JP2000052093A - 溶接継手用部材及び溶接継手作成法 - Google Patents

溶接継手用部材及び溶接継手作成法

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JP2000052093A
JP2000052093A JP10233602A JP23360298A JP2000052093A JP 2000052093 A JP2000052093 A JP 2000052093A JP 10233602 A JP10233602 A JP 10233602A JP 23360298 A JP23360298 A JP 23360298A JP 2000052093 A JP2000052093 A JP 2000052093A
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welded
welding
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permanent magnet
groove
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Yasuji Imai
安二 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接作業を効率的に行ない得、母材の強度低
下等の悪影響を生じる仮付溶接を行なう必要がなく、溶
接精度の低下が避けられる。 【解決手段】 溶接継手用部材10の全体を軸線方向に
着磁し、約240℃で実質上脱磁される永久磁石体とす
る。実質上磁界が存在しない通常の環境において、両鉄
筋14の端部間に開先間隔18を設定し、両鉄筋14に
溶接継手用部材10の円弧状断面部12を外嵌する。開
先間隔18が周方向溝部16に位置するように溶接継手
用部材10を両鉄筋14に磁気的に吸着させる。この状
態で、両鉄筋14の端部間における軸線方向中央部にお
いて運棒を行うことにより、溶接ワイヤが両鉄筋14に
触れないようにして溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋等の溶接継手
に用いる溶接継手用部材及び鉄筋等の溶接継手の作成法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】鉄筋の
溶接継手を作成する場合、継手を構成すべき両鉄筋の端
部を断面円弧状の溶接継手用部材に外嵌し、両鉄筋の端
部間において溶接継手用部材上に溶着金属を盛り上げる
ことにより、両鉄筋の端部に溶着金属を溶着させて溶接
継手を形成する。その際、溶接継手用部材を何らかの方
法で保持しておく必要がある。すなわち、例えば溶接継
手用部材を母材に予め仮付溶接したり、別の保持装置を
用いて母材に溶接継手用部材を保持したり、或いは、両
鉄筋間に形成する溶着金属が何れかの鉄筋に溶着するま
での初期期間に溶接継手用部材を作業者が保持しつつ溶
接作業を行う。
【0003】しかしながら、仮付溶接や保持装置の使用
は、作業に手間を要する。そればかりでなく、仮付溶接
を行うと強度低下等の悪影響が溶接された母材に及ぶお
それがある。また、保持装置を使用して溶接継手用部材
を保持した場合、溶接により保持装置も高温になるの
で、溶接完了後に自然冷却されるのを待って保持装置を
取り外すという作業が必要となる。一方、初期期間に作
業者が溶接継手用部材を保持しつつ溶接を行なうと、溶
接精度が低下して十分な強度の溶接継手が得られないお
それがある。
【0004】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、 溶接作業を効率的に行なうことができ、母材
の強度低下等の悪影響を生じる仮付溶接を行なう必要が
なく、溶接精度の低下が避けられる溶接継手用部材及び
溶接継手作成法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の溶接継手
用部材は、溶接継手を形成するための2以上の被溶接部
の1又は2以上が強磁性材料からなり、開先を介して相
対する前記2以上の被溶接部にわたって当接した状態に
おいて被溶接部間で溶接時の溶融金属を受容し得、且つ
前記2以上の被溶接部と共に溶接され得る溶接継手用部
材であって、溶接継手用部材の少なくとも一部が、前記
2以上の被溶接部に当接した状態で強磁性材料からなる
被溶接部に磁気的に吸着して自重による脱離が生じ難い
永久磁石体を構成し、溶接継手用部材の永久磁石体部分
は、溶接による温度上昇により実質上脱磁されるもので
あることを特徴とする(請求項1)。
【0006】本発明の溶接継手作成法は、溶接継手を形
成するための2以上の被溶接部の1又は2以上が強磁性
材料からなり、少なくとも一部が永久磁石体を構成する
溶接継手用部材を、開先を介して相対する前記2以上の
被溶接部にわたって当接するように強磁性材料からなる
被溶接部に磁気的に吸着させ、溶接時の溶融金属を被溶
接部間で溶接継手用部材に受容させつつ前記2以上の被
溶接部と共に溶接継手用部材を溶接し、溶接継手用部材
の永久磁石体部分を、溶接による温度上昇により実質上
脱磁することを特徴とする(請求項2)。
【0007】溶接継手を形成するための2以上の被溶接
部の1又は2以上が強磁性材料からなる場合に、その強
磁性材料からなる被溶接部に溶接継手用部材の永久磁石
体部分を磁気的に吸着させ、開先を介して例えばほぼ水
平に相対する前記2以上の被溶接部にわたって下側から
当接させることにより、溶接時の溶融金属を受容し得る
状態とすることができる。次いで被溶接部間において溶
接継手用部材上に溶着金属を受容させて盛り上げ、2以
上の被溶接部及び溶接継手用部材と溶着金属とを溶着さ
せることにより、溶接継手が形成される。
【0008】溶接継手用部材を母材に予め仮付溶接した
り、別の保持装置を用いて母材に溶接継手用部材を保持
したり、或いは、被溶接部間に形成する溶着金属が何れ
かの被溶接部に溶着するまで溶接継手用部材を作業者が
保持したりする必要がないので、溶接作業を極めて効率
的に行なうことができる。また、仮付溶接により母材の
強度低下等の悪影響が生じることが防がれ、溶接完了後
に自然冷却されるのを待って保持装置を取り外すという
作業の必要がないのでこの点においても作業効率が良
く、作業者が溶接継手用部材を保持しつつ溶接を行なう
場合の溶接精度の低下が避けられる。
【0009】上記のように溶接継手が形成された場合、
強い磁界が存在しないような通常の環境であれば、溶接
継手用部材の永久磁石体部分は溶接による温度上昇によ
り実質上脱磁される。そのため、建造物や種々の物品に
おいて本発明の溶接継手用部材が用いられた場合に、溶
接継手における溶接継手用部材により実質的な磁界が生
じて電子機器等に悪影響を及ぼすことが防がれる。ま
た、実質上脱磁されるので、磁界の悪影響を防ぐ上で溶
接後に自然冷却されるのを待って溶接継手用部材を取り
外すといった必要がなく、この点においても作業効率向
上に資するところが大きい。
【0010】被溶接部は、全て又は一部が強磁性材料製
である。被溶接部としての強磁性金属材料としては、例
えば、種々の鉄鋼等の鉄系金属を挙げることができる。
【0011】被溶接部の例としては、鉄筋等の棒状体や
棒状以外のものにおける棒状部分の他、平板状又は湾曲
板状部分を挙げることができる。
【0012】溶接継手用部材の形状は、開先を介して相
対する2以上の被溶接部にわたって当接した状態におい
て被溶接部間で溶接時の溶融金属を受容し得るように被
溶接部の形状に対応した形状とすることが望ましい。例
えば2つの平板状の被溶接部の直線状縁部同士が平行状
に溶接される場合は、平板状又は開先部分が溝状に凹ん
だ略平板状の溶接継手用部材を用いることができる。
【0013】本発明の溶接継手用部材は、例えば2以上
の被溶接部のうち1つのみが強磁性材料からなる場合に
自重による脱離が生じ易いが2以上の全てが強磁性材料
からなる場合には自重による脱離が生じ難いものでもよ
い。
【0014】溶接継手用部材の永久磁石体部分は、溶接
により温度が一定以上に上昇した後、強い磁界が存在し
ないような通常の環境において常温に冷却されれば、実
質上脱磁される、すなわち残留磁気がなくなるか又は十
分に低下する。溶接継手用部材の永久磁石体部分につい
て実質上の脱磁が生じ得る温度は、溶接継手用部材の材
料に応じたキュリー温度に依存することが多いが、キュ
リー温度に達しなくても、例えば着磁状態等によって
は、脱磁されることもある。
【0015】本発明において溶接継手用部材の永久磁石
体部分が実質上脱磁されるために上昇して到達する必要
がある温度、すなわち実質上の脱磁が実現される温度
は、例えば、60乃至150℃(請求項5)、150乃
至300℃(請求項6)、300乃至500℃(請求項
7)、500乃至800℃(請求項8)、800乃至1
100℃(請求項9)、又は1100乃至1400℃
(請求項10)、或いはこれらの連続する2以上の温度
域等とすることができる。
【0016】溶接継手用部材について実質上の脱磁が実
現される温度の選択(その温度に応じた材料や着磁状態
等の選択)は、例えば、溶接の進行に伴い溶接継手用部
材の自重による脱離が生じ難くなる時期が温度上昇によ
る実質上の脱磁によって溶接継手用部材の自重による脱
離が生じ易くなる時期よりも早くなり、然も溶接完了に
より実質上の脱磁が可能な温度に上昇し得ること等を、
溶接による熱による溶接継手用部材の永久磁石体部分の
温度上昇の具合、並びに溶接継手用部材の形状・大きさ
などに応じた熱伝導性及び自重等を勘案して選択するこ
とができる。
【0017】溶接継手用部材の材料としては、例えばク
ロム、タングステン、ニッケル、コバルト、アルミニウ
ム、チタン等を含有する高炭素の合金鋼(KS鋼、NK
S鋼等の磁石鋼)や、種々の焼結磁石材料等を使用する
ことができる。溶接継手用部材の永久磁石体部分は、こ
のような材料に対し適宜手段により着磁することによっ
て形成することができる。 (2) 被溶接部が棒状をなすものである場合、(1) に記
載の溶接継手用部材は、枝分かれがあるか又は枝分かれ
がなく2以上の端部が開口する溝形状内周部を有し、そ
の溝形状内周部が、少なくとも1つが強磁性材料からな
る2以上の棒状被溶接部の外周部に外嵌された状態で、
その棒状被溶接部と共に溶接され得る溶接継手用部材で
あって、溶接継手用部材の少なくとも一部が、前記溝形
状内周部が前記2以上の棒状被溶接部の外周部に外嵌さ
れた状態で強磁性材料からなる棒状被溶接部の外周部に
磁気的に吸着して自重による脱離が生じ難い永久磁石体
を構成するものとすることができる(請求項3)。
【0018】この溶接継手用部材においては、溝形状内
周部が2以上の棒状被溶接部の外周部に外嵌された状態
において、その溝形状内周部が、棒状被溶接部間におい
て溶接時の溶融金属を受容し得る。
【0019】溝形状内周部は、各棒状被溶接部の軸心線
の形状、並びに溶接対象とする棒状被溶接部の数及びそ
の配置等に応じ、例えば直線状、湾曲状、屈曲状、又は
これらの2以上の組み合わせとすることができる。直線
状の棒状被溶接部同士を溶接する場合は、枝分かれのな
い直線状の溝形状内周部を有する溶接継手用部材を使用
することができる。溝形状内周部の溝の断面形状は、棒
状被溶接部の断面形状に対応した形状とするのが望まし
い。棒状被溶接部が円形断面ならば、溝形状内周部の溝
の断面形状も、内周が円弧状をなす形状、すなわち弓形
状又は半円形状とすることができる。棒状被溶接部が方
形断面ならば溝形状内周部の溝も方形断面とすることが
できる。
【0020】溝形状内周部の横断面形状は、例えばほぼ
一定肉厚の断面円弧状とすることができる。その場合、
一部が環状断面であってもよい。
【0021】また、本発明の溶接継手用部材は、軸線方
向の全長が、略半円周状の円弧状断面部からなるものと
することができ、その肉厚がほぼ一定であるものとする
こともできる。 (2-1) (2) の溶接継手用部材は、枝分かれがなく両端
が開口する溝形状内周部を有し、軸線方向中間位置にお
ける前記溝形状内周部に、ほぼ開先間隙に相当する軸線
方向幅の周方向溝部を有するものとすることができる
(請求項4)。
【0022】この場合、溶接継手用部材の周方向溝部が
被溶接部間に位置する状態で、強磁性材料からなる棒状
被溶接部に溶接継手用部材の永久磁石体部分を磁気的に
吸着させ、開先を介して例えばほぼ水平に相対する2つ
の棒状被溶接部にわたって下側から溶接継手用部材の溝
形状内周部を外嵌させる。
【0023】この状態で溶接棒体と周方向溝部の内面と
の間で最初のアークを発生させて周方向溝部内から溶着
金属の形成を開始することによって、溶接欠陥が生じ易
い初期の溶接部分を周方向溝部内に位置させることがで
きる。
【0024】そして、溶接棒体が両棒状端部に触れず、
且つ溶接棒体と両棒状端部との間にアークが生じない状
態を保持しつつ両棒状端部の間に溶着金属を盛り上げる
と、溶着金属を盛り上げる際の溶融状態の金属の熱によ
り両棒状端部も溶融するので、両棒状端部と溶着金属と
を溶着させることができる。これによって、両棒状端部
同士の溶接部における溶接欠陥の発生が可及的に防止さ
れる。
【0025】作業者が溶接継手用部材を保持しつつ溶接
を行なう場合、周方向溝部が存在しなければ、被溶接部
間に形成する溶着金属が何れかの被溶接部に溶着するま
で溶接継手用部材を作業者が保持する時間は短いが、こ
のように周方向溝部内から溶着金属の形成を開始する場
合、その時間は比較的長くなる。そのため溶接精度の低
下を招き、溶接欠陥防止の実があがらないことともな
る。この溶接継手用部材の場合、磁気的に吸着すること
により保持されるので、そのような溶接精度の低下を避
けつつ周方向溝部内から溶着金属の形成を開始すること
によって、両棒状端部同士の溶接部における溶接欠陥の
発生を確実に防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しつつ説明する。
【0027】図1乃至図6は本発明の実施の形態の1例
としての溶接継手用部材に関する。
【0028】そのうち図1乃至図3は溶接継手用部材に
ついてのものであって、図1は正面図、図2は縦断面
図、図3は横断面図である。また図4乃至図6は溶接継
手作成工程を示す縦断面図である。
【0029】この例の溶接継手用部材10は、高炭素合
金鋼製であり、全体が、略半円周状のほぼ一定肉厚の円
弧状断面部12を構成しており、軸線方向の両端(図1
及び2における左右両端)は開口している。すなわち、
溶接継手用部材10は、枝分かれがなく、両端が開口
し、全体がほぼ半円周状の溝形状内周部を構成してい
る。溶接継手用部材10の内周形状(溝形状内周部の溝
の断面形状)は、強磁性金属材料製の棒状被溶接部(こ
の例では、螺子節鉄筋14)が、若干の余裕を有しつつ
内嵌されるものとしている。この例では、円弧状断面部
12(溶接継手用部材10)の深さを、棒状被溶接部で
ある鉄筋14の横断面の半分をやや越える程度収容し得
るものとしているが、溶接作業に大きな支障を来す程度
のものでなければ、より深いものであったり(例えば棒
状被溶接部の横断面を円弧状断面部内にほぼ全部収容し
得る程度)、より浅いものであっても差し支えない。
【0030】溶接継手用部材10の軸線方向中央位置に
は、その内周部に周方向溝部16を有する。この例で
は、周方向溝部16は、周方向における両端部よりもや
や内方位置同士の間(図3における左右両上端よりもや
や下方位置同士の間)にわたる。周方向溝部16の軸線
方向幅は、溶接継手の開先間隙の長さにほぼ相当するも
のであって、棒状被溶接部(この例では、螺子節鉄筋1
4)の径に応じて適切な寸法が選択される。
【0031】この溶接継手用部材10は、例えば、方形
状の高炭素合金鋼板を湾曲させ、その軸線方向中央位置
に、プレス成形により周方向溝部16を形成することに
より製造することができるが、これに限らず、この形状
に鋳造すること等、種々の手段により製造することがで
きる。
【0032】溶接継手用部材10は、着磁装置を用いて
軸線方向に着磁して全体を永久磁石体としている(図
1、図2、図4及び図5に示すように、軸線方向の一端
がN極、他端がS極)。この溶接継手用部材10の場
合、実質上脱磁されるために上昇して到達する必要があ
る温度は約240℃としている。なお、着磁態様はこれ
に限るものではない。
【0033】実質上磁界が存在しない通常の環境におい
て、図4に示されるように、継手を構成すべき両鉄筋1
4の端部間に開先間隔18を設定し、両鉄筋14に溶接
継手用部材10の円弧状断面部12を外嵌して両鉄筋1
4の端部を円弧状断面部12の内周面に添わせると共に
開先間隔18が周方向溝部16に位置するように溶接継
手用部材10を両鉄筋14に磁気的に吸着させる。
【0034】この状態で、両鉄筋14の端部間における
軸線方向中央部において運棒を行うことにより、溶接ワ
イヤ(溶接棒体の一例。図示を略す。)が両鉄筋14に
触れないようにして溶接する。溶接方法は、手溶接、C
2半自動溶接、自動溶接等の何れであってもよい。
【0035】溶接継手用部材10を鉄筋14に予め仮付
溶接したり、別の保持装置を用いて鉄筋14に溶接継手
用部材10を保持したり、或いは、両鉄筋14間に形成
する溶着金属が何れかの鉄筋14に溶着するまで溶接継
手用部材10を作業者が保持したりする必要がないの
で、溶接作業を極めて効率的に行なうことができる。ま
た、仮付溶接により鉄筋14の強度低下等の悪影響が生
じることが防がれ、溶接完了後に自然冷却されるのを待
って保持装置を取り外すという作業の必要がないのでこ
の点においても作業効率が良く、作業者が溶接継手用部
材10を保持しつつ溶接を行なう場合の溶接精度の低下
が避けられる。
【0036】先ず、溶接ワイヤと周方向溝部16の内面
との間で最初のアークを発生させて、図5に示されるよ
うに周方向溝部16内から溶着金属20の形成を開始す
る。円弧状断面部12の内周部に周方向溝部16が位置
し、両鉄筋14の端部間に周方向溝部16を幅方向にほ
ぼ挟むので、溶接ワイヤと周方向溝部16の内面との間
で最初のアークを発生させて周方向溝部16内から溶着
金属20の形成を開始することを容易に行うことができ
る。そしてこれによって、溶接欠陥が生じ易い初期の溶
接部分を周方向溝部16内に位置させることができる。
そのため、初期溶接部分の欠陥に起因する溶接継手の強
度不足等の不都合発生を、容易且つ効果的に回避するこ
とができる。
【0037】次いで、溶接ワイヤが両鉄筋14の端部に
触れず、且つ溶接ワイヤと両鉄筋14の端部との間にア
ークが生じない状態を保持しつつ溶接作業を行って、両
鉄筋14の端部の間に溶着金属20を盛り上げ、図6に
示されるように両鉄筋14の端部間及びそのやや上方ま
で溶着金属20で満たす。すると、溶着金属20を盛り
上げる際の溶融状態の金属の熱により両鉄筋14の端部
も溶融するので、両鉄筋14の端部と溶着金属20とが
溶着し、両鉄筋14の端部同士の溶接部における溶接欠
陥の発生が可及的に防止される。
【0038】このようにして、溶着金属20と鉄筋14
及び溶接継手用部材10とが溶着した十分な強度を有す
る溶接継手を容易且つ確実に作成することができる。
【0039】溶接継手用部材10は、溶接の進行に伴う
約240℃以上への温度上昇により、実質上脱磁され、
両鉄筋14に対する磁気吸着力を失う。しかしながら、
その前に鉄筋14及び溶接継手用部材10の各一部と溶
着金属20の一部が溶着して接合することにより溶接継
手用部材10は鉄筋14から離脱し得なくなるので、両
鉄筋14と溶接継手用部材10は溶接開始時の位置関係
を保つ。
【0040】溶接が終了して自然冷却された溶接継手用
部材10は、実質上脱磁されている。そのため、建造物
や種々の物品における溶接継手に用いられても、この溶
接継手用部材10により実質的な磁界が生じて電子機器
等に悪影響を及ぼすことが防がれる。
【0041】なお、以上の実施の形態についての記述に
おける構成部品の寸法、個数、材質、形状、その相対配
置などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限り
は、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のもの
ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0042】
【発明の効果】本発明の溶接継手用部材及び溶接継手作
成法によれば、溶接作業を極めて効率的に行なうことが
でき、母材の強度低下等の悪影響を生じる仮付溶接を行
なう必要がなく、溶接精度の低下が避けられる。然も、
溶接継手における溶接継手用部材により磁界が生じて電
子機器等に悪影響を及ぼすことが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手用部材の正面図である。
【図2】溶接継手用部材の縦断面図である。
【図3】溶接継手用部材の横断面図である。
【図4】溶接継手作成工程を示す縦断面図である。
【図5】溶接継手作成工程を示す縦断面図である。
【図6】溶接継手作成工程を示す縦断面図である。
【符合の説明】
10 溶接継手用部材 12 円弧状断面部 14 鉄筋 16 周方向溝部 18 開先間隔 20 溶着金属
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月13日(1999.9.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接継手を形成するための2以上の被溶接
    部の1又は2以上が強磁性材料からなり、開先を介して
    相対する前記2以上の被溶接部にわたって当接した状態
    において被溶接部間で溶接時の溶融金属を受容し得、且
    つ前記2以上の被溶接部と共に溶接され得る溶接継手用
    部材であって、溶接継手用部材の少なくとも一部が、前
    記2以上の被溶接部に当接した状態で強磁性材料からな
    る被溶接部に磁気的に吸着して自重による脱離が生じ難
    い永久磁石体を構成し、溶接継手用部材の永久磁石体部
    分は、溶接による温度上昇により実質上脱磁されるもの
    であることを特徴とする溶接継手用部材。
  2. 【請求項2】溶接継手を形成するための2以上の被溶接
    部の1又は2以上が強磁性材料からなり、少なくとも一
    部が永久磁石体を構成する溶接継手用部材を、開先を介
    して相対する前記2以上の被溶接部にわたって当接する
    ように強磁性材料からなる被溶接部に磁気的に吸着さ
    せ、溶接時の溶融金属を被溶接部間で溶接継手用部材に
    受容させつつ前記2以上の被溶接部と共に溶接継手用部
    材を溶接し、溶接継手用部材の永久磁石体部分を、溶接
    による温度上昇により実質上脱磁することを特徴とする
    溶接継手作成法。
  3. 【請求項3】枝分かれがあるか又は枝分かれがなく2以
    上の端部が開口する溝形状内周部を有し、その溝形状内
    周部が、少なくとも1つが強磁性材料からなる2以上の
    棒状被溶接部の外周部に外嵌された状態で、その棒状被
    溶接部と共に溶接され得る溶接継手用部材であって、溶
    接継手用部材の少なくとも一部が、前記溝形状内周部が
    前記2以上の棒状被溶接部の外周部に外嵌された状態で
    強磁性材料からなる棒状被溶接部の外周部に磁気的に吸
    着して自重による脱離が生じ難い永久磁石体を構成する
    請求項1記載の溶接継手用部材。
  4. 【請求項4】枝分かれがなく両端が開口する溝形状内周
    部を有し、軸線方向中間位置における前記溝形状内周部
    に、ほぼ開先間隙に相当する軸線方向幅の周方向溝部を
    有する請求項3記載の溶接継手用部材。
  5. 【請求項5】溶接継手用部材の永久磁石体部分が実質上
    脱磁されるために上昇して到達する必要がある温度が6
    0乃至150℃である請求項1、3又は4記載の溶接継
    手用部材。
  6. 【請求項6】溶接継手用部材の永久磁石体部分が実質上
    脱磁されるために上昇して到達する必要がある温度が1
    50乃至300℃である請求項1、3又は4記載の溶接
    継手用部材。
  7. 【請求項7】溶接継手用部材の永久磁石体部分が実質上
    脱磁されるために上昇して到達する必要がある温度が3
    00乃至500℃である請求項1、3又は4記載の溶接
    継手用部材。
  8. 【請求項8】溶接継手用部材の永久磁石体部分が実質上
    脱磁されるために上昇して到達する必要がある温度が5
    00乃至800℃である請求項1、3又は4記載の溶接
    継手用部材。
  9. 【請求項9】溶接継手用部材の永久磁石体部分が実質上
    脱磁されるために上昇して到達する必要がある温度が8
    00乃至1100℃である請求項1、3又は4記載の溶
    接継手用部材。
  10. 【請求項10】溶接継手用部材の永久磁石体部分が実質
    上脱磁されるために上昇して到達する必要がある温度が
    1100乃至1400℃である請求項1、3又は4記載
    の溶接継手用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105397392A (zh) * 2015-11-26 2016-03-16 重庆亨尔通冶金新技术股份有限公司 一种钢筋焊接辅助件
CN105397389A (zh) * 2015-11-26 2016-03-16 重庆亨尔通冶金新技术股份有限公司 一种钢筋对接焊辅助件
JP2016073982A (ja) * 2014-10-02 2016-05-12 株式会社半田機工 溶接継手用部材の製造方法

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