JP2000052226A - ワイヤーソー及びその製造方法 - Google Patents

ワイヤーソー及びその製造方法

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JP2000052226A JP23954898A JP23954898A JP2000052226A JP 2000052226 A JP2000052226 A JP 2000052226A JP 23954898 A JP23954898 A JP 23954898A JP 23954898 A JP23954898 A JP 23954898A JP 2000052226 A JP2000052226 A JP 2000052226A
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    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/18Sawing tools of special type, e.g. wire saw strands, saw blades or saw wire equipped with diamonds or other abrasive particles in selected individual positions
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエハーのスライシング加工などの
できるワイヤーソーを提供する。 【解決手段】 銅メッキを施した高強度の芯線の外周面
上に、砥粒とフィラーを混入した樹脂溶液を塗布した
後、加熱して、該砥粒を芯線外周上にレジンボンドによ
り隆起、固着させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として大口径シリ
コンインゴットからのシリコンウエハーのスライシング
のような電子材料の加工や、ネオジウム系磁石、ガラス
レンズの切断のような磁性材料や光学材料の加工などに
使用されるワイヤーソー並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコンインゴットからのシリコ
ンウエハーのスライシング加工には、主としてダイヤモ
ンド内周刃が使用されてきたが、シリコンインゴットの
大口径化に伴い、収率、生産性、加工変質層、寸法的な
制約などにより、最近は遊離砥粒とワイヤーソーによる
加工が多く用いられるようになってきた。しかし、遊離
砥粒を用いる加工は、砥粒の油状スラリーを使用するた
め、環境衛生上の問題があると共に、洗浄を要するなど
作業工程が長くなり、加工能率、加工精度共不充分で、
砥粒を固定させたワイヤーをつかったワイヤーソーによ
る加工が強く望まれている。
【0003】このような固定砥粒式ワイヤーソーとして
は、特開昭50−102993号公報に芯線材に砥粒を
結合して、その外面にドレッシングを施したものが提案
され、特開平8−126953号公報には、シリコンウ
エハーの切り出し加工におけるワイヤーソーの特徴が詳
細に並べられ、この加工には芯線材としてポリエチレ
ン、ナイロン等の素材を用いることが良いと提案されて
いる。また特開平9−155631号公報には、芯線材
にダイヤモンド砥粒を電解メッキ又は合成樹脂バインダ
ー溶液を用いて固着することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記それぞれは優れた
提案である。しかしながら、これらを工業的に製造し充
分な実用の域に達せしめるには、SiC、Al23
どの一般砥粒から超砥粒と称せられるダイヤモンドやC
BNを含む硬質砥粒を固着したワイヤーソー自体の構成
を明らかにした上で、その製造方法について開発すべき
と考える。本発明者らはこの課題を解決するためさきに
国際出願PCT/JP98/00532を提案したが、
本願発明はこの先の提案のうち、特定条件において顕著
な効果のあることを確認し、その確認したものを限定し
て出願したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち先の提案における特
徴の第1は、高強度の芯線の外周面にレジンボンド層に
よって固着される砥粒としては、レジンボンド層厚の2
/3以上芯線径の1/2以下の粒径のものを用い、レジ
ンボンドは弾性率が100kg/mm2以上で軟化温度が2
00℃以上の樹脂で、かつ該樹脂に粒径がレジンボンド
層厚の2/3未満のフィラーを含有したものを用いるこ
とである。上記砥粒径が層厚の2/3未満であると、レ
ジンボンド層表面に少なくともその一部が存在するこ
と、更には該表面より隆起突出することが難しくなるの
で、それ以上とする必要がある。そして、芯線径の1/
2を越えるとレジンボンドによる砥粒の保持は困難とな
り、切断性が低下する。さらに切断加工精度を良好に保
つためには芯線径の1/3程度までが好ましい。
【0006】フィラーは、レジンボンド層中に埋没され
て該ボンドの補強効果を発揮するものであるから、レジ
ンボンド層厚の2/3以下であればよい。また、ボンド
として使用する樹脂としては、弾性率が100kg/mm2
以上で軟化温度が200℃以上である樹脂はいずれでも
使用できるが、成形性や物性の見地からアルキッド樹
脂、フェノール樹脂、ホルマリン樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、アリル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリアミド
イミド樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ビスマレイミ
ド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネートエ
ステル樹脂、ポリエーテルイミド、ポリパラベン酸、芳
香族ポリアミドなどが好ましい。高強度の芯線として
は、金属材料、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、
有機材料、炭素材料からなる線状体を用いることができ
るが、容易に極細線に仕上げられ、均質で強度も高いピ
アノ線が最も好ましい。
【0007】特徴の第2は、砥粒の一部がレジンボンド
層外表面より隆起していることにある。レジンボンド層
表面より砥粒の一部が隆起して突出していれば、その突
出端が切断加工開始より切れ刃となり、チップポケット
の効果も伴うので、披加工物を高速で切断できる。ただ
し、砥粒がレジンボンド層表面と略同一で、該表面から
隆起していない場合でも、切断時は砥粒端が被加工物に
当たり、切断加工を行うことができる。そして、そのま
ま加工を継続すれば、レジンボンド層は研削摩耗により
次第に後退し砥粒が突出して来るので切れ味が良くなっ
て来る。
【0008】特徴の第3は、高強度の芯線が表面処理を
施したピアノ線であることにある。ピアノ線はそのまま
でも使用できるが、レジンボンドとの密着性を高め、砥
粒の保持強度を高めるため、表面処理を施したものを使
用することが好ましい。
【0009】特徴の第4は、上記構成のワイヤーを製造
する方法を提供するもので、前記樹脂を溶剤に溶かした
溶液中に、上記砥粒とフィラーを混合した塗料を、上記
芯線に塗布焼付けして行う方法が、砥粒も隆起、突出し
やすく有利である。塗布焼付は、該芯線を塗料槽中を通
過させた後、乾燥部に導入して加熱固化することによっ
て容易にできる。この乾燥部への導入部分も、乾燥部分
も、砥粒の均一な分散と、レジンボンドの厚みの均一性
を保持するためには堅型とすることが好ましい。また導
入部には浮きダイスを使用して樹脂溶液の付着状態を制
御することが好ましい。
【0010】なお、ボンドとして使用する樹脂を加熱溶
融し、その溶融液中に砥粒とフィラーを混合し、この混
合溶融液を押出機に充填し、芯線を通過させて該混合溶
融液を芯線外周上に押出被覆することも可能である。こ
の場合、砥粒の隆起、突出は少なくなり、第2図に示す
ような構成のワイヤーソーとなるが、前述のように加工
を継続すれば、レジンボンド層は研削摩耗により次第に
後退し砥粒が突出して来るのでワイヤーソーとして使用
可能である。
【0011】特徴の第5は、塗料中の溶剤量が容量比で
塗料全体の25%乃至75%であることにある。塗布な
らびに乾操固着による砥粒の隆起には25%以上である
ことが必要であるが、75%を越えると乾燥速度が遅く
なるとか、乾燥時の溶剤揮発が急激に起こり、レジンボ
ンド層に発泡が生じ、砥粒の保持強度、耐摩耗性を損な
うという問題が発生する。粘度などによる作業性、及び
砥粒隆起などの構成面から、40%以上60%以下が特
に好ましい。溶剤は前記樹脂を溶解できるものであれば
いかなるものでもよいが、使用する樹脂の種類によりキ
シレン、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン等のアル
キルベンゼン類、クレゾール、フェノール、キシレノー
ル等のクレゾール類、エタノール、ブタノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
等のエーテル類、NM2 P、DMF、DMAc、DMS
O等の非プロトン系溶剤などを使い分ける。
【0012】用いる砥粒としてはダイヤモンドのような
超砥粒が切れ味、寿命の点で最も好ましい。砥粒は適当
な粒度のものをそのまま使用すればよいが、ダイヤモン
ドなどの超砥粒においてはNiやCuを披覆したものを
用いることができる。このようなコーティング砥粒を用
いることで砥粒とレジンボンドとの結合力が向上して砥
粒保持力が増大し、加工熱からの樹脂の保護ができ、ワ
イヤーソーの寿命の向上が得られる場合もある。
【0013】また、フィラーとして微粒ダイヤモンド、
Al23、SiC,SiO2、BN、マイカ、タルク、
炭酸カルシウム、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸
バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、チタン酸カ
リウム、硫酸マグネシウム、などを含有せしめることに
より、レジンボンド層の強度や耐摩耗性を向上させる必
要があるが、微粒ダイヤモンドがその効果が高く熱伝導
性も向上するので、ワイヤーソーの寿命、切断精度上も
最も好ましい。ダイヤモンドに次いで、SiC、Al2
3等の硬質のものが好ましい。
【0014】砥粒、並びにフィラーのレジンボンド中の
含有量としては、砥粒で1以上30容積%以下、フィラ
ーで1以上50容積%以下であることが好ましい。砥粒
の場合、1%未満では砥粒当たりの切断抵抗が大きすぎ
るため切断速度の低下が著しく、30%を超える場合
は、切断により発生する切断くずの排除が不十分になる
ため、同様に切断速度が低下する。従ってより好ましい
のは、5%以上40%以下である。フィラーの場合、1
%以上にすることにより、砥粒の保持強度、耐摩耗性、
熱伝導度を向上させることが可能であるが、50%を超
えると、レジンボンド層の可とう性が低下し、逆に保持
強度や耐摩耗性が低下する。従ってより好ましいのは、
5%以上40%以下である。フィラーの大きさは、レジ
ンボンド層厚の2/3未満であるが、扁平状、針状等の
フィラーについては、その厚みまたは径がレジンボンド
層厚の2/3未満であれば使用可能である。
【0015】以上5つの特徴が先の提案の要旨とすると
ころであるが、本願の発明は、上記5つの特徴中第3の
特徴にあたる高強度の芯線に施す表面処理を銅メッキに
特定したことである。この特定により芯線とレジンボン
ド層との固着力が向上し、可とう性も高く、ワイヤーソ
ーによるシリコンウエハー,ネオジウム磁石,ガラス等
のスライシング加工には好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】具体的な実施の形態を実施例の項
において述べる。
【0017】
【実施例】(実施例1)フェノール樹脂塗料(昭和高分
子製 BRP−5980をクレゾールにて溶解した塗
料)、平均粒径2.6μmのダイヤモンドフィラー(東
名ダイヤモンド製IRM−NP2−4)、平均粒径30
μmのNiメッキしたダイヤモンド砥粒(東名ダイヤモ
ンド製 IRM−NP30−40)をそれぞれの固形分
比が63.9容量%、21.3容量%、14.8容量%
となるように混合し、さらに溶剤のクレゾールを加え塗
料中の溶剤量を50容量%とした。外径0.18mmの
銅メッキピアノ線に前記塗料を塗布し、径0.28mm
のダイスを通した後、炉温300℃の焼付炉で焼付硬化
してワイヤーソーを作製した。
【0018】得られたワイヤーソーの外径は、0.23
9mmで焼付硬化により形成されたレジンボンドの層厚
は約20μmであった。図3は該ワイヤーソーの外表面
を観察した200倍の電子顕微鏡写真で、多数の隆起1
はダイヤモンド砥粒を示す。表1は上記平均粒径2.6
μmのダイヤモンドフィラーと平均粒径30μmのダイヤ
モンド砥粒の実際の粒子径分布をレーザー回折式粒度分
布測定装置(島津製 SALD−2000A)で測定し
た結果を示す。
【0019】
【表1】
【0020】上記フェノール樹脂をアルミ箔に塗布し2
00℃の恒温層で2時間焼付硬化し、約30μmのフェ
ノール樹脂フィルムを作製した。作製したフィルムの弾
性率を引張試験機(島津製作所製AG−1000E)で
測定したところ170kg/mm2であった。また上記ワイ
ヤーソーのレジンボンドの軟化温度をJISC−300
3エナメル線の評価方法に従い測定したところ330℃
であった。
【0021】以上の構成を備えた実施例1のワイヤーソ
ーを使用し、長さ100mmの単結晶シリコンをワイヤー
速度400m/分、押付圧2.5kgfで冷却水を流し
ながら切断試験を実施したところ、切断開始直後で9.
4mm/分、1時間後で4.9m/分の速度で切断加工
が出来た。
【0022】次に、可とう性試験として、このワイヤー
ソーを1mm径の丸棒に10回巻き付け、表面を実体顕
微鏡で観察したところレジンボンド層の割れはあるもの
の剥離は全く発生していなかった。また、ワイヤーソー
を荷重2kg、チャック間距離200mm、回転速度6
0rpmの条件で40回捻った後、5本並べて任意の3
箇所(5mm長)を実体顕微鏡で観察した結果、1箇所
のみレジンボンド層の剥離が認められた。
【0023】さらに、耐摩耗性試験として、図4の概略
図に示すように30mm径の樹脂性プーリー6を2個、
アルミ製プーリー7を1個経由してワイヤーソー1を、
荷重Wが1.8kg、ストロークが270mm、の条件
下で、60往復/分の間隔で5時間往復運動させた。そ
の結果、アルミ製プーリー7で摩耗を受けたワイヤーソ
ー1のレジンボンド層は全く剥離していなかった。なお
図中8はクランクシャフト、9はクランク軸、10はワ
イヤーソー端のクランクシャフトへの固定部を示す。
【0024】(実施例2,3)フェノール樹脂塗料の代
わりに、ポリエステルイミド塗料(日本触媒製Isom
id 40実施例2)、ポリアミドイミド塗料(日立化
成製 HI−406実施例3)、とした他は実施例1と
同様にして、ワイヤーソーを作製し、単結晶シリコンの
切断試験、及び可とう性試験、捻回剥離試験を実施した
結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】(比較例1〜3)銅メッキピアノ線の代わ
りに黄銅メッキピアノ線を用いること以外は実施例1〜
3と同様にしてワイヤーソーを作製した。これらのワイ
ヤーソーを用い単結晶シリコンの切断試験、及び可とう
性試験、捻回剥離試験、耐摩耗試験を実施した結果を同
じく表2に示す。
【0027】(実施例4〜7)平均粒径2.6μmのダ
イヤモンドフィラーの代わりに平均粒径2.6μmのS
iCフィラー(FUJIMI研磨材料 グリーンSiC
#6000、実施例4)、平均粒径1.2μmのSiC
フィラー(FUJIMI研磨材料 グリーンSiC#8
000、実施例5)、平均粒径3.3μmの銅フィラー
(三井金属 1200Y、実施例6)、平均粒径1.0
μmの銅フィラー(三井金属 1100Y、実施例
7)、とした以外は実施例1と同様にしてワイヤーソー
を作製した。得られたワイヤーソーの単結晶シリコンの
切断試験、及び可とう性試験、捻回剥離試験を実施した
結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】(実施例8)平均粒径30μmのNiメッ
キダイヤモンド砥粒の代わりに平均粒径30μmの銅メ
ッキダイヤモンド砥粒(東名ダイヤモンド製 IDS−
CPM 30−40)、とした以外は実施例1と同様に
してワイヤーソーを作製した。
【0030】(比較例4)銅メッキピアノ線の代わりに
黄銅メッキピアノ線を用いること以外は実施例8と同様
にしてワイヤーソーを作製した。これら実施例8、比較
例4で作製したワイヤーソーを用い単結晶シリコンの切
断試験、及び可とう性試験、捻回剥離試験、を実施した
結果を同じく表3に示す。
【0031】(実施例9)平均粒径30μmのNiメッ
キダイヤモンド砥粒の代わりに平均粒径40μmのもの
を用いた以外は実施例1と同様にしてワイヤーソーを作
製した。
【0032】(比較例5)平均粒径30μmのNiメッ
キダイヤモンド砥粒の代わりに平均粒径40μmのもの
を用いた以外は比較例1と同様にしてワイヤーソーを作
製した。
【0033】上記実施例9、比較例5並びに前記実施例
1、比較例1のワイヤーソーを使用し、長さ40mm□
×20mm厚さで、20mm×40mmの切断面積を有
するNd系磁石をワイヤー速度400m/分、押付圧
2.5kgfで切削油(パレス化学製、PS−L−3
0)を流しながら切断試験を実施した。実施例1のワイ
ヤーソーを使用した場合を実施例10、比較例1のワイ
ヤーソーを使用した場合を比較例6と表示した。さら
に、可とう性試験、捻回剥離試験、耐摩耗試験を実施し
た結果をあわせて表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】上記各実施例並びに比較例における切断試
験及び可とう性試験、捻回剥離性試験の結果により了解
できるように、実施例のワイヤーソーは比較例のワイヤ
ーソーに比し、切断開始1時間後の切断速度も同等乃至
それ以上であると共に、可とう性、耐捻回剥離性や耐摩
耗性が秀れており、これはワイヤーソーをシリコンイン
ゴットに巻き付けて行うスライシングなど、実際の加工
作業における作業性、品質上極めて有効なものである。
【0036】なお表1に示した様にフィラーの平均粒径
が2.6μmと言っても、また砥粒の平均粒径が30μm
と言っても、実際の粒子径には相当なバラツキがある。
従って、例えばレジンボンド層厚を20μmとすると、
砥粒の粒径は 20×2/3=13 で13μm以上、フィラーの粒径は13μm未満であるか
ら、塗料の配合としてはフィラーとして混合したもので
も砥粒として働くものも、逆に砥粒として混入したもの
でもフィラーとして働くものも存在する。
【0037】即ち上記レジンボンド層厚20μmとした
場合は、IRM2−4は約1%の砥粒を含むフィラーと
なり、IRM30−40は約4%のフィラーを含む砥粒
となり、IRM20−30は約12%のフィラーを含む
砥粒となる。従って、芯線の直径並びに樹脂、砥粒、フ
ィラーの種類、量、粒度、砥粒の隆起突出度は切断対
象、切断条件に応じて、前記特許請求の範囲に記載され
た範囲内において、最適なものを選択実施する必要があ
ることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上各項で述べたように、本発明によれ
ば、従来の遊離砥粒によるシリコンウエハーのスライシ
ング加工に換え、ワイヤーソーによるスライシング加工
のできる砥粒ワイヤーソーを容易に経済的に提供するこ
とが出来る。しかも提供されたワイヤーソーの切断能力
は、遊離方式に比し10倍以上も高く、加工性能、加工
精度も充分なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を説明するワイヤーソー
断面の概略図である。
【図2】別の実施例の構成を説明するワイヤーソー断面
の概略図である。
【図3】図1の実施例のワイヤーソーの外表面を観察し
た200倍の電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明のワイヤーソーの耐摩耗性試験を実施す
るのに使用する試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1 ワイヤーソー 2 芯線 3 砥粒 4 フィラー 5 レジンボンド 6 樹脂製プーリー 7 アルミ製プーリー 8 クランクシャフト 9 クランク軸 10 ワイヤーソー端のクランクシャフトへの固定部 W 荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B28D 5/04 B28D 5/04 C (72)発明者 菅原 潤 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 山中 正明 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイヤ モンド工業株式会社内 (72)発明者 小川 秀樹 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイヤ モンド工業株式会社内 (72)発明者 浦川 信夫 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイヤ モンド工業株式会社内 Fターム(参考) 3C058 AA05 CB10 DA03 3C063 AA08 AB09 BA16 BA37 BB02 BB07 BB15 BC01 3C069 AA01 BA06 BB02 CA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅メッキを施した高強度の芯線の外周面
    を、粒子径がレジンボンド層厚の2/3以上でかつ芯線
    径の1/2以下である砥粒と、粒子径がレジンボンド層
    厚の2/3未満のフィラーとを、弾性率が100kg/
    mm2 以上で軟化温度が200℃以上である樹脂中に含
    有してなるレジンボンド層によって被覆してなることを
    特徴とするワイヤーソー。
  2. 【請求項2】 砥粒は超砥粒であり、かつ砥粒の一部が
    レジンボンド層外表面より隆起していることを特徴とす
    る請求項1記載のワイヤーソー。
  3. 【請求項3】 高強度の芯線がピアノ線であることを特
    徴とする請求項1または2記載のワイヤーソー。
  4. 【請求項4】 銅メッキを施した高強度の芯線の外周面
    上に、粒子径がレジンボンド層厚の2/3以上でかつ芯
    線径の1/2以下である砥粒と、粒子径がレジンボンド
    層厚の2/3未満のフィラーとを、弾性率が100kg
    /mm2 以上で軟化温度が200℃以上である樹脂を溶
    剤に溶かした液中に混合した塗料を塗布して加熱し、前
    記芯線外周面をレジンボンド層で被覆せしめることを特
    徴とするワイヤーソーの製造方法。
  5. 【請求項5】 塗料中の溶剤量は、容量比で塗料全体の
    25乃至75%であることを特徴とする請求項4記載の
    ワイヤーソーの製造方法。
  6. 【請求項6】 砥粒は超砥粒であり、高強度の芯線はピ
    アノ線であることを特徴とする請求項4または5記載の
    ワイヤーソーの製造方法。
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Cited By (16)

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