JP2000026341A - フェニルナフタレン誘導体 - Google Patents

フェニルナフタレン誘導体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TN-Iが高く、適当な大きさの△nを有する
フッ素系のフェニルナフタレン誘導体である液晶性化合
物を提供し、これを含有するN相温度範囲が広く、低電
圧駆動性を有し、アクティブマトリックス駆動用として
も使用可能な液晶組成物、更に、これを構成要素とする
液晶素子を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (R:C数1〜10のアルキル基、C数2〜10のアル
ケニル基又はアルコキシルアルキル基、L:−CH2
2−又は単結合、X:H原子又はF原子。シクロヘキ
シレン基の1,4-位はトランス配置。)のフェニルナフタ
レン誘導体、これを含有する液晶組成物、これを構成要
素とする液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
ある、フェニルナフタレン誘導体とそれを含有する液晶
組成物に関する。これらは電気光学的液晶表示用、特に
温度範囲が広く、低電圧駆動が可能なネマチック液晶材
料として有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
【0003】これらの表示方式や駆動方式に応じて、液
晶材料としても種々の特性が要求されている。中でも温
度範囲が広いことはほとんどの場合に共通して非常に重
要であるが、これにはネマチック相上限温度(TN-I
が充分高いことと、融点(TC -N)あるいはスメクチッ
ク−ネマチック転移温度(TS-N)が充分低いことを含
んでいる。
【0004】また、駆動電圧が充分低いことも多くの場
合に共通して重要な特性であり、そのためには閾値電圧
(Vth)が低い必要がある。一方、上述のアクティブ
マトリックス駆動においては液晶材料の電圧保持率が非
常に高くなければならないという制約がある。一般に閾
値電圧は誘電率異方性(Δε)の平方根に逆比例するた
め、閾値電圧を低減するためには極性の基を液晶分子の
長軸方向に導入してその誘電率異方性を増大させる必要
がある。しかしながら、アクティブマトリックス駆動用
の液晶材料においては、上記の制約のために、極性基と
してシアノ基やエステル結合等通常閾値電圧の低下に大
きい効果のある基を用いることができず、フッ素原子や
トリフルオロメトキシ基等の限られたフッ素系の基が用
いられているにすぎない。ただし、誘電率異方性増大に
対するフッ素原子導入の効果は例えば前述のシアノ基と
比較するとかなり小さい。従って、液晶分子の誘電率異
方性を充分増大させ、閾値電圧を低減させるためには、
分子中に2個以上のフッ素原子を同方向に導入する必要
がある。こうした理由から、アクティブマトリックス駆
動用の液晶材料として現在汎用されているのは3,4-ジフ
ルオロフェニル基(A)及び3,4,5-トリフルオロフェニル
基(B)
【0005】
【化2】
【0006】を分子中に有する液晶化合物が主である。
ところでこれらのフッ素系液晶化合物にも大きな問題点
が存在する。その第一は液晶性が低いことであり、その
ためにこうしたフッ素系化合物は通常3環性の化合物が
使用されるが、それでもそのネマチック相上限温度は充
分高いと言えるものではない。第二の問題点は相溶性が
悪くその混合によってネマチック相を低温域まで拡大さ
せることが容易でないことである。液晶材料においては
通常、液晶化合物を多数混合(ブレンド)することによ
りその融点を降下させ、低温域まで安定にネマチック相
を存在させることを可能としている。しかしながら、こ
うしたフッ素系の液晶ではその混合による融点の降下は
比較的小さく、従って組成物の融点を充分に低下させる
ためには異種骨格からなる非常に多数の液晶化合物を混
合させる必要があるのが実情である。そのために、組成
物の調製には非常な手間がかかり、高コスト化が避けら
れなかった。
【0007】こうしたことから、アクティブマトリック
ス駆動用として使用可能なフッ素系液晶化合物として、
より液晶性に優れ、かつ相溶性に優れて混合により低温
域温度範囲の拡大がより容易であるような液晶化合物が
求められている。
【0008】一般に液晶化合物は構造的に中心骨格(コ
ア)部分と側方基(側鎖及び極性基)から形成されてお
り、そのコア部分を構成する環構造としては、1,4-フェ
ニレン基(フッ素置換されていてもよい)やトランス-
1,4-シクロヘキシレン基をはじめとして、ピリジン-2,5
-ジイル基やピリミジン-2,5-ジイル基等の複素芳香環、
ジオキサン-トランス-1,4-ジイル基やピペリジン-1,4-
ジイル基等の飽和複素環等、既に多くのものが知られて
いる。しかしながら、アクティブマトリックス駆動用と
しては、前述の制約から1,4-フェニレン基(フッ素置換
されていてもよい)とトランス-1,4-シクロヘキシレン
基にほぼ限定されているのが実情である。
【0009】ところで、この1,4-フェニレン基を2,6-ナ
フチレン基に変換することにより液晶性の向上及び屈折
率異方性(Δn)の増大といった効果が得られることは
知られている。しかも、2,6-ナフチレン基には酸素原子
や窒素原子といったヘテロ原子が含まれないため、この
変換により電圧保持率が低下することもない。従って、
2,6-ナフチレン基を有するフッ素系液晶化合物は温度範
囲の広いアクティブマトリックス駆動用液晶材料として
使用可能と考えられるわけであるが、そのような液晶化
合物はほとんど知られていないのが実情である。
【0010】特表平4−504571号公報には(3,4-
ジフルオロフェニル)ナフタレン骨格を有する化合物
(R−1)
【0011】
【化3】
【0012】が記載されている。しかしながら、この化
合物はネマチック相上限温度が42℃(モノトロピッ
ク)と低い。さらに側鎖がアルコキシル基であるため、
充分に高い電圧保持率を得ることができず、アクティブ
マトリックス駆動には適さない。また、その屈折率異方
性も通常のアクティブマトリックス用としては大きすぎ
る問題点がある。
【0013】また、英国公開特許2271771号公報
には(3,4,5-トリフルオロフェニル)ナフタレン骨格を
有する化合物(R−2)
【0014】
【化4】
【0015】が示されている。しかしながら、この公報
には(R−2)の転移温度等に対する記載は一切なく、
本発明者らが実際に別途合成し検討したところでは、
(R−2)は融点50℃であり単独では液晶性を示さな
いことが判明した。また、(R−1)と同様にその屈折
率異方性が通常のアクティブマトリックス駆動用として
は大きすぎる問題点もある。
【0016】更に、特表平4−501575号に記載さ
れた発明における一般式は、広義に解釈するならば本発
明の一般式(I)で表されるフェニルナフタレン誘導体
の一部を包含しうるものである。しかしながら、当該明
細書には、本発明の一般式(I)のフェニルナフタレン
誘導体に相当する化合物を実際に合成した例はなく、ま
た、これを用いた液晶組成物についても一切例示されて
いない。更には、当該明細書には数種の合成例が示され
ているが、これらの例から本発明に関わる一般式(I)
の化合物を合成することはできず、また、これらの例に
よって本発明に関わる一般式(I)の化合物の合成が示
唆されるものでもない。
【0017】従って、フッ素系のフェニルナフタレン骨
格を有する液晶化合物であって、ネマチック相上限温度
がより高く、屈折率異方性がより小さく、アクティブマ
トリックス駆動用としてより優れた液晶化合物が求めら
れている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、ネマチック相上
限温度が高く、適当な大きさの屈折率異方性を有するフ
ッ素系のフェニルナフタレン誘導体である液晶性化合物
を提供し、さらにこれを用いて、広いネマチック相温度
範囲と低電圧駆動性を有し、かつアクティブマトリック
ス駆動用としても使用可能な液晶組成物、更にはこの液
晶組成物を構成要素とする液晶素子をも提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 1.一般式(I)
【0020】
【化5】
【0021】(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキ
ル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又はアルコキ
シルアルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合
を表し、Xは水素原子又はフッ素原子を表す。また、シ
クロヘキシレン基の1,4-位はトランス配置である。)で
表されるフェニルナフタレン誘導体。 2.一般式(I)においてLが単結合を表すところの上
記1記載のフェニルナフタレン誘導体。 3.一般式(I)においてLが−CH2CH2−を表すと
ころの上記1記載のフェニルナフタレン誘導体。 4.一般式(I)においてXがフッ素原子を表すところ
の上記1、2又は3記載のフェニルナフタレン誘導体。 5.一般式(I)においてRが炭素原子数2〜7の直鎖
状アルキル基を表すところの上記1、2、3又は4記載
のフェニルナフタレン誘導体。 6.上記1、2、3、4又は5記載の一般式(I)で表
される化合物を含有する液晶組成物。 7.上記6記載の液晶組成物を構成要素とする液晶素
子。 を前記課題を解決するための手段として見出した。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明は、上記課題を解決するために、一般式
(I)
【0023】
【化6】
【0024】で表されるフェニルナフタレン誘導体を提
供する。式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基、
炭素原子数2〜10のアルケニル基又はアルコキシルア
ルキル基を表すが、直鎖状アルキル基が好ましく、炭素
原子数2〜7の直鎖状アルキル基が特に好ましい。Lは
−CH2CH2−又は単結合を表す。Xは水素原子又はフ
ッ素原子を表すが、誘電率異方性(Δε)を増大させ閾
値電圧(Vth)の低減効果を高めるためにはフッ素原
子であることが好ましく、液晶性を向上させネマチック
相の上限温度を上昇させるためには水素原子であること
が好ましい。また、シクロヘキシレン基の1,4-位はトラ
ンス配置である。
【0025】一般式(I)においては、そのR、L及び
Xの選択によって数種の化合物群を包含するけれども、
それらの中では一般式(Ia)〜(If)
【0026】
【化7】
【0027】(式中、Raは炭素原子数2〜7の直鎖状
アルキル基を表し、Rbは炭素原子数2又は4の末端二
重結合を有するアルケニル基を表す。)で表される化合
物が好ましいものであり、(Ia)、(Ib)、(I
e)及び(If)が特に好ましい。
【0028】一般式(I)の化合物は以下の工程に基づ
いて製造することができる (i) (Ia)及び(Ib)で表される化合物 6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(IIa)
【0029】
【化8】
【0030】をマグネシウムと反応させてグリニヤール
反応剤を調製し、これを4-アルキルシクロヘキサノン(I
IIa)
【0031】
【化9】
【0032】(式中、Raは一般式(Ia)におけると
おなじ意味を表す。)と反応させ、次いで酸で脱水させ
ることにより、シクロヘキセン誘導体(IVa)
【0033】
【化10】
【0034】(式中、Raは一般式(Ia)におけると
おなじ意味を表す。)を得る。これを接触還元した後、
必要に応じてシス/トランスの異性化を行い、トランス
体を分離して一般式(Va)
【0035】
【化11】
【0036】で表される6-(トランス-4-アルキル)シ
クロヘキシル-2-メトキシナフタレンを得ることができ
る。これを臭化水素酸等により脱メチル化し、得られた
ナフトール誘導体(Vb)
【0037】
【化12】
【0038】(式中、Raは一般式(Ia)におけると
おなじ意味を表す。)のヒドロキシル基をトリフルオロ
メタンスルホン酸無水物等によりトリフラートとし、こ
れを一般式(VIa)
【0039】
【化13】
【0040】(式中、Xは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表し、Yは塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子
好ましくは臭素原子を表す。)で表されるグリニヤール
反応剤もしくは一般式(VIb)
【0041】
【化14】
【0042】(式中、Xは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表す。)で表されるフェニルほう酸誘導体(こ
の化合物は(VIa)をホウ酸トリアルキルと反応させ、次
いで酸で加水分解することにより得ることができる。)
と遷移金属触媒存在下に反応させることにより一般式(I
a)あるいは(Ib)で表される化合物を得ることができる。
ここで遷移金属触媒としてはパラジウム(0)錯体及びパ
ラジウム(II)錯体が特に好ましい。 (ii) (Ic)及び(Id)で表される化合物 6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(IIa)から調
製したグリニヤール反応剤をシクロヘキサン-1,4-ジオ
ンモノエチレンアセタール(IIIb)
【0043】
【化15】
【0044】と反応させ、(i)と同様にして酸で脱水
後、必要に応じ再アセタール化した後に同様に接触還元
し、次いで脱アセタール化することによりナフチルシク
ロヘキサノン誘導体(Vc)
【0045】
【化16】
【0046】を得る。これにウィッティヒ反応剤(VIIa)
【0047】
【化17】
【0048】を反応させ、次いで酸で処理した後、塩基
で異性化して、(Vd)
【0049】
【化18】
【0050】のシクロヘキサンカルバルデヒドを得る。
これをさらにウィッティヒ反応剤(VIIb)
【0051】
【化19】
【0052】と反応させるか、あるいは(VIIa)とさらに
2回繰り返し反応させた後に、(VIIb)と反応させること
により、一般式(Ve)
【0053】
【化20】
【0054】(式中、Rbは一般式(Ic)におけるとおな
じ意味を表す。)で表されるシクロヘキシルナフタレン
誘導体を得る。これから(i)と同様にして一般式(Ic)
あるいは(Id)で表される化合物を得ることができる。 (iii) (Ie)及び(If)で表される化合物 4-アルキルシクロヘキサノン(IIIa)にウィッティヒ反応
剤(VIIa)を反応させ、加水分解後、シクロヘキサン環を
トランスに異性化し、得られたシクロヘキサンカルバル
デヒド誘導体をさらに(VIIa)と再度同様に反応させるこ
とにより一般式(IIIc)
【0055】
【化21】
【0056】(式中、Raは一般式(Ia)におけると
おなじ意味を表す。)で表されるシクロヘキサンエタナ
ール誘導体を得る。これから(i)と同様にして一般式
(Ie)あるいは(If)で表される化合物を得ることができ
る。
【0057】あるいは(Ie)及び(If)は対応するエ
チニルナフタレン誘導体(VIII)
【0058】
【化22】
【0059】(式中、Raは一般式(Ia)、Xは一般
式(I)におけるとおなじ意味を表す。)の接触還元に
より得ることもできる。ここで、(VIII)は一般式(IX)
【0060】
【化23】
【0061】(式中、Raは一般式(Ia)におけると
おなじ意味を表す。)で表されるエチニルシクロヘキサ
ン誘導体と一般式(X)
【0062】
【化24】
【0063】(式中、Xは一般式(I)におけるとおな
じ意味を表す。)で表されるトリフラート(この化合物
は(IIa)に遷移金属触媒存在下にジあるいはトリフルオ
ロフェニルグリニヤール反応剤を反応させ、次いで脱メ
チル化した後、無水トリフルオロメタンスルホン酸でエ
ステル化することにより得ることができる。)とをパラ
ジウム系触媒及びヨウ化銅(I)存在下に反応させること
により得ることができる。
【0064】斯くして製造される本発明の一般式(I)
で表される代表的な化合物の具体例をその相転移温度と
ともに第1表にまとめて示す。
【0065】
【表1】
【0066】(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック
相を、Iは等方性液体相をそれぞれ示す。) 一般式(I)の化合物を液晶組成物中に添加することに
より得られる優れた効果は以下の通りである。
【0067】第1表中に示された(I−3)
【0068】
【化25】
【0069】の化合物20重量%及び温度範囲が広く低
粘性でアクティブマトリックス駆動にも使用可能なホス
ト液晶組成物(H)
【0070】
【化26】
【0071】80重量%からなる液晶組成物(H−3)
を調製した。ここで、ホスト液晶(H)の物性値ならび
にそれを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は
以下の通りである。
【0072】 TN-I: 116.7℃ TC-N: +11℃ 閾値電圧(Vth): 2.14V 誘電率異方性(Δε): 4.8 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、閾値電圧(Vth)は厚さ6μmのTNセルに
封入して20℃で測定した値である。
【0073】これに対して(H−3)の物性値ならびに
それを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は以
下の通りとなった。 TN-I: 120.0℃ TC-N: −2℃ 閾値電圧(Vth): 2.06V 誘電率異方性(Δε): 5.5 屈折率異方性(Δn): 0.110 従って、(I−3)を添加することにより、ネマチック
相上限温度(TN-I)を3°以上上昇させることができ
た。また、この(H−3)を−60℃に冷却して結晶化
させ、その融点(TC-N)を測定したところ、−2℃で
あり、ホスト液晶(H)と比較して13°も降下してい
た。従って、ネマチック相の安定な温度範囲は約16°
も拡大できたことになる。また、(I−3)の添加によ
り誘電率異方性を増大させ、閾値電圧を低減させている
ことがわかる。さらに、屈折率異方性の増加はホスト液
晶(H)に対し0.02に押さえることができた。
【0074】次に、この素子の室温及び80℃における
電圧保持率を測定したがいずれも極めて良好でアクティ
ブマトリックス駆動用としても充分使用可能であること
がわかった。
【0075】これに対して前述のフェニルナフタレン誘
導体(R−2)
【0076】
【化27】
【0077】20重量%及びホスト液晶(H)80重量
%からなる比較組成物(HR−2)を調製したところ、
ネマチック相上限温度(TN-I)は85℃と大きく降下
した。また、その融点(TC-N)は2℃であり、(H−
3)より高くなった。従って、ネマチック相温度範囲は
大幅に狭くなった。
【0078】次に、(I−3)と類似の構造を有する
が、(I−3)における2,6-ナフチレン基が1,4-フェニ
レン基に置き換わった構造の化合物である(R−3)
【0079】
【化28】
【0080】20重量%及びホスト液晶(H)80重量
%からなる比較組成物(HR−3)を調製した。この組
成物のネマチック相上限温度(TN-I)は101℃と
(H−3)と比較するとやはりかなり低くなった。ま
た、その融点(TC-N)は5℃であり、(H−3)より
高くなった。従って、ネマチック相温度範囲は(H−
3)と比較して25°以上も狭くなってしまった。
【0081】以上のように、広い温度範囲と、低い閾値
電圧と、適当な屈折率異方性を兼ね備えた液晶組成物を
得る上において(I−3)は従来の化合物より優れた効
果を有していることがわかる。
【0082】従って、本発明の一般式(I)で表される
化合物は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態
で、TN型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用
として、特に温度範囲が広く低電圧駆動が可能な液晶材
料として好適に使用することができる。また、一般式
(I)の化合物は分子内に強い極性基を持たないので、
大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることが容易であ
り、アクティブマトリックス駆動用液晶材料の構成成分
として使用することも可能である。本発明はこのように
一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種類をそ
の構成成分として含有する液晶組成物をも提供する。ま
た、この組成物を構成要素とする液晶素子も提供する。
【0083】この組成物中において、本発明の一般式
(I)の化合物と混合して使用することのできるネマチ
ック液晶化合物の好ましい代表例としては、例えば、4
−置換安息香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置
換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換
フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4
−置換フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息
香酸4−置換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニ
ル、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼ
ン、4,4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、
1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シク
ロヘキシル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4
−(4−置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニ
ル、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−
4’−置換ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキ
シル−4’−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェ
ニル)エチル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−
(4−置換フェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1
−(4−置換フェニルエチニル)−4−(4−置換シク
ロヘキシル)ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5
−置換ピリミジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−
5−置換ピリミジン及び上記各化合物においてベンゼン
環が側方置換基を有する化合物等を挙げることができ
る。
【0084】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
【0085】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0086】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。組成物の%は重量%を
表す。 (実施例1) 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-(トラン
ス-4-プロピル)シクロヘキシルナフタレン(第1表中の
No.(I−1)の化合物)の合成
【0087】
【化29】
【0088】(1−a) 2-(4-プロピルシクロヘキサ
-1-エン-1-イル)-6-メトキシナフタレンの合成 マグネシウム5.7gをテトラヒドロフラン12mlに
懸濁し、6-ブロモ-2-メトキシナフタレン50gのテト
ラヒドロフラン200ml溶液をテトラヒドロフランが
穏やかに還流する速さで滴下した。さらに1時間撹拌
後、4-プロピルシクロヘキサノン30gのテトラヒドロ
フラン120ml溶液を室温で滴下した。さらに1時間
撹拌後、10%塩酸200mlを加えた。トルエン30
0mlで抽出し、水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗滌
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、ト
ルエン280mlとP-トルエンスルホン酸1水和物4.
0gを加え、3時間加熱還流させた。室温まで放冷し、
水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を溜去し、エタノールから再結晶
し、2-(4-プロピルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-6-
メトキシナフタレン44.8gを得た。 (1−b) 2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシ
ル)-6-メトキシナフタレンの合成 上記(1−a)で得た2-(4-プロピルシクロヘキサ-1-
エン-1-イル)-6-メトキシナフタレン44.8gを酢酸
エチル800mlに溶解し、5%パラジウムカーボン1
0gを加え、水素圧4Kg/cm2下で6時間撹拌した。触
媒を濾別し、溶媒を溜去し、N,N-ジメチルホルムアミド
180mlに溶解した、t−ブトキシカリウム18gを
加え、120℃で1時間加熱撹拌した。室温まで放冷
し、10%塩酸70mlを加え析出した結晶を濾過し、
水で洗滌後、減圧乾燥した。エタノールから再結晶し、
2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-6-メトキシ
ナフタレン28.0gを得た。 (1−c) 6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシ
ル)-2-ナフトールの合成 上記(1−b)で得た2-(トランス-4-プロピルシクロ
ヘキシル)-6-メトキシナフタレン28.0gに酢酸2
80mlと48%臭化水素酸280mlを加え、12時
間加熱還流させた。室温まで放冷し、水500mlを加
え、析出した結晶を濾過した。これを水洗し、減圧乾燥
し、6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-ナフ
トール26.8gを得た。 (1−d) トリフルオロメタンスルホン酸6-(トラン
ス-4-プロピルシクロヘキシル)ナフタレン-2-イルの合
成 上記(1−c)で得た6-(トランス-4-プロピルシクロ
ヘキシル)-2-ナフトール25.0gにジクロロメタン
100mlとトリフルオロメタンスルホン酸無水物30
gを加え、5℃に冷却した。20℃を越えない速さでピ
リジン11.0gのジクロロメタン40ml溶液を滴下
した。滴下後、撹拌しながら室温に戻し、水150ml
を加えた。有機層を水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタン)を用い
て精製し、トリフルオロメタンスルホン酸6-(トランス
-4-プロピルシクロヘキシル)ナフタレン-2-イル36.
7gを得た。 (1−e) 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-(トランス
-4-プロピル)シクロヘキシルナフタレンの合成 マグネシウム1.0gをテトラヒドロフラン2mlに懸
濁し、3,4-ジフルオロ-1-ブロモベンゼン7.0gのテ
トラヒドロフラン35ml溶液をテトラヒドロフランが
穏やかに還流する速さで滴下した。室温で1時間撹拌
後、過剰のマグネシウムを濾別し、6-(トランス-4-プ
ロピルシクロヘキシル)ナフタレン-2-イル10.0g
とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)0.3gのテトラヒドロフラン50ml溶液に室温
で滴下した。室温で1時間撹拌後、水100mlを加え
た。トルエン200mlで抽出し、水、飽和食塩水で洗
滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用
いて精製し、さらにエタノールから再結晶させて精製物
7.1gを得た。相転移温度は第1表にまとめて示し
た。
【0089】同様にして以下の化合物を得た。 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-エチル)シ
クロヘキシルナフタレン 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-ブチル)シ
クロヘキシルナフタレン 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-ペンチル)
シクロヘキシルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-エチ
ル)シクロヘキシルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-プロ
ピル)シクロヘキシルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-ブチ
ル)シクロヘキシルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-ペン
チル)シクロヘキシルナフタレン (実施例2) 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-[2-
(トランス-4-プロピル)シクロヘキシル]エチルナフタレ
ン(第1表中のNo.(I−3)の化合物)の合成
【0090】
【化30】
【0091】(2−a) トリフルオロメタンスルホン
酸6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ナフタレン-2-イル
の合成 6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-2-ヒドロキシナフ
タレン25.0gにジクロロメタン200mlとトリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物34.0gに加え、5℃
に冷却した。20℃を越えない速さでピリジン12.0
gのジクロロメタン48ml溶液を滴下した。滴下後、
撹拌しながら室温に戻し、水200mlを加えた。有機
層を水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶媒:ジクロロメタン)を用いて精製し、トリ
フルオロメタンスルホン酸6-(3,4,5-トリフルオロフェ
ニル)ナフタレン-2-イル37.3gを得た。 (2−b) 2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)
エチニル-6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ナフタレン
の合成 上記(2−a)で得たトリフルオロメタンスルホン酸6-
(3,4,5-トリフルオロフェニル)ナフタレン-2-イル2
5.0gと1-エチニル-4-プロピルシクロヘキサンをN,N
-ジメチルホルムアミド125mlとトリエチルアミン
25mlに溶解した。テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)0.7gとヨウ化銅(I)0.2gを
加え、50℃で3時間撹拌した。室温まで放冷し、水1
50mlを加え、トルエン200mlで抽出した。水、
飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を溜去した。エタノールから再結晶し、2-(トランス
-4-プロピルシクロヘキシル)エチニル-6-(3,4,5-トリフ
ルオロフェニル)ナフタレン17.6gを得た。 (2−c) 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-[2-
(トランス-4-プロピル)シクロヘキシル]エチルナフタレ
ンの合成 上記(2−b)で得た2-(トランス-4-プロピルシクロ
ヘキシル)エチニル-6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)ナ
フタレン17.6gをテトラヒドロフラン400mlに
溶解し、5%パラジウムカーボン5gを加え、水素圧5
Kg/cm2で6時間撹拌した。触媒を濾別し、溶媒を溜
去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン)を用いて精製し、さらにエタノールから再結晶させ
て精製物11.5gを得た。相転移温度は第1表にまと
めて示した。
【0092】同様にして以下の化合物を得た。 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-エ
チル)シクロヘキシル]エチルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-ブ
チル)シクロヘキシル]エチルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-ペ
ンチル)シクロヘキシル]エチルナフタレン 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-エチ
ル)シクロヘキシル]エチルナフタレン 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-プロピ
ル)シクロヘキシル]エチルナフタレン(第1表中のN
o.(I−2)の化合物) 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-ブチ
ル)シクロヘキシル]エチルナフタレン 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-[2-(トランス-4-ペンチ
ル)シクロヘキシル]エチルナフタレン (実施例3) 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-(トラン
ス-4-ビニル)シクロヘキシルナフタレンの合成
【0093】
【化31】
【0094】実施例1の(1−a)において、4-プロピ
ルシクロヘキサノンに換えて、シクロヘキサン-4,4'-ジ
オンモノエチレンアセタールを用いた他は同様にして、
グリニヤール反応を行った。硫酸水素カリウムによる脱
水の後、トルエン溶液にエチレングリコールを加え、共
沸する水を系外に除去しながら、加熱還流させた。室温
まで冷却して、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で順次洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥
した後、溶媒を溜去して、4-(6-メトキシナフタレン-2-
イル)-3-シクロヘキセノンエチレンアセタールを得た。
これをトルエンに溶解し、(1−b)と同様にして接触
還元した後、蟻酸を加え加熱撹拌させた。冷却後、水を
加え、分離したトルエン層を洗滌後、溶媒を溜去した。
得られた粗結晶をエタノールから再結晶させて、4-(6-
メトキシナフタレン-2-イル)シクロヘキサノンの結晶を
得た。これをトルエン及びTHFの混合溶媒に溶解して
冷却し、臭化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム
とt-ブトキシカリウムから調製したウィッティヒ反応剤
を加えた。室温に戻し、水及びヘキサンを加え、ヘキサ
ン層から不溶物を濾別後、水/メタノール混合溶媒で洗
滌した。溶媒を溜去後、THFに溶解し、稀塩酸を加
え、1時間加熱還流させた。冷却後水を加え、酢酸エチ
ルで抽出した。溶媒を溜去後、エタノールに溶解し、2
0%水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で撹拌させ
た。水を加え、トルエンで抽出し、洗滌、乾燥した後、
溶媒を溜去してトランス-4-(6-メトキシナフタレン-2-
イル)シクロヘキサンカルバルデヒドの結晶を得た。こ
れをTHFに溶解し、ヨウ化メチルトリフェニルホスホ
ニウムとt-ブトキシカリウムから調製したウィッティヒ
反応剤を加えた。室温に戻し、水及びヘキサンを加え、
ヘキサン層から不溶物を濾別後、水/メタノール混合溶
媒で洗滌した。乾燥後、溶媒を溜去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(トルエン)を用いて精製して、
2-(トランス-4-ビニルシクロヘキシル)-6-メトキシナフ
タレンの結晶を得た。これから(1−c)、(1−d)
及び(1−e)と同様にして、表記の2-(3,4-ジフルオ
ロ)フェニル-6-(トランス-4-ビニル)シクロヘキシルナ
フタレンを得た。
【0095】同様にして以下の化合物を得た。 2-(3,4-ジフルオロ)フェニル-6-[トランス-4-(3-ブテニ
ル)シクロヘキシル]ナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-(トランス-4-ビニ
ル)シクロヘキシルナフタレン 2-(3,4,5-トリフルオロ)フェニル-6-[トランス-4-(3-ブ
テニル)シクロヘキシル]ナフタレン (実施例4) 液晶組成物の調製(1) アクティブマトリックス駆動にも使用可能な汎用のホス
ト液晶(H)
【0096】
【化32】
【0097】を調製した。このホスト液晶(H)は11
6.7℃以下でネマチック相を示し、その融点は11℃
である。この組成物の物性値ならびに、これを用いて作
製したTNセル(セル厚6μm)の閾値電圧(Vth)
の20℃における測定値は以下の通りであった。
【0098】 閾値電圧(Vth): 2.14V 誘電率異方性(Δε): 4.8 屈折率異方性(Δn): 0.090 次に、このホスト液晶(H)の80%及び実施例2で得
た本発明の化合物である式(I−3)
【0099】
【化33】
【0100】20%からなる液晶組成物(H−3)を調
製したところ、ネマチック相上限温度は120.0℃に
上昇した。この組成物は0℃で1ヶ月以上放置しても結
晶の析出や相分離は観察されず、式(I−1)の化合物
は汎用の液晶との相溶性にも優れていることがわかる。
次に−60℃に冷却して結晶化させその融点を測定した
ところ、−2℃であり、ホスト液晶(H)より13°も
低下した。
【0101】従って、(H−3)ではホスト液晶(H)
と比較して、約16°もネマチック相の安定な温度範囲
が拡大したことになる。これを用いて同様に作製した液
晶素子の特性値は以下の通りとなった。
【0102】 閾値電圧(Vth): 2.06V 誘電率異方性(Δε): 5.5 屈折率異方性(Δn): 0.110 従って、本発明に関わる式(I−3)の化合物の添加に
より、誘電率異方性を増大させ、閾値電圧を低減させて
いることがわかる。さらに、屈折率異方性の増加はホス
ト液晶(H)に対し0.02だけ増加した。
【0103】次に、この素子の室温及び80℃における
電圧保持率を測定したがいずれも極めて良好でアクティ
ブマトリックス駆動用としても充分使用可能であること
がわかった。 (比較例1)実施例4において、式(I−3)の化合物
に換えて、フェニルナフタレン骨格を有するがシクロヘ
キサン環を含まない式(R−2)
【0104】
【化34】
【0105】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して比較組成物(HR−2)を調製した。この
組成物のネマチック相上限温度(TN-I)は85℃とホ
スト液晶(H)あるいは本発明に関わる液晶組成物(H
−3)と比較して大きく降下した。また、同様にして結
晶化させ、その融点(TC-N)を測定したところ2℃で
あった。従って、ネマチック相温度範囲は(H−3)よ
り大幅に狭くなった。 (比較例2)式(I−3)の化合物と類似の構造を有す
るが、(I−3)における2,6-ナフチレン基が1,4-フェ
ニレン基に置き換わった構造の化合物である式(R−
3)
【0106】
【化35】
【0107】の化合物20%及びホスト液晶(H)80
%からなる比較組成物(HR−3)を調製した。この組
成物のネマチック相上限温度(TN-I)は101℃と、
本発明に関わる液晶組成物(H−3)と比較するとやは
りかなり低くなった。また、その融点(TC-N)は5℃
であり、(H−3)より高くなった。従って、ネマチッ
ク相温度範囲は(H−3)と比較して25°以上も狭く
なってしまった。
【0108】以上のように、広い温度範囲と、低い閾値
電圧と、適当な屈折率異方性を兼ね備えた液晶組成物を
得る上において本発明に関わる式(I−3)の化合物
は、従来の化合物より優れた効果を有していることがわ
かる。
【0109】
【発明の効果】本発明により提供されるフェニルナフタ
レン誘導体は、液晶性及び現在汎用の液晶化合物あるい
は組成物との相溶性に極めて優れる。従って、これを従
来の液晶組成物に添加することにより、低温域から高温
域まで広い温度範囲を有する液晶組成物を容易に得るこ
とができる。また、誘電率異方性が大きくその添加によ
り閾値電圧の低減化をはかることも可能である。また、
分子内に強い極性の基を含まないため、アクティブマト
リックス駆動用としても使用可能である。さらに、実施
例にも示したように工業的にも製造が容易であり、無色
で化学的にも安定である。
【0110】従って、これを含有する液晶組成物は実用
的液晶として、特に温度範囲が広く低電圧駆動を必要と
する液晶表示用として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB64 EA37 GP01 GP22 4H027 BA01 BC04 BD02 BD04 BD07 CT04 DK04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原
    子数2〜10のアルケニル基又はアルコキシルアルキル
    基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表し、Xは
    水素原子又はフッ素原子を表す。また、シクロヘキシレ
    ン基の1,4-位はトランス配置である。)で表されるフェ
    ニルナフタレン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)においてLが単結合を表す
    ところの請求項1記載のフェニルナフタレン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)においてLが−CH2CH2
    −を表すところの請求項1記載のフェニルナフタレン誘
    導体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)においてXがフッ素原子を
    表すところの請求項1、2又は3記載のフェニルナフタ
    レン誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(I)においてRが炭素原子数2
    〜7の直鎖状アルキル基を表すところの請求項1、2、
    3又は4記載のフェニルナフタレン誘導体。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の一般
    式(I)で表される化合物を含有する液晶組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の液晶組成物を構成要素と
    する液晶素子。
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JP2002105008A (ja) * 2000-09-28 2002-04-10 Dainippon Ink & Chem Inc 液晶性化合物の精製方法

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