JP2000040201A - デジタル記録システムのビットエラーレートの推定評価方法 - Google Patents

デジタル記録システムのビットエラーレートの推定評価方法

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JP2000040201A
JP2000040201A JP10206148A JP20614898A JP2000040201A JP 2000040201 A JP2000040201 A JP 2000040201A JP 10206148 A JP10206148 A JP 10206148A JP 20614898 A JP20614898 A JP 20614898A JP 2000040201 A JP2000040201 A JP 2000040201A
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Naoto Abe
直人 阿部
Toru Nakao
徹 中尾
Toshiyuki Kitahara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】デジタル記録システムにおけるビットエラーレ
ートの推定評価方法に関し、記録装置に依存することな
く、信頼性があり、安定した推定評価をすることのでき
るビットエラーレートの推定評価方法を提案することを
課題とする。 【解決手段】デジタル記録システムに用いられる記録メ
ディアに、単一波形を記録した後、再生した波形の隣接
する山と谷のピークツゥーピーク値を10万個以上計測
して、このピークツゥーピーク値の平均値および標準偏
差を求め、前記平均値から、前記デジタル記録システム
の検出方式に応じた所定値を差し引いた値を閾値とし
て、この閾値以下のピークツゥーピーク値の発生する確
率を、前記平均値および前記標準偏差より定まる正規分
布を用いて算出することで、前記デジタル記録システム
のビットエラーレートを推定評価することにより、前記
課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル磁気記録
システムの記録再生特性に関するビットエラーレートの
推定評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のデジタル半導体の進歩に伴い、高
性能なデジタル半導体素子を手軽に利用できるようにな
った。VTR(ビデオテープレコーダ)に代表されるデ
ジタル記録システムの世界においても、デジタル半導体
素子を手軽に利用して、デジタル符号の形態で記録する
デジタル技術が進歩し、デジタル記録システム、例えば
デジタルVTRも普及して来た。デジタルVTRでは、
その規格において、業務用や放送用のD1,D2,D
3,D5、デジタルベータカムやDVCPROから民生
用のDVに至るまで、種々の方式が規格化されている。
【0003】デジタル記録システムの一例である、デジ
タルVTRの最大の特徴は、再生画像の画質の良いこと
である。アナログVTRにおいては、再生磁気ヘッドや
磁気テープで定まる記録再生系の周波数の振幅特性が変
動すると、再生信号の振幅も直接変動し、再生信号のS
/N比も変動するため、再生画質が劣化し易いことが知
られている。一方、デジタルVTRの場合、記録時、図
1(A)に示すように、R,GおよびBのアナログ記録
信号を記録系信号処理部10でデジタル処理して得られ
るデジタル記録信号である”0”や”1”を、記録再生
に適した所定の波形に変調器12を用いて変換して、記
録増幅器・磁気ヘッド14を介して磁気テープ16に記
録する。一方、再生時は、図1(B)に示すように、磁
気テープ16に磁気記録された記録信号を磁気ヘッド・
再生増幅器18で再生し、波形等化器20によって振幅
特性や位相特性を整形し、”0”や”1”に識別し易く
した後、検出回路22で等化された記録信号を”0”
や”1”に識別再生し、復調器24で再生信号に戻し、
再生系信号処理部26を通してR,GおよびBアナログ
信号に戻す処理を行う。
【0004】このように、”0”や”1”に対応する波
形で磁気記録されているため、磁気テープ16から再生
された波形を検出回路22で”0”や”1”に認識する
場合に発生するビットエラー、”0”を”1”として、
また、”1”を”0”として誤って認識する誤認識、を
訂正することができるのである。そして、このビットエ
ラーが訂正可能な範囲内であれば、正しい符号に訂正す
ることができるので、再生画像の画質は劣化しにくい。
しかし、稀にビットエラーが訂正可能な範囲を超えて、
ビットエラーが訂正ができない場合がある。その場合、
エラー発生部分に対応する再生画像は、欠落し、またモ
ザイク状パターンを形成し、画質の低下を招くのであ
る。そのため、再生画像を高画質に維持するためには、
ビットエラーの訂正が不可能な範囲でビットエラーが発
生する確率を可能な限り抑え、たとえビットエラーが発
生してもビットエラーの訂正可能な範囲で発生すること
が望ましい。
【0005】ところで、デジタルVTRのビットエラー
の発生する確率であるビットエラーレートの値は、一般
におよそ10-4〜10-5程度であり、1万ビット〜10
万ビットに1回ビットエラーを起こすものであるが、多
量のビット数を処理するデジタルVTRおいて、1万回
〜10万回に1回生じるビットエラーであっても、ビッ
トエラーレートの大小が、再生画像の画質良否を決定づ
ける重要な要因となる。このようなビットエラーを起こ
す原因は、記録系28や再生系30の周波数特性の劣
化、再生信号の振幅が部分的に大きく低下するドロップ
アウトの発生、磁気テープ16の非線形歪による信号の
劣化、磁気テープ16のノイズ、記録増幅器14aおよ
び再生増幅器18bのノイズや磁気ヘッド14bや18
aのインピーダンスノイズ等が挙げられる。
【0006】ところで、これらのビットエラーを検出
し、またビットエラーレートを推定することは、ビット
エラーの起こりにくいデジタルVTRを開発する当業者
のみならず、デジタルVTRの記録系28や再生系30
を構成する記録媒体、デジタルVTR用磁気テープ等を
開発する当業者にとっても重要な問題である。しかし、
ビットエラーレートを検出し、推定するには、ビットエ
ラーレートが10-4〜10-5程度であるため、通常膨大
なデータをリアルタイムで処理し、再生データと入力デ
ータを高速で比較するため、高速処理をすることのでき
る専用の回路が必要である。ビットエラーの検出につい
ては、例えばデジタルVTRの統一規格D1方式やD2
方式のデジタルVTRは、公知の通り、外符号および内
符号と呼ばれる2種類の誤り訂正符号を併用して、エラ
ーを検出し、訂正を行っている。また、特開平5−32
5433号公報では、パーシャルレスポンス方式を利用
して記録されたデジタル記録データを再生するデジタル
記録装置において、ビダビデコーダおよび3値レベル検
出回路を専用回路として構成することで、ビットエラー
を検出し、ビットエラーの測定を低コストで手軽に実現
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、記録メディア
を開発する当業者にとって、ビットエラーレートを評価
するには、デジタルVTRに備えられたビットエラー検
出装置やビットエラーレート測定装置を利用して、評価
しなければならず、このような検出装置や測定装置を装
備しないデジタルVTRにおいて、デジタルVTRと磁
気記録メディアである磁気テープとを合わせたデジタル
VTRシステム全体のビットエラーレートの評価はでき
ないといった問題があった。
【0008】そのため、ビットエラーレートの評価がで
きないデジタルVTRにおいては、再生信号の出力の大
小、搬送波に対する雑音の比であるCNRの大小および
ドロップアウトの発生量の大小をビットエラーレートの
推定評価の代替手段として用い、再生出力自体を上げる
ことで、搬送波に対する雑音の比CNRを大きくするこ
とで、またドロップアウトによるバーストエラーを抑え
ることで、ビットエラーレートの低減を達成してきた。
しかし、このような代替手段では、十分にビットエラー
レートを低減することはできないといった問題があっ
た。例えば、10万ビット中に1回または5回エラーが
発生する場合、その再生出力やCNRは平均値として求
められるため、ほとんど再生出力やCNRは変化しない
にも係わらず、ビットエラーレートは、10-5または5
*10-5と5倍変化することになり、ビットエラーレー
トの推定評価と十分に対応しないことになる。また、ビ
ットエラーは上述したように、記録系28や再生系30
の周波数特性の劣化、再生信号の振幅が部分的に大きく
低下するドロップアウトの発生、磁気テープ16の非線
形歪による信号の劣化、磁気テープ16のノイズ、記録
増幅器14aおよび再生増幅器18bのノイズや磁気ヘ
ッド14bや18aのインピーダンスノイズ等に基づい
て発生するが、偶発的に発生する磁気テープ16の傷や
ゴミに起因する再生信号のドロップアウトによって生じ
るバーストエラーを除いた形でビットエラーレートを推
定評価するのが好ましい。しかし、現実には磁気テープ
16の表面の汚れや傷等が発生するため、ドロップアウ
トの発生を抑えることが困難であり、再生信号のドロッ
プアウトによって生じるバーストエラーを除いて推定評
価をすることは困難であった。
【0009】このようなビットエラーレートの推定評価
の問題は、デジタルVTRシステムに固有の問題でな
く、ビットエラーの発生する、デジタル記録システム全
般における共通の問題であった。例えば、いわゆるDV
Dや書き込み可能なコンパクトディスク等においても同
様の問題があった。
【0010】そこで、本発明は、デジタル記録システム
における上記ビットエラーレートの推定評価の問題点を
解決すべく、デジタル記録装置に依存することなく、ビ
ットエラーレートの推定評価が可能であり、ドロップア
ウトの発生した再生信号を取り除き、ビットエラーレー
トを安定した形で推定することのできる新しい評価法を
提案することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、デジタル記録システムのビットエラーレートの推定
評価方法であって、デジタル記録システムに用いられる
記録メディアに、単一波形を記録した後、再生し、再生
した波形の隣接する山と谷のピークツゥーピーク値を1
0万個以上計測して、このピークツゥーピーク値の平均
値および標準偏差を求め、前記平均値から、前記デジタ
ル記録システムの検出方式に応じて定まる所定値を差し
引いた値を閾値として、この閾値以下のピークツゥーピ
ーク値の発生する確率を、前記平均値および前記標準偏
差より定まる正規分布を用いて算出することで、デジタ
ル記録システムのビットエラーレートを推定評価するこ
とを特徴とするデジタル記録システムのビットエラーレ
ートの推定評価方法を提供するものである。
【0012】ここで、前記単一波形は、正弦波形または
矩形波形であることが好ましく、また、この単一波形は
記録メディアの最小ビット間隔の2倍の周期を持った波
形であることが好ましい。また、前記平均値および前記
標準偏差を求める際に用いられる前記ピークツゥーピー
ク値は、ドロップアウトによって発生したピークツゥー
ピーク値を予め除去したものであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のビットエラーレー
トの推定評価方法について、デジタル記録システムの一
例であるデジタルVTRを用いて、添付の図面に示され
る好適実施例を基に詳細に説明する。
【0014】図2に、本発明のビットエラーレートの推
定評価方法についてデジタルVTRに適用したフローを
示す。本発明のビットエラーレートの推定評価方法は、
単一波形の記録、再生、再生波形の取得および計算機へ
の取り込みをおこなう、データ取得工程40、および取
得されたデータを正規分布に基づいてビットエラーの発
生確率を安定した形で算出するデータ処理工程42によ
って構成される。
【0015】データ取得工程40は、以下のステップで
行われる。まず、ステップ1において、デジタルVTR
に単一波形の信号を、図1(A)に示す記録増幅器14
aより直接入力し、通常に処理して、磁気テープ16に
記録する。そして、記録した信号は、デジタルVTRの
再生系30および再生系信号処理部26を利用して再生
をする。単一波形は、正弦波形やパルス波形や矩形波形
でもよいが、正弦波形であることが好ましい。正弦波形
の場合、磁気テープに高密度で磁気記録しても、信号が
磁気ヘッドやシステム全体の周波数特性によって影響を
受けることはなく、再生された波形がなまることもな
く、後述する正確なビット振幅を取得できるからであ
る。また、記録される単一波形の波形周期は、デジタル
VTRのシステムから定まる最小ビット間隔Tbの2倍
とするのが好ましい。ビットエラーは、短波長ほど出や
すく、ビットエラーの発生する最も厳しい条件で評価す
れば十分だからである。例えば、DVCPRO用磁気テ
ープでは、最小ビット間隔Tbは0.24μmであり、
そのため単一波形は0.48μmの周期で磁気テープに
記録する。D1方式の磁気テープでは、最小ビット間隔
Tbは0.48μmであり、そのため単一波形は0.9
6μmの周期で磁気テープに記録する。
【0016】ステップ2では、図1に示す再生増幅器1
8bから再生波形を、デジタル記録システムと独立した
デジタルストレージオシロスコープで波形を取得する。
デジタルストレージオシロスコープは、記録された正弦
波の周期である最小ビット間隔Tbの2倍の周期を考慮
して、最小ビット間隔Tbにつき約15点程度をサンプ
リングするように、サンプリング周波数を設定し、A/
D変換し、メモリに記録する。DVCPRO用磁気テー
プでは、最小ビット間隔Tbが0.24μmであり、サ
ンプリングは500MHz以上で行われる。
【0017】ステップ3では、デジタルストレージオシ
ロスコープでA/D変換され、取得されたメモリ長のデ
ータを計算機に取り込む。後述するデータ処理工程42
で、取り込まれたデータより、再生した波形の隣接する
山と谷または谷と山のピークツゥーピーク値であるビッ
ト振幅を計測し、ヒストグラムを作成し、ビットエラー
レートを推定するための発生確率の計算を行うためであ
る。計算機は、特に制限的ではなく、後述するデータ処
理工程42で行う平均値や標準偏差の計算や正規分布に
基づく発生確率の計算ができるものであれば良い。
【0018】ステップ4では、再生した波形の隣接する
山と谷または谷と山のピークツゥーピーク値の計測値が
10万個以上、すなわち総ビット数が10万ビット以上
であるか、判断する。10万ビット以下の場合、さら
に、デジタルストレージオシロスコープから再生した波
形を取り込む。ここで、総ビット数が10万ビット以上
とは、再生波形の山と谷および谷と山の計測されたピー
クツゥーピーク値の個数が10万個以上あることをい
う。最小ビット間隔Tbの2倍の周期の正弦波形を記録
しているため、図3に示すように、再生波形の山と谷も
それに対応して、最小ビット間隔Tbで再生されるから
である。また、再生波形の山(または谷)と最小ビット
間隔Tbで隣接する谷(または山)の再生出力の差であ
るピークツゥーピーク値をビット振幅と言う。それゆ
え、総ビット数が10万ビット以上とは、ビット振幅の
数が10万個以上あることをいう。なお、ビット振幅の
数を10万個以上とする方法は、図3に示すように、隣
接する山と谷および谷と山のピークツゥーピーク値をビ
ット振幅として、ビット振幅1、ビット振幅2、ビット
振幅3・・・として、合計10万個以上揃える方法の他
に、隣接する山と谷または谷と山のピークツゥーピーク
値を、再生波形の任意の部分から取り出して、ビット振
幅を合計して10万個以上揃える方法であってもよい。
このように、総ビット数を10万ビット以上、すなわち
ビット振幅の数を10万個以上とした理由は、後述する
ように、ビットエラーレートを安定した形で精度よく推
定するためであり、以下の事実に基づくものである。
【0019】図4(A)および(B)に示すグラフは、
DVCPRO用VTRのビットエラーレートの推定に用
いる、ビット振幅の平均値および標準偏差がビット振幅
の数に対してどの程度ばらつくかを示したものである。
DVCPRO用磁気テープに、最小ビット間隔Tbの2
倍の周期をもった単一正弦波を記録波形として記録した
後、DVCPRO用VTRで再生して、デジタルストレ
ージオシロスコープで取得し、その後、パーソナルコン
ピュータに取り込み、再生波形のビット振幅の数に対す
る再生波形のビット振幅の平均値および標準偏差を計算
している。さらに、求められた平均値および標準偏差が
どの程度ばらつくか、同一の単一正弦波を記録し再生し
てビット振幅の平均値および標準偏差を計算する処理を
3回行っている。なお、ビット振幅は、再生された波形
の信号電圧のピークツゥーピーク値をそのまま読んでい
る。図4(A)に示すように、ビット振幅の数に対する
ビット振幅の平均値は、ビット振幅の数が10万個以上
であれば、3回の平均値のばらつきはほとんどなく、ま
た、図4(B)に示すように、ビット振幅の数に対する
ビット振幅の標準偏差も、ビット振幅の数が10万個以
上であれば、3回の標準偏差のばらつきはほとんどな
く、ビット振幅の平均値及び標準偏差が安定して得られ
ることが判る。
【0020】このように、ビット振幅の数が10万個以
上、つまり総ビット数を10万ビット以上とすること
で、ビット振幅の平均値や標準偏差の信頼性は向上す
る。しかし、一般的に、統計学上、統計量である平均値
や標準偏差は、母集団の数を大きくすれば、平均値や標
準偏差はばらつきが少なくなり、信頼性も向上するのは
周知の事実である。
【0021】しかし、本発明のビットエラーレートの推
定評価方法におけるビット振幅の数の下限である10万
個、すなわちビット振幅の数が10万個の場合、以下の
特有の効果を顕著に示すのである。デジタル記録システ
ムのビットエラーレートは10-5程度であり、それゆ
え、ビットエラーが10万ビットに1回しか発生しない
にも係わらず、本発明の推定評価方法によれば、後述す
るように、ビット振幅の数10万個のデータで、信頼性
のあるビットエラーレートを高精度で推定することがで
きる特有の効果を有するのである。つまり、ビットエラ
ーが1回発生するかどうかの間に、波形振幅の低下や位
相の歪み等によって生ずる再生波形のビット振幅のばら
つきから、ビットエラーレートを精度よく安定した形で
推定することができるのである。そして、この効果は、
ビット振幅の数が10万個以上であっても、発揮され
る。
【0022】次に、データ処理工程42を説明する。デ
ータ処理工程42は、取得されたデータを正規分布に基
づいてビットエラーの発生確率を安定した形で算出する
工程である。ステップ5では、計算機で10万個以上の
ビット振幅から、ビット振幅のヒストグラムの作成を行
う。ヒストグラムの作成上のビット振幅の区分けは、お
よそ255分割して行う。この程度の分割を必要とする
のは、後述する正規分布による発生確率を有効に推定す
ることができ、また、ドロップアウトしたビット振幅も
容易に除去可能だからである。
【0023】ステップ6では、得られた10万個以上の
ビット振幅の中に、ドロップアウトが発生していない
か、判断する。判断する方法は、ステップ5で得られた
ビット振幅のヒストグラムから、特異的なピークが存在
しないかによって判断する。特異的なピークが存在しな
いと判断される場合には、ステップ7のドロップアウト
したビット振幅の除去を行うことなく、ステップ8の平
均値および標準偏差の算出を行う。一方、ドロップアウ
トしたビット振幅を含んでいる場合、図5に示すよう
に、ビット振幅のヒストグラムを正規化した確率密度分
布は、概略正規分布を示しているものの、特異的なピー
クを形成し、領域Aをつくる。(図5に示す確率密度分
布のグラフは、ビット振幅の255分割の区分けを滑ら
かにつないだものである。)このような場合、このピー
クは、必ず一定のピークをビット振幅のヒストグラムの
所定の範囲に形成するものではないため、領域Aを除去
せずに、以降のステップで行う平均値や標準偏差の算出
を行うと、領域Aの影響を受けて、平均値や標準偏差の
精度および信頼性が低下し、最終的にビットエラーレー
トの推定として算出するビット振幅の発生確率を1桁や
2桁変化させてしまう場合があるからである。そのた
め、図5に示されるような、特異的なピークを形成した
確率密度分布の場合、再生信号のドロップアウトを排除
するために、領域Aを除去するのである。除去の方法
は、除去された場合のビット振幅の発生確率密度分布が
正規分布を形成することを利用して、補正する。
【0024】ステップ8では、ドロップアウトしたビッ
ト振幅をステップ7で除去したビット振幅の平均値Bお
よび標準偏差Vを、または、ステップ6でドロップアウ
トは発生しなかったと判断したビット振幅の平均値Bお
よび標準偏差Vを算出する。平均値および標準偏差は、
統計学上の通常の方法で算出する。平均値Bおよび標準
偏差Vを算出することで、ビット振幅の発生確率密度分
布を正規分布に置き換えることができるからである。ま
た、総ビット数は10万ビット以上であるために、信頼
性のある安定した正規分布N(B、V)に置き換えるこ
とができる。また、ビット振幅の発生確率密度分布が正
規分布を示すのは、そのばらつきの発生原因が磁気テー
プ16のノイズ、記録増幅器14aや再生増幅器18b
のノイズや磁気ヘッド14bおよび18aのインピーダ
ンスノイズに基づくものだからである。
【0025】ステップ9では、図6に示すように、平均
値Bおよび標準偏差Vから得られた正規分布N(B、
V)に基づいて、平均値Bから所定量D低下したビット
振幅B−Dを閾値として、この閾値B−D以下のビット
振幅の発生確率(図6における領域Cの面積)を算出す
る。所定値Dとは、デジタルVTR固有の検出方式、例
えば積分検出方式やPR4検出方式によって定まる値で
あり、その値は検出方式によって異なる。例えば、PR
4検出方式においては、所定量Dは6dBであり、閾値
はステップ8で算出された平均値Bから6dB落ちたビ
ット振幅を閾値とする。このように、デジタルVTRの
検出方式に応じて、ビット振幅の平均値Bから所定値D
低いビット振幅B−Dを閾値とすることで、検出方式に
応じた閾値以下のビット振幅の発生確率を算出し、この
発生確率をビットエラーレートとして推定評価をするこ
とができるのである。
【0026】このように正規分布N(B、V)に基づい
て、平均値BからデジタルVTRの検出方式によって定
まる所定値Dを差し引いたビット振幅B−Dを閾値とし
て、それ以下の発生確率を求めるが、総ビット数が10
万ビット以上、つまりビット振幅の数が10万個以上で
あるため、平均値Bおよび標準偏差Vが安定し、さらに
ドロップアウトの発生したビット振幅を除去しているた
め、一層平均値Bおよび標準偏差Vの値は安定してい
る。その結果、正規分布N(B、V)はビット振幅の発
生確率密度分布を精度よく再現しており、発生確率を安
定した形で精度よく求めることができるのである。ま
た、10万ビット中に1ビットエラーが発生した場合、
従来の専用回路による評価では、発生確率は10-5と測
定するが、必ずしもデジタルVTRのシステム上の発生
確率が10-5とは限らず、たまたま10万ビット中に1
ビットエラーが発生した場合もあり、ビットエラーを正
しく推定していない場合が多いが、本発明によれば、ビ
ットエラーレートの推定評価を行うデジタル記録システ
ムの検出方式さえわかれば、総ビット数10万ビット以
上のデータを用いてビットエラーレートを極めて精度よ
く推定することが可能となるのである。また、単一波形
の磁気テープへの記録からビットエラーレートの推定評
価に至るまで、所要時間は約15分であり、実用的でも
ある。このように、本発明の評価方法は、精度よくかつ
安定したビットエラーレートの評価を行なうことができ
るため、デジタルVTRシステムを開発する当業者にと
って極めて有効な評価方法となるのである。
【0027】以上、本発明の一実施例として、デジタル
VTRにおけるビットエラーレートの推定評価方法につ
いて説明したが、ビットエラーレートの推定評価は、デ
ジタルVTRにとどまらず、書き込み可能なコンパクト
ディスクやDVD等のデジタル記録システム全般に適用
されるものである。また、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのは
もちろんである。
【0028】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明
は、デジタル記録装置に依存することなく、安定しかつ
信頼性のあるビットエラーレートの推定評価が可能であ
り、さらに、偶発的に起こるドロップアウトの発生した
ビット振幅を取り除いた形でビットエラーレートを推定
することができるので、より安定しかつ信頼性のあるビ
ットエラーレートの推定評価が可能となり、デジタル記
録システムを開発する当業者にとって大いに役立つもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、デジタルVTRの記録装置の概念
を示したブロック図であり、(B)は、デジタルVTR
の再生装置の概念を示したブロック図である。
【図2】 本発明のデジタル記録システムのビットエラ
ーレートの推定評価方法の一実施例を示すフローチャー
トである。
【図3】 本発明のデジタル記録システムのビットエラ
ーレートの推定評価方法における再生波形の一例を示す
図である。
【図4】 (A)は、ビット振幅の数とビット振幅の平
均値との関係を説明する図であり、(B)は、ビット振
幅の数とビット振幅の標準偏差との関係を説明する図で
ある。
【図5】 本発明のデジタル記録システムのビットエラ
ーレートの推定評価方法におけるビット振幅の確率密度
分布の一例を説明する図である。
【図6】 本発明のデジタル記録システムのビットエラ
ーレートの推定評価方法におけるビット振幅の確率密度
分布の一例を説明する図である。
【符号の説明】
10 記録系信号処理部 12 変調器 14 記録増幅器・磁気ヘッド 14a 記録増幅器 14b 磁気ヘッド 16 磁気テープ 18 磁気ヘッド・再生増幅器 18a 磁気ヘッド 18b 再生増幅器 20 波形等化器 22 検出回路 24 復調器 26 再生系信号処理部 28 記録系 30 再生系 40 データ取得工程 42 データ処理工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 淑行 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5D091 AA04 BB04 FF01 FF05 FF20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】デジタル記録システムのビットエラーレー
    トの推定評価方法であって、 デジタル記録システムに用いられる記録メディアに、単
    一波形を記録した後、再生し、 再生した波形の隣接する山と谷のピークツゥーピーク値
    を10万個以上計測して、このピークツゥーピーク値の
    平均値および標準偏差を求め、 前記平均値から、前記デジタル記録システムの検出方式
    に応じて定まる所定値を差し引いた値を閾値として、こ
    の閾値以下のピークツゥーピーク値の発生する確率を、
    前記平均値および前記標準偏差より定まる正規分布を用
    いて算出することで、デジタル記録システムのビットエ
    ラーレートを推定評価することを特徴とするデジタル記
    録システムのビットエラーレートの推定評価方法。
  2. 【請求項2】前記単一波形は、正弦波形または矩形波形
    である請求項1に記載のデジタル記録システムのビット
    エラーレートの推定評価方法。
  3. 【請求項3】前記単一波形は、記録メディアの最小ビッ
    ト間隔の2倍の周期を持った波形である請求項1または
    2に記載のデジタル記録システムのビットエラーレート
    の推定評価方法。
  4. 【請求項4】前記平均値および前記標準偏差を求める際
    に用いられる前記ピークツゥーピーク値は、ドロップア
    ウトによって発生したピークツゥーピーク値を予め除去
    したものである請求項1〜3のいずれかに記載のデジタ
    ル記録システムのビットエラーレートの推定評価方法。
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