JP2000047415A - 電子写真感光体用下引層およびその形成方法、ならびに電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents
電子写真感光体用下引層およびその形成方法、ならびに電子写真感光体およびその製造方法Info
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Abstract
防止あるいは低減させることのできる電子写真感光体用
下引層およびその形成方法を目的とする。 【解決手段】 電子写真感光体1の導電性支持体10上に形
成され、感光層31を積層するための下引層11であって、
SiO2 を主成分とする酸化物皮膜であり、緻密層13上
に凹凸層12が一体に形成され、該凹凸層12の表面全体に
微細な凹部14および凸部15が多数形成されて粗面化され
ている。この下引層11は、R1 nSi(OR2 )
4-n (但し、式中R1 はアルキル基、フェニル基、ビニ
ル基等の疎水基、R2 はアルキル基であり、n=1,2
である。)と、溶媒と、水と、酸触媒とよりなる液組成
物に、SiO2 微粒子を混ぜ合わせたものを攪拌するこ
とにより得たゾルを前記導電性支持体10上に塗布した
後、乾燥させてゲル化することによりこと形成される。
Description
写真装置に搭載される電子写真感光体において、導電性
支持体上に形成される下引層およびその形成方法、なら
びにこの下引層が形成された電子写真感光体およびその
製造方法に関する。
位、残留電位を制御し良好な画像を得るため、導電性支
持体と感光体の間に有機系下引層を形成させることがあ
る。また近年、感光層は主として有機光導電体(OP
C)が使用されている。特に、電荷発生層と電荷輸送層
とに機能が分離した積層構造を有するOPCでは、一般
に、高感度画像を得るために、電荷発生層は1μm未満
の厚さに設けられており、導電性支持体表面に大きい凹
凸欠陥が存在すると、導電性支持体上に形成した電荷発
生層の膜厚が不均一になりやすく画像ムラの原因となっ
ている。このような場合にも支持体表面の大きな凹凸を
埋めて表面を平滑にし、この上に電荷発生層を均一な膜
厚で形成するためにも、前記下引層が形成される。
渉性単色光であるレーザ光を照射すると、一部の光が感
光層や下引層で反射して干渉し、印刷画像に干渉縞模様
ができるという問題点があった。このような干渉縞模様
の発生を防止するためには、導電性支持体表面や下引層
表面に電子写真装置の解像度よりも微小な凹凸を形成し
て反射光を散乱させることが有効であり、凹凸の形成方
法としては、サンドブラスト法や切削により微小幅の連
続した凹部を形成する方法(特公平8−10333号)
が知られている。
支持体の表面に微小な凹凸を形成するといる従来の方法
は、工程数が増えてコストが上昇するという問題点があ
った。
工程数を増加させることなく干渉縞の発生を防止あるい
は低減させることのできる電子写真感光体用下引層およ
びその形成方法、ならびに電子写真感光体およびその製
造方法の提供を目的とする。
体用下引層は、前記目的を達成するために、電子写真感
光体(1) の導電性支持体(10)上に形成され、感光層(31)
を積層するための下引層(11)(21)であって、SiO2 を
主成分とするとともに、ゾル−ゲル法により形成された
酸化物皮膜であり、緻密層(13)(23)上に凹凸層(12)(22)
が一体に形成され、該凹凸層(12)(22)の表面全体に微細
な凹部(14)(24)および凸部(15)(25)が多数形成されて粗
面化されていることを基本要旨とする。
の形成方法は、電子写真感光体(1)の導電性支持体(10)
上に、感光層(31)を積層するための下引層(11)(21)を形
成する方法であって、R1 nSi(OR2 )4-n (但
し、式中R1 はアルキル基、フェニル基、ビニル基等の
疎水基、R2 はアルキル基であり、n=1,2であ
る。)と、溶媒と、水と、酸触媒とよりなる液組成物
に、SiO2 微粒子を混ぜ合わせたものを攪拌すること
により得たゾルを前記導電性支持体(10)上に塗布した
後、乾燥させてゲル化することにより下引層(11)(21)を
形成することを基本要旨とする。
電子写真感光体用下引層を具えるものであって,導電性
支持体(10)上に、SiO2 を主成分とするとともに、ゾ
ル−ゲル法により形成された酸化物皮膜であり、緻密層
(13)(23)上に凹凸層(12)(22)が一体に形成され、該凹凸
層(12)(22)の表面全体に微細な凹部(14)(24)および凸部
(15)(25)が多数形成されて粗面化されてなる下引層(11)
(21)が形成され、さらに該下引層(11)(21)上に、電荷発
生層(32)と電荷移動層(33)が分離した積層型有機光導電
体からなる感光層(31)が形成されていることを要旨とす
る。
導電性支持体(10)上に、R1 nSi(OR2 )4-n (但
し、式中R1 はアルキル基、フェニル基、ビニル基等の
疎水基、R2 はアルキル基であり、n=1,2であ
る。)と、溶媒と、水と、酸触媒とよりなる液組成物
に、SiO2 微粒子を混ぜ合わせたものを攪拌すること
により得たゾルを塗布した後、乾燥させてゲル化するこ
とにより下引層(11)(21)を形成し、さらに該下引層(11)
(21)上に、電荷発生層(32)と電荷移動層(33)が分離した
積層型有機光導電体からなる感光層(31)を形成すること
を要旨とする。
明の電子写真感光体用下引層(11)(21)は、SiO2 を主
成分とする酸化膜であってゾル−ゲル法により導電性支
持体(10)上に形成され、内部の緻密層(13)(23)と表面の
凹凸層(12)(22)とが一体に形成され、凹凸層(12)(22)の
表面全体に微細な凹部(14)(24)と凸部(15)(25)とが多数
形成されて粗面化されている。そして、該導電性支持体
(10)表面の傷や大きな凹凸を隠蔽するとともに、表面に
形成された微細な凹凸(14)(24)(15)(25)により感光層(3
1)を介して入射される光を散乱させて干渉縞を防止ある
いは低減する効果がある。
0.1〜10μmが好ましい。0.1μm未満の薄膜で
は前記導電性支持体(10)表面の欠陥を完全に隠蔽するこ
とができず、感光層(31)を積層した場合に、感度ムラや
支持体電極からの電荷注入が生じる可能性ことがあり、
一方、10μmを超えて厚くなると電気抵抗が多くなり
すぎて残留でに電位が高くなる恐れがあり、抵抗が適し
た値であって必要以上の膜厚は不要なコストの上昇につ
ながるからである。下引層(11)(21)の膜厚(T)の特に好
ましい範囲は0.1〜5μmである。なお、下引層(11)
(21)表面には凹凸が形成されており、前記膜厚(T) の下
限値は最も薄い部分、即ち、凹部(14)(24)の底部の厚さ
とする。
層(12)(22)の表面粗さ(Z1)は最大高さRmax で0.03
〜3μmであり、凹部(14)(24)から最近接の凹部(14)(2
4)あるいは凸部(15)(25)から最近接の凸部(15)(25)まで
の距離(W1)は0.03〜10μmであることが好まし
い。表面粗さ(Z1)および凹部(14)(24)間あるいは凸部間
(15)(25)距離(W1)が前記範囲を逸脱すると、干渉縞を解
消する効果に乏しくなる。表面粗さ(Z1)の特に好ましい
範囲は最大高さRmax 0.03〜2μmである。また、
凹部(14)(24)間距離(W1)あるいは凸部(15)(25)距離の特
に好ましい範囲は0.03〜3μmである。
1)の凹凸層(22)の表面に、表面全体に形成された微細な
凹凸(24)(25)に加えて、相当直径(D) 0.03〜10μ
m、深さ(S) 0.03〜3μmの孔(26)が形成され、孔
(26)の周面および底面にも微細な凹部(27)および凸部(2
8)が多数形成されて粗面化されていることが好ましい。
ここで、孔(26)の相当直径(D) とは該孔(26)の横断面積
と等しい面積を有する円の直径を意味する。このような
孔(26)の存在により、干渉縞を解消する効果がさらに向
上する。前記孔(26)の相当直径(D) の特に好ましい範囲
は0.03〜3μmであり、深さ(S) の特に好ましい範
囲は0.03〜2μmである。また、孔(26)は、1×1
03 個以上存在することが好ましい。
ラスチックス、ガラス等の種々の材料のものを使用で
き、導電性のない材料の場合は感光層形成面に導電層を
形成すれば良い。また、支持体(10)の形状も円筒状ある
いはシート状のどちらでも良いが、加工精度やコスト面
でアルミニウム製円筒ドラムを推奨できる。
は、次に詳述するゾルーゲル法により形成される。
4-n (但し、式中R1 はアルキル基、フェニル基、ビニ
ル基等の疎水基、R2 はアルキル基であり、n=1,2
である。)と、溶媒と、水と、酸触媒とよりなる液組成
物にSiO2 微粒子を混合攪拌することにより、R1 n
Si(OR2 )4-n が加水分解され、縮合重合すること
により得られる。
して、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等
を挙示できる。また、前記溶媒として、プロパノール、
エタノール、メタノール等の低級アルコールを単独また
は2種以上を混合して用い、あるいはさらにブタノール
やブタノールよりも炭素数の多いアルコールを適量添加
して用いる。さらに前記アルコールにエーテル、ケト
ン、アミド等の有機溶媒を添加して使用しても良い。前
記酸触媒としては、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ
酸等を挙示できる。
2 )4-n と、溶媒と、水と、酸触媒の混合比が、モル比
で1:1〜20:1〜20:0.00001〜0.3で
あることが好ましく、さらに1:2〜15:2〜15:
0.00005〜0.1が好ましい。また、前記SiO
2 微粒子の含有量は40wt%以下が好ましく、特に1〜
30wt%が好ましい。
体積抵抗率を調節するために、SnO2 、In2 O3 、
導電層を被覆したTiO2 、金属微粒子等の導電性フィ
ラーを添加しても良い。添加量は20wt%未満が好まし
い。また、下引層上(11)(21)上に電荷発生層を形成する
ために塗布する塗料の濡れ性を制御することを目的とし
て、微量のSi(OR2 )4 やR3 nSi(OR2 )
4-n (但し、R2 はアルキル基であり、R3 は末端に親
水基を有するH2 N(CH2 )3 等の置換基であり、n
=1,2である。)を添加しても良い。添加量はR1 n
Si(OR2 )4- n や添加物の種類によって異なり、S
i(OR2 )4 がテトラエトキシシランの場合、R1 n
Si(OR2 )4-n がメチルトリエトキシシランであれ
ば、テトラエトキシシランのメチルトリエトキシシラン
に対する混合比は、モル比でx:(1−x)(但し、0
≦x≦0.3)である。
塗布し乾燥させてゲル化する。ゾルの塗布は、ディップ
コート、ロールコート、スプレーコート、バーコート等
いかなる方法で行っても良く、必要に応じて繰り返しゾ
ルを塗布しても良い。塗布したゾルが乾燥してゲル化す
ると、固体として析出する成分、即ちR1 nSi(OR
2 )4-n が加水分解し縮合重合した生成物、および表面
にR1 nSi(OR2)4-n に由来する疎水基に覆われ
たSiO2 微粒子と水とが塗膜乾燥時にはじき合うこと
により、SiO2 を主成分とするとともに、緻密層(13)
(23)上に凹凸層(12)(22)が一体に形成されている電子写
真感光体用下引層(11)(21)が1回の工程で形成される。
このようなゲル化は塗膜を十分な時間乾燥させることに
より達成されるが、おおまかに乾燥させた後熱処理を行
えば、短時間で下引層(11)(21)を形成させることができ
る。熱処理条件は、70〜500℃で30秒〜10分間
が好ましく、形成した下引層(11)(21)に化学的、物理的
耐久性をもたせるためには100〜500℃が特に好ま
しい。
上に下引層(11)(21)を形成した後、該下引層(11)(21)上
に感光層(31)を形成する。この発明においては、感光層
(31)は、電荷発生層(32)と電荷移動層(33)が分離した積
層型有機光導電体とし、前記下引層(11)(21)上に電荷発
生層(32)を塗工し、さらに電荷移動層(33)を塗工する。
脂バインダー、バインダーの溶剤の混合物を塗布するこ
とにより得られ、厚さ3μm以下、好ましくは1μm未
満に形成される。
アニン、金属フタロシアニン、アゾ顔料、スクアリリウ
ム、アズレン、多核芳香族キノン等を例示できる。ま
た、バインダー樹脂として、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂
等を使用できる。また、バインダーの溶剤として塩化メ
チレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トル
エン等やこれらの混合物を例示でき、選択した樹脂バイ
ンダーを溶解する物質であれば使用できる。
脂バインダー、バインダーの溶剤の混合物を塗布するこ
とにより得られ、厚さ3〜50μm、好ましくは5〜2
5μmに形成される。
ン、ピレン、フェナントレン、ピラゾリン、ヒドラゾ
ン、オキサジアゾール等、あるいこれらの誘導体を例示
できる。また、バインダー樹脂および溶剤としては、前
述の電荷発生層で例示したものを使用できる。
1)は、緻密層(13)(23)が導電性支持体(10)表面の欠陥を
埋めることにより、下引層(11)(21)上に感光層(31)の電
荷発生層(32)を均一に形成させることを可能とし、凹凸
層(12)(22)の形成により、入射光を散乱させて干渉縞の
発生を防止あるいは低減することができる。また、前記
下引層(11)(21)は、親水性のSiO2 微粒子と疎水基を
もつR1 nSi(OR2 )4-n の加水分解・縮合重合生
成物からなるため、導電性支持体(10)の材料が親水性あ
るいは疎水性のいずれであっても濡れが良いため、あら
ゆる材料の導電性支持体(10)上に形成することができ
る。さらに、この下引層(11)(21)は、表面に適度な粗度
をもつ凹凸層(12)(22)を有するために濡れが良く、感光
層(31)を均一に塗工することができる。
(OR2 )4-n ,溶媒、水、酸触媒の混合液組成物にS
iO2 微粒子を添加したゾルを塗布した後、乾燥させて
ゲル化するという工程のみで形成され、導電性支持体(1
0)表面の欠陥隠蔽と干渉縞の解消とが同一工程で実施で
きる。
を積層形成したこの発明の電子写真感光体により、優れ
た画像品質が得られる。
よびその形成方法、ならびに電子写真感光体の具体的実
施例について説明する。
ミニウム製ED管を使用した。
(OR2 )4-n としてメチルトリエトキシシランと、溶
媒としてエタノールおよび2−プロパノールと、水と、
酸触媒として塩酸と、2−プロパノールに分散させた粒
径0.01〜0.02μmのSiO2 微粒子と、導電性
フィラーとして粒径0.01〜0.03μmの粉末状S
nO2 粒子とを用意した。なお、SiO2 微粒子を分散
させている2−プロパノールは溶媒の一部として用い
た。そして、メチルトリエトキシシラン、溶媒(エタノ
ール、2−プロパノールのモル比が1:1)、水、塩酸
のモル比が1:5:4:0.005,SiO2 微粒子濃
度が9.98wt%、SnO2 粒子濃度が0.02wt%と
なるように前記原料を混合し、メチルトリエトキシシラ
ンを加水分解、縮合重合させることによりゾルを得た。
ロピレン製のキャップを付けて管の内面にゾルが塗布さ
れるのを防止したED管(10)を浸漬し、開口方向に2mm
/秒の引き上げ速度で引き上げ、乾燥させた後、ポリプ
ロピレン製のキャップを外し、200℃で5分間焼成
し,ED管(10)表面に下引層(21)を形成した。
た下引層(21)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は0.8μmであり、緻密層(23)上に、表面全体に微細
な凹凸(24)(25)が形成されて粗面化された凹凸層(22)が
一体に成形されていた。凹凸層(22)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(24)
(24)間あるいは凸部(25)(25)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。さらに、凹凸層(22)の表面に、微
細な凹凸に加えて相当直径(D) 0.05〜0.1μm、
深さ(S)0.05〜0.1μmの孔(26)が5×109 個
/cm2 以上形成されていた。この孔(26)の周面および
底面全体にも微細な凹凸(27)(28)が形成されており、孔
(26)の周面および底面の表面粗さ(Z2)は最大高さRmax
で0.03〜0.05μmであり凹部(27)(27)間あるい
は凸部(28)(28)間距離(W2)は0.03〜0.05μmで
あった。
げ速度を20mm/秒とした以外は、実施例1と同じ方法
により下引層を形成した。
た下引層(21)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は2.6μmであり、緻密層(23)上に、表面全体に微細
な凹凸(24)(25)が形成されて粗面化された凹凸層(22)が
一体に成形されていた。凹凸層(22)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(24)
(24)間あるいは凸部(25)(25)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。さらに、凹凸層(22)の表面に、微
細な凹凸に加えて相当直径(D) 0.2〜0.5μm深さ
(S) 0.2〜0.5μmの孔(26)が3.8×107 個/
cm2 以上、相当直径(D) 0.05〜0.1μm、深さ
(S) 0.05〜0.1μmの孔(26)が5×109 個/c
m2 以上形成されていた。この孔(26)の周面および底面
全体にも微細な凹凸(27)(28)が形成されており、孔(26)
の周面および底面の表面粗さ(Z2)は最大高さRmax で
0.03〜0.1μmであり凹部(27)(27)間あるいは凸
部(28)(28)間距離(W2)は0.03〜0.1μmであっ
た。
て、2−プロパノールを単独で用いた以外は、実施例1
と同じ方法により下引層を形成した。
た下引層(21)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は0.6μmであり、緻密層(23)上に、表面全体に微細
な凹凸(24)(25)が形成されて粗面化された凹凸層(22)が
一体に成形されていた。凹凸層(22)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(24)
(24)間あるいは凸部(25)(25)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。さらに、凹凸層(22)の表面に、微
細な凹凸に加えて相当直径(D)0.05〜0.1μm、
深さ(S) 0.05〜0.1μmの孔(26)が5×109 個
/cm2 以上形成されていた。この孔(26)の周面および
底面全体にも微細な凹凸(27)(28)が形成されており、孔
(26)の周面および底面の表面粗さ(Z2)は最大高さRmax
で0.03〜0.05μmであり凹部(27)(27)間あるい
は凸部(28)(28)間距離(W2)は0.03〜0.05μmで
あった。
げ速度を5mm/秒とした以外は、実施例3と同じ方法に
より下引層(21)を形成した。
た下引層(21)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は1.3μmであり、緻密層(23)上に、表面全体に微細
な凹凸(24)(25)が形成されて粗面化された凹凸層(22)が
一体に成形されていた。凹凸層(22)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(24)
(24)間あるいは凸部(25)(25)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。さらに、凹凸層(22)の表面に、微
細な凹凸に加えて、相当直径(D) 0.1〜0.2μm、
深さ(S) 0.1〜0.2μmの孔(26)が1.8×108
個/cm2 以上、相当直径(D) 0.05〜0.1μm深
さ(S) 0.05〜0.1μmの孔(26)が5×109 個/
cm2 以上形成されていた。この孔(26)の周面および底
面全体にも微細な凹凸(27)(28)が形成されており、孔(2
6)の周面および底面の表面粗さ(Z2)は最大高さRmax で
0.03〜0.07μmであり凹部(27)(27)間あるいは
凸部(28)(28)間距離(W2)は0.03〜0.07μmであ
った。
げ速度を20mm/秒とした以外は、実施例3と同じ方法
により下引層(21)を形成した。
た下引層(21)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は2.8μmであり、緻密層(23)上に、表面全体に微細
な凹凸(24)(25)が形成されて粗面化された凹凸層(22)が
一体に成形されていた。凹凸層(22)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(24)
(24)間あるいは凸部(25)(25)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。さらに、凹凸層(22)の表面に、微
細な凹凸に加えて、相当直径(D) 0.2〜0.5μm深
さ(S) 0.2〜0.5μmの孔(26)が1.1×108 個
/cm2 以上、相当直径(D) 0.05〜0.1μm、深
さ(S) 0.05〜0.1μmの孔(26)が5×109 個/
cm2 以上形成されていた。この孔(26)の周面および底
面全体にも微細な凹凸(27)(28)が形成されており、孔(2
6)の周面および底面の表面粗さ(R2)は最大高さRmax で
0.03〜0.1μmであり凹部(27)(27)間あるいは凸
部(28)(28)間距離(W2)は0.03〜0.1μmであっ
た。
て、1−ブタノールと2−プロパノールとをモル比で4
8:52となるように混合したものを用いた以外は、実
施例1と同じ方法により下引層を形成した。
た下引層(11)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は0.8μmであり、緻密層(13)上に、表面全体に微細
な凹凸(14)(15)が形成されて粗面化された凹凸層(12)が
一体に成形されていた。凹凸層(12)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(14)
(14)間あるいは凸部(15)(15)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。
げ速度を20mm/秒とした以外は、実施例6と同じ方法
により下引層(11)を形成した。
た下引層(11)をSEMにより観察したところ、膜厚(T)
は2.4μmであり、緻密層(13)上に、表面全体に微細
な凹凸(14)(15)が形成されて粗面化された凹凸層(12)が
一体に成形されていた。凹凸層(12)の表面粗さ(Z1)は最
大高さRmax で0.03〜0.1μmであり、凹部(14)
(14)間あるいは凸部(15)(15)間距離(W1)は0.03〜
0.1μmであった。
キシシランと、メチルトリエトキシシランと、2−プロ
パノールと、水と、塩酸と、実施例1と同じSnO2 粒
子とを用意した。これらを、テトラエトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、2−プロパノール、水、塩酸
のモル比が0.8:0.2:5:4:0.005、Sn
O2 粒子濃度が0.02wt%となるように混合して攪拌
し、テトラエトキシシランおよびメチルトリエトキシシ
ランを加水分解、縮合重合させることによりゾルを得
た。
5mm/秒の速度で引き上げ、乾燥させた後、200℃で
5分間焼成し、下引層を形成した。
より観察したところ、膜厚は0.8μmであった。ま
た、皮膜全体が緻密であって表面は全体に平滑であっ
た。
下引層を形成したED管(10)に、感光層(31)を形成して
感光ドラム(1)を製作した。
層(33)とが分離した積層型有機光導電体とした。具体的
には、銅フタロシアニンおよびポリカーボネート樹脂を
含む塗料を下引層(11)(21)上に塗布して膜厚約0.3μ
mの電荷発生層(32)を形成し、次いで、ヒドラゾン系化
合物およびアクリル系樹脂を含む塗料を塗布し、膜厚約
20μmの電荷移動層(33)を形成した。
ーザを光源とする複写機に搭載し、ハーフトーンによる
印刷を行い、干渉縞の発生状況を調べた。結果を表1に
示す。
干渉縞を防止あるいは低減できることを確認できた。
体用下引層は、電子写真感光体の導電性支持体上に形成
され、感光層を積層するための下引層であって、SiO
2 を主成分とするとともに、ゾル−ゲル法により形成さ
れた酸化物皮膜であり、緻密層上に凹凸層が一体に形成
され、該凹凸層の表面全体に微細な凹部および凸部が多
数形成されて粗面化されているから、緻密層により導電
性支持体表面の欠陥を埋めて下引層上に感光層の電荷発
生層を均一に形成させることを可能とし、かつ凹凸層に
より入射光を散乱させて干渉縞の発生を防止あるいは低
減することができる。さらに、この下引層は、表面に適
度な粗度をもつ凹凸層を有するために濡れが良く、感光
層を均一に塗工することができる。
μmであり、あるいは前記凹凸層の表面粗さが最大高さ
Rmax で0.03〜3μmであり、凹部から最近接の凹
部あるいは凸部から最近接の凸部までの距離が0.03
〜10μmとなされている場合は、前記効果が顕著であ
る。さらに、前記凹凸層の表面に、微細な凹凸に加え、
さらに相当直径0.03〜10μm、深さ0.03〜3
μmの孔が形成され、この孔の周面および底面にも微細
な凹部および凸部が多数形成されて粗面化されている場
合も、前記効果が顕著である。
方法は、R1 nSi(OR2 )4-n(但し、式中R1 は
アルキル基、フェニル基、ビニル基等の疎水基、R2 は
アルキル基であり、n=1,2である。)と、溶媒と、
水と、酸触媒とよりなる液組成物に、SiO2 微粒子を
混ぜ合わせたものを攪拌することにより得たゾルを導電
性支持体上に塗布した後、乾燥させてゲル化するもので
あるから、前述した導電性導電性支持体表面の欠陥隠蔽
と干渉縞の解消とが同一工程で実施でき、干渉縞を解消
するための別途工程は不要である。また、この方法によ
れば、下引層は、親水性のSiO2 微粒子と疎水基をも
つR1 nSi(OR2 )4-n の加水分解・縮合重合生成
物からなるため、導電性支持体の材料が親水性あるいは
疎水性のいずれであっても濡れが良いため、あらゆる材
料の導電性支持体上に形成することができる。
に熱処理することにより、下引層の形成時間を短縮する
ことができるとともに、化学的、物理的に耐久性のある
層になし得る。
1 nSi(OR2 )4-n と、溶媒と、水と、酸触媒との
混合比を、モル比で1:1〜20:1〜20:0.00
001〜0.3でとし、あるいは前記ゾル中のSiO2
微粒子量を40wt%以下とすることにより、干渉縞の解
消効果を高めることができる。
びその製造方法は、この発明の下引層上に、電荷発生層
と電荷移動層が分離した積層型有機光導電体からなる感
光層を積層することにより製造されるものであるから、
工程数を増やすことなく、干渉縞のない優れた画像品質
を実現できる。
図である。
す一部切欠き斜視図である。
す一部切欠き斜視図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 電子写真感光体(1)の導電性支持体(10)
上に形成され、感光層(31)を積層するための下引層(11)
(21)であって、 SiO2 を主成分とするとともに、ゾル−ゲル法により
形成された酸化物皮膜であり、緻密層(13)(23)上に凹凸
層(12)(22)が一体に形成され、該凹凸層(12)(22)の表面
全体に微細な凹部(14)(24)および凸部(15)(25)が多数形
成されて粗面化されていることを特徴とする電子写真感
光体用下引層。 - 【請求項2】 前記下引層(11)(21)は、膜厚(T) が0.
1〜10μmである請求項1に記載の電子写真感光体用
下引層。 - 【請求項3】 前記凹凸層(12)(22)の表面粗さ(Z1)が最
大高さRmax で0.03〜3μmであり、凹部(14)(24)
から最近接の凹部(14)(24)あるいは凸部(15)(25)から最
近接の凸部(15)(25)までの距離(W1)が0.03〜10μ
mとなされている請求項1または2に記載の電子写真感
光体用下引層。 - 【請求項4】 前記凹凸層(22)の表面に、微細な凹凸(2
4)(25)に加え、さらに相当直径(D) 0.03〜10μ
m、深さ(S) 0.03〜3μmの孔(26)が形成され、こ
の孔(26)の周面および底面にも微細な凹部(27)および凸
部(28)が多数形成されて粗面化されている請求項1〜3
のいずれかに記載の電子写真感光体用下引層。 - 【請求項5】 電子写真感光体(1) の導電性支持体(10)
上に、感光層(31)を積層するための下引層(11)(21)を形
成する方法であって、 R1 nSi(OR2 )4-n (但し、式中R1 はアルキル
基、フェニル基、ビニル基等の疎水基、R2 はアルキル
基であり、n=1,2である。)と、溶媒と、水、酸触
媒とよりなる液組成物に、SiO2 微粒子を混ぜ合わせ
たものを攪拌することにより得たゾルを前記導電性支持
体(10)上に塗布した後、乾燥させてゲル化することによ
り下引層(11)(21)を形成することを特徴とする電子写真
感光体用下引層の形成方法。 - 【請求項6】 塗布したゾルを乾燥させた後、さらに熱
処理する請求項5に記載の電子写真感光体用引層の形成
方法。 - 【請求項7】 前記ゾルの液組成物において、R1 nS
i(OR2 )4-n と、溶媒と、水と、酸触媒との混合比
が、モル比で1:1〜20:1〜20:0.00001
〜0.3である請求項5または6に記載の電子写真感光
体用下引層の形成方法。 - 【請求項8】 前記ゾル中のSiO2 微粒子量が40wt
%以下である請求項5〜7のいずれかに記載の電子写真
感光体用下引層の形成方法。 - 【請求項9】 導電性支持体(10)上に、SiO2 を主成
分とするとともに、ゾル−ゲル法により形成された酸化
物皮膜であり、緻密層(13)(23)上に凹凸層(12)(22)が一
体に形成され、該凹凸層(12)(22)の表面全体に微細な凹
部(14)(24)および凸部(15)(25)が多数形成されて粗面化
されてなる下引層(11)(21)が形成さらに該下引層(11)(2
1)上に、電荷発生層(32)と電荷移動層(33)が分離した積
層型有機光導電体からなる感光層(31)が形成されている
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項10】 導電性支持体(10)上に、R1 nSi
(OR2 )4-n (但し、式中R1 はアルキル基、フェニ
ル基、ビニル基等の疎水基、R2 はアルキル基であり、
n=1,2である。)と、溶媒と、水と、酸触媒とより
なる液組成物に、SiO2 微粒子を混ぜ合わせたものを
攪拌することにより得たゾルを塗布した後、乾燥させて
ゲル化することにより下引層(11)(21)を形成し、さらに
該下引層(11)(21)上に、電荷発生層(32)と電荷移動層(3
3)が分離した積層型有機光導電体からなる感光層(31)を
形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10213654A JP2000047415A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 電子写真感光体用下引層およびその形成方法、ならびに電子写真感光体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10213654A JP2000047415A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 電子写真感光体用下引層およびその形成方法、ならびに電子写真感光体およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000047415A true JP2000047415A (ja) | 2000-02-18 |
JP2000047415A5 JP2000047415A5 (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=16642752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10213654A Pending JP2000047415A (ja) | 1998-07-29 | 1998-07-29 | 電子写真感光体用下引層およびその形成方法、ならびに電子写真感光体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000047415A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1148391A1 (en) * | 2000-04-17 | 2001-10-24 | Ricoh Company, Ltd. | Electrophotographic image forming apparatus and photoreceptor therefor |
JP2009031573A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法、並びにプロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
US7910274B2 (en) | 2007-12-04 | 2011-03-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, method of producing electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
-
1998
- 1998-07-29 JP JP10213654A patent/JP2000047415A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1148391A1 (en) * | 2000-04-17 | 2001-10-24 | Ricoh Company, Ltd. | Electrophotographic image forming apparatus and photoreceptor therefor |
JP2009031573A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法、並びにプロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
US7910274B2 (en) | 2007-12-04 | 2011-03-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, method of producing electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus |
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