JP2000044223A - 炭化珪素の製造方法 - Google Patents

炭化珪素の製造方法

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JP2000044223A
JP2000044223A JP10213271A JP21327198A JP2000044223A JP 2000044223 A JP2000044223 A JP 2000044223A JP 10213271 A JP10213271 A JP 10213271A JP 21327198 A JP21327198 A JP 21327198A JP 2000044223 A JP2000044223 A JP 2000044223A
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silicon carbide
powder
purity
kneading
sic
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JP10213271A
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Hiroyuki Fujimori
洋行 藤森
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時に不純物の混入および固溶を極力低減さ
せることにより、高純度の炭化珪素を得る炭化珪素の製
造方法を提供する。 【解決手段】超高純度Si粉末1および超高純度C粉末
2の焼結により混練容器および混練棒を得た後、混練容
器の内周面および混練棒の外周面に気相反応法により超
高純度SiC膜を形成し、得られた混練容器および混練
棒を用いて炭化珪素を生成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造時における不
純物の混入および固溶を極力低減させた炭化珪素の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体製造工程においては、石英
ガラス製またはシリコン製の治具および半導体製造用部
品などが主に使用されてきた。石英ガラス製の治具およ
び部品は、石英のひずみ点が約1100℃と低いため、
熱処理中に変形または歪みを生じ易く、また高温で長時
間保持されるとα−クリストバライトへの転移により失
透して破壊することがあった。このため、石英ガラスを
熱処理用治具などに適用する場合には、高温度熱処理の
使用条件下では寿命がかなり制限されていた。一方、シ
リコン製の治具および部品は、靭性が低くまた成形加工
上の制約が多いことから、工業的に適用するにはいくつ
かの解決すべき問題を有していた。
【0003】炭化珪素は高温において化学的に安定で耐
食性に優れており、また高温度における強度および剛性
が前述した石英ガラスに比べてはるかに高い。このた
め、近年において、一部では炭化珪素焼結体による治具
も使用されているが、炭化珪素は、拡散熱処理時に金属
不純物ガスを発生するなどの問題を有するため、高品質
のウェハーなどの製造工程にはあまり使用されていない
のが現状である。
【0004】炭化珪素には高温側で安定なα型(六方晶
系)と低温側で安定なβ型(立方晶系)の二つの結晶形
がある。工業的には低温側で安定なβ型の方がより均質
で高純度の粉末を得やすいため、治具の製造にはβ型炭
化珪素粉末が適している。
【0005】炭化珪素粉体の製造方法としては、従来よ
りアチソン法が用いられ、この方法によりバルク状炭化
珪素を粉砕して所定の処理を施す方法が工業的製法とし
て確立されている。
【0006】また、β型SiCは立方晶系に属し、その
生成温度は2Hを除くα型SiCより比較的低温であ
る。したがって、β型SiC粉末を製造するためには、
低温で均一反応させる技術が重要であり、例えば、シリ
コンと炭素との直接反応法、炭素とシリカとによる還元
反応、気相反応法(CVD法:chemical vapor deposi-
tion )、ガス蒸発法および有機珪素ポリマーの熱分解
法などの方法が開発されている。
【0007】シリコンと炭素との直接反応法は、Si+
C→SiCで示される。この方法では、1000〜14
00℃の温度で加熱して炭化珪素が得られるが、得られ
た粉末は粒径が粗く、また金属が残留しやすい。
【0008】炭素とシリカとによる還元反応は、SiO
+3C→SiC+2COで示され、この方法が一般に
商品化されているβ型SiC粉末の製造方法である。安
価なシリカとコークスなどの炭素とを使用して、150
0〜1900℃に加熱して比較的高純度の微細な粉末が
得られるので工業化されている。
【0009】気相反応法(CVD法)は、SiCl
CH→SiC+4HClおよびCHSiCl→S
iC+3HClで示される。
【0010】この方法では、SiClとCHあるい
はCHSiClなどの熱分解によりβ型SiC粉末
を製造している。この方法で得た粉末は、高純度な出発
原料を使用することにより極めて金属不純物が少なく、
また球状形の超微粉末を得ることができるが、粒子の凝
集が大きくまた塩素が粉末に吸着し残りやすいという問
題を有する。
【0011】ガス蒸発法は、シリコンと炭素との間でア
ーク放電することにより、粒子径50nm以下のβ型S
iC超微粒子を得ることができる。
【0012】有機珪素ポリマーの熱分解法は、
【化1】 で示され、ポリカルボシランなどの化合物を非酸化性雰
囲気において熱分解することにより得る方法である。
【0013】上述したように、炭化珪素の製造方法は種
々の方法が存在するが、アチソン法が一般的であり、か
つそのほとんどを占めている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アチソン法による炭化珪素の製造方法では、不純物が混
入および固溶しやすいことなどから、超高純度を必要と
する半導体向け材料を製造するには問題を有していた。
【0015】具体的には、アチソン法によるバルク状炭
化珪素を粉砕して所定の処理を施す方法においては、そ
の製造中に粉砕工程が不可欠である。このため、粉砕工
程において不純物が混入および固溶し易く、また炭化珪
素の粒径および粒状の制御が困難であるなどの問題を有
していた。つまり、製造方法はもとより、使用する周辺
装置、環境および加工の有無など不純物が入るもとを絶
たなければ、超高純度のSiC原料はできないため、従
来においては、超高純度の炭化珪素を製造する方法は無
かった。
【0016】本発明は、上述した問題を解決するために
なされたものであり、製造時に不純物の混入および固溶
を極力低減させることにより、高純度の炭化珪素を得る
炭化珪素の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の炭化珪素
の製造方法は、超高純度Si粉末および超高純度C粉末
の焼結により混練容器および混練棒を得た後、前記混練
容器の内周面および前記混練棒の外周面に気相反応法に
より超高純度SiC膜を形成し、得られた前記混練容器
および前記混練棒を用いて炭化珪素を生成したことを特
徴とする。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の炭
化珪素の製造方法において、混練容器内に超高純度Si
粉末および超高純度C粉末を原子量%で1対1に調合し
た原料粉末を投入後、10−1〜10−6Paの真空ま
たは超高純度不活性ガス雰囲気で前記原料粉末を混練棒
により混ぜ合わせ、アモルファス状または結晶体の炭化
珪素を生成したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施形態
を図1を用いて説明する。
【0020】図1は、炭化珪素の製造方法を示す概略図
である。
【0021】まず、図1(a)に示すように、不純物濃
度が理論上ゼロである高純度のシリコン粉末1と高純度
の炭素粉末2とを準備した。
【0022】高純度のシリコン粉末1としては、チョク
ラルスキー法(引き抜き法)により引き上げられた実質
的に不純物を含まないシリコン単結晶を、後述するSi
C乳鉢またはSiCコート乳鉢で粉砕し、不純物含有量
が検出限界以下である1ppt以下とした平均粒径10
0nmの微粉末を得た。
【0023】高純度の炭素粉末2としては、高分子から
の黒鉛化またはサーマルブラック(カーボンブラック)
法により、不純物濃度を0.1ppm以下とした平均粒
径50〜100nmの微粉末を得た。
【0024】次に、図1(b)に示すように、混練容器
としての乳鉢3は、椀形状のSiCとSiとの材料から
なる基材4と、この基材4の内周面に形成されるSiC
膜5とから構成され、この乳鉢3の外周には図示しない
冷却機構が設けられる。
【0025】なおこの乳鉢3は、10−1から10−6
Paの真空または超高純度Ar、He、ArとHeの混
合ガス雰囲気のドライボックス内に、SiCとSiとの
材料からなる基材4を設置した後、気相反応法(CVD
法)により高純度SiC膜5を形成することにより作製
される。
【0026】そして、この乳鉢3の中に、原子量%が
1:1となるようにシリコン粉末1および炭素粉末2を
投入した。
【0027】図1(c)に示すように、図1(b)に示
す乳鉢3と同様の方法を用いて、混練棒としての乳棒6
を作製した。この乳棒6は、SiCとSiとの材料から
なる基材7と、この基材7の外周面に被覆されたSiC
膜8とから構成され、この乳棒6を用いてシリコン粉末
1と炭素粉末2とを混合した。この混合は、10−1
ら10−6Paの真空または超高純度Ar、He、Ar
とHeの混合ガス雰囲気中で、機械的に5〜10パスカ
ル以上の押圧力をかけながら、10時間混合した。
【0028】図1(d)に示すように、混合開始から
0.5時間ほどでシリコン粉末1と炭素粉末2とが反応
を始め、10時間ほどで反応がほぼ終了し、反応物9を
得た。なお混合中、乳鉢3の温度を50〜100℃に制
御した。
【0029】このようにして得られた反応物9をX線解
析したところ、結晶構造が3Cおよび2Hタイプ、アモ
ルファス構造の炭化珪素微粉末と、残部が未反応のシリ
コンと炭素との微粉末であった。この炭化珪素粉末を酸
化分析法で分析した結果、FeおよびCuなどの不純物
が10pptの範囲になっていた。なお、これらの不純
物は乳鉢3および乳棒6からのものであると考えられ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る炭化
珪素の製造方法により得られたSiC粉はその後汚染し
ない限り超高純度であることから、これを用いて造った
焼結体もまた超高純度となるため、半導体向けの熱処理
材(治具)としてCVDコートなどすることなしに使用
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における、炭化珪素の製造方
法の概略を示す図。
【符号の説明】
1 シリコン微粉末 2 炭素粉末 3 乳鉢 4 基材 5 SiC膜 6 乳棒 7 基材 8 SiC膜 9 反応物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高純度Si粉末および超高純度C粉末
    の焼結により混練容器および混練棒を得た後、前記混練
    容器の内周面および前記混練棒の外周面に気相反応法に
    より超高純度SiC膜を形成し、得られた前記混練容器
    および前記混練棒を用いて炭化珪素を生成したことを特
    徴とする炭化珪素の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の炭化珪素の製造方法にお
    いて、混練容器内に超高純度Si粉末および超高純度C
    粉末を原子量%で1対1に調合した原料粉末を投入後、
    10−1〜10−6Paの真空または超高純度不活性ガ
    ス雰囲気で前記原料粉末を混練棒により混ぜ合わせ、ア
    モルファス状または結晶体の炭化珪素を生成したことを
    特徴とする炭化珪素の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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