JP2000029342A - 薄肉ローラ及び該薄肉ローラの製造方法 - Google Patents

薄肉ローラ及び該薄肉ローラの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より薄肉でかつ高剛性な定着ローラ及び
該定着ローラの製造方法を提供する。 【解決手段】 円筒状のローラ芯金1を有する定着ロー
ラにおいて、上記ローラ芯金1の内周面に凸状のリブ3
を設け、そのローラ面を薄肉にした構成である。このよ
うな定着ローラは、スピニング加工によって、ローラ芯
金の外周面に溝3aを形成することにより、その反対側
の内周面に上記溝3aに対応したリブ3を形成し、その
後に上記溝を除去するようにその外周面の外径切削を行
うことで製造可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリなどの電子写真式の画像形成装置に使
用される定着ローラに関し、特に、肉厚の薄いローラ芯
金を備えた薄肉ローラ、及び該薄肉ローラの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】複写機等の電子写真式の画像形成装置に
使用される定着ローラは、そのローラ内にハロゲンヒー
タ等の熱発生装置を内装し、加圧ローラと圧接してニッ
プ部を形成している。そして、このような定着ローラ
は、ニップ部の圧力と、上記熱発生装置からの輻射熱と
により、上記ニップ部に送り込まれた転写紙にトナーを
溶融定着させるものである。
【0003】従来から、定着ローラは、その芯金に熱伝
導性及び剛性の確保のためアルミニウム合金が素材とし
て用いられている。このような定着ローラの一般的な構
成は、筒状で薄肉のローラ芯金を基体とし、その外周面
にフッ素皮膜等を粉体塗装し焼成して離型層をコーティ
ングしたものである。
【0004】また、上記定着ローラの製造工程の概略
は、上記アルミニウム合金材を円筒状の長尺のローラに
成型し、これを所定の長さに切断して短尺なローラ芯金
とし、さらに、その外周面に離型層を密着させるため切
削又は研削等により表面を粗面化した後、離型層の形
成、所定の仕上げ処理を行って完成品の定着ローラを得
る。
【0005】多くの場合、上記製造工程におけるローラ
芯金の粗面化は、ダイヤモンドバイトを使用した外径切
削により行われる。また、この切削は、同時にローラ芯
金を所定の肉厚まで薄肉化する工程でもある。一方、近
年において、上記定着ローラのローラ芯金は、熱伝導性
を向上させるために、さらなる薄肉化が要求されてい
る。すなわち、ローラ芯金の薄肉化により定着可能な温
度に達するまでの時間(定着ローラの立ち上がり時間)
を短縮して複写機等の省電力化を進めることが望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
定着ローラは、その機能上、高剛性であること必要であ
り、いたずらにローラ芯金の肉厚を落とすことはできな
い。また、上記ダイヤモンドバイトによって肉厚を均一
に薄くすることのできるプロセス限界点は、現在では
0.8mmが限界であり、この肉厚では、定着ローラの
立ち上がり時間は、ほぼ30秒が限度となっている。
【0007】なお、アルミニウム合金材の代替素材とし
て、鉄や、ステンレス系の素材を用いる試みもなされて
いるが、その防錆対策、加工性の問題等から製造コスト
に見合わず、また、アルミニウム合金材に比べて熱伝導
率が低く、温度分布の均一性も十分に得られていない。
【0008】そこで、本発明の目的は、ローラ芯金にア
ルミ合金材を用いても、従来より薄肉で、かつ、高剛性
を確保できるローラ芯金を有する定着ローラを提供する
とともに、簡易かつ安価な方法によりローラ芯金を薄肉
化でき、かつ高剛性を確保できる定着ローラの製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の定着ローラは、ローラ芯金の内周面に凸状のリブを
有することを特徴としている。
【0010】上記リブが、上記内周面に螺旋状、また
は、格子状に形成されていることが望ましい。この場
合、上記格子状のリブが、巻き方向の異なる少なくとも
2本以上の上記螺旋状のリブからなる構成としてもよ
い。さらに、上記螺旋状のリブのリード角が、2°から
15°の範囲にあることが望ましい。
【0011】上記目的を達成する本発明の定着ローラの
製造方法は、円筒状のローラ芯金の外周面に溝を形成
し、その反対側の内周面に上記溝に対応したリブを形成
する第1の工程と、該第1の工程で形成された溝を除去
するように上記外周面の切削を行う第2の工程と、を有
することを特徴としている。
【0012】上記第1の工程が、一方向へ等速回転され
るローラ芯金のローラ面を押圧する押さえ部材を、その
軸方向へ往復移動させて、上記ローラ面に巻き方向の異
なる2本の螺旋状の溝及びリブを形成するスピニング加
工であるとしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の定着ローラ及び該
定着ローラの製造方法の実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、本実施例の定着ローラの構成について説明す
る。図1は、本発明の適用対象となる定着ローラの基本
的構成を示す図である。定着ローラの基本的構成は、円
筒状のローラ芯金1にトナーのオフセットを防止するた
めの離型層2を形成したものである。
【0014】また、図1に示すように、定着ローラの全
体の形状は、そのローラの両端位置の直径が、その長手
方向の中央位置の直径より大きくなった、いわゆる鼓形
状となっている。この鼓形状によれば、図示しない加圧
ローラとの間に形成するニップ部のうち、両端部の圧接
力が向上する。この結果、搬送される転写紙のヨレや、
シワ等の発生が防止される。なお、上記鼓形状における
両端位置と中央位置との直径差は、0.08mm程度が
一般的である。
【0015】本発明の定着ローラは、図1に示したロー
ラ芯金1の内周面にリブを形成し、従来よりローラ面を
薄肉にした構成である。図2から図4に、内周面にリブ
3が形成された上記ローラ芯金1の構成例を示す。この
ようなローラ芯金1の内周面に成型可能であるリブ3の
配置や形状については、様々なパターンが考えられる
が、ここでは、それらのうち3種類の構成例を各図に示
している。
【0016】図2は、螺旋状にリブ3を形成したローラ
芯金1の一部構成図である。この図において、(a)は
定着ローラの縦断面図、(b)は(a)のA−A線で切
断した断面図、(c)はローラ面の断面の一部を拡大し
た斜視図である。
【0017】図2に示すように、このローラ芯金1の内
周面には、ローラの一方の端部から他方の端部へ向け
て、螺旋状に1本のリブ3が形成されている。また、こ
のリブ3は、ローラ芯金1の内周面にのみ形成されてお
り、その外周面は、従来の定着ローラと同様に均一な周
面である。
【0018】図2(c)の拡大図に示すように、ローラ
面のうち、リブ3の形成されていないローラ面1aは、
非常に薄肉である。本実施例において、このローラ面1
aの肉厚は0.3mm前後となっている。
【0019】このように従来より薄肉なローラ面は、ロ
ーラ芯金1内に内装されるハロゲンヒータ等からの輻射
熱を受けたとき、従来より単位時間あたりの温度上昇が
早いため、定着ローラの立ち上がり時間を短縮可能とし
ている。また、内周面上に途切れなく連続的に形成され
たリブ3は、加圧ローラとの圧接回転に耐えうる十分な
強度を与えている。
【0020】図3のローラ芯金1は、図2で示した一方
向の螺旋状のリブ3に加えて、これと巻き方向が反対の
螺旋状のリブ3を形成した構成例である。この場合、2
本の螺旋状のリブ3は、いわゆるあやめ格子状のリブ3
となっており、図1のローラ芯金1の場合より、さらに
強度をバランス良く向上させている。
【0021】図4は、図3と同じように、格子状のリブ
3を形成した構成例であるが、この場合は、軸方向と平
行な複数の直線状のリブ3と、これらに直角に交わる複
数のリング状のリブ3とを、内周面にそれぞれ等間隔に
形成したものである。
【0022】図2から図4の構成例において、ローラ芯
金1のみを図示しており、これら各ローラ芯金1は、各
外周面に、離型層2や、図示しないゴム部材からなる弾
性層を設けると、図1の定着ローラとなる。上記ローラ
芯金1の離型層2は、フッ素樹脂の粉体塗装により、膜
厚10〜30μmの薄膜が形成される。また、例えば、
弾性層を設ける場合には、ローラ芯金1上にゴム部材等
の弾性層を設けて、この弾性層の表面に上記離型層2を
形成した重層構造となる。
【0023】つぎに、本発明の定着ローラの製造方法を
説明する。まず、従来の定着ローラの製造方法における
一般的な工程順を説明すると、筒状のローラ芯金1の成
型工程、外周面の粗面化工程、離型層2の形成工程、ロ
ーラ面の研磨工程(仕上げの工程)の順に行われる。
【0024】本実施例の製造方法では、上記従来の工程
に加えて、上記粗面化の工程の前にローラ芯金1にリブ
3の形成が行われる。なお、ここで加工対象となるロー
ラ芯金1は、従来と同じ素材、及び同じサイズのローラ
芯金を用いることができる。
【0025】以下、加工対象に、A5052材からなる
アルミニウム合金材を、外周直径φ30.0mm、全長
L380.0mm、肉厚t1.0mmの円筒状に成型し
た芯金1(以下、「芯金」と称する)を用いる。そし
て、この芯金1の内周面に図3で示したような、上記あ
やめ格子状のリブ3を形成する場合を例にとって、製造
方法の一実施例を説明する。
【0026】本実施例の定着ローラの製造において、内
周面へのリブ3の形成工程は、CNC旋盤を使用した2
つの工程からなる。第1の工程は、上記芯金1に対する
スピニング加工で、第2の工程は、外周面の切削であ
る。
【0027】上記リブ3の形成工程を概説すると、第1
の工程では、芯金1をCNC旋盤の主軸で回転可能にチ
ャックした状態で、芯金1の外周面に螺旋状の溝を形成
するようにスピニング加工が行われる。この工程におい
て、スピニング加工による溝の形成と同時に、その裏側
の内周面には上記リブ3が形成される。ついでCNC旋
盤上で第2の工程が行われる。この第2の工程では、芯
金1の外周面を切削し外周面の上記溝を除去して、その
ローラ面に上記リブ3のみを残したローラ芯金1を成型
する。
【0028】図5は、リブ形成具4の詳細構成図であ
る。図5に示すように、上記リブ形成具4は、スピニン
グローラ5からなる押さえ部材を有し、このスピニング
ローラ5は、軸受部材4aにより回転可能(矢印A)に
支持されており、溝3aを成形するためのノーズ5aを
有している。また、スピニングローラ5は、上記軸受部
材4aごとアーム4bに回転可能に保持され、ラジアル
方向に回動(矢印B)するようになっている。なお、本
実施例では、スピニングローラ5は、外径が150.0
mm、ノーズ5aの部分のRが2.0(mm)のサイズ
のものを使用している。
【0029】図6及び図7は、あやめ格子状のリブ3を
形成するスピニング加工の工程を示す図である。図6
は、1本目のリブ3を形成するところを、図7は2本目
のリブ3を形成するところを示している。また、これら
の各図において、(a)では側方から見た様子を、
(b)では螺旋を展開して直線にして上方から見た様子
を示している。
【0030】また、図8は、上記リブ形成具4によりロ
ーラ面に溝3a及びリブ3が形成される様子を拡大して
示した断面図である。スピニング加工において、上記リ
ブ形成具4は、アーム4bを介して芯金1の軸方向に移
動制御され、また、スピニングローラ5は、そのラジア
ル方向へ位置決め制御される。そして、このスピニング
ローラ5が、芯金1の外周面に所定寸法の溝3aを成形
するように芯金1上に位置決めされると、この芯金1の
回転と従動して回転されることになる。
【0031】図8に示すように、スピニングローラ5
は、上記従動回転とともに、その外周縁の形状5a(以
下、「ノーズ」と称する)を芯金1の外周面に連続的に
押し込み、外周面を凹ませて螺旋状の溝3aを、また同
時に内周面にリブ3を形成する。
【0032】また、第1の工程において、上記あやめ格
子状のリブ3の形成は、本来2通りの方法が考えられ
る。第1の方法は、本実施例のように芯金1を一定の方
向に回転させたまま、リブ形成具4を往復させる方法
で、第2の方法は、1本目の形成後に、芯金1の回転方
向を反転させてリブ形成具4を元の位置に戻してから再
度同じ方向へ送る方法である。
【0033】図6及び図7に示したように、本実施例で
は、リブ形成具4を往復移動させてあやめ格子状のリブ
3を形成する方法を採用している。この方法では、リブ
形成具4を1回往復させるだけで、上記あやめ格子状の
リブ3を形成でき、ワークの1本あたりに費やす加工時
間が短く、生産性が向上するので製造コスト低減に有利
である。
【0034】なお、上記芯金1の外周面にどのような形
状の溝3a(内周面にはリブ3)が形成されるかは、芯
金1の回転速度、リブ形成具4の移動速度(送り量)、
スピニングローラ5のラジアル方向の角度、及び、スピ
ニングローラ5のノーズ5aの押し込み量により決定さ
れる。ここで、このような加工条件の設定にあたり、上
記CNC旋盤を動かすプログラムには、いわゆるねじ切
り用に設定されたものを流用すると良い。
【0035】上記第1の工程において、本実施例におけ
るスピニング加工の主要な加工条件は、主軸回転数を6
0.0rpmとし、リブ形成具4の送り量fを10.0
mm/revとし、ノーズ5aの押し込み量を1.0m
mとした。この場合、芯金1の外周直径をDとすると、
螺旋のリード角α(軸方向と垂直に交わる平面との角
度)は、次の式から求めることができる。 tanα=f/πD
【0036】上記加工条件のスピニング加工では、リブ
3のリード角αが5°となる。このようにリード角αを
計算により求めることができ、または、任意にリード角
αを設定する際には必要な他の加工条件を求めることが
できる。なお、上記リブ形成具4は、上記のように求め
られるリード角αによりラジアル方向への位置決めが行
われれる。また、上記スピニング加工により、外周面の
溝3a、及び内周面のリブ3は、以下のサイズとなっ
た。 溝3a;深さd0.6〜0.8、幅h1.0〜1.2
(mm) リブ3;高さd′0.3〜0.5、幅h′0.6〜0.
8(mm)
【0037】上記第1の工程が終了すると、CNC旋盤
上では引き続いて上記外周面の溝を除去する第2の工程
へ入る。この第2の工程における切削としては、上記芯
金1にダイヤモンドバイト6による外径切削が施され
る。このような切削を行うのは、芯金1の外周面を削っ
てその外周面の溝3aを除去するためであり、また、後
に形成される離型層2との密着性を確保するために表面
をある程度に粗面化するためでもある。なお、バイトに
よる切削に代えて、あるいは加えて、砥石による研削加
工を行ってもよい。
【0038】図9は、芯金1の外周面を切削する様子を
拡大して示した断面図である。本実施例では、切削の加
工条件を、主軸回転数4500rpmとし、ダイヤモン
ドバイト6の送り量0.13mm/revとして加工を
行った。ここで、設定すべきダイヤモンドバイト6によ
る削りの深さd″は、上記溝3aの深さdにより異なっ
た数値となる。すなわち、図8に示すように、芯金1の
外周面の凹凸をなくして均一化するような深さd″を設
定し、溝3aを完全に除去する必要がある。また、上記
切削は、芯金1を肉薄化する工程でもある。例えば、溝
3aの深さdが0.6mmであれば、ダイヤモンドバイ
ト6の削りの深さd″を0.7に設定し、ローラ面を
0.3mmの肉厚まで薄くすることが可能である。な
お、上記外径切削後の外周面は、その送り量等の切削条
件から3μm程度の面粗さ(Rz)が得られる。
【0039】上記第2の工程における上記ダイヤモンド
バイト6を用いた切削による粗面化は、従来からローラ
芯金の製造工程でも離型層との密着性向上のために行わ
れていた。そこで、本発明の製造方法では、そのような
粗面化の工程を、上記外周面の溝3aからなる凹凸を削
り落とすための上記第2の工程に利用している。すなわ
ち、従来と同様の設備を使用でき、しかも、上記のよう
に溝3aの除去、薄肉化、及び、粗面化をすべて同時に
行っているので、比較的低コストでの製造を可能として
いる。
【0040】上記第2の工程が終了すると、その後は従
来の製造方法と特に変わるとことはない。本実施例で
は、上記切削によりローラ芯金1の成型が完了すると、
つぎにサンドブラスト処理を行うこととし、サンドブラ
スト処理により、さらに高精度の面粗さRzを得るよう
にしている。このサンドブラスト処理は、平均粒径5
0.0μm(いわゆる呼び粒度が#180である)のア
ルミナ材を使用し、吐出圧を2.5〜4.0kgf/c
2として行った。この場合、ローラ芯金1の表面の面
粗さは、Rz=9.0〜12.0μmとなった。
【0041】上記サンドブラスト処理の後、ローラ芯金
1を塗装装置に移し、フッ素樹脂等を粉体塗装して薄膜
を形成し、ついでこれを焼成装置内に移し、380℃の
高温下で焼成し離型層2を形成する。本実施例では、焼
成後の離型層2は、その膜厚が20.0〜24.0μ
m、表面の面粗さRzが2.5〜3.0μmとなった。
【0042】上記焼成工程の後、ローラ面をテープ研磨
すれば定着ローラの完成品となる。なお、完成した定着
ローラの最終的な面粗さRzは、2.0μm以下にする
とよい。図10は、完成品である定着ローラ1を展開し
て、その内周面のリブ3の形成状態を示した図である。
上記のように完成した定着ローラは、その内周面に上記
スピニング加工で施された、2方向性のリブ3がバラン
ス良く等間隔に並んで形成されている。
【0043】なお、経験的には、あやめ格子状のリブ3
のリード角αは、2〜15°の範囲にあることが好まし
く、上記したように本実施例のリード角αは5°であ
る。また、上記あやめ格子状のリブ3は、スピニング加
工の条件設定を変えることで、その螺旋の本数や、上記
リード角α等を変えることができ、その定着ローラの使
用条件に合致した最適なクリープ特性や、たわみ量を確
保することができる。
【0044】以上の実施例の説明は、定着ローラについ
てであるが、本発明は、定着ローラに限らず、ドラム感
光体、現像器の現像スリーブなど、円筒状で薄肉のロー
ラであれば、定着ローラと同様に適用可能で、同様の効
果を得ることができると考えられる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着ロー
ラは、ローラ芯金の内周面に凸状のリブを有する構成な
ので、ローラの剛性を確保し、かつローラ面の薄肉化を
図ることができ、定着ローラの立ち上がり時間を短縮す
ることができる。特に、上記リブを螺旋状、又は格子状
に形成した構成によれば、高い剛性を確保できる。
【0046】本発明の定着ローラの製造方法は、円筒状
のローラ芯金の外周面に溝を形成し、その反対側の内周
面に上記溝に対応したリブを形成する第1の工程と、該
第1の工程で形成された溝を除去するように上記外周面
の切削を行う第2の工程と、を有する方法なので、既存
の旋盤等の設備を使用して安価かつ簡易にリブを形成す
ることができ、また、上記第2の工程においては、上記
内周面のリブの存在によりプロセス限界が下がりローラ
面を従来より薄肉化することができる。
【0047】また、上記第1の工程において、一方向へ
等速回転されるローラ芯金のローラ面を押圧する押さえ
部材を、その軸方向へ往復移動させて、上記ローラ面に
巻き方向の異なる2本の螺旋状の溝及びリブを形成する
スピニング加工を行う方法によれば、上記あやめ格子状
の溝及びリブを短時間で簡易に形成でき、加工時間の短
縮により製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能である定着ローラの全体構成
図である。
【図2】内周面に1本の螺旋状のリブを形成したローラ
芯金の構成図で、(a)は縦断面図、(b)はA−A線
の断面図、(c)はリブが形成されたローラの部分断面
を示す拡大図である。
【図3】内周面に巻き方向の異なる2本の螺旋状のリブ
からなる格子状のリブを形成しローラ芯金の断面構成図
である。
【図4】内周面に直線状のリブと、リング状のリブとか
らなる格子状のリブを形成した構成図で、(a)は縦断
面図、(b)はB−B線の断面図である。
【図5】図6及び図7の第1の工程に使用されるリブ形
成具の構成を示す要部断面図である。
【図6】製造方法の実施例において、螺旋状のリブを形
成する第1の工程で、(a)は斜視図で、(b)は上方
から見た展開図である。
【図7】製造方法の実施例において、あやめ格子状のリ
ブを形成する第1の工程で、2本目のリブの形成動作を
示す図で、(a)は斜視図で、(b)は上方から見た展
開図である。
【図8】図6及び図7の第1の工程で、ローラ面に溝及
びリブが形成される様子を示す拡大断面図である。
【図9】第2の工程で、切削により溝を除去している様
子を示す拡大断面図である。
【図10】製造方法の実施例において、製造後の定着ロ
ーラを示す図で、(a)はローラの端部を切り開いた状
態を示す上面図、(b)は展開図である。
【符号の説明】
1 ローラ芯金(芯金) 3 リブ 3a 溝 α リード角 5 押さえ部材(スピニングローラ)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ芯金の内周面に凸状のリブを有す
    ることを特徴とする薄肉ローラ。
  2. 【請求項2】 上記リブが、上記内周面に螺旋状に形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の薄肉ロー
    ラ。
  3. 【請求項3】 上記リブが、上記内周面に格子状に形成
    されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか
    に記載の薄肉ローラ。
  4. 【請求項4】 上記格子状のリブが、巻き方向の異なる
    少なくとも2本以上の上記螺旋状のリブからなることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薄肉ロー
    ラ。
  5. 【請求項5】 上記螺旋状のリブのリード角が、2°か
    ら15°の範囲にあることを特徴とする請求項2から4
    のいずれかに記載の薄肉ローラ。
  6. 【請求項6】 円筒状のローラ芯金の外周面に溝を形成
    し、その反対側の内周面に上記溝に対応したリブを形成
    する第1の工程と、該第1の工程で形成された溝を除去
    するように上記外周面の切削を行う第2の工程と、を有
    すること特徴とする薄肉ローラの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記第1の工程が、一方向へ等速回転さ
    れるローラ芯金のローラ面を押圧する押さえ部材を、そ
    の軸方向へ往復移動させて、上記ローラ面に巻き方向の
    異なる2本の螺旋状の溝及びリブを形成するスピニング
    加工であることを特徴とする請求項6記載の薄肉ローラ
    の製造方法。
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