JP2000034362A - ナイロン6製品類のリサイクル方法 - Google Patents
ナイロン6製品類のリサイクル方法Info
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract
ら、非溶融物質を効率的に分離・除去することにより、
ε−カプロラクタムを効率よく回収でき、かつ、非溶融
物質であるガラス繊維なども再利用可能に分離・回収で
きるリサイクル方法を提供する。 【解決手段】 ガラス繊維のような非溶融物質を含有す
るナイロン6製品類を、ε−カプロラクタムを実質的に
留出させることなく還流させながら解重合した後、解重
合反応液にε−カプロラクタムを添加して低粘度化し
て、非溶融物質を濾過などにより分離・回収する。さら
に解重合してε−カプロラクタムを回収する。
Description
非溶融物質を含有するナイロン6製品類のケミカルリサ
イクル方法に関し、さらに詳しくは、非溶融物質を分離
・回収しつつε−カプロラクタムを効率的に回収するリ
サイクル方法に関するものである。
用途のほか、各種樹脂成形品としても幅広く使用されて
いる。そして、これらのポリアミド製品類は、一定の使
用期間を経て製品寿命に達すると廃棄処分にされてい
た。しかしながら、近年の地球環境汚染問題や資源枯渇
の問題が叫ばれるようになって以来、使用済みポリアミ
ド製品類を単に廃棄することが、これらの問題を大きく
することに鑑み、有効に再利用するリサイクル方法が重
要な技術課題になってきている。
リε−カプロラクタム(以下、ナイロン6と略称する)
については、これを解重合、蒸留することによりε−カ
プロラクタムを回収するケミカルリサイクル方法が採用
されている。しかし、この方法の実施において対象にな
るポリアミド材料は、次の理由から主として重合段階や
後加工段階で副生するポリアミドオリゴマーや、ポリマ
屑、糸屑等に限定されていた。
に、ナイロン6樹脂成形品には、ガラス繊維、無機フィ
ラーなどの非溶融物質を含有されているため、このよう
なポリアミド製品類を直接に解重合してε−カプロラク
タムを回収していくと、反応系内に非溶融物質が堆積し
ていきε−カプロラクタムの効率的な回収が困難となっ
てくること、また、系内に堆積した非溶融物質(ガラス
繊維等)を再利用可能な形で取出すことができないこと
などの問題があったためである。
ロン6製品類からナイロン6またはε−カプロラクタム
を回収する方法として、酸溶媒等によりナイロン6成分
を溶解する方法、或いはさらにナイロン6を解重合する
方法が提案されている(特開昭52−26555号公
報、米国特許第5241066号明細書等)。しかし、
これら方法でも、非溶融物質の効率的な分離方法までは
開示されてなく、開示されたそのままの方法では、非溶
融物質を含有するナイロン6製品類の工業的規模リサイ
クルに採用できないものであった。
融物質を含有するナイロン6製品類から、非溶融物質を
効率的に分離・除去することにより、ε−カプロラクタ
ムを効率よく回収でき、かつ、非溶融物質であるガラス
繊維なども再利用可能に分離・回収できるリサイクル方
法を提供することにある。
明のリサイクル方法は、解重合槽内で発生するε−カプ
ロラクタムを反応系外に放出させないで解重合すること
により解重合反応液の粘度を低下させ、さらに、生成し
たε−カプロラクタムやアミドオリゴマーとともに非溶
解物も含む解重合反応液に、ε−カプロラクタムを添加
することによりさらにその粘度を低下させ、容易にろ
過、沈降、遠心分離等による非溶解物の分離・回収がで
きるようにするものである。
−カプロラクタムを実質的に留出させることなく還流さ
せながら解重合した後、解重合反応液にε−カプロラク
タムを添加し、非溶融物質を分離・回収するナイロン6
製品類のリサイクル方法。 (2) 前記非溶融物質がガラス繊維である前記(1)
記載のナイロン6製品類のリサイクル方法。 (3) 前記解重合工程において、リン酸および/また
はリン酸塩を触媒として用い、水の存在下で解重合反応
する前記(1)又は(2)に記載のナイロン6製品類の
リサイクル方法。 (4) 前記解重合工程において、モノカルボン酸を添
加して解重合反応する前記(1)〜(3)のいずれかに
記載のナイロン6製品類のリサイクル方法。 (5) 前記解重合反応液がナイロン低重合物を含む溶
液であり、非溶融物質質の分離・回収の後、さらに解重
合してε−カプロラクタムを回収する前記(1)〜
(4)のいずれかに記載のナイロン6製品類のリサイク
ル方法。
となるナイロン6製品類とは、ガラス繊維、フィラーな
どの非溶融物質を含有する樹脂成形品などである。その
ナイロン6製品類の具体的な対象としては、使用済み自
動車から回収された、インテークマニホールド、シリン
ダーヘッドカバー、エンジンカバー、タイミングベルカ
バー、各種オイルタンクなどのガラス繊維強化ナイロン
6製品などである。さらには、住宅建材用成形部品、電
気電子成形部品、衣料用繊維構造物(古着、ユニホー
ム、スポーツウエア及びインナーウエア等)、産業用繊
維構造物(カーテン、カーペット及びシート等)などが
ある。さらには、これらの生産工程で発生する製品屑、
ペレット屑、塊状屑なども対象となる。本発明は非溶融
物を含有するナイロン6製品類のリサイクルが対象では
あるが、そのリサイクル工程においては非溶融物質を実
質的に含有しないナイロン6製品類も一緒に投入してリ
サイクル処理することもできる。
成するポリマー成分は、ε−カプロラクタムの回収効率
上、ナイロン6が主成分であることが好ましいが、製品
に添加された他種ポリマー(ナイロン66、ナイロン6
10、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイドなど
の共重合あるいはアロイ成分)、添加剤(可塑剤、耐熱
剤、滑剤など)をε−カプロラクタム回収を阻害しない
程度ならば含んでいてもよい。
類中に含有される非溶融物質は、解重合温度において溶
融も分解もせず、かつ、解重合時の解重合反応液に溶解
も市内物質であり、ガラス繊維、無機フィラー(ワラス
テナイト、カオリン、マイカなど)、金属繊維、金属粒
子、炭素繊維などの無機系物質で代表されるが、有機系
の非溶融物質であってもよい。それら非溶融物質は混合
物であってもよいが、分離・回収した非溶融物質をリサ
イクルする点ではガラス繊維などの単体であることが好
ましい。また、解体時に取外すことができなかった部品
類が混入していても本発明の所期の目的の達成を阻害し
ない限り問題はない。
説明する。本発明では、非溶融物質を効率よく分離・回
収し、ε−カプロラクタムだけでなく非溶融物質も回収
してリサイクル可能にするものである。従来法のように
単に解重合しただけで、解重合反応液から非溶融物質を
ろ過あるいは沈降により分離しようとすると、解重合飯
能液の粘度が高すぎて分離することができない。本発明
ではε−カプロラクタムを溶媒として解重合反応液を希
釈することにより粘度を低下させるので、非溶融物質が
容易に分離・回収可能となる。
ロラクタムが反応系外に放出されないよう還流させなが
ら行う解重合方法であればいかなる方法でも良い。通
常、ナイロン6は加熱により解重合され、触媒を用いて
も良く、水の不存在下でも行う方法(乾式)と、存在下
で行う方法がある(湿式)。
あり、好ましくは、200〜350℃、さらに好ましく
は、220〜300℃である。温度が低過ぎると、ナイ
ロン6が溶融しないうえ、解重合速度が遅くなる。温度
が高過ぎると、不必要なナイロン6の分解が起こり、回
収ε−カプロラクタムの純度低下をもたらす。
塩基触媒などを用いる。酸触媒としては、リン酸、ホウ
酸、硫酸、有機酸、有機スルホン酸、固体酸、およびこ
れらの塩、また塩基触媒としては、アルカリ水酸化物、
アルカリ塩、アルカリ土類水酸化物、アルカリ土類塩、
有機塩基、固体塩基などが挙げられる。好ましくは、リ
ン酸、ホウ酸、有機酸、アルカリ水酸化物、アルカリ塩
などが挙げられる。さらに好ましくは、リン酸、リン酸
ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。
に含まれるナイロン6成分に対して、0.01〜100
重量%である。好ましくは、0.1〜50重量%、さら
に好ましくは、1〜20重量%である。触媒使用量が少
な過ぎると反応速度が遅くなり、多過ぎると副反応が多
くなるうえ、触媒コストがかさみ経済的に不利になる。
酸を添加することが、解重合反応液の粘度を低下させる
点から好ましい。重合反応が進行しようとした場合、末
端封鎖剤として作用することにより重合度が増すことを
抑制できるからである。たとえば、酢酸、プロピオン
酸、ステアリン酸、安息香酸などが挙げられ、特に好ま
しくは酢酸が用いられる。
品類に含まれるナイロン6成分に対して、0.01〜1
00重量%である。好ましくは、0.1〜50重量%、
さらに好ましくは、1〜20重量%である。モノカルボ
ン酸使用量は少な過ぎると、粘度低下の効果が小さくな
り、多過ぎると分離後の精製等のコストがかさみ経済的
に不利になる。
となく、ε−カプロラクタムを還流させながら反応を進
行させる。実質的にε−カプロラクタムが反応系外に排
出されなければよく、還流の程度はいかなるものであっ
ても良い。また、反応圧力は常圧であっても加圧であっ
ても、ε−カプロラクタムが排出されない程度の減圧で
あっても良い。
プロラクタムを反応器から水とともに排出されないよう
還流して反応系内に戻す必要がある。ε−カプロラクタ
ムだけ反応系内に還流して戻す方法でも、水とともに還
流して戻す方法でも良い。反応圧力は常圧でも加圧でも
よい。反応促進の点では加圧下で行うことも有効であ
る。
物質に含まれるナイロン6成分に対して、0.001〜
100重量倍である。好ましくは、0.01〜50重量
倍、さらに好ましくは、0.1〜20重量倍である。水
の使用量は、少な過ぎると反応速度が遅くなり、多過ぎ
るとε−カプロラクタムを回収するときエネルギー的に
不利になる。
ε−カプロラクタムは、精製されたものであっても、未
精製のものであってもよい。ε−カプロラクタムの添加
量は、非溶解物を含む解重合反応液100重量部に対し
て、5〜5000重量部が好ましく、10〜1000重
量部がさらに好ましく、20〜800重量部が特に好ま
しい。ε−カプロラクタムとともに多少の水を添加して
溶解させることもできる。
して低粘度化した後の温度、および、非溶融物質分離ま
での時間は、重合反応が促進されて分離が困難にならな
い範囲であれば特に制限はない。通常、温度としては2
40℃以下、さらには220℃以下、30℃以上、さら
に50℃以上、特に80℃以上が好ましい。非溶融物質
分離までの時間は温度との兼ね合いではあるが、180
℃以上に置かれる時間は5時間以下、さらには1時間以
下が好ましい。150℃以下では特に放置時間に制限は
必要ない。
法は、ろ過、遠心分離、沈降法などの方法を用いること
ができる。必要に応じて、熱時ろ過などのように熱を加
えながら粘度をコントロールして行うことも有用であ
る。
重合反応液とε−カプロラクタムとからなる混合液であ
り、さらに解重合してε−カプロラクタムを回収し、蒸
留により精製して有用なε−カプロラクタムを回収する
ことが好ましい。
は、単蒸留、薄膜蒸留、ストリッピング、あるいは精留
などが挙げられる。また、蒸留操作としては、バッチ式
に、予め塩基性物質と回収ε−カプロラクタムを蒸留缶
に仕込んで、蒸留することもできるし、連続式に、塩基
性物質と回収ε−カプロラクタムを蒸留缶に仕込みなが
ら、同時にε−カプロラクタムを留出させ、蒸留するこ
ともできる。
ムは、通常、十分に高純度ではあるが、さらに他の精製
手段を加え高純度化をはかることも可能である。他の精
製手段としては、晶析、イオン交換処理、活性炭処理、
酸化剤処理、還元剤処理、水素添加処理などが挙げられ
る。好ましくは、晶析を行う。留出ε−カプロラクタム
の晶析法としては、有機溶媒による晶析、水溶媒による
晶析、溶融晶析など、種々の方法が挙げられる。これら
の方法は組み合わせることができ、繰り返し行って多段
晶析することもできる。
質は、さらに水洗等等の処理を行って再利用することが
できる。
明する。以下の実施例は、何ら本発明を限定するもので
はない。
ナイロン6樹脂(東レ(株)製、CM1011G30)
を成形してダンベル片とした後、粉砕してペレット状の
ナイロン6製品廃材とした。
250g、85%リン酸水溶液10g、および、水10
gを、還流装置付きの4つ口フラスコに入れ、260℃
のオイルバスで加熱下で、2時間、ε−カプロラクタム
を留出させずに解重合反応を進行させ、約270gの解
重合反応液を得た。この解重合反応液に、ε−カプロラ
クタム360gを添加して200℃にするとガラス繊維
が沈降した。即座にグラスフィルターを用いて200℃
下で熱時ろ過して、ガラス繊維を分離・回収し、解重合
反応液のε−カプロラクタム溶液にした。
ム溶液は、さらに、260℃下、260℃のスーパース
チームを吹き込みながら解重合とともに水蒸気蒸留を
し、さらに単蒸留をして約500gのε−カプロラクタ
ムを回収した。
ン6製品廃材250g、酢酸10g、および、水3g
を、還流装置付きの4つ口フラスコに入れ、260℃の
オイルバスで加熱下で、4時間、ε−カプロラクタムを
留出させずに解重合反応を進行させ、約263gの解重
合反応液を得た。この解重合反応液に、ε−カプロラク
タム360gを添加して200℃にするとガラス繊維が
沈降した。即座にグラスフィルターを用いて200℃下
で熱時ろ過して、ガラス繊維を分離・回収し、解重合反
応液のε−カプロラクタム溶液にした。
ム溶液は、さらに、260℃下、260℃のスーパース
チームを吹き込みながら解重合とともに水蒸気蒸留を
し、さらに単蒸留をして約500gのε−カプロラクタ
ムを回収した。
ン6製品廃材250g、85%リン酸水溶液10g、お
よび、水10gを、4つ口フラスコに入れ、260℃の
オイルバスで加熱下で、ε−カプロラクタムを留出させ
ながら、10時間、解重合反応を進行させ、約90gの
タール状の解重合反応液を得た。
ロラクタム360gを添加して200℃にしたがタール
状のものは溶解することなく、きれいなガラス繊維を得
ることができなかった。
た約263gの解重合反応液を、ε−カプロラクタムを
添加することなく200℃下で熱時ろ過しようと試みた
が、粘度が高過ぎて濾過できずガラス繊維は分離するこ
とができなかった。
ナイロン6製品類から、非溶融物質を効率的に分離・除
去することにより、ε−カプロラクタムを効率よく回収
でき、かつ、非溶融物質であるガラス繊維なども再利用
可能に分離・回収できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 非溶融物質を含有するナイロン6製品類
を、ε−カプロラクタムを実質的に留出させることなく
還流させながら解重合した後、解重合反応液にε−カプ
ロラクタムを添加し、非溶融物質を分離・回収するナイ
ロン6製品類のリサイクル方法。 - 【請求項2】 前記非溶融物質がガラス繊維である請求
項1記載のナイロン6製品類のリサイクル方法。 - 【請求項3】 前記解重合工程において、リン酸および
/またはリン酸塩を触媒として用い、水の存在下で解重
合反応する請求項1又は2記載のナイロン6製品類のリ
サイクル方法。 - 【請求項4】 前記解重合工程において、モノカルボン
酸を添加して解重合反応する請求項1〜3のいずれかに
記載のナイロン6製品類のリサイクル方法。 - 【請求項5】 前記解重合反応液がナイロン低重合物を
含む溶液であり、非溶融物質質の分離・回収の後、さら
に解重合してε−カプロラクタムを回収する請求項1〜
4のいずれかに記載のナイロン6製品類のリサイクル方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20567898A JP3911860B2 (ja) | 1998-07-21 | 1998-07-21 | ナイロン6製品類のリサイクル方法 |
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JP3911860B2 JP3911860B2 (ja) | 2007-05-09 |
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-
1998
- 1998-07-21 JP JP20567898A patent/JP3911860B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7240567B2 (ja) | 2020-12-23 | 2023-03-15 | 株式会社ミライ化成 | 再生補強繊維の製造方法 |
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