JP2000025612A - 作業台車 - Google Patents

作業台車

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JP2000025612A
JP2000025612A JP10197311A JP19731198A JP2000025612A JP 2000025612 A JP2000025612 A JP 2000025612A JP 10197311 A JP10197311 A JP 10197311A JP 19731198 A JP19731198 A JP 19731198A JP 2000025612 A JP2000025612 A JP 2000025612A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常は制動状態に保持されるとともに、走行
時において自動的に制動を解除すること。 【解決手段】 レール上を走行する台車本体1の車軸3
部分に、通常状態で制動状態に保持されるとともに作動
アーム51の動作により制動を解除するようにした制動
装置36を配設し、前記台車本体1に他の台車等と連結
するための連結シャフト10を軸方向に移動自在に配設
し、この連結シャフト10の軸方向への移動により揺動
動作される揺動機構21を配設し、この揺動機構21の
揺動動作により前記制動装置36の作動アーム51を動
作させて制動を解除させるようにしたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業台車に係り、特
に、通常状態で制動状態に保持されるとともに走行時に
のみ制動を解除するようにした制動装置を設けてなる作
業台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、レール上を走行し、例えば、
工事用の機械や材料等を運搬するための作業台車が多く
用いられている。
【0003】一般に、このような作業台車は、機械等を
載置するための台車本体を有するとともに、この台車本
体の前後端部に車軸に支持され、レール上に設置される
車輪を有しており、さらに、この車輪の回転を停止させ
るための制動装置が設けられている。
【0004】この制動装置は、従来は、通常の状態で
は、制動が解除された状態に保持されており、走行中に
必要な場合に、台車本体に配設された制動レバーを作業
員が操作することにより制動を行なう構造であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の制動装置においては、必要な時にのみ制動を行なう
構造であるため、作業台車が停止中にこの作業台車に何
らかの外力が加わったり、あるいは、傾斜のある場所で
停止した場合に、作業台車が動き出してしまうことがあ
り、極めて危険であるという問題がある。
【0006】そのため、出願人は、通常状態で制動状態
に保持されるとともに走行時にのみ制動を解除するよう
にした制動装置を開発した。これにより、何も操作しな
い状態で、確実に制動されているので、作業台車が動き
出してしまうことがなく、安全性を著しく高めることが
できるものである。
【0007】しかし、近年、作業台車をエンジン等の動
力装置を搭載したカート等に連結して移動できるように
することが要望されており、このような場合に、通常状
態で制動されている制動装置を搭載した作業台車を連結
して走行させようとしても走行することができないとい
う問題がある。そのため、走行時に制動装置を自動的に
解除することができる作業台車が望まれている。
【0008】本発明は前記した点に鑑みなされたもの
で、通常は制動状態に保持されるとともに、走行時にお
いて自動的に制動を解除することのできる作業台車を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載の発明に係る作業台車は、レール上を走
行する台車本体の車軸部分に、通常状態で制動状態に保
持されるとともに作動アームの動作により制動を解除す
るようにした制動装置を配設してなる作業台車におい
て、前記台車本体に他の台車等と連結するための連結シ
ャフトを軸方向に移動自在に配設し、この連結シャフト
の軸方向への移動により揺動動作される揺動機構を配設
し、この揺動機構の揺動動作により前記制動装置の作動
アームを動作させて制動を解除させるようにしたことを
特徴とするものである。
【0010】この請求項1の発明によれば、台車本体の
連結シャフトにカートや他の台車を連結し、カート等に
より台車本体を走行させようとすると、連結シャフトが
走行方向に引張られ、連結シャフトが台車本体に対して
走行方向に移動される。これにより、揺動機構が揺動さ
れて、制動装置の作動アームが動作され、走行時におい
て自動的に制動を解除することができるようになってい
る。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
において、前記揺動機構を、前記連結シャフトの軸方向
への移動により揺動動作される押動アームと、この押動
アームの揺動動作により常に一定方向に揺動動作される
駆動アームとから構成し、この駆動アームの揺動動作を
前記制動装置の作動アームに伝達する伝達機構を配設し
たことを特徴とするものである。
【0012】この請求項2の発明によれば、連結シャフ
トの軸方向への移動により揺動動作される押動アーム
と、この押動アームの揺動動作により常に一定方向に揺
動動作される駆動アームとから揺動機構を構成し、この
駆動アームの揺動動作を伝達機構により、制動装置の作
動アームに伝達するようにしており、押動アームがいず
れの方向に揺動されたとしても、駆動アームを常に一定
方向に揺動動作させるようにしているので、台車本体の
走行方向がいずれであっても、台車本体の走行により確
実に制動を解除することができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1から図9を参照して説明する。
【0014】図1から図6は本発明に係る作業台車の実
施の一形態を示したもので、平面形状ほぼ四角形状を有
する台車本体1の下面であって前後位置両側部には、そ
れぞれ軸受2,2…が取付けられており、これら各軸受
2には、この台車本体1の幅方向に延在する一対の車軸
3の両端部が回転自在に支持されている。また、これら
各車軸3の両端部には、図示しないレール幅に対応する
ようにそれぞれフランジ付の車輪4が取付けられてお
り、この車輪4を前記レール上に設置することにより、
レール上を走行できるようになされている。
【0015】また、前記台車本体1の下面であって前後
位置の中央部には、それぞれベアリング機構5が配設さ
れており、このベアリング機構5は、図2に示すよう
に、前記台車本体1の下面の前後位置中央部に一体形成
された固定板6を有している。この固定板6には、外周
面中央部に断面形状V字状を有する切欠き7が形成され
た一対のベアリングローラ8,8が偏心ボルト9を中心
として回転自在に配設されており、これら各ベアリング
ローラ8は、前記偏心ボルト9による位置調整により、
その回転中心位置を調整することができ、これにより、
各ベアリングローラ8の間隙寸法を調整することができ
るようになっている。
【0016】そして、これら各ベアリング機構5の間に
は、台車本体1の走行方向に延在し、両端部が前記台車
本体1の前後部から突出される連結シャフト10が支持
されており、この連結シャフト10の両端部には、エン
ジン等の動力装置を搭載したカートあるいは他の台車に
連結するための連結板11が一体に形成されている。さ
らに、前記連結シャフト10の前記ベアリング機構5に
対応する位置の両側面には、前記ベアリングローラ8の
切欠き7に対応するように断面形状ほぼ逆V字状に突設
された支持部12が形成されており、この支持部12が
ベアリングローラ8の切欠き7に係合することにより、
前記連結シャフト10が軸方向に摺動自在に、かつ、落
下しないように支持されるようになっている。
【0017】また、前記台車本体1の前後位置ほぼ中央
には、ストッパ受け板13がそれぞれ一体に形成されて
おり、このストッパ受け板13には、ストッパ係止用孔
14が穿設されている。前記連結シャフト10の両端部
分であって前記ストッパ係止用孔14に対応する位置に
は、それぞれストッパ用長穴15が形成されており、こ
れら各ストッパ用長穴15には、ストッパピン16がそ
れぞれ挿入されるようなっている。さらに、前記連結シ
ャフト10の側面であって前記各支持部12の内側近傍
には、ストッパ片17が突設されている。そして、前記
各ストッパ用長穴15およびストッパ受け板13のスト
ッパ係止用孔14にストッパピン16が挿入された状態
では、前記連結シャフト10は移動することができず、
台車本体1の進行方向のストッパピン16を外すことに
より、連結シャフト10が他方のストッパピン16によ
り規制されるストッパ用長穴15の範囲で移動できるよ
うになっている。さらに、台車本体1が両方向に移動す
る場合には、両方のストッパピン16を外すことによ
り、連結シャフト10が前記ストッパ片17が前記固定
板6の端面に当接する範囲で移動できるようになってい
る。
【0018】さらに、前記連結シャフト10の軸方向ほ
ぼ中央部側面には、図3に示すように、互いに対向する
端面にほぼU字状の切欠き溝18を形成してなる一対の
長穴形成板19が連結シャフト10の軸方向に位置調整
自在に取付けられており、これら各長穴形成板19の切
欠き溝18により長円状の駆動用長穴20が形成される
ようになっている。
【0019】また、図1、図4から図6に示すように、
前記台車本体1の下面であって前後方向ほぼ中央部の一
側には、揺動機構21が配設されており、この揺動機構
21は、台車本体1の幅方向に延在する一対の枠体22
を有している。この枠体22の長さ方向ほぼ中央部およ
び前記台車本体1の一側端部には、前記各枠体22に跨
がる中央支持板23および端部支持板24がそれぞれ配
設されている。
【0020】また、前記中央支持板23には、押動アー
ム25が支点26を中心として揺動自在に取付けられて
おり、この押動アーム25の先端部は、前記連結シャフ
ト10の駆動用長穴20に嵌挿されるようになされてい
る。そして、前記連結シャフト10の軸方向への移動に
伴って駆動用長穴20が移動することにより、押動アー
ム25が揺動動作されるようになっている。また、押動
アーム25の前記支点26を挟んだ両端部分には、押動
ローラ27a,27bがそれぞれ回転自在に取付けられ
ている。
【0021】前記端部支持板24には、基端部がほぼL
字状に曲折された駆動アーム28がこの曲折部分の先端
部の支点29を中心として揺動自在に取付けられてお
り、この駆動アーム28は、前記押動アーム25に沿っ
て連結シャフト10の近傍まで延在されている。前記駆
動アーム28の中途部であって前記押動アーム25の各
押動ローラ27a,27bに対応する位置には、前記各
押動ローラ27a,27bに当接される押動板30,3
0が立設されており、さらに、前記駆動アーム28の押
動アーム25側の側縁であって前記押動板30に対応す
る位置には、前記押動アーム25の上面側に係止され駆
動アーム28の落下を防止するための係止片31が形成
されている。
【0022】そして、前記連結シャフト10の軸方向へ
の移動に伴って駆動用長穴20が移動することにより、
押動アーム25が揺動動作されるようになっている。こ
の場合に、本実施形態においては、図4に示す基準状態
から、押動アーム25の先端部が、図4において右方向
に揺動した場合には、図5に示すように、基端部の押動
ローラ27bにより駆動アーム28の押動板30が押動
され、左方向に揺動した場合には、図6に示すように、
先端部の押動ローラ27aにより駆動アーム28の押動
板30が押動されることになり、これにより、押動アー
ム25がいずれに揺動された場合でも、常に、一定方向
(本実施形態においては、左方向)に駆動アーム28を
揺動することができるようになっている。
【0023】また、前記中央支持板23には、この中央
支持板23に対して立設されるワイヤ支持板32が一体
に固着されており、前記駆動アーム28の中途部であっ
て前記ワイヤ支持板32の近傍には、ワイヤ支持孔33
が穿設されている。前記中央支持板23のワイヤ支持板
32には、伝達機構としての内部にワイヤ34が収容さ
れたワイヤケーブル35の一端部が固着されており、前
記駆動アーム28のワイヤ支持孔33には、前記ワイヤ
34の一端部が連結されている。前記ワイヤ34の他端
部は、制動装置36に連結されるようになっている。
【0024】この制動装置36は、本実施形態において
は、前記押動アーム25側に位置する車軸3の一方の車
輪4の近傍に配設されており、図7から図9に示すよう
に、この制動装置36は、前記車軸3に一体に形成され
た制動用円板37を有している。また、前記台車本体1
の枠体には、ほぼU字状の取付金具38が固着されてお
り、この取付金具38には、下方に延在する支柱39が
一体に固着されている。この支柱39の車軸3側には、
ほぼコ字状に形成された支持枠40がその開放側の内側
に前記制動用円板37が位置するように固着されてお
り、この支持枠40の内側には、ほぼコ字状を有し前記
制動用円板37の両面の一部を被覆するブレーキキャリ
パ41が支持軸42により取付けられている。
【0025】また、ブレーキキャリパ41の一側には、
円板状のカム板43が調整ボルト44によりこのブレー
キキャリパ41に対して所定間隔を有するとともにこの
調整ボルト44を中心として回転自在に取付けられてお
り、このカム板43のブレーキキャリパ41に対向する
面には、ほぼV形のカム面45が形成されている。ま
た、前記ブレーキキャリパ41には、前記カム板43と
制動用円板37とを連通する2つの貫通孔46,46が
穿設されており、これら各貫通孔46には、一端部が前
記カム板43のカム面45に当接されるカムピン47,
47がそれぞれ摺動自在に嵌挿されている。さらに、前
記カムピン47の他端部には、前記制動用円板37の一
面に摺接する摩擦パッド48が固着されており、前記ブ
レーキキャリパ41の前記制動用円板37の他面に対向
する面には、前記制動用円板37の他面に常に摺接する
摩擦パッド48が取付けられている。そして、前記カム
板43のカム面45の最も凹んだ位置に前記カムピン4
7が当接している状態で、前記カムピン47の摩擦パッ
ド48が制動用円板37から離間して制動用円板37す
なわち車軸3が回転できるようになっており、前記カム
板43が回転して前記カムピン47がカム面45にによ
り制動用円板37の方向に押動されると、カムピン47
の摩擦パッド48が制動用円板37を押圧して、各摩擦
パッド48により車軸3の制動動作を行なうようになっ
ている。
【0026】また、前記取付金具38の前記台車本体1
の内側部分には、ほぼL字状を有し、先端面が前記取付
金具38に対して所定間隔を有するワイヤ保持板49が
固着されており、前記取付金具38の前記台車本体1の
外側部分には、端面がクランク状に曲折され前記取付金
具38との間にばねを収容するためのばね保持枠50が
一体に固着されている。
【0027】前記カム板43には、先端部が前記取付金
具38とワイヤ保持板49との間に位置する作動アーム
51の基端部が前記カム板43と一体に取付られてお
り、この作動アーム51を前記カム板43の回転中心を
中心として揺動動作させることにより、前記カム板43
を回転動作させるようになされている。
【0028】前記ワイヤ保持板49には、一端部が前記
ワイヤ支持板32に固着されたワイヤケーブル35の他
端部が固着されており、ワイヤケーブル35に収容され
たワイヤ34の他端部は、前記作動アーム51の先端部
に連結されるようになされている。
【0029】また、前記ばね保持枠50の図4において
上側の端面には、第1ばね固定ボルト52がその端面を
貫通するように装着されており、この第1ばね固定ボル
ト52の先端部には、環状のばね係止部53が形成され
ている。さらに、前記第1ばね固定ボルト52の基端部
には、この第1ばね固定ボルト52の取付金具38側へ
の抜け落ちを防止するためのナット54が螺合されてい
る。前記第1ばね固定ボルト52のばね係止部53に
は、第1引張りばね55の一端部が連結されており、作
動アーム51の先端部に形成されたほぼU字状のばね係
止溝56には、第1引張りばね55の他端部が連結され
ている。
【0030】そして、この第1引張りばね55の付勢力
により、作動アーム51の先端部を取付金具38側に引
張り、通常状態において、前記カム板43を制動位置に
保持するようになっており、ワイヤ34の動作により、
前記作動アーム51が揺動された場合に、カム板43を
制動解除位置に保持するようになっている。
【0031】さらに、前記ばね保持枠50の図4におい
て下面側の支柱39の近傍には、ほぼト字状を有する揺
動アーム57がその下端部を中心として揺動自在に配設
されており、この揺動アーム57の中央突部には、連結
アーム58の一端部が揺動自在に連結されている。ま
た、前記作動アーム51の中途部には、連結用ピン59
が突設されており、前記連結アーム58の他端部には、
前記作動アーム51の連結用ピン59を受入れるととも
に、作動アーム51が揺動動作する際にこの揺動動作を
妨げないように連結用ピン59の逃げとして機能する長
孔60が形成されている。また、前記ばね保持枠50の
図4において下側の端面には、第2ばね固定ボルト61
がその端面を貫通するように装着されており、この第2
ばね固定ボルト61の先端部には、環状のばね係止部6
2が形成されている。さらに、前記第2ばね固定ボルト
61の基端部には、この第2ばね固定ボルト61の取付
金具38側への抜け落ちを防止するためのナット63が
螺合されている。前記第2ばね固定ボルト61のばね係
止部62には、第2引張りばね64の一端部が連結され
ており、揺動アーム57の中央部に形成されたばね係止
孔65には、第2引張りばね64の他端部が連結されて
いる。そして、この第2引張りばね64の付勢力によ
り、揺動アーム57をばね保持枠50の端面側に引張る
ようになっている。
【0032】また、前記揺動アーム57の先端部には、
前記揺動アーム57の揺動動作を阻止する阻止アーム6
6の一端部が揺動自在に取付けられており、この阻止ア
ーム66の先端部は、前記ばね保持枠50の上側端面部
分に位置されるようになっている。さらに、前記前記ば
ね保持枠50の上側端面には、前記阻止アーム66の先
端部に対応するように阻止解除用孔67が穿設されてお
り、ばね保持枠50の前記阻止解除用孔67部分には、
下方の基端部を中心として開閉自在に支持されるととも
に、上端部が第1ばね固定ボルト52のナット54部分
に位置するように構成された阻止板68が配設されてい
る。この阻止板68の基端部には、開閉ばね69が配設
されており、この開閉ばね69の付勢力により、前記阻
止板68を常に開放方向に付勢するようになっている。
【0033】また、前記阻止板68は、通常状態では、
その上端部が前記第1ばね固定ボルト52のナット54
とばね保持枠50の端面との間に挟持されて開閉ばね6
9の付勢力に抗して閉状態に保持されるようになされて
いる。これにより、前記阻止アーム66の先端部が阻止
板68に当接した状態に保持され、この状態では、揺動
アーム57は、第2引張りばね64の付勢力に抗して最
も支柱39側に揺動した状態に保持されている。そし
て、前記第1引張りばね55が破損した時には、ナット
54とばね保持枠50との挟持力がなくなることから、
阻止板68は、開閉ばね69の付勢力により開放される
ようになっており、この阻止板68の開放により、第2
引張りばね64の付勢力により、揺動アーム57が揺動
して阻止アーム66が阻止解除用孔67から突出され、
第2引張りばね64の付勢力により作動アーム51を付
勢するようになっている。
【0034】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0035】まず、通常の状態では、図1に示すよう
に、連結シャフト10が移動されていないので、押動ア
ーム25が揺動されておらず、駆動アーム28も揺動し
ていない状態となっている。これにより、ワイヤ34も
動作されていないので、制動装置36の作動アーム51
も、第1引張りばね55の付勢力により、取付金具38
側に付勢されて、カム板43が制動位置に保持されてい
る。
【0036】続いて、前記台車本体1の連結板11にカ
ートや他の台車を連結し、台車本体1の走行方向側のス
トッパピン16を外しておく。そして、前記カート等に
より台車本体1を走行させようとすると、連結板11を
介して連結シャフト10が走行方向に引張られ、連結シ
ャフト10が台車本体1に対して走行方向に移動され
る。これに伴って、駆動用長穴20が移動して押動アー
ム25が揺動動作される。例えば、台車本体1の走行方
向が図1において右方向であるとすると、押動アーム2
5は、右方向に揺動され、これにより、押動アーム25
の基端部の押動ローラ27bが駆動アーム28の押動板
30を左方向に押動し、駆動アーム28が左方向に揺動
される。
【0037】この場合に、本実施形態においては、押動
アーム25の押動ローラ27bにより駆動アーム28を
押動するようにしているので、駆動アーム28の押動板
30に加わる負荷を軽減させることができ、少ない力で
円滑に駆動アーム28を揺動させることができる。ま
た、前記駆動アーム28の基端部をほぼL字状に曲折し
この曲折部分の先端部の支点29を中心として揺動させ
るようにしているので、駆動アーム28を直線状に形成
して揺動させる場合に比較して、支点29とワイヤ支持
孔33との距離を長くすることができ、その結果、ワイ
ヤ支持孔33の移動軌跡をより直線的にすることがで
き、ワイヤ34の引張り動作を直線的に行なうことがで
きる。さらに、押動アーム25の先端部を長穴形成板1
9の切欠き溝18により形成される駆動用長穴20に嵌
挿するようにしているので、この切欠き溝18の摩耗等
により押動アーム25との遊びが生じた場合でも、長穴
形成板19の位置を調整することにより、押動アーム2
5との遊びを除去して、常に、適正な状態で押動アーム
25を揺動動作させることができる。
【0038】そして、前記駆動アーム28の揺動動作に
より、ワイヤ34が引張り動作され、作動アーム51が
第1引張りばね55の付勢力に抗して揺動される。これ
により、カム板43が、カム面45の最も凹んだ位置に
カムピン47が当接するように回転され、カムピン47
の摩擦パッド48が制動用円板37から離間して制動用
円板37が回転できるようになり、制動が解除される。
この状態で、車軸3が回転可能となり、台車本体1は、
レール上を走行できるようになる。
【0039】また、台車本体1が停止すると、前記連結
シャフト10に対する引張り力がなくなるので、連結シ
ャフト10がもとの位置に戻され、この戻り動作によ
り、押動アーム25ももとの位置に戻される。そして、
押動アーム25の戻り動作により、駆動アーム28に対
する押動が解除されるので、駆動アーム28、ワイヤ3
4および作動アーム51がそれぞれ第1引張りばね55
の付勢力により戻り動作される。この作動アーム51の
戻り揺動動作により、カム板43が回転駆動され、カム
ピン47がカム面45により押動されて、カムピン47
の摩擦パッド48が制動用円板37を押圧して、各摩擦
パッド48により車軸3の制動動作が行なわれる。
【0040】このように、本実施形態においては、台車
本体1を走行させることにより、自動的に制動を解除す
ることができるとともに、台車本体1を停止させること
により、自動的に制動を行なうことができるものであ
る。
【0041】また、台車本体1が逆方向(図において左
方向)に走行する場合には、この走行方向側のストッパ
ピン16を外した状態で、台車本体1を走行させると、
連結シャフト10が台車本体1に対して走行方向に移動
され、これに伴って、駆動用長穴20が移動して押動ア
ーム25が左方向に揺動動作される。これにより、押動
アーム25の先端部の押動ローラ27aが駆動アーム2
8の押動板30を左方向に押動し、駆動アーム28が同
様に左方向に揺動されることになる。そして、前記一連
の動作と同様に、制動を解除することができるものであ
る。
【0042】したがって、本実施形態においては、連結
シャフト10の走行方向への移動により押動アーム25
を介して駆動アーム28を揺動動作させることにより、
ワイヤ34を介して制動装置36の作動アーム51を動
作させて制動を解除するようにしているので、いずれの
方向に走行する場合であっても、走行時において自動的
に制動を解除することができる。そのため、通常状態で
制動されている制動装置36を搭載した作業台車を連結
して走行させる場合に、確実に走行させることができる
とともに、停止時には、確実に制動させることができ、
使い勝手がよく、作業台車を用いた作業効率を著しく高
めることができる。
【0043】なお、本発明は前記実施形態のものに限定
されるものではなく、必要に応じて種々変更することが
可能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように請求項1の発明に係る
作業台車は、台車本体を走行させることにより、連結シ
ャフトを移動させて揺動機構により制動装置の制動を解
除するようにしたので、走行時において自動的に制動を
解除することができ、使い勝手がよく、作業台車を用い
た作業効率を著しく高めることができる。
【0045】また、請求項2に記載の発明は、押動アー
ムにより常に一定方向に揺動動作される駆動アームによ
り制動の解除を行なうようにしているので、台車本体の
走行方向がいずれであっても、台車本体の走行により確
実に制動を解除することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る作業台車の実施の一形態を示す
底面図
【図2】 図1のベアリング機構部分の側面図
【図3】 図1の連結シャフト部分の側面図
【図4】 図1の作業台車の揺動機構部分を示す拡大底
面図
【図5】 図4の揺動機構の押動アームが右方向に揺動
した状態を示す拡大底面図
【図6】 図4の揺動機構の押動アームが左方向に揺動
した状態を示す拡大底面図
【図7】 本発明の作業台車に搭載される制動装置の実
施の一形態を示す縦断面図
【図8】 図7の制動装置の底面図
【図9】 図8の制動装置の一部の拡大図
【符号の説明】
1 台車本体 3 車軸 5 ベアリング機構 8 ベアリングローラ 10 連結シャフト 21 揺動機構 25 押動アーム 27 押動ローラ 28 駆動アーム 34 ワイヤ 36 制動装置 37 制動用円板 41 ブレーキキャリパ 43 カム板 48 摩擦パッド 51 作動アーム 55 第1引張りばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール上を走行する台車本体の車軸部分
    に、通常状態で制動状態に保持されるとともに作動アー
    ムの動作により制動を解除するようにした制動装置を配
    設してなる作業台車において、前記台車本体に他の台車
    等と連結するための連結シャフトを軸方向に移動自在に
    配設し、この連結シャフトの軸方向への移動により揺動
    動作される揺動機構を配設し、この揺動機構の揺動動作
    により前記制動装置の作動アームを動作させて制動を解
    除させるようにしたことを特徴とする作業台車。
  2. 【請求項2】 前記揺動機構を、前記連結シャフトの軸
    方向への移動により揺動動作される押動アームと、この
    押動アームの揺動動作により常に一定方向に揺動動作さ
    れる駆動アームとから構成し、この駆動アームの揺動動
    作を前記制動装置の作動アームに伝達する伝達機構を配
    設したことを特徴とする請求項1に記載の作業台車。
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