JPH0874948A - 遊星歯車装置 - Google Patents

遊星歯車装置

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JPH0874948A
JPH0874948A JP24226594A JP24226594A JPH0874948A JP H0874948 A JPH0874948 A JP H0874948A JP 24226594 A JP24226594 A JP 24226594A JP 24226594 A JP24226594 A JP 24226594A JP H0874948 A JPH0874948 A JP H0874948A
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JP
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punched
gear
press
planetary gear
internal
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JP24226594A
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Hiroki Ishida
裕樹 石田
Junichi Tani
潤一 谷
Hiroshi Horie
博史 堀江
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Tsubakimoto Chain Co
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • F16H1/46Systems consisting of a plurality of gear trains each with orbital gears, i.e. systems having three or more central gears

Abstract

(57)【要約】 【目的】ファインブランキング加工によってプレス抜き
されたプレス抜き板の打抜き積層体を内歯車として用い
ることにより、生産性を高めかつコストを低減しうる遊
星歯車装置に関する。 【構成】太陽歯車と、この太陽歯車を囲む内歯車と、キ
ャリヤに前記太陽歯車、内歯車に噛合う遊星歯車を回転
自在かつ一体に支持させた遊星キャリア体とからなる遊
星変速段を、ハウジング部材に組込む遊星歯車装置であ
って、前記内歯車が、内歯部をファインブランキング加
工によりプレス抜きされたリング状のプレス抜き板を、
内歯部の位相を揃えて重ねた打抜き積層体からなること
を特徴とする遊星歯車装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファインブランキング
加工によってプレス抜きされたプレス抜き板の打抜き積
層体を内歯車として用いることにより、生産性を高めか
つコストを低減しうる遊星歯車装置に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽歯車、内歯車、およびキャリヤに回
転支持される遊星歯車を用いる内歯車形式の遊星歯車装
置は周知であり、減速、増速のための変速機構として多
用されている。
【0003】しかし遊星歯車装置に用いる前記内歯車
は、太陽歯車の周囲を転動する遊星歯車のピッチ円の外
縁軌跡と等しいピッチ円径を具えているために、他の歯
車に比して大型となり、しかも内歯車であるために、機
械による歯切り加工も、シェービング盤、ブローチ盤な
どに制約されて高価となり、遊星歯車装置全体のコスト
を上昇させる一つの原因となっている。特に高い増減速
比をうるために、複数の遊星変速段を用いるときには、
その段数ごとに内歯車が必要となり、装置コストが増大
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】他方、遊星歯車装置に
も、大馬力伝達用のものから、0.2Kw以下程度の小
型のものまであり、特に小型のものにおいては低価格化
が必須の条件となる。
【0005】このため、小型の遊星歯車装置の内歯車と
して、従来、金属粉を用いた焼結歯車、合成樹脂を用い
た樹脂成形歯車などが用いられてきたが、このような成
形歯車では、成形用の金型が要し、金型コストが大とな
る他、成形に際しての収縮などの変形により歯部、歯車
全体の精度に劣りがちであり、しかも強度も不十分であ
って内歯車自体が大きくなり、小さい伝達トルクの遊星
歯車装置においてその小型化を妨げる因子となってい
る。
【0006】本発明は、内歯車に、ファインブランキン
グ加工によるプレス抜きにより内歯部を成形したプレス
抜き板の打抜き積層体を用いることを基本として、比較
的安価かつ高い精度の内歯車を有する遊星歯車装置の提
供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、太陽歯車と、
この太陽歯車を囲む内歯車と、キャリヤに前記太陽歯
車、内歯車に噛合う遊星歯車を回転自在かつ一体に支持
させた遊星キャリア体とからなる遊星変速段を、ハウジ
ング部材に組込む遊星歯車装置であって、前記内歯車
が、内歯部をファインブランキング加工によりプレス抜
きされたプレス抜き板を、内歯部の位相を揃えて積重ね
た打抜き積層体からなることを特徴とする遊星歯車装置
である。
【0008】又請求項2の発明は、前記プレス抜き板
が、このプレス抜き板のその一面に設けられる凸部と、
他面に設けられる凹部とからなり、重なるプレス打抜き
板の前記凸部と凹部とが嵌合することにより重なるプレ
ス打抜き板の内歯部の位相を揃える複数の位相合わせ嵌
合部が形成されるとともに、前記位相合わせ嵌合部は、
半径方向線を挟む角度が不等角度となる前記半径方向線
上に設けられたことを特徴としている。
【0009】さらに請求項3の発明は、前記プレス抜き
板が、位相合わせ嵌合部の凸部と、凹部とが表裏同位置
に設けられ、プレスの半抜きにより形成されたことを特
徴としている。
【0010】
【作用】内歯車として、ファインブランキング加工によ
る精密プレス抜きされた内歯部を有するプレス抜き板の
打抜き積層体を用いているために、生産が能率化でき安
価となしうる他、品質が安定する。さらにファインブラ
ンキング加工は打抜き板の板厚を大としないことにより
高精度に打抜きでき歯部精度を高めうる。又必要な強さ
に応じて積重ね枚数を変更し内歯車の強度をも調整しう
る。
【0011】さらに内歯車は、プレス抜き板の打抜き積
層体からなるリング状をなすため、同厚さの一体品の場
合と較べて半径方向の剛性が低下することとなり、半径
方向への可撓性を高め、結果として、遊星歯車と内歯車
などとの歯当たり向上にも役立つ。
【0012】又高精度加工が可能なファインブランキン
グ加工とはいえ、プレス抜き板には、図4に一点鎖線で
示すように、ブランクの雌型への打込みに際して外縁が
円弧にぬすみ状に変形するぬきだれmが生じやすい。こ
のようなぬきだれmは、プレス抜き板が重なることによ
って隣り合うプレス抜き板との間に小さな凹部を形成
し、この凹部が潤滑油、グリース溜りとなって潤滑材の
持ちを良好とし、歯車の耐久性の向上に役立つことも出
来る。
【0013】又請求項2の発明のように、位相合わせ嵌
合部を用いることにより、プレス抜き板の内歯部の並
び、位相を揃えることが容易となる。なお位相合わせ嵌
合部の表裏の凹凸部を同位置とすることによって、その
嵌合により、内歯部を軸方向に正しく位相を合わせて揃
えることができる。又表裏の凸部と凹部とを、積層状態
の角度ずれの総和において、内歯車と遊星歯車の噛み合
いのバックラッシュの範囲内となるように微小に角度ず
れさせるように内歯部の位相を揃えることにより、遊び
の少ない噛み合いの歯車機構となる。
【0014】さらに、位相合わせ嵌合部の位置を不等角
度を挟む半径線上に配置することにより、プレス抜き板
は一定位置でしか重ねられず、嵌合誤りによるプライ間
の内歯部の位相誤りをなくす。
【0015】さらに請求項3の発明のように、プレス抜
き板のその一面に設けられる位相合わせ嵌合部の凸部
と、他面に設けられる位相合わせ嵌合部の凹部とが表裏
同位置に設けられ、プレスの半抜きにより形成すること
により、生産性を向上するとともに、その嵌合により、
内歯部を軸方向に正しく位相を整一させて揃えることが
できる。
【0016】なお前記内歯部と、プレス抜き板の外周面
と、内歯部の位相合わせのための位相合わせ嵌合部とを
一体かつ同時にプレス打ちにより製造したときには、さ
らにコストダウンと品質の安定化をなしうる。
【0017】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜6において遊星歯車装置1は、太陽歯車2
と、内歯車3と、キャリヤ4に遊星歯車5を回転自在か
つ一体に組み込んだ遊星キャリヤ体6とからなる1段以
上の遊星変速段Uをハウジング部材7に組込んでおり、
前記内歯車3は、ファインブランキング加工によりプレ
ス抜きされた複数のプレス抜き板9…を積重ねた打抜き
積層体を用いており、かつ遊星歯車装置1は、本実施例
では電動機Mを有するフランジ形式のギヤーモートルと
して形成される。
【0018】本例では、遊星変速段Uは入力側、出力側
の2段の遊星変速段Ui、Uo(i,oは入力側、出力
側を区別するときに要すれば用いる。以下同じ)を含
み、入力側の遊星変速段Uiは、前記電動機Mのロータ
軸、即ち遊星歯車装置1の入力軸11先端に形成される
太陽歯車2iと、ハウジング部材7に支持されこの太陽
歯車2iを囲む内歯車3iと、結合軸21…、支持軸2
2…により結合される2枚のキャリヤ4iA,4iB間
の複数の前記支持軸22に遊星歯車5i…を枢支してな
る遊星キャリア体6iとによって構成される。なお太陽
歯車2iは、入力軸11を直接歯切りすることなく、図
7に示すように別体とすることもできる。
【0019】さらに出力側の遊星変速段Uoは、前記キ
ャリヤ4iBの中心に固定される太陽歯車2oと、ハウ
ジング部材7に支持されこの太陽歯車2oを囲む内歯車
3oと、2枚のキャリヤ4oA,4oB間に同様に遊星
歯車5o…を回転自在に支持させた遊星キャリア体6o
とから構成され、かつ出力側の前記キャリヤ4oBは出
力軸12の後端に固定されている。
【0020】又前記ハウジング部材7は、前記電動機M
のステータを囲む有底筒状のモータハウジングHmがそ
のステータを前にこえて延在する挿着部24と、この挿
着部24に挿入される入力側のブラケットB1と、挿着
部24前端に嵌入される出力側のブラケットB2と、
入、出力側のブラケットB1、B2間において入力側に
配置される第1のスペーサ13Aと、内歯車3iを隔て
る第2のスペーサ13Bとからなる。なお第2のスペー
サ13Bと出力側のブラケットB2との間に内歯車3o
が配される。
【0021】なお、第1のスペーサ13A、第2のスペ
ーサ13Bは本実施例では、前記キャリヤ4iA、4i
B、4oAの外周面を支持し各太陽歯車2i、2oと同
心に可回転に保持する軸受リングとして機能している。
【0022】又挿着部24は、遊星変速段Uを収納しう
るとともに、ステータを収納する部分に比してやや大径
に形成されることによって、前記入力側のブラケットB
1を位置決めする段差25を有する。なお、入力側のブ
ラケットB1の軸受b1と、モータハウジングHmの後
壁の軸受b2とによって入力軸11、即ち太陽歯車2i
を、挿着部24と同芯に支持している。又出力側のブラ
ケットB2は、図2に示すように、4隅に取付孔を有す
るフランジ27に、前記挿着部24に嵌入固定される外
筒部28と、挿着部24と同芯、従って入力軸11およ
びその太陽歯車2iと同芯に出力軸12軸受b3、b4
により支持する内筒部29とを設けている。なお入力軸
11、出力軸12はシールS1、S2によって軸封され
ている。
【0023】なおモータハウジングHmは、電動機Mを
形成するための長さとし、遊星変速段Uを収納するため
のハウジング部材とは結合可能に分離することもでき
る。
【0024】内歯車3i、3oは、前記のごとく、プレ
ス抜き板9の打抜き積層体からなり、このプレス抜き板
9は、金属板をファインブランキング加工によりプレス
抜きすることによって形成される。このプレス抜き板9
は、本例では図5、図6に示すように、内歯部3Aを有
しその歯先円となる内周面9aと、合わせ位置確認用の
凹溝31を有する同芯な外周面9bとを打抜きにより形
成したリング状をなし、又一面に設けた凹部10A、こ
の凹部10Aに嵌め合いできかつ他面に設けた凸部10
Bとからなる位相合わせ嵌合部10を形成している。
【0025】ファインブランキング加工とは、周知のよ
うに、1923年にスイス人フリッツ シセス(Fritz
Schicess)氏が提案し、板押えと逆押えとを具え、極め
て小のクリアランスのパンチ・ダイを用いて板材に圧縮
力を作用させて延性を高めることにより割れによる破断
面の発生を抑制したプレス方法であり、金属板が薄板と
するとき、とくに切断面が美麗かつ高精度であることに
着目して、薄板のプレス抜き板9…を重ねて打抜き積層
体とすることにより安価かつ使用に耐える精度の内歯車
3を製造しうることを見出した。前記プレス抜き板9の
板厚は1.5〜3、5mm程度、本例では2.2〜2.8
mm程度とし、かつクロムモリブデン鋼などの強度、靭性
に優れる合金鋼からなる板材が好適に採用されうる。
【0026】なお、外周面9bの外径は50〜120mm
程度であって、内周面9aの前記内歯部3Aは、モジュ
ール0.5〜1.25程度としている。板厚が小さくな
るに従い打抜き精度も向上するため、小さいモジュール
の打抜きが可能となる。なお板厚2.5mm程度のとき
0.7モジュール程度が可能であることを確かめてい
る。さらに打抜き後、歪取り処理を行うこともでき、ま
たは液浸、窒化、タフトライドなどの適宜の表面、歯部
の硬化処理を行うのもよく、そのとき可能な限り低温短
時間での処理とするなど歪を生成しないものがよい。
【0027】このように、内歯車3として、ファインブ
ランキング加工による精密プレス抜きされた打抜き積層
体を用いているために、生産が能率化でき安価となしう
る他、品質が安定化する。さらに高精度に打抜きでき歯
部精度を高め、しかも必要な強さに応じて積重ね枚数を
変更し内歯車3の強度をも調整しうる。
【0028】又、内歯車3はプレス抜き板9…の打抜き
積層体からなるリング状をなすため、同厚さの一体品の
場合と較べて半径方向の剛性が低下することとなり、半
径方向への可撓性を高め、歯当たりの改善にも役立つ。
又図4に一点鎖線で示すように、ブランクの雌型への打
込みに際して生じるぬきだれmは、潤滑油、グリース溜
りとなって潤滑材の持ちを良好とし、内歯車3の耐久性
を向上しうる。
【0029】さらに、このプレス抜き板9の前記位相合
わせ嵌合部10は、一面の凹部10Aと、この凹部10
Aに嵌まり合う形状、例えば凹部10Aと同形の他面の
凸部10Bとからなり、内歯部3Aの歯の位相と関連づ
けて形成される。即ち凹部10Aと凸部10Bとが表裏
で同位置であると、隣合うプレス抜き板9の凹部10A
と凸部10Bとが嵌入することにより、全てのプレス抜
き板9の内歯部3A…の歯すじを軸方向に正しく位相を
整一させて揃えることができる。また、凹部10Aと凸
部10Bとが表裏で同位置、同形であるときには、プレ
スの半抜きによって形成することができる。
【0030】また、表裏の凹部10Aと、凸部10Bと
を、内歯車の全幅において、内歯車3と遊星歯車5の噛
み合いのバックラッシュの範囲内となるように表裏で周
方向に微小に角度ずれさせることもできる。これによっ
て、積層により、前記バックラッシュの範囲内で歯すじ
が傾いて内歯部3Aの位相が揃うことになり、遊びのな
い噛み合いの歯車伝達ができる。
【0031】さらに位相合わせ嵌合部10は、半径方向
線を挟む角度が不等角、例えば150°、120°、9
0°とする前記半径線上に設けられる。なお1つの角度
のみが他の角度を異なるのみでもよい。その結果、凸部
10B,凹部10Aは、内歯部3Aの位相に対しては、
常に一定位置でしか嵌合しないこととなり、手作業、又
は機械的な自動組立てを容易とし、嵌合誤りをなくす。
又3等分位置を中心として角度をずらせた3位置以上の
位置に設けることにより、プレス抜き板9を同芯で重ね
ることを確実にする。
【0032】さらに図4に拡大して示すごとく、内歯車
3iの最も入力側のプレス抜き板9の入力側の面の凹部
10Aを、ハウジング部材7である第1のスペーサ13
Aの出力側の面に設けた凸部10Cに嵌め合わせる。な
お第1のスペーサ13Aの入力側の面にも同様に凹部1
0Dを設け、隣り合う入力側のブラケットB1の凸部1
0Eに嵌合させる。又内歯車3iの最も出力側のプレス
抜き板9の外側の面の凸部10Bは、第2のブラケット
B2の入力側での隣り合う面の凹部10Fに嵌合する。
又内歯車3oの最も入力側となる面の凹部10Aは第2
のスペーサ13Bの出力側で隣り合う面の凸部10Gと
嵌合する。又内歯車3oの最も出力側となる面の凸部1
0Bは、出力側のブラケットB2の凹部10Hと嵌合し
ている。
【0033】これにより、内歯車3、スペーサ13、ブ
ラケットB1,B2は隣り合い面の凸部、凹部10A〜
10Hが互いに嵌合し、全体を廻り止めして一体化し周
方向、半径方向の相対位置ずれを防止する。又凹部、凸
部を締め代を有する締り嵌めとすることによって軸方向
にも一体化しうる。さらに出力側のブラケットB2が強
固に挿着部24に嵌入可能としたときには、さらに強固
に軸方向に一体化できる。
【0034】なお凹部、凸部は図示の向きとは逆でもよ
く、又隣合う面で嵌合できさえすれば、たとえば第1の
スペーサ13Aと入力側のブラケットB1の凹部10
D、凸部10Eなど、他の凹部、凸部と周方向、半径方
向の位置をかえるのもよい。又凸部、凹部は、所謂円形
の他、四角形などの非円形状など種々な形状を採用しう
る。又第1、第2のスペーサ13A、13B、ブラケッ
トB1、B2など、プレス成形、ダイキャスト成形など
成形品としないときには、全て凹部とし、図4に一点鎖
線で示す位置合わせピン32を介して位相合わせしても
よい。
【0035】又前記凹溝31は、本例では、対角線上に
外周面の2か所で設けられ、又凹溝31は、位相の整一
のための他、例えばく字金物(図示せず)を長手方向に
挿入するなど打抜き積層体の一体化のために利用するこ
とができる。
【0036】又、各プレス抜き板9の外周面9b、およ
び第1、第2のスペーサ13A、13Bの外周面13b
の直径dは、本実施例では、図4に示すように、いずれ
も前記モータハウジングHmの前記挿着部24の内周面
24aの内径Dよりもやや小に成形されることにより、
前記入力側、出力側のブラケットB1、B2が向き合う
面間において半径間隙Gを生じさせている。
【0037】他方、各プレス抜き板9の外周面9bの両
側縁、およびスペーサ13A、13Bの外周面13bの
両側縁には連続した面取り部15が設けられ、従って積
重ねることによって隣り合うこととなるプレス抜き板
9、スペーサ13A、13B間の外周には、各2つの各
面取り部15、15が合体した例えばU又はV字状の取
付け溝16が形成される。この取付け溝16に、本例で
はOリングである例えばゴム(耐油ゴム)からなる防振
材17を夫々配している。
【0038】なお防振材17は、断面円形の他、三角
状、星状など各種の非円形状、さらには管状とすること
もできる。又防振材17は、取付け溝16と予め接着さ
せてもよく、そのとき予め環状とすることなく、1〜数
本の紐状体とすることもできる。さらに前記取付け溝1
6の深さは、ゴムの半径方向高さの1/2より大、2/
3以下程度と、嵌入深さを比較的大きくし、前記ハウジ
ング部材7への取付けに際しての外れを防ぐのがよい。
なおプレス抜き板9、スペーサ13の外周面9b、13
bには、ゴム被覆層を焼付け、形成するのもよく、又ゴ
ムシートを配するのもよい。
【0039】又プレス抜き板9、スペーサ13は、ハウ
ジング部材7の挿着部24の内周面24aと当接する前
記防振材17を介在させて、この挿着部24に支持され
る。その結果、プレス抜き板9の打抜き積層体である内
歯車3には周方向、半径方向に緩衝機能を付与され、遊
星歯車5との噛み合いに際しての衝撃の緩和に役立つ。
さらに緩和された衝撃、振動自体が、防振材17によ
り、吸収、緩和されモータハウジングHmへの伝達が抑
制されるため、振動、音の外部への発散を防止し、装置
の低騒音化、低振動化が可能となる。
【0040】さらに本例では、Oリングからなる防振材
17を用いているため、低コストであり、かつ取付けも
容易となり、装置全体の構造の簡易化、価格の低減を図
りうるとともに、前記したスペーサ13との組み合わせ
により、内歯車3などを単に積み重ねて組み立てること
により形成でき、さらに低コスト化しうる。
【0041】このように、防振材17が遊星変速段Uか
ら生じる振動、騒音が前記モータハウジング部材に伝わ
ることを防止し、ハウジング部材7が例えば金属からな
る場合であっても、内歯車3とハウジング部材7との間
の前記振動、騒音の発生、伝達を減じ、かつ内歯車3と
遊星歯車5との歯当たりの緩衝、芯出しにも役立てるこ
とができる。
【0042】又本実施例においては、前記第1、第2の
スペーサ13A、13Bは、キャリヤ4iA,4iB、
4oAを回転支持するのに使用される。又このとき、ス
ペーサ13A、13Bの防振材17も、遊星キャリア体
6i,6oの回転に伴う振動を、挿着部24をへて外部
に伝わるのを遮断する。
【0043】さらに第1、第2のスペーサ13A、13
Bは、同心な内周面13a、外周面13bを有するリン
グ状をなすことによって、前記のように、入力軸11と
同心なモータハウジングHmの前記挿着部24に防振材
17を介して外周面13bが挿着されることによって、
その内周面13aは、入力軸11と同心となる。
【0044】なお第1、第2のスペーサ13A、13B
は、全体が合成樹脂、含油メタル、軸受メタルなどの、
好ましくは自己潤滑性の軸受材からなるか、図4に示す
ごとく、環状の基体13nと、その内周側に配され突起
状の係止部13P1、13P2により抜け止めされる前
記軸受材からなる薄板環状の支持片13mとにより構成
することもできる。
【0045】なお、内周面13aは、前記内歯車3i,
3oの各歯先円直径よりも小とするとともに、第1のス
ペーサ13Aは、遊星キャリア体6iの入力側のキャリ
ヤ4iAを支持し、第2のスペーサ13Bは、遊星キャ
リア体6iの出力側のキャリヤ4iBと、遊星キャリア
体6oの入力側のキャリヤ4oAとを共に入力軸11と
同心に支持する。これによって遊星キャリヤ6i、6o
の同心性を向上しうる。従って、第2のスペーサ13B
は、第1のスペーサ13Aよりも約2倍の軸方向の幅に
形成される。なお遊星キャリア体6oの出力側のキャリ
ヤ4oBは、前記のごとく、出力軸12の後端に固定さ
れることによって、挿着部24、即ち入力軸11と同芯
となる。
【0046】なお第1、第2のスペーサ13A、13B
に回転支持される前記キャリヤ4iA、キャリヤ4i
B、及びキャリヤ4oAは、外周面4bが、各支持され
るスペーサ13A,13Bの内周面13aと当接しうる
直径の円形をなし、かつキャリヤの外周面4bと、スペ
ーサ13A,13Bの内周面13aとの半径方向の間隙
gは、採用する歯車精度の中心距離の交差に応じて決定
される。
【0047】又、遊星キャリア体6iのキャリヤ4i
A、4iB、及び遊星キャリア体6oのキャリヤ4o
A、4oBは、ともに両端段付きの複数の前記結合軸2
1…、及び結合軸21と同形の複数の支持軸22…によ
り互いに一体に結合されるとともに、支持軸22…に
は、円筒軸受35、スラスト軸受36、36(図1にの
み略示する)を介在させて、夫々前記遊星歯車5i,5
oを可回転に支持し、これによって前記遊星キャリア体
6i、6oを構成する。また遊星キャリア体6iは、キ
ャリヤ4iA、キャリヤ4iBが前記スペーサ13A、
13Bの内周面13aで案内されることにより、入力軸
11と同心に保持される。
【0048】また、遊星キャリア体6iの出力側のキャ
リヤ4iBは、その中心部に出力側に向いて突出するボ
ス部39を有し、そのボス部39の中心孔によって、出
力側の遊星変速段Uoの太陽歯車2oの後端の小径部分
2oAを嵌入して固定し、これにより太陽歯車2oは、
太陽歯車2iと同芯となる。なお固定には、キー、切欠
き、ローレット、圧入、接着など、周知の各種の方法が
採用しうる。
【0049】この遊星歯車段Uiは、キャリヤ体6iの
遊星歯車5iが、ロータ軸である入力軸11の太陽歯車
2i、前記内歯車3iと噛合することにより、入力軸1
1の回転数を歯数比に応じて定まる周知の減速比で減速
した遊星歯車5iの公転速度で、遊星変速段Uoの太陽
歯車2oを回転させることとなる。
【0050】同様に、遊星キャリア体6oは、入力側の
キャリヤ4oAが前記スペーサ13Bの内周面13aで
案内され、かつ出力側のキャリヤ4oBが前記出力軸1
2の後端で固定されることにより、入力軸11と同心に
保持され、回転する。
【0051】その結果、この遊星キャリヤ体6oは、遊
星歯車5oが、太陽歯車2o、前記内歯車3oと噛合す
ることにより、前記回転数で回転する太陽歯車2oの回
転数を歯数比に応じて定まる周知の減速比でさらに減速
した遊星歯車5oの公転速度で、キャリヤ4oBを介し
て前記出力軸12を回転させる。
【0052】このように、本例では、キャリヤ4i、4
iB、4oAがスペーサ13A、13Bがなす軸受リン
グに枢支されることによって、遊星キャリヤ体6は太陽
歯車2と同芯に回転でき、かつ支持を均一とする他、構
造を簡易化すると同時に、軸方向の長さを低減できる。
【0053】図7は、内歯車3i,3oが防振材17を
介することなく直接ハウジング部材7に取付られるとと
もに、遊星キャリア体6a,6bが、前記スペーサ13
A,13Bを用いて回転支持されない本発明の他の実施
例を示している。
【0054】本実施例では、内歯車3i、3o間に1つ
のスペーサ13が用いられるとともに、まず出力側の遊
星キャリア体6bが、その出力側のキャリヤ4oBを前
記出力軸12の後端に固定することによって出力軸12
と一体化し、これにより、前記結合軸21、支持軸22
により出力側のキャリヤ4oBと一体をなす入力側のキ
ャリヤ4oAも同心に保持される。
【0055】また、入力側の遊星キャリア体6aは、そ
の出力側のキャリヤ4iBが、前記ボス部39を、出力
側の遊星キャリア体6bの前記入力側のキャリヤ4oA
の中心孔に適宜の軸受40を介して枢支されるととも
に、入力側のキャリヤ4iAを、前記第1のブラケット
B1に入力軸21と同芯に嵌着した軸受筒41の突出部
41Aに外挿することにより支持させている。
【0056】さらに、本例では、出力側の遊星キャリア
体6bの出力側のキャリヤ4oBの内面、かつその太陽
歯車2oとの接触部分にスラスト軸受40を配するとと
もに、入力側の太陽歯車2iは、入力軸11先端の小径
部11Aに嵌着され固定される筒体を用いている。又出
力側のブラケットB2がネジ43により固定される。
【0057】なお、本発明の遊星歯車装置においては、
前記実施例の他、電動機Mを用いない所謂減速、増速装
置とし、またフランジ型に変えて脚付とし、さらには1
又は3以上の遊星変速段を用いることもできる。また、
出力側の遊星キャリア体6bの出力側のキャリヤ4oB
を出力軸と一体に製作し、かつブラケットをボルト、ネ
ジを用いて固定するなど、本発明の装置は種々変形しう
る。
【0058】
【発明の効果】このように、本発明の遊星歯車装置は、
内歯車として、ファインブランキング加工による精密プ
レス抜きされた内歯部を有するプレス抜き板の打抜き積
層体を用いているために、生産が能率化でき安価となし
うる他、品質が安定し、かつ高精度に打抜きでき歯部精
度を高めうる。又必要な強さに応じて積重ね枚数を変更
し内歯車の強度をも調整しうるとともに、打抜き積層体
からなるリング状をなすため、同厚さの一体品の場合と
較べて半径方向の剛性が低下し、半径方向への可撓性を
高め、遊星歯車と内歯車との歯当たりの向上にも役立
つ。又ブランクの雌型への打込みに際して外縁が円弧に
ぬすみ状に変形するぬきだれは、プレス抜き板が重なっ
て隣り合うプレス抜き板との間に小さな凹部を形成し、
この凹部が潤滑油、グリース溜りとなって潤滑材の持ち
を良好とし、歯車の耐久性の向上に役立つことも出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】その要部を示す分解斜視図である。
【図4】内歯車とスペーサと弾性体との組立状態を例示
する断面図である。
【図5】プレス抜き板を例示する正面図である。
【図6】その断面図である。
【図7】他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 遊星歯車装置 2、2i、2o 太陽歯車 3、3i、3o 内歯車 4、4iA、4iB、4oA、4oB キャリヤ 5、5i、5o 遊星歯車 6、6i、6o 遊星キャリア体 7 ハウジング部材 9 プレス抜き板 10 位相合わせ嵌合部 11 入力軸 12 出力軸 13、13A、13B スペーサ Ui,Uo 遊星変速段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】太陽歯車と、この太陽歯車を囲む内歯車
    と、キャリヤに前記太陽歯車、内歯車に噛合う遊星歯車
    を回転自在かつ一体に支持させた遊星キャリア体とから
    なる遊星変速段を、ハウジング部材に組込む遊星歯車装
    置であって、 前記内歯車が、内歯部をファインブランキング加工によ
    りプレス抜きされたリング状のプレス抜き板を、内歯部
    の位相を揃えて重ねた打抜き積層体からなることを特徴
    とする遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】前記プレス抜き板は、このプレス抜き板の
    その一面に設けられる凸部と、他面に設けられる凹部と
    からなり、重なるプレス打抜き板の前記凸部と凹部とが
    嵌合することにより重なるプレス打抜き板の内歯部の位
    相を揃える複数の位相合わせ嵌合部が形成されるととも
    に、前記位相合わせ嵌合部は、半径方向線を挟む角度が
    不等角度となる前記半径方向線上に設けられたことを特
    徴とする請求項1記載の遊星歯車装置。
  3. 【請求項3】前記プレス抜き板は、位相合わせ嵌合部の
    凸部と、凹部とが表裏同位置に設けられ、プレスの半抜
    きにより形成されたことを特徴とする請求項1記載の遊
    星歯車装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006144995A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Toyota Motor Corp 円環状歯車
JP2006266441A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Aisin Seiki Co Ltd 厚板プレスギヤ

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