JP2000038968A - 小型船舶用エンジンの吸気装置 - Google Patents

小型船舶用エンジンの吸気装置

Info

Publication number
JP2000038968A
JP2000038968A JP10205586A JP20558698A JP2000038968A JP 2000038968 A JP2000038968 A JP 2000038968A JP 10205586 A JP10205586 A JP 10205586A JP 20558698 A JP20558698 A JP 20558698A JP 2000038968 A JP2000038968 A JP 2000038968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
engine
box
pipe
intake box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10205586A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Masuko
徹也 益子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP10205586A priority Critical patent/JP2000038968A/ja
Publication of JP2000038968A publication Critical patent/JP2000038968A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 船体の幅を広げることなく吸気容量の多い大
きな吸気箱を配置できるようにして、吸気音の低減や吸
気効率の向上を図れるようにする。 【解決手段】 エンジン7と燃料タンク8との間に吸気
箱23を配置することにより、船体の幅を広げることな
く、エンジン7と燃料タンク8との間の大きなデッドス
ペースを利用して吸気容量の多い大きな吸気箱23を配
置できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型船舶用エンジ
ンの吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型船舶用エンジン、例えばジェ
ット推進艇のエンジンは、ジェットポンプを駆動して艇
体を推進するように構成されている。上記のようなジェ
ット推進艇では、艇内に艇体長手方向に延在するエンジ
ンと、このエンジンの前方に位置する燃料タンクとを配
置して、上記エンジンの一側面に船体幅方向に延びる吸
気管を接続し、この吸気管をエンジンの一側面に沿って
配置した吸気箱に接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンの一側面に沿って吸気箱を配置する従来の構造では、
艇体の幅を広げないと吸気容量の多い大きな吸気箱を配
置することが困難であったために、吸気音の低減や吸気
効率の向上に限界があった。
【0004】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、船体の幅を広げることなく吸気容量
の多い大きな吸気箱を配置できるようにして、吸気音の
低減や吸気効率の向上を図れるようにした小型船舶用エ
ンジンの吸気装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、船内にエンジンと、このエンジンの前方
に位置する燃料タンクとが配置され、上記エンジンは船
体長手方向に延びるクランク軸と複数の気筒を有し、上
記エンジンの一側面に船体幅方向に延びる吸気管を接続
した小型船舶において、上記吸気管の上流側を互いに連
結する連結管を設けると共に、上記エンジンと燃料タン
クとの間に、吸気口を有する吸気箱を配置して、この吸
気箱と上記連結管とを互いに連通させることを特徴とす
る小型船舶用エンジンの吸気装置を提供するものであ
る。
【0006】本発明によれば、エンジンと燃料タンクと
の間に吸気箱を配置することにより、船体の幅を広げる
ことなく、エンジンと燃料タンクとの間の大きなデッド
スペースを利用して吸気容量の多い大きな吸気箱を配置
できるので、吸気音が低減するとともに吸気効率が向上
してエンジン出力がアップする。上記吸気箱は、船体幅
方向の中心部に配置するのが好ましいが、船体中心線か
ら船体幅方向に偏位させて船内側部に配置しても良い。
【0007】請求項2のように、上記クランク軸の前端
に連結されたフライホイールマグネットを覆うマグネッ
トカバーがエンジンに固定され、このマグネットカバー
に上記吸気箱の一部を弾性支持した構成とすることがで
きる。
【0008】この構成であれば、エンジンに固定された
マグネットカバーに吸気箱の一部を弾性支持することに
より、吸気容量の多い大きな吸気箱をエンジンで確実に
支持できると共に、弾性支持によってエンジン側の振動
や熱が吸気箱側に伝達するのを防止できる。
【0009】請求項3のように、上記吸気箱の前方に、
船外の空気を船内に導入する吸気ダクトを設けると共
に、上記吸気箱と連結管とを互いに連通する連結ホース
を設けて、上記エンジン前面視で、この連結ホースの少
なくとも一部が上記吸気管に設けられた気化器と重なる
ように配置されている構成とすることができる。
【0010】この構成であれば、エンジン前面視で、吸
気箱と連結管とを互いに連通する連結ホースの少なくと
も一部が吸気管に設けられた気化器と重なるように配置
することにより、塩分や水分を多く含んだ船外の空気が
吸気箱の前方の吸気ダクトから船内に取り入れられて
も、この空気の流れが連結ホースで遮られるので、気化
器のリンクなどの作動系に塩分や水分が付着しにくくな
って、作動不良等が発生しにくくなる。
【0011】請求項4のように、上記エンジン前面視
で、上記クランク軸の軸心を通る鉛直線の一側に上記連
結管を設け、他側に上記吸気箱の吸気口を設けた構成と
することができる。
【0012】この構成であれば、エンジン前面視で、ク
ランク軸心を通る鉛直線に対する吸気箱の両側に連結管
と吸気口とを離して設けることにより、吸気箱の片側に
連結管と吸気口とを近づけて設ける場合では、連結管と
吸気口を大きくすると吸気箱もそれに伴って大型化する
が、請求項4のように、エンジン前面視で、上記クラン
ク軸の軸心を通る鉛直線の一側に上記連結管を設け、他
側に上記吸気箱の吸気口を設け、連結管と吸気口とを吸
気箱の両側に振り分けることで、吸気箱を大型化するこ
となく連結管と吸気口を大きくすることが可能となる。
また、吸気箱の片側に連結管と吸気口と設ける場合で
は、吸気箱内において吸気流がショートカットすること
になるが、連結管と吸気口とを吸気箱の両側に振り分け
ることで、吸気箱内の吸気通路がストレート状になるの
で、吸気抵抗が低減して吸気効率が向上すると共に、吸
気箱全体を消音スペースとして使用できるので吸気音が
より低減する。
【0013】請求項5のように、上記吸気箱の上方に上
記エンジンの排気管を配置する構成とすることができ
る。
【0014】この構成であれば、吸気箱の上方に排気管
を配置することにより、着脱自在な蓋体を外し、その下
方の開口を通して、海上でエンジンの点検をしているよ
うな場合などに、開口から海水がエンジン室に入って
も、排気管が庇の役目をして吸気箱に海水がかかりにく
くなり、吸気箱の合面等の隙間から海水が吸気箱内に浸
入するのを未然に防止できる。
【0015】請求項6のように、上記連結ホースに、先
端が膨出した密閉状容積室を接続した構成とすることが
できる。
【0016】この構成であれば、連結ホースに密閉状容
積室を接続することにより、吸気箱では消音しきれない
特定の吸気音を効果的に低減できる。
【0017】請求項7のように、上記吸気箱の吸気口を
下向きに開口すると共に、この吸気箱に、吸気口から隔
離して吸気口の下方を覆う覆い部材を設けた構成とする
ことができる。
【0018】この構成であれば、吸気箱の吸気口を下向
きにすることにより、エンジン音が外部に漏れにくくな
るので、エンジン騒音が低減する。また、吸気口の下方
を覆い部材で覆うことにより、船底に溜まった水の跳ね
返りが防止されて、水が吸気口から吸気箱内に浸入しに
くくなる。
【0019】請求項8のように、上記吸気箱と上記連結
管とを互いに連結する連結ホースを設け、この連結ホー
スの上記連結管に対する接続部の中心に対して、上記連
結ホースの上記吸気箱に対する接続部の中心を低く設定
している構成とすることができる。
【0020】この構成であれば、連結管よりも吸気箱の
接続中心を低く設定することにより、吸気口から吸気箱
内に水が浸入しても、連結管の接続中心が吸気箱の通路
中心よりも高いので、吸気箱内に浸入した水が連結管か
ら気化器に流入するおそれがなくなる。
【0021】請求項9のように、上記吸気箱は第1の吸
気箱を形成し、上記連結管は第2の吸気箱を形成する構
成とすることができる。
【0022】この構成であれば、吸気箱が前後に2個設
けられることにより、吸気箱が1個の場合では吸気箱が
大型化して配置スペース上の制約を受けるが、前後2個
に分けることにより、1個づつの吸気箱が小型でも全体
として吸気音を効果的に低減できると共に、配置スペー
ス上の制約も受けにくくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0024】図1は水上走行船(ジェット推進艇)の側
面図、図2はその平面図であって、水上走行船1の船体
2の上部には中央部よりやや前側における船体中心線上
に操舵ハンドル3が設けられ、その後側には船尾方向に
延びるシート台2bが形成され、このシート台2bの上
面に着脱自在な蓋体たる跨座式シート4が設けられ、そ
の両側にはフートステップ2aが形成されている。
【0025】上記船体2の内部には、前側にエンジン室
5、後側にポンプ室6がそれぞれ形成され、このエンジ
ン室5内には、上記シート4の下方であって船体2の左
右方向の中央部にエンジン7が設置され、その前方には
燃料タンク8が設置されている。この燃料タンク8の前
方には、船外の空気を船内のエンジン室5に導入する吸
気ダクト20aが設けられている。なお、エンジン7の
後方にも、船外の空気を船内のエンジン室5に導入する
吸気ダクト20bが設けられている。
【0026】上記エンジン7は、3個の気筒が船体2の
前後方向に並べられた水冷式の2サイクル3気筒形式で
あって、このエンジン7は、上記ポンプ室6内に設けら
れたジェットポンプ9を駆動するように連結されて、こ
のジェットポンプ9とともに水上走行船1を駆動するウ
ォータジェット推進機が構成されている。上記エンジン
7は、ジェットポンプ9のプロペラ室から船体外の水を
吸入してエンジン冷却水として利用するように構成さ
れ、このエンジン冷却水をエンジン7に導くための圧力
は、プロペラ室の圧力を利用している。
【0027】図3〜図5に詳細に示すように、上記エン
ジン7は、クランクケース7aの船体右舷側に位置して
吸気装置10を備え、シリンダブロック7bの船体左舷
側に位置して排気装置11を備えている。
【0028】上記排気装置11を構成する排気管は、シ
リンダブロック7bの船体左舷側の排気口に接続されて
排気通路をエンジン7の前方へ延在させる排気マニホー
ルド12と、この排気マニホールド12の下流端部に接
続されてエンジン7の前上方をU字状に迂回する第1排
気膨張室13と、この排気膨張室13の後端部に接続さ
れてエンジン7の右舷側上方で後方に延びる第2排気膨
張室14と、この第2排気膨張室14の後端部に接続さ
れてエンジン7の後方で、船体後面視で斜め左下方に延
びる排気管15と、図1及び図2に示したように、この
排気管15の後端部に可撓性のゴムホース16を介して
接続されたウォータロック17と、このウォータロック
17の上部から上方に延びた後、ジェットポンプ9の上
方を横切り、右舷側を後下がりに延びてポンプ室6の側
壁に接続された排出管18とを備えている。なお、図5
において、14′は排気管用ヒートインシュレータであ
る。
【0029】上記ジェットポンプ9のプロペラ室から船
体外の水を吸入してエンジン冷却水として利用するため
に、上記エンジン7の排気マニホールド12の下部に、
前後方向に延びる冷却水分配(デリパリ)パイプ26が
固定され、この冷却水分配パイプ26の入口26aと上
記プロペラ室とが冷却水送給パイプ(不図示)で接続さ
れて、プロペラ室の圧力により冷却水を冷却水分配パイ
プ26に圧送するようになっている。
【0030】そして、この冷却水分配パイプ26から排
気マニホールド12のウォータージャケットに冷却水が
圧送され、このウォータージャケットからエンジン7の
シリンダブロック7bとシリンダヘッド7cの各ウォー
タージャケットを経由してこれらを冷却した後に、シリ
ンダヘッド7cの3気筒の間の2個所から連結パイプ2
7(図3に一方のみ図示)を介して第1排気膨張室13
と排気マニホールド12との間の入口管13aのウォー
タージャケットに冷却水が圧送され、このウォータージ
ャケットから第1排気膨張室13と第2排気膨張室14
の各ウォータージャケットを経由してこれらを冷却した
後に、上記排気管15のウォータージャケットからゴム
ホース16内に供給されて、この冷却水により、ゴムホ
ース16とともに排気ガスを冷却しながら、冷却水を排
気ガスとともに上記ポンプ室6から船体外に排出するよ
うになっている。
【0031】上記排気管のうち、上記エンジン7の右舷
側上方で気筒(シリンダ)の配列方向に沿って後方に延
びる第2排気膨張室14は外径が大径に形成されてい
て、この第2排気膨張室14内には触媒19が配置され
ている。また、第2排気膨張室14の上方は、樹脂製の
カバー14′で覆われている。
【0032】上記吸気装置10を構成する吸気管は、ク
ランクケース7aの船体右舷側に設置された3個の気化
器21を有する各吸気管21aの上流側を互いに連結す
る連結管(第2の吸気箱)22と、上記燃料タンク8と
エンジン7との間に配置された吸気箱(第1の吸気箱)
23と、この吸気箱23と上記連結管22とを互いに連
通するゴム製の連結ホース24とを備えている。
【0033】上記船体右舷側の各気化器21が位置する
大径の第2排気膨張室14の下方は広いデッドスペース
S1(図4参照)となることから、このデッドスペース
S1を利用して、吸気容量が多い大きな樹脂製の連結管
22を配置している。
【0034】上記連結管22は、エンジン7の長手方向
に延在する長方形状の縦長箱状体であって、その上部は
エンジン7側にやや傾けられている。この連結管22
は、上記各吸気管21aの先端に接続される本体22b
と、この本体22abをガスケットを介してカバーする
カバー体22aとで構成されていて、この連結管22の
合面22cを含む本体22bの大部分は、第2排気膨張
室14の下方に位置させている。この連結管22の前方
側の前面部には上記連結ホース24の下流端部が接続さ
れて、バンド50aで締付け固定されている。
【0035】また、上記エンジン7とその前方位置の燃
料タンク8との間のデッドスペースの内、エンジン7の
前方で大径の第1排気膨張室13の下方は広いデッドス
ペースS2(図3参照)となることから、このデッドス
ペースS2を利用して、吸気容量が多い大きな樹脂製の
吸気箱23を配置している。
【0036】上記吸気箱23は、船体幅方向のほぼ中心
部に位置して、エンジン7の幅方向に延在する長方形状
の縦長箱状体であって、図8及び図9に詳細に示すよう
に、上部にはグロメット嵌め込み穴23aを有する上ブ
ラケット部23bが形成されると共に、下部の両側に
は、下向きのグロメット嵌め込み溝23cを有する下ブ
ラケット部23dがそれぞれ形成されている。なお、上
記吸気箱23は、図5に二点鎖線で示すように、船体幅
方向の一側(図では右舷側)に偏位させて、船体側部に
配置しても良い。
【0037】上記吸気箱23の右舷側の側面部23eに
は、上記連結ホース24の上流端部を差込接続する差込
部23fが形成され、この差込部23fに差込接続され
た連結ホース24の上流端部はバンド50bで締付け固
定されている。
【0038】また、左舷側の側面部23gの上位置に
は、下向きの吸気口23hが開口されると共に、この側
面部23gの下位置には、吸気口23hから充分な隙間
を隔てて隔離した状態で、吸気口23hの前方及び下方
を覆うL字状の覆い部23jが形成されている。
【0039】さらに、上記吸気箱23の内部には、図8
(b)に示すように、上記差込部23fの下部を内方に
延長させて水跳ね返り防止部23kを形成すると共に、
吸気箱23の底部には、水抜きプラグ28(図3参照)
で閉止される水抜き穴23mを形成している。この水抜
き穴23mは、吸気箱23内に浸入した水を速やかに外
部へ排出するものである。また、上記水跳ね返り防止部
23kは、吸気口23hから吸気箱23内に多量の水が
浸入したような場合、この水が水抜き穴23mから排出
されるまでの間に跳ね返って、差込部23fから連結ホ
ース24を通って連結管22内に浸入するのを防止する
ものである。
【0040】上記吸気箱23は、成形時には、図9
(a)に実線dで示す位置で前後に2分割して成形され
て、成形後に分割成形品を接合することにより一体的に
組み付けられるようになり、この接合面が合面23nと
なる。なお、図8(b)は吸気箱23の後半分の正面図
である。
【0041】上記吸気箱23の上ブラケット部23bの
グロメット嵌め込み穴23aには,図10(a)に示す
ように、弾性ゴム製のグロメット30を嵌め込むと共
に、各下ブラケット部23dのグロメット嵌め込み溝2
3cにも同様に、弾性ゴム製のグロメット30をそれぞ
れ嵌め込む。
【0042】この吸気箱23は、図3、図4及び図7に
示したように、エンジン7の前方に配置して、このエン
ジン7のクランク軸の前端に連結されたフライホイール
マグネットを覆うアルミ合金製のマグネットカバー7d
の上部にボルト37で固定されたアルミ合金製のステー
31に上ブラケット部23bのグロメット30を当てが
った状態で、前方からグロメット30にボルト32を貫
通させ、このボルト32をステー31の雌ねじ部にねじ
込むことにより、グロメット30を介して固定する。
【0043】同様に、図6に示したように、各下ブラケ
ット部23dのグロメット30を、上記マグネットカバ
ー7dに形成したボス7eに当てがった状態で、前方か
ら各グロメット30にボルト33を貫通させ、このボル
ト33をボス7eの雌ねじ部にねじ込むことにより、グ
ロメット30を介して固定する。
【0044】上記ステー31の上部にはL字状の支持金
具38をボルト39で固定し、この支持金具38を第1
排気膨張室13の外面にボルト40で固定することによ
り、第1排気膨張室13を支持するようになる。
【0045】このようにしてエンジン7の前部側に吸気
箱23を固定することにより、合面23nを含む吸気箱
23の大部分は、第1排気膨張室13の下方のデッドス
ペースS2に位置するようになる。また、図4に示した
ように、エンジン7の前方から見て、クランク軸の軸心
Oを通る鉛直線aの一側(右舷側)に上記連結管22が
設けられ、他側(左舷側)に吸気箱23の吸気口23h
が設けられるようになる。
【0046】さらに、上記連結管22と吸気箱23とを
連結する連結ホース24は、エンジン7の前方から見
て、連結ホース24の一部が上記気化器21と重なるよ
うになる。また、上記連結管22の通路中心bに対して
吸気箱23の通路中心cが低く設定されるようになる。
【0047】上記連結ホース24の途中には、図10
(b)に詳細に示すように、下向きの突出部24aが形
成される一方、この突出部24aに下方から内嵌される
嵌合部34aを有し、この嵌合部34aから大きく外方
に膨出した密閉状容積室(レゾネータ)34を設けて、
この嵌合部34aを突出部24aに内嵌した状態で、突
出部24aの外周をバンド35で締め付けることによ
り、連結ホース24に容積室34を接続固定している。
【0048】上記のような吸気装置であれば、吸気箱2
3は、燃料タンク8との間のエンジン7の前部側に配置
されているから、従来のように、エンジン7の一側面
(例えば右舷側)に沿って配置する構造では、艇体の幅
を広げないと吸気容量の多い大きな吸気箱を配置するこ
とが困難であったために、吸気音の低減や吸気効率の向
上に限界があったが、本実施形態では、船体の幅を広げ
ることなく、エンジン7と燃料タンク8との間の大きな
デッドスペースS2を利用して吸気容量の多い大きな吸
気箱23を配置できるので、吸気音が低減するとともに
吸気効率が向上してエンジン出力がアップする。
【0049】また、吸気箱23は、上ブラケット部23
bをエンジン7に固定されたステー31にグロメット3
0を介して弾性支持すると共に、下ブラケット部23d
をエンジン7に固定されたマグネットカバー7dにグロ
メット30を介して弾性支持することにより、吸気容量
の多い大きな吸気箱23をエンジン7で確実に支持でき
ると共に、ゴム製のグロメット30による弾性支持によ
ってエンジン7側の振動や熱が吸気箱23側に伝達する
のを防止できる。
【0050】さらに、エンジン7の前方から見て、吸気
箱23と連結管22とを連結する連結ホース24を気化
器21と重なるように配置しているので、塩分や水分を
多く含んだ船外の空気が吸気ダクト20aから船内のエ
ンジン室5に取り入れられても、この空気の流れが連結
ホース24で遮られるので、気化器21のリンクなどの
作動系に塩分や水分が付着しにくくなって、作動不良等
が発生しにくくなる。
【0051】さらにまた、仮に吸気箱23の片側(例え
ば右舷側)に連結管22と吸気口23hとを近づけて設
ける場合では、連結管22と吸気口23hを大きくする
と吸気箱23もそれに伴って大型化するが、本実施形態
のように、エンジン7の前方から見て、クランク軸心を
通る鉛直線aに対する吸気箱23の両側に連結管22と
吸気口23hとを離して設け、連結管22と吸気口23
hとを吸気箱23の両側に振り分けることで、吸気箱2
3を必要以上に大型化することなく連結管22と吸気口
23hを大きくすることが可能となる。また、仮に吸気
箱23の片側(例えば右舷側)に連結管22と吸気口2
3hと設ける場合では、吸気箱23内において吸気流が
ショートカットすることになるが、本実施形態のよう
に、連結管22と吸気口23hとを吸気箱22の両側に
振り分けることで、吸気箱23内の吸気通路がストレー
ト状になるので、吸気抵抗が低減して吸気効率が向上す
ると共に、吸気箱23全体を消音スペースとして使用で
きるので吸気音がより低減する。
【0052】さらに、例えば跨座式シート4を取り外し
て、エンジン室5のメンテナンス用開口5a(図2参
照)を開け、海上でエンジン7の点検をしているような
場合に、メンテナンス用開口5aから海水がエンジン室
5に入ることがある。
【0053】このような場合においては、吸気箱23の
合面23nが大径の第1排気膨張室13の下方に位置す
ると共に、連結管22(第2の吸気箱)の合面22cが
大径の第2排気膨張室14の下方に位置しているので、
各排気膨張室13,14が庇の役目をして各合面23
n,22cに海水が降りかかりにくくなり、各合面23
h,22cの隙間から海水が吸気箱23内や連結管22
内に浸入するのを未然に防止できる。また、高温になり
がちな各排気膨張室13,14の下方のデッドスペース
S2,S1に吸気箱23と連結管22をそれぞれ配置で
きるから、各排気膨張室13,14に降りかかった水が
蒸発し易くなって吸気箱23や連結管22に降りかかり
にくくなる。
【0054】さらに、連結ホース24に密閉状容積室
(レゾネータ)34を接続したので、吸気箱23では消
音しきれない特定の周波数域(例えば、360Hz程度
の吸気音中の一番高い周波数)の吸気音を効果的に低減
できる。
【0055】一方、吸気箱23の吸気口23hを下向き
にしたので、エンジン音が外部に漏れにくくなるので、
エンジン騒音が低減する。また、吸気口23hの下方を
覆い部23jで覆っているので、船底に溜まった水の跳
ね返りが吸気口23hから吸気箱23内に浸入しにくく
なる。
【0056】さらに、連結ホース24の連結管22に対
する接続部の中心bよりも連結ホース24の吸気箱23
に対する接続部の中心cを低く設定しているので、吸気
口23hから吸気箱23内に水が浸入しても、上記中心
bが上記中心cよりも高いので、吸気箱23内に浸入し
た水が連結管22から気化器21に流入するおそれがな
くなる。
【0057】さらにまた、吸気箱(第1の吸気箱)23
に加えて、連結管22も第2の吸気箱として構成できる
ので、吸気箱23,22が前後に2個設けられるように
なって、吸気箱23,22がいずれか1個の場合では吸
気箱が大型化して配置スペース上の制約を受けるが、本
実施形態のように、吸気箱23,22を前後2個に分け
ることにより、1個づつの吸気箱23,22がそれぞれ
小型でも全体として吸気音を効果的に低減できると共
に、配置スペース上の制約も受けにくくなる。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の吸気装置は、エンジンと燃料タンクとの間に吸気箱
を配置することにより、船体の幅を広げることなく、エ
ンジンと燃料タンクとの間の大きなデッドスペースを利
用して吸気容量の多い大きな吸気箱を配置できるので、
吸気音が低減するとともに吸気効率が向上してエンジン
出力がアップする。
【0059】請求項2のように、エンジンに固定された
マグネットカバーに吸気箱の一部を弾性支持することに
より、吸気容量の多い大きな吸気箱をエンジンで確実に
支持できると共に、弾性支持によってエンジン側の振動
や熱が吸気箱側に伝達するのを防止できる。
【0060】請求項3のように、エンジン前面視で、吸
気箱と連結管とを互いに連通する連結ホースの少なくと
も一部が吸気管に設けられた気化器と重なるように配置
することにより、塩分や水分を多く含んだ船外の空気が
吸気箱の前方の吸気ダクトから船内に取り入れられて
も、この空気の流れが連結ホースで遮られるので、気化
器のリンクなどの作動系に塩分や水分が付着しにくくな
って、作動不良等が発生しにくくなる。
【0061】上記吸気箱の片側に連結管と吸気口と設け
る場合では、吸気箱内において吸気流がショートカット
することになるが、請求項4のように、エンジン前面視
で、クランク軸心を通る鉛直線に対する吸気箱の両側に
連結管と吸気口とを離して設け、連結管と吸気口とを吸
気箱の両側に振り分けることで、吸気箱内の吸気通路が
ストレート状になるので、吸気抵抗が低減して吸気効率
が向上すると共に、吸気箱全体を消音スペースとして使
用できるので吸気音がより低減する。
【0062】請求項5のように、吸気箱の上方に排気管
を配置することにより、シートを外し、その下方の開口
を通して、海上でエンジンの点検をしているような場合
などに、開口から海水がエンジン室に入っても、排気管
が庇の役目をして吸気箱に海水がかかりにくくなり、吸
気箱の合面等の隙間から海水が吸気箱内に浸入するのを
未然に防止できる。
【0063】請求項6のように、連結ホースに密閉状容
積室を接続することにより、吸気箱では消音しきれない
特定の吸気音を効果的に低減できる。
【0064】請求項7のように、吸気箱の吸気口を下向
きにすることにより、エンジン音が外部に漏れにくくな
るので、エンジン騒音が低減する。また、吸気口の下方
を覆い部材で覆うことにより、船底に溜まった水の跳ね
返りが防止されて、水が吸気口から吸気箱内に浸入しに
くくなる。
【0065】請求項8のように、連結管よりも吸気箱の
接続中心を低く設定することにより、吸気口から吸気箱
内に水が浸入しても、連結管の中心が吸気箱の中心より
も高いので、吸気箱内に浸入した水が連結管から気化器
に流入するおそれがなくなる。
【0066】請求項9のように、吸気箱が前後に2個設
けられることにより、吸気箱が1個の場合では吸気箱が
大型化して配置スペース上の制約を受けるが、前後2個
に分けることにより、1個づつの吸気箱が小型でも全体
として吸気音を効果的に低減できると共に、配置スペー
ス上の制約も受けにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の小型船舶の側面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 エンジンの側面図である。
【図4】 エンジン正面図である。
【図5】 エンジンの平面図である。
【図6】 エンジンの要部底面図である。
【図7】 図3の要部拡大図である。
【図8】 吸気箱であり、(a)は正面図、(b)は
図9(a)のA−A線に相当する正面図である。
【図9】 吸気箱であり、(a)は平面図、(b)は
右側面図である。
【図10】 (a)は吸気箱の弾性支持構造の要部断面
図、(b)は容積室の固定構造の要部断面図である。
【符号の説明】
1 水上走行船 2 船体 4 跨座式シート(蓋体) 7 エンジン 7d マグネットカバー 8 燃料タンク 10 吸気装置 11 排気装置 13 第1排気膨張室 14 第2排気膨張室 20 吸気ダクト 21 気化器 22 連結管(第2の吸気箱) 23 吸気箱(第1の吸気箱) 23h 吸気口 23j 覆い部(覆い部材) 24 連結ホース 30 グロメット 34 容積室

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船内にエンジンと、このエンジンの前方
    に位置する燃料タンクとが配置され、上記エンジンは船
    体長手方向に延びるクランク軸と複数の気筒を有し、上
    記エンジンの一側面に船体幅方向に延びる吸気管を接続
    した小型船舶において、 上記吸気管の上流側を互いに連結する連結管を設けると
    共に、上記エンジンと燃料タンクとの間に、吸気口を有
    する吸気箱を配置して、この吸気箱と上記連結管とを互
    いに連通させることを特徴とする小型船舶用エンジンの
    吸気装置。
  2. 【請求項2】 上記クランク軸の前端に連結されたフラ
    イホイールマグネットを覆うマグネットカバーがエンジ
    ンに固定され、このマグネットカバーに上記吸気箱の一
    部を弾性支持した請求項1に記載の小型船舶用エンジン
    の吸気装置。
  3. 【請求項3】 上記吸気箱の前方に、船外の空気を船内
    に導入する吸気ダクトを設けると共に、上記吸気箱と連
    結管とを互いに連通する連結ホースを設けて、上記エン
    ジン前面視で、この連結ホースの少なくとも一部が上記
    吸気管に設けられた気化器と重なるように配置されてい
    る請求項1又は請求項2に記載の小型船舶用エンジンの
    吸気装置。
  4. 【請求項4】 上記エンジン前面視で、上記クランク軸
    の軸心を通る鉛直線の一側に上記連結管を設け、他側に
    上記吸気箱の吸気口を設けた請求項1〜請求項3のいず
    れかに記載の小型船舶用エンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 上記吸気箱の上方に上記エンジンの排気
    管を配置する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の小
    型船舶用エンジンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 上記連結ホースに、先端が膨出した密閉
    状容積室を接続した請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の小型船舶用エンジンの吸気装置。
  7. 【請求項7】 上記吸気箱の吸気口を下向きに開口する
    と共に、この吸気箱に、吸気口から隔離して吸気口の下
    方を覆う覆い部材を設けた請求項1〜請求項6のいずれ
    かに記載の小型船舶用エンジンの吸気装置。
  8. 【請求項8】 上記吸気箱と上記連結管とを互いに連結
    する連結ホースを設け、この連結ホースの上記連結管に
    対する接続部の中心に対して、上記連結ホースの上記吸
    気箱に対する接続部の中心を低く設定している請求項1
    〜請求項7のいずれかに記載の小型船舶用エンジンの吸
    気装置。
  9. 【請求項9】 上記吸気箱は第1の吸気箱を形成し、上
    記連結管は第2の吸気箱を形成する請求項1〜請求項8
    のいずれかに記載の小型船舶用エンジンの吸気装置。
JP10205586A 1998-07-21 1998-07-21 小型船舶用エンジンの吸気装置 Withdrawn JP2000038968A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10205586A JP2000038968A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 小型船舶用エンジンの吸気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10205586A JP2000038968A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 小型船舶用エンジンの吸気装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000038968A true JP2000038968A (ja) 2000-02-08

Family

ID=16509344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10205586A Withdrawn JP2000038968A (ja) 1998-07-21 1998-07-21 小型船舶用エンジンの吸気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000038968A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005001518A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Yamaha Marine Co Ltd 小型船舶
CN116771497A (zh) * 2023-08-25 2023-09-19 江苏中奕和创智能科技有限公司 一种带消音除烟组件的发电机组

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005001518A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Yamaha Marine Co Ltd 小型船舶
CN116771497A (zh) * 2023-08-25 2023-09-19 江苏中奕和创智能科技有限公司 一种带消音除烟组件的发电机组
CN116771497B (zh) * 2023-08-25 2023-11-10 江苏中奕和创智能科技有限公司 一种带消音除烟组件的发电机组

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4989409A (en) Exhaust device for small sized boat engine
US5251439A (en) Exhaust device for small sized boat engine
US4811560A (en) Exhaust system for marine propulsion
JP3947272B2 (ja) 小型船舶の排気装置
US6382145B2 (en) Reed valve cooling apparatus for engine
US5383440A (en) Blow-by gas circulating system for 4-cycle engine
JPH10252440A (ja) 船艇の推進装置におけるブリーザ装置
JP3470915B2 (ja) 船外機の冷却構造
JP2000170612A (ja) 小型船舶用エンジンの吸気装置
JP2001090619A (ja) 小型船舶用エンジンの吸気装置
JP2000038968A (ja) 小型船舶用エンジンの吸気装置
JPH09268912A (ja) 2サイクルエンジンの排気ガス浄化装置
JP2000161126A (ja) 小型船舶のエンジン構造
US6283809B1 (en) Outboard motor exhaust system
JPH0988583A (ja) 小型水上走行艇用エンジン
US6506086B2 (en) Exhaust system for watercraft
US6551156B2 (en) Induction system for personal watercraft
US6612883B2 (en) Output shaft structure of personal watercraft
US7455035B2 (en) Cooling water piping attachment structure for small boat
JP2006002634A (ja) 水ジェット推進艇
JPH07110636B2 (ja) 船外機用ターボエンジン
JPH1059290A (ja) 船外機の冷却構造
JP3206623B2 (ja) 船外機
JP2000062696A (ja) 小型船舶用エンジンのオイルポンプの冷却構造
JP2002021577A (ja) 小型船舶用エンジンの吸気ボックス構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051004