JP2000034402A - 熱可塑性エラストマー複合材及びシール材料 - Google Patents

熱可塑性エラストマー複合材及びシール材料

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JP2000034402A
JP2000034402A JP10202023A JP20202398A JP2000034402A JP 2000034402 A JP2000034402 A JP 2000034402A JP 10202023 A JP10202023 A JP 10202023A JP 20202398 A JP20202398 A JP 20202398A JP 2000034402 A JP2000034402 A JP 2000034402A
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composite material
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thermoplastic elastomer
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Hitoshi Yamada
山田  均
Kazuki Morimoto
和樹 森本
Kazuo Nishimoto
一夫 西本
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Nichias Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形が容易で、強度、特に高面圧下での強度
及び復元性に優れる複合材を提供する。 【解決手段】 ポリアミド系熱可塑性エラストマー10
0重量部と、平均繊維長0.1〜20mmの有機繊維5
〜100重量部とを含むことを特徴とする複合材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド系熱可
塑性エラストマーと有機繊維とを含む複合材、及び前記
複合材からなるシール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムと繊維からなる複合材は、高い剛性
とゴム弾性を併せ持ち、ベルト、ホース、ダイアフラ
ム、制振ゴム、シール材等として用いられている。しか
し、これら複合材においては強度と成形加工性の両立が
難しく、成形性の良い低繊維充填量品では強度が、特に
高い圧縮荷重に対する強度が不十分である。高強度の繊
維強化ゴム複合材においては、まずシート状物を成形
し、そこからの打ち抜きによって種々の成形品を作成す
るのが一般的であり、製造工程が複雑な上に、打ち抜き
によって材料の約半分が無駄になるという問題点を抱え
ている。
【0003】そこで、ゴム弾性と柔軟性を有する材料
で、かつ溶融成形が可能なものとして熱可塑性エラスト
マー(TPE)が知られており、TPEへの繊維充填に
関する研究がいくつか行われている。例えば、Kunststo
ffe German Plastics,80(10),p79,1990(Leverkusen)に
は、ショアD硬さ60のウレタン系TPE(TPU)に
ガラス繊維を15〜25wt%充填する技術が記載され
ている。TPUとガラス繊維とからなる複合材は、例え
ばGoodrich社よりエスタロックの商標で市販されてい
る。また、Kuttyらは、エーテル系TPU100重量部
に繊維長(平均繊維長;以下、同様)6mmのポリエス
テル繊維10〜40重量部または繊維長3mm以下のア
ラミド繊維5〜50重量部充填した複合材について検討
している。(J.Appl. Poly.Sci.,42,p1835,1991;43,p191
3,1991、Intern.J.Polymeric Mater.,19,p63,1993、Pla
st.RubberComp.Proc.Appl.,15,p23,1991;19,p105,1993) 芦田らは、スチレン系またはポリエステル系のTPEに
繊維長0.5〜6mmのポリエステル繊維または炭素繊
維を5〜20vol%充填した複合材について検討して
いる。(J.Appl.Poly.Sci.,49,p573,1993;49,p1081,199
3;50,p1435,1993)
【0004】さらに、Ibarraらは、スチレン系TPEに
繊維長7mmの炭素繊維10vol%を充填した複合材
について(Kaut.Gummi Kunst.,48,p180,1995;J.Appl.Pol
y.Sci.,57,p831,1995);長谷らは、水素添加スチレン−
イソプレンブロック共重合体に繊維長3〜10mmのポ
リエステル繊維を5〜15vol%充填した複合材につ
いて(日本ゴム協会誌,66,p741,1993);山口らは水素添
加スチレン−イソプレンブロック共重合体に繊維長3〜
10mmのポリエステル繊維5〜15vol%を配合し
た複合材について、それぞれ検討している。また、本田
技研工業(株)は塩素化ポリエチレンに(繊維長4mm
の)ポリアミド繊維を(1〜10wt%)充填した複合
材について(特開昭61-291627号公報参照);松尾は
(ポリエステル)連続繊維(58vol%)が(ポリエ
ステル系)TPEマトリックス中で一軸方向に配列した
複合材(特開平6-170845号公報参照)について検討して
いる。 DRAFTEX INDUSTRIES LIMITEDは、熱可塑性エラ
ストマーに強化繊維等を充填した材料を出願している
(特開平7-278346号公報参照)。この特許は熱可塑性エ
ラストマー等の種類について具体的に記していないが、
ショアD硬さが40〜55のTPEに繊維長5mm以下
のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維またはセルロー
ス繊維を0.5〜10wt%含有する複合材である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記報
文に従いスチレン系TPEに繊維を充填しても、高い面
圧が掛かった場合に材料が破壊する、あるいは復元性が
低いという欠点がある。この欠点を埋めるべく繊維充填
量を増すと、TPEの利点である成形容易性が失われ
る。また、ポリエステル系TPEは元来硬質なため、繊
維との複合材はかなり硬質なものとなる(他のTPEで
も、硬さの高いものを使用すると、同じ問題が生じ
る)。さらに、TPEとして塩素化ポリエチレン、塩化
ビニル系TPE、オレフィン系TPE等を用いると、繊
維との複合材は概して成形が困難となる。TPEとして
ウレタン系TPE(TPU)を使用すると、成形加工性
はかなり良好なものとなる。しかし、TPUや強化繊維
の種類によっては、複合材が多量の充填材を配合する場
合の強度及び復元性が、尚も不十分である。また、TP
Uをベースとする複合材は、しばしば耐熱性に劣るもの
となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シール材
として適用可能で、かつ成形加工性の良いTPE系複合
材について検討した結果、ポリアミド系TPEに特定の
有機繊維を特定量充填することによって、成形加工性と
強度に優れる複合材が得られることを見出した。すなわ
ち本発明は、ポリアミド系熱可塑性エラストマー100
重量部と、平均繊維長0.1〜20mmの有機繊維5〜
100重量部とを含む複合材である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の第一要件は、TPEとしてポリアミド系
TPEを使用することである。後記する実施例でも示す
ように、他のTPEを用いると、しばしば成形が困難ま
たは圧縮に対する耐性が低くなる。一方、本発明に従い
ポリアミド系TPEを特定の繊維と組み合わせると、高
面圧下での強度及び復元性に優れ、成形が容易で寸法安
定性が良く、しかもシール材として用いた場合に流体漏
れの殆ど無い複合材料を得ることができる。特に、無機
充填材等を多量配合する複合材においては、ポリアミド
系TPEは強度や柔軟性等の物性で、他のTPEに対す
る優位性が顕著である。
【0008】ポリアミド系TPE(TPAE)自体は公
知である。TPAEは通常、結晶性のポリアミド成分を
ハードセグメントとし、非晶性のポリエーテルまたはポ
リエステル成分をソフトセグメントとするブロックコポ
リマーである。ソフトセグメントやハードセグメントの
タイプ、式量、両者の比率によって吸水性や耐薬品性、
融点等の物性が変化することが分かっており、ポリアミ
ド-ポリエーテルブロックコポリマー、ポリアミド-ポリ
エーテルエステルブロックコポリマー、ポリアミド-脂
肪族ポリエステルブロックコポリマー等、各種分子構造
のものが提供されている。ポリアミド成分としても、ナ
イロン6ベースのもの、ナイロン12ベースのもの、芳香
族アミドベースのもの等がある。例として、ダイセル・
ヒュルス(株)のダイアミドPAE、宇部興産(株)の
UBE-PAE、エムス(EMS)・ジャパン(株)のグリロ
ンELX、グリルアミドELY、三菱化学(株)のノバ
ミッドPAE、東レ(株)のペバックス、大日本インキ
化学(株)のグリラックスA、積水化学(株)のS-T
PAE、東ソー(株)のTPEA等、種々の製品が製造
されている。本発明においては、どのようなタイプのT
PAEをも使用することができ、その分子構造、分子
量、軟化温度、溶融粘度等に特に制限はない。分子内に
架橋構造を有していても良い。複数のTPAEを併用す
ることもできる。
【0009】しかしながら、本発明で使用するTPAE
は、ショアA硬さが70以上、特に80以上のものが好
ましい。特に好ましくは、ショアA硬さ80〜90のT
PAEを使用する。ショアD硬さは60以下、特に50
以下であることが好ましい。低硬度のTPAEを使用す
ると、複合材の品質が一定しない場合がある。逆に、T
PAEが硬すぎると、得られる複合材は柔軟性に欠ける
ものとなる。上記とは別に、繊維及び充填材を多量配合
しながらも高強度の複合材が要求される場合には、ポリ
アミド-脂肪族ポリエステルブロックコポリマーを使用
することが好ましい。また、高温での強度が重要な場合
には芳香族アミドベースのTPAEを、低温物性や柔軟
性が必要とされる場合にはポリアミド-ポリエーテルブ
ロックコポリマーまたはポリアミド-ポリエーテルエス
テルブロックコポリマーを使用するのが好ましい。特
に、耐水性が要求される用途には、ポリアミド-ポリエ
ーテルブロックコポリマーの使用が好ましい。
【0010】本発明の第二の要件は、強化繊維の種類に
ある。本発明の複合材に使用する強化繊維原料は、繊維
長が0.1〜20mmの範囲内の有機繊維である。強化
繊維としてガラス繊維等の無機繊維を使用すると、高面
圧に対する複合材の耐性が不十分なものとなる。また、
繊維長が20mmを越えると本発明の目的の一つである
成形容易性が達成し難く、0.1mm未満では十分な補
強効果を得るのが困難となる。有機繊維の形状(例えば
繊維長、太さ、アスペクト比、断面形状等)について
は、上記以外に特に制限はないが、繊維長が約1〜10
mm、特に約2〜8mm、太さが約0.5〜5d(デニ
ール)、特に1〜2.5dであることが好ましい。ま
た、繊維がフィブリル化されていると、より高い補強効
果を得ることができる。
【0011】本発明で強化繊維として使用する有機繊維
は、主鎖が主として炭素原子からなる繊維であればどの
ようなものであっても良い。例として、綿、羊毛、絹、
麻、ナイロン繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリ
エステル繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、フェノ
ール−ホルムアルデヒド繊維、ポリフェニレンサルファ
イド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩
化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、テトラフルオロ
エチレン繊維等が挙げられるが、これらに限定されな
い。また、複数の有機繊維を併用することも可能であ
る。しかしながら、引張強さの高い複合材を目的とする
ならば、有機繊維としてアラミド繊維、ポリエステル繊
維、特に好ましくはフィブリル化アラミド繊維を用いる
ことが好ましい。また、破断伸びの向上を目的とするな
らばポリエステル繊維、ビニロン繊維、フェノール−ホ
ルムアルデヒド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維
などを選択するのが望ましい。
【0012】有機繊維の充填量は、TPAE100重量
部に対して5〜100重量部、好ましくは約10〜10
0重量部である。繊維充填量が少ないと、十分な補強効
果が発現し難く、充填量が多すぎると成形性、シール性
が低下する。尚、フィブリル化繊維は少量で大きな補強
効果を示すが、成形性を低下させる場合がある。それ
故、繊維としてフィブリル化繊維を使用する場合は、充
填量を少なめにした方が良い。
【0013】本発明の熱可塑性エラストマー複合材は、
種々の慣用の方法によって製造することができる。一般
的には、TPAEを加熱溶融させて混練し、有機繊維及
びカーボンブラック等の後述される任意的成分を添加す
る。典型的には、ニーダー、バンバリーミキサー、加熱
ロール等でTPAEを溶融し、そこに有機繊維及びカー
ボンブラック等の任意的成分を混練下添加する。TPE
に混練前または混練時に、予備乾燥、化学変性等の処理
を施しても良い。また、混練前の有機繊維を、レゾルシ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチル
メラミン、ホルムアルデヒド、またはこれらの縮合物、
イソシアネート、ゴムラテックス、カップリング剤、サ
イジング剤、熱水等で前処理しても良い。
【0014】他に、任意的成分としてカーボンブラック
以外の充填剤、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、粘土鉱物等のフィラー、岩綿、ガラス繊維、
セラミック繊維、炭素繊維等の無機繊維、顔料、分散
剤、老化防止剤、カップリング剤、相溶化剤、難燃剤、
表面平滑剤、可塑剤、プラスチック粉末、再生ゴム粉
末、加工助剤等を添加することもできる。本発明に従い
TPAEを原料として使用する複合材は、他のTPEを
ベースとする複合材と異なり、無機繊維及び充填材を多
量に配合しても、さしたる物性低下を来さない。本発明
はまた、無機繊維5〜100重量部及び/または無機充
填材5〜300重量部を、さらに含有する複合材をも包
含する。本発明の複合材は、特に好ましくは、平均粒径
70nm以上のカーボンブラック5〜100重量部及び
/または平均粒径0.5〜4.0μmの炭酸カルシウム
20〜300重量部を含有する。
【0015】本発明の複合材は、成形が容易で、かつ引
張特性に優れる。また、大きな圧縮荷重に対する耐性及
び復元性に優れている。しかも複合材内部に空隙が生じ
難く、それ故流体が漏洩し難い利点を有する。従って、
高い圧力の掛かる部位でのシール材(例えばジョイント
シート)、ホースのような用途に適している。また、通
常の繊維強化ゴムと異なり、硫黄化合物等の架橋剤を必
要としないので、食品、医療、半導体等の用途、あるい
は電線被覆材等、金属と接触する箇所の用途に適してい
る。本発明の複合材は、射出成形、押出成形、トランス
ファー成形、ブロー成形、プレス成形等、熱可塑性樹脂
の成形に用いられる汎用の種々の成形法によって各種の
形状へと成形することができる。当業者であれば、用途
及び形状に応じ、好ましい成形法及び成形条件を選定す
ることが可能であろう。射出や押し出しといった溶融成
形が可能という長所を持つため、複雑でモールド成形し
難い形状の物品、熱の通り難い厚物等の材料として特に
有用である。また、成形品のリサイクルや、バリ部分等
の再利用も可能である。所望により、放射線、紫外線、
電子線等で成形後に架橋することもできる。本発明はま
た、これら複合材からなるシール材料や成形品をも包含
する。
【0016】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0017】
【実施例】[実施例1〜8、比較例1〜3]表1に示す
ように、各種TPE100重量部に、ケブラーパルプ
(平均繊維長6mm、1.5デニールのフィブリル化繊
維)を充填したサンプルを調製した。サンプルの調製
は、東洋精機(株)のラボプラストミル(混合量60m
l)を用い、TPEの溶融温度以上の温度に加熱しなが
ら、回転数80rpmでの混練下配合材料を添加し、2
0分間混練することにより行った。各成分は合計体積が
50ml程度となるような量にて使用した。表1中の略
号等で示した原材料の性状は、以下の通りである。 TPAE1:ポリアミド−ポリエーテルエステル型TP
AE、硬さ75A、25D、Tg−72℃ TPAE2:ポリアミド−ポリエーテルエステル型TP
AE、硬さ80A、35D、Tg−64℃ TPAE3:ナイロン12−ポリエーテル型TPAE、
硬さ97A、47D、Tg−52℃ TPAE4:芳香族ポリアミド−ポリエーテルエステル
型TPAE、硬さ88A、Tg−79℃ TPAE5:ポリアミド−脂肪族ポリエステル型TPA
E、硬さ80A、36D、Tg−38℃ TPAE6:ポリアミド−脂肪族ポリエステル型TPA
E、硬さ91A、40D、Tg−7℃ TPU1:エーテル系TPU、硬さ85A、37D、T
g−65℃ TPU2:エーテル系TPU、硬さ86A、38D、T
g−58℃ SIS:スチレン-イソプレン系TPE、硬さ35A、
15D、Tg−56℃ TPO:動的架橋型オレフィン系TPE、硬さ92A、
Tg−54℃ 尚、上記各TPEの硬さは、JIS K6253(加硫
ゴムの硬さ試験方法)に従い測定した。Tgは、動的粘
弾性(10Hz)の貯蔵弾性率のピーク温度に基づく。
次に、得られた混合物を、射出成形機を用い、180〜
250℃のシリンダー温度で、JIS 6号ダンベル
(成形の際の溶融サンプルの流れ方向は、ダンベルの縦
方向に一致させた)及び直径25mm、厚さ1.5mm
の円盤の形状に射出成形した。
【0018】・物性試験 上記のようにして成形したサンプルを用い、硬さの測
定、引張試験、圧縮復元試験、及び柔軟性試験を、以下
の方法により行った。 硬さの測定:ショアーD硬さを、JIS K6253
(加硫ゴムの硬さ試験方法) に従い測定した。 引張試験:JIS K6251(加硫ゴムの引張強さ
試験方法)及びJISR3453(石綿ジョイントシー
ト)に従い、25℃,300mm/minにて行った。 圧縮復元試験:JIS R3453に従い、25℃で
行った。 柔軟性試験:JIS R3453に従い、25℃で行
った。柔軟性F値が小さいほど、柔軟であることを示
す。 各サンプルの配合、物性試験結果を表1に示す。表中、
比と付いた数字は比較例の番号を示す。また、配合の欄
の数値の単位はphr(TPE100重量部に対する重
量部)である。
【0019】
【表1】
【0020】実施例1〜6と比較例1〜3の復元率を比
較すると、本発明に従いポリアミド系TPEと特定の有
機繊維とに基づく複合材は、高面圧下での強度及び復元
性に優れることが明らかである。特に、スチレン系、オ
レフィン系のTPEに基づく複合材(比較例2、3)
は、圧縮復元試験時にサンプルが破壊した。それらと比
較すると、本発明に基づく複合材は復元性、引張強さ
共、格段に大きくなっていることが判る。特に、ショア
A硬さ90以下のTPAEを用いた場合には、柔軟性F
値が10未満の複合材が得られた(実施例1、2、4、
5)。また、繊維充填量を変化させても、良好な物性の
複合材が得られた(実施例7、8)。
【0021】[比較例4]TPEとしてスチレン-ブタ
ジエン系TPE(硬さ80A、Tg−82℃)を用いた
以外は、実施例1〜8、比較例1〜3と同じ操作を行
い、混練物を得た。混練物の射出成形を試みたが、条件
を種々に変化させても、射出成形は不可能であった。
【0022】[比較例5]TPEとして塩化ビニル系T
PE(硬さ70A、Tg−43℃)を用いた以外は、実
施例1〜8、比較例1〜3と同じ操作を行い、混練物を
得た。混練物の射出成形を試みたが、条件を種々に変化
させても、射出成形は不可能であった。比較例4、5よ
り、本発明の複合材の成形容易性が示される。
【0023】[実施例9〜18、比較例6]配合を表2
に示す通りにした以外は、実施例1〜8、比較例1〜3
と同じ操作を行った。ここで、各繊維の性状は、以下の
通りである。 ポリエステル繊維:平均繊維長5.0mm、太さ1.4
d ビニロン繊維:平均繊維長2.0mm、太さ1.8d、
フィブリル化 フェノール-ホルムアルデヒド繊維-1:平均繊維長3.
0mm、太さ2.0d フェノール-ホルムアルデヒド繊維-3:平均繊維長1
0.0mm、太さ2.0d ポリフェニレンサルファイド繊維:平均繊維長2.5m
m、太さ2.0d アクリル繊維:平均繊維長3.0mm、太さ2d 耐炎繊維:平均繊維長6.0mm、太さ1.9d ガラス繊維:平均繊維長3.0mm、太さ2d 物性試験結果を、表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】本発明に従う複合材は、ガラス繊維を強化
繊維とする複合材(比較例6)に比べ、高面圧下での復
元性に優れることが明らかである。また、本発明の複合
材は、繊維含有率が高くとも良好な射出成形性を有する
ことが示された。
【0026】[比較例7]強化繊維として、平均繊維長
50mm、太さ2.0dのフェノール-ホルムアルデヒ
ド繊維を用いた以外は、実施例9〜18と同じ操作を行
い、混練物を調製した。混練物の射出成形を試みたが、
条件を種々に変化させても、射出成形は不可能であっ
た。
【0027】[実施例19〜24、比較例8〜12]配
合を表3の通りとした以外は、上記実施例と同じ操作を
行い、サンプルを調製した。ここで使用した各粒子の平
均粒径は以下の通りである。 シリカ:16nm、炭酸カルシウム:1.0μm、硫酸
バリウム:1.0μm、カーボンブラック:66nm、
カオリン:2μm 物性試験結果を、表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】本発明に従いポリアミド系TPEに基づく
複合材は、各種充填材の共存下においても、高面圧下で
の復元性に優れることが明らかである。特に、充填材を
多量に配合した場合、その効果が顕著である。
【0030】
【発明の効果】上記のように、本発明によって、成形が
容易で、強度、特に高面圧下での強度及び復元性に優れ
る複合材が提供された。本発明の複合材はまた、繊維や
充填材を多量配合した場合にも良好な柔軟性及び高い強
度を発現する利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D01F 6/00 D01F 6/00 A (72)発明者 西本 一夫 静岡県浜松市新都田2丁目22番3号 ニチ アス(株)都田寮内 Fターム(参考) 4F070 AA26 AA32 AA44 AA47 AA54 AA58 AC04 AC16 AC20 AC23 AC27 AD02 AE01 FA03 FB06 FC03 4F072 AA06 AB04 AB05 AB06 AB07 AB13 AD37 AD44 AE06 AL03 AL12 4J002 AB01X AD00X BD04X BD10X BD15X BE06X BG00X CC04X CF06X CK02X CL01X CL03X CL06X CL08W CN01X DA016 DE236 DG046 DJ016 DJ036 DL006 FA04X FA046 GJ02 4L035 DD19 DD20 FF01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系熱可塑性エラストマー10
    0重量部と、平均繊維長0.1〜20mmの有機繊維5
    〜100重量部とを含むことを特徴とする複合材。
  2. 【請求項2】 ポリアミド系熱可塑性エラストマーが、
    ポリアミド-脂肪族ポリエステルブロックコポリマーで
    あることを特徴とする、請求項1記載の複合材。
  3. 【請求項3】 有機繊維が、アラミド繊維、ビニロン繊
    維、ポリエステル繊維、フェノール−ホルムアルデヒド
    繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維から選択される
    一以上の繊維であることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の複合材。
  4. 【請求項4】 有機繊維がフィブリル化繊維であること
    を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複
    合材。
  5. 【請求項5】 無機繊維5〜100重量部及び/または
    無機充填材5〜300重量部を、さらに含有することを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合
    材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複
    合材からなることを特徴とするシール材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007310488A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Dainippon Printing Co Ltd 非接触データキャリア装置
JP2009137195A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Bridgestone Corp ホース内管用積層樹脂管状体及び冷媒輸送用ホース
JP2010248314A (ja) * 2009-04-13 2010-11-04 Unitika Ltd 脂肪族ポリエステル樹脂組成物およびそれらを成形してなる成形体
KR101276430B1 (ko) 2009-12-29 2013-06-19 주식회사 삼양사 열가소성 수지 조성물

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