JPH05286919A - 2−アミノニトリルラセミ体の製造法 - Google Patents

2−アミノニトリルラセミ体の製造法

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JPH05286919A
JPH05286919A JP4115350A JP11535092A JPH05286919A JP H05286919 A JPH05286919 A JP H05286919A JP 4115350 A JP4115350 A JP 4115350A JP 11535092 A JP11535092 A JP 11535092A JP H05286919 A JPH05286919 A JP H05286919A
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JP
Japan
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aminonitrile
amino
optically active
solvent
compound
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JP4115350A
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English (en)
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Akiko Wakamoto
明子 若本
Toshimasa Katagiri
利真 片桐
Keizo Furuhashi
敬三 古橋
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 光学活性な2−アミノニトリルを、有機溶媒
中で青酸化合物と作用させて光学活性な2−アミノニト
リルをラセミ体に変換し、これを取得することよりなる
2−アミノニトリルラセミ体の製造法。 【効果】 光学活性な2−アミノニトリルを温和な条件
で効率よくラセミ化することができる。得られたラセミ
体は、光学活性α−アミノ酸の製造原料として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性な2−アミノ
ニトリルを青酸化合物の作用によりラセミ化しラセミ体
の2−アミノニトリルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成法による光学活性α−アミノ酸の製
造では、ストレッカー法或はその変法を用いてラセミ化
α−アミノ酸を合成し、ついで当該アミノ酸を光学分割
して光学活性α−アミノ酸を製造している。そして、ス
トレッカー法によるα−アミノ酸合成における合成中間
体のラセミ化2−アミノニトリルから微生物を利用して
光学活性なα−アミノ酸を製造しようとする試みがこれ
まで多数報告されてきた〔文献1:Y. Fukuda, et al.,
J. Ferment, Technol., 49, 1011(1971);文献2:特表
昭63-500004 号公報;文献3:J. C. Jallageas et a
l., Adv. Biochem.Engineer., 14, 1(1980)〕。これら
の文献に記載されている方法は原理的にはニトリル加水
分解酵素による速度論的光学分割であるが、文献には、
残存する光学活性な2−アミノニトリルのラセミ化の工
程が含まれておらず、引き続きこの光学活性な2−アミ
ノニトリルが加水分解されているので結局生成するのは
ラセミ体(文献1)あるいは光学純度の低いアミノ酸
(文献2)であったり、あるいはL体のアミノ酸とD体
のアミノ酸アミドとの混合物(文献3)である。本発明
のラセミ化工程をこれらの方法に加えることにより、ニ
トリル加水分解酵素により、水解されずに残存する光学
活性な2−アミノニトリルをラセミ化し、次いでこれを
不斉水解するようにできるため、この工程を繰り返すこ
とにより高光学純度の光学活性なアミノ酸を収率良く合
成することができる。
【0003】2−アミノニトリルのラセミ化方法は、酒
石酸類による光学分割の際にラセミ化を同時に行う方法
(USP4,683,324、特開昭48-13341号公報、特開昭53-710
21号公報、特開昭54-48729号公報) が知られており、ケ
トン、アルデヒドを添加すると反応速度および収率が向
上することが記載されている。しかしながら、ラセミ化
の速度は極めて遅く、また、ラセミ化だけを行う方法は
知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は光学活性な2
−アミノニトリルを温和な条件で効率よくラセミ化する
方法を提供することを目的とする。またさらに、本発明
は、高光学純度の光学活性アミノ酸製造の原料となる2
−アミノニトリルラセミ体を収率よく得ることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、青酸化合物を有機
溶媒中で光学活性な2−アミノニトリル化合物と作用さ
せると、光学活性な2−アミノニトリル化合物が、容易
にラセミ化することを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、
次の一般式(1)及び(2)で示される光学活性な2−
アミノニトリルを有機溶媒中で青酸化合物と作用させて
光学活性な2−アミノニトリルを一般式に相当するラセ
ミ体のα−ニトリル化合物に変換し、これを取得するこ
とよりなる2−アミノニトリルラセミ体の製造法であ
る。
【0006】
【化1】
【化2】 (ただし、式中、Rはアルキル基、置換アルキル基、フ
ェニル基、置換フェニル基、イミダゾリル基、置換イミ
ダゾリル基、インドリル基、置換インドリル基、フリル
基、置換フリル基、ピリジル基、置換ピリジル基、チア
ゾリル基、置換チアゾリル基を示す)。
【0007】本発明におけるニトリル化合物としては、
2−アミノプロパンニトリル、2−アミノブタンニトリ
ル、2−アミノ−3−メチルブタンニトリル、2−アミ
ノ−4−メチルペンタンニトリル、2−アミノ−3−メ
チルペンタンニトリル、2−アミノ−3−ヒドロキシプ
ロパンニトリル、2−アミノ−3−ヒドロキシブタンニ
トリル、2−アミノ−5−グアニジノペンタンニトリ
ル、2−アミノ−3−メチルカプトプロパンニトリル、
2,7−ジアミノ−4,5−ジチアオクタンニトリル、
2−アミノ−4−メチルチオブタンニトリル、2−アミ
ノ−3−フェニルプロパンニトリル、3−(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンニトリル、2,6−ジアミノヘ
キサンニトリル、2,6−ジアミノ−5−ヒドロキシヘ
キサンニトリル、2−アミノ−3−(3−インドリル)
プロパンニトリル、2−アミノ−3−(4−イミダゾリ
ル) プロパンニトリル、2−アミノ−2−フェニルエタ
ンニトリル等を例示しうる。
【0008】本発明において原料の光学活性な2−アミ
ノニトリルに、青酸化合物を作用させて2−アミノニト
リルラセミ体を生産するには、例えば次の方法を適用す
るとよい。すなわち、有機溶媒中で青酸化合物と、原料
の光学活性な2−アミノニトリルとを接触させて反応さ
せる。上記の反応では種々の有機溶媒を使いうるが、好
ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イ
ソプロパノール、n-ブタノール等のアルコール類を例示
しうる。あるいは、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘ
キサン、イソオクタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチ
ルなどの溶媒と先に述べたアルコール類との混合溶媒な
どを例示しうる。またその混合比率はどのような割合で
もよい。しかし、好ましくは、ベンゼン:メタノール
を、85:15v/v の比率で用いるのがよい。青酸化合物と
しては、シアン化リチウム(LiCN)、シアン化ナトリウム
(NaCN)、シアン化カリウム(KCN) などがあげられる。反
応は、温度20〜50℃の範囲で10分〜1時間行なう。上記
反応により生成した2−アミノニトリルラセミ体は、相
分離、濾過、抽出、カラムクロマトグラフィー等の公知
の手段を適用して分離、採取する。
【0009】次に本発明の実施例を挙げて、本発明を具
体的に説明する。
【実施例1】 溶媒の調製 メタノールをモレキュラーシーブにより脱水して溶媒と
した。 ラセミ化 上記の無水メタノール5mlを、直径24mmの試験管に収容
し、これにシアン化カリウムKCN 5mgを青酸化合物とし
て光学純度98%eeのD−2−アミノ−2−フェニルエタ
ンニトリル50mgと共に加えて密栓し、40℃、300rpmで10
分間振盪を行なった。反応終了後、溶媒を留去し、これ
にベンゼン:ヘキサン(1:1)の溶液を加えて再結晶
して、2−アミノ−2−フェニルエタンニトリルの結晶
を得た。この結晶をヘキサン:2−プロパノール(9:
1)の溶液に溶解し、高速液体クロマトグラフィーで分
析した。得られた2−アミノ−2−フェニルエタンニト
リルの絶対配置と光学純度の決定にはカラム充填剤とし
て、CHIRALCEL OJ(ダイセル化学工業社製)を用いた。
結果は表1に示すとおりである。
【0010】
【表1】
【0011】
【比較例1】 溶媒の調製 メタノールをモレキュラーシーブにより脱水して溶媒と
した。 ラセミ化 上記の無水メタノール5mlを、直径24mmの試験管に収容
し、これに光学純度98%eeのD−2−アミノ−2−フェ
ニルエタンニトリル50mgを加えて密栓し、40℃、300rpm
で10分間振盪を行なった。反応終了後、溶媒を留去し、
これにベンゼン:ヘキサン(1:1)の溶液を加えて再
結晶を行い、2−アミノ−2−フェニルエタンニトリル
を得た。これをヘキサン:2−プロパノール(9:1)
の溶液に溶解し、高速液体クロマトグラフィーで分析し
た。得られた2−アミノ−2−フェニルエタンニトリル
の絶対配置と光学純度の決定にはカラム充填剤として、
CHIRALCEL OJ(ダイセル化学工業社製)を用いた。結果
は表2に示すとおりである。
【0012】
【表2】
【0013】
【実施例2】 溶媒の調製 ベンゼンとメタノールを85:15v/v の割合に混合した。 ラセミ化 上記の混合溶媒5mlを、直径24mmの試験管に収容し、こ
れにシアン化カリウムKCN 5mgを青酸化合物として光学
純度98%eeのD−2−アミノ−2−フェニルエタンニト
リル50mgとともに加えて密栓し、40℃、300rpmで40分間
振盪を行なった。反応終了後、有機溶媒相を高速液体ク
ロマトグラフィーで分析した。得られた2−アミノ−2
−フェニルエタンニトリルの絶対配置と光学純度の決定
にはカラム充填剤として、CHIRALCEL OJ(ダイセル化学
工業社製)を用いた。結果は表3に示すとおりである。
【0014】
【表3】
【0015】
【比較例2】 溶媒の調製 ベンゼンとメタノールを85:15v/v の割合に混合した。 ラセミ化 上記の混合溶媒2mlを、直径24mmの試験管に収容し、光
学純度98%eeのD−2−アミノ−2−フェニルエタンニ
トリル5mgを加えて密栓し、40℃、300rpmで6時間振盪
を行なった。反応終了後、有機溶媒相を高速液体クロマ
トグラフィーで分析した。得られた2−アミノ−2−フ
ェニルエタンニトリルの絶対配置と光学純度の決定には
カラム充填剤として、CHIRALCEL OJ(ダイセル化学工業
社製)を用いた。結果は表4に示すとおりである。
【0016】
【表4】
【0017】
【実施例3】 溶媒の調製 ベンゼンとメタノールを85:15v/v の割合に混合した。 ラセミ化 上記の混合溶媒5mlを、直径24mmの試験管に収容し、こ
れにシアン化カリウムKCN 5mgを青酸化合物として光学
純度64%eeのD−2−アミノ−4−メチルペンタンニト
リル5μl とともに加えて密栓し、40℃、300rpmで1時
間振盪した。 誘導体化と分析 反応終了後、ただちに2N塩酸を4ml加え撹拌した。塩酸
相を6N水酸化ナトリウムでアルカリ性とし、クロロホル
ム2mlを加えて撹拌した。クロロホルム相にトリエチル
アミン4滴と3,5−ジニトロベンゾイルクロリド5mg
加え、60℃で3時間加温した。ヘキサン:メタノール
(9:1)混合溶液に誘導体化した2−アミノ−4−メ
チルペンタンニトリル溶液を3滴加え、高速液体クロマ
トグラフィーで分析した。得られた2−アミノ−4−メ
チルペンタンニトリルの絶対配置と光学純度の決定には
カラム充填剤として、CHIRALCEL OJ(ダイセル化学工業
社製)を用いた。結果は表5に示すとおりである。
【0018】
【表5】
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によると、光学活性2−ア
ミノニトリルに、有機溶媒中で青酸化合物を作用させ、
ニトリルを温和な条件でラセミ2−アミノニトリルに変
換するので、反応副生成物が少なく、収率よくラセミ体
を得ることができる。得られる2−アミノニトリルラセ
ミ体は、光学活性なα−アミノ酸類の製造原料として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 277/08 279/14 6917−4H 319/20 319/22 323/52 7419−4H // C07D 209/20 9283−4C 233/64 106

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性な2−アミノニトリルを、有機
    溶媒中で青酸化合物と作用させて光学活性2−アミノニ
    トリルをラセミ体に変換し、これを取得することを特徴
    とする2−アミノニトリルラセミ体の製造法。
JP4115350A 1992-04-08 1992-04-08 2−アミノニトリルラセミ体の製造法 Pending JPH05286919A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4115350A JPH05286919A (ja) 1992-04-08 1992-04-08 2−アミノニトリルラセミ体の製造法

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ID=14660351

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6521561B1 (en) 1998-05-01 2003-02-18 President And Fellows Of Harvard College Main-group metal based asymmetric catalysts and applications thereof
WO2004046088A1 (en) * 2002-11-21 2004-06-03 Dsm Ip Assets B.V. Process for the racemisation of enantiomerically enriched alpha-amino nitriles

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US6521561B1 (en) 1998-05-01 2003-02-18 President And Fellows Of Harvard College Main-group metal based asymmetric catalysts and applications thereof
US6844448B2 (en) 1998-05-01 2005-01-18 President And Fellows Of Harvard College Main-group metal-based asymmetric catalysts and applications thereof
WO2004046088A1 (en) * 2002-11-21 2004-06-03 Dsm Ip Assets B.V. Process for the racemisation of enantiomerically enriched alpha-amino nitriles

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