JP2000022189A - 酸化亜鉛層付基板、酸化亜鉛層の形成方法、光起電力素子及びその製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛層付基板、酸化亜鉛層の形成方法、光起電力素子及びその製造方法

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JP2000022189A
JP2000022189A JP10377005A JP37700598A JP2000022189A JP 2000022189 A JP2000022189 A JP 2000022189A JP 10377005 A JP10377005 A JP 10377005A JP 37700598 A JP37700598 A JP 37700598A JP 2000022189 A JP2000022189 A JP 2000022189A
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zinc oxide
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axis
layer
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Kozo Arao
浩三 荒尾
Hideo Tamura
秀男 田村
Yuichi Sonoda
雄一 園田
Jo Toyama
上 遠山
Yusuke Miyamoto
祐介 宮本
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Canon Inc
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射性能及び光閉じ込め効果に優れ、光電変
換効率の高い光起電力素子を安価に提供する。 【解決手段】 導電性基板1001上に、スパッタ法に
より金属アルミニウム層1002を形成し、その上にス
パッタ法によってc軸に配向した酸化亜鉛層1003を
形成し、さらにその上に電析法によってc軸の傾いた酸
化亜鉛層1004を堆積させる工程において、上記酸化
亜鉛層1003のスパッタ成膜時の基板温度を、酸化亜
鉛層1004表面粗さRaが80nm以下となり、且
つ、該表面の結晶粒の傾斜角の平均が15°以上となる
温度に設定して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池等の光起
電力素子の構成部材等として用いられる、酸化亜鉛層付
基板、酸化亜鉛層の形成方法、光起電力素子及びその製
造方法に関し、特に、太陽電池の長波長感度を改善する
ための反射層の一部としての酸化亜鉛層が設けられた基
板とその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に光起電力素子(太陽電
池)の反射層として適用される、スパッタによる金属層
と透明導電層との組み合わせについて提案した。当該提
案においては、良好な反射特性を有する反射層を得るた
めに、金属層の反射率の低下を抑える金属層のスパッタ
条件に対して詳細に言及している。しかしながら、スパ
ッタ方式では、例え安価な材料を用いたとしても、ター
ゲット作製に人手や手間がかかるため、ターゲットのコ
ストが安価でなく、しかもその利用効率が20%程度と
低いため、材料費が極めて高いものとなる。また、スパ
ッタ装置は真空装置であるため、装置が高価になり、そ
の結果償却費も高くついてしまう。そのため、環境問題
を解決すべく太陽電池を安価に提供することができな
い。
【0003】また、本出願人は、光閉じ込め効果に優
れ、工業的にも極めて安価な電解析出(電析)による2
種類の酸化亜鉛層を長尺ロール状基板(以下「長尺基
板」と記す)に堆積せしめる方法について提案した。し
かしながら本方式では、安価で良好な反射率を持つアル
ミニウム層の上に直接堆積できない。その理由は、アル
ミニウム表面が熱酸性溶液でボーマイト変成し、反射能
を著しく下げてしまうためと、ボーマイト変成した表面
が襞状の構造となり、酸化亜鉛の成長が襞状になってし
まうためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決し、反射性能及び光閉じ込め効果に優れた
太陽電池用反射層付基板として有用な酸化亜鉛層付基板
を安価に提供することにある。さらに本発明の目的は、
酸化亜鉛層の形成方法と、光起電力素子及びその製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持基板上に
少なくとも酸化亜鉛層を有する酸化亜鉛層付基板であっ
て、該酸化亜鉛層が、前記支持基板側から順に、c軸に
配向した酸化亜鉛層と、c軸の傾いた酸化亜鉛層と、を
有することを特徴とする酸化亜鉛層付基板を提供する。
【0006】また、本発明は、基板上にスパッタリング
法によってc軸に配向した酸化亜鉛層を形成する工程
と、該c軸に配向した酸化亜鉛層上に電析法によってc
軸の傾いた酸化亜鉛層を形成する工程と、を少なくとも
有することを特徴とする酸化亜鉛層の形成方法を提供す
る。
【0007】さらに、本発明は、支持基板上に少なくと
も酸化亜鉛層を有する酸化亜鉛層付基板と半導体層とを
少なくとも有する光起電力素子であって、該酸化亜鉛層
が、前記支持基板側から順に、c軸に配向した酸化亜鉛
層と、c軸の傾いた酸化亜鉛層と、を有することを特徴
とする光起電力素子を提供する。
【0008】加えて、本発明は、支持基板上にスパッタ
リング法によってc軸に配向した酸化亜鉛層を形成し、
該c軸に配向した酸化亜鉛層上に電析法によってc軸の
傾いた酸化亜鉛層を形成して酸化亜鉛層付基板を製造す
る工程と、該酸化亜鉛層付基板上に半導体層を形成する
工程と、を少なくとも有する光起電力素子の製造方法を
提供する。
【0009】本発明において、基板(支持基板)は導電
性基板であることが好ましい。該支持基板はSUS板で
あることが好ましく、該SUS板は2D表面を有するこ
とがさらに好ましい。また、長尺ロール状のSUS板を
用いることが好ましい。
【0010】また、本発明の酸化亜鉛層付基板乃至光起
電力素子は、支持基板と酸化亜鉛層との間に金属層を有
することが好ましい。該金属層の厚さは1000Å〜2
500Åであることが好ましい。該金属層は金属アルミ
ニウム層であることが好ましい。該金属アルミニウム層
をスパッタリング法で形成する際の基板温度は100℃
以下に設定することが好ましい。該金属アルミニウム層
と該酸化亜鉛層との間には酸化アルミニウム層が存在す
ることが好ましい。該酸化アルミニウム層は、前記金属
アルミニウム層を酸素プラズマ処理によって酸化して形
成されたものであることが好ましい。その際、前記c軸
の傾いた酸化亜鉛層側から入射した光の全反射率が60
%以上となり、前記基板表面に垂直な方向の電気抵抗が
20Ω/cm2となるように、前記酸素プラズマ処理す
る際の酸素プラズマのパワーを設定することが好まし
い。
【0011】さらに、前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前
記支持基板と反対側の表面の結晶粒の傾斜角の平均は1
5°以上であることが好ましく、該層の前記支持基板と
反対側の表面の表面粗さRaは80nm以下であること
が好ましく、該層の厚さは5000Å以上であることが
好ましい。該c軸の傾いた酸化亜鉛層は0.15mol
/l以上の濃度の硝酸亜鉛溶液を用いた電析で形成する
ことが好ましい。
【0012】また、前記c軸に配向した酸化亜鉛層の厚
さは1500Å〜2500Åであることが好ましい。該
層をスパッタリング法で形成する際の基板温度は380
℃以下に設定することが好ましい。
【0013】前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記基板と
反対側の表面で観察される結晶粒の平均粒径が2μm以
下となり、前記c軸の傾いた酸化亜鉛層側から入射した
光の散乱反射率が800nmにおいて20%以上になる
ように、該c軸に配向した酸化亜鉛層を形成する際の基
板温度を設定することが好ましい。また、前記c軸の傾
いた酸化亜鉛層の前記基板と反対側の表面の表面粗さR
aが80nm以下となり、該表面の結晶粒の傾斜角の平
均が15°以上になるように、該c軸に配向した酸化亜
鉛層を形成する際の基板温度を設定することが好まし
い。
【0014】さらに、本発明の酸化亜鉛層付基板に前記
酸化亜鉛層側から入射した光の全反射率は800nmに
おいて60%以上であることが好ましく、散乱反射率が
800nmにおいて20%以上であることが好ましい。
【0015】本発明は、太陽電池用反射層として好適な
酸化亜鉛層付基板の反射率を低下させずに表面凹凸を効
果的に形成し、光収集電流を増大せしめるものである。
また、本発明では同時に当該反射層を工業的に安価に且
つ安定に形成するものである。本発明においては、当該
反射層を、真空装置と湿式装置を併用し、それぞれが適
した膜を積層することにより形成するものである。即
ち、緻密でいかなる基板上にも密着性に優れた膜を形成
し得るスパッタ法により、アルミニウム膜とc軸に配向
した結晶粒を有する酸化亜鉛層を形成し、表面凹凸制御
が容易で膜製造コストの低い電析法によりc軸の傾いた
酸化亜鉛層を形成するものである。
【0016】本発明の目的を達成するためには、スパッ
タ法により薄いアルミニウム層と酸化亜鉛層を設け、そ
の上に電析法により厚い酸化亜鉛層を形成する方法が考
えられる。概念的には、膜厚に比例したコスト配分が可
能となるため、スパッタ膜の厚さを例えば全体の10%
以下の厚さにすれば、スパッタによるコストインパクト
は全体の10%以下、実際のコストは電析法のみの場合
の2〜3倍以下に抑えることができる。尚、このコスト
インパクトはスパッタ装置や電析装置の装置コスト、そ
れぞれの材料費、光熱費、人件費、各装置の稼働率・歩
留などによって変動する。基本的にはスパッタ膜をでき
るだけ薄くすることがコスト的には好ましい。
【0017】しかしながら、本発明者等がスパッタ膜と
電析膜の積層を検討したところ、両者の条件によって異
なる結果が得られることが明らかになった。これを本発
明者等が行った実験結果より説明する。
【0018】図4に、スパッタ法で形成したZnO膜の
表面SEM(走査型電子顕微鏡)像の典型的な例を示
す。ZnOのスパッタ時の基板温度はその表面に凹凸を
形成するために400℃とし、約2μmの厚さに堆積し
た。スパッタ膜は緻密でターゲット組成をそのまま反映
するため、ドーピングや組成変化にも簡単に対応できる
という利点がある。大抵の場合、その構造はc軸に配向
した六方晶の多結晶である。
【0019】図4に示したZnO膜もc軸に配向してい
るが、その結晶粒の粒径は図4に見られる凹凸よりも遥
かに小さい数百Å以下であり、これはFIB(Focu
sedIon Bombardment)の膜断面イオ
ン像により明らかである。即ち、図4で観察される凹凸
は二次構造である。この凹凸の二次構造は、ZnO膜を
凹凸のある金属層の上に形成した場合も、平滑な金属層
の上に形成した場合にも形成され、さらに当該金属層+
ZnO層(以下、かかる積層構造を反射層ともいう)を
用いて太陽電池を構成した場合、光閉じ込めによる太陽
電池の短絡電流密度Jsc増大効果を持つことが確認され
ている。このJsc増大効果は、図4のZnO膜でも見ら
れるが、さらにその膜厚を4μm程度に増やしてやる
と、徐々に明瞭になる。これは凹凸の大きさが太陽電池
の反射利用光の波長域に近づくためと考えられる。従っ
て、逆にスパッタ時のZnOの形成温度を下げたり、膜
厚を薄くするとJscは減少する。
【0020】上記のように4μmを超える膜厚でZnO
膜をスパッタ法により形成すると、極めて良好なJsc
大効果を持つ太陽電池が得られる。しかしながら、この
場合、材料の使用量が多く必要であり、成膜装置のス
ループットを低下させるので償却費も多くかかり、コス
ト高につながる、厚い緻密な膜は柔軟な基板の上に形
成されると割れ易く、例えばSUS板のようにフレキシ
ブルな基板に太陽電池を作り込んで応用を広げる上で問
題がある、といった工業上の重要な問題を有している。
【0021】図5に、BA(ブライト・アニール)処理
された平滑表面を持つSUS430基板に銀を堆積した
平滑な表面に、電析法により堆積したZnO膜の表面S
EM像の一例を示す。当該ZnO膜は、0.07g/l
のデキストリンを添加した0.2mol/lの硝酸亜鉛
溶液を85℃で用い、3.6mA/cm2の電流密度で
約1.2μmの膜厚に電析したものである。
【0022】上記電析法によるZnO膜は結晶粒が観察
され、XRD(X線回折装置)による分析では、当該結
晶は六方晶のZnOそのものであるが、c軸が傾いてい
る。その傾きは結晶粒の平面を呈する面に垂直であると
考えられる。SEM像は、コントラストが強調されてい
るため、実際の凹凸は図5から判断されるほど大きくは
なく、黒く見えるところでも膜厚のうちの60〜80%
程度を有している。従って、この上に必要な部材を形成
して太陽電池をほとんどシャントせずに形成することは
容易である。また、得られる太陽電池はJscに関して極
めて望ましい結果が得られる。
【0023】即ち、図5に見られる多結晶粒構造は、電
析工程における電析液の濃度によってc軸の傾きを、電
析液の濃度及び温度、電析電流密度、下地基板の凹凸の
それぞれによって結晶粒の多少の粒径を変えることがで
きるため、これらの電析条件の組み合わせにより、太陽
電池の反射層として最適なものを選ぶことができる。
【0024】上記電析法によるZnO膜は、基本的に工
業的に安価に形成し得るという大きな利点がある上、比
較的薄い膜においても十分な光閉じ込め効果を発揮する
ため、実際に太陽電池を広範囲に応用する製品として提
供することが可能となる。
【0025】ZnOそれ自体は、太陽電池が利用する太
陽光に対して透明であるから、光閉じ込め効果を達成す
るには反射部材としての金属層が必要である。太陽電池
を広範囲に応用する製品とするには、樹脂でラミネート
したモジュールとするのが良いが、この太陽電池モジュ
ールは膜中に湿気を通し、電気化学的なマイグレーショ
ンや腐食を引き起こすことが知られている。従って、上
記金属層は、光学的反射特性及び電気化学的安定性(電
気化学的マイグレーションを起こさない、腐食しない)
という二つの観点から選択する必要がある。
【0026】上記選択条件を満たすものとしては、アル
ミニウムとその合金のいくつかが挙げられるが、合金の
場合、組成による光学的反射特性及び電気化学的安定性
の依存性が大きく、大量生産には工業的な面から不利で
ある。従って、製造コストの点から用いる金属層として
は、少々のドーピングがなされているものを含めてアル
ミニウムが好ましく用いられる。
【0027】しかしながら、現在のところ、アルミニウ
ム層の上に良好な電析ZnO膜を形成する手法は確立さ
れていない。よって、スパッタ法によるZnO膜と電析
法によるZnO膜との組み合わせが想定されるが、実際
にこれらの膜を積層することは容易ではない。
【0028】本発明者等が小面積の膜について検討した
ところ、スパッタ法によるZnO膜の膜厚が500Åよ
り薄いと電析浴により溶解が進むことがあり、その下地
の金属アルミニウムが露出し、その後の電析工程におけ
るZnO膜の堆積がうまく進行しない場合がしばしば発
生した。さらに、スパッタZnO膜の膜厚が1500Å
より薄いと、時としてモルフォロジー(形状)変化にア
ルミニウムへの被膜が追いつかず、結果としてアルミニ
ウム層が露出し、その後の電析法によるZnO膜の堆積
がうまく行われないこともあることが判明した。安定に
反射層を供給する上で、スパッタ法によるZnO膜の膜
厚は1500Å以上が望ましい。
【0029】また、上記スパッタZnO膜の膜厚が1μ
mに近づくと、コストによるメリットがほとんど享受で
きなくなる。さらに、例えばスパッタZnO膜の膜厚を
2000Åと決めた場合でも、下地のアルミニウム層の
膜厚とスパッタ工程における成膜基板温度によって、電
析法で堆積させるZnO膜表面の凹凸形状が変化するこ
とが明らかになった。
【0030】本発明者等は、製造に有利な長尺基板に対
応した装置にてさらなる検討を行った。2D処理表面を
持つSUS430の長尺基板を用い、後述の図3に示し
たスパッタ装置において1000Åまたは2000Åの
金属アルミニウム層を成膜し、70℃〜400℃の範囲
で基板温度を変えて2000Å厚のZnO膜をスパッタ
法により積層し、さらにその上に、後述する図2の電析
装置において1.2μmの膜厚のZnO層を電析積層し
た反射層を形成した。各反射層の表面SEM像を図5〜
図10に示す。尚、スパッタにより金属アルミニウム層
を形成した直後に、酸素プラズマによる表面酸化処理を
行っているが、これは特性の向上というよりは、スパッ
タZnO膜の金属アルミニウム層界面での還元を防いで
特性の後退を防止するための処理である。尚、金属アル
ミニウム層の膜厚とスパッタZnO膜の成膜基板温度以
外は全て同じ条件である。
【0031】図6〜図10の各図において(a)は金属
アルミニウム層の膜厚を1000Åとしたもの、(b)
は2000Åとしたもの、また、図6は基板温度を40
0℃、図7は350℃、図8は300℃、図9は250
℃、図10は加熱せず実効基板温度を70℃としたもの
である。図6〜図10から明らかなように、同じ電析装
置で1.2μmの膜厚のZnO膜を形成しても、大きな
膜のモルフォロジーの違いを呈する。これは本発明者等
によって始めて知見された事実である。それぞれの膜は
異なる物理量、工業量を有する。
【0032】図11に、図6〜図10に示した反射層の
最表面の結晶粒の平均粒径の、スパッタZnO膜成膜時
の基板温度に対する依存性を示す。当該平均粒径は、図
6〜図10のSEM像の半月型結晶粒の長径を測定して
平均した値である。スパッタZnO膜表面は凹凸の形成
がほとんど見られず、そのSEM像に大きな違いはない
が、その上に成長した電析ZnOの結晶粒のモルフォロ
ジーの違いは明瞭である。当該結晶粒の平均粒径の基板
温度依存性は閾値を有し、該閾値温度より低い温度では
結晶粒の平均粒径の発達に明瞭な違いはないが、該閾値
温度を超すと高温になるほど長径も大きくなる。さら
に、金属アルミニウム層の膜厚の大きいほうが基板温度
の影響は大きい。この事実から、スパッタZnO膜はそ
の成膜時の基板温度の違いによって、微妙な凹凸と推測
される表面の違いを生み出し、その違いが電析ZnO膜
のモルフォロジー形成に基本的に作用していると推察さ
れる。
【0033】図12に、図6〜図10に示した反射層の
全反射率と散乱反射率の、スパッタZnO膜成膜時の基
板温度に対する依存性を示す。全反射率は積分球による
直達反射率と散乱反射率を含んだ値、散乱反射率は上記
全反射率から直達反射率を差し引いた値で、両者とも大
きい方が好ましい。但し、図12に示したものは、全反
射率と散乱反射率のスペクトルから、800nmでの値
を評価したものである。800nmでの値の評価は、8
00nm前後の反射スペクトルの干渉による山谷の平均
値をもってしている。従って、反射率の実数としては小
さく評価されている。山谷の値は、凹凸のない積層膜の
場合、同一の波長域にてそれぞれ膜厚と膜の屈折率が等
しければほとんど同じ値を示すものである。図6〜図1
0に示した反射層の場合、平均膜厚と屈折率はほとんど
同じ値とみなすことができるから、ほぼ光の散乱の事情
を反映しているものと考えて差し支えない。
【0034】即ち、図12より、表面のモルフォロジー
に関わらず、全反射率は一定であり(即ち、表面凹凸の
形成による光の異常な吸収がないことを示す)、スパッ
タZnO膜成膜時の基板温度が、ある特定の値より高く
なると次第に散乱反射率が増大していくことがわかる。
この様子は、図11に示した結晶粒の平均粒径の依存性
と類似しており、凹凸の増大が散乱反射に寄与している
ことがわかる。但し、光の散乱反射は、例えば鏡が傾い
たような場合にも大きな値を示すこと、即ち太陽電池の
scの増大にいつでも効果があるものでないことに注意
が必要である。
【0035】図13に、図6〜図10に示した反射層表
面の結晶粒の傾斜角の平均値の、スパッタZnO膜成膜
時の基板温度に対する依存性を示す。AFM(原子間力
顕微鏡)によって図6〜図10の反射層の表面をそれぞ
れなぞって、結晶粒の傾斜角の平均値を求めた。傾斜部
分が大きいほど値は大きくなる。即ち、基本的には、凹
凸が大きいほど値は大きくなる。但し、凹凸が発達して
も、山や谷部分に平坦なところが多かったり、また、針
のなぞる方向が傾斜に対してトラバースする場合には、
傾斜部分の正確な判定は難しくなる。また、AFM自身
が広域の走査を得意とするわけではないので、大きな凹
凸に対しては信頼性が低下する。実際図13では、金属
アルミニウム層の膜厚が1000Å厚でも2000Å厚
でも、スパッタZnO膜の成膜基板温度に対してはっき
りした立ち上がりを示すが、SEM像によると、400
℃における傾斜角の値は、金属アルミニウム層が100
0Å厚の場合には山谷の平坦部が増えているように見ら
れるのに対し、2000Å厚の場合には結晶粒が非常に
成長したために正確なスロープが得られなかったのでは
ないかと思われ、どちらも350℃における傾斜角に比
べて小さな値となっている。
【0036】図14に、図6〜図10に示した反射層の
表面粗さRaの、スパッタZnO膜成膜時の基板温度に
対する依存性を示す。Raは平均粗さを示し、AFMの
針の上下の振れ幅の平均値をとったものである。Raは
金属アルミニウム層が2000Åの時にはほぼ直線的に
増加し、1000Åの時には途中から下がり始めてい
る。実際の凹凸での山谷の程度を比較的良く再現してい
るものと判断される。金属アルミニウム層が1000Å
の時に途中から下がり始める理由は、結晶粒の粒径が大
きくなりすぎ、電析ZnOの上下成長の余裕がなくなっ
たものと思料される。恐らく、金属アルミニウム層が2
000Åでもさらに温度を下げると(現実的ではない
が)同様の現象を示すものと考えられる。
【0037】実際に、上記反射層を用いて同一の構成の
太陽電池を形成し、その傾向を調べた。形成した太陽電
池は、アモルファス・シリコンとアモルファス・シリコ
ン・ゲルマニウムを3種類の活性層として用いてpin
構造を3段重ねたトリプル構造のもので、光の吸収域は
300nm〜1100nmに至り、特に700nm以上
では、一旦通り抜けた光が反射層で反射されて再び利用
される形となっていた。収集電流に寄与する光の吸収を
評価するために、Jscそのものではなく、Q測定による
全電流を測定した。Jscはトリプルの活性層の膜厚を調
整して電流ミスマッチをなくすことで極小とすることが
できる。その結果、図7(a)、図8(a)、(b)の
反射層を用いた場合には23.5mA/cm2、図7
(b)が23.1mA/cm2、他は21〜22mA/
cm2程度と違いが生じた。特に、図6(b)について
は、反射特性や傾斜角については悪くない値であった
が、Q全電流値は21.8mA/cm2と劣っていた。
【0038】これらの検討の結果、Jscを極大とするた
め、即ち、光閉じ込めを効果的なものとするためには、
散乱反射率や傾斜角を大きくすれば良いが、いたずらに
大きくしても逆効果を招き、判断の容易な結晶粒の平均
粒径やRaによって決まる値を超えない範囲でそれらの
値を大きくすれば良いことがわかる。また逆に、結晶粒
の長径やRaはその小さい値を判断するには誤差が大き
くなることもあり、不適当である。従って、スパッタZ
nO膜の成膜基板温度の下限は散乱反射率や傾斜角に基
づいて設定し、上限は結晶粒の平均粒径やRaに基づい
て設定することが好ましいことが結論される。
【0039】尚、上記検討においては、先に述べたよう
にスパッタによる金属アルミニウム層形成後にその表面
を酸素プラズマによって酸化処理している。このプロセ
スを省略すると、反射率が下がり、目視においても黒く
なり、反射層としてはあまり好ましくない。但し、当該
処理が強すぎるのも好ましくない。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形成工程及び反射
層の各部材について説明する。
【0041】先ず、本発明においてc軸の傾いた酸化亜
鉛層の形成工程に用いられる電析装置について、図2に
模式図を示して説明する。当該電析装置は、図2に示さ
れるように、基板繰り出し機構と基板巻き上げ機構との
間に、電析槽・水洗設備・乾燥装置を配したものであ
る。
【0042】長尺基板2001はボビンに巻かれたコイ
ル状の荷姿で本装置に運ばれてくる。本装置では、この
コイルを基板繰り出しローラー2002にセットし、表
面保護のために巻き入れられた合紙を合紙巻き上げロー
ラー2003で巻き出しつつ、基板巻き上げローラー2
062に向かって搬送させる。即ち基板2001は、張
力検出ローラー2005、給電ローラー2006を経て
電析槽2009に入る。電析槽2009内部では、支持
ローラー2013及び2014で位置出しされ、電析が
行われる。次に水洗槽2030に送られて水洗される。
水洗槽2030内での位置出しは、支持ローラー203
1及び2066によって行われる。さらに温風乾燥炉2
051で乾燥され、支持ローラー2057を経て蛇行修
正ローラー2059で横ずれを補正され、成膜表面保護
のため合紙繰り出しローラー2060からの新たな合紙
を巻き込んで、基板巻き上げローラー2062に巻き上
げられ、必要に応じて次の工程に送られる。
【0043】張力検出ローラー2005は長尺基板20
01の動的な巻き張力を検知して、基板繰り出しローラ
ー2002の軸にリンクされた不図示のパウダークラッ
チ等ブレーキ手段にフィードバックをかけ、張力を一定
に保つものである。このことにより、長尺基板2001
の搬送経路が支持ローラー間で所定の値になるように設
計されている。特に、図2の装置では、成膜面にローラ
ーが触れない構成となっているため、張力が弱いと支持
ローラーから長尺基板2001が外れたり、電析槽20
09や水洗槽2030の出入り口で長尺基板2001が
垂れ下がって成膜面を擦ったりして傷が入るなどの不具
合が発生する。成膜面が触れない装置構成は、成膜面が
損傷を受けたり、汚れたりしないなどの利点があり、と
りわけ太陽電池の反射層などのように、ミクロン・サイ
ズの凹凸を薄膜上に形成しなければならない用途では好
ましい。
【0044】給電ローラー2006は長尺基板2001
にカソード側の電位を印加するためのもので、なるべく
電析浴2016に近いところに設置され、電源2008
の負極側に接続されている。
【0045】電析槽2009は、電析浴2016を保持
すると共に、長尺基板2001の経路を定め、それに対
してアノード2017を設置して、このアノード201
7に給電バー2015を介して電源2008から正極の
電位を印加する。このことにより、電析浴2016中で
長尺基板2001を負、アノード2017を正とする電
気化学的な電解析出プロセスが進行する。電析浴201
6が高温に保たれる時は、水蒸気の発生がかなり多くな
るので、蒸気排出ダクト2010〜2012から水蒸気
を逃がしてやる。また、電析浴2016を撹拌するため
に、撹拌エアー導入管2019からエアーを導入して、
電析槽2009内のエアー吹き出し管2018からエア
ーをバブリングする。
【0046】電析槽2009に高温の電析浴液を補給す
るには、電析循環槽2025を設け、この中にヒーター
2024を設置して電析浴を加温し、かかる浴液を浴液
循環ポンプ2023から電析浴液供給管2020を通し
て電析槽2009に供給する。電析槽2009から溢れ
た電析浴液や、一部積極的に帰還させる浴液は、不図示
の帰還路を経て、電析循環槽2025に戻して再び加温
する。ポンプの吐出量が一定の場合には、図2に示すよ
うに、バルブ2021と2022とで電析循環槽202
5から電析槽2009への浴液供給量を制御することが
できる。即ち、供給量を増やす場合には、バルブ202
1をより開放とし、バルブ2022をより閉鎖とする。
また供給量を減らす場合には逆の操作を行う。電析浴2
016の保持水位はこの供給量と不図示の帰還量を調節
して行う。
【0047】電析循環槽2025には、循環ポンプ20
27とフィルタとからなるフィルタ循環系が備えられて
おり、電析循環槽2025中の粒子を除去できる構成と
なっている。電析循環槽2025と電析槽2009との
間での供給・帰還が十分に多い場合には、このように電
析循環槽2025にのみフィルタを設置した形で、十分
な粒子除去効果を得ることができる。
【0048】図2に示す装置にあっては、電析循環槽2
025にも蒸気排出ダクト2026が設置されており、
水蒸気が排出される構造となっている。特に電析循環槽
2025にはヒーター2024が設置されていて加温源
となっているため、水蒸気の発生が著しく、発生水蒸気
が不用意に放出されたり結露したりするのが好ましくな
い場合は、極めて効果的である。
【0049】電析予備槽2029は、加温された浴液を
一気に既設の廃液系に流して処理装置を傷めることを防
ぐために設置されたもので、一旦電析槽2009の電析
浴2016を保持すると共に、電析槽2009を空とし
て作業の能率を図るための物である。
【0050】電析槽2009で電析を終えた長尺基板2
001は、続いて水洗槽2030に入って水洗される。
水洗槽2030内では長尺基板2001は支持ローラー
2031と2066で位置決めされ、第一水洗槽203
2、第二水洗槽2033、第三水洗槽2034を順に通
過する。それぞれに水洗循環槽2047〜2049と水
循環ポンプ2044〜2046が配され、二つのバル
ブ、即ちバルブ2038と2041、或いは2039と
2042、2040と2043とで水洗槽2030への
水供給量が決まり、供給管2035〜2037を介して
水洗槽2032〜2034へ洗浄水が供給される。二つ
のバルブによる水供給量の制御法は電析槽2009での
浴液供給量制御法と同様である。また電析槽2009同
様に、オーバーフローを集めたり一部を積極的に戻す不
図示の帰還水を、それぞれの水洗循環槽2050に戻す
ことも可能である。
【0051】通常、図2に示すような3段の水洗システ
ムでは、基板搬送の上流側の水洗槽、即ち第一水洗槽2
032から、下流側の水洗槽、即ち第三水洗槽2034
に向かって洗浄水の純度が高くなっていく。これは、長
尺基板2001が搬送されプロセスが終わりに近づくに
従い、該長尺基板2001の清浄度が上がっていくこと
を意味している。このことは図2に示したように、洗浄
水を第三水洗循環槽2049に最初に補給し、次に第三
水洗循環槽2049で溢れた洗浄水を第二水洗循環槽2
048に補給し、さらに第二水洗循環槽2048で溢れ
た洗浄水を第一水洗循環槽2047に補給することで、
水の使用量を大幅に節約して達成できる。
【0052】水洗の終了した長尺基板2001は水洗槽
2030の一部に設けられたエアーナイフ2065にて
水切りがされ、続いて温風乾燥炉2051に搬送され
る。ここでは、水を十分に乾燥させるだけの温度の対流
空気で乾燥を行う。そのための対流空気は、熱風発生炉
2055で発生した熱風を、フィルタ2054を通して
ゴミ取りをし、そして温風導入管2052から吹き出し
て供給する。溢れる空気は再度温風回収管2053より
回収して、外気導入管2056からの外気と混合して熱
風発生炉2055に送られる。温風乾燥炉2051での
長尺基板2001の搬送経路は支持ローラー2066と
支持ローラー2057とで位置出しされる。
【0053】蛇行修正ローラー2059は、長尺基板2
001の幅方向のずれを補正して基板巻き上げローラー
2062に巻き込む物であり、不図示のセンサーによっ
てずれ量を検知し、蛇行修正ローラー2059を不図示
のアームを支点として回転することによって制御する。
通常センサーの検知するずれ量も、蛇行修正ローラー2
059の作動量も極めて小さく、1mmを超えないよう
にしている。長尺基板2001を巻き上げるに際して
も、新しい合紙を表面保護のために合紙繰り出しローラ
ー2060から供給する。
【0054】ストッパー2007とストッパー2058
は同時に働いて、長尺基板2001を搬送張力のかかっ
たまま静止させるものである。これにより、長尺基板2
001の交換時や装置のメンテナンス時に作業性を向上
させることができる。図2に示した装置を用いることに
より、一般的に次のような利点がある。
【0055】(1)スパッタなどの真空装置と異なり、
膜堆積が極めて簡便である。高価な真空ポンプが不要
で、プラズマを使用するための電源や電極周りの設計を
考慮する必要がない。
【0056】(2)殆どの場合、スパッタに比較してラ
ンニング・コストが安い。スパッタではターゲットの作
製に人手と装置を要し、コストがかかる上にターゲット
の利用効率が20%と低いためである。従って、装置の
スループットを上げなければならない場合や、成膜厚が
厚い場合には、ターゲット交換の作業がかなりのウエィ
トを占めるようになる。
【0057】(3)スパッタ以外のCVD法や真空蒸着
法と比較しても装置やランニング・コストの点で優位で
ある。
【0058】(4)得られる膜が多くの場合多結晶の微
粒子であり、真空法で作製した場合と比べて遜色のない
導電特性・光学特性を示し、ゾルゲル法や有機物を用い
たコーティング法、さらにはスプレー・パイロリシス法
などに比べて優位である。
【0059】(5)酸化物を形成する場合でも上記利点
が有る上、廃液が簡単に処理でき、環境に及ぼす影響も
小さく、環境汚染を防止するためのコストも低い。
【0060】次に、本発明において金属アルミニウム層
や酸化アルミニウム薄層、c軸に配向した酸化亜鉛層の
形成工程に用いられるスパッタ装置について、図3に模
式図を示して説明する。当該スパッタ装置は、図3に示
されるように、真空チャンバーで囲まれた基板繰り出し
機構と真空チャンバーで囲まれた基板巻き上げ機構との
間に、アルミニウムスパッタ、酸素プラズマ処理、酸化
亜鉛スパッタのそれぞれのチャンバーを配し、ゲートで
結合したものである。以下に詳述する。
【0061】洗浄済みの長尺基板3003はボビンに巻
かれたコイルとして基板繰り出しローラー3002にセ
ットされる。表面保護のために巻き入れられた合紙を合
紙巻き上げローラー3004で巻き出しつつ、長尺基板
3003を基板巻き上げローラー3028に向かって搬
送させる。即ち長尺基板3003は、繰り出し制御ロー
ラー3005で位置出しされた後、繰り出しチャンバー
3001から、ガスゲート3007、Alスパッタチャ
ンバー3009、ガスゲート3013、酸素プラズマチ
ャンバー3015、ガスゲート3019、ZnOスパッ
タチャンバー3021、ガスゲート3025を順次経
て、巻き上げチャンバー3027に至り、蛇行修正ロー
ラー3030で基板巻き上げローラー3028への幅方
向の巻き上げ位置を正確に制御して、合紙繰り出しロー
ラー3029からの合紙を巻き込んで、基板巻き上げロ
ーラー3028へ巻き上げられる。
【0062】チャンバー間に設けられたガスゲート、3
007、3013、3019、3025は、その基板搬
送のパスを0.1mm〜10mmといった細いスリット
として形成されており、そこに数100sccmのアル
ゴンなどの非反応性ガスを流すことにより、あるチャン
バーとそれに接続されたチャンバーとの間の、相互汚染
(クロスコンタミネーション)を防止するものである。
特に、チャンバー同士に圧力の差が10倍以上ある時に
は、またチャンバー同士で用いられるガスが異なる時に
は、相互汚染防止のガスゲートは極めて効果的である。
【0063】また、ガスゲートのガスは、後続のチャン
バーでの処理温度が低い場合に、長尺基板3003の搬
送速度がある程度速くとも、該長尺基板3003を冷却
して後続のチャンバーでの温度制御を可能ならしめる働
きもある。通常、昇温させるには数kWのヒーターを基
板近傍に配置すれば良いが、短時間の冷却は面倒であ
る。水素ガスは冷却効果が大きいため、チャンバーに混
入しても構わない場合には効果的に用いられる。
【0064】基板繰り出しチャンバー3001、Alス
パッタチャンバー3009、酸素プラズマチャンバー3
015、ZnOスパッタチャンバー3021、基板巻き
上げチャンバー3027には、それぞれ独立に不図示の
排気装置が接続されており、排気3006、3010、
3016、3022、3031として排気が行われ、そ
れぞれのチャンバーをそれぞれの低圧に保つ。チャンバ
ー間に設けられたガスゲートのガスは、隣り合うチャン
バーの排気を通して排出される。これらのチャンバーの
動作圧力は、少なくとも1/100気圧以下であり、1
×10-7Paが達成されることもある。
【0065】これら低圧(真空といっても良い)を実現
するために、ロータリーポンプ、メカニカルブースター
ポンプ、ディフュージョンポンプ、クライオポンプ、タ
ーボ分子ポンプ、サブリメーションポンプなどが、その
真空度、排気速度、装置コストとの兼ね合いから選択さ
れる。さらにこれらのポンプを組み合わせることもあ
る。それぞれのチャンバーやガスゲートは、これらの真
空を保持するために、SUSやAlやガラスなどで形成
され、必要に応じて溶接がなされる。またそれぞれ同士
の接続は、バルブ、フィッティング、ガスケットやOリ
ングを用いて行われる。
【0066】Alスパッタチャンバー内には、Alター
ゲット3012が配置されている。Alは、純Alの
他、Mg、Si、Fe、Mn、Ni、Co、Cr、Z
n、P、Cuなどの金属を少量含んでいても良い。Al
は通常、銅製のバッキングプレートの上に、電気伝導と
熱伝導を良好に保って配置され、このバッキングプレー
トはその裏面を水冷して発生する熱を放熱する。またバ
ッキングプレートには、外部電源から負のDC電位が印
加され、バッキングプレート後方に置かれた磁石から磁
力のサポートでプラズマが発生される。プラズマを良好
に保つため、Arガスを数mtorr〜数百mtorr
の圧力になるように導入する。磁石の強さは100ガウ
ス〜数kガウスとされる。
【0067】酸素プラズマチャンバー3015内には、
カソード3018が配置されている。カソード3018
は、金属であれば良いが、特に相互汚染を防止する観点
からは、前工程のスパッタで用いられるターゲットと同
じ材質のものがより好ましい。カソード3018はAl
スパッタでのAlターゲット同様、銅製のバッキングプ
レートの上に、電気伝導と熱伝導と良好に保って配置さ
れ、このバッキングプレートはその裏面を水冷して発生
する熱を放熱する。また同じく、バッキングプレートに
は、外部電源から負のDC電位が印加され、バッキング
プレート後方に置かれた磁石からの磁力のサポートでプ
ラズマが発生される。プラズマを良好に保つため、Ar
ガスを数mtorr〜数百mtorrの圧力になるよう
に導入する。酸素プラズマチャンバー3015では、A
rガスに加えて、0.01%〜100%割合の酸素ガス
が導入される。即ち、酸素流量が極めて少なくともプラ
ズマが安定に生成し、パワーが極めて小さい場合にはA
rガスをなしとすることもできる。本酸素プラズマチャ
ンバー3015での処理パワーは、後述するように、反
射特性と太陽電池を形成してそのシリーズ抵抗とから定
めるのが良いが、通常1kW以下のパワーが用いられ
る。一方で、パワーが大きすぎると、カソード3018
の物質がスパッタされて成膜されてしまうので好ましく
ない。この限界は実験的に求めることができる。
【0068】ZnOスパッタチャンバー3021内に
は、ZnOターゲット3024が配置されている。機械
的な配置並びに部品はAlのターゲット周りと同様であ
る。ZnOは酸化物で電気抵抗がAlのターゲットより
大きいため、印加するDC電位が大きくなる。従って、
アーキングなどの異常放電に対する設計が厳密になるな
どの制約がある。即ち、ターゲットとアースシールドの
間隙はArガスが所定の圧力でプラズマ暗部を形成する
ように、最適な距離だけ離す必要がある。図3の装置で
は約4mmとした。また、マグネトロン効果が最適とさ
れるように、Ar圧力とDC印加電位とに合わせて磁石
による磁束密度を選択する。通常マグネトロン条件にな
る磁力密度は百ガウス〜数百ガウスなので、多少離れて
配置される磁石の強度は数百〜千数百ガウスとされる。
【0069】DCマグネトロン方式のスパッタを選んだ
場合、ターゲットの電気抵抗がある程度低くなくてはな
らず、このため、ターゲットの作製がホットプレス法に
よらねばならず、ターゲットのコスト高につながること
が各所で指摘されている。コールドプレス法による電気
抵抗の高いターゲットを用いて、RFスパッタにて実現
することも可能である。この場合、磁石はあった方が放
電で安定して良いが必ずしも必要ではなく、ターゲット
コストを著しく低減できる。但し、放電部分のターゲッ
ト設計は、DCマグネトロン方式の方が楽であり、特に
図3のような長尺連続プロセスの場合には、放電漏れに
よる影響を皆無とすることができる。
【0070】ZnOのスパッタ成膜は、殆どArガスで
行われる。場合によっては酸素が添加されることもある
が、その量は少量である。また、放電のパワーは十分に
投入する必要があり、図3の装置では1kWを超えてい
る。
【0071】図3に示されるようなスパッタ装置及び該
装置による堆積膜には次のような利点がある。
【0072】(1)装置は、気相プロセスであるためク
リーンで、使用ガスがAr、酸素、水素であるため、有
毒物を発生しない。また、気相プロセスであるため、後
続のプロセスへの水を主とする脱ガスの影響が僅少であ
る。また、室温から数百℃の温度に対応することが可能
であり、多くの種類の膜の成膜に対応することができ
る。
【0073】(2)得られる膜は一般に緻密であり、密
着性に優れている。また化学量論比からずれた組成の化
合物もさほど面倒なく成膜することができる。また、微
量或いは少量のドーピングもターゲットに含有させたり
ガスから供給することによって可能である。
【0074】(3)Alでは1%前後の金属(Cu、M
g、Ni)やホウ素、酸素を添加していくと、800n
mでの反射率が上がることが見出されている。但し、こ
のAlのケースはブリルアン・ゾーンのW点での吸収を
結晶性を崩すことによって減らしているため、800n
m以外の反射率は若干の減少を同時に伴う。
【0075】(4)ZnOなど成膜条件によって抵抗値
の変動し易い材料では、ドーピングの効果が大きい。L
iなどのI族元素がターゲット中にあると、成膜したZ
nO膜中の酸素欠陥を補償し、キャリア密度を下げ抵抗
が高くなる。逆に、AlなどIII族元素がターゲット
中にあると、キャリア密度が上り抵抗が低くなる。
【0076】当該スパッタによるZnOのモルフォロジ
ーは、原因はよく掴めていないものの、c軸に配向した
柱状の多結晶である。柱の径は、1000Åより小さい
のが一般的であり、膜表面にはこの径より大きな、しか
し高低差の極めて小さい凹凸が発達する。この凹凸は本
発明が目指すような、太陽電池の光閉じ込めに用いる凹
凸としては膜厚が小さい場合不十分である。
【0077】図1(a)に本発明の酸化亜鉛層付基板の
一例の断面模式図を示す。図中、1001は支持基板
(以下、単に「基板」ともいう)、1002は金属アル
ミニウム層、1003はc軸に配向した酸化亜鉛層、1
004はc軸の傾いた酸化亜鉛層である。また、図1
(b)には、本発明の酸化亜鉛層付基板の他の例の断面
模式図を示す。図中、1005は酸化アルミニウム層で
ある。
【0078】(基板)本発明において、基板1001と
しては、先に説明した電析装置や真空装置に好適な長尺
基板が好ましく、膜成膜面に電気的な導通が取れ、電析
浴2016に侵されないものであれば使用することがで
きる。具体的には、SUS、Al、Cu、Fe、Crな
どの金属が用いられる。これらの中でも、素子化プロセ
スを後工程で行うには、SUSが比較的安価で防食性に
優れ、長尺基板としては優れている。基板1001表面
は、平滑でも良いし、粗面でも良い。さらに、これらの
基板は別の導電性材料が成膜されていても良く、電析の
目的に応じて選択される。
【0079】(金属アルミニウム層)本発明の金属層と
して好適な金属アルミニウム層1002を形成するため
のアルミニウムとしては、純Al(純度5N)を始め、
Si、Cu、Mg、Zn、Ni、Crなどを含有し、ま
た合金とされたものが使用可能である。スパッタ法で形
成するには、所望の膜と同一組成のAl金属を用いると
良い。またスパッタ時には基板温度を100℃以下とす
ることにより、平滑で黒化しない金属アルミニウム層が
得易く、好ましい。
【0080】純Alは800nm近傍で光の吸収を持
つ。これは特にa−Si(アモルファスSi)やa−S
iGe(アモルファスSiGe)或いは微結晶Siもし
くは結晶Siを用いた太陽電池の有効光利用域と重なる
ため、反射する光の利用が減って多少具合が悪い。ここ
に、Si、Cu、Mg、Zn、Ni、Crなどの金属
や、酸素、窒素、ホウ素などを1%前後で添加すると、
800nm反射率を改善できることがある。その場合、
800nm以外の反射率を下げるので、素子に合わせた
添加量を選ぶ必要がある。光特性は、添加量が0.1%
以下であると、純Alと同一と考えて差し支えない。
【0081】また、スパッタ・ターゲットの組成によっ
て、成膜されるAl膜のモルフォロジーが変化する。特
に、Siを添加した系では、1000Å程度の微結晶の
発達を見る。これは、粒界が形成され易くなったためで
ある。本発明では、積極的な凹凸は後続の層で形成され
るから、特に影響はないが、特段にここで結晶粒を形成
する必要はない。
【0082】本発明において、金属アルミニウム層10
02の膜厚は、500Å以上1μm以下で、特に光学的
な反射率を確保するためには1000Å以上であること
が好ましく、機械的な密着性を確保するためには500
0Å以下であることが望ましい。さらに光の反射能を保
持するために、2500Å以下とするのがより好まし
い。
【0083】本発明においては、金属アルミニウム層1
002の表面を酸素プラズマ中で酸化して酸化アルミニ
ウム薄層を形成しておくことが望ましい。この酸化アル
ミニウム層は、スパッタ成膜された金属アルミニウム層
表面を酸素プラズマ中でプラズマに曝して得られるもの
で、極めて薄い膜厚を持つ。この酸化アルミニウム薄層
1003は、真空プロセスでAl 2 3を出発材料として
形成した酸化アルミニウムや、陽極化成や陽極酸化によ
り溶液中でアルミニウム表面に形成される酸化アルミニ
ウムはもちろん、酸素プラズマ中で、過激な条件に曝し
た時に形成される酸化アルミニウム膜より、さらに酸素
が少ないか膜厚が薄い。その作製原理から酸化アルミニ
ウム(膜中に酸素とアルミニウムを含むという意味)以
外のものが形成されているとは考えられず、しかもこの
酸化アルミニウムは、光学測定による干渉から膜厚・屈
折率の決定や、XMA(X線マイクロアナライザ)によ
る組成分析がほとんど不可能というものである。
【0084】しかしながら、Alへの酸素混入が大きく
なる時に観測される、電気抵抗値の増大や、後続プロセ
スの酸化亜鉛が蓄積された時の反射率減少が少なくなる
ことから、間違いなく酸化アルミニウム薄層が形成され
ていると考えるべきで、その程度は、後続プロセスの膜
堆積が完了した時点での、反射率と電気抵抗の値から決
められる。
【0085】即ち、酸素混入を大きくして酸化アルミニ
ウムの酸素量ないし膜厚を増やしていくと、電気抵抗は
増していく。これは化学量論的酸素量が増えて絶縁体で
あるAl 2 3の特性が主になっていくためと考えられ
る。また一方、酸化アルミニウム薄層の酸素量が少ない
と、アルミニウム層と酸化亜鉛層の酸素の相互移動によ
って、酸化亜鉛層から酸素が離脱し、金属亜鉛を形成
し、そのことにより反射率が下がってしまう。この様子
の一例は後述する実施例6において図15として示す。
この例では、二つの波線の間の領域が本発明に好適な酸
化アルミニウムの特性範囲ということができる。
【0086】(c軸に配向した酸化亜鉛層)本発明にお
いて、酸化亜鉛層はc軸に配向する酸化亜鉛層1003
とc軸の傾いた酸化亜鉛層1004からなる。典型的な
それぞれの膜の表面SEM(走査型電子顕微鏡)像を図
4及び図5に示す。
【0087】c軸に配向する酸化亜鉛層1003は、ス
パッタで形成されるもので、XRD(X線回折装置)に
より殆どの回折がZnOの〈0002〉ピークであるこ
とから、その同定ができる。FIB(Focused
Ion Bombardment)による観察では、わ
ずかに末広がりに広がって成長していく柱状構造を見る
ことができ、その柱の径はほぼ1000Å程度である。
図4に示すSEM像では、二次構造である表面凹凸が見
られる。これはいくつかの柱状結晶が集まったものであ
り、この酸化亜鉛の膜厚が5000Å程度では、AFM
(原子間力顕微鏡)では10°より小さい傾斜しか観察
されない。
【0088】c軸に配向する酸化亜鉛層1003の膜厚
は500Å〜1μmで、後続の電析法において溶出する
可能性があり、Alが直接顔を出すと異常成長の原因と
なるから、1500Å以上とすることが好ましい。ま
た、電析時における割れや剥離の発生を防止する上では
膜厚は薄い方が良く、好ましくは2500Å以下であ
る。
【0089】(c軸の傾いた酸化亜鉛層)c軸の傾いた
酸化亜鉛層1004は、簡単には硝酸亜鉛の濃度が0.
1mol/lより濃い場合の電析で形成されるもので、
XRDによりZnOの〈0002〉ピークが粉末サンプ
ル(JCPDSカードのデータ)に比べて小さいことか
ら、その同定ができる。また、図5のSEM像に示すよ
うに、その多結晶構造は極めて特徴的で、本発明が目的
とする光閉じ込め効果を意図する光の波長程度の結晶粒
からなっている。この結晶粒は、膜厚が小さい時も同様
に発達する。膜厚が1μmを超えるとAFMによる傾斜
は20°をゆうに超え、40°に至ることもある。c軸
の傾いた酸化亜鉛層1004の膜厚は5000Åあると
良好な凹凸の効果を示すようになり、好ましくは1μm
以上とする。
【0090】c軸の傾いた酸化亜鉛層は、例えば平滑な
銅などの上に成膜すると、非常にしばしば、基板の曲げ
に伴う剥離を簡単に起こしてしまう。しかしながら、c
軸に配向する酸化亜鉛上に形成されると、c軸に配向す
る酸化亜鉛が1000Åと薄く、また、c軸の傾いた酸
化亜鉛が2μmと厚くとも、180°基板を折り曲げて
も剥離は目視でほとんど観察されない。さらに、c軸の
傾いた酸化亜鉛はSEM像からは割れ易いように考えら
れるが、300kg/cm2の静水圧をかけてもその構
造変化を見ることはないものである。
【0091】本発明の反射層の全反射率(直達光+純散
乱光の強度の入射光に対する割合)は、積分球を用いた
反射分光器をもって測定する。較正を銀の平滑面サンプ
ルで行う。そのため、膜面が極めて良好な散乱面となっ
ている場合、全反射率が多少数値的に小さく出てくる可
能性もあるが、拡散板を常に同じもの(分光器付属の拡
散板)として定義する。拡散板を用いないで測定する
と、直達成分が測定でき、全反射率から減じてやると、
散乱成分即ち散乱反射率を評価することができる。
【0092】全反射率は、形成された反射層の内部で、
光の吸収されている程度を示すもので、これは100%
に近い方が良い。また、散乱反射率は、全反射に近いも
のが太陽電池の反射層としては優れている。但し、金属
反射層と誘電体層との積層体となっているため、反射ス
ペクトルは干渉による強弱を呈する。ここで定義する全
反射率も、また反射の散乱反射率も、800nmを境と
し、その前後での極大と極小の平均をもってする。即
ち、全反射率は、干渉がある限り100%となることは
ない。また、この値は、見た目ほど数値となって反映さ
れない。現実の値として、50%の全反射率は、黒ずん
だ表面を呈し、太陽電池の光収集が悪くJsc(短絡電流
密度)が極めて悪いものである。一方で、60%以上の
ものは良好な特性を示し、Alを用いる限り、70%を
超えるものは得られない。
【0093】本発明において、反射率の指標として80
0nmを用いるのは、ここでAlが吸収を持ち、反射の
極小を示すからである。また、同時に光閉じ込め効果が
如実に反映される波長だからでもある。
【0094】本発明の反射層の最表面を形成するc軸の
傾いた酸化亜鉛層の結晶粒の平均粒径は、SEM像から
読み取る(楕円が観察された場合は長径を読む)。電析
法によるc軸の傾いた酸化亜鉛の粒径は、基板の凹凸が
大きい程、また溶液濃度が大きい程、温度が低いほど、
大きくなる。またフタル酸などの添加剤によっても大き
く制御することができる。
【0095】こうして粒径を変化させた実験を行うと、
0.4〜1.2μmの粒径を持つ時に、好ましい結果が
得られることが光収集効率測定(Qカーブ測定)から明
らかになった。即ち、c軸の傾いた酸化亜鉛層がない場
合、光収集効率測定による電流値(収集されたキャリア
を電流に換算したもので、トリプル構造のセルでは、ボ
トム・ミドル・トップそれぞれのセルの電流の合計とな
る)は、20mA/cm2程度であったのに対し、0.
4〜1.2μmの粒径を持つc軸の傾いた酸化亜鉛層が
ある場合には、10%程度の改善を見ることが判明し
た。従って、本発明においても、当該粒径を0.4〜
1.2μmに形成することが好ましい。
【0096】本発明の反射層の最表面を形成するc軸の
傾いた酸化亜鉛層表面の結晶粒の傾斜角は、AFMを用
い、針先の動きの平均角をもって測定する。通常はAF
Mにそのようなモードが設定されている。
【0097】電析法によると、例えば0.005mol
/lという溶液濃度を用いると、c軸に配向した粒を持
つ酸化亜鉛が成長することが判明している。そこで、ス
パッタで形成し表面を0.2%の酢酸で軽くエッチング
した酸化亜鉛上に形成すると、0.8μmの粒径を持つ
c軸に配向した酸化亜鉛多結晶膜を形成することができ
る。こうして比較を行うと、一般に、c軸が傾き、AF
Mによる傾斜角が大きいものほど、収集電流は大きいこ
とがわかった。
【0098】AFMによる傾斜角を15°以上とする
と、極めて良好な収集電流が期待されるが、スパッタ法
でそれを達成することは極めて困難である。一方、電析
法を用いると、基板、溶液濃度、温度を選択することに
より、それが可能となる。そのため、通常は温度を75
〜95℃とし、溶液濃度は0.1mol/lとすると良
い。本発明の反射層の電気抵抗は、膜の面積1cm2
たりの基板に垂直な方向の抵抗値で定義される。膜と水
平な方向の電気抵抗値は実質考慮しなくても良い。評価
として最も良い方法は、本発明の反射層上に抵抗値が既
知のセルを形成して太陽電池を構成し、該太陽電池のI
V測定で求めた垂直方向の抵抗から、上記セルの抵抗値
を減じることにより求める。簡便には、サンドイッチ型
の電極を形成して測定しても良い。
【0099】本発明の反射層の電気抵抗は、基板100
1、金属アルミニウム層1002、c軸に配向する酸化
亜鉛層1003、c軸の傾いた酸化亜鉛層1004、
(金属アルミニウム層表面を酸化プラズマ処理した場合
には、酸化アルミニウム層1005も含む)のそれぞれ
のバルクの抵抗値と、界面の抵抗値を加えたものとなっ
ている。この抵抗値を、本発明者等が太陽電池を形成し
てそのIVから適用可能な値を検討したところ、膜の面
積1cm2当たり20Ω以下であった。この値より大き
くなると、IV以上が発生したり、膜の環境安定性が著
しく阻害された。
【0100】
【実施例】[実施例1]幅350mm、厚さ0.15m
mの表面2D処理済みの、長尺SUS430基板を用
い、図2と図3に示される装置を用いて、酸化亜鉛層付
基板を形成した。
【0101】図3のスパッタ装置による成膜条件は、長
尺基板の搬送速度を800mm/sec、Alスパッタ
電力を3.2kW、Alスパッタ時のArガス流量を5
0sccm、Alスパッタ時の基板温度を70℃、酸素
プラズマ処理時の電力を0.1kW、酸素プラズマ処理
の酸素ガス流量を10sccm、酸素プラズマ処理の基
板温度を60℃、ZnOスパッタ電力を3.2kW、Z
nOスパッタ時のArガス流量を50sccm、ZnO
スパッタ時の基板温度を350℃、ガスゲートのガス流
量をいずれもArで50sccmとした。Alの膜厚は
1000Å、ZnOの膜厚は2000Åに設定した。
【0102】図2の電析装置による成膜条件は、長尺基
板の搬送速度を500mm/sec、電析浴濃度を0.
2mol/l、電析浴温度を85℃、電析電流密度を
1.2mA/cm2とした。これにより、粒径が1.0
μmの多結晶からなるc軸の傾いた酸化亜鉛層が1.1
μm形成された。800nmにおける全反射率は67%
であり、散乱反射率は55%と、目視では干渉色がぼや
けて見えるだけで、良好な散乱面であった。AFMにて
傾斜角を測定すると、その平均は21°であり、Raは
65nmであった。
【0103】この酸化亜鉛層付基板上に、トップにa−
Si、ミドルにa−SiGe、ボトムにa−SiGeの
活性層を持つpinのトリプルセルを作製した。ITO
の上部電極を形成して疑似太陽光AM1.5の下で太陽
電池測定を行った。1cm2当たりのシリーズ抵抗は3
4Ωであり、トリプル層のみのシリーズ抵抗は28Ωで
あった。よって、本実施例の反射層の膜厚方向の抵抗は
6Ωである。また、光収集電流は23.4mA/cm2
であり、スパッタのみで形成した反射層の20.5mA
/cm2に比べ、大きな改善が示された。
【0104】[実施例2]実施例1において、2D表面
のSUS基板に代えて、平滑性の良いBA処理基板を用
いた以外は実施例1と同じ手順で各層を成膜した。但
し、凹凸の発達が遅かったため、ZnOスパッタ時の基
板温度は350℃に変えて380℃とした。
【0105】得られた酸化亜鉛層付基板上に、実施例1
と同じトリプルセルを構成し、ITOの上部電極を形成
して疑似太陽光AM1.5の下で太陽電池測定を行っ
た。その結果、1cm2当たりのシリーズ抵抗は30Ω
であり、トリプル層のみのシリーズ抵抗は28Ωである
から、本実施例の反射層の膜厚方向の抵抗は2Ωであっ
た。また、光収集電流は23.1mA/cm2であり、
実施例1同様、スパッタのみで形成した反射層の20.
5mA/cm2に比べ、大きな改善を示した。
【0106】[実施例3]実施例1において電析電流密
度を1.2mA/cm2に代えて、5mA/cm2とし
た。電流を増やした分、凹凸の形成度合いが低くなった
が、凹凸による散乱反射率のスパッタZnO膜の成膜基
板温度に対する依存性は300℃において立ち上がり、
400℃では結晶粒の平均粒径から判断して高すぎるこ
とがわかり、最適点として350℃を選択した。
【0107】上記条件で反射層を形成し、実施例1と同
様に太陽電池を形成して測定を行った。その結果、1c
2当たりのシリーズ抵抗は35Ωであり、トリプル層
のみのシリーズ抵抗28Ωを減じると、本実施例の反射
層の膜厚方向の抵抗は7Ωであった。また、光収集電流
は22.9mA/cm2であり、実施例1と同様、スパ
ッタのみで形成した反射層の20.5mA/cm2に比
べて大きな改善が見られた。
【0108】[実施例4]幅350mm、厚さ0.15
mmの表面2D処理済みの、長尺SUS430基板を用
い、図2と図3に示される装置を用いて、酸化亜鉛層付
基板を形成した。
【0109】図3のスパッタ装置による成膜条件は、長
尺基板の搬送速度を800mm/sec、Alスパッタ
電力を3.2kW、Alスパッタ時のArガス流量を5
0sccm、Alスパッタ時の基板温度を70℃、酸素
プラズマ処理時の電力を0.1kW、酸素プラズマ処理
の酸素ガス流量を10sccm、酸素プラズマ処理の基
板温度を60℃、ZnOスパッタ電力を3.2kW、Z
nOスパッタ時のArガス流量を50sccm、ZnO
スパッタ時の基板温度を400℃、ガスゲートのガス流
量をいずれもArで50sccmとした。Alの膜厚は
2000Å、ZnOの膜厚は2000Åに設定した。
【0110】図2の電析装置による成膜条件は、長尺基
板の搬送速度を500mm/sec、電析浴濃度を0.
2mol/l、電析浴温度を85℃、電析電流密度を
1.2mA/cm2とした。これにより、粒径が1.0
μmの多結晶からなるc軸の傾いた酸化亜鉛層が1.1
μm形成された。800nmにおける全反射率は67%
であり、散乱成分は55%と、目視では干渉色がぼやけ
て見えるだけで、良好な散乱面であった。AFMにて傾
きを測定すると、その平均は24°であった。
【0111】この酸化亜鉛層付基板上に、トップにa−
Si、ミドルにa−SiGe、ボトムにa−SiGeの
活性層を持つpinのトリプルセルを作製した。ITO
の上部電極を形成して疑似太陽光AM1.5の下で太陽
電池測定を行った。1cm2当たりのシリーズ抵抗は3
4Ωであり、トリプル層のみのシリーズ抵抗は28Ωで
あった。よって、本実施例の反射層の膜厚方向の抵抗は
6Ωである。また、光収集電流は23mA/cm2であ
り、スパッタのみで形成した反射層の20.5mA/c
2に比べ、大きな改善が示された。
【0112】[実施例5]実施例4において、2D表面
のSUS基板に代えて、表面が鏡面に近いBA(ブライ
ト・アニール)の基板を用いた。当該基板に、実施例4
と同様にして図3のスパッタ装置を用いて、金属アルミ
ニウム層、酸化アルミニウム薄層、c軸に配向した酸化
亜鉛層をそれぞれ形成した。スパッタ装置による膜面は
ほとんど鏡面であり、目視では顔が映るような面であっ
た。この上に、電析電流密度を2mA/cm2として膜
厚と1.8μmとする以外は実施例4と同様にして図2
の電析装置を用いてc軸の傾いた酸化亜鉛層を形成し
た。
【0113】得られた反射層の800nmにおける全反
射率は64%、散乱反射率は47%、傾斜角の平均は1
9°であり、良好な散乱面となっていた。この反射層上
に、実施例4と同じトリプルセルを構成し、評価を行っ
た。反射層の垂直方向の1cm2当たりの抵抗は1.3
Ω、光収集電流は22.7mA/cm2であり、BA基
板においても良好な結果が得られた。
【0114】[実施例6]酸素プラズマ処理のパワー
を、0.1kW刻みで0から0.5kWまで変えて酸化
アルミニウム層を形成した以外は、実施例4と同様にし
て反射層を形成し、反射層の全反射率、及び実施例4と
同様のトリプルセルを形成した時のシリーズ抵抗を調べ
た。その結果を図15に示す。図15より、酸素プラズ
マ処理によって形成すべき酸化アルミニウム薄層は、
0.1kW弱〜0.2kWのパワーで良好に形成される
ことがわかった。
【0115】一方で、金属アルミニウム層の膜厚、c軸
に配向した結晶粒を有する酸化亜鉛層の膜厚は、それら
を変化させても太陽電池特性に大きな変化は生じなかっ
た。また、c軸に傾いた結晶粒を有する酸化亜鉛層の膜
厚を増大させると、膜厚に伴って太陽電池の光収集電流
が、少しずつ増大した。
【0116】幅355mm、厚さ0.125mmの2D
表面からなる、長尺SUS430基板を用い、図2と図
3に示される装置を用いて、酸化亜鉛層付基板を形成し
た。
【0117】図3のスパッタ装置による成膜条件は、長
尺基板の搬送速度を800mm/sc、Alスパッタ電
力を3.2kW、Alスパッタ時のArガス流量を50
sccm、Alスパッタ時の基板温度を70℃、ZnO
スパッタ電力を2.6kW、ZnOスパッタ時の基板温
度を250℃、ガスゲート流量をいずれもArで50s
ccmとした。Alの膜厚は1000Å、ZnOの膜厚
は1200Åに設定した。本実施例においては、酸素プ
ラズマ・チャンバーは単に通過のためだけに供した。
【0118】図2の電析装置による成膜条件は、長尺基
板の搬送速度を1000mm/sec、電析浴濃度を
0.08mol/l、電析浴温度を85℃、電析電流密
度を1.8mA/cm2とした。これにより、粒径が
0.9mmの多結晶からなるc軸の傾いた酸化亜鉛層が
0.5mm形成された。800nmにおける全反射率は
60%であり、散乱反射率は20%であり、目視では干
渉色が見られ、さらに幾分のぼやけを呈していた。AF
Mにて傾斜角を測定すると、その傾斜面の平均は15°
であり、Raは20nmであった。
【0119】この反射層を太陽電池の下部層に適用し
た。即ち、この酸化亜鉛層付基板の上に、a−Siの活
性層を持つpin構造のシングルセルを作製した。IT
Oの上部電極を形成して擬似太陽光AM1.5の下で太
陽電池測定を行った。1cm2あたりのシリーズ抵抗は
8.2Ωであり、シングルpin構造層のみのシリーズ
抵抗は7.9Ωであった。即ち、本実施例の反射層の膜
厚方向の抵抗は0.3Ωである。また、光収集電流は、
15.3mA/cm2であり、スパッタのみで形成した
反射層の15.0mA/cm2に比べ、大きな改善を示
した。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酸化亜鉛
層付基板は、光起電力素子の反射層としての反射性能に
優れ、光閉じ込め効果に優れており、結果として効率の
高い光起電力素子を安定して且つ安価に形成することが
できる。
【0121】また、酸化アルミニウム薄層を設けること
により、反射率の向上を図ることができる。
【0122】c軸の傾いた酸化亜鉛層表面の結晶粒の傾
斜角の平均を15°以上とすることにより、長波長域の
光閉じ込め効果を得て、光起電力素子に用いた場合、J
scを増大することができる。
【0123】c軸の傾いた酸化亜鉛層表面粗さRaを8
0nm以下とすることにより、長波長域の光閉じ込め効
果が最適化され、光起電力素子に用いた場合、Jscを増
大することができる。
【0124】800nmにおける全反射率を60%以上
とすることにより、800nm前後の光を効率良く反射
することができ、光起電力素子に用いた場合、Jscの増
大に寄与することができる。
【0125】800nmにおける散乱反射率を20%以
上とすることにより、800nm前後の光を効率良く閉
じ込めることができ、光起電力素子に用いた場合、Jsc
を増大することができる。
【0126】金属アルミニウムの膜厚を1000Å〜2
500Åとすることにより、光学的な反射率を確保する
ことができるとともに、その上に形成するZnO層の最
適化が容易となる。
【0127】c軸に配向した酸化亜鉛層の膜厚を150
0Å〜2500Åとすることにより、その上に設けるc
軸の傾いた酸化亜鉛層の最適化が容易となるとともに、
電析時に溶解して酸化アルミニウム層や金属アルミニウ
ム層が電析浴に触れるのを防止し、且つ、電析時におけ
る割れや剥がれの発生を防止し、効率の増大された光起
電力素子の信頼性、環境安定性を図ることができる。
【0128】基板として2D表面を有するSUSの長尺
ロールを用いることにより、基板からの溶出や不純物に
よる妨害がほとんどなく、安定な膜形成を行うことがで
きる。
【0129】基板に対して垂直方向の電気抵抗を1cm
2当たり20Ω以下とすることにより、光起電力素子に
用いた場合、その特性を容易に最適化することができ
る。
【0130】本発明の酸化亜鉛層の形成方法によると、
反射層に好適な酸化亜鉛層を安定且つ安価に形成するこ
とができ、結果として効率の良い光起電力素子を安定し
て安価に提供することができる。
【0131】電析法による酸化亜鉛層の膜厚を5000
Å以上とすることにより、得られる散乱効果及び光閉じ
込め効果を十分なものとすることができる。
【0132】電析法による酸化亜鉛層を0.15mol
/l以上の硝酸亜鉛溶液からの電析により堆積させるこ
とにより、散乱効果に優れた凹凸をその表面に効果的に
形成することができる。
【0133】基板として長尺ロール状に巻かれたSUS
板を用いることにより、スパッタ法による層も電析層に
よる層も良好に且つ安定に連続的に形成することがで
き、製品の耐久性及びスループットが高くなる。
【0134】スパッタリング法で酸化亜鉛層を形成する
際の基板温度を制御することにより、光閉じ込めを最良
とするポイントを容易に定めることができ、Jscを最適
化した太陽電池を形成するために最適な反射層を提供す
ることができる。
【0135】酸素プラズマを用いて酸化を行うことによ
り、酸化アルミニウム薄層を、金属アルミニウム層やス
パッタによる酸化亜鉛層と同一の装置内で形成できるた
め、コスト上昇を最小限に抑えることができ、また、酸
化アルミニウム薄層を形成することにより、得られる反
射層の反射率を向上することができる。
【0136】c軸の傾いた酸化亜鉛層を構成する結晶粒
の平均粒径が0.4〜1.2μmとすることにより、多
くの光起電力素子の反射層として光閉じ込め効果が期待
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化亜鉛層付基板の断面模式図であ
る。
【図2】本発明の形成方法に用いることのできる電析装
置の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の形成方法に用いることのできるスパッ
タ装置の構成を示す模式図である。
【図4】スパッタ法によるc軸に配向した酸化亜鉛層表
面のSEM像である。
【図5】電析法によるc軸の傾いた酸化亜鉛層表面のS
EM像である。
【図6】スパッタ工程における基板温度を400℃とし
てZnO膜を成膜した反射層の表面の電析ZnO膜のS
EM像である。
【図7】スパッタ工程における基板温度を350℃とし
てZnO膜を成膜した反射層の表面の電析ZnO膜のS
EM像である。
【図8】スパッタ工程における基板温度を300℃とし
てZnO膜を成膜した反射層の表面の電析ZnO膜のS
EM像である。
【図9】スパッタ工程における基板温度を250℃とし
てZnO膜を成膜した反射層の表面の電析ZnO膜のS
EM像である。
【図10】スパッタ工程において基板を加熱しないでZ
nO膜を成膜した反射層の表面の電析ZnO膜のSEM
像である。
【図11】電析ZnO膜表面の結晶粒の平均粒径の、ス
パッタZnO膜成膜時の基板温度に対する依存性を示す
図である。
【図12】反射層の反射率の、スパッタZnO膜成膜時
の基板温度に対する依存性を示す図である。
【図13】電析ZnO膜表面の結晶粒の傾斜角の平均
の、スパッタZnO膜成膜時の基板温度に対する依存性
を示す図である。
【図14】電析ZnO膜の表面粗さRaの、スパッタZ
nO膜成膜時の基板温度に対する依存性を示す図であ
る。
【図15】本発明の光起電力素子のシリーズ抵抗及び反
射率の酸素プラズマパワー依存性を示す図である。
【符号の説明】
1001 基板 1002 金属アルミニウム層 1003 c軸に配向した結晶粒を有する酸化亜鉛層 1004 c軸の傾いた結晶粒を有する酸化亜鉛層 1005 酸化アルミニウム層 2001 長尺基板 2002 基板繰り出しローラー 2003 合紙巻き上げローラー 2005 張力検出ローラー 2006 給電ローラー 2007,2058 ストッパー 2008 電源 2009 電析槽 2010,2011,2012,2026 蒸気排出ダ
クト 2015 給電バー 2016 電析浴 2017 アノード 2018 エアー吹き出し管 2019 撹拌エアー導入管 2020 電析浴液供給管 2021,2022,2028,2038〜2043
バルブ 2023 浴液循環ポンプ 2024 ヒーター 2025 電析循環槽 2027 循環ポンプ 2029 電析予備槽 2030 水洗槽 2013,2014,2031,2057,2066
支持ローラー 2032 第一水洗槽 2033 第二水洗槽 2034 第三水洗槽 2035〜2037 水供給管 2044〜2046 水循環ポンプ 2047 第一水洗循環槽 2048 第二水洗循環槽 2049 第三水洗循環槽 2050 水洗循環槽 2051 温風乾燥炉 2052 温風導入管 2053 温風回収管 2054 フィルタ 2055 熱風発生炉 2056 外気導入管 2059 蛇行修正ローラー 2060 合紙繰り出しローラー 2062 基板巻き上げローラー 2065 エアーナイフ 3001 繰り出しチャンバー 3002 繰り出しローラー 3003 長尺基板 3004 合紙巻き上げローラー 3005 繰り出し制御ローラー 3006,3010,3016,3022,3031
排気 3007,3013,3019,3025 ガスゲート 3008,3014,3020,3026 ゲートガス
供給口 3009 Alスパッタチャンバー 3011,3017,3023 ヒーター 3012 Alターゲット 3015 酸素プラズマチャンバー 3018 カソード 3021 ZnOスパッタチャンバー 3024 ZnOターゲット 3027 基板巻き上げチャンバー 3028 基板巻き上げローラー 3029 合紙繰り出しローラー 3030 蛇行修正ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 園田 雄一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 遠山 上 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮本 祐介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板上に少なくとも酸化亜鉛層を有
    する酸化亜鉛層付基板であって、該酸化亜鉛層が、前記
    支持基板側から順に、c軸に配向した酸化亜鉛層と、c
    軸の傾いた酸化亜鉛層と、を有することを特徴とする酸
    化亜鉛層付基板。
  2. 【請求項2】 前記支持基板が導電性基板である請求項
    1記載の酸化亜鉛層付基板。
  3. 【請求項3】 前記支持基板と前記酸化亜鉛層との間に
    金属層を有する請求項1又は2記載の酸化亜鉛層付基
    板。
  4. 【請求項4】 前記金属層が金属アルミニウム層である
    請求項3記載の酸化亜鉛層付基板。
  5. 【請求項5】 前記金属アルミニウム層と前記酸化亜鉛
    層との間に酸化アルミニウム層を有する請求項4記載の
    酸化亜鉛層付基板。
  6. 【請求項6】 前記酸化アルミニウム層が金属アルミニ
    ウム層を酸素プラズマ処理によって酸化して形成された
    ものである請求項5記載の酸化亜鉛層付基板。
  7. 【請求項7】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記支持
    基板と反対側の表面の結晶粒の傾斜角の平均が15°以
    上である請求項1〜6のいずれかに記載の酸化亜鉛層付
    基板。
  8. 【請求項8】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記支持
    基板と反対側の表面の表面粗さRaが80nm以下であ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の酸化亜鉛層付基板。
  9. 【請求項9】 前記酸化亜鉛層側から入射した光の全反
    射率が800nmにおいて60%以上である請求項1〜
    8のいずれかに記載の酸化亜鉛層付基板。
  10. 【請求項10】 前記酸化亜鉛層側から入射した光の散
    乱反射率が800nmにおいて20%以上である請求項
    1〜9のいずれかに記載の酸化亜鉛層付基板。
  11. 【請求項11】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の厚さが
    5000Å以上である請求項1〜10のいずれかに記載
    の酸化亜鉛層付基板。
  12. 【請求項12】 前記支持基板がSUS板である請求項
    1〜11のいずれかに記載の酸化亜鉛層付基板。
  13. 【請求項13】 前記SUS板が2D表面を有する請求
    項12記載の酸化亜鉛層付基板。
  14. 【請求項14】 前記SUS板が長尺ロール状である請
    求項12又は13に記載の酸化亜鉛層付基板。
  15. 【請求項15】 前記金属層の厚さが1000Åから2
    500Åである請求項4〜6のいずれかに記載の酸化亜
    鉛層付基板。
  16. 【請求項16】 前記c軸に配向した酸化亜鉛層の厚さ
    が1500Å〜2500Åである請求項1〜15のいず
    れかに記載の酸化亜鉛層付基板。
  17. 【請求項17】 前記支持基板表面に垂直な方向の電気
    抵抗が20Ω/cm2以下である請求項1〜16に記載
    の酸化亜鉛層付基板。
  18. 【請求項18】 基板上にスパッタリング法によってc
    軸に配向した酸化亜鉛層を形成する工程と、該c軸に配
    向した酸化亜鉛層上に電析法によってc軸の傾いた酸化
    亜鉛層を形成する工程と、を少なくとも有することを特
    徴とする酸化亜鉛層の形成方法。
  19. 【請求項19】 前記基板として導電性基板を用いる請
    求項18記載の酸化亜鉛層の形成方法。
  20. 【請求項20】 前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成
    する際に基板温度を380℃以下に設定することを特徴
    とする請求項18又は19に記載の酸化亜鉛層の形成方
    法。
  21. 【請求項21】 前記基板上にスパッタリング法により
    金属アルミニウム層を形成した後に該金属アルミニウム
    層上に前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成することを
    特徴とする請求項18〜20のいずれかに記載の酸化亜
    鉛層の形成方法。
  22. 【請求項22】 前記金属アルミニウム層を形成する際
    に基板温度を100℃以下に設定する請求項21記載の
    酸化亜鉛層の形成方法。
  23. 【請求項23】 前記金属アルミニウム層を形成した後
    に、該金属アルミニウム層表面を酸素プラズマによって
    酸化して酸化アルミニウム層を形成する請求項21又は
    22に記載の酸化亜鉛層の形成方法。
  24. 【請求項24】 前記基板として長尺ロール状に巻かれ
    たSUS基板を用いる請求項18〜23のいずれかに記
    載の酸化亜鉛層の形成方法。
  25. 【請求項25】 前記c軸に配向した酸化亜鉛層を15
    00Å〜2500Åの厚さに形成する請求項18〜24
    のいずれかに記載の酸化亜鉛層の形成方法。
  26. 【請求項26】 前記c軸に傾いた酸化亜鉛層の前記基
    板と反対側の表面で観察される結晶粒の平均粒径が2μ
    m以下となり、前記c軸の傾いた酸化亜鉛層側から入射
    した光の散乱反射率が800nmにおいて20%以上と
    なるように、前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成する
    際の基板温度を設定する請求項18〜25のいずれかに
    記載の酸化亜鉛層の形成方法。
  27. 【請求項27】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記基
    板と反対側の表面の表面粗さRaが80nm以下とな
    り、該表面の結晶粒の傾斜角の平均が15°以上になる
    ように、前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成する際の
    基板温度を設定する請求項18〜26のいずれかに記載
    の酸化亜鉛層の形成方法。
  28. 【請求項28】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層を500
    0Å以上の厚さに形成する請求項18〜27のいずれか
    に記載の酸化亜鉛層の形成方法。
  29. 【請求項29】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層を、0.
    15mol/l以上の濃度の硝酸亜鉛溶液を用いた電析
    で形成する請求項18〜28のいずれかに記載の酸化亜
    鉛層の形成方法。
  30. 【請求項30】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層側から入
    射した光の全反射率が60%以上となり、前記基板表面
    に垂直な方向の電気抵抗が20Ω/cm2以下となるよ
    うに、前記酸素プラズマ処理する際の酸素プラズマのパ
    ワーを設定する請求項23記載の酸化亜鉛層の形成方
    法。
  31. 【請求項31】 支持基板上に少なくとも酸化亜鉛層を
    有する酸化亜鉛層付基板と半導体層とを少なくとも有す
    る光起電力素子であって、該酸化亜鉛層が、前記支持基
    板側から順に、c軸に配向した酸化亜鉛層と、c軸の傾
    いた酸化亜鉛層と、を有することを特徴とする光起電力
    素子。
  32. 【請求項32】 前記支持基板が導電性基板である請求
    項31記載の光起電力素子。
  33. 【請求項33】 前記支持基板と前記酸化亜鉛層との間
    に金属層を有する請求項31又は32に記載の光起電力
    素子。
  34. 【請求項34】 前記金属層が金属アルミニウム層であ
    る請求項33記載の光起電力素子。
  35. 【請求項35】 前記金属アルミニウム層と前記酸化亜
    鉛層との間に酸化アルミニウム層を有する請求項34記
    載の光起電力素子。
  36. 【請求項36】 前記酸化アルミニウム層が金属アルミ
    ニウム層を酸素プラズマ処理によって酸化して形成され
    たものである請求項35記載の光起電力素子。
  37. 【請求項37】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記支
    持基板と反対側の表面の結晶粒の傾斜角の平均が15°
    以上である請求項31から36のいずれかに記載の光起
    電力素子。
  38. 【請求項38】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記支
    持基板と反対側の表面の表面粗さRaが80nm以下で
    ある請求項31から37のいずれかに記載の光起電力素
    子。
  39. 【請求項39】 前記酸化亜鉛層付基板における前記酸
    化亜鉛層側から入射した光の全反射率が800nmにお
    いて60%以上である請求項31〜38のいずれかに記
    載の光起電力素子。
  40. 【請求項40】 前記酸化亜鉛層付基板における前記酸
    化亜鉛層側から入射した光の散乱反射率が800nmに
    おいて20%以上である請求項31〜39のいずれかに
    記載の光起電力素子。
  41. 【請求項41】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の厚さが
    5000Å以上である請求項31〜40のいずれかに記
    載の光起電力素子。
  42. 【請求項42】 前記支持基板がSUS板である請求項
    31〜41のいずれかに記載の光起電力素子。
  43. 【請求項43】 前記SUS板が2D表面を有する請求
    項42記載の光起電力素子。
  44. 【請求項44】 前記SUS板が長尺ロール状である請
    求項42又は43に記載の光起電力素子。
  45. 【請求項45】 前記金属層の厚さが1000Å〜25
    00Åである請求項34〜36のいずれかに記載の光起
    電力素子。
  46. 【請求項46】 前記c軸に配向した酸化亜鉛層の厚さ
    が1500Å〜2500Åである請求項31〜45のい
    ずれかに記載の光起電力素子。
  47. 【請求項47】 前記酸化亜鉛層付基板の前記支持基板
    表面に垂直な方向の電気抵抗が20Ω/cm2以下であ
    る請求項31〜46に記載の光起電力素子。
  48. 【請求項48】 支持基板上にスパッタリング法によっ
    てc軸に配向した酸化亜鉛層を形成し、該c軸に配向し
    た酸化亜鉛層上に電析方によってc軸の傾いた酸化亜鉛
    層を形成して酸化亜鉛層付基板を製造する工程と、該酸
    化亜鉛層付基板上に半導体層を形成する工程と、を少な
    くとも有することを特徴とする光起電力素子の製造方
    法。
  49. 【請求項49】 前記支持基板として導電性基板を用い
    る請求項48記載の光起電力素子の製造方法。
  50. 【請求項50】 前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成
    する際に支持基板温度を380℃以下に設定する請求項
    48又は49に記載の光起電力素子の製造方法。
  51. 【請求項51】 前記支持基板上にスパッタリング法に
    より金属アルミニウム層を形成した後に該金属アルミニ
    ウム層上に前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成する請
    求項48〜50のいずれかに記載の光起電力素子の製造
    方法。
  52. 【請求項52】 前記アルミニウム層を形成する際に支
    持基板温度を100℃以下に設定する請求項51記載の
    光起電力素子の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記金属アルミニウム層を形成した後
    に、該金属アルミニウム層表面を酸素プラズマによって
    酸化して酸化アルミニウム層を形成する請求項51又は
    52に記載の光起電力素子の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記支持基板として長尺ロール状に巻
    かれたSUS基板を用いる請求項48〜53のいずれか
    に記載の光起電力素子の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記c軸に配向した酸化亜鉛層を15
    00Å〜2500Åの厚さに形成する請求項48〜54
    のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  56. 【請求項56】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記支
    持基板と反対側の表面で観察される結晶粒の平均粒径が
    2μm以下となり、前記酸化亜鉛層付基板における前記
    c軸の傾いた酸化亜鉛層側から入射した光の散乱反射率
    が800nmにおいて20%以上になるように、前記c
    軸に配向した酸化亜鉛層を形成する際の支持基板温度を
    設定する請求項48〜55のいずれかに記載の光起電力
    素子の製造方法。
  57. 【請求項57】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層の前記支
    持基板と反対側の表面の表面粗さRaが80nm以下と
    なり、該表面の結晶粒の傾斜角の平均が15°以上にな
    るように、前記c軸に配向した酸化亜鉛層を形成する際
    の支持基板温度を設定する請求項48〜56のいずれか
    に記載の光起電力素子の製造方法。
  58. 【請求項58】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層を500
    0Å以上の厚さに形成する請求項48〜57のいずれか
    に記載の光起電力素子の製造方法。
  59. 【請求項59】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層を、0.
    15mol/l以上の濃度の硝酸亜鉛溶液を用いた電析
    で形成する請求項48〜58のいずれかに記載の光起電
    力素子の製造方法。
  60. 【請求項60】 前記c軸の傾いた酸化亜鉛層側から入
    射した光の全反射率が60%以上となり、前記支持基板
    表面に垂直な方向の電気抵抗が20Ω/cm2以下とな
    るように、前記酸素プラズマ処理する際の酸素プラズマ
    のパワーを設定する請求項53記載の光起電力素子の製
    造方法。
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