JP2000050585A - 車両用駆動装置 - Google Patents

車両用駆動装置

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JP2000050585A
JP2000050585A JP10212486A JP21248698A JP2000050585A JP 2000050585 A JP2000050585 A JP 2000050585A JP 10212486 A JP10212486 A JP 10212486A JP 21248698 A JP21248698 A JP 21248698A JP 2000050585 A JP2000050585 A JP 2000050585A
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rotor
field magnet
stator
sub
magnet
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JP10212486A
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Inventor
Masahiro Seguchi
瀬口  正弘
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Denso Corp
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Denso Corp
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Publication date
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    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より小型軽量化され応答性に優れた車両用駆
動装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の車両用駆動装置は、ステータ巻
線1411を持つステータ1410と、ロータ巻線12
11を持ちエンジンに駆動される第1ロータ1210
と、両者の間に配設され車輪を駆動する第2ロータとを
有する。第2ロータ1310は、主界磁磁石1320、
内側副界磁磁石1220および外側副界磁磁石1420
をロータヨーク1311内に保持しており、磁路が合理
的に形成される。それゆえ、各界磁磁石1220,13
20,1420は最低限の厚さで済むので、第2ロータ
1310の厚さが薄くなり、第2ロータ1310および
ステータ1410の外径が小さくなると共に、第2ロー
タ1310の慣性モーメントが低減される。したがっ
て、本発明の車両用駆動装置は小型軽量化されており、
優れた応答特性を発揮し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと回転電
機との両方を備えているハイブリッド型車両用の電磁カ
ップリング駆動装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】この分野の従来技術としては、本願出願
人により出願された特開平9−56010号公報に開示
されている車両用駆動装置がある。この従来の車両用駆
動装置は、機枠に固定されたステータと、エンジン出力
軸と接続されてこのステータと同軸に軸支された第1ロ
ータと、ステータと第1ロータとの間に配設されホイー
ル駆動軸に接続された第2ロータとを有する。
【0003】ここで、ステータは、ステータコアおよび
ステータ巻線を持ち、同ステータ巻線は、外付けの駆動
回路のインバータに接続されている。また、第1ロータ
は、ロータコアおよびロータ巻線を持ち、同ロータ巻線
も外付けの駆動回路の他のインバータに接続されてい
る。一方、第2ロータは、中空円筒状の回転子であり、
外周界磁を形成している外周面でステータに対向し、内
周界磁を形成している内周面でこの第1ロータに対向し
ている。外周界磁および内周界磁を形成する目的で、第
2ロータは、外周面に複数の外側界磁磁石を保持してお
り、内周面に複数の内側界磁磁石を保持していた。
【0004】この従来の車両用駆動装置によれば、エン
ジン出力軸に接続された第1ロータとホイール駆動軸に
接続された第2ロータとの回転数差にもかかわらず、効
率よく所望のトルクを第2ロータにかけて車両を駆動す
ることができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公報
の車両用駆動装置では、外側界磁磁石が第2ロータの外
周面を形成して配設されていたので、高速回転時の遠心
力に耐えることができるようにするためには、よほど強
固に外側界磁磁石を第2ロータに固定する必要があっ
た。また、内側界磁磁石が第2ロータの内周面を形成し
て配設されていたので、低速回転時に搭載車両に加わる
振動等の加速度に耐えることができるようにするには、
外側界磁磁石ほどではないにしても強固に内側界磁磁石
を第2ロータに固定する必要があった。
【0006】このような必要性に鑑み、本願出願人は、
先行技術として特願平9−135212号を出願した。
この先行技術としての車両用駆動装置では、図9に示す
ように、外側界磁磁石1420Aおよび内側界磁磁石1
220Aが積層電磁鋼板からなるロータヨーク1311
に保持されており、強固に第2ロータ1310Aの内部
に固定されていた。それゆえ、第2ロータ1310Aは
かなりの高速回転にも耐えることができ、比較的簡素な
構成で外側界磁磁石1420Aおよび内側界磁磁石12
20Aを強固に保持することができるようになってい
た。また、軟磁性体からなる固定ピン1333とロータ
ヨーク1311とが合理的な磁路を形成することができ
たので、第1ロータ1210から第2ロータ1310A
への動力伝達は比較的高い効率で行われるという効果が
あった。
【0007】しかしながら、上記先行技術の車両用駆動
装置においても、第2ロータ1310Aが外側界磁磁石
1420Aおよび内側界磁磁石1220Aの二種の界磁
磁石を半径方向に重ねて保持していたので、半径方向の
厚さがある程度厚くならざるを得なかった。第2ロータ
1310Aの厚さは、界磁作用が確保される範囲で薄い
方が、車両用駆動装置の直径を小型化するうえでも慣性
モーメントを低減して応答性を向上させるうえでも有利
である。上記先行技術の車両用駆動装置は優れたもので
あったが、以上の点でなお改良の余地を残していた。
【0008】そこで本発明は、上記先行技術よりもいっ
そう小型軽量化され応答性に優れた車両用駆動装置を提
供することを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、本願発明者は以下の手段を発
明した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の車両
用駆動装置である。本手段では、ステータと第1ロータ
とにそれぞれ電機子が形成されており、両者の間に介在
する第2ロータには外周界磁および内周界磁が形成され
ている。それゆえ、第1ロータと第2ロータとの間に形
成される内周磁気回路を適正に制御することにより、第
1ロータと第2ロータとの間でトルクの授受が行われて
回転電機が構成され、両者の間で回転数調整部の回転電
機作用が発揮される。また、第2ロータとステータとの
間に形成される外周磁気回路を適正に制御することによ
り、第2ロータとステータとの間でトルクの授受が行わ
れて別の回転電機が構成され、トルク調整部の回転電機
作用が発揮される。
【0010】ここで、第1ロータはエンジン出力軸に接
続されていてエンジンにより回転駆動され、一方、第2
ロータは駆動輪の駆動軸に接続されており、同駆動軸を
回転駆動するか逆に同駆動軸から回転駆動される。エン
ジンの回転数はスロットル開度およびトルク負荷等の条
件によりほぼ決まっており、駆動輪の駆動軸の回転数も
搭載車両の走行速度によって一意に決まっている。それ
ゆえ、第1ロータの回転数と第2ロータの回転数とはそ
れぞれ独立に決まっているものと考えられ、第1ロータ
と第2ロータとの間で形成される回転数調整部の回転電
機作用では、両ロータの間での回転数の調整が主たる作
用となる。この作用は、第1ロータのロータコアおよび
ロータ巻線からなる電機子が、電動作用をもつ場合にも
発電作用をもつ場合にも変わらない。
【0011】一方、ステータのステータコアおよびステ
ータ巻線からなる電機子は、第2ロータに適正なトルク
を授受して、第2ロータを所望の回転数で駆動する必要
がある。なぜなら、搭載車両を所望の速度で走行させる
には、駆動輪の駆動軸に連なる第2ロータを適正な回転
数で駆動する必要があるからである。それゆえ、ステー
タと第2ロータとの間で形成されるトルク調整部の回転
電機作用では、第2ロータに適正な駆動トルクを授受す
ることが主たる作用となる。この作用は、ステータの電
機子が、第2ロータに加速方向にトルクを加えて電動作
用をもつ場合にも、第2ロータに減速方向にトルクを加
えて発電作用を行う場合にも、変わらない。
【0012】以上では、回転数調整部の回転電機作用と
トルク調整部の回転電機作用との作用の違いを強調し
て、本手段の車両用駆動装置の作用を説明した。しかし
ながら要するに、ステータの電機子と第1ロータの電機
子とを適正に制御して、第1ロータから第2ロータへ効
率よく動力の伝達を行うことが本手段の車両用駆動装置
の要諦である。すなわち、エンジン出力軸に接続されて
いる第1ロータには適正なトルク負荷がかかるように
し、駆動輪の駆動軸に接続されている第2ロータには所
望の回転数になるように適正なトルクをかけることであ
る。
【0013】なお、ステータの電機子の制御と第1ロー
タの電機子の制御とは、それぞれに電気的に接続されて
いるインバータによってなされるように外部回路を構成
することが可能である。また、回転数調整部およびトル
ク調整部にそれぞれ形成されている回転電機の発電作用
およびまたは電動作用の結果生じる電力の余剰分や不足
分は、各インバータに接続されたバッテリー(二次電
池)との電力の授受で調整できるように外部回路を構成
すると良い。そのうえでバッテリーの容量が十分に大き
ければ、電力が不足したり無駄に消費されたりすること
はない。
【0014】また、通常の運転状態である搭載車両の前
進時には、第1ロータの回転方向と第2ロータの回転方
向とは同一方向であるから、第1ロータから第2ロータ
への電磁力を介する動力伝達は比較的高い効率で行われ
る。本手段の車両用駆動装置は、構成がシンプルで軽量
小型であるばかりではなく動力の伝達効率も比較的高い
ので、搭載車両を小型軽量で動力性能が高くすることが
可能になり、搭載車両の低燃費化および低公害化が達成
され得る。
【0015】すなわち本手段によれば、小型軽量化され
た高効率の車両用駆動装置を提供することができるとい
う効果がある。本手段ではまた、主界磁磁石と、内側副
界磁磁石および外側副界磁磁石とが、ロータヨークに収
容されており、各界磁磁石はコンパクトに配設されてい
る。それゆえ、ロータヨークの半径方向の厚さはあまり
厚くならず、比較的薄く形成されている。ここで、多数
枚の電磁鋼板が中空円筒状に積層されたロータヨークを
一体的に固定するには、ロータヨークを軸長方向に貫通
する複数の固定ピンまたは首長ボルトを使用することが
できる。あるいは、ロータヨークの内周面および外周面
のうち少なくとも一方を軸長方向に溶接して一体的に固
定しても良く、またはその他の固定方法を取ることもで
きる。
【0016】したがって本手段によれば、第2ロータを
比較的薄くかつ軽量に構成することが可能である。その
結果、本手段の車両用駆動装置をいっそう小型軽量化す
ることが可能になる。また、ステータおよび第1ロータ
に対して充分なトルクの授受が行えるだけの界磁を発生
させながら、第2ロータの慣性モーメントを比較的小さ
く抑えることができるので、加速時および減速時の応答
特性が向上する(時定数が短縮される)。
【0017】したがって本手段によれば、前述の効果に
加えて、車両用駆動装置をいっそう小型軽量化すること
が可能になるばかりではなく、搭載車両の加速時および
減速時の応答特性が向上するという効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載の車両
用駆動装置である。
【0018】本手段では、第2ロータに保持されている
複数の主界磁磁石は、それぞれ平板状の永久磁石ブロッ
クからなるので、既製の永久磁石をほとんど加工するこ
となしに主界磁磁石にすることができる。それゆえ、主
界磁磁石の材料費および加工費が安価で済むので、より
安価に第2ロータを製造することが可能になる。したが
って本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、
より安価に車両用駆動装置を提供することが可能になる
という効果がある。
【0019】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
3記載の車両用駆動装置である。本手段では、第2ロー
タに保持されている複数の主界磁磁石は、外周面および
内周面がそれぞれの半径の曲率をもって同心円状に湾曲
した永久磁石ブロックからなるので、第2ロータの形状
に合わせて主界磁磁石を第2ロータに組み込むことがで
きる。それゆえ、必要な強度の外周界磁および内周界磁
を形成するだけの厚さの主界磁磁石を保持した第2ロー
タは、極めて薄くかつ軽量に構成されるので、車両用駆
動装置の要部の直径がより小さくなり、第2ロータの慣
性モーメントも低減される。
【0020】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、よりいっそうの車両用駆動装置の小
型軽量化と応答特性の向上とが得られるという効果があ
る。 (第4手段)本発明の第4手段は、請求項4記載の車両
用駆動装置である。本手段では、第2ロータは、周方向
に配設された複数の主界磁磁石に加えて、各主界磁磁石
の周方向両端部に合わせて四枚ずつの副界磁磁石(外側
副界磁磁石および内側副界磁磁石)を保持している。す
なわち、外側副界磁磁石および内側副界磁磁石は、近接
した主界磁磁石に磁極の方向が一致しており、一端がこ
れらの主界磁磁石の周方向端部に近接し、他端が互いに
遠心方向および求心方向に分かれて配設され、それぞれ
ロータヨークに保持されている。一枚の外側副界磁磁石
と一枚の内側副界磁磁石とで一組を形成するものとする
と、外側副界磁磁石および内側副界磁磁石は、各主界磁
磁石について周方向の両端部に近接して二組ずつが配設
されている。
【0021】本手段では、外側副界磁磁石および内側副
界磁磁石は、一端が主界磁磁石の周方向端部に近接し、
他端が互いに遠心方向および求心方向に分かれて配設さ
れている。それゆえ、ステータと第2ロータとの間だけ
で形成された閉磁路は、一方の外側副界磁磁石とこれに
隣接する他の外側副界磁磁石とを通ってロータヨークを
抜ける閉磁路として誘導され、容易に形成される。同様
に、第1ロータと第2ロータとの間だけで形成された閉
磁路は、一方の内側副界磁磁石とこれに隣接する他の内
側副界磁磁石とを通ってロータヨークを抜ける閉磁路と
して誘導され、容易に形成される。
【0022】その結果、ステータと第2ロータとの間で
の相互作用(トルクの授受)と、第1ロータと第2ロー
タとの間での相互作用とを、互いに独立して制御するこ
とが容易になる。また、主界磁磁石および各副界磁磁石
が第2ロータの機能を果たすのに最適に配設されている
ので、主界磁磁石および各副界磁磁石の厚さが最低限で
済み、永久磁石の使用量の低減になって第2ロータの製
造費用のコストダウンになる。
【0023】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、第2ロータのトルク制御および回転
数制御がより容易になり制御能力が向上すると共に、コ
ストダウンが可能になるという効果がある。 (第5手段)本発明の第5手段は、請求項5記載の車両
用駆動装置である。
【0024】本手段では、外側副界磁磁石の厚さと内側
副界磁磁石の厚さとの和は主界磁磁石の厚さよりも厚
く、外側副界磁磁石の厚さおよび内側副界磁磁石の厚さ
のうち少なくとも一方は主界磁磁石の厚さ未満である。
すなわち、主界磁磁石の厚さをTとし、内側副界磁磁石
および外側副界磁磁石の厚さをそれぞれt1 ,t2 とす
ると、t1 <T<(t1+t2)またはt2 <T<(t1
+t2)である。
【0025】ここで、両副界磁磁石の厚さの和は主界磁
磁石の厚さよりも厚いので、両副界磁磁石は強力な界磁
を形成している。それゆえ、ステータと第2ロータとの
間での相互作用と、第1ロータと第2ロータとの間での
相互作用とは、それぞれ十分に強力なものとなる。ま
た、各副界磁磁石のうち少なくとも一方の厚さは、主界
磁磁石の厚さ未満であるから、あまり厚くなって第2ロ
ータの半径方向の厚さを増してしまうまでには至らな
い。それゆえ、第2ロータは半径方向にそれほど厚くな
ることはなく、比較的薄いままに保たれる。
【0026】したがって本手段によれば、前述の第4手
段の効果に加えて、第2ロータの磁気作用が十分に確保
されながら第2ロータの小型軽量化の効果も保たれるの
で、第2ロータの磁気的性能と小型軽量化のバランスが
保たれるという効果がある。 (第6手段)本発明の第6手段は、請求項6記載の車両
用駆動装置である。
【0027】本手段では、主界磁磁石、外側副界磁磁石
および内側副界磁磁石は、全て平板状の永久磁石ブロッ
クからなるので、既製の永久磁石をほとんど加工するこ
となしに(あるいは最低限の加工で)利用することがで
きる。それゆえ、主界磁磁石、外側副界磁磁石および内
側副界磁磁石のの材料費および加工費が安価で済むの
で、より安価に第2ロータを製造することが可能にな
る。
【0028】したがって本手段によれば、前述の第4手
段の効果に加えて、より安価に車両用駆動装置を提供す
ることが可能になるという効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態および実施例】本発明の車両用駆動
装置の実施の形態については、当業者に実施可能な理解
が得らえるよう、以下の実施例で明確かつ十分に説明す
る。 [実施例1] (実施例1の全体構成)本発明の実施例1としての車両
用駆動装置1000は、図1に示すように、エンジン1
00の出力軸110からの軸出力を、必要に応じて増減
し、適正なトルクおよび回転数で駆動輪700を駆動す
る装置である。それゆえ、軸出力の増減作用を除いて考
えれば、本実施例の車両用駆動装置1000は、電磁力
を介して作動する一種のトルク−回転数(T−S)コン
バータとしてその作用をとらえることも可能である。
【0030】本実施例の車両用駆動装置1000の要部
は、機枠としての前部フレーム1710に固定されてい
るステータ1410と、エンジン出力軸110に接続さ
れている第1ロータ1210と、駆動輪700に接続さ
れている第2ロータ1310とからなる。ステータ14
10は、積層電磁鋼板からなるステータコア1412と
ステータ巻線1411とからなり、ステータ巻線141
1はインバータ400に三相で接続されている。
【0031】第1ロータ1210は、ロータコア121
2およびロータ巻線1211をもち、ステータ1410
と同軸に軸支され、所定の間隔を空けてステータ141
0の内周面に対向している。第1ロータ1210の入力
軸1213は、先端部(図中左端部)に形成されている
内部ギヤ1213aでエンジン100の出力軸110と
接続されており、第1ロータ1210はエンジン100
の軸出力によって回転駆動される。一方、ロータ巻線1
211は、第1ロータ1210の入力軸1213の後端
部(図中右端部)に装置されているブラシ部1600を
介して、三相で別のインバータ200に接続されてい
る。
【0032】ここでブラシ部1600は、後部フレーム
1720に固定されているブラシホルダ1610に保持
されているブラシ1620と、リード部1660で各ロ
ータ巻線1211に接続されているスリップリング16
30とからなる。ブラシホルダ1610、ブラシ162
0、スリップリング1630およびリード部1660
は、それぞれ三セットある。各スリップリング1630
の間は、絶縁部1650により互いに絶縁されている。
なお、ブラシ部1600は、前部フレーム1710に固
定されている後部フレーム1720の後端(図中右端)
を封止するカバーケース1920によって覆われてい
る。
【0033】第2ロータ1310は、ステータ1410
および第1ロータ1210と同軸に配設されている。す
なわち、第2ロータ1310はその両端でステータ14
10に固定されているベアリング1510,1513に
回転自在に軸支されており、第1ロータ1210はその
両端付近で第2ロータ1310に保持されているベアリ
ング1511,1514に回転自在に軸支されている。
それゆえ、第1ロータ1210と第2ロータ1310と
は、電磁的な力学関係はあるものの、互いに独立に回転
することが可能である。
【0034】第2ロータ1310の要部は、後ほど図2
を参照して詳しく説明するように、永久磁石である主界
磁磁石1320(図2参照)、内側副界磁磁石1220
および外側副界磁磁石1420により界磁を形成してい
る。そして第2ロータの要部は、肉厚が比較的薄い中空
円筒状の形状をもち、ステータ1410の内周面と第1
ロータ1210の外周面との間の前述の所定の間隔に収
容されている。すなわち第2ロータ1310は、外周界
磁を形成している外周面でステータ1410の内周面に
対向し、内周界磁を形成している内周面で第1ロータ1
210の外周面に対向している。
【0035】第2ロータ1310の上記要部は、外周界
磁および内周界磁を形成する前述の三種類の永久磁石1
220,1320,1420と、同永久磁石を保持して
いる積層電磁鋼板からなるロータヨーク1311と、ロ
ータヨーク1311を貫通して固定している固定ピン1
333とからなる。第2ロータ1310の上記要部の両
端は、剛性が高いエンドプレート1334,1335か
ら形成されており、各固定ピン1333は、エンドプレ
ート1334,1335に形成されている貫通孔に圧入
されている。それゆえ、組み立て工程の途中であっても
上記要部が不用意に分解してしまうことはなくなり、組
立が容易になる。
【0036】エンドプレート1334,1335からさ
らに突出している各固定ピン1333の両端部は、それ
ぞれ前部ロータフレーム1331と後部ロータフレーム
1332とに圧入されて強固に固定されている。前述の
各ベアリング1510〜1514は、前部ロータフレー
ム1331および後部ロータフレーム1332の内周側
および外周側に、それぞれ取り付けられている。前部ロ
ータフレーム1331の先端部(図中左端部)の外周に
は内部ギヤ1331aが形成されており、内部ギヤ13
31aを介してギヤ1811が前部ロータフレーム13
31の先端部に周方向に固定されている。ギヤ1811
は、隣接する他のギヤ1812と噛み合って減速部18
00を構成しており、第2ロータ1310は、減速部1
800およびディファレンシャル・ギヤ部1900を介
して駆動輪700の駆動軸と接続されている。
【0037】なお、第1ロータ1210および第2ロー
タ1310の回転角度は、二つの回転角センサ191
1,1912によってそれぞれ計測され、ECU(電子
制御装置)500に入力される。ECU500は、二つ
の回転角センサ1911,1912からの情報と、アク
セル開度やスロットル開度などの情報とから適正な制御
則に基づいて演算を行い、前述の二つのインバータ20
0,400を制御する。両インバータ200,400は
並列にバッテリ600に接続されており、バッテリ60
0は両インバータ200,400と電力の授受を行っ
て、車両用駆動装置の発電作用による充電や電動作用に
必要な給電を行う。
【0038】ここで、第1ロータ1210と第2ロータ
1310との間には、内周磁気回路が形成されて、トル
クの授受が行われる。そして、第1ロータ1210と第
2ロータ1310との間では回転数が通常は異なってい
るので、エンジン100に接続されている第1ロータ1
210から駆動輪700に接続されている第2ロータ1
310に至る間に、ロータ回転数の調整が行われている
ものと見なすことができる。それゆえ、第2ロータ13
10の主界磁磁石1320および内側副界磁磁石122
0を含む部分と第1ロータ1210とをもって、回転数
調整部1200と呼ぶことにする。
【0039】一方、第2ロータ1310とステータ14
10との間には、外周磁気回路が形成されてトルクの授
受が行われる。そして、ステータ1410が第2ロータ
1310に及ぼすトルクによって、第1ロータ1210
が第2ロータ1310に及ぼすトルクにつき、適正な第
2ロータ1310のトルクに対する過不足の調整が行わ
れる。それゆえ、第2ロータ1310の主界磁磁石13
20および外側副界磁磁石1420を含む部分とステー
タ1410とをもって、トルク調整部1400と呼ぶこ
とにする。
【0040】なお、第1ロータ1210の回転方向と第
2ロータ1310の回転方向とは、通常時すなわち搭載
車両の前進時には、同一方向である。 (実施例1の要部構成)本実施例の車両用駆動装置10
00の要部は、図2に示すように、同軸に配設されてい
る第1ロータ1210、第2ロータ1310およびステ
ータ1410から構成されている。
【0041】前述のように、第1ロータ1210の入力
軸1213はエンジン出力軸110(図1参照)に接続
されており、第1ロータ1210は回転自在に軸支され
ている。また、第2ロータ1310は駆動輪700(図
1参照)に接続されて、回転自在に軸支されている。そ
して第1ロータ1210の回転方向と第2ロータ131
0の回転方向とは、通常時には同一方向である。一方、
ステータ1410は、エンジン100に対して固定され
ている前部フレーム1710(図1参照)に収容され
て、固定保持されている。
【0042】第1ロータ1210の要部は、入力軸12
13と、入力軸1213の周囲に軸長方向に積層された
多数枚の電磁鋼板からなるロータコア1212と、ロー
タコア1212のスロット1212aに巻装されている
ロータ巻線1211とから構成されている。一方、ステ
ータ1410は、軸長方向に積層された多数枚の電磁鋼
板からなるステータコア1412と、ステータコア14
12のスロット1412aに巻装されているステータ巻
線1411とから構成されている。
【0043】本実施例で特徴的である第2ロータ131
0の要部の構成については、以下に詳説する。第2ロー
タ1310の要部は、主界磁磁石1320、内側副界磁
磁石1220および外側副界磁磁石1420と、これら
各界磁磁石を所定の位置に保持しているロータヨーク1
311と、ロータヨーク1311を貫通している複数の
軟磁性体からなる固定ピン1333とから構成されてい
る。
【0044】すなわち、主界磁磁石1320は、ロータ
ヨーク1311内に周方向に所定間隔を空けて配設さ
れ、半径方向に交番に磁極を向けて外周界磁および内周
界磁を形成する偶数個の永久磁石である。ここで、固定
ピン1333は、互いに隣り合う主界磁磁石1320の
中間部分で、積層電磁鋼板からなるロータヨーク131
1に打ち抜かれている貫通孔であるピン孔に締まり嵌め
で圧入されており、ロータヨーク1311を一体的に連
結している。また、固定ピン1333は、前述のように
軟磁性体から形成されているので、磁路を形成するロー
タヨーク1311の一部になって磁束を通す作用を担っ
ている。
【0045】一方、外側副界磁磁石1420および内側
副界磁磁石1220は、近接している主界磁磁石132
0とほぼ同一の方向に磁極を向けており、両者142
0,1220で一組になっいる。そして、外側副界磁磁
石1420および内側副界磁磁石1220は、各主界磁
磁石1320の両端部に近接して、それぞれ二組ずつが
配設されている。
【0046】すなわち、外側副界磁磁石1420および
内側副界磁磁石1220は、一端が近接する主界磁磁石
1320の周方向端部に近接し、他端が互いに遠心方向
および求心方向に分かれて配設され、それぞれロータヨ
ーク1311に保持されている。外側副界磁磁石142
0および内側副界磁磁石1220の上記他端は、固定ピ
ン1333を挟むようにして互いに距離を空けて配設さ
れている。主界磁磁石1320、内側副界磁磁石122
0および外側副界磁磁石1420は、いずれも平板状で
あって断面が矩形の永久磁石ブロックからなる。
【0047】ここで、外側副界磁磁石1420の厚さと
内側副界磁磁石1220の厚さとの和は、主界磁磁石1
320の厚さよりも厚いことが望ましい。また、外側副
界磁磁石1420の厚さおよび内側副界磁磁石1220
の厚さのうち少なくとも一方は、主界磁磁石1320の
厚さ未満であることが望ましい。すなわち、主界磁磁石
1320の厚さをTとし、内側副界磁磁石1220およ
び外側副界磁磁石1420の厚さをそれぞれt1 ,t2
とすると、t1 <T<(t1+t2)またはt2<T<
(t1+t2)であることが望ましい。それゆえ本実施例
では、内側副界磁磁石1220の厚さおよび外側副界磁
磁石1420の厚さは、ともに主界磁磁石1320の厚
さの7割程度に設定されている。
【0048】ロータヨーク1311は、中空円筒状に積
層された多数の電磁鋼板からなり、所定の位置に打ち抜
かれた所定の大きさの矩形の貫通孔に主界磁磁石132
0、内側副界磁磁石1220および外側副界磁磁石14
20を保持している。なお、これらの矩形の貫通孔の隅
の部分には、磁束が漏洩しないようにするために、空隙
部1311a〜1311dが形成されている。
【0049】すなわち、主界磁磁石1320と外側副界
磁磁石1420との間には、空隙部1311bが形成さ
れており、主界磁磁石1320とは反対側の外側副界磁
磁石1420の二つの角部に接して二ヶ所の空隙部13
11aが形成されている。同様に、主界磁磁石1320
と内側界磁磁石1220との間には、空隙部1311d
が形成されており、主界磁磁石1320とは反対側の内
側副界磁磁石1220の二つの角部に接して二ヶ所の空
隙部1311cが形成されている。
【0050】さらに、主界磁磁石1320、内側副界磁
磁石1220および外側副界磁磁石1420を通らずに
第2ロータ1310を貫通する磁路の形成を防止するた
めに、ロータヨーク1311には外周溝1311fおよ
び内周溝1311gが形成されている。すなわち、ロー
タヨーク1311の外周面には、互いに隣り合う二つの
外側副界磁磁石1420の間に外周溝1311fが形成
されて、その部分の磁路抵抗を増している。同様に、ロ
ータヨーク1311の内周面には、互いに隣り合う二つ
の内側副界磁磁石1220の間に内周溝1311gが形
成されて、その部分の磁路抵抗を増している。
【0051】また、複数本の固定ピン1333は、積層
電磁鋼板からなるロータヨーク1311に打ち抜かれた
円形の貫通孔を軸長方向に貫通し、主界磁磁石132
0、内側副界磁磁石1220および外側副界磁磁石14
20とロータヨーク1311とを一体に固定している。
そして各固定ピン1333は、例えば軟磁性の鋼材から
なる丸棒であり、打ち抜きで形成されているロータヨー
ク1311のピン孔を貫通して配設されている。なお、
固定ピン1333の外周面はローレット仕上げされてお
り、組立過程において固定ピン1333はロータヨーク
1311のピン孔に圧入固定されている。
【0052】固定ピン1333の外径とピン孔の内径と
は、やや締まりばめ気味に公差が設定されている。それ
ゆえ、固定ピン1333のローレット仕上げの効果とも
相まって、ロータヨーク1311とそれを固定している
固定ピン1333との間にガタがないので、第2ロータ
1310が偏心する恐れがない。したがって、固定ピン
1333のガタに起因して、第2ロータ1310の内外
のエアギャップが詰まってしまったり、第2ロータ13
10のダイナミックバランスが崩れてしまったりする恐
れがなくなる。
【0053】第2ロータ1310のロータヨーク131
1を透過する磁束の状態には、様々な場合があり得る。
たとえば、同じく図2に示すように、第2ロータ131
0の磁束Φ1 ,Φ2 がそのまま第1ロータ1210およ
びステータ1410に同等に達している場合がある。す
なわちこの場合には、磁束Φ1 は、第2ロータ1310
の主界磁磁石1320を貫通して、ステータ1410と
第1ロータ1210とを通る閉磁路を形成している。ま
た、磁束Φ2 は、第2ロータ1310の内側副界磁磁石
1220および外側副界磁磁石1420を貫通して、ス
テータ1410と第1ロータ1210とを通る閉磁路を
形成している。
【0054】一方、図3に示すように、ステータ141
0側からの磁束の一部Φ2 ’が、第2ロータ1310の
ロータヨーク1311の一部と互いに隣り合う二つの外
側副界磁磁石1420とをバイパスして、比較的短い閉
磁路を形成している場合もある。この場合には、内側副
界磁磁石1220が形成する内周界磁は、第1ロータ1
210のロータ巻線1211が生成する回転界磁によっ
て相殺されており、第1ロータ1210と第2ロータ1
310との間でより強い相互作用(磁気トルク)が働い
ている。
【0055】逆に、図4に示すように、第1ロータ12
10側からの磁束の一部Φ2 ”が、第2ロータ1310
のロータヨーク1311の一部と互いに隣り合う二つの
内側副界磁磁石1220とをバイパスして、比較的短い
閉磁路を形成している場合もある。この場合には、外側
副界磁磁石1420が形成する外周界磁は、ステータ1
410のステータ巻線1411が生成する回転界磁によ
って相殺されており、第2ロータ1310にはステータ
1410からより強い磁気トルクが及ぼされている。
【0056】すなわち、本実施例では、主界磁磁石13
20、内側副界磁磁石1220および外側副界磁磁石1
420に安価な平板状の永久磁石を使用しながら、中空
円筒状の第2ロータ1310の要部の厚みを必要最小限
に抑制することができる。その理由は、内側副界磁磁石
1220および外側副界磁磁石1420が、それぞれバ
イパス磁路を形成することができるので、第2ロータ1
310の構成が合理的だからである。さらに、内側界磁
磁石1220Aおよび外側界磁磁石1420Aを別個に
もつ先行技術(図9参照)に比べて、本実施例では両者
を兼務する主界磁磁石1320を採用しているので、永
久磁石の使用量を全体として節減することができる。
【0057】以下では再び図2を参照して、なお本実施
例の車両用駆動装置1000の要部について説明する。
ロータヨーク1311のうち外周部は、第2ロータ13
10の外周面にq軸方向(周方向)の磁路を形成してお
り、ステータ1410の変動磁界によりリラクタンスト
ルクを発生させる作用がある。また、ロータヨーク13
11のうち内周部は、第2ロータ1310の内周面にq
軸方向の磁路を形成しており、第1ロータ1210の変
動磁界によりリラクタンストルクを発生させる作用があ
る。それゆえ、ロータヨーク1311は、各界磁磁石1
220,1320,1420を保持する構造部材である
だけではなく、電磁的にも有効に作用する機能部材でも
ある。
【0058】最後に、第1ロータ1210と第2ロータ
1310との間のエアギャップと、第2ロータ1310
とステータ1410との間のエアギャップとについて言
及する。第2ロータ1310の要部の外周面および内周
面は、積層鋼板からなるロータヨーク1311により形
成されているので、軸長方向両端をエンドプレート13
34,1335で固定されている状態で容易に切削ない
し研削加工ができる。それゆえ、第1ロータ1210の
外径に合わせてロータヨーク1311の内周面を加工
し、最小限のエアギャップを精度良く形成することが可
能である。または、第2ロータ1310のロータヨーク
1311の内径に合わせて第1ロータ1210の外周面
を加工し、最小限のエアギャップを精度良く構成するこ
とも可能である。同様に、ステータ1410の内径に合
わせてロータヨーク1311の外周面を加工し、ロータ
ヨーク1311の外径を適正に形成して、最小限のエア
ギャップを精度良く形成することが可能である。
【0059】したがって、最小限の両エアギャップをも
って第1ロータ1210、第2ロータ1310およびス
テータ1410からなる二重構造の回転電機を構成する
ことができるので、本実施例の車両用駆動装置1000
の直径はより小さく抑制される。また、両エアギャップ
が狭い分だけそこを横切る磁気回路の効率が向上し(磁
気抵抗が減り)、本実施例の車両用駆動装置1000の
回転電機としての性能も向上する。
【0060】(実施例1の作用)本実施例の車両用駆動
装置1000は、以上のように構成されているので、エ
ンジン100の軸出力を駆動輪700に伝達し適宜に軸
出力を増したり発電したりする車両用駆動装置1000
として、以下のような作用を発揮する。再び図1を参照
しつつ読み進められたい。
【0061】先ず、エンジン100の軸出力(すなわち
入力軸1213への入力)が回転数2n[rpm]×ト
ルクt[Nm]であり、第2ロータ1310からの軸出
力を回転数n[rpm]×トルク2t[Nm]に変換し
たい場合を想定する。この場合、第1ロータ1210か
ら第2ロータ1310へ軸出力が変換されるにあたり、
回転数調整部1200では発電作用が行われ、逆にトル
ク調整部1400では電動作用が行われて、軸出力の変
換(トルクコンバート)が行われる。
【0062】すなわち、第1ロータ1210が回転数2
nで回転しているのに対し、第2ロータ1310は回転
数nでしか回転していないので、第1ロータ1210は
第2ロータ1310から制動作用を受けていることにな
る。その際、第1ロータ1210に加えられている軸出
力のトルクはtでしかないから、第1ロータ1210か
ら第2ロータ1310へのトルク伝達量はtに限定され
る。したがって、以下の説明では簡単化のために電磁気
的な損失を無視して考えると、第1ロータ1210では
回転数(2n−n=n)×トルクt=エネルギーntの
発電が行われる。言い換えると、ECU500は、イン
バータ200を制御して第1ロータ1210にエネルギ
ーntだけの発電を行わせる。
【0063】第1ロータ1210で発電された電気エネ
ルギーntは、インバータ200を介して、二つのイン
バータ200,400、バッテリ600およびECU5
00からなる外部回路に導入される。そして、上記電気
エネルギーntは、同外部回路からインバータ400を
介してステータ1410に供給され、トルク調整部14
00での電動作用により第2ロータ1310に対してト
ルクtを及ぼす。言い換えると、ECU500は、イン
バータ400を制御してステータ1410の回転磁界を
形成し、回転数nで回転している第2ロータ1310に
対して回転方向にトルクtを加える。
【0064】ここで、前述のようなインバータ200,
400の制御は、回転角センサ1911,1912によ
る第1ロータ1210および第2ロータ1310のそれ
ぞれの回転角の測定値に基づいて行われる。すなわち、
ECU500で両回転角に基づいて適正な界磁制御計算
が行われ、インバータ200,400に対して、第1ロ
ータ1210およびステータ1410への通電タイミン
グが、適正に指示される。
【0065】その結果、回転数nで回転している第2ロ
ータ1310に対し、第1ロータ1210からのトルク
tとステータ1410からのトルクtとで、合計2tの
トルクが回転方向にかかる。したがって、第1ロータ1
210の軸入力2nt(回転数2n×トルクt)は、第
2ロータ1310の軸出力2nt(回転数n×トルク2
t)に減速変換される。
【0066】次に、先ほどとは逆に、エンジン100の
軸出力(すなわち入力軸1213への入力)が回転数n
[rpm]×トルク2t[Nm]であり、第2ロータ1
310からの軸出力を回転数2n[rpm]×トルクt
[Nm]に変換したい場合を想定する。この場合、第1
ロータ1210から第2ロータ1310へ軸出力が変換
されるにあたり、回転数調整部1200では電動作用が
行われ、逆にトルク調整部1400では発電作用が行わ
れて、軸出力の変換が行われる。
【0067】すなわち、第1ロータ1210が回転数n
で回転しているのに対し、第2ロータ1310は回転数
2nで回転するので、第1ロータ1210は第2ロータ
1310を加速する方向に電動作用を及ぼすことにな
る。その際、第1ロータ1210に加えられている軸出
力のトルクは2tであるから、このトルクを吸収するた
めには第1ロータ1210から第2ロータ1310への
トルク伝達量は2tでなければならない。したがって、
第1ロータ1210では回転数(2n−n=n)×トル
ク2t=エネルギー2ntの電動作用が行われる。言い
換えると、ECU500は、インバータ200を制御し
て第1ロータ1210にエネルギー2ntもの電動作用
を行わせる。
【0068】第1ロータ1210での電動作用に要する
電気エネルギー2ntは、インバータ200を介して、
上記外部回路から供給される。そして、上記電気エネル
ギー2ntは、同外部回路へインバータ400を介して
ステータ1410から供給されている。すなわち、ステ
ータ1410は、ステータ1410を含むトルク調整部
1400での発電作用により、回転数2nで回転してい
る第2ロータ1310に対してトルクtの制動を及ぼ
す。言い換えると、ECU500は、インバータ400
を制御してステータ1410の回転磁界を形成し、回転
数2nで回転している第2ロータ1310に対して回転
方向とは逆方向にトルクtを加えて、ステータ1410
で発電を行わせる。
【0069】その結果、回転数2nで回転している第2
ロータ1310に対し、第1ロータ1210から加わる
トルク2tと、ステータ1410から加わる制動トルク
tとの差で、結局tのトルクが回転方向にかかる。した
がって、第1ロータ1210の軸入力2nt(回転数n
×トルク2t)は、第2ロータ1310の軸出力2nt
(回転数2n×トルクt)に増速変換される。
【0070】この増速変換と前述の減速変換とを比較す
ると、この増速変換では外部回路を介して伝達される電
気エネルギーは2ntであり、前述の減速変換において
外部回路を介して伝達される電気エネルギーntに比べ
て倍と大きい。それゆえ、増速変換は減速変換よりも電
磁気的な損失が大きいので、本実施例の車両用駆動装置
1000は、あまり増速変換での運用を行わず、主にや
や減速変換気味で運用するようにした方が高効率で使用
できる。したがって、エンジン100から駆動輪700
に至るまでのギヤ比等の設定は、車両用駆動装置100
0をおおむね常に減速気味で運用できるようになされて
いる。
【0071】以上では第1ロータ1210への軸入力と
第2ロータ1310からの軸出力とが等しい場合を取り
上げて説明したが、実際には上記軸入力と上記軸出力と
は一致しない場合がほとんどである。そこで、例えば上
記軸入力が上記軸出力に及ばない場合には、その差はバ
ッテリ600からの給電によるステータ1410および
または第1ロータ1210の電動作用で補われる。逆
に、上記軸入力が上記軸出力を上回っている場合には、
ステータ1410およびまたは第1ロータ1210で発
電された電気エネルギーをもってバッテリ600に蓄電
がなされる。
【0072】その極端な場合の一例に、エンジンブレー
キをかけて搭載車両を制動する場合がある。この場合に
は、上記軸入力が負である以上に上記軸出力が大きく負
であり、駆動輪700に接続されている第2ロータ13
10が形成する回転界磁によって、ステータ1410だ
けではなく第1ロータ1210でも発電が行われてバッ
テリ600に蓄電される。このようにエンジンブレーキ
をかける場合には、発電作用がステータ1410と第1
ロータ1210との両方で行われ、一方に集中すること
がないので、ステータ1410も第1ロータ1210も
あまり大きな発電容量を必要とされない。それゆえ、ス
テータ1410も第1ロータ1210もともに、比較的
小型軽量に構成されうる。
【0073】したがって、本実施例の車両用駆動装置1
000を主にやや減速気味で運用するように搭載車両の
駆動系の設計がなされていれば、電磁気的な損失も最小
限に抑制され、極めて高効率での運用が可能になる。 (実施例1の効果)本実施例の車両用駆動装置1000
は、以上のような構成及び作用を有するので数々の効果
を有するが、それらの効果は次の四点に要約される。
【0074】第1の効果は、従来技術よりも高速回転に
耐えうることである。すなわち、本実施例の車両用駆動
装置では、各界磁磁石1220,1320,1420が
ロータヨーク1311の内部に保持されているので、従
来技術の車両用駆動装置に比べて第2ロータ1310の
構造が堅牢である。それゆえ、強大な遠心力がかかって
も、各界磁磁石1220,1320,1420がロータ
ヨーク1311から外れてしまう可能性はなくなるの
で、より高速な回転に耐えることができる。
【0075】その結果、本実施例の車両用駆動装置は、
従来技術の車両用駆動装置よりも高速回転での運用が可
能になるので、伝達する仕事率が同じであれば、従来技
術の車両用駆動装置よりも低トルクでの運用が可能にな
る。低トルクでの運用が可能になれば、車両用駆動装置
を小型軽量化することが可能になり、小型軽量化が可能
になればさらに高速回転での運用が可能になってよりい
っそうの小型軽量化が可能になる。小型軽量化は材料費
の低減につながるので、コストダウンも併せて達成され
る。
【0076】また、従来技術の車両用駆動装置に比べ
て、本実施例の車両用駆動装置においては、各界磁磁石
1220,1320,1420をロータヨーク1311
に保持するための構成が簡素である。それゆえ、各界磁
磁石1220,1320,1420をロータヨーク13
11に保持するための部品点数および組立工数が節減さ
れ、コストダウンになる。
【0077】したがって本実施例によれば、第2ロータ
1310が堅牢になって従来技術よりも高速回転での運
用が可能になるばかりではなく、従来技術よりも小型軽
量化およびコストダウンが可能になるという効果があ
る。第2の効果は、前述の先行技術に比べても、さらに
小型軽量化されていることである。
【0078】すなわち、本実施例の車両用駆動装置で
は、前述のように第2ロータ1310を先行技術の車両
用駆動装置よりも薄く形成できるので、第2ロータ13
10およびステータ1410の外径をより小さく形成す
ることができる。その結果、本実施例の車両用駆動装置
は、さらに小型軽量化されるばかりではなく、小型軽量
化に伴って材料費が低減されるという効果がある。
【0079】したがって本実施例によれば、先行技術に
比べても、さらなる小型軽量化およびコストダウンが可
能になるという効果がある。第3の効果は、応答性の向
上である。すなわち、本実施例の車両用駆動装置では、
先行技術よりも第2ロータ1310が軽量化されてお
り、第2ロータ1310の慣性モーメントが低減されて
いるので、第2ロータ1310の回転数の応答性が向上
していることである。第2ロータ1310の回転数の応
答性の向上は、とりもなおさず駆動輪の応答性の向上に
つながり、搭載車両の加速性および減速性の向上につな
がる。また、前述のように、本実施例では従来技術より
も先行技術よりも車両用駆動装置が軽量化されているの
で、搭載車両も対応して軽量化され、搭載車両の俊敏性
も向上する。
【0080】したがって本実施例によれば、車両用駆動
装置の応答性が向上するばかりではなく、搭載車両の俊
敏性も向上するという効果がある。第4の効果は、コス
トダウンである。すなわち、各界磁磁石1220,13
20,1420が板状の永久磁石ブロックからなるばか
りではなく、前述のように高価な永久磁石の使用量が先
行技術よりも節減されているので、製品価格のコストダ
ウンが可能である。また、従来技術よりも先行技術より
も小型軽量化されて材料費が全体的に低減されているう
えに、従来技術よりも第2ロータ1310の部品点数お
よび組立工数が低減されている。
【0081】したがって本実施例によれば、車両用駆動
装置をより安価に提供することができるようになるとい
う効果がある。 (実施例1の付記)前述の実施例1とは逆に、第1ロー
タ1210を駆動輪700に接続し、第2ロータ131
0をエンジン100に接続する構成でも、車両用駆動装
置を構成することも可能ではある。
【0082】しかしながら、エンジンブレーキ作動時等
を除く通常の運用においては、エンジン100の方が駆
動輪700よりも回転数が高いことを考慮に入れれば、
車両用駆動装置1000は減速側で運用されるべきもの
である。すると、前述の構成では実施例1とは逆に、第
1ロータ1210の回転数が第2ロータ1310の回転
数よりも低くなり、電磁的な損失が増えるので第2ロー
タ1310から第1ロータ1210への動力伝達効率は
あまり高いとは言えない。
【0083】かといって、エンジン100から第2ロー
タ1310に至るまでに減速比の大きい減速機を挿置す
れば、第1ロータ1210の回転数を第2ロータ131
0の回転数よりも高くできるが、新たに二つの不都合を
生じる。第1の不都合は、減速機による機械的な損失が
大きくなることと、減速機の重量及び容積が増えて小型
軽量化の妨げになることである。第2の不都合は、車両
用駆動装置が低速回転で強大なトルクを伝達するように
なるので、車両用駆動装置自身を小型軽量化するのが難
しくなり、やはり小型軽量化の妨げになることである。
【0084】それゆえ、エンジン100および駆動輪7
00と第1ロータ1210および第2ロータ1310と
の接続は、前述の実施例1のようにするのがほとんどの
面で実効性が高い。また、通常の運用時すなわち車両の
前進時に、第1ロータ1210と第2ロータ1310と
が逆方向に回転するように構成することも可能ではあ
る。しかし、このような構成では電磁的な損失も機械的
な損失も大きくなり、動力伝達効率の低下をきたすの
で、好ましいことではない。
【0085】なお、エンジン100としては、ガソリン
エンジンやディーゼルエンジンなどのレシプロエンジン
に限定される必要はなく、ロータリエンジンやターボシ
ャフトエンジンなどであっても良く、極論すれば蒸気機
関などであっても良い。 [実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての車両用駆
動装置は、図5に示すように、実施例1とほぼ同様の構
成であるが、第2ロータ1310’の構成だけが実施例
1の第2ロータ1310の構成と異なっている。すなわ
ち、本実施例の第2ロータ1310’は、内側副界磁磁
石1220および外側副界磁磁石1420を有せず、そ
の代わり周方向の幅が増した主界磁磁石1320’を持
つ。
【0086】第2ロータ1310’の要部は、偶数個の
主界磁磁石1320’と、主界磁磁石1320’を保持
しているロータヨーク1311’と、複数の固定ピン1
333とから構成されている。主界磁磁石1320’
は、平板状の永久磁石ブロックからなり、周方向に所定
間隔を空けて配設され、半径方向に交番に磁極を向けて
外周界磁および内周界磁を形成している。ロータヨーク
1311’は、主界磁磁石1320’が挿置されている
貫通孔と、同貫通孔と同数のピン孔とが形成された中空
円筒状に積層された多数の電磁鋼板からなる。固定ピン
1333は軟磁性体からなり、各ピン孔は互いに隣り合
う主界磁磁石1320’の端部の間に適正なロータヨー
ク1311’の肉厚を残して形成されている。ロータヨ
ーク1311’は、主界磁磁石1320’および固定ピ
ン1333を保持している。一方、固定ピン1333
は、ロータヨーク1311’を各主界磁磁石1320’
の間で軸長方向に貫通し、全ての主界磁磁石1320’
とロータヨーク1311’とを一体に固定している。
【0087】ロータヨーク1311’の主界磁磁石13
20’を保持している貫通孔の四隅には、磁束の漏洩を
防止するために適正な大きさの空隙部1311eが形成
されている。一方、主界磁磁石1320’の断面形状は
矩形である。また、ロータヨーク1311’の外周面お
よび内周面には、実施例1と同様に、それぞれ外周溝1
311fおよび内周溝1311gが形成されて、磁束の
周方向への漏洩を防止している。
【0088】(実施例2の作用)第2ロータ1310の
ロータヨーク1311’を透過する磁束の状態には、実
施例1の場合と同様に、様々な場合があり得る。たとえ
ば、同じく図5に示すように、第2ロータ1310’の
磁束Φ1 ,Φ2がそのまま第1ロータ1210およびス
テータ1410に同等に達している場合がある。すなわ
ちこの場合には、磁束Φ1 ,Φ2 は、第2ロータ131
0’の主界磁磁石1320’を貫通して、ステータ14
10と第1ロータ1210とを通る閉磁路を形成してい
る。
【0089】一方、図6に示すように、ステータ141
0側からの磁束の一部Φ2 ’が、第2ロータ1310’
のロータヨーク1311’の一部と互いに隣り合う二つ
の主界磁磁石1320’の端部とをバイパスして、比較
的短い閉磁路を形成している場合もある。この場合に
は、主界磁磁石1320’の両端部が形成する内周界磁
は、第1ロータ1210のロータ巻線1211が生成す
る回転界磁によって相殺されており、第1ロータ121
0と第2ロータ1310’との間により強い相互作用
(磁気トルク)が働いている。
【0090】逆に、図7に示すように、第1ロータ12
10側からの磁束の一部Φ2 ”が、第2ロータ131
0’のロータヨーク1311’の一部と互いに隣り合う
二つの主界磁磁石1320’の端部とをバイパスして、
比較的短い閉磁路を形成している場合もある。この場合
には、主界磁磁石1320’の端部が形成する外周界磁
は、ステータ1410のステータ巻線1411が生成す
る回転界磁によって相殺されており、第2ロータ131
0’にはステータ1410からより強い磁気トルクが及
ぼされている。
【0091】すなわち、本実施例の車両用駆動装置で
は、第2ロータ1310’の主界磁磁石1320’に安
価な平板状の永久磁石を使用しながら、中空円筒状の第
2ロータ1310’の要部の厚みを実施例1よりもさら
に抑制することができる。その理由は、主界磁磁石13
20’の端部が、それぞれバイパス磁路を形成すること
ができるので、実施例1とほぼ同様の磁路を形成するこ
とができるからである。さらに、内側界磁磁石1220
Aおよび外側界磁磁石1420Aを別個にもつ先行技術
(図9参照)に比べて、本実施例では両者を兼務する主
界磁磁石1320だけを採用しているので、永久磁石の
使用量を大幅に節減することができる。
【0092】以上のように、本実施例でも実施例1とほ
ぼ同様の磁路を形成することができるので、本実施例の
車両用駆動装置でも実施例1と同様に効率的な動力伝達
作用が発揮される。 (実施例2の効果)以上詳述したように、本実施例では
第2ロータ1310’の構成が極めて簡素でありなが
ら、前述の実施例1とほぼ同様の作用が得られるので、
実施例1とほぼ同等の効果も得られる。
【0093】そればかりではなく、本実施例では第2ロ
ータ1310’の構成が簡素化されているので、実施例
1を上回る小型軽量化、高応答特性およびコストダウン
等の効果が得られる。 (実施例2の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、図8に示すように、第2ロータ1310”に保持さ
れた主界磁磁石1320”は、外周面および内周面がそ
れぞれの半径の曲率をもって湾曲した永久磁石ブロック
からなる車両用駆動装置の実施が可能である。本変形態
様でも、ロータヨーク1311”貫通孔の四隅にはそれ
ぞれ空隙部1311eが形成されており、主界磁磁石1
320”を通る磁束が漏れないようになっている。ま
た、ロータヨーク1311”の外周面および内周面に
は、それぞれ外周溝1311fおよび内周溝1311g
が形成されており、主界磁磁石1320”を通る磁束が
周方向へ漏れないようになっている。
【0094】本変形態様では、主界磁磁石1320”が
第2ロータ1310”の曲率に沿った一次曲面からなる
内周面および外周面を有するので、第2ロータ131
0”をさらに薄く形成することが可能になる。その結
果、さらなる小型軽量化および高応答特性等の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての車両用駆動装置の全体構成
を示す側断面図
【図2】 実施例1としての車両用駆動装置の要部構成
を示す端面図
【図3】 実施例1の車両用駆動装置の磁路の一例を示
す端面図
【図4】 実施例1の車両用駆動装置の磁路の他の例を
示す端面図
【図5】 実施例2としての車両用駆動装置の要部構成
を示す端面図
【図6】 実施例2の車両用駆動装置の磁路の一例を示
す端面図
【図7】 実施例2の車両用駆動装置の磁路の他の例を
示す端面図
【図8】 実施例2の変形態様1の車両用駆動装置の要
部構成を示す端面図
【図9】 先行技術としての車両用駆動装置の要部構成
を示す端面図
【符号の説明】
100:エンジン 110:エンジン出力軸 200,400:インバータ 500:ECU 6
00:バッテリ 700:駆動輪(タイヤ/ホイール) 1000:車両用駆動装置、トルク−回転数コンバータ
(T−Sコンバータ) 1200:回転数調整部 1210:第1ロータ(第1回転子) 1211:ロータ巻線 1212:ロータコア(積層電磁鋼板製) 1212
a:スロット 1213:第1ロータ軸(入力軸) 1213a:内
部ギヤ 1310,1310’,1310”:第2ロータ(第2
回転子) 1311:ロータヨーク(積層電磁鋼板製) 1311a〜1311e:空隙部 1311f:外周溝 1311g:内周溝 1331:前部ロータフレーム 1331a:内部ギ
ヤ 1332:後部ロータフレーム 1333:固定ピン(軟磁性鋼製) 1334,1335:エンドプレート 1320,1320’,1320”:主界磁磁石(永久
磁石) 1220:内側副界磁磁石(板状の永久磁石) 1420:外側副界磁磁石(板状の永久磁石) 1400:トルク調整部 1410:ステータ(固定子) 1411:ステータ巻線 1412:ステータコア(積層電磁鋼板製) 141
2a:スロット 1510〜1514:ベアリング 1600:ブラシ部 1610:ブラシホルダ 1620:ブラシ 1630:スリップリング 1650:絶縁部 1660:リード部 1710:前部フレーム(機枠) 1720:後部フ
レーム(機枠) 1800:減速部 1811,1812:ギヤ 1900:ディファレンシャルギヤ部 1911,1912:回転角センサ 1920:カバ
ーケース Φ1,Φ2,Φ2’,Φ2”:磁束
フロントページの続き Fターム(参考) 5H111 BB06 CC14 CC23 CC30 DD11 FF04 FF13 GG02 GG06 GG10 GG15 HA02 HA03 HA05 HB03 HB05 JJ05 JJ06 JJ07 5H607 BB01 BB09 BB14 BB26 CC01 DD02 DD16 EE43 FF24 GG04 GG08 HH03 5H621 AA03 BB07 GA01 GA04 GA12 GA16 GA20 HH05 JK02 JK03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステータコアおよびステータ巻線をもち、
    機枠に固定されているステータと、 ロータコアおよびロータ巻線をもち、エンジン出力軸と
    接続されてこのステータと同軸に軸支され、所定の間隔
    を空けてこのステータに対向している第1ロータと、 駆動輪の駆動軸と接続されてこのステータと同軸に軸支
    され、外周界磁を形成している外周面でこのステータに
    対向し、内周界磁を形成している内周面でこの第1ロー
    タに対向している第2ロータと、を有する車両用駆動装
    置において、 前記第2ロータは、 周方向に所定間隔を空けて配設され、半径方向に交番に
    磁極を向けて前記外周界磁および前記内周界磁を形成す
    る複数の主界磁磁石と、 中空円筒状に積層された多数の電磁鋼板からなり、これ
    らの主界磁磁石を保持しているロータヨークとを有し、 前記第1ロータと前記第2ロータとの間に内周磁気回路
    が形成されてトルクの授受が行われ、 前記第2ロータと前記ステータとの間に外周磁気回路が
    形成されてトルクの授受が行われ、 前記第1ロータの回転方向と前記第2ロータの回転方向
    とは、搭載車両の前進時に同一方向であるこ小型軽量
    化、高応答特性とを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 【請求項2】前記主界磁磁石は、平板状の永久磁石ブロ
    ックからなる、 請求項1記載の車両用駆動装置。
  3. 【請求項3】前記主界磁磁石は、外周面および内周面が
    それぞれの半径の曲率をもって湾曲した永久磁石ブロッ
    クからなる、 請求項1記載の車両用駆動装置。
  4. 【請求項4】前記第2ロータは、 近接した前記主界磁磁石に磁極の方向が一致しており、
    一端がこれらの主界磁磁石の周方向端部に近接し、他端
    が互いに遠心方向および求心方向に分かれて配設され、
    それぞれ前記ロータヨークに保持されている外側副界磁
    磁石および内側副界磁磁石を、 前記各主界磁磁石について二組ずつ有する、 請求項1記載の車両用駆動装置。
  5. 【請求項5】前記外側副界磁磁石の厚さと前記内側副界
    磁磁石の厚さとの和は、前記主界磁磁石の厚さよりも厚
    く、 該外側副界磁磁石の厚さおよび該内側副界磁磁石の厚さ
    のうち少なくとも一方は、該主界磁磁石の厚さ未満であ
    る、 請求項4記載の車両用駆動装置。
  6. 【請求項6】前記主界磁磁石、前記外側副界磁磁石およ
    び前記内側副界磁磁石は、いずれも平板状の永久磁石ブ
    ロックからなる、 請求項4記載の車両用駆動装置。
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