JP2000044521A - α―位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸エステルの製造方法 - Google Patents
α―位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸エステルの製造方法Info
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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- C07C227/04—Formation of amino groups in compounds containing carboxyl groups
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】 一般式Iのα位に第三級炭化水素基を有
するアミノ酢酸エステルを、一般式IIの相応するα置
換マロン酸モノアミドエステルから水性で塩基性環境で
次亜ハロゲン酸塩を用いてホフマン分解により製造する
方法において、IIの1モル当たり次亜ハロゲン酸塩
1.0〜1.5当量および塩基0.8〜1.5当量を使
用する。 [R1〜R3は同一または異なった炭化水素基を表し、こ
れらの2つは基を置換するCと共に炭素環を形成しても
よく、R4は水素またはC1〜4のアルキル基を表す] [R1〜R4は前記と同じ] 【効果】 安価な出発物質から良好な収率と空時収率
で、安全上問題の多い物質を使用せず、コストのかかる
分離・精製なしに製造できる。
するアミノ酢酸エステルを、一般式IIの相応するα置
換マロン酸モノアミドエステルから水性で塩基性環境で
次亜ハロゲン酸塩を用いてホフマン分解により製造する
方法において、IIの1モル当たり次亜ハロゲン酸塩
1.0〜1.5当量および塩基0.8〜1.5当量を使
用する。 [R1〜R3は同一または異なった炭化水素基を表し、こ
れらの2つは基を置換するCと共に炭素環を形成しても
よく、R4は水素またはC1〜4のアルキル基を表す] [R1〜R4は前記と同じ] 【効果】 安価な出発物質から良好な収率と空時収率
で、安全上問題の多い物質を使用せず、コストのかかる
分離・精製なしに製造できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式I:
【0002】
【化3】
【0003】[式中、R1、R2およびR3は、同一また
は異なった炭化水素基を表し、その都度これらの基の2
つは、該基を置換する炭素原子と共に炭素環を形成して
もよく、かつR4は、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル基を表す]のα−位に第三級炭化水素基を有するア
ミノ酢酸エステルを、一般式II:
は異なった炭化水素基を表し、その都度これらの基の2
つは、該基を置換する炭素原子と共に炭素環を形成して
もよく、かつR4は、1〜4個の炭素原子を有するアル
キル基を表す]のα−位に第三級炭化水素基を有するア
ミノ酢酸エステルを、一般式II:
【0004】
【化4】
【0005】[式中、R1、R2、R3およびR4は、前記
のものを表す]の相応するα−置換されたマロン酸モノ
アミドエステルから製造するための方法に関する。
のものを表す]の相応するα−置換されたマロン酸モノ
アミドエステルから製造するための方法に関する。
【0006】最も単純な化合物Iは、t−ロイシンとも
呼ばれるα−t−ブチルアミノ酢酸のメチルエステルま
たはエチルエステルである(R1、R2およびR3=メチ
ル、R4=メチルまたはエチル)。
呼ばれるα−t−ブチルアミノ酢酸のメチルエステルま
たはエチルエステルである(R1、R2およびR3=メチ
ル、R4=メチルまたはエチル)。
【0007】アミノ酸およびそのエステルは、特にタン
パク質を製造するための成分である(例えばクリックス
等(G. Krix, V. Eichhorn, H. O. Jakubke, M. R. Kul
a, Enzyme Microb. Technol., 21(1997),252)を参照の
こと)。α−位に第三級炭化水素基を有するアミノ酸、
例えばt−ロイシンならびにそのエステルは、非タンパ
ク性のタンパク質構成要素として、特別な作用を有する
生物学的に活性なタンパク質の合成にとって著しい重要
性を有している(A. S. Bommarius, M. Schwarm,K. Stin
gl, M. Kottenhahn, K. Huthmacher およびK. Drauz, T
etrahedron: Asymmetry 6 (1995), 2851)。t−ロイシ
ンはさらに不斉合成のための添加剤として作用する(U.
Schoellkopf, Pure and Applied Chem. 55 (1983), 179
9)。この目的のために必要なエナンチオマー純粋なt−
ロイシンは、特殊なデアシラーゼを用いたN−アシル−
t−ロイシンの動力学的なラセミ体分割により得られる
(EP494716号)。
パク質を製造するための成分である(例えばクリックス
等(G. Krix, V. Eichhorn, H. O. Jakubke, M. R. Kul
a, Enzyme Microb. Technol., 21(1997),252)を参照の
こと)。α−位に第三級炭化水素基を有するアミノ酸、
例えばt−ロイシンならびにそのエステルは、非タンパ
ク性のタンパク質構成要素として、特別な作用を有する
生物学的に活性なタンパク質の合成にとって著しい重要
性を有している(A. S. Bommarius, M. Schwarm,K. Stin
gl, M. Kottenhahn, K. Huthmacher およびK. Drauz, T
etrahedron: Asymmetry 6 (1995), 2851)。t−ロイシ
ンはさらに不斉合成のための添加剤として作用する(U.
Schoellkopf, Pure and Applied Chem. 55 (1983), 179
9)。この目的のために必要なエナンチオマー純粋なt−
ロイシンは、特殊なデアシラーゼを用いたN−アシル−
t−ロイシンの動力学的なラセミ体分割により得られる
(EP494716号)。
【0008】さらにt−ロイシンは、容易にt−ロイシ
ノールに変換させることができ、これは例えば殺虫剤の
立体選択的な合成のためのキラルな添加剤として使用さ
れる(M. J. McKennon, A. I. Meyers, K. Drauzおよび
M. Schwarm, J. Org. Chem. 58(1993), 3568)。他のt
−炭化水素基を有するアミノ酢酸、例えばt−ロイシン
の高級同族体は、相応する方法で使用することができ
る。
ノールに変換させることができ、これは例えば殺虫剤の
立体選択的な合成のためのキラルな添加剤として使用さ
れる(M. J. McKennon, A. I. Meyers, K. Drauzおよび
M. Schwarm, J. Org. Chem. 58(1993), 3568)。他のt
−炭化水素基を有するアミノ酢酸、例えばt−ロイシン
の高級同族体は、相応する方法で使用することができ
る。
【0009】t−ロイシンは、ピバリンアルデヒドから
ストレッカー合成により(K. Ogura, Bull. Chem. Soc.
Jpn. 65(1992), 2359)、または2−ブロモ−3,3−
ジメチル酪酸のアンモノリシスにより(E. Abderhalde
n, Z. Phys. Chem. 228(1934), 193)製造することがで
きる。相応して他のα−位の第三級炭化水素基を有する
アミノ酢酸は、相応する他のアルデヒドからストレッカ
ー合成により、または相応する他のブロモカルボン酸か
らアンモノリシスにより製造することができる。t−ロ
イシンのためのもう1つの公知の製造方法は、3,3−
ジメチル−2−オキソ酪酸の酵素触媒によるアミノ交換
反応である(EP0248357号)。
ストレッカー合成により(K. Ogura, Bull. Chem. Soc.
Jpn. 65(1992), 2359)、または2−ブロモ−3,3−
ジメチル酪酸のアンモノリシスにより(E. Abderhalde
n, Z. Phys. Chem. 228(1934), 193)製造することがで
きる。相応して他のα−位の第三級炭化水素基を有する
アミノ酢酸は、相応する他のアルデヒドからストレッカ
ー合成により、または相応する他のブロモカルボン酸か
らアンモノリシスにより製造することができる。t−ロ
イシンのためのもう1つの公知の製造方法は、3,3−
ジメチル−2−オキソ酪酸の酵素触媒によるアミノ交換
反応である(EP0248357号)。
【0010】ピバリンアルデヒドも、2−ブロモ−3,
3−ジメチル酪酸および3,3−ジメチル−2−オキソ
酪酸も、比較的コストのかかる出発物質である。このこ
とはまた、その他のα−位にt−炭化水素基を有するア
ミノ酢酸を製造することができる前記のその他のアルデ
ヒドおよびその他のブロモカルボン酸にも該当する。ス
トレッカー合成にとってはさらに安全技術上問題の多い
青酸が必要である。前記の酵素触媒によるアミノ交換反
応は空時収率が不十分である。
3−ジメチル酪酸および3,3−ジメチル−2−オキソ
酪酸も、比較的コストのかかる出発物質である。このこ
とはまた、その他のα−位にt−炭化水素基を有するア
ミノ酢酸を製造することができる前記のその他のアルデ
ヒドおよびその他のブロモカルボン酸にも該当する。ス
トレッカー合成にとってはさらに安全技術上問題の多い
青酸が必要である。前記の酵素触媒によるアミノ交換反
応は空時収率が不十分である。
【0011】さらに(R)−t−ロイシンのエナンチオ
選択的な合成が記載された。この場合、t−ブチルヒダ
ントインから(R)−特異的なヒダントイナーゼを用い
てN−カルバモイル−(R)−t−ロイシンが得られ、
これは例えば(R)−カルバモイラーゼで(R)−t−
ロイシンに変換することができる(DE1952921
1号)。(R)−t−ロイシンが、使用されるt−ブチ
ルヒダントインに対して85.5%の収率で得られる
が、しかしその際、該特許明細書にはエナンチオマー純
度に関する記載はなされていない。さらに該特許明細書
には、亜硝酸塩を用いたN−カルバモイル−(R)−t
−ロイシンの分解が記載されている。この場合、反応時
間は長く、かつさらに高い塩含有率を有する水性の反応
混合物が得られ、これはコストをかけてイオン交換クロ
マトグラフィーにより精製しなくてはならない。
選択的な合成が記載された。この場合、t−ブチルヒダ
ントインから(R)−特異的なヒダントイナーゼを用い
てN−カルバモイル−(R)−t−ロイシンが得られ、
これは例えば(R)−カルバモイラーゼで(R)−t−
ロイシンに変換することができる(DE1952921
1号)。(R)−t−ロイシンが、使用されるt−ブチ
ルヒダントインに対して85.5%の収率で得られる
が、しかしその際、該特許明細書にはエナンチオマー純
度に関する記載はなされていない。さらに該特許明細書
には、亜硝酸塩を用いたN−カルバモイル−(R)−t
−ロイシンの分解が記載されている。この場合、反応時
間は長く、かつさらに高い塩含有率を有する水性の反応
混合物が得られ、これはコストをかけてイオン交換クロ
マトグラフィーにより精製しなくてはならない。
【0012】さらに別の特許出願明細書(DE1972
4086号)は、α−位に第三級炭化水素基を有するマ
ロン酸モノアミドエステルのホフマン分解による、α−
位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸の製造を記載
している。この場合、カルボン酸アミド基が分解されて
アミノ基になるのみではなく、カルボン酸エステル基も
また鹸化されてカルボキシル基になる。該特許出願明細
書中には、ホフマン分解による(S)−t−ブチルマロ
ン酸モノアミドエステルからの(R)−t−ロイシンの
立体選択的な合成が記載されている。この場合、1.5
〜4当量の苛性ソーダ溶液および1〜1.2当量の次亜
塩素酸ナトリウム溶液を使用する。アミノ酢酸が85%
の収率で得られる。ここでもまたアミノ酢酸は塩酸を用
いた反応混合物の中和により大量の塩化ナトリウムと共
にカップリング生成物として生じ、これはまたイオン交
換体を用いて分離される。
4086号)は、α−位に第三級炭化水素基を有するマ
ロン酸モノアミドエステルのホフマン分解による、α−
位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸の製造を記載
している。この場合、カルボン酸アミド基が分解されて
アミノ基になるのみではなく、カルボン酸エステル基も
また鹸化されてカルボキシル基になる。該特許出願明細
書中には、ホフマン分解による(S)−t−ブチルマロ
ン酸モノアミドエステルからの(R)−t−ロイシンの
立体選択的な合成が記載されている。この場合、1.5
〜4当量の苛性ソーダ溶液および1〜1.2当量の次亜
塩素酸ナトリウム溶液を使用する。アミノ酢酸が85%
の収率で得られる。ここでもまたアミノ酢酸は塩酸を用
いた反応混合物の中和により大量の塩化ナトリウムと共
にカップリング生成物として生じ、これはまたイオン交
換体を用いて分離される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、α−
位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸のエステル
を、安価な出発物質から出発して良好な収率および空時
収率で、ならびに安全技術的に問題の多い使用物質を使
用することなく、かつコストのかかる分離または精製を
行わずに製造することができる方法を提供することであ
る。
位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸のエステル
を、安価な出発物質から出発して良好な収率および空時
収率で、ならびに安全技術的に問題の多い使用物質を使
用することなく、かつコストのかかる分離または精製を
行わずに製造することができる方法を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題は本発明によ
り、一般式I:
り、一般式I:
【0015】
【化5】
【0016】[式中、R1、R2およびR3は、同一また
は異なった炭化水素基を表し、その都度これらの基の2
つは、該基を置換する炭素原子と共に炭素環を形成して
もよく、かつR4は、水素または1〜4個の炭素原子を
有するアルキル基を表す]のα−位に第三級炭化水素基
を有するアミノ酢酸エステルを、一般式II:
は異なった炭化水素基を表し、その都度これらの基の2
つは、該基を置換する炭素原子と共に炭素環を形成して
もよく、かつR4は、水素または1〜4個の炭素原子を
有するアルキル基を表す]のα−位に第三級炭化水素基
を有するアミノ酢酸エステルを、一般式II:
【0017】
【化6】
【0018】[式中、R1、R2、R3およびR4は、前記
のものを表す]の相応するα−置換されたマロン酸モノ
アミドエステルから、水性で塩基性の環境で次亜ハロゲ
ン酸塩を用いてホフマン分解により製造する方法により
解決されるが、その際に、原料II 1モル当たり、次
亜ハロゲン酸塩を1.0〜1.5当量の量で、および塩
基を0.8〜1.5当量の量で使用する。
のものを表す]の相応するα−置換されたマロン酸モノ
アミドエステルから、水性で塩基性の環境で次亜ハロゲ
ン酸塩を用いてホフマン分解により製造する方法により
解決されるが、その際に、原料II 1モル当たり、次
亜ハロゲン酸塩を1.0〜1.5当量の量で、および塩
基を0.8〜1.5当量の量で使用する。
【0019】α−位に第三級炭化水素基を有するアミノ
酸のエステルは、比較的わずかな塩基過剰量にもかかわ
らず高収率で得られる。これは意外なことである。とい
うのもホフマン分解は、高収率を達成するために通常、
カルボン酸アミド基1当量当たり少なくとも2当量の塩
基を用いて実施するからである(Organic ReactionsIII
(1946), 2679)。さらに、カルボン酸エステルは通
常、希釈したアルカリ液を用いて高温で容易に鹸化され
てカルボン酸塩になる(例えばJ. March, Advanced Org
anic Chemistry-Reactions, Mechanisms and Structur
e、第3版(1985)、334を参照のこと)にも関
わらず、カルボン酸エステル基がホフマン分解の条件下
で実質的に影響を受けないことは以外である。このこと
は明らかに第三級炭化水素基に起因する。例えばα−t
−ブチルマロン酸モノアミドメチルエステルまたはα−
t−ブチルマロン酸モノアミドエチルエステルと比較し
て、本発明によらずに使用可能な、相応するn−ブチル
−置換された異性体は、著しい量で相応する遊離酸また
はその塩を生じる。カルボン酸エステル基が実質的に鹸
化され得ないことは特に有利である。というのは、反応
生成物Iは、分離された有機相として水性の反応混合物
から分かれるからである。従ってイオン交換体を用いた
コストのかかる分離操作は不要である。エステルを適切
に酸性鹸化すると、アミノ酸は混合物中で確かに塩と共
に生じる。しかし塩の量は、前記のDE1972408
6号による方法よりも著しく少ない。
酸のエステルは、比較的わずかな塩基過剰量にもかかわ
らず高収率で得られる。これは意外なことである。とい
うのもホフマン分解は、高収率を達成するために通常、
カルボン酸アミド基1当量当たり少なくとも2当量の塩
基を用いて実施するからである(Organic ReactionsIII
(1946), 2679)。さらに、カルボン酸エステルは通
常、希釈したアルカリ液を用いて高温で容易に鹸化され
てカルボン酸塩になる(例えばJ. March, Advanced Org
anic Chemistry-Reactions, Mechanisms and Structur
e、第3版(1985)、334を参照のこと)にも関
わらず、カルボン酸エステル基がホフマン分解の条件下
で実質的に影響を受けないことは以外である。このこと
は明らかに第三級炭化水素基に起因する。例えばα−t
−ブチルマロン酸モノアミドメチルエステルまたはα−
t−ブチルマロン酸モノアミドエチルエステルと比較し
て、本発明によらずに使用可能な、相応するn−ブチル
−置換された異性体は、著しい量で相応する遊離酸また
はその塩を生じる。カルボン酸エステル基が実質的に鹸
化され得ないことは特に有利である。というのは、反応
生成物Iは、分離された有機相として水性の反応混合物
から分かれるからである。従ってイオン交換体を用いた
コストのかかる分離操作は不要である。エステルを適切
に酸性鹸化すると、アミノ酸は混合物中で確かに塩と共
に生じる。しかし塩の量は、前記のDE1972408
6号による方法よりも著しく少ない。
【0020】原料IIは、まず部分的にモノエステルに
鹸化される相応のt−アルキルマロン酸ジアルキルエス
テルから公知の方法により高い総収率で製造することが
できる。これを反応させてカルボン酸ハロゲン化物が得
られ、該ハロゲン化物をアンモニアと反応させることに
よりモノアミドIIが得られる(G. S. Bajwa, S. Chan
drasekaran, J. H. Hargis, A. E. Sopchik, D. Blatte
r, W. G. Bentrude, J. Am. Chem. Soc. 104(1982), 63
85)。ドイツ特許出願P19623142.6号には、
エナンチオマーが富化されたt−アルキルマロン酸モノ
エステルの合成が記載されている。該エステルは記載さ
れている方法により相応するエナンチオマーが富化され
た原料IIに変換することができる。有利な原料II
(ひいては生成物I)中で、R1、R2およびR3は、1
〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ベンジル基また
はフェニルエチル基を表すか、あるいはこれらの置換基
の2つが、該基を置換する炭素原子と一緒に5〜8個の
環構成要素を有するシクロアルキル環を形成し、R
4は、有利にはメチルまたはエチルを表す。
鹸化される相応のt−アルキルマロン酸ジアルキルエス
テルから公知の方法により高い総収率で製造することが
できる。これを反応させてカルボン酸ハロゲン化物が得
られ、該ハロゲン化物をアンモニアと反応させることに
よりモノアミドIIが得られる(G. S. Bajwa, S. Chan
drasekaran, J. H. Hargis, A. E. Sopchik, D. Blatte
r, W. G. Bentrude, J. Am. Chem. Soc. 104(1982), 63
85)。ドイツ特許出願P19623142.6号には、
エナンチオマーが富化されたt−アルキルマロン酸モノ
エステルの合成が記載されている。該エステルは記載さ
れている方法により相応するエナンチオマーが富化され
た原料IIに変換することができる。有利な原料II
(ひいては生成物I)中で、R1、R2およびR3は、1
〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ベンジル基また
はフェニルエチル基を表すか、あるいはこれらの置換基
の2つが、該基を置換する炭素原子と一緒に5〜8個の
環構成要素を有するシクロアルキル環を形成し、R
4は、有利にはメチルまたはエチルを表す。
【0021】あるいは相応するt−アルキルマロン酸モ
ノニトリルから、ニトリル官能基をカルボン酸アミド官
能基に鹸化し(Perez-Ossorio, Alemany, An. Soc. Esp
an.[B]54, 471[1958])、かつ引き続きマロンモノカル
ボンアミド酸(Malonmonocarbonamidsaeure)をエステル
化することにより原料IIを製造することができる。
ノニトリルから、ニトリル官能基をカルボン酸アミド官
能基に鹸化し(Perez-Ossorio, Alemany, An. Soc. Esp
an.[B]54, 471[1958])、かつ引き続きマロンモノカル
ボンアミド酸(Malonmonocarbonamidsaeure)をエステル
化することにより原料IIを製造することができる。
【0022】原料IIは、具体的には以下のものが挙げ
られる:α−t−ブチルマロン酸モノアミドメチルエス
テル、α−t−ブチルマロン酸モノアミドエチルエステ
ル、α−t−ペンチルマロン酸モノアミドエチルエステ
ル、α−(1−メチル−1−フェニルエチル)−マロン
酸モノアミドエチルエステル、α−[1′−メチルシク
ロヘキシル−(1′)]−マロン酸モノアミドエチルエ
ステル、α−[2−エチルブチル−(2)]−マロン酸
モノアミドエチルエステルおよびα−[2−ベンジルプ
ロピル−(2)−マロン酸モノアミドエチルエステル。
られる:α−t−ブチルマロン酸モノアミドメチルエス
テル、α−t−ブチルマロン酸モノアミドエチルエステ
ル、α−t−ペンチルマロン酸モノアミドエチルエステ
ル、α−(1−メチル−1−フェニルエチル)−マロン
酸モノアミドエチルエステル、α−[1′−メチルシク
ロヘキシル−(1′)]−マロン酸モノアミドエチルエ
ステル、α−[2−エチルブチル−(2)]−マロン酸
モノアミドエチルエステルおよびα−[2−ベンジルプ
ロピル−(2)−マロン酸モノアミドエチルエステル。
【0023】ホフマン分解のために、塩基および次亜ハ
ロゲン酸塩、つまり次亜ハロゲン酸の塩が必要である。
次亜ハロゲン酸塩溶液には、有利には良好に入手できる
安価な次亜塩素酸塩を使用する。有利な次亜塩素酸塩
は、次亜塩素酸カリウムおよび特に漂白液とも称する水
溶液の形での次亜塩素酸ナトリウムである。次亜塩素酸
カルシウムもまた同様に使用することができるが、得ら
れる収率は低くなる。次亜ハロゲン酸塩を前記の量で使
用することは本発明の重要な特徴である。有利には原料
IIに対して1.0〜1.2当量の量で適用する。
ロゲン酸塩、つまり次亜ハロゲン酸の塩が必要である。
次亜ハロゲン酸塩溶液には、有利には良好に入手できる
安価な次亜塩素酸塩を使用する。有利な次亜塩素酸塩
は、次亜塩素酸カリウムおよび特に漂白液とも称する水
溶液の形での次亜塩素酸ナトリウムである。次亜塩素酸
カルシウムもまた同様に使用することができるが、得ら
れる収率は低くなる。次亜ハロゲン酸塩を前記の量で使
用することは本発明の重要な特徴である。有利には原料
IIに対して1.0〜1.2当量の量で適用する。
【0024】有利な塩基は、アルカリ金属水酸化物、例
えば水酸化カリウム、および特にやはり水溶液の形での
水酸化ナトリウムである。アルカリ土類金属水酸化物も
また適切であるが、しかし収率が劣る。一般に次亜ハロ
ゲン酸塩中にも存在する陽イオンを有する塩基を使用す
る。前記の塩基量は重要であり、かつプロセス効果にと
って決定的である。有利には原料II 1当量当たり塩
基を0.9〜1.2当量の量で使用する。
えば水酸化カリウム、および特にやはり水溶液の形での
水酸化ナトリウムである。アルカリ土類金属水酸化物も
また適切であるが、しかし収率が劣る。一般に次亜ハロ
ゲン酸塩中にも存在する陽イオンを有する塩基を使用す
る。前記の塩基量は重要であり、かつプロセス効果にと
って決定的である。有利には原料II 1当量当たり塩
基を0.9〜1.2当量の量で使用する。
【0025】反応は水性の塩基性環境中で行う。一般に
水の割合は反応混合物の50〜95重量%、特に60〜
90重量%である。
水の割合は反応混合物の50〜95重量%、特に60〜
90重量%である。
【0026】本発明による方法は、連続式にまたは不連
続式に実施することができる。塩基として水酸化ナトリ
ウムを、および次亜ハロゲン酸の塩として次亜塩素酸ナ
トリウムを使用する不連続式の実施態様では、まず原料
IIを、一般に0〜20℃、有利には5〜10の温度
で、約10〜15重量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に
導入する。該混合物をこの温度で約1〜5時間、有利に
は2〜3時間撹拌し、次いで水酸化ナトリウムを通常5
〜50重量%の水性苛性ソーダ溶液として反応混合物に
添加し、かつ40〜100℃、有利には60〜80℃の
温度に加熱する。温度に応じて反応は2分〜3時間後
に、有利には5分〜2時間後に終了する。
続式に実施することができる。塩基として水酸化ナトリ
ウムを、および次亜ハロゲン酸の塩として次亜塩素酸ナ
トリウムを使用する不連続式の実施態様では、まず原料
IIを、一般に0〜20℃、有利には5〜10の温度
で、約10〜15重量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液に
導入する。該混合物をこの温度で約1〜5時間、有利に
は2〜3時間撹拌し、次いで水酸化ナトリウムを通常5
〜50重量%の水性苛性ソーダ溶液として反応混合物に
添加し、かつ40〜100℃、有利には60〜80℃の
温度に加熱する。温度に応じて反応は2分〜3時間後
に、有利には5分〜2時間後に終了する。
【0027】反応混合物の冷却後に、生成物Iを上部の
有機相として分離する。下部の水相を、不活性有機溶剤
を用いて抽出し、さらに生成物が得られる。合した有機
相から乾燥により有機溶剤を除去することができる。こ
のようにして粗製エステルが得られ、該エステルを蒸留
および/または酸性の抽出とその後の酸性抽出液のアル
カリ化および不活性有機溶剤での抽出により精製するこ
とができる。こうしてガスクロマトグラフィーにより測
定した純度>98%を有する相応するアミノ酢酸のエス
テルが約80%の収率で得られる。
有機相として分離する。下部の水相を、不活性有機溶剤
を用いて抽出し、さらに生成物が得られる。合した有機
相から乾燥により有機溶剤を除去することができる。こ
のようにして粗製エステルが得られ、該エステルを蒸留
および/または酸性の抽出とその後の酸性抽出液のアル
カリ化および不活性有機溶剤での抽出により精製するこ
とができる。こうしてガスクロマトグラフィーにより測
定した純度>98%を有する相応するアミノ酢酸のエス
テルが約80%の収率で得られる。
【0028】エナンチオマーが富化された原料IIを記
載の通りに反応させると、エナンチオマーが富化された
アミノ酢酸エステルIが同じ収率および純度で、原料の
エナンチオマー純度を維持したまま得られる。
載の通りに反応させると、エナンチオマーが富化された
アミノ酢酸エステルIが同じ収率および純度で、原料の
エナンチオマー純度を維持したまま得られる。
【0029】反応は、不活性有機溶剤の存在下で実施す
ることができる。該溶剤が水性の反応媒体と混合できな
い場合、形成されたアミノ酢酸エステルを抽出により反
応媒体から除去する。適切な溶剤は例えばアルコール、
例えばメタノール、エタノールおよびイソプロパノール
のように1〜10個、有利には1〜4個の炭素原子を有
するアルコール、例えばジエチルエーテルおよびメチル
−t−ブチルエーテルのように4〜10個、有利には4
〜6個の炭素原子を有するエーテル、ならびに有利には
5〜10個の炭素原子を有する炭化水素、例えばトルエ
ン、シクロヘキサンおよび50〜100℃の沸点を有す
る脂肪族炭化水素である。
ることができる。該溶剤が水性の反応媒体と混合できな
い場合、形成されたアミノ酢酸エステルを抽出により反
応媒体から除去する。適切な溶剤は例えばアルコール、
例えばメタノール、エタノールおよびイソプロパノール
のように1〜10個、有利には1〜4個の炭素原子を有
するアルコール、例えばジエチルエーテルおよびメチル
−t−ブチルエーテルのように4〜10個、有利には4
〜6個の炭素原子を有するエーテル、ならびに有利には
5〜10個の炭素原子を有する炭化水素、例えばトルエ
ン、シクロヘキサンおよび50〜100℃の沸点を有す
る脂肪族炭化水素である。
【0030】本発明による方法を、例えばEP0676
390号に記載されている作業方法と同様にして連続的
に実施することもできる。このために原料IIからなる
混合物を連続的に0〜20℃で、有利には5〜10℃で
十分な時間、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩溶液と接触
させる。次いで反応混合物にアルカリ金属水酸化物また
はアルカリ土類金属水酸化物の溶液を添加し、かつ反応
混合物を2分〜1時間、有利には2〜30分間、50〜
100℃の温度に加熱する。反応の終了後に反応混合物
を前記のとおり、連続的に、またはバッチ式に後処理す
る。連続的な後処理は、形成されたアミノ酢酸エステル
の連続的な分離を包含する。
390号に記載されている作業方法と同様にして連続的
に実施することもできる。このために原料IIからなる
混合物を連続的に0〜20℃で、有利には5〜10℃で
十分な時間、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩溶液と接触
させる。次いで反応混合物にアルカリ金属水酸化物また
はアルカリ土類金属水酸化物の溶液を添加し、かつ反応
混合物を2分〜1時間、有利には2〜30分間、50〜
100℃の温度に加熱する。反応の終了後に反応混合物
を前記のとおり、連続的に、またはバッチ式に後処理す
る。連続的な後処理は、形成されたアミノ酢酸エステル
の連続的な分離を包含する。
【0031】粗製の、または精製したアミノ酢酸エステ
ルIを、例えばイェーガー等(D. A.Jaeger, M. D. Broa
dhurst, D. J. Cram, J. Am. Chem. Soc. 101(1979), 7
17)により記載されたように例えば酸性の鹸化により遊
離のアミノ酢酸Iに変換することができる。第三級炭化
水素基の保護作用は、カルボン酸エステル基を酸性の鹸
化から保護するためには明らかに十分ではない。
ルIを、例えばイェーガー等(D. A.Jaeger, M. D. Broa
dhurst, D. J. Cram, J. Am. Chem. Soc. 101(1979), 7
17)により記載されたように例えば酸性の鹸化により遊
離のアミノ酢酸Iに変換することができる。第三級炭化
水素基の保護作用は、カルボン酸エステル基を酸性の鹸
化から保護するためには明らかに十分ではない。
【0032】以下の例は本発明をさらに詳細に説明する
が、特許請求の範囲に定義されているように、その保護
範囲を制限するものではない。
が、特許請求の範囲に定義されているように、その保護
範囲を制限するものではない。
【0033】
【実施例】例1 撹拌容器中でt−ブチルマロン酸モノエチルエステルア
ミド10g(0.053モル)を11.7重量%の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液36.9g(0.058モル)
および水10g中、0〜5℃で撹拌した。3時間後に固
体は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性
ソーダ溶液10.6g(0.053モル)を添加し、か
つ反応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。そ
の際に反応温度は103℃に上昇した。反応混合物を室
温に冷却し、かつ有機相を分離した。水相をその都度メ
チル−t−ブチルエーテル100mlで2回抽出した。
合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ溶剤
を除去した。内標準としてジオキサンを用いてガスクロ
マトグラフィーにより測定し、2−t−ブチル−アミノ
酢酸エチルエステル(=t−ロイシンエチルエステル)
6.32g(75%)の収量が得られた。
ミド10g(0.053モル)を11.7重量%の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液36.9g(0.058モル)
および水10g中、0〜5℃で撹拌した。3時間後に固
体は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性
ソーダ溶液10.6g(0.053モル)を添加し、か
つ反応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。そ
の際に反応温度は103℃に上昇した。反応混合物を室
温に冷却し、かつ有機相を分離した。水相をその都度メ
チル−t−ブチルエーテル100mlで2回抽出した。
合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ溶剤
を除去した。内標準としてジオキサンを用いてガスクロ
マトグラフィーにより測定し、2−t−ブチル−アミノ
酢酸エチルエステル(=t−ロイシンエチルエステル)
6.32g(75%)の収量が得られた。
【0034】例2 撹拌容器中でt−ブチルマロン酸モノエチルエステルア
ミド10g(0.053モル)を11.7重量%の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液36.9g(0.058モル)
および水10g中、0〜5℃で撹拌した。3時間後に固
体は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性
ソーダ溶液10.6g(0.053モル)を添加し、か
つ反応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。そ
の際に反応温度は104℃に上昇した。反応混合物を室
温に冷却し、かつ有機相を分離した。水相をその都度メ
チル−t−ブチルエーテル50mlで2回抽出した。合
した有機相を5重量%の塩酸で数回抽出した。その後、
希釈した苛性ソーダ溶液で合した酸性の抽出液をアルカ
リ性に調整し、かつ改めてメチル−t−ブチルエーテル
で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、か
つ溶剤を除去した。GCにより測定した純度>98%を
有するt−ロイシンエチルエステル6.2g(74%)
が得られた。
ミド10g(0.053モル)を11.7重量%の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液36.9g(0.058モル)
および水10g中、0〜5℃で撹拌した。3時間後に固
体は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性
ソーダ溶液10.6g(0.053モル)を添加し、か
つ反応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。そ
の際に反応温度は104℃に上昇した。反応混合物を室
温に冷却し、かつ有機相を分離した。水相をその都度メ
チル−t−ブチルエーテル50mlで2回抽出した。合
した有機相を5重量%の塩酸で数回抽出した。その後、
希釈した苛性ソーダ溶液で合した酸性の抽出液をアルカ
リ性に調整し、かつ改めてメチル−t−ブチルエーテル
で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、か
つ溶剤を除去した。GCにより測定した純度>98%を
有するt−ロイシンエチルエステル6.2g(74%)
が得られた。
【0035】例3 撹拌容器にt−ブチルマロン酸モノエチルエステルアミ
ド30g(0.16モル)を11.7重量%の次亜塩素
酸ナトリウム水溶液110.7g(0.174モル)お
よび水30g中、0〜5℃で撹拌した。3時間後に固体
は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性ソ
ーダ溶液31.8g(0.16モル)を添加し、かつ反
応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。その際
に反応温度は105℃に上昇した。反応混合物を室温に
冷却し、かつ有機相を分離した。水相をその都度メチル
−t−ブチルエーテル100mlで2回抽出した。合し
た有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ溶剤を除
去した。残留物を真空下で蒸留した。圧力6ミリバール
および塔頂温度75℃で18.5gのメインフラクショ
ンが得られた。これはGCにより>98%のt−ロイシ
ンエチルエステルを含有していた。つまり蒸留による収
率は79%であった。
ド30g(0.16モル)を11.7重量%の次亜塩素
酸ナトリウム水溶液110.7g(0.174モル)お
よび水30g中、0〜5℃で撹拌した。3時間後に固体
は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性ソ
ーダ溶液31.8g(0.16モル)を添加し、かつ反
応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。その際
に反応温度は105℃に上昇した。反応混合物を室温に
冷却し、かつ有機相を分離した。水相をその都度メチル
−t−ブチルエーテル100mlで2回抽出した。合し
た有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、かつ溶剤を除
去した。残留物を真空下で蒸留した。圧力6ミリバール
および塔頂温度75℃で18.5gのメインフラクショ
ンが得られた。これはGCにより>98%のt−ロイシ
ンエチルエステルを含有していた。つまり蒸留による収
率は79%であった。
【0036】例4 撹拌容器中で86%のエナンチオマー過剰量を有するt
−ブチルマロン酸モノエチルエステルアミド10g
(0.053モル)を11.7重量%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液36.9g(0.058モル)および水1
0g中、0〜5℃で撹拌した。4時間後に固体は完全に
溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性ソーダ溶液
10.6g(0.053モル)を添加し、かつ反応混合
物を3分で急速に80℃に加熱した。その際に反応温度
は100℃に上昇した。反応混合物を室温に冷却し、該
反応混合物をその都度メチル−t−ブチルエーテル50
mlで3回抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上
で乾燥させ、かつ溶剤を除去した。内標準としてジオキ
サンを用いてガスクロマトグラフィーにより測定したt
−ブチルアミノ酢酸エステル5.93g(70%)の収
量が得られた。
−ブチルマロン酸モノエチルエステルアミド10g
(0.053モル)を11.7重量%の次亜塩素酸ナト
リウム水溶液36.9g(0.058モル)および水1
0g中、0〜5℃で撹拌した。4時間後に固体は完全に
溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性ソーダ溶液
10.6g(0.053モル)を添加し、かつ反応混合
物を3分で急速に80℃に加熱した。その際に反応温度
は100℃に上昇した。反応混合物を室温に冷却し、該
反応混合物をその都度メチル−t−ブチルエーテル50
mlで3回抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム上
で乾燥させ、かつ溶剤を除去した。内標準としてジオキ
サンを用いてガスクロマトグラフィーにより測定したt
−ブチルアミノ酢酸エステル5.93g(70%)の収
量が得られた。
【0037】エナンチオマー過剰量の測定のために、希
釈した塩酸で反応混合物を抽出した。希釈した苛性ソー
ダ溶液で酸性の水相をアルカリ性に調整し、かつt−ロ
イシンのエチルエステルをメチル−t−ブチルエーテル
で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、か
つ溶剤を除去した。残留物をギ酸20gと共に2時間還
流下に加熱した。
釈した塩酸で反応混合物を抽出した。希釈した苛性ソー
ダ溶液で酸性の水相をアルカリ性に調整し、かつt−ロ
イシンのエチルエステルをメチル−t−ブチルエーテル
で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、か
つ溶剤を除去した。残留物をギ酸20gと共に2時間還
流下に加熱した。
【0038】蒸留によりギ酸を除去した後、N−ホルミ
ル−t−ロイシンエチルエステルが残留した。キラルな
GCカラムを用いた分析によれば(R)−t−ロイシン
エチルエステルのエナンチオマー過剰量は、84%であ
った。
ル−t−ロイシンエチルエステルが残留した。キラルな
GCカラムを用いた分析によれば(R)−t−ロイシン
エチルエステルのエナンチオマー過剰量は、84%であ
った。
【0039】例5(比較例) 撹拌容器中でn−ブチルマロン酸モノエチルエステルア
ミド5g(0.026モル)を13重量%の次亜塩素酸
ナトリウム水溶液16.27g(0.028モル)およ
び水10g中、0〜5℃で3時間撹拌した。その後、固
体は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性
ソーダ溶液5.2g(0.026モル)を添加し、かつ
反応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。その
際に反応温度は84℃に上昇した。反応混合物を室温に
冷却し、かつその都度メチル−t−ブチルエーテル10
0mlで3回抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム
上で乾燥させ、かつ溶剤を除去した。残留物として約
0.2gの有機物質が残留したのみであり、該物質は2
−アミノ酪酸エチルエステルを含有していなかった。反
応の際に生じた2−アミノ酪酸は、水相中のナトリウム
塩として残留した。つまりエチルエステルはこの方法に
よっては製造することができなかった。
ミド5g(0.026モル)を13重量%の次亜塩素酸
ナトリウム水溶液16.27g(0.028モル)およ
び水10g中、0〜5℃で3時間撹拌した。その後、固
体は完全に溶解した。引き続き低温で20重量%の苛性
ソーダ溶液5.2g(0.026モル)を添加し、かつ
反応混合物を2.5分で急速に80℃に加熱した。その
際に反応温度は84℃に上昇した。反応混合物を室温に
冷却し、かつその都度メチル−t−ブチルエーテル10
0mlで3回抽出した。合した有機相を硫酸ナトリウム
上で乾燥させ、かつ溶剤を除去した。残留物として約
0.2gの有機物質が残留したのみであり、該物質は2
−アミノ酪酸エチルエステルを含有していなかった。反
応の際に生じた2−アミノ酪酸は、水相中のナトリウム
塩として残留した。つまりエチルエステルはこの方法に
よっては製造することができなかった。
Claims (8)
- 【請求項1】 式I: 【化1】 [式中、R1、R2およびR3は、同一または異なった炭
化水素基を表し、その都度これらの基の2つは、該基を
置換する炭素原子と共に炭素環を形成してもよく、かつ
R4は、水素または1〜4個の炭素原子を有するアルキ
ル基を表す]のα−位に第三級炭化水素基を有するアミ
ノ酢酸エステルを、式II: 【化2】 [式中、R1、R2、R3およびR4は、前記のものを表
す]の相応するα−置換されたマロン酸モノアミドエス
テルから、水性で塩基性の環境で次亜ハロゲン酸塩を用
いるホフマン分解により製造する方法において、原料I
I 1モル当たり、次亜ハロゲン酸塩を1.0〜1.5
当量の量で、および塩基を0.8〜1.5当量の量で使
用することを特徴とする、α−位に第三級炭化水素基を
有するアミノ酢酸エステルの製造方法。 - 【請求項2】 原料II 1モル当たり、次亜ハロゲン
酸塩を1.0〜1.2当量の量で、および塩基を0.9
〜1.2当量の量で使用する、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 次亜ハロゲン酸塩として、次亜塩素酸ア
ルカリ金属塩を、および塩基としてアルカリ金属水酸化
物を使用する、請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】 次亜塩素酸アルカリ金属塩が次亜塩素酸
ナトリウムであり、かつアルカリ金属水酸化物が水酸化
ナトリウムである、請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 まず原料IIに0〜20℃で1〜5時間
次亜塩素酸塩溶液を作用させ、次いで塩基を添加し、温
度を40〜100℃に上昇させ、反応を1〜5時間継続
させ、かつ生じたアミノ酢酸エステルIを上部の有機相
として反応混合物から分離することにより、プロセスを
不連続的に実施する、請求項1から4までのいずれか1
項記載の方法。 - 【請求項6】 原料IIからなる混合物を連続的に0〜
20℃で十分な時間次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩溶液
と接触させ、該反応混合物にアルカリ金属水酸化物また
はアルカリ土類金属水酸化物の溶液を添加し、該反応混
合物を2分〜1時間、50〜100℃の温度に加熱し、
かつ反応の終了後に、生じたアミノ酢酸エステルIの連
続的な分離を含めて連続的に後処理することにより、プ
ロセスを連続的に実施する、請求項1から4までのいず
れか1項記載の方法。 - 【請求項7】 反応を不活性有機溶剤の存在下で実施す
る、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。 - 【請求項8】 溶剤として、アルコール、エーテルまた
は炭化水素を使用する、請求項7記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE19830632A DE19830632A1 (de) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | Verfahren zur Herstellung von Aminoessigsäureestern mit alpha-ständigem tertiären Kohlenwasserstoffrest |
DE19830632.6 | 1998-07-09 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000044521A true JP2000044521A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=7873418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11191879A Pending JP2000044521A (ja) | 1998-07-09 | 1999-07-06 | α―位に第三級炭化水素基を有するアミノ酢酸エステルの製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6100424A (ja) |
EP (1) | EP0970944B1 (ja) |
JP (1) | JP2000044521A (ja) |
DE (2) | DE19830632A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103709054B (zh) * | 2013-12-23 | 2016-06-29 | 广州天科生物科技有限公司 | 一种dl-亮氨酸的制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0812822B1 (de) * | 1996-06-10 | 1999-07-28 | Hüls Aktiengesellschaft | Verfahren zur Herstellung von Aminoessigsäuren mit alpha-ständigem tertiären Kohlenwasserstoffrest oder deren Nitrilen |
-
1998
- 1998-07-09 DE DE19830632A patent/DE19830632A1/de not_active Withdrawn
-
1999
- 1999-06-04 EP EP99110788A patent/EP0970944B1/de not_active Expired - Lifetime
- 1999-06-04 DE DE59901042T patent/DE59901042D1/de not_active Expired - Fee Related
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- 1999-07-09 US US09/350,102 patent/US6100424A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0970944B1 (de) | 2002-03-27 |
US6100424A (en) | 2000-08-08 |
DE19830632A1 (de) | 2000-01-13 |
EP0970944A1 (de) | 2000-01-12 |
DE59901042D1 (de) | 2002-05-02 |
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