JP2000023401A - 回転機 - Google Patents

回転機

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JP2000023401A
JP2000023401A JP10204431A JP20443198A JP2000023401A JP 2000023401 A JP2000023401 A JP 2000023401A JP 10204431 A JP10204431 A JP 10204431A JP 20443198 A JP20443198 A JP 20443198A JP 2000023401 A JP2000023401 A JP 2000023401A
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rotating machine
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thin plate
gear
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多大な機械的な加工工程が必要な回転機を、
簡単な工程で容易に短時間で製造できる構成からなる回
転機及びその製造方法の提供。 【解決手段】 回転機の製造に際し、多数の打ち抜き材
を各パーツごとに所定形状に成形しておき、これらを積
層にて、例えば軸中心部を貫通するピンによるかしめを
行い一体化することにより、複雑な切削、機械加工を全
て省略したもので、製造工程の簡略化と高効率化が可能
となり、極めて量産性にすぐれた回転機を提供できるも
ので、シャフト部に設けられるギアやキー溝も極めて容
易に高精度に一体化して安価に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発電機又は電動
機用のインナーローターなどの種々構成からなる回転機
に係り、回転機全体を所要形状に打ち抜いた薄板材にて
積層一体化して組み立てることにより、磁石配置用の円
筒部とギアを配置したシャフトを、多大の工程が必要な
切削加工することなく、簡単に製造できる回転機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電機1に使用される回転機2は、図1
に示すごとく、インナーローター3の円筒部4の外周に
複数個の永久磁石5を設け、この円筒部4の両端には回
転シャフト6,7が設けられており、軸受8で軸支され
る構成からなるもので、用途により、一方のシャフト6
の先端部自体が所要歯数のギアやハスバ歯車などの歯車
を構成したり、他方のシャフト7には他のギアや回転体
との接続用のキー溝9が設けられることが一般的であ
る。ここでは発電機としたが、電動機であっても同様で
ある。
【0003】円筒部4とシャフト6,7からなるインナ
ーローター3の製造には、円筒部4とシャフト6,7が
一体の場合、通常、丸棒材からの切削加工法が用いら
れ、これらを別部材で構成する場合も、丸棒材からの切
削加工法が用いられる。
【0004】当該シャフト材質は、負荷強度に応じて適
宜選定されるが、加工後の焼き入れを含む炭素鋼、ステ
ンレス鋼が一般的である。また、このシャフトは上述の
ごとく用途により、ローターの両端側あるいは片端側に
キー溝、ギアなどが設けられているが、シャフト型のギ
アやハスバ歯車はもちろんのこと、キー溝も切削により
加工することが一般的である。
【0005】インナーローター3の円筒部4の外周に設
けられる複数の磁石5は、接着剤などの手段により固着
されるが、外周方向に等間隔に固定される必要があり、
従来法では、円筒部4の外周表面に位置決めできるよう
に、例えば凹凸部を設けるために、構造に応じた種々の
機械的な加工が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように回転機は、
その材質、構成、構造に応じて、丸棒材からの切削や所
要形状の歯車、溝への精密加工などの種々の機械的な加
工が必要となり、複雑かつ多大の機械的な加工工程を経
るため、製造時間並びにコストがかかる問題があった。
【0007】この発明は、多大な機械的な加工工程が必
要な発電機又は電動機用の回転機を、簡単な工程で容易
に短時間で製造できる構成からなる回転機の提供を目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、簡単な工程で
製造できる回転機用シャフトの構成について種々検討し
た結果、多数の打ち抜き材を各パーツごとに所定形状に
成形しておき、これらを積層にて、例えば軸中心部を貫
通するピンによるかしめを行い一体化することにより、
複雑な切削、機械加工を全て省略できること、打ち抜き
材も予め接着層を設けた材料より打ち抜くと積層工程も
容易となること、歯車、キー溝部の形成のための位置決
め突起を設けたり、打ち抜き材に凹凸部を設けておき、
位置合わせをしてかしめると、短時間で量産が可能であ
ることを知見し、この発明を完成した。
【0009】すなわち、この発明による回転機は、外周
面に複数の磁石を配設可能にした円筒部と、円筒部端面
の少なくとも一方にシャフトを突設し、少なくとも一方
のシャフトに歯車及び/又はキー溝が設けられた回転機
において、歯車及び/又はキー溝を含むシャフト並びに
円筒部の各構成部が、回転軸に垂直な面で断面された平
面形状を有する薄板材を積層一体化した構成からなり、
各部を構成する薄板材が接着層及び/又は機械的接合
(ピンかしめ、凹凸(ダボ)かしめ、溶接など)により
積層一体化されたことを特徴とする。
【0010】さらに、発明者は、この薄板材が接着層及
び/又は機械的接合により積層一体化される構成の回転
機において、円筒部のみを回転軸に垂直な面で断面され
た平面形状を有する薄板材を積層一体化した構成で作成
し、残るシャフト部分を1本の心棒材で構成する、すな
わち、心棒材の両側に歯車及び/又はキー溝を含む両シ
ャフトを形成して、これを前記円筒部の中心部に貫通固
着して回転機を製造することも可能であり、この場合、
円筒部で要求される大径の丸棒材より切削加工すること
なく、シャフト部で必要とする外径の小さな、細い丸棒
材より切削加工することが可能で、切削加工量が少な
く、効率よく製造できることを知見した。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明は、少なくとも外周面に
複数の磁石を配設可能にした円筒部と、歯車及び/又は
キー溝が設けられたシャフトからなる回転機を製造する
に際し、この回転機の各構成部の全てあるいは前記円筒
部のみを、回転軸に垂直な面で断面された平面形状を有
する所要厚みの多数の薄板材を積層して一体化し、所定
の形態を形成できるように、プレス加工にて例えばステ
ンレス鋼板より打ち抜き材を多数枚用意しておくもの
で、切削加工で形成していたギア形状などを高精度が期
待できるプレス加工で実現できることを特徴とする。
【0012】この発明において、回転機の各構成部はそ
れぞれ外径が異なるが、例えばギア部と軸受部からなる
シャフト、円筒部、キー溝を形成したシャフトと、それ
ぞれの断面形状の金型でプレス加工すればよいため、各
構成部をそれぞれ異なる材質の金属板より作成すること
が可能となる。
【0013】また、例えば、複雑なキー溝を形成したシ
ャフトも3次元形状を2次元形状に分解して実現できる
ことから、同様に円筒部を構成する一部の薄板材の所要
部の外径が他より大径となして、大径部で配設する磁石
端の支持端を構成することが可能である。
【0014】この発明において、薄板材の積層一体化方
法には接着による方法、例えば、平面部に予め接着剤層
を設けた薄板材を用いて積層と同時に一体化を完了する
方法が採用できる。接着剤のみの場合の他、後述する機
械的接合方法を併用することも可能である。
【0015】この発明の機械的接合方法としては、ピン
かしめ法、凹凸(ダボ)かしめ法、レーザー溶接やスポ
ット溶接などの溶接法が採用できる。まず、ピンかしめ
法は、回転機全体の回転軸方向にあるいは各構成部の回
転軸方向又はそれに平行な方向に積層薄板材を貫通する
結合用棒であるピンが配置されて、露出するピン端で貫
通する積層薄板材全体をかしめて固定する。
【0016】凹凸(ダボ)かしめ法は、各構成部を形成
する薄板材のプレス加工時に、その平面部及び/又は外
周部に隣接の薄板材との凹凸嵌合可能な突起部を設け
て、積層時に薄板材を順次重ねていくことにより一体接
合化が可能となる。
【0017】溶接法は、積層体の全部又は一部をレーザ
ー溶接やスポット溶接で一体化するもので、例えば、一
般的な所要側面を溶接する方法と、1枚1枚溶接されな
がら積層されていく方法が採用でき、回転機の構成に応
じて適宜選定するとよい。
【0018】上述のごとくこの発明において、ギア、ハ
スバ歯車などの歯車やキー溝を含むシャフト部分を容易
に作成できるが、必要に応じてギアなどを別部材で作成
後に嵌合組み立てすることも可能である。
【0019】さらに、円筒部のみを薄板材を積層する構
成となし、歯車やキー溝を含むシャフト部分を従来と同
様に丸棒材から切削加工、あるいは鍛造して製造し、円
筒部を構成する薄板材の軸心部孔の成形に際しては、回
転防止のために心棒材と嵌合するように、例えば断面D
型に加工したり、溝嵌合のための突起を設けるなど種々
の形状を形成しておくことにより、別途積層作成した円
筒部にこの心棒材を貫通配置するだけで容易に回転機を
作成できる。
【0020】
【実施例】実施例1 図2に示す回転機10は6枚の永久磁石11を外周部に
配置できる円筒部12と、組立時の軸受に嵌合する軸支
部13及びギア部14からなるシャフト15と、他方の
軸支部とキー溝を有するシャフト16から構成される。
【0021】円筒部12は、外周部に放射状に6ヶ所の
矩形突起を設けた所要外径の円板状の薄板材をプレス打
ち抜きで作成し、板材に予め設けられた接着層を積層時
に介在させて一体化したもので、外周部の突起17は積
層時に軸方向に連続する条となり、永久磁石11の周方
向の支持端を構成している。
【0022】軸支部13は所要外径の円板状の薄板材を
プレス打ち抜きで作成し、ギア部14は放射状に歯部を
突設した所要外径の円板状の薄板材をプレス打ち抜きで
作成し、それぞれ平面部をレーザー溶接しながら積層し
たもので、他方のシャフト16も同様に作成した。
【0023】実施例2 図3に示す回転機20は、実施例1の回転機10と同等
の構成を有するもので、積層一体化方法のみが異なる。
円筒部22は、外周部に放射状に6ヶ所の矩形突起を設
けた所要外径の円板状の薄板材をプレス打ち抜きで作成
してあるが、回転軸中心部と外周部に周方向に等間隔に
4ヶ所の孔が打ち抜いてある。
【0024】シャフト25,27は、軸支部23は所要
外径の円板状の薄板材をプレス打ち抜きで作成し、ギア
部24は放射状に歯部を突設した所要外径の円板状の薄
板材をプレス打ち抜きで作成し、キー溝部26は、溝に
相当する外周所要箇所を切り欠くように薄板材をプレス
打ち抜きで作成し、いずれも回転軸中心部に孔が打ち抜
いてある。
【0025】以上の多数の薄板材を順次積層する際に、
いずれの薄板材にも設けらている中心孔にピン29aを
通して全てを積層したのち、ピン29a端にナットを螺
合させて積層体全体を締め上げており、又同時に、円筒
部22の外周側に配置した貫通孔にもピン29bを通し
て同様に円筒部22全体を締め上げることにより、積層
一体化してある。さらに、円筒部22にはその両端の薄
板材がのみがエンドプレート28として他より外径が大
きくなっており、永久磁石21の軸方向の支持端を構成
している。
【0026】実施例3 図4Aに示す回転機30は、実施例1の回転機10と同
等の機能を有するもので、積層一体化構造を有する構成
部が円筒部32のみであり、永久磁石31を配設する円
筒部32は実施例1のものと同様構成であるが、軸中心
部に心棒材33が貫通配置されるため、貫通孔が設けて
ある。
【0027】心棒材33は、ここでは丸棒材から切削加
工して作成され、ギア部33aと軸支部33bを有する
シャフトと、円筒部32と嵌合する軸心部33c、さら
に他シャフト33dが形成されている。円筒部32と嵌
合する軸心部33cは回り止めのために断面D型形状に
加工されている。
【0028】また、図4Bに示す例は、心棒材34の円
筒部32と嵌合する軸心部の形状が上記例と異なるもの
で、溝嵌合が可能なように心棒材34の軸心部には溝加
工が、円筒部32の各薄板材には円形の打ち抜き部に突
起を形成してあり、円筒部32が周方向に確実に固定さ
れる構成からなる。
【0029】
【発明の効果】この発明は、丸棒材からの切削や所要形
状のギア、溝への精密加工などの複雑かつ多大の機械的
な加工が必要であった回転機の製造に際し、多数の打ち
抜き材を各パーツごとに所定形状に成形しておき、これ
らを積層にて、例えば軸中心部を貫通するピンによるか
しめを行い一体化することにより、上記の複雑な切削、
機械加工を全て省略したもので、製造工程の簡略化と高
効率化が可能となり、極めて量産性にすぐれた回転機を
提供できるもので、シャフト部に設けられるギアやキー
溝も極めて容易に高精度に一体化して安価に提供でき
る。
【0030】また、この発明による回転機は、外周面に
複数の磁石を配設可能にした円筒部のみを薄板材が接着
層及び/又は機械的接合により積層一体化する構成と
し、歯車及び/又はキー溝が設けられたシャフト部を1
本の心棒材で構成することにより、外径の小さな、細い
丸棒材より切削加工することが可能で、切削加工量が少
なく、効率よく製造できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電機の一構成例を示す縦断説明図である。
【図2】この発明による回転機の一構成例を示す斜視説
明図である。
【図3】この発明による回転機の他の構成例を示す縦断
説明図である。
【図4】Aはこの発明による回転機の他の構成例を示す
斜視説明図であり、Bは円筒部の中心孔の他の嵌合形状
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 発電機 2,10,20,30 回転機 3 インナーローター 4,12,22,32 円筒部 5,11,21,31 永久磁石 6,7,15,16,25,27,33d シャフト 8 軸受 9 キー溝 13,23,33b 軸支部 14,24,33a ギア部 17 突起 26 キー溝部 28 エンドプレート 29a,29b ピン 33,34 心棒材 33c 軸心部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月21日(1998.9.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】円筒部4とシャフト6,7からなるインナーロ
ーター3の製造には、円筒部4とシャフト6,7が一体の場
合、通常、一つの丸棒材からの切削加工法が用いられ、
これらを別部材で構成する場合同一材質又は異材質
の複数の丸棒材からの切削加工法が用いられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】当該シャフト材質は、負荷強度に応じて
種材質から適宜選定されるが、例えば、加工後の焼き入
れを含む炭素鋼、ステンレス鋼が一般的である。また、
このシャフトは上述のごとく用途により、ローターの両
端側あるいは片端側にキー溝、ギアなどが設けられてい
るが、シャフト型のギアやハスバ歯車はもちろんのこ
と、キー溝も切削により加工することが一般的である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】この発明において、回転機の各構成部はそ
れぞれ外径が異なるが、例えばギア部と軸受部からなる
シャフト、円筒部、キー溝を形成したシャフトと、それ
ぞれの断面形状の金型でプレス加工すればよいため、各
構成部をそれぞれ要求される異なる材質の金属板より作
成することが可能となる。
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月17日(1999.5.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転機
【特許請求の範囲】
【請求項3】 請求項1〜請求項2のいずれかにおいて、
円筒部を構成する一部の薄板材の所要部の外径が他より
大径となり、同部で配設する磁石端の支持端を構成する
回転機。
【請求項4】 請求項1〜請求項2のいずれかにおいて、
各構成部を形成する薄板材の平面部及び/又は外周部に
隣接の薄板材との凹凸嵌合可能な突起部を設けた回転
機。
【請求項5】 請求項1〜請求項2のいずれかにおいて、
薄板材の平面部に予め接着剤層が設けられている回転
機。
【請求項6】 請求項1〜請求項2のいずれかにおいて、
積層体の全部又は一部を溶接で一体化した回転機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発電機又は電動
機用のインナーローターなどの種々構成からなる回転機
に係り、回転機全体を所要形状に打ち抜いた薄板材にて
積層一体化して組み立てることにより、磁石配置用の円
筒部とギアを配置したシャフトを、多大の工程が必要な
切削加工することなく、簡単に製造できる回転機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】発電機1に使用される回転機2は、図1に
示すごとく、インナーローター3の円筒部4の外周に複数
個の永久磁石5を設け、この円筒部4の両端には回転シャ
フト6,7が設けられており、軸受8で軸支される構成から
なるもので、用途により、一方のシャフト6の先端部自
体が所要歯数のギアやハスバ歯車などの歯車を構成した
り、他方のシャフト7には他のギアや回転体との接続用
のキー溝9が設けられることが一般的である。ここでは
発電機としたが、電動機であっても同様である。
【0003】円筒部4とシャフト6,7からなるインナーロータ
ー3の製造には、円筒部4とシャフト6,7が一体の場合、
通常、一つの丸棒材からの切削加工法が用いられ、これ
らを別部材で構成する場合は、同一材質又は異材質の複
数の丸棒材からの切削加工法が用いられる。
【0004】当該シャフト材質は、負荷強度に応じて各種材
質適宜から選定されるが、例えば、加工後の焼き入れを
含む炭素鋼、ステンレス鋼が一般的である。また、この
シャフトは上述のごとく用途により、ローターの両端側
あるいは片端側にキー溝、ギアなどが設けられている
が、シャフト型のギアやハスバ歯車はもちろんのこと、
キー溝も切削により加工することが一般的である。
【0005】インナーローター3の円筒部4の外周に設けられ
る複数の磁石5は、接着剤などの手段により固着される
が、外周方向に等間隔に固定される必要があり、従来法
では、円筒部4の外周表面に位置決めできるように、例
えば凹凸部を設けるために、構造に応じた種々の機械的
な加工が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように回転機は、
その材質、構成、構造に応じて、丸棒材からの切削や所
要形状の歯車、溝への精密加工などの種々の機械的な加
工が必要となり、複雑かつ多大の機械的な加工工程を経
るため、製造時間並びにコストがかかる問題があった。
【0007】この発明は、多大な機械的な加工工程が必要な
発電機又は電動機用の回転機を、簡単な工程で容易に短
時間で製造できる構成からなる回転機の提供を目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、簡単な工程で
製造できる回転機用シャフトの構成について種々検討し
た結果、多数の打ち抜き材を各パーツごとに所定形状に
成形しておき、これらを積層にて、例えば軸中心部を貫
通するピンによるかしめを行い一体化することにより、
複雑な切削、機械加工を全て省略できること、打ち抜き
材も予め接着層を設けた材料より打ち抜くと積層工程も
容易となること、歯車、キー溝部の形成のための位置決
め突起を設けたり、打ち抜き材に凹凸部を設けておき、
位置合わせをしてかしめると、短時間で量産が可能であ
ることを知見し、この発明を完成した。
【0009】すなわち、この発明による回転機は、外周面に
複数の磁石を配設可能にした円筒部と、円筒部端面の少
なくとも一方にシャフトを突設し、少なくとも一方のシ
ャフトに歯車及び/又はキー溝が設けられた回転機にお
いて、歯車及び/又はキー溝を含むシャフト並びに円筒
部の各構成部が、回転軸に垂直な面で断面された平面形
状を有する薄板材を積層一体化した構成からなり、各部
を構成する薄板材が接着層及び/又は機械的接合(ピンか
しめ、凹凸(ダボ)かしめ、溶接など)により積層一体化
されたことを特徴とする。
0010
【発明の実施の形態】この発明は、少なくとも外周面に
複数の磁石を配設可能にした円筒部と、歯車及び/又は
キー溝が設けられたシャフトからなる回転機を製造する
に際し、この回転機の各構成部の全てを、回転軸に垂直
な面で断面された平面形状を有する所要厚みの多数の薄
板材を積層して一体化し、所定の形態を形成できるよう
に、プレス加工にて例えばステンレス鋼板より打ち抜き
材を多数枚用意しておくもので、切削加工で形成してい
たギア形状などを高精度が期待できるプレス加工で実現
できることを特徴とする。
0011】この発明において、回転機の各構成部はそれぞ
れ外径が異なるが、例えばギア部と軸受部からなるシャ
フト、円筒部、キー溝を形成したシャフトと、それぞれ
の断面形状の金型でプレス加工すればよいため、各構成
部をそれぞれ要求される異なる材質の金属板より作成す
ることが可能となる。
0012】また、例えば、複雑なキー溝を形成したシャフ
トも3次元形状を2次元形状に分解して実現できることか
ら、同様に円筒部を構成する一部の薄板材の所要部の外
径が他より大径となして、大径部で配設する磁石端の支
持端を構成することが可能である。
0013】この発明において、薄板材の積層一体化方法に
は接着による方法、例えば、平面部に予め接着剤層を設
けた薄板材を用いて積層と同時に一体化を完了する方法
が採用できる。接着剤のみの場合の他、後述する機械的
接合方法を併用することも可能である。
0014】この発明の機械的接合方法としては、ピンかし
め法、凹凸(ダボ)かしめ法、レーザー溶接やスポット溶
接などの溶接法が採用できる。まず、ピンかしめ法は、
回転機全体の回転軸方向にあるいは各構成部の回転軸方
向又はそれに平行な方向に積層薄板材を貫通する結合用
棒であるピンが配置されて、露出するピン端で貫通する
積層薄板材全体をかしめて固定する。
0015】凹凸(ダボ)かしめ法は、各構成部を形成する薄
板材のプレス加工時に、その平面部及び/又は外周部に
隣接の薄板材との凹凸嵌合可能な突起部を設けて、積層
時に薄板材を順次重ねていくことにより一体接合化が可
能となる。
0016】溶接法は、積層体の全部又は一部をレーザー溶
接やスポット溶接で一体化するもので、例えば、一般的
な所要側面を溶接する方法と、1枚1枚溶接されながら積
層されていく方法が採用でき、回転機の構成に応じて適
宜選定するとよい。
0017】上述のごとくこの発明において、ギア、ハスバ
歯車などの歯車やキー溝を含むシャフト部分を容易に作
成できるが、必要に応じてギアなどを別部材で作成後に
嵌合組み立てすることも可能である。
0018
【実施例】実施例1 図2に示す回転機10は6枚の永久磁石11を外周部に配置で
きる円筒部12と、組立時の軸受に嵌合する軸支部13及び
ギア部14からなるシャフト15と、他方の軸支部とキー溝
を有するシャフト16から構成される。
0019】円筒部12は、外周部に放射状に6ヶ所の矩形突
起を設けた所要外径の円板状の薄板材をプレス打ち抜き
で作成し、板材に予め設けられた接着層を積層時に介在
させて一体化したもので、外周部の突起17は積層時に軸
方向に連続する条となり、永久磁石11の周方向の支持端
を構成している。
0020】軸支部13は所要外径の円板状の薄板材をプレス
打ち抜きで作成し、ギア部14は放射状に歯部を突設した
所要外径の円板状の薄板材をプレス打ち抜きで作成し、
それぞれ平面部をレーザー溶接しながら積層したもの
で、他方のシャフト16も同様に作成した。
0021】実施例2 図3に示す回転機20は、実施例1の回転機10と同等の構成
を有するもので、積層一体化方法のみが異なる。円筒部
22は、外周部に放射状に6ヶ所の矩形突起を設けた所要
外径の円板状の薄板材をプレス打ち抜きで作成してある
が、回転軸中心部と外周部に周方向に等間隔に4ヶ所の
孔が打ち抜いてある。
0022】シャフト25,27は、軸支部23は所要外径の円板
状の薄板材をプレス打ち抜きで作成し、ギア部24は放射
状に歯部を突設した所要外径の円板状の薄板材をプレス
打ち抜きで作成し、キー溝部26は、溝に相当する外周所
要箇所を切り欠くように薄板材をプレス打ち抜きで作成
し、いずれも回転軸中心部に孔が打ち抜いてある。
0023】以上の多数の薄板材を順次積層する際に、いず
れの薄板材にも設けらている中心孔にピン29aを通して
全てを積層したのち、ピン29a端にナットを螺合させて
積層体全体を締め上げており、又同時に、円筒部22の外
周側に配置した貫通孔にもピン29bを通して同様に円筒
部22全体を締め上げることにより、積層一体化してあ
る。さらに、円筒部22にはその両端の薄板材がのみがエ
ンドプレート28として他より外径が大きくなっており、
永久磁石21の軸方向の支持端を構成している。
0024
【発明の効果】この発明は、丸棒材からの切削や所要形
状のギア、溝への精密加工などの複雑かつ多大の機械的
な加工が必要であった回転機の製造に際し、多数の打ち
抜き材を各パーツごとに所定形状に成形しておき、これ
らを積層にて、例えば軸中心部を貫通するピンによるか
しめを行い一体化することにより、上記の複雑な切削、
機械加工を全て省略したもので、製造工程の簡略化と高
効率化が可能となり、極めて量産性にすぐれた回転機を
提供できるもので、シャフト部に設けられるギアやキー
溝も極めて容易に高精度に一体化して安価に提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電機の一構成例を示す縦断説明図である。
【図2】この発明による回転機の一構成例を示す斜視説
明図である。
【図3】この発明による回転機の他の構成例を示す縦断
説明図である。
【符号の説明】 1 発電機 2,10,20 回転機 3 インナーローター 4,12,22 円筒部 5,11,21 永久磁石 6,7,15,16,25,27 シャフト 8 軸受 9 キー溝 13,23 軸支部 14,24 ギア部 17 突起 26 キー溝部 28 エンドプレート 29a,29b ピン
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】削除

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に複数の磁石を周方向に配設可能
    にした円筒部と、円筒部端面の少なくとも一方にシャフ
    トを突設し、少なくとも一方のシャフトに歯車及び/又
    はキー溝が設けられた回転機において、歯車及び/又は
    キー溝を含むシャフト並びに円筒部の各構成部が、回転
    軸に垂直な面で断面された平面形状を有する薄板材を積
    層一体化した構成からなり、各部を構成する薄板材が接
    着層及び/又は機械的接合により積層一体化された回転
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、回転機全体及び/又
    は各構成部に、回転軸方向又はそれに平行な方向に積層
    薄板材を貫通する結合用棒が配置されて機械的接合が行
    われる回転機。
  3. 【請求項3】 外周面に複数の磁石を周方向に配設可能
    にした円筒部と、円筒部端面の少なくとも一方にシャフ
    トを突設し、少なくとも一方のシャフトに歯車及び/又
    はキー溝が設けられた回転機において、1本の心棒材の
    両側にシャフト部が形成され、リング状薄板材を接着層
    及び/又は機械的接合により積層一体化されて形成した
    円筒部の中心孔に、前記心棒材の両シャフト部間が貫通
    固着された回転機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、円筒部を構成する一部の薄板材の所要部の外径が他
    より大径となり、同部で配設する磁石端の支持端を構成
    する回転機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、各構成部を形成する薄板材の平面部及び/又は外周
    部に隣接の薄板材との凹凸嵌合可能な突起部を設けた回
    転機。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、薄板材の平面部に予め接着剤層が設けられている回
    転機。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項3のいずれかにおい
    て、積層体の全部又は一部を溶接で一体化した回転機。
  8. 【請求項8】 請求項3において、円筒部の中心孔と心
    棒材外周面との嵌合形態は、孔形状がD字型であるか、
    キー溝嵌合である回転機。
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