JP2000035432A - オリゴヌクレオチド検出および塩基配列決定法 - Google Patents
オリゴヌクレオチド検出および塩基配列決定法Info
- Publication number
- JP2000035432A JP2000035432A JP10203619A JP20361998A JP2000035432A JP 2000035432 A JP2000035432 A JP 2000035432A JP 10203619 A JP10203619 A JP 10203619A JP 20361998 A JP20361998 A JP 20361998A JP 2000035432 A JP2000035432 A JP 2000035432A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- base
- label
- samples
- oligonucleotide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/416—Systems
- G01N27/447—Systems using electrophoresis
- G01N27/44704—Details; Accessories
- G01N27/44717—Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones
- G01N27/44721—Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones by optical means
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6869—Methods for sequencing
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S436/00—Chemistry: analytical and immunological testing
- Y10S436/80—Fluorescent dyes, e.g. rhodamine
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Zoology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Pathology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数の試料を同時に分析し、大量の遺伝子情
報の塩基配列の決定を短時間で可能する方法およびその
ための装置の提供。 【解決手段】 複数の核酸試料それぞれについて、試料
核酸由来のオリゴヌクレオチド断片をその末端塩基が塩
基特異的に断片化されてなる4種のサンプル毎に調製し
試料核酸毎に異なる標識によって標識して、オリゴヌク
レオチド断片を一塩基の長さの差異で識別し得る分析法
に付し、目的核酸の塩基配列を決定することを、含んで
なる方法。
報の塩基配列の決定を短時間で可能する方法およびその
ための装置の提供。 【解決手段】 複数の核酸試料それぞれについて、試料
核酸由来のオリゴヌクレオチド断片をその末端塩基が塩
基特異的に断片化されてなる4種のサンプル毎に調製し
試料核酸毎に異なる標識によって標識して、オリゴヌク
レオチド断片を一塩基の長さの差異で識別し得る分析法
に付し、目的核酸の塩基配列を決定することを、含んで
なる方法。
Description
【0001】
【発明の概要】発明の分野 本発明は、核酸の塩基配列を決定する方法およびそのた
めの装置に関する。
めの装置に関する。
【0002】背景技術 核酸、特にDNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ
核酸)の塩基配列を決定し、特定することは、動物(人
間)、植物、細菌、ウイルス等の遺伝情報および生体情
報を解明する上で重要である。
核酸)の塩基配列を決定し、特定することは、動物(人
間)、植物、細菌、ウイルス等の遺伝情報および生体情
報を解明する上で重要である。
【0003】従来、核酸の塩基配列決定法の代表的なも
のとして、サンガー法、チェーンターミネーション法等
と呼ばれるF.SangerとA.R.Coulsonとにより開発された
方法と、マクサム−ギルバート法、化学分解法等と呼ば
れるA.MaxamとW.Gilbertとにより開発された方法とが知
られている。
のとして、サンガー法、チェーンターミネーション法等
と呼ばれるF.SangerとA.R.Coulsonとにより開発された
方法と、マクサム−ギルバート法、化学分解法等と呼ば
れるA.MaxamとW.Gilbertとにより開発された方法とが知
られている。
【0004】サンガー法は、概略すれば次の通りであ
る。まず、配列を決定しようするDNA断片を一本鎖D
NAファージ(例えばM13ファージ)に導入してクロ
ーン化し、この組み換えDNAを鋳型としてプライマー
DNAをアニーリングし、DNAポリメラーゼにより相
補的なオリゴヌクレオチド断片を合成する。このとき、
基質として四種のデオキシヌクレオチドリン酸と、反応
停止のためのダイデオキシヌクレオチドリン酸を独立し
た四つの反応系にそれぞれ加える。ダイデオキシヌクレ
オチドが合成されるオリゴヌクレオチドに取り込まれる
と、そこでオリゴヌクレオチドの合成は停止する。その
結果、末端にダイデオキシヌクレオチドを持つ、種々の
長さのDNA断片が合成される。このDNA断片をポリ
アクリルアミドゲル電気泳動に付し、DNA断片が有す
る標識によりその断片を検出して目的とするDNAの塩
基配列を決定する方法である。
る。まず、配列を決定しようするDNA断片を一本鎖D
NAファージ(例えばM13ファージ)に導入してクロ
ーン化し、この組み換えDNAを鋳型としてプライマー
DNAをアニーリングし、DNAポリメラーゼにより相
補的なオリゴヌクレオチド断片を合成する。このとき、
基質として四種のデオキシヌクレオチドリン酸と、反応
停止のためのダイデオキシヌクレオチドリン酸を独立し
た四つの反応系にそれぞれ加える。ダイデオキシヌクレ
オチドが合成されるオリゴヌクレオチドに取り込まれる
と、そこでオリゴヌクレオチドの合成は停止する。その
結果、末端にダイデオキシヌクレオチドを持つ、種々の
長さのDNA断片が合成される。このDNA断片をポリ
アクリルアミドゲル電気泳動に付し、DNA断片が有す
る標識によりその断片を検出して目的とするDNAの塩
基配列を決定する方法である。
【0005】また、マクサム−ギルバート法は、概略す
れば次の通りである。まず、配列を決定しようとするD
NAの末端を標識した後、特定の1〜2塩基を化学的に
分解する。このとき、どのDNAにも数カ所にしか切れ
目が入らないように反応条件を設定する。ピペリジンで
処理すると、分解された塩基のところでDNAは切断さ
れ、種々の長さのラベルされた断片と、ラベルされてい
ない断片とが生じる。決定に関与するのはラベルされた
断片のみであり、ラベルされた一端より遠い塩基で分解
された断片ほど大きな断片になるため、これらを電気泳
動にかけるとラベルされた一端と分解された塩基との距
離が泳動度に対応して生じることとなる。この方法にあ
っては、Gのみ、GおよびAのみ、TおよびCのみ、C
のみの4通りで分解するよう上記の化学反応が行われる
のが一般的である。
れば次の通りである。まず、配列を決定しようとするD
NAの末端を標識した後、特定の1〜2塩基を化学的に
分解する。このとき、どのDNAにも数カ所にしか切れ
目が入らないように反応条件を設定する。ピペリジンで
処理すると、分解された塩基のところでDNAは切断さ
れ、種々の長さのラベルされた断片と、ラベルされてい
ない断片とが生じる。決定に関与するのはラベルされた
断片のみであり、ラベルされた一端より遠い塩基で分解
された断片ほど大きな断片になるため、これらを電気泳
動にかけるとラベルされた一端と分解された塩基との距
離が泳動度に対応して生じることとなる。この方法にあ
っては、Gのみ、GおよびAのみ、TおよびCのみ、C
のみの4通りで分解するよう上記の化学反応が行われる
のが一般的である。
【0006】一方で、最近、ヒトをはじめとする多くの
生物種においてそのゲノムを解析しようとする試みが行
われている。このような試みにあっては、大量の遺伝子
情報を短時間で処理することが強く要求される。よっ
て、上記従来法を改変して、大量の遺伝子情報を短時間
で処理できる手法がいくつか提案されている。例えば、
大量の遺伝子情報を短時間で処理するものとして、複数
のキャピラリーカラムを有したマルチキャピラリー電気
泳動が提案され、実際に利用されている。この手法は複
数のサンプルを同時に分析できる利点を有する。しかし
ながら、この手法にあっても、1つのサンプルを分析す
る場合、塩基ごとに4つのキャピラリーを用意する必要
があり、複数サンプルを同時に分析するためにはさらに
サンプルごとにキャピラリーを増やす必要がある。ま
た、塩基ごとに標識を変えて1つのサンプルを1つのキ
ャピラリーを用いて分析することも行われているが、複
数サンプルを同時に分析するためにはキャピラリーを単
純に増やして行かなければならない。多くのマルチキャ
ピラリー電気泳動装置は、レーザ等により複数のキャピ
ラリーをスキャンして標識を読みとる構造とされてい
る。しかし、キャピラリーの数が増えるとスキャンすべ
き幅が広がり、検出精度が落ちるおそれがある。
生物種においてそのゲノムを解析しようとする試みが行
われている。このような試みにあっては、大量の遺伝子
情報を短時間で処理することが強く要求される。よっ
て、上記従来法を改変して、大量の遺伝子情報を短時間
で処理できる手法がいくつか提案されている。例えば、
大量の遺伝子情報を短時間で処理するものとして、複数
のキャピラリーカラムを有したマルチキャピラリー電気
泳動が提案され、実際に利用されている。この手法は複
数のサンプルを同時に分析できる利点を有する。しかし
ながら、この手法にあっても、1つのサンプルを分析す
る場合、塩基ごとに4つのキャピラリーを用意する必要
があり、複数サンプルを同時に分析するためにはさらに
サンプルごとにキャピラリーを増やす必要がある。ま
た、塩基ごとに標識を変えて1つのサンプルを1つのキ
ャピラリーを用いて分析することも行われているが、複
数サンプルを同時に分析するためにはキャピラリーを単
純に増やして行かなければならない。多くのマルチキャ
ピラリー電気泳動装置は、レーザ等により複数のキャピ
ラリーをスキャンして標識を読みとる構造とされてい
る。しかし、キャピラリーの数が増えるとスキャンすべ
き幅が広がり、検出精度が落ちるおそれがある。
【0007】よって、複数のサンプルを同時に分析でき
る手法の開発が依然として求められているといえる。
る手法の開発が依然として求められているといえる。
【0008】本発明者の知る限りでは、サンガー法また
はマクサム−ギルバート法を基礎とする配列決定法にお
いて、複数の試料を同時に分析するにあたり、試料ごと
に標識物質を変えてオリゴヌクレオチド断片の分析を同
時に行ったとする報告はなされていない。
はマクサム−ギルバート法を基礎とする配列決定法にお
いて、複数の試料を同時に分析するにあたり、試料ごと
に標識物質を変えてオリゴヌクレオチド断片の分析を同
時に行ったとする報告はなされていない。
【0009】
【発明の概要】本発明者は、今般、サンガー法またはマ
クサム−ギルバート法に準して複数の試料を同時に分析
する場合、試料ごとに標識物質を変えながら、同一試料
に由来する四つの末端塩基に特異的なオリゴヌクレオチ
ド断片を同一の標識物質により標識することで、極めて
効率よく複数試料の分析が可能となることを見出した。
クサム−ギルバート法に準して複数の試料を同時に分析
する場合、試料ごとに標識物質を変えながら、同一試料
に由来する四つの末端塩基に特異的なオリゴヌクレオチ
ド断片を同一の標識物質により標識することで、極めて
効率よく複数試料の分析が可能となることを見出した。
【0010】従って、本発明は、複数の試料を同時に分
析し、大量の遺伝子情報の塩基配列の決定を短時間で可
能にする方法およびそのための装置の提供をその目的と
している。
析し、大量の遺伝子情報の塩基配列の決定を短時間で可
能にする方法およびそのための装置の提供をその目的と
している。
【0011】そして、本発明の第一の態様によれば、複
数の試料中の目的核酸の塩基配列を決定する方法が提供
され、その方法は、(a)目的核酸をそれぞれ含む複数
の核酸試料を用意し、(b)前記目的核酸の一部と同一
のまたは相補的な配列を有する種々の長さの標識された
オリゴヌクレオチド断片を含み、かつ該オリゴヌクレオ
チド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてなる4
種のサンプルを、核酸試料それぞれについて調製し、こ
こで、前記オリゴヌクレオチド断片は、核酸試料ごとに
異なる標識によって標識されてなるものであり、(c)
前記の核酸試料それぞれについて得られた4種のサンプ
ルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、由来となる核酸
試料の区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片を一塩
基の長さの差異で識別し得る分離法に付し、(d)分離
したオリゴヌクレオチド断片を前記標識によって検出
し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基の単位で分
析して、前記目的核酸の塩基配列を決定することを含ん
でなるものである。
数の試料中の目的核酸の塩基配列を決定する方法が提供
され、その方法は、(a)目的核酸をそれぞれ含む複数
の核酸試料を用意し、(b)前記目的核酸の一部と同一
のまたは相補的な配列を有する種々の長さの標識された
オリゴヌクレオチド断片を含み、かつ該オリゴヌクレオ
チド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてなる4
種のサンプルを、核酸試料それぞれについて調製し、こ
こで、前記オリゴヌクレオチド断片は、核酸試料ごとに
異なる標識によって標識されてなるものであり、(c)
前記の核酸試料それぞれについて得られた4種のサンプ
ルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、由来となる核酸
試料の区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片を一塩
基の長さの差異で識別し得る分離法に付し、(d)分離
したオリゴヌクレオチド断片を前記標識によって検出
し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基の単位で分
析して、前記目的核酸の塩基配列を決定することを含ん
でなるものである。
【0012】また、上記の本発明による複数の試料中の
目的核酸の塩基配列を決定する方法は、オリゴヌクレオ
チドの長さ情報が一塩基単位で得られることに基礎をお
く。よって、本発明の第二の態様によれば、最終的な塩
基配列の決定に必要となるオリゴヌクレオチドの長さを
一塩基単位で、複数のサンプルセットについて同時に分
析する方法が提供され、その方法は種々の長さの標識さ
れたオリゴヌクレオチド断片を含み、かつ該オリゴヌク
レオチド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてな
る4種のサンプルからなるサンプルセットを、複数用意
し、ここで、前記オリゴヌクレオチド断片は、サンプル
セットごとに異なる標識によって標識されてなるもので
あり、前記のサンプルセットそれぞれについて得られた
4種のサンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サ
ンプルセットの区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断
片を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付し、そ
して分離したオリゴヌクレオチド断片を前記標識によっ
て検出し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基の単
位で分析することを含んでなるものである。
目的核酸の塩基配列を決定する方法は、オリゴヌクレオ
チドの長さ情報が一塩基単位で得られることに基礎をお
く。よって、本発明の第二の態様によれば、最終的な塩
基配列の決定に必要となるオリゴヌクレオチドの長さを
一塩基単位で、複数のサンプルセットについて同時に分
析する方法が提供され、その方法は種々の長さの標識さ
れたオリゴヌクレオチド断片を含み、かつ該オリゴヌク
レオチド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてな
る4種のサンプルからなるサンプルセットを、複数用意
し、ここで、前記オリゴヌクレオチド断片は、サンプル
セットごとに異なる標識によって標識されてなるもので
あり、前記のサンプルセットそれぞれについて得られた
4種のサンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サ
ンプルセットの区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断
片を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付し、そ
して分離したオリゴヌクレオチド断片を前記標識によっ
て検出し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基の単
位で分析することを含んでなるものである。
【0013】さらに、本発明の第三の態様によれば、オ
リゴヌクレオチドの長さを一塩基の単位で、複数のサン
プルセットについて同時に分析する装置が提供され、そ
の装置は、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差
異で分離した被験試料を保持する被験試料保持手段と、
標識が信号を発するために外部からのエネルギーにより
励起されることを必要とする場合、標識を励起する標識
励起手段と、標識からの信号を検出し、オリゴヌクレオ
チド断片の長さを一塩基の単位で分析する検出手段とを
備えてなり、前記被験試料が、種々の長さの標識された
オリゴヌクレオチド断片を含み、かつ該オリゴヌクレオ
チド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてなる4
種のサンプルからなるサンプルセットを、複数用意し、
ここで、前記オリゴヌクレオチド断片は、サンプルセッ
トごとに異なる標識によって標識されているものであ
り、前記のサンプルセットそれぞれについて得られた4
種のサンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サン
プルセットの区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片
を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付して得ら
れたものである。
リゴヌクレオチドの長さを一塩基の単位で、複数のサン
プルセットについて同時に分析する装置が提供され、そ
の装置は、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差
異で分離した被験試料を保持する被験試料保持手段と、
標識が信号を発するために外部からのエネルギーにより
励起されることを必要とする場合、標識を励起する標識
励起手段と、標識からの信号を検出し、オリゴヌクレオ
チド断片の長さを一塩基の単位で分析する検出手段とを
備えてなり、前記被験試料が、種々の長さの標識された
オリゴヌクレオチド断片を含み、かつ該オリゴヌクレオ
チド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてなる4
種のサンプルからなるサンプルセットを、複数用意し、
ここで、前記オリゴヌクレオチド断片は、サンプルセッ
トごとに異なる標識によって標識されているものであ
り、前記のサンプルセットそれぞれについて得られた4
種のサンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サン
プルセットの区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片
を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付して得ら
れたものである。
【0014】
【発明の具体的な説明】第一の態様による方法 本発明による第一の態様による方法は、それぞれが目的
核酸を含んだ複数の試料中にあるそれぞれの目的核酸の
塩基配列を決定する方法である。
核酸を含んだ複数の試料中にあるそれぞれの目的核酸の
塩基配列を決定する方法である。
【0015】工程(a) 従って、その第一の工程は、目的核酸をそれぞれ含む複
数の核酸試料を用意する工程である。
数の核酸試料を用意する工程である。
【0016】本発明による方法によって塩基配列が決定
できる目的核酸の長さは、一般的には、長さ約200m
m、幅360mm、厚さ0.2mmのゲルを使用する場
合に、1200bp程度である。しかしながら、本発明
による方法は、使用するゲルの長さ、構成成分、および
電気泳動条件によって、決定しようとする目的核酸の長
さも異なることから、上記範囲に限定されるものではな
い。この点、当該技術分野に属する者には当然に理解で
きることであろう。また、これ以上の長さの遺伝子の塩
基配列を特定しようとする場合、その目的となる遺伝子
を上記程度の長さを有しかつ重複する配列を有する断片
とし、その断片の塩基配列を決定し、重複する配列を特
定しながら、全体の配列を決定する。従って、本発明に
おいて、この第一工程で用意される複数の試料が含む目
的核酸とは、ある配列を有する核酸の部分配列を有し、
かつ重複範囲を有するものであることが一般的であろ
う。
できる目的核酸の長さは、一般的には、長さ約200m
m、幅360mm、厚さ0.2mmのゲルを使用する場
合に、1200bp程度である。しかしながら、本発明
による方法は、使用するゲルの長さ、構成成分、および
電気泳動条件によって、決定しようとする目的核酸の長
さも異なることから、上記範囲に限定されるものではな
い。この点、当該技術分野に属する者には当然に理解で
きることであろう。また、これ以上の長さの遺伝子の塩
基配列を特定しようとする場合、その目的となる遺伝子
を上記程度の長さを有しかつ重複する配列を有する断片
とし、その断片の塩基配列を決定し、重複する配列を特
定しながら、全体の配列を決定する。従って、本発明に
おいて、この第一工程で用意される複数の試料が含む目
的核酸とは、ある配列を有する核酸の部分配列を有し、
かつ重複範囲を有するものであることが一般的であろ
う。
【0017】しかしながら、本発明による方法にあって
は、これら目的核酸は全く別の遺伝子に由来し、上記の
ように重複範囲を含まないものであってもよいことは無
論である。
は、これら目的核酸は全く別の遺伝子に由来し、上記の
ように重複範囲を含まないものであってもよいことは無
論である。
【0018】工程(b) 次に、この目的核酸の一部と同一のまたは相補的な配列
を有する種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断
片を含み、かつオリゴヌクレオチド断片の末端塩基が塩
基特異的に断片化されてなる4種のサンプルを、核酸試
料それぞれについて調製する。そして、本発明にあって
は、オリゴヌクレオチド断片は、核酸試料ごとに異なる
標識によって標識されているものとされなければならな
い。
を有する種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断
片を含み、かつオリゴヌクレオチド断片の末端塩基が塩
基特異的に断片化されてなる4種のサンプルを、核酸試
料それぞれについて調製する。そして、本発明にあって
は、オリゴヌクレオチド断片は、核酸試料ごとに異なる
標識によって標識されているものとされなければならな
い。
【0019】核酸は、DNAの場合、A(アデニン)、
T(チミン)、G(グアニン)、およびC(シトシン)
の4種からなることは周知である。よって、ある核酸の
塩基配列をその多くの断片により知るためには、その末
端塩基について少なくとも4つの情報があればよい。従
って、本発明において「オリゴヌクレオチド断片の末端
塩基が塩基特異的に断片化されてなる4種のサンプル」
とは、核酸の塩基配列の情報を与える4種の塩基をその
末端にそれぞれ有したオリゴヌクレオチド断片の4種の
サンプルを意味する。オリゴヌクレオチドの末端がA、
T、G、またはCのみからなる4種のサンプルがその例
として挙げられる。さらに、オリゴヌクレオチドの末端
がGのみ、GおよびAのみ、TおよびCのみ、Cのみの
からなる4種のサンプルによっても塩基配列を知ること
ができる。よって、このような4種のサンプルも本発明
において利用可能である。
T(チミン)、G(グアニン)、およびC(シトシン)
の4種からなることは周知である。よって、ある核酸の
塩基配列をその多くの断片により知るためには、その末
端塩基について少なくとも4つの情報があればよい。従
って、本発明において「オリゴヌクレオチド断片の末端
塩基が塩基特異的に断片化されてなる4種のサンプル」
とは、核酸の塩基配列の情報を与える4種の塩基をその
末端にそれぞれ有したオリゴヌクレオチド断片の4種の
サンプルを意味する。オリゴヌクレオチドの末端がA、
T、G、またはCのみからなる4種のサンプルがその例
として挙げられる。さらに、オリゴヌクレオチドの末端
がGのみ、GおよびAのみ、TおよびCのみ、Cのみの
からなる4種のサンプルによっても塩基配列を知ること
ができる。よって、このような4種のサンプルも本発明
において利用可能である。
【0020】この工程はサンガー法またはマクサム−ギ
ルバート法により行われる調製工程と実質的に同じであ
ってよいが、標識は核酸試料ごとに変えられ、かつ同一
核酸試料に由来する4種のサンプルは同一の標識物質に
より標識されなければならない。
ルバート法により行われる調製工程と実質的に同じであ
ってよいが、標識は核酸試料ごとに変えられ、かつ同一
核酸試料に由来する4種のサンプルは同一の標識物質に
より標識されなければならない。
【0021】標識は、外部からのエネルギーにより励起
されて、またはそのようなエネルギーなしに信号を発
し、その信号を認識できる限りにおいて、その種類は特
に限定されず、さらにその導入の方法も標識の種類によ
って適宜選択されてよい。但し、サンガー法に準ずる場
合、標識はオリゴヌクレオチドの取り込みを妨げたり、
ポリメラーゼによる延伸を妨げてはならず、また、マク
サム−ギルバート法に準ずる場合、標識は目的核酸の一
端に導入されなければならないことは明らかであろう。
されて、またはそのようなエネルギーなしに信号を発
し、その信号を認識できる限りにおいて、その種類は特
に限定されず、さらにその導入の方法も標識の種類によ
って適宜選択されてよい。但し、サンガー法に準ずる場
合、標識はオリゴヌクレオチドの取り込みを妨げたり、
ポリメラーゼによる延伸を妨げてはならず、また、マク
サム−ギルバート法に準ずる場合、標識は目的核酸の一
端に導入されなければならないことは明らかであろう。
【0022】本発明において利用可能な標識としては、
放射性元素、蛍光標識、酵素反応による標識等が挙げら
れる。本発明にあっては、複数の試料を同時に分析する
ことから、類似の性質を有する多数の標識が知られてい
る蛍光標識剤を用いることが好ましい。本発明において
好ましく用いられる蛍光標識剤の具体例としては、下記
の表に記載のものが挙げられる。 名称 励起波長(nm) 蛍光波長(nm) Bodipy-fluorescein 503 513 Rhodamine 499 521 7-Nitrobenz-2-oxa- 1,3-diazole 465 535 Rhodamine 6 G 525 555 Cy3 552 570 Tetra methyl rhodamine 555 580 X-rhodamine 580 605 Cy5 643 667
放射性元素、蛍光標識、酵素反応による標識等が挙げら
れる。本発明にあっては、複数の試料を同時に分析する
ことから、類似の性質を有する多数の標識が知られてい
る蛍光標識剤を用いることが好ましい。本発明において
好ましく用いられる蛍光標識剤の具体例としては、下記
の表に記載のものが挙げられる。 名称 励起波長(nm) 蛍光波長(nm) Bodipy-fluorescein 503 513 Rhodamine 499 521 7-Nitrobenz-2-oxa- 1,3-diazole 465 535 Rhodamine 6 G 525 555 Cy3 552 570 Tetra methyl rhodamine 555 580 X-rhodamine 580 605 Cy5 643 667
【0023】本発明におけるオリゴヌクレオチド(断
片)への標識の導入は、上記の通り適宜行われてよい
が、例えば、Prober等の報告による方法が挙げら
れる(Prober等、(1987)Science 238, 336-341参照のこ
と)。
片)への標識の導入は、上記の通り適宜行われてよい
が、例えば、Prober等の報告による方法が挙げら
れる(Prober等、(1987)Science 238, 336-341参照のこ
と)。
【0024】工程(c) 上記工程(b)により、核酸試料それぞれについての4
種のサンプルが調製された。本工程においては、これら
サンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、由来とな
る核酸試料の区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片
を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付す。
種のサンプルが調製された。本工程においては、これら
サンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、由来とな
る核酸試料の区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片
を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付す。
【0025】より具体的な操作を図面を用いて説明す
る。この態様では、二種の核酸試料、すなわち試料aと
試料bを用意した。それぞれの試料について、オリゴヌ
クレオチドの末端がA、C、G、またはTのみからなる
4種のサンプルを上記工程において調製した。それら
を、末端塩基ごと(すなわち、A、C、G、およびTご
と)に、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差異
で識別し得る分離法(例えば電気泳動)に付す。その電
気泳動パターンは、図1(A)および(B)となる。図
中の矢印は、電気泳動方向を示す。本発明においては、
これらサンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、試
料(a)および(b)の区別なく同時に、電気泳動に付
す。その結果、現れる電気泳動パターンは図1(C)の
通りとなる。本発明にあっては、オリゴヌクレオチドサ
ンプルは、試料(a)または(b)の同一試料に由来す
る場合は同一の標識で、試料(a)および(b)間では
異なる標識で標識されてなる。例えば、試料aおよびb
中の泳動距離の最も小さい、すなわち最も長いオリゴヌ
クレオチドの末端はいずれもAであり、このオリゴヌク
レオチド断片は、Aレーンにおいて重なる。しかしなが
ら、試料aと試料bとは異なる標識が付されていること
から、この標識の相違により、両者の弁別は可能とな
る。同様に、試料aと試料b中のオリゴヌクレオチド断
片の中にはその長さが同一であることから重なる部分が
発生するが(図中、「a,b」との付記があるバン
ド)、これらは標識の相違により弁別される。
る。この態様では、二種の核酸試料、すなわち試料aと
試料bを用意した。それぞれの試料について、オリゴヌ
クレオチドの末端がA、C、G、またはTのみからなる
4種のサンプルを上記工程において調製した。それら
を、末端塩基ごと(すなわち、A、C、G、およびTご
と)に、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差異
で識別し得る分離法(例えば電気泳動)に付す。その電
気泳動パターンは、図1(A)および(B)となる。図
中の矢印は、電気泳動方向を示す。本発明においては、
これらサンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、試
料(a)および(b)の区別なく同時に、電気泳動に付
す。その結果、現れる電気泳動パターンは図1(C)の
通りとなる。本発明にあっては、オリゴヌクレオチドサ
ンプルは、試料(a)または(b)の同一試料に由来す
る場合は同一の標識で、試料(a)および(b)間では
異なる標識で標識されてなる。例えば、試料aおよびb
中の泳動距離の最も小さい、すなわち最も長いオリゴヌ
クレオチドの末端はいずれもAであり、このオリゴヌク
レオチド断片は、Aレーンにおいて重なる。しかしなが
ら、試料aと試料bとは異なる標識が付されていること
から、この標識の相違により、両者の弁別は可能とな
る。同様に、試料aと試料b中のオリゴヌクレオチド断
片の中にはその長さが同一であることから重なる部分が
発生するが(図中、「a,b」との付記があるバン
ド)、これらは標識の相違により弁別される。
【0026】本発明にあっては、試料の数が増えても試
料ごとに標識を変えておけば、4つのレーン上で全ての
試料を弁別できる。末端塩基ごとに標識を変える従来知
られた方法にあっては、試料が増えるごとにレーンを増
やさなければならなかったが、本発明によれば、多数の
試料を4つのレーン上で識別できる点で極めて有利であ
る。この利点は、複数のキャピラリーカラムを有したマ
ルチキャピラリー電気泳動において特に顕著となる。す
なわち、本発明をこの手法に適用することによって、キ
ャピラリー数は基本的に4本で足りることになる。さら
に、標識の読みとりをレーザにより行う場合、スキャン
すべき幅はキャピラリー4本分の幅であり、光学的な読
みとり精度において極めて有利である。
料ごとに標識を変えておけば、4つのレーン上で全ての
試料を弁別できる。末端塩基ごとに標識を変える従来知
られた方法にあっては、試料が増えるごとにレーンを増
やさなければならなかったが、本発明によれば、多数の
試料を4つのレーン上で識別できる点で極めて有利であ
る。この利点は、複数のキャピラリーカラムを有したマ
ルチキャピラリー電気泳動において特に顕著となる。す
なわち、本発明をこの手法に適用することによって、キ
ャピラリー数は基本的に4本で足りることになる。さら
に、標識の読みとりをレーザにより行う場合、スキャン
すべき幅はキャピラリー4本分の幅であり、光学的な読
みとり精度において極めて有利である。
【0027】本工程において実施される、「オリゴヌク
レオチド断片を一塩基の長さの差異で識別し得る分離
法」とは、特に限定されないが、現在広く用いられてい
る電気泳動によるのが好ましい。とりわけ、ゲルを支持
体としたゲル電気泳動が好ましく、より具体的には、ポ
リアクリルアミドゲルドデシル硫酸ナトリウム電気泳動
が最も好ましく利用できる。ゲルの調製、印可電圧、温
度条件などは適宜決定されてよく、また当業者であれば
過度の実験を要することなくゲルの調製および諸条件を
決定できることは明らかである。
レオチド断片を一塩基の長さの差異で識別し得る分離
法」とは、特に限定されないが、現在広く用いられてい
る電気泳動によるのが好ましい。とりわけ、ゲルを支持
体としたゲル電気泳動が好ましく、より具体的には、ポ
リアクリルアミドゲルドデシル硫酸ナトリウム電気泳動
が最も好ましく利用できる。ゲルの調製、印可電圧、温
度条件などは適宜決定されてよく、また当業者であれば
過度の実験を要することなくゲルの調製および諸条件を
決定できることは明らかである。
【0028】工程(d) 本工程は分離したオリゴヌクレオチド断片を前記標識に
よって検出し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基
の単位で分析して、目的核酸の塩基配列を決定する工程
である。上記工程によりオリゴヌクレオチド断片の長さ
を一塩基の単位で分離した後、その長さ情報を標識を通
じて得る。上記の通り、標識は外部からのエネルギーに
よりまたはそのようなエネルギーなしに信号を発するも
のである。従って、標識の性質に従って出力された信号
を認識して、オリゴヌクレオチド断片の長さ情報を得
る。具体的には、例えば標識が蛍光標識剤である場合、
励起波長を含む光を照射することにより標識を励起さ
せ、その結果発生した蛍光を検出する。
よって検出し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基
の単位で分析して、目的核酸の塩基配列を決定する工程
である。上記工程によりオリゴヌクレオチド断片の長さ
を一塩基の単位で分離した後、その長さ情報を標識を通
じて得る。上記の通り、標識は外部からのエネルギーに
よりまたはそのようなエネルギーなしに信号を発するも
のである。従って、標識の性質に従って出力された信号
を認識して、オリゴヌクレオチド断片の長さ情報を得
る。具体的には、例えば標識が蛍光標識剤である場合、
励起波長を含む光を照射することにより標識を励起さ
せ、その結果発生した蛍光を検出する。
【0029】上で説明したように、オリゴヌクレオチド
断片を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法として電
気泳動を採用した場合、オリゴヌクレオチド断片の長さ
の差異はその泳動度の差異として表れる。本発明にあっ
ては、オリゴヌクレオチド断片の移動距離を標識を通じ
て知ることができる。そして、オリゴヌクレオチド断片
の長さを一塩基の単位で知ることができるわけであるか
ら、その末端塩基をオリゴヌクレオチド断片の長さ順に
並べれば、目的核酸の塩基配列が得られる。本発明にあ
っては、複数の試料を同時に分析可能であり、その結果
複数の目的核酸の塩基配列情報を極めて効率よく得るこ
とができる。そして、この複数の目的核酸が、ある遺伝
子の部分配列であり、かつ重複範囲を有するものである
場合、目的核酸の塩基配列を決定し、重複する配列を特
定しながら、全体の配列を決定すれば、ある遺伝子全体
の配列をも決定できることは当業者に明らかであろう。
断片を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法として電
気泳動を採用した場合、オリゴヌクレオチド断片の長さ
の差異はその泳動度の差異として表れる。本発明にあっ
ては、オリゴヌクレオチド断片の移動距離を標識を通じ
て知ることができる。そして、オリゴヌクレオチド断片
の長さを一塩基の単位で知ることができるわけであるか
ら、その末端塩基をオリゴヌクレオチド断片の長さ順に
並べれば、目的核酸の塩基配列が得られる。本発明にあ
っては、複数の試料を同時に分析可能であり、その結果
複数の目的核酸の塩基配列情報を極めて効率よく得るこ
とができる。そして、この複数の目的核酸が、ある遺伝
子の部分配列であり、かつ重複範囲を有するものである
場合、目的核酸の塩基配列を決定し、重複する配列を特
定しながら、全体の配列を決定すれば、ある遺伝子全体
の配列をも決定できることは当業者に明らかであろう。
【0030】第二の態様による方法 本発明の第一の態様による方法は、ある核酸の塩基配列
を決定することを目的とする。一方で、本発明の第一の
態様による目的核酸の塩基配列を決定する方法は、オリ
ゴヌクレオチドの長さ情報が一塩基単位で得られること
に基づく。よって、オリゴヌクレオチドの長さ情報を一
塩基単位で得ることができる方法もまた、それ自体技術
的に意義ある方法である。本発明にあってはこの方法を
本発明の第二の態様と呼ぶ。従って、本発明の第二の態
様によれば、最終的な塩基配列の決定に必要となるオリ
ゴヌクレオチドの長さを一塩基単位で、複数のサンプル
セットについて同時に分析する方法が提供される。
を決定することを目的とする。一方で、本発明の第一の
態様による目的核酸の塩基配列を決定する方法は、オリ
ゴヌクレオチドの長さ情報が一塩基単位で得られること
に基づく。よって、オリゴヌクレオチドの長さ情報を一
塩基単位で得ることができる方法もまた、それ自体技術
的に意義ある方法である。本発明にあってはこの方法を
本発明の第二の態様と呼ぶ。従って、本発明の第二の態
様によれば、最終的な塩基配列の決定に必要となるオリ
ゴヌクレオチドの長さを一塩基単位で、複数のサンプル
セットについて同時に分析する方法が提供される。
【0031】この本発明の第二の態様による方法は、上
記の本発明の第一の態様による方法と、塩基配列を決定
する作業を除いた以外は全く同一の内容を有する。すな
わち、種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断片
を含み、かつ該オリゴヌクレオチド断片の末端塩基が塩
基特異的に断片化されてなる4種のサンプルからなるサ
ンプルセットを、複数用意する工程は、本発明の第一の
態様の工程(a)および(b)と実質的に同一である。
オリゴヌクレオチド断片への標識の導入もまた工程
(b)と同様に行われてよい。さらに、前記のサンプル
セットそれぞれについて得られた4種のサンプルを、そ
れぞれ末端塩基の種類ごとに、サンプルセットの区別な
く同時に、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差
異で識別し得る分離法に付す工程は、本発明の第一の態
様の工程(c)と実質的に同一であってよい。さらに、
分離したオリゴヌクレオチド断片の標識による検出も本
発明の第一の態様の工程(d)における操作と同一の操
作によって行われてよい。
記の本発明の第一の態様による方法と、塩基配列を決定
する作業を除いた以外は全く同一の内容を有する。すな
わち、種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断片
を含み、かつ該オリゴヌクレオチド断片の末端塩基が塩
基特異的に断片化されてなる4種のサンプルからなるサ
ンプルセットを、複数用意する工程は、本発明の第一の
態様の工程(a)および(b)と実質的に同一である。
オリゴヌクレオチド断片への標識の導入もまた工程
(b)と同様に行われてよい。さらに、前記のサンプル
セットそれぞれについて得られた4種のサンプルを、そ
れぞれ末端塩基の種類ごとに、サンプルセットの区別な
く同時に、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差
異で識別し得る分離法に付す工程は、本発明の第一の態
様の工程(c)と実質的に同一であってよい。さらに、
分離したオリゴヌクレオチド断片の標識による検出も本
発明の第一の態様の工程(d)における操作と同一の操
作によって行われてよい。
【0032】装置 本発明の第三の態様によれば、オリゴヌクレオチドの長
さを一塩基の単位で、複数のサンプルセットについて同
時に分析する装置が提供される。この装置は基本構成と
して、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差異で
分離した被験試料を保持する被験試料保持手段と、標識
が信号を発するために外部からのエネルギーにより励起
されることを必要とする場合、標識を励起する標識励起
手段と、標識からの信号を検出し、オリゴヌクレオチド
断片の長さを一塩基の単位で分析する検出手段とを備え
てなる。ここで、被験試料は、種々の長さの標識された
オリゴヌクレオチド断片を含み、かつオリゴヌクレオチ
ド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてなる4種
のサンプルからなるサンプルセットを、複数用意し、こ
こで、オリゴヌクレオチド断片は、サンプルセットごと
に異なる標識によって標識されているものであり、サン
プルセットそれぞれについて得られた4種のサンプル
を、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サンプルセットの
区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長
さの差異で識別し得る分離法に付して得られたものであ
る。
さを一塩基の単位で、複数のサンプルセットについて同
時に分析する装置が提供される。この装置は基本構成と
して、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差異で
分離した被験試料を保持する被験試料保持手段と、標識
が信号を発するために外部からのエネルギーにより励起
されることを必要とする場合、標識を励起する標識励起
手段と、標識からの信号を検出し、オリゴヌクレオチド
断片の長さを一塩基の単位で分析する検出手段とを備え
てなる。ここで、被験試料は、種々の長さの標識された
オリゴヌクレオチド断片を含み、かつオリゴヌクレオチ
ド断片の末端塩基が塩基特異的に断片化されてなる4種
のサンプルからなるサンプルセットを、複数用意し、こ
こで、オリゴヌクレオチド断片は、サンプルセットごと
に異なる標識によって標識されているものであり、サン
プルセットそれぞれについて得られた4種のサンプル
を、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サンプルセットの
区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片を一塩基の長
さの差異で識別し得る分離法に付して得られたものであ
る。
【0033】本発明の好ましい態様によれば、標識が蛍
光標識剤であるとき、標識を励起する前記標識励起手段
は、光照射手段と、この光照射手段から発せられた光
を、被験試料上において走査する走査手段とを含んでな
り、さらに前記検出手段が、試料ごとに異なる標識から
の蛍光を分離する手段と、分離された蛍光をそれぞれ検
出する手段とを含んでなる。
光標識剤であるとき、標識を励起する前記標識励起手段
は、光照射手段と、この光照射手段から発せられた光
を、被験試料上において走査する走査手段とを含んでな
り、さらに前記検出手段が、試料ごとに異なる標識から
の蛍光を分離する手段と、分離された蛍光をそれぞれ検
出する手段とを含んでなる。
【0034】本発明による分析装置の基本構成を図2を
用いて説明する。図中において、被験試料は泳動ゲル板
21である。本発明による第一または第二の態様による
方法に準じて得られた泳動ゲル板21には、複数の試料
に由来する標識されたオリゴヌクレオチド断片が、図中
の矢印の方向に電気泳動される。このゲル板21を、光
照射装置22(例えば、レーザ照射装置)から全ての標
識の励起光を含む光を照射し、走査手段であるミラー2
3を可動させ、図中の矢印の方向にスキャンする。光が
照射された位置に標識がある場合、標識は蛍光を発す
る。この蛍光を検出手段24により検出し、標識の位置
情報を得る。この検出手段24は、標識の種類の相違に
起因する異なる蛍光を区別して認識する機能を備えてい
ることから、同一の位置に複数のオリゴヌクレオチド断
片があっても、その由来となる試料を標識の相違によっ
て検出することが可能となる。また、別の態様によれ
ば、光照射装置22が標識ごとに異なる光を照射する。
この場合、検出手段24は標識の種類の相違に起因する
異なる蛍光を区別して認識する機能を備えている必要は
ないが、そのような機能を有していることがより正確な
検出のためには好ましい。
用いて説明する。図中において、被験試料は泳動ゲル板
21である。本発明による第一または第二の態様による
方法に準じて得られた泳動ゲル板21には、複数の試料
に由来する標識されたオリゴヌクレオチド断片が、図中
の矢印の方向に電気泳動される。このゲル板21を、光
照射装置22(例えば、レーザ照射装置)から全ての標
識の励起光を含む光を照射し、走査手段であるミラー2
3を可動させ、図中の矢印の方向にスキャンする。光が
照射された位置に標識がある場合、標識は蛍光を発す
る。この蛍光を検出手段24により検出し、標識の位置
情報を得る。この検出手段24は、標識の種類の相違に
起因する異なる蛍光を区別して認識する機能を備えてい
ることから、同一の位置に複数のオリゴヌクレオチド断
片があっても、その由来となる試料を標識の相違によっ
て検出することが可能となる。また、別の態様によれ
ば、光照射装置22が標識ごとに異なる光を照射する。
この場合、検出手段24は標識の種類の相違に起因する
異なる蛍光を区別して認識する機能を備えている必要は
ないが、そのような機能を有していることがより正確な
検出のためには好ましい。
【0035】図2において、電気泳動をマルチキャピラ
リーにより行う場合、泳動ゲル板21に変えてゲルを充
填した4本のキャピラリーを被験試料とすればよい。
リーにより行う場合、泳動ゲル板21に変えてゲルを充
填した4本のキャピラリーを被験試料とすればよい。
【0036】本発明による分析装置の標識励起手段と、
検出手段とを図3を用いてさらに詳しく説明する。この
図に示される系は、二つの試料を二つの異なる標識によ
って標識した場合に用いられる。図3において、励起光
源のレーザ装置31から照射されるレーザビームは、ト
ンネルミラー32に入射される。トンネルミラー32は
中央部に穴を持ち、その穴から励起光ビームが透過され
る。トンネルミラー32を通過したレーザビームは、集
光レンズ33に入り泳動ゲル板34に投光される。集光
レンズ33は励起光ビームの投光と蛍光の受光とを同じ
レンズで行うものであり、落射光学系を構成している。
集光レンズ33で集光された蛍光はトンネルミラー32
の鏡面で反射される。
検出手段とを図3を用いてさらに詳しく説明する。この
図に示される系は、二つの試料を二つの異なる標識によ
って標識した場合に用いられる。図3において、励起光
源のレーザ装置31から照射されるレーザビームは、ト
ンネルミラー32に入射される。トンネルミラー32は
中央部に穴を持ち、その穴から励起光ビームが透過され
る。トンネルミラー32を通過したレーザビームは、集
光レンズ33に入り泳動ゲル板34に投光される。集光
レンズ33は励起光ビームの投光と蛍光の受光とを同じ
レンズで行うものであり、落射光学系を構成している。
集光レンズ33で集光された蛍光はトンネルミラー32
の鏡面で反射される。
【0037】光学フィルター35はその反射光から励起
光成分を遮断し蛍光を透過させる。光学フィルター35
としては、励起光除去のためエッジフィルター、色ガラ
スを利用することができる。ピンホールスリット37は
検出視野を限定するためのものであり、隣接する塩基の
迷光進入を防ぐためのものである。絞りレンズ36は光
学フィルター35を透過した蛍光をピンホールスリット
37の位置に結像させる。ゲル内の蛍光標識された塩基
の蛍光発生点がピンホールスリット37の位置に結像さ
れることにより共焦点光学系を構成している。
光成分を遮断し蛍光を透過させる。光学フィルター35
としては、励起光除去のためエッジフィルター、色ガラ
スを利用することができる。ピンホールスリット37は
検出視野を限定するためのものであり、隣接する塩基の
迷光進入を防ぐためのものである。絞りレンズ36は光
学フィルター35を透過した蛍光をピンホールスリット
37の位置に結像させる。ゲル内の蛍光標識された塩基
の蛍光発生点がピンホールスリット37の位置に結像さ
れることにより共焦点光学系を構成している。
【0038】ピンホールスリット37での蛍光結像を2
つの光速にそれぞれ分割するために2分割レンズパネル
38が配置されている。2分割レンズパネル38は二つ
のレンズ38aと38bとからなり、これらは単レンズ
をカットして張り合わせたものまたはガラスモールド成
型品として製作できる。
つの光速にそれぞれ分割するために2分割レンズパネル
38が配置されている。2分割レンズパネル38は二つ
のレンズ38aと38bとからなり、これらは単レンズ
をカットして張り合わせたものまたはガラスモールド成
型品として製作できる。
【0039】その2つに分割された光束のそれぞれの光
路上には、2つの試料に対応した標識蛍光標識剤の異な
る分光用フィルターからなるフィルターパネル39が配
置されてなる。フィルターパネル39は、2つの試料の
標識蛍光標識剤に対応した2種類の波長特性の異なるバ
ンドパスフィルター39aおよび39bがそれぞれの光
路上にあるように配置されており、それぞれ二つの標識
からの蛍光のみを透過させる。それぞれのバンドパスフ
ィルターを透過した蛍光は、それぞれの光路上に配置さ
れている2つの光電子倍増管40aおよび40bにより
検出される。
路上には、2つの試料に対応した標識蛍光標識剤の異な
る分光用フィルターからなるフィルターパネル39が配
置されてなる。フィルターパネル39は、2つの試料の
標識蛍光標識剤に対応した2種類の波長特性の異なるバ
ンドパスフィルター39aおよび39bがそれぞれの光
路上にあるように配置されており、それぞれ二つの標識
からの蛍光のみを透過させる。それぞれのバンドパスフ
ィルターを透過した蛍光は、それぞれの光路上に配置さ
れている2つの光電子倍増管40aおよび40bにより
検出される。
【0040】上記構成は、試料が二つの場合であるが、
試料が増えた場合例えば試料が4つ、6つの場合には、
図3中の分割レンズパネル38、フィルターパネル39
をそれぞれ4分割、6分割し、光電子倍増管40を4
本、6本にすることにより、4つの試料、6つの試料を
判別することができる。
試料が増えた場合例えば試料が4つ、6つの場合には、
図3中の分割レンズパネル38、フィルターパネル39
をそれぞれ4分割、6分割し、光電子倍増管40を4
本、6本にすることにより、4つの試料、6つの試料を
判別することができる。
【0041】本発明による装置は、更に光電子倍増管4
0からの検出信号を解析する装置、および制御装置が備
えられている。その制御装置は図4に示される通りであ
る。図4に示されるように、制御装置は、CPU、光電
子増倍管からの検出信号をデジタル信号に変換してCP
Uに取リ込むA/D変換器、CPUからの指示により各部
と信号の授受を行なうI/Oインターフェース、および電
気泳動の温度制御を行なう温度コントローラを備えてな
る。I/Oインターフェースは、温度コントローラ、試料
注入用及び泳動用の高圧電源、走査機構のセンサー及び
モータ、サンプルステージのセンサーおよびモータ、レ
ーザ装置の電源、インターロック用安全スイッチ、表示
灯などと接続されてなる。CPUは外部のパーソナルコ
ンピュータ(PC)と接続されており、検出されたオリ
ゴヌクレオチド断片の長さ情報を解析して目的核酸の塩
基配列を決定する。
0からの検出信号を解析する装置、および制御装置が備
えられている。その制御装置は図4に示される通りであ
る。図4に示されるように、制御装置は、CPU、光電
子増倍管からの検出信号をデジタル信号に変換してCP
Uに取リ込むA/D変換器、CPUからの指示により各部
と信号の授受を行なうI/Oインターフェース、および電
気泳動の温度制御を行なう温度コントローラを備えてな
る。I/Oインターフェースは、温度コントローラ、試料
注入用及び泳動用の高圧電源、走査機構のセンサー及び
モータ、サンプルステージのセンサーおよびモータ、レ
ーザ装置の電源、インターロック用安全スイッチ、表示
灯などと接続されてなる。CPUは外部のパーソナルコ
ンピュータ(PC)と接続されており、検出されたオリ
ゴヌクレオチド断片の長さ情報を解析して目的核酸の塩
基配列を決定する。
【0042】本発明による装置の別の態様によれば、図
5に記載の装置が提供され、この装置は図3に記載の装
置おける分割レンズパネル38およびフィルターパネル
39に代えて、レンズ58および複数の蛍光に対応した
バンドパスフィルターが円形にセットされたバンドパス
フィルターアレイ59が配置されてなる。その後に光電
子倍増管60が1本設置される。図中で、図3と同一の
参照番号を伏してある部材は、図3に示される装置と同
一の構成部材であることを示す。この装置にあっては、
ゲル板34の一点に光を照射しながら、アレイ59を回
転させることで、一つの電子倍増管60により、連続的
に複数の蛍光を検出し、識別することができるとの利点
を有する。
5に記載の装置が提供され、この装置は図3に記載の装
置おける分割レンズパネル38およびフィルターパネル
39に代えて、レンズ58および複数の蛍光に対応した
バンドパスフィルターが円形にセットされたバンドパス
フィルターアレイ59が配置されてなる。その後に光電
子倍増管60が1本設置される。図中で、図3と同一の
参照番号を伏してある部材は、図3に示される装置と同
一の構成部材であることを示す。この装置にあっては、
ゲル板34の一点に光を照射しながら、アレイ59を回
転させることで、一つの電子倍増管60により、連続的
に複数の蛍光を検出し、識別することができるとの利点
を有する。
【図1】試料aおよびbの二つの試料の電気泳動パター
ンを示す図であり、図1(A)および(B)は、試料a
およびbそれぞれの電気泳動パターンであり、図1
(C)は、二つの試料を同時に電気泳動に付した際のパ
ターンである。
ンを示す図であり、図1(A)および(B)は、試料a
およびbそれぞれの電気泳動パターンであり、図1
(C)は、二つの試料を同時に電気泳動に付した際のパ
ターンである。
【図2】本発明による分析装置の基本構造の説明図であ
る。
る。
【図3】本発明による分析装置の光学系を示す図であ
る。
る。
【図4】本発明による装置の制御装置を示す図である。
【図5】本発明による分析装置の別の態様による光学系
を示す図である。
を示す図である。
21 泳動ゲル板 22 レーザ装置 23 光電子倍増管 31 レーザ装置 32 トンネルミラー 33 集光レンズ 34 泳動ゲル板 35 光学フィルター 36 絞りレンズ 37 ピンホールスリット 38 2分割レンズパネル 39 フィルターパネル 40 光電子倍増管 58 レンズ 59 バンドパスフィルターアレイ 60 光電子倍増管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA35 DA12 DA13 DA14 FA29 FB05 FB07 FB12 GC15 GC30 4B024 AA11 AA20 CA01 CA11 HA11 HA19 4B063 QA13 QQ42 QQ52 QR01 QR32 QR50 QS03 QS16 QS36 QS39 QX02
Claims (15)
- 【請求項1】複数の試料中の目的核酸の塩基配列を決定
する方法であって、 (a)目的核酸をそれぞれ含む複数の核酸試料を用意
し、 (b)前記目的核酸の一部と同一のまたは相補的な配列
を有する種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断
片を含み、かつ該オリゴヌクレオチド断片の末端塩基が
塩基特異的に断片化されてなる4種のサンプルを、核酸
試料それぞれについて調製し、ここで、前記オリゴヌク
レオチド断片は、核酸試料ごとに異なる標識によって標
識されてなるものであり、 (c)前記の核酸試料それぞれについて得られた4種の
サンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、由来とな
る核酸試料の区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片
を一塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付し、 (d)分離したオリゴヌクレオチド断片を前記標識によ
って検出し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基の
単位で分析して、前記目的核酸の塩基配列を決定するこ
とを含んでなる、方法。 - 【請求項2】前記4種のサンプルが、末端塩基がAのみ
であるサンプル、Cのみであるサンプル、Gのみである
サンプル、およびTのみであるサンプルからなる、請求
項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記4種のサンプルが、末端塩基がGのみ
であるサンプル、GおよびAのみであるサンプル、Tお
よびCのみであるサンプル、およびCのみであるサンプ
ルからなる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】前記標識が、蛍光標識剤である、請求項1
〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項5】オリゴヌクレオチドを一塩基の長さの差異
で識別し得る分離法がゲル電気泳動である、請求項1〜
4に記載の方法。 - 【請求項6】オリゴヌクレオチドの長さを一塩基の単位
で、複数のサンプルセットについて同時に分析する方法
であって、 種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断片を含
み、かつ該オリゴヌクレオチド断片の末端塩基が塩基特
異的に断片化されてなる4種のサンプルからなるサンプ
ルセットを、複数用意し、ここで、前記オリゴヌクレオ
チド断片は、サンプルセットごとに異なる標識によって
標識されてなるものであり、 前記のサンプルセットそれぞれについて得られた4種の
サンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サンプル
セットの区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片を一
塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付し、そして分
離したオリゴヌクレオチド断片を前記標識によって検出
し、オリゴヌクレオチド断片の長さを一塩基の単位で分
析することを含んでなる、方法。 - 【請求項7】前記4種のサンプルが、末端塩基がAのみ
であるサンプル、Cのみであるサンプル、Gのみである
サンプル、およびTのみであるサンプルからなる、請求
項6に記載の方法。 - 【請求項8】前記4種のサンプルが、末端塩基がGのみ
であるサンプル、GおよびAのみであるサンプル、Tお
よびCのみであるサンプル、およびCのみであるサンプ
ルからなる、請求項6に記載の方法。 - 【請求項9】前記標識が、蛍光標識剤である、請求項6
〜8のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項10】オリゴヌクレオチドを一塩基の長さの差
異で識別し得る分離法がゲル電気泳動である、請求項6
〜9のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項11】オリゴヌクレオチドの長さを一塩基の単
位で、複数のサンプルセットについて同時に分析する装
置であって、 標識されたオリゴヌクレオチド断片を一塩基の長さの差
異で分離した被験試料を保持する被験試料保持手段と、 標識が信号を発するために外部からのエネルギーにより
励起されることを必要とする場合、標識を励起する標識
励起手段と、 標識からの信号を検出し、オリゴヌクレオチド断片の長
さを一塩基の単位で分析する検出手段とを備えてなり、 前記被験試料が、 種々の長さの標識されたオリゴヌクレオチド断片を含
み、かつ該オリゴヌクレオチド断片の末端塩基が塩基特
異的に断片化されてなる4種のサンプルからなるサンプ
ルセットを、複数用意し、ここで、前記オリゴヌクレオ
チド断片は、サンプルセットごとに異なる標識によって
標識されているものであり、 前記のサンプルセットそれぞれについて得られた4種の
サンプルを、それぞれ末端塩基の種類ごとに、サンプル
セットの区別なく同時に、オリゴヌクレオチド断片を一
塩基の長さの差異で識別し得る分離法に付して得られた
ものである、装置。 - 【請求項12】前記標識が蛍光標識剤であり、 前記標識励起手段が、 全ての前記標識を励起させる励起光を含んでなる光を照
射する光照射手段と、 該光照射手段から発せられた光を、被験試料上において
走査する走査手段とを含んでなるものであり、 前記検出手段が、 異なる標識からの異なる蛍光を分離する分光手段と、 分離された蛍光をそれぞれ検出する手段とを含んでなる
ものである、請求項11に記載の装置。 - 【請求項13】前記標識が蛍光標識剤であり、 前記標識を励起する標識励起手段が、 標識ごとに異なる励起光を照射する光照射手段と、 該光照射手段から発せられた光を、被験試料上において
走査する走査手段とを含んでなるものである、請求項1
1に記載の装置。 - 【請求項14】前記被験試料がゲル板またはゲルが充填
されたキャピラリーである、請求項11に記載の装置。 - 【請求項15】得られたオリゴヌクレオチド断片の長さ
情報をもとに、前記目的核酸の塩基配列を決定する手段
をさらに有してなる、請求項11〜14に記載の装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10203619A JP2000035432A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | オリゴヌクレオチド検出および塩基配列決定法 |
EP99305648A EP0979878A3 (en) | 1998-07-17 | 1999-07-16 | Method for detecting oligonucleotides and determining base sequence of nucleic acids |
EP05075875A EP1568785A2 (en) | 1998-07-17 | 1999-07-16 | Method for detecting oligonucleotides and determining base sequence of nucleic acids |
US09/354,565 US6333156B1 (en) | 1998-07-17 | 1999-07-16 | Method for detecting oligonucleotides and determining base sequence of nucleic acids |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10203619A JP2000035432A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | オリゴヌクレオチド検出および塩基配列決定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000035432A true JP2000035432A (ja) | 2000-02-02 |
Family
ID=16477054
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10203619A Pending JP2000035432A (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | オリゴヌクレオチド検出および塩基配列決定法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6333156B1 (ja) |
EP (2) | EP1568785A2 (ja) |
JP (1) | JP2000035432A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20060084799A1 (en) * | 2003-09-24 | 2006-04-20 | Williams Lewis T | Human cDNA clones comprising polynucleotides encoding polypeptides and methods of their use |
WO2005035569A2 (en) * | 2003-10-10 | 2005-04-21 | Five Prime Therapeutics, Inc. | Kiaa0779, splice variants thereof, and methods of their use |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0799353B2 (ja) * | 1987-03-31 | 1995-10-25 | 株式会社島津製作所 | 塩基配列決定装置 |
SE9203320D0 (sv) * | 1992-11-06 | 1992-11-06 | Pharmacia Lkb Biotech | A method of processing nucleic acid samples |
DE19508366C2 (de) * | 1995-03-10 | 1998-01-29 | Evotec Biosystems Gmbh | Verfahren zum direkten Nachweisen weniger Nucleinsäurestränge |
US5763175A (en) * | 1995-11-17 | 1998-06-09 | Lynx Therapeutics, Inc. | Simultaneous sequencing of tagged polynucleotides |
-
1998
- 1998-07-17 JP JP10203619A patent/JP2000035432A/ja active Pending
-
1999
- 1999-07-16 EP EP05075875A patent/EP1568785A2/en not_active Withdrawn
- 1999-07-16 US US09/354,565 patent/US6333156B1/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-07-16 EP EP99305648A patent/EP0979878A3/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6333156B1 (en) | 2001-12-25 |
EP1568785A2 (en) | 2005-08-31 |
EP0979878A2 (en) | 2000-02-16 |
EP0979878A3 (en) | 2000-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6432634B1 (en) | Method, apparatus and kits for sequencing of nucleic acids using multiple dyes | |
JP3123249B2 (ja) | Dna分子の長さ計測方法および計測装置 | |
CA1258611A (en) | Method of dna sequencing | |
US6132578A (en) | Method and apparatus for electrophoresis separation and detection | |
EP1178305B1 (en) | Method of detecting the flow of electrical current through a separation channel and composition for use in same | |
US5002868A (en) | DNA sequencing process using stable isotopes | |
JP2000106900A (ja) | 混合dna断片分析法 | |
JP2628571B2 (ja) | オリゴヌクレオチドの分析装置 | |
US6982029B2 (en) | Electrophoretic method and system having internal lane standards for color calibration | |
US6436641B1 (en) | Method and apparatus for DNA sequencing | |
JP2000035432A (ja) | オリゴヌクレオチド検出および塩基配列決定法 | |
JPH11196874A (ja) | Dna断片分析法 | |
JP2005528909A (ja) | コンビナトリアルオリゴヌクレオチドpcrの改善方法 | |
JP2826366B2 (ja) | 蛍光検出型電気泳動装置 | |
JPH09512102A (ja) | 電気泳動分析用の方法および装置 | |
JP3951309B2 (ja) | Dna解析法 | |
JP2809227B2 (ja) | 電気泳動装置 | |
JPH05111399A (ja) | 核酸試料蛍光検出方法 | |
JPH1084999A (ja) | 多型解析方法 | |
JP2649794C (ja) | ||
JPH03210200A (ja) | 蛍光式遺伝子識別法 | |
JPH0591896A (ja) | 核酸ハイブリツド検定法 | |
JPH09140399A (ja) | 多種並行dnaシーケンシング方法 | |
JPH02142500A (ja) | 標識された核酸フラグメント |