼ-10の残基において、アミノ酸残基を置換す
ることによる、A. フミガーツスATCC 13073のフィター
ゼの安定化 A. フミガーツス13073が、図13のアラインメントにおい
て、対応するコンセンサスフィターゼのアミノ酸残基を
含まない唯一またはほぼ唯一のフィターゼであるとい
う、6個の典型的な位置において、非コンセンサスアミ
ノ酸残基をコンセンサスアミノ酸残基で置換した。第一
回目は、Q27T置換、およびA. テレウスcbs.116.46フィ
ターゼのシグナル配列を含む、以下のアミノ酸を、A.
フミガーツス13073フィターゼにおいて置換した(図21
参照): F55(28)Y、V100(73)I 、F114(87)Y、A243(220)L、S26
5(242)P、N294(282)D。 括弧内の数字は図13での数字を示す。
【0108】第二回目には、コンセンサスフィターゼ-1
0配列に認められ、コンセンサスフィターゼ-1(表5)
において単変異として調べた7個の安定化アミノ酸置換
のうち4個(E59A、R329H、S364T、G404A)をさらにA.
フミガーツスa-変異体に導入した。さらに、フィターゼ
のプロテアーゼ感受性を減少させることが示されている
アミノ酸置換S126Nを導入した。
【0109】実施例5に記述のように変異を導入し(表
6参照)、実施例8または10において記述したようにし
て発現させた。得られたA. フミガーツス13073フィター
ゼ変種をa-変異体およびα-変異体-E59A-S126N-R329H-S
364T-G404Aと名づけた。
【0110】A. フミガーツス13073フィターゼのα-変
異体の至適温度(60℃、図32)および融点(67.0℃、図
31)は、野生型の値(至適温度:55℃、Tm:60℃)と比
較して5℃増加した。5個のさらなるアミノ酸置換によ
ってさらに、至適温度は3℃増加した(図32)。
【表6】 A. フミガーツスフィターゼATCC 13073の安定化のための変異誘発プライマー 変異 プライマー F55Y 5'-CACGTACTCGCCAtacTTTTCGCTCGAG-3' 5'-CTCGAGCGAAAAGTatgGCGAGTACGTG-3' (Xho I) E58A 5'-CCATACTTTTCGCTCGcGGACGAGCTGTCCGTG-3' 5'-CACGGACAGCTCGTCCgCGAGCGAAAAGTAGG-3' V100I 5'-GTATAAGAAGCTTattACGGCGATCCAGGCC-3' 5'-GGCCTGGATCGCCGTAAtaaGCTTCTTATAC-3' F114Y 5'-CTTCAAGGGCAAGtacGCCTTTTTGAAGACG-3' 5'-CGTCTTCAAAAAGGCgtaCTTGCCCTTGAAG-3' A243L 5'-CATCCGAGCTCGCctcGAGAAGCATCTTC-3' 5'-GAAGATGCTTCTCgagGCGAGCTCGGATG-3' S265P 5'-CTAATGGATGTGTccgTTTGATACGGTAG-3' 5'-CTACCGTATCAAAcggACACATGTCCATTAG-3' N294D 5'-GTGGAAGAAGTAcgaCTACCTTCAGTC-3' 5'-GACTGAAGGTAGtcgTACTTCTTCCAC-3' (Mlu I) R329H 5'-GCCCGGTTGACGCaTTCGCCAGTGCAGG-3' 5'-CCTGCACTGGCGAAtGCGTCAACCGGGC-3' Nco I S364T 5'-CACACGACAACAcCATGGTTTCCATCTTC-3' 5'-GAAGATGGAAACCATGgTGTTGTCGTGTG-3' (Bss HI) G404A 5'-GTGGTGCCTTTCGcCGCGCGAGCCTACTTC-3' 5'-GAAGTAGGCTCGCGCGgCGAAAGGCACCAC-3'
【0111】実施例7. コンセンサスフィターゼ-1への、A. ニガーNRRL 3135フ
ィターゼの活性部位アミノ酸の導入 本発明者らは、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus
niger)NRRL 3135フィターゼの結晶構造を用いて、全て
の活性部位アミノ酸残基を定義した(参考実施例および
欧州特許第897 010号参照)。図13のアラインメントを
用いて、本発明者らは以下の活性部位残基を置換し、さ
らにコンセンサスフィターゼの同一でない隣接残基をA.
ニガーフィターゼの残基と置換した: S89D, S92G, A94K, D164S, P201S, G203A, G205S, H212
P, G224A, D226T, E255T, D256E, V258T, P265S, Q292
H, G300K, Y305H, A314T, S364G, M365I, A397S,S398A,
G404A, およびA405S。
【0112】新たな蛋白質配列コンセンサスフィターゼ
-7を実施例3に記述のようにDNA配列に戻し翻訳した
(図22)。対応する遺伝子(fcp7)を実施例3に記述の
ように、以下のオリゴヌクレオチドミックスを用いて製
造した:ミックス 1.7: CP-1, CP-2, CP-3, CP-4.7, CP-5.7, CP
-6, CP-7, CP-8.7, CP-9, CP-10.7ミックス 2.7: CP-9, CP-10.7, CP-11.7, CP-12.7, CP-
13.7, CP-14.7, CP-15.7, CP-16, CP-17.7, CP-18.7, C
P-19.7, CP-20, CP-21, CP-22。
【0113】オリゴヌクレオチドのDNA配列を図15に示
す。新たに合成したオリゴヌクレオチドにはさらに数字
7の印が付けられている。実施例3で述べたものと同じ
PCRプライマーを用いてオリゴヌクレオチドを組み立て
た後、実施例8〜10に記述されているようにして、遺伝
子を発現ベクターにクローニングした。
【0114】H. ポリモルファ(H. polymorpha)で発現
させ、精製した後に測定されたpHプロフィールは、pH
スペクトルの酸性範囲へシフトし、至適pH は4.5〜5.0
を示した(図30参照)。酵素は、その最大活性の少なく
とも60%に達するpH 2.5〜pH 6.0までの幅広い至適pHを
有した。pH 5.0までは、このプロフィールはA. ニガーN
RRL 3135フィターゼのプロフィールと類似した。しか
し、pH 5.0より下ではA.ニガーフィターゼのプロフィー
ルのpH 4.0での典型的な低さは損なわれた。
【0115】実施例8. ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)に
おけるコンセンサスフィターゼ遺伝子の発現 H. ポリモルファRB11(ゲリッセンら(Gellissen)、19
94)の形質転換に用いたフィターゼの発現ベクターは、
S. セレビジエからのura3選択マーカー、蟻酸デヒドロ
ゲナーゼ(FMD)プロモーターエレメントおよびH. ポリ
モルファからのメタノールオキシダーゼ(MO)ターミネ
ーターエレメントに基づく、H. ポリモルファ発現ベク
ターpFPMT121のマルチクローニング部位に、pBsk-fcpま
たはその変種のEco RI断片を挿入することによって構築
した。fcp遺伝子の5'末端をFMDプロモーターと融合し、
3'末端をMOXターミネーターに融合している(ゲリッセ
ンら(Gellissen)、1996;欧州特許第0299 108 B
号)。得られた発現ベクターをpFPMTfcp、pFPMTfcp10、
pFPMTfcp7と命名した。
【0116】構築されたプラスミドを大腸菌において増
殖させた。プラスミドDNAを当技術分野で標準的な技術
を用いて精製した。ゲリッセンら(Gellisen、1996)が
記述したようにコンピテント細胞の調製および酵母の形
質転換のための方法を用いて、オロチジン-5'-燐酸デカ
ルボキシラーゼ(ura3)を欠損するH.ポリモルファ株RP
11に発現プラスミドを形質転換した。各形質転換混合液
を2%グルコースおよび1.8%アガーを含むYNB(0.14%
w/vディフコYNBおよび0.5%硫酸アンモニウム)上に塗
付して、37℃でインキュベートした。4〜5日後、個々
の形質転換コロニーを採取して上記の液体培地中で37℃
で2日間増殖させた。その後、この培養液のアリコート
を用いて2%グルコースを含むYNB培地入りの新鮮なバ
イアルに接種した。選択培地でさらに7回継代した後、
発現ベクターは多量体の形で酵母ゲノムに組み込まれ
る。その後、非選択的液体培地(YPD、2%グルコー
ス、10g酵母抽出物および20 gペプトン)3 ml中での2
回のさらなる培養段階によって、分裂安定型の形質転換
体を得た。遺伝的に均一な組換え株を得るために、最後
の安定化培養からのアリコートを選択プレート上に塗付
培養した。fmdプロモーターを抑制するために、グルコ
ースの代わりに2%グリセロールを含むYNB中でのフィ
ターゼ発現を分析するために、単コロニーを単離した。
コンセンサスフィターゼの精製は、実施例9に記述され
ているようにして実施した。
【0117】実施例9. サッカロミセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisi
ae)におけるコンセンサスフィターゼ遺伝子の発現およ
び培養上清からのフィターゼの精製 コンセンサスフィターゼ遺伝子は、対応するBluescript
-プラスミド(pBsk-fcp、pBSK-fcp10、pBsk-fcp7)から
単離し、サッカロミセス・セレビジエ発現ベクターpYES
2(Invitrogen、サンジエゴ、カリフォルニア州、アメ
リカ)の発現カセットのEco RI部位にライゲーションす
るか、またはジェーンズら(Janes、1990)が記述した
ように、短くしたGAPFL(グリセルアルデヒド-3-燐酸デ
ヒドロゲナーゼ)プロモーターとpho5ターミネーターと
の間にサブクローニングした。遺伝子の正しい方向をPC
Rによってチェックした。S. セレビジエ株、例えばINVS
c1(Invitrogen、サンジエゴ、カリフォルニア州、アメ
リカ)の形質転換はヒネンら(Hinnen、1978)に従って
実施した。GAPFLプロモーターの調節下に、フィターゼ
遺伝子を含む単コロニーを採取して選択培地(SD-ウラ
シル、シェアマンら(Sherman)、1986)5 ml中で30℃
で強く振盪(250 rpm)しながら1日培養した。次に、
この前培養をYPD培地(シェアマンら(Sherman)、198
6)500 mlに加え、同じ条件下で増殖させた。gallプロ
モーターの誘導は製造元の指示に従って実施した。4日
のインキュベートの後、細胞ブロスを遠心(7000 rpm、
GS3ローター、15分、5℃)して、細胞を除去して上清
をアミコン8400セルズ(PM30メンブレン)およびウルト
ラフリー-15遠心フィルター装置(バイオマックス-30
K、Millipore、ベッドフォード、マサチューセッツ州、
アメリカ)によって濃縮した。10 mM酢酸ナトリウム、p
H 5.0を溶出緩衝液として用いて、40 mlセファデックス
G25超微粒子カラム(Pharmacia Biotech、フライブル
ク、ドイツ)で濃縮液(10 ml)を脱塩した。脱塩した
試料を2M (NH4)2SO4に加えて、1mlブチルセファロー
ス4ファストフロー疎水性相互作用クロマトグラフィー
カラム(PharmaciaBiotech、フライブルク、ドイツ)上
に載せ、これを10 mM酢酸ナトリウム溶液、pH 5.0中の
2M〜0M (NH4)2SO4の直線勾配によって溶出した。フィ
ターゼは漏出点で溶出し、濃縮して120 mlセファクリル
S-300ゲル浸透クロマトグラフィーカラム(Pharmacia B
iotech、フライブルク、ドイツ)に載せた。相同な対称
形のピークとして溶出したコンセンサスフィターゼおよ
びコンセンサスフィターゼ-7はSDS-PAGEによって約95%
純粋であることが示された。
【0118】実施例10. アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)におけ
るコンセンサスフィターゼ遺伝子の発現 Bluescript-プラスミド、pBsk-fcp、pBSK-fcp10、pBsk-
fcp7を、遺伝子の開始コドンの上流にあるBsp HI部位お
よび終止コドンの下流のEco RV-部位の導入の鋳型とし
て用いた。エクスパンド登録商標ハイフィデリティーPC
Rキット(HighFidelity PCR Kit)キット(Boehringer
Mannheim、マンハイム、ドイツ)を以下のプライマー
と共に用いた: プライマーAsp-1: Bsp HI 5'-TATATCATGAGCGTGTTCGTCGTGCTACTGTTC-3' fcpおよびfcp7のクローニングに用いるプライマーAsp-2: EcoRV 3'-ACCCGACTTACAAAGCGAATTCTATAGATATAT-5' fcp 10のクローニングに用いるプライマーAsp-3: EcoRV 3'-ACCCTTCTTACAAAGCGAATTCTATAGATATAT-5'
【0119】反応は発売元が記述したように実施した。
PCR増幅されたfcp-遺伝子は、開始コドンの位置に新し
いBsp HI部位を有するが、これはプライマーAsp-1によ
って導入され、その結果第二のアミノ酸残基であるグリ
シンがセリンに置換された。次に、DNA断片をBsp HIお
よびEco RVで消化し、アスペルギルス・ニガー(Asperg
illus niger)のグルコアミラーゼプロモーター(gla
A)の下流のNco I部位、およびアスペルギルス・ニデュ
ランス(Aspergillus nidulans)トリプトファンCター
ミネーター(trpC)の上流のEco RV部位にライゲーショ
ンした(ムラネイら(Mullaney)、1985)。このクロー
ニング段階の後、遺伝子をシークエンシングしてPCRに
よって誘導された可能性のある何らかの欠陥を検出し
た。この結果得られた、欧州特許第684 313号の実施例
9に記述されているpGLACベクターに基本的には対応す
る発現プラスミドは、選択マーカーとしてニューロスポ
ラ・クラッサ(Neurospora crassa)のオロチジン-5'-
燐酸デカルボキシラーゼ遺伝子(pyr4)を含んでいた。
アスペルギルス・ニガーの形質転換、およびコンセンサ
スフィターゼ遺伝子の発現は、欧州特許第684 313号に
記述されているようにして実施した。コンセンサスフィ
ターゼは実施例9に記述のようにして精製した。
【0120】実施例11. フィターゼ活性および至適温度の測定 フィターゼ活性は、基本的にミッチェルら(Mitchell、
1997)が記述したようにして測定した。活性は、200 mM
酢酸ナトリウム、pH 5.0溶液中に0.5%フィチン酸(〜
5 mM)を含むアッセイ混合液中で測定した。37℃で15
分インキュベートした後、15%トリクロロ酢酸を等量加
えて反応を停止させた。アッセイ混合液100 μlを、H2O
900 μl、ならびに0.6 M H2SO4、2%アスコルビン
酸、および0.5%モリブデン酸アンモニウム1 mlと混合
することによって、遊離された燐酸塩を定量した。燐酸
カリウムの標準溶液を基準として用いた。酵素活性1単
位は、37℃で1分あたり燐酸塩1μmolを放出する酵素
量として定義した。蛋白質濃度は、ペースら(Pace、19
95)に従って計算した酵素の280 nmでの吸光係数:コン
センサスフィターゼ1.101;コンセンサスフィターゼ
7、1.068;コンセンサスフィターゼ10、1.039を用いて
測定した。
【0121】至適pH曲線の場合、精製した酵素を10 mM
酢酸ナトリウム、pH 5.0で希釈した。希釈した蛋白質の
アリコートを一連の様々な緩衝液:0.4 Mグリシン/塩
酸、pH 2.5;0.4 M酢酸/NaOH、pH 3.0、3.5、4.0、4.
5、5.0、5.5;0.4 Mイミダゾール/塩酸、pH 6.0、6.
5;0.4 Mトリス/塩酸、pH 7.0、7.5、8.0、9.0の溶液
中の1%フィチン酸(〜10 mM)と等量混合することに
よって、インキュベーションを開始した。対照実験は、
混合段階によってpHがごくわずかに影響を受けるに過ぎ
ないことを示した。インキュベーションは上記のように
37℃で15分間実施した。
【0122】フィターゼの基質特異性を測定するため
に、アッセイ混合液中のフィチン酸を5 mM濃度のそれ
ぞれの燐酸化合物に置換した。活性試験を上記のように
実施した。
【0123】至適温度を測定するために、酵素(100 μ
l)および基質溶液(100 μl)を所定の温度で5分プレ
インキュベートした。基質溶液を酵素に加えて反応を開
始させた。15分のインキュベーションの後、トリクロロ
酢酸によって反応を停止させ、放出された燐酸量を測定
した。
【0124】最初のコンセンサスフィターゼの至適pH
は、おおよそpH 6.0〜6.5(70 U/mg)であった。Q50T変
異の導入によって、至適pHはpH 6.0(130 U/mg)にシフ
トした。K91Aの導入後、至適pHは酸性pH範囲側に1pH単
位シフトし、pH 2.5〜pH 6.0の間でより高い特異的活性
を示した。これは安定化変異体およびコンセンサスフィ
ターゼ-10についても示された(図26および27)。
【0125】A. ニガーフィターゼNRRL3135の触媒的特
徴をコンセンサスフィターゼに移すために構築されたコ
ンセンサスフィターゼ-7は、pHスペクトルが酸性範囲に
シフトしたpHプロフィールを有し、至適pHはpH 4.5〜5.
0であった(図31参照)。酵素は増加した最大活性の少
なくとも60%に達するpH 2.5〜pH 6.0までの広い至適pH
を有した。基質スペクトルはまた、コンセンサスフィタ
ーゼ-1よりもA. ニガーNRRL 3135フィターゼの基質スペ
クトルに類似している。
【0126】コンセンサスフィターゼ-1の至適温度(71
℃)は、コンセンサス配列を計算するために用いられた
野生型のフィターゼの至適温度(45〜55℃、表7)より
も16〜26℃高かった。改良されたコンセンサスフィター
ゼ-10は、その至適温度が80℃までさらに増加した(図3
3)。コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]の至適温度
は、S. セレビジエ(S. cerevisiae)の過剰産生株の上
清を用いて同じ範囲(78℃)にあることが判明した。コ
ンセンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K91Aについて測
定した最高至適温度は、82℃に達した。
【表7】 コンセンサスフィターゼ、ならびにA. フミガーツス、A. ニガー、E. ニデュラ ンス、およびM. サーモフィラからのフィターゼの至適温度およびTm値。至適温 度の測定は実施例11に記述のように実施した。Tm値は実施例12に記述のように示 差走査熱量測定によって測定した。 フィターゼ 至適温度[℃] Tm[℃] コンセンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K91A 82 89.3 コンセンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T 82 88.6 コンセンサスフィターゼ-10 80 85.4 コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50T 78 84.7 コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50T-K91A 78 85.7 コンセンサスフィターゼ-1 71 78.1 A. ニガーNRRL 3135 55 63.3 A. フミガーツス13073 55 62.5 A. フミガーツス 13073α-変異体 60 67.0 A. フミガーツス 13073α-変異体(最適化) 63 - A. テレウス9A-1 49 57.5 A. テレウスcbs.116.46 45 58.5 E. ニデュランス 45 55.7 M. サーモフィラ 55 n.d. T. サーモフィルス 45 n.d.
【0127】実施例12. 示差走査熱量計(DSC)による融点の測定 フィターゼの変性温度を測定するために、示差走査熱量
計を、ブルッガーら(Brugger、1997)によってこれま
でに発表されたようにして応用した。50〜60 mg/mlの均
一なフィターゼ溶液を試験に用いた。一定の加熱速度10
℃/分を90〜95℃まで適用した。
【0128】測定した融点は至適温度について得られた
結果を反映する(表7)。デザインされた最も安定なコ
ンセンサスフィターゼは、コンセンサスフィターゼ-10-
サーモ-Q50T-K91Aで、選択した条件下で融点89.3℃を示
す。これは用いた野生型の融点より26〜33.6℃高い。
【0129】実施例13. 担子菌フィターゼ活性部位のフィターゼ-10-サーモ-Q50
T-K91Aへの移入 先に記述したように(実施例5)、担子菌フィターゼ活
性部位に由来する変異体をコンセンサスフィターゼ10に
導入した。以下の5つの構築物a)〜e)を調製した:この
構築物をコンセンサスフィターゼ12と呼ぶが、これはバ
シディオコンセンサス配列の選択した数の活性部位残基
を含み、そのアミノ酸配列(consphy 12)を図33に示す
(最初のアミノ酸26個はシグナルペプチドを形成し、修
正した位置は下線で示す);一連の変異体(クラスタI
I)をコンセンサス10配列に移入した、すなわち:S80
Q、Y86F、S90G、K91A、S92A、K93T、A94R、Y95I;同じ
ように、もう一つのクラスタの変異体(クラスタIII)
を移入した、すなわち.:T129V、E133A、Q143N、M136
S、V137S、N138Q、S139A;同じように、さらなるクラス
タの変異体(クラスタIV)を移入した、すなわち:A168
D、E171T、K172N、F173W;そして、最後にさらなるクラ
スタの変異体(クラスタV)を移入した、すなわち:Q29
7G、S298D、G300D、Y305T。
【0130】これらの構築物を実施例8〜10に記述のよ
うに発現させた。
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migatus with superior performance in animal experi
ments. Phytaseoptimization and natural variabilit
y. In the Biochemistry of phytate and phytases. Kl
uwer Academic Press, s.a.。
【発明の効果】フィターゼと、 a) キシリトールまたはリビトールのようなC5糖、 b) 分子量600〜4000 Daのポリエチレングリコール、 c) マロン酸、グルタル酸、およびコハク酸の二ナトリ
ウム塩、 d) カルボキシメチルセルロース、および e) アルギン酸ナトリウム、 からなる群より選択される少なくとも1つの安定化剤と
を含む、安定化された酵素製剤が本発明により提供され
た。また、フィターゼは、 a) グルタルアルデヒドとの、もしくは b) 過ヨウ素酸ナトリウムによるフィターゼ糖質鎖の酸
化およびその後のアジピン酸ジヒドラジドの付加のいず
れかによる、化学クロスリンクによって安定化してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に記述の標準的なアッセイ条件下で
測定したA. フミガーツス(A. fumigatus)、A. ニデュ
ランス(A. nidulans)、A. テレウス(A.terreus)CB
S、A. ニガー(A. niger)のフィターゼおよびコンセン
サスフィターゼの活性の温度依存性の比較を示す図であ
る。
【図2】 65℃でのA.フミガーツスフィターゼの特異的
活性に及ぼす様々なポリエチレングリコールの効果を示
す図である。
【図3】 A. ニガー、コンセンサス、A. テレウスCBS
およびA. ニデュランスのフィターゼの熱安定性に及ぼ
す異なる分子量のポリエチレングリコールの50%溶液の
効果を示す図である。特異的活性は、A. テレウスCBSお
よびA. ニデュランスのフィターゼに関しては60℃で、
A. ニガーフィターゼに関しては65℃で、そしてコンセ
ンサスフィターゼに関しては75℃で測定した。
【図4】 A. フミガーツスフィターゼの65℃での特異
的活性に及ぼす、様々なポリオールの25%および50%溶
液の効果を示す図である。
【図5】 添加剤として50%キシリトールの存在下で
の、A. ニガー(A)、コンセンサス(B)、A. ニデュランス
(C)およびA. テレウスCBS(D)のフィターゼの活性の温度
依存性を示す図である。
【図6】 25%濃度のマロン酸二ナトリウム、コハク酸
二ナトリウムおよびグルタル酸二ナトリウムの存在下で
の、A. フミガーツスフィターゼの活性の温度依存性を
示す図である。
【図7】 5、10および25%のマロン酸二ナトリウムの
存在下での、A. フミガーツスフィターゼの活性の温度
依存性を示す図である。
【図8】 5、10および25%の酢酸ナトリウム存在下で
の、A. フミガーツスフィターゼの活性の温度依存性を
示す図である。
【図9】 25%マロン酸二ナトリウムの存在下での、A.
ニガー(A)、コンセンサス(B)、A. テレウスCBS(C)およ
びA. ニデュランス(D)のフィターゼの活性の温度依存性
を示す図である。
【図10】 25%コハク酸二ナトリウムの存在下での、
A. ニガー(A)、コンセンサス(B)、A. テレウスCBS(C)お
よびA. ニデュランス(D)のフィターゼの活性の温度依存
性を示す図である。
【図11】A) 異なる濃度の過ヨウ素酸ナトリウムと共
にインキュベートした後のA. フミガーツスフィターゼ
試料のSDS-PAGEを示す。 B) 続いて、アジピン酸ジヒドラジドとクロスリンクさ
せた後の(A)をさまざまに酸化させたA. フミガーツスフ
ィターゼ試料のSDS-PAGEを示す。
【図12】 過ヨウ素酸/アジピン酸ジヒドラジドでク
ロスリンクした前後のA. フミガーツスフィターゼおよ
びコンセンサスフィターゼの活性の温度依存性を示す図
である。
【図13】 コンセンサスフィターゼ配列のデザインを
示す図である。文字は1文字コードで表したアミノ酸残
基(1〜100位)を表す。以下の配列をアラインメントに
用いた:アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terr
eus)9A-1からのphyA(ミッチェルら(Mitchell)、199
7;アミノ酸(aa)27から)、A. テレウスcbs 166.46か
らのphyA;(ファン・ルーンら(van Loon)、1998;aa
27から)、アスペルギルス・ニガー変種アワモリ(Asp
ergillus niger var. awamori)からのphyA(ピディン
トンら(Piddington)、1993;aa 27から);A. ニガー
T213からのphyA;aa 27から)、A. ニガー株NRRL31315
からのphyA(ファン・ハーティングスベルトら(van Ha
rtingsveldt)、1993;aa 27から)、アスペルギルス・
フミガーツス(Aspergillus fumigatus)ATCC13073から
のphyA(パサモンテスら(Pasamontes);aa 25か
ら)、A. フミガーツスATCC 32722からのphyA(ファン
・ルーンら(van Loon)、1998;aa 27から)、A. フミ
ガーツスATCC 58128からのphyA(ファン・ルーンら(va
n Loon)、1998;aa 27から)、A. フミガーツスATCC 2
6906からのphyA(ファン・ルーンら(van Loon)、199
8;aa 27から)、A. フミガーツスATCC 32239からのphy
A(ファン・ルーンら(van Loon)、1998;aa 30か
ら)、エメリセラ・ニデュランス(Emericella nidulan
s)からのphyA(パサモンテスら(Pasamontes)、1997
a;aa 25から)、タラロミセス・サーモフィルス(Tala
romyces thermophilus)からのphyA(パサモンテスら
(Pasamontes)、1997a;aa 24から)、ミセリオフトラ
・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)からの
phyA(ミッチェルら(Mitchell)、1997;aa 19か
ら)。アラインメントはプログラムPILEUPを用いて計算
した。ギャップの位置は手で再調整した。アラインメン
トの所定の位置に存在する大文字のアミノ酸残基は、コ
ンセンサス残基を成り立たせるアミノ酸の仲間に属す
る。計算したコンセンサス配列の下に、最終構築したコ
ンセンサスフィターゼ(Fcp)のアミノ酸配列を太字で
示す。計算したコンセンサス配列中のギャップは、実施
例3に述べる原理に従って手で埋めた。
【図14】 図13からの続きで、コンセンサスフィタ
ーゼ配列のデザインを1文字コードで表したアミノ酸残
基(101〜200位)を表す。
【図15】 図13からの続きで、コンセンサスフィタ
ーゼ配列のデザインを1文字コードで表したアミノ酸残
基(201〜300位)を表す。
【図16】 図13からの続きで、コンセンサスフィタ
ーゼ配列のデザインを1文字コードで表したアミノ酸残
基(301〜400位)を表す。
【図17】 図13からの続きで、コンセンサスフィタ
ーゼ配列のデザインを1文字コードで表したアミノ酸残
基(401〜471位)を表す。
【図18】 コンセンサスフィターゼ-1遺伝子(fcp)
および遺伝子構築に用いるプライマーのDNA配列(1〜60
0位)を示す。計算したアミノ酸配列(図13)は、プロ
グラムBLACKTRANSLATE(デベリューら(Devereux)、19
84)および高発現酵母遺伝子のコドン度数分布表(GCG
プログラムパッケージ、9.0)を用いてDNA配列に変換し
た。A. テレウスcbs 116.46からのフィターゼのシグナ
ルペプチドをN-末端に融合させた。太字の塩基は遺伝子
を生成するために用いるオリゴヌクレオチドの配列を表
す。それぞれのオリゴヌクレオチドの名称は、配列の上
または下に交互に記す。下線で示した塩基は遺伝子の開
始および終止コドンを表す。斜体で書かれた塩基は導入
した2つのEco RI部位を示す。
【図19】 図18からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-1遺伝子(fcp)および遺伝子構築に用いるプライマ
ーのDNA配列(601〜1140位)およびそのアミノ酸配列の
1文字コードを示す。
【図20】 図18からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-1遺伝子(fcp)および遺伝子構築に用いるプライマ
ーのDNA配列(1141〜1426位)およびそのアミノ酸配列
の1文字コードを示す。
【図21】 5個の担子菌(Basidiomycetes)フィター
ゼの1〜200位までのアラインメントとコンセンサス配列
を示す。文字は1文字コードでのアミノ酸残基を表す。
括弧内に示したアミノ酸残基から始まる、パキシルス・
インボルツス(Paxillus involutus)、phyA1(aa 21)
およびphyA2(aa 21、国際公開公報第98/28409号)、ト
ラメテス・ピュベセンス(Trametes pubescens、aa 2
4、国際公開公報第98/28409号)、アグロサイブ・ペデ
ィアデス(Agrocybe pediades、aa 19、国際公開公報第
98/28409号)、およびペニオフォラ・リシイ(Peniopho
ralycii、aa 21、国際公開公報第98/28409号)からのフ
ィターゼのアミノ酸配列を、アラインメントおよび「バ
シディオ(Basidio)」と呼ばれる対応するコンセンサ
ス配列(実施例4)の計算に用いた。アラインメントは
プログラムPILEUPを用いて実施した。ギャップの位置は
手で再調整した。コンセンサス配列はプログラムPRETTY
を用いて計算した。コンセンサス配列の計算に際し、2
つのP. インボルツスフィターゼには計算加重0.5を割付
したが、その他の全ての遺伝子には計算加重1.0を用い
た。プログラムがコンセンサス残基を決定することがで
きない位置は、バシディオ配列ではダッシュとなってい
る。アラインメントの所定の位置での大文字のアミノ酸
残基は、コンセンサス残基を形成するアミノ酸の仲間に
属する。
【図22】 図21からの続きで5個の担子菌(Basidi
omycetes)フィターゼの201〜400位までのアラインメン
トとコンセンサス配列を1文字コードアミノ酸で示す。
【図23】 図21からの続きで5個の担子菌(Basidi
omycetes)フィターゼの401〜441位までのアラインメン
トとコンセンサス配列を1文字コードアミノ酸で示す。
【図24】 コンセンサスフィターゼ10アミノ酸配列
(1〜100位)のデザインを示す。サーモミセス・ラヌギ
ノーサ(Thermomyces lanuginosa)(ベルカら(Berk
a)、1998)のフィターゼ配列および5個の担子菌(Bas
idiomycetes)からのフィターゼのコンセンサス配列を
図13のアラインメントに加えると、プログラムPRETTY
は、よりよいコンセンサス配列を計算した。さらに、A.
ニガーT213のアミノ酸配列を削除し、したがって残り
のA. ニガー(A. niger)フィターゼ配列に関しては計
算加重0.5を用いた。さらなる情報に関しては実施例14
を参照のこと。
【図25】 図24からの続きでコンセンサスフィター
ゼ10アミノ酸配列(101〜200位)のデザインを示す。
【図26】 図24からの続きでコンセンサスフィター
ゼ10アミノ酸配列(201〜300位)のデザインを示す。
【図27】 図24からの続きでコンセンサスフィター
ゼ10アミノ酸配列(301〜400位)のデザインを示す。
【図28】 図24からの続きでコンセンサスフィター
ゼ10アミノ酸配列(401〜482位)のデザインを示す。
【図29】 コンセンサスフィターゼ-10のDNA配列(1
〜480位)およびアミノ酸配列(1〜157位)を示す。ア
ミノ酸配列は、1文字コードを用いて対応するDNA配列
の上に記した。遺伝子を組み立てるために用いたオリゴ
ヌクレオチドの配列を太字で示す。コンセンサスフィタ
ーゼ-1と比較して変化しているオリゴヌクレオチドおよ
びアミノ酸の表示を、下線で示し、対応するトリプレッ
トを小文字で強調した。fcp10遺伝子は、以下のオリゴ
ヌクレオチドから組み立てた: CP-1, CP-2, CP-3.10, CP-4.10, CP-5.10, CP-6, CP-7.
10, CP-8.10, CP-9.10,CP-10.10, CP-11.10, CP-12.10,
CP-13.10, CP-14.10, CP-15.10, CP-16.10, CP-17.10,
CP-18.10, CP-19.10, CP-20.10, CP-21.10, CP-22.1
0。 新たに合成したオリゴヌクレオチドは、数字の10をつけ
てさらに印をしている。フィターゼは以下の32カ所の交
換を含む: Y54F, E58A, D69K, D70G, A94K, N134Q, I158V, S187A,
Q188N, D197N, S204A,T214L, D220E, L234V, A238P, D
246H, T251N, Y259N, E267D, E277Q, A283D, R291I, A3
20V, R329H, S364T, I366V, A379K, S396A, G404A, Q41
5E, A437G, A463E。 下線を付した変異は、コンセンサスフィターゼ-1におけ
る単変異として調べたところ、コンセンサスフィターゼ
-1に安定化作用を及ぼすことが明らかになった。
【図30】 図29からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-10のDNA配列(481〜960位)および対応する1文字コ
ードのアミノ酸配列(158〜317位)を示す。
【図31】 図29からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-10のDNA配列(961〜1426位)および対応する1文字
コードのアミノ酸配列(318〜467位)を示す。
【図32】 コンセンサスフィターゼ-11をデザインす
るためのアラインメント(1〜50位)を示す。コンセン
サスフィターゼ-10のデザインと比較して、コンセンサ
スフィターゼ-11のアミノ酸配列のデザインに関して
は、全ての担子菌フィターゼを独立した配列として用い
て、各担子菌配列について計算加重0.2を割付した。さ
らに、このアラインメントにおいては、A. ニガー T213
のアミノ酸配列を再度用いた。
【図33】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(51〜100
位)を示す。
【図34】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(101〜150
位)を示す。
【図35】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(151〜200
位)を示す。
【図36】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(201〜250
位)を示す。
【図37】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(251〜300
位)を示す。
【図38】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(301〜350
位)を示す。
【図39】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(351〜400
位)を示す。
【図40】 図32からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-11をデザインするためのアラインメント(401〜482
位)を示す。
【図41】 コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50
T-K91AのDNA配列(1〜540位)およびアミノ酸配列(1〜
180位)を示す。アミノ酸配列は一文字コードを用いて
対応するDNAの上に記す。置換したアミノ酸残基を下線
で示す。遺伝子の終止コドンは星印(*)で示す。
【図42】 図41からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-1-サーモ[8]-Q50T-K91AのDNA配列(541〜1080位)お
よび対応する1文字コードのアミノ酸配列(181〜360
位)を示す。
【図43】 図41からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-1-サーモ[8]-Q50T-K91AのDNA配列(1081〜1410位)
および対応する1文字コードのアミノ酸配列(361〜467
位)を示す。
【図44】 コンセンサスフィターゼ-10-サーモ[3]-Q5
0T-K91AのDNA配列(1〜540位)およびアミノ酸配列(1
〜180位)を示す。アミノ酸配列は一文字コードを用い
て対応するDNAの上に記す。置換したアミノ酸残基を下
線で示す。遺伝子の終止コドンは星印(*)で示す。
【図45】 図44からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-10-サーモ[3]-Q50T-K91AのDNA配列(541〜1080位)
および対応する1文字コードのアミノ酸配列(181〜360
位)を示す。
【図46】 図44からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-10-サーモ[3]-Q50T-K91AのDNA配列(1081〜1404位)
および対応する1文字コードのアミノ酸配列(361〜467
位)を示す。
【図47】 A. フミガーツスATCC 13073フィターゼのa
-変異体のDNA配列(1〜600位)およびアミノ酸配列(1
〜200位)を示す。アミノ酸配列は一文字コードを用い
て対応するDNAの上に記す。置換したアミノ酸残基を下
線で示す。遺伝子の終止コドンは星印(*)で示す。
【図48】 図47からの続きでA. フミガーツスATCC
13073フィターゼのa-変異体のDNA配列(601〜1080位)
および対応する1文字コードのアミノ酸配列(201〜360
位)を示す。
【図49】 図47からの続きでA. フミガーツスATCC
13073フィターゼのa-変異体のDNA配列(1081〜1404位)
および対応する1文字コードのアミノ酸配列(361〜467
位)を示す。
【図50】 コンセンサスフィターゼ-7のDNA配列(1〜
660位)およびアミノ酸配列を示す。アミノ酸は一文字
コードを用いて対応するDNAの上に記す。遺伝子の組み
立てに用いたオリゴヌクレオチドの配列を太字で示す。
交換されたオリゴヌクレオチドおよびアミノ酸は下線で
示し、それらの対応するトリプレットを小文字で強調す
る。fcp7遺伝子は以下のオリゴヌクレオチドから組み立
てた: CP-1, CP-2, CP-3, CP-4.7, CP-5.7, CP-6, CP-7, CP-
8.7, CP-9, CP-10.7, CP-11.7, CP-12.7, CP-13.7, CP-
14.7, CP-15.7, CP-16, CP-17.7, CP-18.7, CP-19.7, C
P-20, CP-21, CP-22。 新たに合成したオリゴヌクレオチドは、数字の7でさら
に印を付けた。このフィターゼは、もとのコンセンサス
フィターゼと比較して以下の24カ所の交換を含む: S89D, S92G, A94K, D164S, P201S, G203A, G205S, H212
P, G224A, D226T, E255T, D256E, V258T, P265S, Q292
H, G300K, Y305H, A314T, S364G, M365I, A397S,S398A,
G404AおよびA405S。
【図51】 図50からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-7のDNA配列(661〜1200位)および対応する1文字コ
ードのアミノ酸配列を示す。
【図52】 図50からの続きでコンセンサスフィター
ゼ-7のDNA配列(1201〜1426位)および対応する1文字
コードのアミノ酸配列を示す。
【図53】 コンセンサスフィターゼ-1およびコンセン
サスフィターゼ-10の示差走査熱量測定(DSC)を示す図
である。蛋白質試料を約50〜60 mg/mlに濃縮して、10 m
M酢酸ナトリウムpH 5.0に対して十分に透析した。一定
の加熱速度10℃/分を95℃まで適用した。コンセンサス
フィターゼ-10のDSC(上のグラフ)によって、融点85.4
℃が得られたが、これはコンセンサスフィターゼ-1の融
点(78.1℃、下のグラフ)より7.3℃高い。
【図54】 コンセンサスフィターゼ-10-サーモQ50Tお
よびコンセンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K91Aの示
差走査熱量測定(DSC)を示す図である。蛋白質試料を
約50〜60 mg/mlに濃縮して、10 mM酢酸ナトリウムpH 5.
0に対して十分に透析した。一定の加熱速度10℃/分を95
℃まで適用した。コンセンサスフィターゼ-10-サーモQ5
0TのDSC(上のグラフ)によって融点88.6℃が得られた
のに対し、コンセンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K9
1Aの融点は89.3℃であった。
【図55】 コンセンサスフィターゼ-1、コンセンサス
フィターゼ-10およびコンセンサスフィターゼ-10-サー
モ-Q50Tの至適温度の比較を示す図である。至適温度を
決定するため、37〜86℃の一連の温度でフィターゼ標準
アッセイを実施した。形質転換したS. セレビジエ(S.
cerevisiae)株の希釈上清を測定に用いた。上清のその
他の成分は至適温度の測定に影響を及ぼさなかった:
∧、コンセンサスフィターゼ-1;◇、コンセンサスフィ
ターゼ-10;黒四角、コンセンサスフィターゼ-10-サー
モ-Q50T。
【図56】 コンセンサスフィターゼ-10ならびにその
変種サーモ-Q50Tおよびサーモ-Q50T-K91AのpH依存的活
性プロフィールおよび基質特異性を示す図である。フィ
ターゼ活性は、適当な緩衝液(実施例11参照)中で異な
るpH値で標準的なアッセイを用いて測定した。グラフa)
は、コンセンサスフィターゼ-10(□)、コンセンサス
フィターゼ-10-サーモ-Q50T(●)、およびコンセンサ
スフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K91A(∧)のpH 依存活
性プロフィールを示す。グラフb)は、標準的なアッセイ
において、表記の化合物によってフィチン酸を置換して
調べた、対応する基質の特異性を示す;白の棒グラフ、
コンセンサスフィターゼ-10(灰色の棒グラフ、コンセ
ンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T;黒の棒グラフ、コ
ンセンサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K91A)。数字は
以下の化合物に対応する:1、フィチン酸塩;2、燐酸
p-ニトロフェニル;3、燐酸フェニル;4、フルクトー
ス-1,6-二燐酸;5、フルクトース-6-燐酸;6、グルコ
ース-6-燐酸;7、リボース-5-燐酸;8、DL-グリセロ
ール-3-燐酸;9、グリセロール-2-燐酸;10、3-フォス
フォグリセリン酸塩;11、ホスホエノールピルビン酸
塩;12、AMP;13、ADP;14、ATP。
【図57】 コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50
Tおよびコンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50T-K91
AのpH依存的活性プロフィールおよび基質特異性を示す
図である。フィターゼ活性は、標準的なアッセイを用い
て適当な緩衝液(実施例11参照)中で異なるpH値で決定
した。グラフa)は、Q50T-(黒四角)およびQ50T-K91A変
種(●)のpH依存的活性プロフィールを示す。グラフb)
は、標準的なアッセイにおいて表記の化合物によるフィ
チン酸の置換によって調べた、対応する基質特異性を示
す(白の棒グラフ、コンセンサスフィターゼ-1-サーモ
[8]-Q50T;黒の棒グラフ、コンセンサスフィターゼ-1-
サーモ[8]-Q50T-K91A)。基質は図26の説明に記述した
通りである。
【図58】 コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50
Tおよびコンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50T-K91
Aの示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。蛋白質試
料を約50〜60 mg/mlに濃縮して、10 mM酢酸ナトリウ
ム、pH 5.0に対して十分に透析した。一定の加熱速度10
℃/分を95℃まで適用した。コンセンサスフィターゼ-1-
サーモ[8]-Q50TのDSC(上のグラフ)は融点84.7℃を示
し、一方、コンセンサスフィターゼ-1-サーモ[8]-Q50T-
K91Aの融点は85.7℃であった。
【図59】 コンセンサスフィターゼ-1、コンセンサス
フィターゼ-1-サーモ[3]およびコンセンサスフィターゼ
-1-サーモ[8]の至適温度の比較を示す図である。至適温
度を測定するため、37〜86℃までの一連の温度でフィタ
ーゼ標準アッセイを実施した。形質転換したS. セレビ
ジエ(S. cerevisiae)株の上清からの精製蛋白質を測
定に用いた。○、コンセンサスフィターゼ-1;□、コン
センサスフィターゼ-1-サーモ[3];黒三角、コンセンサ
スフィターゼ-1-サーモ[8]。
【図60】 コンセンサスフィターゼ-1、コンセンサス
フィターゼ-7、およびA. ニガーNRRL 3135からのフィタ
ーゼのpH依存的活性プロフィールおよび基質特異性の比
較を示す図である。フィターゼ活性は、適当な緩衝液
(実施例11参照)中で異なるpH値で標準的なアッセイを
用いて測定した。グラフa)は、コンセンサスフィターゼ
-1(黒四角)、A. ニガーNRRL 3135(○)のフィター
ゼ、およびコンセンサスフィターゼ-7(黒三角)のpH依
存的活性プロフィールを示す。グラフb)は、標準的なア
ッセイにおける表記の化合物によるフィチン酸塩の置換
によって調べた、対応する基質特異性を示す(黒の棒グ
ラフ、A. ニガー NRRL 3135フィターゼ;灰色の棒グラ
フ、コンセンサスフィターゼ-1、斜線の棒グラフ、コン
センサスフィターゼ-7)。基質は図26の説明に記述の通
りである。
【図61】 A. フミガーツスATCC 13073および以下の
アミノ酸置換F55Y、V100I、F114Y、A243L、S265P、N294
Dを含む、その安定化されたα-変異体からのフィターゼ
の示差走査熱量測定(DSC)を示す図である。蛋白質試
料を約50〜60mg/mlに濃縮して、10 mM酢酸ナトリウム、
pH 5.0に対して十分に透析した。一定の加熱速度10℃/
分を95℃まで適用した。コンセンサスA. フミガーツス1
3073フィターゼのDSC(上のグラフ)は融点62.5℃を示
し、一方α-変異体の融点は67.0℃であった。
【図62】 A. フミガーツス13073野生型、そのA. フ
ミガーツスα変異体、およびさらに安定化したα-変異
体(E59A-S126N-R329H-S364T-G404A)の至適温度の比較
を示す図である。至適温度を測定するため、37〜75℃ま
での一連の温度でフィターゼ標準アッセイを実施した。
形質転換したS. セレビジエ(S. cerevisiae)株の希釈
上清を測定に用いた。上清のその他の成分は至適温度の
測定に影響を及ぼさなかった。○、A. フミガーツスATC
C 13073フィターゼ;黒三角、A. フミガーツスATCC 130
73α-変異体;□、A. フミガーツスATCC 13073α-変異
体-(E59A-S216N-R329H-S364T-G404A)-Q27T;黒四角、
A. フミガーツスATCC 13073α-変異体-(E59A-S216N-R3
29H-S364T-G404A)-Q27T-K68A。Q27TおよびK68Aはそれ
ぞれ、コンセンサスフィターゼ-1 Q50TおよびK91Aに対
応する。
【図63】 「バシディオ」コンセンサス配列からコン
センサスフィターゼ-10-サーモ-Q50T-K91Aに移入された
多くの活性部位残基を含むフィターゼ12(consphy12)
のアミノ酸配列を表す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/36 A61K 47/36 // C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 マルティン レフマン ドイツ国 インツリンゲン リーヘンスト ラッセ101エイ (72)発明者 マルクス ワイス スイス リースタル ロタッケルストラッ セ 9

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィターゼと、 a) C5糖、好ましくはキシリトールまたはリビトール、 b) 分子量600〜4000 Da、好ましくは1000〜3350 Daの
    ポリエチレングリコール、 c) マロン酸、グルタル酸、およびコハク酸の二ナトリ
    ウム塩、 d) カルボキシメチルセルロース、および e) アルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウム、 からなる群より選択される1つ以上の安定化剤とを含
    む、安定化された乾燥または液体の酵素製剤。
  2. 【請求項2】 a) グルタルアルデヒドと、または b) 過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化およびアジピン酸
    ジヒドラジドによる反応によって、クロスリンクしてい
    るフィターゼを含む、安定化された乾燥または液体の酵
    素製剤。
  3. 【請求項3】 フィターゼが真菌フィターゼまたはコン
    センサスフィターゼであることを特徴とする、請求項1
    または2記載の酵素製剤。
  4. 【請求項4】 真菌フィターゼがアスペルギルス・フミ
    ガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス
    ・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギ
    ルス・テレウス(Aspergillus terreus)およびアスペ
    ルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のフィターゼ
    からなる群より選択されることを特徴とする、請求項3
    記載の酵素製剤。
  5. 【請求項5】 製剤が液体であることを特徴とする、請
    求項1〜4のいずれか一項記載の酵素製剤。
  6. 【請求項6】 安定化剤が、最終製剤中に10〜50%(w/
    w)の濃度で存在するポリエチレングリコールであるこ
    とを特徴とする、請求項5記載の酵素製剤。
  7. 【請求項7】 安定化剤が、最終製剤中に20〜60%(w/
    w)の濃度で存在するキシリトールおよび/またはリビ
    トールであることを特徴とする、請求項5または6記載
    の酵素製剤。
  8. 【請求項8】 安定化剤が、最終製剤中の塩濃度が10〜
    30%(w/w)の範囲であるグルタル酸、コハク酸または
    マロン酸の二ナトリウム塩であることを特徴とする、請
    求項5〜7のいずれか一項記載の酵素製剤。
  9. 【請求項9】 安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃度
    が1〜10%(w/w)の範囲にあるカルボキシメチルセル
    ロースであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれ
    か一項記載の酵素製剤。
  10. 【請求項10】 安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃
    度が1〜10%(w/w)の範囲にあるアルギン酸ナトリウ
    ムであることを特徴とする、請求項5〜9のいずれかに
    記載の酵素製剤。
  11. 【請求項11】 製剤が乾燥/固体であることを特徴と
    する、請求項1〜4のいずれかに記載の酵素製剤。
  12. 【請求項12】 安定化剤が、最終製剤中のポリエチレ
    ングリコールが1〜20%(w/w)の濃度範囲で存在す
    る、ポリエチレングリコールであることを特徴とする、
    請求項11記載の酵素製剤。
  13. 【請求項13】 安定化剤が、最終製剤中に1〜20%
    (w/w)の濃度で存在するキシリトールおよび/または
    リビトールであることを特徴とする、請求項11または12
    記載の酵素製剤。
  14. 【請求項14】 安定化剤が、最終製剤中の塩濃度が1
    〜20%(w/w)の範囲にあるグルタル酸、コハク酸、ま
    たはマロン酸の二ナトリウム塩であることを特徴とす
    る、請求項11〜13のいずれか一項記載の酵素製剤。
  15. 【請求項15】 安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃
    度が1〜10%(w/w)の範囲にある、カルボキシメチル
    セルロースであることを特徴とする、請求項11〜14のい
    ずれか一項記載の酵素製剤。
  16. 【請求項16】 安定化剤が、最終製剤中のポリマー濃
    度が1〜10%(w/w)の範囲にあるアルギン酸ナトリウ
    ムであることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一
    項記載の酵素製剤。
  17. 【請求項17】 フィターゼモノマーがグルタルアルデ
    ヒドの付加によってクロスリンクされていることを特徴
    とする、請求項2〜5または11のいずれか一項記載の酵
    素製剤。
  18. 【請求項18】 フィターゼモノマーが、過ヨウ素酸ナ
    トリウムによる糖質残基の酸化、およびその後のアジピ
    ン酸ジヒドラジドの付加によってクロスリンクされてい
    ることを特徴とする、請求項2〜5または11のいずれか
    一項記載の酵素製剤。
  19. 【請求項19】 飼料を請求項1〜18のいずれか一項に
    記載の安定化された乾燥または液体の酵素製剤で処置す
    ることを特徴とする、単胃動物の飼料組成物を調製する
    方法。
  20. 【請求項20】 飼料が請求項1〜18のいずれか一項に
    記載の安定化された乾燥または液体の酵素製剤を含むこ
    とを特徴とする、単胃動物用の飼料組成物。
  21. 【請求項21】 動物を請求項20記載の飼料で飼育し、
    かつ、さらなる燐を飼料に加えないことを特徴とする、
    燐の食餌必要量を単胃動物に提供する方法。
  22. 【請求項22】 請求項1〜18記載の安定化されたフィ
    ターゼを用いることを特徴とする、乾燥または液体のフ
    ィターゼ製剤を調製する方法。
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