JP2000043737A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

車両用ステアリング装置

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JP2000043737A
JP2000043737A JP21833698A JP21833698A JP2000043737A JP 2000043737 A JP2000043737 A JP 2000043737A JP 21833698 A JP21833698 A JP 21833698A JP 21833698 A JP21833698 A JP 21833698A JP 2000043737 A JP2000043737 A JP 2000043737A
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steering angle
angle
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変舵角比操舵機構によって舵角比を変える
ようにした車両用ステアリング装置において、車両の運
転状況や運転者の好みに応じて、ステアリングハンドル
の操舵角に対する舵角比特性を適宜変更し、操舵感覚を
任意に変えるようにする。 【解決手段】 車両用ステアリング装置1は、ステアリ
ングハンドル2から操向車輪3,3に至るステアリング
系4に可変舵角比操舵機構70を備え、可変舵角比操舵
機構によって、ステアリングハンドルの操舵角に対する
操向車輪の操舵角の割合を変えるようにした装置であ
る。ステアリングハンドルと可変舵角比操舵機構の入力
軸77との間に、ステアリングハンドルの操舵角に対す
る入力軸の入力角の割合を増減させるための操舵角増減
機構30を介在させた。操舵角増減機構の増減比率を、
比率変更手段で変更させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両に搭載したステ
アリング装置に関し、特に、可変舵角比操舵機構を備え
たステアリング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ステアリング装置としては、ステ
アリングハンドルの操舵角に対する操向車輪の操舵角の
割合、すなわち、舵角比を車速に応じて自動的に変化さ
せるものがあり、例えば特開平7−257406号「車
両用可変舵角比操舵装置」の技術がある。
【0003】この技術は、その公報の図1〜図3及び図
8によれば、ステアリングホイール1(番号は公報に記
載されたものを引用した。以下同じ。)に連結した入力
軸11を、支持部材14に偏心して回転可能に支持さ
せ、支持部材14をモータ27にて回転させることで、
出力軸17に対する入力軸11の偏心量を変えるという
ものである。この結果、入力軸11の回転角に対する出
力軸17の回転角の割合、すなわち、ステアリングホイ
ール1の操舵角と車輪の操舵角との舵角比は、公報の図
5に示すように車速に応じて変わる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の可変舵角比
操舵装置は、舵角比が車速に応じて変化するので、公報
の図9で線a2に示すように、ステアリングホイール1
の回転角(操舵角)に対するラックストロークも、車速
に応じて変化することになる。しかし、車速が定まれ
ば、出力軸17に対する入力軸11の偏心量は一定であ
る。この結果、ハンドル回転角に対するラックストロー
クの特性は、車速毎に1種類の特性に機械的に定まる、
いわゆる一義的に定まる特性となってしまう。従って、
ステアリングホイール1の操舵角に対する舵角比の特性
(舵角比特性)の、設定自由度は小さい。
【0005】そこで、本発明の目的は、可変舵角比操舵
機構によって舵角比を変えるようにした車両用ステアリ
ング装置において、車両の運転状況や運転者の好みに応
じて、ステアリングハンドルの操舵角に対する舵角比特
性を適宜変更し、操舵感覚を任意に変えることができる
技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1は、車両のステアリングハンドルから操向
車輪に至るステアリング系に可変舵角比操舵機構を備
え、この可変舵角比操舵機構によって、ステアリングハ
ンドルの操舵角に対する操向車輪の操舵角の割合を変え
るようにした車両用ステアリング装置において、車両用
ステアリング装置は、ステアリングハンドルと可変舵角
比操舵機構の入力軸との間に、ステアリングハンドルの
操舵角に対する入力軸の入力角の割合を増減させるため
の操舵角増減機構を介在させ、この操舵角増減機構の増
減比率を比率変更手段で変更させるようにしたことを特
徴とする。
【0007】操舵角増減機構の増減比率が1、すなわ
ち、ステアリングハンドルの操舵角に対して、可変舵角
比操舵機構における入力軸の入力角の割合が1であれ
ば、ステアリングハンドルの操舵角と、可変舵角比操舵
機構の入力軸の入力角とは、一致する。一方、増減比率
を1より減少させたときには、ステアリングハンドルの
最大操舵角に対して、可変舵角比操舵機構における入力
軸の入力角の割合が減少する。このときには、可変舵角
比操舵機構は舵角比特性のうち、一部の範囲だけで舵角
比を変えることになる。このように、ステアリングハン
ドルの操舵角に対する操向車輪の操舵角特性を、可変舵
角比操舵機構だけでなく、操舵角増減機構によっても設
定することができる。従って、車両の運転状況や運転者
の好みに応じて、操舵角増減機構の増減比率を比率変更
手段で適宜変更することにより、操舵感覚(操舵フィー
リング)を任意に変えることができる。
【0008】請求項2は、比率変更手段が、操舵角増減
機構の増減比率を手動操作にて変更するものであること
を特徴とする。増減比率を手動で変更する形式なので、
動力で変更する形式に比べて、比率変更手段の構成は簡
単になる。
【0009】請求項3は、比率変更手段に、エンジン作
動信号を受けたときに手動操作を規制する規制手段を備
えたことを特徴とする。エンジン作動中には、規制手段
にて操舵角増減機構の増減比率を一定のままとする。こ
の結果、走行中に舵角比特性が変化せず、操舵感覚が急
激に変わることはない。
【0010】請求項4は、比率変更手段が、所定車速以
下のときに操舵角増減機構の増減比率を変更させるもの
であることを特徴とする。極めて低速走行時又は停車時
にのみ、増減比率を変えることができる。従って、高速
走行中に舵角比特性が変化して操舵感覚が急激に変わる
ことを、防止できる。
【0011】請求項5は、比率変更手段が、車両用ステ
アリング装置が故障した際の故障信号を受けたときに
は、正常時よりも操舵角増減機構の増減比率を低減させ
るものであることを特徴とする。増減比率が低減すれ
ば、ステアリングハンドルの最大操舵角に対して、可変
舵角比操舵機構における入力軸の入力角の割合は減少す
る。可変舵角比操舵機構は舵角比特性のうち、最小操舵
角に近い一部の狭い範囲だけで、舵角比を変えることに
なる。ステアリングハンドルを最大操舵角で操舵して
も、舵角比が小さいので、操舵トルクは小さくてすむ。
従って、どのような舵角比における故障時であっても、
しかも、最大操舵時であっても、操舵トルクが過大にな
ることはない。この結果、ステアリングハンドルの操縦
性が良く、ハンドルを切り易いので、車両の最小回転半
径を小さく抑えることができる。さらには、車両用ステ
アリング装置が故障したときに、正常時よりも増減比率
が低減するので、操舵感覚が変わり、運転者は故障した
ことを認識可能である。
【0012】請求項6は、比率変更手段が、増減比率の
設定が完了したことを検出するための設定完了検出手段
を備えたことを特徴とする。増減比率の設定が完了した
ときに、設定完了検出手段から検出信号を発し、この信
号に基づいて、エンジンの再始動を可能にさせることが
できる。このようにすれば、増減比率の変更中には、エ
ンジンを再始動することができないので、設定が不完全
な状態で走行することがなく、確実に設定した後に安定
した操舵感覚で操縦することができる。
【0013】請求項7は、操舵角増減機構が無段変速機
であることを特徴とする。無段変速機であれば、増減比
率を無段階に自由に設定することができる。この結果、
舵角比特性の設定自由度は高まる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る車両用ステアリング
装置の全体構成図である。車両用ステアリング装置1
は、車両のステアリングハンドル2から操向車輪3,3
に至るステアリング系4に、操舵トルクセンサ10、操
舵角増減機構30及び可変舵角比操舵機構70を、この
順に連結するようにして備えた電動パワーステアリング
装置である。詳しくは、車両用ステアリング装置1は、
ステアリングハンドル2にステアリングシャフト5を介
して、操舵トルクセンサ10付き操舵角増減機構30を
連結し、この操舵角増減機構30の出力軸37に自在継
手6,6を介して、可変舵角比操舵機構70を連結した
ものである。
【0015】ステアリングハンドル2で発生したステア
リング系4の操舵トルクを、操舵トルクセンサ10で検
出し、この検出信号に基づいて、主制御部8が制御信号
を発生し、この制御信号に基づいて操舵トルクに応じた
補助トルクを、電動機72が発生し、補助トルクを可変
舵角比操舵機構70のラック軸75に付加することがで
きる。また、車両用ステアリング装置1は、車速センサ
7で検出した車速信号と、変位センサ104で検出した
可変舵角比操舵機構70の入力軸77の偏心量信号とに
基づいて、主制御部8が車速に応じた舵角比制御信号を
発生し、この舵角比制御信号に基づいて、舵角比制御用
電動機101で可変舵角比操舵機構70を駆動して、舵
角比を制御するものである。すなわち、可変舵角比操舵
機構70によって、ステアリングハンドル2の操舵角に
対する舵角比を変えることができる。
【0016】図2は本発明に係る操舵トルクセンサ付き
操舵角増減機構の上半部の断面図であり、操舵角増減機
構30の上部に操舵トルクセンサ10を一体的に組付け
たことを示す。操舵トルクセンサ10は、ステアリング
シャフト5と操舵角増減機構30の入力軸31とをトー
ションバー11で連結し、ステアリングシャフト5と入
力軸31との間での相対ねじり変位を検出することによ
り、ステアリング系4(図1参照)の操舵トルクを検出
するものである。トーションバー(弾性部材)11は、
文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生するメン
バーであって、操舵トルクが作用すると、ステアリング
シャフト5と入力軸31との間での相対ねじり変位を発
生する。このトーションバー11は、上部を管状のステ
アリングシャフト5内に挿通してピン12で結合し、下
部を入力軸31の上部にセレーション結合したものであ
る。
【0017】詳しくは、操舵トルクセンサ10は、ステ
アリングシャフト5と入力軸31とに掛け渡すことで、
両軸5,31間の相対ねじれ変位に応じて軸方向へ変位
可能なコア13付きスライダ14と、このスライダ14
の変位量(コア13の変位量)を電気信号に変換するべ
くセンサ用ハウジング15に取付けたコイル16とから
なる、非接触式操舵トルクセンサ(可変インダクタンス
式センサ)である。更に詳しくは、円筒状のスライダ1
4に傾斜溝14aと縦長のストレート溝14bとを形成
し、傾斜溝14aにステアリングシャフト5のピン17
を嵌合し、また、ストレート溝14bに入力軸31のピ
ン18を嵌合することで、スライダ14は相対ねじり変
位に応じて軸方向へ変位可能である。図中、19は圧縮
ばね、21は軸受、22はオイルシール、23はコネク
タである。
【0018】図3は本発明に係る操舵角増減機構の下半
部の断面図である。操舵角増減機構30は、ステアリン
グハンドル2(図1参照)の操舵角に対して、可変舵角
比操舵機構70の入力軸の入力角の割合を増減させる機
能を有し、本実施の形態ではステアリングハンドル2の
操舵角を所定の割合、例えば1/6の割合で低減させる
ものであり、ギヤで2段減速する減速機構からなる。詳
しくは、操舵角増減機構30は、上記入力軸31と、入
力軸31の途中に一体に形成した第1小ギヤ32と、第
1小ギヤ32と噛み合う第1大ギヤ33と、第1大ギヤ
33と一体に形成した中間軸34と、中間軸34に一体
に形成した第2小ギヤ35と、第2小ギヤ35と噛み合
う第2大ギヤ36と、出力軸37と、これらの部材31
〜36を収納するギヤケース38とからなる。
【0019】各ギヤ32,33,35,36は平歯車で
ある。第2大ギヤ36は、ハブ36aを一体的に延長し
たハブ付きギヤであり、このハブ付きギヤは軸心上に貫
通した貫通孔36bを有し、この貫通孔36bに出力軸
37を相対回転可能に且つ軸方向移動可能に挿入したも
のである。さらに詳しくは、操舵角増減機構30は、入
力軸31と第1小ギヤ32と第2大ギヤ36とを同心に
配置し、第1小ギヤ32と第2大ギヤ36との間に且つ
ギヤケース38内にクラッチ収納スペースSを設け、入
力軸31と中間軸34とを平行に配置したものである。
【0020】ギヤケース38は、軸受41,42を介し
て入力軸31を支持し、軸受43,44を介して中間軸
34を支持し、軸受45,46を介してハブ36aの外
周を支持することになる。このようなギヤケース38
は、上ケース38aと下ケース38bと下部リッド38
cとを重ねて、ボルト止めするとともに、上ケース38
aの上部をセンサ用ハウジング15(図2参照)の下部
とボルト止めしたものである。
【0021】本発明は、操舵角増減機構30の増減比率
を、比率変更手段50で変更させるようにしたことを特
徴とする。本実施の形態における比率変更手段50は、
入力軸31の回転数を等速で出力軸37に伝達する
か、または、入力軸31の回転数を各ギヤ32,3
3,35,36にて減速して出力軸37に伝達するかを
選択して、切換えることにより、入力軸31(ステアリ
ングハンドル)の操舵角に対する出力軸37の入力角の
割合、すなわち、図1に示す可変舵角比操舵機構70の
入力軸77における入力角の割合(増減比率)を、変更
するものである。
【0022】具体的には、比率変更手段50は、クラッ
チ収納スペースSで入・出力軸31,37と同心に配置
したクラッチ機構である。このクラッチ機構は、上クラ
ッチ51と下クラッチ52との組合せ構造であり、これ
らの上・下クラッチ51,52は、例えば「つめクラッ
チ」である。上クラッチ51は、入力軸31の下端部3
1aにセレーション結合した入力側クラッチ半体53
と、出力軸37の上端部37aにセレーション結合した
出力側クラッチ半体54とからなる。入力側クラッチ半
体53の下端のクラッチ爪53a…(…は複数を示す。
以下同じ。)と、出力側クラッチ半体54の上端のクラ
ッチ爪54a…とが、噛み合い可能である。下クラッチ
52は、出力側クラッチ半体54と、第2大ギヤ36の
上端面に形成したクラッチ爪36c…とからなる。出力
側クラッチ半体54の下端のクラッチ爪54b…と、第
2大ギヤ36のクラッチ爪36c…とが、噛み合い可能
である。
【0023】ところで、出力軸37は、スライダ55を
相対回転可能に且つ軸方向移動不能に取付けたものであ
る。上記ギヤケース38は、スライダ55を介して出力
軸37を回転可能に且つ軸方向移動可能に支持し、メタ
ル軸受56を介して出力側クラッチ半体54を回転可能
に且つ軸方向移動可能に支持することになる。出力軸3
7が軸方向へ移動したときに、図1に示す2個の自在継
手6,6がスイングして移動量を吸収するので、軸方向
移動作用は円滑である。57,57は抜止め用ボルト、
58は止め輪である。
【0024】比率変更手段50は、操舵角増減機構30
の増減比率を手動操作にて変更するための、切換えレバ
ー機構60を備える。具体的には、上・下クラッチ5
1,52を切換えレバー機構60で切換えるものであ
る。切換えレバー機構60は、ギヤケース38に取付け
た支軸61と、支軸61にスイング可能に支承された切
換えレバー62と、切換えレバー62の長孔62aに嵌
合するべくスライダ55から延ばした切換えピン63
と、切換えレバー62のスイング位置を保持するための
節度機構(クリック機構)64とからなる。切換えピン
63は、例えば、基端をスライダ55にねじ込んだボル
トであり、ギヤケース38の長孔38dを貫通して、先
端を切換えレバー62の長孔62aに嵌合するものであ
る。切換えピン63が上下方向に移動することにより、
スライダ55を介して出力軸37が軸方向に移動し、上
・下クラッチ51,52を切換える。
【0025】図4(a),(b)は本発明に係る切換え
レバー機構の説明図であり、切換えレバー62のスイン
グ範囲を、(a)の左スイング位置Slと(b)の右ス
イング位置Srの間に設定するために、左右2個のスト
ッパ65L,65Rを配置したことを示す。左スイング
位置Slは、図3の上クラッチ51を噛み合わせる位置
であり、右スイング位置Srは、下クラッチ52を噛み
合わせる位置である。切換えレバー62の長孔62a
は、支軸61の位置と逆向きの円弧孔であり、この円弧
孔は、切換えレバー62を左スイング位置Slから右ス
イング位置Srへ切換えたときに、切換えピン63を寸
法Hだけ押し下げるような形状である。
【0026】上記比率変更手段50(図3参照)は、操
舵角増減機構30の増減比率の設定が完了したことを検
出するための、第1・第2設定完了検出手段66L,6
6Rを備えたことを特徴とする。本実施の形態における
第1・第2設定完了検出手段66L,66Rは、切換え
レバー62のスイング方向両側に配置した2個のリミッ
トスイッチである。詳しくは、第1設定完了検出手段6
6Lは、左スイング位置Slで切換えレバー62に接す
ることで、上クラッチ51の噛合せ設定完了を検出し、
「上クラッチ噛合い信号」を発する。第2設定完了検出
手段66Rは、右スイングSr位置で切換えレバー62
に接することで、下クラッチ52の噛合せ設定完了を検
出し、「下クラッチ噛合い信号」を発する。
【0027】上記主制御部8は、第1・第2設定完了検
出手段66L,66Rの上クラッチ噛合い信号や下クラ
ッチ噛合い信号に基づいて、エンジン制御部67に「エ
ンジン再始動可能信号」を発する機能を有する。エンジ
ン制御部67は、「エンジン再始動可能信号」を受けて
いるときだけ、図示せぬエンジンの再始動が可能なよう
に、制御することになる。この結果、増減比率の変更中
には、エンジンを再始動することができないので、設定
が不完全な状態で走行することがなく、確実に設定した
後に安定した操舵感覚で操縦することができる。
【0028】さらに、比率変更手段50(図3参照)
は、エンジン制御部67から「エンジン作動信号」(エ
ンジンが作動しているときに発する信号)を受けたとき
に手動操作を規制するための、第1・第2規制手段68
L,68Rを備えたことを特徴とする。本実施の形態に
おける第1・第2規制手段68L,68Rは、ソレノイ
ドであり、このソレノイドは、「エンジン作動信号」を
受けているときのみ、ピストン68aが伸びるものであ
る。詳しくは、第1規制手段68Lは、左スイング位置
Slで切換えレバー62の切欠き部62bにピストン6
8aが嵌合してロックし、第2規制手段68Rは、右ス
イング位置Srで切欠き部62bにピストン68aが嵌
合してロックする。エンジン作動中には、操舵角増減機
構30の増減比率は一定である。走行中に舵角比特性が
変化せず、操舵感覚が急激に変わることはない。エンジ
ン停止時にのみ、切換えレバー62をスイングさせて、
増減比率を変えることができる。
【0029】図5は本発明に係る節度機構の断面図であ
る。節度機構64は、支軸61に形成した2個の凹部6
1a,61bと、凹部61a,61bの一方に選択的に
嵌合するボール64aと、ボール64aを凹部61a,
61b側に弾発する圧縮ばね64bと、圧縮ばね64b
の弾発力を調節する調節ねじ64cとからなる。切換え
レバー62は節度機構64を備えたので、左スイング位
置Slと右スイング位置Srとで、位置がふらつくこと
がない。
【0030】図6(a),(b)は本発明に係る操舵角
増減機構並びに比率変更手段の作用説明図である。
(a)は、切換えレバー62が左スイング位置Slにあ
り、切換えピン63並びにスライダ55を介して、出力
軸37を上昇させた状態を示す。このとき、出力側クラ
ッチ半体54が上昇して、下クラッチ52が解除し上ク
ラッチ51が噛み合う。入力軸31の操舵トルクは、上
クラッチ51を介して出力軸37に伝わる。入力軸31
の回転数と出力軸37の回転数とは、等速のN1であ
る。従って、入力軸31の回転角(ステアリングハンド
ルの操舵角)に対する出力軸37の回転角の割合は1
(増減比率G=1)である。
【0031】(b)は、切換えレバー62を右スイング
位置Srにスイングさせることにより、切換えピン63
並びにスライダ55を介して、出力軸37を寸法Hだけ
下降させた状態を示す。このとき、出力側クラッチ半体
54が下降して、上クラッチ51が解除し下クラッチ5
2が噛み合う。入力軸31の操舵トルクは、第1小ギヤ
32→第1大ギヤ33→中間軸34→第2小ギヤ35→
第2大ギヤ36→下クラッチ52の経路で出力軸37に
伝わる。入力軸31の回転数N1に対して出力軸37の
回転数は1/6に減速されたN2である。従って、入力
軸31の回転角に対する出力軸37の回転角の割合は1
/6(増減比率G=1/6)である。
【0032】切換えレバー62を再び左スイング位置S
lにスイングさせると、上・下クラッチ51,52は上
記(a)の状態に反転する。このように、切換えレバー
62を手動操作にて切換えることにより、操舵角増減機
構30の増減比率GをG=1とG=1/6とに、比率変
更手段50で変更させることができる。
【0033】図7は本発明に係る可変舵角比操舵機構の
全体構成図であり、一部を断面して示す。可変舵角比操
舵機構70は、ラックアンドピニオン機構71、電動機
72、ボールねじ73を車幅方向に延びる固定ハウジン
グ74に収納したものである。電動機72は、固定ハウ
ジング74の副ハウジング74a内に収納した環状のス
テータ72aと、ステータ72a内に同心的に配置した
ロータ72bと、ロータ72bに固定した管状の出力軸
72cとからなる。ラックアンドピニオン機構71のラ
ック軸75は、出力軸72c内に回転可能に挿通すると
ともに、ボールねじ73によって出力軸72cと連結し
たものである。
【0034】図8は図7の8−8線断面図である。可変
舵角比操舵機構70は、固定ハウジング74内に可動ハ
ウジング76を回転可能に支持し、可動ハウジング76
内に入力軸77を回転可能に支持し、入力軸77にカッ
プリング78を介して出力軸79を連結し、さらに、出
力軸79を固定ハウジング74に回転可能に支持したも
のである。可動ハウジング76の回転中心と入力軸77
の回転中心とは、互いに偏心している。この偏心につい
ては、後述する。入力軸77は、自在継手6,6(図1
参照)を介して、操舵角増減機構30の出力軸37に連
結した軸である。
【0035】詳しくは、入力軸77に軸直角方向への相
対移動可能に且つ相対回転不能にカップリング78を連
結し、このカップリング78の偏心した位置に出力軸7
9の偏心した部位を回転可能に連結したものである。な
お、固定ハウジング74は、上部固定ハウジング74b
と下部固定ハウジング74cとを重ねて、ボルト止めし
たものである。
【0036】カップリング78は、入力軸77の下端に
一体に形成した上部フランジ81と、上部フランジ81
に複数のボール82…を介して連結した下部フランジ8
3と、下部フランジ83の下端から下方へ延びて出力軸
79の連結孔79aに連結した連結軸(中間軸)84と
からなる。詳しくは、カップリング78は、上部フラン
ジ81の下端面に側断面視テーパ形状の連結溝81aを
形成し、また、下部フランジ83の上端面に側断面視テ
ーパ形状の連結溝83aを形成し、これら連結溝81
a,83aに3つのボール82…を1列に並べて、連結
溝81a,83aのテーパ面に当てることで、上・下部
フランジ81,83間を連結したものである。このた
め、カップリング78は、入力軸77に対して、軸直角
方向への相対移動可能に且つ相対回転不能に連結するこ
とになる。連結孔79aは出力軸79から偏心した位置
にあり、また、連結軸84は入力軸77から偏心した位
置にある。これら連結孔79aと連結軸84は、互いに
回転可能に連結したものである。
【0037】このようにカップリング78は、入力軸
77に対して、軸直角方向に相対移動可能に且つ相対回
転不能に係合し、入力軸77に対して偏心して設けら
れた出力軸79の、更に偏心する部位に、軸直角方向に
相対移動不能に且つ相対回転可能に係合したものであ
る。換言すると、カップリング78によって、入力軸7
7と出力軸79とは、軸直角方向に相対移動可能に且つ
互いに関連した回転をなすように連結したものである。
【0038】出力軸79は外周面に、ラックアンドピニ
オン機構71をなすピニオン79bを形成し、このピニ
オン79bはラック軸75のラック75aと噛み合うも
のである。図中、85は板状のボール保持器、86はス
ラストベアリング、87はニードルベアリング、88,
89はオイルシール、91〜94は軸受、95はナッ
ト、96は調整ボルト、97はラックガイド、Mは後述
するウォーム軸103の軸線である。
【0039】図9は図8の9−9線断面図であり、平面
視において、ウォーム軸103の軸直角方向へ且つ可動
ハウジング76の回転中心Oからウォーム軸103と反
対方向へ距離Lだけ偏心した位置に、入力軸77の回転
中心Aを設けたことを示す。可変舵角比操舵機構70
は、駆動手段としての舵角比制御用電動機101にてウ
ォームギヤ機構102を介して可動ハウジング76を回
転させることで、入力軸77の軸心Aを変位させて、操
舵角の割合を変えるようにしたものである。舵角比制御
用電動機101は、制御手段8(図1参照)の舵角比制
御信号に応じて正・逆転し、入力軸77の軸心Aを変位
させる減速機付きモータである。ウォームギヤ機構10
2は、舵角比制御用電動機101の出力軸101aに連
結したウォーム軸103と、ウォーム軸103のウォー
ム103aに噛み合うホイール76aとからなる。ホイ
ール76aは可動ハウジング76の外周面の一部に形成
した歯である。
【0040】固定ハウジング74は、入力軸77の変位
量を検出する変位センサ104を取付けたものである。
詳しくは、変位センサ104は、可動ハウジング76の
外周面に形成したカム面76bの変化量を検出すること
により、入力軸77の軸心Aの変位量を間接的に検出す
るものであり、カム面76bに接した先端部104aが
進退するポテンショメータからなる。図中、105は中
空偏心スリーブ、106は軸受、107はニードルベア
リング、108はナットである。
【0041】図10は本発明に係るウォームギヤ機構、
可動ハウジング及び入力軸の関係説明図である。ウォー
ム103aは、車速に応じて舵角比制御用電動機101
(図9参照)で回転されるものである。ウォーム103
aが正・逆転すると、可動ハウジング76は回転角θの
範囲で正・逆転する。可動ハウジング76の回転中心O
と入力軸77の回転中心Aとは、偏心している。このた
め、可動ハウジング76の回転角θに対応して、入力軸
77の回転中心AはA1〜A2の範囲で変化する。例え
ば、(1)高速域の車速では角度A1の位置に変位し、
(2)低速域の車速では角度A2の位置に変位する。な
お、回転中心Aの変位軌跡は、正確には回転中心Oを中
心とした円弧である。しかし、回転中心Aの径方向の変
位量Zは、無視できる程度である。従って、以下の説明
においては、回転中心Aの変位軌跡が、この図の左右方
向の直線である(回転中心Aの径方向の変位量Z=0)
として、説明する。
【0042】図11は本発明に係る入力軸、カップリン
グ及び出力軸の関係説明図であり、入力軸77にカップ
リング78を軸直角方向への相対移動可能に連結したこ
とを示す。入力軸77の回転中心Aが角度A1の位置に
あるとき、入力軸77の回転中心(軸心)Aと、出力軸
79の回転中心(軸心)Bと、連結軸84の作用点(軸
心)Cとは、平面視で前記相対移動方向に一直線上に配
列したものである。回転中心Aは、回転中心Bと作用点
Cの間に配列したものである。
【0043】入力軸77が回転すると、カップリング7
8のボール82…の作用により、連結軸84は出力軸7
9の軸心回りを旋回する。すなわち、連結軸84は出力
軸79の軸線を中心として公転する。この結果、入力軸
77の回転力によって、出力軸79は回転する。ところ
で、回転中心Aから回転中心Bまでの距離をx(偏位量
x)とし、回転中心Bから作用点Cまでの距離をy(偏
位量y)とする。回転中心AはA1〜A2の範囲で変化す
るものであり、これに対して、回転中心Bは固定位置で
ある。以下、偏位量xの変化に伴う舵角比の変化につい
て、図12及び図13に基づき説明する。
【0044】図12(a),(b)は本発明に係る可変
舵角比操舵機構の作動原理説明図であり、高速域の車速
における舵角比の変化を模式的に示す。図12(a)は
上記図11の構成を模式的に表したものであり、この
(a)に示すように、高速域では回転中心Aが角度A1
の位置にある。このとき、出力軸の回転中心Bと、入力
軸の回転中心Aと、係合軸の作用点Cとは、図左から右
へこの順に一直線上に配列しており、この状態を模式的
平面図として表したものが、図12(b)である。すな
わち、図11におけるA,B,Cの並びが図12(b)
のA,B,C(C0)の並びに相当する。
【0045】なお、作用点Cは、回転中心Bを中心とし
て旋回するものであるため、右の点Cと左の点Cとで区
別がつきにくい。そこで、角度0゜又は角度180゜を
添字としたC0,C180を付記することで、明瞭化した。
作用点Cが、C0を起点として図時計回り(矢印方向)
に旋回することで、以下の説明を行う。
【0046】図12(b)において、入力軸の回転角を
αとし、出力軸の回転角をβとすると、次の関係式が導
かれる。 y・sinβ=(y・cosβ−x)tanα ……(1) であるから、入力軸の回転角αは α=tan-1((y・sinβ)/(y・cosβ−x)) ……(2) で表される。
【0047】従って、作用点Cが点C0から点Cxへ変
位したときに、出力軸の回転角はβであり、このときの
入力軸の回転角はαである。また、係合軸の作用点が点
0から点Cyへ変位したときに、出力軸の回転角はβ
1であり、このときの入力軸の回転角はα1である。回
転中心Bと作用点Cとの間に回転中心Aがあるので、回
転角βは回転角αよりも小さく、回転角β1は回転角α
1よりも小さい(β<α、β1<α1)。
【0048】一方、低速域では回転中心Aが角度A2
位置にあるので、回転中心Aと回転中心Bとは一致す
る。従って、偏位量xは0(x=0)である。この結
果、入力軸の回転角αと出力軸の回転角βは同一であ
り、入力軸の回転角α1と出力軸の回転角β1は同一で
ある(α=β、α1=β1)。
【0049】図13は本発明に係る可変舵角比操舵機構
の舵角比特性線図である。この図は、横軸を入力軸77
の回転角(入力側回転角)αとし、右の縦軸を出力軸7
9の回転角βとし、左の縦軸をラック75aのストロー
クとして表したものであって、線x0,x1に基づき、入
力軸の回転角αに対する、出力軸の回転角βの割合並び
にラック75aのストロークの割合を示す。なお、ここ
では操舵角増減機構30を設けない場合について、先に
説明する。 線x0は、偏位量xを0にした場合(低速域)の舵角
比特性を示す。 線x1は、偏位量xを変化させた場合(高速域)の舵
角比特性を示す。 図から明らかなように、偏位量xを0にすれば線x0
ように、入力軸の回転角αに対する出力軸の回転角βの
割合、すなわち、ステアリングハンドルの操舵角に対す
る操向車輪の操舵角の割合(舵角比)は等しい。また、
偏位量xを連続的に変化させることにより、舵角比を連
続的に変化させることができる。従って、偏位量xを車
速に応じて制御すれば、舵角比特性を最適条件に変化さ
せることができる。
【0050】ところで、線x1は、入力軸の回転角αが
180°の場合に出力軸の回転角βが180°となる特
性に設定されている。このような特性は、図8の可変舵
角比操舵機構70における各部材(入力軸77、連結軸
84、出力軸79)の位置関係により決定される。そし
て、従来は操舵角増減機構30がないので、ステアリン
グハンドル2の操舵角と入力軸の回転角αとが、同一で
あった。例えば、操舵角が0°のときに、入力軸の回転
角αも0°である。また、操舵角が最大角(例えば、1
80°)のときに、入力軸の回転角αも180°であ
る。このため、可変舵角比操舵機構70は、入力軸の回
転角αの全範囲(0°〜180°)にわたり、特定の舵
角比特性にて舵角比を変える。
【0051】さらには、線x1は、図右肩上がりの直線
である線x0よりも下方に湾曲した曲線であり、この曲
線は、入力軸の回転角αが概ね90°以下において勾配
が緩く、90°を越えると勾配がきつい曲線である。し
かも、フル操舵の状態(図1の操向車輪3,3が最大操
舵角の状態)では、回転角βは車速と無関係に一定であ
る。線x1が非線形なので、入力軸の回転角αが小さい
ときと大きいときとでは、入力軸の回転角αに対する出
力軸の回転角βの割合、すなわち、舵角比は一定ではな
い。
【0052】本発明は、このような舵角比特性を適宜変
更し、操舵感覚を任意に変えるようにしたことを特徴と
する。図1を参照しつつ説明すると、操舵角増減機構3
0の増減比率G=1、すなわち、ステアリングハンドル
2の操舵角に対して、可変舵角比操舵機構70における
入力軸77の入力角の割合が1であれば、ステアリング
ハンドル2の操舵角と、入力軸77の入力角(回転角)
αとは、一致する。従って、線x0,x1の舵角比特性に
基づき、ステアリングハンドル2の全操舵範囲にわたっ
て、操向車輪3,3を操舵することができる。
【0053】また、操舵角増減機構30の増減比率G=
1/6、すなわち、ステアリングハンドル2の操舵角に
対して入力軸77の入力角の割合が1/6に減少する
と、ステアリングハンドル2の最大操舵角が540°の
場合に、入力軸77の回転角αは各90°(減少角)と
なる。また、操舵角が0°のときに、入力軸77の回転
角αは0°である。入力軸77の回転角αが90°以下
であれば、線x0,x1は車速に応じた勾配を有するほぼ
直線(実線にて示す線x10,x11)である。このような
実線x10から実線x11までの直線的な特性を有する範囲
だけを使用した舵角比特性なので、高速域の車速におい
ては、ステアリングハンドル2の全操舵範囲にわたっ
て、緩い勾配特性で操向車輪3,3を操舵することがで
きる。また、低速域の車速においては、ステアリングハ
ンドル2の全操舵範囲にわたって、きつい勾配特性で操
向車輪3,3を操舵することができる。
【0054】換言すれば、入力軸77の回転角αが小さ
ければ、ステアリングハンドル2を全操舵範囲で操舵し
ても、可変舵角比操舵機構70における非線形の舵角比
特性のうち、一部の狭い範囲だけを使用することにな
る。一部の範囲だけであれば、非線形であっても比例特
性に近似した舵角比特性で操舵することができる。従っ
て、ステアリングハンドル2の操舵角に対するラック7
5aのストローク特性、すなわち、操向車輪3,3の操
舵角特性は、車速に応じたほぼ比例的な特性であり、車
両の操縦性能を一層高めることができる。また、操舵角
を操舵角増減機構30で減少させたときには、可変舵角
比操舵機構70は、入力軸77の回転角αの全範囲のう
ち、一部の狭い範囲(0°〜減少角)で、特定の舵角比
特性にて舵角比を変える。すなわち、舵角比特性のう
ち、一部の範囲だけで舵角比を変える。
【0055】このように、ステアリングハンドル2の操
舵角を操舵角増減機構30で増減させて、可変舵角比操
舵機構70に伝達することにより、ステアリングハンド
ル2の操舵角に対して、舵角比特性のうち、どの範囲を
使用するかを選択することができる。従って、ステアリ
ングハンドル2の操舵角に対する操向車輪3,3の操舵
角特性を、可変舵角比操舵機構70だけでなく、操舵角
増減機構30によっても設定することができる。この結
果、舵角比特性の設定自由度は高まる。そして、車両の
運転状況や運転者の好みに応じて、操舵角増減機構30
の増減比率Gを比率変更手段70で適宜変更することに
より、操舵感覚(操舵フィーリング)を任意に変えるこ
とができる。
【0056】図14は本発明に係る車両用ステアリング
装置の舵角比特性線図であり、横軸をステアリングハン
ドル2の操舵角とし、縦軸をラック75aのストローク
として表したものである。この図は上記図13に対応し
た図であり、ステアリングハンドル2を右回転させた場
合に図右半分の舵角比特性を有し、ステアリングハンド
ル2を左回転させた場合に図左半分の舵角比特性を有す
ることを示す。
【0057】図15は本発明に係る操舵角増減機構並び
に比率変更手段(第1変形例)の断面図である。第1変
形例は、比率変更手段50の切換えレバー機構60を、
電動式切換え機構110に代えたことを特徴とする。比
率変更手段50の他の構成及び操舵角増減機構30の構
成は、上記図3に示す構成と同一であり、同一符号を付
してその説明を省略する。
【0058】図16(a),(b)は本発明に係る比率
変更手段(第1変形例)の電動式切換え機構の説明図で
ある。電動式切換え機構110は、切換え用電動機11
1と、切換え用電動機111の出力軸111aに連結し
たウォーム軸112と、ウォーム軸112のウォーム1
12aに噛み合うホイール113と、ホイール113を
スイング可能に支承する上記支軸61と、ホイール11
3の長孔113aに嵌合するための上記切換えピン63
とからなる。
【0059】切換え用電動機111は、ホイール113
を(a)の左スイング位置Slと(b)の右スイング位
置Srの範囲でスイングさせる電動機である。左スイン
グ位置Slは、図15の上クラッチ51を噛み合わせる
位置であり、右スイング位置Srは、下クラッチ52を
噛み合わせる位置である。ホイール113は側面視扇形
状のギヤ(セクタギヤ)である。ホイール113の長孔
113aは上記図4に示す長孔62aと同一構成であ
り、切換えピン63を寸法Hだけ上下に移動させること
ができる。
【0060】第1設定完了検出手段66Lは、左スイン
グ位置Slでホイール113の左端113bに接して、
上クラッチ51の噛合せ設定完了を検出し、「上クラッ
チ噛合い信号」を発する。第2設定完了検出手段66R
は、右スイングSr位置でホイール113の左端113
cに接して、下クラッチ52の噛合せ設定完了を検出
し、「下クラッチ噛合い信号」を発する。図中、114
はケース、115,116は軸受である。
【0061】図17は本発明に係る比率変更手段(第1
変形例)の回路図である。第1変形例の主制御部8は、
上記車速センサ7の車速信号、第1設定完了検出手段6
6Lの上クラッチ噛合い信号、第2設定完了検出手段6
6Rの下クラッチ噛合い信号、故障検出部121の故障
信号、クラッチ切換スイッチ機構122のスイッチ信号
に基づいて、切換え用電動機111、スイッチ操作可否
表示部123、クラッチ噛合い表示部124を制御する
機能を有する。この主制御部8は、例えばマイクロプロ
セッサを基本に各種演算手段、処理手段、信号発生手
段、メモリ等からなる。
【0062】故障検出部121は、車両用ステアリング
装置1(操舵トルクセンサ10、可変舵角比操舵機構7
0等)の故障を検出して故障信号を発するものである。
クラッチ切換スイッチ機構122は、クラッチ上げスイ
ッチ信号を発するクラッチ上げスイッチ122aと、ク
ラッチ下げスイッチ信号を発するクラッチ下げスイッチ
122bと、クラッチ上げスイッチ122aとクラッチ
下げスイッチ122bとを切換えるべく、2方向(上下
又は左右)に倒し操作するレバー122cとからなる手
動スイッチ機構である。この手動スイッチ機構は、例え
ば、レバー122cが倒し操作した向きを維持する形式
のトグルスイッチである。スイッチ操作可否表示部12
3は、主制御部8の表示信号に基づき、クラッチ切換え
スイッチ機構122の操作が可能であるか否かについ
て、表示するものである。クラッチ噛合い表示部124
は、主制御部8の表示信号に基づき、上・下クラッチ5
1,52の噛み合い状態について、表示するものであ
る。
【0063】図18は本発明に係る主制御部の制御フロ
ーチャートであり、図中、ST××はステップ番号を示
す。以下、図17を参照しつつ説明する。 ST01;初期設定をする。(フラグS=0及びT=0
と設定する。) ST02;各種データを読み込む。(車速センサ7の車
速信号、第1・第2設定完了検出手段66L,66Rの
上・下クラッチ噛合い信号、故障検出部121の故障信
号、クラッチ上げ・下げスイッチ122a,122bの
クラッチ上げ・下げスイッチ信号の読み込み。) ST03;所定車速以下(例えば、5km/Hr以下)
の低速であるかを判定し、YESであれば「ST04」
に進み、NOであれば「ST05」に進む。YESなら
低速走行中又は停車中であり、上・下クラッチ51,5
2を切換えても、操舵感覚が急激に変わることはない。 ST04;フラグS=0と設定して「ST06」に進
む。 ST05;フラグS=1と設定して「ST10」に進
む。
【0064】ST06;故障検出部121から故障信号
がなかったかを判定し、YESであれば「ST07」に
進み、NOであれば「ST08」に進む。 ST07;フラグT=0と設定して「ST09」に進
む。 ST08;フラグT=1と設定して「ST10」に進
む。 ST09;スイッチ操作可否表示部123に「クラッチ
切換えスイッチ機構122の操作が可能である」ことを
表示させて、「ST11」に進む。 ST10;スイッチ操作可否表示部123に「クラッチ
切換えスイッチ機構122の操作が不可である」ことを
表示させて、「ST11」に進む。
【0065】ST11;第1設定完了検出手段66Lか
ら上クラッチ噛合い信号があったかを判定し、YESで
あれば「ST12」に進み、NOであれば「ST18」
に進む。 ST12;切換え用電動機111を停止させて、「ST
13」に進む。すなわち、上クラッチ51の噛合い作動
を停止させる。 ST13;クラッチ噛合い表示部124に「上クラッチ
51が噛み合い状態にある」ことを表示させて、「ST
14」に進む。
【0066】ST14;フラグS=0であるかを判定
し、YESであれば「ST15」に進み、NOであれば
「ST02」にリターンする。 ST15;フラグT=0であるかを判定し、YESであ
れば「ST16」に進み、NOであれば「ST17」に
進む。 ST16;クラッチ下げスイッチ122bがONである
かを判定し、YESであれば「ST17」に進み、NO
であれば「ST02」にリターンする。 ST17;切換え用電動機111を逆転させて、「ST
02」にリターンする。すなわち、下クラッチ52の噛
合い作動をさせる。
【0067】ST18;第2設定完了検出手段66Rか
ら下クラッチ噛合い信号があったかを判定し、YESで
あれば「ST19」に進み、NOであれば「ST25」
に進む。 ST19;切換え用電動機111を停止させて、「ST
20」に進む。すなわち、下クラッチ52の噛合い作動
を停止させる。 ST20;クラッチ噛合い表示部124に「下クラッチ
52が噛み合い状態にある」ことを表示させて、「ST
21」に進む。 ST21;フラグS=0であるかを判定し、YESであ
れば「ST22」に進み、NOであれば「ST02」に
リターンする。 ST22;フラグT=0であるかを判定し、YESであ
れば「ST23」に進み、NOであれば「ST02」に
リターンする。 ST23;クラッチ上げスイッチ122aがONである
かを判定し、YESであれば「ST24」に進み、NO
であれば「ST02」にリターンする。 ST24;切換え用電動機111を正転させて、「ST
02」にリターンする。すなわち、上クラッチ51の噛
合い作動をさせる。 ST25;クラッチ噛合い表示部124に、「上クラッ
チ51と下クラッチ52とを切換え中である」ことを表
示させて、「ST02」にリターンするる。
【0068】ステップST03〜ST05,ST14並
びにST21の集合は、所定車速以下のときに、操舵角
増減機構30(図15参照)の増減比率を変更可能とす
るための、変更可否判断手段をなす。ステップST06
〜ST08,ST15並びにST22の集合は、故障検
出部121から故障信号を受けたときに、正常時より
も、入力軸31の回転角に対する出力軸37の回転角の
割合(増減比率G)を低減させる、いわゆる、ステアリ
ングハンドル2の操舵角を低減させるための故障時操舵
角低減手段をなす。
【0069】以上の説明から明らかなように、主制御部
8の制御フローチャートに基づき、下記(1),(2)
の制御をなすことができる。 (1)所定車速以下において、車両用ステアリング装置
1が故障せず、上クラッチ51又は下クラッチ52が噛
み合っているときには、レバー122cにてクラッチ上
げ・下げスイッチ122a,122bを切換えて、操舵
角増減機構30の増減比率Gを変更することができる。 (2)所定車速以下において、車両用ステアリング装置
1が故障したときには、操舵角増減機構30の増減比率
Gを、正常時よりも低減させることができる。
【0070】上述のように、比率変更手段50は、故障
信号を受けたときに、正常時よりも操舵角増減機構70
の増減比率Gを低減させる。増減比率Gが低減すれば、
図1及び図13に示すように、可変舵角比操舵機構70
は入力軸77の回転角αの全範囲のうち、最小操舵角に
近い一部の狭い範囲(0°〜減少角)だけで、舵角比を
変えることになる。すなわち、舵角比特性のうち、一部
の範囲だけで舵角比を変える。ステアリングハンドル2
を最大操舵角で操舵しても、舵角比が小さいので、操舵
トルクは小さくてすむ。従って、どのような舵角比にお
ける故障時であっても、しかも、最大操舵時であって
も、操舵トルクが過大になることはない。この結果、ス
テアリングハンドル2の操縦性が良く、ハンドル2を切
り易いので、車両の最小回転半径を小さく抑えることが
できる。さらには、正常時よりも増減比率Gが低減する
ので、操舵感覚が変わり、運転者は故障したことを認識
可能である。
【0071】図19は本発明に係る操舵角増減機構並び
に比率変更手段(第2変形例)の断面図である。第2変
形例は、操舵角増減機構30が、増減比率を無段階に設
定する無段変速機であることを特徴とする。主制御部8
の構成、比率変更手段50の構成及び操舵角増減機構3
0の他の構成は、上記図15〜図18に示す第1変形例
の構成と同一であり、同一符号を付してその説明を省略
する。
【0072】具体的には、操舵角増減機構30は、入力
軸31と、第1小ギヤ32と、第1小ギヤ32と噛み合
う第1大ギヤ133と、第1大ギヤ133をセレーショ
ン結合した中間軸134と、中間軸134に相対回転可
能に嵌合した第2小ギヤ135と、第2小ギヤ135と
噛み合う第2大ギヤ36と、出力軸37と、ギヤケース
38とからなり、さらに、第2小ギヤ135の回転数を
無段変速するための遊星歯車機構140を備えたもので
ある。第1大ギヤ133は第1大ギヤ33よりも大径で
あり、第2小ギヤ135は第2小ギヤ35よりも大径で
ある。
【0073】遊星歯車機構140は、無段変速機構とし
ての機能を有し、中間軸134並びに第2小ギヤ135
に組合せたものである。詳しくは、遊星歯車機構140
は、中間軸134にセレーション結合したサンギヤ14
1と、中間軸134に相対回転可能に嵌合した円盤状の
キャリヤ142と、キャリヤ142に回転可能に取付け
サンギヤ141の廻りに配列した複数の遊星ギヤ143
…と、これらの遊星ギヤ143…に噛み合うべく第2小
ギヤ135に設けた内歯状のリングギヤ144とからな
る。従って、第2小ギヤ135は遊星歯車機構140を
介して中間軸134に連結することになる。キャリヤ1
42は、ウォーム145とホイール146とからなるウ
ォームギヤ機構147を介して、変速用電動機148で
駆動されるものである。ホイール146は、キャリヤ1
42の上端部に一体に形成したギヤである。図中、15
1,151は軸受、152はスラストベアリング、15
3は止め輪、154…は支軸である。
【0074】図20は本発明に係る遊星歯車機構の駆動
部分の模式図(第2変形例)であり、変速用電動機14
8が主制御部8にて駆動制御されることを示す。主制御
部8は、上記第1変形例の機能の他に、操舵速度検出部
149からステアリングハンドルの操舵速度信号を受け
て、変速用電動機148を所定の回転数で正逆転させる
機能を有する。
【0075】図21は図19の21−21線断面図であ
り、第2変形例の遊星歯車機構140の平面断面構造並
びに第2小ギヤ135と第2大ギヤ36との噛み合わせ
構造を示す。
【0076】次に、第2変形例の作用を図19及び図2
2に基づき説明する。図22(a)〜(c)は本発明に
係る第2変形例の遊星歯車機構の作用説明図である。
(a)は、キャリヤ142が停止した場合を示す。遊星
ギヤ143…が公転しないので、リングギヤ144は基
本回転数で回転する。(b)は、キャリヤ142がサン
ギヤ141と同方向に回転した場合を示す。遊星ギヤ1
43…がサンギヤ141と同方向に公転するので、リン
グギヤ144の回転数は、(a)よりも減少する。
(c)は、キャリヤ142がサンギヤ141と逆方向に
回転した場合を示す。遊星ギヤ143…がサンギヤ14
1と逆方向に公転するので、リングギヤ144の回転数
は、(a)よりも増大する。
【0077】操舵速度が小であれば、(b)のモードに
よって、リングギヤ144を低速回転させる。すなわ
ち、増減比率Gを低減させる。一方、操舵速度が大であ
れば、(c)のモードによって、リングギヤ144を高
速回転させる。すなわち、増減比率Gを増大させる。こ
のように、操舵速度に応じて遊星歯車機構140を無段
変速させることによって、増減比率Gを無段階に変える
ことができる。例えば、万一、舵角比制御用電動機10
1(図9参照)が何等かの原因で停止し、作動しなくな
った場合であっても、図19に示す無段変速機からなる
操舵角増減機構30を、遊星歯車機構140で切換える
ことによって、増減比率を所定の設定に変えることがで
きる。従って、切換え後のギヤレシオの設定自由度が向
上する。
【0078】なお、上記本発明の実施の形態及び変形例
において、(1)操舵角増減機構30は、ステアリング
ハンドル2の操舵角を増減させるように、次の3つの増
減比率Gを任意に組合せたものであればよい。但し、D
は任意の倍率である。 増減比率G=1(入力軸31と出力軸37とが等
速)。 増減比率G=1/D(入力軸31に対して出力軸37
が減速)。 増減比率G=D(入力軸31に対して出力軸37が増
速)。 従って、操舵角増減機構30は、例えば、ウォームギヤ
機構、ベベルギヤ機構等の機械的な減速機構としたり、
電機的制御形式の機構であってもよい。さらには、操舵
角増減機構30は、2段減速機構や無段変速機に限定す
るものではなく、例えば、3段減速機構であってもよ
い。
【0079】(2)操舵角低減機構30は操舵トルクセ
ンサ10を備えたものに限定されない。 (3)上・下クラッチ51,52は「つめクラッチ」の
他に、摩擦クラッチ(円すいクラッチ等)や電磁クラッ
チであってもよい。 (4)第1・第2設定完了検出手段66L,66Rは、
ギヤケース38の内部に収納するものであってもよい。 (5)第1・第2設定完了検出手段66L,66Rは、
リミットスイッチに限定するものではなく、例えば、非
接触スイッチであってもよい。
【0080】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、ステアリングハンドルと可変舵角比
操舵機構の入力軸との間に、ステアリングハンドルの操
舵角に対する入力軸の入力角の割合を増減させるための
操舵角増減機構を介在させたので、ステアリングハンド
ルの操舵角に対する操向車輪の操舵角特性を、可変舵角
比操舵機構だけでなく、操舵角増減機構によっても設定
することができる。そして、操舵角増減機構の増減比率
を、比率変更手段で変更させるようにしたので、車両の
運転状況や運転者の好みに応じて、増減比率を比率変更
手段で適宜変更することにより、操舵感覚を任意に変え
ることができる。従って、ステアリングハンドルの操縦
性は、より一層高まる。
【0081】請求項2は、比率変更手段が、操舵角増減
機構の増減比率を手動操作にて変更する形式なので、動
力で変更する形式に比べて、比率変更手段を簡単な構成
にすることができる。
【0082】請求項3は、比率変更手段に、エンジン作
動信号を受けたときに手動操作を規制する規制手段を備
えたので、エンジン作動中には増減比率を変更できな
い。従って、エンジン作動中には、規制手段にて操舵角
増減機構の増減比率が一定のままとなり、この結果、走
行中に舵角比特性が変化せず、操舵感覚が急激に変わる
ことはない。
【0083】請求項4は、所定車速以下のときに、比率
変更手段によって増減比率を変更させるようにしたの
で、極めて低速走行時又は停車時にのみ、増減比率を変
えることができる。従って、高速走行中に舵角比特性が
変化して操舵感覚が急激に変わるのを、防止することが
できる。
【0084】請求項5は、比率変更手段が、車両用ステ
アリング装置が故障した際の故障信号を受けたときに
は、正常時よりも操舵角増減機構の増減比率を低減させ
ることによって、可変舵角比操舵機構の舵角比特性のう
ち、最小操舵角に近い一部の狭い範囲だけで、舵角比を
変えることができる。舵角比が小さいので、ステアリン
グハンドルを最大操舵角で操舵しても、操舵トルクは小
さくてすむ。従って、どのような舵角比における故障時
であっても、しかも、最大操舵時であっても、操舵トル
クが過大になることはない。この結果、ステアリングハ
ンドルの操縦性が良く、ハンドルを切り易いので、車両
の最小回転半径を小さく抑えることができる。さらに
は、車両用ステアリング装置が故障したときに、正常時
よりも増減比率が低減することによって、故障したこと
を運転者の認識させることができる。
【0085】請求項6は、比率変更手段に、増減比率の
設定が完了したことを検出するための設定完了検出手段
を備えたので、増減比率の設定が完了したときに、設定
完了検出手段から検出信号を発し、この信号に基づい
て、エンジンの再始動を可能にさせることができる。こ
の結果、増減比率の変更中には、エンジンを再始動する
ことができない。従って、設定が不完全な状態で走行す
ることがなく、確実に設定した後に安定した操舵感覚で
操縦することができる。しかも、比率変更手段に設定完
了検出手段を、集約して組付けることができる。
【0086】請求項7は、操舵角増減機構が無段変速機
からなるので、増減比率を無段階に自由に設定すること
ができる。この結果、舵角比特性の設定自由度は一層高
まる。特に、万一、可変舵角比操舵機構の舵角比制御用
電動機が何等かの原因で停止し、作動しなくなった場合
であっても、無段変速機からなる操舵角増減機構を切換
えることによって、増減比率を所定の設定に変えること
ができる。従って、切換え後のギヤレシオの設定自由度
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ステアリング装置の全体構
成図
【図2】本発明に係る操舵トルクセンサ付き操舵角増減
機構の上半部の断面図
【図3】本発明に係る操舵角増減機構の下半部の断面図
【図4】本発明に係る切換えレバー機構の説明図
【図5】本発明に係る節度機構の断面図
【図6】本発明に係る操舵角増減機構並びに比率変更手
段の作用説明図
【図7】本発明に係る可変舵角比操舵機構の全体構成図
【図8】図7の8−8線断面図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】本発明に係るウォームギヤ機構、可動ハウジ
ング及び入力軸の関係説明図
【図11】図11は本発明に係る入力軸、カップリング
及び出力軸の関係説明図
【図12】本発明に係る可変舵角比操舵機構の作動原理
説明図
【図13】本発明に係る可変舵角比操舵機構の舵角比特
性線図
【図14】本発明に係る車両用ステアリング装置の舵角
比特性線図
【図15】本発明に係る操舵角増減機構並びに比率変更
手段(第1変形例)の断面図
【図16】本発明に係る比率変更手段(第1変形例)の
電動式切換え機構の説明図
【図17】本発明に係る比率変更手段(第1変形例)の
回路図
【図18】本発明に係る主制御部の制御フローチャート
【図19】本発明に係る操舵角増減機構並びに比率変更
手段(第2変形例)の断面図
【図20】本発明に係る遊星歯車機構の駆動部分の模式
図(第2変形例)
【図21】図19の21−21線断面図
【図22】本発明に係る第2変形例の遊星歯車機構の作
用説明図
【符号の説明】
1…車両用ステアリング装置、2…ステアリングハンド
ル、3…操向車輪、4…ステアリング系、5…ステアリ
ングシャフト、7…車速センサ、8…制御手段、30…
操舵角増減機構、50…比率変更手段、60…切換えレ
バー機構、62…切換えレバー、66L,66R…設定
完了検出手段(第1・第2設定完了検出手段)、67…
エンジン制御部、68L,68R…規制手段(第1・第
2規制手段)、70…可変舵角比操舵機構、110…電
動式切換え機構、121…故障検出部、140…無段変
速機構としての遊星歯車機構140。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のステアリングハンドルから操向車
    輪に至るステアリング系に可変舵角比操舵機構を備え、
    この可変舵角比操舵機構によって、ステアリングハンド
    ルの操舵角に対する操向車輪の操舵角の割合を変えるよ
    うにした車両用ステアリング装置において、前記車両用
    ステアリング装置は、前記ステアリングハンドルと前記
    可変舵角比操舵機構の入力軸との間に、ステアリングハ
    ンドルの操舵角に対する入力軸の入力角の割合を増減さ
    せるための操舵角増減機構を介在させ、この操舵角増減
    機構の増減比率を比率変更手段で変更させるようにした
    ことを特徴とする車両用ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記比率変更手段は、前記操舵角増減機
    構の増減比率を手動操作にて変更するものであることを
    特徴とした請求項1記載の車両用ステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記比率変更手段は、エンジン作動信号
    を受けたときに前記手動操作を規制する規制手段を備え
    たことを特徴とする請求項2記載の車両用ステアリング
    装置。
  4. 【請求項4】 前記比率変更手段は、所定車速以下のと
    きに、前記操舵角増減機構の増減比率を変更させるもの
    であることを特徴とした請求項1記載の車両用ステアリ
    ング装置。
  5. 【請求項5】 前記比率変更手段は、車両用ステアリン
    グ装置が故障した際の故障信号を受けたときには、正常
    時よりも前記操舵角増減機構の増減比率を低減させるも
    のであることを特徴とした請求項1又は請求項4記載の
    車両用ステアリング装置。
  6. 【請求項6】 前記比率変更手段は、前記増減比率の設
    定が完了したことを検出するための設定完了検出手段を
    備えたことを特徴とした請求項1、請求項2、請求項
    3、請求項4又は請求項5記載の車両用ステアリング装
    置。
  7. 【請求項7】 前記操舵角増減機構は、無段変速機であ
    ることを特徴とした請求項1記載の車両用ステアリング
    装置。
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