JP2000035252A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2000035252A
JP2000035252A JP10201488A JP20148898A JP2000035252A JP 2000035252 A JP2000035252 A JP 2000035252A JP 10201488 A JP10201488 A JP 10201488A JP 20148898 A JP20148898 A JP 20148898A JP 2000035252 A JP2000035252 A JP 2000035252A
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JP
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refrigerant
heat
heat exchanger
circuit
hex5
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JP10201488A
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English (en)
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Kazuhide Mizutani
和秀 水谷
Shinya Matsuoka
慎也 松岡
Osamu Tanaka
修 田中
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次側冷媒回路の冷媒を加熱、冷却すること
で該冷媒に循環駆動力を与える駆動用回路を備えた冷凍
装置に対し、駆動用回路の余剰熱を処理することで、2
次側冷媒回路での冷媒循環動作を円滑に行わせる。 【解決手段】 液冷媒を貯留した一対のタンク(T1,T
2)、室内熱交換器(HEX1)、主熱交換器(HEX2)を備えた2
次側回路(20)と、この2次側回路(20)の冷媒を加熱して
タンク(T1,T2)を加圧する加熱熱交換器(HEX3)、2次側
回路(20)の冷媒を冷却してタンク(T1,T2)を減圧する冷
却熱交換器(HEX4)を有する駆動用回路(50)とを備える。
タンク(T1,T2)回収側の液配管(38)に、駆動用回路(50)
の冷媒と2次側回路(20)の冷媒との熱交換を行う放熱熱
交換器(HEX5)を設ける。放熱熱交換器(HEX5)で駆動用回
路(50)の冷媒の余剰熱を処理し、加熱熱交換器(HEX3)で
の熱交換量と冷却熱交換器(HEX4)での熱交換量とをバラ
ンスさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍装置に係る。特
に、本発明は、冷媒の加熱蒸発及び冷却凝縮に伴う圧力
変化を利用して冷媒循環駆動力を得て、この冷媒の循環
により熱搬送を行う冷凍装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポンプを用いることなく冷媒
を循環させて、熱源から受けた温熱又は冷熱を利用側熱
交換器に搬送する冷凍装置が知られている。この種の冷
凍装置は、例えば特開平9−178217号公報に開示
されている。
【0003】この冷凍装置は、利用側冷媒回路及び駆動
用回路を備えている。利用側冷媒回路は、熱源との間で
熱交換を行う熱源側熱交換器及び利用側空間に設置され
た利用側熱交換器を有する。これら熱交換器同士は液配
管及びガス配管によって利用側冷媒の循環が可能に接続
されている。利用側冷媒回路の液配管には液冷媒を貯留
した一対のタンクが接続している。駆動用回路は、圧縮
機、駆動用加熱熱交換器、減圧機構及び駆動用冷却熱交
換器が冷媒配管によって駆動用冷媒の循環が可能に接続
されて成る。各駆動用の熱交換器は駆動用冷媒と利用側
冷媒とを熱交換させる。駆動用回路での冷媒循環動作に
より、駆動用加熱熱交換器において駆動用冷媒が利用側
冷媒を加熱する。これにより利用側冷媒が蒸発して高圧
が発生する。一方、駆動用冷却熱交換器において駆動用
冷媒が利用側冷媒を冷却する。これにより利用側冷媒が
凝縮して低圧が発生する。
【0004】このようにして発生した高圧を一方のタン
クに作用させ、低圧を他方のタンクに作用させる。つま
り、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと、他方のタ
ンクへの液冷媒の回収とを同時に行うことにより利用側
冷媒回路で冷媒が循環し、熱搬送が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに駆動用加熱熱交換器及び駆動用冷却熱交換器での冷
媒の加熱や冷却によって循環駆動力を得るものでは、以
下に述べるような課題がある。
【0006】駆動用回路全体としての熱の収支を考慮し
た場合、この駆動用回路では、圧縮機への入力エネルギ
分に相当する温熱が余ることになる。つまり、図21の
モリエル線図におけるA部分に相当する温熱が余剰熱と
なる。駆動用加熱熱交換器での熱交換動作では、この駆
動用冷媒の余剰熱も利用側冷媒に与えられる。従って、
利用側冷媒回路では、駆動用冷却熱交換器において利用
側冷媒が奪われる熱量よりも、駆動用加熱熱交換器にお
いて利用側冷媒が受ける熱量の方が大きくなる。この熱
量のアンバランスにより、タンクからの冷媒押し出し力
と、冷媒吸引力とに差が生じ、利用側冷媒回路での円滑
な冷媒循環動作が行われなくなってしまう。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、利用側冷媒回路の冷
媒を加熱、冷却することで該冷媒に循環駆動力を与える
駆動用回路を備えた冷凍装置に対し、駆動用回路の余剰
熱を処理することで、利用側冷媒回路での冷媒循環動作
を円滑に行わせることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記目的を達成するために、本発明は、駆動用回路の余
剰熱を利用側冷媒回路等の駆動用回路外に放出すること
により、高圧発生のための駆動用冷媒の放熱量と、低圧
発生のための駆動用冷媒の吸熱量とをバランスさせてい
る。
【0009】−解決手段− 具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、図1に示
すように、利用側冷媒回路(20)と、該利用側冷媒回路(2
0)の利用側冷媒に循環駆動力を与える駆動用回路(50)と
を備えた冷凍装置を前提とする。上記利用側冷媒回路(2
0)は、熱源側熱交換器(HEX2)と利用側熱交換器(HEX1)と
の間で利用側冷媒が循環して熱搬送を行う。駆動用回路
(50)は、駆動用冷媒が循環し、駆動用冷媒により上記利
用側冷媒回路(20)の液冷媒を加熱蒸発させて該利用側冷
媒回路(20)に高圧を生じさせると共に、駆動用冷媒によ
り利用側冷媒回路(20)のガス冷媒を冷却凝縮させて該利
用側冷媒回路(20)に低圧を生じさせる。これにより、上
記熱源側熱交換器(HEX2)及び利用側熱交換器(HEX1)の一
方への利用側冷媒の押し込み力と、他方からの利用側冷
媒の吸引力とを発生させて該利用側冷媒を循環させる。
この冷凍装置に対し、上記駆動用冷媒が利用側冷媒回路
(20)の液冷媒に与える熱量と、駆動用冷媒が利用側冷媒
回路(20)のガス冷媒から奪う熱量とをバランスさせるよ
うに、駆動用冷媒の余剰熱を、利用側冷媒回路(20)を循
環する利用側冷媒に放熱する放熱手段(HEX5)を設けてい
る。
【0010】この特定事項により、駆動用回路(50)で駆
動用冷媒が循環すると、駆動用冷媒により、利用側冷媒
回路(20)の液冷媒が加熱蒸発されると共に、該利用側冷
媒回路(20)のガス冷媒が冷却凝縮される。蒸発に伴って
発生する高圧及び凝縮に伴って発生する低圧が利用側冷
媒の循環駆動力として利用される。利用側冷媒回路(20)
では、熱源側熱交換器(HEX2)及び利用側熱交換器(HEX1)
の一方への利用側冷媒の押し込み力と、他方からの利用
側冷媒の吸引力とが発生し該利用側冷媒が循環して熱搬
送が行われる。
【0011】このような冷媒循環動作において、駆動用
回路(50)では、例えば、駆動用冷媒を循環させるための
入力エネルギ等によって駆動用冷媒に余剰熱が生じてい
る。この余剰熱は、放熱手段(HEX5)により利用側冷媒回
路(20)を循環する利用側冷媒に放熱される。つまり、放
熱手段(HEX5)が余剰熱を処理することにより、上記高圧
発生のために駆動用冷媒が利用側冷媒回路(20)の液冷媒
に与える熱量と、低圧発生のために駆動用冷媒が利用側
冷媒回路(20)のガス冷媒から奪う熱量とがほぼ等しくな
る。その結果、利用側冷媒回路(20)に発生する上記押し
込み力及び吸引力が適切に得られ、利用側冷媒回路(20)
における利用側冷媒の循環動作が円滑に行われる。
【0012】第2〜第5の解決手段は、駆動用回路(50)
を、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交換器(HEX3)、減
圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交換器(HEX4)を冷
媒配管によって順に接続した蒸気圧縮式の冷凍サイクル
とし、この駆動用回路(50)における放熱手段(HEX5)の配
設位置を特定したものである。
【0013】第2の解決手段は、図1及び図5に示すよ
うに、上記第1の解決手段において、放熱手段(HEX5)
を、上記加熱熱交換器(HEX3)の下流側に直列接続した放
熱熱交換器(HEX5)としている。
【0014】第3の解決手段は、上記第1の解決手段に
おいて、放熱手段(HEX5)を、上記加熱熱交換器(HEX3)の
上流側に直列接続した放熱熱交換器(HEX5)としている。
【0015】第4の解決手段は、図15に示すように、
上記第1の解決手段において、放熱手段(HEX5)を、上記
加熱熱交換器(HEX3)に並列接続した放熱熱交換器(HEX5)
としている。
【0016】第5の解決手段は、上記第1の解決手段に
おいて、放熱手段(HEX5)を上記加熱熱交換器(HEX3)の上
流側に直列接続する接続状態と、該放熱手段(HEX5)を加
熱熱交換器(HEX3)の下流側に直列接続する接続状態とを
切り換え可能な切換手段を設けている。
【0017】これら特定事項のうち、特に、第2の解決
手段では、圧縮機(51)から吐出した駆動用ガス冷媒が、
加熱熱交換器(HEX3)で凝縮した後、放熱手段(HEX5)に流
入して利用側冷媒回路(20)へ放熱する。加熱熱交換器(H
EX3)での加熱源は圧縮機(51)からのホットガスであるの
で、該加熱熱交換器(HEX3)で熱交換する冷媒同士の温度
差は大きく確保される。このため、この圧縮機(51)の吐
出冷媒圧力が比較的低くても利用側冷媒の循環に十分な
高圧が発生でき、圧縮機(51)への必要入力エネルギ(電
力)を削減できる。
【0018】また、第3及び第4の解決手段では、放熱
熱交換器(HEX5)に、圧縮機(51)から吐出した高温高圧の
駆動用ガス冷媒が供給され、このガス冷媒が利用側冷媒
回路(20)の利用側冷媒に余剰熱を放熱する。つまり、放
熱熱交換器(HEX5)では、各冷媒を温度差が大きい状態で
熱交換が行われ、高い熱交換効率を得ることができる。
従って、小型の放熱熱交換器(HEX5)を設置した場合であ
っても余剰熱が十分に放熱される。
【0019】第5の解決手段では、切換手段により、放
熱手段(HEX5)と加熱熱交換器(HEX3)との接続状態を選択
的に切り換えることで、上述した第2の解決手段の作用
が得られる状態と、第3の解決手段の作用が得られる状
態とを任意に設定できる。また、利用側冷媒回路(20)で
の冷媒循環状態に応じて切換手段を切り換えることもで
きる。つまり、利用側冷媒と駆動用冷媒との温度差が充
分に得られる場合には加熱熱交換器(HEX3)を放熱手段(H
EX5)の下流側に接続し、逆に、この温度差が充分に得ら
れない場合には加熱熱交換器(HEX3)を放熱手段(HEX5)の
上流側に接続する。
【0020】第6の解決手段は、利用側冷媒回路(20)の
回路構成を特定したものである。つまり、図1に示すよ
うに、上記第2、第3、第4または第5の解決手段にお
いて、利用側冷媒回路(20)に、主回路(21)と搬送回路(3
0)とを備えさせる。主回路(21)は、熱源側熱交換器(HEX
2)と利用側熱交換器(HEX1)とがガス配管(24)及び液配管
(25,26)によって接続されて成る。搬送回路(30)は、主
回路(21)の液配管(25,26)に接続され利用側液冷媒の貯
留が可能なタンク手段(T1,T2)を有している。また、加
熱熱交換器(HEX3)が駆動用冷媒により搬送回路(30)の液
冷媒を加熱して高圧を発生させる一方、冷却熱交換器(H
EX4)が駆動用冷媒により搬送回路(30)のガス冷媒を冷却
して低圧を発生させる。上記高圧をタンク手段(T1,T2)
に作用させて、該タンク手段(T1,T2)から主回路(21)へ
利用側液冷媒を押し出す押し出し動作と、低圧をタンク
手段(T1,T2)に作用させて、主回路(21)からタンク手段
(T1,T2)へ利用側液冷媒を回収する回収動作とにより主
回路(21)に利用側冷媒を循環させるようにしている。
【0021】この特定事項の場合、上述した第1の解決
手段の作用によって放熱熱交換器(HEX5)が余剰熱を処理
し、高圧発生のために駆動用冷媒が利用側冷媒回路(20)
の液冷媒に与える熱量と、低圧発生のために駆動用冷媒
が利用側冷媒回路(20)のガス冷媒から奪う熱量とがほぼ
等しくなる。その結果、タンク手段(T1,T2)からの利用
側液冷媒を押し出し力と、タンク手段(T1,T2)への利用
側液冷媒の吸引力とがほぼ等しくなり、利用側冷媒回路
(20)における利用側冷媒の循環動作が円滑に行われる。
【0022】第7〜第13の解決手段は、上記第6の解
決手段において、放熱手段(HEX5)による余剰熱の放熱先
を特定したものである。
【0023】第7の解決手段は、図1及び図5に示すよ
うに、放熱手段(HEX5)が、タンク手段(T1,T2)に回収さ
れる利用側液冷媒に余剰熱を放熱するものである。
【0024】第8の解決手段は、図9に示すように、放
熱手段(HEX5)が、タンク手段(T1,T2)から押し出された
利用側液冷媒に余剰熱を放熱するものである。
【0025】第9の解決手段は、図10に示すように、
利用側冷媒回路(20)に、タンク手段(T1,T2)に回収され
る利用側液冷媒の一部をガス配管(24)にバイパスするバ
イパス管(35)を備えさせる。また、放熱手段(HEX5)が、
このバイパス管(35)を流れる利用側液冷媒に余剰熱を放
熱するものである。
【0026】第10の解決手段は、図11に示すよう
に、タンク手段(T1,T2)の回収側の液配管(38)を2系統
(38A,38B)に分岐する。また、放熱手段(HEX5)が、一系
統の液配管(38B)を流れる利用側液冷媒に余剰熱を放熱
するものである。
【0027】第11の解決手段は、図12に示すよう
に、タンク手段(T1,T2)の回収側の液配管(38)を流れる
利用側液冷媒の一部をタンク手段(T1,T2)の押し出し側
の液配管(37)にバイパスするバイパス配管(36)を備えさ
せる。また、放熱手段(HEX5)が、このバイパス配管(36)
を流れる利用側液冷媒に余剰熱を放熱するものである。
【0028】第12の解決手段は、図13に示すよう
に、タンク手段(T1,T2)から押し出された利用側液冷媒
の一部をガス配管(24)にバイパスするバイパス管(39)を
備えさせる。また、放熱手段(HEX5)が、このバイパス管
(39)を流れる利用側液冷媒に余剰熱を放熱するものであ
る。
【0029】第13の解決手段は、図14に示すよう
に、タンク手段(T1,T2)の押し出し側の液配管(37)を2
系統(37A,37B)に分岐する。また、放熱手段(HEX5)が、
一系統の液配管(37B)を流れる利用側液冷媒に余剰熱を
放熱するものである。
【0030】これら特定事項のうち、特に、第8、第1
2、第13の解決手段では、常に液冷媒が流れているタ
ンク手段(T1,T2)の押し出し側の液配管に余剰熱が放熱
される。つまり、放熱手段(HEX5)における余剰熱を受け
る側には比較的低温度の液冷媒が常に流れており、該放
熱手段(HEX5)で熱交換される冷媒同士の温度差が大きく
なっている。
【0031】また、第9、第11の解決手段では、利用
側冷媒が余剰熱を受けて蒸発することがあるが、この冷
媒は、利用側冷媒回路(20)のガス管(24)やタンク手段(T
1,T2)の押し出し側の液配管(37)に供給される。このた
め、利用側ガス冷媒がタンク手段(T1,T2)に回収される
ことはない。タンク手段(T1,T2)にガス冷媒が流入する
場合、このガス冷媒を冷却熱交換器(HEX4)によって冷却
して液化する必要があることから、予め、大型の冷却熱
交換器(HEX4)を設置しておく必要があった。本発明で
は、その必要がなく、小型の冷却熱交換器(HEX4)を設置
することが可能である。
【0032】更に、第10、第13の解決手段では、利
用側冷媒回路(20)を循環する利用側冷媒の一部を利用し
て余剰熱を処理している。従って、余剰熱の処理に必要
な最小限の利用側冷媒のみを流す放熱手段(HEX5)を設置
しておけばよい。また、一系統の液配管(38B,37B)を流
れる利用側冷媒の流量を調整することにより、放熱手段
(HEX5)での余剰熱の放熱量を調整することができる。
【0033】第14の解決手段は、冷熱の蓄熱が可能な
蓄熱ユニットを備えた装置において、この蓄冷熱を利用
して余剰熱を放熱している。つまり、図16に示すよう
に、上述した第1の解決手段と同様の利用側冷媒回路(2
0)と駆動用回路(50)とを備え、それに加えて蓄熱ユニッ
ト(40)を備えた冷凍装置を前提としている。この蓄熱ユ
ニット(40)は、蓄熱媒体を貯留した蓄熱槽(41)を有し、
該蓄熱媒体に冷熱を蓄熱する蓄熱動作と該蓄熱媒体の冷
熱を利用側熱交換器(HEX1)へ搬送する冷熱利用動作とが
可能である。この冷凍装置に対し、上記駆動用冷媒が利
用側冷媒回路(20)の液冷媒に与える熱量と、駆動用冷媒
が利用側冷媒回路(20)のガス冷媒から奪う熱量とをバラ
ンスさせるように、駆動用冷媒の余剰熱を、蓄熱槽(41)
内の蓄熱媒体に放熱する放熱手段(HEX5)を設けている。
【0034】この特定事項により、駆動用回路(50)を循
環する駆動用冷媒の余剰熱は、蓄熱槽(41)内の蓄熱媒体
に放熱される。余剰熱を利用側冷媒回路(20)の利用側冷
媒に放熱するものではないので、該利用側冷媒回路(20)
の冷凍能力に悪影響を与えることなしに駆動用冷媒の余
剰熱を放熱できる。
【0035】第15〜第17の解決手段は、上記第14
の解決手段において、上述した第2〜第4の解決手段と
同様に、駆動用回路(50)における放熱手段(HEX5)の配設
位置を特定したものである。
【0036】つまり、第15の解決手段では、放熱手段
(HEX5)を加熱熱交換器(HEX3)の下流側に直列接続してい
る。
【0037】第16の解決手段では、放熱手段(HEX5)を
加熱熱交換器(HEX3)の上流側に直列接続している。
【0038】第17の解決手段では、放熱手段(HEX5)を
加熱熱交換器(HEX3)に並列接続している。
【0039】第18〜第20の解決手段は、特別な放熱
熱交換器を備えさせることなしに、駆動用冷媒の余剰熱
を利用側冷媒に放熱するものである。
【0040】第18の解決手段では、図17及び図20
に示すように、上述した第1の解決手段と同様の利用側
冷媒回路(20)と駆動用回路(50)とを備えた冷凍装置を前
提としている。この駆動用回路(50)は、利用側冷媒回路
(20)の高圧発生部(HEX3)内の液冷媒を駆動用冷媒により
加熱蒸発させて高圧を生じさせると共に、利用側冷媒回
路(20)の低圧発生部(HEX4)内のガス冷媒を駆動用冷媒に
より冷却凝縮させて低圧を生じさせる。また、上記高圧
及び低圧を利用側冷媒回路(20)のタンク手段(T1,T2)に
おいて利用側冷媒に作用させて該利用側冷媒の循環駆動
力を得るようにしている。この冷凍装置に対し、高圧発
生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の一部
を、タンク手段(T1,T2)をバイパスさせて、利用側冷媒
回路(20)で循環している利用側冷媒に合流させる合流管
(27),(28)を設けている。
【0041】この特定事項により、駆動用回路(50)を循
環する駆動用冷媒の余剰熱は、高圧発生部(HEX3)におい
て一旦利用側冷媒回路(20)の冷媒に与えられる。この冷
媒の一部は、合流管(27),(28)によりタンク手段(T1,T2)
をバイパスして利用側冷媒回路(20)で循環している利用
側冷媒に合流する。つまり、この合流管(27),(28)を流
れる冷媒は、高圧発生に寄与しない温熱を利用側冷媒回
路(20)に与えている。このため、高圧発生のために利用
される熱量と、低圧発生のために利用される熱量とのア
ンバランスが小さくなり、利用側冷媒回路(20)に発生す
る高圧及び低圧が適切に得られる。
【0042】第19〜第21の解決手段は、合流管(2
7),(28)による利用側冷媒の供給先を特定したものであ
る。
【0043】第19の解決手段は、図17に示すよう
に、上記第18の解決手段において、合流管(27)が、高
圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の一
部を利用側冷媒回路(20)のガス配管(24)に供給するもの
としている。
【0044】第20の解決手段は、図20に示すよう
に、上記第18の解決手段において、合流管(28)が、高
圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の一
部を利用側冷媒回路(20)の液配管(37)に供給するものと
している。
【0045】第21の解決手段は、上記第18の解決手
段において、合流管(28)が高圧発生部(HEX3)で駆動用冷
媒から温熱を受けた冷媒の一部を利用側冷媒回路(20)の
ガス配管(24)に供給する供給状態と、合流管(28)が高圧
発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の一部
を利用側冷媒回路(20)の液配管(37)に供給する供給状態
とを切り換える切換手段を設けている。
【0046】これら特定事項のうち、特に第19の解決
手段では、合流管(27)を流れたガス冷媒によって、ガス
配管(24)を流れている利用側ガス冷媒の過熱度を高める
ことができる。このため、例えば利用側熱交換器(HEX1)
の放熱動作を行う場合、この利用側熱交換器(HEX1)の放
熱量が増大する。
【0047】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
1〜図4に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、
本発明に係る冷凍装置を室内の暖房又は冷房を行う空気
調和装置に適用した場合について説明する。
【0048】図1に示すように、本実施形態の空気調和
装置は、熱源側冷媒回路(10)と、搬送回路(30)を備えた
利用側冷媒回路(20)と、駆動用回路(50)とを備えてい
る。上記熱源側冷媒回路(10)は冷媒循環動作によって温
熱又は冷熱を生成する。利用側冷媒回路(20)は熱源側冷
媒回路(10)からの温熱又は冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ
搬送して空気調和に利用する。駆動用回路(50)は利用側
冷媒回路(20)の冷媒(利用側冷媒)に循環駆動力を付与す
る。また、上記熱源側冷媒回路(10)及び駆動用回路(50)
は、蒸気圧縮式冷凍サイクルで構成されている。以下、
熱源側冷媒回路(10)を1次側回路(10)といい、利用側冷
媒回路(20)を2次側回路(20)という。
【0049】−2次側回路(20)の説明− 上記2次側回路(20)は、熱源側熱交換器としての主熱交
換器(HEX2)と複数の室内ユニット(22)とを備えて成る主
回路(21)に、2次側四路切換弁(23)を介して上記搬送回
路(30)が接続して構成されている。室内ユニット(22)
は、利用側熱交換器としての室内熱交換器(HEX1)と室内
電動弁(EV)とを冷媒配管で直列に接続して構成されてい
る。各室内ユニット(22)の室内熱交換器(HEX1)側(ガス
側)の一端は、それぞれ主ガス配管(24)を介して上記主
熱交換器(HEX2)の上端部に接続している。一方、各室内
ユニット(22)の室内電動弁(EV)側(液側)の一端は、それ
ぞれ主液配管(25)を介して上記2次側四路切換弁(23)に
接続している。また、主熱交換器(HEX2)の下端部は、主
液配管(26)を介して2次側四路切換弁(23)に接続してい
る。この主液配管(26)には、第2電動弁(EV-2)が設けら
れている。以上のようにして、上記主回路(21)が形成さ
れる。
【0050】また、この主回路(21)には、蓄熱ユニット
(40)が接続している。該蓄熱ユニット(40)は、蓄熱槽(4
1)に蓄熱熱交換部(42)を収納して成る。蓄熱槽(41)には
蓄熱媒体としての水が満たされている。蓄熱熱交換部(4
2)は、所定の長さを有する所定本数の伝熱管によって構
成されて蓄熱槽(41)の内部に収納されている。この蓄熱
熱交換部(42)は、一端が上記主液配管(25)に、他端が上
記主ガス配管(24)に、それぞれ蓄熱配管(43)を介して接
続している。また、蓄熱熱交換部(42)と主液配管(25)と
の間の蓄熱配管(43)には、第1電動弁(EV-1)が設けられ
ている。更に、この蓄熱配管(43)には、蓄熱回収管(44)
が接続している。この蓄熱回収管(44)は、蓄熱電磁弁(S
V)を備える一方、一端が蓄熱熱交換部(42)と第1電動弁
(EV-1)との間に、他端が2次側四路切換弁(23)と第2電
動弁(EV-2)との間の主液配管(26)にそれぞれ接続してい
る。そして、上記蓄熱熱交換部(42)において2次側回路
(20)の冷媒と蓄熱槽(41)内の水とを熱交換させるように
している。
【0051】上記搬送回路(30)は、加熱熱交換器(HEX3)
と、冷却熱交換器(HEX4)と、本発明の特徴とする放熱手
段としての放熱熱交換器(HEX5)と、液冷媒を貯留するタ
ンク手段としての第1及び第2メインタンク(T1,T2)
と、サブタンク(ST)とを備える。
【0052】上記加熱熱交換器(HEX3)は、駆動用回路(5
0)の冷媒(駆動用冷媒)と2次側回路(20)の液冷媒とを熱
交換し、該液冷媒を加熱蒸発させる。この2次側回路(2
0)の液冷媒の蒸発によって、加熱熱交換器(HEX3)の内部
は高圧状態となる。一方、上記冷却熱交換器(HEX4)は、
駆動用回路(50)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とを
熱交換し、該ガス冷媒を冷却凝縮させる。この2次側回
路(20)のガス冷媒の凝縮によって、冷却熱交換器(HEX4)
の内部は低圧状態となる。そして、第1及び第2メイン
タンク(T1,T2)のうち一方のメインタンク(T1,T2)を加熱
熱交換器(HEX3)と連通して加圧し、該メインタンク(T1,
T2)内の液冷媒を押し出す。同時に、他方のメインタン
ク(T1,T2)を冷却熱交換器(HEX4)と連通して減圧し、該
メインタンク(T1,T2)内へ液冷媒を回収する。つまり、
室内熱交換器(HEX1)及び主熱交換器(HEX2)のうちの一方
に搬送回路(30)から液冷媒を押し出し、他方から搬送回
路(30)に液冷媒を吸引する。以上のようにして、駆動用
回路(50)は、2次側回路(20)の冷媒に循環駆動力を付与
する。
【0053】具体的に、上記冷却熱交換器(HEX4)の上端
部にはガス回収管(32)が接続している。このガス回収管
(32)は、3本の分岐管(32a,32b,32c)に分岐し、この各
分岐管(32a〜32c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタ
ンク(ST)の上端部に個別に接続している。これら各分岐
管(32a〜32c)には、第1〜第3のタンク減圧電磁弁(SV-
V1,SV-V2,SV-V3)が設けられている。また、この冷却熱
交換器(HEX4)の下端部には液供給管(33)が接続してい
る。この液供給管(33)は2本の分岐管(33a,33b)に分岐
し、この各分岐管(33a,33b)が各メインタンク(T1,T2)の
下端部にそれぞれ接続している。これら分岐管(33a,33
b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の回収のみを
許容する逆止弁(CV-2)が設けられている。
【0054】上記加熱熱交換器(HEX3)の上端部にはガス
供給管(31)が接続している。このガス供給管(31)は、3
本の分岐管(31a,31b,31c)に分岐し、この各分岐管(31a
〜31c)が上記ガス回収管(32)の分岐管(32a〜32c)に接続
している。これにより、該ガス供給管(31)の各分岐管(3
1a〜31c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)
の上端部に上記分岐管(32a〜32c)を介して個別に接続し
ている。これら各分岐管(31a〜31c)には、第1〜第3の
タンク加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2,SV-P3)が設けられてい
る。また、この加熱熱交換器(HEX3)の下端部には液回収
管(34)が接続している。この液回収管(34)はサブタンク
(ST)の下端部に接続している。この液回収管(34)には、
サブタンク(ST)からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁
(CV-1)が設けられている。
【0055】尚、各メインタンク(T1,T2)は、冷却熱交
換器(HEX4)よりも低い位置に設置されている。また、サ
ブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)よりも高い位置に
設置されている。
【0056】また、各メインタンク(T1,T2)には回収用
液配管(38)と押し出し用液配管(37)とが接続している。
回収用液配管(38)は2本の分岐管(38a,38b)に分岐し、
各分岐管(38a,38b)が各メインタンク(T1,T2)の下端部に
それぞれ接続している。これら各分岐管(38a,38b)に
は、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の流入のみを許容
する逆止弁(CV-5)が設けられている。一方、押し出し用
液配管(37)は3本の分岐管(37a,37b,37c)に分岐し、各
分岐管(37a〜37c)が上記回収用液配管(38)の分岐管(38
a,38b)及び液回収管(34)に接続することにより、各メイ
ンタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の下端部に接続し
ている。これら分岐管(37a〜37c)のうち、各メインタン
ク(T1,T2)に接続する分岐管(37a,37b)には、メインタン
ク(T1,T2)下端からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁
(CV-3)が設けられている。一方、サブタンク(ST)に接続
する分岐管(37c)には、該サブタンク(ST)への冷媒の流
入のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0057】上記放熱熱交換器(HEX5)は、上記回収用液
配管(38)に設けられ、各メインタンク(T1,T2)へ回収す
る2次側回路(20)の液冷媒と、駆動用回路(50)の冷媒と
を熱交換させる。この放熱熱交換器(HEX5)における両冷
媒の熱交換によって、冷却熱交換器(HEX4)における熱交
換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量とをバラン
スさせるようになっている。つまり、駆動用回路(50)で
は、圧縮機(51)への入力エネルギ分に相当する温熱が余
っており、放熱熱交換器(HEX5)を設けない場合には、こ
の余剰熱が加熱熱交換器(HEX3)において2次側回路(20)
の液冷媒に与えられてしまって、冷却熱交換器(HEX4)に
おける熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量
とがアンバランスになる。放熱熱交換器(HEX5)は、この
各熱量をバランスさせるために設けている。即ち、上記
余剰熱を放熱熱交換器(HEX5)において回収用液配管(38)
を流れる液冷媒に放熱し、冷却熱交換器(HEX4)における
熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量とをバ
ランスさせ、メインタンク(T1,T2)の冷媒押し出し力
と、冷媒吸引力とを等しくして、2次側回路(20)での円
滑な冷媒循環動作を可能にしている。
【0058】以上のように上記搬送回路(30)が構成され
ると共に、該搬送回路(30)の回収用液配管(38)及び押し
出し用液配管(37)が、2次側四路切換弁(23)を介して主
回路(21)の主液配管(25,26)に接続している。つまり、
上記2次側回路(20)は、一方のメインタンク(T1,T2)か
ら押し出された液冷媒が押し出し用液配管(37)を通って
主回路(21)へ流れ、主回路(21)を循環した後に回収用液
配管(38)を通って他方のメインタンク(T1,T2)に回収さ
れる構成となっている。また、2次側四路切換弁(23)
は、押し出し用液配管(37)を室内ユニット(22)に接続
し、且つ回収用液配管(38)を主熱交換器(HEX2)に接続す
る切り換え状態と、押し出し用液配管(37)を主熱交換器
(HEX2)に接続し、且つ回収用液配管(38)を室内ユニット
(22)に接続する切り換え状態とが切り換え可能である。
この切り換えによって、主回路(21)における冷媒の循環
方向が反転可能である。
【0059】−駆動用回路(50)の説明− 上記駆動用回路(50)は、駆動圧縮機(51)、上記加熱熱交
換器(HEX3)、放熱熱交換器(HEX5)、減圧機構としての第
4膨張弁(EV-4)及び冷却熱交換器(HEX4)を順に冷媒配管
で接続した蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。こ
の駆動用回路(50)は、上述したように、加熱熱交換器(H
EX3)において2次側回路(20)の冷媒を蒸発させて該加熱
熱交換器(HEX3)内を高圧状態にすると同時に、冷却熱交
換器(HEX4)において2次側回路(20)の冷媒を凝縮させて
該冷却熱交換器(HEX4)内を低圧状態にする。
【0060】また、上記放熱熱交換器(HEX5)は、上述し
たように、2次側回路(20)の液冷媒と駆動用回路(50)の
冷媒とを熱交換させることによって、冷却熱交換器(HEX
4)における熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交
換量とを均衡させる。つまり、2次側回路(20)の冷媒に
適切な循環駆動力を付与するには、加熱熱交換器(HEX3)
における2次側回路(20)の液冷媒の蒸発量と、冷却熱交
換器(HEX4)における2次側回路(20)のガス冷媒の凝縮量
とを等しくする必要がある。従って、加熱熱交換器(HEX
3)における駆動用回路(50)の冷媒の放熱量と、冷却熱交
換器(HEX4)における駆動用回路(50)の冷媒の吸熱量とを
均衡させなければならない。本実施形態では上記放熱熱
交換器(HEX5)を設け、駆動圧縮機(51)への入力電力に起
因する入熱分を放熱熱交換器(HEX5)において放熱させる
ことよって、上述の加熱熱交換器(HEX3)における放熱量
と冷却熱交換器(HEX4)における吸熱量とをバランスさせ
る。
【0061】−1次側回路(10)の説明− 上記1次側回路(10)は、1次側圧縮機(11)、1次側四路
切換弁(12)、室外熱交換器(HEX6)、第3膨張弁(EV-3)及
び上記主熱交換器(HEX2)を冷媒配管により接続して蒸気
圧縮式冷凍サイクルを構成している。この1次側回路(1
0)は、主熱交換器(HEX2)を介して上記2次側回路(20)へ
温熱又は冷熱を供給する。
【0062】−冷房運転動作− 1次側回路(10)で生成した冷熱を室内ユニット(22)へ搬
送する冷房運転時の動作について説明する。
【0063】先ず、1次側回路(10)の動作について説明
する。この運転時において、1次側回路(10)では、1次
側四路切換弁(12)が図2に実線で示すように切り換わる
と共に、第3膨張弁(EV-3)が所定開度に調整される。
【0064】この状態において、図2に一点鎖線の矢印
で示すように、1次側回路(10)を冷媒が循環する。即
ち、1次側圧縮機(11)から吐出した高圧のガス冷媒は、
1次側四路切換弁(12)を通って室外熱交換器(HEX6)へ流
れ、該室外熱交換器(HEX6)で外気と熱交換して凝縮して
高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、第3膨張弁
(EV-3)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、主熱
交換器(HEX2)において2次側回路(20)の冷媒と熱交換し
て蒸発する。その際、1次側回路(10)において冷熱が生
成し、該冷熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。該
主熱交換器(HEX2)で蒸発した1次側回路(10)の冷媒は、
1次側圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0065】次に、上記駆動用回路(50)の動作について
説明する。この運転時において、駆動用回路(50)では、
第4膨張弁(EV-4)が所定開度に調整される。
【0066】この状態において、図2に二点鎖線の矢印
で示すように、駆動用回路(50)内を冷媒が循環する。即
ち、駆動圧縮機(51)から吐出した高圧のガス冷媒は、加
熱熱交換器(HEX3)へ流れ、該加熱熱交換器(HEX3)で2次
側回路(20)の液冷媒と熱交換を行い、凝縮して高圧の液
冷媒となる。その際、2次側回路(20)の液冷媒は加熱さ
れて蒸発する。加熱熱交換器(HEX3)で凝縮した冷媒は、
放熱熱交換器(HEX5)へ流れ、2次側回路(20)の液冷媒と
の熱交換によって冷却される。これにより、駆動用回路
(50)の駆動圧縮機(51)を駆動させるための入力エネルギ
に相当する余剰熱が2次側回路(20)の液冷媒に放熱され
る。この冷却された液冷媒は、第4膨張弁(EV-4)で減圧
されて低圧の液冷媒となり、その後、冷却交換器(HEX4)
において2次側回路(20)の冷媒と熱交換して蒸発する。
その際、2次側回路(20)のガス冷媒は冷却されて凝縮す
る。該冷却交換器(HEX4)で蒸発した駆動用回路(50)の冷
媒は、駆動圧縮機(51)に吸入されて、この循環を繰り返
す。
【0067】この駆動用回路(50)での冷媒循環動作にお
いて、上記余剰熱は放熱熱交換器(HEX5)において2次側
回路(20)の液冷媒に放熱されている。このため、加熱熱
交換器(HEX3)における駆動用回路(50)の冷媒の放熱量
と、冷却熱交換器(HEX4)における駆動用回路(50)の冷媒
の吸熱量とはほぼ等しくなっている。
【0068】次に、上記2次側回路(20)の動作について
説明する。搬送回路(30)の各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が
次の状態にあるところから説明する。第1メインタンク
(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、サブタンク(ST)の加圧電磁
弁(SV-P3)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)
が開放している。一方、第2メインタンク(T2)の加圧電
磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V
1)、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)は閉鎖してい
る。また、2次側四路切換弁(23)は図2に実線で示すよ
うに切り換わり、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)
は所定開度に調整され、第2電動弁(EV-2)は開放し、第
1電動弁(EV-1)及び蓄熱電磁弁(SV)は閉鎖している。
【0069】この状態において、加熱熱交換器(HEX3)で
は、駆動用回路(50)の冷媒と2次側回路(20)の液冷媒と
が熱交換し、該液冷媒が加熱されて蒸発する。この2次
側回路(20)の液冷媒の蒸発によって加熱熱交換器(HEX3)
内が高圧状態となる。加圧電磁弁(SV-P1)の開放によっ
て加熱熱交換器(HEX3)と第1メインタンク(T1)とが連通
し、第1メインタンク(T1)が加圧される。このため、第
1メインタンク(T1)に貯留された液冷媒が、図2の実線
の矢印に示すように、第1メインタンク(T1)から押し出
される。第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒
は、押し出し用液配管(37)の分岐管(37a)及び2次側四
路切換弁(23)を通って主回路(21)の主液配管(25)へ流れ
る。
【0070】一方、冷却熱交換器(HEX4)では、駆動用回
路(50)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とが熱交換
し、該2次側冷媒が冷却されて凝縮する。この2次側回
路(20)のガス冷媒の凝縮によって冷却熱交換器(HEX4)内
が低圧状態となる。
【0071】そして、減圧電磁弁(SV-V2)の開放によっ
て冷却熱交換器(HEX4)と第2メインタンク(T2)とが連通
し、第2メインタンク(T2)が減圧される。このため、第
2メインタンク(T2)には主回路(21)の液冷媒が回収され
る。つまり、図2の実線の矢印に示すように、主液配管
(26)の液冷媒が吸引され、2次側四路切換弁(23)、回収
用液配管(38)の分岐管(38b)を順に流れて第2メインタ
ンク(T2)に回収される。
【0072】上記2次側回路(20)の主回路(21)では、上
述のような第1メインタンク(T1)からの液冷媒の押し出
し動作と、第2メインタンク(T2)への液冷媒の回収動作
とによって冷媒が循環し、1次側回路(10)の冷熱を室内
熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の冷房が行われる。具体
的に、第1メインタンク(T1)から押し出されて主液配管
(25)へ流れた液冷媒は、各室内ユニット(22)へ分流され
る。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整することに
より、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量が調節
される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒は、各室
内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、
室内空気を冷却して調和空気を生成する。そして、この
低温の調和空気が室内の冷房に供される。各室内熱交換
器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して主ガス配管(24)を
通って主熱交換器(HEX2)へ流れる。主熱交換器(HEX2)へ
流れたガス冷媒は、1次側回路(10)の冷媒と熱交換を行
い、該1次側冷媒が蒸発して生成した冷熱によって冷却
されて凝縮し、再び液冷媒となる。この液冷媒は、主液
配管(26)を流れ、2次側四路切換弁(23)、放熱熱交換器
(HEX5)及び回収用液配管(38)を通って第2メインタンク
(T2)に回収される。
【0073】この2次側回路(20)での冷媒循環動作にお
いて、上述したように、駆動用回路(50)の余剰熱が放熱
熱交換器(HEX5)で処理されるため、加熱熱交換器(HEX3)
における熱交換量と、冷却熱交換器(HEX4)における熱交
換量とがほぼ等しくなっている。このため、加熱熱交換
器(HEX3)における2次側回路(20)の液冷媒の蒸発量と、
冷却熱交換器(HEX4)における2次側回路(20)のガス冷媒
の凝縮量とが等しくなる。その結果、メインタンク(T1,
T2)の冷媒押し出し力と、冷媒吸引力とが等しくなり、
2次側回路(20)での冷媒循環動作が円滑に行われる。
【0074】また、搬送回路(30)において、サブタンク
(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)と均圧されている。このた
め、図2に実線の矢印で示すように、該サブタンク(ST)
内の液冷媒が液回収管(34)を経て加熱熱交換器(HEX3)に
供給される。この供給された液冷媒は加熱熱交換器(HEX
3)内で蒸発して第1メインタンク(T1)内の加圧に寄与す
る。その後、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが加
熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク(ST)の加
圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖すると共に、サブタンク(ST)の
減圧電磁弁(SV-V3)が開放する。これにより、サブタン
ク(ST)内は低圧になり、押し出し用液配管(37)を流れて
いる冷媒の一部が該サブタンク(ST)内に回収される。
【0075】このような動作を所定時間行った後、搬送
回路(30)の電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を切換える。つま
り、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2
メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)、サブタンク(S
T)の減圧電磁弁(SV-V3)を閉鎖する。第2メインタンク
(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減
圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)
を開放する。
【0076】これによって、第1メインタンク(T1)が減
圧され、逆に、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(S
T)が加圧される。このため、第2メインタンク(T2)から
押し出された液冷媒が上述と同様に循環して第1メイン
タンク(T1)に回収される冷媒循環状態となる。また、サ
ブタンク(ST)内の液冷媒が加熱熱交換器(HEX3)に供給さ
れる。この場合にも、このサブタンク(ST)内の液冷媒の
殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク
(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖すると共に、サブタン
ク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)が開放して、サブタンク(S
T)への冷媒の回収が行われる。
【0077】以上のように各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が
切換え動作を行い、冷媒が第1メインタンク(T1)から押
し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動作と、
冷媒が第2メインタンク(T2)から押し出されて第2メイ
ンタンク(T2)に回収される動作とが交互に行われる。そ
して、2次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環
し、室内の冷房が行われる。
【0078】−冷蓄熱運転動作− 次に、1次側回路(10)で生成した冷熱を蓄熱ユニット(4
0)へ搬送して蓄熱する冷蓄熱運転時における運転動作に
ついて説明する。
【0079】この運転時において、1次側回路(10)及び
駆動用回路(50)は、上述の冷房運転時と同様に動作す
る。また、2次側回路(20)の搬送回路(30)も上述の冷房
運転時と同様に動作し、主回路(21)において冷媒を循環
させる。上記主回路(21)では、2次側四路切換弁(23)が
図2に実線で示すように切り換わり、各室内ユニット(2
2)の室内電動弁(EV)及び蓄熱電磁弁(SV)が閉鎖され、第
1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-2)が開放される。
【0080】この状態で、一方のメインタンク(T1,T2)
から押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、図2
に破線の矢印で示すように、蓄熱配管(43)を通って蓄熱
熱交換部(42)へ流れる。蓄熱熱交換部(42)へ流れた液冷
媒は、蓄熱槽(41)に満たされた水と熱交換して蒸発す
る。この液冷媒との熱交換によって蓄熱槽(41)内の水が
冷却されて氷が生成し、蓄熱媒体である水に冷熱が蓄え
られる。蓄熱熱交換部(42)で蒸発した冷媒は、主ガス配
管(24)を通って主熱交換器(HEX2)へ流れ、上記冷房運転
時と同様に凝縮して液冷媒となった後に、2次側四路切
換弁(23)及び放熱熱交換器(HEX5)を経て他方のメインタ
ンク(T1,T2)に回収される。
【0081】−利用冷房運転− 次に、蓄熱ユニット(40)に蓄えられた冷熱を室内ユニッ
ト(22)へ搬送する利用冷房運転時における運転動作につ
いて説明する。
【0082】この運転時において、1次側回路(10)の1
次側圧縮機(11)は停止し、駆動用回路(50)は上述の冷房
運転時と同様に動作する。また、2次側回路(20)の搬送
回路(30)は上述の冷房運転時と同様に動作し、主回路(2
1)において冷媒を循環させる。一方、上記主回路(21)で
は、2次側四路切換弁(23)が図3に実線で示すように切
り換わり、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定
開度に調整され、第1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-
2)は閉鎖され、蓄熱電磁弁(SV)は開放される。
【0083】この状態で、一方のメインタンク(T1,T2)
からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、図
3に実線の矢印で示すように、各室内ユニット(22)へ分
流される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整する
ことにより、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量
が調節される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒
は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って
蒸発し、室内空気を冷却して調和空気を生成する。そし
て、この低温の調和空気が室内の冷房に供される。一
方、各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して
主ガス配管(24)を流れ、蓄熱配管(43)を通って蓄熱熱交
換部(42)へ流れる。上記蓄熱槽(41)の水には上述の冷蓄
熱運転によって冷熱が蓄えられているため、蓄熱熱交換
部(42)へ流れたガス冷媒は、蓄熱槽(41)の水と熱交換を
行って凝縮する。この蓄熱熱交換部(42)で凝縮した冷媒
は、蓄熱配管(43)及び蓄熱回収管(44)を通って主液配管
(26)へ流れ、2次側四路切換弁(23)及び放熱熱交換器(H
EX5)を経て他方のメインタンク(T1,T2)に回収される。
【0084】−暖房運転− 次に、1次側回路(10)で生成した温熱を室内ユニット(2
2)へ搬送する暖房運転時における運転動作について説明
する。
【0085】この運転時において、該1次側回路(10)で
は、1次側四路切換弁(12)が図4に破線で示すように切
り換えられ、第3膨張弁(EV-3)が所定開度に調整され
る。
【0086】この状態において、図4に一点鎖線の矢印
で示すように、1次側回路(10)内を冷媒が循環する。即
ち、1次側圧縮機(11)から吐出した高圧のガス冷媒は、
1次側四路切換弁(12)を通って主熱交換器(HEX2)へ流
れ、該主熱交換器(HEX2)で2次側回路(20)の冷媒と熱交
換して凝縮して高圧の液冷媒となる。その際、1次側回
路(10)において温熱が生成し、該温熱が2次側回路(20)
の冷媒に供給される。主熱交換器(HEX2)で凝縮した冷媒
は、第3膨張弁(EV-3)で減圧されて低圧の液冷媒とな
る。この低圧の液冷媒は、冷媒配管を通って室外熱交換
器(HEX6)へ流れ、室外熱交換器(HEX6)において外気と熱
交換して蒸発する。該室外熱交換器(HEX6)で蒸発した1
次側回路(10)のガス冷媒は、1次側四路切換弁(12)を通
って1次側圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰り返
す。
【0087】上記駆動用回路(50)では、図4に二点鎖線
で示すように冷媒が流れ、上述の冷房運転時と同様に動
作する。また、2次側回路(20)の搬送回路(30)は上述の
冷房運転時と同様に動作し、主回路(21)において冷媒を
循環させるようにしている。一方、上記主回路(21)で
は、2次側四路切換弁(23)が図4に破線で示すように切
り換わり、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定
開度に調整され、第2電動弁(EV-2)は開放され、第1電
動弁(EV-1)及び蓄熱電磁弁(SV)は閉鎖される。
【0088】この状態で、上記2次側回路(20)の主回路
(21)では、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出
しと回収とによって冷媒が循環し、1次側回路(10)の温
熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の暖房が行われ
る。具体的に、搬送回路(30)の押し出し用液配管(37)か
ら主回路(21)へ流れる液冷媒は、2次側四路切換弁(23)
と主液配管(26)とを順に通り、主熱交換器(HEX2)へ流れ
る。主熱交換器(HEX2)へ流れた液冷媒は、1次側回路(1
0)の冷媒と熱交換し、該1次側回路(10)の冷媒によって
加熱されて蒸発する。これによって、1次側回路(10)で
生成した温熱が2次側回路(20)へ供給される。主熱交換
器(HEX2)で蒸発したガス冷媒は、主ガス配管(24)を流
れ、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内
電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユ
ニット(22)へ流れるガス冷媒の流量が調節される。
各室内ユニット(22)へ分流したガス冷媒は、各室内熱交
換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空
気を加熱して調和空気を生成する。そして、この高温の
調和空気が室内の暖房に供される。各室内熱交換器(HEX
1)で凝縮した冷媒は、合流して主液配管(25)、2次側四
路切換弁(23)、放熱熱交換器(HEX5)を順に通り、搬送回
路(30)の回収用液配管(38)に流れる。以上のように、2
次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環し、室内
の暖房が行われる。
【0089】−実施形態の効果− 以上説明したように、本形態に係る空気調和装置は、2
次側回路(20)の回収用液配管(38)に放熱熱交換器(HEX5)
を設け、駆動用回路(50)の駆動圧縮機(51)への入力エネ
ルギに相当する余剰熱を2次側回路(20)の液冷媒に放熱
している。このため、加熱熱交換器(HEX3)における熱交
換量と、冷却熱交換器(HEX4)における熱交換量とがほぼ
等しくなって、加熱熱交換器(HEX3)における2次側回路
(20)の液冷媒の蒸発量と、冷却熱交換器(HEX4)における
2次側回路(20)のガス冷媒の凝縮量とが等しくなる。そ
の結果、メインタンク(T1,T2)の冷媒押し出し力と、冷
媒吸引力とが等しくなり、2次側回路(20)での冷媒循環
動作を円滑に行うことができる。
【0090】また、本形態の場合、加熱熱交換器(HEX3)
での加熱源は圧縮機(51)からのホットガスである。この
ため、加熱熱交換器(HEX3)で熱交換する冷媒同士の温度
差は大きく確保されている。従って、圧縮機(51)の吐出
冷媒圧力が比較的低くても利用側冷媒の循環に十分な高
圧を得ることが可能であり、圧縮機(51)への必要入力エ
ネルギ(電力)を削減できてランニングコストが削減で
きる。また、圧縮機(51)への必要入力エネルギを削減す
ることで駆動用回路(50)での余剰熱も低減し、放熱熱交
換器(HEX5)での必要放熱量は少なくて済む。その結果、
放熱熱交換器(HEX5)を小型化できる。
【0091】
【発明の実施の形態2】次に、本発明の実施形態2を図
5〜図8に基づいて詳細に説明する。本実施形態は上述
した実施形態1の変形例である。従って、ここでは実施
形態1との相違点についてのみ説明する。本形態に係る
空気調和装置は、利用冷房運転時に、蓄熱槽(41)内の氷
だけでなく、該蓄熱槽(41)から取り出した冷水によって
も2次側回路(20)の冷媒に冷熱を与える。また、本空気
調和装置は、蓄熱槽(41)内に温水を蓄熱する温蓄熱運転
及びその温蓄熱を利用する利用暖房運転を行う。
【0092】−回路構成の説明− 以下、回路構成について具体的に説明する。図5に示す
ように、本形態の主回路(21)は、冷熱取出し管(60)及び
温熱取出し管(70)を備えている。これら取出し管(60,7
0)は、一端が主ガス配管(24)に、他端が2次側四路切換
弁(23)と第2電動弁(EV-2)との間の主液配管(26)にそれ
ぞれ接続している。
【0093】冷熱取出し管(60)は、冷熱取出し熱交換器
(HEX7)及び第5電動弁(EV-5)を備えている。温熱取出し
管(70)は、温熱取出し熱交換器(HEX8)及び第6電動弁(E
V-6)を備えている。
【0094】本空気調和装置は、利用暖房運転時に駆動
する補助回路(80)を備えている。この補助回路(80)は、
圧縮機(81)、上記温熱取出し熱交換器(HEX8)、第7膨張
弁(EV-7)及び水熱交換器(HEX9)が冷媒配管によって順に
接続されて成る。温熱取出し熱交換器(HEX8)は、この補
助回路(80)を循環する冷媒と、温熱取出し管(70)を流れ
る冷媒との間で熱交換を行う。
【0095】蓄熱槽(41)には水循環回路(90)が接続して
いる。この水循環回路(90)は、機械式ポンプ(91)、上記
水熱交換器(HEX9)及び冷熱取出し熱交換器(HEX7)が順に
接続されて成る。該水循環回路(90)は、上流端が蓄熱槽
(41)の底部に接続し、下流端が蓄熱槽(41)内の上層部で
開放している。また、上記冷熱取出し熱交換器(HEX
7)は、この水循環回路(90)を流れる水と冷熱取出
し管(60)を流れる冷媒との間で熱交換を行う。水熱交換
器(HEX9)は、水循環回路(90)を流れる水と補助回路(80)
を流れる冷媒との間で熱交換を行う。その他の回路構成
は、上述した実施形態1のものと同様である。
【0096】−運転動作の説明− 次に、本形態における運転動作について説明する。
【0097】本形態における冷房運転動作、冷蓄熱運転
動作及び暖房運転動作は上述した実施形態1のものと同
様である。従って、ここではこれら運転動作の説明を省
略する。
【0098】−利用冷房運転− 以下、利用冷房運転動作について説明する。
【0099】この運転時において、1次側回路(10)及び
補助回路(80)の圧縮機(11,81)は停止している。駆動用
回路(50)での冷媒循環動作は、上述した実施形態1の利
用冷房運転と同様である。更に、水循環回路(90)では、
ポンプ(91)が駆動し、図6に破線で示す矢印のように、
蓄熱槽(41)から取り出した冷水が冷熱取出し熱交換器(H
EX7)を流れた後、再び蓄熱槽(41)内へ戻される循環動作
を行う。
【0100】一方、主回路(21)では、2次側四路切換弁
(23)が図6に実線で示すように切り換わり、各室内ユニ
ット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に調整され、第1
電動弁(EV-1)、第2電動弁(EV-2)及び第6電動弁(EV-6)
は閉鎖され、蓄熱電磁弁(SV)及び第5電動弁(EV-5)は開
放される。
【0101】この状態で、図6に実線の矢印で示すよう
に、一方のメインタンク(T1,T2)から押し出されて主液
配管(25)へ流れた液冷媒は、各室内ユニット(22)へ分流
される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整するこ
とにより、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量が
調節される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒は、
各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って蒸発
し、室内空気を冷却して調和空気を生成する。そして、
この低温の調和空気が室内の冷房に供される。各室内熱
交換器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して主ガス配管(2
4)を流れる。この主ガス配管(24)を流れる冷媒の一部
は、蓄熱配管(43)を通って蓄熱熱交換部(42)へ流れる。
上記蓄熱槽(41)の水には冷蓄熱運転によって冷熱が蓄え
られているため、蓄熱熱交換部(42)へ流れたガス冷媒
は、蓄熱槽(41)の水と熱交換を行って凝縮する。その
後、この凝縮した冷媒は、蓄熱回収管(44)を流れて主液
配管(26)へ流入する。一方、主ガス配管(24)を流れる他
の冷媒は、冷熱取出し管(60)に流入し、冷熱取出し熱交
換器(HEX7)で水循環回路(90)を流れる冷水と熱交換を行
って凝縮する。これら凝縮した冷媒同士は主液配管(26)
で合流した後、2次側四路切換弁(23)及び放熱熱交換器
(HEX5)を経て他方のメインタンク(T1,T2)に回収され
る。この際、第5電動弁(EV-5)の開度を調整することに
より、蓄熱熱交換部(42)の冷媒流量と冷熱取出し管(60)
の冷媒流量とを調整することができる。
【0102】−温蓄熱運転動作− 次に、1次側回路(10)で生成した温熱を蓄熱ユニット(4
0)へ搬送して蓄熱する温蓄熱運転時における運転動作に
ついて説明する。
【0103】この運転時において、1次側回路(10)及び
駆動用回路(50)は、実施形態1の暖房運転時と同様に動
作する(図7の一点鎖線及び二点鎖線で示す矢印参照)。
また、補助回路(80)の圧縮機(81)及び水循環回路(90)の
ポンプ(91)は停止している。2次側回路(20)の搬送回路
(30)も上述の暖房運転時と同様に動作し、主回路(21)に
おいて冷媒を循環させる。上記主回路(21)では、2次側
四路切換弁(23)が図7に破線で示すように切り換わり、
各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)、蓄熱電磁弁(S
V)、第5電動弁(EV-5)及び第6電動弁(EV-6)が閉鎖さ
れ、第1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-2)が開放され
る。
【0104】この状態で、一方のメインタンク(T1,T2)
から押し出されて主液配管(26)へ流れた液冷媒は、図7
に実線の矢印で示すように、主熱交換器(HEX2)へ流れ、
1次側回路(10)から温熱を受けて蒸発する。この蒸発し
た冷媒は、主ガス配管(24)及び蓄熱配管(43)を通って蓄
熱熱交換部(42)へ流れる。この蓄熱熱交換部(42)へ流れ
たガス冷媒は、蓄熱槽(41)に満たされた水と熱交換して
凝縮する。このガス冷媒との熱交換によって蓄熱槽(41)
内の水が加熱されて温水が生成し、蓄熱媒体である水に
温熱が蓄えられる。蓄熱熱交換部(42)で凝縮した冷媒
は、主液配管(25)、2次側四路切換弁(23)及び放熱熱交
換器(HEX5)を通って他方のメインタンク(T1,T2)に回収
される。
【0105】−利用暖房運転− 次に、蓄熱ユニット(40)に蓄えられた温熱を室内ユニッ
ト(22)へ搬送する利用暖房運転時における運転動作につ
いて説明する。
【0106】この運転時において、1次側回路(10)の圧
縮機(11)は停止し、駆動用回路(50)は上述の暖房運転時
と同様に動作する。補助回路(80)及び水循環回路(90)は
駆動する。つまり、水循環回路(90)では、ポンプ(91)が
駆動し、図8に破線で示す矢印のように、蓄熱槽(41)か
ら取り出した温水が水熱交換器(HEX9)を流れた後、再び
蓄熱槽(41)内へ戻される循環動作を行う。
【0107】一方、補助回路(80)では、図8に一点鎖線
の矢印で示すように、圧縮機(81)から吐出したガス冷媒
が温熱取出し熱交換器(HEX8)に流入し、温熱取出し管(7
0)を流れる冷媒に温熱を与えて凝縮する。この凝縮した
冷媒は、第7膨張弁(EV-7)で減圧した後、水熱交換器(H
EX9)に流入し、ここで、水循環回路(90)を流れる温水と
熱交換を行って蒸発する。この蒸発した冷媒は圧縮機(8
1)に戻る。このような冷媒循環動作が補助回路(80)で行
われる。
【0108】一方、2次側回路(20)の搬送回路(30)は上
述の暖房運転時と同様に動作し、主回路(21)において冷
媒を循環させる。上記主回路(21)では、2次側四路切換
弁(23)が図8に破線で示すように切り換えられ、各室内
ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定開度に調整され、
蓄熱電磁弁(SV)、第1電動弁(EV-1)、第2電動弁(EV-2)
及び第5電動弁(EV-5)は閉鎖され、第6電動弁(EV-6)は
開放される。
【0109】この状態で、主回路(21)では、一方のメイ
ンタンク(T1,T2)からの押し出されて主液配管(26)へ流
れた液冷媒が、図8に実線の矢印で示すように、温熱取
出し管(70)を流れて温熱取出し熱交換器(HEX8)に流入す
る。ここで液冷媒は、補助回路(80)の冷媒から温熱を受
けて蒸発する。この蒸発した冷媒は、主ガス配管(24)を
経て各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内
電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユニッ
ト(22)へ流れるガス冷媒の流量が調節される。各室内ユ
ニット(22)へ分流したガス冷媒は、各室内熱交換器(HEX
1)で室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱
して調和空気を生成する。そして、この調和空気が室内
の暖房に供される。一方、各室内熱交換器(HEX1)で凝縮
した冷媒は、合流して主液配管(25)を流れ、2次側四路
切換弁(23)及び放熱熱交換器(HEX5)を経て他方のメイン
タンク(T1,T2)に回収される。
【0110】
【放熱熱交換器の配設位置の変形例】以下の各変形例は
放熱熱交換器(HEX5)の配設位置を改良したものである。
つまり、駆動用回路(50)の冷媒の余剰熱の放熱先の変形
例である。放熱熱交換器(HEX5)の配設位置以外の回路構
成は、上述した実施形態2と同様である。従って、ここ
では、放熱熱交換器(HEX5)の配設位置についてのみ説明
する。
【0111】(変形例1)変形例1を図9に基づいて説明
する。この図に示すように、本例の空気調和装置は、放
熱熱交換器(HEX5)を、押し出し用液配管(37)に設けてい
る。つまり、駆動用回路(50)の余剰熱をメインタンク(T
1,T2)から押し出された液冷媒に放熱する構成となって
いる。
【0112】押し出し用液配管(37)は常に液冷媒が流れ
ているので、駆動用回路(50)の余剰熱を確実に2次側回
路(20)の冷媒に放熱することができる。その結果、2次
側回路(20)での冷媒循環動作が円滑に行えるといった実
施形態1の効果を確実に得ることができる。
【0113】(変形例2)変形例2を図10に基づいて説
明する。この図に示すように、本例の空気調和装置は、
回収用液配管(38)と主ガス配管(24)とを接続するバイパ
ス管(35)を備えている。このバイパス管(35)は第8電動
弁(EV-8)を備えている。放熱熱交換器(HEX5)は、このバ
イパス管(35)に設けられている。つまり、駆動用回路(5
0)の余剰熱をメインタンク(T1,T2)に向かって流れる液
冷媒の一部に放熱する構成となっている。この余剰熱を
受けた冷媒は、メインタンク(T1,T2)に回収されるので
はなく、主回路(21)の主ガス配管(24)に供給される。ま
た、第8電動弁(EV-8)は、駆動用回路(50)の余剰熱量に
応じて開度調整される。具体的には、例えば駆動用回路
(50)の駆動圧縮機(51)の回転数に応じて開度調整され
る。つまり、駆動圧縮機(51)の回転数が高いほど入力エ
ネルギは多い、つまり、余剰熱が多くなる。このため、
この回転数が高いほど第8電動弁(EV-8)の開度を大きく
して余剰熱の回収性能を高めるようにする。
【0114】本例の回路構成によれば、余剰熱を受けた
2次側回路(20)の冷媒が蒸発した場合であっても、この
蒸発した冷媒は、メインタンク(T1,T2)に回収されるの
ではなく、主回路(21)の主ガス配管(24)に供給される。
つまり、メインタンク(T1,T2)にガス冷媒が流入してし
まうおそれがない。メインタンク(T1,T2)にガス冷媒が
流入した場合、このガス冷媒を冷却熱交換器(HEX4)によ
って冷却して液化する必要があることから、予め、大型
の冷却熱交換器(HEX4)を設置しておく必要があった。本
形態では、その必要がなく、小型の冷却熱交換器(HEX4)
を設置することが可能である。
【0115】(変形例3)変形例3を図11に基づいて説
明する。この図に示すように、本例の空気調和装置は、
回収用液配管(38)が2系統(38A,38B)に分岐されてお
り、一方の系統の回収用液配管(38B)に第8電動弁(EV-
8)が設けられている。放熱熱交換器(HEX5)は、この一方
の系統の回収用液配管(38B)に設けられている。つま
り、駆動用回路(50)の余剰熱をメインタンク(T1,T2)に
回収される液冷媒の一部に放熱する構成となっている。
この余剰熱を受けた冷媒は他系統の回収用液配管(38A)
の液冷媒と合流してメインタンク(T1,T2)に回収され
る。
【0116】本例の回路構成によれば、回収用液配管(3
8)を流れる液冷媒の一部を利用して余剰熱を処理してい
る。つまり、メインタンク(T1,T2)に回収される液冷媒
の全てが放熱熱交換器(HEX5)を流れるものではない。従
って、第8電動弁(EV-8)の開度調整により放熱熱交換器
(HEX5)での熱交換量を調整でき、放熱量の調整が比較的
容易に行える。
【0117】(変形例4)変形例4を図12に基づいて説
明する。この図に示すように、本例の空気調和装置は、
回収用液配管(38)と押し出し用液配管(37)とを接続する
バイパス配管(36)を備えている。このバイパス管(36)は
第8電動弁(EV-8)を備えている。放熱熱交換器(HEX5)
は、このバイパス配管(36)に設けられている。つまり、
駆動用回路(50)の余剰熱をバイパス配管(36)を流れる液
冷媒の一部に放熱する構成となっている。この余剰熱を
受けた冷媒は、メインタンク(T1,T2)に回収されるので
はなく、メインタンク(T1,T2)から押し出された液冷媒
に合流して再び主回路(21)を循環する。
【0118】本例の回路構成によれば、上述した変形例
2及び3の双方の効果を得ることができる。つまり、余
剰熱を受けてガス化した冷媒がメインタンク(T1,T2)に
流入することがないので、小型の冷却熱交換器(HEX4)を
設置することが可能であり、且つバイパス配管(36)を流
れる液冷媒の流量調整により放熱熱交換器(HEX5)での熱
交換量を調整でき、放熱量の調整が比較的容易に行え
る。
【0119】(変形例5)変形例5を図13に基づいて
説明する。この図に示すように、本例の空気調和装置
は、押し出し用液配管(37)と主ガス配管(24)とを接
続するバイパス配管(39)を備えている。このバイパス管
(39)は第8電動弁(EV-8)を備えている。放熱熱交換器(H
EX5)は、このバイパス配管(39)に設けられている。つま
り、駆動用回路(50)の余剰熱をメインタンク(T1,T2)か
ら押し出された液冷媒の一部に放熱する構成となってい
る。この余剰熱を受けた冷媒は主回路(21)の主ガス配管
(24)に供給される。
【0120】本例の回路構成によれば、冷房運転時、余
剰熱を受けてガス化した冷媒が室内ユニット(22)に流入
することを回避できる。このため、冷房能力を高く維持
することが可能である。しかも、押し出し用液配管(37)
は常に液冷媒が流れているので、駆動用回路(50)の余剰
熱を確実に2次側回路(20)の冷媒に放熱することができ
る。
【0121】(変形例6)変形例6を図14に基づいて説
明する。この図に示すように、本例の空気調和装置は、
押し出し用液配管(37)が2系統(37A,37B)に分岐されて
おり、一方の系統の押し出し用液配管(37B)に第8電動
弁(EV-8)が設けられている。放熱熱交換器(HEX5)は、一
方の系統の押し出し用液配管(37B)に設けられている。
つまり、駆動用回路(50)の余剰熱をメインタンク(T1,T
2)から押し出された液冷媒の一部に放熱する構成となっ
ている。この余剰熱を受けた冷媒は他の系統の押し出し
用液配管(37A)の液冷媒と合流して主回路(21)に供給さ
れる。
【0122】本例の回路構成によれば、上述した変形例
3と同様に、一系統の押し出し用液配管(37B)を流れる
液冷媒の流量調整により放熱熱交換器(HEX5)での熱交換
量を調整できる。つまり、放熱量の調整が比較的容易に
行える。
【0123】
【発明の実施の形態3】次に、本発明の実施形態3を図
15に基づいて詳細に説明する。上述した各実施形態
は、駆動用回路(50)の加熱熱交換器(HEX3)と放熱熱交換
器(HEX5)とを直列に接続していた。本形態では、これら
熱交換器(HEX3,HEX5)を並列に接続するものである。
【0124】図15に示すように、本形態の駆動用回路
(50)は、駆動圧縮機(51)の吐出側が分岐され、一方の分
岐管(52)が加熱熱交換器(HEX3)に、他方の分岐管(53)が
放熱熱交換器(HEX5)にそれぞれ接続している。これら熱
交換器(HEX3,HEX5)の下流側は合流し、第4膨張弁(EV-
4)に接続している。その他の構成は、上述した実施形態
2と同様である。
【0125】本形態によれば、放熱熱交換器(HEX5)に
は、駆動圧縮機(51)から吐出した高温高圧のガス冷媒が
供給され、このガス冷媒により2次側回路(20)の液冷媒
に余剰熱が放熱される。つまり、放熱熱交換器(HEX5)で
は、各冷媒を温度差が大きい状態で熱交換でき、熱交換
効率が高い。従って、小型の放熱熱交換器(HEX5)であっ
ても十分に余剰熱を放熱することが可能になる。
【0126】尚、本実施形態3では、上述した実施形態
2の回路構成において加熱熱交換器(HEX3)と放熱熱交換
器(HEX5)とを並列に接続したが、その他の実施形態1や
上記各変形例の回路構成において加熱熱交換器(HEX3)と
放熱熱交換器(HEX5)とを並列に接続してもよい。また、
これら実施形態及び変形例において、放熱熱交換器(HEX
5)を加熱熱交換器(HEX3)の上流側に直列接続する回路構
成とすることも可能である。この構成によっても放熱熱
交換器(HEX5)には、駆動圧縮機(51)から吐出した高温高
圧のガス冷媒が供給されるため、放熱熱交換器(HEX5)に
おいて、各冷媒を温度差が大きい状態で熱交換でき、熱
交換効率を向上できる。更には、放熱熱交換器(HEX5)を
加熱熱交換器(HEX3)の下流側に直列接続する状態と上流
側に直列接続する状態とを切り換え可能な構成を採用し
てもよい。例えば複数の電磁弁や四路切換弁等を利用
し、これら弁の切り換え動作によって放熱熱交換器(HEX
5)と加熱熱交換器(HEX3)との接続状態を切り換える。ま
た、放熱熱交換器(HEX5)と加熱熱交換器(HEX3)とを直列
接続する状態と並列接続する状態とを切り換え可能な構
成を採用してもよい。
【0127】
【発明の実施の形態4】次に、本発明の実施形態4を図
16に基づいて詳細に説明する。上述した各実施形態
は、駆動用回路(50)の余剰熱を2次側回路(20)に放熱す
る構成とした。本形態では、駆動用回路(50)の余剰熱を
蓄熱槽(41)内の水に放熱する構成としている。
【0128】具体的には、図16に示すように、本形態
の駆動用回路(50)は、駆動圧縮機(51)の吐出側が分岐さ
れ、一方の分岐管(52)が加熱熱交換器(HEX3)に、他方の
分岐管(54)が蓄熱槽(41)内に配設されている。この蓄熱
槽(41)内で配管がコイル状に形成されて放熱熱交換器(H
EX5)を構成している。また、他方の分岐管(54)には電磁
弁(SV1)が設けられている。これら熱交換器(HEX3,HEX5)
の下流側は合流し、第4膨張弁(EV-4)に接続している。
その他の構成は、上述した実施形態3と同様である。
【0129】本形態の構成によれば、蓄熱槽(41)に貯留
した冷水の冷熱を有効に利用して駆動用回路(50)の余剰
熱を放熱できる。また、2次側回路(20)に余剰熱を放熱
するものではないため、冷凍能力に悪影響を与えること
なしに駆動用回路(50)の余剰熱を放熱できる。
【0130】尚、本実施形態4では、上述した実施形態
3の回路構成において放熱熱交換器(HEX5)を蓄熱槽(41)
内に収容したが、その他の実施形態1、2や上記各変形
例の回路構成において放熱熱交換器(HEX5)を蓄熱槽(41)
内に収容してもよい。
【0131】また、放熱熱交換器(HEX5)を蓄熱槽(41)内
に収容する構成において、放熱熱交換器(HEX5)を加熱熱
交換器(HEX3)の上流側に直列接続する回路構成としても
よい。
【0132】
【発明の実施の形態5】次に、本発明の実施形態5を図
17に基づいて詳細に説明する。上述した各実施形態で
は、加熱熱交換器(HEX3)と放熱熱交換器(HEX5)とを個別
に配設していた。本形態では、加熱熱交換器(HEX3)に放
熱熱交換器(HEX5)としての機能を兼用させるものであ
る。
【0133】具体的には、図17に示すように、本形態
に係る空気調和装置は、搬送回路(30)のガス供給管(31)
と、2次側回路(20)の主ガス配管(24)とを接続する合流
管(27)が設けられている。この合流管(27)は、高圧発生
部としての加熱熱交換器(HEX3)において駆動用回路(50)
の冷媒から温熱を受けた冷媒の一部を、受圧部としての
メインタンク(T1,T2)をバイパスさせて、主ガス配管(2
4)に合流させる。また、この合流管(27)には第9電動弁
(EV-9)が設けられている。
【0134】つまり、駆動用回路(50)の余剰熱を加熱熱
交換器(HEX3)及び合流管(27)を介して主ガス配管(24)を
流れる冷媒に放熱している。
【0135】本形態では、合流管(27)に第1圧力センサ
(SP1)が、主ガス配管(24)に第2圧力センサ(SP2)がそれ
ぞれ設けられている。これら圧力センサ(SP1,SP2)は、
検出した圧力値に応じた圧力検出信号を出力する。
【0136】また、本形態に係る搬送回路(30)は、回収
用液配管(38)にタンク前熱交換器(HEX10)が設けられて
いる。
【0137】一方、駆動用回路(50)の加熱熱交換器(HEX
3)出口側は分岐し、一方が第4膨張弁(EV-4)を介して低
圧発生部としての冷却熱交換器(HEX4)に、他方が第10
電動弁(EV-10)を介してタンク前熱交換器(HEX10)に接続
している。このタンク前熱交換器(HEX10)は、回収用液
配管(38)を流れる冷媒と駆動用回路(50)の液冷媒とを熱
交換させる。これにより、回収用液配管(38)の冷媒を冷
却して該回収用液配管(38)にフラッシュガスが混入して
いる場合に、このガス冷媒を凝縮できるようになってい
る。
【0138】以下、図示しないコントローラによる第9
電動弁(EV-9)の制御動作について図18のフローチャー
トに沿って説明する。先ず、ステップST1で上記各圧力
センサ(SP1,SP2)からの圧力検出信号に基づいて圧力値
(P1,P2)を読み込む。ステップST2で、第1圧力セン
サ(SP1)が検出した圧力値(P1)から第2圧力センサ(SP
2)が検出した圧力値圧力値(P2)を減じて圧力差(ΔPx)
を算出する。その後、ステップST3で、上記圧力差(Δ
Px)から、予め設定された圧力差セット値(ΔPxs)を減
じて偏差eを算出する。そして、ステップST4におい
て、以下の式により第9電動弁(EV-9)の開度変位量(ΔE
V)を算出する。
【0139】 ΔEV=Kc(e−e')+(e+e')(Δt/Tip)/2 尚、Kcは定数、e'は前回の偏差、Δtはサンプリング
タイム、Tipは積分時間である。
【0140】このようにして算出された開度変位量(ΔE
V)に基づいて第9電動弁(EV-9)の開度制御が行われる。
つまり、合流管(27)の圧力が高くなるに従って第9電動
弁(EV-9)の開度を徐々に大きくしていき、加熱熱交換器
(HEX3)での熱交換量と、冷却熱交換器(HEX4)での熱交換
量とを等しくしている。
【0141】(変形例)次に、上記実施形態5の変形例に
ついて説明する。上述した実施形態5では、合流管(27)
に電動弁(EV-9)を設けていた。本例は、図示しないが電
動弁に代えてキャピラリチューブと電磁弁とを直接に接
続させている。つまり、電磁弁の閉鎖状態では合流管(2
7)に冷媒が流れず、この電磁弁を開放すると、ガス供給
管(31)のガス冷媒の一部がキャピラリチューブを介して
主ガス配管(24)に供給される構成となっている。
【0142】その他の構成は上述した実施形態5のもの
と同様である。
【0143】以下、電磁弁の開閉制御動作について図1
9のフローチャートに沿って説明する。ステップST11
及びステップST12の動作は、上述した実施形態5の制
御動作におけるステップST1及びステップST2の動作と
同様である。ステップST13では、上記圧力差(ΔPx)
が、予め設定された圧力差基準値A以上であるか否かを
判定する。この判定がYESの場合にはステップST14に
移って電磁弁を開放する。逆に、ステップST13の判定
がNOの場合にはステップST15に移って電磁弁を閉鎖す
る。
【0144】このようにして電磁弁の開閉制御が行われ
る。つまり、合流管(27)の圧力が主ガス配管(24)の圧力
よりも所定値以上高くなった場合に電磁弁を開放して、
加熱熱交換器(HEX3)での熱交換量と、冷却熱交換器(HEX
4)での熱交換量とを等しくしている。
【0145】更に、上記実施形態5の他の変形例とし
て、合流管(27)に設けた電動弁(EV-9)に代えてキャピラ
リチューブを設けてもよい。これによれば、上述のよう
な弁の開度制御を必要とすることなしに、合流管(27)と
主ガス配管(24)との圧力差に応じて合流管(27)での冷媒
通過量を調整できる。
【0146】
【発明の実施の形態6】次に、本発明の実施形態6を図
面に基づいて詳細に説明する。本形態も、加熱熱交換器
(HEX3)に放熱熱交換器(HEX5)としての機能を兼用させる
ものである。
【0147】具体的には、図20に示すように、本形態
に係る空気調和装置は、搬送回路(30)のガス供給管(31)
と、押し出し用液配管(37)とを接続する合流管(28)が設
けられている。この合流管(28)には第9電動弁(EV-9)が
設けられている。
【0148】つまり、駆動用回路(50)の余剰熱を加熱熱
交換器(HEX3)及び合流管(28)を介してメインタンク(T1,
T2)から押し出された液冷媒に放熱している。
【0149】その他の回路構成及び第9電動弁(EV-9)の
開度制御動作は、上述した実施形態5と同様である。ま
た、本形態においても、上述した実施形態5の各変形例
の構成を採用することが可能である。
【0150】尚、上述した実施形態5では、加熱熱交換
器(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の一部を2
次側回路(20)のガス側に供給している。また、実施形態
6では、加熱熱交換器(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受
けた冷媒の一部を2次側回路(20)の液側に供給してい
る。これら温熱を受けた冷媒の供給先をガス側にする状
態と液側にする状態とを切り換える構成を採用すること
も可能である。例えば複数の電磁弁や四路切換弁等を利
用し、これら弁の切り換え動作によって温熱を受けた冷
媒の供給先を切り換える。
【0151】
【その他の実施形態】上述した各実施形態及び変形例で
は、本発明に係る冷凍装置を空気調和装置に適用した場
合について説明したが、本発明は、これに限らず、その
他の冷凍装置に適用することも可能である。
【0152】また、各実施形態及び変形例では、搬送回
路(30)に一対のメインタンク(T1,T2)を備えさせ、それ
ぞれのタンク(T1,T2)に対する液冷媒の押し出し動作と
回収動作とを交互に切り換えるようにしていた。本発明
は、これに限らず、搬送回路(30)に1個のメインタンク
を備えさせ、このタンクに対して押し出し動作と回収動
作とを交互に切り換えるようにしてもよい。
【0153】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が発揮される。
【0154】請求項1記載の発明では、利用側冷媒回路
(20)の冷媒を駆動用冷媒によって加熱、冷却することで
利用側冷媒に循環駆動力を与える駆動用回路(50)を備え
た冷凍装置に対し、駆動用冷媒の余剰熱を、放熱手段(H
EX5)により、利用側冷媒回路(20)を循環する利用側冷媒
に放熱させている。従来では、高圧発生のために利用側
冷媒に与える熱量と、低圧発生のために利用側冷媒から
奪う熱量とが、例えば駆動用回路(50)への入力エネルギ
分だけアンバランスであった。本発明によれば、この余
剰熱を放熱手段(HEX5)が処理することになり、上記両熱
量をバランスさせることができる。その結果、利用側冷
媒回路(20)に発生する高圧及び低圧が適切に得られ、利
用側冷媒回路(20)における利用側冷媒の循環動作を円滑
に行うことができて、装置の信頼性の向上を図ることが
できる。
【0155】請求項2記載の発明では、駆動用回路(50)
において放熱手段(HEX5)を加熱熱交換器(HEX3)の下流側
に直列接続している。また、請求項3記載の発明では、
駆動用回路(50)において放熱手段(HEX5)を加熱熱交換器
(HEX3)の上流側に直列接続している。更に、請求項4記
載の発明では、駆動用回路(50)において放熱手段(HEX5)
を加熱熱交換器(HEX3)に並列接続している。請求項5記
載の発明では、放熱手段(HEX5)が上記加熱熱交換器(HEX
3)の上流側に直列接続する接続状態と、該放熱手段(HEX
5)が加熱熱交換器(HEX3)の下流側に直列接続する接続状
態とを切り換え可能にしている。請求項2記載の発明で
は、加熱熱交換器(HEX3)において圧縮機(51)からのホッ
トガスにより利用側冷媒回路(20)の液冷媒を加熱蒸発さ
せるため、該加熱熱交換器(HEX3)で熱交換する冷媒同士
の温度差を大きく確保できる。従って、圧縮機(51)への
必要入力エネルギを削減できてランニングコストの削減
を図ることが可能である。更には、圧縮機(51)への必要
入力エネルギを削減することで駆動用回路(50)での余剰
熱も低減するため、放熱熱交換器(HEX5)での必要放熱量
は少なくて済む。その結果、放熱熱交換器(HEX5)の小型
化を図ることができる。請求項3及び請求項4記載の発
明では、駆動用回路(50)の圧縮機(51)から吐出した高温
高圧の駆動用ガス冷媒が放熱熱交換器(HEX5)に供給され
るため、該放熱熱交換器(HEX5)での、利用側冷媒と駆動
用冷媒との温度差を大きくできる。その結果、放熱熱交
換器(HEX5)において、高い熱交換効率で両冷媒を熱交換
することが可能になる。従って、小型の放熱熱交換器(H
EX5)を採用することが可能になり、装置全体としての小
型化を図ることができる。請求項5記載の発明では、上
記請求項2記載の発明に係る効果が得られる状態と、請
求項3記載の発明に係る効果が得られる状態とを選択で
きる。
【0156】請求項6記載の発明では、利用側液冷媒を
貯留したタンク手段(T1,T2)に対する加圧及び減圧によ
り利用側冷媒の循環駆動力を得ている。このため、駆動
用冷媒の温熱及び冷熱により発生した高圧及び低圧を利
用した液冷媒の主回路(21)への押し出し及び主回路(21)
からの回収を安定的に行うことができ、利用側冷媒回路
(20)での利用側冷媒の循環動作を円滑に行うことができ
る。
【0157】請求項8、請求項12、請求項13記載の
発明では、タンク手段(T1,T2)から押し出された液配管
に、駆動用冷媒の余剰熱を放熱している。つまり、常に
液冷媒が流れているので部分に対して放熱を行うため、
余剰熱を確実に放熱でき、請求項1記載の発明に係る効
果をより確実に得ることができる。
【0158】請求項9、請求項11記載の発明では、利
用側冷媒が駆動用冷媒の余剰熱を受けて蒸発した場合で
あっても、この蒸発した冷媒が、タンク手段(T1,T2)に
回収されることがないような回路構成になっている。タ
ンク手段(T1,T2)にガス冷媒が流入する場合、このガス
冷媒を冷却熱交換器(HEX4)によって冷却して液化する必
要があることから、予め、大型の冷却熱交換器(HEX4)を
設置しておく必要があった。これら本発明では、その必
要がなく、小型の冷却熱交換器(HEX4)を設置することが
可能となり、装置全体の小型化を図ることができる。
【0159】請求項10、請求項13記載の発明は、利
用側冷媒回路(20)を循環する利用側冷媒の一部を利用し
て余剰熱を処理するものである。従って、余剰熱の処理
に必要な最小限の利用側冷媒のみを流す放熱熱交換器(H
EX5)を設置しておけばよいので、該放熱熱交換器(HEX5)
が小型化でき、この場合にも装置全体の小型化を図るこ
とができる。
【0160】請求項14記載の発明では、冷熱の蓄熱が
可能な蓄熱ユニット(40)を備えた装置において、この蓄
冷熱を利用して駆動用冷媒の余剰熱を放熱している。つ
まり、余剰熱を利用側冷媒回路(20)の利用側冷媒に放熱
するものではない。このため、利用側冷媒回路(20)の冷
凍能力に悪影響を与えることなしに駆動用冷媒の余剰熱
を放熱でき、冷凍能力の維持が図れると共に、利用側冷
媒回路(20)での利用側冷媒の循環動作を良好に得ること
ができる。
【0161】請求項15〜請求項17記載の発明では、
蓄冷熱を利用して駆動用冷媒の余剰熱を放熱するものに
おいて、上述した請求項2〜請求項4記載の発明と同様
の効果を得ることができる。
【0162】請求項18記載の発明では、駆動用冷媒か
ら温熱を受けた冷媒の一部を利用側冷媒回路(20)で循環
している利用側冷媒に合流させる合流管(27),(28)を設
けている。つまり、利用側冷媒回路(20)での高圧発生に
寄与しない温熱を合流管(27),(28)により利用側冷媒回
路(20)に与えるものである。本発明の構成によっても、
上述した請求項1記載の発明の場合と同様に、高圧発生
のために利用される熱量と、低圧発生のために利用され
る熱量とのアンバランスを小さくでき、利用側冷媒回路
(20)における利用側冷媒の循環動作が円滑に行われて、
装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0163】請求項19及び20記載の発明では、合流
管(27),(28)による利用側冷媒の供給先を具体化でき
る。特に、請求項19記載の発明では、合流管(27)が、
高圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の
一部を利用側冷媒回路(20)のガス配管(24)に供給してい
る。このため、ガス配管(24)を流れる利用側ガス冷媒の
過熱度を余剰熱によって高めることが可能になる。つま
り、利用側熱交換器(HEX1)の放熱動作を行う場合、余剰
熱により利用側熱交換器(HEX1)の放熱量の増大を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図2】実施形態1の冷房運転動作及び冷蓄熱運転動作
を示す図である。
【図3】実施形態1の利用冷房運転動作を示す図であ
る。
【図4】実施形態1の暖房運転動作を示す図である。
【図5】実施形態2に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図6】実施形態2の利用冷房運転動作を示す図であ
る。
【図7】実施形態2の温蓄熱運転動作を示す図である。
【図8】実施形態2の利用暖房運転動作を示す図であ
る。
【図9】実施形態2の変形例1に係る空気調和装置の冷
媒配管系統図である。
【図10】実施形態2の変形例2に係る空気調和装置の
冷媒配管系統図である。
【図11】実施形態2の変形例3に係る空気調和装置の
冷媒配管系統図である。
【図12】実施形態2の変形例4に係る空気調和装置の
冷媒配管系統図である。
【図13】実施形態2の変形例5に係る空気調和装置の
冷媒配管系統図である。
【図14】実施形態2の変形例6に係る空気調和装置の
冷媒配管系統図である。
【図15】実施形態3に係る空気調和装置の冷媒配管系
統図である。
【図16】実施形態4に係る空気調和装置の冷媒配管系
統図である。
【図17】実施形態5に係る空気調和装置の冷媒配管系
統図である。
【図18】実施形態5における電動弁の開度制御手順を
示すフローチャート図である。
【図19】実施形態5の変形例における電磁弁の開閉制
御手順を示すフローチャート図である。
【図20】実施形態6に係る空気調和装置の冷媒配管系
統図である。
【図21】駆動用回路の余剰熱を説明するためのモリエ
ル線図である。
【符号の説明】
(20) 2次側回路(利用側冷媒回路) (21) 主回路 (24) 主ガス配管 (25,26) 主液配管 (27,28) 合流管 (30) 搬送回路 (35,36,39) バイパス管 (37) 押し出し用液配管 (38) 回収用液配管 (40) 蓄熱ユニット (41) 蓄熱槽 (50) 駆動用回路 (51) 駆動圧縮機 (EV-4) 第4膨張弁(減圧機構) (HEX1) 室内熱交換器(利用側熱交換器) (HEX2) 主熱交換器(熱源熱交換器) (HEX3) 加熱熱交換器 (HEX4) 冷却熱交換器 (HEX5) 放熱熱交換器(放熱手段) (T1,T2) メインタンク(タンク手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 修 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源側熱交換器(HEX2)と利用側熱交換器
    (HEX1)との間で利用側冷媒が循環して熱搬送を行う利用
    側冷媒回路(20)と、 駆動用冷媒が循環し、上記熱源側熱交換器(HEX2)及び利
    用側熱交換器(HEX1)の一方への利用側冷媒の押し込み力
    と、他方からの利用側冷媒の吸引力とを発生させて該利
    用側冷媒を循環させるように、駆動用冷媒により上記利
    用側冷媒回路(20)の液冷媒を加熱蒸発させて該利用側冷
    媒回路(20)に高圧を生じさせると共に、駆動用冷媒によ
    り利用側冷媒回路(20)のガス冷媒を冷却凝縮させて該利
    用側冷媒回路(20)に低圧を生じさせる駆動用回路(50)と
    を備えた冷凍装置において、 上記駆動用冷媒が利用側冷媒回路(20)の液冷媒に与える
    熱量と、駆動用冷媒が利用側冷媒回路(20)のガス冷媒か
    ら奪う熱量とをバランスさせるように、駆動用冷媒の余
    剰熱を、利用側冷媒回路(20)を循環する利用側冷媒に放
    熱する放熱手段(HEX5)が設けられていることを特徴とす
    る冷凍装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)は、上記加熱熱交換器(HEX3)の下流側に
    直列接続された放熱熱交換器(HEX5)であることを特徴と
    する冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)は、上記加熱熱交換器(HEX3)の上流側に
    直列接続された放熱熱交換器(HEX5)であることを特徴と
    する冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)は、上記加熱熱交換器(HEX3)に並列接続
    された放熱熱交換器(HEX5)であることを特徴とする冷凍
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)が上記加熱熱交換器(HEX3)の上流側に直
    列接続する接続状態と、該放熱手段(HEX5)が加熱熱交換
    器(HEX3)の下流側に直列接続する接続状態とを切り換え
    可能な切換手段が設けられていることを特徴とする冷凍
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項2,3,4または5記載の冷凍装
    置において、 利用側冷媒回路(20)は、熱源側熱交換器(HEX2)と利用側
    熱交換器(HEX1)とがガス配管(24)及び液配管(25,26)に
    よって接続されて成る主回路(21)と、該主回路(21)の液
    配管(25,26)に接続され利用側液冷媒の貯留が可能なタ
    ンク手段(T1,T2)を有する搬送回路(30)とを備えてお
    り、 加熱熱交換器(HEX3)は駆動用冷媒により搬送回路(30)の
    液冷媒を加熱して高圧を発生させる一方、冷却熱交換器
    (HEX4)は駆動用冷媒により搬送回路(30)のガス冷媒を冷
    却して低圧を発生させ、 上記高圧をタンク手段(T1,T2)に作用させて、該タンク
    手段(T1,T2)から主回路(21)へ利用側液冷媒を押し出す
    押し出し動作と、低圧をタンク手段(T1,T2)に作用させ
    て、主回路(21)からタンク手段(T1,T2)へ利用側液冷媒
    を回収する回収動作とにより主回路(21)に利用側冷媒を
    循環させることを特徴とする冷凍装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の冷凍装置において、 放熱手段(HEX5)は、タンク手段(T1,T2)に回収される利
    用側液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷凍装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の冷凍装置において、 放熱手段(HEX5)は、タンク手段(T1,T2)から押し出され
    た利用側液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷
    凍装置。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の冷凍装置において、 利用側冷媒回路(20)は、タンク手段(T1,T2)に回収され
    る利用側液冷媒の一部をガス配管(24)にバイパスするバ
    イパス管(35)を備えており、 放熱手段(HEX5)は、このバイパス管(35)を流れる利用側
    液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷凍装置。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の冷凍装置において、 利用側冷媒回路(20)は、タンク手段(T1,T2)の回収側の
    液配管(38)が2系統(38A,38B)に分岐されており、 放熱手段(HEX5)は、一系統の液配管(38B)を流れる利用
    側液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷凍装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の冷凍装置において、 利用側冷媒回路(20)は、タンク手段(T1,T2)の回収側の
    液配管(38)を流れる利用側液冷媒の一部をタンク手段(T
    1,T2)の押し出し側の液配管(37)にバイパスするバイパ
    ス配管(36)を備えており、 放熱手段(HEX5)は、このバイパス配管(36)を流れる利用
    側液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷凍装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項6記載の冷凍装置において、 利用側冷媒回路(20)は、タンク手段(T1,T2)から押し出
    された利用側液冷媒の一部をガス配管(24)にバイパスす
    るバイパス管(39)を備えており、 放熱手段(HEX5)は、このバイパス管(39)を流れる利用側
    液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷凍装置。
  13. 【請求項13】 請求項6記載の冷凍装置において、 利用側冷媒回路(20)は、タンク手段(T1,T2)の押し出し
    側の液配管(37)が2系統(37A,37B)に分岐されており、 放熱手段(HEX5)は、一系統の液配管(37B)を流れる利用
    側液冷媒に余剰熱を放熱することを特徴とする冷凍装
    置。
  14. 【請求項14】 熱源側熱交換器(HEX2)と利用側熱交換
    器(HEX1)との間で利用側冷媒が循環して熱搬送を行う利
    用側冷媒回路(20)と、 駆動用冷媒が循環し、上記熱源側熱交換器(HEX2)及び利
    用側熱交換器(HEX1)の一方への利用側冷媒の押し込み力
    と、他方からの利用側冷媒の吸引力とを発生させて該利
    用側冷媒を循環させるように、駆動用冷媒により上記利
    用側冷媒回路(20)の液冷媒を加熱蒸発させて該利用側冷
    媒回路(20)に高圧を生じさせると共に、駆動用冷媒によ
    り利用側冷媒回路(20)のガス冷媒を冷却凝縮させて該利
    用側冷媒回路(20)に低圧を生じさせる駆動用回路(50)
    と、 蓄熱媒体を貯留した蓄熱槽(41)を有し、該蓄熱媒体に冷
    熱を蓄熱する蓄熱動作と該蓄熱媒体の冷熱を利用側熱交
    換器(HEX1)へ搬送する冷熱利用動作とが可能な蓄熱ユニ
    ット(40)とを備えた冷凍装置において、 上記駆動用冷媒が利用側冷媒回路(20)の液冷媒に与える
    熱量と、駆動用冷媒が利用側冷媒回路(20)のガス冷媒か
    ら奪う熱量とをバランスさせるように、駆動用冷媒の余
    剰熱を、蓄熱槽(41)内の蓄熱媒体に放熱する放熱手段(H
    EX5)が設けられていることを特徴とする冷凍装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)は、上記加熱熱交換器(HEX3)の下流側に
    直列接続された放熱熱交換器(HEX5)であることを特徴と
    する冷凍装置。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)は、上記加熱熱交換器(HEX3)の上流側に
    直列接続された放熱熱交換器(HEX5)であることを特徴と
    する冷凍装置。
  17. 【請求項17】 請求項14記載の冷凍装置において、 駆動用回路(50)は、圧縮機(51)、高圧発生用の加熱熱交
    換器(HEX3)、減圧機構(EV-4)及び低圧発生用の冷却熱交
    換器(HEX4)が冷媒配管によって順に接続された蒸気圧縮
    式の冷凍サイクルで成り、 放熱手段(HEX5)は、上記加熱熱交換器(HEX3)に並列接続
    された放熱熱交換器(HEX5)であることを特徴とする冷凍
    装置。
  18. 【請求項18】 熱源側熱交換器(HEX2)と利用側熱交換
    器(HEX1)との間で利用側冷媒が循環して熱搬送を行う利
    用側冷媒回路(20)と、 駆動用冷媒が循環し、上記熱源側熱交換器(HEX2)及び利
    用側熱交換器(HEX1)の一方への利用側冷媒の押し込み力
    と、他方からの利用側冷媒の吸引力とを発生させて該利
    用側冷媒を循環させるように、上記利用側冷媒回路(20)
    の高圧発生部(HEX3)内の液冷媒を駆動用冷媒により加熱
    蒸発させて高圧を生じさせると共に、利用側冷媒回路(2
    0)の低圧発生部(HEX4)内のガス冷媒を駆動用冷媒により
    冷却凝縮させて低圧を生じさせる駆動用回路(50)とを備
    え、 利用側冷媒回路(20)の液配管(25,26)に接続され利用側
    液冷媒の貯留が可能なタンク手段(T1,T2)を備え、 上記高圧及び低圧を利用側冷媒回路(20)のタンク手段(T
    1,T2)において利用側冷媒に作用させて該利用側冷媒の
    循環駆動力を得る冷凍装置において、 上記高圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を受けた冷
    媒の一部を、タンク手段(T1,T2)をバイパスさせて、利
    用側冷媒回路(20)で循環している利用側冷媒に合流させ
    る合流管(27),(28)が設けられていることを特徴とする
    冷凍装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の冷凍装置において、 合流管(27)は、高圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱
    を受けた冷媒の一部を利用側冷媒回路(20)のガス配管(2
    4)に供給することを特徴とする冷凍装置。
  20. 【請求項20】 請求項18記載の冷凍装置において、 合流管(28)は、高圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱
    を受けた冷媒の一部を利用側冷媒回路(20)の液配管(37)
    に供給することを特徴とする冷凍装置。
  21. 【請求項21】 請求項18記載の冷凍装置において、 合流管(28)が高圧発生部(HEX3)で駆動用冷媒から温熱を
    受けた冷媒の一部を利用側冷媒回路(20)のガス配管(24)
    に供給する供給状態と、合流管(28)が高圧発生部(HEX3)
    で駆動用冷媒から温熱を受けた冷媒の一部を利用側冷媒
    回路(20)の液配管(37)に供給する供給状態とを切り換え
    る切換手段が設けられていることを特徴とする冷凍装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008510952A (ja) * 2004-08-18 2008-04-10 アイス エナジー インコーポレーテッド 第2冷媒分離型蓄熱冷却システム

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