JP2000026904A - 焼結接合体の成形用型、焼結接合体の製造方法および焼結接合体 - Google Patents

焼結接合体の成形用型、焼結接合体の製造方法および焼結接合体

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JP2000026904A
JP2000026904A JP10211970A JP21197098A JP2000026904A JP 2000026904 A JP2000026904 A JP 2000026904A JP 10211970 A JP10211970 A JP 10211970A JP 21197098 A JP21197098 A JP 21197098A JP 2000026904 A JP2000026904 A JP 2000026904A
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Shotaro Miyake
正太郎 三宅
Yukio Kubota
幸雄 久保田
Tsuneo Hiraide
恒男 平出
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な方法で焼結時の加圧方向と交わる方向に
接合された焼結接合体を製造可能な焼結接合成形用型、
かかる成形用型を用いた焼結接合体の製造方法およびそ
の方法により製造された焼結接合体を提供する。 【解決手段】焼結接合体を構成する焼結材料を収容可能
な中空部21を有する筒状の外型2と、焼結材料を押圧
する一対の押圧子3a、3bとを備え、焼結材料を放電
プラズマ焼結により焼結し、密度の異なる複数の焼結体
が接合された焼結接合体を成形する焼結接合体の成形用
型であって、押圧子の少なくとも一方は、前記押圧子の
押圧面を分割する複数の押圧部材から構成されている。
押圧子は環状押圧部材31とその中空部分310に摺動
可能に嵌合する柱状押圧部材32とから構成されている
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は焼結接合体、特に密
度の異なる複数の焼結体が接合された焼結接合体の成形
用型、焼結接合体の製造方法およびその製造方法により
製造される焼結接合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、異種材料からなる複合焼結体が開
発され、かかる複合焼結体は従来2物質を接着していた
部品の代替や、強度と靱性を併せ持つ生体材料等への応
用等、多様な分野への適用が展開されていた。このよう
な複合焼結体の製造方法としては、例えば放電プラズマ
焼結法(SPS)が挙げられる。
【0003】放電プラズマ焼結法は、加圧焼結法の一種
であり、焼結材料内部からの自己発熱作用を利用した焼
結法である。放電による直接発熱方式によるため、極め
て熱効率に優れ、簡便かつ短時間で均質高品位の焼結体
(焼結接合体)が容易に得られるという特長がある。
【0004】また、放電プラズマ焼結法(SPS)のよ
うな一軸荷重焼結法は、一般に円筒状のスリーブに円柱
状の押圧子(パンチ)を用いて加圧しながら焼結する方
法であり、焼結材料や密度の異なる層が加圧方向に積層
された複合焼結体を容易に製造することができる。
【0005】しかし、かかる方法では、加圧方向と直交
する方向に接合面を有する複合焼結体(焼結接合体)で
あって、例えば密度が異なる大中小の円筒形状の焼結体
が同心円状に接合されたものを作製することは困難であ
った。
【0006】このように密度が異なる複数の焼結体が同
心円状に接合された焼結接合体の製造方法としては、例
えば、焼結体を別々に作製しこれらを組合わせて焼結接
合させる方法が挙げられる。しかし、このような方法で
は製造工程が煩雑となり、また、密度の異なる焼結体を
焼結接合する場合、焼結が部分的に過不足を生じ易く、
均一で十分な接合力を得ることは困難であった。
【0007】また、別々に作製された焼結体を焼き嵌め
等により接合させる方法が挙げられるが、かかる方法に
よれば、同心円の外側部分の収縮量が内側部分よりも大
きくなるように調節しなければならない。このため、外
側部分が内側部分よりも密度が小さいものしか製造する
ことができなかった。さらに、各焼結体の嵌合部分の形
状を熱による寸法変化等を考慮して設定しなければなら
ず、各焼結体の密度、寸法の調整等が困難であった。さ
らに嵌め合いが可能である焼結体の形状には制限があっ
た。
【0008】一方、熱間等方加圧焼結法(HIP)によ
り、密度の異なる層が同心円状に配置された多重構造の
焼結体を製造する方法が提案されている。しかし、この
方法によれば層間接着力が不十分となり易く、また、材
料の熱膨張係数の相違や残留応力等により焼結体に割れ
が生じる等の問題があり、加圧軸方向と異なる方向、例
えば径方向に接合面を有する複合焼結体(焼結接合体)
を簡易にかつ良好に製造することは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡易
な方法で加圧方向と交わる方向に密度の異なる複数の焼
結体が接合された焼結接合体を製造することができる焼
結接合成形用型、かかる成形用型を用いた焼結接合体の
製造方法およびその方法により製造された焼結接合体を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(18)の本発明により達成される。
【0011】(1) 焼結接合体を構成する焼結材料を
収容可能な中空部を有する筒状の外型と、前記焼結材料
を押圧する一対の押圧子とを備え、前記焼結材料を放電
プラズマ焼結法により焼結し、密度の異なる複数の焼結
体が接合されてなる焼結接合体を成形する焼結接合体の
成形用型において、前記押圧子の少なくとも一方は、前
記押圧子の押圧面を分割する複数の押圧部材から構成さ
れていることを特徴とする焼結接合体の成形用型。
【0012】(2) 前記押圧子は環状押圧部材と、そ
の中空部分に摺動可能に嵌合する柱状押圧部材とから構
成される上記(1)に記載の焼結接合体の成形用型。
【0013】(3) 前記環状押圧部材と前記柱状押圧
部材とは同心状または同心円状に配置されている上記
(1)または(2)に記載の焼結接合体の成形用型。
【0014】(4) 前記押圧部材は各々異なる圧縮比
で前記焼結材料を押圧するよう構成されている上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載の焼結接合体の成
形用型。
【0015】(5) 前記圧縮比は前記押圧部材の押圧
方向における長さにより調節される上記(4)に記載の
焼結接合体の成形用型。
【0016】(6) 前記外型および前記押圧子の少な
くとも一方は炭素系材料で構成されている上記(1)な
いし(5)のいずれかに記載の焼結接合体の成形用型。
【0017】(7) 焼結接合体を構成する焼結材料を
成形用型に充填する工程と、前記焼結材料を放電プラズ
マ焼結法により焼結接合する工程とを有する密度の異な
る複数の焼結体が接合された焼結接合体の製造方法にお
いて、前記焼結接合工程において前記焼結材料に対し部
分的に圧縮比を変えて押圧することを特徴とする焼結接
合体の製造方法。
【0018】(8) 前記押圧は押圧面が分割された押
圧子を用いて行われる上記(7)に記載の焼結接合体の
製造方法。
【0019】(9) 前記押圧子は複数の押圧部材から
構成される上記(8)に記載の焼結接合体の製造方法。
【0020】(10) 前記押圧部材は環状押圧部材と、
その中空部分に摺動可能に嵌合する柱状押圧部材とから
構成されている上記(9)に記載の焼結接合体の製造方
法。
【0021】(11) 前記環状押圧部材と前記柱状押圧
部材とは同心状または同心円状に配置される上記(10)
に記載の焼結接合体の製造方法。
【0022】(12) 前記焼結接合工程の前に前記焼結
材料の圧粉体を形成する上記(7)ないし(11)のいず
れかに記載の焼結接合体の製造方法。
【0023】(13) 前記焼結材料は金属粉末である上
記(7)ないし(12)のいずれかに記載の焼結接合体の
製造方法。
【0024】(14) 上記(7)ないし(13)のいずれ
かに記載の焼結接合体の製造方法により製造される焼結
接合体であって、密度の異なる複数の焼結体が焼結時の
加圧方向と交わる方向に接合されていることを特徴とす
る焼結接合体。
【0025】(15) 上記(7)ないし(13)のいずれ
かに記載の焼結接合体の製造方法により製造される焼結
接合体であって、密度の異なる複数の焼結体が焼結時の
加圧方向と直交する方向に接合されていることを特徴と
する焼結接合体。
【0026】(16) 前記焼結体は同心状または同心円
状に接合されている上記(14)または(15)に記載の焼
結接合体。
【0027】(17) 前記焼結体は同一の焼結材料から
構成されている上記(14)ないし(16)のいずれかに記
載の焼結接合体。
【0028】(18) 前記焼結材料は金属材料である上
記(14)ないし(17)のいずれかに記載の焼結接合体。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の焼結接合体の成形
用型、焼結接合体の製造方法および焼結接合体を添付図
面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】A.焼結接合体の成形用型 まず、本発明の焼結接合体の成形用型について説明す
る。
【0031】図1は、本発明の焼結接合体の成形用型の
各構成要素の第1実施形態を示す縦断面図、図2は本発
明の焼結接合体成形用型の外型と環状押圧部材とを嵌合
させた状態を示す横断面図である。
【0032】本発明の焼結接合体の成形用型は、焼結材
料を放電プラズマ焼結により焼結し、密度の異なる複数
の焼結体が接合されてなる焼結接合体を成形する成形用
型であって、図に示すように焼結接合体を構成する焼結
材料を収容可能な中空部21を有する外型2と、焼結材
料を押圧するための第1の押圧子3aと第2の押圧子3
bとからなる一対の押圧子とを備えている。
【0033】第2の押圧子3bは、前記中空部21の横
断面を分割する環状押圧部材31と柱状押圧部材32と
で構成されている。
【0034】外型2は円筒形状であって、その外型2の
中心軸に対し同心円状に中空部21が形成されている。
外型2の構成材料としては、放電プラズマ焼結に好適な
導電性材料であることが好ましく、例えば、超硬金属、
超硬合金、炭素系材料等が挙げられ、なかでも炭素系材
料がより好ましい。
【0035】中空部21の一端側には第1の押圧子3a
が摺動可能に配置され、他端側には環状押圧部材31が
摺動可能に配置されている。
【0036】環状押圧部材31は、図2に示すように円
筒形状であって、その中心軸に対し同心円状に中空部3
10が形成されている。柱状押圧部材32は円柱形状
で、環状押圧部材31の中空部310に摺動可能に嵌合
するよう形成されている。
【0037】このような構成とすることにより、第2の
押圧子3bの押圧面は、環状押圧部材31の押圧面31
5および柱状押圧部材32の押圧面325に分割され、
押圧面ごとに異なる圧縮比で焼結材料を押圧することが
可能となる。
【0038】したがって、1つの外型2内で密度の異な
る複数の焼結体を容易に作製することができ、さらに同
一の型内でそれらを焼結接合することが可能となる。
【0039】図3は、外型と環状押圧部材とを嵌合させ
た状態の他の実施形態を示す横断面図である。
【0040】環状押圧部材31の中空部310の横断面
形状が正方形である。中空部310は、環状押圧部材3
1と中心が一致するように設けられている。これにより
環状押圧部材31と柱状押圧部材32とを同心状に配置
することが可能となる。ここで、「同心状」とは、中心
(中心軸)を同じくする状態のことを意味し、この場
合、環状押圧部材31と柱状押圧部材32との中心軸が
一致するよう配置されていることを意味する。
【0041】柱状押圧部材32は中空部310に摺動可
能に嵌合するよう横断面(押圧面)形状が正方形の四角
柱で構成される。
【0042】なお、環状押圧部材31の中空部310の
横断面形状は、上記のように円形、正方形に限られず、
楕円形、多角形、矩形であってもよい。柱状押圧部材3
2の横断面(押圧面)形状は、環状押圧部材31の中空
部310に摺動可能に嵌合するものであればいかなる形
状であってもよい。
【0043】第1の押圧子3aおよび第2の押圧子3b
の構成材料としては、外型2と同様のものが好ましく用
いられ、例えば、超硬金属、超硬合金、炭素系材料等が
挙げられるが炭素系材料がより好ましい。
【0044】図4は、本発明の焼結接合体の成形用型の
各構成要素の第2実施形態を示す縦断面図である。本実
施形態では、第2の押圧子3bが環状押圧部材311、
312および柱状押圧部材32とから構成されている点
で第1実施形態と異なる。その他の事項については第1
実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0045】環状押圧部材311は外型2の中空部21
に嵌入可能な円筒形状であって、横断面形状が円形であ
る中空部3110が同心円状に形成されている。
【0046】中空部3110には、環状押圧部材312
が摺動可能に嵌合するよう配置されている。環状押圧部
材312は、環状押圧部材311と同様、円筒形状であ
って、横断面形状が円形である中空部3120が同心円
状に形成されている。
【0047】さらに中空部3120には、摺動可能に嵌
入される円柱状の柱状押圧部材32が配置されている。
【0048】このような構成とすることにより、焼結材
料の押圧は押圧面3115、3125、325により分
割して行われ、各押圧面において異なる圧縮比で押圧す
ることができる。したがって、1つの外型2内で密度の
異なる3つの焼結体を容易に作製することができ、さら
に同一の型内でそれらを焼結接合することが可能であ
る。
【0049】本実施形態の場合、上記第1実施形態の場
合と同様、各環状押圧部材の中空部の横断面形状はいか
なるものでもよい。例えば、環状押圧部材311の中空
部3110が図3に示すような正方形である場合、環状
押圧部材312は横断面形状が正方形の筒状であって中
空部3120が設けられたものとする。
【0050】また、中空部3120の横断面形状は、円
形、多角形等任意に選択することができる。中空部31
20に摺動可能に嵌合させる柱状押圧部材32は、中空
部3120の形状にほぼ等しい横断面(押圧面)形状の
柱状物とされる。
【0051】B.焼結接合体の製造方法 図5〜図10は本発明の焼結接合体の製造方法を示す断
面図である。
【0052】本発明の焼結接合体の製造方法は、焼結接
合体を構成する焼結材料を成形用型1の空間に充填する
工程と、焼結材料を放電プラズマ焼結法により焼結接合
する工程とを有する密度の異なる複数の焼結体が接合さ
れた焼結接合体の製造方法であって、該焼結接合工程に
おいて焼結材料に対し部分的に圧縮比を変えて押圧する
ことを特徴とする。以下、これらの各工程について図面
を用いて順次説明する。
【0053】まず、焼結材料5を焼結接合体の成形用型
1(以下、「成形用型1」という)に充填する。より具
体的には図5および図6に示すように、焼結材料5をカ
ーボン製の外型2の中空部21に装入する。このとき外
型2の一端側には、カーボン製の第1の押圧子3aが嵌
入されている。
【0054】外型2の内周面は導電性を有するカーボン
シート7で被覆されている。これによりカーボンシート
7は、外型2の内周面と焼結材料5との間にクッション
材として介在し、例えば焼結材料5に含まれる金属材料
が外型2を構成するカーボンと反応し内周面に固着する
こと等を防止する。さらに、各押圧子が外型2の内周面
に食いつくことを防止し、円滑に摺動させることができ
る。
【0055】焼結材料5としては、SUS304等のス
テンレス鋼系材料、Al、Al系合金、Ti、Ti合金
等の非鉄金属系金属系材料等、その他の殆どの金属材料
が挙げられる。さらに、Al23 等の酸化物系セラミ
ックス、SiC等の炭化物系セラミックス、TaN等の
窒化物系セラミックス、TiB2 等の硼化物系セラミッ
クス、LiF等のフッ化物系セラミックス、ハイドロキ
シアパタイト等のリン酸カルシウム系セラミックス等の
セラミックス系材料、サーメット系化合物材料、金属間
化合物系材料、有機系材料等が挙げられ、これらを1種
または2種以上を混合して用いることができる。
【0056】また、成形用型1に充填される焼結材料5
の形態は、粉状物、ブロック体等の塊状物等いかなるも
のでもよいが、充填量の調節の容易さ等から粉状物がよ
り好ましい。粉状物は平均粒径0.1〜100μm程度
のものが好ましく用いられる。
【0057】次に、図7および図8に示すように焼結材
料5を、中空部21に摺動可能な金属製の押圧子6を用
いて圧縮し、焼結前に予め圧粉体51を形成する。圧粉
体51を形成することにより、焼結体の強度および接合
力をより向上させ、各焼結体の気孔率、気孔径等をより
精度よく制御することができる。圧粉体51形成時の押
圧力は、10〜1000kgf/cm2 の範囲であることが好
ましい。
【0058】なお、圧粉体51の形成方法は、上記押圧
子6による焼結材料の圧縮に限られず、冷間等方加圧法
(CIP)、熱間等方加圧法(HIP)等であってもよ
い。
【0059】圧粉体51を形成後、図9に示すように押
圧子6をカーボン製の環状押圧部材31、柱状押圧部材
32とからなる第2の押圧子3bに交換し、成形用型1
を放電プラズマ焼結用装置にセットする。
【0060】焼結系内は、焼結材料の酸化等を防止する
ために真空状態または不活性ガス雰囲気とされることが
好ましい。
【0061】環状押圧部材31と柱状押圧部材32とは
同心円状に配置され、圧粉体51を外周部の環状押圧面
315の部分と、中央部の円形押圧面325の部分とに
分割し、押圧面ごとに異なる圧縮比で押圧しながら放電
プラズマ焼結法により焼結する。
【0062】圧粉体51を相異なる圧縮比で押圧するよ
うに環状押圧部材31および柱状押圧部材32を制御す
る方法としては、例えば、図に示すように環状押圧部材
31と柱状押圧部材32とを押圧方向に相異なる長さと
し、これにより押圧部材ごとに圧縮量を変化させ、圧縮
比を異なるものとする方法等が挙げられる。
【0063】本実施形態では、押圧方向においてより長
い方の環状押圧部材31を図示しない固定部材により固
定し第1の押圧子3a側から押圧すると、環状押圧部材
31による押込み量(圧縮比)は、柱状押圧部材32に
より押圧される部分の押込み量よりも多くなる。したが
って、環状押圧部材31により押圧された焼結体の密度
は、柱状押圧部材32により押圧された焼結体よりも大
きくなる。
【0064】このように各押圧部材の押圧方向における
長さを調節することにより、部分的に圧縮比を変えて押
圧することができる。
【0065】また、他の方法としては、各押圧部材を別
々の加圧ラム等により駆動し、例えば、環状押圧部材3
1と柱状押圧部材32とが独立して圧縮比が異なるよう
に押圧する方法等が挙げられる。この場合、焼結材料の
圧縮比は押圧部材の長さによらず、加圧ラムの制御によ
り調整される。
【0066】放電プラズマ焼結は、第1の押圧子3a、
第2の押圧子3bおよび外型2を通してパルス電圧を印
可し、圧縮通電系を加熱する。焼結系の温度が所定温度
に達したら、かかる温度で一定時間保持し、焼結接合体
10を作製する。焼結温度としては400〜2000
℃、焼結時間は1〜30分、押圧力は30〜750kgf/
cm2 程度とすることが好ましい。
【0067】放電プラズマ焼結法は、圧粉体粒子間隙に
直接パルス状の電気エネルギーを投入し、火花放電によ
り瞬時に発生する高温プラズマの高エネルギーを熱拡散
・電界拡散等へ効果的に応用することで、ホットプレス
法等に比べ、昇温、保持時間を含め、数分〜数十分の短
時間で焼結あるいは焼結接合を可能とする。また、放電
点の分散による均等加熱により、均質高品位の焼結接合
体を容易に製造することができる。
【0068】本実施形態で製造される焼結接合体は、図
10に示すように焼結接合体10の外周部に環状の高密
度焼結体101、中心部に柱状の低密度焼結体102が
形成され、それらが相互に強固に接合され完全に一体化
した焼結接合体10が製造される。
【0069】以上、焼結接合体の成形用型の一対の押圧
子のうち、一方の押圧子のみ押圧面が分割された場合に
ついて説明したが、双方の押圧子の押圧面が分割された
場合であっても同様である。
【0070】C.焼結接合体 次に、本発明の焼結接合体について説明する。
【0071】図11は、本発明の焼結接合体の一例を示
す横断面図、図12は図11に示す焼結接合体の縦断面
図である。
【0072】焼結接合体10は、上記の第1実施形態の
成形用型を用いて上記の本発明の方法により製造された
ものである。
【0073】焼結接合体10は円筒形状であって、図1
1および図12に示すように、焼結時の加圧方向と直交
する方向、すなわち径方向に同心円状に中心側から焼結
体103および焼結体105が接合された2層構造をな
している。
【0074】各焼結体103、105は相異なる相対密
度(空孔率)であって、焼結体103は焼結体105よ
りも相対密度が小さい。焼結体103、105の各々の
相対密度および両者の密度差は特に限定されず、焼結接
合体10の用途、使用環境等により適宜選択されるが、
各焼結体の相対密度は、50%〜100%未満であるこ
とが好ましい。
【0075】本発明の焼結接合体は本実施形態のものに
限られず、例えば外側部分が低密度焼結体、中心部が高
密度焼結体で構成されたものであってもよい。
【0076】また、2層構造に限られず、径方向に3層
以上の焼結体が接合された焼結接合体であってもよい。
3層以上の焼結接合体の場合、各焼結体の密度は径方向
に段階的に変化するものであってもよく、無秩序に変化
するものであってもよいが、熱膨張率の変化による応力
の緩和等の観点から段階的に変化するものがより好まし
い。
【0077】焼結体103および105は、同一の焼結
材料から構成されていることが好ましい。これにより異
なる密度の焼結体がより強固に接合され一体化した焼結
接合体とすることができる。さらに、1つの成形用型で
連続的に簡易かつ迅速に製造することが可能となる。
【0078】焼結体103および105の構成材料は特
に限定されず、SUS304等のステンレス鋼系材料、
Al、Al系合金、Ti、Ti合金等の非鉄金属系金属
系材料等、その他の殆どの金属材料が挙げられる。さら
に、Al23 等の酸化物系セラミックス、SiC等の
炭化物系セラミックス、TaN等の窒化物系セラミック
ス、TiB2 等の硼化物系セラミックス、LiF等のフ
ッ化物系セラミックス、ハイドロキシアパタイト等のリ
ン酸カルシウム系セラミックス等のセラミックス系材
料、サーメット系化合物材料、金属間化合物系材料、有
機系材料等が挙げられ、これらを1種または2種以上を
混合したものであってもよいが、金属材料がより好まし
い。
【0079】本発明の焼結接合体の他の実施形態として
は、図13に示すように密度の異なる焼結体が偏芯して
接合されたもの、図14に示すように焼結体の接合面が
交差するもの等が挙げられる。
【0080】このような、本発明の焼結接合体は、例え
ば混合機、化学反応筒、カッター、金属触媒、ガス交換
器、人工骨等の生体材料等、各種の用途に広く適用する
ことができる。
【0081】以上、本発明の焼結接合体の成形用型、焼
結接合体の製造方法および焼結接合体を図示の各実施形
態について説明したが、本発明はこれらに限定されるも
のではなく、例えば、焼結接合体としては、軸方向に焼
結材料の組成が変化する傾斜材料を用いたものであって
もよい。
【0082】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0083】(実施例1)図1に示す成形用型1を用い
て、上述した方法により焼結接合体10を製造した。
【0084】まず、外径40mm、内径18mm、高さ50
mmのカーボン製外型2の中空部21の一端側に、カーボ
ン製の第1の押圧子3aを嵌入した(図5)。
【0085】次に中空部21に、焼結材料5としてTi
粉末(平均粒径22μm)6gを装入した(図6)。
【0086】中空部21の他端側から金属製の押圧子6
を用いてTi粉末を圧縮し、圧粉体51を形成した(図
7、図8)。このときの押圧力は300kgf/cm2 であっ
た。
【0087】押圧子6を第2の押圧子3bに交換した。
第2の押圧子3bとして、外径18mm、内径10mm、長
さ25mmのカーボン製の環状押圧部材31と、外径10
mm、長さ10mmの円筒形状のカーボン製の柱状押圧部材
32とを使用した。
【0088】このような成形用型1を放電プラズマ焼結
装置(住友石炭鉱業(株)製SPS−510L)にセッ
ティングし、焼結系内を真空状態とした。
【0089】第1の押圧子3aから押圧力350kgf/cm
2 で圧粉体51を押圧しながら、パルス電圧(パルス条
件=12:2)を印可して圧縮通電系を加熱した。
【0090】焼結条件は、焼結温度:600℃、焼結時
間(保持時間):1分として焼結接合体10を得た(図
9、図10)。
【0091】実施例で製造された焼結接合体10は円筒
形状で、径方向外側にリング状の高密度焼結体101、
径方向中央部に円柱状の低密度焼結体102が接合され
ていた。低密度焼結体102の相対密度は80%、高密
度焼結体101の相対密度は99%であった。
【0092】各焼結体101、102は良好な焼結状態
で、ひび割れ、欠け等はみられず、両焼結体は互いに強
固に接合されていた。
【0093】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の焼結接合体
の成形用型およびそれを用いた焼結接合体の製造方法に
よれば、密度の異なる複数の焼結体を作製し、それらが
焼結時の加圧方向と交わる方向に接合された焼結接合体
を得ることができる。
【0094】したがって、従来法のように各焼結体の収
縮量の調節等が不要であり、少ない工程数で簡易かつ迅
速に焼結接合体を製造することができる。
【0095】さらに、焼結体の密度および形状等の自由
度が大きく、従来の方法では不可能であった焼結接合体
の製造が可能となる。
【0096】また、放電プラズマ焼結法により焼結およ
び接合が均一かつ均質に行われるため高品位の焼結接合
体が得られ、反応器、生体材料等広い分野において用途
が展開される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結接合体の成形用型の各構成要素の
第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す焼結接合体の成形用型の外型と環状
押圧部材とを嵌合させた状態を示す横断面図である。
【図3】図1に示す焼結接合体の成形用型の外型と環状
押圧部材とを嵌合させた状態の他の実施形態を示す横断
面図である。
【図4】本発明の焼結接合体の成形用型の各構成要素の
第2実施形態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の焼結接合体の製造方法を示す縦断面図
である。
【図6】本発明の焼結接合体の製造方法を示す縦断面図
である。
【図7】本発明の焼結接合体の製造方法を示す縦断面図
である。
【図8】本発明の焼結接合体の製造方法を示す縦断面図
である。
【図9】本発明の焼結接合体の製造方法を示す縦断面図
である。
【図10】本発明の焼結接合体の製造方法を示す縦断面
図である。
【図11】本発明の焼結接合体の一例を示す横断面図で
ある。
【図12】図11に示す焼結接合体の縦断面図である。
【図13】本発明の焼結接合体の他の例を示す横断面図
である。
【図14】本発明の焼結接合体の他の例を示す横断面図
である。
【符号の説明】
1 成形用型 2 外型 21 中空部 3a 第1の押圧子 3b 第2の押圧子 31 環状押圧部材 310 中空部 311、312 環状押圧部材 315、325 押圧面 3110、3120 中空部 3115、3125 押圧面 32 柱状押圧部材 5 焼結体材料 51 圧粉体 6 押圧子 7 カーボンシート 10 焼結接合体 101 高密度焼結体 102 低密度焼結体 103 焼結体 105 焼結体 107、108 焼結体 104a、104b 焼結体 109a〜109d 焼結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平出 恒男 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA06 AA15 AA33 AB01 AB02 AB03 AB04 AC01 BA03 BA08 BA17 BB04 BC12 CA02 CA12 DA32 DA33 EA12 EA21 EA53 HA02 HA03 JA12 KA01 KA22 KA70

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結接合体を構成する焼結材料を収容可
    能な中空部を有する筒状の外型と、 前記焼結材料を押圧する一対の押圧子とを備え、 前記焼結材料を放電プラズマ焼結法により焼結し、密度
    の異なる複数の焼結体が接合されてなる焼結接合体を成
    形する焼結接合体の成形用型において、 前記押圧子の少なくとも一方は、前記押圧子の押圧面を
    分割する複数の押圧部材から構成されていることを特徴
    とする焼結接合体の成形用型。
  2. 【請求項2】 前記押圧子は環状押圧部材と、その中空
    部分に摺動可能に嵌合する柱状押圧部材とから構成され
    る請求項1に記載の焼結接合体の成形用型。
  3. 【請求項3】 前記環状押圧部材と前記柱状押圧部材と
    は同心状または同心円状に配置されている請求項1また
    は2に記載の焼結接合体の成形用型。
  4. 【請求項4】 前記押圧部材は各々異なる圧縮比で前記
    焼結材料を押圧するよう構成されている請求項1ないし
    3のいずれかに記載の焼結接合体の成形用型。
  5. 【請求項5】 前記圧縮比は前記押圧部材の押圧方向に
    おける長さにより調節される請求項4に記載の焼結接合
    体の成形用型。
  6. 【請求項6】 前記外型および前記押圧子の少なくとも
    一方は炭素系材料で構成されている請求項1ないし5の
    いずれかに記載の焼結接合体の成形用型。
  7. 【請求項7】 焼結接合体を構成する焼結材料を成形用
    型に充填する工程と、 前記焼結材料を放電プラズマ焼結法により焼結接合する
    工程とを有する密度の異なる複数の焼結体が接合された
    焼結接合体の製造方法において、 前記焼結接合工程において前記焼結材料に対し部分的に
    圧縮比を変えて押圧することを特徴とする焼結接合体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記押圧は押圧面が分割された押圧子を
    用いて行われる請求項7に記載の焼結接合体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記押圧子は複数の押圧部材から構成さ
    れる請求項8に記載の焼結接合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記押圧部材は環状押圧部材と、その
    中空部分に摺動可能に嵌合する柱状押圧部材とから構成
    されている請求項9に記載の焼結接合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記環状押圧部材と前記柱状押圧部材
    とは同心状または同心円状に配置される請求項10に記
    載の焼結接合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記焼結接合工程の前に前記焼結材料
    の圧粉体を形成する請求項7ないし11のいずれかに記
    載の焼結接合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記焼結材料は金属粉末である請求項
    7ないし12のいずれかに記載の焼結接合体の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項7ないし13のいずれかに記載
    の焼結接合体の製造方法により製造される焼結接合体で
    あって、 密度の異なる複数の焼結体が焼結時の加圧方向と交わる
    方向に接合されていることを特徴とする焼結接合体。
  15. 【請求項15】 請求項7ないし13のいずれかに記載
    の焼結接合体の製造方法により製造される焼結接合体で
    あって、 密度の異なる複数の焼結体が焼結時の加圧方向と直交す
    る方向に接合されていることを特徴とする焼結接合体。
  16. 【請求項16】 前記焼結体は同心状または同心円状に
    接合されている請求項14または15に記載の焼結接合
    体。
  17. 【請求項17】 前記焼結体は同一の焼結材料から構成
    されている請求項14ないし16のいずれかに記載の焼
    結接合体。
  18. 【請求項18】 前記焼結材料は金属材料である請求項
    14ないし17のいずれかに記載の焼結接合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010175409A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Japan Atomic Energy Agency 高密度,高純度(n,γ)99Moの製造方法、この方法により製造した高密度、高純度(n,γ)99Mo

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JP2010175409A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Japan Atomic Energy Agency 高密度,高純度(n,γ)99Moの製造方法、この方法により製造した高密度、高純度(n,γ)99Mo

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