JP2000030929A - 酸化物超電導コイルの線材保護 - Google Patents

酸化物超電導コイルの線材保護

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JP2000030929A
JP2000030929A JP10198378A JP19837898A JP2000030929A JP 2000030929 A JP2000030929 A JP 2000030929A JP 10198378 A JP10198378 A JP 10198378A JP 19837898 A JP19837898 A JP 19837898A JP 2000030929 A JP2000030929 A JP 2000030929A
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oxide superconducting
coil
core
winding
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Hiroe Yamamoto
広衛 山本
Teigo Okada
定五 岡田
Kazuhide Tanaka
和英 田中
Takeshi Wakuta
毅 和久田
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多層構造用の積層単位コイルにも利用できる、
好適な酸化物超電導コイルの線材保護巻線構造を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】巻芯に巻線する酸化物超電導線材と補強線
材の巻線表面を、凹凸状面を形成するように巻線したこ
とを特徴とする酸化物超電導コイルの線材保護巻線構
造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導コイ
ルの線材保護巻線構造に係わり、特に酸化物超電導線材
巻線後の熱処理時の線材短絡防止と巻線線材保護に好適
な巻線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超電導材料としてはNbTiやN
3Sn 等の金属系超電導導体が知られていた。しか
し、これらの金属系超電導体は臨界温度が低く、冷却に
は高価な液体ヘリウムが必要であった。ところが198
7年になって液体窒素の沸点温度(77K)で超電導体
になる酸化物超電導材が発見され、これらが実用化可能
となれば、安価で、かつ取扱容易な液体窒素で金属系超
電導材で達成できなかった高磁界発生マグネットの製作
が可能となる。
【0003】以上のようなことから、酸化物超電導線材
を用いたエネルギー分野での応用や超電導薄膜を用いた
デバイス分野での応用が期待されている。現在では、超
電導粉末あるいは前記粉末を銀等の金属シースに充填し
た後伸線,圧延等の加工を施すパウダーインチューブ
法、あるいは超電導粉末を含んだ懸濁液の中に基板を連
続的に浸し、その両面に懸濁液を吸着させるデップコー
ト法を用いることによって、短尺線では20K以下の温
度領域で、高磁界中でも10万A/cm2 を越える実用レ
ベルの臨界密度が得られるまでに開発が進んでいる。
【0004】また、最近では、銀シースのビスマス系高
温超電導線材をコイル化し、それを十個積層した直径2
00mm,高さ93mm,重さ20kgのコイルを試作し、百
ワットの電球を1秒間点灯できる百ジュールのエネルギ
ー貯蔵に成功したニュースが報じられている。この他、
酸化物の粉末を銀パイプに挿入し、これらを加工して得
られた線材をソレノイド状に巻いてコイル化し、このコ
イルを空気中で熱処理を施して酸化物超電導コイルとす
るものが特開平6−251929 号公報に記載されている。ま
た、希土類元素およびそれらの組み合わせによる単結晶
状のものを結晶化してコイルにするものが特開平7−245
211号公報に記載されている。
【0005】しかし、熱処理コイル化時に酸化物超電導
材のにじみによる線材短絡あるいは外部からの接触によ
る機械的応力印加による線材破損,熱処理後の酸化物超
電導線材自身の熱伸び変形や導体歪み発生による、コイ
ルの超電導特性の劣化の問題およびコイル端子接続作業
時の曲げ応力印加による線材破損等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来技術におけ
る問題点を解決し、好適な酸化物超電導コイルを得るた
めには酸化物超電導線材の巻線構造が重要である。特
に、酸化物超電導線材は熱処理を施すとセラミックス状
態になるので、熱処理後の酸化物超電導線材には機械的
応力の印加や無理な変形、あるいは張力印加等を与えな
いように注意が必要である。
【0007】また、超電導粉末を金属シースに充填し伸
線,圧延等の加工を施しテープ線材にし熱処理を施すと
端部から超電導溶材がにじみでて線材短絡が発生し易く
なる。しかし、補強線材は十分に薄く柔軟性があるこ
と、巻線後に絶縁性が低下しないこと、そして、熱処理
後の巻線した酸化物超電導線材に直接機械的応力を与え
ることなく、コイル間の端子接合や電流供給の電源端子
接合を簡単にして容易に接合できる線材保護巻線構造が
要求される。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、熱処理時の酸化物超電導
材にじみによる線材短絡を防止し、巻線した熱処理後の
酸化物超電導線材に直接機械的応力印加や人的接触なる
ことを抑制し、巻線した酸化物超電導線材の保護と、コ
イルへの電流供給端子、あるいは積層コイルのコイル間
端子の接合の容易性を図りつつ簡単に溶着接合でき、そ
して、積層構造の大形酸化物超電導コイル用の単位コイ
ルとしても利用でき、単位コイルを冷凍機で直接冷却す
るときの接合面となる積層端面との平滑加工作業の容易
性向上をも図ることができる、好適な酸化物超電導コイ
ルの線材保護巻線構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1実施例の酸化物超電導コイルの線材保
護巻線構造は、酸化物超電導線材を巻線する巻芯を、円
筒内芯部の長さ方向中央部に円盤状の凸部を設け、その
凸部の両側に上段差部と下段差部を設けた凹凸巻芯と
し、上段差部と下段差部に連通し、内周部から外周に向
けて円筒内芯部の端面と同一高さの幅を持つ幅広絶縁補
強線材とともに幅狭い酸化物超電導線材を巻線し、その
上段差部と下段差部の酸化物超電導線材の最終ターン線
材に接して、幅広絶縁補強線材と同一の幅をなす極低抵
抗導電材の端子線材を巻回固定し、熱処理形成したこと
を特徴とする。
【0010】また、本発明の第2実施例の線材保護巻線
構造は、円筒内芯部の長さ方向中央部に、コイルの巻線
ピッチに合った巻線凹溝を有した円盤状の凸部を設け、
その凸部の両側に上段差部と下段差部を設けた凹凸巻芯
を形成し、その上段差部と下段差部に連通し、同一幅で
作製した絶縁補強線材と酸化物超電導線材を、巻線凹溝
に酸化物超電導線材を配置するように巻線し、上段差部
と下段差部の酸化物超電導線材の外周を、円筒内芯部の
端面と同一高さの幅を持つ端子線材を巻回し、熱処理作
製したことを特徴とする。
【0011】また、本発明の第3実施例の線材保護巻線
構造は、凹凸巻芯の上段差部と下段差部に、凹凸巻芯の
円筒内芯部の端面より低く、酸化物超電導線材より幅の
広い幅広絶縁補強線材と幅狭い酸化物超電導線材をとも
に巻線し、酸化物超電導線材の最終ターン線材背面に接
して、幅広絶縁補強線材に対して幅広で、凹凸巻芯の円
筒内芯部の端面と同一幅をなす端子線材を巻回し、その
外周を、内周部に凹溝を有した環状保護枠で包囲したこ
とを特徴とする。そして、幅広絶縁補強線材には、巻線
時の張力強弱が取れやすく、絶縁層の酸化被膜作製容易
で取扱易いステンレス鋼材、あるいは銅材が好適であ
る。
【0012】また、酸化物超電導線材の巻き始めと巻き
終わりに巻回する端子線材には、酸化物超電導線材に対
して数十倍の厚さを持ち、0℃における電気抵抗値数十
nΩ・m近傍の銀材あるいは銅材が好適である。そし
て、端子線材は絶縁被覆のない状態で巻回し、その外周
に配設する環状保護枠を絶縁被覆を施して設けると、熱
処理形成後の電流供給端子の溶着接合、あるいは積層コ
イル間の端子接合が容易である。
【0013】また、環状保護枠材には、酸化被膜の作製
に容易なステンレス鋼材が適し、環状枠を製作した後一
部分を切断し、開放部を設けて装着した後、開放部を、
伸縮材を介在した固定板で固定すると、コイルの熱処理
形成時の熱収縮応力緩和に効果的である。
【0014】即ち、凹凸巻芯の中心部を形成する円筒内
芯部の端面より低い、あるいは同一高さの幅を持つ幅広
絶縁補強線材と、幅狭い酸化物超電導線材とを、あるい
は同一幅で作製した補強線材と酸化物超電導線材とをと
もに巻線し、酸化物超電導線材の外周に、円筒内芯部の
端面と同一高さの幅を持つ端子線材を巻回固定し、ある
いは端子線材の外周にリング状の線材保護枠を設け、熱
処理作製することにより、巻線した上コイルと下コイル
のコイル端面は、補強線材に対して酸化物超電導線材の
面が低く、凹凸状をなしたコイル端面となるので、熱処
理時の酸化物超電導材にじみによる線材短絡は防止され
る。
【0015】また、巻線した酸化物超電導線材は、絶縁
補強線材,端子線材および円筒内芯部や線材保護枠によ
って保護され、熱処理によりセラミックス状になった酸
化物超電導線材への飛散物の衝突、あるいは人的接触に
よる直接的接触破損は防止される。
【0016】このようにすることによって、コイルが取
扱易く、端子の接合作業が容易にして機械的強度に強
い、そして、積層コイル端面を平滑にして冷却性向上を
図り、積層組立解体に便利な酸化物超電導コイルを得る
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて詳細に説明する。図1に本発明の実施例を示す酸化
物超電導コイルの一部破断外観斜視図を示す。図2に本
発明の酸化物超電導コイルの巻芯の一部破断外観斜視図
を示す。図1,図2において、酸化物超電導コイル1
は、円筒内芯部2と、円筒内芯部2の長さ方向中央部に
円盤状の凸部3を設け、凸部3の上側と下側に上段差部
4と下段差部5を設けた凹凸巻芯とし、凹凸巻芯の全周
を酸化被膜で覆った絶縁凹凸巻芯6を形成し、凸部3を
挟んで設けた上段差部4と下段差部5に、巻線する酸化
物超電導線材の巻き始め端子と巻き終わり端子が外周部
に位置するように、円筒内芯部2の端面7と同一高さの
幅を持つ、熱処理により絶縁した幅広絶縁補強線材8a
と、幅広絶縁補強線材8aより幅狭い酸化物超電導線材
9aとをともに巻線し、上コイル10と下コイル11を
形成している。
【0018】上コイル10と下コイル11は凸部3の底
部に設けた貫通穴12を介して連通したダブルパンケー
キ巻きコイルとなっている。そして、上コイル10と下
コイル11の外周、即ち、最終ターン線材13の背面1
4に、環短絡を起こさないように、環状体の物を一カ所
切断した、幅広絶縁補強線材8aの幅と同一で、かつ絶
縁凹凸巻芯6の円筒内芯部2の端面7と同一高さの幅を
持つ、0℃における電気抵抗値数十nΩ・m近傍の極低
抵抗導電材の端子線材15を巻回し、熱処理を施した後
端子線材15の切断部を熱硬化性絶縁材16で固定して
いる。
【0019】以上のように構成した本実施例の線材保護
巻線構造は、絶縁凹凸巻芯6の上段差部4と下段差部5
に、円筒巻芯部2の端面7と同一高さの幅を持った幅広
絶縁補強線材8aと幅狭い酸化物超電導線材9aとをと
もに巻線し、その酸化物超電導線材9aの最外周を、つ
まり、最終ターン線材13の背面14に、幅広絶縁補強
線材8aと同一幅で円筒内芯部2の端面7と同一高さの
幅を持つ端子線材15を巻回し、熱処理作製することに
より、絶縁凹凸巻芯6の円筒巻芯部2の端面と幅広絶縁
補強線材8aおよび端子線材15は同一面をなし、酸化
物超電導線材9aの巻線コイル面は低くなり、酸化物超
電導線材9aは幅広絶縁補強線材8aや端子線材15お
よび円筒内芯部2によって包囲される格好となる。
【0020】このために、熱処理時の酸化物超電導線材
9aのにじみ溶融材は幅広絶縁補強線材8aによって阻
止され、隣接する酸化物超電導線材9aとの線材短絡は
防止される。また、幅広絶縁補強線材8aは酸化物超電
導線材9aと同様に厚さが数百ミクロンと非常に薄く、
破損し易いが、数十ターンから数百ターンと巻線ターン
数が多くなることから、巻数により機械的強度が増し、
巻線した酸化物超電導線材9aの巻線端面は仮想的に金
属カーテンで覆われたようになる。
【0021】また、酸化物超電導線材9aを補強する幅
広絶縁補強線材8aには、絶縁凹凸巻芯6の円筒内芯部
2と端子線材15で保護され、酸化物超電導コイル1へ
の電流供給端子の溶着接合、あるいは運搬作業や積層組
立作業時等熱処理後の酸化物超電導線材9aに触れるこ
とは抑制され、作業工具等を間違えてコイル上に置いた
り、外部周辺からの飛散物衝突があっても破損防止を図
ることができ、取扱容易にして作業向上を図ることがで
きる。
【0022】また、作製した単位コイルを冷凍機で冷却
するときの、冷凍機からのステージ面と単位コイル端面
の接合面との密着性向上を図るためのコイル端面の平滑
加工を可能にし、コイル冷却の均一性を向上することも
できる。
【0023】また、酸化物超電導コイル1の側面に急激
な機械的応力が加わっても、巻線された幅広絶縁補強線
材8aと円筒内芯部2および端子線材15によって受け
とめられ、酸化物超電導線材9aへの影響は阻止され、
機械的強度に強く、絶縁性に優れ信頼性の高い、そし
て、高精度で多層構造用の積層単位コイルにも利用でき
る大形酸化物超電導コイル製作に好適な、酸化物超電導
コイルを得ることができる。
【0024】以上のように、第1実施例に示す線材保護
巻線構造は、絶縁凹凸巻芯6の上段差部4と下段差部5
に、円筒内芯部2の端面7の高さとコイル外周の端子線
材15幅と同一高さの幅を持つ幅広絶縁補強線材8a
と、幅広絶縁補強線材8aより幅狭い酸化物超電導線材
9aとを巻線していたが、上段差部4と下段差部5に、
同一幅の絶縁補強線材と酸化物超電導線材を巻線し、酸
化物超電導線材外周の端子線材15を、円筒内芯部2の
端面7の高さと同一高さの幅広端子線材として巻回して
も前記実施例と同等の作用効果を得ることができる。
【0025】以下、本発明の第2実施例を図を用いて詳
細に説明する。図3に本発明の第2実施例を示す巻芯の
一部破断外観斜視図を示す。図4に本発明の第2実施例
を示す酸化物超電導コイルの一部破断外観斜視図を示
す。図3,図4に示す第2実施例は、第1実施例と同様
に、酸化物超電導線材9aを巻線する巻芯を、円筒内芯
部2の長さ方向中央部に円盤状の凸部3を備え、上段差
部4と下段差部5を設け、全周を酸化被膜17で覆った
絶縁凹凸巻芯6を形成し、その上段差部4と下段差部5
に面した凸部3の両面に、巻線ピッチに合った巻線凹溝
18と巻線凸部19を設けている。
【0026】そして、上段差部4と下段差部5に同一厚
みの同一幅で作製した絶縁補強線材20と酸化物超電導
線材9bを、巻線凹溝18に酸化物超電導線材9bを、
巻線凸部19に絶縁補強線材20を配設するように巻線
している。そして、酸化物超電導線材9bの外周を円筒
内芯部2の端面7の高さと同一高さの幅を持つ幅広端子
線材21aを巻回し、幅広端子線材21aの周回突き合
わせ部を絶縁層22を介し、伸縮材23を介在した固定
板24で固定し熱処理作製している。固定板24と幅広
端子線材21aの固定はネジ25aで固定している。
【0027】以上のように、円筒内芯部2の凸部3の面
に巻線凹溝18と巻線凸部19を設け、同一幅の絶縁補
強線材20と酸化物超電導線材9bとをともに巻線し、
その酸化物超電導線材9bの最外周を幅広端子線材21
aで巻回した線材保護巻線構造は、絶縁補強線材20と
酸化物超電導線材9bは同一幅であっても、巻線コイル
面は、凸部3面の巻線凹溝18と巻線凸部19によっ
て、絶縁補強線材20と酸化物超電導線材9bを異幅の
もので巻回したように凹凸状面をなし、酸化物超電導線
材9bが低く保護され、第1実施例と同様に、熱処理時
の酸化物超電導線材にじみによる線材間短絡は防止され
る。さらに、絶縁補強線材20が酸化物超電導線材9b
より突き出た面となるので、外部周辺からの飛散物や人
的接触があっても、直接酸化物超電導線材9bに接触す
ることは防止され、破損率の少ない酸化物超電導コイル
を得ることができる。
【0028】また、コイル外周の幅広端子線材21aの
巻回固定を、伸縮材23を備えた固定板24で固定する
ことにより、熱処理作製時の熱伸縮応力を緩和できる固
定構造となるので、コイル変形破損防止ができ、高精度
で周辺からの飛散物や人的接触による破損心配がなく、
取扱容易にして信頼性の高い、そして、多層構造用の積
層コイルとしても利用できる好適な酸化物超電導コイル
を得ることができる。以上のように、上記実施例におい
ては、絶縁凹凸巻芯6を形成する円筒内芯部2の上段差
部4と下段差部5に、円筒内芯部2の端面7の高さ以下
の幅広絶縁補強線材8aと幅狭い酸化物超電導線材9a
を、あるいは円筒内芯部2の長さ方向中央部に凸部3を
設けて上段差部4と下段差部5を形成し、その上段差部
4と下段差部5に面した凸部3の面に、酸化物超電導線
材9bを配設する巻線凹溝18と、絶縁補強線材20を
配設する巻線凸部19を設け、その上段差部4と下段差
部5に、同一幅で作製した酸化物超電導線材9bと絶縁
補強線材20とをともに巻線し、その酸化物超電導線材
9bの最外周面に接して端子線材15,幅広端子線材2
1aを巻回固定して熱処理作製していたが、端子線材1
5あるいは幅広端子線材21aの外周に、絶縁凹凸巻芯
6の上段差部4と下段差部5を含む円筒内芯部2長さと
同一幅の保護枠を配設した線材保護巻線構造としても、
前記実施例と同等以上の作用効果を得ることができる。
【0029】以下、本発明の第3実施例を図を用いて詳
細に説明する。図5にコイル外周部に配設する線材保護
枠の一部破断外観斜視図を示す。図6に本発明の第3実
施例を示す酸化物超電導コイルの一部破断外観斜視図を
示す。図5,図6に示す第3実施例は、巻芯を、第1実
施例と同様に、円筒内芯部2の長さ方向中央部に平坦な
円盤状の凸部3を設け、凸部3の両面に上段差部4と下
段差部5を設け、全周を酸化被膜17で絶縁した絶縁凹
凸巻芯6としている。そして、本第3実施例において
は、上段差部4と下段差部5に、酸化物超電導材より幅
広く、円筒内芯部2の端面7と同一高さ以下の幅を持つ
幅広絶縁補強線材8bと、幅狭い酸化物超電導線材9c
とをともに巻線し、巻線した酸化物超電導線材9cの最
外周面に接し、幅広絶縁補強線材8bと同等幅の幅広端
子線材21bを巻回している。
【0030】そして、この幅広端子線材21bの外周
に、上段差部4と下段差部5を含む円筒内芯部2高さと
同一幅で、内周部中央に円筒内芯部2の凸部3の厚さに
合った内輪溝26と、幅広端子線材21bへの電流供給
端子を接合するための端子接合窓27a,27bを備
え、固定用ネジ穴28を設け、全周を熱処理により絶縁
した環状保護枠29を配設している。そして、円筒内芯
部2の凸部3に環状保護枠29を装着し、その両端を伸
縮固定板30で固定している。伸縮固定板30は環状保
護枠29の固定用ネジ穴28へネジ25bをさし込み強
固に固定し、熱処理作製するようにしたものである。
【0031】以上のように、幅広端子線材21bの外周
に、上段差部4と下段差部5を含む円筒内芯部2の長さ
と同一幅をなし、内周面に、円筒内芯部2の凸部3の厚
さに合った内輪溝26を設けた環状保護枠29を配設し
た線材保護巻線構造は、環状保護枠29の内輪溝26を
絶縁凹凸巻芯6の凸部3に装着させ、絶縁凹凸巻芯6の
凸部3で固定支持をさせながら伸縮固定板30で固定
し、酸化物超電導線材9c外周の幅広端子線材21bを
包囲することにより、前記実施例と同等の作用効果を得
られる他に、コイルの横転時や外部からの飛散物の衝
突、あるいは人的接触があっても環状保護枠29によっ
て抑制され、幅広端子線材21bや酸化物超電導線材9
cへの機械的応力の印加が防止される。
【0032】また、幅広端子線材21bへの電流供給端
子や積層コイル間の端子接合時等、無理な曲げ応力印加
がかかっても、環状保護枠29の端子接合窓27a,2
7bに設けている接合端子固定用溝31に固定支持板等
を装着して任意に固定することにより溶着接合端子を容
易に補強固定でき、端子溶着接合時の酸化物超電導線材
9cおよび端子線材破損なる心配がなく、機械的強度の
強い、そして信頼性の高い、多層構造用の積層単位コイ
ルにも利用できる好適な酸化物超電導コイルを得ること
ができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
円筒内芯部の長さ方向中央部に円盤状の凸部を設け、そ
の凸部の両側に段差部を設けた凹凸巻芯を形成し、段差
部に、円筒内芯部の両面の高さ以下で、酸化物超電導線
材に対して補強線材の巻線端面が高くなるように、酸化
物超電導線材と補強線材とをともに巻線し、酸化物超電
導線材の最外周を、円筒内芯部の端面高さと同一以下
の、電流供給用端子あるいは積層コイル間の接続端子を
接合する端子線材を巻回し、または、その端子線材の外
周を、円筒内芯部の端面高さと同一高さとなる幅を持つ
環状保護枠を配設することにより、コイル熱処理時の超
電導材にじみによる線材短絡は防止できる。また、周辺
からの飛散物の衝突や作業時の人的接触による超電導線
材への直接接触破損を防止でき、機械的応力印加に対し
て強く、作業容易にして信頼性の維持向上を図り、多層
構造用の積層単位コイルにも利用できる、好適な酸化物
超電導コイルの製作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる酸化物超電導コイルを
示す一部破断外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係わる酸化物超電導コイルの
巻芯を示す一部破断外観斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例に係わる酸化物超電導コイ
ルの巻芯を示す一部破断外観斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例に係わる酸化物超電導コイ
ルを示す一部破断外観斜視図である。
【図5】本発明の第3実施例に係わる酸化物超電導コイ
ルの外周部に配設する環状保護枠を示す外観斜視図であ
る。
【図6】本発明の第3実施例に係わる酸化物超電導コイ
ルの一部破断外観斜視図である。
【符号の説明】
1…酸化物超電導コイル、2…円筒内芯部、3…凸部、
4…上段差部、5…下段差部、6…絶縁凹凸巻芯、7…
端面、8a,8b…幅広絶縁補強線材、9a,9b,9
c…酸化物超電導線材、10…上コイル、11…下コイ
ル、12…貫通穴、13…最終ターン線材、14…背
面、15…端子線材、16…熱硬化性絶縁材、17…酸
化被膜、18…巻線凹部、19…巻線凸部、20…絶縁
補強線材、21a,21b…幅広端子線材、22…絶縁
層、23…伸縮材、24…固定板、25a,25b…ネ
ジ、26…内輪溝、27a,27b…端子接合窓、28
…固定用ネジ穴、29…環状保護枠、30…伸縮固定
板、31…接合端子固定用溝。
フロントページの続き (72)発明者 田中 和英 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 和久田 毅 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5G321 AA01 BA03 CA18 CA52 DB18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属で被覆した酸化物超電導線材と、酸化
    物超電導線材を補強する補強線材と、酸化物超電導線材
    と補強線材とを巻線する巻芯とからなる酸化物超電導コ
    イルにおいて、巻芯に巻線する酸化物超電導線材と補強
    線材の巻線表面を、凹凸状面を形成するように巻線した
    ことを特徴とする酸化物超電導コイルの線材保護巻線構
    造。
  2. 【請求項2】金属で被覆した酸化物超電導線材と、補強
    線材と、酸化物超電導線材と補強線材とをともに巻線す
    る巻芯とからなる酸化物超電導コイルにおいて、巻線し
    た酸化物超電導線材と補強線材の渦巻端面を、酸化物超
    電導線材を低く、補強線材を高くした渦巻段差面をなす
    ように巻線したことを特徴とする酸化物超電導コイルの
    線材保護巻線構造。
  3. 【請求項3】金属で被覆した酸化物超電導線材と、補強
    線材と、酸化物超電導線材と補強線材を巻線する巻芯と
    からなる酸化物超電導コイルにおいて、巻芯を、円筒内
    芯と、円筒内芯の長さ方向中央部に円盤状の凸部を設
    け、両側に段差部を設けた凹凸巻芯とし、凹凸巻芯の段
    差部に幅の異なる酸化物超電導線材と補強線材とをとも
    に巻線したことを特徴とした酸化物超電導コイルの線材
    保護巻線構造。
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