JP2000040698A - 基板熱処理方法およびその装置 - Google Patents

基板熱処理方法およびその装置

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JP2000040698A JP10208124A JP20812498A JP2000040698A JP 2000040698 A JP2000040698 A JP 2000040698A JP 10208124 A JP10208124 A JP 10208124A JP 20812498 A JP20812498 A JP 20812498A JP 2000040698 A JP2000040698 A JP 2000040698A
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建男 岡本
Toru Azuma
徹 東
Tetsuro Yamashita
哲朗 山下
Shinya Ota
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Yoshihisa Yamada
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直之 長田
Nen Sugiyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電率の低い所定の膜を形成することができ
る基板熱処理方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 チャンバ内に搬入された基板を、加熱プ
レートから離間する保持位置で保持した状態で、チャン
バ内に窒素ガスを導入する(S1〜S3)。チャンバ内
が窒素ガスで置換されて低酸素濃度雰囲気になると、保
持位置で保持される基板を加熱位置にまで移動させて、
加熱プレートによって加熱する(S4)。加熱が終了す
ると、基板を加熱位置から保持位置にまで移動させて、
保持位置で保持した状態の基板を冷却プレートによって
冷却する(S5〜S6)。冷却が終了すると、チャンバ
を開放して基板を搬出する(S7〜S8)。したがっ
て、基板が所定の温度以上に加熱される際には、基板の
周囲の雰囲気を常に低酸素濃度雰囲気にしているので、
誘電率の低い所定の膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗布液が塗布され
た半導体ウエハやガラス基板などの基板に熱処理を行な
うことにより、層間絶縁膜や保護膜などの所定の膜を形
成する基板熱処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体ウエハに形成される回路パ
ターンが微細化、多層配線化しており、特に、層間絶縁
膜上にアルミニウム等の配線パターンを形成する場合に
は、この層間絶縁膜の平坦性や絶縁性等が問題となって
いる。このような層間絶縁膜は、SOG(Spin on glass
coating) や、ポリイミド塗布などによって形成されて
いる。
【0003】例えば、ポリイミド塗布によって形成され
る層間絶縁膜は、次のように形成される。まず、スピン
コータ装置などによって、半導体ウエハ上にポリイミド
塗布液を均一に塗布する。ポリイミド塗布液が塗布され
た半導体ウエハは、熱処理を行なうためのチャンバに搬
入される。このとき、その半導体ウエハは、チャンバ内
に備える所定温度に加熱された基板加熱プレート上に載
置される。チャンバ内に半導体ウエハが搬入されると、
チャンバ内に不活性ガスが導入され、チャンバ内は低酸
素濃度雰囲気になる。この低酸素濃度雰囲気において、
その半導体ウエハがポリイミド塗布液の反応臨界温度以
上に加熱されると、半導体ウエハ上のポリイミド塗布液
が化学反応を起こして、誘電率が比較的低く平坦性の高
い層間絶縁膜が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。層間絶縁膜の誘電率を下げるために、ポリイミド
やSOG等の塗布液が塗布された半導体ウエハは、低酸
素濃度の雰囲気で加熱する必要があるが、従来、半導体
ウエハがチャンバ内に搬入された直後に、チャンバ内に
大気雰囲気が残った状態で半導体ウエハが所定温度に加
熱されてしまい、層間絶縁膜の誘電率が上がるという問
題がある。
【0005】具体的には、ポリイミドやSOG等の塗布
液が塗布された半導体ウエハがチャンバ内に搬入される
と、チャンバ内に不活性ガスが導入され、チャンバ内は
低酸素濃度雰囲気になる。しかし、半導体ウエハがチャ
ンバ内に搬入された直後から低酸素濃度雰囲気になるま
での間に、その半導体ウエハは、半導体ウエハに塗布さ
れた塗布液が化学反応を起こす反応臨界温度以上に加熱
されてしまう。その結果、酸素濃度の比較的高い雰囲気
で、化学反応が起こり層間絶縁膜内に酸素分子が取り込
まれ、誘電率の高い層間絶縁膜が形成されてしまうとい
う難点がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、誘電率の低い所定の膜を形成すること
ができる基板熱処理方法及びその装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。請求項1
に記載の発明は、塗布液が塗布された基板を比較的酸素
濃度の低い低酸素濃度雰囲気で熱処理することにより、
前記基板上に所定の膜を形成する基板熱処理方法におい
て、チャンバ内に搬入された基板を、前記チャンバ内に
配備された基板加熱手段から離間した位置で保持する過
程と、前記基板を前記離間位置で保持したままの状態
で、前記チャンバ内に不活性ガスを導入して、前記チャ
ンバ内を低酸素濃度雰囲気にする過程と、前記チャンバ
内を不活性ガスで置換した後に、基板加熱手段で基板を
加熱するための加熱位置に前記基板を移動する過程と、
前記加熱位置に移動した基板を前記基板加熱手段で加熱
する過程とを備えることを特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の基板熱処理方法において、前記方法は、さらに、前記
基板加熱手段による基板の加熱が終了すると、前記基板
を加熱位置から離間位置に移動する過程と、前記離間位
置に移動した基板を、その離間位置で保持したままの状
態で、前記基板を冷却する過程と、前記基板を冷却した
後に前記チャンバから基板を搬出する過程とを備えるも
のである。
【0009】請求項3に記載の発明は、塗布液が塗布さ
れた基板を比較的酸素濃度の低い低酸素濃度雰囲気で熱
処理することにより、前記基板上に所定の膜を形成する
基板熱処理装置において、前記低酸素濃度雰囲気で基板
に熱処理を行なうための処理空間を形成するチャンバ
と、前記チャンバ内に搬入された基板を加熱する基板加
熱手段と、前記チャンバ内に搬入された基板を前記基板
加熱手段に離間した位置から、前記基板を前記基板加熱
手段で加熱する加熱位置までの間で、前記基板を移動さ
せる基板移動手段と、前記チャンバ内に不活性ガスを導
入するガス導入手段と、前記ガス導入手段によって導入
された不活性ガスによって、前記チャンバ内が低酸素濃
度雰囲気になると、前記基板を離間位置から加熱位置に
移動させるように基板移動手段を制御する制御手段とを
備えることを特徴とするものである。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の基板熱処理装置において、前記制御手段は、予め設定
された時間が経過した後、前記基板を離間位置から加熱
位置に移動させるように前記基板移動手段を制御するタ
イマー管理機構である。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の基板熱処理装置において、前記制御手段は、前記チャ
ンバ内の酸素濃度を検出して、所定の酸素濃度以下とな
ると前記基板を離間位置から加熱位置に移動させるよう
に前記基板移動手段を制御する酸素濃度計管理機構であ
る。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項3に記載
の基板熱処理装置において、前記装置は、さらに、前記
基板加熱手段に対向する位置に配備され、前記基板加熱
手段によって加熱処理が終了して、前記加熱位置から離
間位置に移動された基板を冷却する冷却手段と、前記冷
却手段によって基板が冷却された後、前記チャンバを開
放する開放手段とを備えるものである。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の基板熱処理装置において、前記開放手段は、予め設定
された時間が経過した後、前記チャンバを開放するタイ
マー開放機構であるものである。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項6に記載
の基板熱処理装置において、前記装置はさらに、前記基
板を冷却する際に、前記加熱位置から離間位置に移動さ
せた基板と、前記基板加熱手段との間に前記基板加熱手
段からの熱を遮蔽する遮蔽部材を備えるものである。
【0015】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。請求項1に
記載の発明によれば、チャンバ内に搬入された基板は、
基板加熱手段から離間した位置で保持される。この離間
位置で基板が保持されていて、この基板が加熱されない
状態で、チャンバ内に不活性ガスが導入される。チャン
バ内が不活性ガスで置換されて低酸素濃度雰囲気になる
と、基板を基板加熱手段で加熱するための加熱位置に移
動させる。基板加熱手段は、低酸素濃度雰囲気で基板を
加熱する。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、加熱が終
了した基板は、加熱位置から離間位置に移動される。そ
の離間位置で保持された基板は、低酸素濃度雰囲気中で
冷却される。冷却が終了するとチャンバから基板を搬出
する。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、基板がチ
ャンバ内に搬入されると、チャンバが閉まり、その内部
に処理空間を形成する。基板移動手段は、チャンバに搬
入された基板を、チャンバ内の基板加熱手段から離間し
た位置で保持する。ガス導入手段は、基板が離間位置で
保持された状態のままで、チャンバ内に不活性ガスを導
入して、チャンバ内を不活性ガスで置換して低酸素濃度
雰囲気にする。制御手段は、チャンバ内が不活性ガスで
置換されて低酸素濃度雰囲気になると、基板移動手段に
基板を加熱位置に移動するように制御する。この制御に
よって基板移動手段は、離間位置で保持していた基板を
加熱位置に移動する。基板加熱手段は、加熱位置に移動
した基板を加熱する。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、制御手段
であるタイマー管理機構は、予め設定された時間が経過
すると、基板移動手段に離間位置に保持している基板を
加熱位置に移動させるように制御する。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、制御手段
である酸素濃度計管理機構は、チャンバ内の酸素濃度を
検出して、所定の酸素濃度以下となると、基板移動手段
に離間位置に保持している基板を加熱位置に移動させる
ように制御する。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、冷却手段
は、加熱が終了して加熱位置から離間位置に移動された
基板を冷却する。開放手段は、基板の冷却が終了すると
チャンバを開放する。
【0021】請求項7に記載の発明によれば、開放手段
であるタイマー開放機構は、予め設定された時間が経過
すると、チャンバを開放する。
【0022】請求項8に記載の発明によれば、加熱位置
から離間位置まで移動された基板と、基板加熱手段との
間に介在する遮蔽部材は、基板加熱手段から基板まで達
する輻射熱等を遮蔽する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。本実施例では、BCB(ベンゾシクロ
ブテン)などのいわゆるポリマー系塗布液や、HSQ
(ハイドロジェンシルセスキオキサン)などのいわゆる
ガラス系塗布液などの塗布液が塗布された例えば半導体
ウエハなどの基板を低酸素濃度雰囲気において熱処理す
ることにより、前述したポリマー系塗布液やガラス系塗
布液内で重合反応などの化学反応を起こさせて、基板上
に誘電率の比較的低い層間絶縁膜を形成する基板熱処理
装置について説明する。
【0024】図1は、実施例に係る基板熱処理装置を示
す概略縦断面図である。この基板熱処理装置は、半導体
ウエハなどの基板Wを低酸素雰囲気で熱処理を行なうた
めの処理空間1aを形成するチャンバ1と、チャンバ1
を開閉するチャンバ開閉機構11と、チャンバ1内の底
部に配備された、基板Wを加熱する加熱プレート4と、
加熱プレート4の加熱温度を調節する温度調節部10
と、加熱プレート4に対向する位置に配備された冷却プ
レート5と、冷却プレート5を冷却する冷却部9と、冷
却プレート5と加熱プレート4との間で基板Wを昇降さ
せる基板昇降機構6と、チャンバ1の開放や、基板Wの
昇降などの制御をする制御部7と、制御部7の制御によ
って所定時間をカウントするタイマー部8とを備えて構
成されている。なお、加熱プレート4は本発明における
基板加熱手段に、冷却プレート5は本発明における冷却
手段に、基板W昇降機構6は本発明における基板移動手
段に、制御部7は本発明における制御手段および開放手
段に、それぞれ相当する。
【0025】チャンバ1は、略円柱形状の筐体が上下に
分割されるように構成されており、その上部側であるチ
ャンバ蓋2と、その下部側であるチャンバ基台3とを備
えている。また、このチャンバ1には、チャンバ1を開
閉するためのチャンバ開閉機構11が取り付けられてい
る。このチャンバ開閉機構11は、チャンバ1を開放す
る(チャンバ蓋2とチャンバ基台3とを上下に分離す
る)ことで、チャンバ1内への基板Wの搬入・搬出を可
能にしたり、チャンバ1を閉じる(チャンバ蓋2とチャ
ンバ基台3との開口同士を突き合わせる)ことで、その
内部には密閉された空間である処理空間1aを形成した
りするものである。
【0026】チャンバ基台3には、処理空間1a内に不
活性ガスとして例えば窒素ガス(N 2 )を導入するガス
導入口3aがその側壁の複数箇所に設けられている。各
ガス導入口3aは、図示しない窒素ガス供給源に連通接
続されていて、この窒素ガス供給源から送られてくる窒
素ガスを処理空間1a内に導入する。また、チャンバ基
台3の内側には、チャンバ1内に搬入されてきた基板W
を載置するとともに、その基板Wを加熱する加熱プレー
ト4が配備されている。なお、ガス導入口3aは、本発
明におけるガス導入手段に相当する。
【0027】チャンバ蓋2は、処理空間1a内の気体を
排気する排気口2aがその天井面に設けられている。こ
の排気口2aは、図示しない排気機構に連通接続されて
いる。上述したガス導入口3aから処理空間1a内に窒
素ガスが導入される際に、排気口2aから処理空間1a
内の気体を排気することにより、処理空間1a内の雰囲
気を、大気雰囲気から低酸素濃度雰囲気である窒素雰囲
気に置換する。また、チャンバ蓋2の内側には、チャン
バ基台3に配備された加熱プレート4に対向する位置に
冷却プレート5が配備されている。
【0028】チャンバ開閉機構11は、チャンバ蓋2に
連結接続されたチャンバ保持アーム11aを介してエア
シリンダ11bに接続されて構成されている。エアシリ
ンダ11bを駆動することで、エアシンダ11bのロッ
ドを伸長してチャンバ保持アーム11aに連結接続され
たチャンバ蓋2を上昇させる。このチャンバ蓋2の上昇
によって、チャンバ蓋2とチャンバ基台3とを分離させ
てチャンバ1を開放する。一方、チャンバ蓋2を下降さ
せることにより、チャンバ蓋2とチャンバ基台3とを突
き合わせてチャンバ1を閉じる。
【0029】加熱プレート4は、チャンバ1内に搬入さ
れてきた基板Wを載置する載置面4aを備え、この載置
面4aに載置された基板Wを加熱するために、その載置
面4aを加熱する例えば電熱線4bが埋設されている。
この電熱線4bは、温度調節部10に接続されている。
この温度調整部10は、電熱線4bに通電する電流を調
節して、載置面4aを所定温度に保つものである。な
お、加熱プレート4およびチャンバ基台3には、基板W
を支持する基板支持ピン64が貫通する3つの貫通孔が
平面視で正三角形の配置になるように穿たれている。
【0030】冷却プレート5は、いわゆる水冷機構で構
成されていて、その内部に形成される流路内で冷水を流
通させることにより、その下面である冷却面5aを冷却
するものである。この冷却プレート5は、冷却部9に接
続されている。この冷却部9は、冷水を冷却プレート5
に送るとともに、冷却プレート5から戻ってきた温めら
れた水を冷却して、さらに冷却プレート5に送るもので
ある。
【0031】基板移動機構6は、チャンバ基台3および
加熱プレート4を上下に貫く3本の基板支持ピン64
と、これら基板支持ピン64が平面視で正三角形状に配
置されるように連結支持するピン連結部材63と、ピン
連結部材63を昇降するエアシリンダ61とを備えて構
成されている。エアシリンダ61を駆動させることによ
り、ピン支持部材63と一体に、各基板支持ピン64を
昇降させる。これにより、各基板支持ピン64は、加熱
プレート4の載置面4aから突出して基板Wを所定位置
である離間位置にまで持ち上げる一方、各基板支持ピン
64が下降して加熱プレート4内に没入すると、基板W
が加熱プレート4の載置面4aに載置される。
【0032】制御部7は、RAM、ROM、CPUなど
で構成される、いわゆるマイクロコンピータである。制
御部7は、上述したチャンバ開閉機構11にチャンバ1
を開閉するタイミングを制御したり、基板移動機構6に
基板Wの上昇・下降のタイミングを制御したりするもの
である。また、制御部7は、そのタイミングをとるため
に、タイマー部8に所定時間をカウントさせた後、その
指示を送る。タイマー部8は、処理空間1a内を窒素ガ
スで置換する置換時間、基板Wを加熱する加熱時間およ
び基板Wを冷却する冷却時間などの所定時間を管理する
ものである。例えば、タイマー部8は、制御部7から置
換時間のカウント開始の指示があると、この置換時間を
カウントした後、置換時間が経過したことを制御部7に
指示する。なお、制御部7とタイマー部8との構成は、
本発明におけるタイマー管理機構およびタイマー開放機
構に相当する。
【0033】以下、図2に示すフローチャートと、図3
および図4に示す動作説明図を参照しながら、本実施例
の基板熱処理装置で行なわれる処理について説明する。
【0034】ステップS1(チャンバに基板を搬入) 基板熱処理装置を初期状態にするために、制御部7は、
チャンバ開閉機構11にチャンバ蓋2の上昇を指示する
とともに、基板昇降機構6に基板支持ピン64の上昇を
指示する。チャンバ開閉機構11は、制御部7からの指
示によって、エアシリンダ11bのロッドを伸長させ
て、チャンバ蓋2を上昇させる。基板昇降機構6は、制
御部7からの指示によって、エアシリンダ61のロッド
を伸長させて、3本の基板支持ピン64を上昇させる。
なお、このとき、最上限まで上昇した基板支持ピン64
の先端部の位置は、本発明における離間位置に相当す
る。また、このとき加熱プレート4は、すでに加熱され
ており、例えば100〜500°C内の任意の温度で維
持された状態である。
【0035】図3(a)に示すように、基板熱処理装置
が初期状態になると、前工程でポリマー系塗布液または
ガラス系塗布液が塗布された基板Wが、図示しない基板
搬送機構によってチャンバ1内に搬入される。チャンバ
1内に搬入された基板Wは、3本の基板支持ピン63の
先端部上(離間位置)に置かれる。離間位置に置かれた
基板Wは、加熱プレート4から離間しており、加熱プレ
ート4からの熱の影響を直接に受けないので、上述した
塗布液が化学反応を起こす反応臨界温度以下の温度で維
持される。
【0036】ステップS2(チャンバを閉じる) 制御部7は、基板支持ピン63の先端部上に基板Wが置
かれると、チャンバ開閉機構11にチャンバ蓋2の下降
を指示する。図3(b)に示すように、チャンバ開閉機
構11は、エアシリンダ11bのロッドを短縮させて、
チャンバ蓋2を下降させてチャンバ1を閉じる。チャン
バ1が閉じられることによって、処理空間1aが形成さ
れる。また、チャンバ1が閉じられると、チャンバ蓋2
側に配備された冷却プレート5がチャンバ蓋2とともに
下降して、離間位置で保持されている基板Wに近接する
位置にまで下降する。
【0037】一方、制御部7は、冷却部9に冷却水の循
環を指示して、冷却プレート5を冷却する。冷却プレー
ト5が冷却されると、その冷却面5aが冷却される。さ
らに、冷却面5aに近接する基板Wは、その冷却面5a
によって冷却される。つまり、チャンバ1が閉じられて
形成された処理空間1a内の雰囲気は、加熱プレート4
の熱によって加熱される。その加熱された処理空間1a
内の雰囲気によって、基板Wが反応臨界温度以上に上昇
することを抑制するために、冷却プレート5によって基
板Wを冷却する。したがって、ステップS2では、ステ
ップS1と同様に基板Wの温度は、反応臨界温度以下で
維持されている。なお、離間位置に保持される基板W
が、冷却プレート5によって冷却しなくても反応臨界温
度以上に上昇しない場合には、ここでの冷却はしなくて
もよい。
【0038】ステップS3(窒素ガスを導入) 制御部7は、チャンバ1を閉じると、図示しない窒素ガ
ス供給源からガス導入口3aを通じて処理空間1a内に
窒素ガスを送るとともに、処理空間1a内の大気雰囲気
を窒素雰囲気に置換するために、チャンバ蓋2の排気口
2aから処理空間1a内の気体を排気する。一方、制御
部7は、窒素ガスの導入とともにタイマー部8に置換時
間のカウントの開始を指示する。
【0039】ステップS4(基板を加熱位置に移動) タイマー部8は、置換時間のカウントを開始する。置換
時間は、例えば処理空間1a内の容積と、窒素ガスの単
位時間当たりの導入量や処理空間1a内の気体の排気量
などから算出したり、酸素濃度計などによって処理空間
1a内が窒素ガスで置換される実際の時間を予め測定し
たりすることによって、適宜設定することができる。
【0040】タイマー部8は、置換時間のカウントが終
了(置換時間が経過)すると、制御部7に置換時間が経
過したことを指示する。この指示によって、制御部7
は、基板昇降機構6に基板支持ピン64の下降を指示す
る。図3(c)に示すように、基板昇降機構6は、エア
シリンダ61のロッドを短縮させて、基板支持ピン64
を下降させて加熱プレート4の載置面4aに没入させ
る。3本の基板支持ピン64上で保持されていた基板W
は、基板支持ピン64の下降とともに移動されて、加熱
プレート4の載置面4a上に載置される。制御部7は、
基板Wが載置面4aに載置されると、タイマー部8に加
熱時間のカウントの開始を支持する。一方、制御部7
は、冷却部9に冷却水の循環の停止を指示する。冷却水
の循環が停止すると、冷却プレート5は冷却されないの
で、処理空間1a内の雰囲気の温度を低下させない。つ
まり、処理空間1a内の気体を冷却しないので、載置面
4aに載置された後述する基板Wを効率良く均一に加熱
することができる。
【0041】基板Wが載置面4aに載置されることによ
って、基板Wは加熱プレート4によって反応臨界温度以
上に加熱される。このとき、処理空間1a内の雰囲気
は、窒素ガスで置換された低酸素濃度雰囲気である窒素
雰囲気になっており、基板W上に塗布された塗布液は、
この低酸素濃度雰囲気において反応臨界温度以上に加熱
されて化学反応を起こす。その結果、塗布液は、酸素分
子を不必要に取り込むことなく、誘電率の低い層間絶縁
膜を基板W上に形成する。なお、この載置面4a上の基
板Wの位置は、本発明における加熱位置に相当する。ス
テップS4は、本発明における制御手段の機能に相当す
る。
【0042】ステップS5(基板を離間位置に移動) タイマー部8は、加熱時間のカウントを開始する。加熱
時間は、例えば基板Wに塗布された塗布液の焼成時間な
どによって適宜設定されるものである。
【0043】タイマー部8は、加熱時間のカウントが終
了(加熱時間が経過)すると、制御部7に加熱時間が経
過したことを指示する。この指示によって、制御部7
は、基板昇降機構6に基板支持ピン64の上昇を指示す
る。図4(a)に示すように、基板昇降機構6は、エア
シリンダ61のロッドを伸長させて、基板支持ピン64
を上昇させる。基板支持ピン64は、載置面4a上であ
る加熱位置から基板Wを上昇させて、離間位置にまで移
動させる。
【0044】ステップS6(基板を冷却) 基板指示ピン64の上昇が終了すると、制御部7は、冷
却部9に冷却水の循環を指示する。冷却部9は、冷却水
を冷却プレート5に送って冷却プレート5を冷却する。
離間位置で保持される基板Wは、冷却プレート5の冷却
面5aに近接しているので、処理空間1a内の雰囲気の
温度にかかわらず冷却プレート5によって冷却される。
一方、制御部7は、基板Wが離間位置にまで移動する
と、タイマー部8に冷却時間のカウントの開始を指示す
る。
【0045】ステップS7(チャンバの開放) タイマー部8は、冷却時間のカウントを開始する。冷却
時間は、所定温度に加熱した基板Wを、処理空間1a内
で反応臨界温度以下になるまで冷却するのに費やされる
時間によって適宜設定されるものである。
【0046】タイマー部8は、冷却時間のカウントが終
了(冷却時間が経過)すると、制御部7に冷却時間が経
過したことを指示する。この指示によって、制御部7
は、チャンバ開放機構11にチャンバ1の開放を指示す
る。図4(b)に示すように、チャンバ開放機構11
は、エアシリンダ11aのロッドを伸長させて、チャン
バ蓋2を上昇させて、チャンバ1を開放する。このと
き、大気中の酸素雰囲気がチャンバ1内に進入してくる
が、基板Wはすでに反応臨界温度以下に冷却されている
ので、基板W上の層間絶縁膜が酸素分子を取り込んで誘
電率を上昇させることはない。なお、ステップS7は、
本発明における開放手段の機能に相当する。
【0047】ステップS8(チャンバから基板を搬出) チャンバ1が開放すると、図示しない基板搬送機構は、
チャンバ1内から基板Wを搬出して、その基板Wを次工
程に搬送する。このとき、制御部7は、冷却水の循環、
窒素ガスの導入および処理空間1a内の排気を停止し
て、基板熱処理装置の初期状態になり、基板搬送機構に
よって新たな熱処理前の基板Wが搬入されてくると、基
板熱処理装置はステップS2〜S8を繰り返し行なう。
【0048】上述したように、チャンバ1内に搬入され
た基板Wを離間位置で保持した状態で処理空間1a内を
低酸素濃度雰囲気にした後に基板Wを加熱するととも
に、基板Wの加熱が終了すると、基板を離間位置に上昇
させて冷却した後にチャンバ1から搬出しているので、
基板W上に形成される層間絶縁膜の誘電率を常に低く保
つことができる。その結果、特性の安定した製品を製造
することができ、歩留りを向上させることも可能にな
る。
【0049】本発明は、次のように変形実施することも
可能である。 (1)上述した実施例の基板熱処理装置では、処理空間
1a内を窒素ガスで置換する時間をタイマー部8によっ
て管理したが、例えば処理空間1a内の酸素濃度を測定
することで、処理空間1a内の置換状態を管理すること
もできる。この場合、酸素濃度計と制御部7との組合せ
は、本発明における酸素濃度計管理機構に相当する。
【0050】具体的には、チャンバ1のチャンバ蓋2に
形成された排気口2a付近に酸素濃度を検出する検出素
子を取り付け、この検出素子の出力を酸素濃度計に接続
する。この酸素濃度計の計測値を制御部7で常に監視で
きるように、制御部7に酸素濃度計を接続する。上述し
たステップS3〜S4において、制御部7は、処理空間
1a内の酸素濃度を監視する。制御部7は、酸素濃度計
の計測値が低酸素濃度である例えば酸素濃度100PP
M以下になると、処理空間1a内が窒素雰囲気になった
ものと判断して、基板Wを加熱位置に移動させる。この
ように処理空間1a内の酸素濃度を計測することで、基
板Wの加熱を低酸素濃度雰囲気でより確実に行なうこと
ができる。
【0051】(2)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、ステップS6において基板Wを冷却する際に、基板
Wを離間位置に保持させた状態で、冷却プレート5によ
って冷却したが、例えば、離間位置に保持される基板W
と、加熱プレート4との間に、加熱プレート4からの熱
を遮蔽する遮蔽部材を介在させるように構成することも
できる。
【0052】図5に示すように、チャンバ1のチャンバ
蓋2には、遮蔽部材50を処理空間1a内に挿入するた
めの遮蔽部材挿入口2cが設けられており、その遮蔽部
材挿入口2cには、この遮蔽部材挿入口2cの開口を塞
ぐ挿入口蓋2bがチャンバ蓋2の内側に取り付けられて
いる。遮蔽部材50が挿入されていない場合には、挿入
口蓋2bは、処理空間1a内に大気の進入を防止するた
めに遮蔽部材挿入口2cを塞いでおり、遮蔽部材50が
挿入される場合には、挿入口蓋2bは、その挿入される
遮蔽部材50に押されて、処理空間1aの内側に開くよ
うに構成されている。
【0053】遮蔽部材50は、加熱プレート4側から見
て、基板Wを覆い隠す程度の面積を持った板状部材で形
成されている。この遮蔽部材50には、遮蔽部材50が
処理空間1a内に挿入される際に、3本の基板支持ピン
64と干渉する部分にスリットが穿たれている。この遮
蔽部材50の基端部側は、断面形状で「T」の字形状を
しており、遮蔽部材50が処理空間1a内に完全に挿入
された際に、遮蔽部材挿入口2cの開口を塞ぎ、処理空
間1a内に大気雰囲気が進入してくるのを防止するよう
に構成されている。さらに、遮蔽部材50に基端部側に
は、この遮蔽部材50を進退可能にする図示しない遮蔽
部材駆動機構が設けられている。
【0054】ステップS5〜S6において、基板Wは、
加熱位置から離間位置にまで移動される。離間位置に移
動した基板Wは、冷却プレート5によって冷却される。
このとき、遮蔽部材駆動機構は、遮蔽部材50を前進駆
動させて、遮蔽部材50を遮蔽部材挿入口2cを塞ぐ挿
入口蓋2bに押し当てる。さらに、遮蔽部材50を前進
させて、処理空間1a内に遮蔽部材50を挿入する。遮
蔽部材50が処理空間1a内に完全に挿入されると、遮
蔽部材50は、加熱プレート4からの輻射熱などの熱を
遮蔽する。これにより、基板Wは冷却プレート5によっ
て、効率良く冷却される。基板Wの冷却が終了すると、
遮蔽部材駆動機構は、遮蔽部材50を後退させて、処理
空間1aから遮蔽部材50を引き出す。その後、ステッ
プS7以降の処理を行なう。なお、遮蔽部材50が挿入
される際には、大気雰囲気が処理空間1a内に流れ込む
のを防止するために、ガス導入口3aからの窒素ガスの
導入量を増やして、処理空間1a内を比較的高めの陽圧
にしてもよい。
【0055】上述したように、基板Wを冷却する際に、
遮蔽部材50を基板Wと加熱プレート4との間に介在さ
せることで、基板Wが加熱プレートからの輻射熱によっ
て加熱されることがないので、基板Wを効率良く冷却す
ることができる。その結果、処理時間を短縮することが
できる。
【0056】(3)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、冷却手段を用いて基板Wを冷却したが、例えば、処
理空間1a内に冷却手段を設けずに、離間位置で保持さ
れた基板Wを自然に冷却するようにしてもよい。
【0057】(4)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、冷却手段として冷却水によって冷却する水冷形式の
冷却プレート4を用いたが、例えば、冷却した気体によ
って冷却プレート4を冷却する空冷形式の冷却手段で構
成することもできる。
【0058】(5)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、冷却手段として冷却水によって冷却する水冷形式の
冷却プレート4を用いたが、例えば、冷却プレート4内
の気体を断熱膨張させることにより、冷却プレート4内
の気体自身を冷却させて冷却プレート4を冷却するよう
に構成することもできる。
【0059】(6)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、冷却プレート4を冷却水で冷却したが、例えば、液
体窒素などの低温媒体によって冷却プレート4を冷却す
ることもできる。
【0060】(7)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、冷却手段として水冷形式の冷却プレート4を用いた
が、その代わりに、ペルチェ素子を用いて基板Wを冷却
するように構成することもできる。
【0061】(8)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、処理空間1a内に窒素ガスを導入して、低酸素濃度
雰囲気を達成したが、本発明はこれに限られず、例えば
アルゴンガスやヘリュウムガスなどでもよい。
【0062】(9)上述した実施例の基板熱処理装置で
は、チャンバ1の開放時には窒素ガスの導入を停止した
が、本発明はこれに限られず、チャンバ1の開放時にも
窒素ガスを導入するようにしてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次の効果を奏する。すなわち、請求項1に記
載の発明によれば、チャンバ内の酸素雰囲気が不活性ガ
スで置換されて低酸素濃度雰囲気になるまで、チャンバ
内に搬入された基板を、基板に塗布された塗布液の反応
臨界温度以上に加熱しないので、基板上に形成される所
定の膜の誘電率を比較的低く抑えることができる。
【0064】請求項2に記載の発明によれば、加熱が終
了した基板を冷却した後にチャンバ内から基板を搬出し
ているので、基板加熱手段によって比較的高温になって
いる基板を酸素雰囲気にさらすことを防止できる。その
結果、基板に形成される所定の膜の誘電率を比較的低く
抑えることができる。
【0065】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載の方法発明を好適に実施することができる。
【0066】請求項4に記載の発明によれば、チャンバ
内を不活性ガスで置換して低酸素濃度雰囲気になったと
きに、基板を加熱位置に移動させることを時間によって
管理しているので、その装置構成を簡単にすることがき
る。その結果、安価な装置を製造することがきる。
【0067】請求項5に記載の発明によれば、チャンバ
内が低酸素濃度雰囲気になったことを、チャンバ内の酸
素濃度を検出することで管理しているので、確実に低酸
素濃度雰囲気で基板を加熱することができる。その結
果、基板上に形成される所定の膜の酸素雰囲気に起因す
る誘電率の上昇を確実に抑えることができる。
【0068】請求項6に記載の発明によれば、請求項2
に記載の方法発明を好適に実施することができる。
【0069】請求項7に記載の発明によれば、基板の冷
却を時間によって管理しているので、その装置構成を簡
単にすることができる。その結果、安価な装置を製造す
ることがきる。
【0070】請求項8に記載の発明によれば、基板を冷
却する際に、基板と基板加熱手段との間に遮蔽部材を介
在させているので、基板加熱手段からの熱を遮蔽して、
効率良く冷却することがでる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の基板熱処理装置を示す概略縦断面図で
ある。
【図2】基板熱処理装置で行なわれる処理の流れを示す
フローチャートである。
【図3】基板熱処理装置における基板の冷却までの動作
を示す動作説明図である。
【図4】基板熱処理装置における基板の搬出までの動作
を示す動作説明図である。
【図5】変形例の基板熱処理装置を示す概略縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 … チャンバ 2 … チャンバ蓋 2a… 排気口 3 … チャンバ基台 3a… ガス導入口 4 … 加熱プレート 5 … 冷却プレート 6 … 基板昇降機構 7 … 制御部 8 … タイマー部 9 … 冷却部 10 … 温度調節部 11 … チャンバ開閉機構 50 … 遮蔽部材 W … 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 徹 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大 日本スクリーン製造株式会社洛西事業所内 (72)発明者 山下 哲朗 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大 日本スクリーン製造株式会社洛西事業所内 (72)発明者 大田 伸也 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大 日本スクリーン製造株式会社洛西事業所内 (72)発明者 山田 芳久 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大 日本スクリーン製造株式会社洛西事業所内 (72)発明者 長田 直之 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大 日本スクリーン製造株式会社洛西事業所内 (72)発明者 杉山 念 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大 日本スクリーン製造株式会社洛西事業所内 Fターム(参考) 5F045 AA03 AB32 AB39 CB05 EE14 EJ02 EN04 5F058 AC02 AF04 AG01 BC05 BF46 BG04 BH01 BJ01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液が塗布された基板を比較的酸素濃
    度の低い低酸素濃度雰囲気で熱処理することにより、前
    記基板上に所定の膜を形成する基板熱処理方法におい
    て、 チャンバ内に搬入された基板を、前記チャンバ内に配備
    された基板加熱手段から離間した位置で保持する過程
    と、 前記基板を前記離間位置で保持したままの状態で、前記
    チャンバ内に不活性ガスを導入して、前記チャンバ内を
    低酸素濃度雰囲気にする過程と、 前記チャンバ内を不活性ガスで置換した後に、基板加熱
    手段で基板を加熱するための加熱位置に前記基板を移動
    する過程と、 前記加熱位置に移動した基板を前記基板加熱手段で加熱
    する過程とを備えることを特徴とする基板熱処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の基板熱処理方法におい
    て、前記方法は、さらに、 前記基板加熱手段による基板の加熱が終了すると、前記
    基板を加熱位置から離間位置に移動する過程と、 前記離間位置に移動した基板を、その離間位置で保持し
    たままの状態で、前記基板を冷却する過程と、 前記基板を冷却した後に前記チャンバから基板を搬出す
    る過程とを備える基板熱処理方法。
  3. 【請求項3】 塗布液が塗布された基板を比較的酸素濃
    度の低い低酸素濃度雰囲気で熱処理することにより、前
    記基板上に所定の膜を形成する基板熱処理装置におい
    て、 前記低酸素濃度雰囲気で基板に熱処理を行なうための処
    理空間を形成するチャンバと、 前記チャンバ内に搬入された基板を加熱する基板加熱手
    段と、 前記チャンバ内に搬入された基板を前記基板加熱手段に
    離間した位置から、前記基板を前記基板加熱手段で加熱
    する加熱位置までの間で、前記基板を移動させる基板移
    動手段と、 前記チャンバ内に不活性ガスを導入するガス導入手段
    と、 前記ガス導入手段によって導入された不活性ガスによっ
    て、前記チャンバ内が低酸素濃度雰囲気になると、前記
    基板を離間位置から加熱位置に移動させるように基板移
    動手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする
    基板熱処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の基板熱処理装置におい
    て、 前記制御手段は、 予め設定された時間が経過した後、前記基板を離間位置
    から加熱位置に移動させるように前記基板移動手段を制
    御するタイマー管理機構である基板熱処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の基板熱処理装置におい
    て、 前記制御手段は、 前記チャンバ内の酸素濃度を検出して、所定の酸素濃度
    以下となると前記基板を離間位置から加熱位置に移動さ
    せるように前記基板移動手段を制御する酸素濃度計管理
    機構である基板熱処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の基板熱処理装置におい
    て、前記装置は、さらに、 前記基板加熱手段に対向する位置に配備され、前記基板
    加熱手段によって加熱処理が終了して、前記加熱位置か
    ら離間位置に移動された基板を冷却する冷却手段と、 前記冷却手段によって基板が冷却された後、前記チャン
    バを開放する開放手段とを備える基板熱処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の基板熱処理装置におい
    て、 前記開放手段は、 予め設定された時間が経過した後、前記チャンバを開放
    するタイマー開放機構である基板熱処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の基板熱処理装置におい
    て、前記装置はさらに、 前記基板を冷却する際に、前記加熱位置から離間位置に
    移動させた基板と、前記基板加熱手段との間に前記基板
    加熱手段からの熱を遮蔽する遮蔽部材を備える基板熱処
    理装置。
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