JP2000036019A - リーダライタ用アンテナ装置 - Google Patents

リーダライタ用アンテナ装置

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JP2000036019A
JP2000036019A JP10219594A JP21959498A JP2000036019A JP 2000036019 A JP2000036019 A JP 2000036019A JP 10219594 A JP10219594 A JP 10219594A JP 21959498 A JP21959498 A JP 21959498A JP 2000036019 A JP2000036019 A JP 2000036019A
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coil
reader
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signal
antenna device
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Hidekazu Ishii
英一 石井
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーダライタとICカードとが互いに磁気的
に結合され、電磁誘導を用いて通信を行う非接触データ
キャリアシステムにおいて、外部から通信内容を傍受さ
れることを防止したリーダライタ用アンテナ装置を提供
する。 【解決手段】 アンテナ装置を、2個の面積の異なる方
形のループコイル31、32を同心にして配置した送信
コイル6と、複数の小ループコイルを互いに隣り合うも
の同士の巻線方向が反対になるように接続した4枚の基
本コイル41〜44を、互いに一定距離オフセットして
層状にして配置した受信コイル7とで構成する。ループ
コイル31には送信信号及びこの送信信号と異なる第1
のスクランブル信号を供給し、ループコイル32には第
1のスクランブル信号と位相がほぼ反対の第2のスクラ
ンブル信号を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触データキャ
リアシステムの通信に用いるアンテナ装置に関し、特
に、非接触型ICカードのアンテナコイル手段と磁気的
に結合され、該ICカードと信号を送受信するリーダラ
イタ用のアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報化時代にあって、情報処理の
効率化やセキュリティーの観点から、データの記録や処
理を行う半導体素子を搭載したいわゆるICカードの実
用化が進んできている。このICカードに記録媒体書き
込み/読み取り装置(リーダライタ)から電力を供給し
たり、データをやりとりする方法としては、アンテナコ
イルを用いて磁気的に非接触で行うものが提案されてい
る。この方法は、電気接点を必要とする接触型の方法に
比べて取り扱いの容易さや耐久性などにおいて優れてい
るため、今後の主流となることが期待されている。
【0003】図7に、この非接触型のICカードとリー
ダライタの一例を示す。また、図7中のリーダライタ2
の送信コイル6、受信コイル7及びICカード3のアン
テナコイル8の部分を拡大した立体斜視図を図8に示
す。リーダライタ2とICカード3の動作関係は、リ
ーダライタ2からICカード3へ電力のみが供給される
状態(スタンバイモード)、リーダライタ2からIC
カード3へデータが送信される状態(送信モード)、
ICカード3からリーダライタ2へデータが送信される
状態(受信モード)、の3つの状態に大別される。
【0004】以下、各状態におけるリーダライタ2とI
Cカード3の内部動作の概略を図面を用いて説明する。
まず、リーダライタ2からICカード3へ電力のみが供
給される場合、すなわちスタンバイモードについて説明
する。図7において、リーダライタ2では一定振幅の高
周波信号が発振回路11から送信回路12へ供給され、
ドライバ13を介して送信コイル6に送られる。
【0005】そこで、ICカード3においては、リーダ
ライタ2の送信コイル6と電磁結合されたアンテナコイ
ル8を介して高周波信号が送受信回路4に供給される。
この高周波信号は、整流回路21で整流され、電源回路
22に供給されてICカード3の各部に必要な所定の電
源電圧が生成される。
【0006】次に、リーダライタ2からICカード3へ
データが送信される場合、すなわち送信モードについて
説明する。図7において、リーダライタ2ではホスト1
などからのデータがCPU15で処理されて送信回路1
2へ送られる。この送信回路12では、上述したスタン
バイモードと同様に一定振幅の高周波信号が発振回路1
1から供給されており、この高周波信号がデータで変調
されて変調高周波信号が出力される。この変調高周波信
号がドライバ13を介して送信コイル6に送られる。
【0007】そこで、ICカード3においては、リーダ
ライタ2の送信コイル6と電磁結合されたアンテナコイ
ル8を介して高周波信号が送受信回路4に供給される。
この高周波信号は、上述したスタンバイモードと同様に
整流回路21で整流され、電源回路22に供給されてI
Cカード3の各部に必要な所定の電源電圧が生成され
る。また、アンテナコイル8の出力信号は受信回路23
にも供給され、この部分でデータが復調されてCPU5
に供給される。CPU5はタイミング回路25、リセッ
ト回路26の出力に基づいて動作し、供給されるデータ
を処理して所定のものを図示しないメモリに書き込む。
【0008】最後に、リーダライタ2がICカード3か
らデータを受信する場合、すなわち受信モードについて
説明する。図7において、リーダライタ2の送信回路1
2からは上述したスタンバイモードと同様に無変調で一
定振幅の高周波信号が出力され、ドライバ13、送信コ
イル6、アンテナコイル8を介してICカード3に送ら
れて、上述したスタンバイモードの場合と同様にICカ
ード3の各部に必要な所定の電源電圧が生成される。
【0009】一方、ICカード3においては、図示しな
いメモリから読み出されたデータがCPU5で処理され
て送信回路24に供給される。送信回路24は例えば付
加抵抗とスイッチとからなり、データの“1”、“0”
ビットに応じてこのスイッチがオン、オフする。
【0010】リーダライタ2においては、上記のように
送信回路24のスイッチがオン、オフすると、アンテナ
コイル8に対する負荷が変動し、このため、受信コイル
7に流れる高周波電流の振幅が変動する。即ち、この高
周波電流はICカード3のCPU5から送信回路24に
供給されるデータによって振幅変調される。この変調高
周波信号が受信回路14で復調されてデータが得られ
る。このデータはCPU15で処理されて、ホスト1な
どに送られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
非接触のICカードは、クレジットカードや電子マネー
のように個人的な情報源や機密性を必要とする情報源と
して使用される場合が多い。そのため、リーダライタが
受信するICカードからの応答信号や、逆にリーダライ
タからICカードへ送信される送信信号が外部から解読
されないように、データキャリアシステムにセキュリテ
ィー機能を持たせる必要がある。
【0012】従来行われているセキュリティー方法とし
ては、例えば、図7の回路ブロック図において、リーダ
ライタ側の送信信号を暗号化し、また、ICカード側の
送信信号も暗号化することで外部から信号が解読される
のを防止する。
【0013】しかし、上述した方法を用いる場合、従来
のリーダライタとICカードの双方に暗号化と複合化回
路を付加する必要があり、特に、小型化が要求されるI
Cカードにとってはこの分だけ面積が大きくなってしま
うという点で不利である。そこで、本発明の目的は、な
んら傍受防止機能を付加しないICカードを用いた場合
にも、リーダライタとICカード間の通信の秘話性を向
上させたリーダライタ用アンテナ装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のアンテナ装置は、非接触型ICカードのア
ンテナコイル手段とリーダライタのアンテナ装置とが磁
気的に結合されて互いにデータを送受信するデータキャ
リアシステムのアンテナ装置において、送信コイルと受
信コイルを有し、送信コイルは第1のループコイルと、
第1のループコイルと相似の関係にあり、これより面積
が大きい第2のループコイルとを同心に配置して構成さ
れ、第1のループコイルには第1の送信信号と、第1の
送信信号とは異なる第1のスクランブル信号が供給さ
れ、第2のループコイルには少なくとも第1のスクラン
ブル信号と位相がほぼ反対の第2のスクランブル信号が
供給されている。
【0015】このようにリーダライタのアンテナ装置を
構成することで、第1のループコイルの内部領域にあた
るリーダライタとICカードとの間の通信エリアでは、
第1、第2のスクランブル信号が相殺し合って送信信号
だけが残るので、従来通りICカードを動作させること
ができる。一方、この通信エリアを取り囲む領域、すな
わちリーダライタから少し離れた領域では、第1のルー
プコイルより第2のループコイルから発生するスクラン
ブル信号のみが大きくなり、スクランブル信号に対する
送信信号の信号レベルが相対的に低くなり、外部から通
信内容を傍受されるのを防ぐことができる。
【0016】また、第1のスクランブル信号に起因する
電流をI11、同コイルの巻線数をN1 、同コイルの中心
軸からコイルまでの距離をR1 とし、第2のループコイ
ルを流れる電流のうち、第2のスクランブル信号に起因
する電流をI21、同コイルの巻線数をN2 、同コイルの
中心軸からコイルまでの距離をR2 とした場合、I11×
1 /R1 とI21×N2 /R2 の絶対値が等しくするこ
とが好ましい。これにより、第1のループコイルの内側
において、第1のループコイルのスクランブル信号を第
2のループコイルのスクランブル信号で充分に相殺する
ことができ、信号を受けるICカードの側ではなんら信
号分離部を設けることなく送信信号のみを受信すること
ができる。
【0017】ここで、第2のループコイルには第2のス
クランブル信号の他に第1の送信信号とほぼ位相がほぼ
反対の第2の送信信号が供給されていることが望まし
く、更に、第1のループコイルを流れる電流のうち、第
1の送信信号に起因する電流をI12、同コイルの巻線数
をN1 、同コイルの中心軸からコイルまでの距離をR1
とし、第2のループコイルを流れる電流のうち、第2の
送信信号に起因する電流をI22、同コイルの巻線数をN
2 、同コイルの中心軸からコイルまでの距離をR2 とし
た場合、それぞれのループコイルにおける電流と巻線数
と距離との積I12×N1 ×(R1 2 及びI2 2×N2 ×
(R2 2 の絶対値が等しいことが好ましい。
【0018】このように供給された第2のループコイル
の送信信号と第1のループコイルに供給された送信信号
とが干渉しあうことで、通信エリア内には送信信号によ
る強力な磁界が発生し、コイルから遠ざかるにつれて急
激に磁界強度が弱まる特性を得ることができ、秘話性が
向上すると共に複数のICカードや面積の小さいICカ
ードを駆動させることができる。
【0019】尚、第1のループコイルに流れる電流の向
きと第2のループコイルに流れる電流の向きとを反対の
向きにすることで第1と第2のループコイルに供給する
信号の位相を互いに反対にすることができる。
【0020】リーダライタからの送信信号を外部からよ
り傍受しにくくするためには第1と第2のスクランブル
信号に送信信号と同じ周波数成分を持たせることが望ま
しく、更に、ICカードからの応答信号を外部からより
傍受しにくくするためには、第1と第2のスクランブル
信号の周波数に、リーダライタがICカードから受信す
る応答信号と同じ周波数成分を持たせることが好まし
い。
【0021】ここで、少なくともリーダライタが送信信
号を送信している間は第1と第2のループコイルに第1
と第2のスクランブル信号がそれぞれ供給されているこ
とが望ましく、加えて、スクランブル信号を供給するタ
イミングをリーダライタが送信信号を送信しているタイ
ミングとを異ならせることで、ICカードが応答信号を
発生しているタイミングも外部から解読されにくくな
る。
【0022】更に、第1と第2のスクランブル信号に不
規則に変調をかけることで、より秘話性を向上させるこ
とができる。また、上述の送信コイルと対にして使用す
る受信コイルに関しては、一つの基本コイルを、時計回
りの巻線の向きを有する第1の小ループコイル群と反時
計回りの巻線の向きを有する第2の小ループコイル群に
分類される複数の小ループコイルを、一辺を接して隣り
合う小ループコイルの巻線の向きが互いに逆になるよう
に配置して構成し、この基本コイルを複数個積層するこ
とによって受信コイルを構成する事が好ましい。
【0023】受信コイルをこのように構成することで、
受信コイルのトータルループ内で送信信号やスクランブ
ル信号、及び外部のノイズをキャンセルすることがで
き、ICカードからの応答信号のみを感度よく受信する
ことができる。
【0024】ここで好ましくは、複数個の基本コイルの
内の少なくとも1つの基本コイルは他の基本コイルに対
し、ICカードのアンテナコイル手段から発生した磁束
に垂直な面内で一定距離オフセットして重ね合わされて
おり、また、オフセットされる距離は小ループコイルを
形成する辺の最小長さより短い距離であることが更に好
ましい。
【0025】これにより、1つの基本コイルだけでは小
ループコイルの辺の周辺部では応答信号を受信できない
不感帯ができてしまうところを他の基本コイルで補完し
あうことができ、通信エリアの全てで感度良く応答信号
を受信することができる。
【0026】また、受信コイルのトータルループ内で送
信信号や外部のノイズのキャンセル効率を高めるために
は、第1の小ループコイル群の各小ループコイルの磁束
が通過する面の面積の総和と第2の小ループコイル群の
各小ループコイルの磁束が通過する面の面積の総和がほ
ぼ等しくなるように設定されていることが好ましい。
【0027】本発明によると、非接触型ICカードのア
ンテナコイル手段ととリーダライタのアンテナ装置とが
互いに磁気的に結合されて信号を送受信するデータキャ
リアシステムにおいて、アンテナ装置を送信コイルと受
信コイルとで構成し、送信コイルを互いに相似な2個の
ループコイルを同心に配置している。ここで、内側のル
ープコイルにはICカードからの応答信号と同じ周波数
成分及びリーダライタからの送信信号と同じ周波数成分
を持つスクランブル信号と送信信号を、また、外側のル
ープコイルには少なくとも内側のループコイルに供給さ
れているスクランブル信号と位相が反対のスクランブル
信号を供給する。これにより、内側のループコイルの内
部、すなわち通信エリア内には送信信号及び応答信号が
発生し、この周囲をスクランブル信号が取り囲むように
したので、ICカードになんら傍受防止機構を設けるこ
となく通信エリアの外部から送信信号及び応答信号が盗
聴されても解読されるのを防ぐことが可能となる。
【0028】また、一つの基本コイルを、時計回りの巻
線方向を有する第1の小ループコイル群と、反時計回り
の巻線方向を有する第2の小ループコイル群に分類され
る複数の小ループコイルを、一辺を接して隣り合う小ル
ープコイルの巻線の向きが互いに逆になるように配置し
て構成し、複数の基本コイルを磁束が通過する方向から
投影した場合に小ループコイルの辺が重ならないよう層
状に配置して受信コイルを構成することで、ICカード
からの信号が、1つの基本コイルにおいては不感帯にあ
たったり、隣合う小ループコイルに均等に信号があたっ
て相殺されたりしても、別の基本コイルで検出すること
が可能となる。すなわち、送信コイルからの信号や外部
からの雑音は各基本コイルのトータルループ内で相殺で
き、ICカードから送られる信号のみを効率よく検出す
ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
によるデータキャリアシステムに用いるリーダライタ用
アンテナ装置の立体斜視図であり、図2は図1を上方か
らみた平面図である。
【0030】図2に示すように、本実施の形態における
送信アンテナ装置は、2つの正方形のループコイル3
1、32から構成されており、両コイル31、32はX
−Y平面に水平な同一平面内に同心に配置されている。
ループコイル32の辺の長さと巻線数はループコイル3
1の2倍に設定されており、巻線の方向は同じ向きにな
されている。
【0031】一方、本実施の形態における受信アンテナ
装置は、4枚の正方形の基本コイル41〜44から構成
されており、各コイルはX−Y平面に水平に配置されて
Z方向に所定間隔をもって層状に重ねられている。1つ
の基本コイルは複数の小ループコイルを結合して構成さ
れ、4枚のコイル41〜44は全て同じ構造である。図
3に4枚の基本コイル41〜44の代表例として、コイ
ル41を上方からみた平面図を示す。
【0032】巻線数と表面積が等しい小ループコイル5
1〜54は、隣接する小ループコイル同士でコイルの巻
線の向きが互いに逆になるように配置される。図3の小
ループコイル51の巻線方向が時計回り方向である場合
には、図3の右隣の小ループコイル52の巻線方向及び
図3の下方の小ループコイル53の巻線方向は反時計回
りとなる。対角に位置する小ループコイル54の巻線方
向は小ループコイル51と同じ時計回り方向となる。
【0033】図2に示すように、受信アンテナ装置を上
面から見た場合、基本コイル41を基準とすると、基本
コイル42はX及びY方向にL×7/8、基本コイル4
3はY方向にL×7/8、基本コイル44はX方向にL
×7/8だけずらして配置されている(但し、Lは小ル
ープコイルの1辺の長さとする)。コイルをずらす量を
大きくとればとるほどアンテナコイル8との通信エリア
61も大きくすることができるが、コイル同士が重なっ
ている面積を小さくするとその部分での検出感度が低下
する恐れがある。よって、本実施の形態では両者のバラ
ンスをとってコイルをずらす量をL×7/8としてい
る。ただし、この量はL×7/8に固定されるものでは
なく、0からLまでの間であれば可変である。
【0034】次に、本実施の形態のデータキャリアシス
テムによるリーダライタ2とICカード3との間での信
号通信方法について図1、4を用いて説明する。まず、
リーダライタ2からICカード3へデータが送信される
場合、すなわち送信モードについて説明する。
【0035】図4において、リーダライタ2ではホスト
1などからのデータがCPU15で処理されて送信回路
12へ送られる。この送信回路12では一定振幅の高周
波信号が発振回路11から供給されており、この高周波
信号がデータで変調されて変調高周波信号が出力され
る。この変調高周波信号がドライバ13を介して送信コ
イル6に送られる。
【0036】ここで、リーダライタ2の送信コイル6は
図1に示したように2つのループコイル31、32から
構成されており、変調高周波信号はコイル31のみに送
られる。
【0037】一方、リーダライタ2のスクランブルノイ
ズ発生回路27からは、ICカード3からの応答信号と
同じ周波数の変調定周波信号が出力され、この回路27
に並列に接続されている2つのループコイル31、32
に送られている。この変調定周波信号はコイル31では
端子aから端子bの向きに、コイル32では端子cから
端子dの向きに送られており、両コイル31、32に流
れる電流量は等しくなるようになされている。
【0038】よって、ループコイル31の内側の領域、
即ちICカードとの通信エリア61には、コイル31
に供給される変調定周波信号(スクランブル信号)、
コイル32に供給される変調定周波信号(スクランブル
信号)、コイル31に供給される変調高周波信号(送
信信号)、の3種類の信号による磁界が発生しており、
これらが互いに干渉し合って生成された磁界がアンテナ
コイル8を通過することになる。
【0039】ここで、通信エリア61内の磁界は近似的
に次のように求めることができる。まず、一般的に円形
コイル軸上の点Aにおける磁界強度(HA )は次の
(1)式で表される。 HA = I×N×r2 /2×(r2+a2 3/2 …(1) (I:コイルに流れる電流、N:コイルの巻数、r:コ
イルの半径、a:コイルの中心から点Aまでの距離)
【0040】この(1)式を用いてコイル31に供給
される変調定周波信号(スクランブル信号)により発生
する磁界H1 と、コイル32に供給される変調定周波
信号(スクランブル信号)により発生する磁界H2 をそ
れぞれ求める。コイル31の巻線数をN1 、コイル32
の巻線数をN2 、変調定周波信号によりコイル31に流
れる電流をI11、コイル32に流れる電流をI21、コイ
ル31のコイルを形成する正方形の2辺が交わる角部か
ら中心までの距離をR1 、コイル32のコイルを形成す
る正方形の2辺が交わる角部から中心までの距離をR2
とした場合、磁界H1 は(2)式、磁界H2 は(3)式
にそれぞれ近似できる。
【0041】 H1 =I11×N1 ×R1 2/2×(R1 2+ a2 3 /2 …(2) H2 =I21×N2 ×R2 2/2×(R2 2+ a2 3/2 …(3)
【0042】ここで、対象としているのが通信エリア6
1内であることから、aがR1 及びR2 よりも充分小さ
いと仮定することができ、また、(3)式に以下の
(4)〜(6)式を代入すると、(2)式、(3)式は
それぞれ(7)式、(8)式のように近似できる。
【0043】 −I11=I21 …(4) 2×R1 =R2 …(5) 2×N1 =N2 …(6) H1 =I11×N1 /2×R1 …(7) H2 =−I11×(2×N1 )/2×(2×R1 ) =−I11×N1 /2×R1 …(8)
【0044】よって、H1 とH2 との和はゼロとなる。
この結果、通信エリア61内では変調定周波信号(スク
ランブル信号)はコイル31とコイル32により相殺し
あい、コイル31に供給される変調高周波信号(送信
信号)のみがICカード3へ供給されることになる。
【0045】一方、ループコイル31外側の領域、即ち
通信エリア61外では、コイル32に供給される変調定
周波信号(スクランブル信号)による磁界が支配的とな
る。最後に、通信エリア61内にICカード3が装着さ
れている場合には、リーダライタ2の送信コイル6と電
磁結合されたアンテナコイル8を介して変調高周波信号
が送受信回路4に供給される。
【0046】この変調高周波信号は整流回路21で整流
され、電源回路22に供給されてICカード3の各部に
必要な所定の電源電圧が生成される。また、アンテナコ
イル8の出力信号は受信回路23にも供給され、この部
分でデータが復調されてCPU5に供給される。CPU
5はタイミング回路25、リセット回路26の出力に基
づいて動作し、供給されるデータを処理して所定のもの
を図示しないメモリに書き込む。
【0047】次に、リーダライタ2がICカード3から
のデータを受信する場合、すなわち受信モードについて
説明する。ICカード3の各部に必要な所定の電源電圧
が生成される過程は上述した送信モードと同様であるの
で記載を省略する。
【0048】ICカード3においては、図示しないメモ
リから読み出されたデータがCPU5で処理されて送信
回路24に供給される。送信回路24は例えば付加抵抗
とスイッチとからなり、データの“1”、“0”ビット
に応じてこのスイッチがオン、オフする。このオン、オ
フ動作によりアンテナコイル8に対する負荷が変動し、
これに応じてアンテナコイル8から発せられる磁界HJ
が変化する。
【0049】ここで、受信モードにおいても送信モード
と同様にスクランブル信号が通信エリア61の周囲を取
り囲んでいるので、通信エリア61の外部から応答信号
が盗聴されるのを防ぐことができる。更に、スクランブ
ル信号にICカード3からの応答信号と同じ周波数成分
を持たせているので、よりいっそうの傍受防止効果が得
られる。
【0050】リーダライタ2においては、磁界HJ の変
化に応じてアンテナコイル8と電磁結合されている受信
コイル7に流れる電流の振幅が変動する。この振幅変調
された高周波電流は受信回路14で復調されてデータが
得られる。このデータはCPU15で処理されて、ホス
ト1などに送られる。
【0051】尚、リーダライタ2の受信コイル7は図1
に示したように4枚の基本コイル41〜44から構成さ
れており、各コイル41〜44はそれぞれ独立して受信
回路14に並列に接続されている。各コイル41〜44
にはアンテナコイル8から発せられる磁界HJ の他に送
信コイル6から発せられる磁界HS とが通過している
が、下述の理由により磁界HS は各コイル41〜44に
流れる電流の振幅変動に寄与しない。
【0052】すなわち、図3において磁界HS は、小ル
ープコイル51〜54のすべてに及ぶ紙面裏側から手前
方向への垂直磁界と見なすことができ、この磁界により
小ループコイル51〜54には図3中の矢印で示すよう
にそれぞれ反時計回りの電流が発生する。小ループコイ
ル52、53は巻線方向と同じ向きの電流が発生するが
小ループコイル51及び54では巻線方向と逆向きの電
流が発生することになる。
【0053】従って、各小ループコイル内を通過する磁
界の強さが等しい場合には小ループコイル51、54で
発生した電流と小ループコイル52、53で発生した電
流が互いに打ち消し合い、端子e、f間に出力される電
流はゼロとなる。よって、送信コイル6から発せられる
磁界HS は各コイル51〜54に流れる電流の振幅変動
に寄与しない。
【0054】一方、磁界HJ は、アンテナコイル8の面
積が基本コイル41の面積より小さいので、小ループコ
イル51〜54の一部にしか及ばない。例えば、磁束の
通過する方向から投影した場合に図3の矩形領域Aに重
なるようにアンテナコイル8が設置されているときに
は、磁界HJ により小ループコイル51、52にそれぞ
れ時計回りの電流が発生する。
【0055】小ループコイル51は巻線方向と同じ向き
の電流I51が発生し、小ループコイル52では巻線方向
と逆向きの電流I52が発生することになる。ここで、コ
イルに発生する電流量はそのコイルを通過する磁束量に
比例することから|I52|<|I51|となり、端子e、
f間に出力される電流は|I52|−|I51|(≠0)と
なる。
【0056】但し、磁束の通過する方向から投影した場
合に図3矩形領域Bに重なるようにアンテナコイル8が
設置されているときには、小ループコイル52と54に
通過する磁束量が等しくなるために基本コイル41の端
子e、f間に出力される電流はゼロとなり、ICカード
3からの信号を検出できないことになる。
【0057】しかし、受信コイル7トータルとして見た
場合、図3の矩形領域Bは図2の矩形領域B’に相当
し、この領域B’は基本コイル43、44で検出するこ
とができる。
【0058】言い換えれば、1枚の基本コイルには必ず
不感帯が存在するが、同一の形状の複数の基本コイル
を、ICカードからの信号が検出できない領域(不感
帯)の位置をずらして重ね合わせることにより、全体と
してみた場合に不感帯がなくなり、アンテナ装置の通信
エリアの全てにおいてICカードからの信号を検出する
ことができる。
【0059】また、各々の基本コイルを表面積及び巻数
の等しい複数の小ループコイルで構成し、辺が隣り合う
小ループコイル同士の巻線方向反対にして接続すること
で、送信コイルからの信号や外部からの雑音は相殺する
ことができるためにICカードからの信号を高感度に受
信することができる。
【0060】尚、磁束の通過する方向から投影した場合
に図2の矩形領域Cに重なるようにアンテナコイル8が
設置されているときには、4枚のコイル41〜44がそ
れぞれ個別に信号を検出するのであたかも4枚のICカ
ード3から信号が送信されているように認識してしまう
が、リーダライタ2側で識別して処理することが可能で
ある。
【0061】以上説明したように、本実施の形態のデー
タキャリアシステムにおいては、リーダライタからIC
カードへデータを送信する際にも、逆にICカードから
データを受信する際にも、リーダライタからの送信信号
及びICカードからの応答信号と同じ周波数成分を持つ
スクランブル信号で通信エリアの周囲を取り囲むように
構成しているので、ICカードになんら傍受防止機構を
設けることなく通信エリアの外部から送信信号及び応答
信号が盗聴されるのを防ぐことができる。
【0062】尚、スクランブル信号は単純な連続波でも
よいが、傍受防止効果をよりいっそう高めるためにはラ
ンダムに変調をかけることが望ましい。すなわち振幅が
不規則に変化するランダムノイズによって送信信号と同
じ周波数をもつ基本波を振幅変調することによりASK
変調のデータ通信の場合に有効なスクランブル信号を得
ることができる。又、FSK、PSK変調のデータ通信
の場合には、FSK、PSKの2つの搬送波の周波数を
ランダムに切り替えた信号をスクランブル信号とするこ
とにより傍受しにくくする。
【0063】また、本実施の形態では、リーダライタが
ICカードから信号を受信するタイミングを解読される
ことも防ぐために、送信コイルから常にスクランブル信
号が発せられるようにしたが、送信のタイミング、すな
わち、リーダライタが送信信号を発しているタイミング
とは異なるタイミングでスクランブル信号を供給するよ
うにしてもよい。この場合にスクランブル信号を発射し
ている期間は送信信号または応答信号を送受信している
期間よりも長くなるように設定する必要がある。
【0064】尚、本実施の形態において、ループコイル
の巻線数、電流量、及びコイル半径は上述の値に限定さ
れるものでなく、通信エリア内において(2)式と
(3)式が近似的に等しくなるような条件であればよ
い。また、基本コイルも図3に示す形態に限定されるも
のでなく、トータルループ内で送信コイルからの信号を
相殺できるものであればよく、例えば図5に示すように
複数の同じ形状の三角形コイルを組み合わせ、隣接する
コイルの巻線の方向が逆なるように接続したものを用い
たり、図6に示すように互いに相似な円形コイルを同心
に配置し、隣接するコイルの巻線方向が逆になるように
接続して構成してもよい。
【0065】また、本発明の第2の実施の形態として、
送信モードにおいて、図2に示したループコイル31に
変調定周波信号(スクランブル信号)だけでなく、変調
高周波信号(送信信号)を重畳することで、通信エリア
61内では強い磁界を発生させ、通信エリア61から遠
ざかると急激に磁界強度が下がるような特性を得ること
ができる。
【0066】これは、ICカード3のアンテナコイル8
の面積が小さかったり、一度に複数のICカード3を駆
動させたいので通信エリア61内には強力な磁場を発生
させたいが、外部からの盗聴を防止するために通信エリ
ア61外部には信号を出したくない場合に有効な手段で
ある。
【0067】本実施の形態におけるアンテナ装置の構成
は図1、2、4を用いて説明した第1の実施の形態と同
様であるので記載を省略する。また、リーダライタがI
Cカードから信号を受信する方法、つまり受信モードに
ついても第1の実施の形態と同様であるので記載を省略
する。
【0068】以下、本実施の形態のデータキャリアシス
テムによる信号通信方法のうち、リーダライタからIC
カードへ信号を送信する方法、つまり、送信モードにつ
いて図1、4を用いて説明する。尚、第2の実施の形態
において、第1の実施の形態と同一の構成部位について
は同符号を用いる。
【0069】図4において、リーダライタ2ではホスト
1などからのデータがCPU15で処理されて送信回路
12へ送られる。この送信回路12では一定振幅の高周
波信号が発振回路11から供給されており、この高周波
信号がデータで変調されて変調高周波信号が出力され
る。
【0070】この変調高周波信号がドライバ13を介し
て送信コイル6を構成している2つのループコイル3
1、32に送られる。この変調高周波信号はコイル31
では端子aから端子bの向きに、コイル32では端子c
から端子dの向きに送られている。また、コイル31に
流れる電流量がコイル32に流れる電流量の8倍になる
ように調整されている。
【0071】一方、リーダライタ2のスクランブルノイ
ズ発生回路27からは、ICカード3からの応答信号と
同じ周波数の変調定周波信号が出力され、2つのループ
コイル31、32に送られている。この変調定周波信号
はコイル31では端子aから端子bの向きに、コイル3
2では端子cから端子dの向きに電流が送られている。
また、両コイルに流れる電流量が等しくなるように調整
されている。
【0072】よって、ループコイル31の内側の領域、
即ちICカードとの通信エリア61には、コイル31
に供給される変調定周波信号(スクランブル信号)、
コイル32に供給される変調定周波信号(スクランブル
信号)、コイル31に供給される変調高周波信号(送
信信号)、コイル32に供給される変調高周波信号
(送信信号)の4種類の信号による磁界が発生してお
り、これらが互いに干渉し合って生成された磁界がアン
テナコイル8を通過することになる。
【0073】コイル31に供給される変調定周波信号
(スクランブル信号)、コイル32に供給される変調
定周波信号(スクランブル信号)が互いに打ち消しあう
ことは第1の実施の形態で既に述べた通りであるので、
通信エリア61内にはコイル31に供給される変調高
周波信号(送信信号)とコイル32に供給される変調
高周波信号(送信信号)のみが存在する。
【0074】コイル31には、紙面手前から裏側方向へ
垂直磁界が発生し、コイル32には紙面裏側から手前方
向に垂直磁界が発生しているので両者は互いに弱めあう
が、両コイルに流す電流量を調整することで、所望の強
さの磁界を得ることが可能である。
【0075】一方、ループコイル31の外側の領域、即
ち通信エリア61外での磁界は前述の(1)式を用いて
近似的に求めることができる。まず、コイル31に供
給される変調高周波信号(送信信号)により発生する磁
界H3 と、コイル32に供給される変調高周波信号
(送信信号)により発生する磁界H4 とを求める。変調
高周波信号によりコイル31に流れる電流をI12、変調
高周波信号によりコイル32に流れる電流をI22、とす
ると、磁界H3 は(9)式、磁界H2 は(10)式にそ
れぞれ近似できる。
【0076】 H3 =I12×N1 ×R1 2/2×(R1 2+ a2 3 /2 …(9) H4 =I22×N2 ×R2 2/2×(R2 2+ a2 3/2 …(10)
【0077】ここで、対象としているのが通信エリア外
であることから、aがR1 及びR2よりも充分大きいと
仮定することができ、また、(9)式に前述の(5)、
(6)式及び下述の(11)式を代入すると、(9)、
(10)式はそれぞれ(12)、(13)式のように近
似できる。
【0078】 −I12=8×I22 …(11) H3 =I12×N1 ×R1 2/2×a3 …(12) H4 =−I12×(2×N1 )×(2×R1 2 /8×2×a3 =−I12×N1 ×R1 2/2×a3 …(13)
【0079】よって、H3 とH4 との和はゼロとなり、
通信エリア外では変調高周波信号(送信信号)はコイル
31とコイル32により相殺しあい、変調定周波信号
(スクランブル信号)による磁界が支配的となる。つま
り、コイル31、32に流す電流量を多くして通信エリ
ア内に発生する磁界を強めても、通信エリア外の磁界は
互いに相殺し合って弱めることができる。
【0080】最後に、通信エリア内にICカード3が装
着されている場合には、リーダライタ2の送信コイル6
と電磁結合されたアンテナコイル8を介して変調高周波
信号が送受信回路4に供給される。この変調高周波信号
は整流回路21で整流され、電源回路22に供給されて
ICカード3の各部に必要な所定の電源電圧が生成され
る。
【0081】また、アンテナコイル8の出力信号は受信
回路23にも供給され、この部分でデータが復調されて
CPU5に供給される。CPU5はタイミング回路2
5、リセット回路26の出力に基づいて動作し、供給さ
れるデータを処理して所定のものを図示しないメモリに
書き込む。
【0082】以上説明したように、本実施の形態のデー
タキャリアシステムにおいては、送信アンテナ装置を互
いの相似な2個のコイルを同心にして配置して構成し、
各々のコイルにICカードからの応答信号と同じ周波数
を持つスクランブル信号と送信信号とを、コイル間で逆
相になるように供給しているので、通信エリア内には送
信信号による強力な磁界を発生させ、通信エリア外には
送信信号による磁界強度が急激に弱まり、かわってスク
ランブル信号による磁界が強力となるような磁界特性を
得ることができる。
【0083】よって、面積の小さなICカードや複数の
ICカードを駆動させることが可能となる上に、これら
ICカードになんら傍受防止機構を設けることなく通信
エリアの外部から送信信号及び応答信号が盗聴されるの
を防ぐことができる。尚、傍受防止効果をよりいっそう
高めるために、スクランブル信号にランダムに変調かけ
ることが望ましいのは第1の実施の形態と同様である。
【0084】尚、本実施の形態において、ループコイル
の巻線数、電流量、及びコイル半径は上述の値に限定さ
れるものでなく、通信エリア外において(9)式と(1
0)式が近似的に等しくなり、且つ通信エリア内におい
て(2)式と(3)式が近似的に等しくなるような条件
であればよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非接触型ICカードのアンテナコイル手段とリーダライ
タのアンテナ装置とが互いに磁気的に結合されて信号を
送受信するデータキャリアシステムにおいて、リーダラ
イタのアンテナ装置を送信コイルと受信コイルで構成
し、送信コイルは互いに相似な2個のループコイルを同
心に配置して構成する。内側のループコイルにはリーダ
ライタからの送信信号及びICカードからの応答信号と
同じ周波数成分を持つスクランブル信号と送信信号を、
また、外側のループコイルには少なくとも内側のコイル
に供給されているスクランブル信号と位相が反対のスク
ランブル信号を供給する。これにより、内側のコイルの
内部、すなわち通信エリア内には送信信号及び応答信号
が発生し、この周囲をスクランブル信号が取り囲むよう
にしたので、ICカードになんら傍受防止機構を設ける
ことなく通信エリアの外部から送信信号及び応答信号が
盗聴されるのを防ぐことが可能となる。
【0086】また、一つの基本コイルを、時計回りの巻
線方向を有する第1の小ループコイル群と、反時計回り
の巻線方向を有する第2の小ループコイル群に分類され
る複数の小ループコイルを、一辺を接して隣り合う小ル
ープコイルの巻線の向きが互いに逆になるように配置し
て構成し、複数の基本コイルを磁束が通過する方向から
投影した場合に小ループコイルの辺が重ならないよう層
状に配置して受信コイルを構成することで、ICカード
からの信号が、1つの基本コイルにおいては不感帯にあ
たったり、隣合う小ループコイルに均等に信号があたっ
て相殺されたりしても、別の基本コイルで検出すること
が可能となる。すなわち、送信コイルからの信号やスク
ランブル信号、外部からの雑音は各基本コイルのトータ
ルループ内で相殺でき、ICカードから送られる信号の
みを効率よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるリーダライタ用ア
ンテナ装置の構成を示す立体斜視図である。
【図2】図1のアンテナ装置の平面図である。
【図3】図1のアンテナ装置で用いる基本コイル毎の平
面図である。
【図4】本発明の一実施の形態による非接触型のICカ
ードとリーダライタを用いたデータキャリアシステムの
回路構成を示すブロック図である。
【図5】図1のアンテナ装置で用いる別の基本コイル毎
の平面図である。
【図6】図1のアンテナ装置で用いる別の基本コイル毎
の平面図である。
【図7】従来のデータキャリアシステムの回路構成を示
すブロック図である。
【図8】図7の送受信コイル及びアンテナコイル部分を
拡大した立体斜視図である。
【符号の説明】
2 リーダライタ 3 ICカード 6 送信コイル 7 受信コイル 8 アンテナコイル 31、32 ループコイル 41〜44 基本コイル 51〜54 小ループコイル 61 通信エリア

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非接触型ICカードのアンテナコイル手
    段とリーダライタのアンテナ装置とが磁気的に結合され
    て互いにデータを送受信するデータキャリアシステムに
    おいて、 前記アンテナ装置は送信コイルと受信コイルを有し、 前記送信コイルは第1のループコイルと、前記第1のル
    ープコイルと相似の関係にあり、これより面積が大きい
    第2のループコイルとを同心に配置して構成され、 前記第1のループコイルには第1の送信信号と、第1の
    送信信号とは異なる第1のスクランブル信号が供給さ
    れ、前記第2のループコイルには少なくとも前記第1の
    スクランブル信号と位相が反対の第2のスクランブル信
    号が供給されていることを特徴とするリーダライタ用ア
    ンテナ装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のループコイルには前記第2の
    スクランブル信号の他に前記第1の送信信号と位相が反
    対の第2の送信信号が供給されていることを特徴とする
    請求項1に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のループコイルを流れる電流の
    うち、第1のスクランブル信号に起因する電流をI11
    同コイルの巻線数をN1 、同コイルの中心軸からコイル
    までの距離をR1 とし、前記第2のループコイルを流れ
    る電流のうち、第2のスクランブル信号に起因する電流
    をI21、同コイルの巻線数をN2 、同コイルの中心軸か
    らコイルまでの距離をR2 とした場合、I11×N1 /R
    1 とI21×N2 /R2 の絶対値が等しいことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のリーダライタ用アンテナ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1のループコイルを流れる電流の
    うち、第1の送信信号に起因する電流をI12、同コイル
    の巻線数をN1 、同コイルの中心軸からコイルまでの距
    離をR1 とし、前記第2のループコイルを流れる電流の
    うち、第2の送信信号に起因する電流をI22、同コイル
    の巻線数をN2 、同コイルの中心軸からコイルまでの距
    離をR2 とした場合、それぞれの前記ループコイルにお
    ける前記電流と前記巻線数と前記距離との積I12×N1
    ×(R1 2 及びI22×N2 ×(R2 2 の絶対値が等
    しいことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載
    のリーダライタ用アンテナ装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のループコイルに流れる前記第
    1のスクランブル信号の電流の向きが前記第2のループ
    コイルに流れる前記第2のスクランブル信号の電流の向
    きと反対の向きであることを特徴とする請求項1〜4の
    何れか1項に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  6. 【請求項6】 前記第1と第2のスクランブル信号は、
    前記リーダライタが前記ICカードから受信する応答信
    号の周波数と同じ周波数成分及び前記リーダライタから
    前記ICカードへ送信する送信信号の周波数と同じ周波
    数成分を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか
    1項に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも前記リーダライタが前記送信
    信号を送信している間は前記第1と第2のスクランブル
    信号が前記第1と第2のループコイルにそれぞれ供給さ
    れていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に
    記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  8. 【請求項8】 前記第1と第2のスクランブル信号が前
    記第1と第2のループコイルにそれぞれ供給されている
    タイミングと、前記リーダライタが前記送信信号を送信
    しているタイミングとが異なることを特徴とする請求項
    1〜7の何れか1項に記載のリーダライタ用アンテナ装
    置。
  9. 【請求項9】 前記第1と第2のスクランブル信号は不
    規則に変調されていることを特徴とする請求項1〜8の
    何れか1項に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  10. 【請求項10】 一つの基本コイルが、時計回りの巻線
    の向きを有する第1の小ループコイル群と反時計回りの
    巻線の向きを有する第2の小ループコイル群に分類され
    る複数の小ループコイルを、一辺を接して隣り合う小ル
    ープコイルの巻線の向きが互いに逆になるように配置し
    て構成し、 前記基本コイルを複数個積層することによって前記受信
    コイルが構成されている事を特徴とする請求項1〜9の
    何れか1項に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  11. 【請求項11】 前記複数個の基本コイルの内の少なく
    とも1つの基本コイルは他の基本コイルに対し、前記I
    Cカードの前記アンテナコイル手段から発生した磁束に
    垂直な面内で一定距離オフセットして重ね合わされてい
    ることを特徴とする請求項10に記載のリーダライタ用
    アンテナ装置。
  12. 【請求項12】 前記基本コイルの他の基本コイルに対
    してオフセットされる距離は前記小ループコイルを形成
    する辺の最小長さより短い距離であることを特徴とする
    請求項11に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  13. 【請求項13】 前記複数個の基本コイルは、磁束の通
    過する方向から投影した場合に、前記基本コイルの各小
    ループコイルがそのループ内に他の基本コイルの少なく
    とも1つの小ループコイルの少なくとも1つの辺が存在
    するように互いにずらして積層されていることを特徴と
    する請求項10に記載のリーダライタ用アンテナ装置。
  14. 【請求項14】 前記第1の小ループコイル群の各小ル
    ープコイルの磁束が通過する面の面積の総和と前記第2
    の小ループコイル群の各小ループコイルの磁束が通過す
    る面の面積の総和がほぼ等しくなるように設定されてい
    ることを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記
    載のリーダライタ用アンテナ装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の小ループコイル群と前記第
    2の小ループコイル群の各小ループコイルはほぼ同一の
    形状、大きさを有し、前記第1の小ループコイル群の小
    ループコイルの数と前記第2の小ループコイル群の小ル
    ープコイルの数は等しく設定されていることを特徴とす
    る請求項10〜13の何れか1項に記載のリーダライタ
    用アンテナ装置。
  16. 【請求項16】 前記第1及び第2の小ループコイル群
    はそれぞれ同一磁界に対してほぼ等しい起電力を有する
    ことを特徴とする請求項10〜15の何れか1項に記載
    のリーダライタ用アンテナ装置。
  17. 【請求項17】 前記複数の小ループコイルはそれぞれ
    同一磁界に対してほぼ等しい起電力を有することを特徴
    とする請求項10〜15の何れか1項に記載のリーダラ
    イタ用アンテナ装置。
  18. 【請求項18】 前記複数個の基本コイルは、磁束の通
    過する方向から投影した場合に、前記第1のループコイ
    ルの内部に配置されていることを特徴とする請求項10
    〜17の何れか1項に記載のリーダライタ用アンテナ装
    置。
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