JP2000039513A - 光学フィルムフィルタおよびプラズマディスプレイ表示装置 - Google Patents

光学フィルムフィルタおよびプラズマディスプレイ表示装置

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JP2000039513A
JP2000039513A JP20822198A JP20822198A JP2000039513A JP 2000039513 A JP2000039513 A JP 2000039513A JP 20822198 A JP20822198 A JP 20822198A JP 20822198 A JP20822198 A JP 20822198A JP 2000039513 A JP2000039513 A JP 2000039513A
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Japan
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liquid crystal
cholesteric liquid
crystal polymer
polymer solidified
layer
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JP20822198A
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Yoshihiro Hieda
嘉弘 稗田
Kazuhiko Miyauchi
和彦 宮内
Toshitaka Nakamura
年孝 中村
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外線および電磁波を遮断する機能を備
え、かつ可視光を十分に透過する軽量かつ薄型な光学フ
ィルムフィルタを提供することである。 【解決手段】 プラズマディスプレイパネル用フィルタ
200は、電磁波シールド層100と近赤外線反射フィ
ルム101とを備える。電磁波シールド層100は、導
電性メッシュ状シート1から構成される。近赤外線反射
フィルム101は、左螺旋軸を有するコレステリック液
晶高分子固化層61,62と、右螺旋軸を有するコレス
テリック液晶高分子固化層71,72とを積層してな
る。各コレステリック液晶高分子固化層61,62,7
1,72の厚さは螺旋3ピッチ以上であり、これらの層
における螺旋1ピッチの値の最大値と最小値との差は、
20nm以上350nm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルムフィ
ルタおよびそれを備えたプラズマディスプレイ表示装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネルでは、グロ
ー放電を行うために駆動回路及び電極にパルス状の大電
流を流す必要がある。そのため、パネルの前面や背面か
ら電磁波が放出するという問題がある。プラズマディス
プレイパネルの背面側から放出する電磁波は、電磁波を
発生する部分を電磁波シールド物質、例えば金属材料、
導電塗料、無電解金属メッキ等により被覆することで遮
断することが可能である。しかしながら、プラズマディ
スプレイパネルの前面側は表示面であるため、前述のよ
うな電磁波シールド物質で被覆することができない。
【0003】そこで、特開平08−183132号およ
び特開平08−337439号では、表示画面の画像を
阻害せずに電磁波を遮断する機能を有する電磁波シール
ドフィルムについて記載されている。
【0004】一方、プラズマディスプレイパネルは、希
ガス、特にネオンを主体とするガスがパネル内に封入さ
れている。プラズマディスプレイパネルにおいて、陰極
から放出された電子が加速されてガス分子と衝突し、励
起したり電離したりしながら陽極に進み、できた陽イオ
ンも陰極と衝突して2次電子放出を起こし、放電が開始
する。この過程において、ネオンがイオン化する際、近
赤外線が放出される。
【0005】放出された近赤外線は、波長が800〜1
100nmである。一方、家電製品、カラオケおよび音
響映像機器等のリモートコントローラの受光感度は70
0〜1300nmであることから、プラズマディスプレ
イパネルから放出された近赤外線がリモートコントロー
ラを誤動作させてしまうという問題が生じている。しか
しながら、近赤外線はプラズマディスプレイパネルの原
理上発生するものであり、プラズマディスプレイパネル
自体では防ぎようがない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プラズマディスプレイ
パネルは、大型テレビジョン受像機のディスプレイとし
て、今後の利用が広がるものと期待されていることか
ら、プラズマディスプレイパネルから放射される近赤外
線を遮断する機能を有するフィルタが必要となる。
【0007】プラズマディスプレイパネルでは、画像特
性が優先されるため、画像を阻害する物体を画面に配置
することが極力制限される。また、プラズマディスプレ
イパネル自体が主に大型(40インチ以上)の画面を有
するテレビジョン受像機での利用をめざしているため、
プラズマディスプレイパネルに装着するフィルタは、軽
量かつ薄型であることが望まれる。
【0008】本発明の目的は、近赤外線および電磁波を
遮断する機能を備え、かつ可視光を十分に透過する軽量
かつ薄型な光学フィルムフィルタを提供することであ
る。
【0009】本発明の他の目的は、近赤外線および電磁
波の放射が防止されかつ良好な画質が得られるプラズマ
ディスプレイ表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係る光学フィルムフィルタは、近赤外線反射フィ
ルムおよび電磁波を遮断する機能を有する導電性メッシ
ュ状シートからなる電磁波シールド層とが積層され、近
赤外線反射フィルムは可視光帯域の光を透過しかつ近赤
外線帯域の光の左円偏光成分または右円偏光成分を選択
反射する第1のコレステリック液晶高分子固化層と、可
視光帯域の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の第1のコ
レステリック液晶高分子固化層と異なる円偏光成分を選
択反射する第2のコレステリック液晶高分子固化層とが
積層されてなり、第1のコレステリック液晶高分子固化
層および第2のコレステリック液晶高分子固化層の各々
が螺旋3ピッチ以上に相当する厚みを有するものであ
る。
【0011】コレステリック液晶高分子固化層の厚みを
3ピッチ以上にすることにより、近赤外線帯域の光を高
い反射率で反射することができる。
【0012】また、厚みが螺旋3ピッチ以上20ピッチ
以下であれば、可視光の透過率が高く、薄型かつ軽量な
近赤外線反射フィルムとなる。
【0013】近赤外線帯域の光の左円偏光成分または右
円偏光成分が、螺旋3ピッチ以上の厚みを有する第1の
コレステリック液晶高分子固化層において高い反射率で
反射される。上記のように第1および第2のコレステリ
ック液晶高分子固化層を積層した場合、第1のコレステ
リック液晶高分子固化層を透過した近赤外線帯域の光の
右円偏光成分または左円偏光成分が、螺旋3ピッチ以上
の厚みを有する第2のコレステリック液晶高分子固化層
において高い反射率で反射される。
【0014】近赤外線帯域の光は、50%の左円偏光成
分および50%の右円偏光成分からなるため、第1のコ
レステリック液晶高分子固化層および第2のコレステリ
ック液晶高分子固化層により、近赤外線帯域の光は、理
論上100%反射される。
【0015】このように、第1および第2のコレステリ
ック液晶高分子固化層を積層した近赤外線反射フィルム
を有する光学フィルムフィルタにおいては、可視光帯域
の光の透過率が高く、かつ近赤外線帯域の光の反射率が
高い。
【0016】また、本発明に係る光学フィルムフィルタ
は、導電性メッシュ状シートからなる電磁波シールド層
を備えるため、電磁波を遮断することが可能であるとと
もに、電磁波シールド層と近赤外線反射フィルムが一体
化されているため、光学フィルムフィルタが軽量かつ薄
型である。このため、電磁波および近赤外線を同時に放
出するディスプレイパネル等に装着する光学フィルムフ
ィルタとして最適である。
【0017】また、第1のコレステリック液晶高分子固
化層および第2のコレステリック液晶高分子固化層の各
々の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲内で
あることが好ましい。
【0018】螺旋1ピッチの値が上記の範囲内にある場
合、第1および第2のコレステリック液晶高分子固化層
において、800〜1300nmの波長帯域内の特定波
長帯域の近赤外線を反射することが可能となる。
【0019】また、導電性メッシュ状シートの表面電気
抵抗が1Ω/□以下であることが好ましい。
【0020】導電性メッシュ状シートの表面電気抵抗が
小さい程、導電性メッシュ状シートの導電性が高くな
る。これにより、導電性メッシュ状シートからなる電磁
波シールド層の性能が高くなる。
【0021】さらに、導電性メッシュ状シートの線径が
10μm以上100μm以下であり、ピッチが100μ
m以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94
%以下であることが好ましい。
【0022】導電性メッシュ状シートの線径が10μm
未満の場合、機械的強度が弱くなり、また、導電性メッ
シュ状シートの線径が100μmを超える場合、可視光
透過率が低下し、モアレも大きくなる。さらに、導電性
メッシュ状シートのピッチおよび開孔率を上記のように
設定した場合、導電性メッシュ状シートにおける可視光
の透過率が50%以上となる。これにより、本発明に係
る光学フィルムフィルタの可視光透過率が高くなる。
【0023】第2の発明に係る光学フィルムフィルタ
は、近赤外線反射フィルムおよび電磁波を遮断する機能
を有する導電性メッシュ状シートからなる電磁波シール
ド層とが積層され、近赤外線反射フィルムは可視光帯域
の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の左円偏光成分また
は右円偏光成分を選択反射する第1のコレステリック液
晶高分子固化層と、可視光帯域の光を透過しかつ近赤外
線帯域の光の第1のコレステリック液晶高分子固化層と
同じ円偏光成分を選択反射する第2のコレステリック液
晶高分子固化層とが1/2波長板を介して積層されてな
り、第1のコレステリック液晶高分子固化層および第2
のコレステリック液晶高分子固化層の各々が螺旋3ピッ
チ以上に相当する厚みを有するものである。
【0024】近赤外線帯域の光の左円偏光成分または右
円偏光成分が螺旋3ピッチ以上の厚みを有する第1のコ
レステリック液晶高分子固化層において高い反射率で反
射されるため、第1のコレステリック液晶高分子固化層
において近赤外線帯域の光の50%が反射されることに
なる。上記のように第1および第2のコレステリック液
晶高分子固化層を積層した場合、第1のコレステリック
液晶高分子固化層を透過した近赤外線帯域の光の右円偏
光成分または左円偏光成分は、1/2波長板を透過する
過程で180°の位相差を与えられる。このため、右円
偏光成分は左円偏光成分に変えられ、一方、左円偏光成
分は右円偏光成分に変えられる。
【0025】1/2波長板を透過した左円偏光成分また
は右円偏光成分は、螺旋3ピッチ以上の厚みを有する第
2のコレステリック液晶高分子固化層において高い反射
率で反射されるため、近赤外線帯域の光は、理論上10
0%反射されることになる。
【0026】さらに、本発明に係る光学フィルムフィル
タは、導電性メッシュ状シートからなる電磁波シールド
層を備えるため電磁波を遮断することが可能であるとと
もに、電磁波シールド層と近赤外線反射フィルムとが一
体化されているため、軽量かつ薄型である。このため、
電磁波および近赤外線を同時に放出するディスプレイパ
ネル等に装着する光学フィルムフィルタとして最適であ
る。
【0027】また、第1のコレステリック液晶高分子固
化層および第2のコレステリック液晶高分子固化層の各
々の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲内で
あることが好ましい。
【0028】螺旋1ピッチの値が上記の範囲内にある場
合、第1および第2のコレステリック液晶高分子固化層
において、800〜1300nmの波長帯域の特定波長
帯域の近赤外線を反射することが可能となる。
【0029】また、導電性メッシュ状シートの表面電気
抵抗が1Ω/□以下であることが好ましい。
【0030】導電性メッシュ状シートの表面電気抵抗が
小さい程、導電性メッシュ状シートの導電性が高くな
る。これにより、導電性メッシュ状シートからなる電磁
波シールド層の性能が高くなる。
【0031】さらに、導電性メッシュ状シートの線径が
10μm以上100μm以下であり、ピッチが100μ
m以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94
%以下であることが好ましい。
【0032】導電性メッシュ状シートの線径が10μm
未満の場合、機械的強度が弱くなり、また、導電性メッ
シュ状シートの線径が100μmを超える場合、可視光
透過率が低下し、モアレも大きくなる。さらに、導電性
メッシュ状シートのピッチおよび開孔率を上記のように
設定した場合、導電性メッシュ状シートにおける可視光
の透過率が50%以上となる。これにより、本発明に係
る光学フィルムフィルタの可視光透過率が高くなる。
【0033】第3の発明に係る光学フィルムフィルタ
は、近赤外線反射フィルムおよび電磁波を遮断する機能
を有する導電性メッシュ状シートからなる電磁波シール
ド層とが積層され、近赤外線反射フィルムは可視光帯域
の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の左円偏光成分また
は右円偏光成分を選択反射する複数の第1のコレステリ
ック液晶高分子固化層と、可視光帯域の光を透過しかつ
近赤外線帯域の光の複数の第1のコレステリック液晶高
分子固化層と異なる円偏光成分を選択反射する複数の第
2のコレステリック液晶高分子固化層とが積層されてな
り、第1のコレステリック液晶高分子固化層および第2
のコレステリック液晶高分子固化層の各々が螺旋3ピッ
チ以上に相当する厚みを有するものである。
【0034】近赤外線帯域の光の左円偏光成分または右
円偏光成分が、螺旋3ピッチ以上の厚みを有する各々の
第1のコレステリック液晶高分子固化層において高い反
射率で反射されるため、複数の第1のコレステリック液
晶高分子固化層において、近赤外線帯域の光の50%が
反射されることになる。
【0035】上記のように複数の第1のコレステリック
液晶高分子固化層と複数の第2のコレステリック液晶高
分子固化層とを積層した場合、複数の第1のコレステリ
ック液晶高分子固化層を透過した近赤外線帯域の光の右
円偏光成分または左円偏光成分が、螺旋3ピッチ以上の
厚みを有する各々の第2のコレステリック液晶高分子固
化層において高い反射率で反射されるため、近赤外線帯
域の光は、理論上100%反射されることになる。
【0036】このように、複数の第1および第2のコレ
ステリック液晶高分子固化層とを積層した近赤外線反射
フィルムを有する光学フィルムフィルタは、可視光帯域
の光の透過率が高く、かつ近赤外線帯域の光の反射率が
高い。
【0037】さらに、本発明に係る光学フィルムフィル
タは、導電性メッシュ状シートからなる電磁波シールド
層を備えるため電磁波を遮断することが可能であるとと
もに、電磁波シールド層と近赤外線反射フィルムとが一
体化されているため、軽量かつ薄型である。このため、
電磁波および近赤外線を同時に放出するディスプレイパ
ネル等に装着する光学フィルムフィルタとして最適であ
る。
【0038】また、各第1のコレステリック液晶高分子
固化層および各第2のコレステリック液晶高分子固化層
の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0039】螺旋1ピッチの値が上記の範囲内にある場
合、複数の第1のコレステリック液晶高分子固化層およ
び複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層におい
て、800〜1300nmの波長帯域内の特定波長帯域
の近赤外線を反射することが可能となる。
【0040】また、複数の第1のコレステリック液晶高
分子固化層の螺旋ピッチがそれぞれ異なり、複数の第2
のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋ピッチがそれ
ぞれ異なることが好ましい。
【0041】これにより、各々の第1のコレステリック
液晶高分子固化層における反射波長帯域が異なるため、
複数の第1のコレステリック液晶高分子固化層を積層し
たものでは、異なる波長帯域の近赤外線の左円偏光成分
または右円偏光成分を反射することが可能となる。ま
た、各々の第2のコレステリック液晶高分子固化層にお
ける反射波長帯域が異なるため、複数の第2のコレステ
リック液晶高分子固化層を積層したものでは、異なる波
長帯域の近赤外線の右円偏光成分または左円偏光成分を
反射することが可能となる。
【0042】複数の第1のコレステリック液晶高分子固
化層と複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層と
を積層した場合、複数の第1のコレステリック液晶高分
子固化層において、異なる波長帯域の近赤外線がそれぞ
れ50%反射される。また、複数の第1のコレステリッ
ク液晶高分子固化層を透過した近赤外線が複数の第2の
コレステリック液晶高分子固化層において反射されるた
め、異なる波長帯域の近赤外線は、理論上それぞれ10
0%反射されることになる。
【0043】また、複数の第1のコレステリック液晶高
分子固化層の螺旋ピッチが積層方向において変化し、複
数の第2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋ピッ
チが積層方向において順に変化することが好ましい。
【0044】これにより、複数の第1のコレステリック
液晶高分子固化層および複数の第2のコレステリック液
晶高分子固化層において、近赤外線帯域の光を広範囲に
わたり高い反射率で反射することが可能となる。
【0045】さらに、複数の第1のコレステリック液晶
高分子固化層の螺旋1ピッチの値のうち最大値と最小値
との差が20nm以上350nm以下で、複数の第2の
コレステリック液晶高分子固化層の螺旋1ピッチの値の
うち最大値と最小値との差が20nm以上350nm以
下であることが好ましい。
【0046】これにより、複数の第1のコレステリック
液晶高分子固化層において、各々の第1のコレステリッ
ク液晶高分子固化層の反射波長帯域が合成され、広範囲
にわたる波長帯域の近赤外線の左円偏光成分または右円
偏光成分を均一に反射することができる。また、第2の
コレステリック液晶高分子固化層においても、第1のコ
レステリック液晶高分子固化層と同様、各々の第2のコ
レステリック液晶高分子固化層の反射波長帯域が合成さ
れ、広範囲にわたる波長帯域の近赤外線の右円偏光成分
または左円偏光成分を均一に反射することができる。
【0047】このため、複数の第1のコレステリック液
晶高分子固化層と複数の第2のコレステリック液晶高分
子固化層とを積層した場合、広範囲にわたる波長帯域の
近赤外線を高い反射率で均一に反射することが可能とな
る。
【0048】この場合、多数のコレステリック液晶高分
子固化層を積層することなく近赤外線帯域の広範囲にわ
たる光を反射することができるので、光学フィルムフィ
ルタの薄型化かつ軽量化が図られる。
【0049】また、導電性メッシュ状シートの表面電気
抵抗が1Ω/□以下であることが好ましい。
【0050】導電性メッシュ状シートの表面電気抵抗が
小さい程、導電性メッシュ状シートの導電性が高くな
る。これにより、導電性メッシュ状シートからなる電磁
波シールド層の性能が高くなる。
【0051】さらに、導電性メッシュ状シートの線径が
10μm以上100μm以下であり、ピッチが100μ
m以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94
%以下であることが好ましい。
【0052】導電性メッシュ状シートの線径が10μm
未満の場合、機械的強度が弱くなり、また、導電性メッ
シュ状シートの線径が100μmを超える場合、可視光
透過率が低下し、モアレも大きくなる。さらに、導電性
メッシュ状シートのピッチおよび開孔率を上記のように
設定した場合、導電性メッシュ状シートにおける可視光
の透過率が50%以上となる。これにより、本発明に係
る光学フィルムフィルタの可視光透過率が高くなる。
【0053】第4の発明に係る光学フィルムフィルタ
は、近赤外線反射フィルムおよび電磁波を遮断する機能
を有する導電性メッシュ状シートからなる電磁波シール
ド層とが積層され、近赤外線反射フィルムは可視光帯域
の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の左円偏光成分また
は右円偏光成分のいずれかを選択反射する複数の第1の
コレステリック液晶高分子固化層と、可視光帯域の光を
透過しかつ近赤外線帯域の光の複数の第1のコレステリ
ック液晶高分子固化層と同じ円偏光成分を選択反射する
複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層とが1/
2波長板を介して積層されてなり、第1のコレステリッ
ク液晶高分子固化層および第2のコレステリック液晶高
分子固化層の各々が螺旋3ピッチ以上に相当する厚みを
有するものである。
【0054】近赤外線帯域の光の左円偏光成分または右
円偏光成分が、複数の第1のコレステリック液晶高分子
固化層において高い反射率で反射されるため、複数の第
1のコレステリック液晶高分子固化層において近赤外線
帯域の光の50%が反射されることになる。
【0055】上記のように複数の第1のコレステリック
液晶高分子固化層と複数の第2のコレステリック液晶高
分子固化層とを積層した場合、複数の第1のコレステリ
ック液晶高分子固化層を透過した近赤外線帯域の光の右
円偏光成分または左円偏光成分は、1/2波長板を透過
する過程で180°の位相差を与えられる。このため、
右円偏光成分は左円偏光成分に変えられ、一方、左円偏
光成分は右円偏光成分に変えられる。
【0056】1/2波長板を透過した左円偏光成分また
は右円偏光成分は、複数の第2のコレステリック液晶高
分子固化層において高い反射率で反射されるため、近赤
外線帯域の光は、理論上100%反射されることにな
る。
【0057】さらに、本発明に係る光学フィルムフィル
タは、導電性メッシュ状シートからなる電磁波シールド
層を備えるため電磁波を遮断することが可能であるとと
もに、電磁波シールド層と近赤外線反射フィルムとが一
体化されているため、軽量かつ薄型である。このため、
電磁波および近赤外線を同時に放出するディスプレイパ
ネル等に装着する光学フィルムフィルタとして最適であ
る。
【0058】また、1/2波長板が380〜700nm
の範囲の位相差を与えることが好ましい。
【0059】これにより、近赤外線帯域の広範囲の光に
180°の位相差を与えることができ、広範囲にわたる
近赤外線帯域の光の左円偏光成分を右円偏光成分に、ま
たは、右円偏光成分を左円偏光成分に変換することが可
能となる。
【0060】また、各第1のコレステリック液晶高分子
固化層および各第2のコレステリック液晶高分子固化層
の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲内であ
ることが好ましい。
【0061】螺旋1ピッチの値が上記の範囲内にある場
合、複数の第1のコレステリック液晶高分子固化層およ
び複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層におい
て、800〜1300nmの波長帯域の近赤外線を反射
することが可能となる。
【0062】また、複数の第1のコレステリック液晶高
分子固化層の螺旋1ピッチの値がそれぞれ異なり、複数
の第2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋1ピッ
チの値がそれぞれ異なることが好ましい。
【0063】これにより、各々の第1のコレステリック
液晶高分子固化層における反射波長帯域が異なるため、
複数の第1のコレステリック液晶高分子固化層を積層し
たものでは、異なる波長帯域の近赤外線の左円偏光成分
または右円偏光成分を反射することが可能となる。ま
た、各々の第2のコレステリック液晶高分子固化層にお
ける反射波長帯域が異なるため、複数の第2のコレステ
リック液晶高分子固化層を積層したものでは、異なる波
長帯域の近赤外線の左円偏光成分または右円偏光成分を
反射することが可能となる。
【0064】複数の第1のコレステリック液晶高分子固
化層と複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層と
を積層した場合、複数の第1のコレステリック液晶高分
子固化層において、異なる波長帯域の近赤外線がそれぞ
れ50%反射される。一方、複数の第1のコレステリッ
ク液晶高分子固化層を透過した近赤外線の右円偏光成分
または左円偏光成分が、1/2波長板を透過する過程で
180°の位相差を与えられるため、右円偏光成分が左
円偏光成分に変えられ、一方、左円偏光成分は右円偏光
成分に変えられる。
【0065】1/2波長板を透過した左円偏光成分また
は右円偏光成分は、複数の第2のコレステリック液晶高
分子固化層において反射されるため、異なる波長帯域の
近赤外線は、理論上それぞれ100%反射されることに
なる。
【0066】また、複数の第1のコレステリック液晶高
分子固化層の螺旋ピッチが積層方向において順に変化
し、複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層の螺
旋ピッチが積層方向において順に変化することが好まし
い。
【0067】これにより、複数の第1のコレステリック
液晶高分子固化層および複数の第2のコレステリック液
晶高分子固化層において、近赤外線帯域の光を広範囲に
わたり高い反射率で反射することが可能となる。
【0068】さらに、複数の第1のコレステリック液晶
高分子固化層の螺旋1ピッチの値のうち最大値と最小値
との差が20nm以上350nm以下であり、複数の第
2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋1ピッチの
値のうち最大値と最小値との差が20nm以上350n
m以下であることが好ましい。
【0069】これにより、複数の第1のコレステリック
液晶高分子固化層において、各々の第1のコレステリッ
ク液晶高分子固化層の反射波長帯域が合成され、広範囲
にわたる波長帯域の近赤外線の左円偏光成分または右円
偏光成分を均一に反射することができる。また、第2の
コレステリック液晶高分子固化層においても、第1のコ
レステリック液晶高分子固化層と同様、各々の第2のコ
レステリック液晶高分子固化層の反射波長帯域が合成さ
れ、広範囲にわたる波長帯域の近赤外線の右円偏光成分
または左円偏光成分を均一に反射することができる。
【0070】このため、複数の第1のコレステリック液
晶高分子固化層と複数の第2のコレステリック液晶高分
子固化層とを積層した場合、広範囲にわたる波長帯域の
近赤外線を高い反射率で均一に反射することが可能とな
る。
【0071】この場合、多数のコレステリック液晶高分
子固化層を積層することなく近赤外線帯域の広範囲にわ
たる光を反射することができるので、光学フィルムフィ
ルタの薄型化かつ軽量化が図られる。
【0072】また、導電性メッシュ状シートの表面電気
抵抗が1Ω/□以下であることが好ましい。
【0073】導電性メッシュ状シートの表面電気抵抗が
小さい程、導電性メッシュ状シートの導電性が高くな
る。これにより、導電性メッシュ状シートからなる電磁
波シールド層の性能が高くなる。
【0074】さらに、導電性メッシュ状シートの線径が
10μm以上100μm以下であり、ピッチが100μ
m以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94
%以下であることが好ましい。
【0075】導電性メッシュ状シートの線径が10μm
未満の場合、機械的強度が弱くなり、また、導電性メッ
シュ状シートの線径が100μmを超える場合、可視光
透過率が低下し、モアレも大きくなる。さらに、導電性
メッシュ状シートのピッチおよび開孔率を上記のように
設定した場合、導電性メッシュ状シートにおける可視光
の透過率が50%以上となる。これにより、本発明に係
る光学フィルムフィルタの可視光透過率が高くなる。
【0076】第5の発明に係る光学フィルムフィルタ
は、第1〜第4のいずれかの発明に係る光学フィルムフ
ィルタの一面に透明反射防止層または透明防眩層が設け
られたものである。
【0077】本発明に係る光学フィルムフィルタにおい
ては、近赤外線反射フィルムにより近赤外線帯域の光を
高い反射率で広範囲にわたって反射することができると
ともに、電磁波シールド層により、電磁波を遮断するこ
とが可能である。また、透明反射防止層または透明防眩
層により、外光の反射が低く抑えられるため、光学フィ
ルムフィルタの表面において外光が反射して眩しくなる
ことが防止されるとともに、可視光の透過率が向上す
る。
【0078】第6の発明に係る光学フィルムフィルタ
は、第1〜第5のいずれかの発明に係る光学フィルムフ
ィルタの他面に透明粘着剤層が設けられたものである。
【0079】この透明粘着剤層を介して、本発明に係る
光学フィルムフィルタを、直接、ディスプレイパネルに
貼り付けることができるため、ディスプレイパネルへの
装着が容易となる。
【0080】第7の発明に係る光学フィルムフィルタ
は、第1〜第5のいずれかの発明に係る光学フィルムフ
ィルタの他面に、透明反射防止層が設けられたものであ
る。
【0081】これにより、アクリル板やガラス板からな
るディスプレイパネルの前面パネル基板から離れた位置
に本発明に係る光学フィルムフィルタを設置する場合、
光学フィルムフィルタとディスプレイパネルの前面パネ
ル基板との間に生じる光干渉を防止することができ、か
つ可視光の透過率が向上するため、高度の視認性が得ら
れる。
【0082】第8の発明に係るプラズマディスプレイ表
示装置は、プラズマディスプレイパネルに、直接、第6
の発明に係る光学フィルムフィルタを貼り合わせて装着
したものである。
【0083】本発明に係るプラズマディスプレイ表示装
置においては、プラズマディスプレイパネルにおいて発
生する電磁波が、導電性メッシュ状シートからなる電磁
波シールド層において遮断され、また、プラズマディス
プレイパネルにおいて発生する近赤外線が、コレステリ
ック液晶高分子固化層からなる近赤外線反射フィルムに
おいて遮断される。また、このような電磁波シールド層
および近赤外線反射フィルムは可視光透過率が高く、さ
らに、透明反射防止層により外光の反射が低く抑えられ
るため、プラズマディスプレイ表示装置において高度の
視認性が得られる。さらに、本発明に係る光学フィルム
フィルタは、電磁波シールド層と近赤外線反射フィルム
とが一体化しているため、これを用いたプラズマディス
プレイ表示装置においても、軽量化かつ薄型化が図られ
る。
【0084】第9の発明に係るプラズマディスプレイ表
示装置は、プラズマディスプレイパネルの前面に、第7
の発明に係る光学フィルムフィルタを設置したものであ
る。
【0085】本発明に係るプラズマディスプレイ表示装
置においては、プラズマディスプレイパネルにおいて発
生する電磁波が、導電性メッシュ状シートからなる電磁
波シールド層において遮断され、また、プラズマディス
プレイパネルにおいて発生する近赤外線が、コレステリ
ック液晶高分子固化層からなる近赤外線反射フィルムに
おいて遮断される。また、このような電磁波シールド層
および近赤外線反射フィルムは可視光透過率が高く、さ
らに、透明反射防止層により外光の反射が低く抑えら
れ、かつ光学フィルムフィルタとプラズマディスプレイ
パネルの前面パネル基板との間に生じる光干渉を防止す
ることができるため、プラズマディスプレイ表示装置に
おいて高度の視認性が得られる。さらに、本発明に係る
光学フィルムフィルタは、電磁波シールド層と近赤外線
反射フィルムとが一体化しているため、これを用いたプ
ラズマディスプレイ表示装置においても、軽量化かつ薄
型化が図られる。
【0086】
【発明の実施の形態】図1は、光学フィルムフィルタの
第1の例を示す断面図である。
【0087】図1に示すプラズマディスプレイパネル用
フィルタ200は、プラズマディスプレイパネルに直に
貼り付けるタイプであり、電磁波シールド層100およ
び近赤外線反射フィルム101を備える。
【0088】近赤外線反射フィルム101は、2枚の透
明フィルム基板8上にそれぞれ形成されたコレステリッ
ク液晶高分子固化層61,62とコレステリック液晶高
分子固化層71,72とが、透明接着材料層9を介して
接着された構造を有する。コレステリック液晶高分子固
化層61,62は、左螺旋軸を有し、コレステリック液
晶高分子固化層71,72は、右螺旋軸を有する。近赤
外線反射フィルム101の一方の透明フィルム基板8上
には、電磁波シールド層100が形成されており、近赤
外線反射フィルム101の他方の透明フィルム基板8上
には、透明粘着剤層10およびセパレータ11が順に形
成されている。
【0089】電磁波シールド層100は、導電性メッシ
ュ状シート1が透明粘着剤層2によって固定され、透明
フィルム基材5,透明フィルム基板8の間に挟まれた構
造を有しており、電磁波シールド層100の一部は露出
している。透明フィルム基材5に他方の面には、透明反
射防止層6が形成されている。
【0090】図2は、光学フィルムフィルタの第2の例
を示す断面図である。図2に示すプラズマディスプレイ
パネル用フィルム201は、プラズマディスプレイパネ
ルの前面に設置するタイプであり、電磁波シールド層1
00および近赤外線反射フィルム101を備える。
【0091】近赤外線反射フィルム101は、2枚の透
明フィルム基板8上に形成されたコレステリック液晶高
分子固化層61,62とコレステリック液晶高分子固化
層71,72とが、透明接着材料層9を介して接着され
た構造を有する。コレステリック液晶高分子固化層6
1,62は、左螺旋軸を有し、コレステリック液晶高分
子固化層71,72は右螺旋軸を有する。近赤外線反射
フィルム101の一方の透明フィルム基板8は、透明粘
着剤層10を介し、透明硬質基板21に接着されてお
り、近赤外線反射フィルム101の他方の透明フィルム
基板8には、第1の透明反射防止層6が形成されてい
る。
【0092】電磁波シールド層100は、導電性メッシ
ュ状シート1が透明粘着剤層2によって固定され、透明
硬質基板21と透明フィルム基材5の間に挟まれた構造
を有しており、電磁波シールド層の一部は露出してい
る。透明フィルム基材5の他方の面には、第2の透明反
射防止層7が形成されている。
【0093】図3(a)は、図1および図2に示すプラ
ズマディスプレイパネル用フィルタ200,201の電
磁波シールド層100を構成する導電性メッシュ状シー
トの平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A
線拡大断面図である。
【0094】導電性メッシュ状シート1は、金属線から
なる金網、ポリエステル等の合成繊維またはアクリル樹
脂等の合成樹脂からなる。
【0095】図3(b)に示すように、導電性メッシュ
状シート1の表面は、無電解メッキまたは金属蒸着等の
方法により、Cu、Ni等の金属少なくとも1種類以上
により被覆されている。また、導電性メッシュ状シート
1における可視光の反射を防止するため、黒色の金属、
例えばCrや酸化Cr等の金属が、導電性メッシュ状シ
ート1を最終的に被覆し、反射防止膜を形成する。
【0096】導電性メッシュ状シート1の線径は10μ
m以上100μm以下であることが好ましい。線径が1
0μm未満の場合、機械的強度が弱くなる。また、線径
が100μmを超えると、可視光透過率が低下し、モア
レも大きくなる。導電性メッシュ状シート1における線
間のピッチは100μm以上300μm以下であり、ま
た、導電性メッシュ状シート1の開孔率は、50%以上
94%以下であることが好ましい。これにより、導電性
メッシュ状シート1は可視光透過率が50%以上とな
る。
【0097】また、導電性メッシュ状シート1は、表面
抵抗が1Ω/□以下、特に0.2Ω/□以下であること
が好ましい。表面抵抗が低い程、導電性メッシュ状シー
ト1が高電導性を有するため、電磁波シールド層100
の性能が高くなる。
【0098】図4(a)は、図1および図2に示すプラ
ズマディスプレイパネル用フィルタ200,201にお
ける近赤外線反射フィルムの第1の例を示す断面図であ
り、図4(b)は、図4(a)のB−B線拡大断面図で
ある。
【0099】図4(a)に示すように、近赤外線反射フ
ィルム101は、2枚の透明フィルム基板8の間にコレ
ステリック液晶高分子固化層61,62,71,72が
挟まれた構造になっている。
【0100】透明フィルム基板8としては、トリアセチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポ
リアリレート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリスルホン、エポキシ樹脂等から
なるプラスチックフィルムや、ガラス板などが用いられ
るが、軽量化の点では、プラスチックフィルムが好まし
い。
【0101】一方、コレステリック液晶高分子固化層6
1,62,71,72におけるコレステリック液晶高分
子は、液晶材料となるメソゲン基(液晶性基)およびキ
ラル成分(キラリティーを有する成分)を含んだモノマ
が単独重合あるいは共重合し、高分子化したものであ
る。
【0102】コレステリック液晶高分子は、メソゲン基
およびキラル成分の結合様式において、主鎖型および側
鎖型の2つのタイプに分けられる。主鎖型コレステリッ
ク液晶高分子は、メソゲン基およびキラル成分が、高分
子の骨格主鎖に含まれたもので、ポリエステル系やポリ
カーボネート系等のコレステリック液晶高分子がこれに
相当する。骨格主鎖は、剛直鎖または屈曲鎖のいずれで
あってもよいが、主鎖の一部に屈曲鎖を導入すると、コ
レステリック液晶高分子の融点を低くすることができ
る。一方、側鎖型コレステリック液晶高分子は、エチレ
ン鎖のような屈曲鎖を介し、コレステリン誘導体を側鎖
として結合させたり、また、メソゲン基およびキラル成
分を側鎖として高分子の骨格主鎖に結合させたもので、
骨格主鎖にはポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステルまたはポリシロキサン等が用いられる。
【0103】キラル成分は、コレステリック液晶高分子
の螺旋構造を決定する重要な因子である。キラル成分の
濃度を調整することで、コレステリック液晶高分子の螺
旋1ピッチの値を制御することができる。一般に、コレ
ステリック液晶において、中心反射波長をλc (n
m)、螺旋1ピッチをP(nm)、平均屈折率をnとす
ると、以下の関係式(1)が成り立つことが知られてい
る。
【0104】λc =n・P ・・・(1) ただし、入射光が入射面に垂直な方向から角度θだけ傾
斜する場合は、λc =cosθ・n・Pとなる。
【0105】なお螺旋軸の配向度合いおよび螺旋ピッチ
には分布が存在するため、反射波長は光学的に分布を有
する。
【0106】キラル成分の濃度を調整することにより、
螺旋1ピッチPの値を調整することができ、その結果、
(1)式より、中心反射波長λc を制御することが可能
となる。例えば、キラル成分の濃度が高い場合、螺旋の
捻じり力が増加するため、螺旋1ピッチPの値は小さく
なり、中心反射波長λc は短波長側へシフトする。ま
た、キラル成分の濃度が低い場合、螺旋の捻じり力が低
下するため、螺旋の1ピッチPの値は大きくなり、中心
反射波長λc は長波長側へシフトする。
【0107】また、キラル成分の立体配置により、コレ
ステリック液晶高分子の螺旋軸が決定される。キラル成
分の立体配置がR配置(以下、R体とする)であるコレ
ステリック液晶高分子は右螺旋軸(右巻き螺旋)とな
り、一方、キラル成分の立体配置がS配置(以下、S体
とする)であるコレステリック液晶高分子は左螺旋軸
(左巻き螺旋)となる。
【0108】R体のキラル成分からなる右螺旋軸のコレ
ステリック液晶高分子は、螺旋軸に対して平行に入射す
る光のうち、特定波長の光の右円偏光成分を反射し、残
りの左円偏光成分を透過する。一方、S体のキラル成分
からなる左螺旋軸のコレステリック液晶高分子は、特定
波長の光の左円偏光成分を反射し、残りの右円偏光成分
を透過する。
【0109】このように、キラル成分の立体配置を選択
することにより、コレステリック液晶高分子の螺旋軸の
設定を容易に行うことができる。
【0110】透明フィルム基板8上にコレステリック液
晶高分子固化層61または71を形成する際には、公知
の配向処理が行われる。例えば、透明フィルム基板8上
に、ポリイミドやポリビニールアルコール等からなる配
向膜を形成し、レーヨン等の布を巻いたローラで配向膜
をこすって一方向に配向した溝を刻む(ラビング処
理)。コレステリック液晶高分子はこの溝に沿って配向
膜上に形成されるので、螺旋軸の配向度が向上し、反射
波長の光学的分布が小さくなり、中心反射波長λcの反
射率が向上する。なお、上記の配向膜は、公知の光配向
膜であってもよい。あるいは、配向膜を形成せずに、公
知の延伸された透明フィルム基板に、直接、コレステリ
ック液晶高分子を配向させてもよい。
【0111】このような配向膜上に、コレステリック液
晶高分子を展開する方法として、コレステリック液晶高
分子を加熱溶融させたものを、スピナやロールコーター
等を用いて展開する方法や、コレステリック液晶高分子
を溶剤に溶解させた液晶溶液を、前述のようにして展開
する方法等がある。このような溶剤としては、トルエン
等の芳香族系、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン
等のケトン系、塩化メチレンやトリクロロエチレン等の
塩素系およびテトラヒドロフラン等が用いられる。ま
た、展開する液晶溶液は、コレステリック液晶高分子が
溶剤に完全に溶解した状態(均一系)であってもよく、
また、完全には溶解せずに溶剤中に分散した状態(不均
一系)であってもよい。
【0112】また、上記のように加熱溶融による展開お
よび溶剤による溶液展開のいずれの場合においても、コ
レステリック液晶高分子の展開性の向上ならびにコレス
テリック液晶高分子固化層の安定性の点から、無機、有
機あるいは金属類等の安定化剤、レベリング剤、可塑剤
等が必要に応じて添加されてもよい。
【0113】配向膜上に展開したコレステリック液晶高
分子を、その物質が有するガラス転移温度以上かつ相転
移温度未満で加熱した後、コレステリック液晶高分子が
グランジャン配向した状態で、ガラス転移温度未満に冷
却する。このようにして、コレステリック液晶高分子の
配向が固定化されたコレステリック液晶高分子固化層6
1,71が形成される。
【0114】次に、透明フィルム基板8上に形成したコ
レステリック液晶高分子固化層61の上に、さらに、上
記と同様にして、コレステリック液晶高分子固化層62
を構成するコレステリック液晶高分子を展開して加熱
し、冷却する。このようにして、透明フィルム基板8上
に、コレステリック液晶高分子固化層61,62を順に
形成する。一方、コレステリック液晶高分子固化層6
1,62と同様の操作により、透明フィルム基板8上に
形成したコレステリック液晶高分子固化層71の上に、
さらにコレステリック液晶高分子固化層72を形成す
る。
【0115】なお、図4(a)においては、透明フィル
ム基板8上にコレステリック液晶高分子固化層61,6
2またはコレステリック液晶高分子固化層71,72を
直接形成し、透明フィルム基板8とコレステリック液晶
高分子固化層61,62、または透明フィルム基板8と
コレステリック液晶高分子71,72とを一体物として
使用しているが、この他に、別の透明フィルム基板上に
形成したコレステリック液晶高分子固化層61,62ま
たはコレステリック液晶高分子硬化層71,72を、こ
の透明フィルム基板から剥がして単独のコレステリック
液晶高分子フィルムとし、透明フィルム基板8上に貼り
付けてもよい。
【0116】近赤外線反射フィルム101は、図4
(a)に示すように、透明フィルム基板8上に形成した
コレステリック液晶高分子固化層61,62と、透明フ
ィルム8上に形成したコレステリック液晶高分子固化層
71,72とが、透明接着材料層9を介し、各々の螺旋
軸を平行にして接合されている。
【0117】透明接着材料層9は、濡れ性、凝集性およ
び接着性を有するポリマーからなり、可視光透過率が7
0%以上で透明性に優れ、耐候性および耐熱性に優れる
ものであれば、種々の接着剤および粘着剤が使用可能で
ある。また、透明接着材料層9の厚さは5〜100μ
m、好ましくは5〜50μmである。
【0118】透明接着材料層9に接着剤を用いた場合、
接着されたコレステリック液晶高分子固化層62および
72を剥離することは困難であるが、接着剤を用いた場
合には、接着後でも剥離することが可能である。接着剤
としては、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系等があ
り、特に、アクリル系粘着剤を用いるのが好ましい。
【0119】アクリル系粘着剤は、1種類あるいは2種
類以上のアクリル酸アルキルエステルモノマと、アクリ
ル酸等のアクリル系モノマまたはアクリル系以外の官能
基を有するモノマとを共重合して得られたポリマーに、
公知の各種添加剤を加えてなる。重合方法としては、溶
液重合法、乳化重合法、塊状重合法または懸濁重合法等
があり、必要に応じて各種の重合触媒が用いられる。ま
た、アクリル系粘着剤は、熱架橋タイプや、紫外線また
は電子線等による光架橋タイプであってもよい。アクリ
ル酸アルキルエステルモノマの共重合体からなる粘着剤
は、適度な濡れ性および柔軟性を有し、ガラス転移点が
−10℃以下である。
【0120】この他に、接着剤として、ニカワ、デンプ
ン等の天然高分子系、酢酸セルロース等の半合成高分子
系、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体(NBR)、メラミン樹脂、アクリ
ル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポ
リエステル、ポリアミド等の合成高分子系のものを用い
てもよい。これらは、常温硬化性、加熱硬化性または紫
外線、電子線もしくはレーザー照射硬化性などの各種硬
化タイプの接着剤として使用することができる。
【0121】図4(b)に示すように、近赤外線反射フ
ィルム101において、コレステリック液晶高分子固化
層61,62はS体のキラル成分から構成された左螺旋
軸を有するコレステリック液晶高分子固化層である。一
方、コレステリック液晶高分子固化層71,72は、R
体のキラル成分モノマから構成された右螺旋軸を有する
コレステリック液晶高分子固化層である。
【0122】コレステリック液晶高分子固化層61とコ
レステリック液晶高分子固化層62とは、コレステリッ
ク液晶高分子を構成するキラル成分モノマの立体配置お
よびモノマの反応条件が全て同じであるが、構成成分の
キラル成分モノマの濃度が異なっており、コレステリッ
ク液晶高分子固化層62の方がコレステリック液晶高分
子固化層61よりもキラル成分モノマの濃度が低い。こ
のため、コレステリック液晶高分子固化層61とコレス
テリック液晶高分子固化層62とでは、螺旋1ピッチP
の値が異なっている。
【0123】図1(b)に示すように、コレステリック
液晶高分子固化層61,62における螺旋ピッチは、積
層方向において順に変化しており、コレステリック液晶
高分子固化層62の方がコレステリック液晶高分子固化
層61よりも値が大きい。コレステリック液晶高分子固
化層61,62における螺旋1ピッチの最大値と最小値
との差は20nm以上350nm以下であることが好ま
しい。
【0124】螺旋のピッチ差が20nm未満の場合、コ
レステリック液晶高分子固化層61,62における螺旋
1ピッチの値がほぼ等しくなるため、反射する近赤外線
の波長帯域もほぼ等しくなる。その結果、反射すること
が可能な近赤外線の波長帯域が限定され、反射波長帯域
の幅が20〜100nmと狭くなる。
【0125】一方、螺旋のピッチ差が20nm以上のコ
レステリック液晶高分子固化層61とコレステリック液
晶高分子固化層62とを積層した場合、コレステリック
液晶高分子固化層61とコレステリック液晶高分子固化
層62において反射される近赤外線の波長帯域がそれぞ
れ異なっており、コレステリック液晶高分子固化層6
1,62の積層体における反射波長帯域はコレステリッ
ク液晶高分子固化層61とコレステリック液晶高分子固
化層62の反射波長帯域を合成したものとなるため、反
射波長帯域が広くなる。しかしながら、螺旋のピッチ差
が350nmを超えた場合、各コレステリック液晶高分
子固化層61,62において反射されるそれぞれの近赤
外線の波長帯域に大きな違いが生じるため、広い波長帯
域を均一に高い反射率で反射することが困難となる。こ
のため、全体として反射率が低下する。
【0126】以上のことから、螺旋1ピッチの値の最大
と最小の差が20nm以上350nm以下であることが
好ましい。この場合、広い範囲の波長帯域の近赤外線を
均一に高い反射率で反射することが可能となる。
【0127】一方、コレステリック液晶高分子固化層7
1とコレステリック液晶高分子固化層72とは、コレス
テリック液晶高分子固化層61,62と同様に、構成成
分のキラル成分モノマの濃度が異なっており、コレステ
リック液晶高分子固化層72の方がコレステリック液晶
高分子固化層71よりも、キラル成分モノマの濃度が低
い。このため、コレステリック液晶高分子固化層71と
コレステリック液晶高分子固化層72とでは、螺旋1ピ
ッチPの値が異なっている。
【0128】図1(b)に示すように、コレステリック
液晶高分子固化層71,72における螺旋ピッチは、積
層方向において順に変化しており、コレステリック液晶
高分子固化層72の方がコレステリック液晶高分子固化
層71よりも値が大きい。コレステリック液晶高分子固
化層71,72における螺旋1ピッチの最大値と最小値
との差は、コレステリック液晶高分子固化層61,62
の場合と同様の理由により、20nm以上350nm以
下であることが好ましい。
【0129】コレステリック液晶高分子固化層61とコ
レステリック液晶高分子固化層71とではキラル成分モ
ノマの濃度が等しいが、キラル成分モノマの立体配置が
異なっている。このため、コレステリック液晶高分子固
化層61,71における螺旋1ピッチPの値は等しく、
互いに逆螺旋の関係にある。
【0130】コレステリック液晶高分子固化層62とコ
レステリック液晶高分子固化層72とではキラル成分モ
ノマの濃度が等しいが、キラル成分モノマの立体配置が
異なっている。このため、コレステリック液晶高分子固
化層62,72における螺旋1ピッチPの値は等しく、
互いに逆螺旋の関係にある。
【0131】このように、近赤外線反射フィルム101
におけるコレステリック液晶高分子固化層61,62,
71,72の積層体では、螺旋ピッチが変化しており、
外側のコレステリック液晶高分子固化層61,71から
内側のコレステリック液晶高分子固化層62,72に向
かって、順に値が大きくなっている。なお、近赤外線反
射フィルム101においては、外側から内側に向かって
大きくなっているが、これ以外にも、外側から内側に向
かって順に螺旋ピッチが小さくなってもよい。例えば、
コレステリック液晶高分子固化層62の上にコレステリ
ック液晶高分子固化層61を形成したものと、コレステ
リック液晶高分子固化層72の上にコレステリック液晶
高分子固化層71を形成したものとを接合してなるコレ
ステリック液晶高分子固化層積層体がこれに相当する。
【0132】コレステリック液晶高分子固化層61,6
2,71,72の各々の厚さは、螺旋3ピッチ以上20
ピッチ以下であることが好ましい。厚さが2ピッチ以下
の場合、各々のコレステリック液晶高分子固化層61,
62,71,72における近赤外線の十分な反射が得ら
れないが、3ピッチ以上ならば、各々のコレステリック
液晶高分子固化層61,62,71,72における反射
率が80%以上となる。さらに、5ピッチ以上の場合、
近赤外線を90%以上反射することが可能となる。しか
しながら、コレステリック液晶高分子固化層の厚さが2
0ピッチを超えると、膜が厚過ぎるため、コレステリッ
ク液晶高分子の均一な配向性が低下し、配向不良(白
化)が発生するため、可視光透過率の低下および円偏光
二色性の低下が見られる。また、コレステリック液晶高
分子固化層の配向処理が長くなるため、コレステリック
液晶高分子固化層の製造上問題となる。以上のことか
ら、コレステリック液晶高分子固化層61,62,7
1,72の厚さは3ピッチ以上20ピッチ以下であるこ
とが好ましい。
【0133】コレステリック液晶高分子の中心反射波長
λ1 と平均屈折率nが決まれば、前述の関係式(1)よ
り、螺旋1ピッチP(nm)が決まる。前述のようにキ
ラル成分の濃度を調整することにより、容易に螺旋ピッ
チを設定することができる。
【0134】表1は、コレステリック液晶高分子の平均
屈折率nが1.65の場合の各中心反射波長における螺
旋ピッチを示したものである。
【0135】
【表1】
【0136】このように、コレステリック液晶高分子の
螺旋ピッチが決まればコレステリック液晶高分子固化層
の厚さも決まる。
【0137】次に、図4(b)に示す近赤外線反射フィ
ルム101の作用について説明する。
【0138】図4(b)に示すように、近赤外線51,
54および可視光50が、一方の透明フィルム基板8側
から近赤外線反射フィルム101内に入射する。
【0139】近赤外線反射フィルム101内に入射した
可視光50は、透明フィルム基板8、コレステリック液
晶高分子固化層71、コレステリック液晶高分子固化層
72、透明接着材料層9、コレステリック液晶高分子固
化層62、コレステリック液晶高分子固化層61および
透明フィルム基板8を順に透過する。
【0140】近赤外線反射フィルム101内に入射し、
透明フィルム基板8を透過した近赤外線51の右円偏光
成分52は、右螺旋軸を有するコレステリック液晶高分
子固化層71において反射される。
【0141】近赤外線51は、右円偏光成分が50%、
左円偏光成分が50%であるから、コレステリック液晶
高分子固化層71により、理論的に近赤外線51の50
%が反射されたことになる。一方、反射された右円偏光
成分52は、逆経路を経て外に出射される。
【0142】コレステリック液晶高分子固化層71を透
過した近赤外線51の左円偏光成分は、コレステリック
液晶高分子固化層72、透明接着材料層9およびコレス
テリック液晶高分子固化層62を順に透過し、左螺旋軸
を有するコレステリック液晶高分子固化層61に達す
る。
【0143】コレステリック液晶高分子固化層61で
は、近赤外線51の左円偏光成分53が反射されるた
め、近赤外線51は理論的に100%反射されたことに
なる。反射された左円偏光成分53は、再びコレステリ
ック液晶高分子固化層62、透明接着材料層9、コレス
テリック液晶高分子固化層72およびコレステリック液
晶高分子固化層71を順に経て、外に出射される。
【0144】一方、近赤外線54は、近赤外線反射フィ
ルム101内に入射した後、透明フィルム基板8および
コレステリック液晶高分子固化層71を透過した後、コ
レステリック液晶高分子固化層72に達する。近赤外線
54の右円偏光成分55が、右螺旋軸を有するコレステ
リック液晶高分子固化層72において反射される。
【0145】近赤外線54は、右円偏光成分が50%
で、左円偏光成分が50%であるからコレステリック液
晶高分子固化層72により理論的に近赤外線54の50
%が反射されたことになる。反射された右円偏光成分5
5は、逆経路を経て外に出射される。
【0146】コレステリック液晶高分子固化層72を透
過した近赤外線54の左円偏光成分56は、さらに透明
接着材料層9を透過し、左螺旋軸を有するコレステリッ
ク液晶高分子固化層62に達する。
【0147】コレステリック液晶高分子固化層62で
は、近赤外線54の左円偏光成分56が反射されるた
め、近赤外線54は理論的に100%反射されたことに
なる。反射された左円偏光成分56は、透明接着材料層
9、コレステリック液晶高分子固化層72、コレステリ
ック液晶高分子固化層71および透明フィルム基板8を
順に経て外に出射される。
【0148】螺旋1ピッチPの値が等しく、逆螺旋の関
係にあるコレステリック液晶高分子固化層61,71に
おいて反射される近赤外線51を、第1の波長帯域の近
赤外線とし、第1の波長帯域をλ1 〜λ2 [nm]の範
囲とする。なお、ここではλ 1 <λ2 の関係が成り立つ
とする。
【0149】また、螺旋1ピッチPの値が等しく、逆螺
旋の関係にあるコレステリック液晶高分子固化層62,
72において反射される近赤外線54を第2の波長帯域
の近赤外線とし、第2の波長帯域をλ3 〜λ4 [nm]
の範囲とする。なお、ここではλ3 <λ4 の関係が成り
立つとする。
【0150】コレステリック液晶高分子固化層61,7
1とコレステリック液晶高分子固化層62,72とで
は、螺旋1ピッチPの値が異なっており、コレステリッ
ク液晶高分子固化層61,71の方がコレステリック液
晶高分子固化層62,72よりも小さい。このため、コ
レステリック液晶高分子固化層61,71の方がコレス
テリック液晶高分子固化層62,72よりも中心反射波
長が短波長側にある。よって、近赤外線51と近赤外線
54とでは、近赤外線51の方の反射波長帯域が短波長
側となり、λ1 <λ2 ≦λ3 <λ4 の関係が成り立つ。
【0151】図4(a)に示すようなコレステリック液
晶高分子固化層61,62,71,72の積層体では、
近赤外線51および近赤外線54の両方を反射すること
ができ、λ1 〜λ4 [nm]にわたる広い波長帯域の近
赤外線を反射することが可能となる。
【0152】上記のように異なる波長帯域の近赤外線を
反射するコレステリック液晶高分子固化層を2層以上積
層した場合、反射可能な近赤外線の波長帯域が広くなる
とともに、斜め入射光の波長シフトに対しても有効であ
る。
【0153】図4(b)においては、可視光50および
近赤外線51,54が、コレステリック液晶高分子固化
層71側から近赤外線反射フィルム101内に入射して
いるが、これ以外にも、コレステリック液晶高分子固化
層61側から入射してもよい。この場合、近赤外線5
1,54の左円偏光成分53,56がコレステリック液
晶高分子固化層61,62において反射され、次に、近
赤外線51,54の右円偏光成分52,55がコレステ
リック液晶高分子固化層71,72において反射され
る。
【0154】また、図1および図2に示すプラズマディ
スプレイパネル用フィルタ200,201においては、
近赤外線反射フィルムとして、図4(a)に示すよう
に、右螺旋軸を有するコレステリック液晶高分子固化層
71,72と左螺旋軸を有するコレステリック液晶高分
子固化層61,62とを積層した逆螺旋軸構造を有する
近赤外線反射フィルム101を用いているが、近赤外線
反射フィルム101の代わりに、同螺旋軸構造を有する
コレステリック液晶高分子固化層からなる近赤外線反射
フィルムを用いてもよい。
【0155】図5は、図1および図2に示すプラズマデ
ィスプレイパネル用フィルタ200,201における近
赤外線反射フィルムの第2の例を示す断面図である。
【0156】図5に示す近赤外線反射フィルム102
は、一方の透明フィルム基板8上に右螺旋軸を有するコ
レステリック液晶高分子固化層71を形成し、さらにそ
の上にコレステリック液晶高分子固化層72を形成した
ものが、透明接着材料層9を介し、1/2波長板(λ/
2板)12の一面に接合されている。なお、コレステリ
ック液晶高分子固化層71,72の螺旋構造について
は、図4(b)に示すとおりである。また、透明フィル
ム基板8上に右螺旋軸を有するコレステリック液晶高分
子固化層71を形成し、さらにその上にコレステリック
液晶高分子固化層72を形成したものが、透明接着材料
層9を介し、1/2波長板12の他面に接合されてい
る。なお、図5においては、1/2波長板12を介して
右螺旋軸を有するコレステリック液晶高分子固化層7
1,72同士を積層しているが、これ以外にも、1/2
波長板12を介し左螺旋軸を有するコレステリック液晶
高分子固化層61,62同士を積層してもよい。
【0157】図5に示す近赤外線反射フィルム102に
おいては、近赤外線51の右円偏光成分52がコレステ
リック液晶高分子固化層71において反射される。反射
された右円偏光成分52は、逆経路を経て外へ出射され
る。一方、コレステリック液晶高分子固化層71を透過
した左円偏光成分53は、コレステリック液晶高分子固
化層72および透明接着材料層9を透過した後、1/2
波長板12に達する。1/2波長板12により、左円偏
光成分53は180°の位相差を与えられ、左円偏光成
分53は右円偏光成分にかえられる。この右円偏光成分
は、透明接着材料層9およびコレステリック液晶高分子
固化層72を透過した後、コレステリック液晶高分子固
化層71において反射される。反射された右円偏光成分
は、コレステリック液晶高分子固化層72および透明接
着材料層9を透過した後、再び1/2波長板12におい
て左円偏光成分に変えられ、透明接着材料層9、コレス
テリック液晶高分子固化層72およびコレステリック液
晶高分子固化層71を順に透過した後、外へ出射され
る。
【0158】1/2波長板12は、可視光の透過性が高
く、均質な位相差を与えるものが好ましい。一般には、
ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレ
ン、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、その他のポ
リオレフィン、ポリアリレート、ポリアミド等を延伸処
理した複屈接フィルムからなる。また、ネマチック液晶
ポリマーの一方向配向物やねじれ配向物等も、1/2波
長板12として用いることが可能である。
【0159】図5に示す近赤外線反射フィルム102に
おいては、螺旋1ピッチの値が異なるコレステリック液
晶高分子固化層71,72を積層してあるため、近赤外
線反射フィルム102における近赤外線の反射波長帯域
が広い。このため、近赤外線反射フィルム102に用い
る1/2波長板12は、位相差が380〜700nm程
度となるものを使用することが好ましい。
【0160】このような広範囲にわたる波長帯域の光に
位相差を与えることができる1/2波長板12は、それ
ぞれ異なる位相差を与える複数の位相差層が積層された
ものであってもよい。位相差層を積層する場合は、各層
の位相差、軸角度および積層枚数を選択することによ
り、広範囲にわたる波長帯域に対する1/2波長板12
とすることが可能となる。
【0161】図1に示すプラズマディスプレイパネル用
フィルタ200は、図3に示す導電性メッシュ状シート
1を備えた電磁波シールド層100と、図4(a)に示
す近赤外線反射フィルム101とを一体化した複合フィ
ルタである。
【0162】プラズマディスプレイパネル用フィルタ2
00は、プラズマディスプレイパネルに直に貼り付けて
使用することから、近赤外線反射フィルム101の一方
の透明フィルム基板8の片面には、透明粘着剤層10が
設けられている。
【0163】透明粘着剤層10には、前述の透明接着材
料層9において記載した透明粘着剤と同様の粘着剤が用
いられる。
【0164】近赤外線反射フィルム101の他方の透明
フィルム基板8と、透明フィルム基材5との間には、図
3に示す導電性メッシュ状シート1が透明粘着剤層2に
より固定されている。このようにして、近赤外線反射フ
ィルム101の上に、電磁波シールド層100が形成さ
れる。なお、電磁波シールド層100の一部は露出され
た構造になっており、この露出部分にアース接続部を設
けることが可能である。
【0165】透明粘着剤層2に用いる粘着剤としては、
一般に、濡れ性、凝集性、接着性を有するポリマーが用
いられるが、透明性、耐候性、耐熱性に優れている点
で、アクリル系粘着剤が最適である。具体的には、上記
の透明粘着剤層10において説明したアクリル系粘着剤
と同じものが使用される。また、透明粘着剤層2は、導
電性メッシュ状シート1の線径以上の厚さを有する必要
がある。特に導電性メッシュ状シート1が重なっている
部分は、導電性メッシュ状シート1の線径の2倍の厚さ
が必要である。このことから、透明粘着剤層2の厚さ
は、20μm〜300μmとする。
【0166】また、透明粘着剤層2においては、粘着剤
の代わりに接着剤を用いてもよい。接着剤には、前述の
透明接着材料層9において記載した透明粘着剤と同様の
接着剤が用いられる。
【0167】粘着剤または接着剤により導電性メッシュ
状シート1を固定する際には、透明フィルム基材5およ
び透明フィルム基板8の片面に、上記の粘着剤または接
着剤を塗布し、両者の間に導電性メッシュ状シート1を
挟むか、あるいは、セパレータ上で導電性メッシュ状シ
ート1に、直接、粘着剤または接着剤を均一に塗布し、
これらを含浸した導電性メッシュ状シート1を透明フィ
ルム基材5および透明フィルム基板8の間に挟む。
【0168】粘着剤や接着剤を用いた導電性メッシュ状
シート1の固定方法以外にも、透明フィルム基材5に導
電性メッシュ状シート1を熱プレス法等により、熱圧着
することにより固定することも可能である。この場合、
透明フィルム基材5と導電性メッシュ状シート1との密
着性向上のため、ホットメルト樹脂を両者の間に介在さ
せてもよい。すなわち、透明フィルム基材5上にホット
メルト樹脂をのせ、その上に導電性メッシュ状シート1
を重ねる。これを2枚の金属鏡面板の間に挟み、金属鏡
面板を介して、ホットメルト樹脂の熱変形温度より高
く、透明フィルム基材5の熱変形温度より低い温度で加
熱しながら加圧する。その後、導電性メッシュ状シート
1をホットメルト樹脂にめり込ませた状態で冷却する
と、透明フィルム基材5に導電性メッシュ状シート1が
熱圧着された構造物を得ることができる。
【0169】透明フィルム基材5としては、可視光域で
透明であり、フレキシブル性を有し、機械的強度に優
れ、耐熱性の良好なプラスチックフィルム、例えばポリ
エステル、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、
ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンスルファイド、ポリエーテルスルフォン等からなるフ
ィルムが用いられる。透明フィルム基材5は、単層であ
っても2層以上の複合層であってもよいが、全体の厚さ
は5〜500μmであるのが好ましい。また、透明フィ
ルム基材5には、密着性向上のためのコロナ処理や易接
着処理を施してもよい。
【0170】プラズマディスプレイパネル用フィルタ2
00においては、透明フィルム基材5の他面に、透明反
射防止層6が設けられている。なお、図1においては、
透明反射防止層6が、直接、透明フィルム基材5に設け
られているが、これ以外に、別の透明フィルム基板上に
形成した透明反射防止層6を、透明粘着剤等により透明
フィルム基材5に貼り付けてもよい。
【0171】透明反射防止層6は、透明フィルム基材5
の表面において外光が反射して眩しくなることを防止す
るためのものであり、外光の反射を5%以下に抑え、か
つ可視光の透過率が70%以上になるように構成されて
いる。
【0172】透明反射防止層6には、可視光に対して
1.3以上の屈折率を有した材料が使用される。代表的
な材料としては、MgF2 ,Si,SiO,SnO,S
nO2,ZnS等があり、SiO2 ,Al2 3 ,Ti
O,TiO2 ,InO3 およびITO等も使用できる。
【0173】これらの材料を、直接、透明フィルム基材
5の一方の面に塗工することにより、透明反射防止層6
が形成される。
【0174】塗工方法には、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、ゾル粒子による塗工
法、ゾル−ゲル溶液による塗工法等がある。また、上記
の無機材料(微粒子)を、可視光透過率が70%以上あ
る透明樹脂、たとえば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等に分散させたもの
を塗工する方法等もある。
【0175】なお、透明反射防止層6の代わりに、透明
防眩層を設けてもよい。透明防眩層は、可視光透過率が
70%以上で、ヘイズ値が20%以下となるように構成
されたものである。このような透明防眩層は、公知の微
粒子分散タイプや、微細な表面凹凸からなるものなどが
用いられる。
【0176】さらに、上記の透明反射防止層6や透明防
眩層では、外光の反射率が5%以下という反射特性に加
えて、ハードコート層(硬度2H以上)としての機能
や、帯電防止性、耐汚染性、耐候性、耐光性、耐薬品性
等の機能を付与したものであってもよい。例えば、透明
フィルム基材5上にハードコート層を設け、更にその上
に透明反射防止層6を形成してもよい。
【0177】図1に示すプラズマディスプレイパネル用
フィルタ200は、電磁波シールド層100と近赤外線
反射フィルム101とが一体化しているため、軽量かつ
薄型である。また、電磁波シールド層100において電
磁波を遮断することが可能であり、近赤外線反射フィル
ム101において、広範囲にわたる近赤外線を反射する
ことが可能である。さらに、プラズマディスプレイパネ
ル用フィルム200は、全体として可視光の透過率が高
く、また、透明反射防止層6が設けられているため、外
光の反射を低く抑えることが可能である。
【0178】なお、プラズマディスプレイパネル用フィ
ルタ200においては、図1に示すように、プラズマデ
ィスプレイパネルに近い側に近赤外線反射フィルム10
1が設けられ、その上に、電磁波シールド層100が設
けられた構成になっているが、これ以外に、プラズマデ
ィスプレイパネルに近い側から電磁波シールド層10
0、近赤外線反射フィルム101の順に構成されてもよ
い。
【0179】図2に示すプラズマディスプレイパネル用
フィルタ201は、図1に示すプラズマディスプレイパ
ネル用フィルタ200と同様、図3に示す導電性メッシ
ュ状シート1を備えた電磁波シールド層100と、図4
(a)に示す近赤外線反射フィルム101とを一体化し
た複合フィルタであり、プラズマディスプレイパネルの
前面に設置して使用する。
【0180】プラズマディスプレイパネル用フィルタ2
01における電磁波シールド層100の構造は、以下の
点を除いて、図1に示すプラズマディスプレイパネル用
フィルタ200の電磁波シールド層の構造と同様であ
る。
【0181】プラズマディスプレイパネル用フィルタ2
01の電磁波シールド層100は、透明フィルム基材5
と透明硬質基板21との間に導電性メッシュ状シート1
が挟まれてなる。電磁波シールド層100の一部は露出
した構造になっており、この露出部分にアース接続部を
設けることが可能である。
【0182】透明硬質基板21は、プラズマディスプレ
イパネル用フィルタ201の強度を向上させるためのも
のである。このような透明硬質基板21としては、可視
光透過率が70%以上であり、厚さが1〜10nm程度
の硬質板、例えば、ガラス板、(メタ)アクリル板、ポ
リカーボネート板、ポリエステル板、エポキシ樹脂板、
ポリイミド板等の樹脂板が用いられる。なお、プラズマ
ディスプレイパネル用フィルタ201の軽量化の点から
は、プラスチック板を用いることが好ましい。
【0183】図2においては、導電性メッシュ状シート
1が透明粘着剤層2により、透明フィルム基材5と透明
硬質基板21の間に固定されているが、透明硬質基板2
1に、直接、導電性メッシュ状シート1を熱圧着しても
よい。
【0184】透明硬質基板21の他面は、透明粘着剤層
10を介し、近赤外線反射フィルム101の一方の透明
フィルム基板8に接着されている。このようにして、電
磁波シールド層100と近赤外線反射フィルム101が
接合している。
【0185】近赤外線反射フィルム101の他方の透明
フィルム基板8上には第1の透明反射防止層6が設けら
れており、また、電磁波シールド層100の透明フィル
ム基材5上には、第2の透明反射防止層7が設けられて
いる。
【0186】図2においては、第1および第2の透明反
射防止層6,7が、直接、透明フィルム基材5,透明フ
ィルム基板8上に形成されているが、これ以外に、別の
透明フィルム基板上にそれぞれ形成した第1および第2
の透明反射防止層6,7を、透明粘着剤を用いて透明フ
ィルム基材5,透明フィルム基板8に貼り付けてもよ
い。
【0187】透明フィルム基板8上に設けられた第1の
透明反射防止層6は、透明フィルム基板8の表面で外光
が反射して眩しくなることを防止するためのものであ
る。このため、外光の反射を5%以下に抑え、かつ可視
光の透過率が70%以上になるよう構成されており、一
定範囲の可視光を吸収するような材料が用いられる。
【0188】一方、透明フィルム基材5上に設けられた
第2の透明反射防止層7は、ガラス板またはアクリル板
等のプラズマディスプレイパネルの前面パネル基板と透
明フィルム基材5との間に発生する光干渉(例えばニュ
ートンリング)を除去し、かつ透明フィルム基材5の表
面における可視光の反射を抑えるためのものである。こ
のため、第2の透明反射防止層7においては、透明粒子
をバインダ中に分散させた光干渉除去用の材料が用いら
れる。
【0189】第1および第2の透明反射防止層6,7の
構成および形成方法については、図1に示すプラズマデ
ィスプレイパネル用フィルタ200の透明反射防止層6
において記載したとおりである。
【0190】このように、図2に示すプラズマディスプ
レイパネル用フィルタ201は、電磁波シールド層10
0と近赤外線反射フィルム101とが一体化しているた
め、軽量かつ薄型で、電磁波を遮断することが可能であ
り、また、広範囲にわたる近赤外線を反射することが可
能である。また、プラズマディスプレイパネル用フィル
タ201全体の可視光透過率も高く、さらに、第1およ
び第2の透明反射防止層6,7により、外光の反射を低
く抑え、かつプラズマディスプレイパネルと透明フィル
ム基材5において発生する光干渉を除去することが可能
である。
【0191】図2に示すプラズマディスプレイパネル用
フィルタ201においては、プラズマディスプレイパネ
ルに近い側に電磁波シールド層100が設けられ、その
上に近赤外線反射フィルム101が設けられた構成にな
っている。これ以外にも、プラズマディスプレイパネル
に近い側から、近赤外線反射フィルム101、電磁波シ
ールド層100の順に構成されてもよい。この場合、近
赤外線反射フィルム101の透明フィルム基板8上に
は、プラズマディスプレイパネルの前面ガラス板と透明
フィルム基板8との光干渉を除去するための第2の透明
反射防止層7が設けられ、一方、電磁波シールド層10
0の透明フィルム基材5上には、外光の反射を防ぐため
の第1の透明反射防止層6が設けられる。
【0192】図6は、本発明に係るプラズマディスプレ
イ表示装置の第1の例を示す断面図である。
【0193】図6に示すプラズマディスプレイ表示装置
300は、図1に示すプラズマディスプレイパネル用フ
ィルタ200が、透明粘着剤層10を介し、プラズマデ
ィスプレイパネル22に、直接、貼り付けられてなる。
【0194】図6に示すように、導電性メッシュ状シー
ト1の周縁部の露出した部分に、導電性テープを貼着
し、またはAgペースト等の導電ペースト材料を塗布す
ることにより、アース接続部3を設けることが可能であ
り、必要に応じて、アース接続部3を導電性メッシュ状
シート1の2辺または4辺等に設けてもよい。プラズマ
ディスプレイパネル用フィルタ200において、電磁波
シールド層100と近赤外線反射フィルム101との位
置関係は逆であってもよいことから、プラズマディスプ
レイパネル22側にアース接続部3を設ける場合には、
電磁波シールド層100がプラズマディスプレイパネル
に近い側に位置する構成であってもよい。
【0195】図6に示すように、プラズマディスプレイ
パネル22で発生した可視光50および近赤外線51,
54が、プラズマディスプレイパネル用フィルタ200
内に入射する。透明粘着材層10および透明フィルム基
板8を透過した近赤外線51,54の右円偏光成分5
2,55は、コレステリック液晶高分子固化層71,7
2において反射される。コレステリック液晶高分子固化
層71,72を透過した近赤外線51,54の左円偏光
成分53,56は、さらに、透明接着材料層9を透過し
た後、コレステリック液晶高分子固化層61,62にお
いて反射される。このように、近赤外線51,54は、
近赤外線反射フィルム101において反射され、可視光
50のみが近赤外線反射フィルム101を透過する。可
視光50はさらに電磁波シールド層100、透明フィル
ム基材5および透明反射防止層6を透過する。
【0196】外光57は、プラズマディスプレイパネル
用フィルタ200の透明反射防止層6により、反射が5
%以下に抑えられる。
【0197】一方、プラズマディスプレイパネル22に
おいて発生した電磁波は、電磁波シールド層100にお
いて遮断される。
【0198】以上のように、図6に示すプラズマディス
プレイ表示装置300においては、プラズマディスプレ
イパネル22で発生した電磁波がプラズマディスプレイ
パネル用フィルタ200により遮断されるとともに、広
範囲にわたる波長帯域の近赤外線を80%以上の高い反
射率で均一に反射することが可能となる。このように、
プラズマディスプレイパネル22から放出される近赤外
線が遮断されるため、近赤外線によるリモートコントロ
ーラの誤動作を防ぐことができる。
【0199】また、プラズマディスプレイパネル用フィ
ルタ200は、全体として可視光の透過率が50%以上
と高いため、プラズマディスプレイパネルの画像を阻害
しない。さらに、透明反射防止層6により外光の反射が
5%以下に抑えられるため、プラズマディスプレイ表示
装置300においては、高度の視認性が得られる。
【0200】図7は、本発明に係るプラズマディスプレ
イ表示装置の第2の例を示す断面図である。
【0201】図7に示すプラズマディスプレイ表示装置
301は、図2に示すプラズマディスプレイパネル用フ
ィルタ201が、プラズマディスプレイパネル22の前
面から0.1〜10mm離れた位置に設置され、公知の
手段により固定されている。また、導電性メッシュ状シ
ート1の周縁部の露出した部分には、導電性テープを貼
着し、またはAgペースト等の導電ペースト材料を塗布
することにより、アース接続部3を設けることが可能で
あり、必要に応じて、アース接続部3を導電性メッシュ
状シート1の2辺または4辺等に設けてもよい。
【0202】図7に示すように、プラズマディスプレイ
パネル22で発生した可視光50および近赤外線51,
54が、プラズマディスプレイパネル用フィルタ201
内に入射する。第2の透明反射防止層7、透明フィルム
基材5、電磁波シールド層100、透明硬質基板21、
透明粘着材層10および透明フィルム基板8を透過した
近赤外線51,54の右円偏光成分52,55は、コレ
ステリック液晶高分子固化層71,72において反射さ
れる。コレステリック液晶高分子固化層71,72を透
過した近赤外線51,54の左円偏光成分53,56
は、コレステリック液晶高分子固化層61,62におい
て反射される。このように、近赤外線51,54は、近
赤外線反射フィルム101において反射され、可視光5
0のみが近赤外線反射フィルム101を透過する。可視
光50は、さらに第1の透明反射防止層6を透過する。
【0203】また、外光57は、プラズマディスプレイ
パネル用フィルタ201の第1の透明反射防止層6によ
り、反射が5%以下に抑えられる。
【0204】一方、プラズマディスプレイパネル22で
発生した電磁波は、電磁波シールド層100において遮
断される。
【0205】以上のように、図7に示すプラズマディス
プレイ表示装置301においては、プラズマディスプレ
イパネル用フィルタ201により、プラズマディスプレ
イパネルで発生した電磁波が遮断されるとともに、広範
囲にわたる波長帯域の近赤外線を80%以上の高い反射
率で均一に反射することが可能である。このように、プ
ラズマディスプレイパネルから放出される近赤外線を遮
断することができるため、近赤外線によるリモートコン
トローラの誤動作を防ぐことができる。
【0206】また、プラズマディスプレイパネル用フィ
ルタ201は、全体として可視光の透過率が50%以上
と高いため、プラズマディスプレイパネル22の画像は
阻害されない。さらに、第1の透明反射防止層6によ
り、外光の反射が5%以下に抑えられるとともに、第2
の透明反射防止層7により、プラズマディスプレイパネ
ルの前面パネル基板と透明フィルム基材5の間に発生す
る光干渉を除去することができるため、プラズマディス
プレイ表示装置301においては、高度の視認性が得ら
れる。
【0207】
【実施例】以下の実施例および比較例に示すプラズマデ
ィスプレイパネル用フィルタにおける近赤外線反射フィ
ルムについて、波長帯域800〜1300nmの近赤外
線の反射率、波長550nmの可視光の透過率および外
光の全反射率を測定した。なお、実施例および比較例に
おいては、波長550nmの可視光を透明反射防止層に
対し5°の角度で入射させた場合の全反射率を外光反射
率とした。また、外光反射率を測定する際には、可視光
が透明反射防止層側からのみ入射するようにするため、
上記のプラズマディスプレイパネル用フィルタにおける
近赤外線反射フィルムのうち、透明粘着剤層が設けられ
た透明フィルム基板を黒板に貼り付けた状態で測定を行
った。
【0208】実施例および比較例における反射率および
透過率の測定には、日立製作所製分光光度計U−341
0を用いた。
【0209】実施例における反射波長帯域は、コレステ
リック液晶高分子固化層によって90%以上反射される
波長帯域とし、反射波長帯域における最大反射率を近赤
外線反射率とした。また、螺旋の1ピッチの値は、前述
の関係式(1)を用いた理論計算および透過型電子顕微
鏡による断面観察により求めた。
【0210】一方、実施例および比較例に示すプラズマ
ディスプレイパネル用フィルタについて、導電性メッシ
ュ状シート1の表面電気抵抗および電磁波シールド層の
性能についても調べた。
【0211】導電性メッシュ状シートの表面電気抵抗
は、JIS L 1094−1980の織物帯電性試験
方法により測定を行った。
【0212】また、電磁波シールド性能については、K
EC法により、測定装置としてスペクトラムアナライザ
ーを用い、周波数10MHzから1000MHzまで連
続掃引して電界値の減衰量(dB)の測定を行った。
【0213】[実施例1]実施例1のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、図1に示す構造を有する。
【0214】本実施例のプラズマディスプレイパネル用
フィルタにおける近赤外線反射フィルム101は、以下
のようにして作製した。
【0215】厚さ50μmのトリアセチルセルロースフ
ィルムを透明フィルム基板8とし、この上に、厚さ0.
1μmのポリビニルアルコール層を設け、これをレーヨ
ン布でラビング処理し、配向膜を形成した。
【0216】次に、メソゲン基を有するa成分モノマ
0.088モルと、S体のキラル成分を有するb成分モ
ノマ0.012モルを共重合したコレステリック液晶高
分子を、シクロヘキサノンに溶解させて液晶溶液とし、
ワイヤーバーを用いてこれを上記の配向膜上に塗布し
た。これを160℃で5分間加熱し、続いて室温で冷却
した。
【0217】a成分モノマおよびb成分モノマの化学式
は、それぞれ(化1)および(化2)に示すとおりであ
る。
【0218】
【化1】
【0219】
【化2】
【0220】なお、式中の*はキラル中心を示してお
り、この部分の立体配置は、R体またはS体のいずれか
である。
【0221】また、a成分モノマおよびb成分モノマを
共重合して得られたコレステリック液晶高分子は、アク
リル樹脂と同様の結合様式によりa成分モノマとb成分
モノマとが共重合した、重量平均分子量80000、ガ
ラス転移温度180℃、等方相転移温度230℃の側鎖
型のコレステリック液晶高分子である。
【0222】以上のようにして、螺旋1ピッチが500
nm程度、厚さが約4μm(螺旋8ピッチ)で、左螺旋
軸を有し、中心反射波長が820nm、反射波長帯域が
750〜890nmのコレステリック液晶高分子固化層
61を得た。
【0223】次に、上記のコレステリック液晶高分子固
化層61の上に、さらに反射波長の異なるコレステリッ
ク液晶高分子固化層62を以下のようにして積層した。
【0224】中心反射波長が820nmの上記のコレス
テリック液晶高分子固化層61の上に、上記と同様の操
作により、a成分モノマ0.090モルとS体のb成分
モノマ0.010モルとを共重合したコレステリック液
晶高分子からなるコレステリック液晶高分子固化層62
を形成した。このようにして得られたコレステリック液
晶高分子固化層62は、螺旋1ピッチが約600nm程
度、厚さが約6μm(螺旋10ピッチ)で、左螺旋軸を
有し、中心反射波長が1000nm、反射波長帯域が9
20〜1080nmであった。
【0225】以上のようにして得られたコレステリック
液晶高分子固化層61とコレステリック液晶高分子固化
層62とは、左螺旋軸を有し、中心反射波長が900n
m、反射波長帯域が800〜1000nmであった。ま
た、螺旋1ピッチがほぼ500〜600nmの範囲内に
あり、最大螺旋ピッチと最小螺旋ピッチの差は、120
nmであった。
【0226】続いて、左螺旋軸を有する上記のコレステ
リック液晶高分子固化層61,62を作製した時と同様
の操作により、右螺旋軸を有するコレステリック液晶高
分子固化層71とコレステリック液晶高分子固化層72
とを作製した。
【0227】この場合、中心反射波長820nmのコレ
ステリック液晶高分子固化層71には、a成分モノマ
0.088モルとR体のb成分モノマ0.012モルと
を共重合したコレステリック液晶高分子を用い、また、
中心反射波長1000nmのコレステリック液晶高分子
固化層72には、a成分モノマ0.090モルとR体の
b成分モノマ0.010モルとを共重合したコレステリ
ック液晶高分子を用いた。
【0228】以上のようにして得られたコレステリック
液晶高分子固化層71とコレステリック液晶高分子固化
層72との積層体は、右螺旋軸を有し、中心反射波長が
900nm、反射波長帯域が800〜1000nmであ
った。また、上記の左螺旋軸を有するコレステリック液
晶高分子固化層61,62と同様、螺旋1ピッチがほぼ
500〜600nmの範囲内にあり、最大螺旋ピッチと
最小螺旋ピッチの差は、120nmであった。
【0229】このようにして得られた左螺旋軸および右
螺旋軸を有するコレステリック液晶高分子固化層61,
62とコレステリック液晶高分子固化層71,72と
を、両者の間に厚さが25μmのアクリル系透明接着材
料層9を介在させて貼り合わせ、図4(a)に示す近赤
外線反射フィルム101を構成した。さらに、近赤外線
反射フィルム101の一方の透明フィルム基板8の一面
に、厚さ25μmのアクリル系透明粘着剤層10を設け
た。
【0230】続いて、近赤外線反射フィルム101の他
方の透明フィルム基板8上に、電磁波シールド層100
を設けた。電磁波シールド層100は以下のようにして
作製した。
【0231】CuとCrを無電解メッキしたポリエステ
ル繊維からなる導電性メッシュ状シート1(セイレン株
式会社製Su−4X−13530)を、ポリエチレンテ
レフタレートからなるセパレータの上に置き、アクリル
系粘着剤を均一に塗布して含浸させて、両面を接着可能
とした。このような導電性メッシュ状シート1の片面を
近赤外線反射フィルム101の透明フィルム基板8に接
着した。
【0232】なお、導電性メッシュ状シート1における
ポリエステル繊維の線径は30μmであり、線間ピッチ
は150μmとした。このような導電性メッシュ状シー
ト1の可視光透過率は65%であり、表面電気抵抗は約
0.12Ω/□であった。
【0233】続いて、上記の導電性メッシュ状シート1
の上に、透明フィルム基材5を介して透明反射防止層6
を設けた。透明反射防止層6は、以下のようにして作製
した。
【0234】厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルムを透明フィルム基材5とし、この上に、紫外
線硬化性アクリル樹脂からなるハードコート層厚さ5μ
mを形成した。さらにその上に、SiO2 からなる厚さ
0.1μmの透明反射防止層6を形成した後、透明反射
防止層6を形成した透明フィルム基材5の一方の面を上
記の導電性メッシュ状シート1に貼り合わせた。
【0235】このようにして、図1に示すような近赤外
線反射フィルム101、電磁波シールド層100および
透明反射防止層6を備えたプラズマディスプレイパネル
用フィルタ200を作製した。
【0236】[実施例2]実施例2のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、中心反射波長が820nmで
あるコレステリック液晶高分子固化層61,71と、中
心反射波長1100nmであるコレステリック液晶高分
子固化層62,72とを積層した点を除いて、実施例1
のプラズマディスプレイパネル用フィルタと同様の構成
を有する。
【0237】中心反射波長1100nmのコレステリッ
ク液晶高分子固化層62、72は、a成分モノマ0.0
91モルとb成分モノマ0.009モルとを、実施例1
と同様の操作により共重合したコレステリック液晶高分
子からなり、螺旋1ピッチが約670nmで、反射波長
帯域が1090〜1270nmであった。
【0238】なお、中心反射波長1100nmのコレス
テリック液晶高分子固化層62,72におけるコレステ
リック液晶高分子は、中心反射波長820nmまたは1
000nmのコレステリック液晶高分子固化層における
コレステリック液晶高分子と、モノマの結合様式、分子
量、ガラス転移温度および等方相転移温度が同じであ
る。
【0239】このように、中心反射波長が820nmと
1100nmのコレステリック液晶高分子固化層61,
62,71,72を積層してなる近赤外線反射フィルム
101においては、中心反射波長が975nm、反射波
長帯域が800〜1150nmであった。また、螺旋1
ピッチがほぼ500〜670nmの範囲内にあり、最大
螺旋ピッチと最小螺旋ピッチとの差は212nmであっ
た。
【0240】[比較例1]比較例1のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタとして、電磁波シールド層および
透明反射防止層を備えるが、近赤外線反射フィルムを備
えていないプラズマディスプレイパネル用フィルタを用
いた。このようなプラズマディスプレイパネル用フィル
タは、2枚の透明フィルム基板の間に導電性メッシュ状
シートが透明粘着剤により固定されており、一方の透明
フィルム基板には透明反射防止層が設けられ、他方の透
明フィルム基板には透明粘着剤層が設けられた構造を有
する。
【0241】[比較例2]比較例2のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、単層のコレステリック液晶高
分子固化層からなる近赤外線反射フィルムを備える。こ
のような近赤外線反射フィルムは、以下のようにして作
製した。
【0242】実施例1と同様の操作により、a成分モノ
マ0.088モルとS体のb成分モノマ0.012モル
とを共重合したコレステリック液晶高分子からなるコレ
ステリック液晶高分子固化層61を得た。このコレステ
リック液晶高分子固化層61は、螺旋1ピッチが約50
0nm程度、厚さが約1μm(螺旋2ピッチ)で、左螺
旋軸を有し、中心反射波長が820nm、反射波長帯域
が750〜890nmであった。
【0243】さらに、R体のキラル成分を有するb成分
モノマを用いて上記と同様の操作を行い、螺旋1ピッチ
が500nm程度、厚さが約1μm(螺旋2ピッチ)
で、右螺旋軸を有し、中心反射波長が820nm、反射
波長帯域が750〜890nmのコレステリック液晶高
分子固化層71を得た。
【0244】このようにして得られた左螺旋軸および右
螺旋軸を有するコレステリック液晶高分子固化層61,
71を、両者の間に厚さが25μmのアクリル系透明粘
着材料層9を介在させて貼り合わせた。
【0245】次いで、実施例1と同様の操作を行い、上
記の近赤外線反射フィルムの透明フィルム基板8の一面
に透明粘着剤層10を設け、他方の透明フィルム基板8
の一面に電磁波シールド層100を設けた。さらに、電
磁波シールド層100の上に透明反射防止層6を設け
た。
【0246】[比較例3]比較例3のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、コレステリック液晶高分子固
化層61,71の厚さが4μm(螺旋8ピッチ)である
点を除いて、比較例2のプラズマディスプレイパネル用
フィルタと同様の構造を有する。
【0247】[比較例4]比較例4のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、コレステリック液晶高分子固
化層の厚さが25μm(螺旋50ピッチ)である点を除
いて、比較例2のプラズマディスプレイパネル用フィル
タと同様の構造を有する。
【0248】[比較例5]比較例5のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、実施例1のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタと同様の構造を有するが、中心反
射波長820nmのコレステリック液晶高分子固化層上
61,71と、中心反射波長1450nmのコレステリ
ック液晶高分子固化層62,72とを積層してなる。
【0249】中心反射波長1450nmのコレステリッ
ク液晶高分子固化層62,72は、a成分モノマ0.0
95モルとb成分モノマ0.005モルとを、実施例1
と同様の操作により共重合したコレステリック液晶高分
子からなり、螺旋1ピッチが約880nmで、反射波長
帯域が1380〜1530nmであった。
【0250】なお、中心反射波長1450nmのコレス
テリック液晶高分子固化層62,72におけるコレステ
リック液晶高分子は、中心反射波長820nmのコレス
テリック液晶高分子固化層61,71におけるコレステ
リック液晶高分子と、モノマの結合様式、分子量、ガラ
ス転移温度および等方相転移温度が同じである。
【0251】このように中心反射波長が820nmと1
450nmのコレステリック液晶高分子固化層61,6
2,71,72を積層したものでは、中心反射波長が1
100nm、反射波長帯域が750〜1530nmであ
った。また、螺旋1ピッチがほぼ500〜880nmの
範囲内にあり、最大螺旋ピッチと最小螺旋ピッチの差は
420nmであった。
【0252】実施例1から比較例5までの結果を表2に
示す。
【0253】
【表2】
【0254】近赤外線反射フィルムを備えていない比較
例1のプラズマディスプレイパネル用フィルタは、近赤
外線反射フィルムを備えたプラズマディスプレイパネル
用フィルタに比べて、著しく近赤外線の反射率が低い。
また、比較例3に示すように、コレステリック液晶高分
子固化層の厚さが8ピッチの場合は、近赤外線反射率が
高いが、比較例2に示すように、コレステリック液晶高
分子固化層の厚さが2ピッチの場合は、厚さが薄すぎる
ため近赤外線を十分反射することができない。また、比
較例4に示すようにコレステリック液晶高分子固化層の
厚さが50ピッチと厚すぎる場合は、近赤外線反射率お
よび可視光透過率が低下する。
【0255】比較例3のように、コレステリック液晶高
分子固化層が単層である場合、螺旋1ピッチの値は多少
ばらつきがあるものの、約500nm程度であるため、
螺旋1ピッチの値における差はほとんどない。このた
め、比較例3のプラズマディスプレイパネル用フィルタ
における近赤外線の反射波長帯域は狭くなる。
【0256】これに対し、実施例1および実施例2に示
すように、異なる反射波長帯域を有するコレステリック
液晶高分子固化層を積層した場合、プラズマディスプレ
イパネル用フィルタにおける近赤外線の反射波長帯域が
広くなる。さらに、積層したコレステリック液晶高分子
固化層における最大螺旋ピッチと最小螺旋ピッチとの差
が、近赤外線の反射波長帯域の幅に影響する。
【0257】実施例1と実施例2においては、実施例2
のプラズマディスプレイパネル用フィルタの方が螺旋の
ピッチ差が大きいため、実施例1のプラズマディスプレ
イパネル用フィルタよりも近赤外線の反射波長帯域が広
い。一方、比較例5に示すように、コレステリック液晶
高分子固化層における螺旋ピッチの差が大き過ぎる場
合、近赤外線の反射波長帯域は広くなるが、広い波長帯
域を均一に反射することが困難であるため、全体として
近赤外線反射率が低下する。
【0258】実施例1から比較例5のプラズマディスプ
レイパネル用フィルタは、可視光透過率が高く、また、
透明反射防止層により、外光の反射が3%以下に抑えら
れている。さらに、これらのプラズマディスプレイパネ
ル用フィルタは、表面電気抵抗0.12Ω/□である導
電性メッシュ状シートから構成される電磁波シールド層
を有するため、電磁波を遮断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマディスプレイパネル用フ
ィルタの第1の例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るプラズマディスプレイパネル用フ
ィルタの第2の例を示す断面図である。
【図3】図1および図2に示すプラズマディスプレイパ
ネル用フィルタに用いる導電性メッシュ状シートの平面
図および断面図である。
【図4】図1および図2に示すプラズマディスプレイパ
ネル用フィルタにおける近赤外線反射フィルムの第1の
例を示す断面図および部分拡大断面図である。
【図5】図1および図2に示すプラズマディスプレイパ
ネル用フィルタにおける近赤外線反射フィルムの第2の
例を示す断面図である。
【図6】本発明に係るプラズマディスプレイ用表示装置
の第1の例を示す断面図である。
【図7】本発明に係るプラズマディスプレイ用表示装置
の第2の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性メッシュ状シート 2,10 透明粘着剤層 5 透明フィルム基材 6,7 透明反射防止層 8 透明フィルム基板 9 透明接着材料層 12 1/2波長板 21 透明硬質基板 22 プラズマディスプレイパネル 50 可視光 51 第1の波長帯域の近赤外線 52 近赤外線51の右円偏光成分 53 近赤外線51の左円偏光成分 54 第2の波長帯域の近赤外線 55 近赤外線54の右円偏光成分 56 近赤外線54の左円偏光成分 57 外光 61,62 左巻き螺旋コレステリック液晶高分子固化
層 71,72 右巻き螺旋コレステリック液晶高分子固化
層 100 電磁波シールド層 101,102 近赤外線反射フィルム 200,201 プラズマディスプレイパネル用フィル
タ 300,301 プラズマディスプレイ表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 年孝 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H048 CA01 CA04 CA11 CA19 CA21 CA24 2H049 BA43 BB03 BB51 BB62 BB65 BB67 BC03 BC04 BC22 5C040 GA10 MA04 MA07 MA08

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近赤外線反射フィルムおよび電磁波を遮
    断する機能を有する導電性メッシュ状シートからなる電
    磁波シールド層とが積層され、前記近赤外線反射フィル
    ムは可視光帯域の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の左
    円偏光成分または右円偏光成分を選択反射する第1のコ
    レステリック液晶高分子固化層と、可視光帯域の光を透
    過しかつ近赤外線帯域の光の前記第1のコレステリック
    液晶高分子固化層と異なる円偏光成分を選択反射する第
    2のコレステリック液晶高分子固化層とが積層されてな
    り、前記第1のコレステリック液晶高分子固化層および
    前記第2のコレステリック液晶高分子固化層の各々が螺
    旋3ピッチ以上に相当する厚みを有することを特徴とす
    る光学フィルムフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第1のコレステリック液晶高分子固
    化層および前記第2のコレステリック液晶高分子固化層
    の各々の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲
    内であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム
    フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記導電性メッシュ状シートの表面電気
    抵抗が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の光学フィルムフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記導電性メッシュ状シートの線径が1
    0μm以上100μm以下であり、ピッチが100μm
    以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94%
    以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の光学フィルムフィルタ。
  5. 【請求項5】 近赤外線反射フィルムおよび電磁波を遮
    断する機能を有する導電性メッシュ状シートからなる電
    磁波シールド層とが積層され、前記近赤外線反射フィル
    ムは可視光帯域の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の左
    円偏光成分または右円偏光成分を選択反射する第1のコ
    レステリック液晶高分子固化層と、可視光帯域の光を透
    過しかつ近赤外線帯域の光の前記第1のコレステリック
    液晶高分子固化層と同じ円偏光成分を選択反射する第2
    のコレステリック液晶高分子固化層とが1/2波長板を
    介して積層されてなり、前記第1のコレステリック液晶
    高分子固化層および前記第2のコレステリック液晶高分
    子固化層の各々が螺旋3ピッチ以上に相当する厚みを有
    することを特徴とする光学フィルムフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記第1のコレステリック液晶高分子固
    化層および前記第2のコレステリック液晶高分子固化層
    の各々の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲
    内であることを特徴とする請求項5記載の光学フィルム
    フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記導電性メッシュ状シートの表面電気
    抵抗が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項5ま
    たは6記載の光学フィルムフィルタ。
  8. 【請求項8】 前記導電性メッシュ状シートの線径が1
    0μm以上100μm以下であり、ピッチが100μm
    以上300μm以下で、開孔率が50%以上94%以下
    であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載
    の光学フィルムフィルタ。
  9. 【請求項9】 近赤外線反射フィルムおよび電磁波を遮
    断する機能を有する導電性メッシュ状シートからなる電
    磁波シールド層とが積層され、前記近赤外線反射フィル
    ムは可視光帯域の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の左
    円偏光成分または右円偏光成分を選択反射する複数の第
    1のコレステリック液晶高分子固化層と、可視光帯域の
    光を透過しかつ近赤外線帯域の光の前記複数の第1のコ
    レステリック液晶高分子固化層と異なる円偏光成分を選
    択反射する複数の第2のコレステリック液晶高分子固化
    層とが積層されてなり、前記第1のコレステリック液晶
    高分子固化層および前記第2のコレステリック液晶高分
    子固化層の各々が螺旋3ピッチ以上に相当する厚みを有
    することを特徴とする光学フィルムフィルタ。
  10. 【請求項10】 前記各第1のコレステリック液晶高分
    子固化層および前記各第2のコレステリック液晶高分子
    固化層の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲
    内であることを特徴とする請求項9記載の光学フィルム
    フィルタ。
  11. 【請求項11】 前記複数の第1のコレステリック液晶
    高分子固化層の螺旋ピッチがそれぞれ異なり、前記複数
    の第2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋ピッチ
    がそれぞれ異なることを特徴とする請求項9または10
    記載の光学フィルムフィルタ。
  12. 【請求項12】 前記複数の第1のコレステリック液晶
    高分子固化層の螺旋ピッチが積層方向において順に変化
    し、前記複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層
    の螺旋ピッチが積層方向において順に変化することを特
    徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の光学フィル
    ムフィルタ。
  13. 【請求項13】 前記複数の第1のコレステリック液晶
    高分子固化層の螺旋1ピッチの値のうち最大値と最小値
    との差が20nm以上350nm以下で、前記複数の第
    2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋1ピッチの
    値のうち最大値と最小値との差が20nm以上350n
    m以下であることを特徴とする請求項9〜12のいずれ
    かに記載の光学フィルムフィルタ。
  14. 【請求項14】 前記導電性メッシュ状シートの表面電
    気抵抗が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項9
    〜13のいずれかに記載の光学フィルムフィルタ。
  15. 【請求項15】 前記導電性メッシュ状シートの線径が
    10μm以上100μm以下であり、ピッチが100μ
    m以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94
    %以下であることを特徴とする請求項9〜14のいずれ
    かに記載の光学フィルムフィルタ。
  16. 【請求項16】 近赤外線反射フィルムおよび電磁波を
    遮断する機能を有する導電性メッシュ状シートからなる
    電磁波シールド層とが積層され、前記近赤外線反射フィ
    ルムは可視光帯域の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の
    左円偏光成分または右円偏光成分のいずれかを選択反射
    する複数の第1のコレステリック液晶高分子固化層と、
    可視光帯域の光を透過しかつ近赤外線帯域の光の前記複
    数の第1のコレステリック液晶高分子固化層と同じ円偏
    光成分を選択反射する複数の第2のコレステリック液晶
    高分子固化層とが1/2波長板を介して積層されてな
    り、前記第1のコレステリック液晶高分子固化層および
    前記第2のコレステリック液晶高分子固化層の各々が螺
    旋3ピッチ以上に相当する厚みを有することを特徴とす
    る光学フィルムフィルタ。
  17. 【請求項17】 前記1/2波長板が380〜700n
    mの範囲の位相差を与えることを特徴とする請求項16
    記載の光学フィルムフィルタ。
  18. 【請求項18】 前記各第1のコレステリック液晶高分
    子固化層および前記各第2のコレステリック液晶高分子
    固化層の螺旋1ピッチの値が400〜900nmの範囲
    内であることを特徴とする請求項16または17記載の
    光学フィルムフィルタ。
  19. 【請求項19】 前記複数の第1のコレステリック液晶
    高分子固化層の螺旋ピッチがそれぞれ異なり、前記複数
    の第2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋ピッチ
    がそれぞれ異なることを特徴とする請求項16〜18の
    いずれかに記載の光学フィルムフィルタ。
  20. 【請求項20】 前記複数の第1のコレステリック液晶
    高分子固化層の螺旋ピッチが積層方向において順に変化
    し、前記複数の第2のコレステリック液晶高分子固化層
    の螺旋ピッチが積層方向において順に変化することを特
    徴とする請求項16〜19のいずれかに記載の光学フィ
    ルムフィルタ。
  21. 【請求項21】 前記複数の第1のコレステリック液晶
    高分子固化層の螺旋1ピッチの値のうち最大値と最小値
    との差が20nm以上350nm以下であり、前記複数
    の第2のコレステリック液晶高分子固化層の螺旋1ピッ
    チの値のうち最大値と最小値との差が20nm以上35
    0nm以下であることを特徴とする請求項16〜20の
    いずれかに記載の光学フィルムフィルタ。
  22. 【請求項22】 前記導電性メッシュ状シートの表面電
    気抵抗が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項1
    6〜21のいずれかに記載の光学フィルムフィルタ。
  23. 【請求項23】 前記導電性メッシュ状シートの線径が
    10μm以上100μm以下であり、ピッチが100μ
    m以上300μm以下で、かつ開孔率が50%以上94
    %以下であることを特徴とする請求項16〜22のいず
    れかに記載の光学フィルムフィルタ。
  24. 【請求項24】 前記光学フィルムフィルタの一面に透
    明反射防止層または透明防眩層が設けられたことを特徴
    とする請求項1〜23のいずれかに記載の光学フィルム
    フィルタ。
  25. 【請求項25】 前記光学フィルムフィルタの他面に透
    明粘着剤層が設けられたことを特徴とする請求項1〜2
    4のいずれかに記載の光学フィルムフィルタ。
  26. 【請求項26】 前記光学フィルムフィルタの他面に透
    明反射防止層が設けられたことを特徴とする請求項1〜
    25のいずれかに記載の光学フィルムフィルタ。
  27. 【請求項27】 プラズマディスプレイパネルに請求項
    25記載の光学フィルムフィルタを貼り合わせて装着し
    たことを特徴とするプラズマディスプレイ表示装置。
  28. 【請求項28】 プラズマディスプレイパネルの前面に
    請求項26記載の光学フィルムフィルタを設置したこと
    を特徴とするプラズマディスプレイ表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008209733A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Nippon Zeon Co Ltd 光学フィルム、製造方法及び液晶表示装置
JP2009224208A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Harison Toshiba Lighting Corp 紫外線照射装置

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