JP2000048321A - 垂直磁気記録用ヘッド - Google Patents

垂直磁気記録用ヘッド

Info

Publication number
JP2000048321A
JP2000048321A JP10216058A JP21605898A JP2000048321A JP 2000048321 A JP2000048321 A JP 2000048321A JP 10216058 A JP10216058 A JP 10216058A JP 21605898 A JP21605898 A JP 21605898A JP 2000048321 A JP2000048321 A JP 2000048321A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
head
recording
present
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10216058A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Norihashi
宏高 法橋
Shinzo Tsuboi
眞三 坪井
Masamichi Tagami
勝通 田上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP10216058A priority Critical patent/JP2000048321A/ja
Publication of JP2000048321A publication Critical patent/JP2000048321A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度の記録時においても記録媒体を垂直方
向に急峻に磁化しうる垂直磁気記録用ヘッドを提供する
こと。 【解決手段】 垂直磁気記録用ヘッドは、再生用のMR
ヘッド40と記録用の磁気誘導ヘッド10とが積層され
てなる。磁気誘導型ヘッド10のトレーリング側の媒体
摺動面を、リーディング側の媒体摺動面よりも記録媒体
から垂直に遠くなる方向に段差をつけた構造、又はリー
ディング側の飽和磁化Msよりもトレーリング側の飽和
磁化Msを小さくしたものとした。このため、磁気誘導
型ヘッド10のトレーリング側の、急峻性が欠ける磁場
分布を回避することができ、リーディング側からトレー
リング側に至る磁場分布の急峻な場所での記録を支配的
にすることができ、高密度の記録時においても記録媒体
を垂直方向に急峻に磁化し、良好な記録再生特性を提供
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直磁化方式を採
用した磁気記録再生装置に用いられる垂直記録用磁気ヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パ−ソナルコンピュ−タやワ−ク
ステ−ションの進歩に伴うハ−ドディスクドライブの大
容量化及び小型化により、磁気ディスクはさらなる高面
密度化が必要とされている。しかし、現在広く普及して
いる長手記録方式では、高記録密度を実現しようとする
と、記録ビットの微細化に伴う記録磁化の熱揺らぎの問
題や、記録ヘッドの記録能力を超えかねない高保磁力化
の問題が発生する。そこで、これらの問題を解決しつ
つ、面記録密度を大幅に向上できる手段として、垂直磁
気記録方式が検討されている。
【0003】従来、垂直磁気記録媒体を用いた垂直磁化
方式の磁気記録再生装置においては、再生部にMRヘッ
ド、記録部に磁気誘導型ヘッドが用いられている。この
従来の垂直磁気記録用ヘッドは、例えば、「日本応用磁
気学会誌Vol.19 Supplement No.
S2 PP122−125」に掲載されており、長手記
録方式で用いられているものと同じ構造である。
【0004】図98及び図99は従来の垂直磁気記録用
ヘッドを示し、図98が媒体摺動面から見た底面図、図
99が縦断面図である。以下、これらの図面に基づき説
明する。従来の垂直磁気記録用ヘッドは、再生用のMR
ヘッド50と記録用の磁気誘導型ヘッド52とが積層さ
れてなるものである。MRヘッド50は下シールド5
4、再生ギャップ56、MR素子58、共通ポール60
等によって構成されている。磁気誘導型ヘッド52は、
共通ポール60、記録ギャップ62、励磁コイル64、
上ポール66等によって構成されている。記録媒体は図
99において、垂直磁気記録用ヘッドの下端に沿い、右
から左へと移動していく。この垂直磁気記録用ヘッドを
用いて長手媒体に記録を行った場合は、磁気誘導型ヘッ
ド52の磁場分布のx成分(長手方向成分)が媒体記録
磁化を決定する(図100)。これに対し、この垂直磁
気記録用ヘッドの磁場分布のy成分を図101に示す。
この垂直磁気記録用ヘッドを垂直磁気記録媒体に用いる
と、媒体記録磁化を決定するのは上ポール66付近の磁
場分布であり、図101の第4象限の極小値より右側の
磁場分布で決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図101のよ
うな磁場分布の垂直磁気記録用ヘッドで垂直磁気記録媒
体に記録を行った場合、図101の第4象限の極小値よ
り右側の磁場分布に急峻性が欠け、なだらかに0に収束
していくため、特に高密度の記録時において記録媒体を
垂直方向に急峻に磁化し難く、記録の分解能が低下する
という問題点があった。本発明は前記事情に鑑み案出さ
れたものであって、本発明の目的は、垂直磁化方式の磁
気記録再生装置の特性向上を実現するため、高密度の記
録時においても記録媒体を垂直方向に急峻に磁化しうる
垂直磁気記録用ヘッドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、再生用のMR
ヘッドと記録用の磁気誘導型ヘッドとが積層されてなる
垂直磁気記録用ヘッドにおいて、磁気誘導型ヘッドのリ
ーディング側の媒体摺動面に垂直方向の磁場成分よりも
トレーリング側の媒体摺動面に垂直方向の磁場成分の方
が小さいことを特徴とする。
【0007】本発明の垂直磁気記録用ヘッドは、再生用
のMRヘッドと記録用の磁気誘導ヘッドとが積層されて
なるものである。そして、磁気誘導型ヘッドのリーディ
ング側の媒体摺動面に垂直方向の磁場成分よりもトレー
リング側の媒体摺動面に垂直方向の磁場成分の方が小さ
い構造となっている。このため、図101を例に取ると
磁気誘導型ヘッドの磁場分布の第4象限の極小値より右
側の、急峻性が欠ける磁場分布を回避することができ、
第2象限から原点を通り、第4象限に至る磁場分布の急
峻な場所での記録が支配的となる。このため、高密度の
記録時においても記録媒体を垂直方向に急峻に磁化し、
良好な記録再生特性を提供する垂直磁気記録用ヘッドと
することができる。また、リーディング側の飽和磁化M
sよりもトレーリング側の飽和磁化Msを小さくするこ
とによっても、図101の磁気誘導型ヘッドの磁場分布
の第4象限の極小値より右側の、急峻性が欠ける磁場分
布を回避することができ、第2象限から原点を通り、第
4象限に至る磁場分布の急峻な場所での記録を支配的に
させることができる。このため、高密度の記録時におい
ても記録媒体を垂直方向に急峻に磁化し、良好な記録再
生特性を提供する垂直磁気記録用ヘッドとすることがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の垂直磁気記録用ヘ
ッドについて図面を参照して説明する。図1は、本発明
に関わる垂直磁気記録用ヘッドの一実施の形態を示す、
縦断面図である、本実施の形態に関わる垂直磁気記録用
ヘッドは、再生用のMRヘッド40と記録用の磁気誘導
型ヘッド10とが積層されてなるものである。MRヘッ
ド40は、下シールド44、再生ギャップ46、MR素
子48、共通ポール49等によって構成されている。磁
気誘導型ヘッド10は、共通ポール49、記録ギャップ
32、励磁コイル34、上ポール36等によって構成さ
れている。上ポール36の媒体摺動面は、共通ポール4
9の媒体摺動面よりも記録媒体から垂直に遠くなる方向
に段差をつけた構造となっている。
【0009】図1はまた、本発明の垂直磁気記録用ヘッ
ドで垂直磁気記録媒体に記録を行うときの記録プロセス
の様子を示している。記録磁界はトレーリング側の上ポ
ール36から発生し、媒体の垂直記録層を通り、リーデ
ィング側の共通ポール49へ流れていく。垂直磁気記録
用ヘッドは図1において左から右へと走行する。このた
め、垂直媒体に記録される記録磁化は、上ポール36か
ら共通ポール49へ流れるヘッド磁界のy成分の分布で
決まることになる。
【0010】図1に示した本実施の形態の垂直磁気記録
用ヘッドでは、磁気誘導型ヘッド10の磁場分布のy成
分は、トレーリング側の上ポール36の媒体摺動面がリ
ーディング側の共通ポール49の媒体摺動面よりも記録
媒体から垂直に遠くなる方向に段差をつけた構造となっ
ているため、図101を例に取ると磁気誘導型ヘッドの
磁場分布の第4象限の極小値より右側の、急峻性が欠け
る磁場分布を回避することができ、第2象限から原点を
通り、第4象限に至る磁場分布の急峻な場所での記録が
支配的となる。このため、高密度の記録時においても記
録媒体を垂直方向に急峻に磁化し、良好な記録再生特性
を提供する垂直磁気記録用ヘッドとすることができる。
【0011】次に、本発明の垂直磁気記録用ヘッドにつ
いて実施例(実施例1乃至実施例24)に基づきさらに
詳細に説明する。
【0012】[実施例1]実施例1について図1を参照
して詳細に説明する。非磁性基板上に、下シールドから
上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通ポー
ル、上ポールの材料はNiFeとした。その際、上ポー
ル幅と共通ポール幅はともに1.0μm、記録ギャップ
長も0.5μmとした。記録トラック幅は1μm、再生
トラック幅は0.8μm、再生ギャップ長は0.2μm
とした。上ポール成膜後、上ポールの媒体摺動面をラッ
ピング(研磨)加工やFIB(集束イオンビーム)加工
により、共通ポール面よりも記録媒体から遠くなる方向
に段差をつけた。その際、ギャップ長をGLとすると、
(1/5)GL、(3/5)GL、(5/5(=1))
GL段差をつけたヘッドをそれぞれ本発明ヘッドA2、
B2、C2とする。これに対し、上ポールの媒体摺動面
を加工しないヘッドを従来ヘッドA1とする。
【0013】本発明ヘッドA2〜C2及び従来ヘッドA
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここで用いた垂直記録媒体はスパッタ法によって基
板温度400℃でガラス基板上に成膜した。垂直磁化膜
はCoCrTa、垂直磁化膜膜厚は100nmとした。
作製した垂直磁気記録媒体の異方性磁界Hkをトルク磁
力計によって調べたところ、6.0kOeであった。記
録再生評価は記録電流30mAop、センス電流12m
A、周速度12.7m/sの条件下で行った。
【0014】本発明ヘッドA2〜C2及び従来ヘッドA
1から発生する磁場のy成分の分布を図2に示す。図2
から分かるように、従来ヘッドA1の磁場分布は原点に
関して対象な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA
2〜C2の磁場分布は原点に関して非対称となり、本発
明ヘッドA2〜C2の順に上ポールの媒体摺動面からの
距離が遠くなるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場
分布の絶対値は小さく、平坦になる。
【0015】従来ヘッドA1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図3に示す。従
来ヘッドA1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配より
も、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が急
峻であることが分かる。なお、NiFeの飽和磁化は約
10kGであるため、磁場の最大値はほぼ10kOeと
なる。
【0016】本発明ヘッドA2〜C2及び従来ヘッドA
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図4に示す。図4から分かるように、本発明ヘッ
ドB2、C2を用いると、従来ヘッドA1よりも、特に
高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しかし、本
発明ヘッドA2を用いた場合、それほど改善は見られな
い。これは、図4から分かるように、本発明ヘッドB
2、C2の上ポール付近の磁場のy成分の大きさが媒体
の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に磁化回
転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナーループを無
視できるほどに小さくすることができるために、記録に
ほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近傍の磁
場分布(530Oe/μm)よりも磁場分布の急峻な、
共通ポールから上ポールに至る磁場(8kOe〜12k
Oe)での記録が支配的となるためである。
【0017】これに比べると、本発明ヘッドA2は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が7.4kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0018】次に、本発明ヘッドA2〜C2及び従来ヘ
ッドA1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図5に示す。図5から分か
るように、本発明ヘッドB2、C2を用いると、従来ヘ
ッドA1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これ
は、前述したように本発明ヘッドB2、C2では、トレ
ーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な
共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配的と
なるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒
体ノイズも減少する。
【0019】これに比べると、本発明ヘッドA2は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0020】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長が等しく、及び記録ギ
ャップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッド
であれば、同様な結果が得られる。
【0021】[実施例2]実施例1と同様にして非磁性
基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はNiF
eとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに
1.0μm、記録ギャップ長は0.3μmとした。記録
トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再
生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上
ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB
(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面よりも
記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。その際、ギ
ャップ長をGLとすると、(1/5)GL、(3/5)
GL、(5/5(=1))GL段差をつけたヘッドをそ
れぞれ本発明ヘッドA3、B3、C3とする。これに対
し、上ポールの媒体摺動面を加工しないヘッドを従来ヘ
ッドB1とする。
【0022】本発明ヘッドA3〜C3及び従来ヘッドB
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA3〜C3及び従来ヘッドB1から発生する
磁場のy成分の分布を図6に示す。図6から分かるよう
に、従来ヘッドB1の磁場分布は原点に関して対象な磁
場分布を示しているが、本発明ヘッドA3〜C3の磁場
分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA3〜
C3の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠くなる
ほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対値は
小さく、平坦になる。
【0023】従来ヘッドB1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図7に示す。従
来ヘッドB1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配より
も、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が急
峻であることが分かる。なお、NiFeの飽和磁化は約
10kGであるため、磁場の最大値はほぼ10kOeと
なる。本発明ヘッドA3〜C3及び従来ヘッドB1を用
いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果を
図8に示す。図8から分かるように、本発明ヘッドB
3、C3を用いると、従来ヘッドB1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。しかし、本発明
ヘッドA3を用いた場合、それほど改善は見られない。
これは、図8から分かるように、本発明ヘッドB3、C
3の上ポール付近の磁場のy成分の大きさが媒体の異方
性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に磁化回転を生
じさせず、媒体の磁化曲線のマイナーループを無視でき
るほどに小さくすることができるために、記録にほとん
ど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近傍の磁場分布
(250Oe/μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポ
ールから上ポールに至る磁場(11kOe〜15kO
e)での記録が支配的となるためである。
【0024】これに比べると、本発明ヘッドA3は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が7.8kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0025】次に、本発明ヘッドA3〜C3及び従来ヘ
ッドB1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図9に示す。図9から分か
るように、本発明ヘッドB3、C3を用いると、従来ヘ
ッドB1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これ
は、前述したように本発明ヘッドB3、C3では、トレ
ーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な
共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配的と
なるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒
体ノイズも減少する。
【0026】これに比べると、本発明ヘッドA3は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0027】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、(10/3)
GL=PL(PLはポール長)の関係があり、記録ギャ
ップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドで
あれば、同様な結果が得られる。
【0028】〔実施例3〕実施例1と同様にして非磁性
基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はNiF
eとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに
2.0μm、記録ギャップ長は0.5μmとした。記録
トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再
生ギャップ長は0.2μmとした。
【0029】上ポール成膜後、上ポールの媒体摺動面を
ラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオンビーム)
加工により、共通ポール面よりも記録媒体から遠くなる
方向に段差をつけた。その際、ギャップ長をGLとする
と、(1/5)GL、(3/5)GL、(5/5(=
1))GL段差をつけたヘッドをそれぞれ本発明ヘッド
A4、B4、C4とする。これに対し、上ポールの媒体
摺動面を加工しないヘッドを従来ヘッドC1とする。
【0030】本発明ヘッドA4〜C4及び従来ヘッドC
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA4〜C4及び従来ヘッドC1から発生する
磁場のy成分の分布を図10に示す。図10から分かる
ように、従来ヘッドC1の磁場分布は原点に関して対象
な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA4〜C4の
磁場分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA
4〜C4の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠く
なるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対
値は小さく、平坦になる。
【0031】従来ヘッドC1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図11に示す。
従来ヘッドC1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、NiFeの飽和磁化は
約10kGであるため、磁場の最大値はほぼ10kOe
となる。
【0032】本発明ヘッドA4〜C4及び従来ヘッドC
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図12に示す。図12から分かるように、本発明
ヘッドB4、C4を用いると、従来ヘッドC1よりも、
特に高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しか
し、本発明ヘッドA4を用いた場合、それほど改善は見
られない。これは、図12から分かるように、本発明ヘ
ッドB4、C4の上ポール付近の磁場のy成分の大きさ
が媒体の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に
磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナールー
プを無視できるほどに小さくすることができるために、
記録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近
傍の磁場分布(240Oe/μm)よりも磁場分布の急
峻な、共通ポールから上ポールに至る磁場(14kOe
〜18.5kOe)での記録が支配的となるためであ
る。
【0033】これに比べると、本発明ヘッドA4は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が6.6kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0034】次に、本発明ヘッドA4〜C4及び従来ヘ
ッドC1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図13に示す。図13から
分かるように、本発明ヘッドB4、C4を用いると、従
来ヘッドC1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。
これは、前述したように本発明ヘッドB4、C4では、
トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急
峻な共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配
的となるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるため
に媒体ノイズも減少する。
【0035】これに比べると、本発明ヘッドA4は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0036】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、4GL=PL
(PLはポール長)の関係があり、記録ギャップ長が本
発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれば、同
様な結果が得られる。
【0037】〔実施例4〕非磁性基板上に、下シールド
から上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通ポ
ール、上ポールの材料はFeSiAlとした。その際、
上ポール幅と共通ポール幅はともに1.0μm、記録ギ
ャップ長も0.5μmとした。記録トラック幅は1μ
m、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャップ長は
0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポールの媒体摺
動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオンビ
ーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒体から遠
くなる方向に段差をつけた。その際、ギャップ長をGL
とすると、(1/5)GL、(3/5)GL、(5/5
(=1))GL段差をつけたヘッドをそれぞれ本発明ヘ
ッドA2、B2、C2とする。これに対し、上ポールの
媒体摺動面を加工しないヘッドを従来ヘッドD1とす
る。
【0038】本発明ヘッドA5〜C5及び従来ヘッドD
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA5〜C5及び従来ヘッドD1から発生する
磁場のy成分の分布を図14に示す。図14から分かる
ように、従来ヘッドD1の磁場分布は原点に関して対象
な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA5〜C5の
磁場分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA
5〜C5の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠く
なるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対
値は小さく、平坦になる。
【0039】従来ヘッドD1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図15に示す。
従来ヘッドD1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeSiAlの飽和磁
化は約11.5kGであるため、磁場の最大値はほぼ1
1.5kOeとなる。
【0040】本発明ヘッドA5〜C5及び従来ヘッドD
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図16に示す。図16から分かるように、本発明
ヘッドB5、C5を用いると、従来ヘッドD1よりも、
特に高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しか
し、本発明ヘッドA5を用いた場合、それほど改善は見
られない。これは、図16から分かるように、本発明ヘ
ッドB5、C5の上ポール付近の磁場のy成分の大きさ
が媒体の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に
磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナールー
プを無視できるほどに小さくすることができるために、
記録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近
傍の磁場分布(570Oe/μm)よりも磁場分布の急
峻な、共通ポールから上ポールに至る磁場(8kOe〜
12.8kOe)での記録が支配的となるためである。
【0041】これに比べると、本発明ヘッドA5は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が7.8kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0042】次に、本発明ヘッドA5〜C5及び従来ヘ
ッドD1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図17に示す。図17から
分かるように、本発明ヘッドB5、C5を用いると、従
来ヘッドD1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。
これは、前述したように本発明ヘッドB5、C5では、
トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急
峻な共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配
的となるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるため
に媒体ノイズも減少する。
【0043】これに比べると、本発明ヘッドA5は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0044】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長が等しく、及び記録ギ
ャップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッド
であれば、同様な結果が得られる。
【0045】〔実施例5〕実施例1と同様にして非磁性
基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はFeS
iAlとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はと
もに1.0μm、記録ギャップ長は0.3μmとした。
記録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μ
m、再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜
後、上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工や
FIB(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面
よりも記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。その
際、ギャップ長をGLとすると、(1/5)GL、(3
/5)GL、(5/5(=1))GL段差をつけたヘッ
ドをそれぞれ本発明ヘッドA6、B6、C6とする。こ
れに対し、上ポールの媒体摺動面を加工しないヘッドを
従来ヘッドE1とする。
【0046】本発明ヘッドA6〜C6及び従来ヘッドE
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA6〜C6及び従来ヘッドE1から発生する
磁場のy成分の分布を図18に示す。図18から分かる
ように、従来ヘッドE1の磁場分布は原点に関して対象
な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA6〜C6の
磁場分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA
6〜C6の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠く
なるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対
値は小さく、平坦になる。
【0047】従来ヘッドE1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図19に示す。
従来ヘッドE1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeSiAlの飽和磁
化は約11.5kGであるため、磁場の最大値はほぼ1
1.5kOeとなる。
【0048】本発明ヘッドA6〜C6及び従来ヘッドE
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図20に示す。図20から分かるように、本発明
ヘッドB6、C6を用いると、従来ヘッドE1よりも、
特に高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しか
し、本発明ヘッドA6を用いた場合、それほど改善は見
られない。これは、図20から分かるように、本発明ヘ
ッドB6、C6の上ポール付近の磁場のy成分の大きさ
が媒体の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に
磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナールー
プを無視できるほどに小さくすることができるために、
記録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近
傍の磁場分布(520Oe/μm)よりも磁場分布の急
峻な、共通ポールから上ポールに至る磁場(11.5k
Oe〜17.2kOe)での記録が支配的となるためで
ある。
【0049】これに比べると、本発明ヘッドA6は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が8.1kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0050】次に、本発明ヘッドA6〜C6及び従来ヘ
ッドE1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図21に示す。図21から
分かるように、本発明ヘッドB6、C6を用いると、従
来ヘッドE1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。
これは、前述したように本発明ヘッドB6、C6では、
トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急
峻な共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配
的となるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるため
に媒体ノイズも減少する。
【0051】これに比べると、本発明ヘッドA6は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0052】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、(10/3)
GL=PL(PLはポール長)の関係があり、記録ギャ
ップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドで
あれば、同様な結果が得られる。
【0053】〔実施例6〕実施例1と同様にして非磁性
基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はFeS
iAlとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はと
もに2.0μm、記録ギャップ長は0.5μmとした。
記録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μ
m、再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜
後、上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工や
FIB(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面
よりも記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。その
際、ギャップ長をGLとすると、(1/5)GL、(3
/5)GL、(5/5(=1))GL段差をつけたヘッ
ドをそれぞれ本発明ヘッドA7、B7、C7とする。こ
れに対し、上ポールの媒体摺動面を加工しないヘッドを
従来ヘッドF1とする。
【0054】本発明ヘッドA7〜C7及び従来ヘッドF
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA7〜C7及び従来ヘッドF1から発生する
磁場のy成分の分布を図22に示す。図22から分かる
ように、従来ヘッドF1の磁場分布は原点に関して対象
な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA7〜C7の
磁場分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA
7〜C7の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠く
なるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対
値は小さく、平坦になる。
【0055】従来ヘッドF1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図23に示す。
従来ヘッドF1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeSiAlの飽和磁
化は約11.5kGであるため、磁場の最大値はほぼ1
1.5kOeとなる。
【0056】本発明ヘッドA7〜C7及び従来ヘッドF
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図24に示す。図24から分かるように、本発明
ヘッドB7、C7を用いると、従来ヘッドF1よりも、
特に高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しか
し、本発明ヘッドA7を用いた場合、それほど改善は見
られない。これは、図24から分かるように、本発明ヘ
ッドB7、C7の上ポール付近の磁場のy成分の大きさ
が媒体の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に
磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナールー
プを無視できるほどに小さくすることができるために、
記録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近
傍の磁場分布(500Oe/μm)よりも磁場分布の急
峻な、共通ポールから上ポールに至る磁場(15.8k
Oe〜21kOe)での記録が支配的となるためであ
る。
【0057】これに比べると、本発明ヘッドA7は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が6.9kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0058】次に、本発明ヘッドA7〜C7及び従来ヘ
ッドF1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図25に示す。図25から
分かるように、本発明ヘッドB7、C7を用いると、従
来ヘッドF1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。
これは、前述したように本発明ヘッドB7、C7では、
トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急
峻な共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配
的となるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるため
に媒体ノイズも減少する。
【0059】これに比べると、本発明ヘッドA7は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0060】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、4GL=PL
(PLはポール長)の関係があり、記録ギャップ長が本
発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれば、同
様な結果が得られる。
【0061】〔実施例7〕非磁性基板上に、下シールド
から上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通ポ
ール、上ポールの材料はFeTaNとした。その際、上
ポール幅と共通ポール幅はともに1.0μm、記録ギャ
ップ長も0.5μmとした。記録トラック幅は1μm、
再生トラック幅は0.8μm、再生ギャップ長は0.2
μmとした。上ポール成膜後、上ポールの媒体摺動面を
ラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオンビーム)
加工により、共通ポール面よりも記録媒体から遠くなる
方向に段差をつけた。その際、ギャップ長をGLとする
と、(1/5)GL、(3/5)GL、(5/5(=
1))GL段差をつけたヘッドをそれぞれ本発明ヘッド
A8、B8、C8とする。これに対し、上ポールの媒体
摺動面を加工しないヘッドを従来ヘッドG1とする。
【0062】本発明ヘッドA8〜C8及び従来ヘッドG
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA8〜C8及び従来ヘッドG1から発生する
磁場のy成分の分布を図26に示す。図26から分かる
ように、従来ヘッドG1の磁場分布は原点に関して対象
な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA8〜C8の
磁場分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA
8〜C8の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠く
なるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対
値は小さく、平坦になる。
【0063】従来ヘッドG1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図27に示す。
従来ヘッドG1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeTaNの飽和磁化
は約17kGであるため、磁場の最大値はほぼ17kO
eとなる。
【0064】本発明ヘッドA8〜C8及び従来ヘッドG
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図28に示す。図28から分かるように、本発明
ヘッドB8、C8を用いると、従来ヘッドG1よりも、
特に高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しか
し、本発明ヘッドA8を用いた場合、それほど改善は見
られない。これは、図9−3から分かるように、本発明
ヘッドB8、C8の上ポール付近の磁場のy成分の大き
さが媒体の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化
に磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることができるため
に、記録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッ
ジ近傍の磁場分布(580Oe/μm)よりも磁場分布
の急峻な、共通ポールから上ポールに至る磁場(8kO
e〜12.6kOe)での記録が支配的となるためであ
る。
【0065】これに比べると、本発明ヘッドA8は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が8.7kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0066】次に、本発明ヘッドA8〜C8及び従来ヘ
ッドG1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図29に示す。図29から
分かるように、本発明ヘッドB8、C8を用いると、従
来ヘッドG1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。
これは、前述したように本発明ヘッドB8、C8では、
トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急
峻な共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配
的となるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるため
に媒体ノイズも減少する。
【0067】これに比べると、本発明ヘッドA8は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0068】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長が等しく、及び記録ギ
ャップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッド
であれば、同様な結果が得られる。
【0069】〔実施例8〕実施例1と同様にして非磁性
基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はFeT
aNとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はとも
に1.0μm、記録ギャップ長は0.3μmとした。記
録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、
再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、
上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFI
B(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面より
も記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。その際、
ギャップ長をGLとすると、(1/5)GL、(3/
5)GL、(5/5(=1))GL段差をつけたヘッド
をそれぞれ本発明ヘッドA9、B9、C9とする。これ
に対し、上ポールの媒体摺動面を加工しないヘッドを従
来ヘッドH1とする。
【0070】本発明ヘッドA9〜C9及び従来ヘッドH
1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用い
た。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。本
発明ヘッドA9〜C9及び従来ヘッドH1から発生する
磁場のy成分の分布を図30に示す。図30から分かる
ように、従来ヘッドH1の磁場分布は原点に関して対象
な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA9〜C9の
磁場分布は原点に関して非対称となり、本発明ヘッドA
9〜C9の順に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠く
なるほど、磁場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対
値は小さく、平坦になる。
【0071】従来ヘッドH1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図31に示す。
従来ヘッドH1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeTaNの飽和磁化
は約17kGであるため、磁場の最大値はほぼ17kO
eとなる。
【0072】本発明ヘッドA9〜C9及び従来ヘッドH
1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた
結果を図32に示す。図32から分かるように、本発明
ヘッドB9、C9を用いると、従来ヘッドH1よりも、
特に高記録密度時の再生出力に改善が見られる。しか
し、本発明ヘッドA9を用いた場合、それほど改善は見
られない。これは、図32から分かるように、本発明ヘ
ッドB9、C9の上ポール付近の磁場のy成分の大きさ
が媒体の異方性磁界Hkより小さいため、媒体の磁化に
磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナールー
プを無視できるほどに小さくすることができるために、
記録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近
傍の磁場分布(530Oe/μm)よりも磁場分布の急
峻な、共通ポールから上ポールに至る磁場(11.6k
Oe〜16.9kOe)での記録が支配的となるためで
ある。
【0073】これに比べると、本発明ヘッドA9は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が8.8kOeと大きいため、上ポー
ルのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録
されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができ
ないために、再生出力に改善が見られない。
【0074】次に、本発明ヘッドA9〜C9及び従来ヘ
ッドH1を用いたときの、記録密度400kFRPIに
おける媒体ノイズの測定値を図33に示す。図33から
分かるように、本発明ヘッドB9、C9を用いると、従
来ヘッドH1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。
これは、前述したように本発明ヘッドB9、C9では、
トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急
峻な共通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配
的となるため、高密度でも明瞭に信号が記録されるため
に媒体ノイズも減少する。
【0075】これに比べると、本発明ヘッドA9は、共
通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリング
エッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール付
近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリン
グエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることとな
り、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、媒
体ノイズにも大きな改善が見られない。以上のことか
ら、トレーリングエッジ近傍の磁場勾配よりも磁場勾配
の急峻な、ギャップ間近傍の磁場勾配での記録を支配的
にするためには、トレーリング近傍の磁場の大きさを、
媒体の磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小
さくすることが必要である。また、上ポール長と共通ポ
ール長の間に、(10/3)GL=PL(PLはポール
長)の関係があり、記録ギャップ長が本発明ヘッドと等
しい垂直磁気記録用ヘッドであれば、同様な結果が得ら
れる。
【0076】〔実施例9〕実施例1と同様にして非磁性
基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はFeT
aNとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はとも
に2.0μm、記録ギャップ長は0.5μmとした。記
録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、
再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、
上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFI
B(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面より
も記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。その際、
ギャップ長をGLとすると、(1/5)GL、(3/
5)GL、(5/5(=1))GL段差をつけたヘッド
をそれぞれ本発明ヘッドA10、B10、C10とす
る。これに対し、上ポールの媒体摺動面を加工しないヘ
ッドを従来ヘッドJ1とする。
【0077】本発明ヘッドA10〜C10及び従来ヘッ
ドJ1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調
べた。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用
いた。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。
本発明ヘッドA10〜C10及び従来ヘッドJ1から発
生する磁場のy成分の分布を図34に示す。図34から
分かるように、従来ヘッドJ1の磁場分布は原点に関し
て対象な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA10
〜C10の磁場分布は原点に関して非対称となり、本発
明ヘッドA10〜C10の順に上ポールの媒体摺動面か
らの距離が遠くなるほど、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。
【0078】従来ヘッドJ1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図35に示す。
従来ヘッドJ1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeTaNの飽和磁化
は約17kGであるため、磁場の最大値はほぼ17kO
eとなる。
【0079】本発明ヘッドA10〜C10及び従来ヘッ
ドJ1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調
べた結果を図36に示す。図36から分かるように、本
発明ヘッドB10、C10を用いると、従来ヘッドJ1
よりも、特に高記録密度時の再生出力に改善が見られ
る。しかし、本発明ヘッドA10を用いた場合、それほ
ど改善は見られない。これは、図36から分かるよう
に、本発明ヘッドB10、C10の上ポール付近の磁場
のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小さいた
め、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲
線のマイナーループを無視できるほどに小さくすること
ができるために、記録にほとんど寄与しなくなり、トレ
ーリングエッジ近傍の磁場分布(520Oe/μm)よ
りも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポールに至る
磁場(16.3kOe〜21kOe)での記録が支配的
となるためである。
【0080】これに比べると、本発明ヘッドA10は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場のy成分が7.9kOeと大きいため、上ポ
ールのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記
録されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録がで
きないために、再生出力に改善が見られない。
【0081】次に、本発明ヘッドA10〜C10及び従
来ヘッドJ1を用いたときの、記録密度400kFRP
Iにおける媒体ノイズの測定値を図37に示す。図37
から分かるように、本発明ヘッドB10、C10を用い
ると、従来ヘッドJ1を用いた場合よりも媒体ノイズが
小さい。これは、前述したように本発明ヘッドB10、
C10では、トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、
磁場分布の急峻な共通ポールから上ポールに至る磁場で
の記録が支配的となるため、高密度でも明瞭に信号が記
録されるために媒体ノイズも減少する。
【0082】これに比べると、本発明ヘッドA10は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリ
ングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることと
なり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、
媒体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0083】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、4GL=PL
(PLはポール長)の関係があり、記録ギャップ長が本
発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれば、同
様な結果が得られる。
【0084】〔実施例10〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポール、上ポールの材料はCoNiFeとした。CoN
iFe膜はメッキ法で成膜した。その際、上ポール幅と
共通ポール幅はともに1.0μm、記録ギャップ長も
0.5μmとした。記録トラック幅は1μm、再生トラ
ック幅は0.8μm、再生ギャップ長は0.2μmとし
た。上ポール成膜後、上ポールの媒体摺動面をラッピン
グ(研磨)加工やFIB(集束イオンビーム)加工によ
り、共通ポール面よりも記録媒体から遠くなる方向に段
差をつけた。その際、ギャップ長をGLとすると、(1
/5)GL、(3/5)GL、(5/5(=1))GL
段差をつけたヘッドをそれぞれ本発明ヘッドA11、B
11、C11とする。これに対し、上ポールの媒体摺動
面を加工しないヘッドを従来ヘッドK1とする。
【0085】本発明ヘッドA11〜C11及び従来ヘッ
ドK1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調
べた。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用
いた。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。
本発明ヘッドA11〜C11及び従来ヘッドK1から発
生する磁場のy成分の分布を図38に示す。図38から
分かるように、従来ヘッドK1の磁場分布は原点に関し
て対象な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA11
〜C11の磁場分布は原点に関して非対称となり、本発
明ヘッドA11〜C11の順に上ポールの媒体摺動面か
らの距離が遠くなるほど、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。
【0086】従来ヘッドK1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図39に示す。
従来ヘッドK1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、FeTaNの飽和磁化
は約21kGであるため、磁場の最大値はほぼ21kO
eとなる。
【0087】本発明ヘッドA11〜C11及び従来ヘッ
ドK1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調
べた結果を図40に示す。図40から分かるように、本
発明ヘッドB11、C11を用いると、従来ヘッドK1
よりも、特に高記録密度時の再生出力に改善が見られ
る。しかし、本発明ヘッドA11を用いた場合、それほ
ど改善は見られない。これは、図40から分かるよう
に、本発明ヘッドB11、C11の上ポール付近の磁場
のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小さいた
め、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲
線のマイナーループを無視できるほどに小さくすること
ができるために、記録にほとんど寄与しなくなり、トレ
ーリングエッジ近傍の磁場分布(600Oe/μm)よ
りも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポールに至る
磁場(8kOe〜12.7kOe)での記録が支配的と
なるためである。
【0088】これに比べると、本発明ヘッドA11は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場のy成分が10.2kOeと大きいため、上
ポールのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で
記録されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録が
できないために、再生出力に改善が見られない。
【0089】次に、本発明ヘッドA11〜C11及び従
来ヘッドK1を用いたときの、記録密度400kFRP
Iにおける媒体ノイズの測定値を図41に示す。図41
から分かるように、本発明ヘッドB11、C11を用い
ると、従来ヘッドK1を用いた場合よりも媒体ノイズが
小さい。これは、前述したように本発明ヘッドB11、
C11では、トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、
磁場分布の急峻な共通ポールから上ポールに至る磁場で
の記録が支配的となるため、高密度でも明瞭に信号が記
録されるために媒体ノイズも減少する。これに比べる
と、本発明ヘッドA11は、共通ポールから上ポールに
至る磁場分布が、トレーリングエッジ近傍の磁場分布よ
りも急峻であるが、上ポール付近の磁場のy成分が大き
いため、上ポールのトレーリングエッジの磁場分布が緩
慢な場所で記録されることとなり、媒体の垂直方向に急
峻な記録ができないために、媒体ノイズにも大きな改善
が見られない。
【0090】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長が等しく、及び記録ギ
ャップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッド
であれば、同様な結果が得られる。
【0091】〔実施例11〕実施例1と同様にして非磁
性基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はCoN
iFeとした。CoNiFe膜はメッキ法で成膜した。
その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに1.0μ
m、記録ギャップ長は0.3μmとした。記録トラック
幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャッ
プ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポールの
媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束イ
オンビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒体
から遠くなる方向に段差をつけた。その際、ギャップ長
をGLとすると、(1/5)GL、(3/5)GL、
(5/5(=1))GL段差をつけたヘッドをそれぞれ
本発明ヘッドA12、B12、C12とする。
【0092】これに対し、上ポールの媒体摺動面を加工
しないヘッドを従来ヘッドH1とする。本発明ヘッドA
12〜C12及び従来ヘッドL1を用いて、垂直磁気記
録媒体の記録再生特性を調べた。ここでは、実施例1で
用いた媒体と同じ媒体を用いた。記録再生条件も実施例
1と同じ条件下で行った。本発明ヘッドA12〜C12
及び従来ヘッドL1から発生する磁場のy成分の分布を
図42に示す。図42から分かるように、従来ヘッドL
1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分布を示してい
るが、本発明ヘッドA12〜C12の磁場分布は原点に
関して非対称となり、本発明ヘッドA12〜C12の順
に上ポールの媒体摺動面からの距離が遠くなるほど、磁
場分布の第4象限に表れる磁場分布の絶対値は小さく、
平坦になる。
【0093】従来ヘッドL1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図43に示す。
従来ヘッドL1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、CoNiFeの飽和磁
化は約21kGであるため、磁場の最大値はほぼ21k
Oeとなる。
【0094】本発明ヘッドA12〜C12及び従来ヘッ
ドL1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調
べた結果を図44に示す。図44から分かるように、本
発明ヘッドB12、C12を用いると、従来ヘッドL1
よりも、特に高記録密度時の再生出力に改善が見られ
る。しかし、本発明ヘッドA12を用いた場合、それほ
ど改善は見られない。これは、図44から分かるよう
に、本発明ヘッドB12、C12の上ポール付近の磁場
のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小さいた
め、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲
線のマイナーループを無視できるほどに小さくすること
ができるために、記録にほとんど寄与しなくなり、トレ
ーリングエッジ近傍の磁場分布(550Oe/μm)よ
りも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポールに至る
磁場(11.5kOe〜17.2kOe)での記録が支
配的となるためである。
【0095】これに比べると、本発明ヘッドA12は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場のy成分が11.2kOeと大きいため、上
ポールのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で
記録されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録が
できないために、再生出力に改善が見られない。
【0096】次に、本発明ヘッドA12〜C12及び従
来ヘッドL1を用いたときの、記録密度400kFRP
Iにおける媒体ノイズの測定値を図45に示す。図45
から分かるように、本発明ヘッドB12、C12を用い
ると、従来ヘッドL1を用いた場合よりも媒体ノイズが
小さい。これは、前述したように本発明ヘッドB12、
C12では、トレーリングエッジ近傍の磁場ではなく、
磁場分布の急峻な共通ポールから上ポールに至る磁場で
の記録が支配的となるため、高密度でも明瞭に信号が記
録されるために媒体ノイズも減少する。
【0097】これに比べると、本発明ヘッドA12は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリ
ングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることと
なり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、
媒体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0098】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、(10/3)
GL=PL(PLはポール長)の関係があり、記録ギャ
ップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドで
あれば、同様な結果が得られる。
【0099】〔実施例12〕実施例1と同様にして非磁
性基板上に、下シールドから上ポールまでを順に形成す
る。下シールド、共通ポール、上ポールの材料はCoN
iFeとした。CoNiFe膜はメッキ法で成膜した。
その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに2.0μ
m、記録ギャップ長は0.5μmとした。記録トラック
幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャッ
プ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポールの
媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束イ
オンビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒体
から遠くなる方向に段差をつけた。その際、ギャップ長
をGLとすると、(1/5)GL、(3/5)GL、
(5/5(=1))GL段差をつけたヘッドをそれぞれ
本発明ヘッドA13、B13、C13とする。これに対
し、上ポールの媒体摺動面を加工しないヘッドを従来ヘ
ッドM1とする。
【0100】本発明ヘッドA13〜C13及び従来ヘッ
ドM1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調
べた。ここでは、実施例1で用いた媒体と同じ媒体を用
いた。記録再生条件も実施例1と同じ条件下で行った。
本発明ヘッドA13〜C13及び従来ヘッドM1から発
生する磁場のy成分の分布を図46に示す。図46から
分かるように、従来ヘッドM1の磁場分布は原点に関し
て対象な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA13
〜C13の磁場分布は原点に関して非対称となり、本発
明ヘッドA13〜C13の順に上ポールの媒体摺動面か
らの距離が遠くなるほど、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。
【0101】従来ヘッドM1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、全ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配、ト
レーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図47に示す。
従来ヘッドM1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配よ
りも、全てのヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の方が
急峻であることが分かる。なお、CoNiFeの飽和磁
化は約21kGであるため、磁場の最大値はほぼ21k
Oeとなる。
【0102】本発明ヘッドA13〜C13及び従来ヘッ
ドM1を用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調
べた結果を図48に示す。図48から分かるように、本
発明ヘッドB13、C13を用いると、従来ヘッドM1
よりも、特に高記録密度時の再生出力に改善が見られ
る。しかし、本発明ヘッドA13を用いた場合、それほ
ど改善は見られない。これは、図48から分かるよう
に、本発明ヘッドB13、C13の上ポール付近の磁場
のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小さいた
め、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の磁化曲
線のマイナーループを無視できるほどに小さくすること
ができるために、記録にほとんど寄与しなくなり、トレ
ーリングエッジ近傍の磁場分布(570Oe/μm)よ
りも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポールに至る
磁場(16.1kOe〜21.0kOe)での記録が支
配的となるためである。
【0103】これに比べると、本発明ヘッドA13は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場の11.3y成分がkOeと大きいため、上
ポールのトレーリングエッジの磁場分布が緩慢な場所で
記録されることとなり、媒体の垂直方向に急峻な記録が
できないために、再生出力に改善が見られない。次に、
本発明ヘッドA13〜C13及び従来ヘッドM1を用い
たときの、記録密度400kFRPIにおける媒体ノイ
ズの測定値を図49に示す。図49から分かるように、
本発明ヘッドB13、C13を用いると、従来ヘッドM
1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、前
述したように本発明ヘッドB13、C13では、トレー
リングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共
通ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配的とな
るため、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体
ノイズも減少する。
【0104】これに比べると、本発明ヘッドA13は、
共通ポールから上ポールに至る磁場分布が、トレーリン
グエッジ近傍の磁場分布よりも急峻であるが、上ポール
付近の磁場のy成分が大きいため、上ポールのトレーリ
ングエッジの磁場分布が緩慢な場所で記録されることと
なり、媒体の垂直方向に急峻な記録ができないために、
媒体ノイズにも大きな改善が見られない。
【0105】以上のことから、トレーリングエッジ近傍
の磁場勾配よりも磁場勾配の急峻な、ギャップ間近傍の
磁場勾配での記録を支配的にするためには、トレーリン
グ近傍の磁場の大きさを、媒体の磁化曲線のマイナール
ープを無視できるほどに小さくすることが必要である。
また、上ポール長と共通ポール長の間に、4GL=PL
(PLはポール長)の関係があり、記録ギャップ長が本
発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれば、同
様な結果が得られる。
【0106】〔実施例13〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はFeTaN、上ポールの材料はNiFe
とした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに
1.0μm、記録ギャップ長も0.5μmとした。記録
トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再
生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上
ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB
(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面よりも
記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本発
明ヘッドA14とする。これに対し、上ポールもFeT
aNで作製したヘッドを実施例7に示したとおり、従来
ヘッドG1とする。本発明ヘッドA14及び従来ヘッド
G1を用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べ
た。ここで用いた垂直記録媒体はスパッタ法によって基
板温度400℃でガラス基板上に成膜した。垂直磁化膜
はSmCo、垂直磁化膜膜厚は100nmとした。作製
した垂直磁気記録媒体の異方性磁界Hkをトルク磁力計
によって調べたところ、10.2kOeであった。記録
再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。
【0107】本発明ヘッドA14及び従来ヘッドG1か
ら発生する磁場のy成分の分布を図50に示す。図50
から分かるように、従来ヘッドG1の磁場分布は原点に
関して対象な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA
14の磁場分布は原点に関して非対称となり、磁場分布
の第4象限に表れる磁場分布の絶対値は小さく、平坦に
なる。これは、FeTaNの飽和磁化は約17kGであ
るのに対し、NiFeの飽和磁化は10kOeであるた
めである。従来ヘッドG1のトレーリングエッジ近傍の
磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドG1のギャップ
間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の最
大値を図51に示す。従来ヘッドG1のトレーリングエ
ッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ間
近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0108】本発明ヘッドA14及び従来ヘッドG1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図52に示す。図52から分かるように、本発明ヘッ
ドA14を用いると、従来ヘッドG1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図52
から分かるように、本発明ヘッドA14の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(580Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(15kOe)での記録が支配的となるた
めである。
【0109】次に、本発明ヘッドA14及び従来ヘッド
G1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図53に示す。図53から分か
るように、本発明ヘッドA14を用いると、従来ヘッド
G1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA14では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0110】〔実施例14〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はFeTaN、上ポールの材料はNiFe
とした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに
1.0μm、記録ギャップ長も0.3μmとした。記録
トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再
生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上
ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB
(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面よりも
記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本発
明ヘッドA15とする。これに対し、上ポールもFeT
aNで作製したヘッドを実施例8に示したとおり、従来
ヘッドH1とする。
【0111】本発明ヘッドA15及び従来ヘッドH1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA15及び従来ヘッドH1から発生する磁場のy
成分の分布を図54に示す。図54から分かるように、
従来ヘッドH1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA15の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Fe
TaNの飽和磁化は約17kGであるのに対し、NiF
eの飽和磁化は10kOeであるためである。従来ヘッ
ドH1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾配、本発明ヘ
ッド及び従来ヘッドH1のギャップ間近傍の磁場勾配、
トレーリングエッジ近傍の磁場の最大値を図55に示
す。従来ヘッドH1のトレーリングエッジ近傍の磁場勾
配よりも、本発明ヘッドのギャップ間近傍の磁場勾配の
方が急峻であることが分かる。
【0112】本発明ヘッドA15及び従来ヘッドH1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図56に示す。図56から分かるように、本発明ヘッ
ドA15を用いると、従来ヘッドH1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図56
から分かるように、本発明ヘッドA15の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが小さいため、媒体の磁化に磁
化回転を生じさせず、媒体の磁化曲線のマイナーループ
を無視できるほどに小さくすることができるために、記
録にほとんど寄与しなくなり、トレーリングエッジ近傍
の磁場分布(530Oe/μm)よりも磁場分布の急峻
な、共通ポールから上ポールに至る磁場(21.0kO
e)での記録が支配的となるためである。
【0113】次に、本発明ヘッドA15及び従来ヘッド
H1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図57に示す。図57から分か
るように、本発明ヘッドA15を用いると、従来ヘッド
H1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA15では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0114】〔実施例15〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はFeTaN、上ポールの材料はNiFe
とした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに
2.0μm、記録ギャップ長も0.5μmとした。記録
トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再
生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上
ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB
(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面よりも
記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本発
明ヘッドA16とする。これに対し、上ポールもFeT
aNで作製したヘッドを実施例9に示したとおり、従来
ヘッドJ1とする。
【0115】本発明ヘッドA16及び従来ヘッドJ1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA16及び従来ヘッドJ1から発生する磁場のy
成分の分布を図58に示す。図58から分かるように、
従来ヘッドJ1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA16の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Fe
TaNの飽和磁化は約17kGであるのに対し、NiF
eの飽和磁化は10kOeであるためである。
【0116】従来ヘッドJ1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドJ1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図59に示す。従来ヘッドJ1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0117】本発明ヘッドA16及び従来ヘッドJ1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図60に示す。図60から分かるように、本発明ヘッ
ドA16を用いると、従来ヘッドJ1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図60
から分かるように、本発明ヘッドA16の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(520Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.7kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0118】次に、本発明ヘッドA16及び従来ヘッド
J1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図61に示す。図61から分か
るように、本発明ヘッドA16を用いると、従来ヘッド
J1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA16では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0119】〔実施例16〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はCoNiFe、上ポールの材料はNiF
eとした。CoNiFeはめっき法により作製した。そ
の際、上ポール幅と共通ポール幅はともに1.0μm、
記録ギャップ長も0.5μmとした。記録トラック幅は
1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャップ長
は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポールの媒体
摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオン
ビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒体から
遠くなる方向に段差をつけた。これを本発明ヘッドA1
7とする。これに対し、上ポールもCoNiFeで作製
したヘッドを実施例10に示したとおり、従来ヘッドK
1とする。本発明ヘッドA17及び従来ヘッドK1を用
いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。ここ
では、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。記
録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。
【0120】本発明ヘッドA17及び従来ヘッドK1か
ら発生する磁場のy成分の分布を図62に示す。図62
から分かるように、従来ヘッドK1の磁場分布は原点に
関して対象な磁場分布を示しているが、本発明ヘッドA
17の磁場分布は原点に関して非対称となり、磁場分布
の第4象限に表れる磁場分布の絶対値は小さく、平坦に
なる。これは、CoNiFeの飽和磁化は約21kGで
あるのに対し、NiFeの飽和磁化は10kOeである
ためである。
【0121】従来ヘッドK1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドK1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図63に示す。従来ヘッドK1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0122】本発明ヘッドA17及び従来ヘッドK1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図64に示す。図64から分かるように、本発明ヘッ
ドA17を用いると、従来ヘッドK1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図64
から分かるように、本発明ヘッドA17の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(600Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(16.9kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0123】次に、本発明ヘッドA17及び従来ヘッド
K1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図65に示す。図65から分か
るように、本発明ヘッドA17を用いると、従来ヘッド
K1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA17では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0124】〔実施例17〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はCoNiFe、上ポールの材料はNiF
eとした。CoNiFeはめっき法により作製した。そ
の際、上ポール幅と共通ポール幅はともに1.0μm、
記録ギャップ長も0.3μmとした。記録トラック幅は
1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャップ長
は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポールの媒体
摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオン
ビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒体から
遠くなる方向に段差をつけた。これを本発明ヘッドA1
8とする。これに対し、上ポールもCoNiFeで作製
したヘッドを実施例11に示したとおり、従来ヘッドL
1とする。
【0125】本発明ヘッドA18及び従来ヘッドL1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA18及び従来ヘッドL1から発生する磁場のy
成分の分布を図66に示す。図66から分かるように、
従来ヘッドL1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA18の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Co
NiFeの飽和磁化は約21kGであるのに対し、Ni
Feの飽和磁化は10kOeであるためである。
【0126】従来ヘッドL1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドL1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図67に示す。従来ヘッドL1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0127】本発明ヘッドA18及び従来ヘッドL1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図68に示す。図68から分かるように、本発明ヘッ
ドA18を用いると、従来ヘッドL1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図68
から分かるように、本発明ヘッドA18の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(550Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.2kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0128】次に、本発明ヘッドA18及び従来ヘッド
L1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図69に示す。図69から分か
るように、本発明ヘッドA18を用いると、従来ヘッド
L1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA18では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0129】〔実施例18〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はCoNiFe、上ポールの材料はNiF
eとした。CoNiFeはめっき法により作製した。そ
の際、上ポール幅と共通ポール幅はともに2.0μm、
記録ギャップ長も0.5μmとした。記録トラック幅は
1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャップ長
は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポールの媒体
摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオン
ビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒体から
遠くなる方向に段差をつけた。これを本発明ヘッドA1
9とする。これに対し、上ポールもCoNiFeで作製
したヘッドを実施例12に示したとおり、従来ヘッドM
1とする。
【0130】本発明ヘッドA19及び従来ヘッドM1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA19及び従来ヘッドM1から発生する磁場のy
成分の分布を図70に示す。図70から分かるように、
従来ヘッドM1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA19の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Co
NiFeの飽和磁化は約21kGであるのに対し、Ni
Feの飽和磁化は10kOeであるためである。
【0131】従来ヘッドM1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドM1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図71に示す。従来ヘッドM1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0132】本発明ヘッドA19及び従来ヘッドM1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図72に示す。図72から分かるように、本発明ヘッ
ドA19を用いると、従来ヘッドM1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図72
から分かるように、本発明ヘッドA19の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(570Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.3kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0133】次に、本発明ヘッドA19及び従来ヘッド
M1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図73に示す。図73から分か
るように、本発明ヘッドA19を用いると、従来ヘッド
M1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA19では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0134】〔実施例19〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はFeTaN、上ポールの材料はFeSi
Alとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はとも
に1.0μm、記録ギャップ長も0.5μmとした。記
録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、
再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、
上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFI
B(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面より
も記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本
発明ヘッドA20とする。これに対し、上ポールもFe
TaNで作製したヘッドを実施例7に示したとおり、従
来ヘッドG1とする。
【0135】本発明ヘッドA20及び従来ヘッドG1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA20及び従来ヘッドG1から発生する磁場のy
成分の分布を図74に示す。図74から分かるように、
従来ヘッドG1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA20の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Fe
TaNの飽和磁化は約17kGであるのに対し、FeS
iAlの飽和磁化は11.5kGであるためである。
【0136】従来ヘッドG1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドG1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図75に示す。従来ヘッドG1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0137】本発明ヘッドA20及び従来ヘッドG1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図76に示す。図76から分かるように、本発明ヘッ
ドA20を用いると、従来ヘッドG1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図76
から分かるように、本発明ヘッドA20の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(580Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(15.0kOe)での記録が支配的とな
るためである。次に、本発明ヘッドA20及び従来ヘッ
ドG1を用いたときの、記録密度400kFRPIにお
ける媒体ノイズの測定値を図77に示す。図77から分
かるように、本発明ヘッドA20を用いると、従来ヘッ
ドG1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これ
は、前述したように本発明ヘッドA20では、トレーリ
ングエッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通
ポールから上ポールに至る磁場での記録が支配的となる
ため、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノ
イズも減少する。また、同じ材料により同様に形成さ
れ、上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャ
ップ長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドで
あれば、同様な結果が得られる。
【0138】〔実施例20〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はFeTaN、上ポールの材料はFeSi
Alとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はとも
に1.0μm、記録ギャップ長も0.3μmとした。記
録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、
再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、
上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFI
B(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面より
も記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本
発明ヘッドA21とする。これに対し、上ポールもFe
TaNで作製したヘッドを実施例8に示したとおり、従
来ヘッドH1とする。
【0139】本発明ヘッドA21及び従来ヘッドH1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA21及び従来ヘッドH1から発生する磁場のy
成分の分布を図78に示す。図78から分かるように、
従来ヘッドH1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA21の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Fe
TaNの飽和磁化は約17kGであるのに対し、FeS
iAlの飽和磁化は11.5kGであるためである。
【0140】従来ヘッドH1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドH1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図79に示す。従来ヘッドH1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0141】本発明ヘッドA21及び従来ヘッドH1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図80に示す。図80から分かるように、本発明ヘッ
ドA21を用いると、従来ヘッドH1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図80
から分かるように、本発明ヘッドA21の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(530Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.7kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0142】次に、本発明ヘッドA21及び従来ヘッド
H1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図81に示す。図81から分か
るように、本発明ヘッドA21を用いると、従来ヘッド
H1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA21では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0143】〔実施例21〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はFeTaN、上ポールの材料はFeSi
Alとした。その際、上ポール幅と共通ポール幅はとも
に2.0μm、記録ギャップ長も0.5μmとした。記
録トラック幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、
再生ギャップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、
上ポールの媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFI
B(集束イオンビーム)加工により、共通ポール面より
も記録媒体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本
発明ヘッドA22とする。これに対し、上ポールもFe
TaNで作製したヘッドを実施例9に示したとおり、従
来ヘッドJ1とする。
【0144】本発明ヘッドA22及び従来ヘッドJ1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA22及び従来ヘッドJ1から発生する磁場のy
成分の分布を図82に示す。図82から分かるように、
従来ヘッドJ1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA22の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Fe
TaNの飽和磁化は約17kGであるのに対し、FeS
iAlの飽和磁化は11.5kGであるためである。
【0145】従来ヘッドJ1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドJ1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図83に示す。従来ヘッドJ1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0146】本発明ヘッドA22及び従来ヘッドJ1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図84に示す。図84から分かるように、本発明ヘッ
ドA22を用いると、従来ヘッドJ1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図84
から分かるように、本発明ヘッドA22の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(520Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.5kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0147】次に、本発明ヘッドA22及び従来ヘッド
J1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図85に示す。図85から分か
るように、本発明ヘッドA22を用いると、従来ヘッド
J1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA22では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0148】〔実施例22〕非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はCoNiFe、上ポールの材料はFeS
iAlとした。CoNiFeはめっき法により作製し
た。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに1.0
μm、記録ギャップ長も0.5μmとした。記録トラッ
ク幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャ
ップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポール
の媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束
イオンビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒
体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本発明ヘッ
ドA23とする。これに対し、上ポールもCoNiFe
で作製したヘッドを実施例10に示したとおり、従来ヘ
ッドK1とする。
【0149】本発明ヘッドA23及び従来ヘッドK1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA23及び従来ヘッドK1から発生する磁場のy
成分の分布を図86に示す。図86から分かるように、
従来ヘッドK1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA23の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Co
NiFeの飽和磁化は約21kGであるのに対し、Fe
SiAlの飽和磁化は11.5kGであるためである。
【0150】従来ヘッドK1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドK1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図87に示す。従来ヘッドK1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0151】本発明ヘッドA23及び従来ヘッドK1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図88に示す。図88から分かるように、本発明ヘッ
ドA23を用いると、従来ヘッドK1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図88
から分かるように、本発明ヘッドA23の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(600Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(16.8kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0152】次に、本発明ヘッドA23及び従来ヘッド
K1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図89に示す。図89から分か
るように、本発明ヘッドA23を用いると、従来ヘッド
K1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA23では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0153】[実施例23]非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はCoNiFe、上ポールの材料はFeS
iAlとした。CoNiFeはめっき法により作製し
た。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに1.0
μm、記録ギャップ長も0.3μmとした。記録トラッ
ク幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャ
ップ長は0.2μmとした。
【0154】上ポール成膜後、上ポールの媒体摺動面を
ラッピング(研磨)加工やFIB(集束イオンビーム)
加工により、共通ポール面よりも記録媒体から遠くなる
方向に段差をつけた。これを本発明ヘッドA24とす
る。これに対し、上ポールもCoNiFeで作製したヘ
ッドを実施例11に示したとおり、従来ヘッドL1とす
る。
【0155】本発明ヘッドA24及び従来ヘッドL1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA24及び従来ヘッドL1から発生する磁場のy
成分の分布を図90に示す。図90から分かるように、
従来ヘッドL1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA24の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Co
NiFeの飽和磁化は約21kGであるのに対し、Fe
SiAlの飽和磁化は11.5kGであるためである。
【0156】従来ヘッドL1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドL1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図91に示す。従来ヘッドL1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0157】本発明ヘッドA24及び従来ヘッドL1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図92に示す。図92から分かるように、本発明ヘッ
ドA24を用いると、従来ヘッドL1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図92
から分かるように、本発明ヘッドA24の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(550Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.9kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0158】次に、本発明ヘッドA24及び従来ヘッド
L1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図93に示す。図93から分か
るように、本発明ヘッドA24を用いると、従来ヘッド
L1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA24では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0159】[実施例24]非磁性基板上に、下シール
ドから上ポールまでを順に形成する。下シールド、共通
ポールの材料はCoNiFe、上ポールの材料はFeS
iAlとした。CoNiFeはめっき法により作製し
た。その際、上ポール幅と共通ポール幅はともに2.0
μm、記録ギャップ長も0.5μmとした。記録トラッ
ク幅は1μm、再生トラック幅は0.8μm、再生ギャ
ップ長は0.2μmとした。上ポール成膜後、上ポール
の媒体摺動面をラッピング(研磨)加工やFIB(集束
イオンビーム)加工により、共通ポール面よりも記録媒
体から遠くなる方向に段差をつけた。これを本発明ヘッ
ドA25とする。これに対し、上ポールもCoNiFe
で作製したヘッドを実施例12に示したとおり、従来ヘ
ッドM1とする。
【0160】本発明ヘッドA25及び従来ヘッドM1を
用いて、垂直磁気記録媒体の記録再生特性を調べた。こ
こでは、実施例13で用いた媒体と同じ媒体を用いた。
記録再生条件は実施例1と同じ条件下で行った。本発明
ヘッドA25及び従来ヘッドM1から発生する磁場のy
成分の分布を図94に示す。図94から分かるように、
従来ヘッドM1の磁場分布は原点に関して対象な磁場分
布を示しているが、本発明ヘッドA25の磁場分布は原
点に関して非対称となり、磁場分布の第4象限に表れる
磁場分布の絶対値は小さく、平坦になる。これは、Co
NiFeの飽和磁化は約21kGであるのに対し、Fe
SiAlの飽和磁化は11.5kGであるためである。
【0161】従来ヘッドM1のトレーリングエッジ近傍
の磁場勾配、本発明ヘッド及び従来ヘッドM1のギャッ
プ間近傍の磁場勾配、トレーリングエッジ近傍の磁場の
最大値を図95に示す。従来ヘッドM1のトレーリング
エッジ近傍の磁場勾配よりも、本発明ヘッドのギャップ
間近傍の磁場勾配の方が急峻であることが分かる。
【0162】本発明ヘッドA25及び従来ヘッドM1を
用いたときの、再生出力の記録密度依存性を調べた結果
を図96に示す。図96から分かるように、本発明ヘッ
ドA25を用いると、従来ヘッドL1よりも、特に高記
録密度時の再生出力に改善が見られる。これは、図96
から分かるように、本発明ヘッドA25の上ポール付近
の磁場のy成分の大きさが媒体の異方性磁界Hkより小
さいため、媒体の磁化に磁化回転を生じさせず、媒体の
磁化曲線のマイナーループを無視できるほどに小さくす
ることができるために、記録にほとんど寄与しなくな
り、トレーリングエッジ近傍の磁場分布(570Oe/
μm)よりも磁場分布の急峻な、共通ポールから上ポー
ルに至る磁場(20.9kOe)での記録が支配的とな
るためである。
【0163】次に、本発明ヘッドA25及び従来ヘッド
M1を用いたときの、記録密度400kFRPIにおけ
る媒体ノイズの測定値を図97に示す。図97から分か
るように、本発明ヘッドA25を用いると、従来ヘッド
M1を用いた場合よりも媒体ノイズが小さい。これは、
前述したように本発明ヘッドA25では、トレーリング
エッジ近傍の磁場ではなく、磁場分布の急峻な共通ポー
ルから上ポールに至る磁場での記録が支配的となるた
め、高密度でも明瞭に信号が記録されるために媒体ノイ
ズも減少する。また、同じ材料により同様に形成され、
上ポール長と共通ポール長が等しく、かつ記録ギャップ
長が本発明ヘッドと等しい垂直磁気記録用ヘッドであれ
ば、同様な結果が得られる。
【0164】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明は、
再生用のMRヘッドと記録用の磁気誘導型ヘッドとが積
層されてなる垂直磁気記録用ヘッドにおいて、磁気誘導
型ヘッドのリーディング側の媒体摺動面に垂直方向の磁
場成分よりもトレーリング側の媒体摺動面に垂直方向の
磁場成分の方が小さい構成とした。
【0165】そのため、磁気誘導型ヘッドの磁場分布の
第4象限の極小値より右側の、急峻性が欠ける磁場分布
を回避することができ、第2象限から原点を通り、第4
象限に至る磁場分布の急峻な場所での記録が支配的とな
る。このため、高密度の記録時においても記録媒体を垂
直方向に急峻に磁化することができ、良好な記録再生特
性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる垂直磁気記録用ヘッドの縦断面
図である。
【図2】本発明の実施例1における垂直磁気記録用ヘッ
ドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図3】本発明の実施例1における垂直磁気記録用ヘッ
ドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面である。
【図4】本発明の実施例1における再生出力を示す図面
である。
【図5】本発明の実施例1における媒体ノイズを示す図
面である。
【図6】本発明の実施例2における垂直磁気記録用ヘッ
ドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図7】本発明の実施例2における垂直磁気記録用ヘッ
ドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面である。
【図8】本発明の実施例2における再生出力を示す図面
である。
【図9】本発明の実施例2における媒体ノイズを示す図
面である。
【図10】本発明の実施例3における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図11】本発明の実施例3における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図12】本発明の実施例3における再生出力を示す図
面である。
【図13】本発明の実施例3における媒体ノイズを示す
図面である。
【図14】本発明の実施例4における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図15】本発明の実施例4における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図16】本発明の実施例4における再生出力を示す図
面である。
【図17】本発明の実施例4における媒体ノイズを示す
図面である。
【図18】本発明の実施例5における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図19】本発明の実施例5における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図20】本発明の実施例5における再生出力を示す図
面である。
【図21】本発明の実施例5における媒体ノイズを示す
図面である。
【図22】本発明の実施例6における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図23】本発明の実施例6における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図24】本発明の実施例6における再生出力を示す図
面である。
【図25】本発明の実施例6における媒体ノイズを示す
図面である。
【図26】本発明の実施例7における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図27】本発明の実施例7における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図28】本発明の実施例7における再生出力を示す図
面である。
【図29】本発明の実施例7における媒体ノイズを示す
図面である。
【図30】本発明の実施例8における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図31】本発明の実施例8における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図32】本発明の実施例8における再生出力を示す図
面である。
【図33】本発明の実施例8における媒体ノイズを示す
図面である。
【図34】本発明の実施例9における垂直磁気記録用ヘ
ッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図35】本発明の実施例9における垂直磁気記録用ヘ
ッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図36】本発明の実施例9における再生出力を示す図
面である。
【図37】本発明の実施例9における媒体ノイズを示す
図面である。
【図38】本発明の実施例10における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図39】本発明の実施例10における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図40】本発明の実施例10における再生出力を示す
図面である。
【図41】本発明の実施例10における媒体ノイズを示
す図面である。
【図42】本発明の実施例11における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図43】本発明の実施例11における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図44】本発明の実施例11における再生出力を示す
図面である。
【図45】本発明の実施例11における媒体ノイズを示
す図面である。
【図46】本発明の実施例12における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図47】本発明の実施例12における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図48】本発明の実施例12における再生出力を示す
図面である。
【図49】本発明の実施例12における媒体ノイズを示
す図面である。
【図50】本発明の実施例13における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図51】本発明の実施例13における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図52】本発明の実施例13における再生出力を示す
図面である。
【図53】本発明の実施例13における媒体ノイズを示
す図面である。
【図54】本発明の実施例14における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図55】本発明の実施例14における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図56】本発明の実施例14における再生出力を示す
図面である。
【図57】本発明の実施例14における媒体ノイズを示
す図面である。
【図58】本発明の実施例15における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図59】本発明の実施例15における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図60】本発明の実施例15における再生出力を示す
図面である。
【図61】本発明の実施例15における媒体ノイズを示
す図面である。
【図62】本発明の実施例16における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図63】本発明の実施例16における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図64】本発明の実施例16における再生出力を示す
図面である。
【図65】本発明の実施例16における媒体ノイズを示
す図面である。
【図66】本発明の実施例17における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図67】本発明の実施例17における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図68】本発明の実施例17における再生出力を示す
図面である。
【図69】本発明の実施例17における媒体ノイズを示
す図面である。
【図70】本発明の実施例18における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図71】本発明の実施例18における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図72】本発明の実施例18における再生出力を示す
図面である。
【図73】本発明の実施例18における媒体ノイズを示
す図面である。
【図74】本発明の実施例19における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図75】本発明の実施例19における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図76】本発明の実施例19における再生出力を示す
図面である。
【図77】本発明の実施例19における媒体ノイズを示
す図面である。
【図78】本発明の実施例20における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図79】本発明の実施例20における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図80】本発明の実施例20における再生出力を示す
図面である。
【図81】本発明の実施例20における媒体ノイズを示
す図面である。
【図82】本発明の実施例21における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図83】本発明の実施例21における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図84】本発明の実施例21における再生出力を示す
図面である。
【図85】本発明の実施例21における媒体ノイズを示
す図面である。
【図86】本発明の実施例22における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図87】本発明の実施例22における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図88】本発明の実施例22における再生出力を示す
図面である。
【図89】本発明の実施例22における媒体ノイズを示
す図面である。
【図90】本発明の実施例23における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図91】本発明の実施例23における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図92】本発明の実施例23における再生出力を示す
図面である。
【図93】本発明の実施例23における媒体ノイズを示
す図面である。
【図94】本発明の実施例24における垂直磁気記録用
ヘッドの磁場分布のy成分を表す図面である。
【図95】本発明の実施例24における垂直磁気記録用
ヘッドから発する磁場及び磁場勾配の値を示す図面であ
る。
【図96】本発明の実施例24における再生出力を示す
図面である。
【図97】本発明の実施例24における媒体ノイズを示
す図面である。
【図98】従来の垂直磁気記録用ヘッドの媒体摺動面か
ら見た底面図である。
【図99】従来の垂直磁気記録用ヘッドの縦断面図であ
る。
【図100】従来の垂直磁気記録用ヘッドの磁場分布の
x成分を表す図面である。
【図101】従来の垂直磁気記録用ヘッドの磁場分布の
y成分を表す図面である。
【符号の説明】
10……磁気誘導型ヘッド、32……記録ギャップ、3
4……励磁コイル、36……上ポール、40……MRヘ
ッド、44……下シールド、46……再生ギャップ、4
8……MR素子、49……共通ポール、50……MRヘ
ッド、52……磁気誘導型ヘッド、54……下シール
ド、56……再生ギャップ、58……MR素子、60…
…共通ポール、62……記録ギャップ、64……励磁コ
イル、66……上ポール。
フロントページの続き (72)発明者 田上 勝通 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5D033 AA05 BA01 BA03 BA07 BA12 BB43 5D034 AA05 BA02 BA18 BB12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生用のMRヘッドと記録用の磁気誘導
    型ヘッドとが積層されてなる垂直磁気記録用ヘッドにお
    いて、 磁気誘導型ヘッドのリーディング側の媒体摺動面に垂直
    方向の磁場成分よりもトレーリング側の媒体摺動面に垂
    直方向の磁場成分の方が小さいこと、 を特徴とする垂直磁気記録用ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記トレーリング側の媒体摺動面に垂直
    方向の磁場が、媒体の異方性磁界Hkよりも小さいこと
    を特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記トレーリング側の媒体摺動面に垂直
    方向の磁場が、媒体の異方性磁界Hkの4/5以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録用ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記磁気誘導型ヘッドのリーディング側
    からトレーリング側にかけての媒体摺動面に垂直方向の
    磁場成分の分布が、8kOe/μm以上21kOe/μ
    m以下であることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気
    記録用ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記磁気誘導型ヘッドのトレーリング側
    の媒体摺動面を、リーディング側の媒体摺動面よりも記
    録媒体から垂直に遠くなる方向に段差をつけたことを特
    徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の垂直磁気記
    録用ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記磁気誘導型ヘッドの記録ギャップ長
    をGLとしたとき、前記磁気誘導型ヘッドの上ポールの
    媒体摺動面を、リーディング側の媒体摺動面よりも記録
    媒体から垂直に遠くなる方向に(3/5)GL以上段差
    をつけたことを特徴とする請求項5記載の垂直磁気記録
    用ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記磁気誘導型ヘッドのリーディング側
    のポール及びトレーリング側のポールを構成する材料
    が、NiFe、FeSiAl、FeTaN、CoNiF
    eの何れかであることを特徴とする請求項1乃至6に何
    れか1項記載の垂直磁気記録用ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁気誘導型ヘッドのトレーリング側
    の飽和磁化をBsuとし、前記リーディング側の飽和磁
    化をBsdとしたときに、Bsu<Bsdであることを
    特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載の垂直磁気
    記録用ヘッド。
  9. 【請求項9】 Bsu<(11.5/17)Bsdであ
    ることを特徴とする請求項8記載の垂直磁気記録用ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記磁気誘導型ヘッドのリーディング
    側のポールを構成する材料が、FeTaN、CoNiF
    eの何れかであり、トレーリング側のポールを構成する
    材料が、NiFe、FeSiAlの何れかであることを
    特徴とする請求項8または9記載の垂直磁気記録用ヘッ
    ド。
JP10216058A 1998-07-30 1998-07-30 垂直磁気記録用ヘッド Pending JP2000048321A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10216058A JP2000048321A (ja) 1998-07-30 1998-07-30 垂直磁気記録用ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10216058A JP2000048321A (ja) 1998-07-30 1998-07-30 垂直磁気記録用ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000048321A true JP2000048321A (ja) 2000-02-18

Family

ID=16682625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10216058A Pending JP2000048321A (ja) 1998-07-30 1998-07-30 垂直磁気記録用ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000048321A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1148473A2 (en) * 2000-04-10 2001-10-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for perpendicular magnetic recording
US6618227B2 (en) * 2000-09-22 2003-09-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Combination perpendicular record and reproduce head having an auxiliary pole recessed from an air bearing surface and spaced from one of a pair of reproducing element sheilds
EP1503372A2 (en) * 2003-07-30 2005-02-02 Hitachi Global Storage Technologies, Inc. Perpendicular recording magnetic head
US8300346B2 (en) 2010-03-31 2012-10-30 Tdk Corporation Microwave assisted magnetic head
JP2013037735A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Hitachi Maxell Ltd 磁気ヘッドおよび磁気記録方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1148473A2 (en) * 2000-04-10 2001-10-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for perpendicular magnetic recording
EP1148473A3 (en) * 2000-04-10 2006-10-18 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus for perpendicular magnetic recording
US6618227B2 (en) * 2000-09-22 2003-09-09 Kabushiki Kaisha Toshiba Combination perpendicular record and reproduce head having an auxiliary pole recessed from an air bearing surface and spaced from one of a pair of reproducing element sheilds
EP1503372A2 (en) * 2003-07-30 2005-02-02 Hitachi Global Storage Technologies, Inc. Perpendicular recording magnetic head
EP1503372A3 (en) * 2003-07-30 2006-03-29 Hitachi Global Storage Technologies, Inc. Perpendicular recording magnetic head
US8300346B2 (en) 2010-03-31 2012-10-30 Tdk Corporation Microwave assisted magnetic head
JP2013037735A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Hitachi Maxell Ltd 磁気ヘッドおよび磁気記録方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7898766B2 (en) Four sided shield structure for a perpendicular write head
US5402295A (en) Magnetic recording head capable of defining narrow track width and magnetic recording apparatus using the same
EP0881627A2 (en) Thin film magnetic head
JP2000076636A (ja) 垂直磁気記録媒体
US4695351A (en) Method for producing magnetic heads
JPH10233016A (ja) 面内磁気記録媒体およびそれを用いた磁気記憶装置
JP2953401B2 (ja) 磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法
JP3155234B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2000048321A (ja) 垂直磁気記録用ヘッド
JPH10149513A (ja) 磁気抵抗効果型複合ヘッド
JPH11250416A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3639603B2 (ja) 磁気ディスク装置
Okumura et al. Read/write characteristics for laminated high moment Fe-Ta-N film heads for HDTV VTR
JPH09298114A (ja) 垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記録装置
Jayasekara et al. Inductive write heads using high moment FeAlN poles
Saito et al. Wide-band read/write characteristics of an ultra narrow track width video head using sputtered Fe-Si-Al alloy film
JPS59107417A (ja) 永久磁石バイアス型磁気抵抗効果磁気ヘツド
JPS6224848B2 (ja)
JPH0744826A (ja) 薄膜mrヘッド
JPH06223310A (ja) 垂直記録用磁気ヘッド
JPS61258322A (ja) 磁気抵抗効果ヘツド
JPH0490101A (ja) 垂直磁気記録装置
JP3333945B2 (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JP3203943B2 (ja) 磁気記録再生装置
JP2958187B2 (ja) 磁気ディスク装置