JP2000032596A - 耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法 - Google Patents
耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法Info
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Abstract
CM)の耐熱性を高めて、リフロー装置による半田付け
をも可能とする。 【解決手段】 エレクトレット材を金属板に融着固定し
た固定電極の着電前に、約200℃で1〜6時間程度の高
温アニールを施す。その後、エレクトレットを着電し、
アンプブロックに圧入固定する。金属ケースに振動膜完
成品を挿入し、ギャップスペーサを挿入したものに、ア
ンプブロックを挿入して、カシメにより封じる。これに
面布を貼り付けて完成する。エレクトレット材に予め高
温アニールを施すことにより、耐熱性の高いECMが得
られる。また、絶縁体を予めアニールしたり、ECMの
完成品をアニールすることで、より耐熱性を高めること
ができる。
Description
トコンデンサマイクロホンの製造方法に関し、特に、長
期高温耐熱性をもたせる耐熱エレクトレットコンデンサ
マイクロホンの製造方法に関する。
ロホン(ECM)は、図3の断面図に示すような構造を
している。図3において、面布1は、防塵等のためのカ
バーであり、無くてもよい。筒状金属ケース2は、天面
に音孔2aを有するケースである。振動膜3は、PET
材等の薄膜に金属蒸着3a等を施し、一定架張を与え、
接着剤等により金属リング4に固定した膜である。ギャ
ップスペーサ5は、振動膜3と固定電極6との間に一定
間隔のコンデンサ5aを形成するスペーサである。固定
電極6は、エレクトレット材6aを金属板に融着固定し
た電極である。FET7は、固定電極6に入力端子7a
が接触等により接続されるインピーダンス変換器であ
る。絶縁体8は、固定電極6とFET7を絶縁保持・収
納する保持材であり、固定電極6は絶縁体8に圧入等に
より固定される。プリント基板9は、FET7の出力端
子7b、7cを半田付け等により接続し、出力を取り出す
ための基板である。面布1を除くこれらの各部品は、金
属ケース2に挿入され、金属ケースの端部をカシメ2b
等により固定される。なお、FET7、絶縁体8、プリ
ント基板9は、予めアンプブロックとして構成し、金属
ケース2へ挿入する。FET7の出力端子のアース側
は、カシメ部2bによりプリント基板9のアースとケー
ス2が接続される。図4に、従来のエレクトレットコン
デンサマイクロホンの組立工程フローの概略を示す。
エレクトレットマイクロホンであり、振動膜3がエレク
トレット材である必要がなく、他の適当な部材を選択す
ることが可能である。例えば、金属蒸着3aを施すので
はなく、金属薄膜等とすることも可能である。したがっ
て、比較的音響特性や対振動特性等の性能の良いECM
とすることができる。
来のECMにおいては、エレクトレットの欠点でもある
耐熱性ということを考えた場合、長期高温耐熱として約
80℃程度が限界である。又、市場ニーズの一つであるリ
フロー装置等による半田付け固定についても、現実的に
は無理であり、不具合の発生を招く恐れがあった。
幅な構造変更や製造設備の変更等の必要がなく、比較的
安価で耐熱性が高く、リフロー装置による半田付けにも
対応可能な耐熱ECMを提供することを目的とする。
めに、本発明では、耐熱エレクトレットコンデンサマイ
クロホンの製造方法を、固定電極をエレクトレットの着
電前に高温アニールを施し、その後、着電をして使用す
るように構成した。
レットの耐熱性が改善され、比較的安価な耐熱ECMが
得られる。改善効果については、実験的に効果確認を行
なった。構造的には従来と何ら変わることはないが、当
然、樹脂部品等は耐熱に考慮した選定が必要である。
エレクトレット材を金属板に融着固定し、約200℃で1
〜6時間程度の高温アニールを施した後で前記エレクト
レット材を着電して固定電極とし、プリント基板にイン
ピーダンス変換器の出力端子を接続して絶縁体とともに
固定し、前記固定電極に前記インピーダンス変換器の入
力端子が接続されるように前記絶縁体に前記固定電極を
絶縁保持・収納し、薄膜に金属蒸着等を施し一定の架張
を与え金属リングに固定して振動膜とし、前記振動膜を
天面に音孔を有する筒状金属ケースに挿入し、前記振動
膜と前記固定電極との間に一定間隔のギャップスペーサ
を設けてコンデンサを形成し、前記固定電極と前記プリ
ント基板を前記金属ケースに挿入し端部をカシメ等によ
り固定する耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホン
の製造方法であり、高温アニールにより耐熱性の高いエ
レクトレットに変えるという作用を有する。
記載の耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製
造方法において、前記絶縁体に約200℃で1時間程度の
高温アニールを施すものであり、絶縁体からでるガスに
よるエレクトレットの劣化を防止するという作用を有す
る。
1、2記載の耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホ
ンの製造方法において、前記金属板に前記エレクトレッ
ト材を熱ローラ加圧方式により熱融着するものであり、
熱ストレスを小さくしてフィルムの物性変化を少なく
し、エレクトレットの劣化を小さくするという作用を有
する。
3記載の耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの
製造方法において、カシメ等により固定完成後、約60〜
80℃で1時間程度、又は約200℃で数分程度の高温アニ
ールを施すものであり、機械的応力歪みの除去、リフロ
ー時の振動膜のテンション変化を小さくすることによ
り、感度変化・周波数特性変化等を小さくするという作
用を有する。
と図2を参照しながら詳細に説明する。
の形態は、エレクトレット材を金属板に融着固定し、約
200℃で1〜6時間程度の高温アニールを施した後で、
エレクトレット材を着電して固定電極としてから組み立
てる耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造
方法である。
エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法を示
すフロー図である。エレクトレットコンデンサマイクロ
ホンの構成については、図3に示す従来例と何ら変わる
ものではない。
て、固定電極6をエレクトレットの着電前に高温アニー
ルを施し、その後、着電して使用する。各部の樹脂部品
は、耐熱性の高い物を選定する。金属ケース2は、内部
の振動膜8等への熱ストレスを小さくするために、音孔
2aは極力小さく構成する。振動膜3は、従来例のPE
T材でも、音孔の処置等により、極端に耐熱に劣るもの
ではないことを実験的に確認している。不十分な場合
は、PPS等を使用すればよい。いずれにせよ、熱スト
レスにより振動膜のテンション変化等が多少はあると考
えられるので、トータル的に変化等の大小から決定すれ
ば良い。ギャップスペーサ5についても、振動膜3と同
様なことがいえる。絶縁体8としては、PPS、LCP
材等の耐熱性の高い材料選定が必要であるが、実験から
100℃程度の低い温度では、材料が発生するガスの影響
はさほどないと考えられるが、200℃程度以上となる
と、融点以下でもかなりのガス発生が見られ、このガス
により、ECM内部が飽和状態となり、液化現象等の発
生の恐れもあり、これによるエレクトレットの劣化があ
り得る。従って、これらを考慮し材料選定をすべきであ
る。
関し、実験による結果からその効果について詳細な説明
を行なう。表1は、高温アニール無しの場合とアニール
温度200℃6時間の場合の固定電極単品でのエレクトレ
ット劣化に関する実験結果である。表1の(a)表は、
リフロー炉実装でのデータであり、表1の(b)表は、
恒温層中でのダミーリフロー条件での結果を示す。又、
表1の(c)表は、長期的高温耐熱の実験結果である。
での劣化が、−1.5dB〜−10.5dBであるが、200℃6
時間のアニールでは、−0.5dB〜−7.5dBであり、劣
化がかなり少なくなっている。ダミーリフロー条件
(b)では、アニール無しでの劣化が、−0.5dB〜−
5.5dBであるが、200℃6時間のアニールでは、−0.5
dB〜−1.5dBであり、やはり劣化がかなり少なくな
っている。長期高温耐熱(c)では、アニール無しでの
劣化が、−0.5dB〜−7dBであるが、200℃6時間の
アニールでは、−0.5dB〜−5.5dBであり、やはり劣
化がかなり少なくなっている。
固定電極6の高温アニール後のエレクトレットは、高温
耐熱性が大いに改善されるという効果があることが分か
る。これらの結果が得られた理由は、アニールにより、
内部の結晶・分子配向等が良化したためと推測される。
もちろん、最適アニール条件(温度・時間)について
は、固定電極6へのエレクトレット材6aの融着条件に
よっても違ってくるが、熱ストレスの少ない状態で融着
された固定電極では、約200℃1〜6時間程度の高温ア
ニールが最適であった。なお、熱ストレスの大きいエレ
クトレット材では、高温アニール効果のレベルが小さ
い。
では、耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製
造方法を、エレクトレット材を金属板に融着固定し、約
200℃で1〜6時間程度の高温アニールを施した後で、
エレクトレット材を着電して固定電極とする構成とした
ので、エレクトレット材の熱による特性変化が小さくな
り、ECMの耐熱性が高まる。
の形態は、絶縁体に約200℃で1時間程度の高温アニー
ルを施す耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの
製造方法である。第2の実施の形態の耐熱エレクトレッ
トコンデンサマイクロホンの製造方法が、第1の実施の
形態と異なるところは、絶縁体を予めアニールする点で
ある。
レットコンデンサマイクロホンの製造方法において、絶
縁体をアニールした後のフローは、図1に示すフロー図
と同じである。エレクトレットコンデンサマイクロホン
の構成そのものも、図3に示す従来例と何ら変わらな
い。
に、200℃程度の高温になると、絶縁体(図3の8)か
らガスが発生し、エレクトレットの劣化につながる恐れ
がある。この対策として、図1のフロー図に示す製造工
程に入る前に、アンプブロックの部品である絶縁体8
を、予め部品段階で、約200℃で1時間程度の高温アニ
ールをして、ガス抜きをする。この効果は、実験により
確認している。この処置は、ECM完成品での高温印加
時の部品収縮の対策としても効果がある。
では、耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製
造方法を、絶縁体に約200℃で1時間程度の高温アニー
ルを施す構成としたので、絶縁体が高温でガスを発生す
ることがなくなり、ECMの劣化が防止できる。
の形態は、熱ローラにより金属面に接するエレクトレッ
ト材のみを溶かし、圧力を印加しながら貼る耐熱エレク
トレットコンデンサマイクロホンの製造方法である。第
3の実施の形態の耐熱エレクトレットコンデンサマイク
ロホンの製造方法が、第1、2の実施の形態と異なると
ころは、エレクトレット材の表面を溶かして金属材に強
制融着する点である。
レットコンデンサマイクロホンの製造方法において、エ
レクトレット材を金属材に強制融着した後のフローは、
図1に示すフロー図と同じである。エレクトレットコン
デンサマイクロホンの構成そのものは、図3に示す従来
例と何ら変わらない。
エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法を示
す概略図である。対照のために、第3の実施の形態をサ
ンプルAとして示し、他の製造方法をサンプルBとして
示す。サンプルAは、熱ストレスを小さくするために、
熱ローラにより金属面に接するエレクトレット材のみを
溶かし、圧力を印加しながら貼る方法(強制融着)によ
るものである。金属素材とエレクトレット材を圧着ロー
ラと加熱ローラで挟み、加熱しながら圧力を加えて、金
属素材にエレクトレット材を融着させる。サンプルB
は、ヒ−タ上で金属板をエレクトレット材の融点程度ま
で上げて融着する方法によるものである。金属素材に耐
熱プライマーを塗布して乾燥させ、さらにフッ素系ディ
スパージョンを塗布して焼成する。この金属素材をヒー
タで加熱し、エレクトレット材を重ねて融着する。
ロー条件下でのエレクトレットの劣化レベルを示す表で
ある。
劣化は、−0.27dB〜−4.2dBであるが、サンプルB
での劣化は、−3.34dB〜−32.4dBである。サンプル
Aでは、アニール処理がどのようなものであっても、サ
ンプルBの場合よりも劣化が少ないので、耐熱性に最も
有利なものは、サンプルAの融着方法であることがわか
る。
では、耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製
造方法を、熱ローラにより金属面に接するエレクトレッ
ト材のみを溶かし、圧力を印加しながら貼る構成とした
ので、ECMの耐熱性を上げることができる。
の形態は、ECM完成後、約60〜80℃で1時間程度、又
は約200℃で数分程度の高温アニールを施す耐熱エレク
トレットコンデンサマイクロホンの製造方法である。第
4の実施の形態の耐熱エレクトレットコンデンサマイク
ロホンの製造方法が、第1〜3の実施の形態と異なると
ころは、ECM完成後にアニールを施す点である。
レットコンデンサマイクロホンの製造方法において、E
CM完成までのフローは、図1に示すフロー図と同じで
ある。エレクトレットコンデンサマイクロホンの構成そ
のものは、図3に示す従来例と何ら変わらない。
レクトレットの劣化対策のみが最良の手段ではない。何
故ならば、振動膜・内部部品の機械的歪みや、高温印加
時の機械的変化等があるためである。したがって、更な
る耐熱性の改善のために、ECM完成後、約60〜80℃で
1時間程度、又は約200℃で数分程度の高温アニールを
施す。もちろん、両方のアニールを実施してもよい。前
者のアニールは、機械的な応力歪みの除去が目的であ
り、後者のアニールは、リフロー時の振動膜のテンショ
ン変化を小さくすることが主目的である。図示していな
いが、この効果は実験的に確認された。
では、耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製
造方法を、ECM完成後、約60〜80℃で1時間程度、又
は約200℃で数分程度の高温アニールを施す構成とした
ので、機械的な応力歪みが除去でき、リフロー時の振動
膜のテンション変化を小さくできる。
では、耐熱エレクトレットコンデンサマイクロホンの製
造方法を、エレクトレット材を融着した固定電極をエレ
クトレット着電前に約200℃で1〜6時間程度の高温ア
ニールを施し、その後エレクトレットを着電して使用す
る構成としたので、大幅な構造変更・設備変更等の必要
がなく、比較的安価で耐熱性が高く、リフロー装置によ
る半田付けにも対応可能な耐熱ECMとすることができ
るという効果が得られる。
温アニールを施す構成としたので、絶縁体からのガスに
よるECMの劣化を防止できるという効果が得られる。
に際して熱ローラ加圧方式をとる構成としたので、熱ス
トレスが小さくなり、更に耐熱性が改善されるという効
果が得られる。
度、又は約2OO℃で数分程度の高温アニールを施す構成
としたので、機械的な応力歪みが除去でき、リフロー時
の振動膜のテンション変化を小さくできるという効果が
得られる。
ロー図、
概略説明図、
Claims (4)
- 【請求項1】 エレクトレット材を金属板に融着固定
し、約200℃で1〜6時間程度の高温アニールを施した
後で前記エレクトレット材を着電して固定電極とし、プ
リント基板にインピーダンス変換器の出力端子を接続し
て絶縁体とともに固定し、前記固定電極に前記インピー
ダンス変換器の入力端子が接続されるように前記絶縁体
に前記固定電極を絶縁保持・収納し、薄膜に金属蒸着等
を施し一定の架張を与え金属リングに固定して振動膜と
し、前記振動膜を天面に音孔を有する筒状金属ケースに
挿入し、前記振動膜と前記固定電極との間に一定間隔の
ギャップスペーサを設けてコンデンサを形成し、前記固
定電極と前記プリント基板を前記金属ケースに挿入し端
部をカシメ等により固定することを特徴とする耐熱エレ
クトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。 - 【請求項2】 前記絶縁体に約200℃で1時間程度の高
温アニールを施すことを特徴とする請求項1記載の耐熱
エレクトレットコンデンサマイクロホンの製造方法。 - 【請求項3】 前記金属板に前記エレクトレット材を熱
ローラ加圧方式により熱融着することを特徴とする請求
項1、2記載の耐熱エレクトレットコンデンサマイクロ
ホンの製造方法。 - 【請求項4】 カシメ等により固定完成後、約60〜80℃
で1時間程度、又は約200℃で数分程度の高温アニール
を施すことを特徴とする請求1〜3記載の耐熱エレクト
レットコンデンサマイクロホンの製造方法。
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- 1998-07-09 JP JP20852398A patent/JP3960688B2/ja not_active Expired - Fee Related
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