JP2000028031A - 湯水混合弁 - Google Patents

湯水混合弁

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JP2000028031A JP10195832A JP19583298A JP2000028031A JP 2000028031 A JP2000028031 A JP 2000028031A JP 10195832 A JP10195832 A JP 10195832A JP 19583298 A JP19583298 A JP 19583298A JP 2000028031 A JP2000028031 A JP 2000028031A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中温度域では上記の勾配が小さく、低温度及
び高温度域では上記勾配が大きい湯水混合弁を提供す
る。 【解決手段】 吐水温度を中温度域に設定した場合、直
列に配置されたバイアスバネ42,44の合成の押圧力
が主軸30に対し左方に作用し、感温バネ40の押圧力
が主軸30に対し右方に作用し、両者の押圧力がバラン
スし、主軸30及び弁体32,34は停止している。5
0℃超の高温側にハンドルを回した場合は、進退軸52
は第2のバイアスバネ44のみを介して主軸30を左方
に付勢するようになる。30℃未満の低温側にハンドル
を回した場合は、進退軸52は第1のバイアスバネ42
のみを介して主軸30を左方に付勢するようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湯水混合弁に係
り、特にバイアスバネと形状記憶材料よりなる感温バネ
とによって弁体を両側から付勢するようにしたサーモス
タット式の湯水混合弁に関する。
【0002】
【従来の技術】サーモスタット式の湯水混合弁として、
形状記憶合金等の形状記憶材料よりなる感温バネを用い
たものが公知である。特開平6−147333号公報に
記載されているように、このタイプの湯水混合弁は、筒
状のバルブボディー内に水シートと湯シートとが設けら
れ、該バルブボディーの軸心線方向に進退可能な弁体が
該水シート及び湯シートに接離可能とされ、該弁体を湯
シート接近方向に付勢する感温バネと、該弁体を水シー
ト接近方向に付勢するバイアスバネと、このバイアスバ
ネを進退させるための温調ハンドルとが設置されてい
る。
【0003】温調ハンドルを回すことによりこのバイア
スバネがその軸心線方向に進退し、バイアスバネによる
弁体の付勢力が変更され、設定吐水温度が変更される。
【0004】即ち、このバイアスバネを退動させると、
該バイアスバネによる付勢力が低下するので、弁体は湯
シートに接近すると共に水シートから離隔し、設定温度
が低下する。バイアスバネを前進させると、逆にバイア
スバネによる付勢力が増大し、弁体は湯シートから離隔
すると共に水シートに接近し、設定温度が高くなる。設
定した温度の混合水を吐出している状態において、給湯
温度や給湯圧の変動などにより混合水温度が設定温度か
ら乖離すると、感温バネが伸長又は縮退し、弁体がシフ
トして混合水温度が自動的に設定温度に復帰する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の湯水混合弁にあ
っては、温調ハンドルの回転角度と弁体のシフト量との
関係が図4の破線の如く、ほぼ一直線状となっている。
即ち、例えば、30℃以下の低温度域、30〜50℃の
中温度域及び50℃以上の高温度域のいずれにおいて
も、温調ハンドルを単位角度回したときの弁体のシフト
量はほぼ同等である。従って、低温度域〜高温度域にお
いて温調ハンドルの回転角度と吐出混合水温度もほぼ一
直線状の関係となっている。
【0006】一般に、湯水混合弁を有した水栓において
は、図5(a)のように、30〜50℃とりわけ35〜
45℃の間で混合水温度を微調節できるように30℃〜
50℃の間の目盛範囲が広いことが望まれている。この
ためには、30〜50℃の中温度域における温調ハンド
ル回転角度に対する吐水温度との関係直線の勾配(図4
の直線の勾配)を寝たものとする必要がある。ところ
が、単純にこの勾配を寝かしてしまうと、低温度域から
高温度域まで温度調節させるためには温度ハンドルの回
転範囲をかなり大きくとらなければならなくなる。回転
式の温調ハンドルにあっては、ハンドルの回転範囲(C
〜H:なお、Cは給水管からの水だけを吐出。Hは給湯
管からの湯だけを吐出。)は360°以内(通常は27
0°以内)に納める必要があるから、上記の如く単純に
勾配を寝かすことは実際には採用できない。(C〜Hの
範囲が360°超となってしまう。)そのため、従来例
にあっては図5(b)の通り、30℃〜50℃の間の中
温吐水域の目盛範囲が狭いものとなっていた。
【0007】本発明は、かかる技術的課題に着目して創
案されたものであり、中温度域では上記の勾配が小さ
く、低温度及び高温度域では上記勾配が大きく、従って
中温吐水域の目盛範囲が広い湯水混合弁を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
湯水混合弁は、筒状のバルブボディー内に水シートと湯
シートとが設けられ、該バルブボディーの軸心線方向に
進退可能であり、該水シート及び湯シートに接離可能な
弁体が該バルブボディーと同軸的に配置され、該弁体を
湯シート接近方向に付勢する感温バネと、該弁体を水シ
ート接近方向に付勢するバイアスバネと、該バイアスバ
ネをバルブボディー軸心線方向に進退させる吐水温度設
定部材とが設けられている湯水混合弁において、該弁体
が中温吐出域に位置するときと、該弁体が低温吐出域又
は高温吐出域に位置するときとで該バイアスバネによる
付勢力を異ならせる付勢力切替手段を設けたことを特徴
とするものである。
【0009】かかる本発明の湯水混合弁にあっては、バ
イアスバネの付勢力が切り替えられることにより、中温
度域の温度勾配が小さなものとなる。
【0010】本発明の一態様(請求項2)は、バイアス
バネとして複数のバイアスバネが設けられており、前記
切替手段は、該弁体が低温吐出域又は高温吐出域に位置
するときには一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用
させ、弁体が中温吐出域に位置するときには全てのバイ
アスバネの付勢力を直列に弁体に作用させるものであ
る。
【0011】かかる湯水混合弁にあっては、混合水の吐
出設定温度が低温度域又は高温度域にあるときには、一
部のバイアスバネの付勢力のみが弁体に作用し、中温度
域に設定されているときには第1及び第2のバイアスバ
ネの直列接続体の付勢力が弁体に作用する。
【0012】周知の通り、バネを直列に接続すると、合
成したバネ定数は各バネのバネ定数の調和平均となり、
個々のバネのバネ定数よりも小さくなる。従って、請求
項2に係る本発明の湯水混合弁によると、中温度域では
バイアスバネによる弁体付勢力が小さくなり、温調ハン
ドルの回転角度に対する弁体のシフト量(従って吐水温
度)の勾配が小さくなり、混合水温度を微調節し易い。
【0013】低温度域又は高温度域では、中温度域にお
ける場合よりもバイアスバネの付勢力が強く、この勾配
が大きくなる。従って、温調ハンドルの回転範囲を増大
させることなく、中温度域の混合水吐出温度を広く設定
することができる。
【0014】請求項2の発明に係る湯水混合弁の一態様
(請求項3)にあっては、前記弁体は、該バルブボディ
ーと同軸配置された主軸に支持されており、該バルブボ
ディーの軸心線方向に進退可能であり、吐水温度設定部
材は、内周面に雌ネジを有し、前記主軸と同軸的に配置
された回転軸と、該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該
主軸と同軸的に配置された筒状の進退軸と、該進退軸の
弁体と遠い方の端部及び近い方の端部にそれぞれ設けら
れた遠端側鍔部及び近端側鍔部と、該進退軸に対し軸心
線方向に移動自在に嵌合しており、該近端側端部に係合
することによって弁体接近方向への移動が規制されるフ
ックと、該主軸に対して軸心線方向移動可能に嵌合して
おり、該フックと弁体との間に配置され、該主軸の長手
方向の途中に設けられた鍔状係止部を前記フックに対し
当接可能なスライドリングとを備えてなり、該スライド
リングと弁体との間に第1のバイアスバネが蓄力状態で
介装され、該フックと遠端側鍔部との間に前記第2のバ
イアスバネが蓄力状態で介装されている。
【0015】請求項4の通り、この切替手段は、前記弁
体から突設された前記主軸と、該主軸の先端に設けられ
たフランジ状の係止部と、該主軸の途中に設けられた前
記鍔状係止部と、前記第2のバイアスバネによって進退
軸の遠端側鍔部に押し付けられる方向に付勢されたスト
ッパリングと、前記第1のバイアスバネによってフック
に押し付けられる方向に付勢された前記スライドリング
とを備えており、弁体が中温吐出域に位置するときに
は、該フランジ状の係止部とストッパリングとが離反
し、該ストッパリングは第2のバイアスバネによって進
退軸の遠端側鍔部に押し付けられており、且つ該鍔状係
止部とスライドリングとが離反し、該スライドリングは
第1のバイアスバネによってフックに押し付けられてお
り、弁体が低温吐出域に位置するときには該ストッパリ
ングに対し該フランジ状の係止部が係合し、且つ前記フ
ックと近端側鍔部との係合によってフックの弁体接近方
向への移動が規制され、これによって第2のバイアスバ
ネの付勢力がストッパリング及び主軸を介して弁体に対
し前記感温バネの付勢力と同方向に加えられると共に、
スライドリングに対し前記鍔状係止部が係合し、第1の
バイアスバネの付勢力が弁体及び進退軸に対し作用しな
いようになるものであっても良い。
【0016】請求項2の発明に係る湯水混合弁の別の態
様(請求項5)にあっては、吐水温度設定部材は、内周
面に雌ネジを有し、前記バルブボディーと同軸的に配置
された回転軸と、該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該
回転軸と同軸的に配置された筒状の進退軸と、該バルブ
ボディーに対し軸心線方向に移動自在であり、該弁体に
当接することによって弁体接近方向への移動が規制され
るクラッチカラムとを備えてなり、該クラッチカラムと
弁体との間に第1のバイアスバネが蓄力状態で介装さ
れ、該クラッチカラムと進退軸との間に第2のバイアス
バネが蓄力状態で介装されている。
【0017】この場合、クラッチカラムは前記進退軸と
係合して前記軸心線方向への移動が規制されるか、又は
弁体と係合して前記軸心線方向への移動が規制されるよ
う構成されるのが好ましい。
【0018】本発明のさらに別の態様(請求項12)に
係る湯水混合弁は、バイアスバネとして複数個のバイア
スバネが設けられており、前記切替手段は、該弁体が中
温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力と反対方
向に各バイアスバネの直列の付勢力を弁体に作用させ、
弁体が低温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力
と同方向に一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用さ
せるものである。
【0019】この湯水混合弁においては、混合水の吐出
設定温度が中温のときには各バイアスバネが直列に弁体
を感温バネと反対方向に付勢するのでこの直列のバイア
スバネによる付勢力が弱くなり、温調ハンドルの回転角
度に対する弁体のシフト量(従って吐水温度)の勾配が
小さくなる。
【0020】混合水の吐出設定温度が低温のときは、一
部のバイアスバネが感温バネと同方向に弁体を付勢す
る。この場合も、温調ハンドルの回転角度に対する弁体
のシフト量(従って吐水温度)の勾配が大きくなる。
【0021】この請求項12の湯水混合弁の一態様(請
求項13)においては、前記吐水温度設定部材は、内周
面に雌ネジを有し、その軸心回りに回転可能に配置され
た回転軸と、該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該回転
軸と同軸的に配置された筒状の進退軸と、該進退軸の軸
心線方向に移動自在なクラッチカラムとを備えてなり、
該クラッチカラムと弁体との間に第1のバイアスバネが
配置され、該クラッチカラムと進退軸との間に第2のバ
イアスバネが配置されている。
【0022】請求項14の通り、このバイアスバネの切
替手段は、弁体から前記進退軸に向って突設された突軸
と、該突軸の先端に設けられた係止部と、前記第2のバ
イアスバネによって進退軸に押し付けられる方向に付勢
された座金とを備えており、弁体が高温吐出域及び中温
吐出域に位置するときには、該係止部と座金とが離反し
ており、該座金は第2のバイアスバネによって進退軸に
押し付けられており、弁体が低温吐出域に位置するとき
には該座金に対し該係止部が係合し、且つ前記係合部に
よってクラッチカラムの弁体接近方向への移動が規制さ
れ、これによって第2のバイアスバネの付勢力が座金及
び突軸を介して弁体に対し前記感温バネの付勢力と同方
向に加えられることが好ましい。この場合、請求項15
の通り、弁体が高温吐出域に位置するときにはクラッチ
カラムが弁体又は進退軸に当接し、クラッチカラムの軸
心線方向への移動が規制されるのが好ましい。
【0023】また、請求項16の通り、この切替手段
は、前記弁体から前記進退軸に向って突設された突軸
と、該突軸の先端に設けられた第1の係止部と、該突軸
の途中に設けられた第2の係止部と、前記第2のバイア
スバネによって進退軸に押し付けられる方向に付勢され
た第1の座金と、前記第1のバイアスバネによってクラ
ッチカラムに押し付けられる方向に付勢された第2の座
金とを備えており、弁体が中温吐出域に位置するときに
は、該第1の係止部と第1の座金とが離反し、該第1の
座金は第2のバイアスバネによって進退軸に押し付けら
れており、且つ第2の係止部と第2の座金とが離反し、
該第2の座金は第1のバイアスバネによってクラッチカ
ラムに押し付けられており、弁体が低温吐出域に位置す
るときには該第1の座金に対し該第1の係止部が係合
し、且つ前記係合部によってクラッチカラムの弁体接近
方向への移動が規制され、これによって第2のバイアス
バネの付勢力が座金及び突軸を介して弁体に対し前記感
温バネの付勢力と同方向に加えられると共に、第2の座
金に対し第2の係止部が係合し、第1のバイアスバネの
付勢力が弁体及び進退軸に対し作用しないようになるも
のであっても良い。
【0024】さらに、この切替手段は、請求項17の通
り、進退軸から前記弁体に向って突設された突軸と、該
突軸の先端に設けられた係止部と、前記第1のバイアス
バネによって弁体に押し付けられる方向に付勢された座
金とを備えており、弁体が高温吐出域及び中温吐出域に
位置するときには、該係止部と座金とが離反しており、
該座金は第1のバイアスバネによって弁体に押し付けら
れており、弁体が低温吐出域に位置するときには該座金
に対し該係止部が係合し、且つ前記係合部によってクラ
ッチカラムの弁体からの離反方向の移動が規制され、こ
れによって第1のバイアスバネの付勢力が座金、突軸及
びクラッチカラムを介して弁体に対し前記感温バネの付
勢力と同方向に加えられるよう構成されていても良い。
この場合、請求項18の通り、弁体が高温吐出域に位置
するときにはクラッチカラムが弁体又は進退軸に当接
し、クラッチカラムの軸心線方向への移動が規制される
ことが好ましい。
【0025】請求項19の通り、この切替手段は、進退
軸から前記弁体に向って突設された突軸と、該突軸の先
端に設けられた第1の係止部と、該突軸の途中に設けら
れた第2の係止部と、前記第1のバイアスバネによって
弁体に押し付けられる方向に付勢された第1の座金と、
前記第2のバイアスバネによってクラッチカラムに押し
付けられる方向に付勢された第2の座金とを備えてお
り、弁体が中温吐出域に位置するときには、該第1の係
止部と第1の座金とが離反し、該第1の座金は第1のバ
イアスバネによって弁体に押し付けられており、且つ第
2の係止部と第2の座金とが離反し、該第2の座金は第
2のバイアスバネによってクラッチカラムに押し付けら
れており、弁体が低温吐出域に位置するときには該座金
に対し該係止部が係合し、且つ前記係合部によってクラ
ッチカラムの弁体からの離反方向の移動が規制され、こ
れによって第1のバイアスバネの付勢力が座金、突軸及
びクラッチカラムを介して弁体に対し前記感温バネの付
勢力と同方向に加えられると共に、第2の座金に対し第
2の係止部が係合し、第2のバイアスバネの付勢力が弁
体及び進退軸に対し作用しないようになるものであって
も良い。
【0026】本発明の別の態様(請求項20)の湯水混
合弁は、バイアスバネとして複数のバイアスバネが設け
られ、該弁体に作用するバイアスバネの付勢力を切り替
えるための前記切替手段は、該弁体が高温吐出域に位置
するときには感温バネの付勢力と反対方向に全てのバイ
アスバネの並列の付勢力を弁体に対し作用させ、弁体が
中温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力と反対
方向に一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用させ、
弁体が低温吐出域に位置するときには前記吐水温度設定
部材によって弁体を直接に進退させることを特徴とする
ものである。
【0027】この請求項19の湯水混合弁において、混
合水の吐出設定温度が高温の場合、複数のバイアスバネ
の並列の付勢力が弁体を感温バネの付勢力と反対方向に
押圧するため、温調ハンドルの回転角度に対する弁体の
シフト量(従って吐水温度)の勾配が大きなものとな
る。
【0028】混合水の吐出設定温度が中温の場合、バイ
アスバネとしては一部のバイアスバネのみが弁体を感温
バネの付勢力と反対方向に押圧するため、温調ハンドル
の回転角度に対する弁体のシフト量(従って吐水温度)
の勾配が小さなものとなる。
【0029】混合水の吐出設定温度が低温の場合、弁体
は例えば進退軸などの吐水温度設定部材と一体的に進退
するため、温調ハンドルの回転角度に対する弁体のシフ
ト量(従って吐水温度)の勾配が大きなものとなる。
【0030】この請求項20の湯水混合弁にあっては、
請求項21の通り、弁体は前記バルブボディーと同軸配
置された主軸に支持されており、該主軸は該バルブボデ
ィーの軸心線方向に進退可能であり、前記吐水温度設定
部材は、内周面に雌ネジを有し、その軸心回りに回転可
能に配置された回転軸と、該雌ネジに噛合した雄ネジを
有し、該回転軸と同軸的に配置された筒状の進退軸とを
備えてなり、前記切替手段は、該主軸から前記進退軸に
向って突設された突軸と、該突軸の先端に設けられた係
止部と、該係止部に対し弁体側から当接可能な座金とを
備えており、該座金と弁体との間に第1のバイアスバネ
が配置され、該進退軸と弁体との間に第2のバイアスバ
ネが配置され、弁体が高温吐出域に位置するときには、
該係止部と座金とが離反すると共に座金と進退軸とが当
接し、これによって進退軸に反力を得た第1のバイアス
バネが弁体を付勢しており、弁体が中温吐出域に位置す
るときには該座金に対し該係止部が係合し、これによっ
て第1のバイアスバネの弁体に対する付勢力が解消さ
れ、弁体が低温吐出域に位置するときには弁体と進退軸
とが係合し、両者が一体的に進退することが好ましい。
【0031】本発明のさらに別の態様(請求項22)の
湯水混合弁は、バイアスバネとして複数個のバイアスバ
ネが設けられ、該弁体に作用するバイアスバネの付勢力
を切り替えるための前記切替手段は、該弁体が高温吐出
域に位置するときには感温バネの付勢力と反対方向に全
てのバイアスバネの並列の付勢力を弁体に作用させ、弁
体が中温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力と
反対方向に一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用さ
せ、弁体が低温吐出域に位置するときには感温バネの付
勢力と同方向に他のバイアスバネの付勢力を弁体に作用
させることを特徴とするものである。
【0032】この湯水混合弁にあっては、混合水の吐出
設定温度が高温の場合、各バイアスバネの並列の付勢力
が弁体を感温バネと反対方向に押圧するため、温調ハン
ドルの回転角度に対する弁体のシフト量(従って吐水温
度)の勾配が大きい。
【0033】混合水の吐出設定温度が中温の場合、一部
のバイアスバネの付勢力のみが弁体を感温バネと反対方
向に押圧するため、温調ハンドルの回転角度に対する弁
体のシフト量(従って吐水温度)の勾配が上記高温の場
合に比べ小さくなる。
【0034】混合水の吐出設定温度が低温の場合、他の
バイアスバネが感温バネと同方向に弁体を付勢する。こ
の場合も、温調ハンドルの回転角度に対する弁体のシフ
ト量(従って吐水温度)の勾配は大きなものとなる。
【0035】この請求項22の湯水混合弁の場合、請求
項23の通り、吐水温度設定部材は、内周面に雌ネジを
有し、その軸心回りに回転可能に配置された回転軸と、
該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該回転軸と同軸的に
配置された筒状の進退軸とを備えてなり、該進退軸と弁
体との間に第2のバイアスバネが配置されており、カラ
ムに前記軸心線方向に離隔して設けられた第1及び第2
の鍔部と、該第1の鍔部と第2の鍔部との対向面側にそ
れぞれ配置された第1の座金及び第2の座金と、該第1
の座金と第2の座金との間に蓄力状態で介在された第1
のバイアスバネと、前記進退軸に設けられており、進退
軸が弁体から離反する方向に移動したときに該第1の座
金に係合し、該第1の座金を弁体から離反する方向に押
圧する鍔部と、該進退軸に設けられており、該進退軸が
弁体に接近する方向に移動したときに第2の座金に係合
し、該第2の座金を弁体に接近する方向に押圧する段部
とを備えてなることが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して実施の形態に
ついて説明する。
【0037】[第1の実施の形態]図1は第1の実施の形
態(請求項1〜5の発明の実施の形態)に係る湯水混合
弁の断面図、図2はこの湯水混合弁の高温吐水時の断面
図、図3は、この湯水混合弁の低温吐水時の断面図であ
る。なお、以下の説明において、左、右は図1〜3にお
ける左、右を指称するものである。
【0038】筒状のバルブボディー10の周面に水の流
入口12と湯の流入口14とが設けられ、左端に混合水
の流出口16が設けられている。湯の流入口14は水の
流入口12よりも左端側に位置している。これらの流入
口12,14の間のボディー内周面を内方に突出させる
ことにより突部20が設けられている。この突部20の
右端面が水シート22となっており、左端面が湯シート
24となっている。
【0039】この水シート22と対峙する環状の水弁体
32と湯シート24と対峙する環状の湯弁体34とが主
軸30の十字形状部30aに嵌合している。この十字形
状部30aは、主軸30の軸心線と垂直な断面が十字形
状となっている。
【0040】この主軸30は、形状記憶合金製の感温バ
ネ40によって右方に押圧可能とされ、第1のバイアス
バネ42及び第2のバイアスバネ44によって左方に押
圧可能とされている。このバイアスバイアスバネ42,
44を左右方向に進退させるために、回転軸50、進退
軸52、フック54及びスライドリング56が主軸30
を取り巻くように配置されている。
【0041】回転軸50の右端のハンドル取付部50a
は、ボディー10の軸挿通孔60から右方に突出し、ハ
ンドル(図示略)が固着される。このハンドル取付部5
0aのネック部分にEリング62が嵌着されることによ
り、回転軸50は左右に進退不能となっている。64は
Oリングを示す。
【0042】この回転軸50の左端側は、筒状となって
おり、その内周に雌ネジ50bが設けられている。筒状
の進退軸52の右端側の外周に設けられた雄ネジ52b
が該雌ネジ50bに噛合しており、回転軸50の回転に
より進退軸52が左右に進退する。
【0043】進退軸52の右端から内方に鍔部(遠端側
鍔部)52aが突設され、この鍔部52aにストッパリ
ング68が係止されている。このストッパリング68は
進退軸52の内周面に沿って左右方向にスライド可能と
なっている。このストッパリング68に第2のバイアス
バネ44の先端が当接している。
【0044】進退軸52の左端には外方に鍔部(近端側
鍔部)50cが突設されており、この鍔部50cにフッ
ク54の右端の爪部54cが係止可能とされている。こ
のフック54は、左端側が主軸30の軸心線と垂直な円
盤部54aとされ、この円盤部54aの外周から複数の
脚片部54bが主軸30の軸心線と平行方向に右方に延
設されている。脚片部54bの先端は内向きに折曲され
て前記爪部54cとなっている。円盤部54aには第2
のバイアスバネ44の左端が当接している。
【0045】前記スライドリング56はこの円盤部54
aと重なっており、このスライドリング56に対し第1
のバイアスバネ42の右端が当接している。第1のバイ
アスバネ42の左端は水弁体32の内向きの鍔部32a
に当接している。
【0046】水弁体32の左端側は主軸30の十字形状
部30aに摺動自在に外嵌している。湯弁体34の右端
側は該十字形状部30aに摺動自在に外嵌している。
【0047】水弁体32及び湯弁体34にはそれぞれ高
摺動性のフッ素樹脂よりなるシールリング72,74が
外嵌している。これらのシールリング72,74はボデ
ィー10の内周面に水密的に摺接している。
【0048】主軸30の右端には、前記進退軸52の鍔
部52a内に入り込みストッパリング68に当接しうる
大きさのフランジ30b(フランジ状の係止部)が設け
られている。また、この主軸30の中間部には、スライ
ドリング56に当接しうる大きさの鍔部30c(鍔状の
係止部)が突設されている。
【0049】このように構成された湯水混合弁の作動に
ついて次に説明する。
【0050】I. 吐出設定温度を30〜50℃の中温
度域とした場合(図1参照) 図1の如くこの湯水混合弁の吐水温度(混合水温度)を
例えば30〜50℃の中温度域に設定した場合、直列に
配置されたバイアスバイアスバネ42,44の合成の押
圧力が水弁体32を介して主軸30に対し左方向に作用
し、感温バネ40の押圧力が主軸30に対し右方向に作
用し、両者の押圧力がバランスし、主軸30及び弁体3
2,34は停止している。
【0051】この中温度吐水状態において、給湯温度や
給湯圧などの変動によって混合水温度が設定温度よりも
低下すると、感温バネ40が縮み、主軸30が左方に移
動し、水シート22と水弁体32との間の水流通間隙が
狭まると共に湯シート24と湯弁体34との間の湯流通
間隙が広がり、混合水温度が設定温度まで回復(上昇)
する。逆に、混合水温度が設定温度よりも高くなったと
きには、感温バネ40が伸長し、主軸30と共に水弁体
32及び湯弁体34が右方に位置し、該水流通間隙が広
がると共に湯流通間隙が狭まり、混合水温度が設定温度
まで回復(低下)する。
【0052】吐水設定温度を中温度域の範囲内で高める
べくハンドルを正方向に回転操作した場合、回転軸50
の正方向への回転に伴って進退軸52が左方に移動し、
ストッパリング68も左方に移動する。この結果、バイ
アスバイアスバネ42,44の左方への押圧力が強くな
り、主軸30と共に弁体32,34が左方にシフトし、
湯流通間隙が広がると共に水流通間隙が狭まり、混合水
温度が上昇する。なお、弁体32,34のシフト後にあ
っては感温バネ40の右方への押圧力とバイアスバイア
スバネ42,44による左方への押圧力とがバランスし
ている。混合水温度が設定温度からずれたときには、感
温バネ40が伸縮し、混合水温度を設定温度にまで回復
させる。
【0053】吐水設定温度を中温度域の範囲内で低下さ
せるべくハンドルを逆方向に回転操作した場合、回転軸
50の該逆方向への回転に伴って進退軸52が右方に移
動し、ストッパリング68も右方に移動する。この結
果、バイアスバイアスバネ42,44の左方への押圧力
が小さくなり、主軸30と共に弁体32,34が右方に
シフトし、湯流通間隙が狭まると共に水流通間隙が広が
り、混合水温度が低下する。弁体32,34のシフト後
にあっては感温バネ40の右方への押圧力とバイアスバ
イアスバネ42,44による左方への押圧力とがバラン
スしている。混合水温度が設定温度からずれたときに
は、感温バネ40が伸縮し、混合水温度を設定温度にま
で回復させる。
【0054】吐出混合水の設定温度を30〜50℃の中
温度域に設定した場合には、上記の通りバイアスバイア
スバネ42,44の双方が効いている。各バイアスバイ
アスバネ42,44のバネ定数をk1、k2とした場合、
主軸30の左方への押圧力はバイアスバイアスバネ4
2,44の直列合成バネ力となり、そのバネ定数は1/
(1/k1+1/k2)とk1、k2のいずれよりも小さい
ものとなる。
【0055】従って、この設定温度を中温度域とした場
合における回転軸50及び進退軸52のストローク量
(A)と弁体32,34のシフト量(a)との比a/A
は比較的小さい。換言するならば、回転軸50が単位角
度回転した場合の弁体32,34のシフト量(a)は比
較的小さい。この結果、図4に実線で示すように、中温
度域に吐出温度を設定した場合においては、ハンドルを
単位角度回したときの設定温度の変化量は小さく、図4
のグラフにおける温度直線は中温度域において勾配の小
さなものとなる。
【0056】II. 吐出設定温度を50℃超の高温度域
とした場合(図2参照) 吐出設定温度を50℃超とした場合は、進退軸52が大
きく左方に移動し第2のバイアスバネ44によって押圧
されたスライドリング56が水弁体32の右端面に直に
当接する。従って、50℃超の高温側にハンドルを回し
た場合は、図2のように進退軸52は第2のバイアスバ
ネ44のみを介して主軸30を左方に付勢するようにな
る。この第2のバイアスバネ44だけが押圧するときの
バネ定数はk2であり、前記中温度域の合成バネ定数1
/(1/k1+1/k2)に比べて大きい。従って、進退
軸52のストローク量(A)と弁体32,34のシフト
量(a)との比a/Aは中温度域の場合に比べて大き
い。このため、ハンドルを単位角度回したときの設定温
度の変化量は中温度域の場合に比べて大きく、図4のグ
ラフにおける温度直線は高温度域において中温度域より
も勾配が大きなものとなる。即ち、50℃超では、ハン
ドルを少し回すだけで吐水温度が大幅に変化する。
【0057】III. 吐出設定温度を30℃未満の低温度
域とした場合(図3参照) 吐出設定温度を30℃未満とした場合は、進退軸52が
大きく右方に移動し、進退軸52の鍔部52cとフック
54の爪部54cとが係合し、該フック54が進退軸5
2と共に右方に移動する。そして、スライドリング56
が鍔部30cに当り、第1のバイアスバネ42が水弁体
32とスライドリング56(鍔部30c)間で突張り、
該第1のバイアスバネ42の押圧力が主軸30に作用し
なくなる。
【0058】また、この場合、吐出設定温度を著しく低
くする(例えばハンドルを“C”近傍まで回す)と、進
退軸52がさらに右方に移動し、主軸30の右端のフラ
ンジ30bがストッパリング68に当り、第2のバイア
スバネ44がストッパリング68及びフランジ30bを
介して主軸30を右方に押圧し、湯弁体34は感温バネ
40の右方付勢力によって湯シート24に押し付けられ
る。
【0059】従って、この30℃未満の低温側にハンド
ルを回した場合は、バイアスバイアスバネ42,44に
よる左方付勢力が作用しなくなり、湯弁体34が感温バ
ネ40による右向き付勢力によって湯シート24に接近
すると共に、吐出設定温度を著しく低くしたときには第
2のバイアスバネ44の付勢力が主軸30に対し右向き
に作用し、湯弁体34は感温バネ40によって湯シート
24に押し付けられるようになる。このため、回転軸5
0及び進退軸52のストローク量(A)と弁体32,3
4のシフト量(a)との比a/Aは中温度域の場合に比
べて大きい。即ち、ハンドルを単位角度回したときの設
定温度の変化量は中温度域の場合に比べて大きく、図4
のグラフにおける温度直線は低温度域において中温度域
よりも勾配が大きなものとなる。換言するならば、30
℃未満ではハンドルを少し回しただけで吐水温度が大幅
に変化する。
【0060】なお、ハンドルを30℃未満の低温度域に
回していった場合に、スライドリング56が鍔部30c
に当るよりも先にストッパリング68がフランジ30b
に当るように構成しても良い。
【0061】[第2の実施の形態]図6を参照して第2
の実施の形態(とくに請求項6,7)について説明す
る。この実施の形態は、1個の弁体33が水流通間隙及
び湯流通間隙の双方を調節するよう構成されている。こ
の実施の形態では、図1〜3とは逆に水の流入口12が
湯の流入口22よりも左端側に位置しており、水シート
22も湯シート24よりも左端側に位置している。
【0062】この弁体33は、筒状のバルブボディーー
10Aの軸心上に位置する中央軸部33Cと、該中央軸
部33Cの左端及び右端に設けられたフランジ33A、
33Bと、該中央軸部33Cの長手方向中間部に対しセ
ンターフランジ33Dを介して連結された筒部33E
と、該筒部33Eの外周に装着されボディー10Aの内
周面に水密的に摺接しているシールリング73と、各フ
ランジ33A、33B、33Dに設けられた透口33
a、33b、33dとを有している。
【0063】このフランジ33Aに感温バネ40の右端
が当接している。フランジ33Bに第1のバイアスバネ
42の左端が当接している。弁体33と進退軸52との
間にクラッチカラム80が設けられている。
【0064】このクラッチカラム80はボディー10A
の内周面に沿って左右方向に進退可能となっている。こ
のクラッチカラム80の内周面からは、鍔部80aが突
設されており、この鍔部80aと弁体33のフランジ3
3Bとの間に第1のバイアスバネ42が蓄力状態で介在
されている。
【0065】また、この鍔部80aと進退軸52の鍔部
52aとの間に第2のバイアスバネ44が蓄力状態で介
在されている。クラッチカラム80の右端の内周面には
鍔部80bが突設されており、該鍔部80bは、進退軸
52の左端外周側の鍔部52cと係合可能となってい
る。
【0066】図6の湯水混合弁のその他の構成は図1〜
3の湯水混合弁と同様であり、同一符号は同一部分を示
している。
【0067】このように構成された図6の湯水混合弁の
作動について次に説明する。
【0068】I. 吐出設定温度を30〜50℃の中温
度域とした場合 図6は、この湯水混合弁の吐水温度(混合水温度)を例
えば30〜50℃の中温度域に設定した状態を示してい
る。この場合、直列に配置されたバイアスバネ42,4
4の合成の押圧力が弁体33に対し左方向に作用し、感
温バネ40の押圧力が弁体33に対し右方向に作用し、
両者の押圧力がバランスしている。
【0069】この中温度吐水状態において、給湯温度や
給湯圧などの変動によって混合水温度が設定温度よりも
低下すると、感温バネ40が縮み、弁体33が左方に移
動し、水シート22と弁体33との間の水流通間隙が狭
まると共に湯シート24と弁体33との間の湯流通間隙
が広がり、混合水温度が設定温度まで回復(上昇)す
る。逆に、混合水温度が設定温度よりも高くなったとき
には、感温バネ40が伸長し、弁体33が右方に位置
し、該水流通間隙が広がると共に湯流通間隙が狭まり、
混合水温度が設定温度まで回復(低下)する。
【0070】吐水設定温度を中温度域の範囲内で高める
べくハンドルを正方向に回転操作した場合、回転軸50
の正方向への回転に伴って進退軸52が左方に移動し、
クラッチカラム80も左方に移動する。この結果、バイ
アスバネ42,44の左方への押圧力が強くなり、弁体
33が左方にシフトし、湯流通間隙が広がると共に水流
通間隙が狭まり、混合水温度が上昇する。なお、弁体3
3のシフト後にあっては感温バネ40の右方への押圧力
とバイアスバネ42,44による左方への押圧力とがバ
ランスしている。混合水温度が設定温度からずれたとき
には、感温バネ40が伸縮し、混合水温度を設定温度に
まで回復させる。
【0071】吐水設定温度を中温度域の範囲内で低下さ
せるべくハンドルを逆方向に回転操作した場合、回転軸
50の該逆方向への回転に伴って進退軸52が右方に移
動し、クラッチカラム80も右方に移動する。この結
果、バイアスバイアスバネ42,44の左方への押圧力
が小さくなり、弁体33が右方にシフトし、湯流通間隙
が狭まると共に水流通間隙が広がり、混合水温度が低下
する。弁体33のシフト後にあっては感温バネ40の右
方への押圧力とバイアスバイアスバネ42,44による
左方への押圧力とがバランスしている。混合水温度が設
定温度からずれたときには、感温バネ40が伸縮し、混
合水温度を設定温度にまで回復させる。
【0072】吐出混合水の設定温度を30〜50℃の中
温度域に設定した場合には、上記の通り、直列配置され
たバイアスバイアスバネ42,44の双方が効き、直列
合成バネ定数1/(1/k1+1/k2)にて弁体33を
左方に押圧する。このため、図1〜3の湯水混合弁と同
様に、図4のグラフにおける温度直線は中温度域におい
て勾配の小さなものとなる。
【0073】II. 吐出設定温度を50℃超の高温度域
とした場合 吐出設定温度を50℃超とした場合は、進退軸52が大
きく左方に移動する。そして、次 クラッチカラム80の左端とフランジ33b、 進退軸52の左端とクラッチカラム80の鍔部80
a、 進退軸52の雄ネジ52bの左端側の段部52sと
クラッチカラム80の右端、のいずれかが直に当接す
る。従って、50℃超の高温側にハンドルを回した場合
は、弁体33は感温バネ40の右方押圧力と一方のバイ
アスバネ42又は44の左方押圧力とのバランスによっ
てのみ進退するようになる。このバイアスバネ42又は
44のバネ定数はk1又はk2であり、いずれも前記中温
度域の合成バネ定数1/(1/k1+1/k2)に比べて
大きい。従って、進退軸52のストローク量(A)と弁
体33のシフト量(a)との比a/Aは中温度域の場合
に比べて大きい。このため、ハンドルを単位角度回した
ときの設定温度の変化量は中温度域の場合に比べて大き
く、図4のグラフの通り温度直線は高温度域において中
温度域よりも勾配が大きなものとなる。
【0074】III. 吐出設定温度を30℃未満の低温度
域とした場合 吐出設定温度を30℃未満とした場合は、進退軸52が
大きく右方に移動し、進退軸52の鍔部52cとクラッ
チカラム80の鍔部80bとが係合し、第2のバイアス
バネ44の押圧力が弁体33に作用しなくなる。この場
合、進退軸52及びクラッチカラム80は一体の剛体の
如きものとなる。従って、この30℃未満の低温側にハ
ンドルを回した場合は、クラッチカラム80は進退軸5
2と一体的に進退するようになり、回転軸50及び進退
軸52のストローク量(A)と弁体33のシフト量
(a)との比a/Aは中温度域の場合に比べて大きい。
このため、ハンドルを単位角度回したときの設定温度の
変化量は中温度域の場合に比べて大きく、図4のグラフ
の通り温度直線は低温度域において中温度域よりも勾配
が大きなものとなる。
【0075】[第3の実施の形態]図7を参照して第3
の実施の形態(とくに請求項8〜11)に係る湯水混合
弁について説明する。
【0076】この実施の形態にあっては、弁体133の
フランジ33Bの外周に1対のフランジ331,332
が設けられている。各フランジ331,332は弁体1
33の軸心線方向に所定間隔をおいて配置されている。
この弁体133のその他の構成は上記の図6の弁体33
と同じである。
【0077】クラッチカラム80Aは、左端側に内向き
の鍔部80cを備えており、この鍔部80cがフランジ
331,332間に配置されている。図6のクラッチカ
ラム80と異なり鍔部80bは設けられていない。ま
た、図6の進退軸52と異なり進退軸52には鍔部52
cが設けられていない。
【0078】この図7の湯水混合弁のその他の構成は図
6の湯水混合弁と同様であり、同一符号は同一部分を示
している。
【0079】I. この図7の湯水混合弁においては、
30〜50℃の中温設定時には、バイアスバネ42,4
4の双方が直列に効き、弁体133は直列に合成された
低バネ定数にて左方に押圧される。これにより、図4の
通り、中温吐水時の温度勾配が小さくなる。
【0080】II. 50℃超の高温を設定した場合、進
退軸52が大きく左方に移動し、ラッチカラム80Aも
左方に移動し、その鍔部80cが左側のフランジ331
に押し付けられ、弁体133とクラッチカラム80とが
あたかも一体の如くなり、弁体133は感温バネ40
と、第2のバイアスバネ44とのバランスによって進退
するようになる。
【0081】この第2のバイアスバネ44のバネ定数が
バイアスバネ42,44の直列のバネ定数よりも大きい
ので、図4の通り50℃超の高温設定時の温度勾配が大
きなものとなる。
【0082】III. 30℃未満の低温に設定した場合、
進退軸52は大きく右方に移動し、鍔部80cが右側の
フランジ332に当接し、弁体133とクラッチカラム
80Aとがあたかも一体の如くなり、クラッチカラム8
0A及び弁体133は進退軸52とほぼ一体的に進退す
るようになるため、図4の通り、30℃未満の低温設定
時の温度勾配が大きなものとなる。
【0083】なお、この図7の実施の形態においては、
請求項10の如く、50℃超の高温設定時に進退軸52
をクラッチカラム80Aに押し付け、第2のバイアスバ
ネ44と感温バネ40とのバランスによって弁体33を
進退させるよう構成しても良い。
【0084】[第4の実施の形態]図8を参照して第4
の実施の形態(請求項12,13,14,15)に係る
湯水混合弁について説明する。
【0085】この湯水混合弁は、図6の湯水混合弁にお
いて弁体233から突軸334を右方に突設し、この突
軸334の先端のフランジ(係止部)335が座金85
を介して進退軸52と係合可能となるようにしたもので
ある。この座金85は第2のバイアスバネ44によって
進退軸52の鍔部52aの左端面に押し付けられてい
る。
【0086】図8の湯水混合弁のその他の構成は、進退
軸52の左端を左方に延長した他は図6の湯水混合弁と
同一である。
【0087】I. この図8の湯水混合弁の吐水設定温
度を中温域とした場合の作動は図6の湯水混合弁と全く
同一であり、弁体は第1のバイアスバネ42と第2のバ
イアスバネ44との直列の低バネ定数にて左方に付勢さ
れている。なお、この場合フランジ335は図示の通り
座金85から右方に離隔している。
【0088】II. 吐水設定温度を30℃未満の低温に
すると、進退軸52が図8よりも右方にシフトし、鍔部
52c、80b同士が係合しクラッチカラム80が右方
に引き寄せられる。また、進退軸52が右方にシフトす
ることにより座金85がフランジ335に当接し、第2
のバイアスバネ44の付勢力は突軸334を介して弁体
233に右向きに作用する。このため、弁体233は感
温バネ40の付勢力と第2のバイアスバネ44の付勢力
との並列付勢力により強力に右方向に付勢される。一
方、弁体233に左向きに加えられる付勢力は第1のバ
イアスバネ42の付勢力のみとなる。このため、進退軸
52のストローク量(A)に対する弁体233のストロ
ーク量(a)との比a/Aが中温域の場合よりも大きく
なり、図4の如く温度直線の勾配が低温域において大き
くなる。
【0089】なお、ハンドルを30℃未満の低温側に回
していった場合、鍔部80b、52cが座金85とフラ
ンジ335との当接よりも先に当接しても良く、逆に後
から当接しても良く、同時に当接しても良い。
【0090】III. 吐水設定温度を50℃超の高温とし
た場合、進退軸52は大きく左方に移動する。そして、
次 クラッチカラム80の左端とフランジ33B、 進退軸52の左端とクラッチカラム80の鍔部80
a、 進退軸52の段部52sとクラッチカラム80の右
端面、のいずれかが当接し、一方のバイアスバネ42又
は44の付勢力のみが弁体233に左向きに加えられる
ようになる。一方、弁体233に右向きに加えられる付
勢力は感温バネ40の付勢力だけである。このため、図
4に示した通り温度直線の勾配が高温域において大きな
ものとなる。
【0091】[第5の実施の形態]図9を参照して第5
の実施の形態(請求項16)に係る湯水混合弁について
説明する。
【0092】この湯水混合弁は、図8の湯水混合弁と同
様に、突軸334の先端の第1の係止部としての第1の
フランジ335が第1の座金85を介して進退軸52と
係合可能となるようにし、この座金85は第2のバイア
スバネ44によって進退軸52の鍔部52aの左端面に
押し付けられている。この図9では、突軸334から第
2の係止部としての第2のフランジ334Fを突設して
いる。またクラッチカラム80の鍔部80aに対し左方
から重なる第2の座金85Aを突軸334に外嵌させて
いる。第2のフランジ334Fは鍔部80aの内孔を自
由に通過し、且つ該第2の座金85Aの内孔は通過しえ
ない大きさとなっている。第1のバイアスバネ42は、
該第2の座金85Aと弁体233のフランジ33Bとの
間に蓄力状態にて介在されている。
【0093】図9の湯水混合弁のその他の構成は、図8
の湯水混合弁と同一である。
【0094】I. この図9の湯水混合弁の吐水設定温
度を中温域とした場合の作動は図8の湯水混合弁と全く
同一であり、弁体は第1のバイアスバネ42と第2のバ
イアスバネ44との直列の低バネ定数にて左方に付勢さ
れている。なお、この場合フランジ335は図示の通り
座金85から右方に離隔している。また、座金85Aは
鍔部80aに押し付けられている。
【0095】II. 吐水設定温度を30℃未満の低温に
すると、進退軸52が図8よりも右方にシフトし、鍔部
52c、80b同士が係合しクラッチカラム80が右方
に引き寄せられる。また、進退軸52が右方にシフトす
ることにより第1の座金85が第1のフランジ335に
当接し、第2のバイアスバネ44の付勢力は突軸334
を介して弁体233に右向きに作用する。このため、弁
体233は感温バネ40の付勢力と第2のバイアスバネ
44の付勢力との並列付勢力により強力に右方向に付勢
される。また、この場合、クラッチカラム80が右方に
移動することにより第2の座金85Aが第2のフランジ
334Fに当り、第1のバイアスバネ42はフランジ3
3B,334F間に挟持された状態となり、弁体233
に対し左右方向の付勢力を全く与えない。このため、進
退軸52のストローク量(A)に対する弁体233のス
トローク量(a)との比a/Aが中温域の場合よりも大
きくなり、図4の如く温度直線の勾配が低温域において
大きくなる。
【0096】なお、この場合、第1のバイアスバネ42
はフランジ33B,334F間に挟持された状態とな
り、進退軸52に対しても付勢力を全く与えない。(進
退軸52には第2のバイアスバネ44の付勢力のみが作
用する。)このため、回転軸50を低トルクにてスムー
ズに回すことができる。
【0097】III. 吐水設定温度を50℃超の高温とし
た場合、進退軸52は大きく左方に移動する。そして、
突軸334の第2のフランジ部334Fが第2の座金8
5Aに当り、第1のバイアスバネ42はフランジ334
F,33B間に挟持された状態となり、第1のバイアス
バネ42は弁体233に対し左右方向の付勢力を全く与
えないものとなり、第2のバイアスバネ44の付勢力の
みが弁体233に左向きに加えられるようになる。弁体
233に右向きに加えられる付勢力は感温バネ40の付
勢力だけである。このため、図4に示した通り温度直線
の勾配が高温域において大きなものとなる。
【0098】[第6の実施の形態]図10を参照して第
6の実施の形態(請求項12,13,17,18)に係
る湯水混合弁について説明する。
【0099】この湯水混合弁は、図7の湯水混合弁にお
いて進退軸52から突軸522を左方に突設し、この突
軸522の先端のフランジ(係止部)552が座金87
を介して弁体333と係合可能となるようにしたもので
ある。この座金87は第1のバイアスバネ42によって
弁体333のフランジ332の右端面に押し付けられて
いる。この弁体333の構成は、フランジ33Bの位置
が弁体333よりも若干左にずれている他は図7の弁体
133と同一である。
【0100】図10の湯水混合弁のその他の構成は図7
の湯水混合弁と同一である。
【0101】I. この図10の湯水混合弁の吐水設定
温度を中温域とした場合の作動は図7の湯水混合弁と全
く同一であり、第1のバイアスバネ42と第2のバイア
スバネ44とが弁体333を直列に左方に付勢し、この
付勢力の合成バネ定数が小さいので、図4の如く中温度
域の温度直線の勾配が小さなものとなる。
【0102】II. 吐水設定温度を30℃未満の低温に
すると、進退軸52が図10よりも右方にシフトし、座
金87にフランジ552が当接する。また、クラッチカ
ラム80Aが右方に移動してその鍔部80cが弁体33
3の右側のフランジ332に当接すると、第1のバイア
スバネ42の付勢力がクラッチカラム80Aを介して弁
体333に右向きに付加されることになり、弁体333
には、感温バネ40及び第1のバイアスバネ42の合計
(並列)の右方付勢力と、第2のバイアスバネ44の左
方付勢力とが作用する。
【0103】このように吐水設定温度を低温とした場
合、感温バネ40の右方付勢力に対し第1のバイアスバ
ネ42の右方付勢力が重畳する結果、弁体333に対し
て加えられる右方への付勢力が強大となり、進退軸52
のストローク量(A)と弁体333のストローク量
(a)との比a/Aが大きくなり、図4の通り30℃未
満の低温設定時の温度勾配が大きいものとなる。
【0104】III. 50℃超の高温を設定した場合、進
退軸52が大きく左方に移動する。そして、次 クラッチカラム80Aの鍔部80cと弁体333の
左側のフランジ331、 進退軸52の左端とクラッチカラム80の鍔部80
a、のいずれかが当接し、弁体333とクラッチカラム
80A、又は進退軸52とクラッチカラム80Aとがあ
たかも一体の如くなり、弁体333は感温バネ40によ
って右方に付勢され、一方のバイアスバネ42又は44
によって左方に付勢されるようになる。
【0105】この一方のバイアスバネ42又は44のバ
ネ定数がバイアスバネ42,44の直列のバネ定数より
も大きいので、図4の通り50℃超の高温設定時の温度
勾配が大きなものとなる。
【0106】[第7の実施の形態]図11を参照して第
7の実施の形態(請求項19)に係る湯水混合弁につい
て説明する。
【0107】この湯水混合弁は、図10の湯水混合弁と
同様に、進退軸52から突軸522を左方に突設し、こ
の突軸522の先端の第1のフランジ(第1の係止部)
552が第1の座金87を介して弁体333と係合可能
となるようにしており、この第1の座金87は第1のバ
イアスバネ42によって弁体333のフランジ332の
右端面に押し付けられている。
【0108】この図11の実施の形態では、突軸522
に第2の係止部としての第2のフランジ522Fが設け
られている。また、突軸522に第2の座金87Aが外
嵌し、この第2の座金87Aは第2のバイアスバネ44
によってクラッチカラム80Aの鍔部80aに右側から
押し付けられている。
【0109】なお、第2のフランジ522Fは第2の座
金87Aよりも左側に配置されている。
【0110】この第2のフランジ522Fは、鍔部80
aの内孔を自由に通過するが、第2の座金87Aは通過
しえない大きさとなっている。
【0111】図11の湯水混合弁のその他の構成は、図
10の湯水混合弁と同一である。
【0112】I. この図11の湯水混合弁の吐水設定
温度を中温域とした場合の作動は図10の湯水混合弁と
全く同一であり、弁体は第1のバイアスバネ42と第2
のバイアスバネ44とが弁体333を直列に左方に付勢
し、この付勢力の合成バネ定数が小さいので、図4の如
く中温度域の温度直線の勾配が小さなものとなる。
【0113】II. 吐水設定温度を30℃未満の低温に
すると、進退軸52が図11よりも右方にシフトし、第
1の座金87に第2のフランジ552が当接し、また、
クラッチカラム80Aが右方に移動してその鍔部80c
が弁体333の右側のフランジ332に当接すると、第
1のバイアスバネ42の付勢力がクラッチカラム80A
を介して弁体233に右向きに付加されることになり、
弁体333は、感温バネ40及びバイアスバネ42の合
計(並列)の右方付勢力が作用する。
【0114】さらに、この場合、進退軸52と共に突軸
522が右方に移動し、第2のフランジ部522Fが第
2の座金87Aに当接し、該第2の座金87Aを鍔部8
0aから右方に離反させる。この結果、第2のバイアス
バネ44はフランジ部522Fと鍔部52aとの間に挟
持された状態となり、弁体333には付勢力を与えな
い。
【0115】このように吐水設定温度を低温とした場
合、感温バネ40の右方付勢力に対し第1のバイアスバ
ネ42の右方付勢力が重畳する結果、弁体333に対し
て加えられる右方への付勢力が強大となり、さらに、第
2のバイアスバネ44の左方付勢力が消滅するところか
ら、進退軸52のストローク量(A)と弁体333のス
トローク量(a)との比a/Aが大きくなり、図4の通
り30℃未満の低温設定時の温度勾配が大きいものとな
る。
【0116】なお、この場合、第2のバイアスバネ44
の付勢力が進退軸52に作用しないので、回転軸52を
低トルクでスムーズに回すことができる。
【0117】III. 50℃超の高温を設定した場合、進
退軸52が大きく左方に移動する。そして、次 クラッチカラム80Aの鍔部80cと弁体333の
左側のフランジ331、 進退軸52の左端とクラッチカラム80の鍔部80
a、のいずれかが当接し、弁体333とクラッチカラム
80A、又は進退軸52とクラッチカラム80Aとがあ
たかも一体の如くなり、弁体333は感温バネ40と、
一方のバイアスバネ42又は44とのバランスによって
進退するようになる。
【0118】この一方のバイアスバネ42又は44のバ
ネ定数がバイアスバネ42,44の直列のバネ定数より
も大きいので、図4の通り50℃超の高温設定時の温度
勾配が大きなものとなる。
【0119】[第8の実施の形態]図12を参照して第
8の実施の形態(請求項20,21)について説明す
る。この実施の形態に係る湯水混合弁は、バイアスバネ
を並列状に設置したものである。この実施の形態では、
水弁体32と進退軸52’の鍔部52aとの間に第1の
バイアスバネ401が介在されている。この水弁体32
を貫通する主軸30’の右側のフランジ30bは、鍔部
52aの孔521を通過しうる大きさとなっている。こ
のフランジ30bに座金89が係止されており、この座
金89と水弁体32との間に第2のバイアスバネ402
が介在されている。この座金89は孔521を通過し得
ない大きさとなっており、図示の通り中温吐水時には鍔
部52aの左側に配置されている。水弁体32の右端面
からは筒状のフック301が右方に突設され、このフッ
ク301の先端の係止部としての爪部302が進退軸5
2’の内向きフック522と係合可能となっている。
【0120】なお、この実施の形態ではフック301は
円筒状であり、爪部302は外向きの鍔状に形成されて
いる。この爪部302は、図示の通り、鍔部522より
も右側に配置されている。
【0121】この湯水混合弁のその他の構成は図1〜3
の湯水混合弁と同様であり、同一符号は同一部分を示し
ている。
【0122】このように構成された図12の湯水混合弁
の作動について次に説明する。
【0123】I. 吐出設定温度を30〜50℃の中温
度域とした場合(図12参照) 図12の如くこの湯水混合弁の吐水温度(混合水温度)
を例えば30〜50℃の中温度域に設定した場合、第1
のバイアスバネ401の押圧力のみが水弁体32を介し
て主軸30’に対し左方向に作用し、感温バネ40の押
圧力が湯弁体34を介して主軸30’に対し右方向に作
用し、両者の押圧力がバランスしている。第2のバイア
スバネ402の押圧力は、水弁体32及び主軸30’に
対し、左右に著しく作用し、弁体32,34に対する左
右方向への付勢力としてはゼロとなっている。
【0124】この中温度吐水状態において、給湯温度や
給湯圧などの変動によって混合水温度が設定温度よりも
低下すると、感温バネ40が縮み、弁体32,34及び
主軸30’が左方に移動し、水シート22と水弁体32
との間の水流通間隙が狭まると共に湯シート24と湯弁
体34との間の湯流通間隙が広がり、混合水温度が設定
温度まで回復(上昇)する。逆に、混合水温度が設定温
度よりも高くなったときには、感温バネ40が伸長し、
主軸30’と共に水弁体32及び湯弁体34が右方に移
動し、該水流通間隙が広がると共に湯流通間隙が狭ま
り、混合水温度が設定温度まで回復(低下)する。
【0125】吐水設定温度を中温度域の範囲内で高める
べくハンドルを正方向に回転操作した場合、鍔部52a
が座金89に当接しない範囲で進退軸52’が左方に移
動し、第2のバイアスバネ402の左方への押圧力が強
くなり、主軸30’と共に弁体32,34が左方にシフ
トし、湯流通間隙が狭まると共に水流通間隙が広がり、
混合水温度が低下する。弁体32,34のシフト後にあ
っては感温バネ40の右方への押圧力とバネ44による
左方への押圧力とがバランスしている。混合水温度が設
定温度からずれたときには、感温バネ40が伸縮し、混
合水温度を設定温度にまで回復させる。
【0126】吐水設定温度を中温度域の範囲内で低下さ
せるべくハンドルを逆方向に回転操作した場合、鍔部5
22が爪部302に当接しない範囲で進退軸52’が右
方に移動し、主軸30’と共に弁体32,34が左方に
シフトし、湯流通間隙が広がると共に水流通間隙が狭ま
り、混合水温度が上昇する。なお、弁体32,34のシ
フト後にあっては感温バネ40の右方への押圧力とバネ
44による左方への押圧力とがバランスしている。混合
水温度が設定温度からずれたときには、感温バネ40が
伸縮し、混合水温度を設定温度にまで回復させる。
【0127】吐出混合水の設定温度を30〜50℃の中
温度域に設定した場合には、上記の通り第1のバイアス
バネ401のみが効いている。即ち、各バネ401,4
02のバネ定数をk1、k2とした場合、主軸30’の左
方への押圧力はk1であり、バネ401,402の並列
合成バネ力のバネ定数(k1+k2)よりも小さいものと
なる。
【0128】従って、この設定温度を中温度域とした場
合における進退軸52’のストローク量(A)と弁体3
2,34のシフト量(a)との比a/Aは比較的小さ
い。換言するならば、回転軸50が単位角度回転した場
合の弁体32,34のシフト量(a)は比較的小さい。
この結果、図4に実線で示すように、中温度域に吐出温
度を設定した場合においては、ハンドルを単位角度回し
たときの設定温度の変化量は小さく、図4のグラフにお
ける温度直線は中温度域において勾配の小さなものとな
る。
【0129】II. 吐出設定温度を50℃超の高温度域
とした場合 吐出設定温度を50℃超とした場合は、進退軸52’が
大きく左方に移動し、進退軸52’の鍔部52aが座金
89を左方に押圧し、座金89が主軸30’のフランジ
30bから左方に離反する。従って、50℃超の高温側
にハンドルを回した場合は、進退軸52’は2個のバイ
アスバネ401,402の並列の押圧力により主軸3
0’を左方に付勢するようになる。この並列のバイアス
バネ401,402が押圧するときのバネ定数はk1
2であり、前記中温度域のバネ定数k1に比べて大き
い。従って、進退軸52’のストローク量(A)と弁体
32,34のシフト量(a)との比a/Aは中温度域の
場合に比べて大きい。このため、ハンドルを単位角度回
したときの設定温度の変化量は中温度域の場合に比べて
大きく、図4のグラフにおける温度直線は高温度域にお
いて中温度域よりも勾配が大きなものとなる。
【0130】III. 吐出設定温度を30℃未満の低温度
域とした場合 吐出設定温度を30℃未満とした場合は、進退軸52’
が大きく右方に移動し、進退軸52’の鍔部522とフ
ック301の爪部302とが係合し、バイアスバネ40
1の押圧力が水弁体32に作用しなくなる。この場合、
進退軸52’及び水弁体32は一体的に進退するように
なり、回転軸50及び進退軸52のストローク量(A)
と弁体32,34のシフト量(a)との比a/Aは中温
度域の場合に比べて大きい。このため、ハンドルを単位
角度回したときの設定温度の変化量は中温度域の場合に
比べて大きく、図4のグラフにおける温度直線は低温度
域において中温度域よりも勾配が大きなものとなる。
【0131】なお、湯弁体34が湯シート24に当接し
た後もさらにハンドルを低温側に回すことにより進退軸
52’がさらに右方に移動した場合、十字形状部30a
と水弁体32とが離反する。
【0132】[第9の実施の形態]図13を参照して第
9の実施の形態(請求項22,23)について説明す
る。この実施の形態は、図6と同じく1個の弁体433
が水流通間隙及び湯流通間隙の双方を調節するよう構成
されている。
【0133】この弁体433は、フランジ33Bから右
方にカラム335が突設され、このカラム335の外周
から第1及び第2の鍔部336,337が突設されてい
る。第2の鍔部337はカラム335の右端に位置して
いる。この鍔部336,337の間に第1及び第2の座
金91,92が配置され、これらの座金91,92の間
に第1のバイアスバネ42が蓄力状態で介在されてい
る。なお、第1の座金91は、後述の鍔部526に係合
可能な大きさのものとなっている。
【0134】進退軸520は、左方に延在する筒部52
5を有しており、この筒部525の左端に内向きの鍔部
526が突設されている。この鍔部526は上記の第1
の鍔部336よりも左方に位置している。この鍔部52
6の内径は鍔部336の外径よりも大きなものとなって
いる。
【0135】進退軸520の内周面には、上記の鍔部3
37よりも右方に段部527が設けられている。この段
部527よりも右側では進退軸520の内径は小径とな
っているが、第2の鍔部337は、この小径部分よりも
小さな直径を有しておりこの段部527には当接しな
い。この鍔部337に重なっている座金92は、この段
部527に当接しうる大きさのものとなっている。
【0136】弁体433のフランジ33Bと進退軸52
0の鍔部52aとの間に第2のバイアスバネ44が介在
されている。
【0137】図13の湯水混合弁のその他の構成は図6
の湯水混合弁と同一であり、同一符号は同一部分を示し
ている。
【0138】このように構成された図13の湯水混合弁
の作動について次に説明する。
【0139】I. 吐出設定温度を30〜50℃の中温
度域とした場合 図13は、この湯水混合弁の吐水温度(混合水温度)を
例えば30〜50℃の中温度域に設定した状態を示して
いる。この場合、第2のバイアスバネ44の押圧力のみ
が弁体433に対し左方向に作用し、感温バネ40の押
圧力が弁体433に対し右方向に作用し、両者の押圧力
がバランスしている。第1のバイアスバネ42は鍔部3
36,337間に配置されており、弁体433には付勢
力を与えていない。
【0140】この中温度吐水状態において、給湯温度や
給湯圧などの変動によって混合水温度が設定温度よりも
低下すると、感温バネ40が縮み、弁体433が左方に
移動し、水シート22と弁体33との間の水流通間隙が
狭まると共に湯シート24と弁体433との間の湯流通
間隙が広がり、混合水温度が設定温度まで回復(上昇)
する。逆に、混合水温度が設定温度よりも高くなったと
きには、感温バネ40が伸長し、弁体433が右方に位
置し、該水流通間隙が広がると共に湯流通間隙が狭ま
り、混合水温度が設定温度まで回復(低下)する。
【0141】吐水設定温度を中温度域の範囲内で高める
べくハンドルを正方向に回転操作した場合、段部527
が座金92に当接しない範囲で進退軸520が左方に移
動し、第2のバイアスバネ44の左方への押圧力が強く
なり、弁体433が左方にシフトし、湯流通間隙が広が
ると共に水流通間隙が狭まり、混合水温度が上昇する。
なお、弁体433のシフト後にあっては感温バネ40の
右方への押圧力と第2のバイアスバネ44による左方へ
の押圧力とがバランスしている。混合水温度が設定温度
からずれたときには、感温バネ40が伸縮し、混合水温
度を設定温度にまで回復させる。
【0142】吐水設定温度を中温度域の範囲内で低下さ
せるべくハンドルを逆方向に回転操作した場合、鍔部5
26が座金91に当接しない範囲で進退軸520が右方
に移動し、第2のバイアスバネ44と共に弁体433が
右方にシフトし、湯流通間隙が狭まると共に水流通間隙
が広がり、混合水温度が低下する。弁体433のシフト
後にあっては感温バネ40の右方への押圧力と第2のバ
イアスバネ44による左方への押圧力とがバランスして
いる。混合水温度が設定温度からずれたときには、感温
バネ40が伸縮し、混合水温度を設定温度にまで回復さ
せる。
【0143】吐出混合水の設定温度を30〜50℃の中
温度域に設定した場合には、上記の通り1個の第2のバ
イアスバネ44のみが効き、バイアスバイアスバネ4
2,44の並列の場合よりも低いバネ定数にて弁体43
3を左方に押圧する。このため、図1〜3の湯水混合弁
と同様に、図4のグラフにおける温度直線は中温度域に
おいて勾配の小さなものとなる。
【0144】II. 吐出設定温度を50℃超の高温度域
とした場合 吐出設定温度を50℃超とした場合は、進退軸520が
大きく左方に移動し、段部527が座金92に当接し、
座金92を左方に移動させる。この結果、バイアスバイ
アスバネ42,44が並列して弁体433を左方に押圧
する。従って、進退軸520のストローク量(A)と弁
体433のシフト量(a)との比a/Aは中温度域の場
合に比べて大きい。このため、ハンドルを単位角度回し
たときの設定温度の変化量は中温度域の場合に比べて大
きく、図4のグラフの通り温度直線は高温度域において
中温度域よりも勾配が大きなものとなる。
【0145】III. 吐出設定温度を30℃未満の低温度
域とした場合 吐出設定温度を30℃未満とした場合は、進退軸520
が大きく右方に移動し、進退軸520の鍔部526が座
金91を右方に押す。この結果、弁体433に対しては
感温バネ40及び第1のバイアスバネ42の並列(合
計)の付勢力が右向きに加えられ、第2のバイアスバネ
44の付勢力が左向きに加えられる。この30℃未満の
低温の範囲でハンドルを回したときの回転軸50及び進
退軸520のストローク量(A)と弁体433のシフト
量(a)との比a/Aは中温度域の場合に比べて大き
い。このため、ハンドルを単位角度回したときの設定温
度の変化量は中温度域の場合に比べて大きく、図4のグ
ラフの通り温度直線は低温度域において中温度域よりも
勾配が大きなものとなる。
【0146】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、吐出混合
水温度を中温度域に設定する場合、温度目盛間隔を大き
くとることができ、設定温度を微調整することができ
る。しかも、本発明によると、温調ハンドルの回転範囲
を増大させることなく、低温度域〜高温度域において吐
出混合水温度を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図で
ある。
【図2】図1の湯水混合弁の高温吐水状態の断面図であ
る。
【図3】図1の湯水混合弁の低温吐水状態の断面図であ
る。
【図4】図1の湯水混合弁の作動特性図である。
【図5】湯水混合弁の温調ハンドルの説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図で
ある。
【図7】第3の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図で
ある。
【図8】第4の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図で
ある。
【図9】第5の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図で
ある。
【図10】第6の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図
である。
【図11】第7の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図
である。
【図12】第8の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図
である。
【図13】第9の実施の形態に係る湯水混合弁の断面図
である。
【符号の説明】
10 バルブボディー 12 水の流入口 14 湯の流入口 22 水シート 24 湯シート 30 主軸 30b フランジ(フランジ状の係止部) 30c 鍔部(鍔状の係止部) 32 水弁体 33 弁体 34 湯弁体 42 第1のバイアスバネ 44 第2のバイアスバネ 50 回転軸 50a ハンドル取付部 50b 雌ネジ 50c 鍔部 52 進退軸 52a、52c 鍔部 52b 雄ネジ 54 フック 54a 円盤部 54b 脚片部 54c 爪部 56 スライドリング 72、73、74 シールリング 80 クラッチカラム 80a,80b,80c 鍔部 85 第1の座金 85A 第2の座金 133,233,333,433 弁体 335 第1のフランジ(第1の係止部) 334F 第2のフランジ(第2の係止部) 401 第1のバイアスバネ 402 第2のバイアスバネ
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Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のバルブボディー内に水シートと湯
    シートとが設けられ、 該バルブボディーの軸心線方向に進退可能であり、該水
    シート及び湯シートに接離可能な弁体が該バルブボディ
    ーと同軸的に配置され、 該弁体を湯シート接近方向に付勢する感温バネと、該弁
    体を水シート接近方向に付勢するバイアスバネと、該バ
    イアスバネをバルブボディー軸心線方向に進退させる吐
    水温度設定部材とが設けられている湯水混合弁におい
    て、 該弁体が中温吐出域に位置するときと、該弁体が低温吐
    出域又は高温吐出域に位置するときとで該バイアスバネ
    による付勢力を異ならせる付勢力切替手段を設けたこと
    を特徴とする湯水混合弁。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該バイアスバネとし
    て複数のバイアスバネが設けられており、 前記切替手段は、該弁体が低温吐出域又は高温吐出域に
    位置するときには一部のバイアスバネの付勢力を弁体に
    作用させ、弁体が中温吐出域に位置するときには全ての
    バイアスバネの付勢力を直列に弁体に作用させることを
    特徴とする湯水混合弁。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記弁体は該バルブ
    ボディーと同軸配置された主軸に支持されており、該主
    軸は該バルブボディーの軸心線方向に進退可能であり、 前記吐水温度設定部材は、 内周面に雌ネジを有し、前記主軸と同軸的に配置された
    回転軸と、 該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該主軸と同軸的に配
    置された筒状の進退軸と、 該進退軸の弁体と遠い方の端部及び近い方の端部にそれ
    ぞれ設けられた遠端側鍔部及び近端側鍔部と、 該進退軸に対し軸心線方向に移動自在に嵌合しており、
    該近端側端部に係合することによって弁体接近方向への
    移動が規制されるフックと、 該主軸に対して軸心線方向移動可能に嵌合しており、該
    フックと弁体との間に配置され、該主軸の長手方向の途
    中に設けられた鍔状係止部と前記フックに対しそれぞれ
    当接可能なスライドリングとを備えてなり、 該スライドリングと弁体との間に第1のバイアスバネが
    蓄力状態で介装され、 該フックと遠端側鍔部との間に前記第2のバイアスバネ
    が蓄力状態で介装されていることを特徴とする湯水混合
    弁。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記切替手段は、 前記弁体から突設された前記主軸と、 該主軸の先端に設けられたフランジ状の係止部と、 該主軸の途中に設けられた前記鍔状係止部と、 前記第2のバイアスバネによって進退軸の遠端側鍔部に
    押し付けられる方向に付勢されたストッパリングと、 前記第1のバイアスバネによってフックに押し付けられ
    る方向に付勢された前記スライドリングとを備えてお
    り、 弁体が中温吐出域に位置するときには、該フランジ状の
    係止部とストッパリングとが離反し、該ストッパリング
    は第2のバイアスバネによって進退軸の遠端側鍔部に押
    し付けられており、且つ該鍔状係止部とスライドリング
    とが離反し、該スライドリングは第1のバイアスバネに
    よってフックに押し付けられており、 弁体が低温吐出域に位置するときには該ストッパリング
    に対し該フランジ状の係止部が係合し、且つ前記フック
    と近端側鍔部との係合によってフックの弁体接近方向へ
    の移動が規制され、これによって第2のバイアスバネの
    付勢力がストッパリング及び主軸を介して弁体に対し前
    記感温バネの付勢力と同方向に加えられると共に、スラ
    イドリングに対し前記鍔状係止部が係合し、第1のバイ
    アスバネの付勢力が弁体及び進退軸に対し作用しないよ
    うになることを特徴とする湯水混合弁。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記吐水温度設定部
    材は、 内周面に雌ネジを有し、前記バルブボディーと同軸的に
    配置された回転軸と、 該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該回転軸と同軸的に
    配置された筒状の進退軸と、 該バルブボディーの軸心線方向に移動自在なクラッチカ
    ラムとを備えてなり、 該クラッチカラムと弁体との間に第1のバイアスバネが
    蓄力状態で介装され、 該クラッチカラムと進退軸との間に第2のバイアスバネ
    が蓄力状態で介装されていることを特徴とする湯水混合
    弁。
  6. 【請求項6】 請求項5において、弁体が低温吐出域に
    位置するときにはクラッチカラムと進退軸とが係合し、
    クラッチカラムの弁体接近方向への移動が規制されるこ
    とを特徴とする湯水混合弁。
  7. 【請求項7】 請求項5において、弁体が高温吐出域に
    位置するときにはクラッチカラムが弁体又は進退軸に押
    し付けられ、クラッチカラムの軸心線方向への移動が規
    制されることを特徴とする湯水混合弁。
  8. 【請求項8】 請求項5において、前記弁体に前記軸心
    線方向に離隔して1対のフランジが設けられており、 前記クラッチカラムには該フランジ同士の間に配置され
    た鍔部が設けられていることを特徴とする湯水混合弁。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記弁体を高温吐出
    域に位置させたときに弁体に近い側の前記フランジにク
    ラッチカラムの前記鍔部が押し付けられ、クラッチカラ
    ムの軸心線方向の移動が規制されることを特徴とする湯
    水混合弁。
  10. 【請求項10】 請求項8において、前記弁体を低温吐
    出域に位置させたときに弁体から遠い側の前記フランジ
    にクラッチカラムの前記鍔部が押し付けられ、クラッチ
    カラムの軸心線方向の移動が規制されることを特徴とす
    る湯水混合弁。
  11. 【請求項11】 請求項8において、前記弁体を高温吐
    出域に位置させたときにクラッチカラムが進退軸に押し
    付けられ、クラッチカラムの軸心線方向の移動が規制さ
    れることを特徴とする湯水混合弁。
  12. 【請求項12】 請求項1において、該バイアスバネと
    して複数個のバイアスバネが設けられており、 前記切替手段は、 該弁体が中温吐出域に位置するときには感温バネの付勢
    力と反対方向に各バイアスバネの直列の付勢力を弁体に
    作用させ、 弁体が低温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力
    と同方向に一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用さ
    せることを特徴とする湯水混合弁。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記吐水温度設定部材は、 内周面に雌ネジを有し、その軸心回りに回転可能に配置
    された回転軸と、 該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該回転軸と同軸的に
    配置された筒状の進退軸と、 該進退軸の軸心線方向に移動自在なクラッチカラムとを
    備えてなり、 該クラッチカラムと弁体との間に第1のバイアスバネが
    配置され、該クラッチカラムと進退軸との間に第2のバ
    イアスバネが配置されていることを特徴とする湯水混合
    弁。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記吐水温度設
    定部材によって低温を設定したときに進退軸とクラッチ
    カラムとを係合させる係合部が設けられており、 前記切替手段は、 前記弁体から前記進退軸に向って突設された突軸と、 該突軸の先端に設けられた係止部と、 前記第2のバイアスバネによって進退軸に押し付けられ
    る方向に付勢された座金とを備えており、 弁体が高温吐出域及び中温吐出域に位置するときには、
    該係止部と座金とが離反しており、該座金は第2のバイ
    アスバネによって進退軸に押し付けられており、 弁体が低温吐出域に位置するときには該座金に対し該係
    止部が係合し、且つ前記係合部によってクラッチカラム
    の弁体接近方向への移動が規制され、これによって第2
    のバイアスバネの付勢力が座金及び突軸を介して弁体に
    対し前記感温バネの付勢力と同方向に加えられることを
    特徴とする湯水混合弁。
  15. 【請求項15】 請求項14において、弁体が高温吐出
    域に位置するときにはクラッチカラムが弁体又は進退軸
    に当接し、クラッチカラムの軸心線方向への移動が規制
    されることを特徴とする湯水混合弁。
  16. 【請求項16】 請求項13において、前記吐水温度設
    定部材によって低温を設定したときに進退軸とクラッチ
    カラムとを係合させる係合部が設けられており、 前記切替手段は、 前記弁体から前記進退軸に向って突設された突軸と、 該突軸の先端に設けられた第1の係止部と、 該突軸の途中に設けられた第2の係止部と、 前記第2のバイアスバネによって進退軸に押し付けられ
    る方向に付勢された第1の座金と、 前記第1のバイアスバネによってクラッチカラムに押し
    付けられる方向に付勢された第2の座金とを備えてお
    り、 弁体が中温吐出域に位置するときには、該第1の係止部
    と第1の座金とが離反し、該第1の座金は第2のバイア
    スバネによって進退軸に押し付けられており、且つ第2
    の係止部と第2の座金とが離反し、該第2の座金は第1
    のバイアスバネによってクラッチカラムに押し付けられ
    ており、 弁体が低温吐出域に位置するときには該第1の座金に対
    し該第1の係止部が係合し、且つ前記係合部によってク
    ラッチカラムの弁体接近方向への移動が規制され、これ
    によって第2のバイアスバネの付勢力が座金及び突軸を
    介して弁体に対し前記感温バネの付勢力と同方向に加え
    られると共に、第2の座金に対し第2の係止部が係合
    し、第1のバイアスバネの付勢力が弁体及び進退軸に対
    し作用しないようになることを特徴とする湯水混合弁。
  17. 【請求項17】 請求項13において、前記吐水温度設
    定部材によって低温を設定したときにクラッチカラムと
    弁体とを係合させる係合部が設けられており、 前記切替手段は、 前記進退軸から前記弁体に向って突設された突軸と、 該突軸の先端に設けられた係止部と、 前記第1のバイアスバネによって弁体に押し付けられる
    方向に付勢された座金とを備えており、 弁体が高温吐出域及び中温吐出域に位置するときには、
    該係止部と座金とが離反しており、該座金は第1のバイ
    アスバネによって弁体に押し付けられており、 弁体が低温吐出域に位置するときには該座金に対し該係
    止部が係合し、且つ前記係合部によってクラッチカラム
    の弁体からの離反方向の移動が規制され、これによって
    第1のバイアスバネの付勢力が座金、突軸及びクラッチ
    カラムを介して弁体に対し前記感温バネの付勢力と同方
    向に加えられることを特徴とする湯水混合弁。
  18. 【請求項18】 請求項17において、弁体が高温吐出
    域に位置するときにはクラッチカラムが弁体又は進退軸
    に当接し、クラッチカラムの軸心線方向への移動が規制
    されることを特徴とする湯水混合弁。
  19. 【請求項19】 請求項13において、前記吐水温度設
    定部材によって低温を設定したときにクラッチカラムと
    弁体とを係合させる係合部が設けられており、 前記切替手段は、 前記進退軸から前記弁体に向って突設された突軸と、 該突軸の先端に設けられた第1の係止部と、 該突軸の途中に設けられた第2の係止部と、 前記第1のバイアスバネによって弁体に押し付けられる
    方向に付勢された第1の座金と、 前記第2のバイアスバネによってクラッチカラムに押し
    付けられる方向に付勢された第2の座金とを備えてお
    り、 弁体が中温吐出域に位置するときには、該第1の係止部
    と第1の座金とが離反し、該第1の座金は第1のバイア
    スバネによって弁体に押し付けられており、且つ第2の
    係止部と第2の座金とが離反し、該第2の座金は第2の
    バイアスバネによってクラッチカラムに押し付けられて
    おり、 弁体が低温吐出域に位置するときには該座金に対し該係
    止部が係合し、且つ前記係合部によってクラッチカラム
    の弁体からの離反方向の移動が規制され、これによって
    第1のバイアスバネの付勢力が座金、突軸及びクラッチ
    カラムを介して弁体に対し前記感温バネの付勢力と同方
    向に加えられると共に、第2の座金に対し第2の係止部
    が係合し、第2のバイアスバネの付勢力が弁体及び進退
    軸に対し作用しないようになることを特徴とする湯水混
    合弁。
  20. 【請求項20】 請求項1において、該バイアスバネと
    して複数のバイアスバネが設けられ、 該弁体に作用するバイアスバネの付勢力を切り替えるた
    めの前記切替手段は、 該弁体が高温吐出域に位置するときには感温バネの付勢
    力と反対方向に全てのバイアスバネの並列の付勢力を弁
    体に対し作用させ、 弁体が中温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力
    と反対方向に一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用
    させ、 弁体が低温吐出域に位置するときには前記吐水温度設定
    部材によって弁体を直接に進退させることを特徴とする
    湯水混合弁。
  21. 【請求項21】 請求項20において、 前記弁体は前記バブルボディーと同軸配置された主軸に
    支持されており、該主軸は該バブルボディーの軸心線方
    向に進退可能であり、 前記吐水温度設定部材は、 内周面に雌ネジを有し、その軸心回りに回転可能に配置
    された回転軸と、 該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該回転軸と同軸的に
    配置された筒状の進退軸とを備えてなり、 前記切替手段は、 該主軸から前記進退軸に向って突設された突軸と、 該突軸の先端に設けられた係止部と、 該係止部に対し弁体側から当接可能な座金とを備えてお
    り、 該座金と弁体との間に第1のバイアスバネが配置され、
    該進退軸と弁体との間に第2のバイアスバネが配置さ
    れ、 弁体が高温吐出域に位置するときには、該係止部と座金
    とが離反すると共に座金と進退軸とが当接し、これによ
    って進退軸に反力を得た第1のバイアスバネが弁体を付
    勢しており、 弁体が中温吐出域に位置するときには該座金に対し該係
    止部が係合し、これによって第1のバイアスバネの弁体
    に対する付勢力が解消され、 弁体が低温吐出域に位置するときには弁体と進退軸とが
    係合し、両者が一体的に進退することを特徴とする湯水
    混合弁。
  22. 【請求項22】 請求項1において、該バイアスバネと
    して複数個のバイアスバネが設けられ、 該弁体に作用するバイアスバネの付勢力を切り替えるた
    めの前記切替手段は、 該弁体が高温吐出域に位置するときには感温バネの付勢
    力と反対方向に全てのバイアスバネの並列の付勢力を弁
    体に作用させ、 弁体が中温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力
    と反対方向に一部のバイアスバネの付勢力を弁体に作用
    させ、 弁体が低温吐出域に位置するときには感温バネの付勢力
    と同方向に他のバイアスバネの付勢力を弁体に作用させ
    ることを特徴とする湯水混合弁。
  23. 【請求項23】 請求項22において、 前記吐水温度設定部材は、 内周面に雌ネジを有し、その軸心回りに回転可能に配置
    された回転軸と、 該雌ネジに噛合した雄ネジを有し、該回転軸と同軸的に
    配置された筒状の進退軸とを備えてなり、 該進退軸と弁体との間に第2のバイアスバネが配置され
    ており、 該カラムに前記軸心線方向に離隔して設けられた第1及
    び第2の鍔部と、 該第1の鍔部と第2の鍔部との対向面側にそれぞれ配置
    された第1の座金及び第2の座金と、 該第1の座金と第2の座金との間に蓄力状態で介在され
    た第1のバイアスバネと、 前記進退軸に設けられており、進退軸が弁体から離反す
    る方向に移動したときに該第1の座金に係合し、該第1
    の座金を弁体から離反する方向に押圧する鍔部と、 該進退軸に設けられており、該進退軸が弁体に接近する
    方向に移動したときに第2の座金に係合し、該第2の座
    金を弁体に接近する方向に押圧する段部とを備えてなる
    ことを特徴とする湯水混合弁。
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