JP2000043122A - 重合体シートの成形方法 - Google Patents

重合体シートの成形方法

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JP2000043122A
JP2000043122A JP10216973A JP21697398A JP2000043122A JP 2000043122 A JP2000043122 A JP 2000043122A JP 10216973 A JP10216973 A JP 10216973A JP 21697398 A JP21697398 A JP 21697398A JP 2000043122 A JP2000043122 A JP 2000043122A
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cooling roll
forming
space
polymer
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Norio Takagi
憲男 高木
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気体押圧法により厚みの均一性に優れた重合
体の薄いシートを、高速でキャスティングして成形する
方法を提供する。 【解決手段】 溶融重合体をオリフィス状の口金からシ
ート状に押出し、気体の押圧によって冷却ロール面に密
着させ固化するシートの成形方法において、前記口金か
らシート状物の着地点に至るシート状物の幅方向中央部
の流線の軌跡が、該シート状物の耳部の流線の軌跡より
2mm以上冷却ロール面上に浮上しないようにしてキャ
ストすることを特徴とする重合体シートの成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融重合体をシート
状に押出し冷却固化するシートの成形方法に関し、更に
詳しくは気体押圧法により厚みの均一性に優れた重合体
の薄いシートを、高速でキャスティングして成形する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合体シート、特に薄いシートのキャス
ティング方法として、従来、大別して下記の4種が提案
されている。
【0003】 溶融ポリマーのシート状物表面に静電
荷を付加して、そのクーロン力により該シート状物を冷
却ロールに密着させて固化する方法で、通常「静電密着
法」と呼ばれる。この静電密着法は厚みの均一性に優れ
たシート、さらには延伸フイルムを製造できる利点があ
るが、キャスティング速度を高めようとすると、密着不
良欠点を生じ、特に100μm以下の薄いシートでは静
電荷の荷電密度を高めることが困難で、生産性を上げ難
い欠点がある。かかる静電密着法の欠点を補強する目的
で、特開昭54−100470号公報では冷却ロールの
随伴気流を遮断する作用との併用法を提案しているが、
静電密着法との組合わせが不適なためか実効性に乏し
い。
【0004】 エアーナイフ等のノズルから気体を吹
出して動圧で押圧密着する方法(特公昭37−8978
号公報)である。この方法は、溶融状態での粘性の大き
い重合体、例えばポリプロピレン等のシート成形には都
合良く実施されているが、粘性の小さい重合体、例えば
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル
の成形では、押圧を作用した気流がシート状物の振動を
誘発して、厚みの均一性に欠けるという致命的な問題を
抱えている。
【0005】 溶融シート状物が冷却ロールに着地す
る地点の近傍で、着地点の上流域の空間を減圧にして、
シートの両面に圧力差を付けて密着する方法である。こ
の方法に係るものとして、特公昭40−17907号公
報、特公昭41−13626号公報、特開昭57−14
4727号公報、特開昭61−118215号公報があ
るが、減圧の程度が小さいと良好な密着冷却作用が得ら
れず、減圧の程度が大きいと薄いシートでは吸引ノズル
に吸込まれる等の問題があって、薄いシートの生産には
適しない。
【0006】 冷却ロールの表面に水などの液膜を形
成して、溶融シートを密着くする方法である。この方法
はキャスティングの高速化ポテンシャルはあまり高くな
い。
【0007】以上のように、各方法では厚み斑に優れた
薄いシートを高速で生産することが困難なため、さら
に、欠点を克服する改良方法、複合化方法がいろいろ提
案されている。
【0008】米国特許第3223757号、特公昭5
5−45370号公報においては、溶融ポリマーのシー
ト状物の両耳部のみを長手方向に沿って静電密着法を適
用することにより密着不良欠点を生じず、しかもフイル
ムのネックインを抑えて高い製膜速度が得られるとして
いる。これらの方法の特徴は、シート状物の両耳部を長
手方向に静電密着し、その他の中央部には密着力を作用
させないので、冷却ロールの表面に付着する随伴気流が
冷却ロールとシート状物の間に取込まれて空気層を形成
し、冷却ロールの回転速度の上昇に伴って該空気層は厚
くなる。シート状物の耳部以外は冷却ロールに接触して
いないため、シートに密着斑に起因する表面欠点が現れ
ない利点は有るものの、非接触部のシート状物は冷却作
用が低いため、限られた厚み、特に薄いシートにしか適
用できない問題があり、加えて急冷固化したシートの耳
部に隣接し、冷却ロールに接触していない冷却速度の遅
い部分が、局部的に極端に薄肉化する現象が有り、通常
のダイの厚み斑調整機能では充分修正できない場合があ
る。この原因は明らかでないが、冷却ロールとの間に閉
じ込められた随伴気流の作用と考えられ、随伴気流の応
力は冷却ロール表面に近いほど強力であるため、シート
耳部の冷却ロールに密着した部分と非接触部分との境界
部に該応力が特に強く作用して、シート状物耳部近傍が
局部的に強く伸ばされ薄肉化するものと推定される。
【0009】同様に特開平8−207120号公報にお
いては、溶融シート状物を冷却ロールの表面より浮上さ
せて成形する方法を提案し、浮上させる方法としてシー
ト状物と冷却ロールの間に空気を吹き込んだり、両耳部
を長手方向に沿って静電密着する方法等を提案している
が、基本的には米国特許第3223757号と同様の方
法であって同じい欠点を有し、シート状物中央部は冷却
速度が遅いため高速の成形には設備が大きくなり、結晶
化速度の速い重合体には適用し難い等の欠点がある。
【0010】 英国特許第1310604号は、米国
特許第3223757号の改良方法に関し、シート状物
の両耳部を静電密着させその他の中央部は空気の動圧で
押圧する方法を提案するが、この方法は口金から冷却ロ
ール面に着地する間の自由空間にあるシート状物を、空
気流が振動させて厚みの均一性が悪い。
【0011】 特公昭53−35587号公報は押出
されたシート状物の両耳部を静電密着させ、その他の中
央部はエアーベアリングと気体圧力ボックスの押圧によ
って密着する方法を提案するが、この方法はエアーベア
リングや気体圧力ボックスからの吹き出し空気でシート
状物が振動して、エアーベアリングの押圧でシート状物
を冷却ロールに密着させようとすると、該シート状物が
口金から冷却ロール面に至間のエアーベアリングに近接
する部分で、エアーベアリングからの吹出し空気で空間
に膨らみ、厚みの均一性が悪い。
【0012】 特公昭47−39930号公報は静圧
チャンバーでシートを押圧する方法を提案するが、この
方法では静圧チャンバーの押圧作用開始点の直上流域
で、シート状物と冷却ロールの間に存在する随伴気流が
阻止されて該シート状物と冷却ロール面との間に空気溜
りができてシート状物の幅方向中央部が浮き上る現象が
生じ、静圧チャンバーからの吹出し空気が浮き上ったシ
ート状物に衝突してシート状物を振動させて厚み斑を大
きくし、更に吹出し空気の一部が迷走気流化してシート
状物の振動を助長し、時としてシート状物が静圧チャン
バーの壁面に接触して、シート状物が切断する等の事故
を起す場合があり、シート厚みの均一性が不十分であ
る。
【0013】以上のように、従来法で薄物シートを高速
で生産するには、前記の方法は高速化に適しない、
の方法は厚みの均一性が不十分、の方法は薄いシート
の生産には適しない、の方法は高速化ポテンシャルが
高くない、の方法はシートの冷却方法に問題がある、
〜の方法はシート厚みの均一性が不十分である、と
いう問題が生じる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、かかる従
来法の問題を克服するために、特にの方法において、
冷却ロールによる随伴気流を抑制して、押圧装置特に静
圧チャンバーの押圧作用開始点の直上流域でのシート状
物と冷却ロール面との間の空気溜りを解消してシート状
物の浮き上りを防止すること、更にシート状物をより冷
却ロール面に接近させるようにして静圧チャンバーに導
くこと、加えて押圧装置から吹き出た気体の一部が迷走
気流化してシート状物の背面からシート状物に外乱を与
えないようにするために、口金とシート状物と冷却ロー
ルで形成される側面の開放端を遮蔽して密閉空間を形成
し、要すれば該密閉空間を軽度の減圧空間にすることに
よって、厚みの均一性が大幅に向上し、シート状物がチ
ャンバーの壁面に接触して切断する等の事故が回避でき
ることを知見し、本発明に到達した。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、溶
融重合体をオリフィス状の口金からシート状に押出し、
気体の押圧によって冷却ロール面に密着させ固化するシ
ートの成形方法において、前記口金からシート状物の着
地点に至るシート状物の幅方向中央部の流線の軌跡が、
該シート状物の耳部の流線の軌跡より2mm以上冷却ロ
ール面上に浮上しないようにしてキャストすることを特
徴とする重合体シートの成形方法であり、好ましい態様
として前記口金から押出したシート状物が冷却ロール面
に着地する地点の近傍で、該着地点の上流域の口金と冷
却ロールとシート状物で形成される空間を減圧空間とす
る、または該空間への冷却ロールの回転による随伴気流
を遮断すること、減圧空間の気圧が大気圧より1〜20
0Pa低いこと、随伴気流遮断手段が、シート状物が冷
却ロール面に着地する地点の近傍上流に設け、かつ冷却
ロールと接触回転するフリーロールであること、随伴気
流遮断手段とともに、シート状物が冷却ロール面に着地
する地点の近傍上流域で、シート状物と冷却ロールと随
伴気流遮断手段で形成する空間に、側部から気体が流入
するのを防止ないし制御する遮蔽体を該空間のシート状
物耳部に相当する幅方向の位置に設けること、冷却ロー
ル表面が通気抵抗10000秒以下の粗面であること、
冷却ロール表面が、ポーラス表面、梨地面、マイクロク
ラック面または多数の直線状溝を有する面であること、
ネックインの大きいポリマーでは、シートの狭幅化と幅
方向の厚みの均一性が悪化し易いのでシート状物の両耳
部を、静電密着法、液膜密着法及び/またはロール押圧
法の手段によって冷却ロール面上に強制的に密着させる
こと、シートの厚さが5〜100μmであること等を包
含する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては、口金から押出
した溶融重合体のシート状物を、該口金からシート状物
の冷却ロール面に着地する地点(着地点)に至るシート
状物中央部の流線の軌跡が、シート状物耳部の流線の軌
跡より2mm以上、さらには1mm以上冷却ロール上に
浮上しないようにしてキャストし、厚みの均一性に優れ
た薄いシートを高速で製造する。
【0017】本発明において重合体とは、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンー2,6ーナレフ
タレートのような芳香族ポリエステル、ポリプロピレン
のようなポリオレフイン、ポリスチレンのようなポリビ
ニル、ナイロンのようなポリアミド、ポリカーボネート
等の熱可塑性重合体であり、その中でも芳香族ポリエス
テルが特に好ましい。
【0018】本発明においてオリフィス状の口金とは、
例えばTダイ、フィッシュテールダイ、Iダイ等で、直
線状の開口部を有する口金である。
【0019】本発明において気体の押圧とは、空気又は
空気を主体としドライミスト等を含む気体の動圧或は静
圧によってシート上物ないしシートに作用させる押圧で
あって、エアーナイフ或は静圧チャンバー等によって発
生させることが出来るが、シートの厚みの均一性の点か
ら静圧チャンバーが好適である。
【0020】気体の押圧は、エアーナイフにおいては1
00〜2000Pa気圧の気体特に空気をノズルから吹
く出させることで、また静圧チャンバーにおいては10
〜500Pa気圧の内圧とすることで行うのが好まし
い。そして静圧チャンバーのシート走行方向の長さはキ
ャスチング速度にもよるが、5〜50cmが好ましい。
【0021】本発明においてシート状物が冷却ロール上
に着地する地点(着地点)の上流域の空間とは、口金と
口金から押出されたシート状物と冷却ロールとで形成す
るシート状物背面の空間である。
【0022】本発明における重合体のキャスチングにお
いては、シート状物中央部の流線の軌跡はシート状物耳
部の流線の軌跡に近づくほど、更には冷却ロールに接近
させるほど、シート厚みの均一性や、シート生産の安定
性が向上する。従って、本発明ではシート状物中央部の
流線の軌跡はシート状物耳部の流線の軌跡より2mm以
上、好ましくは1mm以上冷却ロール上に浮上しないこ
と、更に好ましくは中央部の軌跡と耳部の軌跡が同一高
さであること、最も好ましいのは中央部が耳部を越えて
より冷却ロールに接近することが必要である。前記キャ
ステイングにおいてシート状物と冷却ロール面との間に
空気溜りができて、シート状物中央部の流線の軌跡がシ
ート状物耳部の流線の軌跡より2mm以上浮き上ると、
押圧手段からの気体、例えば静圧チャンバーからの吹出
し空気が浮き上ったシート状物に衝突してシート状物を
振動させ、シートの厚み斑を大きくし、厚みの均一性を
悪くする。
【0023】本発明においては、前記空気溜りの生成防
止に、前記口金から押出したシート状物が冷却ロール面
に着地する地点の近傍で、該着地点の上流域の冷却ロー
ルとシート状物で形成される空間を減圧空間とする、ま
たは該空間への冷却ロールの回転による随伴気流を遮断
することが有効である。減圧空間の気圧は大気圧より1
〜200Pa低いことが好ましい。随伴気流遮断手段
は、シート状物が冷却ロール面に着地する地点の近傍上
流に設け、かつ冷却ロールと接触回転する小径のフリー
ロールであることが好ましい。該空間の圧力が大気圧よ
り200Pa超と低くなると、シート状物が振動する場
合があってシートの厚みの均一性が低下する。一方該空
間の圧力が大気圧より1Pa以下も低くならないと、随
伴気流によって空気溜りが生じる。この圧力のより好ま
しい範囲は大気圧比−(5〜100Pa)である。
【0024】本発明においては、冷却ロール表面の随伴
気流を遮断するか、望ましくは随伴気流の遮断に加え
て、口金及びシート状物の耳部と冷却ロールによって形
成される開放端を遮蔽してなる空間を形成するのが好ま
しいが、シート状物の耳部と冷却ロールによって形成さ
れる開放側端は完全な遮蔽は困難で、溶融シート状物と
の接触が回避できる程度の不完全遮蔽にならざるを得な
い。該空間に減圧機能を付加して減圧空間として作用さ
せることが出来る。
【0025】本発明において冷却ロール表面は、通常の
鏡面研磨表面でも良いが、通気抵抗が10000秒以下
の粗面にすることによって冷却ロール表面の空気層の排
除を容易にし、シート状物の流線の制御が容易になっ
て、シート状物の振動を抑制し、厚みの均一性の向上に
有効である。本発明に好適な粗面はポーラス表面、又は
梨地面、又はマイクロクラック面、又は多数の直線状溝
を有する面である。
【0026】本発明においてシートの厚さは5〜100
μmが好適で、5μm未満では厚みの均一性が得難く、
一方100μmを超えると冷却ロールへの密着不良欠点
が生じたり、シートの冷却不良を生じる場合がある。よ
り好ましいシートの厚み範囲は5〜85μmである。
【0027】以下、本発明を図をもって更に説明する。
図1は本発明の実施態様の一例で、図2は従来方法の一
例である。図1、2において、11、21は口金、1
3、23は冷却ロール、12、22はシート、33は真
空コック、14、24は針状電極、15、25は静圧チ
ャンバー、16は空気溜り、17は小径フリーロール、
18は側面遮蔽板である。
【0028】図1と図2についてキャステングする方法
を説明すると、口金11、21から押出されたシート状
物12、22を高速回転する冷却ロール13、23の上
に導き、高電圧を印可した針状電極14、24でシート
状物の耳相当部を静電密着し、次いで静圧チャンバー1
5、25に通して気体の押圧で冷却ロールに密着して固
化する。
【0029】図2において口金から押出されたシート状
物の耳部はほぼ直線的に冷却ロール面に到達して静電密
着され、一方シート状物中央部は冷却ロールの随伴気流
が侵入するが、シート状物の耳相当部は静電密着で封じ
られているため、侵入した空気はシート状物の耳から漏
洩出来ない、その結果シート状物は冷却ロール上を浮上
して引き取られ、該シート状物の流線の軌跡は耳部より
中央部がロール上に浮上する。静圧チャンバーで気体の
押圧を作用させると、押圧作用開始点の直上流域でシー
ト状物を介して冷却ロールの随伴気流が阻止され、シー
ト状物と冷却ロール面との間に空気溜り16が出来てシ
ート状物が浮き上り、静圧チャンバーからの吹き出し空
気が浮き上ったシート状物に衝突してシート状物を振動
させ、厚みの均一性を悪化させ、時としてシート状物が
静圧チャンバーの壁面や、エアーナイフの先端に接触し
てシートが切断する等の事故を起すことがある。しかる
に、本発明の図1のように、シート状物の着地点の上流
に小径のフリーロール17を配して随伴気流を遮断し、
加えて口金とシート状物及び冷却ロールとで形成される
側面の開放端に側面遮蔽板18を配し、口金と前記フリ
ロール17の間も封じて簡易密閉空間を形成すると、前
記空気溜りが消失してシート状物が冷却ロールの表面に
吸い寄せられたような状態になり、シート状物の振動が
減少し、更にシート状物背面の密閉空間によって静圧チ
ャンバーから吹き出た迷走空気による振動も抑制されて
厚みの均一性が向上し、更にシート状物が切断する等の
事故も回避されて、高品質なシートの安定な生産が可能
になる。この際前記密閉空間に吸引機能(図示せず)を
付加して減圧空間にすると、シート状物が更に冷却ロー
ル面に接近して走行が安定化し厚み斑も改善傾向にな
る。しかし該空間の圧力が大気圧比−200Pa超と低
くなると、シート状物が振動する場合があって好ましく
ない。
【0030】本発明における冷却ロール表面は、鏡面ロ
ールより通気抵抗が10000秒以下の粗面であること
が更に好ましい。それは一旦随伴気流を遮断してもその
下流で発生する新たな随伴気流等、ロール表面の空気層
の排除が容易になるためと推定される。
【0031】本発明におけるシート状物の流線の軌跡
は、レーザ式変位センサ(例えば株式会社キーエンス製
LB−080)で測定できる。該センサを冷却ロール面
上75mmの距離に保持して円周方向と幅方向に移動でき
るようにし、センサとシート状物の距離をシート状物の
流れ方向に連続測定して流線の軌跡が測定できる。該測
定をシート状物の耳相当部と中央相当部で実施して、両
者の差からシート状物の耳部に対する中央部の浮き上が
りや沈み具合が測定でき、ロールに対する接近の程度が
定量的に測定できる。
【0032】本発明における通気抵抗とは、粗面の表面
に真空領域を設けたとき、粗面の溝を通じて空気が流入
し、この時真空吸引を停止すると真空度が低下するが、
この真空度が一定値から他の一定値まで低下するに要す
る時間を持って表す。通気抵抗の具体的な測定法は、第
3図にその概略図を示すように、真空計32の付いた容
器31の一端に真空コック33を介して真空ポンプ34
を接続し、他端に真空ホース35を介してゴムの吸盤
(例えば株式会社妙徳製FPM.PFYK−40)36
を付ける、真空コック33から吸盤36までの有効な真
空容積を100CCとする。第4図に吸盤部分の拡大断面
の模式図に示すように、直径40mmの吸盤(36,4
2)を冷却ロール表面44に押し当て、吸盤の外周面が
接触するように直径30mmのポーラスなシート(例えば
日本精線株式会社製ナスロン低密度焼結体8−L−50
0)43を吸盤の中央に置いて押し当てる。次いで真空
ポンプ34により100CCの該容器を−700mmHg
以下の真空にしてコック33を閉じると、吸盤部分の粗
面の溝を通じて真空系に空気が流入するため真空度が低
下するが、この時真空度が−700mmHgから−650m
mHgに低下するに要する時間をもって通気抵抗と定義す
る。なお通気抵抗の測定に先立って測定器の真空漏れを
チェックするために、磨かれたガラス板の通気抵抗が1
0000秒以上であることを確認する。
【0033】本発明におけるキャスチング速度は、冷却
ロールの周速で20m/min以上であることが好まし
い。この上限は特に制限はないが、170 m/minが好
ましい。
【0034】本発明で成形されたシートは引き続き二軸
延伸工程において良好に延伸出来、シート全幅を静電密
着法で成形し、二軸延伸して得たフイルムと同等の厚み
斑及び物性を有する。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
る。
【0036】[実施例1〜6]図1の装置でポリエチレ
ンテレフタレートを押出し、シートの両端相当部の針状
帯電極に7KVの直流電圧を印可して、表1の条件により
厚さ60μmのシートを成形して、シートの成形安定性と
厚み斑を評価した。
【0037】
【表1】
【0038】 注)厚み斑 ◎:<4%、 ○:<6%、 △:6〜8%、 ×:>8% 成形の安定性 ○:小振動・安定、 △:中振動、 ×:大振動・切断 本発明の条件ではシート成形安定性と厚み斑は共に良好
であった。
【0039】[比較例1〜3]図2の従来装置でポリエ
チレンテレフタレートを押出し、同様に表2の条件によ
り厚さ60μmのシートを成形して成形の安定性と厚み斑
を評価した。
【0040】
【表2】
【0041】従来法では厚み斑の良化は困難で、シート
成形中にシートの振動を誘発して切断等の事故を生じ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、エアーピンニング法に
よる薄物銘柄の高速キャストで、溶融ポリマーのシート
状物背面の随伴気流を遮断し、さらに迷走気流の遮蔽等
によって該シート状物の流線の軌跡をCD面に接近させ
てピンニングするから、シートの厚み斑が向上し製膜の
安定性が改善されて、高品質の薄いシートが高速でしか
も安定して生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示す説明図である。
【図2】従来のキャステイング方法の一例を示す説明図
である。
【図3】冷却ロール表面の粗面の通気抵抗を測定する装
置の模式図である。
【図4】通気抵抗測定装置の吸盤部分の拡大断面を示す
模式図である。
【符号の説明】
11、21:口金 13、23:冷却ロール 12、22:シート 33:真空コック 14、24:針状電極 15、25:静圧チャンバー 16:空気溜り 17:小径ロール 18:側面遮蔽板 31:容器 32:真空計 34:真空ポンプ 35、41:真空ホース 36、42:吸盤 43:ポーラスなシート 44:冷却ロール表面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融重合体をオリフィス状の口金からシ
    ート状に押出し、気体の押圧によって冷却ロール面に密
    着させ固化するシートの成形方法において、前記口金か
    らシート状物の着地点に至るシート状物の幅方向中央部
    の流線の軌跡が、該シート状物の耳部の流線の軌跡より
    2mm以上冷却ロール面上に浮上しないようにしてキャ
    ストすることを特徴とする重合体シートの成形方法。
  2. 【請求項2】 口金から押出したシート状物が冷却ロー
    ル面に着地する地点の近傍で、該着地点の上流域の口金
    と冷却ロールとシート状物で形成される空間を減圧空間
    とする、または該空間への冷却ロールの回転による随伴
    気流を遮断する請求項1記載の重合体シートの成形方
    法。
  3. 【請求項3】 減圧空間の気圧が大気圧より1〜200
    Pa低い請求項2記載の重合体シートの成形方法。
  4. 【請求項4】 随伴気流遮断手段が、シート状物が冷却
    ロール面に着地する地点の近傍上流に設け、かつ冷却ロ
    ールと接触回転するフリーロールである請求項2記載の
    重合体シートの成形方法。
  5. 【請求項5】 随伴気流遮断手段とともに、シート状物
    が冷却ロール面に着地する地点の近傍上流域で、口金と
    シート状物と冷却ロールと随伴気流遮断手段で形成する
    空間に、側部から気体が流入するのを防止ないし制御す
    る遮蔽体を該空間のシート状物耳部に相当する幅方向の
    位置に設ける請求項2又は4記載の重合体シートの成形
    方法。
  6. 【請求項6】 冷却ロールの表面が通気抵抗10000
    秒以下の粗面である請求項1又は2記載の重合体シート
    の成形方法。
  7. 【請求項7】 冷却ロールの表面が、ポーラス表面、梨
    地面、マイクロクラック面または多数の直線状溝を有す
    る面である請求項6記載の重合体シートの成形方法。
  8. 【請求項8】 シート状物の両耳部を、静電密着法、液
    膜密着法及び/またはロール押圧法の手段によって冷却
    ロール面上に強制的に密着させる請求項1又は2記載の
    重合体シートの成形方法。
  9. 【請求項9】 シートの厚さが5〜100μmである請
    求項1記載の重合体シートの成形方法。
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