JP2000047093A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP2000047093A
JP2000047093A JP21445298A JP21445298A JP2000047093A JP 2000047093 A JP2000047093 A JP 2000047093A JP 21445298 A JP21445298 A JP 21445298A JP 21445298 A JP21445298 A JP 21445298A JP 2000047093 A JP2000047093 A JP 2000047093A
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light
light emission
distance
camera
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JP21445298A
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English (en)
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Osamu Nonaka
修 野中
Koichi Nakada
康一 中田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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  • Focusing (AREA)
  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ストロボ装置による照射光の発光量を制御する
ことで得られる適正な光像信号によって、より高精度な
測距結果を実現し、高品質な撮影結果を得ることのでき
るカメラを提供する。 【解決手段】被写体の像パターンに応じた光信号を積分
する積分手段と、この積分手段で得られた積分信号によ
って被写体までの測距を行なう測距装置を有するカメラ
において、積分手段による積分量を判定する積分判定手
段と、補助的に断続した発光動作を行なう補助光手段
と、光信号に対する積分量の割合を切り換える感度切換
手段と、積分判定手段の判定に基づいて、積分手段によ
る積分動作と補助光手段による発光動作と感度切換手段
による切換動作とを制御する積分制御手段とを具備し、
積分制御手段は、感度切換手段を制御して補助光手段に
よる一回当たりの発光時間を切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カメラ、詳しく
は被写体までの距離を高精度に測距し得ると共に、合焦
動作を確実に実行し得る測距装置を具備したカメラに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真撮影等を行なうカメラ等
に使用される測距装置においては、光を利用する方式の
ものが広く普及している。例えば測距装置側から信号光
を投射する方式の「アクティブタイプ」と、対象物(被
写体)の輝度分布像を利用する方式の「パッシブタイ
プ」とに大別される。これらの測距方式は、共に三角測
距の原理を基本的な動作原理としており、アクティブタ
イプでは、投光部と受光部との位置間隔を基本の長さ、
即ち基線長とした三角測距を行なう方式である。また一
方、パッシブタイプでは、二つの受光部の位置間隔を基
準とし、この二つの受光部の視差による対象物の像の相
対的な位置の差に基づいて対象物までの距離を求めるよ
うにしている。そして、パッシブタイプでは、対象物の
像を観察するために、受光位置毎に光量を測定する必要
があることから、複数の光センサを並べて配置したライ
ンセンサ等を利用しているのが普通である。
【0003】ここで、一般的なパッシブタイプの測距装
置の構成と、同装置による測距方法について、図29を
参照して説明する。
【0004】図29は、従来のパッシブタイプの測距装
置の構成を簡単に示すブロック構成図である。図29に
示すように、従来のパッシブタイプの測距装置は、基線
長Bだけ離して配置される二つの受光レンズ101a・
101bと、この受光レンズ101a・101bの後方
に設けられ、同受光レンズ101a・101bを透過し
て入射される被写体106からの光束をそれぞれ受光す
るラインセンサであるセンサアレイ102a・102b
と、このセンサアレイ102a・102bによって取得
し光電変換された被写体光の信号(アナログ信号)をデ
ジタル信号に変換するA/D変換部104と、このA/
D変換部104によって変換された光信号を受けて所定
の演算を行なう演算部105と、この測距装置全体を制
御する制御手段であるCPU110等によって構成され
る。
【0005】センサアレイ102a・102b上には、
曲線パターン103a・103bに示すような光パター
ンが形成される。この光パターン103a・103b
は、被写体106の輝度分布と、二つの受光レンズ10
1a・101bとの相対的な位置関係に依存して形成さ
れるものである。
【0006】ここで得られる光パターン103a・10
3bの相対位置差xは、基線長B、受光レンズ101a
・101b及びセンサアレイ102a・102bとの間
の距離f、被写体までの距離Lに依存する。即ち、次に
示す関係が成立する。
【0007】x = (B×f)/L … (1)● このような構成による手段、即ちセンサアレイ102a
・102bの出力を受けて演算部105によって演算
し、光パターン103a・103bの相対位置差を算出
するようにした技術手段は、いわゆる相関演算と呼ばれ
るものである。この相関演算については、例えば特公平
7−54371号公報等によって種々の提案がなされて
いる。
【0008】ところで、パッシブタイプの測距装置に用
いられるセンサは、撮影環境が暗い場合には、被写体か
らの光像信号を確実に得ることができないという問題を
生ずる場合があり、そのような場合に測距不能な状態に
なってしまうことがある。
【0009】そこで、このような問題を解決するため
に、周囲の環境が暗い状況で写真撮影を行なう場合に
は、撮影動作(露光動作)に先立って行なわれる測距動
作時に、補助光投射手段としてストロボ装置を用い、こ
のストロボ装置による発光(補助光)によって被写体を
照射することで、測距動作を確実に行なうことができる
ようにした技術手段についての提案が、例えば特開平4
−329769号公報・特開平5−34577号公報等
によってなされている。
【0010】このような手段、即ち測距装置によって測
距動作を行なう際に補助光を投射する手段としてストロ
ボ装置を利用する場合には、ストロボ装置による大光量
を得ることができることから、被写体の光像信号を確実
に取得することができるので、より高精度の測距結果を
得ることができるという利点がある。
【0011】さらに、撮影動作時に補助光を投射する手
段としてストロボ装置を用い、このストロボ装置による
発光量を制御するための手段についても、例えば特開平
4−242731号公報等によって様々な提案がなされ
ている。この特開平4−242731号公報に開示され
ている手段は、いわゆる赤目現象を抑止するために実行
するストロボ発光時の発光量の制御に関するものであっ
て、赤目現象を軽減するために実行するストロボ発光動
作、即ちいわゆるプリ発光動作と、露光動作時のストロ
ボ発光動作とを、撮影者や被写体となる人物等が勘違い
しないようにするために、プリ発光を短い間隔で連続的
に発光するように制御するというものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の赤目
現象軽減のために用いられるストロボ光の照射と同様
に、撮影者や被写体となる人物等が、測距動作に先立っ
て行なわれる補助光の発光動作を、露光動作のためのス
トロボ発光動作であるものと誤認してしまう虞がある。
【0013】このような勘違いがあると、例えば撮影者
がプリ発光後であって露光動作の実行前にカメラを動か
してしまったり、あるいは被写体となる人物等が移動し
てしまったりする場合がある。その結果、得られる写真
には、いわゆる手ブレ又は被写体ブレ等が生じてしま
い、失敗写真を作成してしまうことになる。
【0014】また、ストロボ装置の発光動作の制御は、
通常の場合、アンペアオーダーの電流の制御となるた
め、その制御は大まかなものとなってしまう。このこと
から、きめ細かい発光制御を行なうことは、非常に困難
なことであるという問題点がある。
【0015】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、補助光を発光す
る補助光装置を利用するようにした測距装置を有するカ
メラにおいて、補助光装置による照射光の発光量を制御
することによって得られる適正な光像信号によって、よ
り高精度な測距結果を実現し、高品質な撮影結果を得る
ことのできるカメラを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明によるカメラは、被写体の像パターンに
応じた光信号を積分する積分手段と、この積分手段で得
られた積分信号によって上記被写体までの測距を行なう
測距装置を有するカメラにおいて、上記積分手段による
積分量を判定する積分判定手段と、補助的に断続した発
光動作を行なう補助光手段と、上記光信号に対する積分
量の割合を切り換える感度切換手段と、上記積分判定手
段の判定に基づいて、上記積分手段による積分動作と上
記補助光手段による発光動作と感度切換手段による切換
動作とを制御する積分制御手段とを具備し、上記積分制
御手段は、上記感度切換手段を制御して上記補助光手段
による一回当たりの発光時間を切り換えることを特徴と
する。
【0017】また、第2の発明によるカメラは、被写体
の像パターンに応じた光信号を積分する積分手段と、こ
の積分手段により得られた積分信号によって上記被写体
までの測距を行なう第1の測距装置と、上記被写体に測
距用光を投射する投光手段と、上記被写体からの反射信
号光の位置に基づいて上記被写体までの測距を行なう第
2の測距装置とを有するカメラにおいて、補助的に断続
した発光動作を行なう補助光手段と、上記積分手段の積
分動作と上記補助光手段の発光動作とを制御する積分制
御手段とを具備し、上記積分制御手段は、上記積分手段
の積分動作に同期させて行なう上記補助光手段の発光時
間を上記第2の測距装置の結果に基づいて制御すること
を特徴とする。
【0018】そして、第3の発明によるカメラは、被写
体の像パターンに応じた光信号を積分する積分手段と、
この積分手段で得られた積分信号によって上記被写体ま
での測距を行なう測距装置を有するカメラにおいて、上
記積分量を判定する積分判定手段と、補助的に断続した
発光を行なう補助光手段と、上記光信号に対する積分量
の割合を切り換える感度切換手段と、上記積分判定手段
の判定に基づいて、上記積分手段による積分動作と上記
補助光手段による発光動作と感度切換手段による切換動
作とを制御する積分制御手段とを具備し、上記補助光手
段による一回目の発光結果の積分量を上記積分判定手段
によって判定し、その判定結果に応じて上記積分制御手
段は、上記補助光手段による二回目以降における一回当
たりの発光時間を切り換えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の
カメラの構成を示すブロック構成図である。なお、本図
においては、図面の繁雑化を避けるために、本発明に関
連する部材のみを図示し、他の構成部材については省略
している。
【0020】本実施形態のカメラは、図1に示すよう
に、いわゆるパッシブタイプの測距装置を有して構成さ
れているものである。即ち、本カメラは、基線長Bだけ
離して配置される二つの受光レンズ1a・1bと、この
受光レンズ1a・1bの後方において焦点距離fだけ離
して配置され、受光レンズ1a・1bを透過して入射さ
れる被写体6からの光束をそれぞれ受光するラインセン
サ等からなるセンサアレイ2a・2bと、このセンサア
レイ2a・2bによって取得され光電変換された被写体
光の信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA
/D変換部4と、このA/D変換部4によって変換され
た光信号を受けて、像ずれ量を算出する等の所定の演算
を行なう演算部5と、本カメラの測距装置全体を制御す
るワンチップマイコン等からなる演算制御手段であるC
PU10と、キセノン管等の閃光発光部等からなる閃光
発光装置(以下、ストロボ装置という)24と、このス
トロボ装置24の発光動作を制御するストロボ発光制御
回路等からなる発光制御手段であるストロボ制御部23
と、被写体光の輝度を測定する測光部25と、撮影レン
ズ群の一部を構成し、合焦動作のために光軸方向に移動
し得るフォーカスレンズ群22と、測距装置による測距
結果に基づいてフォーカスレンズ群22の移動を制御す
る合焦制御手段であり、アクチュエータやエンコーダ等
からなる合焦制御部21と、撮影動作の実行を開始させ
るためのレリーズ信号を発生させるレリーズスイッチ
(SW)20等によって構成されている。
【0021】A/D変換部4には、光像信号を積分する
積分手段4aと、測距動作時にストロボ発光動作が必要
であるか否かの判定を行なう積分判定手段である判定部
4bとを有している。また、ストロボ装置24とストロ
ボ制御部23とによってストロボ発光手段(補助光手
段)を形成している。なお、二つの受光レンズ1a・1
bと被写体6までの間の距離を符合Lで示している。
【0022】このように構成された本実施形態のカメラ
における測距装置の光パターンの相対的な位置差の算出
方法について、以下に説明する。センサアレイ2a・2
b上には、曲線パターン3a・3bに示すような光パタ
ーンが形成される。この光パターン3a・3bは、被写
体6の輝度分布と、二つの受光レンズ1a・1bの相対
的な位置関係に依存するものである。
【0023】つまり、二つの受光レンズ1a・1bの位
置差、即ち基線長Bによってセンサアレイ2a・2b上
に入射する光パターン3a・3bの分布の相対的な位置
差xは、被写体までの距離(以下、被写体距離という)
Lに依存して変化する。この場合において、二つの受光
レンズ1a・1bの焦点距離fであれば、被写体距離L
は、 L = B×f/x … (2)● によって求められる(上述の(1)式も参照)。
【0024】センサアレイ2a・2bの各センサは、光
の入射量に従った電流信号を出力するので、これらをA
/D変換器4によってデジタル信号に変換すれば、演算
部5による相関演算によって像ずれ量、即ち相対的な位
置差xを算出できる。この結果を受けて、CPU10
は、上述の(2)式に基づいた演算を行なう。これによ
り被写体距離Lが求められる。以上が、パッシブタイプ
の測距装置における三角測距方式の基本原理であり、一
般的な装置構成である。
【0025】なお、像ずれ量演算機能は、一般的には、
後述するように二つのプロセスからなるものであるが、
これらはCPU10の内部に制御プログラムとして内蔵
するようにしても良い。このような技術を用いてカメラ
の焦点調節動作を行なう場合には、CPU10がカメラ
の動作を制御し、撮影レンズの一部を構成する焦点調節
用のフォーカスレンズ22等を合焦制御部21を介して
駆動モータ等のアクチュエータ(図示せず)の駆動力に
よって適宜制御すれば、いわゆる自動焦点調整(オート
フォーカス;AF)機能付きカメラを提供することがで
きるものである。
【0026】像のずれ量の演算のためには、二つのセン
サアレイ2a・2bにおけるセンサピッチの単位でどれ
だけ像がずれているのかを調べる演算ステップ、即ち相
関演算を必要とする。そして、これより細かい分解能で
さらに正確なずれ量を算出する演算ステップ、即ち補間
演算が必要となる。
【0027】ここで、相関演算及び補間演算に関する各
プロセスの概略手順について、以下に説明する。まず、
相関演算のプロセスを説明する。
【0028】センサアレイ2a上において、図1の符合
3aで示すパターンの光が入射した場合には、各センサ
R1〜R6の出力の大きさは、図3に示すような分布と
なる。この分布は、光パターン3aの波形に対応してい
る。なお、図3において示す符合[R]は、二つのセン
サアレイ2a・2bのうち右側のセンサアレイを示し、
同様に後述の説明において示す符合[L]は、左側のセ
ンサアレイを示すものとする。また、[R]、[L]に
それぞれ付された添字[1]〜[6]は、受光レンズ1
a・1bの光軸を基準とする各センサの絶対位置を示す
ものとする。この場合において、左側センサL1〜L6
から、右側センサR1〜R6と略等しい出力信号が出る
ものとすると、両者の相対位置差xは0となる。したが
って、求められる被写体距離Lは、「無限遠」となる。
【0029】また、被写体6が「有限距離」に存在する
場合、即ち無限遠にない場合には、両センサアレイ2a
・2b上に入射した像の相対的な位置差xと、個々のセ
ンサ間のピッチSPとによって決定されるセンサ数だけ
ずれた(シフトした)位置の左側センサLには、図4に
示すように上述のセンサ出力R1〜R6(図3参照)に
類似した値の出力信号が得られる。
【0030】図2における縦軸の値、即ち右側センサ
(R)と左側センサ(L)との差の和FF(i)は、次
式によって求められる。 FF(i)=Σ|R(i)−L(i)| … (3)● 即ち、右側センサRの任意のセンサ出力と、これに対応
する左側センサLのセンサ出力とを引き算し、その絶対
値を各センサ毎に加算した結果がFFである。ここで、
まずRiからLiを引き算して、その絶対値をとり、所
定の幅でiを変化させて、これらを加算する。
【0031】次に、Ri又はLiの一方のセンサを一単
位だけずらして、同様の演算を行なって差をとると、次
の(4)式によってFF(i+1)が表現できる。 FF(i+1)=Σ|R(i+1)−L(i)| … (4)● このように順次、ずらし量を変更させてFFを得ること
ができる。そして、センサRとセンサLとの差の和FF
が最小値(Fmin.)となる位置が、最もよく対応が
とれている位置と考えられることから、この場合におけ
るずらし量(シフト量)が、上述の図4においてシフト
させる符合Sとして求められる。以上が、相関演算に関
するプロセスの概略手順である。
【0032】また、符号Sで示される値を加味して、両
センサアレイ2a・2bの出力分布を図示すると、図4
で示したものと同様に、L側の各センサにおいてシフト
量Sだけずれた各センサの出力分布に対応して、R側の
各センサからも同等の出力が得られる。
【0033】次に図3〜図5を用いて、補間演算のプロ
セスについて説明する。実際の二つのセンサアレイ2a
・2b上の像のずれ量は、各センサのピッチSPによっ
て正確にずれるわけではなく、また正確な測距動作を実
現するためには、センサピッチSPよりも細かい精度に
よって像ずれ量を検出しなければならない。そこで、補
間演算が行なわれることとなる。
【0034】図3・図4において、符合[R]及び符合
[L]は、それぞれ図1に示すセンサアレイ2a・2b
を構成する各センサのセンサ出力のうちの一部を表わす
ものである。また図5は、相関演算のプロセスが終了し
た各センサの出力を、シフト量Sだけずらした後、比較
しやすいような形態にグラフ化したものである。即ち図
5において符号L0〜L4で示しているのは、正確に
は、L(S)〜L(S+4)として記述されるべきもの
であるのが、繁雑化を避けるために符合(S)を省いて
示している。
【0035】ここで、L側のセンサには、シフト量Sだ
けずらした後においても、R側のセンサを基準とする相
対的な位置差x(図1参照)だけずれた光が入射してい
るものとする。この場合において、例えばセンサL1に
は、R0とR1に入射する光が混じり合って入射し、同
様にL側の各センサにもセンサRを基準とした位置差x
だけずれた光が順次入射している。したがって、L側の
各センサ出力(L1〜L3)は、次式に示すように表現
されることがわかる。 L1=(1−x)・R1+xR0 … (5) L2=(1−x)・R2+xR1 … (6) L3=(1−x)・R3+xR2 … (7)● 上述のFmin.と、このFmin.からシフト量をプ
ラス方向とマイナス方向にずらしたFFの値F−1と値
F+1とを、各センサRn・Lnの出力を用いて表現す
ると、次式のように表わすことができる。 Fmin=Σ|Rn−Ln| … (8) F−1=Σ|R(n−1)−Ln| … (9) F+1=Σ|R(n+1)−Ln| … (10)● さらに、上述の式(5)〜式(7)を用いて、式(8)
〜式(10)を展開すると、各値Fmin.、F−1、
F+1は、図27に示す[式11]のように表わすこと
ができる。さらに、この図27の[式11]において下
線を付して示す部分、即ち {|R0−R1|+|R1−R2|+|R2−R3|} とあるのを、 (ΣΔR) として表現すると、この(ΣΔR)に依存せずに、上述
のずれ量(位置差)xは、図28に示す[式12]によ
る演算から求めることができる。以上が、補間演算のプ
ロセスである。
【0036】なお、これらの演算は、図1における演算
部5において行なわれることとなるが、これに限らず、
例えば演算制御手段であるCPU10の内部において、
所定のプログラムに従って行なうように構成しても良
い。この場合においては、図6に示すフローチャートで
示される処理がなされる。
【0037】即ちCPU10は、ステップS1におい
て、センサアレイ2a・2bの各センサの出力を受け
(データ読込み処理)た後、ステップS2・S3におい
て、所定のプログラム(ソフトウェア)に従って上述の
相関演算(ステップS2)及び補間演算(ステップS
3)の処理を実行し、その結果に基づいて、ステップS
4において、撮影レンズのフォーカスレンズ22等の繰
り出し量を算出する。その後、合焦制御部21等によっ
て合焦調節のための制御を行なう。
【0038】以上説明したような基本動作を行なう測距
装置においては、被写体の明るさが足りない場合、明確
な光像信号を得ることができず測距の精度が劣化すると
いう問題がある(パッシブタイプの測距装置の問題
点)。
【0039】そこで、本実施形態のカメラにおける測距
装置では、主に撮影動作時の補助光を被写体に向けて照
射するためのストロボ装置24(図1参照)を、測距動
作時の補助光を照射する手段としても用いるようにして
いる。即ち、測距動作に先立って、ストロボ装置24に
よる閃光発光動作を行なって、被写体6に対する補助的
なストロボ光を投射することで、所望の測距範囲におけ
る被写体の明るさを確保し、これにより必要な被写体か
らの光像信号を取得して、測距精度を向上させるように
している。具体的には、CPU10は、ストロボ制御部
23を介してストロボ装置24のキセノン管に対して発
光(トリガ)信号を与えたり、キセノン管の発光用電流
の制御等を行なっている。また、CPU10は、上述の
ようにして得られた測距結果に基づいて合焦制御部21
を介してフォーカスレンズ22等を制御している。これ
により自動的に焦点調節動作を行なう、いわゆるオート
フォーカス動作を実現している。
【0040】一般に、センサアレイの出力は、光電流を
積分して光像信号としている。その積分波形を図7
(a)〜(e)に例示する。この図7では、横軸に経過
時間をとり、縦軸を光像信号の積算レベル(量)をとっ
て示している。
【0041】図7(a)において符号Aで示すように被
写体が明るい場合には、光電流が多くなることから、光
像信号が適正なレベルの基準値(以下、適正レベルとい
う)に達するまでの積分時間(t1)は短くなる傾向が
ある。一方、被写体が暗い場合には、図7(a)におい
て符号Bで示すように、光電流が小さくなることから、
適正レベルに達するまでの積分時間(t2)は長くなる
傾向がある。本実施形態のカメラにおいては、このよう
な特性を利用して、A/D変換部4において、適正レベ
ルに達するまでの積分時間をデジタル値に変換して、光
像信号のA/D値を得るようにしている。
【0042】つまり、A/D変換部4は、測光部25に
よって得られる測光値に基づいて、所定の測光範囲内に
おける一番明るい画素から所定の積分時間を決定し、A
/D変換部4の積分手段4aが所定の積分時間内に積分
した積分量に対して、A/D変換処理を施すことによっ
て所定のA/D値を得るようにしている。この場合にお
いては、各センサの積分量の差が大きい程、光像信号が
明確となることから、測距精度が向上することとなる。
【0043】しかし、積分回路は、電源電圧や回路形式
によってダイナミックレンジが限られているので、その
範囲内における適当な値に積分量を収める技術が必要と
なる。また、被写体が暗い場合においては、適正レベル
に達するのを待ち続けると、測距時間が長くなってしま
うので、所望の撮影タイミングを逃してしまうことも考
えられる。
【0044】このことを考慮して本実施形態において
は、上述したように測距動作に先立ってストロボ装置2
4を発光させて、被写体6に対して補助光を投射するよ
うにしている(図7(b)参照)。これにより被写体6
の明るさを増加させて、被写体6の周囲環境が暗い場合
における積分時間(t3)を短縮するようにしている
(図7(c)参照;t2>t3)。
【0045】一方、光像信号の積分中にストロボ装置2
4による補助光の照射時間(t4)が長過ぎると、図7
(d)・図7(e)に示すように、積分される光像信号
は、所定の積分時間内に適正レベルを超えてしまうこと
となり、正確な測距動作を行ない得ない状態となる。そ
こで、この場合における積分量を適正レベルを確保する
と共に、積分時間が短くなるように発光制御を行なっ
て、これを何度か繰り返すことで適正レベルの積分量と
なるような制御を行なっている。
【0046】このように構成された本実施形態のカメラ
における撮影動作時の動作の流れの概略を、図8に示す
フローチャートによって、以下に説明する。本カメラの
主電源がオン状態にあり、撮影待機状態にあるときに、
撮影者によってレリーズSW20が押圧されレリーズ信
号が発生すると、これを受けてCPU10は、まずステ
ップS5において、測距装置を制御して測距動作の処理
を実行する。続けてCPU10は、ステップS6におい
て、測光部25を制御して測光動作を行なった後、次の
ステップS7の処理に進む。
【0047】ステップS7において、CPU10は、上
述のステップS5における測距結果に基づいて、合焦制
御部21を介してフォーカスレンズ22を制御して、こ
れを合焦位置に移動させる合焦動作を実行する(レンズ
制御処理)。次いでステップS8において、CPU10
は、上述のステップS6における測光結果に基づいて、
シャッター機構等(図示せず)を制御して露光動作を行
なう(シャッター制御処理)。
【0048】そして、ステップS9において、次の撮影
コマを撮影位置に給送するためのフイルム巻上動作(巻
上げ処理)を行なって、一連の処理を終了し、撮影待機
状態となる(リターン)。
【0049】なお、この場合において、ステップS5に
おける測距動作を行なう場合(測距処理)と、ステップ
S8における露光動作を行なう場合(シャッター制御処
理)とにおいて、ストロボ装置24による閃光発光動作
が行なわれる場合がある。この発光動作が行なわれる場
合としては、例えば被写体が明るい環境にある場合に
は、露光動作時又は測距動作時のいずれか一回のみに発
光動作が実行される場合や、一度も発光動作がなされな
い場合等、場合によって様々である。このように、撮影
を行なうに当って、周囲の環境等に影響されて、場合に
よって発光動作の回数が異なるようになっていると非常
に紛らわしさを感じ、カメラの使用感を阻害する原因に
もなる。
【0050】そこで、本実施形態のカメラでは、図9に
示すように露光動作時又は測距動作時のいずれかにおい
て発光動作が必要となった場合には、測距動作時と露光
動作時との両時点において、それぞれ発光動作を行なう
ように制御することにより、上述のような紛らわしさを
解消し、カメラの使用感の向上に寄与している。
【0051】図9は、本実施形態のカメラにおける撮影
動作時の動作の流れの詳細を示すフローチャートであ
る。本カメラの主電源がオン状態にあり、撮影待機状態
にあるときに、撮影者によってレリーズSW20が押圧
されレリーズ信号が発生すると、これを受けてCPU1
0は、まずステップS11において、測光部25を制御
して測光動作を行なった後、次のステップS12におい
て、この測光結果に基づいてCPU10は、露光動作時
にストロボ発光が必要であるか否かの判定を行なう。な
お、この場合におけるCPU10は、第1判定手段とし
ての役目をしている。ここで、露光動作時のストロボ発
光動作が必要であると判定された場合には、ステップS
18の処理に進み、必要ではないと判定されると、次の
ステップS13の処理に進む。
【0052】ステップS13において、CPU10は、
A/D変換部4の判定部4bからの信号を受けて、測距
動作時のストロボ発光動作が必要であるか否かの判定を
行なう。なお、この場合におけるCPU10は、第2判
定手段としての役目をしている。ここで、露光動作時の
ストロボ発光動作が必要であると判定された場合には、
ステップS16の処理に進み、必要ではないと判定され
ると、次のステップS14の処理に進む。
【0053】この場合において、判定部4bは、受光レ
ンズ1a・1bを透過してセンサアレイ2a・2bに入
射した被写体光の光像信号が積分手段4aによって積分
される際に、その光電流が図7(a)における符合Bで
示されるような状態となるときに、露光動作時のストロ
ボ発光動作が必要であると判定するわけである。
【0054】ステップS14において、CPU10は、
測距装置を制御して実際の測距動作の処理を実行する。
ここで行なわれる測距動作は、ストロボ装置24による
ストロボ発光動作は伴わない。続けてステップS15に
おいて、CPU10は、通常の撮影動作、即ち上述のス
テップS11における測光結果に基づいて、シャッター
機構等を制御して露光動作を行なう。この露光動作は、
ストロボ装置24によるストロボ発光動作は伴わない動
作である。さらにフイルム巻上動作等のフイルム給送動
作の処理等を実行した後、撮影待機状態に戻る(リター
ン)。
【0055】一方、上述のステップS12において、露
光動作時のストロボ発光動作が必要であると判定され
て、ステップS18の処理に進むと、このステップS1
8において、CPU10は、上述のステップS13と同
様にA/D変換部4の判定部4bからの信号に基づい
て、測距動作時のストロボ発光動作が必要であるか否か
の判定を行なう。ここで、測距動作時のストロボ発光動
作が必要であると判定された場合には、ステップS21
の処理に進み、このステップS21において、CPU1
0は、A/D変換部4の積分手段4aによる光像信号の
積分動作に同期させてストロボ発光動作がなされるよう
にストロボ制御部23を介してストロボ装置24を制御
する(積分同期発光処理;第1発光モード)。そして、
次のステップS20の処理に進む。
【0056】また上述のステップS18において、測距
動作時のストロボ発光動作が必要ではないと判定される
と、次のステップS19の処理に進み、このステップS
19において、CPU10は、A/D変換部4の積分手
段4aによる光像信号の積分動作に同期させないストロ
ボ発光動作を実行するようにストロボ制御部23を介し
てストロボ装置24を制御して(積分非同期発光処理;
第2発光モード)、ストロボ発光動作及び測距動作を実
行する。そして、次のステップS20の処理に進む。こ
のステップS20において、撮影動作に同期させたスト
ロボ発光動作(撮影同期発光処理)を実行して、一連の
処理を終了し撮影待機状態に戻る(リターン)。
【0057】他方、上述のステップS13において、測
距動作時のストロボ発光動作が必要であると判定され
て、ステップS16の処理に進むと、次のステップS1
6において、上述のステップS21の処理と同様の処
理、即ち光像信号の積分動作とストロボ発光動作とを同
期させる積分同期発光処理(第1発光モード)を実行し
た後、次のステップS17において、露光動作とストロ
ボ発光動作とを同期させないようにストロボ装置24を
制御して撮影動作(撮影非同期発光処理)を実行した
後、一連の処理を終了して、撮影待機状態に戻る(リタ
ーン)。
【0058】ところで、ストロボ装置24を利用して写
真撮影を行なった場合に撮影された写真の上で、被写体
となる人物等の眼が赤くなってしまう、いわゆる赤目現
象が生じる場合がある。これを抑えるための技術手段と
して、例えば実際の露光動作に先立ってストロボ光を連
続的に発光させるようにした、いわゆるプリ発光に関す
る技術手段がある。
【0059】本実施形態のカメラにおける測距装置で
は、上述したように露光動作に先立って行なわれる測距
動作時にストロボ発光動作を行なうようにしている。し
たがって、この測距動作のための補助光を照射するスト
ロボ発光動作を、赤目現象を軽減させるためのプリ発光
動作の一部として取り込むように構成すれば、従来のカ
メラと同様の使用感を得ることができ、違和感を伴うよ
うなこともない。
【0060】この場合におけるストロボ発光動作のタイ
ミングについては、図10に示すようになる。即ち、図
10(a)は、通常のプリ発光のタイミングを示してい
る。この図10(a)に示すように、通常のプリ発光
は、露光動作時のストロボ発光(本発光)に先立って行
なわれ、短い間隔で連続的な複数回の発光を行なうよう
にしている。
【0061】一方、図10(b)は、本実施形態のカメ
ラにおけるストロボ装置の発光制御タイミングを示して
いる。この場合においては、従来行なわれていたプリ発
光動作を行なっていた期間の始期に、測距動作のための
補助光照射を行なうようにし、続けてプリ発光動作を実
行した後、露光動作時における本発光を行なうようにし
ている。
【0062】以上説明したように上記第1の実施形態に
よれば、写真撮影時の周囲の明るさに応じて、露光動作
時にストロボ発光動作を必要とするときには、この露光
動作時に先立って行なわれる測距動作の精度を確保する
ために、ストロボ装置24を利用した補助光照射を必ず
行なうように制御する。そして、一連の撮影動作を行な
うに当ってストロボ発光動作を伴う場合には、必ず測距
動作時と露光動作時の二度の発光動作が行なわれるよう
にしたので、被写体となる人物等が、測距動作時のスト
ロボ発光動作を露光動作時のストロボ発光動作時と勘違
いするようなこともない。したがって、撮影ミス等を防
止して、失敗のない写真撮影結果を確実に得ることがで
きる。
【0063】さらに、測距動作のための補助光照射(ス
トロボ発光)動作を赤目現象を軽減するためのプリ発光
動作中に取り込むようにすれば、操作者、被写体となる
人物等の双方に違和感を感じさせず、カメラの使用感を
より向上させることができる。
【0064】ところで、上述の第1の実施形態に見られ
るように、露光動作に先立って行なうプリ発光動作の一
部として測距動作のための補助光照射を行なうようにし
た場合において、周囲の明るさに応じて適切な補助光の
照射量(適正レベルの照射量)とするためには、例えば
補助光の発光回数を制御することにより実現することが
できる。
【0065】このように測距動作時の発光回数を制御す
るようにした場合、被写体までの距離(L)が、近距離
にある場合と遠距離にある場合とでは、周囲環境の明る
さが同じ条件下にあっても、測距動作時における補助光
の発光回数が変化してしまうことがある。つまり、補助
光を照射したときに、この補助光が被写体によって反射
されて受光レンズ1a・1bに入射する光量は、被写体
が近距離にある場合と比較して遠距離にある場合の方が
少ない。したがって、得られる光像信号が相対的に減少
することから、適正レベルに達するまでの積分時間も長
くなる。一方、近距離にある被写体の場合には、例えば
一回の積分動作によって適正レベルの光像信号を得るこ
とができる場合もあり得る。
【0066】例えば図11は、通常のカメラにおけるセ
ンサアレイの出力(光像信号)の積分波形を示す図であ
って、被写体距離と発光及び積分回数の関係を示す一例
である。この場合において、図11(a)に示すよう
に、ストロボ発光動作を二回行なった場合の積分動作に
よって得られる被写体の光像信号は、図11(b)に示
すように所定の被写体距離において適正レベルになると
きに、これより近い距離にある被写体では、二回の積分
動作によって適正レベルの光像信号の積分量を超えてし
まい、回路が飽和してしまうことになる。言い換える
と、一回の積分動作によって適正レベルの積分量に達す
る場合、二回の積分動作を行なえば、所定の適正レベル
を超えてしまうのは、当然のことである。
【0067】このように、周囲の環境や被写体距離が変
化することに伴って、補助光の発光回数を変化させてス
トロボ装置24の発光量を制御するようにした場合に
は、撮影者は、撮影動作の度にストロボ発光回数が異な
ることに煩雑さを感じることがあり、よってカメラの使
用感を阻害する原因にもなる。また、これに伴って積分
時間が状況に応じて異なることになるので、測距動作自
体の実行時間も変化してしまうという問題もある。
【0068】そこで、このような問題を解決するため
に、本発明の第2の実施形態においては、測距動作時に
行なうストロボ発光動作による発光時間を制御すること
で発光量の調整を行ない、補助光の発光回数を変化させ
ないにも関わらず、積分量の増減を調整するようにして
いる。
【0069】図12は、本実施形態のカメラにおける測
距装置のセンサアレイの出力(光像信号)の積分波形を
示し、被写体距離と発光及び積分回数の関係を示す図で
ある。なお、図12(a)・(b)は、被写体が近距離
にある場合を、図12(c)・(d)は、被写体が遠距
離にある場合を示す例である。また、本実施形態のカメ
ラの構成は、基本的には上述の第1の実施形態と同様の
ものである。したがって各構成部材の詳細については、
図1を参照するものとする。
【0070】本実施形態においては、測距動作に先立っ
て行なわれるストロボ発光動作を四回としている(図1
2(a)・(c)参照)。この場合において、図12
(a)・(b)に示すように、被写体が近距離にあると
きには、一回のストロボ発光動作によって積分信号が適
正レベルに達するが、二回目以降は、発光時間を短くす
ることによって、通常の発光量に対して減少させた発光
量Δtだけの発光動作、即ちダミー発光を行なってい
る。このダミー発光は、二回目〜四回目まで行なわれる
が、これによる積分量は、微小であるため適正レベルを
大きく超えてしまうことはない。
【0071】一方、被写体が遠距離にあるときには、図
12(c)・(d)に示すように、通常のストロボ発光
動作を四回行なうことになる。この四回のストロボ発光
動作によって、積分信号は、順次増加し適正レベルに達
することになる。
【0072】このように、被写体が近距離にある場合に
おいては、適正レベルの積分量が確保された後のストロ
ボ発光をダミー発光としているので、これにより積分量
を抑えると共に、ストロボ装置24によって消費される
電流を抑えるようにした、いわゆる省エネ設計を実現し
ている。したがって、被写体距離によって発光回数を変
化させることなく、積分量の調整を行ない得る。
【0073】次に、本実施形態のカメラにおける撮影動
作時の作用を図13のフローチャートによって、以下に
説明する。まずステップS26において、ストロボ装置
24による発光回数を示す変数nを初期化し(n=1に
セットし)、次のステップS27において、測距動作の
ための積分を開始する。続いてステップS28におい
て、CPU10は、A/D変換部4の判定部4bからの
信号に基づいて、所定時間内における積分量が少ないか
(小であるか)否かを判断することにより、測距動作時
のストロボ発光動作が必要であるか否かの判定を行な
う。ここで、充分な積分量を確保でき、測距動作時のス
トロボ発光動作が必要ではないと判定された場合には、
ステップS33の処理に進む一方、積分量が少なく測距
動作時のストロボ発光動作を必要とすると判断された場
合には、次のステップS29の処理に進む。
【0074】ステップS29において、まず一回目のス
トロボ発光動作がなされた後、次のステップS30にお
いて、発光回数の変数nをインクリメント(n+1)し
て、次のステップS31の処理に進む。
【0075】ステップS31において、積分量が充分に
所定の適正レベルに達したか否かの判定を行なう。この
判定も、A/D変換部4の判定部4bに基づいてCPU
10が行なう。ここで、積分量が充分であって所定の適
正レベルに達したものと判定された場合には、ステップ
S36の処理に進み、このステップS36において、積
分動作の終了処理を行ない、次のステップS37におい
て、発光時間の切換処理を行なってダミー発光を行なう
ように設定する。次いでステップS32の処理に進む。
【0076】一方、上述のステップS31において、積
分量が充分ではなく、所定の適正レベルに達していない
と判定された場合にも、次のステップS32の処理に進
み、このステップS32において、発光回数を示す変数
n=4であるか否かの判断がなされる。ここで変数n≠
4であることが確認されると、上述のステップS29の
処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0077】また、上述のステップS32において、発
光回数の変数n=4であることが確認された場合には、
次のステップS33の処理に進み、このステップS33
において、積分動作の終了処理を行なった後、ステップ
S34の処理に進む。
【0078】なお、上述したようにステップS28にお
いて、ストロボ発光動作を行なわずに充分な積分量であ
ると判断された場合にも、このステップS33の処理に
進み、このステップS33において積分の終了処理が実
行されて、次のステップS34の処理に進む。
【0079】ステップS34において、CPU10は、
合焦制御部21を介してフォーカスレンズ22を制御し
て、これを合焦位置に移動させるオートフォーカス動作
を行なう。次いでステップS35において、CPU10
は、予め実行されていた測光部25(図1参照)による
測光結果に基づいて、シャッター機構等(図示せず)を
制御して露光動作を行なう(シャッター制御処理)。こ
れにより一連の撮影処理のシーケンスを終了する(リタ
ーン)。
【0080】以上説明したように上記第2の実施形態に
よれば、測距動作に先立ってストロボ発光動作を行なう
際には、被写体距離や撮影環境に関係なく、測距動作に
必要な光像信号が得られた時点で、発光時間が短くなる
ように制御することで、予め設定された発光回数(本実
施形態では四回)分だけは、必ず実行した後に、合焦動
作(レンズ制御処理)及び露光動作(シャッター制御処
理)を行なうようにしている。したがって、上述の第1
の実施形態と同様にカメラの使用感を損ねるようなこと
もなく、また、撮影者や被写体となる人物等が、測距動
作のためのストロボ発光動作を、露光動作時のストロボ
発光動作と勘違いするといったこともない。
【0081】次に、本発明の第3の実施形態について、
以下に説明する。図14は、本実施形態のカメラの構成
を示すブロック構成図である。本実施形態のカメラは、
基本的に上述の第1の実施形態と略同様の構成からな
り、感度切換手段26が新たに設けられている点が異な
る。その他の構成については、第1の実施形態と全く同
様である。なお、本図においても、図面の繁雑化を避け
るために、図1と同様に本発明に関連する部材のみを図
示し、他の構成部材については省略している。
【0082】本実施形態におけるA/D変換部4の積分
手段4aは、少なくとも二通りの積分形態をとることが
できるようになっている。つまり、積分手段4aの積分
形態としては、略同一の明るさの像に対して積分量が大
きくなるように設定された高感度モードと、積分量が小
さくなるように設定された低感度モードとの二形態(二
モード)があり、それぞれの形態によって積分動作を行
ない得るようになっている。そして、この高感度モード
と低感度モードとを、撮影環境に応じて切り換えるため
に感度切換手段26が設けられている。
【0083】図15は、各感度モード時の積分量の変化
を表わす図である。この図15に示すように、センサア
レイ2a・2bに対して略同一強度の光束が入射した場
合において、高感度モード時の積分量は、低感度モード
時の積分量に比べて多くなるように設定されている。
【0084】この積分手段4aの積分形態の切り換え
は、CPU10によって制御される感度切換手段26に
よって行なわれるようになっている。図16は、この感
度切換手段26に関連する構成部材を概略的に示す図で
ある。この図16に示すように、感度切換手段26をC
PU10によってオン/オフ制御することで、センサア
レイ2a・2bから出力される光電流を積分するコンデ
ンサ4x・4y等からなる積分手段4aの容量を切り換
えたり、あるいは積分手段4aへの電流を増幅すること
ができるようになっている。これにより、積分手段4a
の積分形態を切り換え得る。
【0085】なお、図16に示す例では、感度切換手段
26をオン状態とすることで、積分手段4aの容量をコ
ンデンサ4yの容量分だけ加算して、低感度モードに設
定するように構成している。
【0086】このように構成された本実施形態のカメラ
における撮影動作時の作用を簡単に説明すると、次のよ
うになる。まず、高感度モードにおいて積分を行ない、
一回のストロボ発光動作によって光像信号が飽和した場
合には、低感度モードに切り換えて、再度ストロボ発光
動作を行なう。この場合においては、ストロボ発光の発
光時間も短縮するように切り換える制御を行なうこと
で、より適切な光像信号を取得し得るようにしている。
このような制御を行なうことによって、各感度モードに
最適となる光量のストロボ発光を可能としている。
【0087】また、一回目のストロボ発光動作によって
積分量を確認し、その結果に従って二回目のストロボ発
光動作の発光時間を制御することで、二回目以降のスト
ロボ発光動作により行なわれる積分の結果、適正な積分
量を超え飽和状態になってしまうことに起因する誤測距
等を防止している。つまり、一回目のストロボ発光動作
によってなされた積分量が、適正レベルの積分量に対し
て略半分以上となった場合には、二回目のストロボ発光
動作時に、同じ光量の発光動作を行なうと、適正量を超
えてしまうことは明らかである。したがって、二回目の
ストロボ発光動作時の発光時間を、一回目のストロボ発
光動作時の発光時間よりも短い発光時間となるように切
り換える制御が行なわれる。このようにして、感度や発
光量を少しずつ制御し、いかなる被写体(シーン)に対
しても常に正確な積分量を確保して、より高精度な測距
動作を実現し得るようにしている。
【0088】本実施形態のカメラにおける撮影動作時の
作用を、図17のフローチャートによって、さらに詳し
く説明する。まずステップS41において、ストロボ装
置24による発光回数を示す変数nを設定し、次のステ
ップS42において、CPU10は、感度切換手段26
を制御してセンサ感度を高感度モードに設定し、ステッ
プS43において、積分動作を開始する。続いてステッ
プS44において、CPU10は、ストロボ制御部23
を介してストロボ装置24を制御して、予め設定された
高感度モードにおける基準の発光量によるストロボ発光
動作を行なう。なお、このときの発光時間T=T1とす
る。また、この発光時間Tを制御する変数として、ガイ
ドナンバーGを利用して、発光量の増減を行なうように
制御するようにしても良い。
【0089】次いで、ステップS45において、発光回
数の変数nをデクリメント(n−1)した後、次のステ
ップS46において、積分量が飽和していないか否かを
確認する。ここで、積分量が飽和状態ではないことが確
認された場合には、ステップS47の処理に進む。ま
た、積分量が飽和状態に達していることがに確認された
場合には、ステップS59の処理に進み、このステップ
S59において、積分を停止(ストップ)させて、次の
ステップS60において、所定の時間だけ待機する(W
AIT)。この所定時間が経過すると、ステップS61
の処理に進む。
【0090】ステップS61においては、感度モードの
切り換えが必要であるか否かの確認を行なう。ここで感
度切換が必要ではないものと判断された場合には、ステ
ップS65の処理に進む。また、感度切換が必要である
と判断された場合には、次のステップS62の処理に進
み、このステップS62において、CPU10は、感度
切換手段26を制御してセンサ感度を低感度モードに切
り換えて、ステップS63において、再度積分動作を開
始する。
【0091】次に、ステップS64において、CPU1
0は、ストロボ制御部23を介してストロボ装置24を
制御して、予め設定された低感度モードにおける基準の
発光量によるストロボ発光動作を行なう。なお、このと
きの発光時間T=T3する。
【0092】次いで、ステップS65において、発光回
数の変数nをデクリメント(n−1)した後、次のステ
ップS66において、積分量と予め設定された所定値と
の比較を行なう。なお、この場合における所定値は、適
正レベルの中間値とする。つまり、ここで行なわれる処
理は、低感度モードでの一回目のストロボ発光動作によ
る積分量が、適正レベルの積分量に対して略半分以上と
なったか否かの確認処理である。
【0093】このステップS66において、積分量が所
定値(適正レベルの中間値)よりも小さい値をとる場合
には、後述するステップS49の処理に進む。また、積
分量が所定値よりも大きい値をとる場合には、次のステ
ップS67の処理に進み、このステップS67におい
て、発光時間の変数Tを短い発光時間とする変数T4に
設定し直した後、同様に後述するステップS49の処理
に進む。
【0094】一方、上述のステップS46において、積
分量が飽和状態ではないことが確認されて、ステップS
47の処理に進むと、このステップS47において、積
分量と予め設定された所定値との比較を行なう。なお、
この場合における所定値は、適正レベルの中間値とす
る。つまり、ここで行なわれる処理は、高感度モードで
の一回目のストロボ発光動作による積分量が、適正レベ
ルの積分量に対して略半分以上となったか否かの確認処
理である。
【0095】このステップS47において、積分量が所
定値(適正レベルの中間値)よりも小さい値をとる場合
には、ステップS49の処理に進む。また、積分量が所
定値よりも大きい値をとる場合には、次のステップS4
8の処理に進み、このステップS48において、発光時
間の変数Tを短い発光時間とする変数T2に設定し直し
て、次のステップS49の処理に進む。
【0096】ステップS49において、所定時間だけ待
機(WAIT)した後、次のステップS50において、
CPU10は、ストロボ制御部23を介してストロボ装
置24を制御して発光時間T(=T2 or T4)による
ストロボ発光動作を行なう。その後、ステップS51に
おいて、発光回数の変数nをデクリメント(n−1)
し、次のステップS52において、発光回数n=0であ
るか否か、即ち設定された所定の回数だけのストロボ発
光動作を行なったか否かの確認を行なう。ここで、変数
n=0であることが確認された場合には、ステップS5
4の処理に進み、変数n=0(変数n≠0)ことが確認
されると、次のステップS53に進む。
【0097】ステップS53において、積分量と予め設
定された適正レベルの所定値とが略等しい値となったか
否かの確認を行なう。ここで、積分量が適正レベル値に
達していないと判断されると、ステップS49の処理に
戻り、以降の処理を繰り返す。また、積分量が適正レベ
ル値と略同等値となったことが確認されると、次のステ
ップS54の処理に進み、このステップS54におい
て、一連の積分動作を終了した後、次のステップS55
において、再度変数n=0であるか否かの確認を行な
う。ここで、変数n=0であることが確認されると、一
連のシーケンスを終了する(END)。
【0098】また、上述のステップS55において、変
数n=0ではない(変数n≠0である)ことが確認され
ると、次のステップS56の処理に進む。このステップ
S56において、ダミー発光動作がなされる。このダミ
ー発光動作は、極めて短い発光時間T5によってなされ
る。
【0099】そして、次のステップS57において、発
光回数の変数nをデクリメント(n−1)し、次のステ
ップS58において、変数n=0であるか否かの確認を
再度行なって、変数n=0であることが確認されると、
一連のシーケンスを終了する(END)。また、変数n
≠0であると判断された場合には、ステップS56の処
理に戻り、以降のダミー発光処理を変数n=0になるま
で繰り返す。
【0100】以上説明したように上記第3の実施形態に
よれば、感度切換手段26を設け、被写体の明るさに応
じて積分手段4aによる積分動作の形態(感度モード)
を切り換えるようにしたので、より適切な光像信号を取
得することができ、さらに高精度な測距精度を確保する
ことができる。
【0101】また、光像信号の積分量に応じて、ストロ
ボ発光時間を制御し、適正レベルの積分量に達すると、
積分動作を停止するようにし、さらに積分動作を停止し
た後も、設定された発光回数だけのストロボ発光動作を
行なうようにしたので、操作性や使用感を損ねるような
こともない。
【0102】次に、本発明の第4の実施形態を、以下に
説明する。上述の各実施形態のカメラにおいては、パッ
シブタイプの測距装置(第1測距手段)を具備するよう
に構成している。このパッシブタイプの測距方式では、
例えばコントラストの低い被写体(シーン)に対して
は、測距不能となってしまうような場合もあり得るとい
う欠点がある。そこで、本実施形態においては、さらに
アクティブタイプの測距手段(第2測距手段)を並設
し、パッシブタイプの測距手段では、測距不能となるよ
うな状況でも、確実に被写体までの距離を求めることが
できるようにしている。
【0103】図18は、本発明の第4の実施形態のカメ
ラの構成を示すブロック構成図である。なお、本図にお
いては、図1と同様に図面の繁雑化を避けるために、本
発明に関連する部材のみを図示し、他の構成部材につい
ては省略している。また、本実施形態のカメラは、上述
の第1の実施形態の構成に対してアクティブタイプの測
距手段を加えて構成したものである。したがって、上述
の第1の実施形態と同様の構成については、図1に示す
同じ符合を付して、その説明は省略する。
【0104】本実施形態のカメラは、図18に示すよう
に被写体光束を集光する受光レンズ1a・1bと、この
受光レンズ1a・1bを透過した被写体光束を受光し光
電変換することで光像信号を生成するセンサアレイ2a
・2bと、このセンサアレイ2a・2bの出力(アナロ
グ信号)をデジタル信号に変換すると共に、デジタル化
された光像信号の積分を行なう積分手段等を含むA/D
変換部4と、二つの受光レンズ1a・1b及び二つのセ
ンサアレイ2a・2bにより取得された光像信号の像ず
れ量の相関演算等を行なう演算部5と、A/D変換部4
の出力を受けてCPU10へと出力するインターフェー
ス部分となる出力部7と、センサアレイ2a・2bが受
光し光電変換した光像信号から定常光成分を除去するた
めの定常光除去回路35と、測光動作を行なう測光部2
5等からなる測距ユニット100と、本カメラ全体を制
御する制御手段であるCPU10と、アクティブ方式の
測距手段の一部を構成する投光制御手段31・発光ダイ
オード(LED)32・投光レンズ33等からなる投光
手段と、ストロボ制御部23及びストロボ装置24から
なるストロボ発光手段と、合焦制御部21及びフォーカ
スレンズ22等からなる合焦制御手段と、シャッター制
御部8及びシャッター機構9等からなる露光制御手段等
と、測光部25等からなる測光手段等によって構成され
ている。
【0105】CPU10は、投光制御手段31を介して
制御され、この投光制御手段31は、LED32を制御
して赤外光を発光させる。このLED32による発光光
束は、投光レンズ33を介して被写体に向けて投射され
るように構成されている。
【0106】演算部5は、ハードロジック回路等によっ
て形成されている。また、A/D変換部4は、センサア
レイ2a・2bの出力信号(アナログ信号)をデジタル
信号に変換する回路であって、変換データ等の情報を記
憶する機能を有してなるものである。出力回路7は、シ
リアル通信によってA/D変換部4によりデジタル化さ
れた信号等の各種データ等をCPU10側のポート手段
19に対して伝送出力し得る手段である。
【0107】CPU10は、シリアル通信用のポート
や、本カメラの各機能を制御する端子等によって構成さ
れるポート手段19と、このポート手段19を制御する
レジスタ18及び演算用レジスタ14、各種の演算処理
等を行なわせる演算手段17と、演算処理の結果得られ
るデータを一時的に記憶させる不揮発性メモリ等のRA
M15、所定のアルゴリズムによって各種制御のための
命令群等のプログラムを格納したROM16等によって
構成されている。
【0108】また、ポート手段19には、フォーカスレ
ンズ22の移動制御を行なう合焦制御部21と、シャッ
ター機構9を制御して露光量の制御を行なうシャッター
制御部8と、ストロボ装置24の発光量や発光回数、発
光タイミング等の制御を行なうストロボ制御部23と、
電気的に書き込み可能なROM等からなり、カメラ毎に
異なる製造誤差等を補正するための補正係数等が記憶さ
れたEEPROM34等が電気的に接続されている。
【0109】ポート手段19は、合焦制御手段21を介
してフォーカスレンズ22を光軸方向に移動させること
で、測距装置による測距結果に基いて自動焦点調節を行
なうようになっており、さらにシャッター制御部8を介
してシャッター機構9を駆動制御して、測光部25によ
る測光結果に基づいて適正な露出が行なわれるようにし
ている。
【0110】なお、上述したようにEEPROM34に
は、カメラを製造するに当って、各構成部材に生じる寸
法誤差のバラツキや組み立て精度のバラツキ等によって
生じる各種の誤差を補正するための補正係数が予め記憶
されている。したがって、CPU10は、このEEPR
OM34に記憶されている補正データを参照しながら各
種の制御を行なうようになっている。
【0111】このように構成された本実施形態のカメラ
において、アクティブ方式の測距動作が行われる際の作
用を簡単に説明する。撮影者がレリーズSW20を操作
すると、このレリーズSW20からレリーズ信号が生じ
る。このレリーズ信号を受けて、CPU10は、ポート
手段19を介して投光制御手段31に制御信号を送る。
すると、この投光制御手段31は、LED32を駆動
し、これを発光させる。このLED32が発光される
と、その光束は、投光レンズ33を透過して被写体6に
向けて投光される。そして、被写体6によって反射され
た反射光束は、受光レンズ1bに入射して、その後方に
配置されるセンサアレイ2bによって受光される。この
センサアレイ2bは、上述の第1の実施形態において説
明したようにラインセンサ等からなり、受光した被写体
像の光束を電気信号に光電変換し、この光像信号をA/
D変換部4に出力する。
【0112】この場合において、センサアレイ2bによ
って受光されるLED32の反射光束から信号光以外の
成分、いわゆる定常光を除去することによって、より正
確にセンサアレイ2b上の受光位置を判定することがで
きる。そのために、定常光除去回路35が設けられてい
るのである。そして、被写体光束のセンサアレイ2bへ
の受光位置は、LED32の発光前後の光像信号を比較
し両者の差を求めることによって識別されるようになっ
ている。この受光位置からセンサアレイ2b上の基準位
置、即ち受光レンズ1bの光軸とセンサアレイ2bとの
交点との間隔xと、投光レンズ33と受光レンズ1bと
の間隔、即ち基線長Bと、受光レンズ1bの焦点距離f
とから被写体距離Lを求めることができる。
【0113】なお、本実施形態のカメラでは、被写体
(シーン)や被写体距離、周囲の明るさ等の環境条件に
応じて、アクティブ方式の測距手段とパッシブ方式の測
距手段とを切り換えて測距動作を行ない得るようになっ
ている。例えばアクティブ方式の測距手段では、遠距離
にある被写体の測距が困難である一方、パッシブ方式の
測距手段では、被写体が暗い場合や低コントラストであ
る場合の測距が困難となる。
【0114】しかし、本発明では上述の各実施形態にお
いて説明したように、ストロボ発光を伴う測距動作を行
なうことで、パッシブ方式の測距手段でも、暗い被写体
に対して確実な測距を実現し得る。したがって、本実施
形態では、遠距離にある被写体に対しては、周囲環境が
暗い場合にもストロボ装置24の補助光を利用したパッ
シブ方式の測距手段を用いるようにしている。また、パ
ッシブ方式の測距手段では、撮影画面内において比較的
広範な領域で測距を行なうことができる。
【0115】また、ストロボ装置24による補助光(照
射光)は、撮影画面全体を照射しうるのが普通であるこ
とから、画面周辺部の測距動作を行なうような場合に
も、ストロボ発光動作を利用するパッシブ方式の測距手
段を用いるようにしている。
【0116】一方、被写体が近距離(本実施形態では、
被写体距離L=4mを基準に遠近を規定している)にあ
ったり撮影画面の略中央部近傍にある場合において、所
望の被写体が低コントラストであるような条件の場合に
は、アクティブ方式の測距手段を利用するようにしてい
る。
【0117】図19は、本実施形態のカメラにおける撮
影画面枠41を示す概念図であって、パッシブ方式の測
距手段を用いた場合における測距領域41aと、アクテ
ィブ方式を用いた場合における測距領域41bとをそれ
ぞれ示す図である。図19に示すように、パッシブ方式
の測距手段では、アクティブ方式の測距手段を用いた場
合に比べて比較的広範囲の領域で測距し得るように設定
されている。
【0118】図20は、本実施形態のカメラにおける撮
影動作時の作用を示すフローチャートである。まず、操
作者がカメラの主電源(図示せず)等を投入する等によ
ってカメラが撮影準備状態とされ、レリーズSW20が
操作されてレリーズ信号が発生すると、ステップS70
において、CPU10は、測光部25を制御して通常の
測光動作を実行する。次いでステップS71において、
アクティブ方式による測距動作が行なわれ、次のステッ
プS72において、上述のステップS71における測距
結果の確認を行なう。ここでは、被写体距離Lが4mを
超えたか否かの確認が行なわれる。ここで、被写体距離
L>4mではない場合、つまり被写体距離が4m以下の
近距離である場合には、ステップS83の処理に進み、
このステップS83において、上述のステップS71で
実行されたアクティブ方式の測距結果に基づいて合焦動
作が実行される。ここで行なわれる合焦動作は、CPU
10が合焦制御部21を介してフォーカスレンズ22を
駆動して所定の位置に同レンズ22を移動させる動作で
ある(合焦制御処理)。そして、ステップS82の処理
に進み、このステップS82において、上述のステップ
S70で実行された測光結果に基づいてシャッター制御
部8は、シャッター機構9を駆動制御し、露光動作を行
なう(シャッター制御処理)。その後、一連のシーケン
スを終了して撮影待機状態に戻る(リターン)。
【0119】一方、上述のステップS72において、被
写体距離L>4mである場合には、次のステップS73
の処理に進み、再度、上述のステップS71における測
距結果の確認を行なう。ここでは、被写体距離Lが6m
を超えたか否かの確認が行なわれる。ここで、被写体距
離L>6mではない場合には、ステップS99の処理に
進み、被写体距離L>6mである場合には、ステップS
98の処理にそれぞれ進む。
【0120】さらに詳しく説明すると、上述のステップ
S72〜S73における測距結果の確認では、まずステ
ップS72において、被写体距離L>4mを条件とし
て、近距離の場合にはアクティブ方式の測距手段を利用
するように、また遠距離(L>4m)の場合には、パッ
シブ方式の測距手段を利用するようにそれぞれ設定され
る。
【0121】次にステップS73において、被写体距離
L>6mを条件として異なる動作を行なうようにしてい
る。つまり、被写体距離Lが6mを超える遠距離にある
場合には、ステップS98以降の処理において、三回の
ストロボ発光動作による積分動作を行なって光像信号を
取得する低感度モードで測距動作を行なうようにしてい
る。また、被写体距離Lが4m〜6mである場合には、
ステップS99以降の処理において、一回のストロボ発
光動作で積分を終了し、二回のダミー発光動作を行なう
高感度モードでの測距動作を行なうようにしている。
【0122】なお、上述のステップS98及びS74〜
S80の低感度モード時の測距動作と、ステップS99
及びS84〜S90の高感度モード時の測距動作の詳細
については、図17において詳述したので図20では、
簡略に説明している。
【0123】即ち、上述のステップS73において、被
写体距離Lが6mを超える遠距離にあると判断された場
合には、ステップS98において、感度切換手段26に
よって低感度モードへと切り換えられた後、ステップS
74において、積分動作が開始され、ステップS75に
おいて、一回目のストロボ発光がなされ、ステップS7
6において所定時間だけ待機した(インターバル処理)
後、ステップS77において、二回目のストロボ発光が
なされ、さらにステップS78において所定時間だけ待
機した(インターバル処理)後、ステップS79におい
て、三回目(最終)のストロボ発光がなされ、その後、
ステップS80において積分動作を終了する。そして、
ステップS81の処理に進む。
【0124】一方、上述のステップS73において、被
写体距離L>6mではない、つまりステップS72の判
断と合わせて被写体距離Lが4m〜6mであると判断さ
れた場合には、ステップS99において、感度切換手段
26によって高感度モードへと切り換えられた後、ステ
ップS84において、積分動作が開始され、ステップS
85において、一回目のストロボ発光がなされる。そし
て、ステップS86において積分動作を終了し、次のス
テップS87において、二回目のストロボ発光(一回目
のダミー発光)がなされ、ステップS88において所定
時間だけ待機した(インターバル処理)後、ステップS
89において、三回目のストロボ発光(二回目のダミー
発光)がなされた後、ステップS90において所定時間
だけ待機し(インターバル処理)、その後ステップS8
1の処理に進む。そして、上述のようにステップS81
・S82の処理を実行した後、一連のシーケンスを終了
して撮影待機状態に戻る(リターン)。
【0125】以上説明したように上記第4の実施形態に
よれば、アクティブ方式とパッシブ方式の両方式による
測距動作を切り換えて行ない得るように構成した測距手
段を設け、撮影動作時においては、まずアクティブ方式
による測距動作を行なって、その結果、被写体が近距離
にある場合には、そのままアクティブ方式の測距結果に
基づく合焦制御を行なう一方、被写体が遠距離にある場
合には、再度パッシブ方式による測距動作を行なうよう
にしたので、より精度の高い合焦制御を行なって、より
高画質の写真撮影結果を得ることができる。
【0126】また、パッシブ方式の測距動作を行なう場
合には、アクティブ方式の測距結果を利用して、積分動
作時におけるストロボ発光制御及び感度モードを切り換
えるようにしたので、上述の第3の実施形態におけるよ
うに積分動作中に積分結果を確認する等の複雑な制御を
行なう必要がない。したがって、一連のシーケンスをよ
り単純化することができる。
【0127】また、パッシブ方式の測距手段とアクティ
ブ方式の測距手段とを具備して構成されるカメラにおい
ては、次に示す第5の実施形態も考えられる。即ち、本
発明の第5の実施形態のカメラは、まずアクティブ方式
による測距動作を行なって、LED32からの投光の被
写体による反射赤外光量を検知するようにしている。そ
して、その結果に基づいてパッシブ方式による測距動作
の際のストロボ発光時間(補助光照射時間)を切り換え
るように制御している。その他の構成については、上述
の第4の実施形態と同様である。
【0128】図21は、本発明のカメラにおける測距手
段において、ストロボ発光量を一定とした場合の高感度
モード時と低感度モード時の各積分量の相違を示す図で
ある。
【0129】図21(a)に示すようにストロボ発光量
を一定とした場合、つまり同一のストロボ発光時間
[T]による積分量は、図21(b)に示すように高感
度モード時においては、適正レベルを超えてしまう一
方、低感度モード時には、適正レベルに満たない状態で
ある。
【0130】このような関係にある場合において、スト
ロボ発光時間を制御して、例えば図21(c)に示すよ
うに、ストロボ発光時間を図21(a)の発光時間
[T]の半分の発光時間[T/2]とした場合には、図
21(d)に示すように、各モード時の積分量も変化す
る。
【0131】したがって、ストロボ発光時間を制御し
て、複数回のストロボ発光動作を行なうようにすれば、
ストロボ発光量は、すくなくとも四段階で制御すること
ができ、よって、容易に適正レベルの積分量を取得し得
るように制御できる。
【0132】ここで、図22は、通常のカメラにおい
て、一定のストロボ発光時間による二回の発光動作を行
なった場合の積分量の変化を示し、図23は、ストロボ
発光時間の制御を行なって二回の発光を実行した場合の
積分量の変化を示す図である。
【0133】図22(a)に示すように、通常の場合に
おいては、高感度モードにおいて一回のストロボ発光動
作を行なっても適正レベルの積分量にわずかに達しない
ような場合において、再度同一の条件(高感度モードで
同一のストロボ発光量)によってストロボ発光を行なう
と、その積分量は、適正レベルを超えてしまうことがあ
る。
【0134】しかし、図23(a)に示すように、一回
目のストロボ発光動作で積分量が適正レベルに達しなか
った場合においても、二回目のストロボ発光動作を異な
る条件、即ち低感度モードに切り換えて短いストロボ発
光時間でストロボ発光動作を行なうようにすれば、適正
レベルの積分量を得ることができる。
【0135】このように本実施形態においては、被写体
の状態に応じて積分動作時の感度モードとストロボ発光
時におけるストロボ発光時間とを制御することで、より
細かい積分量の制御を行なうことができ、よって高精度
な測距結果を得ることができるというものである。
【0136】図24は、本発明の第5の実施形態のカメ
ラにおける撮影動作時の動作の流れを示すフローチャー
トである。まず、操作者がカメラの主電源(図示せず)
等を投入する等によってカメラが撮影準備状態とされ、
レリーズSW20が操作されてレリーズ信号が発生する
と、これを受けてCPU(10)は、ステップS91に
おいて、測光部25を制御して通常の測光動作を実行す
る。次いでステップS92において、アクティブ方式の
測距動作を行なう。
【0137】次のステップS93では、上述のステップ
S92におけるアクティブ方式の測距動作時に受光した
反射赤外光量の大小を判定する。ここで、反射赤外光量
が大きいと判断された場合には、ステップS95の処理
に進み、反射赤外光量が小さいと判断された場合には、
ステップS94の処理に進む。
【0138】ステップS94においては、CPU10
は、ストロボ制御部23を介してストロボ装置24を制
御して、予め設定された高感度モードにおける基準の発
光時間の変数=T1によるストロボ発光動作及び積分動
作を行なった後、ステップS96の処理に進む。また、
ステップS95においては、短い発光時間T2によるス
トロボ発光動作及び積分動作を行なった後、ステップS
96の処理に進む。
【0139】そして、ステップS96において、CPU
10は、上述のステップS94・S95における積分動
作の結果に基づいて合焦制御部21を介してフォーカス
レンズ22を駆動して所定の位置に同レンズ22を移動
させる(合焦制御処理)。
【0140】続いてステップS97において、CPU
(10)は、上述のステップS91で実行した測光結果
に基づいてシャッター制御部(8)を介してシャッター
機構(9)を駆動制御して露光動作を行なう(シャッタ
ー制御処理)。その後、一連のシーケンスを終了する
(リターン)。
【0141】このように構成することにより上記第5の
実施形態によれば、暗い被写体(シーン)に対しては、
より高精度に測距動作を実行し得るアクティブ方式の測
距手段を利用して、迅速かつ正確なパッシブ方式による
測距動作時の積分制御を行なうことができるので、撮影
環境の明暗に関わらず、より効率的に高速でかつ高精度
な測距動作を行なうことができる。しかも、パッシブ方
式の測距動作を行なう際に用いられるストロボ装置24
による補助光の発光回数は、常に所定の回数となるよう
にしているので、使用感等を損ねることもない。
【0142】なお、ストロボ発光動作を実行して積分動
作を行なう際に、感度モードを切り換えるようにした場
合には、さらに次に示すような利点がある。図25は、
各感度モードにおける積分時間と積分量の関係を示す図
である。この図25に示すように、入射した光量、即ち
照射時間が同一の場合、高感度モードに設定されている
ときの方が、低感度モード時よりもはるかに短い時間で
適正レベルの積分量を超えてしまう傾向にある。
【0143】一方、ストロボ装置24による補助光(照
射光)の制御は、ストロボ装置24の発光時間を制御し
て行なうようにしているために、最短時間の発光時間に
限界がある。つまり、最小発光時間よりも短い時間によ
る発光は不可能である。
【0144】したがって、高感度モードに設定された状
態で、ストロボ発光がなされると、図26に示すよう
に、すぐに適正レベルの積分量を超えてしまう場合があ
り得る。例えば被写体までの距離が近距離である場合等
においては、被写体からの反射光量が大きくなる傾向に
ある。このために積分量がすぐに飽和してしまうことに
起因して誤測距が生じてしまう場合がある。
【0145】図26は、本カメラにおいて、ストロボ発
光動作を伴う積分動作を実行する場合において、各感度
モードに対応する積分時間と積分量との関係を示してい
る。この図26に示すように、ストロボ発光動作を時間
的に制御する場合において、まず符合Mで示す時点で一
回目のストロボ発光動作を所定時間だけ実行すると、高
感度モードに設定されているときには、符合Nで示す時
点において適正レベルの積分量を超えてしまう。ところ
が、このとき低感度モードに設定した場合には、同じス
トロボ発光時間によっても適正レベルの積分量に達しな
いことがわかる。そして、低感度モード時においては、
二回目のストロボ発光動作を実行することで、適正レベ
ルの積分量が確保されることとなる。なお、図26にお
いて、積分時間軸がゼロ(0)の時点から符合Mで示す
時点までは、ストロボ発光動作を行なわずに積分動作を
行なっている期間を示している。これを見ても明らかな
ように、この撮影条件は、低照度な環境であって、測距
動作に際してストロボ発光動作が必要となる撮影環境で
あることを示している。
【0146】このように低感度モードにおいては、複数
回のストロボ発光動作(図26の例では二回)によっ
て、適正レベルの積分量を確保することが容易となる。
したがって、高感度モードに設定したときに一回のスト
ロボ発光動作によっても適正レベルの積分量を超過して
しまうような被写体、例えば近距離撮影等、反射光量が
大きくなる傾向にあるような被写体環境下においては、
低感度モードに切り換えてストロボ発光動作及び積分動
作を実行するように構成するのが望ましい。
【0147】このようなことを考慮して、本カメラにお
いては、予めアクティブ方式による測距動作を実行し、
その測距結果に基づいて被写体が近距離にあって、かつ
アクティブ測距を実行すべき基準距離よりも遠くにある
と判断された場合には、感度切換手段26による感度モ
ードを低感度側に切り換えて、パッシブ方式の測距動作
を実行するようにしている。したがって、ストロボ発光
動作の制御をより細かく行なうことができるので、さら
に高精度な測距結果を得ることが容易となる。そして、
撮影結果である写真の高画質化に寄与することができ
る。なお、補助光手段は、ストロボ発光手段に限らず、
例えばセルフタイマのLEDや赤目防止用のランプ(あ
るいはLED)等であっても良い。
【0148】[付記]また、以上述べた発明の実施形態
によれば、以下のような構成を有する発明を得ることが
できる。即ち、 (1) 被写体の像パターンにしたがった光信号を積分
する積分手段と、この積分手段により得られた積分信号
によって上記被写体までの測距を行なう測距装置におい
て、上記積分量を判定する積分判定手段と、光電流に対
する積分量の割合を切り換える感度切換手段と、補助的
に断続的な光を投射する補助光手段と、上記積分判定手
段にしたがって上記積分手段の積分動作と感度切換手段
及び上記補助光手段を制御する積分制御手段と、を有
し、上記積分制御手段が、上記感度切り換え時に上記補
助光の一回の投射時間を同時に切り換えるカメラ。
【0149】(2) 被写体の像パターンにしたがった
光信号を積分する積分手段と、この積分手段により得ら
れた積分信号によって上記被写体までの測距を行なう第
一測距手段と、投光手段と、この投光手段の反射信号光
の位置にしたがって上記被写体までの測距を行なう第二
測距手段とからなる測距装置を有し、補助的に断続的な
光を投射するストロボ手段と、積分動作と上記ストロボ
手段を制御する積分制御手段とを具備するカメラにおい
て、上記積分制御手段は、上記第二測距手段の結果に基
づいて上記積分動作に同期するストロボ発光制御を時間
的に制御するカメラ。
【0150】(3) 被写体の像パターンにしたがった
光信号を積分する積分手段と、この積分手段により得ら
れた積分信号によって上記被写体までの測距を行なう測
距装置において、上記積分量を判定する積分判定手段
と、補助的に断続的な光を投射する補助光手段と、上記
積分判定手段にしたがって上記積分手段の積分動作及び
上記補助光手段を制御する積分制御手段と、を有し、上
記積分制御手段は、一回目の発光結果の積分量を上記判
定手段を用いて判定し、二回目以降の補助光の一回分の
投射時間を切り換えるカメラ。
【0151】(4)付記3に記載のカメラにおいて、上
記感度切換手段は、積分量が大きい高感度モードと積分
量が小さい低感度モードとに切り換え可能であり、上記
補助光手段による一回目の発光のときには、上記高感度
モードに設定する。
【0152】(5) 付記1に記載のカメラにおいて、
上記補助光手段による一回目の発光結果の積分量を上記
積分判定手段で判定し、上記積分量が適正レベルを超え
たときには、上記感度切換手段により上記低感度モード
に切り換える。
【0153】(6) 付記3に記載のカメラにおいて、
上記補助光手段による一回目の発光結果の積分量を上記
積分判定手段で判定し、上記積分量が判定値以下のとき
には、次回の補助光手段による発光時間の設定を前回の
設定の状態に維持し、上記積分量が所定値を超えたとき
には、上記補助光手段による次回の発光時間を前回の発
光時間よりも短くなるように制御する。
【0154】(7) 付記3に記載のカメラにおいて、
上記所定値は、適正レベルの中間値である。
【0155】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、補助
光を発光する補助光装置を利用するようにした測距装置
を有するカメラにおいて、補助光装置による照射光の発
光量を制御することによって得られる適正な光像信号に
よって、より高精度な測距結果を実現し、高品質な撮影
結果を得ることのできるカメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のカメラの構成を示す
ブロック構成図。
【図2】図1のカメラにおける右側センサ(R)と左側
センサ(L)との差の和FFとずらし量との関係を示す
図。
【図3】図1のカメラにおけるセンサアレイ上に入射し
た光の各センサR1〜R6の出力の大きさを示す分布
図。
【図4】図1のカメラにおける二つのセンサアレイ上に
入射した光像の相対的な位置差と各センサ間のピッチと
によって決定されるシフト量Sだけずれた位置の左側セ
ンサ出力信号の分布図。
【図5】図1のカメラにおいて、相関演算のプロセスが
終了した各センサの出力をシフト量Sだけずらした後、
比較しやすいような形態に示した図。
【図6】演算制御手段の内部において行なわれる演算の
流れを示すフローチャート。
【図7】図1のカメラにおけるセンサアレイの出力信号
とその積分波形を示す図。
【図8】図1のカメラにおける撮影動作時の動作の流れ
の概略を示すフローチャート。
【図9】図1のカメラにおける撮影動作時の動作の流れ
の詳細を示すフローチャート。
【図10】露光動作に先立って行なわれるプリ発光制御
のタイミングを示すタイミングチャート。
【図11】通常のカメラにおけるセンサアレイの出力
(光像信号)の積分波形を示す図であって、被写体距離
と発光及び積分回数の関係を示す図。
【図12】本発明の第2の実施形態のカメラにおける測
距装置のセンサアレイの出力(光像信号)の積分波形を
示し、被写体距離と発光及び積分回数の関係を示す図。
【図13】図12のカメラにおける撮影動作時の作用を
示すフローチャート。
【図14】本発明の第3の実施形態のカメラの構成を示
すブロック構成図。
【図15】図14のカメラにおける各感度モード時の積
分量の変化を表わす図。
【図16】図14のカメラにおける感度切換手段に関連
する構成部材を概略的に示す図。
【図17】図14のカメラの撮影動作時の作用を示すフ
ローチャート。
【図18】本発明の第4の実施形態のカメラの構成を示
すブロック構成図。
【図19】図18のカメラにおける撮影画面枠を示し、
パッシブ方式の測距手段を用いた場合の測距領域と、ア
クティブ方式を用いた場合の測距領域とをそれぞれ示す
概念図。
【図20】図18のカメラにおける撮影動作時の作用を
示すフローチャート。
【図21】本発明のカメラにおける測距手段において、
ストロボ発光量を一定とした場合の高感度モード時と低
感度モード時の各積分量の相違を示す図。
【図22】通常のカメラにおいて、一定のストロボ発光
時間による二回の発光動作を行なった場合の積分量の変
化を示す図。
【図23】本発明の第5の実施形態のカメラにおいて、
ストロボ発光時間の制御を行なって、二回の発光を実行
した場合の積分量の変化を示す図。
【図24】図23のカメラにおける撮影動作時の動作の
流れを示すフローチャート。
【図25】図23のカメラにおいて各感度モード時の積
分時間と積分量の関係を示す図。
【図26】図23のカメラにおいてストロボ発光を行な
って積分動作を実行する場合における各感度モード時の
積分量と積分時間との関係を示す図。
【図27】本発明の各実施形態のカメラにおいて実行さ
れる補間演算のプロセスに用いる[式11]。
【図28】本発明の各実施形態のカメラにおいて実行さ
れる補間演算のプロセスに用いる[式12]。
【図29】従来のパッシブタイプの測距装置の構成を簡
単に示すブロック構成図。
【符号の説明】
1a・1b……受光レンズ 2a・2a……センサアレイ 4……A/D変換器 4a……積分手段 4b……積分判定手段 5……演算部 6……被写体 8……シャッター制御部 9……シャッター機構 10……CPU(積分制御手段、第1判定手段、第2判
定手段) 21……合焦制御部 22……フォーカスレンズ群 23……ストロボ制御部(ストロボ発光手段、発光制御
手段、補助光手段) 24……ストロボ装置(ストロボ発光手段、補助光手
段) 25……測光部(測光手段) 26……感度切換手段(モード切換手段) 31……投光制御手段(投光手段) 32……発光ダイオード(LED;投光手段) 33……投光レンズ(投光手段) 35……定常光除去回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H011 AA01 BA05 BB02 BB04 BB05 DA01 DA07 DA08 2H051 BB07 BB10 CB20 CB24 CC10 CC11 CC12 CD06 CE06 DA02 EA22 EB07 2H053 AA05 AD23 BA82 DA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の像パターンに応じた光信号を
    積分する積分手段と、この積分手段で得られた積分信号
    によって上記被写体までの測距を行なう測距装置を有す
    るカメラにおいて、 上記積分手段による積分量を判定する積分判定手段と、 補助的に断続した発光動作を行なう補助光手段と、 上記光信号に対する積分量の割合を切り換える感度切換
    手段と、 上記積分判定手段の判定に基づいて、上記積分手段によ
    る積分動作と上記補助光手段による発光動作と感度切換
    手段による切換動作とを制御する積分制御手段と、 を具備し、 上記積分制御手段は、上記感度切換手段を制御して上記
    補助光手段による一回当たりの発光時間を切り換えるこ
    とを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 被写体の像パターンに応じた光信号を
    積分する積分手段と、この積分手段により得られた積分
    信号によって上記被写体までの測距を行なう第1の測距
    装置と、上記被写体に測距用光を投射する投光手段と、
    上記被写体からの反射信号光に基づく信号によって上記
    被写体までの測距を行なう第2の測距装置とを有するカ
    メラにおいて、 補助的に断続した発光動作を行なう補助光手段と、 上記積分手段の積分動作と上記補助光手段の発光動作と
    を制御する積分制御手段と、 を具備し、 上記積分制御手段は、上記積分手段の積分動作に同期さ
    せて行なう上記補助光手段の発光時間を上記第2の測距
    装置の結果に基づいて制御することを特徴とするカメ
    ラ。
  3. 【請求項3】 被写体の像パターンに応じた光信号を
    積分する積分手段と、この積分手段で得られた積分信号
    によって上記被写体までの測距を行なう測距装置を有す
    るカメラにおいて、 上記積分量を判定する積分判定手段と、 補助的に断続した発光を行なう補助光手段と、 上記光信号に対する積分量の割合を切り換える感度切換
    手段と、 上記積分判定手段の判定に基づいて、上記積分手段によ
    る積分動作と上記補助光手段による発光動作と感度切換
    手段による切換動作とを制御する積分制御手段と、 を具備し、 上記補助光手段による一回目の発光結果の積分量を上記
    積分判定手段によって判定し、その判定結果に応じて上
    記積分制御手段は、上記補助光手段による二回目以降に
    おける一回当たりの発光時間を切り換えることを特徴と
    するカメラ。
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