JP2000088397A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2000088397A
JP2000088397A JP10264526A JP26452698A JP2000088397A JP 2000088397 A JP2000088397 A JP 2000088397A JP 10264526 A JP10264526 A JP 10264526A JP 26452698 A JP26452698 A JP 26452698A JP 2000088397 A JP2000088397 A JP 2000088397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液冷媒を貯留したタンク内に高圧及び低圧を
作用させ、これら圧力によってタンクからの冷媒の押し
出しと、タンクへの冷媒の回収とを行って冷媒による熱
搬送を行う冷凍装置に対し、冷媒の漏洩を迅速且つ正確
に行う。 【解決手段】 液冷媒を貯留した一対のタンク(T1,T
2)、室内熱交換器(HEX1)、主熱交換器(HEX2)を備えた2
次側回路(20)と、この2次側回路(20)の冷媒を加熱して
タンク(T1,T2)を加圧する加熱熱交換器(HEX3)、2次側
回路(20)の冷媒を冷却してタンク(T1,T2)を減圧する冷
却熱交換器(HEX4)を有する駆動用回路(50)とを備える。
加熱熱交換器(HEX3)での液冷媒の加熱蒸発、冷却熱交換
器(HEX4)でのガス冷媒の冷却凝縮によりタンク(T1,T2)
内に高圧及び低圧を作用させて2次側回路(20)に冷媒を
循環させる。一方のタンク(T1)からの液冷媒の押し出し
動作の開始後、所定時間が経過するまでにタンク(T1)内
が空になったとき、2次側回路(20)の冷媒が漏洩してい
ると判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍装置に係る。特
に、本発明は、液冷媒を貯留したタンク内に高圧及び低
圧を作用させ、これら圧力によってタンクからの液冷媒
の押し出し動作と、タンクへの液冷媒の回収動作とを行
って熱搬送する冷凍装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポンプを用いることなく冷媒
を循環させて、熱源から受けた温熱又は冷熱を利用側熱
交換器に搬送する冷凍装置が知られている。この種の冷
凍装置は、例えば特開平9−178217号公報に開示
されている。
【0003】この冷凍装置は、利用側冷媒回路及び駆動
用回路を備えている。利用側冷媒回路は、熱源との間で
熱交換を行う熱源側熱交換器及び利用側空間に設置され
た利用側熱交換器を有する。これら熱交換器同士は液配
管及びガス配管によって利用側冷媒の循環が可能に接続
されている。利用側冷媒回路は、該回路を構成する液配
管に接続し且つ液冷媒の貯留が可能な一対のタンクを有
する。駆動用回路は、圧縮機、駆動用加熱熱交換器、減
圧機構及び駆動用冷却熱交換器が冷媒配管によって駆動
用冷媒の循環が可能に接続されて成る。各駆動用の熱交
換器は駆動用冷媒と利用側冷媒とを熱交換させる。駆動
用回路での冷媒循環動作により、駆動用加熱熱交換器に
おいて駆動用冷媒が利用側冷媒を加熱する。これにより
利用側冷媒が蒸発して高圧が発生する。一方、駆動用冷
却熱交換器において駆動用冷媒が利用側冷媒を冷却す
る。これにより利用側冷媒が凝縮して低圧が発生する。
【0004】このようにして発生した高圧を一方のタン
クに作用させ、低圧を他方のタンクに作用させる。つま
り、一方のタンクからの液冷媒の押し出しと、他方のタ
ンクへの液冷媒の回収とを同時に行うことにより利用側
冷媒回路で冷媒が循環し、熱搬送が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、蒸気圧縮式の
冷凍装置では、冷媒回路で冷媒漏洩が発生していること
を冷媒圧力によって検知している。つまり、この冷媒漏
洩が発生している状態では、冷媒回路の高圧側配管の内
圧が所定圧力まで上昇しないので、これを検知すること
で冷媒の漏洩が認識できる。
【0006】ところが、この圧力による漏洩検知を上述
した利用側冷媒回路に適用した場合、この漏洩検知を迅
速に行うことができない。何故なら、利用側冷媒回路で
は、タンクの押し出し力と吸引力との差だけの冷媒圧力
差しか生じていない。つまり、利用側冷媒回路における
高圧側配管の内圧と低圧側配管の内圧との差が、蒸気圧
縮式の冷凍サイクルにおけるこれらの圧力差に比べて小
さい。従って、冷媒漏洩量に対する高圧側配管内圧の低
下割合が小さい。このため、大量の冷媒が漏洩しなけれ
ば、漏洩検知できる程度まで冷媒圧力が低下しない。そ
の結果、冷媒の漏洩発生から漏洩検知までの時間を長く
要し、その間、空調能力を十分に発揮できないまま運転
が継続されてしまう。このように、上述した利用側冷媒
回路において、冷媒圧力を検知して冷媒漏洩を認識する
場合、冷媒漏洩検知を迅速に行うことができないため、
室内の空気調和が良好に行えず、装置の信頼性が低くな
ってしまう。
【0007】また、僅かな圧力変化をも検知可能な精度
の高い圧力センサを設けることにより、冷媒漏洩検知を
迅速に行い得る構成を採用することも考えられる。とこ
ろが、これではコストの増大を招くばかりでなく、冷媒
の漏洩が発生していないにも拘わらず、漏洩検知を行う
といった誤動作を引き起こす可能性がある。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、液冷媒を貯留したタ
ンク内に高圧及び低圧を作用させ、これら圧力によって
タンクからの液冷媒の押し出しと、タンクへの液冷媒の
回収とを行って冷媒による熱搬送を行う冷凍装置に対
し、冷媒の漏洩検知を迅速且つ正確に行うことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記目的を達成するために、本発明は、タンクからの液
冷媒の押し出し時間が所定時間よりも短い場合には、タ
ンク内の液冷媒が少ない、つまり、冷媒回路において冷
媒漏洩が発生していると判定している。
【0010】−解決手段− 具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、図1に示
すように、利用側熱交換器(HEX1)及び熱源側熱交換器(H
EX2)を有する冷媒流路(21)と、液冷媒の貯留が可能なタ
ンク(T1,T2)と、高圧及び低圧を発生する圧力発生手段
(HEX3,HEX4)とを備えた冷凍装置を前提とする。この冷
凍装置は、圧力発生手段(HEX3)で発生した高圧をタンク
(T1,T2)内に作用させて、該タンク(T1,T2)内の液冷媒を
利用側熱交換器(HEX1)及び熱源側熱交換器(HEX2)のうち
の一方の熱交換器(HEX1,HEX2)に向かって押し出す押し
出し動作と、圧力発生手段(HEX4)で発生した低圧をタン
ク(T1,T2)内に作用させて、上記一方の熱交換器(HEX1,H
EX2)から他方の熱交換器(HEX2,HEX1)に流れた冷媒をタ
ンク(T1,T2)内に回収する回収動作とを行い、熱交換器
(HEX1,HEX2)間で熱搬送する。この冷凍装置に対し、上
記押し出し動作の開始時に開始信号を発する開始信号手
段(71)と、上記押し出し動作において、タンク(T1,T2)
内が略空になった時に空信号を発する空検知手段(60),
(61)と、上記開始信号手段(71)の開始信号及び空検知手
段(60),(61)の空信号を受信可能であり、開始信号を受
信した後、所定時間以内に空信号を受信したとき、冷媒
流路(21)またはタンク(T1,T2)から冷媒が漏洩している
と判定して所定の漏洩処理動作を行う漏洩処理手段(72)
とを備えさせている。
【0011】この特定事項により、タンク(T1,T2)から
の液冷媒の押し出し動作と、タンク(T1,T2)への液冷媒
の回収動作とにより、熱交換器(HEX1,HEX2)間を冷媒が
流れて熱搬送が行われる。この動作において、押し出し
動作の開始時に、開始信号手段(71)からの開始信号が漏
洩処理手段(72)に送信される。この押し出し動作によっ
てタンク(T1,T2)内が略空になった時に、空検知手段(6
0),(61)からの空信号が漏洩処理手段(72)に送信され
る。漏洩処理手段(72)は、この開始信号を受信してから
空信号を受信するまでの時間が所定時間よりも短いとき
には、冷媒流路(21)またはタンク(T1,T2)から冷媒が漏
洩していると判定する。つまり、冷媒流路(21)やタンク
(T1,T2)から冷媒漏洩が発生している場合には、押し出
し動作を開始する時点でタンク(T1,T2)内の貯留液冷媒
は不足している。従って、タンク(T1,T2)内が空になる
までの所要時間は、冷媒漏洩が発生していない場合の所
定時間よりも短くなる。このため、タンク(T1,T2)内が
空になるまでに本来必要である所要時間よりも短い時間
でタンク(T1,T2)内が空になり、タンク(T1,T2)内が略空
になったことを空検知手段(60),(61)が検知する。これ
により、冷媒漏洩が発生していることが判定できる。こ
の冷媒漏洩判定を行った漏洩処理手段(72)は、所定の漏
洩処理動作を行う。例えば、警告を発したり、冷媒流路
(21)での冷媒の流れを停止させる。
【0012】第2の解決手段は、前提が上述した第1の
解決手段の前提と同じである。そして、押し出し動作の
開始時に開始信号を発する開始信号手段(71)と、押し出
し動作において、タンク(T1,T2)内が略空になった時に
空信号を発する空検知手段(60),(61)とを備えている、
また、これら手段(60),(61),(71)に加えて、流量検知手
段(73)、時間算出手段(74)、漏洩処理手段(72)を備えて
いる。流量検知手段(73)は、冷媒流路(21)での単位時間
当たりの冷媒流量の信号を発する。時間算出手段(74)
は、開始信号手段(71)の開始信号及び流量検知手段(73)
の信号を受信可能であり、冷媒流路(21)及びタンク(T1,
T2)から冷媒が漏洩していないときの押し出し動作開始
からタンク(T1,T2)内が略空になるまでの時間を算出し
て、時間信号を発する。漏洩処理手段(72)は、開始信号
手段(71)の開始信号、空検知手段(60),(61)の空信号及
び時間算出手段(74)の時間信号を受信可能であり、開始
信号を受信してから空信号を受信するまでの実所要時間
と上記算出した時間とを比較し、実所要時間が算出した
時間よりも短いとき、冷媒流路(21)またはタンク(T1,T
2)から冷媒が漏洩していると判定して所定の漏洩処理動
作を行う。
【0013】この特定事項により、冷媒の押し出し動作
において、流量検知手段(73)は単位時間当たりの冷媒流
量を検知している。時間算出手段(74)は、上記単位時間
当たりの冷媒流量に基づいて、冷媒流路(21)及びタンク
(T1,T2)から冷媒が漏洩していないときの押し出し動作
の開始からタンク(T1,T2)内が略空になるまでの時間を
算出する。漏洩処理手段(72)は、押し出し動作の開始か
らタンク(T1,T2)内が略空になるまでの実所要時間と、
上記算出した時間とを比較する。この実所要時間が算出
した時間よりも短いとき、漏洩処理手段(72)は、冷媒流
路(21)またはタンク(T1,T2)から冷媒が漏洩していると
判定する。つまり、冷媒流路(21)やタンク(T1,T2)から
冷媒漏洩が発生している場合には、押し出し動作を開始
する時点でタンク(T1,T2)内の貯留液冷媒は不足してい
る。従って、タンク(T1,T2)内が空になるまでの実所要
時間は、冷媒漏洩が発生していないときの所要時間より
も短くなる。このため、タンク(T1,T2)内が空になるま
でに本来必要である所要時間よりも短い時間でタンク(T
1,T2)内が空になり、タンク(T1,T2)内が略空になったこ
とを空検知手段(60),(61)が検知する。これにより、冷
媒漏洩が発生していることが判定できる。この冷媒漏洩
判定を行った漏洩処理手段(72)は、上記と同様に、所定
の漏洩処理動作を行う。
【0014】第3〜第5の解決手段は、空検知手段の構
成を具体化している。つまり、第3の解決手段は、上記
第1の解決手段または第2の解決手段において、圧力発
生手段(HEX3)を液冷媒の加熱蒸発により高圧を発生する
ものとする。空検知手段(60)を、タンク(T1,T2)に接続
した押し出し配管(37a)の内部温度を検出する温度セン
サ(60)とし、検出温度が所定温度を超えたときに空信号
を発するものとする。
【0015】第4の解決手段は、上記第1の解決手段ま
たは第2の解決手段において、圧力発生手段(HEX3)を液
冷媒の加熱蒸発により高圧を発生するものとする。空検
知手段(60)を、タンク(T1,T2)内の底部の温度を検出す
る温度センサ(60)とし、検出温度が所定温度を超えたと
きに空信号を発するものとする。
【0016】第5の解決手段は、上記第1の解決手段ま
たは第2の解決手段において、空検知手段(61)を、タン
ク(T1,T2)内の液冷媒の液面を検出する液面センサ(61)
とし、液冷媒の液面が所定液位以下に降下したときに空
信号を発するものとする。
【0017】これら特定事項のうち、特に第4及び第5
の解決手段では、タンク(T1,T2)内が空になると同時、
または、その直前に空検知手段(60)によりタンク(T1,T
2)内が空になることを検知できる。
【0018】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施の形態1を
図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係
る冷凍装置を室内の暖房又は冷房を行う空気調和装置に
適用した場合について説明する。
【0019】図1に示すように、本実施形態の空気調和
装置は、熱源側冷媒回路(10)と、搬送回路(30)を備えた
利用側冷媒回路(20)と、駆動用回路(50)とを備えてい
る。上記熱源側冷媒回路(10)は冷媒循環動作によって温
熱又は冷熱を生成する。利用側冷媒回路(20)は熱源側冷
媒回路(10)からの温熱又は冷熱を室内熱交換器(HEX1)へ
搬送して空気調和に利用する。駆動用回路(50)は利用側
冷媒回路(20)の冷媒に循環駆動力を付与する。また、上
記熱源側冷媒回路(10)及び駆動用回路(50)は、蒸気圧縮
式冷凍サイクルで構成されている。以下、熱源側冷媒回
路(10)を1次側回路(10)といい、利用側冷媒回路(20)を
2次側回路(20)という。
【0020】−2次側回路(20)の説明− 上記2次側回路(20)は、熱源側熱交換器としての主熱交
換器(HEX2)と複数の室内ユニット(22)とを備えて成る冷
媒流路としての主回路(21)に、2次側四路切換弁(23)を
介して上記搬送回路(30)が接続して構成されている。室
内ユニット(22)は、利用側熱交換器としての室内熱交換
器(HEX1)と室内電動弁(EV)とを冷媒配管で直列に接続し
て構成されている。各室内ユニット(22)の室内熱交換器
(HEX1)側(ガス側)の一端は、それぞれ主ガス配管(24)を
介して上記主熱交換器(HEX2)の上端部に接続している。
一方、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)側(液側)の
一端は、それぞれ主液配管(25)を介して上記2次側四路
切換弁(23)に接続している。また、主熱交換器(HEX2)の
下端部は、主液配管(26)を介して2次側四路切換弁(23)
に接続している。この主液配管(26)には、第2電動弁(E
V-2)が設けられている。以上のようにして、上記主回路
(21)が形成される。
【0021】また、この主回路(21)には、蓄熱ユニット
(40)が接続している。該蓄熱ユニット(40)は、蓄熱槽(4
1)に蓄熱熱交換部(42)を収納して成る。蓄熱槽(41)には
蓄熱媒体としての水が満たされている。蓄熱熱交換部(4
2)は、所定の長さを有する所定本数の伝熱管によって構
成されて蓄熱槽(41)の内部に収納されている。この蓄熱
熱交換部(42)は、一端が上記主液配管(25)に、他端が上
記主ガス配管(24)に、それぞれ蓄熱配管(43)を介して接
続している。また、蓄熱熱交換部(42)と主液配管(25)と
の間の蓄熱配管(43)には、第1電動弁(EV-1)が設けられ
ている。更に、この蓄熱配管(43)には、蓄熱回収管(44)
が接続している。この蓄熱回収管(44)は、蓄熱電磁弁(S
V)を備える一方、一端が蓄熱熱交換部(42)と第1電動弁
(EV-1)との間に、他端が2次側四路切換弁(23)と第2電
動弁(EV-2)との間の主液配管(26)にそれぞれ接続してい
る。そして、上記蓄熱熱交換部(42)において2次側回路
(20)の冷媒と蓄熱槽(41)内の水とを熱交換させるように
している。
【0022】上記搬送回路(30)は、加熱熱交換器(HEX3)
と、冷却熱交換器(HEX4)と、放熱熱交換器(HEX5)と、液
冷媒を貯留する第1及び第2メインタンク(T1,T2)と、
サブタンク(ST)とを備える。
【0023】上記加熱熱交換器(HEX3)は、駆動用回路(5
0)の冷媒と2次側回路(20)の液冷媒とを熱交換し、該液
冷媒を加熱蒸発させる。この2次側回路(20)の液冷媒の
蒸発によって、加熱熱交換器(HEX3)の内部は高圧状態と
なる。一方、上記冷却熱交換器(HEX4)は、駆動用回路(5
0)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とを熱交換し、該
ガス冷媒を冷却凝縮させる。この2次側回路(20)のガス
冷媒の凝縮によって、冷却熱交換器(HEX4)の内部は低圧
状態となる。そして、第1及び第2メインタンク(T1,T
2)のうち一方のメインタンク(T1,T2)を加熱熱交換器(HE
X3)と連通して加圧し、該メインタンク(T1,T2)内の液冷
媒を押し出す。同時に、他方のメインタンク(T1,T2)を
冷却熱交換器(HEX4)と連通して減圧し、該メインタンク
(T1,T2)内へ液冷媒を回収する。つまり、室内熱交換器
(HEX1)及び主熱交換器(HEX2)のうちの一方に搬送回路(3
0)から液冷媒を押し出し、他方から搬送回路(30)に液冷
媒を吸引する。以上のようにして、駆動用回路(50)は、
2次側回路(20)の冷媒に循環駆動力を付与する。これら
加熱熱交換器(HEX3)及び冷却熱交換器(HEX4)によって圧
力発生手段が構成されている。
【0024】具体的に、上記冷却熱交換器(HEX4)の上端
部にはガス回収管(32)が接続している。このガス回収管
(32)は、3本の分岐管(32a,32b,32c)に分岐し、この各
分岐管(32a〜32c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタ
ンク(ST)の上端部に個別に接続している。これら各分岐
管(32a〜32c)には、第1〜第3のタンク減圧電磁弁(SV-
V1,SV-V2,SV-V3)が設けられている。また、この冷却熱
交換器(HEX4)の下端部には液供給管(33)が接続してい
る。この液供給管(33)は2本の分岐管(33a,33b)に分岐
し、この各分岐管(33a,33b)が各メインタンク(T1,T2)の
下端部にそれぞれ接続している。これら分岐管(33a,33
b)には、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の回収のみを
許容する逆止弁(CV-2)が設けられている。
【0025】上記加熱熱交換器(HEX3)の上端部にはガス
供給管(31)が接続している。このガス供給管(31)は、3
本の分岐管(31a,31b,31c)に分岐し、この各分岐管(31a
〜31c)が上記ガス回収管(32)の分岐管(32a〜32c)に接続
している。これにより、該ガス供給管(31)の各分岐管(3
1a〜31c)が各メインタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)
の上端部に上記分岐管(32a〜32c)を介して個別に接続し
ている。これら各分岐管(31a〜31c)には、第1〜第3の
タンク加圧電磁弁(SV-P1,SV-P2,SV-P3)が設けられてい
る。また、この加熱熱交換器(HEX3)の下端部には液回収
管(34)が接続している。この液回収管(34)はサブタンク
(ST)の下端部に接続している。この液回収管(34)には、
サブタンク(ST)からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁
(CV-1)が設けられている。
【0026】尚、各メインタンク(T1,T2)は、冷却熱交
換器(HEX4)よりも低い位置に設置されている。また、サ
ブタンク(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)よりも高い位置に
設置されている。
【0027】また、各メインタンク(T1,T2)には回収用
液配管(38)と押し出し用液配管(37)とが接続している。
回収用液配管(38)は2本の分岐管(38a,38b)に分岐し、
各分岐管(38a,38b)が各メインタンク(T1,T2)の下端部に
それぞれ接続している。これら各分岐管(38a,38b)に
は、各メインタンク(T1,T2)への冷媒の流入のみを許容
する逆止弁(CV-5)が設けられている。一方、押し出し用
液配管(37)は3本の分岐管(37a,37b,37c)に分岐し、各
分岐管(37a〜37c)が上記回収用液配管(38)の分岐管(38
a,38b)及び液回収管(34)に接続することにより、各メイ
ンタンク(T1,T2)及びサブタンク(ST)の下端部に接続し
ている。これら分岐管(37a〜37c)のうち、各メインタン
ク(T1,T2)に接続する分岐管(37a,37b)には、メインタン
ク(T1,T2)下端からの冷媒の流出のみを許容する逆止弁
(CV-3)が設けられている。一方、サブタンク(ST)に接続
する分岐管(37c)には、該サブタンク(ST)への冷媒の流
入のみを許容する逆止弁(CV-4)が設けられている。
【0028】上記放熱熱交換器(HEX5)は、上記回収用液
配管(38)に設けられ、各メインタンク(T1,T2)へ回収す
る2次側回路(20)の液冷媒と、駆動用回路(50)の冷媒と
を熱交換させる。この放熱熱交換器(HEX5)における両冷
媒の熱交換によって、冷却熱交換器(HEX4)における熱交
換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量とをバラン
スさせるようになっている。つまり、駆動用回路(50)で
は、圧縮機(51)への入力エネルギ分に相当する温熱が余
っており、放熱熱交換器(HEX5)を設けない場合には、こ
の余剰熱が加熱熱交換器(HEX3)において2次側回路(20)
の液冷媒に与えられてしまって、冷却熱交換器(HEX4)に
おける熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量
とがアンバランスになる。放熱熱交換器(HEX5)は、この
各熱量をバランスさせるために設けている。即ち、上記
余剰熱を放熱熱交換器(HEX5)において回収用液配管(38)
を流れる液冷媒に放熱し、冷却熱交換器(HEX4)における
熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交換量とをバ
ランスさせ、メインタンク(T1,T2)の冷媒押し出し力
と、冷媒吸引力とを等しくして、2次側回路(20)での円
滑な冷媒循環動作を可能にしている。
【0029】本形態の特徴とする構成の一つとして、第
1メインタンク(T1)に接続する押し出し用液配管(37)の
分岐管(37a)には空検知手段としての温度センサ(60)が
設けられている。この温度センサ(60)は、分岐管(37a)
内の冷媒温度を検出する。つまり、第1メインタンク(T
1)から冷媒が押し出されている状態では、分岐管(37a)
には飽和温度以下の液冷媒が流れており、温度センサ(6
0)が検出する温度は比較的低い。一方、第1メインタン
ク(T1)内の全ての冷媒が押し出されると、分岐管(37a)
にはガス冷媒が流れる。このガス冷媒は、加熱熱交換器
(HEX3)で加熱蒸発した比較的高温の冷媒である。従っ
て、この状態では、温度センサ(60)が検出する温度は比
較的高い。つまり、この温度センサ(60)が検出する冷媒
温度によって、分岐管(37a)に液冷媒が存在している状
態であるか、ガス冷媒が存在している状態であるかを認
識できる。言い換えると、第1メインタンク(T1)に繋が
る第1タンク加圧用電磁弁(SV-P1)が開放している状態
で、分岐管(37a)に存在する冷媒を認識することによ
り、第1メインタンク(T1)から冷媒が押し出されている
状態であるのか、第1メインタンク(T1)内の全ての冷媒
が押し出された状態であるのかを判定することが可能で
ある。そして、この温度センサ(60)は、検出温度が比較
的低い状態(冷媒の飽和温度程度)から急上昇した場合
には空信号を発する。具体的には、検出温度が飽和温度
を超えると空信号を発する。
【0030】以上のように上記搬送回路(30)が構成され
ると共に、該搬送回路(30)の回収用液配管(38)及び押し
出し用液配管(37)が、2次側四路切換弁(23)を介して主
回路(21)の主液配管(25,26)に接続している。つまり、
上記2次側回路(20)は、一方のメインタンク(T1,T2)か
ら押し出された液冷媒が押し出し用液配管(37)を通って
主回路(21)へ流れ、主回路(21)を循環した後に回収用液
配管(38)を通って他方のメインタンク(T1,T2)に回収さ
れる構成となっている。また、2次側四路切換弁(23)
は、押し出し用液配管(37)を室内ユニット(22)に接続
し、且つ回収用液配管(38)を主熱交換器(HEX2)に接続す
る切り換え状態と、押し出し用液配管(37)を主熱交換器
(HEX2)に接続し、且つ回収用液配管(38)を室内ユニット
(22)に接続する切り換え状態とが切り換え可能である。
この切り換えによって、主回路(21)における冷媒の循環
方向が反転可能である。
【0031】−駆動用回路(50)の説明− 上記駆動用回路(50)は、駆動圧縮機(51)、上記加熱熱交
換器(HEX3)、放熱熱交換器(HEX5)、減圧機構としての第
4膨張弁(EV-4)及び冷却熱交換器(HEX4)を順に冷媒配管
で接続した蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成している。こ
の駆動用回路(50)は、上述したように、加熱熱交換器(H
EX3)において2次側回路(20)の冷媒を蒸発させて該加熱
熱交換器(HEX3)内を高圧状態にすると同時に、冷却熱交
換器(HEX4)において2次側回路(20)の冷媒を凝縮させて
該冷却熱交換器(HEX4)内を低圧状態にする。
【0032】また、上記放熱熱交換器(HEX5)は、上述し
たように、2次側回路(20)の液冷媒と駆動用回路(50)の
冷媒とを熱交換させることによって、冷却熱交換器(HEX
4)における熱交換量と加熱熱交換器(HEX3)における熱交
換量とを均衡させる。つまり、2次側回路(20)の冷媒に
適切な循環駆動力を付与するには、加熱熱交換器(HEX3)
における2次側回路(20)の液冷媒の蒸発量と、冷却熱交
換器(HEX4)における2次側回路(20)のガス冷媒の凝縮量
とを等しくする必要がある。従って、加熱熱交換器(HEX
3)における駆動用回路(50)の冷媒の放熱量と、冷却熱交
換器(HEX4)における駆動用回路(50)の冷媒の吸熱量とを
均衡させなければならない。本実施形態では上記放熱熱
交換器(HEX5)を設け、駆動圧縮機(51)への入力電力に起
因する入熱分を放熱熱交換器(HEX5)において放熱させる
ことよって、上述の加熱熱交換器(HEX3)における放熱量
と冷却熱交換器(HEX4)における吸熱量とをバランスさせ
る。
【0033】−1次側回路(10)の説明− 上記1次側回路(10)は、1次側圧縮機(11)、1次側四路
切換弁(12)、室外熱交換器(HEX6)、第3膨張弁(EV-3)及
び上記主熱交換器(HEX2)を冷媒配管により接続して蒸気
圧縮式冷凍サイクルを構成している。この1次側回路(1
0)は、主熱交換器(HEX2)を介して上記2次側回路(20)へ
温熱又は冷熱を供給する。
【0034】−コントローラの説明− 本装置は、上述した各回路(10,20,30,50)における冷媒
循環動作を制御するためのコントローラ(70)を備えてい
る。つまり、このコントローラ(70)は、各圧縮機(11,5
1)の運転周波数制御、各電動弁(EV,EV-1〜EV-4)の開度
調整、各電磁弁(SV,SV-P1〜SV-P3,SV-V1〜SV-V3)の開閉
調整等を行う。
【0035】本形態の特徴として、このコントローラ(7
0)は、開始信号手段(71)及び漏洩処理手段(72)を備えて
いる。開始信号手段(71)は、第1メインタンク(T1)から
の冷媒押し出し動作の開始時に開始信号を発する。つま
り、この開始信号手段(71)は、メインタンク(T1)に低圧
が作用し第2メインタンク(T2)に高圧が作用している状
態から、第1メインタンク(T1)に高圧が作用し第2メイ
ンタンク(T2)に低圧が作用する状態に切り換わった際に
開始信号を発する。
【0036】漏洩処理手段(72)は、温度センサ(60)の空
信号及び開始信号手段(71)の開始信号が受信可能であ
る。該漏洩処理手段(72)は、この開始信号を受信した
後、所定時間以内に空信号を受けたときに、2次側回路
(20)において冷媒が漏洩していると判定する。つまり、
2次側回路(20)に冷媒漏洩が発生しておらず、該2次側
回路(20)に十分な冷媒が存在している状態では、第1メ
インタンク(T1)からの冷媒押し出し動作を開始した後、
この第1メインタンク(T1)内が空になるまでに、所定時
間(例えば1分)が必要である。2次側回路(20)に冷媒
漏洩が発生している場合には、冷媒押し出し動作を開始
する時点で第1メインタンク(T1)内の貯留液冷媒は不足
している。従って、第1メインタンク(T1)内が空になる
までの所要時間は上記所定時間よりも短く(例えば45
秒)なる。このため、第1メインタンク(T1)内が空にな
るまでに本来必要である所要時間よりも短い時間で第1
メインタンク(T1)内が空になり、温度センサ(60)の検出
温度が急上昇する。これにより、2次側回路(20)の冷媒
量が不足している、つまり、主回路(21)またはメインタ
ンク(T1,T2)からの冷媒漏洩が発生していることが判定
できる。尚、上記の冷媒漏洩判定を行うための所定時間
(上記では1分)は、メインタンク(T1,T2)の容量や2
次側回路(20)の冷媒充填量によって決定される。つま
り、冷媒漏洩が発生していない状況において、第2メイ
ンタンク(T2)内が空になった場合の第1メインタンク(T
1)の液冷媒貯留量を、該第1メインタンク(T1)からの冷
媒押し出し動作時の単位時間当たりの押し出し量で除し
た値がこの所定位時間として決定される。
【0037】この漏洩判定が行われると、漏洩処理手段
(72)は、所定の漏洩処理動作を行う、この漏洩処理動作
としては、図示しない表示パネルに冷媒漏洩発生の警告
表示を行ったり、駆動回路(50)の駆動圧縮機(51)を停止
して2次側回路(20)での冷媒循環を停止させる。
【0038】−冷房運転動作− 1次側回路(10)で生成した冷熱を室内ユニット(22)へ搬
送する冷房運転時の動作について説明する。
【0039】先ず、1次側回路(10)の動作について説明
する。この運転時において、1次側回路(10)では、1次
側四路切換弁(12)が図2に実線で示すように切り換わる
と共に、第3膨張弁(EV-3)が所定開度に調整される。
【0040】この状態において、図2に一点鎖線の矢印
で示すように、1次側回路(10)を冷媒が循環する。即
ち、1次側圧縮機(11)から吐出した高圧のガス冷媒は、
1次側四路切換弁(12)を通って室外熱交換器(HEX6)へ流
れ、該室外熱交換器(HEX6)で外気と熱交換して凝縮して
高圧の液冷媒となる。この高圧の液冷媒は、第3膨張弁
(EV-3)で減圧されて低圧の液冷媒となり、その後、主熱
交換器(HEX2)において2次側回路(20)の冷媒と熱交換し
て蒸発する。その際、1次側回路(10)において冷熱が生
成し、該冷熱が2次側回路(20)の冷媒に供給される。該
主熱交換器(HEX2)で蒸発した1次側回路(10)の冷媒は、
1次側圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰り返す。
【0041】次に、上記駆動用回路(50)の動作について
説明する。この運転時において、駆動用回路(50)では、
第4膨張弁(EV-4)が所定開度に調整される。
【0042】この状態において、図2に二点鎖線の矢印
で示すように、駆動用回路(50)内を冷媒が循環する。即
ち、駆動圧縮機(51)から吐出した高圧のガス冷媒は、加
熱熱交換器(HEX3)へ流れ、該加熱熱交換器(HEX3)で2次
側回路(20)の液冷媒と熱交換を行い、凝縮して高圧の液
冷媒となる。その際、2次側回路(20)の液冷媒は加熱さ
れて蒸発する。加熱熱交換器(HEX3)で凝縮した冷媒は、
放熱熱交換器(HEX5)へ流れ、2次側回路(20)の液冷媒と
の熱交換によって冷却される。これにより、駆動用回路
(50)の駆動圧縮機(51)を駆動させるための入力エネルギ
に相当する余剰熱が2次側回路(20)の液冷媒に放熱され
る。この冷却された液冷媒は、第4膨張弁(EV-4)で減圧
されて低圧の液冷媒となり、その後、冷却交換器(HEX4)
において2次側回路(20)の冷媒と熱交換して蒸発する。
その際、2次側回路(20)のガス冷媒は冷却されて凝縮す
る。該冷却交換器(HEX4)で蒸発した駆動用回路(50)の冷
媒は、駆動圧縮機(51)に吸入されて、この循環を繰り返
す。
【0043】この駆動用回路(50)での冷媒循環動作にお
いて、上記余剰熱は放熱熱交換器(HEX5)において2次側
回路(20)の液冷媒に放熱されている。このため、加熱熱
交換器(HEX3)における駆動用回路(50)の冷媒の放熱量
と、冷却熱交換器(HEX4)における駆動用回路(50)の冷媒
の吸熱量とはほぼ等しくなっている。
【0044】次に、上記2次側回路(20)の動作について
説明する。搬送回路(30)の各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が
次の状態にあるところから説明する。第1メインタンク
(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、サブタンク(ST)の加圧電磁
弁(SV-P3)、第2メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)
が開放している。一方、第2メインタンク(T2)の加圧電
磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減圧電磁弁(SV-V
1)、サブタンク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)は閉鎖してい
る。また、2次側四路切換弁(23)は図2に実線で示すよ
うに切り換わり、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)
は所定開度に調整され、第2電動弁(EV-2)は開放し、第
1電動弁(EV-1)及び蓄熱電磁弁(SV)は閉鎖している。
【0045】この状態において、加熱熱交換器(HEX3)で
は、駆動用回路(50)の冷媒と2次側回路(20)の液冷媒と
が熱交換し、該液冷媒が加熱されて蒸発する。この2次
側回路(20)の液冷媒の蒸発によって加熱熱交換器(HEX3)
内が高圧状態となる。加圧電磁弁(SV-P1)の開放によっ
て加熱熱交換器(HEX3)と第1メインタンク(T1)とが連通
し、第1メインタンク(T1)が加圧される。このため、第
1メインタンク(T1)に貯留された液冷媒が、図2の実線
の矢印に示すように、第1メインタンク(T1)から押し出
される。第1メインタンク(T1)から押し出された液冷媒
は、押し出し用液配管(37)の分岐管(37a)及び2次側四
路切換弁(23)を通って主回路(21)の主液配管(25)へ流れ
る。
【0046】一方、冷却熱交換器(HEX4)では、駆動用回
路(50)の冷媒と2次側回路(20)のガス冷媒とが熱交換
し、該2次側冷媒が冷却されて凝縮する。この2次側回
路(20)のガス冷媒の凝縮によって冷却熱交換器(HEX4)内
が低圧状態となる。そして、減圧電磁弁(SV-V2)の開放
によって冷却熱交換器(HEX4)と第2メインタンク(T2)と
が連通し、第2メインタンク(T2)が減圧される。このた
め、第2メインタンク(T2)には主回路(21)の液冷媒が回
収される。つまり、図2の実線の矢印に示すように、主
液配管(26)の液冷媒が吸引され、2次側四路切換弁(2
3)、回収用液配管(38)の分岐管(38b)を順に流れて第2
メインタンク(T2)に回収される。
【0047】上記2次側回路(20)の主回路(21)では、上
述のような第1メインタンク(T1)からの液冷媒の押し出
し動作と、第2メインタンク(T2)への液冷媒の回収動作
とによって冷媒が循環し、1次側回路(10)の冷熱を室内
熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の冷房が行われる。具体
的に、第1メインタンク(T1)から押し出されて主液配管
(25)へ流れた液冷媒は、各室内ユニット(22)へ分流され
る。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整することに
より、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量が調節
される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒は、各室
内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、
室内空気を冷却して調和空気を生成する。そして、この
低温の調和空気が室内の冷房に供される。各室内熱交換
器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して主ガス配管(24)を
通って主熱交換器(HEX2)へ流れる。主熱交換器(HEX2)へ
流れたガス冷媒は、1次側回路(10)の冷媒と熱交換を行
い、該1次側冷媒が蒸発して生成した冷熱によって冷却
されて凝縮し、再び液冷媒となる。この液冷媒は、主液
配管(26)を流れ、2次側四路切換弁(23)、放熱熱交換器
(HEX5)及び回収用液配管(38)を通って第2メインタンク
(T2)に回収される。
【0048】この2次側回路(20)での冷媒循環動作にお
いて、上述したように、駆動用回路(50)の余剰熱が放熱
熱交換器(HEX5)で処理されるため、加熱熱交換器(HEX3)
における熱交換量と、冷却熱交換器(HEX4)における熱交
換量とがほぼ等しくなっている。このため、加熱熱交換
器(HEX3)における2次側回路(20)の液冷媒の蒸発量と、
冷却熱交換器(HEX4)における2次側回路(20)のガス冷媒
の凝縮量とが等しくなる。その結果、メインタンク(T1,
T2)の冷媒押し出し力と、冷媒吸引力とが等しくなり、
2次側回路(20)での冷媒循環動作が円滑に行われる。
【0049】また、搬送回路(30)において、サブタンク
(ST)は、加熱熱交換器(HEX3)と均圧されている。このた
め、図2に実線の矢印で示すように、該サブタンク(ST)
内の液冷媒が液回収管(34)を経て加熱熱交換器(HEX3)に
供給される。この供給された液冷媒は加熱熱交換器(HEX
3)内で蒸発して第1メインタンク(T1)内の加圧に寄与す
る。その後、このサブタンク(ST)内の液冷媒の殆どが加
熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク(ST)の加
圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖すると共に、サブタンク(ST)の
減圧電磁弁(SV-V3)が開放する。これにより、サブタン
ク(ST)内は低圧になり、押し出し用液配管(37)を流れて
いる冷媒の一部が該サブタンク(ST)内に回収される。
【0050】このような動作を所定時間行い、第1メイ
ンタンク(T1)内の液冷媒の全てが押し出されると、搬送
回路(30)の電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)を切換える。つま
り、第1メインタンク(T1)の加圧電磁弁(SV-P1)、第2
メインタンク(T2)の減圧電磁弁(SV-V2)、サブタンク(S
T)の減圧電磁弁(SV-V3)を閉鎖する。第2メインタンク
(T2)の加圧電磁弁(SV-P2)、第1メインタンク(T1)の減
圧電磁弁(SV-V1)、サブタンク(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)
を開放する。
【0051】これによって、第1メインタンク(T1)が減
圧され、逆に、第2メインタンク(T2)及びサブタンク(S
T)が加圧される。このため、第2メインタンク(T2)から
押し出された液冷媒が上述と同様に循環して第1メイン
タンク(T1)に回収される冷媒循環状態となる。また、サ
ブタンク(ST)内の液冷媒が加熱熱交換器(HEX3)に供給さ
れる。この場合にも、このサブタンク(ST)内の液冷媒の
殆どが加熱熱交換器(HEX3)に供給されると、サブタンク
(ST)の加圧電磁弁(SV-P3)が閉鎖すると共に、サブタン
ク(ST)の減圧電磁弁(SV-V3)が開放して、サブタンク(S
T)への冷媒の回収が行われる。
【0052】以上のように各電磁弁(SV-P1,SV-P2,…)が
切換え動作を行い、冷媒が第1メインタンク(T1)から押
し出されて第2メインタンク(T2)に回収される動作と、
冷媒が第2メインタンク(T2)から押し出されて第2メイ
ンタンク(T2)に回収される動作とが交互に行われる。そ
して、2次側回路(20)の主回路(21)において冷媒が循環
し、室内の冷房が行われる。
【0053】−冷蓄熱運転動作− 次に、1次側回路(10)で生成した冷熱を蓄熱ユニット(4
0)へ搬送して蓄熱する冷蓄熱運転時における運転動作に
ついて説明する。
【0054】この運転時において、1次側回路(10)及び
駆動用回路(50)は、上述の冷房運転時と同様に動作す
る。また、2次側回路(20)の搬送回路(30)も上述の冷房
運転時と同様に動作し、主回路(21)において冷媒を循環
させる。上記主回路(21)では、2次側四路切換弁(23)が
図2に実線で示すように切り換わり、各室内ユニット(2
2)の室内電動弁(EV)及び蓄熱電磁弁(SV)が閉鎖され、第
1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-2)が開放される。
【0055】この状態で、一方のメインタンク(T1,T2)
から押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、図2
に破線の矢印で示すように、蓄熱配管(43)を通って蓄熱
熱交換部(42)へ流れる。蓄熱熱交換部(42)へ流れた液冷
媒は、蓄熱槽(41)に満たされた水と熱交換して蒸発す
る。この液冷媒との熱交換によって蓄熱槽(41)内の水が
冷却されて氷が生成し、蓄熱媒体である水に冷熱が蓄え
られる。蓄熱熱交換部(42)で蒸発した冷媒は、主ガス配
管(24)を通って主熱交換器(HEX2)へ流れ、上記冷房運転
時と同様に凝縮して液冷媒となった後に、2次側四路切
換弁(23)及び放熱熱交換器(HEX5)を経て他方のメインタ
ンク(T1,T2)に回収される。
【0056】−利用冷房運転− 次に、蓄熱ユニット(40)に蓄えられた冷熱を室内ユニッ
ト(22)へ搬送する利用冷房運転時における運転動作につ
いて説明する。
【0057】この運転時において、1次側回路(10)の1
次側圧縮機(11)は停止し、駆動用回路(50)は上述の冷房
運転時と同様に動作する。また、2次側回路(20)の搬送
回路(30)は上述の冷房運転時と同様に動作し、主回路(2
1)において冷媒を循環させる。一方、上記主回路(21)で
は、2次側四路切換弁(23)が図3に実線で示すように切
り換わり、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定
開度に調整され、第1電動弁(EV-1)及び第2電動弁(EV-
2)は閉鎖され、蓄熱電磁弁(SV)は開放される。
【0058】この状態で、一方のメインタンク(T1,T2)
からの押し出されて主液配管(25)へ流れた液冷媒は、図
3に実線の矢印で示すように、各室内ユニット(22)へ分
流される。その際、各室内電動弁(EV)の開度を調整する
ことにより、各室内ユニット(22)へ流れる液冷媒の流量
が調節される。各室内ユニット(22)へ分流した液冷媒
は、各室内熱交換器(HEX1)で室内空気と熱交換を行って
蒸発し、室内空気を冷却して調和空気を生成する。そし
て、この低温の調和空気が室内の冷房に供される。一
方、各室内熱交換器(HEX1)で蒸発した冷媒は、合流して
主ガス配管(24)を流れ、蓄熱配管(43)を通って蓄熱熱交
換部(42)へ流れる。上記蓄熱槽(41)の水には上述の冷蓄
熱運転によって冷熱が蓄えられているため、蓄熱熱交換
部(42)へ流れたガス冷媒は、蓄熱槽(41)の水と熱交換を
行って凝縮する。この蓄熱熱交換部(42)で凝縮した冷媒
は、蓄熱配管(43)及び蓄熱回収管(44)を通って主液配管
(26)へ流れ、2次側四路切換弁(23)及び放熱熱交換器(H
EX5)を経て他方のメインタンク(T1,T2)に回収される。
【0059】−暖房運転− 次に、1次側回路(10)で生成した温熱を室内ユニット(2
2)へ搬送する暖房運転時における運転動作について説明
する。
【0060】この運転時において、該1次側回路(10)で
は、1次側四路切換弁(12)が図4に破線で示すように切
り換えられ、第3膨張弁(EV-3)が所定開度に調整され
る。
【0061】この状態において、図4に一点鎖線の矢印
で示すように、1次側回路(10)内を冷媒が循環する。即
ち、1次側圧縮機(11)から吐出した高圧のガス冷媒は、
1次側四路切換弁(12)を通って主熱交換器(HEX2)へ流
れ、該主熱交換器(HEX2)で2次側回路(20)の冷媒と熱交
換して凝縮して高圧の液冷媒となる。その際、1次側回
路(10)において温熱が生成し、該温熱が2次側回路(20)
の冷媒に供給される。主熱交換器(HEX2)で凝縮した冷媒
は、第3膨張弁(EV-3)で減圧されて低圧の液冷媒とな
る。この低圧の液冷媒は、冷媒配管を通って室外熱交換
器(HEX6)へ流れ、室外熱交換器(HEX6)において外気と熱
交換して蒸発する。該室外熱交換器(HEX6)で蒸発した1
次側回路(10)のガス冷媒は、1次側四路切換弁(12)を通
って1次側圧縮機(11)に吸入され、この循環を繰り返
す。
【0062】上記駆動用回路(50)では、図4に二点鎖線
で示すように冷媒が流れ、上述の冷房運転時と同様に動
作する。また、2次側回路(20)の搬送回路(30)は上述の
冷房運転時と同様に動作し、主回路(21)において冷媒を
循環させるようにしている。一方、上記主回路(21)で
は、2次側四路切換弁(23)が図4に破線で示すように切
り換わり、各室内ユニット(22)の室内電動弁(EV)は所定
開度に調整され、第2電動弁(EV-2)は開放され、第1電
動弁(EV-1)及び蓄熱電磁弁(SV)は閉鎖される。
【0063】この状態で、上記2次側回路(20)の主回路
(21)では、各メインタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出
しと回収とによって冷媒が循環し、1次側回路(10)の温
熱を室内熱交換器(HEX1)へ搬送して室内の暖房が行われ
る。具体的に、搬送回路(30)の押し出し用液配管(37)か
ら主回路(21)へ流れる液冷媒は、2次側四路切換弁(23)
と主液配管(26)とを順に通り、主熱交換器(HEX2)へ流れ
る。主熱交換器(HEX2)へ流れた液冷媒は、1次側回路(1
0)の冷媒と熱交換し、該1次側回路(10)の冷媒によって
加熱されて蒸発する。これによって、1次側回路(10)で
生成した温熱が2次側回路(20)へ供給される。主熱交換
器(HEX2)で蒸発したガス冷媒は、主ガス配管(24)を流
れ、各室内ユニット(22)へ分流される。その際、各室内
電動弁(EV)の開度を調整することにより、各室内ユニッ
ト(22)へ流れるガス冷媒の流量が調節される。各室内ユ
ニット(22)へ分流したガス冷媒は、各室内熱交換器(HEX
1)で室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱
して調和空気を生成する。そして、この高温の調和空気
が室内の暖房に供される。各室内熱交換器(HEX1)で凝縮
した冷媒は、合流して主液配管(25)、2次側四路切換弁
(23)、放熱熱交換器(HEX5)を順に通り、搬送回路(30)の
回収用液配管(38)に流れる。以上のように、2次側回路
(20)の主回路(21)において冷媒が循環し、室内の暖房が
行われる。
【0064】−冷媒漏洩検知動作− 以上のような各運転動作において、2次側回路(20)に冷
媒漏洩が発生しているか否かを判定する動作について説
明する。
【0065】先ず、第2メインタンク(T2)からの液冷媒
の押し出し動作及び第1メインタンク(T1)への液冷媒の
回収動作が終了して、タンク加圧用電磁弁(SV-P1〜SV-P
3)及びタンク減圧用電磁弁(SV-V1〜SV-V3)の開閉状態が
切り換わると、第1メインタンク(T1)からの液冷媒の押
し出し動作及び第2メインタンク(T2)への液冷媒の回収
動作が開始する。この際、開始信号手段(71)が開始信号
を発する。漏洩処理手段(72)は、この開始信号を受け
る。
【0066】この状態で、第1メインタンク(T1)から液
冷媒が押し出され、第2メインタンク(T2)へ液冷媒が回
収されて、上述した運転動作が行われる。この際、温度
センサ(60)の検出温度は冷媒の飽和温度程度の比較的低
い温度である。
【0067】第1メインタンク(T1)内の全ての液冷媒が
押し出され、加熱熱交換器(HEX3)で蒸発した冷媒が第1
メインタンク(T1)及び押し出し用液配管(37)の分岐管(3
7a)に流れ込むと、温度センサ(60)は、比較的高いガス
冷媒の温度を検出する。この温度の検出により、該温度
センサ(60)は空信号を発する。漏洩処理手段(72)は、こ
の空信号を受ける。
【0068】漏洩処理手段(72)は、上記開始信号を受信
してから空信号を受信するまでの時間が、冷媒漏洩が発
生していないときに開始信号を受信してから空信号を受
信するまでの時間よりも短い場合には、冷媒が漏洩して
いると判定する。例えば、冷媒漏洩が発生していないと
きに、第1メインタンク(T1)からの液冷媒の押し出し動
作が開始してから、この第1メインタンク(T1)が空にな
るまでの所要時間が1分である場合において、実際に漏
洩処理手段(72)が開始信号を受信してから空信号を受信
するまでの時間が45秒であった場合には、該漏洩処理
手段(72)は冷媒が漏洩していると判定する。つまり、主
回路(21)やタンク(T1,T2)から冷媒漏洩が発生している
場合には、押し出し動作を開始する時点で第1タンク(T
1)内の貯留液冷媒は不足している。従って、第1タンク
(T1)内が空になるまでの所要時間は、冷媒漏洩が発生し
ていない場合の所要時間よりも短くなる。このため、第
1タンク(T1)内が空になるまでに本来必要である所要時
間よりも短い時間で第1タンク(T1)内が空になることを
認識することで、冷媒漏洩を判定することができる。
【0069】この冷媒漏洩判定を行った漏洩処理手段(7
2)は、表示パネルに冷媒漏洩発生の警告表示を行い、点
検作業を促す。
【0070】−実施形態の効果− 以上説明したように、本形態に係る空気調和装置は、第
1タンク(T1)からの冷媒押し出し動作に要する時間を、
冷媒漏洩が生じていないときに要する時間と比較し、実
際の所要時間の方が短い場合には冷媒が漏洩していると
判定している。この種の2次側回路(20)において、冷媒
圧力を認識することで冷媒漏洩を検知しようとした場
合、比較的大量の冷媒が漏洩しなければ漏洩を検知でき
なかった。本形態では、押し出し動作を開始する時点で
の第1タンク(T1)内の貯留冷媒量に基づいて冷媒漏洩を
検知しているので、冷媒漏洩量が比較的少ない状況であ
っても冷媒漏洩を検知することが可能である。従って、
冷媒の漏洩発生から漏洩検知までの時間を短くすること
ができる。つまり、冷媒漏洩により空調能力を十分に発
揮できないまま運転が継続されてしまうといった状況を
回避できる。その結果、装置の信頼性の向上を図ること
ができる。
【0071】
【発明の実施の形態2】以下、本発明の実施の形態2を
図5に基づいて説明する。本実施形態は、コントローラ
(70)の変形例である。従って、ここでは、コントローラ
(70)の構成及びその制御動作についてのみ説明する。
【0072】図5に示すように、本形態のコントローラ
(70)は、上述した実施形態1の開始信号手段(71)及び漏
洩処理手段(72)に加えて、流量検知手段(73)及び時間算
出手段(74)を備えている。
【0073】流量検知手段(73)は、主回路(21)での単位
時間当たりの冷媒流量を検知して流量信号を発する。具
体的には、駆動回路(50)の駆動圧縮機(51)の運転周波数
により主回路(21)での冷媒流量を推測する。つまり、駆
動圧縮機(51)の運転周波数が高いほど加熱熱交換器(HEX
3)及び冷却熱交換器(HEX4)での熱交換量が大きく、メイ
ンタンク(T1,T2)での液冷媒の押し出し力及び吸引量が
共に大きくなって主回路(21)での単位時間当たりの冷媒
流量が多くなる。このため、駆動圧縮機(51)の運転周波
数を認識することで主回路(21)での冷媒循環量が推測で
きる。
【0074】また、この流量検知手段(73)としては、主
回路(21)での実際の単位時間当たりの冷媒流量を検知可
能な流量センサを使用することもできる。
【0075】時間算出手段(74)は、開始信号手段(71)の
開始信号及び流量検知手段(73)の流量信号が受信可能で
あり、単位時間当たりの冷媒流量に基づいて、主回路(2
1)や各タンク(T1,T2)から冷媒が漏洩していないときの
第1メインタンク(T1)からの押し出し動作開始から該メ
インタンク(T1)内が空になるまでの時間を算出し、その
時間信号を発する。つまり、第1メインタンク(T1)内に
規定量の液冷媒が存在している状態から液冷媒の押し出
し動作が開始された際、上記単位時間当たりの冷媒流量
で第1メインタンク(T1)から液冷媒が押し出されると、
この第1メインタンク(T1)が空になるまでの所要時間を
算出している。
【0076】また、本形態の漏洩処理手段(72)は、開始
信号手段(71)の開始信号、空検知手段(60)の空信号及び
時間算出手段(74)の時間信号が受信可能である。開始信
号を受信してから空信号を受信するまでの押し出し時間
(実際に押し出し動作が行われた実所要時間)と、算出
信号の算出所要時間とを比較し、実所要時間が算出所要
時間よりも短いとき、冷媒が漏洩していると判定する。
つまり、2次側回路(20)に冷媒漏洩が発生しておらず、
該2次側回路(20)に十分な冷媒が存在している状態で
は、第1メインタンク(T1)からの冷媒押し出し動作を開
始した後、この第1メインタンク(T1)内が空になるまで
に、上記算出所要時間に略等しい時間が必要である。2
次側回路(20)に冷媒漏洩が発生している場合には、冷媒
押し出し動作を開始する時点で第1メインタンク(T1)内
の貯留液冷媒は不足している。従って、第1メインタン
ク(T1)内が空になるまでの所要時間は上記算出所要時間
よりも短くなる。このため、第1メインタンク(T1)内が
空になるまでに本来必要である所要時間よりも短い時間
で第1メインタンク(T1)内が空になり、温度センサ(60)
の検出温度が飽和温度を超える。これにより、2次側回
路(20)の冷媒量が不足している、つまり冷媒漏洩が発生
していることが判定できる。
【0077】従って、本形態においても、冷媒漏洩量が
比較的少ない状況であっても冷媒漏洩を検知することが
可能である。つまり、冷媒の漏洩発生から漏洩検知まで
の時間を短くすることができる。その結果、装置の信頼
性の向上を図ることができる。
【0078】
【その他の実施形態】上述した各実施形態では、押し出
し用液配管(37)の一方の分岐管(37a)に温度センサ(60)
を設けて、メインタンク(T1)内の空検知を行っている。
本発明はこれに限らない。例えば、図6のように、メイ
ンタンク(T1)の底部に温度センサ(60)を設け、この温度
センサ(60)の検出温度が急上昇した際に空検知信号を発
するようにしてもよい。
【0079】また、メインタンク(T1)内の空検知を行う
手段としては、温度の検出に限るものではない。例え
ば、図7に示すように、赤外線を利用した液面センサ(6
1)をタンク(T1)内に設けてもよい。この液面センサ(61)
は、タンク(T1)内の液冷媒の液面を検知し、この液面が
所定液位よりも低下した際に空検知信号を発する。その
他、図8に示すように、フロート(61a)を備えたフロー
トスイッチ(61)によって液面を検知する構成としてもよ
い。
【0080】更に、上述した各実施形態では、第1メイ
ンタンク(T1)のみに空検知手段(60,61)を設け、この第
1メインタンク(T1)からの液冷媒押し出し動作によって
冷媒漏洩を検知するようにしている。本発明は、これに
限らない。つまり、第2メインタンク(T2)のみに空検知
手段を設けて上記と同様に冷媒漏洩を検知してもよい。
また、両メインタンク(T1,T2)に空検知手段を設けて、
各メインタンク(T1,T2)それぞれの液冷媒押し出し動作
において冷媒漏洩を検知するようにしてもよい。
【0081】上述した各実施形態では、本発明に係る冷
凍装置を空気調和装置に適用した場合について説明した
が、本発明は、これに限らず、その他の冷凍装置に適用
することも可能である。
【0082】また、各実施形態では、搬送回路(30)に一
対のメインタンク(T1,T2)を備えさせ、それぞれのタン
ク(T1,T2)に対する液冷媒の押し出し動作と回収動作と
を交互に切り換えるようにしていた。本発明は、これに
限らず、搬送回路(30)に1個のメインタンクを備えさ
せ、このタンクに対して押し出し動作と回収動作とを交
互に切り換えるようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明では、液冷媒を貯
留したタンク(T1,T2)内に高圧及び低圧を作用させ、こ
れら圧力によってタンク(T1,T2)からの液冷媒の押し出
しと、タンク(T1,T2)への液冷媒の回収とを行って冷媒
による熱搬送を行う冷凍装置に対し、タンク(T1,T2)か
らの液冷媒の押し出しに要する時間が所定時間よりも短
い場合には、冷媒流路(21)またはタンク(T1,T2)から冷
媒が漏洩していると判定する。この種の装置において、
冷媒圧力を認識することで冷媒漏洩を検知しようとした
場合、比較的大量の冷媒が漏洩しなければ漏洩を検知で
きなかった。本発明では、押し出し動作を開始する時点
でのタンク(T1,T2)内の貯留冷媒量に基づいて冷媒漏洩
を検知しているので、冷媒漏洩量が比較的少ない状況で
あっても冷媒漏洩を検知することが可能である。従っ
て、冷媒の漏洩発生から漏洩検知までの時間を短くする
ことができる。つまり、冷媒漏洩により冷凍能力を十分
に発揮できないまま運転が継続されてしまうといった状
況を回避できる。このように、本発明によれば、冷媒の
漏洩検知を迅速且つ正確に行うことができて、装置の信
頼性の向上を図ることができる。
【0084】また、他の発明では、冷媒流路(21)での単
位時間当たりの冷媒流量を検知しておき、これに基づい
て、冷媒が漏洩していないときの押し出し動作に要する
時間と、実際の押し出し動作に要した実所要時間とを比
較して、この実所要時間の方が短い場合に冷媒漏洩を検
知している。これによれば、タンク(T1,T2)からの押し
出し冷媒量に応じて、より正確に冷媒漏洩を認識するこ
とができる。
【0085】また、タンク(T1,T2)の底部に設けた温度
センサ(60)やタンク(T1,T2)内の液冷媒の液面を検出す
る液面センサ(61)によって空検知を行うようにした場合
には、タンク(T1,T2)内が空になると同時、または、そ
の直前に空検知手段(60)によりタンク(T1,T2)内が空に
なることを検知できる。従って、冷媒漏洩の有無をより
いっそう迅速に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図2】実施形態1の冷房運転動作及び冷蓄熱運転動作
を示す図である。
【図3】実施形態1の利用冷房運転動作を示す図であ
る。
【図4】実施形態1の暖房運転動作を示す図である。
【図5】実施形態2に係る空気調和装置の冷媒配管系統
図である。
【図6】タンクの空検知を行うための温度センサの配設
位置の変形例を示す図である。
【図7】タンクの空検知を行うために液面センサを設け
た場合のタンク内部を示す図である。
【図8】タンクの空検知を行うためにフロートスイッチ
を設けた場合のタンク内部を示す図である。
【符号の説明】
(21) 主回路(冷媒流路) (37a) 押し出し用液配管の分岐管(押し出し配
管) (60) 温度センサ(空検知手段) (61) 液面センサ(空検知手段) (71) 開始信号手段 (72) 漏洩処理手段 (73) 流量検知手段 (74) 時間算出手段 (HEX1) 室内熱交換器(利用側熱交換器) (HEX2) 主熱交換器(熱源側熱交換器) (HEX3) 加熱熱交換器(圧力発生手段) (HEX4) 冷却熱交換器(圧力発生手段) (T1,T2) メインタンク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利用側熱交換器(HEX1)及び熱源側熱交換
    器(HEX2)を有する冷媒流路(21)と、液冷媒の貯留が可能
    なタンク(T1,T2)と、高圧及び低圧を発生する圧力発生
    手段(HEX3,HEX4)とを備え、 上記圧力発生手段(HEX3)で発生した高圧をタンク(T1,T
    2)内に作用させて、該タンク(T1,T2)内の液冷媒を利用
    側熱交換器(HEX1)及び熱源側熱交換器(HEX2)のうちの一
    方の熱交換器(HEX1,HEX2)に向かって押し出す押し出し
    動作と、圧力発生手段(HEX4)で発生した低圧をタンク(T
    1,T2)内に作用させて、上記一方の熱交換器(HEX1,HEX2)
    から他方の熱交換器(HEX2,HEX1)に流れた冷媒をタンク
    (T1,T2)内に回収する回収動作とを行い、熱交換器(HEX
    1,HEX2)間で熱搬送する冷凍装置において、 上記押し出し動作の開始時に開始信号を発する開始信号
    手段(71)と、 上記押し出し動作において、タンク(T1,T2)内が略空に
    なった時に空信号を発する空検知手段(60),(61)と、 上記開始信号手段(71)の開始信号及び空検知手段(60),
    (61)の空信号を受信可能であり、開始信号を受信した
    後、所定時間以内に空信号を受信したとき、冷媒流路(2
    1)またはタンク(T1,T2)から冷媒が漏洩していると判定
    して所定の漏洩処理動作を行う漏洩処理手段(72)とを備
    えていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 利用側熱交換器(HEX1)及び熱源側熱交換
    器(HEX2)を有する冷媒流路(21)と、液冷媒の貯留が可能
    なタンク(T1,T2)と、高圧及び低圧を発生する圧力発生
    手段(HEX3,HEX4)とを備え、 上記圧力発生手段(HEX3)で発生した高圧をタンク(T1,T
    2)内に作用させて、該タンク(T1,T2)内の液冷媒を利用
    側熱交換器(HEX1)及び熱源側熱交換器(HEX2)のうちの一
    方の熱交換器(HEX1,HEX2)に向かって押し出す押し出し
    動作と、圧力発生手段(HEX4)で発生した低圧をタンク(T
    1,T2)内に作用させて、上記一方の熱交換器(HEX1,HEX2)
    から他方の熱交換器(HEX2,HEX1)に流れた冷媒をタンク
    (T1,T2)内に回収する回収動作とを行い、熱交換器(HEX
    1,HEX2)間で熱搬送する冷凍装置において、 上記押し出し動作の開始時に開始信号を発する開始信号
    手段(71)と、 上記押し出し動作において、タンク(T1,T2)内が略空に
    なった時に空信号を発する空検知手段(60),(61)と、 上記冷媒流路(21)での単位時間当たりの冷媒流量の信号
    を発する流量検知手段(73)と、 上記開始信号手段(71)の開始信号及び流量検知手段(73)
    の信号を受信可能であり、冷媒流路(21)及びタンク(T1,
    T2)から冷媒が漏洩していないときの押し出し動作開始
    からタンク(T1,T2)内が略空になるまでの時間を算出し
    て、時間信号を発する時間算出手段(74)と、 上記開始信号手段(71)の開始信号、空検知手段(60),(6
    1)の空信号及び時間算出手段(74)の時間信号を受信可能
    であり、開始信号を受信してから空信号を受信するまで
    の実所要時間と上記算出した時間とを比較し、実所要時
    間が算出した時間よりも短いとき、冷媒流路(21)または
    タンク(T1,T2)から冷媒が漏洩していると判定して所定
    の漏洩処理動作を行う漏洩処理手段(72)とを備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の冷凍装置におい
    て、 圧力発生手段(HEX3)は液冷媒の加熱蒸発により高圧を発
    生させる一方、 空検知手段(60)は、タンク(T1,T2)に接続した押し出し
    配管(37a)の内部温度を検出する温度センサ(60)であっ
    て、検出温度が所定温度を超えたときに空信号を発する
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の冷凍装置におい
    て、 圧力発生手段(HEX3)は液冷媒の加熱蒸発により高圧を発
    生させる一方、 空検知手段(60)は、タンク(T1,T2)内の底部の温度を検
    出する温度センサ(60)であって、検出温度が所定温度を
    超えたときに空信号を発することを特徴とする冷凍装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の冷凍装置におい
    て、 空検知手段(61)は、タンク(T1,T2)内の液冷媒の液面を
    検出する液面センサ(61)であって、液冷媒の液面が所定
    液位以下に降下したときに空信号を発することを特徴と
    する冷凍装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110594952A (zh) * 2019-08-08 2019-12-20 安徽美博智能科技有限公司 一种空调冷媒补充检测提醒系统、方法及存储介质
CN111023437A (zh) * 2019-12-26 2020-04-17 海信(广东)空调有限公司 一种空调器的冷媒泄露检测方法及空调器

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