JP2000052513A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2000052513A
JP2000052513A JP10233638A JP23363898A JP2000052513A JP 2000052513 A JP2000052513 A JP 2000052513A JP 10233638 A JP10233638 A JP 10233638A JP 23363898 A JP23363898 A JP 23363898A JP 2000052513 A JP2000052513 A JP 2000052513A
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resin
sheet
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decorative
weight
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JP10233638A
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Masayuki Shibata
雅之 柴田
Takeshi Yamanaka
剛 山中
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材シートの表面にオレフィン系樹脂からなる
表面樹脂層を設けた化粧シートであって、基材シートに
設けられた装飾層と上記表面樹脂層との密着性が良好で
あり、且つ環境にも問題のない化粧シートを提供する。 【解決手段】基材シート2上に装飾層3を設け、更にそ
の上に、上記基材シート2との積層面にカルボニル基と
カルボキシル基の両官能基を有する透明オレフィン系樹
脂を主成分とする樹脂材料を押し出して透明樹脂層4を
形成して化粧シート1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いられる化粧シートに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、基材シートの表面に熱可塑性
樹脂からなる表面樹脂層を設けた化粧シートが知られて
おり、このような化粧シートにあっては、熱可塑性樹脂
として塩化ビニル樹脂が一般に用いられきた。
【0003】しかしながら、塩化ビニル樹脂は焼却時に
塩素ガスの発生を伴い、環境に与える影響は無視できな
いため、近年、環境保護の観点から塩化ビニル樹脂を用
いない化粧シートが強く要望されており、また、これに
応えるべく種々の化粧シートが提案されている。
【0004】例えば、特開平6−79830号公報には
隠蔽性を有するオレフィン系樹脂よりなる基材シートの
表面に、絵柄インキ層、接着剤層、熱可塑性透明エラス
トマーフィルム層を順次積層し、積層と同時にエンボス
加工によるエンボス模様を施してなるエンボス化粧シー
トが提案されており、特開平6−79850号公報には
隠蔽性を有するオレフィン系樹脂よりなる基材シート上
に絵柄インキ層を設け、オレフィン系の透明樹脂を溶出
して積層すると同時にエンボス凹部を設け、該エンボス
凹部を着色インキで充填してなるワイピング化粧シート
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記化
粧シートは、絵柄インキからなる装飾層と表面樹脂層と
の間の接着力が低く、そこから剥離し易いという問題が
あった。また、押出しコート法で表面樹脂層を積層する
場合、溶融状態のオレフィン系樹脂は基材シートや装飾
層に対する密着性に乏しい傾向が大きかった。
【0006】本発明は上記従来技術の欠点を解消するた
めになされたものであり、表面樹脂層と装飾層との間の
密着性が良好であり、且つ環境にも問題のない化粧シー
トを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材シート上
に装飾層及びウレタン樹脂接着剤層を設け、更にその上
に、上記基材シートとの積層面にカルボニル基とカルボ
キシル基の両官能基を有する透明オレフィン系樹脂を主
成分とする透明樹脂層を積層してなることを特徴とする
化粧シートを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき説明
する。図1に示すように本発明化粧シート1は、基材シ
ート2上に装飾層3を設け、更にその上に透明樹脂層4
を積層形成してなるものである。尚、図1中、5は必要
に応じて設けられる表面保護層である。
【0009】基材シート2は、(a)オレフィン系樹脂
フィルム又はシート(以下本発明においてシートと言う
場合、フィルムも含む)、或いは(b)繊維質シート等
が用いられる。
【0010】(a)オレフィン系樹脂シートに好ましく
用いられるものとしては、高密度ポリエチレン樹脂、熱
可塑性エラストマー、着色剤、及び無機充填剤からなる
シートが挙げられる。該シートによれば、化粧シートと
して要求される性能、即ち、ポリ塩化ビニル並の熱成形
性、耐クリープ変形性、耐寒折り曲げ強度、耐有機溶剤
性、破断時伸度、耐衝撃強度、適度な曲げ弾性率、易接
着性を満足するものが得られる。
【0011】上記高密度ポリエチレンとしては、比重が
0.94〜0.96のポリエチレンであって、低圧法で
得られる結晶化度が高く分子に枝分かれ構造の少ない高
分子を用いるのがより好ましい。
【0012】また、上記熱可塑性エラストマーとして
は、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィン
系エラストマー等が挙げられる。熱可塑性エラストマー
の添加量としては基材シート中に10〜60重量%、好
ましくは30重量%程度である。10重量%より低いと
一定荷重時伸度の変化が急峻になり過ぎ、また、破断時
伸度、耐衝撃性の低下が生じ、60%より高いと透明
性、耐候性及び耐クリープ性の低下が生じる。熱可塑性
エラストマーの添加により、基材シートとして形成した
場合の柔軟性、耐衝撃性、易接着性等を向上させること
ができる。
【0013】また、オレフィン系樹脂シートには、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは以下に挙げる〜
の6種類がある。
【0014】 (A)ソフトセグメントとしてのオレ
フィン系エラストマーと、(B)ハードセグメントとし
てのオレフィン系樹脂を単純ブレンドしたもの。
【0015】具体的には、オレフィン系樹脂として、ポ
リエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・
ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プ
ロピレン・エチレン共重合体、ブテン−1・ヘキセン−
1・オクテン−1、3三共重合体、ポリメチルペンテン
等の樹脂単独又は2種以上混合したものが挙げられる。
【0016】オレフィン系エラストマーとしては各種ゴ
ム類が挙げられ、ゴム類としては、ジエン系ゴム、水素
添加ジエン系ゴム等であるが、中でも水素添加ジエン系
ゴムが好ましい。オレフィン系エラストマーは、後述す
る〜等のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用い
ても良い。
【0017】水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴムの
二重結合の少なくとも一部に水素原子を付加させてなる
もので、オレフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透
明性をアップさせる役割がある。また、一般にオレフィ
ン系樹脂にジエン系ゴムを添加すると、ジエン系ゴムの
二重結合のため、耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加
のオレフィン系樹脂より低下するが、ジエン系ゴムの二
重結合を水素で飽和させることで、オレフィン系樹脂の
耐候性、耐熱性の低下もなく良好なものとなる。
【0018】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等
がある。本発明の目的からは、特にスチレン・ブタジエ
ンゴムが好ましい。
【0019】添加量としては、オレフィン系樹脂100
重量部に対し、オレフィン系エラストマー1〜90重量
部程度とする。1重量部未満だと、ゴム添加による弾
性、伸び率、耐衝撃性が不足し、Vカット加工、絞り加
工等の折り曲げ加工時に亀裂、割れを生じ易くなる。ま
た、90重量部を越えると、弾性及び伸び率が大きくな
りすぎ、印刷時の検討合わせが不良になり好ましくな
い。
【0020】 特公平6−23278号公報に記載の
如き(A)数平均分子量Mnが25,000以上、且つ
重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/M
n≦7の沸騰ヘプタン可溶ポリプロピレン10〜90重
量%(ソフトセグメント)と、(B)メルトインデック
スが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプ
ロピレン90〜10重量%(ハードセグメント)との混
合物からなる軟質ポリプロピレン。
【0021】 特公昭53−21021号公報に記載
の如き、(A)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメ
チルペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)を
ハードセグメントとし、これに(B)部分架橋したエチ
レン・プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン・プロ
ピレン・非共軛ジエン三共重合体ゴム等のモノオレフィ
ン共重合体ゴム等をソフトセグメントとし、これらを均
一に配合し混合してなるオレフィン系エラストマー。上
記(A)、(B)は、(B)/(A)=50/50〜9
0/10(重量比)の割合で混合する。
【0022】 特公昭53−34210号公報に記載
の如き(A)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフ
トセグメント)と、(B)結晶性オレフィン共重合体
(ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪断
応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン系
エラストマー。上記(A)、(B)は、(B)/(A)
=60/40〜80/20(重量比)の割合で混合す
る。
【0023】 特公昭56−15741号公報等に記
載の如き、(A)アイソタクチックポリプロピレン、プ
ロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1
共重合体等のペルオキシドと混合、加熱すると分子量を
減じ、流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合
体(ハードセグメント)と、(B)エチレン・プロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・非共軛ジエン
三共重合体ゴム等のペルオキシドと混合することによ
り、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオ
レフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)と、(C)
ポリイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混
合、加熱しても架橋せず、流動性が不変の、ペルオキシ
ド非架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改
質成分)と、(D)パラフィン系、ナフテン系、芳香族
系等の鉱物油系軟化剤とを混合し、有機ペルオキシドの
存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラストマ
ー。上記(A)、(B)、(C)、(D)は、(A)が
90〜40重量部、(B)が10〜60重量部、(C)
及び(D)が5〜100重量部の配合比となる。
【0024】 特開平2−139232号公報に記載
の如き、エチレン・スチレン・ブチレン三共重合体から
なるオレフィン系エラストマー。
【0025】基材シート2は、顔料又は染料からなる着
色剤を添加して着色するのが好ましい。着色は用途に応
じて着色透明又は不透明(隠蔽性)着色とする。基材シ
ート2の着色は一般的には被着体の表面を隠蔽すること
が可能なことから不透明着色が好ましい。
【0026】着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁
柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブ
ラック等の無機顔料、イソインドリノ、ハンザイイエロ
ーA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロ
シアニンブルー等の有機顔料或いは染料、アルミニウ
ム、真珠等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性
炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられ
る。
【0027】基材シート2には、必要に応じて無機充填
剤を添加しても良い。無機充填剤としては、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末が、基材
シート中に5〜60重量%程度、好ましくは30重量%
程度添加される。添加量が5重量%より低いと耐クリー
プ変形性及び易接着性の低下が生じ、60重量%より高
いと破断時伸度及び耐衝撃性の低下が生じる。
【0028】また、基材シート2には、所望により、紫
外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、難燃剤、発泡剤等が添加される。
【0029】紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により良
好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、そ
の添加量は紫外線吸収剤、光安定剤とも通常0.015
〜1.0重量%程度である。一般的には、紫外線吸収剤
と光安定剤とを併用するのが好ましい。
【0030】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、
又は0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリ
ウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。
【0031】光安定剤としては、ビス−(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等の
ヒンダードアミン系ラジカル補足剤、ピペリジン系ラジ
カル補足剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
【0032】熱安定剤は、フェノール系、サルファイト
系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系
等公知のものであり、熱加工時の熱変色等の劣化の防止
性をより向上させる場合に用いられる。
【0033】難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の粉末が用いられ、これらは難燃性を
付与する必要がある場合に添加する。
【0034】基材シート2に用いられるオレフィン系樹
脂シートは、上記材料をブレンドしたものをカレンダー
製法等の常用の方法によりシート状に成形することで得
られる。
【0035】基材シート2にオレフィン系樹脂シートを
用いる場合、その厚みは、50〜300μm程度、より
好ましくは50〜100μm程度である。また、オレフ
ィン系樹脂シートは、延伸シート、未延伸シートのいず
れも使用可能であるが、Vカット加工等の成形適性等は
未延伸シートが良好である。
【0036】また、基材シート2に用いられる(b)繊
維質シートは、坪量50〜150g/m2 程度の紙、織
布、又は不織布からなるシート等が挙げられる。その厚
みは50〜300μm程度の範囲から選択することがで
きる。
【0037】繊維質シートを構成する繊維質素材は、セ
ルロースパルプ、麻、木綿、ナイロン等の有機質系の合
成又は人造繊維、石綿、硝子、石英、カーボン、チタン
酸カリウム等からなる無機質系の繊維が挙げられる。繊
維質素材には、アジリジニル・ホスフィン・オキシド等
の燐酸化合物等の難燃剤を混抄する等して難燃処理する
ことができる。尚、セルロースパルプ繊維を用いた繊維
質基材シートは、いわゆる「紙」であり、具体的には、
上質紙、クラフト紙、和紙等が挙げられる。
【0038】本発明において基材シート2上に設ける装
飾層3は、絵柄印刷、着色印刷等により基材シート2の
表面に形成されるものである。装飾層3は具体的には顔
料添加による着色(透明又は不透明)の模様又はベタ印
刷等であり、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクス
クリーン印刷、転写シートからの転写印刷等の公知の印
刷法を用い、インキ若しくは塗料(以下単にインキとい
う)にて形成する。
【0039】装飾層3の模様としては、木目模様、石目
模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号等
がある。装飾層3は基材シート2表面の全面に設けても
部分的に設けても良い。
【0040】装飾層3に用いるインキとしては、バイン
ダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレ
タン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体、セルロース系樹脂等を用い、1種又は2種以
上混合してこれに前述したような公知の顔料を添加した
ものを用いる。
【0041】オレフィン系樹脂シートに直接印刷して装
飾層3を設ける場合は、バインダーとして塩素化ポリオ
レフィン、ポリウレタン等を用いるのが接着性の点で好
ましいが、オレフィン系樹脂シートにコロナ放電処理、
プラズマ放電処理等の易接着処理を施したり、易接着プ
ライマーを適当に選択して層形成すれば、その他のバイ
ンダーを用いても十分な接着性をもって基材シート2に
装飾層3を設けることができる。易接着プライマーは、
アクリル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テル、ウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエ
チレン等から選択される。また、装飾層3に用いるイン
キは、ウレタン系高温反応型(150〜250℃)のも
のが好適であり、このようなインキを用いることで後述
する接着剤の塗布が不要になる。
【0042】本発明化粧シート1は基材シート2に設け
られた装飾層3の上に、更に透明樹脂層4が形成されて
いる。透明樹脂層4の厚みは、20〜200μm程度で
あるのが好ましく、より好ましくは50〜100μmで
ある。
【0043】本発明における透明樹脂層4は透明オレフ
ィン系樹脂を主成分とする樹脂材料を用いて、図2に示
すように溶融状態にある該樹脂材料を押出機6から押し
出して、これを基材シート2とともに冷却ロール7と圧
着ロール8とでニップしながら冷却することによって基
材シート2上に形成される。尚、図2では基材シート2
に設けられる装飾層の図示を省略している。
【0044】本発明にあっては透明オレフィン系樹脂を
主成分とする樹脂材料を押出機から基材シート2上に押
し出して透明樹脂層4を形成するにあたり、上記樹脂材
料に押出機のTダイ直下で表面処理を施して基材シート
3との積層面にカルボニル基とカルボキシル基を導入す
る。該積層面におけるカルボニル基濃度が1.0×10
-2(個/炭素1原子当り)以上であり、且つカルボキシ
ル基濃度が1.0×10-2(個/炭素1原子当り)以上
となるようにすることによって、装飾層3に対する透明
樹脂層4の密着性を良好ならしめることができる。
【0045】尚、本発明において、カルボニル基濃度、
カルボキシル基濃度とは、それぞれ炭素原子数に対する
カルボニル基、カルボキシル基の数をいうものとし、例
えば、炭素原子100個に対してカルボニル基が1個存
在すれば、カルボニル基濃度は1.0×10-2(個/炭
素1原子当り)となる。
【0046】上記の如き表面処理は、樹脂材料を押出機
内で溶融混練して押し出した直後に、Tダイ6から押し
出された溶融状態にある樹脂材料がTダイ6の吐出口か
ら冷却ロール7にいたるまでの間に、該樹脂にノズル9
からオゾンガスを吹き付けることにより行なわれる(図
2参照)。オゾンガスの吹き付けによってTダイ6から
押し出された樹脂材料の基材シート2との積層面におけ
るカルボニル基とカルボキシル基の濃度を上記範囲とす
るには、オゾン含有濃度が10〜180mg/m3 のオ
ゾンガスを用いて、これを50ml/m2 以上の吹き付
け量で上記樹脂材料に吹き付ければ良い。
【0047】本発明において、透明樹脂層4に用いる透
明オレフィン系樹脂には、ポリエチレン、エチレン・プ
ロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、ポ
リプロピレン、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリ
ブテン−1、ブテン−1・プロピレン・エチレン共重合
体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1,3共重
合体、ポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂や、前
記基材シート2の材料として例示したオレフィン系熱可
塑性エラストマー〜等が使用できる。これらの樹脂
は、単独で用いても或いは2種以上混合してもよい。
【0048】透明樹脂層4に好ましく用いられるのは、
オレフィン系熱可塑性エラストマーの説明で挙げたも
ので、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチック
ポリプロピレンとの混合系からなる、複合立体構造を有
する無色又は着色透明な軟質ポリプロピレン系樹脂であ
る。上記複合立体構造を有する軟質ポリプロピレン系樹
脂を用いれば、化粧シートとして要求される性能、即
ち、耐クリープ変形性、耐有機溶剤性、破断時伸度、耐
衝撃強度、適度な曲げ弾性率、透明性が良好であり、ま
た、エンボス加工等にともなう加熱と冷却が加わって
も、再結晶による白化、濁りを生じず、耐候性をも満足
するものが得られる。
【0049】アイソタクチックポリプロピレンとアクタ
チックポリプロピレンとの混合系からなる、複合立体構
造を有する無色又は着色透明な軟質ポリプロピレン系樹
脂は、具体的には、(A)(イ)マグネシウム、チタ
ン、ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分として含有
する固体触媒成分、(ロ)有機アルミニウム化合物、及
び(ハ)一般式(1)
【化1】 (式中のR1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は炭
素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロソ基、m
は1〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であ
る)で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物の組合わ
せからなる触媒の存在下、プロピレンを重合させること
により得られる、数平均分子量(Mn)が25,000
以上で、且つ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下の沸騰ヘプタン
可溶性ポリプロピレン(アタクチックポリプロピレン)
10〜90重量%と、(B)メルトインデックスが0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン
(アイソタクチックポリプロピレン)90〜10重量%
とからなる軟質ポリプロピレン樹脂組成物が挙げられ
る。
【0050】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物は、破
断伸び(Tb )が400%以上、好ましくは500〜7
00%、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80
%以下、好ましくは50〜75%、及び破断時応力(M
B )と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が1.
0以上、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあることが
望ましい。
【0051】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(A)成分のアタクチックポリプロピレンとし
て、沸騰ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(M
n)が2,5000以上、好ましくは30,000〜6
0,000の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが7以下、好
ましくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このM
nが25,000未満のものやMw/Mn比が7を超え
るものでは得られる樹脂における該アタクチックポリプ
ロピレンの力学的特性への寄与効果が十分に発揮され
ず、得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比が1.0未満になったり、100%伸長
後の残留伸び(PS100 )が80%を超えたりして、望
ましくない。
【0052】上記(A)成分のアタクチックポリプロピ
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上組み合わせて用いてもよい。このような(A)成分
のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特開昭6
3−243106号公報等)によって製造することがで
きる。
【0053】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(B)成分として、メルトインデックス(MI)
が0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性の結晶性
アイソタクチックポリプロピレンが用いられる。このメ
ルトインデックスが0.1g/10分未満では溶融特性
が低く、シート成形が困難になるし、4g/10分を超
えると機械的強度が不充分となってVカット加工が良好
に行えなくなる虞れがある。
【0054】上記(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンは、アイソタクチックの立体規則性を有するプ
ロピレン単独重合体であってもよいし、該立体規則性を
有するプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体で
あってもよい。このα−オレフィンとしては炭素数2〜
8のもの、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘプテン−1、オクテン−1などが好ましく、中で
もエチレン及びブテン−1が好適である。また該共重合
体としては、前記の他のα−オレフィン単位を通常40
重量%以下、好ましくは30重量%以下含有するブロッ
ク共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0055】この(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、及びエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3〜
25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのランダ
ム共重合体又はブロック共重合体が挙げられる。このよ
うなアイソタクチックポリプロピレンの製造は、従来の
結晶性ポリプロピレンの製造と同様に行うことができ
る。
【0056】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレ
ンは1種用いてもよいし、2種以上を組合わせてもよ
い。また、前記(A)成分のアタクチックポリプロピレ
ンと(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは、
(A)成分の含有量が10〜90重量%、好ましくは2
5〜80重量%で、(B)成分の含有量が90〜10重
量%、好ましくは75〜20重量%になるような割合で
用いられる。該(A)成分の含有量が10重量%未満で
は、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎて、破
断時応力(MB )と降伏時応力(MY )との比MB /M
Y 比が1.0未満となり、かつ100%伸長後の残留伸
び(PS100 )も80%より大きくなってしまう。一方
含有量が90重量%を超えると破断時応力(MB )が小
さくなりすぎて、該MB /MY 比が1.0未満となり、
かつ機械的強度が低下する虞れがある。また、(B)成
分の比率を高くすることにより、得られる軟質ポリプロ
ピレンのヤング率は高くなる。(A)成分と(B)成分
の特に好ましい比率は1:1である。
【0057】上記オレフィン系樹脂には、前述したよう
な紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、難燃剤等の各種添
加剤を必要に応じて添加することができる。
【0058】装飾層3と透明樹脂層4との密着性の紫外
線による経時的な劣化を防止し、ウェザ・オ・メーター
2000時間(ブラックパネル63℃)照射後において
も、化粧シートとして十分な密着強度をもたせて耐候密
着性をより向上させるためには、透明樹脂層4に紫外線
吸収剤、光安定剤を添加すると良い。種々の検討の結
果、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.1重量%
以上添加するか、或いはヒンダードアミン系ラジカル補
足剤を0.1重量%以上添加すると良い。
【0059】透明樹脂層4を積層形成するにあたり、基
材シート2の表面には接着剤を塗布して接着剤層を設け
ておくことのが好ましい。
【0060】接着剤層は、エポキシ樹脂でもある程度の
効果を期待できるが、より好ましくは、イソシアネート
基を有するウレタン樹脂を用いて形成する。ウレタン樹
脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂、1液型湿気硬化
ウレタン樹脂等が挙げられる。接着剤層の厚さは5〜1
00μm、通常は10〜30μm程度にするのが好まし
い。
【0061】接着剤層の形成に用いる接着剤としては、
ウレタン樹脂系の接着剤を用いるが、ウレタン樹脂中の
イソシアネート基の一部が透明樹脂層の接着剤層側の面
(積層面)に存在するカルボニル基中の酸素原子とウレ
タン樹脂中の水素原子との水素結合と、カルボキシル基
とウレタン樹脂中のイソシアネート基とのウレタン結合
との両結合によって、透明樹脂層と接着剤層との良好な
接着力が得られる。
【0062】ここに用いるウレタン樹脂として、2液硬
化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤とし、それにイ
ソシアネートを架橋剤(硬化剤)として反応させて得ら
れる。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基
を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエス
テルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオール等が挙げられる。
【0063】また、イソシアネートとしては、分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネー
トが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネー
ト、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネート
が挙げられる。また、上記各種イソシアネートの付加
体、又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレ
ンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネー
トの3量体等が挙げられる。
【0064】尚、2液硬化型ウレタン樹脂の場合の好ま
しい態様として、イソシアネート中のイソシアネート基
(−NCO)の数(モル数)を、それと反応させるポリ
オールの水酸基(−OH基)の数(反応当量)よりも多
くし、ポリオールとイソシアネートとの反応が終了した
後でも、未反応のイソシアネート基を確実に、しかも多
数残留させる態様が挙げられる。この場合、−NCO基
/−OH基の比は最大1.4程度とする。
【0065】本発明化粧シート1では、特に図示しない
が、透明樹脂層4の表面にエンボス加工、ヘアライン加
工等による凹凸模様を賦形することもできる。
【0066】エンボス加工としては、透明樹脂層4を加
熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、冷却固定する
もので、公知の枚葉、あるいは輪転式のエンボス機が用
いられる。エンボスの凹凸形状としては、木目導管溝、
石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチュ
ア、梨目、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。
【0067】凹凸模様の凹部には、必要に応じ公知のワ
イピング法(特公昭58−14312号公報参照)によ
って、着色インキ若しくは塗料(以下単に着色インキと
いう)を充填することもできる。
【0068】上記着色インキには、例えば、セラック、
コーバル、ダンマル、ロジン、ロジンエステル等の天然
樹脂又はその変成樹脂、ニトロセルロース、アセチルセ
ルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース等の
セルロース誘導体、フェノール系樹脂、尿素樹脂、フタ
ル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ
酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はその他
の合成樹脂類、塩化ゴム、合成ゴム等のゴム誘導体等を
ビヒクルの構成材料とし、ビヒクル中に着色剤、沈降性
硫酸バリウム等の体質顔料、可塑剤等を添加してなるイ
ンキが用いられる。
【0069】着色インキは、ロールコート或いはナイフ
コートにてシート表面凹部にコーティングした後、ドク
ターブレード或いはワイピングペーパー等で掻き取るこ
とにより、シート凸部のコーティングした着色インキを
除去し、凹部にのみ着色インキ組成物の粘度、ロールの
回転数、ドクターの刃先角度、厚み、シートスピード、
ワイピングペーパーのスピード、ゴムロールの硬度等を
調整することが必要である。着色インキの域超は、例え
ば木目柄の場合には導管と同一若しくは類似であり、ま
た、例えば石目柄の場合には割れ目と同一若しくは類似
であることが好ましい。
【0070】また、透明樹脂層4の表面には、化粧シー
ト1の耐摩耗性、耐薬品性を付与するとともに、表面の
艶調整を行なうために、表面保護樹脂コート層5を設け
ることが好ましい。表面保護樹脂コート層5としては、
アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の透
明又は半透明な樹脂が使用され、グラビアコート、ロー
ルコート、ナイフコート、エアーナイフ等の方法で塗工
する。
【0071】本発明の化粧シート1の用途としては、
壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺等の建具
の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの
表面化粧、自動車、電車等の車両内装、航空機内装、窓
硝子の化粧等が挙げられる。
【0072】化粧シート1を建築内外装用、建具・家具
等の表面化粧用、車両内装用等に用いる場合は、下記
(1)〜(9)の機能を備えているのがより好ましい。 (1)ポリ塩化ビニル並みの熱成形性。特に温度変化に
伴う一定荷重時伸度の変化がポリ塩化ビニルとほぼ同等
の緩やかで連続的に変化する特性をそなえていること。
また、加熱や冷却に伴って、強度低下等の材料力学的特
性の劣化が生じないこと。 (2)耐クリープ性が良好なこと。外装材や内装材には
建具や家具による定荷重が長時間かけられる場合が多
く、クリープ変形が生じると、荷重部分がめくれたり剥
がれたりする。従って、極力クリープ変形が生じない材
料であることが好ましい。 (3)耐寒折り曲げ強度が良好なこと。寒冷時にVカッ
ト加工等の折り曲げ加工を行うと応力緩和が不充分な場
合は、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じ易くな
る。 (4)耐有機溶媒性が良好なこと。化粧シートと被着体
を接着する接着剤中の溶剤により化粧シートが膨潤・変
形するのを防止できる。多層構造の化粧シートを得る場
合も同様である。 (5)破断時伸度、耐衝撃強度が高いこと。Vカット加
工時の折り曲げ部の亀裂を防止するための特性である。 (6)適度な曲げ弾性率を持つこと。曲げ加工部での化
粧シートの追従性が十分となる。 (7)透明性が良好であること。 (8)エンボス加工等に伴う加熱と冷却が加わっても再
結晶による白化、濁りを生じないこと。 (9)耐候性に優れること。特に有機系紫外線吸収剤の
熱加工時、及び屋外曝露時におけるブリードアウトによ
る損失がなく、添加した紫外線吸収剤が十分有効に機能
する。
【0073】本発明では、基材シート2を高密度ポリエ
チレン、熱可塑性エラストマー、着色剤、及び無機充填
剤からなるシートとし、透明樹脂層4をアイソタクチッ
クポリプロピレンとアクタチックポリプロピレンとの混
合系からなる無色又は着色透明な軟質ポリプロピレン系
樹脂を主成分として設けることで、それぞれに前述した
化粧シートに求められる諸条件を分担して持たせること
ができ、実用性の高い化粧シートが得られる。
【0074】
【実施例】実施例1 高密度ポリエチレン100重量部に、水素添加スチレン
−ブタジエンゴム30重量部、炭酸カルシウム粉末15
重量部、顔料としてチタン白、弁柄、黄鉛とカーボンブ
ラックの混合物8重量部を添加して溶融押出成形して製
膜し、得られた厚さ100μmの基材シート2を使用
し、該基材シートの表面にコロナ放電処理を施し、その
上に、バインダーにアクリルポリオールとヘキサメチレ
ンジイソシアネートを、顔料に弁柄とカーボンブラック
を主体として用いて得られるウレタン系インキを用いて
グラビア印刷によって装飾層を設けた後、更にその上に
ウレタン系2液硬化型接着剤(アクリルポリオール10
0重量部とヘキサメチレンジイソシアネート8重量部と
よりなる)を塗布した。
【0075】次いで、押出機より240℃にて、ランダ
ムポリプロピレン〔住友化学社製商品名「ノーブレ
ン」〕を厚み80μmに押し出し、ダイ直下で20g/
3 、5m3 /hrでオゾンを吹き付けながら、これを
基材シートとともに冷却ロールと圧着ロールでニップし
て基材シート上に透明樹脂層をラミネートした。
【0076】尚、基材シートとラミネートする直前にお
ける上記ランダムポリプロピレンの表面状態をESCA
(Electron Spectroscopy fo
rChemical Analysis)により解析
し、また、表面の結合状態をFTIR(フーリエ変換赤
外分光装置)により確認したところ、カルボニル基濃度
は5.0×10-1(個/炭素1原子当り)であり、カル
ボキシル基濃度は5.0×10-1(個/炭素1原子当
り)であった。
【0077】得られた化粧シートについて、下記の測定
方法により透明樹脂層と装飾層との間の層間密着性を測
定した。その結果3kgf/inch幅であった。ま
た、70℃の温度条件下で1週間の促進試験を行なった
が、透明樹脂層の収縮や層間密着性の低下は認められな
かった。
【0078】比較例1 高密度ポリエチレン100重量部に、水素添加スチレン
−ブタジエンゴム30重量部、炭酸カルシウム粉末15
重量部、チタン白、弁柄、黄鉛及びカーボンブラックか
らなる混合物8重量部を添加して溶融押成形して製膜
し、得られた厚さ100μmの基材シートの上に、バイ
ンダーにアクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシ
アネートを、顔料に弁柄とカーボンブラックを主体とし
て、用いて得られるウレタン系インキを用い、グラビア
印刷によって装飾層を設けた後、更にその上にウレタン
系2液硬化型接着剤(アクリルポリオール100重量部
とヘキサメチレンジイソシアネート8重量部とよりな
る)を塗布した。
【0079】別に押出機より240℃にてランダムポリ
プロピレン〔住友化学社製商品名「ノーブレン」〕を厚
み80μmに押し出し、これを基材シートとともに冷却
ロールと圧着ロールでニップして基材シート上に透明樹
脂層をラミネートして化粧シートを得た。得られた化粧
シートについて、下記の測定方法により透明樹脂層と装
飾層との間の層間密着性を測定した結果、層間密着性は
0.7kgf/inch幅であった。
【0080】〔層間密着性の測定方法〕1インチ幅の化
粧シートを用意し、透明樹脂層と基材シート間を引張試
験機にて室温(25°C)で両層の開き角180°、引
張速度50mm/分の条件下で引張って、剥離する強度
をもって評価した。
【0081】
【発明の効果】以上説明したような本発明化粧シート
は、基材シート上に装飾層及びウレタン樹脂接着剤層を
設け、更にその上に、上記基材シートとの積層面にカル
ボニル基とカルボキシル基の両官能基を有する透明オレ
フィン系樹脂を主成分とする透明樹脂層を積層してなる
構成を採用したことで、装飾層と透明樹脂層との間の密
着性を向上させることができるだけでなく、特に経時的
な密着性の低下がない耐候密着性に優れた化粧シートが
得られる。また、本発明化粧シートは、焼却して廃棄処
理する場合に塩素ガスが発生する問題もなく、廃棄処理
が容易であるといった利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明化粧シートの1例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明化粧シートの1製造例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 基材シート 3 装飾層 4 透明樹脂層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK03D AK05 AK07 AK25 AK51C AK51G AK73 AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D CA13 CB00C CB02G EH17 EJ55 GB08 GB33 HB00 HB00B JK06 JL09 JL11C JN01D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート上に装飾層及びウレタン樹脂接
    着剤層を設け、更にその上に、上記基材シートとの積層
    面にカルボニル基とカルボキシル基の両官能基を有する
    透明オレフィン系樹脂を主成分とする透明樹脂層を積層
    してなることを特徴とする化粧シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001322216A (ja) * 2000-03-10 2001-11-20 Mitsubishi Chem Mkv Co 積層フィルム
JP2009241489A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート

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