JP3769861B2 - 熱搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気調和機の冷媒回路などとして利用可能な熱搬送装置に係り、特に、冷媒回路での冷媒の加熱及び冷却によって冷媒循環のための駆動力を得るようにした装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和機に備えられる冷媒回路として、例えば特開昭63−180022号公報に開示されているように、冷媒回路において冷媒を加熱及び冷却することにより冷媒循環用の駆動力を得るようにした熱搬送装置が知られている。
【0003】
この熱搬送装置は、加熱器、凝縮器及び密閉容器が冷媒配管によって順に接続され、また、密閉容器を加熱器よりも高い位置に配置している。更に、加熱器と密閉容器とを開閉弁を備えた均圧管によって接続する。
【0004】
このような構成により、室内の暖房運転時には、先ず、開閉弁を閉状態にしておき、加熱器で加熱されたガス冷媒を凝縮器で凝縮させて液化した後、この液冷媒を密閉容器に回収する。その後、開閉弁を開放して均圧管により加熱器と密閉容器とを均圧することにより、加熱器よりも高い位置にある密閉容器から加熱器に液冷媒を戻すようにしている。このような動作を繰り返すことにより、冷媒の循環を可能としている。
【0005】
しかしながら、このような構成では、凝縮器から密閉容器にガス冷媒が導入された場合、この密閉容器内の圧力が上昇してしまい、良好な冷媒の循環動作が行えなくなる虞れがある。このため、凝縮器からガス冷媒が流出しないように、該凝縮器において冷媒を過冷却状態にしておく必要があり、大規模なシステムや長配管システムに対して適用することは難しかった。
【0006】
本発明の発明者らは、これらの点を解決するために、液冷媒を貯留したタンクに対する加圧動作と減圧動作とを切換え可能な駆動用冷媒回路を備えさせ、加圧動作によりタンク内の液冷媒を主冷媒回路に押し出す一方、減圧動作により主冷媒回路中の液冷媒をタンクに回収することにより、冷媒循環を可能にした熱搬送装置を提案している(特願平8−174751号)。
【0007】
詳しくは、主冷媒回路に、液冷媒を貯留した一対のタンクを備えさせる一方、圧縮機、駆動用加熱熱交換器、減圧機構、駆動用冷却熱交換器が冷媒配管によって順に接続された駆動用冷媒回路を備えさせる。各駆動用熱交換器は主冷媒回路の冷媒との間で熱交換が可能となっている。この駆動用冷媒回路では、圧縮機から吐出したガス冷媒が、駆動用加熱熱交換器において主冷媒回路の冷媒と熱交換を行って凝縮する。この冷媒は、減圧機構で減圧した後、駆動用冷却熱交換器において主冷媒回路の冷媒と熱交換を行って蒸発し、圧縮機に戻る。これにより、主冷媒回路では、駆動用加熱熱交換器での冷媒加熱動作により高圧が発生する一方、駆動用冷却熱交換器での冷媒冷却動作により低圧が発生する。この高圧を一方のタンクに供給すると共に低圧を他方のタンクに供給する。つまり、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと、他方のタンクへの液冷媒の回収とを同時に行うことにより主冷媒回路での冷媒の循環動作を得るようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような駆動用加熱熱交換器及び駆動用冷却熱交換器によって駆動力を得るようにしたものでは、以下に述べるような課題が残されており、この種の駆動方式を実用化するためには、この課題を解消する必要がある。
【0009】
つまり、駆動用冷媒回路全体としての熱の収支を考慮した場合、温熱が余ることになる。つまり、図16のモリエル線図におけるA部分に相当する温熱が余剰熱となる。従って、主冷媒回路では、高圧を発生させるために駆動用加熱熱交換器から受ける熱量と、低圧を発生させるために駆動用冷却熱交換器により奪われる熱量とに大きなアンバランスが生じ、この主冷媒回路での円滑な冷媒循環動作が行われなくなってしまう可能性がある。
【0010】
本発明は、この点に鑑みてなされたものであって、主冷媒回路の冷媒に対する加熱、冷却を行うことで循環駆動力を与える駆動用冷媒回路を備えた熱搬送装置に対し、駆動用冷媒回路での余剰熱を処理して、高圧を発生させるために駆動用加熱熱交換器から受ける熱量と、低圧を発生させるために駆動用冷却熱交換器により奪われる熱量との差を減少させる等して主冷媒回路において円滑な冷媒循環動作を行わせることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、駆動用冷媒回路の余剰熱を該回路外に放出することにより、主冷媒回路に対する高圧発生のための加熱熱量と低圧発生のための冷却熱量との差を減少させるようにした。
【0012】
具体的に、請求項1記載の発明は、図1に示す如く、熱源(A) との間で熱交換可能な熱源側熱交換手段(13)と利用側熱交換手段(15)とがガス配管(33)及び液配管(31,32) により冷媒循環可能に接続されて成る主冷媒回路(B) を備えさせる。また、圧縮機(41)と、上記主冷媒回路(B) の冷媒に熱を与える加熱熱交換手段(42)と、減圧機構(43)と、主冷媒回路(B) の冷媒から熱を奪う冷却熱交換手段(44)とが冷媒配管(45)によって冷媒循環可能に順に接続されてなる駆動用冷媒回路(C) とを備えさせる。上記加熱熱交換手段(42)からの加熱によって主冷媒回路(B) の液冷媒を蒸発させて該主冷媒回路(B) に高圧を与える一方、冷却熱交換手段(44)からの冷却によって主冷媒回路(B) のガス冷媒を凝縮させて該主冷媒回路(B) に低圧を与え、これら圧力によって主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるようにした熱搬送装置を前提としている。上記加熱熱交換手段(42)による高圧発生のための加熱熱量と、冷却熱交換手段(44)による低圧発生のための冷却熱量との差が減少するように、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を該駆動用冷媒回路(C) の回路外に放出する放熱手段(51),(21a,21b)を設けた構成としている。
【0013】
請求項2記載の発明では、放熱手段(51),(21a,21b)が、加熱熱交換手段(42)による高圧発生のための加熱熱量と、冷却熱交換手段(44)による低圧発生のための冷却熱量とを略等しくするようになっている。
【0014】
また、請求項3記載の発明では、放熱手段(51),(21a,21b)が、主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われるように主冷媒回路(B) が駆動用冷媒回路(C) との間で授受する圧力発生のための熱量をバランスさせるようになっている。
【0015】
これらの特定事項により、駆動用冷媒回路(C) では、圧縮機(41)の駆動により、該圧縮機(41)から吐出した冷媒は、加熱熱交換手段(42)において主冷媒回路(B) の冷媒に熱を与える。その後、この冷媒は、減圧機構(43)で減圧し、冷却熱交換手段(44)において主冷媒回路(B) の冷媒から熱を奪う。このような動作により、主冷媒回路(B) では、加熱熱交換手段(42)からの加熱によって主冷媒回路(B) の液冷媒が蒸発して該主冷媒回路(B) に高圧が与えられる一方、冷却熱交換手段(44)からの冷却によって主冷媒回路(B) のガス冷媒が凝縮して該主冷媒回路(B) に低圧が与えられる。これら圧力によって主冷媒回路(B) に冷媒が循環し、熱源側熱交換手段(13)と利用側熱交換手段(15)との間で熱搬送が行われる。このような運転動作において、駆動用冷媒回路(C) では、加熱熱交換手段(42)から主冷媒回路(B) の冷媒に与えられる熱量が、冷却熱交換手段(44)が主冷媒回路(B) の冷媒から奪う熱量よりも多くなる傾向にあるが、この熱量差である余剰熱は、放熱手段(51,21a,21b)によって駆動用冷媒回路(C) の回路外に放出される。これにより、加熱熱交換手段(42)による高圧発生のための加熱熱量と、冷却熱交換手段(44)による低圧発生のための冷却熱量との差が小さく、または略等しくなり、熱量がバランスして主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われる。
【0016】
請求項4記載の発明は、放熱手段を具体化したものである。つまり、放熱手段を、駆動用冷媒回路(C) に設けられた放熱用熱交換器(51)とした構成としている。また、請求項5〜7記載の発明は、放熱手段を放熱用熱交換器(51)とした場合における余剰熱の放熱先を特定したものである。つまり、請求項5では外気に、請求項6では冷却水流通路を流れる冷却水に、請求項7では主冷媒回路(B) に夫々放熱するようにしている。
【0017】
これら特定事項により、放熱手段の構成の具体化や余剰熱の放熱先を具体的にでき、熱搬送装置の実用性が向上する。
【0018】
請求項8記載の発明は、主冷媒回路(B) における冷媒循環動作を具体化したものである。つまり、主冷媒回路(B) の液配管(31,32) に液冷媒の貯留が可能なタンク手段(T) を接続する。加熱熱交換手段(42)による冷媒の加熱によって主冷媒回路(B) に与えられる高圧をタンク手段(T) に作用させて該タンク手段(T) から液冷媒を押し出す加圧動作と、冷却熱交換手段(44)による冷媒の冷却によって主冷媒回路(B) に与えられる低圧をタンク手段(T) に作用させて該タンク手段(T) へ液冷媒を回収する減圧動作とにより主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるようにしている。
【0019】
この特定事項により、例えば利用側熱交換手段(15)に吸熱運転を行わせる構成とした場合には、加圧動作によって、タンク手段(T) 内の液冷媒が利用側熱交換手段(15)に押し出され、この液冷媒が利用側熱交換手段(15)で蒸発する。また、この液冷媒は熱源側熱交換手段(13)で凝縮する。一方、減圧動作によって、熱源側熱交換手段(13)の液冷媒はタンク手段(T) に回収される。このようにタンク手段(T) に対する加減圧動作のみで主冷媒回路(B) に冷媒を循環させることが可能となる。
【0020】
請求項9〜12記載の発明は、上記請求項8記載の熱搬送装置において、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を主冷媒回路(B) に放熱するようにしたものである。
【0021】
請求項9記載の発明は、放熱手段を、主冷媒回路(B) において加熱熱交換手段(42)からの加熱によって発生した高圧ガス冷媒をタンク手段(T) に貯留されている液冷媒の内部に供給するガス供給管(21a,21b) としている。
【0022】
この特定事項により、加熱熱交換手段(42)から主冷媒回路(B) に与えられた熱量のうち、冷却熱交換手段(44)が主冷媒回路(B) から奪う熱量との差である余剰熱量は、タンク手段(T) に貯留されている液冷媒によって処理される。つまり、加熱熱交換手段(42)からの加熱により蒸発したガス冷媒の一部がタンク手段(T) の液冷媒と熱交換して凝縮することで余剰分が処理されることになる。
【0023】
請求項10記載の発明は、放熱用熱交換器(51)が、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、タンク手段(T) と熱源側熱交換手段(13)とを接続する液配管(31,32) 内の液冷媒に放熱する構成としている。
【0024】
この特定事項により、利用側熱交換手段(15)に向かう液冷媒を加熱することなしに2次側冷媒回路(B) に余剰熱が放熱できる。従って、利用側熱交換手段(15)に吸熱運転をさせるような場合には、該利用側熱交換手段(15)に導入する冷媒の温度が高くなってしまうことがないので、その能力が十分に発揮できることになる。
【0025】
請求項11記載の発明は、放熱用熱交換器(51)が、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、タンク手段(T) から液冷媒を押し出す側の液配管(31)内の液冷媒に放熱する構成としている。
【0026】
この特定事項により、タンク手段(T) に回収される液冷媒を加熱することはないので、この回収される液冷媒の一部がフラッシュガスとなることはない。このため、タンク手段(T) への冷媒回収を可能とする十分な低圧を発生させるために、このフラッシュガスを凝縮させるべく駆動用冷媒回路(C) を大型にしておくといった必要なしに余剰熱の主冷媒回路(B) への放熱が可能となる。
【0027】
請求項12記載の発明は、放熱用熱交換器(51)が、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、主冷媒回路(B) のガス配管(33)内のガス冷媒に放熱する構成としている。
【0028】
この特定事項により、特に、利用側熱交換手段(15)に放熱運転をさせるような場合には、該利用側熱交換手段(15)に導入する冷媒の過熱度を大きくでき、その能力が十分に発揮できることになる。
【0029】
請求項13記載の発明は、タンク手段に対して加減圧を行うことで主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるものに対し、この冷媒循環動作を連続して行うようにしたものである。つまり、タンク手段を液配管(31,32) において並列に接続された第1及び第2のタンク手段(T1,T2) で成す。加熱熱交換手段(42)により第1タンク手段(T1)に高圧を与えると共に冷却熱交換手段(44)により第2タンク手段(T2)に低圧を与える第1の圧力作用動作と、冷却熱交換手段(44)により第1タンク手段(T1)に低圧を与えると共に加熱熱交換手段(42)により第2タンク手段(T2)に高圧を与える第2の圧力作用動作とを交互に切換える。これにより、第1の圧力作用動作時には、第1タンク手段(T1)から蒸発器となる熱交換手段(13),(15) に液冷媒を供給すると共に、凝縮器となる熱交換手段(15),(13) から第2タンク手段(T2)に液冷媒を回収する一方、第2の圧力作用動作時には、第2タンク手段(T2)から蒸発器となる熱交換手段(13),(15) に液冷媒を供給すると共に、凝縮器となる熱交換手段(15),(13) から第1タンク手段(T1)に液冷媒を回収するように冷媒を循環させて利用側熱交換手段(15)に吸熱若しくは放熱を連続して行わせるようにしている。
【0030】
この特定事項により、利用側熱交換手段(15)が吸熱若しくは放熱を連続して行うので、例えば本装置を空気調和装置として使用した場合には、室内の冷房または暖房の連続運転が可能となり室内の快適性を長時間に亘って維持できることになる。
【0031】
請求項14記載の発明は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒をR134aとした構成としている。
【0032】
この特定事項により、R134aは、一般に使用されている冷媒よりも沸点が低い。特に、利用側熱交換手段(15)の放熱運転時には圧縮機(41)の吸入圧力が高くなって過負荷状態になりやすいが、この冷媒を使用することにより、圧縮機(41)の吸入圧力を低く維持でき該圧縮機(41)の負荷を軽減できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る複数の実施形態について図面に基いて説明する。以下の各実施形態では、1次側冷媒回路と2次側冷媒回路とを備え、この冷媒回路同士の間での熱搬送により室内の空気調和を行う空気調和装置について説明する。また、2次側冷媒回路での冷媒循環駆動力を得るための駆動用冷媒回路に本発明を適用した場合について説明する。
【0034】
−放熱手段の構成に特徴がある実施形態−
先ず、駆動用冷媒回路の余剰熱を放熱するための放熱手段に関する複数の実施形態を第1〜第5実施形態において説明する。
【0035】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について図1及び図2を用いて説明する。本形態の空気調和装置は冷房専用機として構成されたものである。以下、具体回路構成について説明する。
【0036】
先ず、熱源としての1次側冷媒回路(A) について説明する。本回路(A) は、圧縮機(1) 、室外熱交換器(2) 、電動膨張弁(3) 、1次側熱交換部(4) が冷媒配管(5) によって接続されて成っている。つまり、圧縮機(1) の駆動に伴って冷媒が循環し、室外熱交換器(2) 及び1次側熱交換部(4) において夫々冷媒が熱交換するように構成されている。
【0037】
次に、2次側冷媒回路(B) について説明する。この2次側冷媒回路(B) は、循環用蒸発器(11)、循環用凝縮器(12)、タンク手段としての第1及び第2のメインタンク(T1,T2) 、サブタンク(ST)、上記1次側冷媒回路(A) の1次側熱交換部(4) との間で熱交換可能な熱源側熱交換手段としての2次側熱交換部(13)、室内に配置された流量調整可能な複数の電動弁(14,14) 及び利用側熱交換手段としての室内熱交換器(15,15) を備えている。
【0038】
詳しく説明すると、循環用蒸発器(11)の上端部にはガス供給管(21)が接続されている。このガス供給管(21)は、3本の分岐管(21a〜21c)に分岐されて夫々が各メインタンク(T1,T2) 及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続している。これら各分岐管(21a〜21c)には、第1〜第3のタンク加圧電磁弁(SV-P1〜SV-P3)が設けられている。また、この循環用蒸発器(11)の下端部には液回収管(22)が接続されている。この液回収管(22)はサブタンク(ST)の下端部に接続している。この液回収管(22)には、サブタンク(ST)からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(CV-1)が設けられている。尚、各メインタンク(T1,T2) は、循環用凝縮器(12)よりも低い位置に設置されている。また、サブタンク(ST)は、循環用蒸発器(11)よりも高い位置に設置されている。
【0039】
一方、循環用凝縮器(12)の上端部にはガス回収管(25)が接続されている。このガス回収管(25)も、3本の分岐管(25a〜25c)に分岐されて夫々が上記ガス供給管(21)の分岐管(21a〜21c)に接続することにより、各メインタンク(T1,T2) 及びサブタンク(ST)の上端部に個別に接続している。これら各分岐管(25a〜25c)には、第1〜第3のタンク減圧電磁弁(SV-V1〜SV-V3)が設けられている。また、この循環用凝縮器(12)の下端部には液供給管(26)が接続されている。この液供給管(26)は、2本の分岐管(26a,26b) に分岐されて夫々が各メインタンク(T1,T2) の下端部に個別に接続している。これら分岐管(26a,26b) には、メインタンク(T1,T2) への冷媒の回収のみを許容する逆止弁(CV-2,CV-2) が設けられている。
【0040】
室内熱交換器(15,15) の液側から延びる液配管(31)は、3本の分岐管(31a〜31c)に分岐されて、夫々が上記液供給管(26)の分岐管(26a,26b) 及び液回収管(22)に接続することにより、各メインタンク(T1,T2) 及びサブタンク(ST)の下端部に個別に接続している。これら分岐管(31a〜31c)のうち各メインタンク(T1,T2) に接続しているものには、メインタンク(T1,T2) 下端からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁(CV-3,CV-3) が設けられている。一方、分岐管(31a〜31c)のうちサブタンク(ST)に接続しているものには、該サブタンク(ST)への冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0041】
2次側熱交換部(13)の液側から延びる液配管(32)は、2本の分岐管(32a,32b) に分岐されて、夫々が上記分岐管(31a,31b) に接続することにより、各メインタンク(T1,T2) の下端部に個別に接続している。この分岐管(32a,32b) にはメインタンク(T1,T2) への冷媒の流入のみを許容する逆止弁(CV-5,CV-5) が設けられている。
【0042】
一方、室内熱交換器(15,15) のガス側と2次側熱交換部(13)のガス側とはガス配管(33)によって接続されている。
【0043】
次に、上記2次側冷媒回路(B) において冷媒の循環駆動力を発生させるための駆動用冷媒回路(C) について説明する。
【0044】
この駆動用冷媒回路(C) は、圧縮機(41)、上記循環用蒸発器(11)との間で熱交換可能な加熱熱交換手段としての加熱熱交換器(42)、減圧機構としての第1電動膨張弁(43)、上記循環用凝縮器(12)との間で熱交換可能な冷却熱交換手段としての冷却熱交換器(44)を備え、これらが冷媒配管(45)によって接続されている。つまり、圧縮機(41)の駆動に伴い、加熱熱交換器(42)での冷媒の凝縮により循環用蒸発器(11)の冷媒に温熱を与え、冷却熱交換器(44)での冷媒の蒸発により循環用凝縮器(12)の冷媒から温熱を奪うようになっている。
【0045】
本駆動用冷媒回路(C) の特徴としては、上記加熱熱交換器(42)及び第1電動膨張弁(43)をバイパスするバイパス配管(50)が設けられ、このバイパス配管(50)に放熱手段としての放熱熱交換器(51)及び第2電動膨張弁(52)が設けられていることにある。このバイパス配管(50)は、一端が圧縮機(41)の吐出側に、他端が冷却熱交換器(44)の液側に夫々接続している。つまり、圧縮機(41)から吐出したガス冷媒は、一部が加熱熱交換器(42)に向かって流れ、他がバイパス配管(50)を流れるようになっている。即ち、加熱熱交換器(42)及び放熱熱交換器(51)の両方において駆動用冷媒回路(C) の冷媒の温熱が回路外に放出される構成である。尚、この放熱熱交換器(51)での放熱を効率的に行うために、外気へ放熱する場合には放熱熱交換器(51)近傍に送風ファンを備えることが好ましい。また、水道水などを冷却水として利用し、この水に放熱する場合には、図示しない冷却水の流通配管を放熱熱交換器(51)との間で熱交換可能に配設する。これにより放熱熱交換器(51)の冷媒と水との間で熱交換が行われ、より効率良く放熱できることになる。
【0046】
以上が、本形態に係る空気調和装置の冷媒回路の構成である。
【0047】
次に、室内の冷房運転動作について説明する。この運転時には、先ず、各電動弁(3,14,43,52)が所定開度に調整される。また、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1) 、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3) 、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2) が開放される。一方、第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2) 、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1) 、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3) は閉鎖される。
【0048】
この状態で、1次側冷媒回路(A) にあっては、図2に実線の矢印で示す如く、圧縮機(1) から吐出した高温高圧のガス冷媒が、室外熱交換器(2) で外気との間で熱交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は、電動膨張弁(3) で減圧され、1次側熱交換部(4) に流入し、ここで、2次側熱交換部(13)の冷媒と熱交換を行って蒸発して圧縮機(1) に吸入される。このような循環動作を繰り返す。
【0049】
また、駆動用冷媒回路(C) では、図2に破線の矢印で示すように、圧縮機(41)から吐出した高温高圧のガス冷媒は、一部が加熱熱交換器(42)に流入し、他がバイパス配管(50)に流入する。加熱熱交換器(42)に流入した冷媒は、循環用蒸発器(11)の冷媒と熱交換を行って凝縮し、該循環用蒸発器(11)の冷媒を加熱する。一方、バイパス配管(50)に流入した冷媒は放熱熱交換器(51)において例えば外気との間で熱交換を行って凝縮する。これら凝縮した冷媒は、夫々電動膨張弁(43,52) で減圧した後、合流され、冷却熱交換器(44)に流入する。この冷却熱交換器(44)に流入した冷媒は、循環用凝縮器(12)の冷媒と熱交換を行って蒸発し、該循環用凝縮器(12)の冷媒を冷却する。その後、この蒸発した冷媒は圧縮機(1) に吸入される。このような循環動作を繰り返す。
【0050】
このような循環用蒸発器(11)及び循環用凝縮器(12)における駆動用冷媒回路(C) との間での熱の授受により、循環用蒸発器(11)では冷媒の蒸発に伴って高圧が、循環用凝縮器(12)では冷媒の凝縮に伴って低圧が発生する。このため、2次側冷媒回路(B) にあっては、第1メインタンク(T1)及びサブタンク(ST)の内圧が高圧となり(加圧動作)、逆に、第2メインタンク(T2)の内圧が低圧となる(減圧動作)。これにより、図2に一点鎖線の矢印で示すように、第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒が、液配管(31)、電動弁(14,14) を経た後、室内熱交換器(15,15) において室内空気との間で熱交換を行い、蒸発して室内空気を冷却する。その後、この冷媒は、ガス配管(33)を経て2次側熱交換部(13)で凝縮し、液配管(32)を経て第2メインタンク(T2)に回収される。また、循環用凝縮器(12)で凝縮した液冷媒は液供給管(26)の一方の分岐管(26b) により第2メインタンク(T2)に導入する。
【0051】
一方、サブタンク(ST)は循環用蒸発器(11)と均圧されているので、図2に一点鎖線の矢印で示すように、該サブタンク(ST)内の液冷媒が液回収管(22)を経て循環用蒸発器(11)に供給される。この供給された液冷媒は循環用蒸発器(11)内で蒸発して第1メインタンク(T1)内の加圧に寄与する。その後、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが循環用蒸発器(11)に供給されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3) が閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3) が開放される。これにより、サブタンク(ST)内は低圧になり、図2に二点鎖線の矢印で示すように、液配管(31)を流れている冷媒の一部が回収される。
【0052】
このような動作を所定時間行った後、2次側冷媒回路(B) の電磁弁を切換える。つまり、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1) 、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2) 、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3) を閉鎖する。第2メインタンク(T2)の加圧電磁弁(SV-P2) 、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V1) 、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3) を開放する。
【0053】
これにより、第1メインタンク(T1)の内圧が低圧となり、逆に、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(ST)の内圧が高圧となる。このため、第2メインタンク(T2)から押し出された液冷媒が上述と同様に循環して第1メインタンク(T1)に回収される冷媒循環状態となり、また、サブタンク(ST)内の液冷媒が循環用蒸発器(11)に供給される。この場合にも、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが循環用蒸発器(11)に供給されると、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3) が閉鎖されると共に、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3) が開放されて、サブタンク(ST)への冷媒の回収が行われる。
【0054】
以上のような各電磁弁の切換え動作が繰り返されることにより、2次側冷媒回路(B) では冷媒が循環され、室内が冷房されることになる。
【0055】
以上説明したように、本形態によれば、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒と、2次側冷媒回路(B) を循環する冷媒との間での熱交換により、該2次側冷媒回路(B) で冷媒を循環させるための駆動力が得られることになる。
【0056】
また、駆動用冷媒回路(C) には、加熱熱交換器(42)及び冷却熱交換器(44)の他に放熱熱交換器(51)が備えられ、駆動用冷媒回路(C) での余剰熱を、この放熱熱交換器(51)により回路外に放出することが可能となっている。このため、高圧発生のために循環用蒸発器(11)が受ける熱量と、低圧発生のために循環用凝縮器(12)から奪われる熱量とを略等しく、または同一にすることができる。つまり、従来では、加熱熱交換器(42)から循環用蒸発器(11)の冷媒に与えられる熱量が、冷却熱交換器(44)が循環用凝縮器(12)の冷媒から奪う熱量よりも多くなる傾向にあったが、この熱量差である余剰熱は、放熱熱交換器(51)によって駆動用冷媒回路(C) の回路外に放出される。これにより、加熱熱交換器(42)による高圧発生のための加熱熱量と、冷却熱交換器(44)による低圧発生のための冷却熱量との差が小さく、または等しく、或いは、逆に冷却熱交換器(44)が循環用凝縮器(12)の冷媒から奪う熱量の方が僅かに大きくなり、互いの熱量がバランスして主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われる。これによって良好な空調運転動作を実現することができる。尚、メインタンク(T1,T2) に回収される液冷媒に仮にガス(フラッシュガス)が混入しているような場合は、冷却熱交換器(44)が循環用凝縮器(12)の冷媒から奪う熱量を、加熱熱交換器(42)が循環用蒸発器(11)の冷媒に与える熱量よりも多くするようにしておく。つまり、放熱熱交換器(51)での放熱量を多くしておけば(例えば空冷の場合にはファン回転数を増大させる)、この混入ガスを凝縮させながら、各メインタンクでの高圧、低圧を発生させるための熱量を等しくすることができることになる。
【0057】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図3及び図4を用いて説明する。本形態の空気調和装置は暖房専用機として構成されたものである。本形態では、上述した第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0058】
図3に示すように、本形態の1次側冷媒回路(A) は、圧縮機(1) 、1次側熱交換部(4) 、電動膨張弁(3) 、室外熱交換器(2) が冷媒配管(5) によって接続されて成っている。つまり、圧縮機(1) の駆動に伴って冷媒が循環し、1次側熱交換部(4) において2次側冷媒回路(B) の冷媒に温熱を与えるようになっている。
【0059】
一方、2次側冷媒回路(B) は、上記1次側熱交換部(4) との間で熱交換可能な2次側熱交換部(13)の液側に電動弁(14,14) が、ガス側にガス配管(33)を介して室内熱交換器(15,15) が配置されている。つまり、2次側熱交換部(13)の液側が、メインタンク(T1,T2) から液冷媒が供給される側の液配管(31)を介し、また、室内熱交換器(15,15) の液側が、メインタンク(T1,T2) へ液冷媒を回収する側の液配管(32)を介して各メインタンク(T1,T2) に夫々接続されている。その他の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
【0060】
また、特に、本形態の駆動用冷媒回路(C) に充填される冷媒としては、R134aが使用されている。この冷媒は、一般に使用されている冷媒に比べて沸点の低いものである。
【0061】
次に、室内の暖房運転動作について説明する。この運転時では、各弁の動作は、上述した第1実施形態の場合と同様に行われる。
【0062】
1次側冷媒回路(A) にあっては、図4に実線の矢印で示す如く、圧縮機(1) から吐出した高温高圧のガス冷媒が、1次側熱交換部(4) に流入し、ここで、2次側熱交換部(13)の冷媒と熱交換を行って凝縮して2次側冷媒回路(B) の冷媒に温熱を与える。その後、この冷媒は、電動膨張弁(3) で減圧され、室外熱交換器(2) で外気との間で熱交換を行って蒸発して圧縮機(1) に吸入される。このような循環動作を繰り返す。
【0063】
また、駆動用冷媒回路(C) では、上述した第1実施形態と同様の冷媒循環動作が行われる(図4に破線で示す矢印参照)。つまり、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の放熱動作が加熱熱交換器(42)及び放熱熱交換器(51)において行われる。
【0064】
2次側冷媒回路(B) にあっては、第1メインタンク(T1)の内圧が高圧となり、逆に、第2メインタンク(T2)の内圧が低圧となる状況では、図4に一点鎖線の矢印で示すように、第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒が、液配管(31)を経た後、2次側熱交換部(13)で蒸発する。その後、この冷媒は、室内熱交換器(15,15) において室内空気との間で熱交換を行い、凝縮して室内空気を加熱する。この凝縮した冷媒は、電動弁(14,14) 及び液配管(32)を経て第2メインタンク(T2)に回収される。その他の運転動作(各メインタンク(T1,T2) に対する作用圧力切換え動作やサブタンク(ST)に対する圧力作用動作)は上述した第1実施例と同様である。
【0065】
以上のような動作により室内が暖房されることになる。
【0066】
本形態によっても、駆動用冷媒回路(C) での余剰熱を、放熱熱交換器(51)により回路外に放出することが可能である。従って、駆動用冷媒回路(C) の余剰温のために2次側冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われなくなるといった状況の発生を解消することができ、円滑な空調運転動作を実現することができる。
【0067】
また、特に、このような暖房運転時には圧縮機(41)の吸入圧力が高くなって過負荷状態になりやすいが、冷媒として沸点の低いR134aを使用していることにより、圧縮機(41)の吸入圧力を低く維持でき該圧縮機(41)の負荷を軽減できる。
【0068】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図5を用いて説明する。本形態の空気調和装置は冷房運転と暖房運転とが切換え可能に構成されたものである。本形態も、上述した第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0069】
図5に示すように、本形態の1次側冷媒回路(A) は、圧縮機(1) 、第1四路切換弁(6) 、室外熱交換器(2) 、電動膨張弁(3) 、1次側熱交換部(4) が冷媒配管(5) によって接続されて成っている。第1四路切換弁(6) は、冷房運転時には図中実線側に、暖房運転時には図中破線側に切換えられる。
【0070】
一方、2次側冷媒回路(B) は、各液配管(31,32) の室内熱交換器(15,15) 及び2次側熱交換部(13)に対する接続状態を切換える第2四路切換弁(16)が設けられている。この第2四路切換弁(16)は、冷房運転時には図中実線側に切換わって、メインタンク(T1,T2) の液冷媒押し出し側を室内熱交換器(15,15) に接続し、且つ液冷媒回収側を2次側熱交換部(13)に接続する。一方、暖房運転時には図中破線側に切換わって、メインタンク(T1,T2) の液冷媒押し出し側を2次側熱交換部(13)に接続し、且つ液冷媒回収側を室内熱交換器(15,15) に接続する。
【0071】
その他の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
【0072】
次に、本形態の空気調和装置の運転動作について説明する。冷房運転及び暖房運転共に、各弁の動作は、上述した第1実施形態の場合と同様に行われる。
【0073】
冷房運転時には、各四路切換弁(6,16)が図中実線側に切換わり、上述した第1実施形態と同様の冷媒循環動作が各回路(A,B,C) において行われて室内を冷房する。
【0074】
一方、暖房運転時には、各四路切換弁(6,16)が図中破線側に切換わり、上述した第2実施形態と同様の冷媒循環動作が各回路(A,B,C) において行われて室内を冷房する。
【0075】
これら各運転時においても、上述した第1及び第2実施形態の場合と同様に、駆動用冷媒回路(C) での余剰熱は放熱熱交換器(51)により回路外に放出されている。このため、駆動用冷媒回路(C) の余剰温のために2次側冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われなくなるといった状況の発生を解消することができ、本形態にあっても円滑な空調運転動作を実現することができる。
【0076】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図6を用いて説明する。本形態は放熱熱交換器(51)の配設位置の変形例であって、その他の構成は上述した第1実施形態と同様である。従って、ここでは、放熱熱交換器(51)の配設位置についてのみ説明する。
【0077】
図6に示すように、本形態の放熱熱交換器(51)は加熱熱交換器(42)に対して直列に接続されている。具体的には、加熱熱交換器(42)の下流側に放熱熱交換器(51)が接続され、更に、この放熱熱交換器(51)の下流側に電動膨張弁(43)が接続されている。その他の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
【0078】
従って、本形態における冷房運転時には、駆動用冷媒回路(C) では、圧縮機(41)から吐出したガス冷媒は、加熱熱交換器(42)において循環用蒸発器(11)に放熱し、その後、放熱熱交換器(51)において外気等に放熱することになる。このため、本形態においても、駆動用冷媒回路(C) での余剰熱は放熱熱交換器(51)により回路外に放出でき、2次側冷媒回路(B) での円滑な冷媒循環動作が行える。
【0079】
尚、本第4実施例では、放熱熱交換器(51)を加熱熱交換器(42)に対して直列に接続する構成を冷房専用機に適用した場合について説明したが、これに限らず、第2実施形態のような暖房専用機や第3実施形態のような冷暖房の切換えが可能な空気調和装置に適用することも可能である。
【0080】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図7を用いて説明する。本形態は、上述した第1実施形態の放熱熱交換器(51)に代えて、2次側冷媒回路(B) を改良することによって駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を処理するようにしたものである。従って、ここでは、上述した第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0081】
図7に示すように、本形態の駆動用冷媒回路(C) には、第1実施形態のようなバイパス配管(50)、放熱熱交換器(51)、第2電動膨張弁(52)は設けられていない。
【0082】
本形態の特徴は、循環用蒸発器(11)の上端部と各メインタンク(T1,T2) とを接続するガス供給管(21)の分岐管(21a,21b) におけるメインタンク(T1,T2) に対する接続位置である。これら各分岐管(21a,21b) におけるメインタンク(T1,T2) に対する接続位置は、タンク(T1,T2) の下端部である。つまり、この分岐管(21a,21b) からメインタンク(T1,T2) にガス冷媒が供給される際には、メインタンク(T1,T2) 内の液冷媒中にガス冷媒が供給されるようになっている。
【0083】
従って、本形態における冷房運転時には、駆動用冷媒回路(C) では、冷媒の余剰熱は、循環用蒸発器(11)から2次側冷媒回路(B) に与えられ、この循環用蒸発器(11)からガス供給管(21)によりメインタンク(T1,T2) に供給された際に、このガス冷媒がタンク内の液冷媒によって冷却されて凝縮することにより吸収されることになる。つまり、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱はメインタンク(T1,T2) で処理される。
【0084】
このため、本形態においても、駆動用冷媒回路(C) での余剰熱を回路外に放出でき、2次側冷媒回路(B) において円滑な冷媒循環動作が行える。
【0085】
尚、本第5実施例のような2次側冷媒回路(B) において駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を処理する構成においても、第2実施形態のような暖房専用機や第3実施形態のような冷暖房の切換えが可能な空気調和装置に適用することが可能である。
【0086】
−放熱位置に特徴がある実施形態−
次に、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を放熱する放熱位置として、第1実施形態で述べた外気や冷却水以外の部分に関する複数の実施形態を第6〜第8実施形態において説明する。
【0087】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図8を用いて説明する。本形態は、上述した第4実施形態(冷房専用機)の変形例であって、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を、2次側冷媒回路(B) における2次側熱交換部(13)とメインタンク(T1,T2) とを接続する液配管(32)に放熱するものである。
【0088】
つまり、図8に示すように、メインタンク(T1,T2) に対して液冷媒を回収する側の液配管(32)に、放熱用熱交換器(51)との間で熱交換可能な液側熱交換器(17)が備えられた構成となっている。その他の構成は上述した第4実施形態のものと同様である。
【0089】
この構成により、冷房運転時には、2次側熱交換部(13)で凝縮した液冷媒は、液側熱交換器(17)において放熱用熱交換器(51)から駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を受け、この放熱を受けた液冷媒がメインタンク(T1,T2) に回収されることになる。その他の冷媒循環動作は上述した第4実施形態と同様である。
【0090】
このような構成によれば、室内熱交換器(15,15) に向かう液冷媒を加熱することなしに2次側冷媒回路(B) に余剰熱が放熱できるので、2次側冷媒回路(B) での冷媒循環量を増加させることなしに冷凍能力を維持でき、それでいて余剰熱の放熱を確実に行うことが可能となる。
【0091】
(変形例)
このように、2次側冷媒回路(B) における2次側熱交換部(13)とメインタンク(T1,T2) との間の液配管に余剰熱を放熱する第6実施形態の変形例として、図9に示すものは、暖房専用機に適用した場合である。つまり、この図9に示すものでは、メインタンク(T1,T2) から液冷媒を供給する側の液配管(31)に、放熱用熱交換器(51)との間で熱交換可能な液側熱交換器(17)が備えられた構成となっている。
【0092】
また、図10に示すものは、冷暖房の切換えが可能な空気調和装置に適用した場合である。つまり、この図10に示すものでは、2次側熱交換部(13)と四路切換弁(16)とを接続する液配管(冷房運転時には液冷媒の回収側となり、暖房運転時には液冷媒の供給側となる液配管)(32)に、放熱用熱交換器(51)との間で熱交換可能な液側熱交換器(17)が備えられた構成となっている。
【0093】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について図11を用いて説明する。本形態は、上述した第4実施形態(冷房専用機)の変形例であって、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を、メインタンク(T1,T2) から液冷媒を供給する側の液配管(31)に放熱するものである。
【0094】
つまり、図11に示すように、メインタンク(T1,T2) から室内熱交換器(15,15) へ液冷媒を供給する側の液配管(31)に、放熱用熱交換器(51)との間で熱交換可能な液側熱交換器(17)が備えられた構成となっている。その他の構成は上述した第4実施形態のものと同様である。
【0095】
この構成により、冷房運転時には、メインタンク(T1,T2) から押し出された液冷媒は、液側熱交換器(17)において放熱用熱交換器(51)から駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を受け、この放熱を受けた液冷媒が室内熱交換器(15,15) に供給されることになる。その他の冷媒循環動作は上述した第4実施形態と同様である。
【0096】
このような構成によれば、メインタンク(T1,T2) に回収される液冷媒を加熱することはないので、この回収される液冷媒の一部がフラッシュガスとなることはなく、このフラッシュガスを凝縮させるために駆動用冷媒回路(C) を大型にしておく必要なしに、余剰熱の放熱が可能となる。
【0097】
(変形例)
このように、メインタンク(T1,T2) から液冷媒を供給する側の液配管(31)に余剰熱を放熱する第7実施形態の変形例として、暖房専用機に適用した場合には、上述した図9と同じ回路になるので、ここでは説明を省略する。
【0098】
また、図12に示すものは、冷暖房の切換えが可能な空気調和機に適用した場合である。つまり、この図12に示すものでは、メインタンク(T1,T2) と四路切換弁(16)とを接続する液配管(冷房運転時及び暖房運転時共に液冷媒の供給側となる液配管)(31)に、放熱用熱交換器(51)との間で熱交換可能な液側熱交換器(17)が備えられた構成となっている。
【0099】
これらの変形例においても上述した第7実施形態と同様に、メインタンク(T1,T2) に回収される液冷媒がフラッシュガスとなることはなく、このフラッシュガスを凝縮させるために駆動用冷媒回路(C) を大型にしておく必要なしに、余剰熱の放熱が可能となる。
【0100】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について図13を用いて説明する。本形態は、上述した第4実施形態(冷房専用機)の変形例であって、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を2次側冷媒回路(B) のガス配管(33)に放熱するものである。
【0101】
つまり、図13に示すように、このガス配管(33)に、放熱用熱交換器(51)との間で熱交換可能なガス側熱交換器(18)が備えられた構成となっている。その他の構成は上述した第4実施形態のものと同様である。
【0102】
この構成により、冷房運転時には、室内熱交換器(15,15) で蒸発したガス冷媒は、液側熱交換器(17)において放熱用熱交換器(51)から駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を受け、この放熱を受けたガス冷媒が2次側熱交換部(13)において凝縮されることになる。その他の冷媒循環動作は上述した第4実施形態と同様である。
【0103】
(変形例)
このように、2次側冷媒回路(B) のガス配管(33)に余剰熱を放熱する第8実施形態の変形例として、図14に示すものは、暖房専用機に適用した場合である。
【0104】
この暖房専用機に適用した場合には、室内熱交換器(15,15) に導入される冷媒が放熱用熱交換器(51)によって加熱されて、その過熱度を大きくできるので暖房能力の向上を図ることができる。
【0105】
また、図15に示すものは、冷暖房の切換えが可能な空気調和機に適用した場合である。
【0106】
尚、上述した各実施形態では空気調和装置に適用した場合について説明したが、本発明は、空気調和装置に限らず、その他の冷凍装置に対しても適用可能である。
【0107】
また、熱源としては、圧縮機を備えた冷凍回路を使用したが、これに限らず、2次側熱交換器(13)に温熱または冷熱を与えるものであればよく、例えばボイラや吸収式冷凍機も適用可能である。
【0108】
また、本発明は、加熱熱交換器(42)から循環用蒸発器(11)の冷媒に与えられる熱量と、冷却熱交換器(44)が循環用凝縮器(12)の冷媒から奪う熱量とを完全に一致させる必要は必ずしもなく、2次側冷媒回路(B) での冷媒循環動作が良好に行われる程度の熱バランスが保たれておればよい。また、第1実施形態でも説明したように、メインタンク(T1,T2) に回収される液冷媒にフラッシュガスが混入するような場合には、冷却熱交換器(44)が循環用凝縮器(12)の冷媒から奪う熱量の方を多くしておくことで熱バランスが保たれる場合もある。
【0109】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1、2または3記載の発明では、主冷媒回路(B) の冷媒に対する加熱、冷却を行うことで循環駆動力を与える駆動用冷媒回路(C) を備えた熱搬送装置に対し、主冷媒回路(B) の冷媒を加熱する加熱熱交換手段(42)による高圧発生のための加熱熱量と、主冷媒回路(B) の冷媒を冷却する冷却熱交換手段(44)による低圧発生のための冷却熱量との差を小さく、または、この両熱量を略等しく、或いは、主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われるように主冷媒回路(B) が駆動用冷媒回路(C) との間で授受する圧力発生のための熱量をバランスさせるように、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を回路外に放出する放熱手段(51),(21a,21b)を設けた。これにより、高圧発生のための加熱熱量と、低圧発生のための冷却熱量とを等しくでき主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行え、装置の運転効率及び信頼性の向上を図ることができる。
【0110】
請求項4記載の発明では、放熱手段を駆動用冷媒回路(C) に設けられた放熱用熱交換器(51)とし、請求項5ではその放熱用熱交換器(51)による余剰熱の放熱先を外気とし、請求項6では放熱先を冷却水流通路を流れる冷却水とし、請求項7では放熱先を主冷媒回路(B) の冷媒とした。これにより、放熱手段の構成の具体化や余剰熱の放熱先を具体的にでき、熱搬送装置の実用性の向上を図ることができる。
【0111】
請求項8記載の発明では、主冷媒回路(B) の液配管(31,32) に液冷媒の貯留が可能なタンク手段(T) を接続し、このタンク手段(T) に対する加減圧動作によって主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるようにした、これにより、主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が確実に行え、熱搬送装置の運転状態の信頼性の向上を図ることができる。
【0112】
請求項9記載の発明では、主冷媒回路(B) において加熱熱交換手段(42)からの加熱によって発生した高圧ガス冷媒をタンク手段(T) に貯留されている液冷媒の内部に供給して放熱するようにした。つまり、このガス冷媒の一部をタンク手段(T) の液冷媒と熱交換して凝縮させることで余剰熱を処理するようにした。これによれば、駆動用冷媒回路(C) に特別な放熱用の機器を備えさせることなしに余剰熱の放熱が可能となり、部品点数の増大を招くことなしに熱量をバランスさせることができる。
【0113】
請求項10記載の発明では、タンク手段(T) と熱源側熱交換手段(13)とを接続する液配管(31,32) 内の液冷媒に、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を放熱するようにした。これにより、利用側熱交換手段(15)に向かう液冷媒を加熱することなしに2次側冷媒回路(B) に余剰熱が放熱できるので、利用側熱交換手段(15)に吸熱運転をさせるような場合にはその能力が十分に発揮でき、余剰熱の有効利用が可能になる。
【0114】
請求項11記載の発明では、タンク手段(T) から液冷媒を押し出す側の液配管(31)内の液冷媒に、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を放熱するようにした。これにより、タンク手段(T) に回収される液冷媒を加熱することはない。この回収される液冷媒が加熱された場合には、その一部がフラッシュガスとなり、タンク手段(T) への冷媒回収を可能とする十分な低圧を発生させるために、このフラッシュガスを凝縮させるべく駆動用冷媒回路(C) を大型にしておく必要があるが、本発明ではその必要はない。このため、装置全体としてのコンパクト化を図りながら駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を放出できる。
【0115】
請求項12記載の発明では、主冷媒回路(B) のガス配管(33)内のガス冷媒に、駆動用冷媒回路(C) の余剰熱を放熱するようにした。これにより、特に、利用側熱交換手段(15)に放熱運転をさせるような場合には、該利用側熱交換手段(15)に導入する冷媒の過熱度を大きくできる。つまり、余剰熱を有効利用して利用側熱交換手段(15)の放熱量の増大を図ることができる。
【0116】
請求項13記載の発明では、一対のタンク手段(T1,T2) に対し、加圧動作と減圧動作とを交互に切換えて主冷媒回路(B) に連続的に冷媒を循環させるようにした。このため、利用側熱交換手段(15)に吸熱若しくは放熱を連続して行わせることが可能となる。従って、例えば本装置を空気調和装置として使用した場合には、室内の冷房または暖房の連続運転が可能となり室内の快適性を長時間に亘って維持することができる。
【0117】
請求項14記載の発明は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒をR134aとした。このR134aは、一般に使用されている冷媒よりも沸点が低い。特に、利用側熱交換手段(15)の放熱運転時には圧縮機(41)の吸入圧力が高くなって過負荷状態になりやすいが、この冷媒を使用することにより、圧縮機(41)の吸入圧力を低く維持でき該圧縮機(41)の負荷を軽減でき、運転効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。
【図2】第1実施形態における冷房運転時の冷媒循環動作を示す図である。
【図3】第2実施形態に係る図1相当図である。
【図4】第2実施形態における暖房運転時の冷媒循環動作を示す図である。
【図5】第3実施形態に係る図1相当図である。
【図6】第4実施形態に係る空気調和装置の一部を省略した冷媒回路図である。
【図7】第5実施形態に係る図6相当図である。
【図8】第6実施形態に係る図1相当図である。
【図9】第6実施形態の変形例に係る図1相当図である。
【図10】第6実施形態の他の変形例に係る図1相当図である。
【図11】第7実施形態に係る図1相当図である。
【図12】第7実施形態の変形例に係る図1相当図である。
【図13】第8実施形態に係る図1相当図である。
【図14】第8実施形態の変形例に係る図1相当図である。
【図15】第8実施形態の他の変形例に係る図1相当図である。
【図16】駆動用冷媒回路の余剰熱を説明するためのモリエル線図である。
【符号の説明】
(A) 1次側冷媒回路
(B) 2次側冷媒回路(主冷媒回路)
(C) 駆動用冷媒回路
(13) 2次側熱交換部
(15) 室内熱交換器(利用側熱交換手段)
(21) ガス供給管
(31,32) 液配管
(33) ガス配管
(41) 圧縮機
(42) 加熱熱交換器
(43) 第1電動膨張弁(減圧機構)
(44) 冷却熱交換器
(45) 冷媒配管
(51) 放熱熱交換器(放熱手段)
(T1,T2) メインタンク(タンク手段)

Claims (14)

  1. 熱源(A) との間で熱交換可能な熱源側熱交換手段(13)と利用側熱交換手段(15)とがガス配管(33)及び液配管(31,32) により冷媒循環可能に接続されて成る主冷媒回路(B) と、
    圧縮機(41)と、上記主冷媒回路(B) の冷媒に熱を与える加熱熱交換手段(42)と、減圧機構(43)と、主冷媒回路(B) の冷媒から熱を奪う冷却熱交換手段(44)とが冷媒配管(45)によって冷媒循環可能に順に接続されてなる駆動用冷媒回路(C) とを備え、
    上記加熱熱交換手段(42)からの加熱によって主冷媒回路(B) の液冷媒を蒸発させて該主冷媒回路(B) に高圧を与える一方、冷却熱交換手段(44)からの冷却によって主冷媒回路(B) のガス冷媒を凝縮させて該主冷媒回路(B) に低圧を与え、これら圧力によって主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるようにした熱搬送装置であって、
    上記加熱熱交換手段(42)による高圧発生のための加熱熱量と、冷却熱交換手段(44)による低圧発生のための冷却熱量との差が減少するように、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を該駆動用冷媒回路(C) の回路外に放出する放熱手段(51),(21a,21b)が設けられていることを特徴とする熱搬送装置。
  2. 請求項1記載の熱搬送装置において、
    放熱手段(51),(21a,21b)は、加熱熱交換手段(42)による高圧発生のための加熱熱量と、冷却熱交換手段(44)による低圧発生のための冷却熱量とを略等しくするように、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を該駆動用冷媒回路(C) の回路外に放出することを特徴とする熱搬送装置。
  3. 熱源(A) との間で熱交換可能な熱源側熱交換手段(13)と利用側熱交換手段(15)とがガス配管(33)及び液配管(31,32) により冷媒循環可能に接続されて成る主冷媒回路(B) と、
    圧縮機(41)と、上記主冷媒回路(B) の冷媒に熱を与える加熱熱交換手段(42)と、減圧機構(43)と、主冷媒回路(B) の冷媒から熱を奪う冷却熱交換手段(44)とが冷媒配管(45)によって冷媒循環可能に順に接続されてなる駆動用冷媒回路(C) とを備え、
    上記加熱熱交換手段(42)からの加熱によって主冷媒回路(B) の液冷媒を蒸発させて該主冷媒回路(B) に高圧を与える一方、冷却熱交換手段(44)からの冷却によって主冷媒回路(B) のガス冷媒を凝縮させて該主冷媒回路(B) に低圧を与え、これら圧力によって主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるようにした熱搬送装置であって、
    上記駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を該駆動用冷媒回路(C) の回路外に放出することにより、主冷媒回路(B) での冷媒循環動作が円滑に行われるように主冷媒回路(B) が駆動用冷媒回路(C) との間で授受する圧力発生のための熱量をバランスさせる放熱手段(51),(21a,21b)が設けられていることを特徴とする熱搬送装置。
  4. 請求項1、2または3記載の熱搬送装置において、
    放熱手段は、駆動用冷媒回路(C) に設けられた放熱用熱交換器(51)であることを特徴とする熱搬送装置。
  5. 請求項4記載の熱搬送装置において、
    放熱用熱交換器(51)は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を外気に放熱することを特徴とする熱搬送装置。
  6. 請求項4記載の熱搬送装置において、
    放熱用熱交換器(51)は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、該放熱用熱交換器(51)と熱交換可能に配置された冷却水流通路を流れる冷却水に放熱することを特徴とする熱搬送装置。
  7. 請求項4記載の熱搬送装置において、
    放熱用熱交換器(51)は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を主冷媒回路(B) に放熱することを特徴とする熱搬送装置。
  8. 請求項1、2または3記載の熱搬送装置において、
    主冷媒回路(B) の液配管(31,32) には、液冷媒の貯留が可能なタンク手段(T) が接続され、
    加熱熱交換手段(42)による冷媒の加熱によって主冷媒回路(B) に与えられる高圧をタンク手段(T) に作用させて該タンク手段(T) から液冷媒を押し出す加圧動作と、冷却熱交換手段(44)による冷媒の冷却によって主冷媒回路(B) に与えられる低圧をタンク手段(T) に作用させて該タンク手段(T) へ液冷媒を回収する減圧動作とにより主冷媒回路(B) に冷媒を循環させるようになっていることを特徴とする熱搬送装置。
  9. 請求項8記載の熱搬送装置において、
    放熱手段は、主冷媒回路(B) において加熱熱交換手段(42)からの加熱によって発生した高圧ガス冷媒をタンク手段(T) に貯留されている液冷媒の内部に供給するガス供給管(21a,21b) であることを特徴とする熱搬送装置。
  10. 請求項8記載の熱搬送装置において、
    放熱用熱交換器(51)は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、タンク手段(T) と熱源側熱交換手段(13)とを接続する液配管(31,32) 内の液冷媒に放熱することを特徴とする熱搬送装置。
  11. 請求項8記載の熱搬送装置において、
    放熱用熱交換器(51)は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、タンク手段(T) から液冷媒を押し出す側の液配管(31)内の液冷媒に放熱することを特徴とする熱搬送装置。
  12. 請求項8記載の熱搬送装置において、
    放熱用熱交換器(51)は、駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒の余剰熱を、主冷媒回路(B) のガス配管(33)内のガス冷媒に放熱することを特徴とする熱搬送装置。
  13. 請求項8記載の熱搬送装置において、
    タンク手段は液配管(31,32) において並列に接続された第1及び第2のタンク手段(T1,T2) で成り、
    加熱熱交換手段(42)により第1タンク手段(T1)に高圧を与えると共に冷却熱交換手段(44)により第2タンク手段(T2)に低圧を与える第1の圧力作用動作と、冷却熱交換手段(44)により第1タンク手段(T1)に低圧を与えると共に加熱熱交換手段(42)により第2タンク手段(T2)に高圧を与える第2の圧力作用動作とを交互に切換えて、第1の圧力作用動作時には、第1タンク手段(T1)から蒸発器となる熱交換手段(13),(15) に液冷媒を供給すると共に、凝縮器となる熱交換手段(15),(13) から第2タンク手段(T2)に液冷媒を回収する一方、第2の圧力作用動作時には、第2タンク手段(T2)から蒸発器となる熱交換手段(13),(15) に液冷媒を供給すると共に、凝縮器となる熱交換手段(15),(13) から第1タンク手段(T1)に液冷媒を回収するように冷媒を循環させて利用側熱交換手段(15)に吸熱若しくは放熱を連続して行わせることを特徴とする熱搬送装置。
  14. 請求項1、2または3記載の熱搬送装置において、
    駆動用冷媒回路(C) を循環する冷媒はR134aであることを特徴とする熱搬送装置。
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