JP2000035230A - 熱搬送装置 - Google Patents

熱搬送装置

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JP2000035230A
JP2000035230A JP10201435A JP20143598A JP2000035230A JP 2000035230 A JP2000035230 A JP 2000035230A JP 10201435 A JP10201435 A JP 10201435A JP 20143598 A JP20143598 A JP 20143598A JP 2000035230 A JP2000035230 A JP 2000035230A
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JP
Japan
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heat
refrigerant
tank
heat exchanger
hex3
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JP10201435A
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English (en)
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Kazuhide Mizutani
和秀 水谷
Osamu Tanaka
修 田中
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動の際には、加熱熱交換器(HEX3)に液冷
媒を確実に存在させて、起動を確実に行う。 【解決手段】 2次側回路(20)に、冷媒の蒸発で高圧
となる加熱熱交換器(HEX3)と、凝縮で低圧となる冷却
熱交換器(HEX4)とを設ける。これらの熱交換器(HEX
3,HEX4)によって、各メインタンク(T1,T2)を加減圧
して冷媒を循環させる。また、冷熱を蓄える蓄熱ユニッ
ト(40)を設ける。この2次側回路(20)に、第1及び
第2液戻し管(71,72)と、均圧配管(74)とを設け
る。第1液戻し管(71)は、蓄熱熱交換部(42)と加熱
熱交換器(HEX3)とを連通する。第2液戻し管(72)
は、主熱交換器(HEX2)と加熱熱交換器(HEX3)とを連
通する。均圧配管(74)は、蓄熱熱交換部(42)及び主
熱交換器(HEX2)と加熱熱交換器(HEX3)とを均圧す
る。また、蓄熱熱交換部(42)及び主熱交換器(HEX2)
を加熱熱交換器(HEX3)よりも上方に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液冷媒を貯留する
メインタンクを加減圧して液冷媒の押し出し及び回収を
行い、これによって冷媒を循環させて熱搬送を行う熱搬
送装置に関し、特に、起動対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱搬送装置には、特開平9−
178217号公報に開示されているように、液冷媒を
貯留したタンクを備え、タンク内部を昇圧してタンク内
の液冷媒を主冷媒回路に押し出す一方、タンク内部を減
圧して主冷媒回路中の液冷媒をタンクに回収することに
より、ポンプを用いることなく冷媒循環を可能にした熱
搬送装置がある。そして、圧縮機を備えて蒸気圧縮式冷
凍サイクルを構成する1次側回路を熱源とし、この1次
側回路に上述の熱搬送装置を2次側回路として組み合わ
せ、1次側回路の温熱又は冷熱を室内熱交換器に搬送し
て室内の空気調和を行う空気調和装置が知られている。
【0003】具体的に、1次側回路及び2次側回路は、
主熱交換器が接続されている。この主熱交換器では、1
次側回路の1次側冷媒と2次側回路の2次側冷媒とが熱
交換し、2次側冷媒が凝縮又は蒸発して1次側冷媒に温
熱又は冷熱を供給する。
【0004】一方、2次側回路には、液冷媒を貯留した
一対のタンクと、駆動用の加熱熱交換器と、駆動用の冷
却熱交換器とが設けられている。この加熱熱交換器に
は、高温高圧状態にある1次側回路の冷媒が供給され、
高温の1次側冷媒と2次側回路の液冷媒とが熱交換し、
2次側冷媒が加熱されて蒸発して加熱熱交換器が高圧状
態となる。また、冷却熱交換器には、低温低圧状態にあ
る1次側冷媒が供給され、この低温の1次側冷媒と2次
側回路のガス冷媒とが熱交換し、2次側冷媒が冷却され
て凝縮して冷却熱交換器が低圧状態となる。そして、こ
の高圧状態の加熱熱交換器と一方のタンクとを連通して
該タンクを加圧すると同時に、低圧状態の冷却熱交換器
と他方のタンクとを連通して該タンクを減圧する。これ
によって、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと他方
のタンクへの液冷媒の回収とを行い、2次側回路での冷
媒の循環動作を得るようにしている。
【0005】また、上述のようにして循環駆動力を付与
され、上記2次側回路内を循環する液冷媒の一部を、加
熱熱交換器へ供給するようにしている。そして、加熱熱
交換器へ液冷媒を安定して供給し、該加熱熱交換器を高
圧状態に維持することによって、2次側回路の冷媒に循
環駆動力を付与するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記熱
搬送装置では、加熱熱交換器に所定量以上の液冷媒が存
在する状態でなければ起動が行えないという問題があ
る。つまり、加熱熱交換器に液冷媒が全く存在しない場
合、加熱熱交換器では冷媒が蒸発せず、圧力も上昇しな
い。また、加熱熱交換器に液冷媒が存在してもその量が
充分でない場合、加熱熱交換器の圧力を充分に高めるこ
とができない。このため、メインタンクを加圧すること
ができず、メインタンクを加圧して2次側回路の冷媒を
循環させることができなくなる。更に、上述のように、
2次側回路内を循環する液冷媒を加熱熱交換器へ供給す
るようにしている。このため、回路内で冷媒を循環させ
ることができなければ、加熱熱交換器へ液冷媒を供給す
ることもできなくなる。従って、起動する際にある程度
の量の液冷媒が加熱熱交換器に存在しなければ、起動が
不可能となる。
【0007】一方、従来の熱搬送装置では、どの様な動
作状態で運転が停止されるか分からない。従って、場合
によっては、加熱熱交換器に起動に必要な量の液冷媒が
残っていない事態も起こり得るため、装置を起動できな
い事態が生ずるおそれがあった。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、起動時において加熱
熱交換器等の加減圧手段(2)に確実に液冷媒が存在す
るようにして、確実な起動が行われるようにすることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、運転停止中に
凝縮して回路内に溜まった冷媒を、起動時に加熱熱交換
器へ供給できるようにしたものである。
【0010】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、冷媒を熱源側と利用側との間で循環させる循環回路
(21)と、上記循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留
するメインタンク(T1,T2)、及び上記冷媒の一部を加
熱又は冷却してメインタンク(T1,T2)内を加圧又は減
圧し、該メインタンク(T1,T2)から液冷媒を循環回路
(21)に押し出す一方、上記循環回路(21)から液冷媒
をメインタンク(T1,T2)に吸引するための加減圧手段
(2)を有し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力
を付与する搬送回路(30)とを備え、上記熱源側から利
用側へ熱搬送を行う熱搬送装置を前提としている。
【0011】そして、上記循環回路(21)には、温熱又
は冷熱である熱を蓄える蓄熱手段(40)を設け、該循環
回路(21)を、熱源側の上記熱を蓄熱手段(40)に蓄え
る蓄熱運転、及び上記蓄熱手段(40)に蓄えた熱を利用
する利用運転を少なくとも行うように構成し、上記加減
圧手段(2)には、冷媒を加熱して蒸発させ、メインタ
ンク(T1,T2)を加圧するための加熱部(HEX3)と、液
冷媒を加熱部(HEX3)に回収する液回収管(34)とを設
ける一方、起動する際に、搬送回路(30)における液回
収管(34)以外の配管又は循環回路(21)の液冷媒を加
熱部(HEX3)に供給する起動用液供給手段(1)を設け
るものである。
【0012】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段において、加減圧手段(2)には、
加熱部(HEX3)よりも上方に配置され、冷媒を冷却して
凝縮させ、メインタンク(T1,T2)を減圧するための冷
却部(HEX4)を設ける一方、起動用液供給手段(1)に
は、上記冷却部(HEX4)と上記加熱部(HEX3)とを連通
させる起動用液配管(73)を設けるものである。
【0013】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第2の解決手段において、開閉手段(82)を有し、
該開閉手段(82)を開放して加熱部(HEX3)と冷却部
(HEX4)とを均圧する均圧通路(81)を設けるものであ
る。
【0014】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第3の解決手段において、メインタンク(T1,T2)
から押し出された液冷媒の一部を、加減圧手段(2)の
加熱部(HEX3)に供給するために貯留するサブタンク
(ST)を設ける。
【0015】また、加減圧手段(2)には、加熱部(HEX
3)とメインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)とに
接続されてメインタンク(T1,T2)の加圧用開閉弁(SV-
P1,SV-P2)及びサブタンク(ST)の加圧用開閉弁(SV-P
3)を有するガス供給管(31)と、冷却部(HEX4)とメ
インタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)とに接続さ
れてメインタンク(T1,T2)の減圧用開閉弁(SV-V1,SV-
V2)及びサブタンク(ST)の減圧用開閉弁(SV-V3)を
有するガス回収管(32)とを設ける。そして、上記加減
圧手段(2)を、メインタンク(T1,T2)の加圧用開閉弁
(SV-P1,SV-P2)の開口によってメインタンク(T1,T2)
を加圧し、メインタンク(T1,T2)の減圧用開閉弁(SV-
V1,SV-V2)の開口によってメインタンク(T1,T2)を減
圧すると共に、サブタンク(ST)の加圧用開閉弁(SV-P
3)の開口によってサブタンク(ST)を加圧してサブタ
ンク(ST)内の液冷媒を押し出し、サブタンク(ST)の
減圧用開閉弁(SV-V3)の開口によってサブタンク(S
T)を減圧してサブタンク(ST)内に液冷媒を吸引する
ように構成する。
【0016】その一方、上記メインタンク(T1,T2)の
加圧用開閉弁(SV-P1,SV-P2)及びメインタンク(T1,T
2)の減圧用開閉弁(SV-V1,SV-V2)、又はサブタンク
(ST)の加圧用開閉弁(SV-P3)及びサブタンク(ST)
の減圧用開閉弁(SV-V3)によって開閉手段(82)を構
成し、上記ガス供給管(31)及びガス回収管(32)を、
開閉手段(82)の加圧用及び減圧用の両開閉弁(SV-P1,
…,SV-V1,…)の開口によって上記加熱部(HEX3)と冷
却部(HEX4)とを均圧する均圧通路(81)に構成するも
のである。
【0017】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第1の解決手段において、循環回路(21)には、加
熱部(HEX3)よりも上方に配置され、熱源の温熱又は冷
熱を循環回路(21)の冷媒に供給する熱源側熱交換器
(HEX2)を設ける一方、起動用液供給手段(1)には、
上記熱源側熱交換器(HEX2)と上記加熱部(HEX3)とを
連通させる起動用液配管(72)と、該熱源側熱交換器
(HEX2)と該加熱部(HEX3)とを均圧可能に構成され
て、開閉弁(SV-1)を有する均圧配管(74)とを設ける
ものである。
【0018】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第1の解決手段において、蓄熱手段(40)には、蓄
熱媒体を備える蓄熱槽(41)と、加熱部(HEX3)よりも
上方に配置されると共に、循環回路(21)に接続されて
該循環回路(21)の冷媒と該蓄熱槽(41)の蓄熱媒体を
熱交換させる蓄熱熱交換部(42)とを設ける一方、起動
用液供給手段(1)には、上記蓄熱熱交換部(42)と上
記加熱部(HEX3)とを連通させる起動用液配管(71)
と、該蓄熱熱交換部(42)と該加熱部(HEX3)とを均圧
可能に構成されて、開閉弁(SV-1)を有する均圧配管
(74)とを設けるものである。
【0019】−作用− 上記第1の解決手段では、搬送回路(30)の加減圧手段
(2)は、加熱部(HEX3)において冷媒を加熱して蒸発
させる。また、該加減圧手段(2)は、搬送回路(30)
内の冷媒を冷却して凝縮させる。この加減圧手段(2)
での冷媒の蒸発又は凝縮によってメインタンク(T1,T
2)を加圧又は減圧し、メインタンク(T1,T2)から循環
回路(21)へ液冷媒を押し出す一方、循環回路(21)か
ら液冷媒を吸引する。これによって、循環回路(21)内
で冷媒が循環し、熱源側から利用側へ温熱又は冷熱を搬
送する。更に、上記循環回路(21)は、蓄熱手段(40)
を備え、熱源側の温熱又は冷熱である熱を蓄熱手段(4
0)に蓄える蓄熱運転、及び蓄熱手段(40)に蓄えた温
熱又は冷熱を利用する利用運転とを行う。尚、本解決手
段において、蓄熱手段(40)には、温熱又は冷熱の一方
だけを蓄えるようにしてもよいし、温熱と冷熱との両方
を蓄熱可能にしてもよい。
【0020】また、起動する際には、起動用液供給手段
(1)が、液回収管(34)以外の部分の液冷媒を加減圧
手段(2)の加熱部(HEX3)に供給する。つまり、液回
収管(34)は加熱部(HEX3)に液冷媒を供給するための
ものであるが、この液回収管(34)を通じて加熱部(HE
X3)に液冷媒を供給できない場合もあり得る。そして、
この様な場合であっても、該起動用液供給手段(1)に
よって、液回収管(34)以外の部分から液冷媒が加熱部
(HEX3)に供給される。このため、何れの場合であって
も、起動時には、加熱部(HEX3)に液冷媒が存在する状
態となる。
【0021】また、上記第2の解決手段では、搬送回路
(30)の加減圧手段(2)は、冷却部(HEX4)において
冷媒を冷却して凝縮させる。そして、起動する際には、
起動用液供給手段(1)の起動用液配管(73)を通じ
て、該冷却部(HEX4)で凝縮した冷媒を加熱部(HEX3)
に供給する。
【0022】また、上記第3の解決手段では、起動時に
開閉手段(82)を開放すると、均圧通路(81)を介して
加熱部(HEX3)と冷却部(HEX4)とが連通状態となっ
て、該加熱部(HEX3)と冷却部(HEX4)とが均圧され
る。そして、加熱部(HEX3)に存在する液冷媒が、ヘッ
ド差によって冷却部(HEX4)へ流れる。
【0023】また、上記第4の解決手段では、冷媒の蒸
発によって加熱部(HEX3)が高圧状態となる。そして、
メインタンク(T1,T2)の加圧用開閉弁(SV-P1,SV-P2)
を開くと、ガス供給管(31)を介してメインタンク(T
1,T2)と高圧状態の加熱部(HEX3)とが連通してメイン
タンク(T1,T2)が加圧される。一方、冷媒の凝縮によ
って冷却部(HEX4)が低圧状態となる。そして、メイン
タンク(T1,T2)の減圧用開閉弁(SV-V1,SV-V2)を開く
と、ガス回収管(32)を介してメインタンク(T1,T2)
と低圧状態の冷却部(HEX4)とが連通してメインタンク
(T1,T2)が減圧される。
【0024】また、サブタンク(ST)の減圧用開閉弁
(SV-V3)を開くと、ガス回収管(32)を介してサブタ
ンク(ST)と上記冷却部(HEX4)とが連通してサブタン
ク(ST)が減圧され、サブタンク(ST)内に液冷媒が吸
引されて貯留される。次に、サブタンク(ST)の加圧用
開閉弁(SV-P3)を開くと、ガス供給管(31)を介して
サブタンク(ST)と上記加熱部(HEX3)とが連通してサ
ブタンク(ST)が加圧され、サブタンク(ST)内の液冷
媒を押し出される。このサブタンク(ST)から押し出さ
れた液冷媒は、加熱部(HEX3)に供給される。このよう
にして、加熱部(HEX3)へ液冷媒を供給して蒸発させる
ことによって、加熱部(HEX3)を高圧状態に維持する。
【0025】その一方、起動する際には、加熱部(HEX
3)と冷却部(HEX4)とを均圧して加熱部(HEX3)内の
液冷媒を冷却部(HEX4)に供給する。具体的に、メイン
タンク(T1,T2)の加圧用開閉弁(SV-P1,SV-P2)及びメ
インタンク(T1,T2)の減圧用開閉弁(SV-V1,SV-V2)を
開くと、加熱部(HEX3)と冷却部(HEX4)とは、ガス供
給管(31)及びガス回収管(32)を介して連通状態とな
って均圧する。また、サブタンク(ST)の加圧用開閉弁
(SV-P3)及びサブタンク(ST)の減圧用開閉弁(SV-V
3)を開いた場合でも、加熱部(HEX3)と冷却部(HEX
4)とは、ガス供給管(31)及びガス回収管(32)を介
して連通状態となって均圧する。
【0026】また、上記第5の解決手段では、循環回路
(21)を循環する冷媒は、熱源側熱交換器(HEX2)にお
いて熱源の温熱又は冷熱を受け取り、この温熱又は冷熱
を利用側へ搬送する。この熱源側熱交換器(HEX2)に
は、運転停止中に冷媒が凝縮して溜まり込むことがあ
る。一方、熱源側熱交換器(HEX2)は加熱部(HEX3)よ
りも上方に配置されている。従って、均圧配管(74)の
開閉弁(SV-1)を開いて熱源側熱交換器(HEX2)と加熱
熱交換器とを均圧すると、起動用液配管(72)を通じ
て、ヘッド差によって液冷媒が熱源側熱交換器(HEX2)
から加熱部(HEX3)へと流れる。
【0027】また、上記第6の解決手段では、蓄熱運転
時には、蓄熱熱交換部(42)において循環回路(21)の
冷媒と蓄熱槽(41)内の蓄熱媒体とが熱交換を行い、蓄
熱媒体に冷熱が蓄熱される。この蓄熱熱交換部(42)に
は、運転停止中に冷媒が凝縮して溜まり込むことがあ
る。一方、蓄熱熱交換部(42)は加熱部(HEX3)よりも
上方に配置されている。従って、均圧配管(74)の開閉
弁(SV-1)を開いて蓄熱熱交換部(42)と加熱熱交換器
とを均圧すると、起動用液配管(71)を通じて、ヘッド
差によって液冷媒が熱源側熱交換器(HEX2)から加熱部
(HEX3)へと流れる。
【0028】
【発明の効果】従って、上記の解決手段によれば、該起
動用液供給手段(1)によって、液冷媒を加熱部(HEX
3)に供給することができ、起動時には、常に加熱部(H
EX3)内に液冷媒が存在する状態とすることができる。
このため、どの様な場合であっても加熱部(HEX3)にお
いて液冷媒を蒸発させて、メインタンク(T1,T2)を加
圧することができる。この結果、起動を確実に行うこと
が可能となる。
【0029】特に、上記第2の解決手段によれば、運転
中には常に冷媒を凝縮させている冷却部(HEX4)から、
起動用液配管(73)を通じて加熱部(HEX3)に供給する
ことができる。このため、どの様な場合においても液冷
媒が存在する冷却部(HEX4)から加熱部(HEX3)へ液冷
媒を確実に供給することができ、起動を確実に行うこと
が可能となる。
【0030】また、上記第3の解決手段によれば、加熱
部(HEX3)と冷却部(HEX4)とを均圧通路(81)によっ
て連通させて均圧することができる。この結果、加熱部
(HEX3)に存在する液冷媒を、冷却部(HEX4)に対して
ヘッド差によって一層確実に供給することができ、起動
を確実に行うことができる。
【0031】また、上記第4の解決手段では、メインタ
ンク(T1,T2)の加圧用及び減圧用開閉弁(SV-P1,…,SV
-V1,…)、又はサブタンク(ST)の加圧用及び減圧用開
閉弁(SV-P3,SV-V3)を開閉手段(82)に構成し、ガス
供給管(31)及びガス回収管(32)を均圧通路(81)に
構成するようにしている。一方、これらの開閉弁(SV-P
1,…,SV-V1,…)やガス配管(31,32)は、加減圧手段
(2)の構成要素である。従って、本解決手段によれ
ば、加減圧手段(2)の構成要素を用いて加熱部(HEX
3)と冷却部(HEX4)とを均圧することができる。この
結果、熱搬送手段の構成を複雑化させることなく、加熱
部(HEX3)に存在する液冷媒を冷却部(HEX4)へ確実に
供給することができ、起動を確実に行うことができる。
【0032】また、上記第5の解決手段によれば、停止
中に熱源側熱交換器(HEX2)に溜まり込んだ液冷媒を起
動用液配管(72)を通じて加熱部(HEX3)に供給するこ
とができる。例えば、蓄熱手段(40)に温熱を蓄えると
蓄熱手段(40)は比較的温度が高くなる。このため、冷
媒は蓄熱手段(40)側にはあまり溜まらず、主に熱源側
熱交換器(HEX2)に溜まり込む。そして、この様な場合
であっても、熱源側熱交換器(HEX2)に溜まった液冷媒
を加熱部(HEX3)に供給することができる。この結果、
何れの場合においても加熱部(HEX3)へ液冷媒を確実に
供給することができ、起動を確実に行うことが可能とな
る。
【0033】また、上記第6の解決手段によれば、停止
中に蓄熱熱交換部(42)に溜まり込んだ液冷媒を起動用
液配管(71)を通じて加熱部(HEX3)に供給することが
できる。例えば、蓄熱手段(40)に冷熱を蓄えると、蓄
熱手段(40)の蓄熱媒体は比較的温度が低くなる。この
ため、冷媒は、主に蓄熱熱交換部(42)に溜まり込む。
そして、この様な場合であっても、蓄熱熱交換部(42)
に溜まった液冷媒を加熱部(HEX3)に供給することがで
きる。この結果、何れの場合においても加熱部(HEX3)
へ液冷媒を確実に供給することができ、起動を確実に行
うことが可能となる。
【0034】更に、上記第2〜第6の各解決手段によれ
ば、ポンプ等の駆動源を用いることなく、ヘッド差によ
って液冷媒を加熱部(HEX3)へ送ることができる。この
結果、非常に簡素な構成によって、加熱部(HEX3)へ液
冷媒を供給することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明の特
徴とする熱搬送装置を備え、熱源で生成した温熱又は冷
熱を搬送して室内の暖房又は冷房を行う空気調和装置で
ある。
【0036】図1に示すように、本実施形態の空気調和
装置は、温熱又は冷熱を生成する熱源側冷媒回路(10)
と、搬送回路(30)を備えて熱源側冷媒回路(10)の温
熱又は冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送し利用する利
用側冷媒回路(20)と、利用側冷媒回路(20)の冷媒に
循環駆動力を付与する駆動回路(50)とを備えている。
また、該熱源側冷媒回路(10)及び駆動回路(50)は、
それぞれが圧縮機(11,51)を有する冷媒回路であっ
て、蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。以下、熱
源側冷媒回路(10)を1次側回路(10)といい、利用側
冷媒回路(20)を2次側回路(20)という。
【0037】上記1次側回路(10)は、1次側圧縮機
(11)、1次側四路切換弁(12)、室外熱交換器(HEX
6)、第3電動弁(EV-3)及び主熱交換器(HEX2)を順
に冷媒配管により接続して成る閉回路であって、内部を
冷媒が循環して温熱又は冷熱を生成する蒸気圧縮式冷凍
サイクルを構成している。そして、該1次側回路(10)
は、熱源側熱交換器である主熱交換器(HEX2)を介して
上記2次側回路(20)へ温熱又は冷熱を供給するように
構成されている。
【0038】上記2次側回路(20)は、主熱交換器(HE
X2)と複数の室内ユニット(22)とを備える循環回路で
ある主回路(21)に、2次側四路切換弁(23)を介して
上記搬送回路(30)を接続して形成されている。該室内
ユニット(22)は、室内熱交換器(HEX1)と室内電動弁
(EV)とを冷媒配管で直列に接続して構成されている。
そして、各室内ユニット(22)の室内熱交換器(HEX1)
側の一端は、それぞれ主ガス配管(24)を介して主熱交
換器(HEX2)の上端部に接続されると共に、各室内ユニ
ット(22)の室内電動弁(EV)側の一端は、それぞれ主
液配管(25)を介して2次側四路切換弁(23)に接続さ
れている。また、該主熱交換器(HEX2)の下端部は、主
液配管(26)を介して2次側四路切換弁(23)に接続さ
れている。この主液配管(26)には、第2電動弁(EV-
2)が設けられている。
【0039】また、上記主回路(21)には、蓄熱ユニッ
ト(40)が接続されている。該蓄熱ユニット(40)は、
蓄熱槽(41)に蓄熱熱交換部(42)を収納して成り、該
蓄熱槽(41)には蓄熱媒体としての水が満たされてい
る。該蓄熱熱交換部(42)は、所定の長さを有する所定
本数の伝熱管によって構成されて蓄熱槽(41)の内部に
収納される一方、一端が上記主液配管(25)に、他端が
上記主ガス配管(24)に、それぞれ蓄熱配管(43)を介
して接続されている。また、蓄熱熱交換部(42)と主液
配管(25)の間には、第1電動弁(EV-1)が設けられて
いる。更に、上記蓄熱配管(43)には、蓄熱分岐管(4
4)が接続されている。この蓄熱分岐管(44)は、蓄熱
電磁弁(SV)を備える一方、一端が蓄熱熱交換部(42)
と第1電動弁(EV-1)の間に、他端が2次側四路切換弁
(23)と第2電動弁(EV-2)の間の主液配管(26)にそ
れぞれ接続されている。そして、上記蓄熱熱交換部(4
2)において2次側回路(20)の冷媒と蓄熱槽(41)内
の水とを熱交換させるようにしている。
【0040】上記搬送回路(30)は、2次側回路(20)
の冷媒に循環駆動力を付与するものであり、冷媒が充填
されると共に、加熱部である加熱熱交換器(HEX3)と、
冷却部である冷却熱交換器(HEX4)と、放熱熱交換器
(HEX5)と、液冷媒を貯留する第1及び第2メインタン
ク(T1,T2)と、サブタンク(ST)とを備えている。そ
して、該加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX
4)と、該加熱及び冷却熱交換器(HEX3,HEX4)と各メイ
ンタンク(T1,T2)とを接続するガス配管(31,32)と、
各ガス配管(31,32)に設けられた減圧電磁弁(SV-V1,S
V-V2)及び加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)とによって加減
圧手段(2)が構成されている。
【0041】上記加熱熱交換器(HEX3)は、駆動回路
(50)の冷媒が供給され、該駆動回路(50)の冷媒と2
次側回路(20)の液冷媒とを熱交換させ、該液冷媒を加
熱し蒸発させるように構成されている。この2次側回路
(20)の液冷媒の蒸発によって、加熱熱交換器(HEX3)
の内部は高圧状態となる。一方、上記冷却熱交換器(HE
X4)は、駆動回路(50)の冷媒が供給され、該駆動回路
(50)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とを熱交換
させ、該ガス冷媒を冷却し凝縮させるように構成されて
いる。この2次側回路(20)のガス冷媒の凝縮によっ
て、冷却熱交換器(HEX4)の内部は低圧状態となる。そ
して、一方のメインタンク(T1,T2)を加熱熱交換器(H
EX3)と連通して加圧し、該メインタンク(T1,T2)内の
液冷媒を押し出すと同時に、他方のメインタンク(T1,T
2)を冷却熱交換器(HEX4)と連通して減圧し、該メイ
ンタンク(T1,T2)内へ液冷媒を回収する。
【0042】具体的に、上記冷却熱交換器(HEX4)の上
端部にはガス回収管(32)が接続されている。このガス
回収管(32)は3本の分岐管(32a,32b,32c)に分岐さ
れて、各分岐管(32a〜32c)が各メインタンク(T1,T
2)及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続してい
る。第1メインタンク(T1)に接続する分岐管(32a)
には第1タンク減圧電磁弁(SV-V1)が、第2メインタ
ンク(T2)に接続する分岐管(32b)には第2タンク減
圧電磁弁(SV-V2)がそれぞれ設けられている。この第
1及び第2タンク減圧電磁弁(SV-V1,SV-V2)は、メイ
ンタンク(T1,T2)の減圧用開閉弁を構成している。サ
ブタンク(ST)に接続する分岐管(32c)には、第3タ
ンク減圧電磁弁(SV-V3)が設けられている。この第3
タンク減圧電磁弁(SV-V3)は、サブタンク(ST)の減
圧開閉弁を構成している。
【0043】また、この冷却熱交換器(HEX4)の下端部
には液配管である液供給管(33)が接続されている。こ
の液供給管(33)は2本の分岐管(33a,33b)に分岐さ
れ、各分岐管(33a,33b)が各メインタンク(T1,T2)の
下端部にそれぞれ接続している。これら分岐管(33a,33
b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の回収のみ
を許容する逆止弁(CV-2)が設けられている。
【0044】一方、上記加熱熱交換器(HEX3)の上端部
にはガス供給管(31)が接続されている。このガス供給
管(31)は、3本の分岐管(31a,31b,31c)に分岐さ
れ、各分岐管(31a〜31c)が上記ガス回収管(32)の分
岐管(32a〜32c)に接続されている。これにより、該ガ
ス供給管(31)の各分岐管(31a〜31c)が各メインタン
ク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接
続している。第1メインタンク(T1)に接続する分岐管
(31a)には第1タンク加圧電磁弁(SV-P1)が、第2メ
インタンク(T2)に接続する分岐管(31b)には第2タ
ンク加圧電磁弁(SV-P2)がそれぞれ設けられている。
この第1及び第2タンク加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2)
は、メインタンク(T1,T2)の加圧用開閉弁を構成して
いる。サブタンク(ST)に接続する分岐管(31c)に
は、第3タンク加圧電磁弁(SV-P3)が設けられてい
る。この第3タンク加圧電磁弁(SV-P3)は、サブタン
ク(ST)の加圧用開閉弁を構成している。
【0045】また、この加熱熱交換器(HEX3)の下端部
には液回収管(34)が接続されている。この液回収管
(34)はサブタンク(ST)の下端部に接続されている。
この液回収管(34)には、サブタンク(ST)からの冷媒
の流出のみを許容する逆止弁(CV-1)が設けられてい
る。
【0046】尚、各メインタンク(T1,T2)は冷却熱交
換器(HEX4)よりも低い位置に、サブタンク(ST)は、
加熱熱交換器(HEX3)よりも高い位置にそれぞれ設置さ
れている。また、主熱交換器(HEX2)及び蓄熱熱交換部
(42)は、共に加熱熱交換器(HEX3)よりも高い位置に
設置されている。
【0047】また、各メインタンク(T1,T2)には回収
用液配管(38)と押出し用液配管(37)とが接続されて
いる。この回収用液配管(38)は2本の分岐管(38a,38
b)に分岐され、各分岐管(38a,38b)が各メインタンク
(T1,T2)の下端部にそれぞれ接続している。これら各
分岐管(38a,38b)には、各メインタンク(T1,T2)への
冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-5)が設けられて
いる。一方、押出し用液配管(37)は3本の分岐管(37
a,37b,37c)に分岐され、各分岐管(37a〜37c)が上記
回収用液配管(38)の分岐管(38a,38b)及び液回収管
(34)に接続することにより、各メインタンク(T1,T
2)及びサブタンク(ST)の下端部に接続している。こ
れら分岐管(37a〜37c)のうち、各メインタンク(T1,T
2)に接続する分岐管(37a,37b)には、メインタンク
(T1,T2)下端からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁
(CV-3)が設けられる一方、サブタンク(ST)に接続す
る分岐管(37c)には、該サブタンク(ST)への冷媒の
流入のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0048】上記放熱熱交換器(HEX5)は、上記押出し
用液配管(37)に設けられ、各メインタンク(T1,T2)
から押し出された2次側回路(20)の液冷媒と、駆動回
路(50)の冷媒とを熱交換させるように構成されてい
る。そして、この放熱熱交換器(HEX5)における両冷媒
の熱交換によって、冷却熱交換器(HEX4)における熱交
換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量とをバラ
ンスさせるようにしている。
【0049】上記搬送回路(30)の回収用液配管(38)
及び押出し用液配管(37)は、2次側四路切換弁(23)
を介して主回路(21)の主液配管(25,26)に接続され
ている。そして、上記2次側回路(20)は、一方のメイ
ンタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒が押出し用
液配管(37)を通って主回路(21)へ流れ、主回路(2
1)を循環した後に回収用液配管(38)を通って他方の
メインタンク(T1,T2)に回収されるように構成されて
いる。また、2次側四路切換弁(23)を切り換えること
によって、主回路(21)において冷媒の循環方向を反転
可能に構成している。
【0050】また、上記2次側回路(20)には、本発明
の特徴とする、第1液戻し管(71)、第2液戻し管(7
2)及び均圧配管(74)が設けられている。この第1液
戻し管(71)、第2液戻し管(72)及び均圧配管(74)
が起動用液供給手段(1)を構成すると共に、第1及び
第2液戻し管(71,72)が起動用液配管を構成してい
る。
【0051】上記第1液戻し管(71)は、一端が上記蓄
熱ユニット(40)の蓄熱熱交換部(42)に、他端が上記
液回収管(34)における逆止弁(CV-1)と加熱熱交換器
(HEX3)の間にそれぞれ接続されている。また、該第1
液戻し管(71)には、該一端から他端へ向かう冷媒の流
通のみを許容する逆止弁(CV-6)が設けられている。そ
して、該第1液戻し管(71)は、液回収管(34)を介し
て該蓄熱熱交換部(42)と加熱熱交換器(HEX3)とを連
通させている。
【0052】上記第2液戻し管(72)は、一端が上記主
熱交換器(HEX2)と2次側四路切換弁(23)の間の主液
配管(26)に、他端が上記液回収管(34)における逆止
弁(CV-1)と加熱熱交換器(HEX3)の間にそれぞれ接続
されている。また、該第2液戻し管(72)には、該一端
から他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV
-7)が設けられている。該第2液戻し管(72)は、主液
配管(26)及び液回収管(34)を介して該主熱交換器
(HEX2)と加熱熱交換器(HEX3)とを連通させている。
【0053】上記均圧配管(74)は、一端が上記ガス供
給管(31)に、他端が上記主ガス配管(24)にそれぞれ
接続されている。また、該均圧配管(74)には、該開閉
弁である均圧電磁弁(SV-1)が設けられている。そし
て、該均圧電磁弁(SV-1)を開くことによって、共に主
ガス配管(24)に接続している主熱交換器(HEX2)及び
蓄熱熱交換部(42)と、ガス供給管(31)に接続する加
熱熱交換器(HEX3)とを均圧するように構成されてい
る。
【0054】上記駆動回路(50)は、駆動圧縮機(5
1)、加熱熱交換器(HEX3)、放熱熱交換器(HEX5)、
第4電動弁(EV-4)及び冷却熱交換器(HEX4)を順に冷
媒配管で接続して成り、内部を冷媒が循環する。そし
て、該駆動回路(50)は、加熱熱交換器(HEX3)におい
て2次側回路(20)の冷媒を蒸発させて該加熱熱交換器
(HEX3)内を高圧状態にすると同時に、冷却熱交換器
(HEX4)において2次側回路(20)の冷媒を凝縮させて
該冷却熱交換器(HEX4)内を低圧状態にするように構成
されている。
【0055】また、上記放熱熱交換器(HEX5)は、2次
側回路(20)の液冷媒と駆動回路(50)の冷媒とを熱交
換させることによって、冷却熱交換器(HEX4)における
熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量とが
均衡するようにしている。つまり、2次側回路(20)の
冷媒に確実に循環駆動力を付与するには、加熱熱交換器
(HEX3)における2次側回路(20)の液冷媒の蒸発量
と、冷却熱交換器(HEX4)における2次側回路(20)の
ガス冷媒の凝縮量とを等しくする必要がある。従って、
加熱熱交換器(HEX3)における駆動回路(50)の冷媒の
放熱量と、冷却熱交換器(HEX4)における駆動回路(5
0)の冷媒の吸熱量とを均衡させなければならない。こ
れに対し、本実施形態では上記放熱熱交換器(HEX5)を
設け、駆動圧縮機(51)における入熱分を放熱熱交換器
(HEX5)において放熱させることよって、上述の加熱熱
交換器(HEX3)における放熱量と冷却熱交換器(HEX4)
における吸熱量とをバランスさせている。
【0056】−運転動作− 1次側回路(10)で生成した冷熱を室内ユニット(22)
へ搬送する冷房運転時における運転動作について説明す
る。
【0057】先ず、上記1次側回路(10)の動作につい
て説明する。この運転時において、該1次側回路(10)
では、1次側四路切換弁(12)が図1に実線で示すよう
に切り換えられ、第3電動弁(EV-3)が所定開度に調整
される。
【0058】この状態において、図1に一点鎖線の矢印
で示すように、1次側回路(10)内を冷媒が循環する。
即ち、1次側圧縮機(11)から吐出された高圧のガス冷
媒は、1次側四路切換弁(12)を通って室外熱交換器
(HEX6)へ流れ、室外熱交換器(HEX6)で外気と熱交換
して凝縮して高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒
は、第3電動弁(EV-3)で減圧された後に、主熱交換器
(HEX2)において2次側回路(20)の冷媒と熱交換して
蒸発する。その際、1次側回路(10)において冷熱が生
成し、該冷熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。
該主熱交換器(HEX2)で蒸発した1次側回路(10)の冷
媒は、その後、1次側圧縮機(11)に吸入され、この循
環を繰り返す。
【0059】次に、上記駆動回路(50)の動作について
説明する。この運転時において、該駆動回路(50)で
は、第4電動弁(EV-4)が所定開度に調整される。
【0060】この状態において、図1に二点鎖線の矢印
で示すように、駆動回路(50)内を冷媒が循環する。即
ち、駆動圧縮機(51)から吐出された高圧のガス冷媒
は、加熱熱交換器(HEX3)へ流れ、加熱熱交換器(HEX
3)で2次側回路(20)の液冷媒と熱交換を行い、凝縮
して高圧の液冷媒となる。その際、2次側回路(20)の
液冷媒は加熱されて蒸発する。加熱熱交換器(HEX3)で
凝縮した冷媒は、放熱熱交換器(HEX5)へ流れ、2次側
回路(20)の液冷媒との熱交換によって冷却される。こ
れによって、駆動回路(50)からの放熱が行われる。こ
の冷却された液冷媒は、第4電動弁(EV-4)で減圧され
た後に、冷却熱交換器(HEX4)において2次側回路(2
0)の冷媒と熱交換して蒸発する。その際、2次側回路
(20)の液冷媒は冷却されて凝縮する。該冷却熱交換器
(HEX4)で蒸発した駆動回路(50)の冷媒は、駆動圧縮
機(51)に吸入されて、この循環を繰り返す。
【0061】次に、上記2次側回路(20)の動作につい
て説明する。搬送回路(30)の各電磁弁(SV-P1,SV-V2,
SV-P3)が次の状態にあるところから説明する。第1メ
インタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、サブタンク
(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)、第2メインタンク(T
2)の減圧電磁弁(SV-V2)が開放されている。一方、第
2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メ
インタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク
(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)は閉鎖されている。ま
た、2次側四路切換弁(23)は図1に実線で示すように
切り換えられ、各室内ユニット(22)の室内電動弁(E
V)は所定開度に調整され、第2電動弁(EV-2)は開放
され、第1電動弁(EV-1)及び蓄熱電磁弁(SV)は閉鎖
されている。
【0062】この状態において、加熱熱交換器(HEX3)
では、駆動回路(50)の冷媒と2次側回路(20)の液冷
媒とが熱交換し、該液冷媒が加熱されて蒸発する。この
2次側回路(20)の液冷媒の蒸発によって加熱熱交換器
(HEX3)内が高圧状態となる。そして、加圧電磁弁(SV
-P1)の開放によって加熱熱交換器(HEX3)と第1メイ
ンタンク(T1)とが連通し、第1メインタンク(T1)が
加圧される。このため、第1メインタンク(T1)に貯留
された液冷媒が、図1の実線の矢印に示すように、第1
メインタンク(T1)から押し出される。第1メインタン
ク(T1)から押し出された液冷媒は、押出し用液配管
(37)の分岐管(37a)から押出し用液配管(37)へ流
れ、2次側四路切換弁(23)を通って主回路(21)の主
液配管(25)へ流れる。
【0063】一方、冷却熱交換器(HEX4)では、駆動回
路(50)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とが熱交
換し、該2次側冷媒が冷却されて凝縮する。この2次側
回路(20)のガス冷媒の凝縮によって冷却熱交換器(HE
X4)内が低圧状態となる。そして、減圧電磁弁(SV-V
2)の開放によって冷却熱交換器(HEX4)と第2メイン
タンク(T2)とが連通し、第2メインタンク(T2)が減
圧される。このため、第2メインタンク(T2)には主回
路(21)の液冷媒が回収される。つまり、図1の実線の
矢印に示すように、主液配管(26)の液冷媒が吸引さ
れ、2次側四路切換弁(23)、回収用液配管(38)、回
収用液配管(38)の分岐管(38b)を順に流れて第2メ
インタンク(T2)に回収される。
【0064】上記2次側回路(20)の主回路(21)で
は、上述のような第1メインタンク(T1)からの液冷媒
の押し出しと、第2メインタンク(T2)への液冷媒の回
収とによって冷媒が循環し、1次側回路(10)の冷熱を
室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の冷房が行われ
る。具体的に、第1メインタンク(T1)からの押し出さ
れて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、各室内ユニット
(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開
度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れ
る冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分
流した液冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と
熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却して調和空気を
生成する。そして、この低温の調和空気が室内の冷房に
供される。各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷媒は、
合流して主ガス配管(24)を通って主熱交換器(HEX2)
へ流れる。主熱交換器(HEX2)へ流れたガス冷媒は、1
次側回路(10)の冷媒と熱交換を行い、該1次側冷媒が
蒸発して生成した冷熱によって冷却されて凝縮し、再び
液冷媒となる。この液冷媒は、主液配管(26)を流れ、
回収用液配管(38)を通って第2メインタンク(T2)に
回収される。
【0065】また、搬送回路(30)において、サブタン
ク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)と均圧されている。
このため、図1に実線の矢印で示すように、該サブタン
ク(ST)内の液冷媒が液回収管(34)を経て加熱熱交換
器(HEX3)に供給される。この供給された液冷媒は加熱
熱交換器(HEX3)内で蒸発して第1メインタンク(T1)
内の加圧に寄与する。その後、このサブタンク(ST)内
の液冷媒の殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給される
と、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖さ
れると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)
が開放される。これによってサブタンク(ST)が減圧さ
れ、押出し用液配管(37)を流れている冷媒の一部が回
収される。
【0066】このような動作を所定時間行った後、搬送
用回路(C)の電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を切換える。
つまり、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P
1)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)、
サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)を閉鎖する。
第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1
メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1)、サブタン
ク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)を開放する。
【0067】これによって、第1メインタンク(T1)が
減圧され、逆に、第2メインタンク(T2)及びサブタン
ク(ST)が加圧される。このため、第2メインタンク
(T2)から押し出された液冷媒が上述と同様に循環して
第1メインタンク(T1)に回収される冷媒循環状態とな
り、また、サブタンク(ST)内の液冷媒が加熱熱交換器
(HEX3)に供給される。この場合にも、このサブタンク
(ST)内の液冷媒の殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給
されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が
閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV
-V3)が開放されて、サブタンク(ST)への冷媒の回収
が行われる。
【0068】以上のように各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)
が切換え動作を行い、冷媒が第1メインタンク(T1)か
ら押し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動
作と、冷媒が第2メインタンク(T2)から押し出されて
第2メインタンク(T2)に回収される動作とが交互に行
われる。そして、2次側回路(20)の主回路(21)にお
いて冷媒が循環し、室内の冷房が行われる。
【0069】次に、1次側回路(10)で生成した冷熱を
蓄熱ユニット(40)へ搬送して蓄熱する冷蓄熱運転時に
おける運転動作について説明する。
【0070】この運転時において、1次側回路(10)及
び駆動回路(50)は、上述の冷房運転時と同様に動作
し、冷熱を生成する。また、2次側回路(20)の搬送回
路(30)も上述の冷房運転時と同様に動作し、主回路
(21)において冷媒を循環させるようにしている。一
方、上記主回路(21)では、2次側四路切換弁(23)が
図1に実線で示すように切り換えられ、各室内ユニット
(22)の室内電動弁(EV)及び蓄熱電磁弁(SV)が閉鎖
され、第1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-2)が開
放される。
【0071】この状態で、一方のメインタンク(T1,T
2)からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒
は、図1に破線の矢印で示すように、蓄熱配管(43)を
通って蓄熱熱交換部(42)へ流れる。蓄熱熱交換部(4
2)へ流れた液冷媒は、蓄熱槽(41)に満たされた水と
熱交換して蒸発する。この液冷媒との熱交換によって蓄
熱槽(41)内の水が冷却されて氷が生成し、蓄熱媒体で
ある水に冷熱が蓄えられる。蓄熱熱交換部(42)で蒸発
した冷媒は、主ガス配管(24)を通って主熱交換器(HE
X2)へ流れ、上記冷房運転時と同様に凝縮して液冷媒と
なった後に他方のメインタンク(T1,T2)に回収され
る。
【0072】次に、蓄熱ユニット(40)に蓄えられた冷
熱を室内ユニット(22)へ搬送する利用冷房運転時にお
ける運転動作について説明する。
【0073】この運転時において、1次側回路(10)の
1次側圧縮機(11)は停止し、駆動回路(50)は上述の
冷房運転時と同様に動作する。また、2次側回路(20)
の搬送回路(30)は上述の冷房運転時と同様に動作し、
主回路(21)において冷媒を循環させるようにしてい
る。一方、上記主回路(21)では、2次側四路切換弁
(23)が図2に実線で示すように切り換えられ、各室内
ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に調整さ
れ、第1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-2)は閉鎖
され、蓄熱電磁弁(SV)は開放される。
【0074】この状態で、一方のメインタンク(T1,T
2)からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒
は、図2に実線の矢印で示すように、各室内ユニット
(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開
度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れ
る冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分
流した液冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と
熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却して調和空気を
生成する。そして、この低温の調和空気が室内の冷房に
供される。一方、各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷
媒は、合流して主ガス配管(24)を流れ、蓄熱配管(4
3)を通って蓄熱熱交換部(42)へ流れる。上記蓄熱槽
(41)の水には上述の冷蓄熱運転によって冷熱が蓄えら
れているため、蓄熱熱交換部(42)へ流れたガス冷媒
は、蓄熱槽(41)の水と熱交換を行って凝縮する。この
蓄熱熱交換部(42)で凝縮した冷媒は、蓄熱配管(43)
及び蓄熱分岐管(44)を通って主液配管(26)へ流れ、
他方のメインタンク(T1,T2)に回収される。
【0075】次に、1次側回路(10)で生成した温熱を
室内ユニット(22)へ搬送する暖房運転時における運転
動作について説明する。
【0076】この運転時において、該1次側回路(10)
では、1次側四路切換弁(12)が図3に破線で示すよう
に切り換えられ、第3電動弁(EV-3)が所定開度に調整
される。
【0077】この状態で、図3に一点鎖線の矢印で示す
ように、1次側回路(10)内を冷媒が循環する。即ち、
1次側圧縮機(11)から吐出された高圧のガス冷媒は、
1次側四路切換弁(12)を通って主熱交換器(HEX2)へ
流れ、主熱交換器(HEX2)で2次側回路(20)の冷媒と
熱交換して凝縮して高圧の液冷媒となる。その際、1次
側回路(10)において温熱が生成し、該温熱が2次側回
路(20)の冷媒に供給される。主熱交換器(HEX2)で凝
縮した冷媒は、第3電動弁(EV-3)で減圧された後に、
冷媒配管を通って室外熱交換器(HEX6)へ流れ、室外熱
交換器(HEX6)において外気と熱交換して蒸発する。該
室外熱交換器(HEX6)で蒸発した1次側回路(10)の冷
媒は、1次側四路切換弁(12)を通って1次側圧縮機
(11)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0078】上記駆動回路(50)では、図3に二点鎖線
で示すように冷媒が流れ、上述の冷房運転時と同様に動
作する。また、2次側回路(20)の搬送回路(30)は上
述の冷房運転時と同様に動作し、主回路(21)において
冷媒を循環させるようにしている。一方、上記主回路
(21)では、2次側四路切換弁(23)が図3に破線で示
すように切り換えられ、各室内ユニット(22)の室内電
動弁(EV)は所定開度に調整され、第2電動弁(EV-2)
は開放され、第1電動弁(EV-1)及び蓄熱電磁弁(SV)
は閉鎖される。
【0079】この状態で、上記2次側回路(20)の主回
路(21)では、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の
押し出しと回収とによって冷媒が循環し、1次側回路
(10)の温熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の
暖房が行われる。具体的に、搬送回路(30)の押出し用
液配管(37)から主回路(21)へ流れる液冷媒は、2次
側四路切換弁(23)と主液配管(26)とを順に通り、主
熱交換器(HEX2)へ流れる。主熱交換器(HEX2)へ流れ
た液冷媒は、1次側回路(10)の冷媒と熱交換し、該1
次側回路(10)の冷媒によって加熱されて蒸発する。こ
れによって、1次側回路(10)で生成した温熱が2次側
回路(20)へ供給される。主熱交換器(HEX2)で蒸発し
た冷媒は、主ガス配管(24)を流れ、各室内ユニット
(22)へ分流される。その際、各室内電動弁(EV)の開
度を調整することにより、各室内ユニット(22)へ流れ
る冷媒の流量が調節される。各室内ユニット(22)へ分
流したガス冷媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気
と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱して調和空気
を生成する。そして、この高温の調和空気が室内の暖房
に供される。各室内熱交換器(HEX1)で凝縮した冷媒
は、合流して主液配管(25)、2次側四路切換弁(23)
を順に通り、搬送回路(30)の回収用液配管(38)に流
れる。以上のように、2次側回路(20)の主回路(21)
において冷媒が循環し、室内の暖房が行われる。
【0080】また、上述の冷房運転等の空調運転を開始
する起動時には、上記均圧配管(74)の均圧電磁弁(SV
-1)を開き、主熱交換器(HEX2)及び蓄熱熱交換部(4
2)と加熱熱交換器(HEX3)とを均圧する均圧動作を行
う。この均圧動作によって、主熱交換器(HEX2)や蓄熱
熱交換部(42)に溜まり込んだ液冷媒を、加熱熱交換器
(HEX3)へ供給する。
【0081】つまり、外気温が低い場合などには、運転
停止中に該主熱交換器(HEX2)や蓄熱熱交換部(42)へ
冷媒が溜まり込む。また、蓄熱ユニット(40)に冷熱を
蓄えた状態においては、蓄熱熱交換部(42)の温度が約
0℃となるため、この蓄熱熱交換部(42)に多くの冷媒
が溜まり込む。
【0082】そして、上述のように停止中に2次側回路
(20)内に溜まり込んだ液冷媒は、上記均圧動作によっ
て加熱熱交換器(HEX3)へ供給される。具体的に、主熱
交換器(HEX2)に溜まった液冷媒は、ヘッド差によって
主液配管(26)、第2液戻し管(72)及び液回収管(3
4)を流れ、加熱熱交換器(HEX3)へ供給される。ま
た、蓄熱熱交換部(42)に溜まった液冷媒は、ヘッド差
によって第1液戻し管(71)及び液回収管(34)を流
れ、加熱熱交換器(HEX3)へ供給される。その後、駆動
回路(50)の駆動圧縮機(51)が起動し、駆動回路(5
0)を循環する冷媒によって加熱熱交換器(HEX3)へ供
給された液冷媒が加熱されて蒸発する。これによって加
熱熱交換器(HEX3)が高圧状態となり、メインタンク
(T1,T2)を加圧してメインタンク(T1,T2)から液冷媒
を押し出す。以上のようにして、起動が行われる。
【0083】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、停止中に主熱交換器(HEX2)又
は蓄熱熱交換部(42)に溜まり込んだ冷媒を、起動時に
第1及び第2液戻し管(71,72)を通じて加熱熱交換器
(HEX3)へ供給することができる。この主熱交換器(HE
X2)及び蓄熱熱交換部(42)には、冷媒が溜まり込みや
すく、また、蓄熱ユニット(40)に冷熱を蓄熱した場合
には、特に蓄熱熱交換部(42)に冷媒が溜まり込みやす
い。そして、この様な場合であっても、溜まり込んだ液
冷媒を確実に加熱熱交換器(HEX3)へ流すことができ
る。
【0084】従って、起動時には、常に加熱熱交換器
(HEX3)内に液冷媒が存在する状態とすることができ、
どの様な場合であっても加熱熱交換器(HEX3)において
液冷媒を蒸発させて、メインタンク(T1,T2)を加圧す
ることができる。この結果、起動を確実に行うことがで
きる。
【0085】また、主熱交換器(HEX2)及び蓄熱熱交換
部(42)を加熱熱交換器(HEX3)よりも上方に配置して
いるため、主熱交換器(HEX2)又は蓄熱熱交換部(42)
の液冷媒をヘッド差によって加熱熱交換器(HEX3)へ流
すことができる。この結果、ポンプ等の駆動源を用いる
ことなく、非常に簡素な構成によって、加熱熱交換器
(HEX3)へ液冷媒を供給することが可能となる。
【0086】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1が主液配管(26)及び液回収管(34)に接続さ
れた第2液戻し管(72)を設けたのに代えて、図4に示
すように、第3液戻し管(73)を設けるようにしたもの
である。その他の構成は、上記実施形態1と同様であ
る。また、本実施形態では、第1液戻し管(71)、第3
液戻し管(73)及び均圧配管(74)が起動用液供給手段
(1)を構成すると共に、第1及び第3液戻し管(71,7
3)が起動用液配管を構成している。
【0087】上記第3液戻し管(73)は、一端が液供給
管(33)における冷却熱交換器(HEX4)と逆止弁(CV-
2)の間に、他端が上記液回収管(34)における逆止弁
(CV-1)と加熱熱交換器(HEX3)の間にそれぞれ接続さ
れている。また、該第3液戻し管(73)には、該一端か
ら他端へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV-
8)が設けられている。そして、該第3液戻し管(73)
は、液供給管(33)及び液回収管(34)を介して該冷却
熱交換器(HEX4)と加熱熱交換器(HEX3)とを連通させ
ている。
【0088】また、本実施形態では、ガス供給管(31)
及び該ガス供給管(31)の第1メインタンク(T1)に接
続する分岐管(31a)と、ガス回収管(32)及び該ガス
回収管(32)の第1メインタンク(T1)に接続する分岐
管(32a)とが均圧通路(81)を構成している。また、
該各分岐管(31a,32a)に設けられた第1タンク加圧用
電磁弁(SV-P1)及び第1タンク減圧用電磁弁(SV-V1)
が開閉手段(82)を構成している。そして、起動時に
は、上記両電磁弁(SV-P1,SV-V1)を両方とも開くこと
によって、冷却熱交換器(HEX4)と加熱熱交換器(HEX
3)とを均圧するようにしている。
【0089】尚、ガス供給管(31)及び該ガス供給管
(31)の第2メインタンク(T2)に接続する分岐管(31
b)と、ガス回収管(32)及び該ガス回収管(32)の第
2メインタンク(T2)に接続する分岐管(32b)とによ
って均圧通路(81)を構成すると共に、該各分岐管(31
b,32b)に設けられた第2タンク加圧用電磁弁(SV-P2)
及び第2タンク減圧用電磁弁(SV-V2)によって開閉手
段(82)を構成するようにしてもよい。
【0090】更に、ガス供給管(31)及び該ガス供給管
(31)のサブタンク(ST)に接続する分岐管(31c)
と、ガス回収管(32)及び該ガス回収管(32)のサブタ
ンク(ST)に接続する分岐管(32c)とによって均圧通
路(81)を構成すると共に、該各分岐管(31c,32c)に
設けられた第3タンク加圧用電磁弁(SV-P3)及び第3
タンク減圧用電磁弁(SV-V3)によって開閉手段(82)
を構成するようにしてもよい。
【0091】−運転動作− 本実施形態では、上記実施形態1と同様にして、冷房運
転、冷蓄熱運転及び暖房運転を行う。そして、冷房運転
等を開始する起動時には、上記実施形態1と同様に、上
記均圧配管(74)の均圧電磁弁(SV-1)を開き、蓄熱熱
交換部(42)に溜まり込んだ液冷媒を、加熱熱交換器
(HEX3)へ供給する。
【0092】また、本実施形態では、冷却熱交換器(HE
X4)で凝縮した冷媒を、第3液戻し管(73)を通じて加
熱熱交換器(HEX3)へ供給する。具体的に説明すると、
運転時には冷却熱交換器(HEX4)では2次側回路(20)
の冷媒が凝縮するため、該冷却熱交換器(HEX4)及び冷
却熱交換器(HEX4)の下部に接続する液供給管(33)に
は液冷媒が存在する。その後、運転が停止してある程度
の時間が経過すると、冷却熱交換器(HEX4)及び加熱熱
交換器(HEX3)は、ほぼ外気温度と同じ温度となり、両
者の内圧はほぼ等しくなる。一方、冷却熱交換器(HEX
4)は加熱熱交換器(HEX3)よりも上方に配置されてい
るため、冷却熱交換器(HEX4)及び液供給管(33)の液
冷媒は、ヘッド差によって加熱熱交換器(HEX3)へ流れ
る。更に、起動の際には、上記第1タンク加圧用電磁弁
(SV-P1)及び第1タンク減圧用電磁弁(SV-V1)を両方
とも開き、加熱熱交換器(HEX3)と冷却熱交換器(HEX
4)とを確実に均圧する。
【0093】このため、冷却熱交換器(HEX4)の液冷媒
が加熱熱交換器(HEX3)へ一層確実に流れ、起動時には
常に加熱熱交換器(HEX3)に液冷媒が存在することとな
り、該液冷媒が蒸発して加熱熱交換器(HEX3)が高圧状
態となる。これによって、メインタンク(T1,T2)が加
圧されて起動が行われる。また、運転中は、加熱熱交換
器(HEX3)の方が冷却熱交換器(HEX4)よりも高圧とな
るが、逆止弁(CV-8)が設けられており、加熱熱交換器
(HEX3)から冷却熱交換器(HEX4)への液冷媒の逆流が
阻止される。
【0094】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、停止中に蓄熱熱交換部(42)に
溜まり込んだ冷媒を、起動時に第1液戻し管(71)を通
じて加熱熱交換器(HEX3)へ供給することができる。こ
のため、冷媒が溜まり込みやすい蓄熱熱交換部(42)か
ら液冷媒を確実に加熱熱交換器(HEX3)へ流すことがで
きる。また、運転中には常に冷媒を凝縮させている冷却
熱交換器(HEX4)から、第1液戻し管(73)を通じて加
熱熱交換器(HEX3)に供給することができる。このた
め、どの様な場合においても液冷媒が存在する冷却熱交
換器(HEX4)から加熱熱交換器(HEX3)へ液冷媒を確実
に供給することができる。
【0095】従って、起動時には、常に加熱熱交換器
(HEX3)内に液冷媒が存在する状態とすることができ、
どの様な場合であっても加熱熱交換器(HEX3)において
液冷媒を蒸発させて、メインタンク(T1,T2)を加圧す
ることができる。この結果、起動を確実に行うことがで
きる。
【0096】また、冷却熱交換器(HEX4)及び蓄熱熱交
換部(42)を加熱熱交換器(HEX3)よりも上方に配置し
ているため、冷却熱交換器(HEX4)又は蓄熱熱交換部
(42)の液冷媒をヘッド差によって加熱熱交換器(HEX
3)へ流すことができる。この結果、ポンプ等の駆動源
を用いることなく、非常に簡素な構成によって、加熱熱
交換器(HEX3)へ液冷媒を供給することが可能となる。
【0097】更に、本実施形態では、第1タンク加圧用
電磁弁(SV-P1)及び第1タンク減圧用電磁弁(SV-V1)
を両方とも開くことによって、加熱熱交換器(HEX3)と
冷却熱交換器(HEX4)とを確実に均圧して、冷却熱交換
器(HEX4)の液冷媒を一層確実に加熱熱交換器(HEX3)
へ流すことができる。この結果、搬送回路(30)には、
新たな構成要素を何ら付加することなく、冷却熱交換器
(HEX4)の液冷媒を確実に加熱熱交換器(HEX3)へ供給
して、起動を一層確実に行うことが可能となる。
【0098】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態1に対して、蓄熱ユニット(40)に温熱を蓄え、
蓄えた温熱を利用して暖房を行うための構成を付加した
ものである。また、本実施形態には、蓄熱ユニット(4
0)に蓄えた冷熱を利用して冷房する利用冷房時に、蓄
熱槽(41)の外部において蓄熱ユニット(40)の水と2
次側回路(20)の冷媒とを熱交換させるための構成も設
けられている。以下、図5に基づいて、上記実施形態1
と異なる構成のみについて説明する。
【0099】本実施形態の2次側回路(20)には、温蓄
熱利用配管(48)と冷蓄熱利用配管(47)とが設けられ
ている。上記温蓄熱利用配管(48)は、一端が主ガス配
管(24)における蓄熱配管(43)の接続端と主熱交換器
(HEX2)との間に、他端が主熱交換器(HEX2)と2次側
四路切換弁の間の主液配管(26)にそれぞれ接続されて
いる。また、該温蓄熱利用配管(48)には、該一端から
多端に向かって順に、利用暖房熱交換器(HEX8)と第6
電動弁(EV-6)とが設けられている。上記冷蓄熱利用配
管(47)は、一端が主ガス配管(24)における蓄熱配管
(43)の接続端と主熱交換器(HEX2)との間に、他端が
主熱交換器(HEX2)と2次側四路切換弁の間の主液配管
(26)にそれぞれ接続されている。また、該温蓄熱利用
配管(48)には、該一端から多端に向かって順に、冷熱
利用熱交換器(HEX9)と第7電動弁(EV-7)とが設けら
れている。
【0100】また、本実施形態の蓄熱ユニット(40)に
は、水循環路(45)が設けられている。この水循環路
(45)は、水ポンプ(46)、温熱利用熱交換器(HEX7)
及び冷熱利用熱交換器(HEX9)を順に配管で接続して成
り、一端が蓄熱槽(41)の下部に、他端が蓄熱槽(41)
の上部にそれぞれ接続されている。そして、蓄熱槽(4
1)の下部から吸い込んだ水を、温熱利用熱交換器(HEX
7)及び冷熱利用熱交換器(HEX9)を流した後に、再び
蓄熱槽(41)内へ戻すように構成されている。
【0101】また、本実施形態では、温蓄熱利用回路
(60)が設けられている。この温蓄熱利用回路(60)
は、利用圧縮機(61)、利用暖房熱交換器(HEX8)、第
5電動弁(EV-5)及び温熱利用熱交換器(HEX7)を順に
冷媒配管で接続して成り、内部を冷媒が循環する冷媒回
路である。該温蓄熱利用回路(60)の冷媒は、温熱利用
熱交換器(HEX7)において水循環路(45)を流れる水
と、利用暖房熱交換器(HEX8)において2次側回路(2
0)の冷媒とそれぞれ熱交換を行う。そして、温蓄熱利
用回路(60)は、蓄熱槽(41)内の水を熱源として動作
するヒートポンプに構成されている。
【0102】−運転動作− 1次側回路(10)で生成した冷熱を室内ユニット(22)
へ搬送する冷房運転時、及び1次側回路(10)で生成し
た冷熱を蓄熱ユニット(40)へ搬送して蓄熱する冷蓄熱
運転時における運転動作について説明する。この運転時
には、上記第6電動弁(EV-6)及び第7電動弁(EV-7)
が閉鎖され、この動作以外については上記実施形態1と
同様に動作する。
【0103】次に、蓄熱ユニット(40)に蓄えられた冷
熱を室内ユニット(22)へ搬送する利用冷房運転時にお
ける運転動作について説明する。
【0104】この運転時において、1次側回路(10)の
1次側圧縮機(11)は停止し、駆動回路(50)は上述の
冷房運転時と同様に動作する。また、蓄熱ユニット(4
0)の水ポンプ(46)を駆動し、水循環路(45)内にお
いて蓄熱槽(41)内の冷水を循環させる。また、2次側
回路(20)の搬送回路(30)は上述の冷房運転時と同様
に動作し、主回路(21)において冷媒を循環させるよう
にしている。一方、上記主回路(21)では、2次側四路
切換弁(23)が図5に実線で示すように切り換えられ、
各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)及び第7電動
弁(EV-7)は所定開度に調整され、第1電動弁(EV-
1)、第2電動弁(EV-2)及び第6電動弁(EV-6)は閉
鎖され、蓄熱電磁弁(SV)は開放される。
【0105】この状態で、一方のメインタンク(T1,T
2)からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷
媒は、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、
各室内電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室
内ユニット(22)へ流れる冷媒の流量が調節される。各
室内ユニット(22)へ分流した液冷媒は、各室内熱交換
器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、室内空
気を冷却して調和空気を生成する。そして、この低温の
調和空気が室内の冷房に供される。
【0106】各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷媒
は、合流して主ガス配管(24)を流れた後に再び分流さ
れ、一部は蓄熱配管(43)を通って蓄熱熱交換部(42)
へ流れ、残りは冷蓄熱利用配管(47)を通って冷熱利用
熱交換器(HEX9)へ流れる。上記蓄熱槽(41)の水には
上述の冷蓄熱運転によって冷熱が蓄えられているため、
蓄熱熱交換部(42)へ流れたガス冷媒は、蓄熱槽(41)
の水と熱交換を行って凝縮する。この蓄熱熱交換部(4
2)で凝縮した冷媒は、蓄熱配管(43)及び蓄熱分岐管
(44)を通って主液配管(26)へ流れる。また、冷熱利
用熱交換器(HEX9)へ流れたガス冷媒は、水循環路(4
5)を流れる冷水と熱交換を行って凝縮した後に、主液
配管(26)へ流れる。そして、蓄熱熱交換部(42)及び
冷熱利用熱交換器(HEX9)で凝縮した冷媒は、合流した
後に他方のメインタンク(T1,T2)に回収される。
【0107】次に、1次側回路(10)で生成した温熱を
室内ユニット(22)へ搬送する暖房運転時における運転
動作について説明する。この運転時には、上記第6電動
弁(EV-6)及び第7電動弁(EV-7)が閉鎖され、この動
作以外については上記実施形態1と同様に動作する。
【0108】次に、1次側回路(10)で生成した温熱を
蓄熱ユニット(40)へ搬送して蓄熱する温蓄熱運転時に
おける運転動作について説明する。
【0109】この運転時において、1次側回路(10)及
び駆動回路(50)は、上述の暖房運転時と同様に動作
し、温熱を生成する。また、2次側回路(20)の搬送回
路(30)も上述の暖房運転時と同様に動作し、主回路
(21)において冷媒を循環させるようにしている。一
方、上記主回路(21)では、2次側四路切換弁(23)が
図6に破線で示すように切り換えられ、各室内ユニット
(22)の室内電動弁(EV)、第6電動弁(EV-6)、第7
電動弁(EV-7)及び蓄熱電磁弁(SV)が閉鎖され、第1
電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-2)が開放される。
【0110】この状態で、上記2次側回路(20)の主回
路(21)では、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の
押し出しと回収とによって冷媒が循環し、1次側回路
(10)の温熱が蓄熱ユニット(40)に蓄えられる。具体
的に、図6に実線の矢印で示すように、搬送回路(30)
の押出し用液配管(37)から主回路(21)へ流れる液冷
媒は、2次側四路切換弁(23)と主液配管(26)とを順
に通り、主熱交換器(HEX2)へ流れる。主熱交換器(HE
X2)へ流れた液冷媒は、1次側回路(10)の冷媒と熱交
換し、該1次側回路(10)の冷媒によって加熱されて蒸
発する。これによって、1次側回路(10)で生成した温
熱が2次側回路(20)へ供給される。
【0111】主熱交換器(HEX2)で蒸発したガス冷媒
は、主ガス配管(24)を流れ、図6に破線の矢印で示す
ように、蓄熱配管(43)を通って蓄熱熱交換部(42)へ
流れる。蓄熱熱交換部(42)へ流れたガス冷媒は、蓄熱
槽(41)に満たされた水と熱交換して凝縮する。この液
冷媒との熱交換によって蓄熱槽(41)内の水が加熱さ
れ、例えば40〜50℃程度の温水となる。この様にし
て、蓄熱媒体である水に温熱が蓄えられる。蓄熱熱交換
部(42)で凝縮した冷媒は、蓄熱配管(43)を通って主
液配管(25)へ流れ、その後、他方のメインタンク(T
1,T2)に回収される。
【0112】次に、蓄熱ユニット(40)に蓄えられた温
熱を室内ユニット(22)へ搬送する利用暖房運転時にお
ける運転動作について説明する。
【0113】この運転時において、1次側回路(10)の
1次側圧縮機(11)は停止し、駆動回路(50)は上述の
暖房運転時と同様に動作する。また、蓄熱ユニット(4
0)の水ポンプ(46)が駆動され、水循環路(45)内に
おいて蓄熱槽(41)内の温水を循環させる。また、2次
側回路(20)の搬送回路(30)は上述の暖運転時と同様
に動作し、主回路(21)において冷媒を循環させるよう
にしている。一方、上記主回路(21)では、2次側四路
切換弁(23)が図7に破線で示すように切り換えられ、
各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に
調整され、第1電動弁(EV-1)、第2電動弁(EV-2)、
第7電動弁(EV-7)及び蓄熱電磁弁(SV)は閉鎖され、
第6電動弁(EV-6)は開放される。また、温蓄熱利用回
路(60)では、第5電動弁(EV-5)が所定開度に調整さ
れ、利用圧縮機(61)が駆動される。
【0114】この状態で、上記温蓄熱利用回路(60)で
は、図7に破線の矢印で示すように冷媒が循環する。即
ち、利用圧縮機(61)から吐出された高圧のガス冷媒
は、利用暖房熱交換器(HEX8)へ流れ、2次側回路(2
0)の冷媒と熱交換して凝縮して高圧の液冷媒となる。
この高圧の液冷媒は、第5電動弁(EV-5)で減圧された
後に、温熱利用熱交換器(HEX7)において水循環路(4
5)を流れる温水と熱交換して蒸発する。該温熱利用熱
交換器(HEX7)で蒸発した冷媒は、その後、利用圧縮機
(61)に吸入され、この循環を繰り返す。以上のよう
に、該温蓄熱利用回路(60)は、蓄熱ユニット(40)の
温水を熱源とするヒートポンプとして動作し、利用暖房
熱交換器(HEX8)において2次側回路(20)の冷媒に温
熱を供給している。
【0115】上記のように、蓄熱槽(41)内の温水を熱
源として温蓄熱利用回路(60)を動作させ、利用暖房運
転を行うようにしているのは、次のような理由による。
つまり、上述のように蓄熱槽(41)内の温水は40〜5
0℃程度であり、この温水との熱交換で蒸発させた冷媒
を室内熱交換器(HEX1)で凝縮させる場合、室内熱交換
器(HEX1)での凝縮温度は30℃程度となってしまう。
従って、凝縮温度が低くなり、室内の暖房を充分に行う
ことができなくなってしまうからである。
【0116】また、上記2次側回路(20)では、一方の
メインタンク(T1,T2)からの押し出されて主液配管(2
6)へ流れた液冷媒は、図7に実線の矢印で示すよう
に、温蓄熱利用配管(48)を通って利用暖房熱交換器
(HEX8)へ流れる。利用暖房熱交換器(HEX8)へ流れた
液冷媒は、温蓄熱利用回路(60)の冷媒と熱交換し、該
温蓄熱利用回路(60)の冷媒によって加熱されて蒸発す
る。この利用暖房熱交換器(HEX8)で蒸発した冷媒は、
主ガス配管(24)を流れ、各室内ユニット(22)へ分流
される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整する
ことにより、各室内ユニット(22)へ流れる冷媒の流量
が調節される。各室内ユニット(22)へ分流したガス冷
媒は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行
って凝縮し、室内空気を加熱して調和空気を生成する。
そして、この高温の調和空気が室内の暖房に供される。
各室内熱交換器(HEX1)で凝縮した冷媒は、合流して主
液配管(25)、2次側四路切換弁(23)を順に通り、搬
送回路(30)の回収用液配管(38)に流れ、他方のメイ
ンタンク(T1,T2)に回収される。
【0117】また、本実施形態においても、上記実施形
態1と同様に、起動時には均圧電磁弁(SV-1)を開き、
停止中に主熱交換器(HEX2)や蓄熱熱交換部(42)に溜
まり込んだ液冷媒を、加熱熱交換器(HEX3)へ供給す
る。
【0118】特に、蓄熱ユニット(40)に温熱を蓄えた
状態では、主に主熱交換器(HEX2)へ冷媒が溜まり込
む。つまり、温蓄熱を行うのは冬季であり、停止時にお
いて主熱交換器(HEX2)は外気温度とほぼ同じ温度とな
るため、この主熱交換器(HEX2)に冷媒が溜まり込む。
これに対して、蓄熱槽(41)内の水は40〜50℃程度
の温水となっているため、蓄熱熱交換部(42)に冷媒が
溜まり込むことはない。そして、この様な場合であって
も、起動の際には、第2液戻し管(72)を通じて主熱交
換器(HEX2)の液冷媒が加熱熱交換器(HEX3)へ供給さ
れる。
【0119】−実施形態3の効果− 本実施形態3によれば、上記実施形態1と同様の効果を
得ることができる。
【0120】また、本実施形態では、蓄熱ユニット(4
0)に温熱を蓄える温蓄熱運転を行うようにしている。
蓄熱ユニット(40)に温熱を蓄熱した場合は、上述のよ
うに、冷媒は蓄熱熱交換部(42)には溜まり込まず、主
に主熱交換器(HEX2)に溜まり込む。そして、この様な
場合であっても、主熱交換器(HEX2)に溜まった液冷媒
を加熱熱交換器(HEX3)に供給することができる。従っ
て、何れの場合においても加熱熱交換器(HEX3)へ液冷
媒を確実に供給することができ、この結果、起動を確実
に行うことが可能となる。
【0121】
【その他の実施形態】上述した各実施形態及び変形例で
は、本発明に係る冷凍装置を空気調和装置に適用した場
合について説明したが、本発明は、これに限らず、その
他の冷凍装置に適用することも可能である。
【0122】また、各実施形態及び変形例では、搬送回
路(30)に一対のメインタンク(T1,T2)を備えさせ、
それぞれのタンク(T1,T2)に対する液冷媒の押し出し
動作と回収動作とを交互に切り換えるようにしていた。
本発明は、これに限らず、搬送回路(30)に1個のメイ
ンタンクを備えさせ、このタンクに対して押し出し動作
と回収動作とを交互に切り換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図2】実施形態1に係る空気調和装置の利用冷房運転
時の冷媒循環動作を示す図である。
【図3】実施形態1に係る空気調和装置の暖房運転時の
冷媒循環動作を示す図である。
【図4】実施形態2に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図5】実施形態3に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図6】実施形態3に係る空気調和装置の温蓄熱運転時
の冷媒循環動作を示す図である。
【図7】実施形態3に係る空気調和装置の利用暖房運転
時の冷媒循環動作を示す図である。
【符号の説明】
(1) 起動用液供給手段 (2) 加減圧手段 (21) 主回路(循環回路) (30) 搬送回路 (34) 液回収管 (40) 蓄熱ユニット(蓄熱手段) (41) 蓄熱槽 (42) 蓄熱熱交換部 (71) 第1液戻し管(起動用液配管) (72) 第2液戻し管(起動用液配管) (73) 第3液戻し管(起動用液配管) (74) 均圧配管 (T1) 第1メインタンク (T2) 第2メインタンク (HEX2)主熱交換器(熱源側熱交換器) (HEX3)加熱熱交換器(加熱部) (HEX4)冷却熱交換器(冷却部) (SV-1)均圧電磁弁(開閉弁)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を熱源側と利用側との間で循環させ
    る循環回路(21)と、 上記循環回路(21)に連通して液冷媒を貯留するメイン
    タンク(T1,T2)、及び上記冷媒の一部を加熱又は冷却
    してメインタンク(T1,T2)内を加圧又は減圧し、該メ
    インタンク(T1,T2)から液冷媒を循環回路(21)に押
    し出す一方、上記循環回路(21)から液冷媒をメインタ
    ンク(T1,T2)に吸引するための加減圧手段(2)を有
    し、上記循環回路(21)の冷媒に循環駆動力を付与する
    搬送回路(30)とを備え、 上記熱源側から利用側へ熱搬送を行う熱搬送装置におい
    て、 上記循環回路(21)には、温熱又は冷熱である熱を蓄え
    る蓄熱手段(40)が設けられ、該循環回路(21)は、熱
    源側の上記熱を蓄熱手段(40)に蓄える蓄熱運転、及び
    上記蓄熱手段(40)に蓄えた熱を利用する利用運転を少
    なくとも行うように構成され、 上記加減圧手段(2)は、冷媒を加熱して蒸発させ、メ
    インタンク(T1,T2)を加圧するための加熱部(HEX3)
    と、液冷媒を加熱部(HEX3)に回収する液回収管(34)
    とを備える一方、 起動する際に、搬送回路(30)における液回収管(34)
    以外の配管又は循環回路(21)の液冷媒を加熱部(HEX
    3)に供給する起動用液供給手段(1)を備えていること
    を特徴とする熱搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱搬送装置において、 加減圧手段(2)は、加熱部(HEX3)よりも上方に配置
    され、冷媒を冷却して凝縮させ、メインタンク(T1,T
    2)を減圧するための冷却部(HEX4)を備える一方、 起動用液供給手段(1)は、上記冷却部(HEX4)と上記
    加熱部(HEX3)とを連通させる起動用液配管(73)を備
    えていることを特徴とする熱搬送装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の熱搬送装置において、 開閉手段(82)を有し、該開閉手段(82)を開放して加
    熱部(HEX3)と冷却部(HEX4)とを均圧する均圧通路
    (81)を備えていることを特徴とする熱搬送装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の熱搬送装置において、 メインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒の一部
    を、加減圧手段(2)の加熱部(HEX3)に供給するため
    に貯留するサブタンク(ST)を備え、 加減圧手段(2)は、 加熱部(HEX3)とメインタンク(T1,T2)及びサブタン
    ク(ST)とに接続されてメインタンク(T1,T2)の加圧
    用開閉弁(SV-P1,SV-P2)及びサブタンク(ST)の加圧
    用開閉弁(SV-P3)を有するガス供給管(31)と、 冷却部(HEX4)とメインタンク(T1,T2)及びサブタン
    ク(ST)とに接続されてメインタンク(T1,T2)の減圧
    用開閉弁(SV-V1,SV-V2)及びサブタンク(ST)の減圧
    用開閉弁(SV-V3)を有するガス回収管(32)とを備
    え、 メインタンク(T1,T2)の加圧用開閉弁(SV-P1,SV-P2)
    の開口によってメインタンク(T1,T2)を加圧し、メイ
    ンタンク(T1,T2)の減圧用開閉弁(SV-V1,SV-V2)の開
    口によってメインタンク(T1,T2)を減圧すると共に、
    サブタンク(ST)の加圧用開閉弁(SV-P3)の開口によ
    ってサブタンク(ST)を加圧してサブタンク(ST)内の
    液冷媒を押し出し、サブタンク(ST)の減圧用開閉弁
    (SV-V3)の開口によってサブタンク(ST)を減圧して
    サブタンク(ST)内に液冷媒を吸引するように構成され
    る一方、 上記メインタンク(T1,T2)の加圧用開閉弁(SV-P1,SV-
    P2)及びメインタンク(T1,T2)の減圧用開閉弁(SV-V
    1,SV-V2)、又はサブタンク(ST)の加圧用開閉弁(SV-
    P3)及びサブタンク(ST)の減圧用開閉弁(SV-V3)が
    開閉手段(82)に構成され、 上記ガス供給管(31)及びガス回収管(32)が、開閉手
    段(82)の加圧用及び減圧用の両開閉弁(SV-P1,…,SV-
    V1,…)の開口によって上記加熱部(HEX3)と冷却部(H
    EX4)とを均圧する均圧通路(81)に構成されているこ
    とを特徴とする熱搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の熱搬送装置において、 循環回路(21)は、加熱部(HEX3)よりも上方に配置さ
    れ、熱源の温熱又は冷熱を循環回路(21)の冷媒に供給
    する熱源側熱交換器(HEX2)を備える一方、 起動用液供給手段(1)は、 上記熱源側熱交換器(HEX2)と上記加熱部(HEX3)とを
    連通させる起動用液配管(72)と、 該熱源側熱交換器(HEX2)と該加熱部(HEX3)とを均圧
    可能に構成されて、開閉弁(SV-1)を有する均圧配管
    (74)とを備えていることを特徴とする熱搬送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の熱搬送装置において、 蓄熱手段(40)は、 蓄熱媒体を備える蓄熱槽(41)と、 加熱部(HEX3)よりも上方に配置されると共に、循環回
    路(21)に接続されて該循環回路(21)の冷媒と該蓄熱
    槽(41)の蓄熱媒体を熱交換させる蓄熱熱交換部(42)
    とを備える一方、 起動用液供給手段(1)は、 上記蓄熱熱交換部(42)と上記加熱部(HEX3)とを連通
    させる起動用液配管(71)と、 該蓄熱熱交換部(42)と該加熱部(HEX3)とを均圧可能
    に構成されて、開閉弁(SV-1)を有する均圧配管(74)
    とを備えていることを特徴とする熱搬送装置。
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