JP2000037783A - 透明でかつ反りを低減する光造形法および該作製法からなる造形物 - Google Patents

透明でかつ反りを低減する光造形法および該作製法からなる造形物

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JP2000037783A
JP2000037783A JP10209411A JP20941198A JP2000037783A JP 2000037783 A JP2000037783 A JP 2000037783A JP 10209411 A JP10209411 A JP 10209411A JP 20941198 A JP20941198 A JP 20941198A JP 2000037783 A JP2000037783 A JP 2000037783A
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Takaaki Inoue
孝昭 井上
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造形物が透明でかつ反りが低減された光造形
法および該作製法からなる造形物を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つの平面を有し、その平面
の面積が該平面と平行な投影面にその法線方向から投影
した場合の投影面積の30%以上である平面(a面)を
有する物体を、光造形法により造形する際に、該物体の
有するa面の1つをA面とした時、A面の法線方向(Z
軸方向)を造形方向とし、A面を造形する層(B層)を
全体の積層順位において最終の順位にならないように積
層するとともに、該B層の厚みをB層以降に積層される
各層の厚みの1.1〜10倍とし、更に硬化を誘引する
光が少なくとも該B層の面内では交叉しないように露光
することを特徴とする光造形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光造形法に関する。
詳しくは、造形物が透明でかつ反りが低減された光造形
法及び該光造形法からなる造形物に関する。
【0002】
【従来の技術】光硬化性樹脂に光を照射して三次元形状
を形成する方法は現在広く知られており、複雑な三次元
形状の物体を極めて容易に作製する方法として利用され
ている。例えば特開昭56−144478号公報には、
液状の感光性樹脂に光を照射して得られるシート状のも
のを、該感光性樹脂内を上下するテーブルを使用するこ
とにより立体図形を作製する装置が示されている。特開
昭60−247515号公報には、光硬化性流動物質を
容器に収容し、導光体を容器内で相対的に移動するか、
又は硬化波長の2倍の相等しい波長を有しかつ位相の揃
った2以上の光束を交叉するように照射、交叉箇所を移
動することにより固体を形成する方法、及び加えた分の
光硬化性流動物質が上下面に連続した硬化部分を形成す
るように加え、それを繰り返すことにより所望の形状を
得る方法が記載されている。又、特開昭61−1148
17号公報には、光造形法において、光硬化性樹脂材を
細長い所定幅開口部より光造形型樹脂材を均一に供給し
ながら作製する方法が記載されている。すなわち、これ
らの方法は基本的に、線状(一次元体)又はシート状
(二次元体)の硬化した光硬化性樹脂を連続的に積層す
ることにより三次元形状を作製するものである。
【0003】一方これらの光造形法により得られた造形
物は種々の対象に利用されるが、特に樹脂成形品部材を
使用する電気・電子機器、自動車、その他の機械等にお
いて、それらの開発初期段階における試作品等の製造に
多く利用されてきている。これら試作品の作製は、従来
NC旋盤などで樹脂材料を切削することにより行われて
いたが、光造形法がより複雑な形状に対応できる、製造
工程が簡略化できる、及び工具の種類や工具の摩耗を考
慮した加工を行う際のプログラミングを行う必要がな
い、など理由により、次第に代わりつつある。これらの
試作品においては、例えば電気機器の外殻部品である場
合には、それが設計どおり問題なく内部本体を組み入れ
ることができ、不要な干渉等がないか、逆に不要な隙間
部分等が生じないか等の確認が主として行われる。かか
る確認において、どの部分が干渉するか又は隙間が生じ
ていないか等を確認するために、部材が透明であること
が要求される。更に当然のことながら、造形物が設計ど
おりの形状であること、すなわち反りや変形等が生じな
いことが要求される。
【0004】しかしながら、前述した光造形法において
は、積層により形成される面は、かかる面が造形方向と
平行でない限り、面に積層による段差が生じるため、平
らな平面又は滑らかな曲面とならない。よって透明な光
硬化性樹脂を使用してもかかる表面の凸凹により光が乱
反射し、一般的に透明な造形物を得ることができない。
【0005】かかる問題に対しては、面積の大きい面の
法線方向と造形方向をほぼ平行とし、かつ造形物の造形
テーブルへの投影面積を大きくすることにより、透明性
を改善することが可能となる。しかしながらこの場合に
は、1断面あたりの造形面積が大きくなる為、樹脂の収
縮による造形物の反りが大きくなるという問題がある。
【0006】更に反りを低減する為に、製品を支える強
固なサポートを同時に形成するとの方法も考えられる
が、かかるサポートの跡が製品面に残り、透明性が悪く
なるといった問題が生じる。従って光造形物において反
りの低減と透明性の維持を両立することはこれまででき
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、造形物が透
明でかつ反りが低減された光造形法および該作製法から
なる造形物を提供することを目的とする。本発明者は、
かかる課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定
の造形方向、積層厚さの制御、及び露光方法を組み合わ
せる事で透明でかつ反りが低減された造形物を得る事が
出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
つの平面を有し、その平面の面積が該平面と平行な投影
面にその法線方向から投影した場合の投影面積の30%
以上である平面(a面)を有する物体を、光造形法によ
り造形する際に、該物体の有するa面の1つをA面とし
た時、A面の法線方向(Z軸方向)を造形方向とし、A
面を造形する層(B層)を全体の積層順位において最終
の順位にならないように積層するとともに、該B層の厚
みをB層以降に積層される各層の厚みの1.1〜10倍
とし、更に硬化を誘引する光が少なくとも該B層の面内
では交叉しないように露光することを特徴とする光造形
方法に関するものである。
【0009】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おいていう「少なくとも1つの平面」の平面とは、光造
形法において積層される層の厚み以下の高低差を有する
面をいい、例えば積層のピッチが50μmであれば、5
0μm以下の高低差を有する面は本発明の平面とするこ
とができる。
【0010】本発明の対象とする光造形法により造形す
る物体は、上記の平面の面積が、この平面に平行な投影
面にその法線方向から投影された物体の投影面積の30
%以上である平面(a面)を有するものを対象とするも
のである。該a面を少なくとも1つ有する物体であれ
ば、本発明の1つの目的である光造形された成形品内部
にある電気部品等の状態を十分に観察できると同時に、
従来の造形方法のままでは反りを生ずるとの問題が発生
する点でも本発明の対象となる。本発明の効果がより発
揮されるのは、かかるa面に平行な面に投影した物体の
面積に対するa面の面積の割合が50%以上となる場合
である。
【0011】a面は対象とする物体によって、1つしか
ない場合、または板を組み合わせた箱型物体であれば、
10程度あることになる。対象となる物体が複数のa面
を有する場合には、そのうちの1つをA面とする。一般
的にはa面の面積が最大である面をA面として選定して
造形方向を定めることが、透明部分の面積が最も大きく
取れる点で好ましい。例えば、光造形の対象としては電
子・電気機器の筐体等に代表される薄肉箱型形状の物体
が代表的なものとしてあげられるが、その場合には、底
面部分(外側)又はその反対面(内側)に相当する部分
等に当たる。但し透明性が最も必要な部位は、個々の場
合により異なるため、基本的には最も透明性が必要とさ
れるa面部分をA面として造形方向を決定する。
【0012】本発明では、かかるA面の法線方向をZ軸
方向として、かかる方向に造形を行うことを1つの条件
とするものである。A面の法線方向(Z軸方向)は、物
体の模型又は光造形する際に必要な3次元のCADデー
タのデータ処理により特定することが可能である。本発
明ではかかるZ軸方向を造形方向とすることにより、平
面部分を積層による段差を設けることなく作製可能と
し、それにより透明性を高めることを可能とするもので
ある。逆に本発明でいう法線方向とは、かかる作製が可
能なレベルを許容するものであり、厳密に規定される真
の法線のみを指すものではない。
【0013】光造形法は、三次元物体をある一定方向の
法線を有する面で等間隔にスライスし各層の断面を得、
逆にかかる断面を積層することにより三次元体を形成す
るものであるが、かかる各層の一部がA面を構成するこ
ととなる。本発明ではA面を構成する層をB層と定義す
るが、B層が全体の積層順位において最終にならないよ
うにするとともに、かかるB層の厚みをB層以降に積層
される各層の厚みの平均値に対して1.1〜10倍とす
ることにより、面積の大きい平面部分を造形した場合に
生じる造形物の反りを大幅に低減することが可能とな
り、かかる点が本発明の最大の特徴である。B層以降の
各層の厚みに対するB層の厚みの比は、1.1倍未満で
は反りの低減効果が十分でなく、10倍以上とすると反
りに対する効果は高くなるものの、造形物が対象とする
物体を忠実に再現することが出来ない場合が多くなるた
め好ましくない。より好ましくは1.3〜2.5倍の範
囲である。また積層順位を最終としないのは、積層順位
が最終の場合には、肉厚の厚みを増しても本発明の効果
は得られないためである。
【0014】上記のように、B層の厚みをそれ以降の層
の厚みよりも大きくすることで大幅に反りが低減する結
果となるのは、以下のように考えられる。まず反りの発
生する機構としては、光硬化性樹脂は、通常液状体から
固体に硬化するためその際の体積収縮が極めて大きい。
この際光硬化した樹脂に積層する側は、かかる樹脂によ
り収縮が拘束され、一方自由端側は大きな収縮をするた
め、硬化時に上下で歪みが生じそれにより反りが発生す
ると考えられる。特に硬化する面積が大きい場合に反り
が大きくなり、より大きな問題が生じると考えられる。
したがって従来透明部分を大きくするため、面積の大き
い平面部分の法線方向に造形した場合は、反りが極めて
大きくなるとの問題を生じ、反りの低減と透明性とは相
反するものであった。一方本発明のようにB層の厚みを
大きくとった場合には、その歪みにより発生する力に対
抗する力が大きくなるため、反りの発生が抑制されると
考えられる。更にこのようなわずかな変更によって極め
て大きな反りの低減が可能となるのは、光造形物が極め
て多層の積層物からなるため、通常一旦生じたわずかな
反りが積層を重ねることで極めて大きな反りとなって現
れるのに対し、その反りを生じない状態で積層を重ねて
いくため、結果的に反りが生じないものと考えられる。
【0015】また上記に考えられる理由等から、Z軸方
向で造形する際には、B層が全体の積層順位においてよ
り先の順位で造形されるように造形の方向を決めること
が好ましい。すなわち上記で例示した機器の筐体等に代
表される薄肉箱型形状の場合には、底面部分から造形を
する場合が最も好ましいといえる。
【0016】更に本発明においては、光造形に使用する
光硬化性樹脂の効果を誘引する光が、少なくともB層の
面内で交叉することなく露光することが必要となる。光
が交叉する状態で露光された場合には、かかる交叉した
部分では一度硬化した部分に光が当てられているため、
光のエネルギーが硬化に消費されずその硬化した層を透
過し、更に下の層を硬化させることとなる。それによっ
てその下の層は不均一に硬化した部分が生ずることとな
り、均一な平面とはならず光の乱反射が生じ不透明な面
を形成する結果となる。
【0017】尚、本発明でいう光造形法とは、従来公知
の光造形法のいずれも対象とするものであり、例えば、
光硬化性樹脂の液面の上から光を照射し、液面で樹脂を
硬化させ、テーブルを特定のピッチで降下させることに
より積層を行う自由液面法、及び透明の容器に入った光
硬化性樹脂を容器の下側から光を照射し積層を行う規制
液面法のいずれの方法も使用することが可能である。
【0018】また本発明は、光造形に使用する硬化を誘
因する光として可視光、紫外光、赤外光、近赤外光及び
特にそれらのレーザー光を使用し、かかる光に反応して
硬化する光硬化性樹脂とからなる造形システムを主たる
対象とするが、更に電子線、X線、高エネルギー粒子線
等のエネルギー線を使用し、かかるエネルギー線に反応
し硬化する物質を用いる造形システムにおいても有効に
使用することが可能である。また化学物質に反応し硬化
する物質に、該化学物質の反応単位を正確に位置決めし
て投射する造形方法、及びマスクを介して上記の光、エ
ネルギー線、及び化学物質を投影する、いわゆるリソグ
ラフィー手法を用いる造形システムにおいても有効に使
用できるものである。
【0019】尚、本発明でいう「透明」とは、得られた
成形品のA面において、全光線透過率が75%以上、ヘ
ーズが85%以下であるものをいう。より好ましくは、
全光線透過率が80%以上、ヘーズが80%以下のもの
である。
【0020】本発明の光造形法で使用する光硬化性樹脂
としては、従来公知の各種の樹脂を使用することが可能
であり、例えば、エポキシ系化合物、ビニル系化合物等
を挙げることができ、単官能性化合物及び多官能性化合
物のモノマー及びまたはオリゴマーが用いられる。これ
らの単官能性化合物及び多官能性化合物は、上記の透明
性を満足するものであれば、特に限定されるものではな
い。
【0021】更に本発明で使用される重合開始剤として
は、ビニル系化合物に対しては光重合開始剤及び熱重合
開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズア
ルデヒド、フルオレン、アントラキノン等を挙げること
ができるが、これらに限定されるものではない。またこ
れらの1種又は2種以上を組み合わせること及び必要に
応じてアミン系化合物等の増感剤を併用することもでき
る。また熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサ
イド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジク
ミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド
等を挙げることができるが、これらに限定されるのもで
はない。更にエポキシ系化合物を光硬化性樹脂として使
用する場合には、アリールジアゾニウム塩、トリアリー
ルスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム
塩等の従来公知の光重合カチオン開始剤を使用すること
ができる。
【0022】またこれらの光硬化性樹脂には、本発明の
目的を損なわない範囲、すなわち全光線透過率が75%
以上、ヘーズが85%以下を確保できる範囲で、予め染
料、顔料、無機充填剤、有機の充填剤、金属粉を配合し
てもよく、特に無機充填剤は好ましく使用することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて更に説明す
るが、本発明はそれに限定されるものではない。なお、
評価は下記の方法によった。 (1)評価サンプル形状:図1〜図4に示す、縦120
mm×横80mm×高さ18mm、肉厚1mmの箱型形
状 (2)評価項目 (a)反り量 図5の模式図に示すとおり、評価サンプルの底面部分に
おいて、(最大Z軸方向高さ−最小Z軸方向高さ)を反
り量とし、三次元測定機[ミツトヨ(株)FJ604]に
より測定を行った。 (b)透明性 上記評価サンプルの底面部分を切り出し、かかるサンプ
ルをヘーズメーター[(株)村上色彩技術研究所製HR
−100型]により、23℃、相対湿度50%の雰囲気
下においてC光源を用いて全光線透過率及びヘーズ値の
測定を行った。
【0024】造形装置として帝人製機(株)製SOLI
FORM500A、光硬化性造形樹脂として帝人製機
(株)製TSR−800を使用し、レーザー光の幅0.
19mmで上記に示した評価サンプルについて、以下に
示す各種の方法で光造形を実施した。尚、積層に際して
は、図6に模式的に示したように、縦方向のピッチが5
mm、幅方向のピッチが5mm、及び各格子の厚みが
0.2mmである格子状のサポートを形成した上で対象
サンプルの光造形を行った。この場合サポートの最低高
さは5mmとした。上記の方法で光造形が終了した後、
洗浄及びポストキュア(後硬化)の処理を行い、反り量
の測定及び透明性の評価に供した。
【0025】[実施例1]図7に模式的に示すようにZ
軸を積層方向として(Z軸と積層方向とのなす角が0
°)、サンプルの底面であるA面−1側から(A面−1
が第1層となるように)、光造形を行った(以下、A面
−1の部分を造形する層をB層−1と称する)。B層−
1の厚みを0.2mm及びそれ以降の層については0.
1mmの厚みとし、露光方法として、図10に模式的に
示した同一断面内で交叉を生じないもの(露光方法A)
とした。得られた造形物の反り量は0.20mm、全光
線透過率90.0%及びヘーズは68.0%であった。
【0026】[実施例2]B層−1の厚みを0.12m
mとした以外は、実施例1と同様の方法で光造形を行っ
た。得られた造形物の反り量は0.25mm、全光線透
過率92.0%及びヘーズは65.0%であった。
【0027】[実施例3]図8に模式的に示すように、
Z軸を積層方向として(Z軸と積層方向とのなす角が0
°)、サンプル底面の裏側の面(A面−2)側から光造
形を行った。A面−2の部分を造形する層(以下、B層
−2と称する)を0.2mmとし及びB層−2以外の層
については0.1mmの積層厚みとし、露光方法Aを使
用した。得られた造形物の反り量は0.18mm、全光
線透過率87.0%及びヘーズは70.0%であった。
【0028】[実施例4]露光方法をB層−2及びそれ
以降の10層分については図10に模式的に示した同一
断面内で交叉を生じないものとし、それ以外の部分につ
いては図11に模式的に示した同一断面内で交叉を生じ
る方法(露光方法B)で露光を行った以外は実施例3と
同様の方法で光造形を行った。得られた造形物の反り量
は0.17mm、全光線透過率86.5%及びヘーズは
70.5%であった。
【0029】[比較例1]B層−1の厚みを、他の層の
厚みと同一の0.1mmとした以外は実施例1と同様に
して光造形を実施した。得られた造形物の反り量は1.
25mm、全光線透過率91.0%及びヘーズは67.
0%であった。
【0030】[比較例2]B層−1の厚みを0.21m
m、他の層の厚みを0.2mmとした以外は実施例1と
同様にして光造形を行った。得られた造形物の反り量は
1.40mm、全光線透過率86.0%及びヘーズは7
2.0%であった。
【0031】[比較例3]第2層目(B層−1の次の
層)について厚みを0.20mmとし、B層−1も含め
た他の層の厚みを0.10mmとした以外は実施例1と
同様にして光造形を行った。得られた造形物の反り量は
2.10mm、全光線透過率90.5%及びヘーズは6
8.5%であった。
【0032】[比較例4]B層−1を形成する際の露光
方法を、露光方法Bとした以外は(それ以外の層につい
ては露光方法Aとした)、実施例1と同様にして光造形
を実施した。得られた造形物の反り量は0.18mm、
全光線透過率67.0%及びヘーズは85.0%であっ
た。
【0033】[比較例5]図9に模式的に示すように、
評価サンプルのZ軸と、積層方向が45°の角度をな
し、更に評価サンプル底面の辺aLが液面と平行になる
状態で、露光方法として露光方法Aを使用して、光造形
を行った。積層厚みはすべての層について0.1mmと
した。得られた造形物の反り量は0.15mm、全光線
透過率61.0%及びヘーズは90.0%であった。
【0034】上記の実施例1〜4及び比較例1〜5で得
られた結果を表1及び表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】この表から明らかなように、実施例1と比
較例1を比較すると、本発明の方法で光造形を行った場
合には、反り量が小さくかつ透明性の高い造形物が得ら
れるのに対し、特定層の積層厚みが他の層と同等の場合
には、反り量の小さい造形物が得られない。同様に比較
例2より特定層の積層厚みが他の層に比較して十分に厚
くない場合にも反り量の十分に小さい造形物が得られな
い。また比較例3に示されるように、特定層以外の積層
厚みを他の層に比較して厚くしたのでは、本発明の効果
は全く得られないことが分かる。また比較例4に示すよ
うに特定層の造形時の露光方法が同一断面内で交叉を生
じる場合には、透明性が得られないことが分かる。一方
実施例4に示されるように特定層以外に交叉を生じる露
光方法を使用した場合には十分な透明性が得られること
が分かる。更に比較例5に示すように、本発明の方法と
は異なる方法で光造形を行った場合には、反り量は比較
例1等と比較して良好とはなるものの、透明性は全く得
られないことが分かる。
【0038】
【発明の効果】本発明の光造形法は、従来両立し得なか
った透明でかつ反りが低減された光造形物を提供するこ
とが可能であり、特に電気・電子部品、自動車部品など
の開発試作品を製作する際有用な光造形物を得ることが
できるものであり、その奏する工業的効果は格別なもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】評価サンプルの平面図及び縦方向、横方向及び
肉厚の大きさを表した図である。
【図2】評価サンプルの底面図を表した図である。
【図3】評価サンプルの側面図、及び高さ及び肉厚の大
きさ、更に底面の法線であるZ軸を表す図である。
【図4】評価サンプルの斜視図を表す図である。
【図5】測定項目である反り量を模式的に表した図であ
る。底面部分(A面−1部分)においてZ軸方向の最も
高い部分高さともっとも低い部分との差により反り量は
算出される。
【図6】光造形時に使用するサポートを模式的に表した
図である。この図のように造形時に昇降するテーブルの
上には、まず格子状のサポートの造形物が形成され、そ
の上に対象とする評価サンプルが造形される。
【図7】造形方向を模式的に表した図であり、Z軸を積
層方向として、底面(A面−1)側から造形を行った場
合の図である。造形はテーブル側から行われるので、こ
の場合底面部分のB層−1が評価サンプルにおける第1
層となる。
【図8】造形方向を模式的に表した図であり、Z軸を積
層方向として、図7の場合とは逆の方向から造形を行っ
た場合を表した図である。A面−2の方が(B層−2
が)A面−1より先に造形される。
【図9】造形方向を模式的に表した図であり、Z軸と造
形方向が45°の角度をなし、且つ底面の辺aLが液面
と平行となるような状態で造形を行った場合を表した図
である。
【図10】露光方法において、同一断面内で交叉のない
場合を模式的に表した図である。実際のレーザー光の走
査は極めて大きい数となるが、例えば5本の走査をした
と仮定した場合である。この場合、一方向から平行に走
査した後、次の層ではそれとは垂直に平行に走査を行
い、これらを交互に繰り返すことを表している(露光方
法Aと称する)。
【図11】露光方法において、同一断面内で交叉が生じ
る場合を模式的に表した図である。この場合は例えばは
じめに水平方向で、本来のレーザー光走査線に対して1
本おきに走査を行った後、それと垂直方向で同様に1本
おきに走査を行い、更にはじめに走査しなかった部分の
水平方向及びそれと垂直方向のレーザー光の走査を行う
ことで1つの層の造形を行い、更に次の層については垂
直方向の走査から同様にして行うという方法となる(露
光方法と称する)。
【符号の説明】
1 評価サンプル 2 評価サンプルの縦方向の長さ(120mm) 3 評価サンプルの横方向の長さ(80mm) 4 評価サンプルの肉厚(1mm) 5 評価サンプルの内側底面部分(A面−2と称す
る) 6 評価サンプルの底面における縦方向の辺(aL) 7 評価サンプルの底面における横方向の辺(aW) 8 評価サンプルの底面(A面−1と称する) 9 Z軸として定めた評価サンプルの底面における法
線 10 評価サンプルの高さ(18mm) 11 評価サンプルにおける反り量 12 光造形装置のテーブル 13 サポート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの平面を有し、その平面
    の面積が該平面と平行な投影面にその法線方向から投影
    した場合の投影面積の30%以上である平面(a面)を
    有する物体を、光造形法により造形する際に、該物体の
    有するa面の1つをA面とした時、A面の法線方向(Z
    軸方向)を造形方向とし、A面を造形する層(B層)を
    全体の積層順位において最終の順位にならないように積
    層するとともに、該B層の厚みをB層以降に積層される
    各層の厚みの1.1〜10倍とし、更に硬化を誘引する
    光が少なくとも該B層の面内では交叉しないように露光
    することを特徴とする光造形方法。
  2. 【請求項2】 Z軸方向で造形する際に、B層が全体の
    積層順位においてより先の順位で造形される側から造形
    を行う請求項1に記載の光造形方法。
  3. 【請求項3】 a面を複数有する物体を光造形法により
    造形する際に、その中で最大の面積を有するa面をA面
    とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の光造形方
    法。
  4. 【請求項4】 a面の面積がa面に平行な投影面にその
    法線方向から投影された物体の投影面積の50%以上で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の光造形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載され
    た方法で造形された光造形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016165814A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 ローランドディー.ジー.株式会社 3次元造形物用土台およびその製造方法
US10705510B2 (en) 2016-12-28 2020-07-07 Mitsubishi Electric Corporation Additive manufacturing support device, additive manufacturing support method, and computer program product

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