JP2000042786A - はんだ付け用水溶性フラックス - Google Patents
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Abstract
る、水洗浄できないという問題と、成形はんだを用いた
面実装の際のはんだ付けの場合、サンドイッチ状態での
リフロー時にボイド発生が多いという問題とを解決す
る。 【解決手段】 有機酸多価アルコールエステルを主成分
とし、さらに必要に応じて、カルボン酸および/または
アミンおよび/またはアミンハロゲン化水素酸塩である
活性剤および溶剤を加えて粘度を調整してもよい。
Description
ックス、特に電子部品をプリント基板に実装する際にま
たは電子部品に放熱金属板を接合する際に用いるフラッ
クスであって、ワッシャーやペレット形状の成形はんだ
を介在させて面接合を行っても、ボイド発生を少なくす
ることのできる水溶性フラックスに関する。
上述の成形はんだをサンドイッチ状態でリフローする場
合、ボイド発生の少ないはんだ接合を得ることのできる
水溶性フラックスに関する。
クスが、電気・電子の種々の分野でのはんだ接合に利用
されてきており、はんだ接合後に無洗浄で使用できる電
子機器等では今も多用されている。しかし、電子部品内
等の微細な部分に対してはんだ付けを行う場合には、は
んだ接合後に有機溶剤による洗浄を行い、はんだ付け部
の信頼性や外観を確保している。
は、安全衛生面や地球環境面から避けなければならない
工法となっている。このため、現在最も安全な溶剤であ
る水を用いた洗浄が取り上げられるようになっている。
で、はんだシートやペレットあるいはリボンといった成
形はんだを部品と部品の間に挟み、サンドイッチ状態で
リフローした場合、不可避的にガスが発生する。サンド
イッチ状態で加熱するため発生するガスも、ボイドを発
生させてしまう。また、フラックスの清浄化作用不足に
起因するヌレ不良によっても不可避的にボイドが発生す
る。このようなボイドがはんだに対してある比率で増大
すると接合部の信頼性に大きく影響して問題となってい
た。
にガス発生を防止するため、ロジンの精製時に低沸点成
分を除去したものや溶剤を高沸点にしたもの等を検討し
てきたが、満足するものが得られていない。また、一旦
発生したガスをすみやかに除去するため振動や減圧とい
った技術も導入されているが、確実ではなく生産性が悪
く装置が高価であるという問題がある。
フラックスは、有機溶剤洗浄を行わなければならないた
め、今日的要望に合ったフラックスとは言えない。
ジン主成分のフラックスには、水洗浄ができないという
問題と、特に、成形はんだを用いた面実装の際または放
熱板接合の際のはんだ付けの場合、サンドイッチ状態で
のリフロー時にボイド発生が多いという問題とがあり、
本発明は、かかる問題を解決するはんだ付け用のフラッ
クスを提供するものである。
的機能として、酸化膜を除去して界面張力を低下させ、
はんだを濡れ広ろがらせる活性を有していなければなら
ない。被はんだ付け材の表面は、必ず酸化されており、
その酸化の程度如何にかかわらず確実に酸化膜を除去し
うる活性力が必要となる。従来、このような活性力は、
フラックスの主成分であるロジン等に有機酸やアミンあ
るいはアミンのハロゲン化水素酸塩等を添加することで
得ていた。
多く生成するようなものは、ガス発生が多くなりボイド
も多くなった。また、加熱中にガスを発生するような、
蒸気圧の高い成分や熱分解性の成分を含むフラックスを
用いる場合、はんだ付けの際の加熱によって、多くのボ
イドが発生してしまう。
題達成には、フラックスとして、水溶性成分でリフロー
加熱温度の230 ℃程度でガス化しないもので、酸化膜の
除去が穏やかな成分を用いるが適当であることが分かっ
た。
ルコールとのエステルが、水溶性であって、230 ℃程度
に加熱してもガス化もせず、半導体関係の電子部品のは
んだ付け、特に成形はんだを用いた面実装の際のはんだ
付けに十分使用できることが分かり、本発明を完成し
た。
を主成分とする、成形はんだを用いるリフローはんだ付
け用水溶性フラックス。
を主成分とし、さらに活性剤および溶剤を加えて粘度を
調整した液状あるいはペースト状の、成形はんだを用い
るリフローはんだ付け用水溶性フラックス。
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、および
オレイン酸から成る群から選ばれた1種であり、前記多
価アルコールが、ブタンジオール、グリセロール、およ
びポリグリセロールから成る群から選ばれた1種であ
る、上記(1) または(2) 記載のはんだ付け用水溶性フラ
ックス。
セロールエステルまたはオレイン酸グリセロールエステ
ルである、上記(1) または(2) 記載のはんだ付け用水溶
性フラックス。
たはアミンおよび/またはアミンハロゲン化水素酸塩で
ある上記(2) ないし(4) のいずれかに記載のはんだ付け
用水溶性フラックス。
ト基板に面実装する際に、または電子部品に放熱金属板
を接合する際に、前記成形はんだに塗布する上記(1) な
いし(5) のいずれかに記載のはんだ付け用水溶性フラッ
クス。
て説明するが、以下の説明において「%」はいずれも特
に指示がなければ「重量%」である。
板に面実装する場合のように、あるいは電子部品に放熱
金属板を接合する場合のように、成形はんだを介在させ
てはんだ接合すべき面同士を対向した状態でリフロー処
理を行うときに、成形はんだと接合すべき面とに適用す
る水溶性フラックスである。このようなフラックスの適
用は、成形はんだをフラックス中に直接に浸漬して、あ
るいはスプレー、はけ等で塗布して、行うことができ
る。
がって、リフロー処理を行うことではんだ付けを完了さ
せればよい。はんだ接合後は、水洗により残渣フラック
ス等を洗い流せばよい。もちろん、はんだ付け残渣の残
留が問題のない電子部品の場合にはそのままとしてもよ
い。
機酸と多価アルコールとのエステルを含有するフラック
スの例はあるが、その場合のエステルは、粘度調整のた
めに少量添加されるのであって、本発明のように主成分
として、つまり配合成分のうちで最大割合を占める成分
として、例えば50%以上の割合でもって用いる例はな
く、しかも成形はんだを用いた面実装の際のボイド生成
の防止を図ることについては何等の示唆もない。
は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、リノール酸、オレイン酸等が有効である。また、
上記多価アルコールには、ブタンジオール、グリセロー
ル、さらにジグリセロール、トリグリセロールなどのポ
リグリセロール等が有効である。
多価アルコールエステルとしては、上記有機酸と多価ア
ルコールとのエステルであれば特に制限はないが、好適
例としては、ラウリン酸ポリグリセリンエステル、オレ
イン酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが例示され
る。
合は、上記有機酸多価アルコールエステルに、活性剤と
して例えばC5 〜C15までのカルボン酸( 例: セバシン
酸、クエン酸、酒石酸、ソルビン酸) やアミン (例:ト
リエタノールアミン) 、アミンハロゲン化水素酸塩
(例: 臭化水素プロピルアミン、グルタミン酸HCl)等を1
0%以下、好ましくは 0.5〜3%添加してはんだの濡れ
広がりを良くすることが好ましい。
ン酸やアミンやアミンハロゲン化水素酸塩を添加したも
のは、はんだ付け性が良くなる反面、ボイドの発生も添
加量に比例して増加傾向にある。したがって、この場
合、はんだ付け性を改善するとともに、ボイドの発生の
少なくなるようにその比率を選択する必要がある。この
ように本発明によれば、ボイドの少なくなる技術的なメ
カニズムとしては、以下のことが考えられる。
が比較的すぐれたはんだ付け性を有している一方、ボイ
ドの発生が少ないのは、酸化膜を過剰に取りすぎないこ
とと酸化膜を除去する際に発生した水が、有機酸多価ア
ルコールエステルを加水分解し高沸点の酸とアルコール
を生成するためである。加水分解した有機酸や多価アル
コールは、ガス化するようなものでないため、つまりガ
ス化成分の発生なしに、はんだ付けを完了できるのであ
る。このとき生成した有機酸やアルコールは、はんだの
流れとともに外に流れ出し良好なはんだ付け結果を得る
ことができる。
状であり、もとの水に対する溶解性に変化がないため、
水での洗浄性も優れている。本発明において用いるフラ
ックスは、そのままでも、あるいは適宜溶剤に添加され
て用いられるが、そのときの溶剤は、フラックス自体が
水溶性であることから、最も一般的には水であって、そ
の他、準水系溶剤 (例: 水−アルコール、リモネン−
水、グリコールエーテル−水) などであってもよい。
コールエステルの添加量は、溶解度の制限がない限り、
その添加量は任意である。塗布効率などを考慮すれば、
40〜80%、好ましくは50〜80%である。
に具体的に説明する。表1に示す組成配合のエステル、
活性剤を配合して、水溶性フラックスを得た。このフラ
ックスを溶剤としてフェニルグリコールを用い、70%溶
液とした。
スに成形はんだを浸漬してから、接合領域300mm2の接合
面にこの成形はんだを介在させてサンドイッチ状態での
リフローの要領ではんだ付けを行い、下記項目について
試験を行った。
料の表面に上記はんだ付け用フラックスを塗布してから
溶融はんだを載せて、その広がり面積を元の面積に対す
る割合で算出する。
ボイド発生の評価、はんだ付け状態の判定、水洗浄性、
そしてはんだ広がりの特性評価は次の通りにして行っ
た。
生の有無に基づき、次の3段階評価でボイド発生を判定
した。判定結果の○、△を合格とした。
広がり率でもって評価した。表2からも分かるように、
例No.1は、従来のロジンタイプのもので活性のものであ
る。はんだ付けは良好であるが、大きなボイドがかなり
出てくる。もちろん、水での洗浄は不可である。
のであるが、ボイドの発生はかなり多い。例No.3〜7
が、本発明にかかるはんだ付け用フラックスを用いた例
であるが、ボイドの発生については良好な結果となって
いる。しかし、例No.7のように添加活性成分がガス化し
やすいものや反応性の強いものである場合は、ボイドの
発生が多くなる。このことから、ガス化しない酸化膜除
去能力の穏やかな成分を選択する必要があることが分か
る。例No.5、6は今回満足のいく結果を得ている。
クスは、ボイドの発生を減らすとともにはんだ付け状態
も満足いく結果を得た。さらに、水での洗浄も容易で、
はんだ光沢の良い残留イオンの少ない洗浄結果を得るこ
とができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 有機酸と多価アルコールとのエステルを
主成分とする、成形はんだを用いるリフローはんだ付け
用水溶性フラックス。 - 【請求項2】 有機酸と多価アルコールとのエステルを
主成分とし、さらに活性剤および溶剤を加えて粘度を調
整した液状あるいはペースト状の、成形はんだを用いる
リフローはんだ付け用水溶性フラックス。 - 【請求項3】 前記有機酸が、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、および
オレイン酸から成る群から選ばれた1種であり、前記多
価アルコールが、ブタンジオール、グリセロール、およ
びポリグリセロールから成る群から選ばれた1種であ
る、請求項1または2記載のはんだ付け用水溶性フラッ
クス。 - 【請求項4】 前記エステルが、ラウリン酸ポリグリセ
ロールエステルまたはオレイン酸グリセロールエステル
である、請求項1または2記載のはんだ付け用水溶性フ
ラックス。 - 【請求項5】 前記活性剤が、カルボン酸および/また
はアミンおよび/またはアミンハロゲン化水素酸塩であ
る請求項2ないし4のいずれかに記載のはんだ付け用水
溶性フラックス。 - 【請求項6】 成形はんだを用いて電子部品をプリント
基板に面実装する際に、または電子部品に放熱金属板を
接合する際に、前記成形はんだに塗布する請求項1ない
し5のいずれかに記載のはんだ付け用水溶性フラック
ス。
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