JP2000034273A - S―アリ―ルシステインおよび誘導体の製造方法 - Google Patents

S―アリ―ルシステインおよび誘導体の製造方法

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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的廉価な試薬を用いるS−アリールシス
テインの大規模な製造に適した効率的、簡潔、かつエナ
ンチオ選択的方法を提供すること。 【解決手段】 式: 【化7】 (式中、Mは、金属であり、P1は、Hまたはアミノ保
護基であり;そしてP2は、Hまたはカルボン酸保護基
である)のチオレートをハロゲン化アリールと接触させ
る工程を含む、S−アリール−L−システインの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、S−アリールシス
テインおよび誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】S−アリールシステインは、種々の薬学
的に活性な化合物の合成における有用な中間体である。
キラルS−アリール−L−システインを用いて、ヒト免
疫不全ウィルス(HIV)が上手く標的化され、AID
Sの治療に用いられている(Kaldor et al., J.Med.Che
m. 1997, 40(24), 3979-3985)。アリールチオ基を含
む、ヒト免疫不全ウィルスプロテアーゼの代表的な有効
でタイトな結合阻害剤は、図1に示される。
【0003】現在利用可能な多くのS−アリールシステ
インの合成法は、ラセミ混合物の調製を含む。しかしな
がら、そのような化合物のラセミ混合物に関しては、多
くの不利な点がある。S−アリールシステインのラセミ
混合物は、ラセミ体薬剤を生産することになる。キラル
薬剤のある種の生理学的性質は、その薬剤の立体化学に
依存しており、望ましくない副作用は、しばしば、キラ
ル薬剤の望ましくない立体異性体の存在によるものであ
ることがよく知られている。したがって、キラル薬剤の
エナンチオ選択性の高い合成は、望ましくない副作用の
量が低下した所望の治療的活性を有する薬剤を得ること
になる。もちろん、キラル薬剤の合成はラセミ体混合物
の分離の工程を含み得る;しかしながら、これはしばし
ば時間がかかり費用も高い。さらに、ラセミ体合成に
は、望ましくない異性体が所望の異性体に変換され得な
ければ、化合物の半分の廃棄が必要である。そのうえ、
全てのラセミ化合物が所望のエナンチオマーの満足すべ
き収量を提供するように転じ得るわけではない。
【0004】最近のS−アリールシステインのエナンチ
オ選択的合成法は、酵素的方法を含む(例えば、米国特
許第5,756,319号、または欧州特許出願第75
4,759号を参照、これらは三井東圧化学株式会社に
譲渡されている)が、それらは限られた数のS−アリー
ルシステインの調製にのみ適用される。
【0005】最近のS−アリールシステインのエナンチ
オ選択的調製のための化学的合成法のほとんどは、ラセ
ミ混合物となって、全体的なコストを劇的に増大させる
合成試薬を用いるか、あるいは医薬の加工において有用
なエナンチオ選択性としては低すぎるレベルになる。
【0006】最近、D.W.KnightとA.W.Sibley (J.Chem.S
oc., Perkin Trans. 1, 1997, 2179-2187)は、メチル
(S)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メ
チルスルホニルオキシ−プロパノエートと新しく調製し
たナトリウムチオフェニレートとのDMF中、約0℃で
の反応が、所望のN−カルボベンジルオキシ−S−フェ
ニル−L−システインメチルエステル(またはメチル
(R)−2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−フ
ェニルチオプロパノエート)を、98%の収量で与え、
〔α〕2 0 D−17.2(c,1.8;MeOH)の記録
された旋光性を提供することを報告した。生成物のエナ
ンチオマー比は何も報告されなかった。さらに、水素化
ナトリウム、チオフェノールおよびDMFから調製した
ナトリウムフェノレートの使用は、大規模な製造に向か
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、比較的廉
価な試薬を用いるS−アリールシステインの大規模な製
造に適した効率的、簡潔、かつエナンチオ選択的方法に
対する必要性がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式:
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Mは、金属であり、P1は、Hま
たはアミノ保護基であり;そしてP2は、Hまたはカル
ボン酸保護基である)のチオレートをハロゲン化アリー
ルと接触させる工程を含む、S−アリール−L−システ
インの製造方法に関する。好ましくは上記P1はアミノ
保護基であり得る。このようなP1としてカルボベンジ
ルオキシをあげることができる。好ましくは上記P2
カルボキシ保護基であり得る。このようなP2としてメ
チルをあげることができる。好ましくは上記Mは、銅で
あり得る。好ましくは上記ハロゲン化アリールはフェニ
ルブロミドであり得る。この方法は、さらに、ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ジエチルアセトアミド、ジメチルブチルアミ
ド、およびN−メチル−2−ピロリドンからなる群から
選択される反応溶媒を含むことができる。この方法は、
上記チオレートが、場合により保護された形態のシステ
インまたはシスチンを、金属、金属酸化物、金属塩、お
よびそれらの混合物からなる群から選択されるカップリ
ング剤と、所望ならば酸化剤の存在下で、接触させる工
程を含む方法によって製造されてもよい。この方法は、
出発化合物がシスチンであり、場合により臭化第二銅お
よび/または臭化第一銅と組み合わせたカップリング剤
が銅であってもよい。この方法は、臭素が酸化剤として
存在してもよい。この方法は、出発材料がシステインで
あり、カップリング剤が金属酸化物、好ましくは酸化銅
であってもよい。
【0011】本発明は、式:
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Xは、ハロゲン原子、メシルオキ
シ基またはトシルオキシ基であり、P1は、アミノ保護
基であり;そしてP2は、カルボキシ保護基である)の
化合物を、塩基の存在下でアリールチオールと接触させ
る工程を含む、約96%より多いエナンチオマー過剰の
S−アリールシステインの製造方法にも関する。この方
法は、さらに、相間移動触媒の存在を含んでもよい。こ
の方法において、上記相間移動触媒は、TCMC、TB
AB、およびTBPBからなる群から選択されてもよ
い。この方法において、上記アミノ保護基は、メチルカ
ルバメートおよびカルボベンジルオキシからなる群から
選択されてもよい。この方法において、好ましくはカル
ボキシ保護基はメチルエステル基である。この方法にお
いて、上記塩基は水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、および炭酸カリウムからなる群から選択される。こ
の方法は、さらに、トルエン、酢酸エチルおよびそれら
の混合物からなる群から選択される溶媒を含むことがで
きる。
【0014】本発明は上記の方法により製造された場合
の全ての96%より多いエナンチオマー過剰のS−アリ
ール−L−システインにも関する。本発明はN,N′−
ビス−(3−アセトキシ−2−メチルベンゾイル)−シ
スチンジメチルエステルにも関する。本発明は、N−
(3−アセトキシ−2−メチルベンゾイル)−S−フェ
ニル−L−システインメチルエステルにも関する。本発
明は、N,N′−ビス−メチルカルバモイルシスチンジ
メチルエステルにも関する。本発明は、N−メチルカル
バモイル−S−フェニル−L−システインメチルエステ
ルにも関する。
【0015】定義 「アルキル」は、1〜約10個の炭素原子を有する直鎖
または分岐鎖の基を含む。アルキル基は、場合により1
またはそれ以上の置換基、例えば、ハロゲン、アリー
ル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、オキソ、お
よびシクロアルキルで置換され得る。アルキル基には1
またはそれ以上の酸素、イオウまたは置換もしくは非置
換窒素原子が場合により挿入されていてもよい。典型的
なアルキル基には、メチル、エチル、i−プロピル、n
−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ベン
ジル、およびオクチルがある。
【0016】「アリール」は、共役したπ電子系を有
し、炭素環式アリール、ヘテロ環式アリール、ビアリー
ル基およびヘテロ環式ビアリールを含むがこれらに限定
されない(これらの全ては場合により置換され得る)少
なくとも1つの環を有する芳香族基を意味する。
【0017】「ヘテロ環式アリール基」とは、環中に1
〜3個のヘテロ原子を含み、残りが炭素原子である少な
くとも1つのヘテロ環式芳香族環を有する基をいう。適
切なヘテロ原子には、酸素、イオウおよび窒素があるが
これらに限定されない。典型的なヘテロ環式アリール基
には、フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−
アルキルピロロ、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリ
ル、ベンゾフラニル、キノリニル、およびインドリルが
ある。
【0018】好ましくは、アリール基は、フェニル、ナ
フチル、ピリジル、フリル、チオフェニル、ピラジル、
およびピロリルからなる群から選択される置換または非
置換アリールである。より好ましくは、このアリール基
は、フェニル、ナフチルおよびピリジルからなる群から
選択される置換または非置換アリールであり、さらによ
り好ましくはこのアリール基は、置換および非置換フェ
ニルからなる群から選択され、そして最も好ましくはこ
のアリール基はフェニルである。
【0019】用語「S−アリール」とは、芳香族基がイ
オウ原子に結合した置換基を言う。「S−アリール」基
はまた、「アリールチオエーテル」基をも指す。用語
「S−アリール化」とは、化合物または基をS−アリー
ル基で置換する過程をいう。
【0020】用語「金属」は、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、遷移金属、貴金属、白金族、希有金属、希有
土類金属、アクチノイド金属、軽金属、および重金属を
含む。そのような金属の例は、アルミニウム、鉄、銅、
コバルト、カリウム、ナトリウム、錫、および亜鉛であ
る。
【0021】用語「触媒」とは、わずかなパーセンテー
ジが化学反応の速度に著しく影響を及ぼし、それ自身は
消費されないかまたは化学的変化を受けない、“Hawle
y′sCondensed Chemical Dictionary”、第11版、N.I
rving Sax and Richard J.Lewis改訂, Sr., Van Nostra
nd Reinhold Company, New York, p748 (1987) に定義
されたいかなるものであってもよい物質を言う。
【0022】用語「化学量論(stoichiometric)」と
は、選択した基質、分子、または化合物に対して等モル
比または量の試薬の反応における使用または添加に関連
する。
【0023】用語「キラル」は、当業者に知られた通常
の意味を有する。
【0024】用語「エナンチオマー過剰」とは、製造さ
れた混合物中に存在する一方のエナンチオマーの量と他
方のエナンチオマーの量との間の差をいう。したがっ
て、例えば、96%のエナンチオマー過剰とは、一方の
エナンチオマーを98%、他方のエナンチオマーを2%
有する製造された混合物を言う。
【0025】本明細書中では以下の略語および用語を用
いる:「CBZ」はベンジルオキシカルボニルまたはカ
ルボベンジルオキシを意味する。「DMF」は、ジメチ
ルホルムアミドを意味する。「トシレート」または「To
s」は、p−トルエンスルホン酸エステルを意味する。
「メシレート」または「Ms」は、メタンスルホン酸エス
テルを意味する。「TBPB」は、テトラブチルホスホ
ニウムブロミドを意味する。「TBAB」は、テトラブ
チルアンモニウムブロミドを意味する。「TBAC」
は、テトラブチルアンモニウムクロリドを意味する。
「PTC」は、相間移動触媒作用または触媒を意味す
る。「Aliquat336(登録商標)」は、トリカプリリルメ
チルアンモニウムクロリド(TCMC)である。
【0026】本発明は、(種々の薬学的に活性な化合物
における有用な中間体である)高いエナンチオマー過剰
のS−アリールシステインの調製方法に対するものであ
る。特に、本発明の方法は、エナンチオマーが豊富化し
たS−アリールL−またはD−システインを提供する。
好ましくは、本発明の方法は、S−アリールシステイン
を、約96%より多い、より好ましくは約98%より多
い、そして最も好ましくは約99.5%より多いエナン
チオマー過剰で提供する。文脈上要求されない限り、他
の化合物への言及は、化合物の個々のエナンチオマー、
それらのラセミ体または非ラセミ体混合物への言及とし
て考慮されるべきである。
【0027】図2に示されるように、本発明の1つの実
施態様は、シスチンを金属に接触させ、得られた化合物
をS−アリールシステインを製造するのに効果的な時間
および条件下でハロゲン化アリールに接触させることに
よるS−アリールシステインの製造方法を提供する。シ
スチンが出発材料として用いられる場合には、用いられ
るハロゲン化アリールの量は約1当量〜約6当量、より
好ましくは約2当量〜約6当量、さらにより好ましくは
約2当量〜約4当量、そして最も好ましくは約3当量で
ある。ハロゲン化物は、ヨウ素、臭素、および塩素から
なる群から選択され、より好ましくはハロゲン化物は臭
素およびヨウ素からなる群から選択され、そして最も好
ましくはハロゲン化物は臭素である。シスチンを金属に
接触させるとジスルフィド結合が切断されてシステイン
の金属チオレートが生成し、それがカップリング反応を
受けて所望の生成物およびハロゲン化金属を形成する。
したがって、ジスルフィド結合を切断することができる
いかなる金属も本発明の方法に用いることができる。好
ましくは金属は、アルミニウム、鉄、銅、コバルト、カ
リウム、ナトリウム、錫、亜鉛、およびそれらの混合物
からなる群から選択され、より好ましくは金属は銅、ナ
トリウム、錫、亜鉛およびそれらの混合物からなる群か
ら選択され、そして最も好ましくは金属は銅である。反
応の温度は、好ましくは約80℃〜150℃、より好ま
しくは約100℃〜130℃、そして最も好ましくは約
115℃〜約125℃である。反応時間は、金属および
/またはハロゲン化アリールの独自性(identity)に依
存して変化し得るが、一般に、少なくとも1時間の反応
時間により所望の生成物が比較的高収量で生成され、好
ましくは少なくとも15時間、そして最も好ましくは少
なくとも約18時間であることがわかっている。
【0028】図3に示されるように、本発明の別の実施
態様は、システインを酸化金属の存在下でハロゲン化ア
リールに接触させることによるS−アリールシステイン
の製造方法を提供する。カップリング反応においてシス
テインが出発材料として用いられる場合、用いられるハ
ロゲン化アリールの量は、好ましくは約1当量〜約5当
量、より好ましくは約1.1当量〜約4当量、さらによ
り好ましくは約1.2当量〜約3当量、そして最も好ま
しくは約1.5当量である。好ましくは、酸化金属は、
酸化銅、酸化亜鉛、酸化第一スズ、およびそれらの混合
物からなる群から選択され、より好ましくは酸化金属
は、酸化銅である。この方法によるS−アリールシステ
インの製造は、混合物を加熱することにより容易になる
ことが見出されている。好ましくは、反応温度は約80
℃〜150℃、より好ましくは約100℃〜130℃、
そして最も好ましくは約115℃〜約125℃である。
種々のハロゲン化アリールを、チオレートと反応させて
S−アリールシステイン化合物を製造することができ
る。好ましくは、ハロゲン化アリールはフェニルブロミ
ドである。
【0029】S−アリールシステインを製造するための
本発明の方法は、シスチンまたはシステインから、下式
の反応性のチオレート化合物
【0030】
【化5】
【0031】(式中、Mは、金属であり、P1は、水素
またはアミノ保護基であり;そしてP2は、水素または
カルボキシル保護基である)を生成するカップリング剤
の存在を含む。
【0032】上記の構造はチオレートの理想化した表示
を表すだけであることが理解されるであろう。チオレー
トの正確な構造は、二量体、三量体または他の多量体形
態の、例えば、金属が結合した1より多いチオレート基
との、反応性中間体であり得る。さらに、この金属は他
のリガンド、例えば、溶媒分子または反応混合物中に存
在してもよい他の種にも結合し得る。チオレートからカ
ップリングした生成物を生成する任意の金属またはその
誘導体とハロゲン化アリールを本発明において用いるこ
とができる。一般に、カップリング剤は、金属、酸化金
属、金属塩およびそれらの混合物からなる群から選択さ
れる。本発明において用いられる場合、「金属塩」と
は、金属の酸化状態が0ではない任意の有機または無機
金属塩をいう。典型的な金属塩は、フェロセン、塩化第
二鉄、酢酸第二鉄、酢酸第一鉄、アセチルアセトネート
第一鉄、アセチルアセトネート第二鉄、塩化第一鉄、ヨ
ウ化第二銅、ヨウ化第一銅、臭化第二銅、臭化第一銅、
塩化第二銅、塩化第一銅、フッ化第二銅、酢酸第二銅、
アセチルアセトネート第二銅、水酸化第二銅、硫酸銅、
シアン化第二銅、シアン化第一銅、酸化第二銅、および
酸化第一銅を含む。好ましくはこのカップリング剤は、
銅、ハロゲン化銅、酸化銅、亜鉛、ハロゲン化亜鉛、酸
化亜鉛、アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、酸化
アルミニウム、鉄、酸化鉄、ハロゲン化鉄、コバルト、
酸化コバルト、ハロゲン化コバルト、錫、酸化スズ、ハ
ロゲン化スズ、カリウム、酸化カリウム、ハロゲン化カ
リウム、ナトリウム、酸化ナトリウム、ハロゲン化ナト
リウムおよびそれらの混合物からなる群から選択され
る。より好ましくはカップリング剤は、銅、ハロゲン化
銅、酸化銅およびそれらの混合物からなる群から選択さ
れる。そして最も好ましくはこのカップリング剤は、
銅、臭化第二銅、酸化第二銅、塩化第二銅、ヨウ化第二
銅、臭化第一銅、塩化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化
第一銅、酸化第一銅、フッ化第二銅、酢酸第二銅、アセ
チルアセトネート第二銅、硫酸第二銅、水酸化第二銅、
およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0033】本発明の方法は金属を用いて進行させるこ
とができるが、それは金属塩Mab(ここでaおよびb
はMおよびXの酸化状態に応じた対応する量のMまたは
Xを表す)の存在も含む。この金属塩は、臭化銅(I)
または(II)、塩化銅(I)または(II)、ヨウ化銅
(I)または(II)、および上記の他の金属のハロゲン
化物を含むハロゲン化金属のような無機塩、あるいはア
セチルアセトネート銅(I)または(II)、酢酸銅
(I)または(II)、および上記の他の金属の有機塩の
ような有機塩であり得る。銅金属および銅(II)塩が一
緒に存在する場合、それらは不均化を受けて銅(I)を
形成し、それはこの方法にとって活性な種であると考え
られている。驚くべきそして予期せぬことに、Cu
(0)または他の金属は効果的なカップリング剤であり
得るが、Cu(I)またはCu(II)塩(例えば、臭化
銅(I)または(II))が、Cu(0)に加えて存在す
ると反応速度は増大することが見出された。好ましくは
約0mol%〜約100mol%の臭化銅(I)または(II)
がハロゲン化アリールに関して添加され、より好ましく
は約0.2mol%〜約5mol%、そして最も好ましくは約
1mol%〜約3mol%が添加される。典型的には約6mol
%の臭化銅(I)または(II)が添加される。シスチン
またはシステインに存在する他の官能基は保護されるこ
とができても保護されることができなくてもよいことは
認識されるべきである。
【0034】典型的には、ハロゲン化アリールに対して
用いられるカップリング剤の量は、約0.3当量〜約1
当量、好ましくは約0.5当量〜約0.75当量、そし
てより好ましくは約0.6当量〜約0.7当量である。
反応後にこのカップリング剤またはカップリング剤の結
果得られた生成物(例えば、臭化銅のような銅(I)
塩)は、単離され、別のカップリング反応に用いられる
ように再利用されてもよい。この方法だと、カップリン
グ剤のコストと得られたカップリング剤生成物(例え
ば、臭化銅(I))の廃棄コストを実質的に減らすこと
ができる。
【0035】S−アリールシステインを製造するための
本発明の方法は、さらに、酸化剤を含むことができる。
酸化剤は、反応性の種のカップリング剤を生み出す任意
の化合物である。好ましくは酸化剤は、臭素、ヨウ素、
塩素およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】本発明の方法は溶媒が存在しなくても行う
ことができるが、比較的高い沸点の溶媒の存在により、
所望の温度に加熱することができる反応媒質を提供する
ことが見出された。したがって、溶媒は所望の反応温度
よりも高い沸点を有する。好ましくはこの溶媒は、アセ
トニトリル、グライム、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルアセ
トアミド、ジメチルブチルアミド、およびN−メチル−
2−ピロリドンからなる群から選択され、より好ましく
は、この溶媒はジメチルホルムアミドである。反応時間
は、酸化金属および/またはハロゲン化アリールの独自
性に依存して変化し得るが、一般に、少なくとも約1時
間の反応時間により比較的高い収量の所望の生成物が、
高いエナンチオ選択性で生成され、好ましくは少なくと
も約15時間、そしてより好ましくは少なくとも約18
時間であることが見出されている。
【0037】典型的にはチオレートはその場(in sit
u)で生じ、さらなる精製なしに用いられる。
【0038】本発明の別の実施態様は、塩基の存在下で
セリン誘導体をアリールチオールに接触させること、す
なわち置換反応により図4に示すようなエナンチオマー
が豊富化したS−アリールシステインを調製する方法を
提供する。「セリン誘導体」とは、セリンのヒドロキシ
基が離脱基によって置き換えられている化合物を言う。
用語「離脱基」は、当業者に周知の意味を有する。好ま
しくは離脱基は、ハロゲン原子(すなわち、塩素、臭
素、またはヨウ素)、トシルオキシ、およびメシルオキ
シからなる群から選択され、そして最も好ましくはトシ
ルオキシまたはメシルオキシである。
【0039】本発明のこの実施態様によると、下式の化
合物:
【0040】
【化6】
【0041】(式中、Xはハロゲン原子、メシルオキシ
またはトシルオキシ基である)を塩基の存在下でアリー
ルチオールに接触させる。
【0042】有用な塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、および炭酸リチウムのような炭酸塩類、重炭酸ナ
トリウム、重炭酸カリウム、および重炭酸リチウムのよ
うな炭酸水素塩類、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、および水
酸化カリウムのような水酸化物;チエニルアミンおよび
ジイソプロピルエチルアミンのような立体的に障害のあ
るアミン;水素化ナトリウム、水素化カリウム、および
水素化リチウムのような水素化物;リチウムジイソプロ
ピルアミドおよびナトリウムジイソプロピルアミドのよ
うなアミド;およびナトリウムヘキサメチルジメチルシ
ラジドのような他の塩基を含む。好ましくは塩基は、炭
酸塩類、炭酸水素塩類、および水酸化物からなる群から
選択され、より好ましくは塩基は炭酸塩類および炭酸水
素塩類からなる群から選択され、そして最も好ましくは
塩基は炭酸塩である。アリールチオールは離脱基を有す
る任意のセリン誘導体を添加する前に塩基に接触させる
ことができ、あるいは塩基はアリールチオールとセリン
誘導体との混合物に添加することができ、あるいはアリ
ールチオールは塩基とセリン誘導体との混合物に添加す
ることができることが理解されるであろう。特定の局面
において、セリン誘導体は、アミノ基およびカルボキシ
基の保護とそれに続くヒドロキシ基の離脱基への変換に
よりセリンから調製されてもよい。
【0043】反応の温度はエナンチオマー過剰の生成物
に影響を与え得る。生成物および/または出発材料の立
体化学的立体配置の損失を最小にするため、セリン誘導
体とアリールチオールとの間の反応の温度は、約−5℃
〜約35℃、好ましくは約15℃〜30℃に維持され
る。好ましくは、反応時間は、約1時間〜約48時間、
より好ましくは約10時間〜約30時間、そして最も好
ましくは約20時間〜約25時間である。
【0044】この実施態様の方法は、さらに相間移動触
媒の添加を含んでもよい。用語「相間移動触媒」とは、
成分の反応混合物に添加され1またはそれ以上の反応す
る成分を、それが簡便かつ迅速に他の反応する成分と反
応し得るような場所に移動させるように働く触媒または
物質を意味する。用いてもよい相間移動触媒または物質
の例は、C.M.Starks, C.L.Liotta and M.Halpern,“Pha
se-Transfer Catalysis”, Chapman & Hall, New York,
1994に概説されている。特に、好ましい相間移動触媒
は、TBAB、TBAC、TBPBおよびAliquat336
(登録商標)を含む。
【0045】任意の適当な溶媒を本発明のこの実施態様
に用いることができる。しかしながら、相間転移触媒を
用いる場合、比較的非極性の溶媒を用いることが好まし
い。典型的な有用な比較的非極性の溶媒には、トルエ
ン、酢酸エチル、およびヘキサンがある。好ましくは、
比較的非極性の溶媒は、トルエン、酢酸エチルおよびそ
れらの混合物からなる群から選択される。
【0046】本発明の上記の方法は、アミノ酸(シスチ
ン、システインまたはセリン)のアミノ基を保護するこ
とを含むことができる。任意の公知のアミノ保護基を用
いることができる。いくつかの保護基の例は、G.Barany
およびR.B.MerrifieldによりPeptide, Vol.2, E.Gross
and J.Meienhoffer編, Academic Press, New York, N.
Y., pp.100-118 (1980) の“Solid Phase Peptide Synt
hesis”およびGreen, T.による“Protective Groups in
Organic Synthesis”, John Wiley & Sons, Inc., New
York, NY., 1981、 pp.218-287に記載されている。典型
的なN−アミノ保護基は、アセチル、ホルミル、ベンゾ
イル、置換ベンゾイル類、FMOC、Bspoc、Bs
moc、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、t−
アミルオキシカルボニル(Mcb)、2−(p−ビフェ
ニリル)−プロピル−2−オキシカルボニル(Bpo
c)、ベンジルオキシカルボニル(またはカルボベンジ
ルオキシ、CBZ)、フタロイル、ピペリジノ−オキシ
カルボニル、トリフルオロアセチルなどを含む。他のN
−アミノ保護基は、αアミノ酸のカルボキシル部分に結
合されている、場合により保護されているαアミノ酸を
含む。好ましくはアミノ保護基はメチルカルバメートま
たはCBZである。アミノ保護基は、軽い酸性または塩
基性条件を含む種々の条件下で除くことができる。好ま
しい保護基は、酸または塩基、あるいは還元的な条件に
よって開裂できるものである。例えば、アミノ基は、ア
ミノ酸をベンジルクロロホルメートに塩基の存在下で接
触させることにより保護することができる。ベンジルク
ロロホルメートとアミノ基との反応により形成される酸
性プロトンを中和することができるいかなる塩基も用い
ることができる。アミノ基の保護に有用な典型的な塩基
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸リチウ
ムのような炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ムおよび重炭酸リチウムのような炭酸水素塩類;水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウムおよび水酸化カリウムような水酸化物;
およびトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルア
ミンのような立体障害アミンを含む。好ましくは塩基
は、炭酸塩類、炭酸水素塩類、および水酸化物からなる
群から選択され、より好ましくは塩基は炭酸塩類および
炭酸水素塩類からなる群から選択され、そして最も好ま
しくは塩基は炭酸水素塩である。本発明の1つの特定の
実施態様において、アミノ基は、アミノ酸をベンジルク
ロロホルメートに重炭酸ナトリウムの存在下で接触させ
ることにより保護されて、N−ベンジルオキシカルボニ
ル保護アミノ酸を得る。
【0047】アミノ酸のカルボキシ基の保護のために
は、公知のカルボキシ保護基のどれでも用いることがで
きる。アミノ酸のカルボキシ部分の保護は、“The Pept
ides”, E.Gross and J.Meienhofer編, Vol.3, Academi
c Press, NY (1981), pp.101-135およびGreen, T.によ
る“Protective Groups in Organic Synthesis”, John
Wiley & Sons, Inc., New York, NY., 1981, pp.152-19
2に記載されている。典型的なカルボキシ保護基は、エ
ステル、例えばメチル、エチル、t−ブチル、メトキシ
メチル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−ハロ
エチルを含むアルキルエステル;トリフェニルメチル、
ジフェニルメチル、p−ブロモベンジル、o−ニトロベ
ンジルなどのようなベンジルエステル;トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリルなど
のようなシリルエステル;アミドおよびヒドラジドを含
む。他のカルボキシ保護基は、αアミノ酸のアミノ部分
に結合した、場合によって保護されているαアミノ酸を
含み得る。好ましくはカルボン酸保護基は、エステルで
あり、より好ましくはカルボン酸保護基はアルキルエス
テルであり、そして最も好ましくはカルボン酸保護基
は、メチルエステルおよびエチルエステルからなる群か
ら選択される。本発明の特別な実施態様において、アミ
ノ酸のカルボン酸は、アミノ酸をチオニルクロリドにメ
タノール存在下で接触させることによりメチルエステル
として保護される。あるいは、カルボン酸はアミノ酸を
ガス状の塩酸とメタノールの存在下で接触させることに
よりメチルエステルとして保護される。
【0048】上記の方法はまた、アミノ酸のアミノ基と
カルボキシ基の両方を保護することも含む。アミノ酸の
アミノ基およびカルボキシ基はどのような順序でも保護
することができることが理解されるであろう。
【0049】反応混合物から回収された本発明のS−ア
リールシステイン反応生成物は、蒸留または結晶化によ
りさらに精製することができる。例えば、液体形態で得
られた反応生成物をトルエンに溶解し、比較的非極性の
再結晶化溶媒から結晶化させてより高い純度の生成物を
得る。好ましくは、非極性の再結晶化溶媒は、ヘキサ
ン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、ペン
タン、エーテル、およびそれらの混合物からなる群から
選択される。S−アリールシステインは、塩として回収
することができる。例えば、塩酸のような酸、または酒
石酸、酢酸および/またはクエン酸を含む有機酸をS−
アリールシステインに添加すると、容易に単離すること
ができる対応するS−アリールシステインの塩を形成さ
せることができる。あるいは、遊離のカルボキシ基を塩
基と反応させて固体を形成し得るカルボキシレート塩を
生成させることもできる。さらに別の選択肢では、遊離
のアミノ基およびカルボキシル基の両者の存在により、
固体として沈殿し得る両性イオンの形成を得る。本発明
は以下の実施例によりさらに例示される。
【0050】
【実施例】実施例1 N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンジ
メチルエステルのチオニルクロリドおよびシスチンを用
いる調製 ジャケットを有する500ml容の丸底フラスコに、シス
チン(20g、83.2mmol)とメタノール(250m
l)を入れた。反応混合物を0〜5℃に冷却し、チオニ
ルクロリド(12.7ml、0.175mol)を、10℃
未満の温度を維持しながら添加した。添加の最後に、反
応を還流するまで4時間加熱して、過剰のメタノールを
蒸留により除いた。生成物が沈殿するにしたがって水を
添加し、次に重炭酸ナトリウム(29.4g、0.35
mol)を溶液に5℃未満でゆっくりと添加した。
【0051】炭酸水素塩を添加した後、ベンジルクロロ
ホルメート(25ml、0.175mol)をゆっくりと添
加した。反応混合物を<5℃で1時間維持し、ゆっくり
と室温まで暖めた。この反応混合物を30〜40℃に加
熱して有機相を分離し、水相をトルエンで洗浄した(3
×20ml)。合わせた有機溶液を重炭酸ナトリウムで1
回(25ml)、その後5%HCl、飽和NaClにより
洗浄し、MgSO4で乾燥して、真空下でロータリーエ
バポレーションにより濃縮して44.25gの油状物
(0.0825mol、収率99.1%)を得た。
【0052】この油状物の一部(31.55g)をEt
OAc−ヘキサンから再結晶化して無色の固体を得た
(24.95g、収率79.1%)。mp 70〜72
℃;A/N HPLCによるアッセイで97.5%。
【0053】実施例2 N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンジ
メチルエステルのMeOH/HClおよびシスチンを用
いる調製 冷メタノール溶液(−5℃〜−10℃、100ml)にH
Clガスを泡立たせた。約11.0gのHClを溶液に
吸収させた。メタノール100ml中のシステインのスラ
リーに上で調製したHCl/メタノール溶液を添加し
た。この混合物を還流するまで加熱した。約1時間後、
透明な溶液を得た。この混合物を還流するまで合計4時
間加熱し、室温まで冷却して一口丸底フラスコに移し
た。ロータリーエバポレーションによるこの混合物の濃
縮により白色固体を得た。
【0054】この白色固体を400mlのトルエンで懸濁
した。水300ml中NaHCO3(31.5g)の溶液
を添加して透明な二相の溶液を得た。ベンジルクロロホ
ルメート(25.0ml、0.175mol)を16℃〜1
8℃で滴加した。この反応混合物を次いで16〜18℃
で4時間撹拌した。
【0055】水相を分離し、トルエンで抽出した(3×
50ml)。合わせたトルエン抽出物を水で洗浄し、炭酸
ナトリウム溶液、5%HCl溶液、および飽和塩化ナト
リウム溶液で希釈した。有機相をMgSO4で乾燥さ
せ、真空下で濃縮して油状物を得た。この油状物を酢酸
エチル(100ml)に溶解した。ヘキサン(175ml)
を添加して混合物をシードした。この溶液を室温で一晩
撹拌した。生成物を濾過し、ヘキサン:EtOAc
(9:1、100ml)混合物で洗浄し、減圧下、45℃
で乾燥させて生成物を得た。収率87.4%、39.0
g、A/N HPLCによるアッセイで98.5%。
【0056】実施例3 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルの粗生のN,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニ
ルシスチンジメチルエステルを用いる調製 250ml容の丸底フラスコにN,N′−ビス−ベンジル
オキシカルボニルシスチンジメチルエステル(12.7
g、237mmol)、銅粉末(3.08g)、およびジメ
チルホルムアミド(130ml)を添加した。撹拌した混
合物を70℃まで加熱した。ブロモベンゼン、すなわち
フェニルブロミド(10ml、95mmol)を添加漏斗に加
え、反応混合物に約70〜80℃で30分間にわたって
滴加した。この反応混合物を75〜80℃に35分間維
持し、90℃まで25分間暖め、100℃まで4時間加
熱し、そして次に110℃で48時間維持した。
【0057】反応を薄層クロマトグラフィーでモニター
した。反応混合物を50℃に冷却し、DMFを減圧下、
50〜60℃で蒸留して除き、ここで80mlの留出液を
回収した。反応混合物をトルエン(150ml)および水
(150ml)で希釈した。得られた混合物を還流するま
で30分間加熱し、溶液をセラトム(celatom)のパッ
ドで迅速に濾過した。セラトムパッドを過剰のトルエン
で洗浄し、混合物を水で希釈した。相を分離し、トルエ
ン相を水、HCl/水(100ml、vol/vol)、および
飽和塩化ナトリウムで洗浄した。
【0058】得られた溶液をロータリーエバポレーショ
ンで濃縮して淡黄色の油状物を得た。この油状物をトル
エン(15ml)で溶解し、結晶化を誘導するためにシー
ドした。ヘキサン(15ml)を加え、次いでさらに60
mlのヘキサンを加え、スラリーを室温で一晩撹拌した。
生成物を濾過し、過剰のヘキサンで洗浄し、風乾して無
色の固体を得た(収率80.7%、mp62〜64℃)。
【0059】実施例4 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルの精製N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニル
シスチンジメチルエステルを用いる調製 銅粉末(4.62g)、ブロモベンゼン(15.0ml、
142mmol)およびDMF(55ml)を250ml容の三
口丸底フラスコに添加した。得られた混合物を外部油槽
(external oil bath)を用いて110℃まで加熱し
た。撹拌した混合物に、DMF(40ml)中の精製N−
CBZシスチンメチルエステル(19.05g、35.
5mmol、アッセイによると97.5%)溶液を2時間3
0分にわたって添加した。得られた混合物を110℃で
18時間、次いで130±2℃で約24時間撹拌した。
【0060】得られた混合物を65℃まで冷却し、DM
Fを減圧下で(50〜60℃)濃厚なスラリーが形成さ
れるまで蒸留して除いた。この混合物をトルエン(15
0ml)で希釈し、70〜75℃まで15〜20分間加熱
した。この溶液をセラトムのパッドで迅速に濾過し、セ
ラトムパッドを暖かいトルエン(70℃)で洗浄した。ト
ルエン相を水(2×100ml)、10%水性HCl(1
×100ml)、水(1×100ml)および飽和塩化ナト
リウム(1×100ml)で洗浄した。
【0061】赤褐色の溶液を無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶液をFiltrol-13(Filtrol社の酸で活性化し
た粘土)のパッドを通して濾過し、黄色の固体を得た。
このフィルトロールパッドをトルエン(100ml)で洗
浄した。トルエンを減圧下、40〜50℃で油状物が得
られるまで蒸留した。この油状物をトルエン(25ml)
で溶解し、ヘキサン(25ml)を加え、混合物をシード
して所望の生成物を沈殿させた。ヘキサン(200ml)
を加え、得られた混合物を室温で2.5日撹拌した。生
成物を濾過し、過剰のヘキサンで洗浄し、そして減圧
下、45℃で乾燥して所望の生成物を66.9%の収率
で得た(16.4g、A/N HPLC(領域標準化(a
rea normalized)高速液体クロマトグラフィー)による
アッセイで98.3%)。 母液の濃縮により6.2gの油状物を得た(A/Nアッ
セイによると41%生成物)。
【0062】実施例5 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルのN−CBZシステインメチルエステルからの調製 丸底フラスコにジメチルホルムアミド(25.0ml)中
CBZシステインメチルエステル(5.4g、20.0
mmol)、酸化銅(2.8g)、およびブロモベンゼン
(4.2ml、39.9mmol)を添加した。この混合物を
還流するまで(145±2℃)19時間加熱した。HP
LCによる分析により、N−CBZ S−フェニル−L
−システインメチルエステル25.9%とN−CBZ
S−ベンジルシステインメチルエステル6.0%が明ら
かにされた。
【0063】実施例6 N−CBZ S−フェニル−L−システインのN,N′
−ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンからの調製 ジメチルホルムアミド(20ml)中のN,N′−ビス−
ベンジルオキシカルボニルシスチン(3.81g、7.
5mmol)、銅粉末(0.95g、15.0mmol)および
ブロモベンゼン(3.32ml、4.95g、31.5mm
ol)の混合物を120℃まで19時間加熱した。得られ
た混合物を80℃まで冷却し、ジメチルホルムアミドを
減圧蒸留により80〜95℃で除去したが、ここで15
mlの蒸留液を回収した。
【0064】得られた残渣をトルエン(70ml)で希釈
し、1時間70〜75℃で撹拌した。生成物を濾過して
過剰のトルエンで洗浄した。合わせた有機相を10%水
性HCl(1×70ml)、水(2×70ml)、飽和塩化
ナトリウム(1×70ml)で洗浄し、溶液を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させた。
【0065】溶液を濾過し、ケーキを過剰のトルエンで
洗浄して有機相をロータリーエバポレーターで濃縮して
4.8gの淡褐色の油状物を得たが静置している間に凝
固した。収率96.6%、A/N HPLCによるアッ
セイで96.33%、対応するS−ベンジル酸3.67
%を含む。
【0066】相間移動触媒求核置換反応 N−保護セリンエステルメシレート(Ms)またはトシ
レート(Ts)の、対応するN−保護S−アリール−L
−システイン誘導体の調製のための、アリールチオール
を用いる相間移動触媒求核置換は、以下の代表的な実験
説明で与えられる。表1〜4は、異なる反応条件(相間
移動触媒のタイプの変化、反応化学量、塩基、および基
質を含む)を用いた種々のアルキル化反応の結果であ
る。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】実施例7 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルのN−カルボベンジルオキシ−O−p−トルエンス
ルホニル−L−セリンメチルエステルの置換による調製 1.231g(3.02mmol)のN−カルボベンジルオ
キシ−O−p−トルエンスルホニル−L−セリンメチル
エステル、無水炭酸カリウム粉末(0.626g、4.
53mmol、1.5当量)、テトラブチルホスホニウムブ
ロミド(TBPB、51mg、0.151mmol、5mol
%)、チオフェノール(0.31ml、3.02mmol)、
およびトルエンの混合物を25℃で24時間で撹拌し
た。
【0072】水(20ml)を添加して相を分離した。有
機相を水(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過した。ロータリーエバポレーターで30〜35
℃、30mmHgで濃縮して油状物を得た。減圧下、25℃
で18時間(1m2当たり0.5mmHg)この油状物を乾燥
することにより無色の固体を得た(0.986g、収率
94.6%)。
【0073】実施例8 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルのN−カルボベンジルオキシ−O−メタンスルホニ
ル−L−セリンメチルエステルの置換による調製 チオフェノール(0.31ml、0.333g、3.02
mmol)を、シリンジを通じて、N−カルボベンジルオキ
シ−O−メタンスルホニル−L−セリンメチルエステル
(1.00g、3.02mmol)、粉末化無水K2CO3
テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB、49m
g、0.151mmol、5mol%)、およびトルエン(20
ml)の懸濁物に添加した。この懸濁物を25℃で22時
間撹拌した。水(20ml)を加えて相を分離した。有機
相を20mlの水で洗浄し、10mlの酢酸エチルを加え、
硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。減圧下、35
℃、35mmHgでのロータリーエバポレーターでの濃縮に
より湿った無色の固体を得た。
【0074】この固体を塩化メチレンで溶解し、4mmシ
リカゲルクロマトロンプレート上で分離した。生成物を
ヘキサン(250ml)、ヘキサン中10%酢酸エチル
(800ml)、酢酸エチル(200ml)およびメタノー
ル(200ml)を用いて分離した。合わせた画分をロー
タリーエバポレーターで、75mmHg、30〜35℃で濃
縮した。残った油状物をヘキサンで摩砕し、固体を減圧
下で(<0.5mmHg)、7.5時間、25℃で乾燥させ
て0.255gの無色の固体を得た(クロマトグラフィ
ー収率24.5%。アッセイで98.2%R:0.50
%S)。
【0075】実施例9 N−CBZ S−フェニル−l−システインメチルエス
テルのN−カルボベンジルオキシ−O−p−トルエンス
ルホニル−L−セリンメチルエステルからの調製 12.31g(30.2mmol)のN−カルボベンジルオ
キシ−O−p−トルエンスルホニル−L−セリンメチル
エステル、6.26g(45.3mmol、1.5当量)の
無水粉末化炭酸カリウム、512mg(1.51mmol、
5.0mol%)のテトラブチルホスホニウムブロミド、
100mlのトルエン、および3.1ml(3.33g、3
0.2mmol)のチオフェノールの混合物を25℃で31
時間撹拌した。
【0076】反応の進行を液体クロマトグラフィー(L
C)で追跡した:1時間後、85%のトシレートが残
り、5時間後には55%、25時間後には4.6%、3
0時間後にはトシレートはそれ以上検出されなかった。
水(40ml)を加え、層を分離した。有機層を20mlの
水で洗浄し、トルエンの体積を減らすために大気圧で蒸
留した(浴125℃、乾燥N2下)。蒸留後に残った溶
液の重さは28.75gであった。
【0077】冷却後の溶液は少量の固体残渣(相分離後
のトルエン中に残った水からの塩)を含んでいた。これ
らの固体を重力濾過により除去した、母液を80mlのヘ
キサンでゆっくりと希釈した。沈殿物を吸引濾過し、漏
斗上で20mlのヘキサンで洗浄し、減圧下、25℃で2
2時間乾燥して8.309gの無色の固体を得た(mp.
64.7〜65.2℃、収率79.9%、光学的精製度
についてのLCアッセイ:0.1%S)。
【0078】実施例10 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルのN−カルボベンジルオキシ−O−p−トルエンス
ルホニル−L−セリンメチルエステルからの調製 30.00g(73.63mmol)のN−カルボベンジル
オキシ−O−p−トルエンスルホニル−L−セリンメチ
ルエステル、15.27g(110mmol、1.5当量)
の無水粉末化炭酸カリウム、1.249g(3.68mm
ol、5.0mol%)のテトラブチルホスホニウムブロミ
ド、150mlのトルエンおよび7.6ml(8.11g、
73.6mmol)のチオフェノールの混合物を25℃で8
日間撹拌した。
【0079】水(75ml)を添加して層を分離させた。
有機層を75mlの水で洗浄し、トルエンの体積を減らす
ために減圧下で蒸留した(125℃の加熱浴、乾燥N2
下)。蒸留後に残っている溶液の重さは41.6gであ
った。
【0080】残った油状物を100mlのヘキサンで希釈
した。沈殿物を吸引濾過し、漏斗上で75mlのヘキサン
で洗浄し、次いで25℃で19時間減圧下で乾燥させて
22.75gの無色の固体を得た(収率89.5%、光
学的精製度についてのLCアッセイ:0.5%S、化学
的精製度についてのLCアッセイ:97.9%)。
【0081】実施例11 N−CBZ S−(3−メトキシフェニル)−L−シス
テインメチルエステルのN,N′−ビス−ベンジルオキ
シカルボニルシスチンジメチルエステルおよび3−ブロ
モアニソールからの調製 出発材料、N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニル
シスチンジメチルエステル(3.0g、5.6mmol)を
無水DMFに溶媒比10:1で溶解した。この溶液に、
2.0当量の銅粉末(0.71g、11.2mmol)およ
び4.0当量の3−ブロモアニソール(4.1g、2
2.3mmol)を添加し、混合物を120〜130℃に加
熱した。一晩撹拌した後、反応混合物をHPLCで検査
して<5%の出発材料を有することを測定した。反応混
合物を冷却し、DMFならびにほとんどの過剰な3−ブ
ロモアニソールを減圧下で除去した。粗生の混合物を1
0容量のトルエンで溶解し、銅と銅の塩を濾過により除
去した。
【0082】濾液を30mlの50:50混合物(10%
NH4OH、15%w/wNH4Cl)で1回、次いで飽和
ブラインで1回洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、粗
生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し
て淡黄色の油状物を得た;収量2.73g(65%)。
【0083】実施例12 N−CBZ S−(2−(6−メトキシナフタレニ
ル))−L−システインメチルエステルの、N,N′−
ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンジメチルエス
テルおよび2−ブロモ−6−メトキシナフタレンからの
調製 N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンジ
メチルエステル(2.75g、5.12mmol)を無水D
MFに溶媒比10:1で溶解した。この溶液に、2.0
当量の銅粉末(0.65g、10.2mmol)および4.
37当量の2−ブロモ−6−メトキシナフタレン(5.
3g、22.4mmol)を添加し、この混合物を120〜
130℃に加熱した。一晩撹拌した後、反応混合物を完
了についてHPLCで検査して<5%の出発材料を有す
ることを測定した。反応混合物を冷却してDMFを減圧
下で除去した。粗生の混合物を10容量のトルエンで溶
解し、銅および銅の塩を濾過により除去した。
【0084】濾液を30mlの50:50混合物(10%
NH4OH、15%w/wNH4Cl)で1回、次いで飽和
ブラインで1回洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、粗
生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し
て明褐色の油状物を得た;1.96g(45%)。
【0085】実施例13 N−CBZ S−(3−ピリジル)−L−システインメ
チルエステルのN,N′−ビス−ベンジルオキシカルボ
ニルシスチンジメチルエステルおよび3−ブロモピリジ
ンからの調製 N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンジ
メチルエステル(3.0g、5.6mmol)を無水DMF
に溶媒比10:1で溶解した。この溶液に、2.0当量
の銅粉末(0.71g、11.2mmol)および4.0当
量の3−ブロモピリジン(3.5g、22.3mmol)を
添加し、この混合物を120〜130℃に加熱した。一
晩撹拌した後、反応混合物をHPLCで検査して<5%
の出発材料を有することを測定した。反応混合物を冷却
してDMFを減圧下で除去した。粗生の混合物を10容
量のトルエンで溶解し、銅および銅の塩を濾過により除
去した。
【0086】濾液を30mlの50:50混合物(10%
NH4OH、15%w/wNH4Cl)で1回、次いで飽和
ブラインで1回洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、粗
生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し
て赤褐色の油状物を得た;2.05g(53%)。
【0087】実施例14 N,N′−ビス−(3−アセトキシ−2−メチルベンゾ
イル)−シスチンジメチルエステルのシスチンジメチル
エステルヒドロクロリドと3−アセトキシ−2−メチル
ベンゾイルクロリドからの調製 シスチンジメチルエステルヒドロクロリド(5.36
g、0.0157mol)、3−アセトキシ−2−メチル
ベンゾイルクロリド(6.67g、0.0314mol)
およびトリエチルアミン(6.35g、0.0628mo
l)をジクロロメタン(50ml)に溶解し、得られた混
合物を大気温で一晩撹拌した。有機層を2N塩酸(2×
20ml)で、次いで水(2×20ml)で洗浄した。
【0088】有機層をMgSO4で乾燥させてロータリ
ーエバポレーターで濃縮して淡黄色の固体を得た。固体
を100mlのトルエンで磨砕することにより淡黄色の結
晶性固体を得、それを濾過によって単離して50℃(減
圧下)で乾燥させてN,N′−ビス−(3−アセトキシ
−2−メチルベンゾイル)−シスチンジメチルエステル
を得た(4.30g、収率44.1%)。第2収穫物
を、母液のシリカゲルクロマトグラフィーにより、酢酸
エチル中50%塩化メチレンで溶出させて得た。
【0089】実施例15 N−(3−アセトキシ−2−メチルベンゾイル)−S−
フェニル−L−システインメチルエステルの、N,N′
−ビス−(3−アセトキシ−2−メチルベンゾイル)−
シスチンジメチルエステルとブロモベンゼンからの調製 オーバーヘッドスターラーを備え付けた窒素雰囲気下の
50ml容の三口丸底フラスコにN,N′−ビス−(3−
アセトキシ−2−メチルベンゾイル)−シスチンジメチ
ルエステル(4.3g、0.00693mol)、ブロモ
ベンゼン(6.5g、4.4ml、0.0416mol)、
銅(0.92g、0.0145mol)、およびジメチル
ホルムアミド(25ml)を添加した。得られた混合物を
120±3℃で19時間加熱した。
【0090】揮発性物質を80〜85℃、減圧下のロー
タリーエバポレーターでの蒸留により除去し褐色の残渣
を得た。この残渣を30mlのジクロロメタンに溶解し、
3N塩酸(20ml)で洗浄し、次いで、水(2×20m
l)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥して濾過し、
ロータリーエバポレーターで濃縮して淡黄色の固体を得
た(3.6g、収率53%)。
【0091】実施例16 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルのN,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシス
チンジメチルエステルからの銅粉末と触媒的CuBr2
とを用いる調製 N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシスチンジ
メチルエステル(84.00g、7.45mmol)、銅粉
末(4.72g、74mmol)、臭化第二銅(CuB
2、1.84g、8.23mmol)、フェニルブロミド
(2.4ml、22.7mmol)およびジメチルホルムアミ
ド(24ml)を50ml容丸底フラスコ内で合わせた。得
られた撹拌した混合物を、予め加熱してあった140℃
の油浴に3時間浸した。
【0092】HPLC分析は、1.5%の出発材料が残
っていることを示した。ジメチルホルムアミドを120
℃、50mmHgでの蒸留により除去した。残渣を15mlの
トルエンで希釈し、セラトム(珪藻土)のパッドを通し
て濾過して固体を除去した。濾液を30mlの1M HCl
で2回、30mlの水で1回洗浄した。トルエンを減圧下
でロータリーエバポレーターで除去した。
【0093】残渣を約5mlのトルエンに溶解し、ヘキサ
ン(50ml)をゆっくりと40℃で添加することにより
結晶化させ、沈殿を開始させた。混合物を大気温まで冷
却し、濾過して生成物を20mlのヘキサンで洗浄した。
固体を減圧下、50℃で乾燥して3.05gの灰白色の
固体を得た(収率59%)。m.p.61.9〜63.5
℃。
【0094】実施例17 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルの、N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシ
スチンジメチルエステルからの銅粉末と触媒的CuBr
2とを用いる調製 窒素でパージし、コンデンサーを備え付けた25ml容の
二口丸底フラスコに、N,N′−ビス−ベンジルオキシ
カルボニルシスチンジメチルエステル(2.0g、3.
73mmol)、銅粉末(0.5g、7.87mmol)、ジメ
チルホルムアミド(10ml)およびフェニルブロミド
(2.0ml、1.34g、8.54mmol)を添加した。
【0095】得られた撹拌された混合物を115〜12
5℃に22時間加熱した。臭素2滴を反応に加え、得ら
れた混合物を、さらに22時間加熱したが、このとき出
発材料は残っていなかった。HPLC分析は88.4%
の所望の生成物であるN−CBZ S−フェニル−L−
システインメチルエステルを明らかにした。
【0096】実施例18 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルのN,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシス
チンジメチルエステルからの調製 温度計、メカニカルスターラー、および窒素引入口を備
えた250ml容の丸底フラスコに、N,N′−ビス−ベ
ンジルオキシカルボニルシスチンジメチルエステル(1
3.25g、0.025mol)、銅粉末(4.0g、
0.0625mol)および臭化銅(II)(0.34g、
0.00152mol)を添加した。この混合物に、ブロ
モベンゼン(31.6ml、0.3mol)およびジメチル
スルホキシド(67ml、4Aシーブで乾燥)を添加し
た。
【0097】撹拌した内容物を130℃まで1時間15
分加熱したが、このとき出発材料は残っていなかった。
HPLCによる分析は、94.3%N−CBZ S−フ
ェニル−L−システインメチルエステルを示し出発材料
は示さなかった。得られた混合物を120℃までさらに
18時間冷却し、反応の完了を分析した。
【0098】HPLC分析は、81.7%N−CBZ
S−フェニル−L−システインメチルエステル、3.9
%ベンジルアルコール、4.2%ジフェニルスルフィド
および3.4%N−CBZ S−フェニル−L−システ
インベンジルエステルを示した。
【0099】実施例19 N−CBZ S−フェニル−L−システインメチルエス
テルの、N,N′−ビス−ベンジルオキシカルボニルシ
スチンジメチルエステルからの調製 温度計、メカニカルスターラー、および窒素引入口を備
えた250ml容の丸底フラスコに、N,N′−ビス−ベ
ンジルオキシカルボニルシスチンジメチルエステル
(6.7g、0.013mol)、銅粉末(2.0g、
0.0315mol)および臭化銅(II)(0.2g、
0.895mmol)を添加した。この混合物に、ブロモベ
ンゼン(15.8ml、23.56g、0.15mol)お
よびジメチルスルホキシド(33ml、4Aシーブで乾
燥)を添加した。
【0100】撹拌した内容物を100℃まで18時間加
熱し、反応の完了についてサンプル摂取した。HPLC
による分析は、88.8%のN−CBZ S−フェニル
−L−システインメチルエステルを示し、出発材料は示
さなかった。得られた混合物を室温まで冷却し、反応の
完了について分析した。
【0101】HPLC分析は、88.8%のN−CBZ
S−フェニル−L−システインメチルエステル、2.
5%ベンジルアルコール、0.5%メチルカルバメー
ト、2.1%ジフェニルスルフィド、および1.2%ジ
フェニルジスルフィドを示した。
【0102】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、S−アリールシステインから誘導され
た部分を含むHIVプロテアーゼ阻害剤の代表的な化合
物を示す。
【図2】図2は、シスチンからS−アリールシステイン
化合物を調製するための本発明の1つの実施態様を例示
する。
【図3】図3は、システインを用いてS−アリールシス
テイン化合物を調製するための本発明の1つの実施態様
を例示する。
【図4】図4は、セリンを用いてS−アリールシステイ
ン化合物を調製するための本発明のさらに別の実施態様
を例示する。
フロントページの続き (72)発明者 リチャード・アール・ダウアー アメリカ合衆国、コロラド 80503、ロン グモント、ニブリック・ドライブ 4075 (72)発明者 ピーター・ジョン・ハリントン アメリカ合衆国、コロラド 80027、ルー イビル、トレイル・リッジ・ドライブ 862 (72)発明者 デイブ・エー・ジョンストン アメリカ合衆国、コロラド 80027、ルー イビル、イーグル・コート 1037 (72)発明者 ハイララル・エヌ・カトリ アメリカ合衆国、コロラド 80027、ルー イビル、ウェスト・ライラック・コート 638 (72)発明者 ゲーリー・ケー・ロウ アメリカ合衆国、コロラド 80123、リト ルトン、ダブリュ・ウィーバー・アベニュ ー 6457 (72)発明者 ロバート・ジェイ・トッピング アメリカ合衆国、コロラド 80503、ロン グモント、カントリー・クリーク・ドライ ブ 7729

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 (式中、Mは、金属であり、P1は、Hまたはアミノ保
    護基であり;そしてP2は、Hまたはカルボン酸保護基
    である)のチオレートをハロゲン化アリールと接触させ
    る工程を含む、S−アリール−L−システインの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 P1がアミノ保護基である、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 P1がカルボベンジルオキシである、請
    求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 P2がカルボキシ保護基である、請求項
    1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 P2がメチルである、請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 Mが銅である、請求項1〜5のいずれか
    1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 該ハロゲン化アリールがフェニルブロミ
    ドである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
    アミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルアセトアミ
    ド、ジメチルブチルアミド、およびN−メチル−2−ピ
    ロリドンからなる群から選択される反応溶媒をさらに含
    む、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 該チオレートが、場合により保護された
    形態のシステインまたはシスチンを、金属、金属酸化
    物、金属塩、およびそれらの混合物からなる群から選択
    されるカップリング剤と、所望ならば酸化剤の存在下
    で、接触させる工程を含む方法によって製造される、請
    求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 出発化合物がシスチンであり、そして
    場合により臭化第二銅および/または臭化第一銅と組み
    合わせたカップリング剤が銅である、請求項9記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 臭素が酸化剤として存在する、請求項
    10記載の方法。
  12. 【請求項12】 出発材料がシステインであり、そして
    カップリング剤が金属酸化物、好ましくは酸化銅であ
    る、請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 式: 【化2】 (式中、Xは、ハロゲン原子、メシルオキシ基またはト
    シルオキシ基であり、P1は、アミノ保護基であり;そ
    してP2は、カルボキシ保護基である)の化合物を、塩
    基の存在下でアリールチオールと接触させる工程を含
    む、約96%より多いエナンチオマー過剰のS−アリー
    ルシステインの製造方法。
  14. 【請求項14】 相間移動触媒の存在をさらに含む、請
    求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 該相間移動触媒が、TCMC、TBA
    B、およびTBPBからなる群から選択される、請求項
    14記載の方法。
  16. 【請求項16】 該アミノ保護基が、メチルカルバメー
    トおよびカルボベンジルオキシからなる群から選択され
    る、請求項13〜15のいずれか1項記載の方法。
  17. 【請求項17】 該カルボキシ保護基がメチルエステル
    基である、請求項13〜16のいずれか1項記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 該塩基が水酸化ナトリウム、重炭酸ナ
    トリウム、および炭酸カリウムからなる群から選択され
    る、請求項13〜17のいずれか1項記載の方法。
  19. 【請求項19】 トルエン、酢酸エチルおよびそれらの
    混合物からなる群から選択される溶媒をさらに含む、請
    求項13〜18のいずれか1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか1項記載の
    方法により製造された全ての場合での96%より多いエ
    ナンチオマー過剰のS−アリール−L−システイン。
  21. 【請求項21】 N,N′−ビス−(3−アセトキシ−
    2−メチルベンゾイル)−シスチンジメチルエステル。
  22. 【請求項22】 N−(3−アセトキシ−2−メチルベ
    ンゾイル)−S−フェニル−L−システインメチルエス
    テル。
  23. 【請求項23】 N,N′−ビス−メチルカルバモイル
    シスチンジメチルエステル。
  24. 【請求項24】 N−メチルカルバモイル−S−フェニ
    ル−L−システインメチルエステル。
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