JP2000034173A - 複合焼結体の製造方法 - Google Patents

複合焼結体の製造方法

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JP2000034173A
JP2000034173A JP10212043A JP21204398A JP2000034173A JP 2000034173 A JP2000034173 A JP 2000034173A JP 10212043 A JP10212043 A JP 10212043A JP 21204398 A JP21204398 A JP 21204398A JP 2000034173 A JP2000034173 A JP 2000034173A
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sintered body
pressing
sintering
composite sintered
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JP10212043A
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Shotaro Miyake
正太郎 三宅
Yukio Kubota
幸雄 久保田
Tsuneo Hiraide
恒男 平出
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加圧方向と直交する方向に層が接合され、熱応
力によるクラックの発生等のない複合焼結体の製造方法
を提供する。 【解決手段】組成の異なる材料からなる複数の層が焼結
時の押圧方向と直交する方向に接合されるように材料を
型内に充填し、材料を放電プラズマ焼結法により焼結し
て複合焼結体を製造する際に、焼結工程において前記層
ごとに圧縮比を変えて押圧する。押圧面は層ごとに同心
円状に分割されていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は複合焼結体、特に異
なる複数の層が焼結時の押圧方向と直交する方向に接合
された複合焼結体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、異種材料からなる複合焼結体が開
発され、かかる複合焼結体は従来2物質を接着していた
部品の代替や、強度と靱性を併せ持つ生体材料等への応
用等、多様な分野への適用が展開されていた。このよう
な複合焼結体の製造方法としては、例えば放電プラズマ
焼結法(SPS)が挙げられる。
【0003】放電プラズマ焼結法は加圧焼結法の一種で
あり、焼結材料内部からの自己発熱作用を利用した焼結
法である。放電による直接発熱方式によるため、極めて
熱効率に優れ、簡便かつ短時間で均質高品位の焼結体
(焼結接合体)が容易に得られるという特長がある。
【0004】また、放電プラズマ焼結法(SPS)のよ
うな一軸荷重焼結法は、一般に円筒状のスリーブに円柱
状の押圧子(パンチ)を用いて加圧しながら焼結する方
法であり、材料または気孔率あるいは密度の異なる層が
加圧方向に順次接合された複合焼結体を容易に製造する
ことができる。
【0005】しかし、例えば、大中小の円筒形状の焼結
体が加圧方向と直交する方向に同心円状に接合された複
合焼結体の場合、これをSPS法により作製することは
困難であった。
【0006】このような複合焼結体の製造方法として
は、例えば、層ごとに焼結体を作製し、これらを組合わ
せて焼結・接合させる方法が挙げられる。しかし、この
方法では製造工程が多く煩雑であった。
【0007】また、別々に作製された焼結体を焼き嵌め
等により接合させる方法が挙げられる。しかし、かかる
方法によれば、同心円の外側部分の収縮量が中心部分よ
りも大きくなるように調節しなければならない。このた
め、外側部分が内側部分よりも密度が小さいものしか製
造することができなかった。
【0008】さらに、各焼結体の嵌合部分の形状を熱に
よる寸法変化等を考慮して設定しなければならず、各焼
結体の密度、寸法の調整等が困難であった。さらに嵌め
合いが可能である焼結体の形状には制限があった。
【0009】一方、熱間等方加圧焼結法(HIP)によ
り、複数の層が同心円状に配置された多重構造の焼結体
を製造する方法が提案されている。しかし、この方法に
よれば、材料の熱膨張係数の相違や残留応力等により焼
結体に割れが生じる等の問題がある等、加圧方向と異な
る方向、例えば加圧方向に直交する方向に層が接合され
た複合焼結体を簡易にかつ良好に製造することは困難で
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加圧
方向と直交する方向に層が接合された複合焼結体であっ
て、層間に作用する熱応力を緩和することができる複合
焼結体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0012】(1) 組成の異なる材料からなる複数の
層が焼結時の押圧方向と直交する方向に接合されるよう
に前記材料を型内に充填する工程と、前記材料を放電プ
ラズマ焼結法により焼結する工程とを有する複合焼結体
の製造方法において、前記焼結工程において前記層ごと
に圧縮比を変えて押圧することを特徴とする複合焼結体
の製造方法。
【0013】(2) 前記押圧は押圧面を分割して行わ
れる上記(1)に記載の複合焼結体の製造方法。
【0014】(3) 前記押圧面は前記層ごとに分割さ
れている上記(2)に記載の複合焼結体の製造方法。
【0015】(4) 前記押圧面は同心円状に分割され
ている上記(2)または(3)に記載の複合焼結体の製
造方法。
【0016】(5) 前記焼結工程の前に圧粉体を形成
する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の複合焼
結体の製造方法。
【0017】(6) 前記圧粉体は前記層ごとに形成さ
れる上記(5)に記載の複合焼結体の製造方法。
【0018】(7) 前記圧粉体の形成は一軸成形法に
よる上記(5)または(6)に記載の複合焼結体の製造
方法。
【0019】(8) 前記材料はセラミックスおよび金
属材料のうち少なくとも一方である上記(1)ないし
(7)のいずれかに記載の複合焼結体の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合焼結体の製造
方法を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説
明する。
【0021】図1は、本発明の複合焼結体の製造方法に
用いられる成形型および材料充填治具の縦断面図、図2
〜図10は、本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施
形態を示す縦断面図である。
【0022】図1に示す成形用型1は、複合焼結体を構
成する材料を収容可能な中空部21を有する円筒形状の
外型2と、焼結材料を押圧するための押圧子3aと第2
の押圧子3bからなる一対の押圧子とを備えている。第
2の押圧子3bは2重構造であり、環状押圧部材31と
柱状押圧部材32とから構成されている。
【0023】まず、成形用型1内に材料5aを充填す
る。充填は図1に示すように材料充填治具8を用いて行
われる。これにより、材料5aは突起部82の周囲に環
状に充填される。
【0024】材料充填治具8は、外型2の中空部21に
嵌合可能な嵌合部81と、中空部21に挿入可能な突起
部82とから構成されている。嵌合部81と突起部82
とはともに断面形状が円形であって同心円状に設けられ
ている。材料充填治具8の構成材料としては特に限定さ
れず、例えば金属等が挙げられる。
【0025】外型2には同心円状に中空部21が形成さ
れており、内周面には導電性を有するカーボンシート7
が設けられている。これにより材料5aと中空部21の
内周面との間にクッション材として介在するため、材料
5aに含まれる金属材料が外型2を構成するカーボンと
反応し、内周面に固着すること等を防止することができ
る。さらに、焼結時に各押圧子が外型2の内周面に食い
つくことを防止し、円滑に摺動させることができる。
【0026】外型2の構成材料としては、放電プラズマ
焼結に好適な導電性材料であることが好ましく、例え
ば、超硬金属、超硬合金、炭素系材料等が挙げられ、な
かでも炭素系材料がより好ましい。
【0027】図2に示すように、嵌合部81を中空部2
1に嵌合させて材料充填治具8が外型2に取り付けられ
る。突起部82の表面は、圧粉体からの離型性を良好に
保つためテフロンシート88で被覆されている。
【0028】次に、図3に示すように、材料充填治具8
が取付けられた外型2に材料5aが充填される。
【0029】材料5aとしては、SUS304等のステ
ンレス鋼系材料、Al、Al系合金、Ti、Ti合金等
の非鉄金属系金属材料等、その他の殆どの金属材料が挙
げられる。さらに、Al23 等の酸化物系セラミック
ス、SiC等の炭化物系セラミックス、TaN等の窒化
物系セラミックス、TiB2 等の硼化物系セラミック
ス、LiF等のフッ化物系セラミックス、ハイドロキシ
アパタイト等のリン酸カルシウム系セラミックス等のセ
ラミックス系材料、サーメット系化合物材料、金属間化
合物系材料、有機系材料等が挙げられ、これらを1種ま
たは2種以上を混合して用いることができるが、なかで
もセラミックスおよび金属材料のうち少なくとも一方で
あることがより好ましい。
【0030】また、外型2に充填される材料5aの形態
は、粉状物、ブロック体等の塊状物等いかなるものでも
よいが、充填量の調節の容易さ等から粉状物がより好ま
しい。粉状物の場合、平均粒径1〜100μm程度のも
のが好ましく用いられる。
【0031】次に、図4および図5に示すように環状に
充填された材料5aを環状の圧縮用押圧子91により圧
縮し、材料5aからなる圧粉体51aを形成する。予め
圧粉体51aを形成することにより、焼結体の強度およ
び接合力をより向上させ、また、気孔率、気孔径等をよ
り精度よく制御することができる。
【0032】さらに、層ごとに圧粉体を形成すれば、層
ごとに上記焼結体の強度等を調整することができるとと
もに、押圧方向と直交する方向に積層構造を構成するこ
とが容易になる。
【0033】圧粉体51a形成時の押圧力は、材料5a
の種類、形態等に応じて適宜選択されるが、100〜5
00kgf/cm2 の範囲であることが好ましい。
【0034】圧縮用押圧子91は、外型2の中空部21
に摺動可能に嵌合する環状体であって、その中心軸に対
し同心円状に中空部910が形成されている。中空部9
10は材料充填治具8の突起部82を摺動可能に嵌合す
るよう形成されている。これにより材料5aを圧縮し、
環状の圧粉体51aを形成することができる。圧縮用押
圧子91の構成材料としては、例えば金属製のものが用
いられる。
【0035】圧粉体51aを形成する方法としては特に
限定されず、押圧子を用いた一軸成形法の他、例えば冷
間等方加圧法(CIP)、熱間等方加圧法(HIP)等
が挙げられるが、一軸成形法がより好ましい。一軸成形
法は製造方法が単純でかつ最も量産性に優れている。
【0036】なお、材料5aがブロック体である場合、
圧粉体を形成する工程を省略することができる。
【0037】圧粉体51aを形成後、図5に示すように
材料充填治具8を柱状形状の第1の押圧子3aに交換す
る。これにより圧粉体51aの中空部に新たな材料を充
填することが可能となる。
【0038】第1の押圧子3aは、外型2の中空部21
に嵌合可能な柱状体で構成されている。第1の押圧子3
aの構成材料としては、外型2と同様のものが挙げら
れ、焼結に適したものが好ましく用いられ、例えば、超
硬金属、超硬合金、炭素系材料等が挙げられるが、炭素
系材料がより好ましい。
【0039】次に、図6に示すように圧縮用押圧子91
の中空部910から、さきに充填した材料5aと粒度や
材質の異なる材料5bを充填する。材料5bとしては、
材料5aと同様のものが挙げられるが、なかでもセラミ
ックスおよび金属材料のうち少なくとも一方であること
がより好ましい。
【0040】材料5bの形態は、粉状物、ブロック体等
の塊状物等いかなるものでもよいが、充填量の調節の容
易さ等から粉状物がより好ましい。粉状物である場合、
平均粒径1〜100μm程度のものが好ましく用いられ
る。
【0041】そして、図7に示すように柱状の圧縮用押
圧子92により材料5bを圧縮し、図8に示すような圧
粉体51bを作製する。圧縮用押圧子92は、圧縮用押
圧子91の中空部910に嵌入可能な形状の柱状体であ
って、例えば金属材料から構成されている。
【0042】圧粉体51b形成時の押圧力は、材料5b
の種類、形態等に応じて適宜選択されるが、100〜5
00kgf/cm2 の範囲であることが好ましい。
【0043】なお、材料5bがブロック体である場合、
圧粉体を形成する工程を省略することができる。
【0044】材料5aおよび5bのうち少なくとも一方
は粉体であることが好ましい。隣接する材料が双方とも
ブロック体等の固体である場合、固体は圧縮比の調整の
幅が狭いため、層ごとに焼結体の密度を調整することに
よる熱応力の緩和が十分に行ない得ない場合がある。
【0045】なお、圧粉体51bを形成する方法として
は圧粉体51aを形成する場合と同様の方法が挙げられ
るが、一軸成形法がより好ましい。
【0046】以上のようにして、組成の異なる材料5
a、5bからなる層が焼結時の押圧方向(圧縮方向)と
直交する方向に接合されるように外型2内に充填され
る。
【0047】次に、図9に示すように圧縮用押圧子9
1、92を環状押圧部材31および柱状押圧部材32に
交換する。
【0048】環状押圧部材31は、図1に示すようにそ
の中心軸に対し同心円状に中空部310が形成されてい
る。柱状押圧部材32は円柱形状で、環状押圧部材31
の中空部310に摺動可能に嵌合するよう形成されてい
る。
【0049】環状押圧部材31は押圧面315により圧
粉体51aを押圧し、柱状押圧部材32は押圧面325
により圧粉体51bを押圧するように配置される。この
ように押圧面が層ごとに分割されるように構成すること
により、層(圧粉体)毎に圧縮比を変えて押圧すること
が容易となる。
【0050】したがって、例えば、熱膨張係数が大きく
異なる材料からなる層が接合する複合焼結体を作製する
場合、熱膨張係数の大きい材料の圧縮比を小さく、熱膨
張係数の小さい材料の圧縮比を大きくすることで熱応力
の緩和を図り、層間の接合強度の向上およびクラックの
発生等を防止することができる。また、複合焼結体の焼
結後の形状も精度よく制御することが可能になる。
【0051】また、押圧面を同心円状に分割して被焼結
物(圧粉体)を押圧・焼結することにより、加圧方向と
直交する方向(径方向)における温度および圧力分布に
関し均一にすることができ、より優れた複合焼結体を作
製することができる。
【0052】押圧子を交換し、成形用型1を放電プラズ
マ焼結用装置にセットした後、放電プラズマ焼結法によ
り焼結し複合焼結体を製造する。
【0053】焼結系内は、被焼結物の酸化等を抑制する
ために真空状態または不活性ガス雰囲気とされることが
好ましい。
【0054】圧粉体51aと圧粉体51bとを相異なる
圧縮比で押圧するように環状押圧部材31および柱状押
圧部材32を制御する方法としては、例えば、図9およ
び図10に示すように環状押圧部材31と柱状押圧部材
32とを相異なる長さ(突出量)とし、これにより押圧
部材ごとに押込み量を調節し、圧粉体の圧縮量を変化さ
せる方法が挙げられる。
【0055】本実施形態では、外型2からより上方に突
出した柱状押圧部材32を図示しない固定部材により固
定する。この状態で、第1の押圧子3a側から押圧し、
環状押圧部材31と柱状押圧部材32とがほぼ同じ高さ
になるまで圧縮すると、柱状押圧部材32による圧粉体
51bの押込み量(圧縮比)は、環状押圧部材31によ
り押圧される圧粉体51aの押込み量よりも多くなる。
【0056】したがって、柱状押圧部材32により押圧
された焼結体の密度の増加量は、環状押圧部材31によ
り押圧された焼結体よりも大きくなる。このような方法
によれば、各押圧部材の突出量(長さ)を調節すること
により、各焼結体の密度差を設定することができる。
【0057】また、他の方法としては、各押圧部材を別
々の加圧ラム等により駆動し、例えば、環状押圧部材3
1と柱状押圧部材32とが独立して圧縮比が異なるよう
に押圧する方法等が挙げられる。この場合、各層の圧縮
比は押圧部材の長さによらず、加圧ラムの制御により調
整される。
【0058】放電プラズマ焼結は、第1の押圧子3a、
第2の押圧子3bおよび外型2を通してパルス電圧を印
可し、圧縮通電系を加熱する。焼結系の温度が所定温度
に達したらかかる温度で一定時間保持し、焼結接合体1
0を作製する。焼結温度としては300〜2000℃、
焼結時間は2〜30分、押圧力は300〜1000kgf/
cm2 程度とすることが好ましい。
【0059】放電プラズマ焼結法は、圧粉体粒子間隙に
直接パルス状の電気エネルギーを投入し、火花放電によ
り瞬時に発生する高温プラズマの高エネルギーを熱拡散
・電界拡散等へ効果的に応用することで、ホットプレス
法等に比べ、昇温、保持時間を含め、数分〜数十分の短
時間で焼結あるいは焼結接合を可能とする。また、放電
点の分散による均等加熱により、均質で接合強度に優れ
た高品位の複合焼結体を容易かつ高効率で製造すること
ができる。
【0060】また、このような方法によれば、材料の充
填、圧粉体化および焼結を1つの外型2内で行うことが
可能であり、工程が簡略化され製造コストの低減を図る
ことも可能である。
【0061】以上のような方法により、図11および図
12に示すように高密度焼結体103と低密度焼結体1
05からなる同心円状に二層構造の複合焼結体10が得
られる。
【0062】図13は本発明の複合焼結体の製造方法の
第2実施形態に用いられる材料充填治具および成形用型
を示す縦断面図である。
【0063】本実施形態において製造される複合焼結体
は、異なる材料からなる層が同心円状に3層積層された
構造である点で、図1〜図10に示される第1実施形態
と異なる。以下、主に第1実施形態と異なる点について
説明し、同一の事項および同一部材には同一符号を付
し、その説明は省略する。
【0064】3層構造の複合焼結体を製造する場合、材
料充填用治具8aおよび8bが用いられる。材料充填用
治具8aおよび8bは第1実施形態で用いられる材料充
填治具8と同様のものを使用することができ、各突起部
82aおよび82bは、材料充填治具8と同様、離型性
の向上を図るためにテフロンシート88で被覆されてい
る。
【0065】第1実施形態の場合と同様にして圧粉体5
1aを形成した後、図14に示すように、材料充填治具
8bを用いて材料5aと異なる材料5bを充填する。材
料充填治具8bにより材料5bは圧粉体51aと同心円
状に環状に充填される。
【0066】次に、図15に示すように材料5bを環状
の圧縮用押圧子93により圧縮し圧粉体51bを形成す
る。
【0067】そして、第1実施形態の場合と同様に材料
充填治具8bを第1の押圧子3aに交換した後、圧粉体
51bの中空部に材料5bと異なる材料5cを充填し、
柱状の圧縮用押圧子(図示せず)により押圧し圧粉体5
1cを形成する。
【0068】最後に、図16に示すように環状押圧子3
11、312および柱状押圧子32からなる第2の押圧
子3bを用いて、各層(圧粉体)ごとに圧縮比を変えて
押圧しながら、放電プラズマ焼結法により各圧粉体51
a、51b、51cを焼結し、図17に示すような複合
焼結体10を作製する。
【0069】以上、本発明の複合焼結体の製造方法を図
示の各実施形態について説明したが、本発明はこれらに
限定されるものではなく、例えば型への材料の充填は、
外層側から充填するものに限られず、内層側から充填す
るものであってもよい。
【0070】また、圧粉体形成時と焼結時に用いられる
押圧子を1つの押圧子で行なってもよい。
【0071】さらに、本発明の方法により製造される複
合焼結体は、同心円状に層が接合されたものに限られ
ず、例えば、図18に示すように2つの異なる焼結体1
04a、104bが偏心して接合されたものや、図19
に示すように4つの異なる焼結体(109a〜109
d)が接合された構造の複合焼結体であってもよい。
【0072】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0073】(実施例1)材料として、ハイドロキシア
パタイト粉末(平均粒径:40μm)2.5g、Ti粉
末(平均粒径:22μm)2.75gを使用し、図1に
示す材料充填治具および成形用型を用いて、図2〜図1
0に示す工程により複合焼結体を作製した。
【0074】まず、外径40mm、内径18mm、高さ50
mmのカーボン製外型2の中空部21の一端側に、材料充
填治具8を嵌入した(図2)。
【0075】次に中空部21から材料5aとしてハイド
ロキシアパタイト粉末を装入した(図3)。
【0076】金属製圧縮用押圧子91を使用して、ハイ
ドロキシアパタイト粉末を圧縮し圧粉体51aを形成し
た(図4)。このときの圧縮力は、300kgf/cm2 であ
った。
【0077】材料充填用治具8を第1の押圧子3aに交
換し(図5)、圧縮用押圧子91の中空部910から材
料5bとしてTi粉末を装入した(図6)。
【0078】Ti粉末を金属製の圧縮用押圧子92で圧
縮し、圧粉体51bを形成した(図7、図8)。
【0079】圧縮用押圧子91、92を外径18mm、内
径10mm、高さ25mmのカーボン製の環状押圧部材31
および外径10mm、高さ10mmのカーボン製の柱状押圧
部材32に交換して(図9)、放電プラズマ焼結装置
(住友石炭鉱業(株)製SPS−510L)にセッティ
ングし、焼結系内を真空状態とした。
【0080】環状押圧子31よりも柱状押圧子32が上
方に突出していた状態から、両者がほぼ同じ高さになる
まで第1の押圧子3a側から押圧力350kgf/cm2 で圧
粉体51aおよび51bを押圧し、パルス電圧(パルス
条件=12:2)を印可して圧縮通電系を加熱し焼結を
行った。
【0081】焼結条件は、焼結温度:950℃、焼結時
間(保持時間):5分とし、内側のTi圧粉体の圧縮比
が外側のハイドロキシアパタイト圧粉体の圧縮比よりも
大きくなるように押圧した。
【0082】上記の条件で焼結を行い(図10)、図1
1および図12に示すような複合焼結体10を得た。
【0083】実施例で製造された複合焼結体10は、同
心円状に外層がハイドロキシアパタイトからなる低密度
焼結体105、内層がTiからなる高密度焼結体103
から構成されるものであった。
【0084】焼結体103、105は、各々良好な焼結
状態で、ひび割れ、欠け等はみられず、両焼結体は互い
に強固に接合されていた。
【0085】さらに、製造された複合焼結体10は、内
層(Ti)と外層(ハイドロキシアパタイト)とでは熱
膨張係数が各々異なるが、熱膨張係数のより大きいハイ
ドロキシアパタイト層をTi層よりも圧縮比が小さくな
るように押圧しながら焼結したことにより、各層の熱膨
張または収縮による体積変化が調整されて熱応力が均一
化し、加熱・冷却が繰り返される環境下においても熱応
力によるクラック、欠け等がみられなかった。
【0086】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の複合焼結体
の製造方法によれば、異なる材料からなる層が押圧方向
と直交する方向に接合された複合焼結体を容易に作製す
ることができる。さらに各層の焼結・接合が均一かつ均
質で高品位の複合焼結体が得られる。
【0087】さらに、層ごとに圧縮比を変えて押圧する
ため、熱膨張係数の差によって生じる熱応力を緩和する
ことができ、クラック、欠けの発生等を防止することが
できる。
【0088】したがって、従来の方法では得られなかっ
た材料の組み合わせからなる複合焼結体を製造すること
ができ、材料設計の自由度が飛躍的に増大し、耐熱部
材、各種反応器、生体材料等として化学工業、機械工
業、医療、電子機器等多岐にわたる分野において幅広い
応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合焼結体の製造方法で用いられる成
形型および材料充填治具の縦断面図である。
【図2】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図3】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図4】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図5】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図6】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図7】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図8】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図9】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形態
を示す縦断面図である。
【図10】本発明の複合焼結体の製造方法の第1実施形
態を示す縦断面図である。
【図11】本発明の複合焼結体の製造方法により製造さ
れた複合焼結体の横断面図である。
【図12】図11に示す複合焼結体の縦断面図である。
【図13】本発明の複合焼結体の製造方法の第2実施形
態で用いられる成形型および材料充填治具の縦断面図で
ある。
【図14】本発明の複合焼結体の製造方法の第2実施形
態を示す縦断面図である。
【図15】本発明の複合焼結体の製造方法の第2実施形
態を示す縦断面図である。
【図16】本発明の複合焼結体の製造方法の第2実施形
態を示す縦断面図である。
【図17】本発明の複合焼結体の製造方法の第2実施形
態を示す縦断面図である。
【図18】本発明の方法で製造される複合焼結体の一例
である。
【図19】本発明の方法で製造される複合焼結体の一例
である。
【符号の説明】
1 成形用型 2 外型 21 中空部 3a 第1の押圧子 3b 第2の押圧子 31 環状押圧部材 310 中空部 311、312 環状押圧部材 315、325 押圧面 3110、3120 中空部 3115、3125 押圧面 32 柱状押圧部材 5a、5b、5c 材料 51a、51b、51c 圧粉体 7 カーボンシート 8 材料充填治具 8a、8b 材料充填治具 81 嵌合部 82、82b 突起部 88 テフロンシート 91 圧縮用押圧子 910 中空部 92 圧縮用押圧子 93 圧縮用押圧子 10 複合焼結体 103 高密度焼結体 104a、104b 焼結体 105 低密度焼結体 109a〜109d 焼結体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成の異なる材料からなる複数の層が焼
    結時の押圧方向と直交する方向に接合されるように前記
    材料を型内に充填する工程と、 前記材料を放電プラズマ焼結法により焼結する工程とを
    有する複合焼結体の製造方法において、 前記焼結工程において前記層ごとに圧縮比を変えて押圧
    することを特徴とする複合焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記押圧は押圧面を分割して行われる請
    求項1に記載の複合焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記押圧面は前記層ごとに分割されてい
    る請求項2に記載の複合焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記押圧面は同心円状に分割されている
    請求項2または3に記載の複合焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記焼結工程の前に圧粉体を形成する請
    求項1ないし4のいずれかに記載の複合焼結体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記圧粉体は前記層ごとに形成される請
    求項5に記載の複合焼結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記圧粉体の形成は一軸成形法による請
    求項5または6に記載の複合焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記材料はセラミックスおよび金属材料
    のうち少なくとも一方である請求項1ないし7のいずれ
    かに記載の複合焼結体の製造方法。
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